JPWO2013115268A1 - 着色感光性組成物、ブラックフォトスペーサー、及びカラーフィルター - Google Patents

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Abstract

顔料、バインダー樹脂、光重合性モノマー、及び光重合開始剤を含む着色感光性組成物であって、前記顔料が、下記(A)に示す顔料及び(B)に示す顔料を含む着色感光性組成物。(A)C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、及びC.I.ピグメントオレンジ72からなる群より選ばれる1つ(B)C.I.ピグメントブルー60

Description

本発明は、着色感光性組成物等に関する。詳しくは、例えば液晶ディスプレイ等のカラーフィルターにおいてブラックフォトスペーサー等の形成に好ましく用いられる着色感光性組成物及びこの着色感光性組成物を用いて形成されたブラックフォトスペーサーとこのブラックフォトスペーサーを含むカラーフィルターに関する。
液晶ディスプレイ(LCD)は液晶への電圧のオン・オフにより液晶分子の並び方が切り替わる性質を利用している。一方、LCDのセルを構成する各部材は、フォトリソグラフィーに代表される感光性組成物を利用して形成されるものが多い。微細な構造を形成し易い、大画面用の基板に対しての処理がし易いといった理由からも、今後さらに感光性組成物の適用範囲は広がる傾向である。
しかしながら、感光性組成物を用いたLCDでは、感光性組成物自体の電気特性や、感光性組成物中に含まれる不純物の影響で、液晶にかかる電圧が保持されず、これによってディスプレイの表示ムラといった問題が発生する。特に、カラー液晶表示装置において液晶層により近い部材、例えば、液晶パネルにおける2枚の基板の間隔を一定に保つために使用されているもの、所謂、柱状スペーサー、フォトスペーサーなどではその影響は大きい。
従来、遮光性を有さないスペーサーをTFT型LCDに使用する場合、スペーサーを透過してくる光によりスイッチング素子としてのTFTが誤作動を起こすことがあった。これを防止するため、例えば、特許文献1にスペーサーを遮光性とすることが記載されている。
しかしながら、スペーサーを遮光性にするためには、通常顔料を含めた着色剤等を感光性組成物に添加することが考えられるが、着色剤を添加するにつれクリア成分の減少によりスペーサー層の硬化性が減ること及び顔料に由来する不純物等の影響により、特性を損なう恐れがある。
電圧保持率を制御するためには、硬化性を向上させる手法や、感光性組成物の硬化性樹脂や分散剤等をコントロールする手法などが提案されている。
一方で、近年、スペーサーをフォトリソグラフィー法により製造するに際して、パネルの構造の変化に伴い、高さの異なるスペーサーを一括形成する方法が提案されている。特許文献2には、露光量と残膜率をコントロールすることによって、所望の高さの異なるスペーサーの形状、段差を実現できることが開示されている。
日本国特開平8−234212号公報 日本国特開2009−31778号公報
しかしながら、特許文献2は顔料を添加しないスペーサーに関するもので、顔料を添加する着色スペーサーの一括形成に適用すると、顔料が光重合に寄与する紫外領域の光を吸収するため、開口部の光透過率が少ないパターンでは硬化性が劣り、高さの異なる所望のスペーサーの形状及び段差のコントロール、基板との密着性等の特性を達成することは困難であることが判明した。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の主たる課題は、フォトリソグラフィー法により高さの異なるブラックフォトスペーサーを一括形成する方法において、遮光性と液晶の電圧保持率を確保した上で、形状や段差のコントロールが可能で、基板との密着性に優れたブラックフォトスペーサーを形成し得る着色感光性組成物を提供することにある。
また、本発明の他の課題は、このような着色感光性組成物により形成されたブラックフォトスペーサーを提供することにある。
また更に、本発明の他の課題は、このようなブラックフォトスペーサーを備えるカラーフィルターを提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、着色剤として特定の顔料を使用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 顔料、バインダー樹脂、光重合性モノマー、及び光重合開始剤を含む着色感光性組成物であって、前記顔料が、下記(A)に示す顔料及び(B)に示す顔料を含む着色感光性組成物。
(A)C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、及びC.I.ピグメントオレンジ72からなる群より選ばれる1つ
(B)C.I.ピグメントブルー60
[2] 前記顔料が、C.I.ピグメントオレンジ64及びC.I.ピグメントブルー60を含む上記[1]に記載の着色感光性組成物。
[3] 前記顔料が、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントバイオレット23、及びC.I.ピグメントバイオレット29からなる群より選ばれる1つをさらに含む上記[1]又は[2]に記載の着色感光性組成物。
[4] 前記顔料が、下記(1)に示す顔料又は(2)に示す顔料を含む上記[1]に記載の着色感光性組成物。
(1) C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントブルー60、及びC.I.ピグメントレッド254
(2) C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントブルー60、及びC.I.ピグメントバイオレット29
[5] 上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の着色感光性組成物を用いて形成されたブラックフォトスペーサー。
[6] 上記[5]に記載のブラックフォトスペーサーを含むカラーフィルター。
本発明によれば、フォトリソグラフィー法により高さの異なるブラックフォトスペーサーを一括形成する方法において、光吸収特性の異なる顔料種を適切に組み合わせ、紫外領域と可視領域の光吸収のバランスを確保することで、遮光性と液晶の電圧保持率を維持しつつ、形状や段差をコントロールすると共に、基板との高い密着性を実現することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施様態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」等は「アクリル及びメタクリルのうち少なくとも一つ」を意味するものとし、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリレート及びメタクリレートのうち少なくとも一つ」等を意味するものとし、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも一つ」を意味するものとする。「(メタ)アクリロイル」も同様である。また、「(酸)無水物」、「(無水)…酸」とは、酸とその無水物の双方を含むことを意味する。
また、「全固形分」とは、着色感光性組成物又は顔料分散液に含まれる、後記する溶剤成分以外の全成分を意味するものとする。
また、本発明において、特に断りの無い限り、重量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を指す。「C.I.」は、カラーインデックス(c.I.)を意味する。
更に、本発明において、「アミン価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算のアミン価を表し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの重量で表される値である。尚、測定方法については後述する。一方、「酸価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算の酸価を表し、中和滴定により算出される。
また、本発明において「モノマー」とは、いわゆる高分子物質に相対する意味であり、狭義の単量体(モノマー)の外に、二量体、三量体、オリゴマー等も含む意味である。
本発明の着色感光性組成物は、顔料、バインダー樹脂、光重合性モノマー、及び光重合開始剤を含み、顔料として、下記(A)及び(B)を含むことを特徴とするものであって、特に、フォトリソグラフィー法により高さの異なるブラックフォトスペーサーを一括形成するための着色感光性組成物として好ましく用いられる。
(A)C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、及びC.I.ピグメントオレンジ72からなる群より選ばれる1つ
(B)C.I.ピグメントブルー60
[高さの異なるブラックフォトスペーサーの一括形成方法]
まず、本発明の着色感光性組成物が好適に使用されるフォトリソグラフィー法により高さの異なるブラックフォトスペーサーを一括形成する方法について説明する。この方法は、主として露光工程における露光マスクに特徴を有する。
その露光マスクとして、光の透過を遮る遮光層と光を透過させる複数の開口部とを有し、一部の開口部の平均光透過率が他の開口部の平均光透過率より小さい露光マスクを用いる方法が知られている。これは、遮光層(光透過率0%)と複数の開口部を有し、平均光透過率の最も高い開口部(通常、光透過率100%。以下「完全透過開口部」という)に対して平均光透過率の小さい開口部(平均光透過率が0%超過100%未満。好ましくは、5%超過50%未満。以下「中間透過開口部」という)、を有する露光マスクを用いる方法である。この方法により、例えばネガ型の着色感光性組成物の場合であれば、中間透過開口部と完全透過開口部の平均光透過率の差異、即ち露光量の差異により、形成したパターンの硬化度の差異を生じさせ、その後、現像及び熱硬化プロセスを経て高さの異なるブラックフォトスペーサーを形成することができる。
