JPWO2013118244A1 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

この発明は、プレイグニッションを実際に発生させなくても、その発生頻度が反映された目標温度領域に基いて燃焼室の壁面温度を適切に制御し、プレイグニッションの発生を抑制することを目的とする。ECU50は、燃焼室14の壁面温度またはこれと相関するエンジン水温等を壁温パラメータとして取得する。また、ECU50は、壁温パラメータの温度領域のうち、プレイグニッションの発生頻度が最小となる領域であるプレイグニッション抑制温度領域のデータを備える。そして、プレイグニッション好発運転領域Aにおいては、冷却水量可変機構38を作動させることにより、壁温パラメータがプレイグニッション抑制温度領域に収まるように制御する。これにより、プレイグニッションを実際に発生させたり、これを検出する手段を設置しなくても、壁温パラメータの温度制御だけでプレイグニッションの抑制効果を得ることができる。

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、プレイグニッション(点火前の自着火)に対応した制御を実行する内燃機関の制御装置に関する。
従来技術として、例えば特許文献1(日本特開平11−36965号公報)に開示されているように、燃焼室内の温度(壁面温度)に基いてプレイグニッションの発生を検出する機能を備えた内燃機関の制御装置が知られている。
尚、出願人は、本発明に関連するものとして、上記の文献を含めて、以下に記載する文献を認識している。
日本特開平11−36965号公報 日本特開2003−83127号公報 日本特開2004−44543号公報 日本特開2005−240723号公報 日本特開平11−13512号公報
上述した従来技術では、燃焼室の壁面温度に基いてプレイグニッションの発生を検出することはできるが、壁面温度がプレイグニッションを誘発し易い状態となっても、この状態を効果的に解消することができないという問題がある。特に、過給機付きエンジンにあっては、低回転高負荷領域でプレイグニッションが発生し易いので、プレイグニッションを回避する効果的な制御が必要となる。即ち、従来技術では、プレイグニッションが発生しないように燃焼室の壁面温度を最適化する制御に改善の余地がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、プレイグニッションを実際に発生させなくても、プレイグニッションの発生頻度が反映された目標温度領域に基いて燃焼室の壁面温度を適切に制御し、プレイグニッションの発生を抑制することが可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
第1の発明は、内燃機関のシリンダ壁温または当該シリンダ壁温に対応するパラメータを壁温パラメータとして取得する壁温パラメータ取得手段と、
前記シリンダ壁温を変化させることが可能なシリンダ壁温可変手段と、
プレイグニッションの発生頻度と前記シリンダ壁温との関係に基いて設定された温度領域であって、プレイグニッションの発生頻度が周囲の温度領域よりも低下するプレイグニッション抑制温度領域を予め記憶したプレイグニッション温度領域記憶手段と、
内燃機関を実際に運転している領域である実運転領域が所定のプレイグニッション好発運転領域に入っている場合に、前記シリンダ壁温可変手段を用いて前記壁温パラメータが前記プレイグニッション抑制温度領域に収まるように制御するシリンダ壁温制御手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明によると、前記シリンダ壁温可変手段は、内燃機関に供給される冷却水量を調整する冷却水量可変機構を備え、
前記シリンダ壁温制御手段は、前記壁温パラメータが前記プレイグニッション抑制温度領域から外れた場合に、前記冷却水量可変機構を用いて冷却水量を変化させることにより前記壁温パラメータを前記プレイグニッション抑制温度領域に収める構成としている。
第3の発明は、前記実運転領域が前記プレイグニッション好発運転領域に入った状態において、前記壁温パラメータが前記プレイグニッション抑制温度領域から外れた場合に、内燃機関の運転状態を変化させてプレイグニッションの発生を抑制するプレイグニッション抑制手段を備える。
第4の発明は、内燃機関が冷間始動されてから前記プレイグニッション抑制手段が初めて作動する場合に、前記実運転領域が前記プレイグニッション好発運転領域に入った時点での前記壁温パラメータが高いほど、前記プレイグニッション抑制手段の作動開始時期を遅延させる遅延手段を備える。
第5の発明は、プレイグニッションの発生を検出するプレイグニッション検出手段と、
前記プレイグニッション抑制手段の作動開始前にプレイグニッションが発生した場合に、前記壁温パラメータと前記作動開始時期との関係を前記作動開始時期が早くなるように補正する遅延補正手段と、を備える。
第6の発明は、プレイグニッションが時間当たりに発生する発生頻度を検出する発生頻度検出手段と、
前記プレイグニッションの発生頻度が許容限度を超えた場合に、前記プレイグニッション抑制温度領域の範囲を可変に設定する温度領域可変手段と、を備える。
第7の発明は、排気圧を利用して吸入空気を過給する過給機を備え、
前記プレイグニッション好発運転領域は、低回転高負荷領域である構成としている。
第1の発明によれば、プレイグニッション好発運転領域では、プレイグニッションの発生頻度が反映された目標温度領域(プレイグニッション抑制温度領域)に基いて壁温パラメータ等の壁温パラメータを適切に制御し、プレイグニッションの発生を抑制することができる。即ち、プレイグニッションを実際に発生させたり、これを検出する手段を設置しなくても、壁温パラメータの温度制御だけでプレイグニッションの抑制効果を得ることができる。従って、プレイグニッションの検出手段を省略し、また、一時的にでもプレイグニッションが発生することで内燃機関が受けるダメージを最小限に抑制することができる。これにより、内燃機関の制御システムやセンサ系統を簡略化しつつ、内燃機関をプレイグニッションから保護することができる。
第2の発明によれば、壁温パラメータがプレイグニッション抑制温度領域の温度下限値よりも低い低温領域では、冷却水量可変機構により内燃機関の冷却水量を減少させることができる。これにより、壁温パラメータを速やかに上昇させてプレイグニッション抑制温度領域に収めることができる。一方、壁温パラメータがプレイグニッション抑制温度領域の温度上限値よりも高い高温領域の場合には、冷却水量可変機構により内燃機関の冷却水量を通常の冷却水量よりも増加させることができる。これにより、壁温パラメータを低下させ、プレイグニッション抑制温度領域に収めることができる。
第3の発明によれば、プレイグニッション抑制手段は、内燃機関の実運転領域がプレイグニッション好発運転領域に入った状態において、壁温パラメータがプレイグニッション抑制温度領域から外れた場合に、内燃機関の運転状態を変化させてプレイグニッションの発生を抑制することができる。従って、プレイグニッション抑制手段は、壁温パラメータ制御手段との相乗効果により、プレイグニッションをより確実に抑制することができる。