[着色感光性組成物]
以下に本発明の着色感光性組成物の構成材料について説明する。
[1]顔料
顔料は、本発明の着色感光性組成物を着色するものをいう。
顔料としては青色顔料、緑色顔料、赤色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料、ブラウン顔料、黒色顔料等各種の色の顔料を使用することができる。また、その構造としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料や、種々の無機顔料等が利用可能である。
本発明の着色感光性組成物では、顔料として、下記(A)及び(B)を必須成分として含有する。
(A)C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、及びC.I.ピグメントオレンジ72からなる群より選ばれる1つ
(B)C.I.ピグメントブルー60
本発明の着色感光性組成物では、顔料として、上記(A)及び(B)を必須成分として含有する以外は、用いる顔料には特に制限はなく、赤、緑、青色等の各色の混合による黒色色材を用いることができる。更に、黒色顔料や、その他の無機又は有機の顔料、染料の中から適宜選択して併用することができる。
以下、使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242、254、さらに好ましくはC.I.ピグメントレッド177、179、209、224、254を挙げることができる。中でも好ましくはC.I.ピグメントレッド254(R254)を挙げることができる。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6を挙げることができる。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36を挙げることができる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、185、さらに好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、180を挙げることができる。
オレンジ顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79を挙げることができる。この中でも、好ましくは、C.I.ピグメントオレンジ38、43、64、71、72を挙げることができる。さらに好ましくはC.I.ピグメントオレンジ43、64、72を挙げることができる。さらに好ましくはC.I.ピグメントオレンジ64(Or64)を挙げることができる。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、23、29、さらに好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23、29、さらに好ましくはC.I.ピグメントバイオレット29(V29)を挙げることができる。
黒色顔料としては、ペリレンブラック(BASF社製 K0084、K0086)、シアニンブラック、ファーストブラックHB(C.I.26150)、Irgaphor Black S 0100 CF(BASF社製)、カーボンブラック、チタンブラックを挙げることができる。
カーボンブラックの市販品の例としては、以下のような銘柄が挙げられる。
三菱化学社製:MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA220、MA230、MA600、#5、#10、#20、#25、#30、#32、#33、#40、#44、#45、#47、#50、#52、#55、#650、#750、#850、#950、#960、#970、#980、#990、#1000、#2200、#2300、#2350、#2400、#2600、#3050、#3150、#3250、#3600、#3750、#3950、#4000、#4010、OIL7B、OIL9B、OIL11B、OIL30B、OIL31
デグサ社製:Printex3、Printex3OP、Printex30、Printex30OP、Printex40、Printex45、Printex55、Printex60、Printex75、Printex80、Printex85、Printex90、Printex A、Printex L、Printex G、Printex P、Printex U、Printex V、PrintexG、SpecialBlack550、SpecialBlack350、SpecialBlack250、SpecialBlack100、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S160、Color Black S170
キャボット社製:Monarch120、Monarch280、Monarch460、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400、Monarch4630、REGAL99、REGAL99R、REGAL415、REGAL415R、REGAL250、REGAL250R、REGAL330、REGAL400R、REGAL55R0、REGAL660R、BLACK PEARLS480、PEARLS130、VULCAN XC72R、ELFTEX−8
コロンビヤン カーボン社製:RAVEN11、RAVEN14、RAVEN15、RAVEN16、RAVEN22RAVEN30、RAVEN35、RAVEN40、RAVEN410、RAVEN420、RAVEN450、RAVEN500、RAVEN760、RAVEN780RAVEN850、RAVEN890H、RAVEN1000、RAVEN1020、RAVEN1060U、RAVEN1080U、RAVEN1100URAVEN1040、RAVEN1060U、RAVEN1080U、RAVEN1170、RAVEN1190U、RAVEN1250、RAVEN1500、RAVEN2000、RAVEN2500U、RAVEN3500、RAVEN5000、RAVEN5250、RAVEN5750、RAVEN7000
チタンブラックの市販品の例としては、以下のような銘柄が挙げられる。
三菱マテリアル社製:10S、12S、13R、13M、13M−C、14M、15M、L−15M等
赤穂化成社製:TilackD M、M−50、M−50A、M−AM、V、UV−3、UV−6、F、S、C、X等
本発明の着色感光性組成物は、遮光性と液晶の電圧保持率、形状や段差のコントロール、及び基板との密着性の観点から、顔料として、C.I.ピグメントオレンジ64及びC.I.ピグメントブルー60を含むことが好ましい。
本発明の着色感光性組成物は、顔料として、上記(A)及び(B)の他に、更にC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントバイオレット23、及びC.I.ピグメントバイオレット29からなる群より選ばれる1つを含むことが好ましい。
本発明の着色感光性組成物は、遮光性と液晶の電圧保持率、形状や段差のコントロール、及び基板との密着性をより良好なものとするために、顔料として、以下の(1)乃至(3)のいずれかに示す3種の顔料を含むことが好ましく、特に、液晶の電圧保持率の観点から、(1)又は(2)に示す3種の顔料を含むことが好ましい。
(1) C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントレッド254
(2) C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントバイオレット29
(3) C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントバイオレット23
本発明の着色感光性組成物中の顔料の割合は、全固形分に対して通常5〜50重量%、好ましくは10〜45重量%であり、更に好ましくは20〜42重量%である。この範囲よりも顔料が多いと、スペーサーの形状や段差、基板との密着性が悪化したり、硬化性成分が減り顔料等が液晶層に溶出することによる電圧保持率低下の原因になる場合がある。一方、この範囲よりも少ないとブラックフォトスペーサーとしての十分な遮光性が確保できない場合がある。
なお、顔料中の(A)と(B)の割合は、いずれか一方が多過ぎても少な過ぎても、これらを併用することによる本発明による遮光性と液晶の電圧保持率、形状や段差のコントロール、及び基板との密着性の向上効果を十分に得ることができない場合があることから、(A)と(B)との合計100重量%に対して、(A)を25〜70重量%、特に30〜60重量%、とりわけ35〜60重量%で用いることが好ましい。
即ち、(A)は波長330nmから380nm付近の光の吸収が比較的小さく、かつ波長400nmから550nm付近の光の吸収が大きい。一方で、(B)は同様に波長330nmから380nm付近の光の吸収が小さく、かつ波長550nmから700nm付近の光の吸収が大きい。従って、これらの2種の顔料をバランスよく組み合わせて用いることにより、紫外領域と可視領域の光吸収のバランスを良好なものとして、遮光性と液晶の電圧保持率、形状や段差のコントロール、及び基板との密着性を高めることができる。
また、本発明で用いる顔料は、(A)と(B)以外の他の様々な顔料を含んでいてもよいが、(A)と(B)との併用による上記効果を十分に得る上で、本発明の着色感光性組成物に含まれる顔料の合計100重量%中、(A)と(B)との合計の割合は、50重量%以上、特に60〜95重量%、とりわけ70〜90重量%であることが好ましい。
また、本発明で用いる顔料の組み合わせにおいて、(A)と(B)と更にC.I.ピグメントレッド254(R254)を用いることにより、紫外領域の光吸収を抑えつつ可視領域の吸収を大きくすることができ、遮光性と液晶の電圧保持率、形状や段差のコントロール、及び基板との密着性を高めることができるという効果が奏される。この場合において、(A)と(B)とR254との合計100重量%中に、(A)を20〜40重量%、(B)を45〜65重量%、R254を5〜25重量%、特に(A)を25〜35重量%、(B)を50〜60重量%、R254を10〜20重量%の割合で用いることが好ましい。これら(A)、(B)及びR254以外の顔料を用いてもよいが、着色感光性組成物中の全顔料における(A)と(B)とR254との合計の割合が70重量%以上、特に90〜100重量%となるように用いることが好ましい。
また、本発明で用いる顔料の組み合わせにおいて、(A)と(B)と更にC.I.ピグメントバイオレット23(V23)を用いることにより、紫外領域の光吸収を抑えつつ可視領域の吸収をさらに大きくすることができ、より遮光性と液晶の電圧保持率、形状や段差のコントロール、及び基板との密着性を高めることができるという効果が奏される。この場合において、(A)と(B)とV23との合計100重量%中に、(A)を30〜50重量%、(B)を30〜50重量%、V23を10〜30重量%、特に(A)を35〜45重量%、(B)を35〜45重量%、V23を15〜25重量%の割合で用いることが好ましい。これら(A)、(B)、及びV23以外の顔料を用いてもよいが、着色感光性組成物中の全顔料における(A)と(B)とV23との合計の割合が70重量%以上、特に90〜100重量%となるように用いることが好ましい。
また、本発明で用いる顔料の組み合わせにおいて、(A)と(B)と更にC.I.ピグメントバイオレット29(V29)を用いることにより、紫外領域の光吸収を抑えつつ可視領域の吸収をさらに大きくすることができ、より遮光性と液晶の電圧保持率、形状や段差のコントロール、及び基板との密着性を高めることができるという効果が奏される。この場合において、(A)と(B)とV29との合計100重量%中に、(A)を30〜50重量%、(B)を30〜50重量%、V29を10〜30重量%、特に(A)を35〜45重量%、(B)を35〜45重量%、V29を15〜25重量%の割合で用いることが好ましい。これら(A)、(B)、及びV29以外の顔料を用いてもよいが、着色感光性組成物中の全顔料における(A)と(B)とV29との合計の割合が70重量%以上、特に90〜100重量%となるように用いることが好ましい。
また、本発明で用いる顔料は、(A)と(B)と更にC.I.ピグメントレッド272(R272)を含むことが好ましい。R272は可視域の吸収が大きいことから、高OD化に有利である。
[2]バインダー樹脂
本発明の着色感光性組成物に用いられるバインダー樹脂としては、カラーフィルターに使用される部材の樹脂であれば特に制限無く使用でき、例としてはエポキシアクリレート系樹脂、ノボラック系樹脂、ポリビニルフェノール系樹脂、アクリル系樹脂、カルボキシル基含有エポキシ樹脂、カルボキシル基含有ウレタン樹脂等が挙げられるが、形状や段差のコントロール、基板との密着性の観点から、カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂やアクリル樹脂を用いることが好ましく、カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂を用いることがさらに好ましい。
上記エポキシアクリレート樹脂とは、エポキシ樹脂(又はエポキシ化合物)にα,β−不飽和モノカルボン酸又はエステル部分にカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸又はその無水物を反応させることにより合成される。かかる反応生成物は化学構造上、実質的にエポキシ基を有さず、かつ「アクリレート」に限定されるものではないが、エポキシ樹脂(又はエポキシ化合物)が原料であり、かつ「アクリレート」が代表例であるので、慣用に従いこのように命名したものである。
原料となるエポキシ樹脂としては、(o,m,p−)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、又は以下に述べる一般式(1−a)〜(1−a’’’)にて表されるエポキシ樹脂(又はエポキシ化合物)などが挙げられる。
本発明におけるバインダー樹脂として特に好ましいものにつき、以下に説明する。
<アルカリ可溶性樹脂(A’’),アルカリ可溶性樹脂(A1’’)>
本発明におけるバインダー樹脂として、特に好ましいものの一つに、下記一般式(1−a’’)で示されるエポキシ化合物(a’’)と不飽和基含有カルボン酸(b’’)との反応物を、多塩基酸及びその無水物(c’’)のうち少なくとも一方と反応させて得られるアルカリ可溶性樹脂(A’’)が挙げられる。
Figure 2013115268
〔上記一般式(1−a’’)において、Xは下記一般式(2a)、(2b)又は(3)で表される連結基を示す。但し、分子構造中に1つ以上のアダマンタン構造を含む。lは、2又は3の整数を示す。
Figure 2013115268
(上記一般式(2a)及び(2b)において、R〜R及びR13〜R15は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアダマンチル基、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。
上記一般式(3)において、R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。Yは、置換基を有していてもよい、アダマンタン構造を含む2価の連結基を示す。
上記一般式(2a)、(2b)及び(3)において、*は、一般式(1−a’’)におけるグリシジルオキシ基との結合部位を示す。)〕
(1) 一般式(1−a’’)で示されるエポキシ化合物(a’’)
まず、前記一般式(1−a’’)で表されるエポキシ化合物(a’’)(以下、「(a’’)成分」と称することがある)における基Xについて説明する。
前記基Xが前記一般式(2a)又は(2b)で表される構造である場合、前記一般式(2a)及び(2b)は、いずれもアダマンタン構造を2以上4以下有することが好ましい。アダマンタン構造が1では耐現像液性が低下して解像力に劣る傾向がある。
前記基Xが前記一般式(3)で表される構造である場合、前記一般式(3)におけるYは、「置換基を有していてもよい、アダマンチル構造を含む2価の連結基」であれば、それ以外に特に制限は無いが、例えば下記一般式(4)又は(5)で表される連結基であることが好ましい。
Figure 2013115268
〔上記一般式(4)及び(5)は、いずれも置換基を有していてもよい。*は前記一般式(3)におけるベンゼン環との結合部位を示す。〕
特に、前記一般式(1−a’’)で表されるエポキシ化合物(a’’)は、下記一般式(6)又は(7)で表されることが好ましい。
Figure 2013115268
〔一般式(6)に示されるアダマンタン環及び(7)に示されるアダマンチル基は置換基を有していてもよい。
一般式(6)において、R16〜R23は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。
一般式(7)において、R24及びR25は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアダマンチル基、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。〕
上記一般式(2a)、(2b)、(3)、(6)及び(7)におけるR〜R25の炭素数1〜12のアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
また、これらのアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアルケニル基、フェニル基、カルボキシル基、スルファニル基、ホスフィノ基、アミノ基、及びニトロ基などが挙げられる。
また、上記一般式(2a)、(2b)、(3)、(6)、(7)におけるR〜R25のフェニル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアルケニル基、フェニル基、カルボキシル基、スルファニル基、ホスフィノ基、アミノ基、及びニトロ基などが挙げられる。
また、上記一般式(2a)及び(2b)におけるR〜R及びR13〜R15のアダマンチル基、一般式(3)のYに含まれるアダマンタン環、一般式(6)におけるアダマンタン環、一般式(7)におけるアダマンチル基、一般式(7)におけるR24、R25のアダマンチル基、並びに一般式(4)及び(5)のアダマンタン環が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアルケニル基、フェニル基、カルボキシル基、スルファニル基、ホスフィノ基、アミノ基、及びニトロ基などが挙げられる。
前記一般式(6)において、R16〜R23は、特に、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アルケニル基、又はフェニル基であることが好ましい。
また、前記一般式(7)において、R24及びR25は、特に、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アルケニル基、又はフェニル基であることが好ましい。
一般式(1−a’’)に示されるXの分子量は、200以上1000以下であることが好ましい。Xの分子量を200以上とすることにより十分な耐薬品性を確保することができ、また1000以下とすることにより、良好な感度を確保することができる。