第4の発明によれば、内燃機関が冷間始動されてからプレイグニッション抑制手段が初めて作動する場合に、実運転領域がプレイグニッション好発運転領域に入った時点での壁温パラメータが高いほど、プレイグニッション抑制手段の作動開始時期を遅延させることができる。即ち、低温領域において、壁温パラメータが高い場合には、プレイグニッションが発生し難いので、プレイグニッション抑制制御手段を出来るだけ作動させない(遅い時期に作動させる)ようにする。一方、壁温パラメータが低い場合には、プレイグ好発運転領域に突入したときにプレイグニッションが発生し易いので、プレイグニッション抑制制御手段を出来るだけ早期から作動させる。これにより、プレイグニッションの発生頻度を抑制しつつ、内燃機関の運転性や排気エミッションを確保することができる。
第5の発明によれば、遅延補正手段は、プレイグニッション抑制手段の作動開始前にプレイグニッションが発生した場合に、当該作動開始時期と壁温パラメータとの関係を作動開始時期が早くなるように補正することができる。これにより、プレイグニッション抑制手段の作動開始時期と壁温パラメータとの関係を、プレイグニッションの発生状態に基いて学習することができる。
第6の発明によれば、例えば燃料性状の変化やプレイグニッションの発生頻度の経時変化等により、ベース状態(補正前)のプレイグニッション抑制温度領域が最適な領域からずれていたとしても、プレイグニッションの実際の発生頻度に基いて補正後の温度領域を最適な領域に合わせることができる。従って、外乱の影響を吸収し、壁温パラメータを適切に制御することができる。しかも、燃料性状や機関特性の経時変化を検出するための特別な機構やセンサ等を使用しなくても、プレイグニッションの発生頻度のみをパラメータとして、プレイグニッション抑制温度領域を補正することができるので、システムを簡略化してコストダウンを促進することができる。
第7の発明によれば、過給機付きの内燃機関において、低回転高負荷領域でプレイグニッションが発生し易い場合でも、壁温パラメータがプレイグニッション抑制温度領域に収まるように適切に制御し、プレイグニッションの発生を抑制することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。 プレイグニッション好発運転領域を示す説明図である。 プレイグニッションが発生した場合の筒内圧を示す特性線図である。 プレイグニッション好発運転領域におけるプレイグニッションの発生頻度とシリンダ壁温との関係を示す特性線図である。 シリンダ壁温とエンジン水温との関係をデータ化したデータマップを示す特性線図である。 低温領域において、エンジンの冷却水量に応じてシリンダ壁温の上昇速度が変化する様子を示す特性線図である。 プレイグニッション抑制制御の実行領域を示す説明図である。 本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、燃料性状の変化等によりプレイグニッション抑制温度領域を高温側にシフトさせた場合を示す特性線図である。 本発明の実施の形態2において、燃料性状の変化等によりプレイグニッション抑制温度領域を低温側にシフトさせた場合を示す特性線図である。 本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3において、燃料性状の変化等によりプレイグニッション抑制温度領域を低温側にシフトさせた場合を示す特性線図である。 本発明の実施の形態4において、ECUにより実行される制御を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態5において、シリンダ壁温tが低温領域(t<温度上限値t1)であってプレイグニッションが発生し易い状態から、エンジンを始動することによりシリンダ壁温tが上昇していく様子を示す説明図である。 突入時のシリンダ壁温tからプレイグニッション抑制制御の遅延時間taを設定するための特性線図である。 本発明の実施の形態5において、ECUにより実行される制御を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態6において、突入時のシリンダ壁温tとプレイグニッション抑制制御の遅延時間taとの関係を補正する補正制御を示す説明図である。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1及び図8を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。本実施の形態のシステムは、多気筒型内燃機関としてのエンジン10を備えている。なお、図1では、エンジン10の1気筒のみを例示している。また、本発明は、単気筒を含む任意の気筒数のエンジンに適用されるものである。エンジン10の各気筒には、ピストン12により燃焼室14が画成され、ピストン12はエンジンのクランク軸16に連結されている。また、エンジン10は、各気筒の燃焼室14内(筒内)に吸入空気を吸込む吸気通路18と、各気筒から排気ガスが排出される排気通路20とを備えている。
吸気通路18には、アクセル開度等に基いて吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ22と、吸入空気を冷却するインタークーラ24とが設けられている。排気通路20には、排気ガスを浄化する三元触媒等の排気浄化触媒26が設けられている。また、各気筒には、吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁28と、筒内の混合気に点火する点火プラグ30と、吸気ポートを筒内に対して開閉する吸気バルブ32と、排気ポートを筒内に対して開閉する排気バルブ34とが設けられている。さらに、エンジン10は、排気圧を利用して吸入空気を過給する公知のターボ過給機36を備えている。ターボ過給機36は、排気浄化触媒26の上流側で排気通路20に設けられたタービン36aと、吸気通路18に設けられたコンプレッサ36bとにより構成されている。ターボ過給機36の作動時には、タービン36aが排気圧を受けてコンプレッサ36bを駆動することにより、コンプレッサ36bが吸入空気を過給する。
また、本実施の形態のシステムは、エンジン10とラジエータ(図示せず)との間を循環するエンジン冷却水の水量(冷却水量)を調整する冷却水量可変機構38を備えている。冷却水量可変機構38は、例えば日本特開2005−240723号公報、日本特開平11−13512号公報等に記載されているような公知の機構を有し、エンジン冷却水路に配置された可変容量型のポンプや、冷却水の流路を切換える切換弁等を備えている。冷却水量可変機構38は、後述のECU50により制御され、エンジンの冷却水量を増減させることによって燃焼室14の壁面温度(シリンダ壁温)を変化させることが可能なシリンダ壁温可変手段を構成している。