また、一般式(1−a’’)で表されるエポキシ化合物(a’’)のエポキシ当量は、210以上であることが好ましく、230以上であることがより好ましい。また、このエポキシ当量は450以下であることが好ましく、400以下であることがより好ましい。エポキシ化合物(a’’)のエポキシ当量を210以上とすることにより十分な耐アルカリ性を確保することが可能となり、450以下とすることにより生成する有機結合剤の良好な感度を確保することができる。
エポキシ化合物(a’’)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物(a’’)は、市販のものを用いてもよいし、下記のようなフェノール化合物より公知の方法で合成して用いてもよい。
Figure 2013115268
〔上記一般式(9a)、(9b)及び(10)におけるR〜R15は、それぞれ一般式(2a)、(2b)及び(3)における定義と同義である。〕
例えば、一般式(9a)又は(9b)で表される化合物と、過剰のエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等のエピハロヒドリンの溶解混合物に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を予め添加し、又は添加しながら20〜120℃の温度で1〜10時間反応させることにより、一般式(1−a’’)におけるXが前記一般式(2a)又は(2b)で表される連結基であるエポキシ化合物(a’’)を得ることができる。
また、一般式(10)で表される化合物と、過剰のエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等のエピハロヒドリンの溶解混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を予め添加し、又は添加しながら20〜120℃の温度で1〜10時間反応させることにより、一般式(1−a’’)におけるXが前記一般式(3)で表されるエポキシ化合物(a’’)を得ることができる。
このエポキシ化合物(a’’)を得る反応において、アルカリ金属水酸化物として、その水溶液を使用してもよい。その場合、該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に、減圧下又は常圧下に、連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液し、水は除去し、エピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法であってもよい。
また、前記一般式(9a)、(9b)、又は(10)で表される化合物とエピハロヒドリンの溶解混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加し、50〜150℃で1〜5時間反応させて得られる、一般式(9a)、(9b)、又は(10)で表される化合物のハロヒドリンエーテル化物に、アルカリ金属水酸化物の固体又は水溶液を加え、再び20〜120℃の温度で1〜10時間反応させて脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法でも、一般式(1−a’’)で表されるエポキシ化合物(a’’)を製造することができる。
このような反応において使用されるエピハロヒドリンの量は、一般式(9a)、(9b)、又は(10)で表される化合物の水酸基1当量に対し通常1〜20モル、好ましくは2〜10モルである。また、アルカリ金属水酸化物の使用量は一般式(9a)、(9b)、又は(10)で表される化合物の水酸基1当量に対し通常0.8〜15モル、好ましくは0.9〜11モルである。
上述の反応において、更に、反応を円滑に進行させるためにメタノール、エタノールなどのアルコール類の他、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行ってもよい。アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの量に対し2〜20重量%、好ましくは4〜15重量%である。また、非プロトン性極性溶媒を用いる場合、その使用量はエピハロヒドリンの量に対し5〜100重量%、好ましくは10〜90重量%である。
(2) 不飽和基含有カルボン酸(b’’)
不飽和基含有カルボン酸(b’’)(以下、「(b’’)成分」と称することがある)としては、エチレン性不飽和基を有する不飽和カルボン酸が挙げられ、具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−ビニル安息香酸、m−ビニル安息香酸、p−ビニル安息香酸、ケイヒ酸、α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基で置換された(メタ)アクリル酸などのモノカルボン酸;2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルマレイン酸などの、2塩基酸の(メタ)アクリロイロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸にε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類を付加させたものである単量体;(メタ)アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。
また、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、グリシジルメタクリレートのアクリル酸付加物、グリシジルメタクリレートのメタクリル酸付加物のような水酸基含有不飽和化合物に無水コハク酸、無水マレイン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水フタル酸などの酸無水物を付加させた化合物も挙げられる。
特に好ましいものは、(メタ)アクリル酸である。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(a’’)成分中のエポキシ基と(b’’)成分とを反応させる方法としては公知の手法を用いることができる。例えば、上記(a’’)成分と(b’’)成分とを、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の3級アミン、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、ピリジン、トリフェニルホスフィン等を触媒として、有機溶剤中、反応温度50〜150℃で数〜数十時間反応させることにより、エポキシ化合物にカルボン酸を付加することができる。
該触媒の使用量は、反応原料混合物((a’’)成分と(b’’)成分との合計)に対して好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.3〜5重量%である。また反応中の重合を防止するために、重合防止剤(例えばメトキノン、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、フェノチアジン等)を使用することが好ましく、その使用量は、反応原料混合物に対して好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.03〜5重量%である。
(a’’)成分のエポキシ基に(b’’)成分を付加させる割合は、通常90〜100モル%である。エポキシ基の残存は保存安定性に悪影響を与える傾向があるため、(b’’)成分は、(a’’)成分のエポキシ基1当量に対して、通常0.8〜1.5当量、特に0.9〜1.1当量の割合で反応を行うことが好ましい。
(3) 多塩基酸及びその無水物(c’’)
多塩基酸及びその無水物(c’’)のうち少なくとも一方(以下、「(c’’)成分」又は「多塩基酸(無水物)」と称することがある)としては、2塩基酸及びその無水物のうち少なくとも一方(以下、「2塩基酸(無水物)」と称する)、3塩基酸及びその無水物のうち少なくとも一方(以下、「3塩基酸(無水物)」と称する)、4塩基酸及びその無水物のうち少なくとも一方(以下、「4塩基酸(無水物)」と称する)等を用いることができる。
4塩基酸(無水物)(テトラカルボン酸及びその二無水物のうち少なくとも一方)としては公知のものが使用でき、例えばピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸等のテトラカルボン酸、又はこれらの二無水物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
4塩基酸(無水物)としては、上記例示化合物の中でも、特にビフェニルテトラカルボン酸、又はその無水物が好ましい。
(a’’)成分と(b’’)成分との反応物に、(c’’)成分として4塩基酸(無水物)を反応させることにより、架橋反応により分子量が増大する。このため、基板への密着性向上、溶解性の調節、感度やアルカリ耐性の向上等の効果があり好ましい。
2塩基酸(無水物)(ジカルボン酸及びその無水物のうち少なくとも一方)としては、例えばマレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、又はこれらの無水物等が挙げられる。中でも、テトラヒドロフタル酸、コハク酸、又はこれらの無水物が好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(a’’)成分と(b’’)成分との反応物に、(c’’)成分として2塩基酸(無水物)を反応させることにより、溶解性の調節が容易となり、また基板への密着性が向上するため好ましい。
3塩基酸(無水物)(トリカルボン酸及びその無水物のうち少なくとも一方)としては、トリメリット酸、ヘキサヒドロトリメリット酸、又はこれらの無水物などが挙げられる。特に無水トリメリット酸、無水ヘキサヒドロトリメリット酸が好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(c’’)成分として3塩基酸(無水物)を用いることにより、アルカリ可溶性樹脂(A’’)の分子量を増大させ、分子中に分岐を導入することができ、分子量と粘度のバランスをとることができる。また、分子中への酸基の導入量を増やすことができ、感度、密着性等のバランスが取れた樹脂を得ることができる。
(c’’)成分としては、特に4塩基酸(無水物)を用いることが好ましい。この場合、4塩基酸(無水物)の付加率は、(a’’)成分に(b’’)成分を付加させたときに生成される水酸基に対し、通常10〜100モル%、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。(c’’)成分である4塩基酸(無水物)の付加率を上記下限値以上とすることにより、アルカリ可溶性樹脂(A’’)の十分な溶解性と基板への良好な密着性を確保することができる。
なお、着色感光性組成物の粘度調節や溶解性調節の点から、上述した4塩基酸(無水物)の一部を、2塩基酸(無水物)に置き換えることが好ましい。
(c’’)成分として4塩基酸(無水物)と2塩基酸(無水物)を併用する場合、そのモル比は、2塩基酸(無水物):4塩基酸(無水物)=99:1〜20:80であることが好ましく、80:20〜30:70であることがより好ましい。4塩基酸(無水物)の割合を上記下限値以上とすることにより、得られる塗膜の高い膜物性を得ることが可能となる、また2塩基酸(無水物)を上記下限値以上とすることにより、得られる樹脂溶液の粘度上昇を抑制し、取り扱い性を向上させることができる。
また、基板への密着性向上、溶解性の容易な調節、感度やアルカリ耐性の向上等の効果に加え、分子量と粘度、感度、密着性等の様々なバランスを取るためには、4塩基酸(無水物)及び2塩基酸(無水物)のうち少なくとも一方と、3塩基酸(無水物)とを併用することが好ましい。
(c’’)成分として4塩基酸(無水物)及び2塩基酸(無水物)のうち少なくとも一方と、3塩基酸(無水物)を併用する場合、3塩基酸(無水物)の使用量は、少なすぎると効果が薄く、アルカリ耐性低下の可能性があるので、3塩基酸(無水物)の使用量は、(a’’)成分に、(b’’)成分を付加させた時に生成される水酸基に対して、通常5〜70モル%、好ましくは10〜40モル%である。
(c’’)成分の付加率の合計は、(a’’)成分に(b’’)成分を付加させたときに生成される水酸基に対し、通常10〜100モル%、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。(c’’)成分の付加率を上記下限値以上とすることにより、アルカリ可溶性樹脂(A’’)の溶解性や基板への密着性がより良好となる。
なお(c’’)成分は、(a’’)成分に(b’’)成分を付加させたときに生成される水酸基に対して反応させる以外に、(a’’)成分に(b’’)成分を付加させ、これに後述する多価アルコール(d’’)を混合した時に、この混合物中に存在するいずれかの水酸基に対して反応させてもよい。
(a’’)成分に(b’’)成分を付加させた後、或いはこれに、後述する多価アルコール(d’’)を混合した後、(c’’)成分を付加させる方法としては、公知の方法を用いることができる。
その反応温度は通常80〜130℃、好ましくは90〜125℃である。反応温度が130℃を超えると、(b’’)成分における不飽和基の一部の重合が起こり、分子量の急激な増大につながる可能性がある。また、80℃未満では反応がスムーズに進まず、(c’’)成分が残存する可能性がある。
(4) 多価アルコール(d’’)
本発明で用いるバインダー樹脂は、前述した(a’’)成分に(b’’)成分を付加させてなる反応物に、更に多価アルコール(d’’)(以下、「(d’’)成分」と称することがある)を混合し、これら混合物中に存在するいずれかの水酸基に対して上述の(c’’)成分を付加反応させることにより得られる、アルカリ可溶性樹脂(A1’’)であってもよい。
(d’’)成分としては、例えばトリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、1,2,3−プロパントリオールの中から選ばれる1種又は2種以上の多価アルコールであることが好ましい。
(d’’)成分を用いることにより、アルカリ可溶性樹脂(A1’’)の分子量を増大させ、分子中に分岐を導入することが出来、分子量と粘度のバランスをとることができる。また、分子中への酸基の導入率を増やすことができ、感度や密着性等のバランスのとれた有機結合剤を得ることができる。
(d’’)成分の使用量は、少な過ぎると効果が薄く、多過ぎると増粘やゲル化の可能性があるので、(a’’)成分と(b’’)成分との反応物に対して、通常0.01〜0.5重量倍、好ましくは0.02〜0.2重量倍である。
(5) アルカリ可溶性樹脂(A’’)及び(A1’’)の酸価と分子量
このようにして得られるアルカリ可溶性樹脂(A’’)及び(A1’’)の酸価は、通常10mg−KOH/g以上、好ましくは50mg−KOH/g以上である。良好な現像性を確保するには、酸価が上記下限値以上であることが好ましく、また着色感光性組成物の十分なアルカリ耐性を確保する(すなわち、アルカリ性現像液による、パターン表面の粗面化や、膜減りを生じさせない)には、酸価は200mg−KOH/g以下であることが好ましく、150mg−KOH/g以下であることがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A’’)及び(A1’’)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましい。また、20,000以下であることが好ましく、10,000以下であることがより好ましい。重量平均分子量を上記下限値以上とすることにより、感度や塗膜強度、アルカリ耐性等がより良好になる。また上記上限値以下とすることにより、良好な現像性や再溶解性を得ることができる。
<アルカリ可溶性樹脂(A)>
アルカリ可溶性樹脂(A)は、特定のエポキシ樹脂(a)と、不飽和基含有カルボン酸(b)との反応物を、更に多塩基酸及びその無水物(c)のうち少なくとも一方と反応させて得られるものである。
(1) エポキシ樹脂(a)
エポキシ樹脂(a)は下記一般式(1−a)で表される。
Figure 2013115268
〔上記一般式(1−a)において、nは平均値を示し0〜10の数を示す。R41は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基のいずれかを表す。なお、1分子中に存在する複数のR41は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。Gはグリシジル基を表す。〕
一般式(1−a)におけるR41は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基のいずれかを表すが、感度及び溶解性の点から、R41としては、水素原子又はメチル基が特に好ましい。なお、1分子中に存在する複数のR41は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
前記一般式(1−a)で表されるエポキシ樹脂(a)は、例えば、下記一般式(1−a−1)で表される化合物とエピハロヒドリンとを、アルカリ金属水酸化物の存在下に反応させることにより得ることができる。
Figure 2013115268
〔式中、n及びR41は、一般式(1−a)におけるのと同じ意味を表す。〕
前記一般式(1−a−1)で表される化合物は、例えば下記一般式(1−a−2)で表される化合物とフェノール類とを酸触媒の存在下で縮合反応させることにより得ることができる。
Figure 2013115268
〔式中、Zはハロゲン原子、水酸基、又は低級アルコキシ基を表す。R41は前記一般式(1−a)におけるのと同じ意味を表す。〕
上記一般式(1−a−2)のZにおいて、ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子などが、低級アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基などがそれぞれ好ましい基として挙げられる。
一方、フェノール類とは、フェノール性水酸基を1分子中に1個有する芳香族化合物であり、その具体例としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、n−プロピルフェノール、イソブチルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、キシレノール、メチルブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール等を代表例とするアルキルフェノールの各種o−,m−,p−異性体、又はシクロペンチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、シクロヘキシルクレゾール等を代表例とするシクロアルキルフェノール、又はフェニルフェノールなど、前記一般式(1−a)におけるR41として挙げた基で置換された置換フェノール類が挙げられる。これらのフェノール類は1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記縮合反応を行う場合、フェノール類の使用量は一般式(1−a−2)で表される化合物1モルに対して好ましくは0.5〜20モル、特に好ましくは2〜15モルである。
上記縮合反応においては酸触媒を用いるのが好ましく、酸触媒としては種々のものが使用できるが、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸、三弗化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛などが好ましく、特にp−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸が好ましい。これら酸触媒の使用量は特に限定されるものではないが、一般式(1−a−2)で表される化合物に対して0.1〜30重量%用いるのが好ましい。