次に、エンジンの制御系統について説明する。本実施の形態のシステムは、センサ40〜46を含むセンサ系統と、エンジン10の運転状態を制御するECU(Electronic Control Unit)50とを備えている。まず、センサ系統について説明すると、クランク角センサ40は、クランク軸16の回転に同期した信号を出力するもので、エアフローセンサ42はエンジンの吸入空気量を検出する。また、水温センサ44は、エンジン冷却水の温度(エンジン水温tw)を検出する。エンジン水温twは、後述のようにシリンダ壁温tに対応する壁温パラメータとして用いられるもので、水温センサ44は、本実施の形態の壁温パラメータ取得手段を構成している。
筒内圧センサ46は、筒内圧を検出するもので、各気筒にそれぞれ設けられている。筒内圧センサ46は、後述のようにプレイグニッションの発生を検出するプレイグニッション検出手段を構成している。センサ系統には、この他にも、エンジンや車両の制御に必要な各種のセンサ(排気空燃比を検出する空燃比センサ、運転者のアクセル操作量を検出するアクセルセンサ等)が含まれている。これらのセンサは、ECU50の入力側に接続されている。一方、ECU50の出力側には、スロットルバルブ22、燃料噴射弁28、点火プラグ30、冷却水量可変機構38等を含む各種のアクチュエータが接続されている。
ECU50は、例えばROM、RAM、不揮発性メモリ等の記憶回路と入出力ポートとを備えた演算処理装置により構成されている。そして、ECU50は、エンジンの運転情報をセンサ系統により検出しつつ、各アクチュエータを駆動して運転状態を制御する。具体的には、クランク角センサ40の出力に基いてエンジン回転数(機関回転数)とクランク角とを検出し、エアフローセンサ42の出力に基いて吸入空気量を算出する。また、吸入空気量、エンジン回転数等に基いてエンジンの負荷状態(負荷率)を算出する。そして、クランク角に基いて燃料噴射時期や点火時期を決定し、これらの時期が到来したときには、燃料噴射弁28や点火プラグ30を駆動する。これにより、筒内で混合気を燃焼させ、エンジンを運転する。
[実施の形態1の特徴]
まず、図2及び図3を参照して、例えば過給機付きのエンジンにおけるプレイグニッションの発生傾向について説明する。図2は、プレイグニッション好発運転領域Aを示す説明図であり、図3は、プレイグニッションが発生した場合の筒内圧を示す特性線図である。過給機付きのエンジンでは、図2に示すように、例えばエンジン回転数とトルクに応じて定められる運転領域のうち、低回転高負荷領域においてプレイグニッションが発生し易い。プレイグニッションが発生した場合には、図3に示すように、通常の燃焼時と比較して最大筒内圧(Pmax)及び筒内温度が異常に高くなるので、エンジンの部品が悪影響を受け易い。なお、低回転高負荷領域とは、例えばトルクが最大出力の60〜70%以上となり、かつ、エンジン回転数が最大回転数の40〜50%以下となるような運転領域である。本実施の形態では、過給機付きのエンジンにおける低回転高負荷領域をプレイグニッション好発運転領域Aの一例として、以下の制御を説明する。
図4は、プレイグニッション好発運転領域Aにおけるプレイグニッションの発生頻度とシリンダ壁温との関係を示す特性線図である。この図に示すように、本願発明の出願人によれば、プレイグニッションの発生頻度(単位時間当たりの発生回数)は、シリンダ壁温tが所定の温度下限値t1と温度上限値t2との間に収まっているときに最小となることが見出された。以下の説明では、このようにプレイグニッションの発生頻度が最小となるシリンダ壁温の温度領域(t1≦t≦t2)を、「プレイグニッション抑制温度領域」と表記するものとする。プレイグニッション抑制温度領域は、次の理由により生じるものと考えられる。
まず、エンジンの運転中には、筒内で往復するピストンが掻き残したオイルがピストンのクレビスに溜り易い。これにより、オイル希釈率(噴射燃料がオイルに混入した割合)が増加すると、オイルの粘度が低下して油滴が筒内に飛散し易くなり、飛散した油滴は、火種となってプレイグニッションを発生させる。ここで、シリンダ壁温tが温度下限値t1よりも低い低温領域(t<t1)では、基本的に噴射燃料が蒸発し難いので、オイル希釈率が増加する傾向があり、プレイグニッションが発生し易い。しかし、この状態からシリンダ壁温tが高くなると、燃料が蒸発し易くなってオイル希釈率が低下するので、油滴が飛び難くなり、火種が減少してプレイグニッションが発生し難くなる。即ち、低温領域では、シリンダ壁温tがプレイグニッション抑制温度領域に向けて上昇するほど、プレイグニッションの発生頻度が低下することになる。
一方、シリンダ壁温tが温度上限値t2よりも高い高温領域(t>t2)では、シリンダ壁温が上昇すると、これに伴って筒内温度が上昇するので、高温による着火でプレイグニッションが発生し易くなる。即ち、高温領域では、シリンダ壁温tがプレイグニッション抑制温度領域から高温側に向けて上昇するほど、プレイグニッションの発生頻度が増加することになる。このように、プレイグニッション抑制温度領域は、プレイグニッションの発生頻度が周囲の温度領域よりも低下する特性を有し、プレイグニッションを抑制するのに最適な温度領域となる。そこで、本実施の形態では、下記のシリンダ壁温制御を実行する。なお、プレイグニッション抑制温度領域の具体的な範囲(温度下限値t1及び温度上限値t2)は、実験等により得られるものである。
(シリンダ壁温制御)
シリンダ壁温制御では、エンジンを実際に運転している領域(以下、実運転領域と称す)がプレイグニッション好発運転領域Aに入っている場合に、冷却水量可変機構38を用いてエンジンの冷却水量を変化させ、シリンダ壁温tがプレイグニッション抑制温度領域(t1≦t≦t2)に収まるように制御する。詳しく述べると、まず、本実施の形態のプレイグニッション温度領域記憶手段を構成するECU50には、プレイグニッション抑制温度領域を規定するデータ(図4中に示す特性線のデータ、または、少なくとも温度下限値t1及び温度上限値t2)が予め記憶されている。また、ECU50には、シリンダ壁温tとエンジン水温twとの関係をデータ化したデータマップ(図5参照)も予め記憶されている。そして、ECU50は、このデータマップに基いてエンジン水温twからシリンダ壁温tを算出し、例えばシリンダ壁温tが温度下限値t1よりも低い場合には、冷却水量可変機構38を制御してエンジンの冷却水量を通常の冷却水量よりも減少させる。
図6は、低温領域において、エンジンの冷却水量に応じてシリンダ壁温の上昇速度が変化する様子を示す特性線図である。ここで、通常の冷却水量とは、例えばシリンダ壁温制御の非実行時における冷却水量に相当している。この図に示す例のように、エンジンの冷却水量を減少させた場合には、シリンダ壁温tが温度下限値t1に到達するのに必要な時間がT1′からT1に短縮される。このため、低温領域では、シリンダ壁温tを速やかに上昇させてプレイグニッション抑制温度領域に収めることができる。
一方、シリンダ壁温tが温度上限値t2よりも高い高温領域の場合には、冷却水量可変機構38を制御してエンジンの冷却水量を通常の冷却水量よりも増加させる。これにより、エンジンの冷却効率を高め、シリンダ壁温tを低下させてプレイグニッション抑制温度領域に収めることができる。従って、シリンダ壁温制御によれば、エンジンの実運転領域がプレイグニッション好発運転領域Aに入った場合に、シリンダ壁温tがプレイグニッション抑制温度領域から低温側及び高温側の何れに外れていたとしても、冷却水量可変機構38によりシリンダ壁温tを当該抑制温度領域に移行させることができる。
このように、本実施の形態によれば、プレイグニッション好発運転領域Aでは、プレイグニッションの発生頻度が反映された目標温度領域(プレイグニッション抑制温度領域)に基いてシリンダ壁温tを適切に制御し、プレイグニッションの発生を抑制することができる。即ち、プレイグニッションを実際に発生させたり、これを検出する手段を設置しなくても、シリンダ壁温tの温度制御だけでプレイグニッションの抑制効果を得ることができる。従って、プレイグニッションの検出手段を省略し、また、一時的にでもプレイグニッションが発生することでエンジンが受けるダメージを最小限に抑制することができる。これにより、エンジンの制御システムやセンサ系統を簡略化しつつ、エンジンをプレイグニッションから保護することができる。
また、本実施の形態では、シリンダ壁温tを検出する特別な温度検出装置等を使用しなくても、エンジン水温twに基いてシリンダ壁温tを取得し、エンジン水温twを介してシリンダ壁温tを容易に制御することができる。具体的には、図5に示す特性データを利用して、図4及び図6中に示すシリンダ壁温の温度下限値t1及び温度上限値t2をエンジン水温の温度下限値tw1及び温度上限値tw2に予め換算しておく。この構成によれば、シリンダ壁温制御では、エンジン水温twを制御してプレイグニッション抑制温度領域(tw1≦tw≦tw2)に収めることにより、上述の場合と同様の作用効果を得ることができる。
このように、エンジン水温twを制御パラメータとして用いる場合には、既存の水温センサ44を利用することができ、特別なシリンダ壁温検出手段が必要ないので、センサ系統を簡略化し、コストダウンを促進することができる。なお、以下の説明では、他の実施の形態を含めて、エンジン水温twから求めたシリンダ壁温tを制御する場合を例示した。しかし、これらの場合においても、シリンダ壁温t1,t2等をエンジン水温tw1,tw2に予め換算しておき、エンジン水温twを制御する構成としてもよい。
(プレイグニッション抑制制御)
上述したように、シリンダ壁面制御は、プレイグニッションを効果的に抑制することができる。しかし、本実施の形態では、シリンダ壁温tがプレイグニッション抑制温度領域から外れた状態におけるプレイグニッションの抑制効果を高めるために、プレイグニッション抑制制御を実行する構成としてもよい。プレイグニッション抑制制御としては、空燃比リッチ化制御やトルクダウン(出力ダウン)制御等のような公知の制御が用いられる。一例を挙げると、空燃比リッチ化制御は、燃料の気化潜熱を利用して筒内温度を低下させ、プレイグニッションの発生を抑制するものである。
図7は、プレイグニッション抑制制御の実行領域を示す説明図である。プレイグニッション抑制制御は、エンジンの実運転領域がプレイグニッション好発運転領域Aに入った状態において、シリンダ壁温tがプレイグニッション抑制温度領域から外れた場合(即ち、前述の低温領域及び高温領域に入った場合)に実行される。そして、プレイグニッション抑制制御では、エンジンの運転状態(運転パラメータ)を変化させてプレイグニッションの発生を抑制する。このような運転パラメータとしては、例えば点火時期、燃料の噴射量及び噴射時期、点火時期、吸入空気量、吸気バルブまたは排気バルブのバルブタイミング等がある。また、プレイグニッション抑制制御は、エンジンの実運転領域がプレイグニッション好発運転領域Aに入ってから、シリンダ壁温制御によりシリンダ壁温tがプレイグニッション抑制温度領域に収められるまでの期間中に実行されるもので、シリンダ壁温tがプレイグニッション抑制温度領域に収まっているときには停止される。
上述したように、プレイグニッション抑制制御は、低温領域と高温領域の両方で実行される。これにより、例えばエンジンを冷間始動してから暖機が完了するまでの間に、シリンダ壁温tが低温領域に入っている場合には、シリンダ壁温制御によりシリンダ壁温を速やかに上昇させつつ、プレイグニッション抑制制御によりプレイグニッションの発生を抑制することができる。また、高出力運転や高温環境等が原因でシリンダ壁温tが高温領域に入っている場合にも、低温領域の場合とほぼ同様にプレイグニッションの抑制効果を得ることができる。従って、シリンダ壁温制御とプレイグニッション抑制制御との相乗効果により、プレイグニッションをより確実に抑制することができる。
ここで、シリンダ壁温tの実用上の最高値は、主としてエンジンの構造上の特性(例えばシリンダと冷却水路の位置関係、ラジエータの冷却性能)や、周囲の温度環境等の要因により定まる場合が多い。また、プレイグニッション抑制温度領域の温度上限値t2も、主としてエンジンの構造上の要因によって定まる傾向がある。従って、これらの要因によっては、冷却水量を利用したシリンダ壁温制御だけでは、高温領域に入った温度上限値t2を低下させ難いことがある。この場合には、例えばシリンダ壁温の最高値が高温領域に入らないように(または、高温領域に入った状態が一時的となるように)、エンジンの構造等を予め適切に設計しておくのが好ましい。このように構成すれば、シリンダ壁温が高温領域に入り難くなるので、高温領域では、シリンダ壁温制御を実行せずに、プレイグニッション抑制制御のみを実行する構成としてもよい。これにより、本実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
次に、図8を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図8は、本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御を示すフローチャートである。この図に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰り返し実行されるものとする。図8に示すルーチンにおいて、まず、ステップ100では、例えばエンジン回転数及び負荷率(トルク)に基いて、エンジンの実運転領域がプレイグニッション好発運転領域Aに入っているか否かを判定する。具体的に述べると、ステップ100では、エンジン回転数が所定の低回転判定値以下であり、かつ、負荷が所定の高負荷判定値以上である場合に、プレイグニッション好発運転領域Aで運転しているものと判定する。
次に、ステップ102,104では、まず、エンジン水温に基いてシリンダ壁温tを算出し、次に、プレイグニッションの発生頻度に応じてECU50に予め記憶されたプレイグニッション抑制温度領域の記憶データ(温度下限値t1及び温度上限値t2)に対して、シリンダ壁温tが属するか否かを判定する。具体的に述べると、ステップ102では、シリンダ壁温tが温度下限値t1以上であるかを判定し、この判定が不成立の場合には、プレイグニッションの発生頻度が許容限度を超えて高くなると推定する。そこで、この場合には、ステップ106において、前述のプレイグニッション抑制制御を実行する。また、ステップ108では、冷却水量可変機構38によりエンジンを循環する冷却水量を減少させ、シリンダ壁温tを速やかに上昇させる。