上記縮合反応は無溶剤下で、或いは有機溶剤の存在下で行うことができる。有機溶剤を使用する場合の具体例としてはトルエン、キシレン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。有機溶剤の使用量は仕込んだ原料の総重量に対して50〜300重量%が好ましく、特に100〜250重量%が好ましい。反応温度は40〜180℃の範囲が好ましく、反応時間は1〜8時間が好ましい。
反応終了後、中和処理或は水洗処理を行って生成物のpH値を3〜7好ましくは5〜7に調節する。水洗処理を行う場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、アンモニア、リン酸二水素ナトリウム、更にはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、アニリン、フェニレンジアミンなどの有機アミンなどの様々な塩基性物質等を中和剤として用いて処理すればよい。また、水洗処理は常法に従って行えばよい。例えば反応混合物中に上記中和剤を溶解した水を加え、分液抽出操作を繰り返す方法を採用することができる。
上記中和処理或いは水洗処理を行った後、減圧加熱下で未反応のジヒドロキシベンゼン類及び溶剤を留去して生成物の濃縮を行って、前記一般式(1−a−1)で表される化合物を得ることができる。
前記一般式(1−a−1)で表される化合物から、前記一般式(1−a)で表される本発明に係るエポキシ樹脂(a)を得る方法としては公知の方法が採用できる。例えば、一般式(1−a−1)で表される化合物と過剰のエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等のエピハロヒドリンの溶解混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を予め添加し、又は添加しながら20〜120℃の温度で1〜10時間反応させることにより、一般式(1−a)で表されるエポキシ樹脂(a)を得ることができる。
このエポキシ樹脂(a)を得る反応において、アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合に該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、又は常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液し、水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法であってもよい。
また、前記一般式(1−a−1)で表される化合物とエピハロヒドリンの溶解混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加し、50〜150℃で1〜5時間反応させて得られる、一般式(1−a−1)で表される化合物のハロヒドリンエーテル化物に、アルカリ金属水酸化物の固体又は水溶液を加え、再び20〜120℃の温度で1〜10時間反応させて脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法でもよい。
このような反応において使用されるエピハロヒドリンの量は、一般式(1−a−1)で表される化合物の水酸基1当量に対し通常1〜20モル、好ましくは2〜10モルである。また、アルカリ金属水酸化物の使用量は一般式(1−a−1)で表される化合物の水酸基1当量に対し通常0.8〜15モル、好ましくは0.9〜11モルである。
更に、反応を円滑に進行させるためにメタノール、エタノールなどのアルコール類の他、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行ってもよい。アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの量に対し2〜20重量%、好ましくは4〜15重量%である。また、非プロトン性極性溶媒を用いる場合、その使用量はエピハロヒドリンの量に対し5〜100重量%、好ましくは10〜90重量%である。
このようなエポキシ化反応の反応生成物を水洗した後、又は水洗することなく、加熱減圧下、例えば110〜250℃、圧力1.3kPa(10mmHg)以下の条件下で、エピハロヒドリンや他の添加溶媒などを除去して、目的とするエポキシ樹脂(a)を得る。
また、更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることもできる。この場合、アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した一般式(1−a−1)で表される化合物の水酸基1当量に対して好ましくは0.01〜0.3モル、特に好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下、トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより、前記一般式(1−a)で表されるエポキシ樹脂(a)を得ることができる。
(2) 不飽和基含有カルボン酸(b)
不飽和基含有カルボン酸(b)としては、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられ、具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体などのモノカルボン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシブチルマレイン酸、(メタ)アクリル酸にε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類を付加させたものである単量体、或いはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートに(無水)コハク酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸などの酸(無水物)を付加させた単量体、(メタ)アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。
これらの内、感度の点から、特に好ましいものは(メタ)アクリル酸である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(3) エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有カルボン酸(b)との反応
エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基と不飽和基含有カルボン酸(b)とを反応させる方法としては公知の手法を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有カルボン酸(b)とを、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の3級アミン、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、ピリジン、トリフェニルホスフィン等を触媒として、有機溶剤中、反応温度50〜150℃で数〜数十時間反応させることにより、エポキシ樹脂にカルボン酸を付加することができる。
該触媒の使用量は、反応原料混合物(エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有カルボン酸(b)との合計)に対して好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.3〜5重量%である。
また、反応中の重合を防止するために、重合防止剤(例えばメトキノン、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、フェノチアジン等)を使用することが好ましく、その使用量は、反応原料混合物に対して好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。
エポキシ樹脂(a)のエポキシ基に不飽和基含有カルボン酸(b)を付加させる割合は、通常90〜100モル%である。エポキシ基の残存は保存安定性に悪影響を与えるため、不飽和基含有カルボン酸(b)はエポキシ樹脂(a)のエポキシ基1当量に対して、通常0.8〜1.5当量、特に0.9〜1.1当量の割合で反応を行うことが好ましい。
(4) 多塩基酸及びその無水物(c)
エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有カルボン酸(b)との反応物の水酸基に付加させる多塩基酸及びその無水物(c)としては、公知のものが使用でき、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸等の二塩基性カルボン酸又はその無水物;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸等の多塩基性カルボン酸又はその無水物等が挙げられる。中でも好ましくは、テトラヒドロ無水フタル酸又は無水コハク酸が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多塩基酸及びその無水物(c)のうち少なくとも一方の付加率は、エポキシ樹脂(a)に不飽和基含有カルボン酸(b)を付加させたときに生成される水酸基の、通常10〜100モル%、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。この付加率が多すぎると、現像時の残膜率が低下することがあり、少なすぎると溶解性が不足したり、基板への密着性が不足することがある。尚、多塩基酸とその無水物を併用する場合には、上記付加率は、多塩基酸とその無水物の合計の付加率を表す。