一方、ステップ102の判定が成立しても、ステップ104の判定が不成立の場合には、シリンダ壁温tが温度上限値t2よりも高いので、プレイグニッションが発生し易いものと判断し、ステップ110において、プレイグニッション抑制制御を実行する。なお、この場合にも、冷却水量可変機構38によりエンジンを循環する冷却水量を増加させ、シリンダ壁温tを低下させるシリンダ壁温制御を実行してもよい。さらに、ステップ102,104の何れも成立した場合には、シリンダ壁温tがプレイグニッション抑制温度領域に入っているので、当該壁温が適切に制御されているものと判断し、制御を終了する。
なお、前記実施の形態1では、図8中のステップ102,104が請求項1におけるプレイグニッション温度領域記憶手段の具体例を示し、ステップ108は、シリンダ壁温制御手段及び請求項2における冷却水量可変機構の具体例を示している。また、ステップ106,110は、請求項3におけるプレイグニッション抑制手段の具体例を示している。
また、前記実施の形態1では、プレイグニッションが発生し易い抑制温度領域と他の温度領域に応じて、プレイグニッション抑制制御やシリンダ壁面制御を使い分ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばプレイグニッションの発生し易さに応じて運転領域を3つ以上の複数の領域に分類し、個々の領域に応じてプレイグニッション抑制制御の実行度合いやシリンダ壁面制御による冷却水の流量を細かく制御してもよい。
また、前記実施の形態1では、シリンダ壁温(ボア壁温)に対応する温度パラメータとして、エンジン水温を例に挙げて説明した。この場合には、シリンダ壁温を直接検出する装置を搭載する必要がなく、システム構成を簡略化することができるものの、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、本発明では、シリンダやシリンダブロックの壁温を直接検出する構成としてもよく、また、潤滑油の温度などを温度パラメータとして用いる構成としてもよい。
また、前記実施の形態1では、過給機付きエンジン10の低回転高負荷領域において、特にプレイグニッションが発生し易い傾向に着目し、この領域をプレイグニッション好発運転領域Aとして説明した。しかし、本発明はこれに限らず、他のシステムを採用したエンジン等において、特定の運転領域でプレイグニッションが後発する傾向が存在すれば、その運転領域でプレイグニッションの発生頻度に基いてシリンダ壁温を制御する構成も含むものである。
さらに、前記実施の形態1では、図8に示すフローチャートにおいて、シリンダ壁温tが低温(温度下限値t1未満)の場合のみ、エンジンの冷却水量を減少させるシリンダ壁温制御を実行する場合を例示した。しかし、本発明はこれに限らず、シリンダ壁温tが高温(温度上限値t2以上)の場合にも、例えば図8中のステップ110の直後等において、エンジンの冷却水量を増加させるシリンダ壁温制御を実行してもよい。
実施の形態2.
次に、図9乃至11を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態では、前記実施の形態1と同様の構成及び制御に加えて、燃料性状が変化した場合に対処する制御を行うことを特徴としている。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
[実施の形態2の特徴]
上述したように、特に低温時のシリンダ壁温とプレイグニッションの発生頻度との関係は、燃料希釈の発生状況(燃料の揮発特性)に大きく影響される。即ち、前記図4に示す特性線(温度下限値t1及び温度上限値t2)は、例えばガソリン(燃料中のアルコール濃度が零)の場合のような一定の基準状態に基いて得られたものであるから、燃料性状(燃料の重質度や軽質度、燃料中のアルコール濃度や不純物の量等)によっては、図4の特性線が変化し、シリンダ壁温を適切に制御できなくなる虞れがある。
そこで、本実施の形態では、プレイグニッション抑制温度領域(特に、温度下限値t1及び温度上限値t2)におけるプレイグニッションの発生頻度を検出する。そして、この発生頻度がクライテリア(実用上の許容限度)Cを超える場合には、プレイグニッション抑制温度領域を移動した上で、シリンダ温度tがプレイグニッション抑制温度領域に収まるように制御する。具体的に述べると、図9は、本発明の実施の形態2において、燃料性状の変化等によりプレイグニッション抑制温度領域を高温側にシフトさせた場合を示す特性線図である。この図において、特性線(1)は、基準となる一定の燃料(例えば、燃料中のアルコール濃度が一定の基準値である燃料)を用いた場合(ベースの状態)における、プレイグニッションの発生頻度とシリンダ壁温との関係を示す特性線図である。一方、特性線(2)は、例えばベースの状態と比較してアルコール濃度が高いために、プレイグニッション抑制温度領域が高温側に変化した状態を示している。
プレイグニッションの発生頻度特性が特性線(2)のように変化した場合には、シリンダ温度tをそれまでの適温値(温度下限値t1)に制御しても、発生頻度がクライテリアCを超えることになる。特に、温度下限値t1においてプレイグニッションの発生頻度がクライテリアCを超える状況は、冷間始動時(低温始動時)からプレイグニッション好発運転領域Aに即座に入る過渡運転時に発生し易い。このため、温度領域補正制御では、プレイグニッションの発生頻度とシリンダ壁温tとの関係に基いてプレイグニッション抑制温度領域を補正し、発生頻度がクライテリアCを超えないような温度領域(例えば、t1′〜t2′)を、新たなプレイグニッション抑制温度領域として設定する。
具体的に述べると、温度下限値t1においてプレイグニッションの発生頻度がクライテリアCを超えた場合には、温度下限値t1を発生頻度が低下する方向(高温側)にシフトさせる。なお、上記説明では、温度下限値t1及び温度上限値t2における発生頻度がクライテリアCを超えた場合を例示した。しかし、温度領域補正制御では、プレイグニッション抑制温度領域中の任意の温度において、発生頻度がクライテリアCを超えた場合にも同様に、少なくとも当該温度における発生頻度がクライテリアC以下となるように、プレイグニッション抑制温度領域を高温側または低温側にシフトさせてもよい。また、プレイグニッションの発生頻度とシリンダ壁温tとの関係は、燃料性状毎に異なる複数のデータとしてECU50に予め記憶しておいてもよい。
一方、図10は、本発明の実施の形態2において、燃料性状の変化等によりプレイグニッション抑制温度領域が低温側にシフトした場合を示す特性線図である。この図において、特性線(3)は、例えば前述の特性線(1)と比較して燃料中のアルコール濃度が低いために、プレイグニッション抑制温度領域が低温側に変化した状態を示している。この場合には、シリンダ温度tをそれまでの適温値(温度上限値t2)に制御しても、発生頻度がクライテリアCを超えることになる。このため、温度領域補正制御では、プレイグニッションの発生頻度とシリンダ壁温tとの関係に基いてプレイグニッション抑制温度領域を補正し、発生頻度がクライテリアCを超えないような温度領域(例えば、t1″〜t2″)を、新たなプレイグニッション抑制温度領域として設定する。
なお、図10にて説明した制御動作は、温度下限値t1におけるプレイグニッションの発生頻度がクライテリアCに対して余裕がある場合、即ち、低温時の発生頻度がクライテリアCよりも小さい場合にも実行される。この場合には、更に低温の領域でもプレイグニッションの発生頻度が問題にならない程度であると判断し、温度下限値t1及び温度上限値t2をそれぞれ低温側にシフトさせる。さらに、温度領域補正制御が実行された後には、前述のシリンダ壁温制御が実行され、実際のシリンダ壁温tが補正後のプレイグニッション抑制温度領域(例えば、t1′〜t2′またはt1″〜t2″)に収まるように、シリンダ壁温tが制御される。
(プレイグニッションの検出手段)
ここで、プレイグニッションの検出手段について説明しておく。プレイグニッションの発生を検出する手段としては、例えば筒内圧センサ(CPS)、ノックセンサ(KCS)が知られている。CPSは、前記図3に示すように、プレイグニッションの発生時に最大筒内圧Pmaxが極端に大きくなるのを利用して検出動作を行う。また、KCSは、図3に示すように、プレイグニッションの発生時に特有の周波数成分が発生するのを利用して検出動作を行う。さらに、プレイグニッションが発生するときに点火プラグの電極間にイオン電流が流れるのを利用して、このイオン電流の挙動によりプレイグニッションの発生を検出する方法も知られている。
[実施の形態2を実現するための具体的な処理]
次に、図11を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図11は、本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御を示すフローチャートである。この図に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰り返し実行されるものとする。図11において、まず、ステップ200では、エンジンの実運転領域がプレイグニッション好発運転領域Aに入っているか否かを判定し、ステップ202では、プレイグニッションの発生頻度を計測する。そして、ステップ204では、温度領域補正制御を実行し、ベースの状態に対するプレイグニッションの発生頻度の変化に基いて、プレイグニッション抑制温度領域を補正する。なお、プレイグニッションの発生頻度の計測方法については後述する。次に、ステップ206〜216では、実施の形態1(図8)のステップ102〜110と同様の処理を実行し、必要に応じてシリンダ壁温制御及びプレイグニッション抑制制御を実行する。
このように構成される本実施の形態でも、前記実施の形態1とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に、温度領域補正制御によれば、例えば燃料性状の変化やプレイグニッションの発生頻度の経時変化等により、ベース状態(補正前)のプレイグニッション抑制温度領域(t1≦t≦t2)が最適な領域からずれていたとしても、プレイグニッションの実際の発生頻度に基いて補正後の温度領域(t1′≦t≦t2′)を最適な領域に合わせることができる。即ち、外的な要因によりプレイグニッションの発生を最小とする適切な温度領域が変動した場合でも、温度下限値t1及び温度上限値t2を適切な温度に補正することができる。従って、燃料性状の変化や機器の経時劣化等による影響を温度領域補正制御により吸収し、シリンダ壁温制御を適切に実行することができる。しかも、燃料性状やエンジン特性の経時変化を検出するための特別な機構やセンサ等を使用しなくても、プレイグニッションの発生頻度のみをパラメータとして温度領域補正制御を実行することができるので、システムを簡略化してコストダウンを促進することができる。
なお、前記実施の形態2では、図11中のステップ202が請求項6における発生頻度検出手段の具体例を示し、ステップ204が温度領域可変手段の具体例を示している。その手段の具体例については、図8に記載したものと同様である。また、図9及び図10中に記載されたt2_maxは、エンジンの構造等により制限されるシリンダ壁温の実現可能な最高温度を例示したものである。また、前記実施の形態2では、温度領域補正制御により温度下限値t1及び温度上限値t2を変化(シフト)させる場合に、両者のシフト量を等しく設定してもよく、異なる設定としてもよい。
実施の形態3.
次に、図12を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態では、前記実施の形態1と同様の構成及び制御において、プレイグニッション抑制温度領域の温度下限値のみを可変とすることを特徴としている。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
[実施の形態3の特徴]
プレイグニッション抑制温度領域の温度上限値t2は、本来、プレイグニッションの発生頻度に基いて設定されるのが好ましい。しかし、例えばエンジンの構造上の特性や周囲の温度環境(耐熱性等)によっては、シリンダ壁温tを温度上限値t2よりも高温側にシフトさせることが難しい場合がある。そこで、本実施の形態では、このような場合に対応する制御について説明する。図12は、本発明の実施の形態3において、燃料性状の変化等によりプレイグニッション抑制温度領域を低温側にシフトさせた場合を示す特性線図である。本実施の形態では、プレイグニッション抑制温度領域でのプレイグニッションの発生頻度がクライテリアCを超えた場合に、温度下限値t1のみを高温側または低温側にシフトさせる。このシフト動作は、冷却水量可変機構38により実行されるもので、実施の形態2と同様のものである。また、シリンダ壁温tがプレイグニッション抑制温度領域Aから低温側及び高温側に外れた場合には、前述のプレイグニッション抑制制御が実行される。
一方、温度上限値t2は、発生頻度がクライテリアCを超えたか否かに関係なく、前述の最高温度t2_maxに保持される。即ち、実施の形態2のt2′,t2″は、最高温度t2_maxに等しく設定される。また、シリンダ壁温のクライテリア温度である最高温度t2_maxは、当該温度におけるプレイグニッションの発生頻度がクライテリアCを超えないように設定する。この設定は、例えばエンジン冷却系などのハードウェアの構成を工夫することにより実現される。なお、実施の形態3の制御を具体的に実現するためには、前記実施の形態2(図11)のステップ204において、温度下限値t1のみを変更し、温度上限値をt2_maxに保持する構成とすればよい。このように構成される本実施の形態でも、前記実施の形態1とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、エンジンのハード構成に応じてシリンダ壁温を適切に制御することができる。
実施の形態4.