前記エポキシ樹脂(a)に、不飽和基含有カルボン酸(b)を付加させた後、多塩基酸及びその無水物(c)のうち少なくとも一方を付加させる方法としては、公知の方法を用いることができる。
また、本発明においては、このようにして多塩基酸及びその無水物(c)のうち少なくとも一方を付加後、生成したカルボキシル基の一部にエポキシ基含有化合物(d)を付加させてもよい。この場合、エポキシ基含有化合物(d)として、光感度を向上させるために、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートや、重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物などの、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させたり、また、現像性を向上させるために、重合性不飽和基を有さないグリシジルエーテル化合物を付加させることもでき、この両者を併用してもよい。重合性不飽和基を有さないグリシジルエーテル化合物の具体例としてはフェニル基やアルキル基を有するグリシジルエーテル化合物(ナガセ化成工業(株)製、商品名:デナコールEX−111、デナコールEX−121、デナコールEX−141、デナコールEX−145、デナコールEX−146、デナコールEX−171、デナコールEX−192)等がある。
本発明に係るアルカリ可溶性樹脂(A)は、前述のエポキシ樹脂(a)と不飽和基含有カルボン酸(b)との反応物を、更に多塩基酸及びその無水物(c)のうち少なくとも一方と反応させて得られる樹脂の、カルボキシル基の一部にこのようなエポキシ基含有化合物(d)を付加させて得られる樹脂であってもよい。
(5) アルカリ可溶性樹脂(A)の物性等
本発明で用いるアルカリ可溶性樹脂(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は通常1500以上、好ましくは2000以上であり、通常50000以下、好ましくは30000以下、より好ましくは10000以下である。このアルカリ可溶性樹脂(A)の重量平均分子量が小さすぎると、感度が劣り、大きすぎると現像液に対する溶解性が不足するため好ましくない。
また、本発明で用いるアルカリ可溶性樹脂(A)の酸価(mgKOH/g)は、通常10以上、好ましくは50以上であり、通常200以下、好ましくは150以下である。アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価が低すぎると十分な溶解性が得られない場合があり、酸価が高すぎると硬化性が不足し、塗布膜の表面性が悪化する傾向がある。
なお、前記一般式(1−a−2)で表される化合物とフェノール系化合物の縮合反応、該縮合反応により得られる前記一般式(1−a−1)で表される化合物とエピハロヒドリンとの反応、不飽和基含有カルボン酸(b)並びに多塩基酸及びその無水物(c)のうち少なくとも一方との付加反応など、アルカリ可溶性樹脂(A)の合成反応は公知の方法にて行うことができ、例えば日本国特開2005−55814号公報に記載の方法にて行うことができる。
<アルカリ可溶性樹脂(A)>
本発明におけるバインダー樹脂として、特に好ましいものの他の例として、下記一般式(1−a)で示されるエポキシ化合物(a)と、不飽和基含有カルボン酸(b)との反応物を、多塩基酸及びその無水物(c)のうち少なくとも一方と反応させて得られるアルカリ可溶性樹脂(A)が挙げられる。
Figure 2013115268
〔上記一般式(1−a)において、p及びqはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、R31及びR32はそれぞれ独立してアルキル基又はハロゲン原子を表す。R33及びR34はそれぞれ独立してアルキレン基を表す。x及びyはそれぞれ独立して0以上の整数を表す。〕
(1) 一般式(1−a)で表されるエポキシ化合物(a
まず、前記一般式(1−a)で示されるエポキシ化合物(a)(以下、「(a)成分」と称することがある)について説明する。
前記一般式(1−a)において、R31及びR32のアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、ハロゲン原子としてはCl、Br、F等が挙げられる。R31及びR32としては、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基が特に好ましい。
31及びR32のアルキル基、ハロゲン原子の作用機構の詳細は明らかではないが、分子の3次元構造に影響を与え、現像液に対しての溶解しやすさを制御しているものと推測される。
従って上記観点からは、前記一般式(1−a)におけるp及びqはそれぞれ独立して0〜4の整数を表すが、好ましくは1又は2である。
31及びR32のベンゼン環への結合位置は、特に制限は無いが、
Figure 2013115268
又は
Figure 2013115268
に対してo−位が好ましい。
なお、R31及びR32は同じ基であっても異なる基であってもよいが、製造上のコストの点から、同じ基であることが好ましい。
33及びR34のアルキレン基としては、炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられ、特にそれぞれ独立してエチレン基又はプロピレン基である場合が好ましい。
x及びyは、それぞれ独立して0以上の整数を表すが、通常0〜6であり、好ましくは0〜3である。一般にx及びyは大きいほど溶解性が高いが、大きすぎる場合には、感度が低下する可能性がある。
なお、R33及びR34は同じ基であっても異なる基であってもよいが、製造上のコストの点から、同じ基であることが好ましい。
これら(a)成分の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)として、通常200〜200,000、好ましくは300〜100,000の範囲である。分子量を下限値以上とすることにより皮膜形成性が良好となり、また上限値以下とすることにより、後述する不飽和基含有カルボン酸(b)の付加反応時のゲル化が抑制される。
(2) 不飽和基含有カルボン酸(b
不飽和基含有カルボン酸(b)(以下、「(b)成分」と称することがある)としては、<アルカリ可溶性樹脂(A’’),アルカリ可溶性樹脂(A1’’)>における不飽和基含有カルボン酸(b’’)として挙げたものと同様の化合物が使用できる。これらの内、α,β−不飽和カルボン酸の中では(メタ)アクリル酸が好ましく、特にアクリル酸が反応性に富むため好ましい。またエステル部分にカルボキシル基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルの中では、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、及び2−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸が好ましい。
(b)成分の使用量は、(a)成分のエポキシ基1当量に対し0.5〜1.2当量の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.1当量の範囲である。
(b)成分の使用量を下限値以上とすることにより、十分な量の不飽和基を導入することができ、また続く多塩基酸及びその無水物(c)のうち少なくとも一方との反応も十分となる。また、多量のエポキシ基が残存しない点も好ましい。(b)成分の使用量を上限値以下とすることにより、未反応物として残存しない点で好ましい。上記範囲を満たすことにより、高い光硬化特性を得ることができる。
(3) 多塩基酸及びその無水物(c
多塩基酸及びその無水物(c)としても、<アルカリ可溶性樹脂(A’’),アルカリ可溶性樹脂(A1’’)>における多塩基酸及びその無水物(c’’)として挙げたものと同様の化合物が挙げられ、中でもテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸、及びこれらの無水物が好ましい。
多塩基酸及びその無水物(c’)のうち少なくとも一方の付加率は、最終的に得られるアルカリ可溶性樹脂(A’)の酸価が10〜150mg−KOH/gとなるようにすることが好ましく、20〜140mg−KOH/gとなるようにすることがより好ましい。酸価を上記下限値以上とすることにより、アルカリ現像性が良好となり、また上限値以下とすることにより、十分な光硬化性が得られる。
なお、この(c)成分の付加反応時に、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多官能アルコール(d)を添加し、多分岐構造を導入したものとしてもよい。多価アルコール(d)としては、例えば<アルカリ可溶性樹脂(A’’),アルカリ可溶性樹脂(A1’’)>における多価アルコール(d’’)として前述したものと同様の化合物が挙げられ、好ましい化合物及び好ましい使用量も同様である。
エポキシ化合物(a)に対する不飽和基含有カルボン酸(b)並びに多塩基酸及びその無水物(c)のうち少なくとも一方の付加反応など、アルカリ可溶性樹脂(A)の合成反応はいずれも公知の方法にて行うことができ、例えば日本国特開2005−126685号公報、日本国特開2005−325331号公報、及び日本国特開2006−241224号公報などに記載の方法を参照して行うことができる。