次に、図13を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態では、前記実施の形態1と同様の構成及び制御において、プレイグニッションの発生頻度とシリンダ壁温との関係を、燃料性状や環境の変化に基いて学習することを特徴としている。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
[実施の形態4の特徴]
学習制御では、プレイグニッションの発生頻度を検出し、温度下限値t1及び温度上限値t2を変更するときに、発生頻度と温度領域との関係を学習する。具体例を挙げると、まず、予め設定されたベースの状態において、特定の冷却水量wにてシリンダ温度tが実現されているものとする。ここで、例えば燃料性状の変化等が生じることにより、プレイグニッションの発生頻度が増加した場合には、シリンダ壁温制御により冷却水量を減少させてシリンダ壁温を上昇させ、発生頻度を減少させる。そして、プレイグニッションの発生頻度がクライテリアC以下まで減少したときに、そのときのシリンダ壁温(シリンダ壁温とプレイグニッション発生頻度との関係)を学習する。そして、この学習制御の結果は、例えば図4、図9、図10等に示す特性線の記憶データを更新することにより、ECU50に記憶される。
[実施の形態4を実現するための具体的な処理]
次に、図13を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図13は、本発明の実施の形態4において、ECUにより実行される制御を示すフローチャートである。この図に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰り返し実行されるものとする。図14に示すルーチンは、前記実施の形態2(図11)のルーチンに対してステップ300,302の学習制御を追加したものである。
このように構成される本実施の形態でも、前記実施の形態1乃至3とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、本実施の形態では、学習制御を行うことにより、例えば燃料性状の変化やエンジンの経時変化に対して柔軟に対応することができ、これらの変化が生じても、シリンダ壁温を適切に制御してプレイグニッションの発生を抑制することができる。
実施の形態5.
次に、図14乃至図16を参照して、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態では、前記実施の形態1と同様の構成及び制御において、プレイグニッション抑制制御を実行する場合に、シリンダ壁温に応じて制御の開始時期を遅延させることを特徴としている。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図14は、本発明の実施の形態5において、エンジンを冷間始動することにより、シリンダ壁温tが低温領域からプレイグニッション抑制温度領域まで上昇する様子を示す説明図である。前述したように、プレイグニッション好発運転領域Aにおいて、壁面温度tが温度下限値t1に到達するまでの時間(0〜Ta〜Tb)中には、エンジンの冷却水量を減少させるシリンダ壁面制御と、A/Fのリッチ化、トルクダウン等によりプレイグニッション抑制制御とが実行される。ただし、プレイグニッション抑制制御は、内燃機関の運転状態を変化させ、運転性や排気エミッションに影響を与え易いので、長時間の実行は回避するのが好ましい。
そこで、本実施の形態では、エンジンが冷間始動されてからプレイグニッション抑制制御が初めて作動する場合に、実運転領域がプレイグニッション好発運転領域Aに入った時点でのシリンダ壁温t(以下、突入時のシリンダ壁温tと称す)が高いほど、プレイグニッション抑制制御の開始時期Taを遅らせる制御(抑制遅延制御)を実行する。図15は、突入時のシリンダ壁温tからプレイグニッション抑制制御の遅延時間taを設定するための特性線図である。この特性線図はECU50に予め記憶されている。図15に示すように、実運転領域がプレイグニッション好発運転領域Aに入ってからプレイグニッション抑制制御が開始されるまでの遅延時間ta(=同制御の開示時期Taに対応している)は、突入時のシリンダ壁温tが高いほど大きくなるように予め設定されている。この設定は、次の理由によるものである。
まず、前提について述べると、低温領域では、基本的に燃料が蒸発し難いので、オイル希釈率が増加する傾向があり、プレイグニッションが発生し易い。しかし、低温領域では、筒内温度が低いので、飛散した油滴による火種が存在しても発火し難いので、両者のバランスに応じてプレイグニッションの発生頻度が決定される。従って、シリンダ壁温(筒内温度)の上昇等により両者のバランスが崩れると、ある温度から急激にプレイグニッションの発生頻度が上昇する。
一方、シリンダ壁温が温度下限値T1よりも低い場合には、プレイグニッション抑制を実行するが、前述したように、プレイグニッション抑制制御は車両の運転性等に影響を与える。しかし、低温領域であっても、シリンダ壁温がプレイグニッション抑制温度領域(温度下限値t1)に近い場合には、エンジンが必ずしもプレイグニッション抑制制御を必要としていない場合も多い。何故なら、プレイグニッション抑制温度領域の近傍では、前記図4に示すように、プレイグニッションの発生頻度が減少するからである。
このため、抑制遅延制御では、低温領域において、突入時のシリンダ壁温tが高いほど、即ち、突入時のシリンダ壁温tがプレイグニッション抑制温度領域に近いほど、プレイグニッション抑制制御の開始時期Taを遅延させ、その実行時間を短縮する。つまり、低温領域では、シリンダ壁温tが高いほど、プレイグニッションが発生し難いので、制御待機時間taを長くして、プレイグニッション抑制制御を出来るだけ実行しないようにする。一方、抑制遅延制御では、低温領域において、突入時のシリンダ壁温tが低いほど、プレイグニッション抑制制御の開始時期Taを早期化し、その実行時間を長くする。つまり、この場合には、プレイグ好発運転領域Aに突入したときにプレイグニッションが発生し易いので、プレイグニッション抑制制御を出来るだけ早期から実行する。
このように構成される本実施の形態でも、実施の形態1とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、抑制遅延制御では、プレイグニッション好発運転領域Aへの突入時のシリンダ壁温に応じてプレイグニッション抑制制御の開始時期を遅らせることができるので、プレイグニッションの発生頻度を抑制しつつ、エンジンの運転性や排気エミッションを確保することができる。
[実施の形態5を実現するための具体的な処理]
次に、図16を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図16は、本発明の実施の形態5において、ECUにより実行される制御を示すフローチャートである。この図に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰り返し実行されるものとする。図16に示すルーチンにおいて、まず、ステップ400では、実運転領域がプレイグニッション好発運転領域A内であるか否かを判定し、この判定が不成立の場合には、本ルーチンをそのまま終了する。また、ステップ400の判定成立時には、ステップ402において、前記運転領域Aに突入したときのシリンダ壁温である突入時のシリンダ壁温tを取得し、ステップ404では、例えば図15の特性線に基いて、突入時のシリンダ壁温tから遅延時間taを算出する。
次に、ステップ406では、実施の形態1(図8)とほぼ同様に、シリンダ壁温tが低温領域であるか否かを判定する。そして、低温領域の場合には、ステップ408において、前述のシリンダ壁温制御を実行する。また、ステップ410では、プレイグニッション好発運転領域Aに入ってから所定の遅延時間taが経過したか否かを判定し、この時間が経過するまで待機する。次に、ステップ412では、遅延時間taが経過した後に、プレイグニッション抑制制御を実行する。
一方、ステップ406の判定が不成立の場合には、ステップ414において、シリンダ壁温tが高温領域であるか否かを判定する。高温領域の場合には、ステップ416において、好発運転領域Aに入ってから所定の遅延時間taが経過したか否かを判定し、この時間が経過するまで待機する。次に、ステップ418では、プレイグニッション抑制制御を実行する。また、ステップ406,414の何れも成立した場合には、シリンダ壁温tがプレイグニッション抑制温度領域に入っているので、当該壁温が適切に制御されているものと判断し、制御を終了する。なお、前記実施の形態5では、図16中のステップ410,416及び図15の特性線図が請求項4における遅延手段の具体例を示している。
実施の形態6.
次に、図17を参照して、本発明の実施の形態6について説明する。本実施の形態では、前記実施の形態5の制御において、突入時のシリンダ壁温とプレイグニッション抑制制御の遅延時間との関係を学習することを特徴としている。なお、本実施の形態では、実施の形態5と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図17は、本発明の実施の形態6において、突入時のシリンダ壁温tとプレイグニッション抑制制御の遅延時間taとの関係を補正する補正制御を示す説明図である。この図に示すように、本実施の形態では、プレイグニッションの発生状態に基いて、突入時のシリンダ壁温tと上記遅延時間taとの関係を表す特性データを更新する遅延補正制御を実行する。遅延補正制御では、例えばプレイグニッション抑制制御の開始前にプレイグニッションが発生した場合に、図17に示す一例のように、突入時のシリンダ壁温tと上記遅延時間taとの関係を、一定のシリンダ壁温tに対して遅延時間taが短くなる(制御の開始時間Taが早くなる)ように補正する。そして、この補正結果(補正後の特性線)を学習結果として記憶する。
このように構成される本実施の形態でも、前記実施の形態1,6とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、エンジンの経時変化等により生じる突入時のシリンダ壁温tと上記遅延時間taとの関係を、プレイグニッションの発生状態に基いて学習することができる。なお、前記実施の形態6では、図17に例示した特性線図が請求項5における遅延補正手段の具体例を示している。
10 エンジン(内燃機関)
12 ピストン
14 燃焼室
16 クランク軸
18 吸気通路
20 排気通路
22 スロットルバルブ
24 インタークーラ
26 排気浄化触媒
28 燃料噴射弁
30 点火プラグ
32 吸気バルブ
34 排気バルブ
36 ターボ過給機
38 冷却水量可変機構(シリンダ壁温可変手段)
40 クランク角センサ
42 エアフローセンサ
44 水温センサ(壁温パラメータ取得手段)
46 筒内圧センサ(プレイグニッション検出手段)
50 ECU(プレイグニッション温度領域記憶手段)
A プレイグニッション好発運転領域
t シリンダ壁温
tw エンジン水温(壁温パラメータ)
t1,t1′,t1″ 温度下限値
t2,t2′,21″ 温度上限値
ta 遅延時間

Claims (7)

  1. 内燃機関のシリンダ壁温または当該シリンダ壁温に対応するパラメータを壁温パラメータとして取得する壁温パラメータ取得手段と、
    前記シリンダ壁温を変化させることが可能なシリンダ壁温可変手段と、
    プレイグニッションの発生頻度と前記シリンダ壁温との関係に基いて設定された温度領域であって、プレイグニッションの発生頻度が周囲の温度領域よりも低下するプレイグニッション抑制温度領域を予め記憶したプレイグニッション温度領域記憶手段と、
    内燃機関を実際に運転している領域である実運転領域が所定のプレイグニッション好発運転領域に入っている場合に、前記シリンダ壁温可変手段を用いて前記壁温パラメータが前記プレイグニッション抑制温度領域に収まるように制御するシリンダ壁温制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記シリンダ壁温可変手段は、内燃機関に供給される冷却水量を調整する冷却水量可変機構を備え、
    前記シリンダ壁温制御手段は、前記壁温パラメータが前記プレイグニッション抑制温度領域から外れた場合に、前記冷却水量可変機構を用いて冷却水量を変化させることにより前記壁温パラメータを前記プレイグニッション抑制温度領域に収める構成としてなる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記実運転領域が前記プレイグニッション好発運転領域に入った状態において、前記壁温パラメータが前記プレイグニッション抑制温度領域から外れた場合に、内燃機関の運転状態を変化させてプレイグニッションの発生を抑制するプレイグニッション抑制手段を備えてなる請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 内燃機関が冷間始動されてから前記プレイグニッション抑制手段が初めて作動する場合に、前記実運転領域が前記プレイグニッション好発運転領域に入った時点での前記壁温パラメータが高いほど、前記プレイグニッション抑制手段の作動開始時期を遅延させる遅延手段を備えてなる請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. プレイグニッションの発生を検出するプレイグニッション検出手段と、
    前記プレイグニッション抑制手段の作動開始前にプレイグニッションが発生した場合に、前記壁温パラメータと前記作動開始時期との関係を前記作動開始時期が早くなるように補正する遅延補正手段と、
    を備えてなる請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. プレイグニッションが時間当たりに発生する発生頻度を検出する発生頻度検出手段と、
    前記プレイグニッションの発生頻度が許容限度を超えた場合に、前記プレイグニッション抑制温度領域の範囲を可変に設定する温度領域可変手段と、
    を備えてなる請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 排気圧を利用して吸入空気を過給する過給機を備え、
    前記プレイグニッション好発運転領域は、低回転高負荷領域であることを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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