アルカリ可溶性樹脂(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常1,000以上、好ましくは1,500以上であり、通常30,000以下、好ましくは20,000以下、さらに好ましくは10,000以下、特に好ましくは8,000以下である。重量平均分子量を上記上限値以下とすることにより現像性が良好となり、また下限値以上とすることにより耐アルカリ性が良好になる。
<アルカリ可溶性樹脂(A’’’)>
本発明におけるバインダー樹脂として、特に好ましいものの他の例として、下記一般式(1−a’’’)で示されるエポキシ樹脂(a’’’)と不飽和基含有カルボン酸(b’’’)との反応物を、多塩基酸及びその無水物(c’’’)のうち少なくとも一方と反応させて得られるアルカリ可溶性樹脂(A’’’)が挙げられる。
Figure 2013115268
〔上記一般式(1−a’’’)において、R51は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R52は炭素数5〜16の2価の多環式炭化水素基を表し、R53及びR54は各々独立に、水素原子又はグリシジル基を表す。sは1又は2を表す。t及びzは各繰り返し単位の割合を示し、t≧z≧0.5tである。〕
一般式(1−a’’’)において、R51は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表すが、中でも光硬化性の観点から、好ましくは水素原子又はメチル基である。またsは1又は2を表すが、好ましくは1である。
52は、炭素数5〜16の2価の多環式炭化水素基を表す。このような基は、同じ骨格で炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する不飽和多環式炭化水素環化合物(以下、単に「不飽和多環式炭化水素化合物」と称することがある)を原料とし、後述する反応を行うことにより形成することができる。
原料となる不飽和多環式炭化水素環化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013115268
これらの中でも、架橋炭素環がより好ましく、ジシクロペンタジエンが特に好ましい。
前記一般式(1−a’’’)で示されるエポキシ樹脂(a’’’)は、上述した不飽和多環式炭化水素化合物と、下記一般式で表されるフェノール系化合物との重付加反応物の、水酸基をグリシジル化することにより得ることができる。
Figure 2013115268
〔上記一般式中、R51及びsは前記一般式(1−a’’’)における定義と同義である。〕
エポキシ樹脂(a’’’)としては、ジシクロペンタジエンと上記フェノール系化合物との重付加反応物をグリシジル化してなる、下記一般式(1−a’’’−1)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2013115268
〔上記一般式(1−a’’’−1)において、R53、R54、t及びzは、前記一般式(1−a’’’)における定義と同義である。〕
前記一般式(1−a’’’)及び一般式(1−a’’’−1)におけるグリシジル基の導入割合は、グリシジル化前の前記フェノール樹脂中のフェノール性水酸基のうち50〜100モル%、即ち前記一般式(1−a’’’)及び一般式(1−a’’’−1)におけるt及びzが、t≧z≧0.5tの関係を有する必要があり、好ましくは70〜100モル%がグリシジル基で置換されるのが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A’’’)は、前記一般式(1−a’’’)で示されるエポキシ樹脂(a’’’)と不飽和基含有カルボン酸(b’’’)との反応物を、多塩基酸及びその無水物(c’’’)のうち少なくとも一方と反応させて得られる樹脂である。
不飽和基含有カルボン酸(b’’’)としては、<アルカリ可溶性樹脂(A’’),アルカリ可溶性樹脂(A1’’)>における不飽和基含有カルボン酸(b’’)として挙げたものと同様の化合物が使用でき、好ましい化合物とその理由も前記と同様である。
エポキシ樹脂(a’’’)のエポキシ基に不飽和基含有カルボン酸(b’’’)を付加させる割合は、通常90〜100モル%である。エポキシ基の残存は保存安定性に悪影響を与えるため、不飽和基含有カルボン酸(b’’’)はエポキシ樹脂(a’’’)のエポキシ基1当量に対して、通常0.8〜1.5当量、特に0.9〜1.1当量の割合で反応を行うことが好ましい。
多塩基酸及びその無水物(c’’’)としても、<アルカリ可溶性樹脂(A’’),アルカリ可溶性樹脂(A1’’)>における多塩基酸及びその無水物(c’’)として挙げたものと同様の化合物が挙げられ、好ましい化合物とその理由も前記と同様である。
多塩基酸及びその無水物(c’’’)のうち少なくとも一方の付加率は、エポキシ樹脂(a’’’)に不飽和基含有カルボン酸(b’’’)を付加させたときに生成される水酸基の、通常15〜100モル%、好ましくは20〜90モル%であり、最終的に得られるアルカリ可溶性樹脂(A’’’)の酸価が45〜160mg−KOH/gとなることが好ましい。この付加率を上記上限値以下とすることにより、現像時の残膜率低下を防止することができ、また上記下限値以上とすることにより、良好な溶解性や基板への密着性を得ることができる。尚、多塩基酸とその無水物を併用する場合は、上記付加率は、多塩基酸とその無水物の合計の付加率を表す。
不飽和多環式炭化水素化合物とフェノール系化合物の反応、及び該反応にて得られたフェノール樹脂における水酸基のグリシジル化反応、不飽和基含有カルボン酸(b’’’)及び多塩基酸及びその無水物(c’’’)のうち少なくとも一方の付加反応など、アルカリ可溶性樹脂(A’’’)の合成反応はいずれも公知の方法にて行うことができ、例えば日本国特開平5−214048号公報に記載の方法を参照して行うことができる。
アルカリ可溶性樹脂(A’’’)の重量平均分子量は、通常1,500〜4,000、好ましくは2,000〜3,500、より好ましくは2,500〜3,000である。重量平均分子量が小さすぎる場合には、現像溶解性が高すぎるという問題が生じる可能性があり、また大きすぎると現像溶解性が低すぎるという問題が生じる可能性がある。
本発明において、これらのバインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色感光性組成物におけるバインダー樹脂としては、上記のアルカリ可溶性樹脂(A)、(A’)、(A’’)、(A’’’)、(A1’’)の内、形状や段差のコントロール、基板との密着性のバランスの点からアルカリ可溶性樹脂(A)と(A’’’)が好ましい。
バインダー樹脂の含有量は、本発明の着色感光性組成物の全固形分に対して、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上であり、通常80重量%以下、好ましくは70重量%以下である。バインダー樹脂の含有量を上記下限値以上とすることにより、形状や段差のコントロールが可能となる上に、未露光部分の現像液に対する溶解性も確保することができる。また、上記上限値以下とすることにより、熱硬化時の過度な収縮によるシワの発生を抑制することができる。
[3]光重合性モノマー
本発明において、光重合開始剤は、エチレン性不飽和化合物等の光重合性モノマーと共に用いられる。
ここで使用されるエチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物を意味するが、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部の現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましく、また、そのエチレン性不飽和結合は(メタ)アクリロイルオキシ基に由来する(メタ)アクリレート化合物が更に好ましい。
更に、エチレン性不飽和結合を分子内に3個以上有する化合物を用いると電圧保持率の観点から好ましい。
エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、代表的には、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、及び、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、具体的には以下の化合物が挙げられる。
不飽和カルボン酸と糖アルコールとの反応物;糖アルコールは具体的には、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(付加数2〜14)、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(付加数2〜14)、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と糖アルコールのアルキレンオキサイド付加物との反応物;糖アルコールは上記と同じ。アルキレンオキサイド付加物とは具体的にはエチレンオキサイド付加物、又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
不飽和カルボン酸とアルコールアミンとの反応物;アルコールアミン類とは具体的にはジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
具体的な不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類は以下の通りである。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及び同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネート等
その他の、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、不飽和カルボン酸と、ヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の芳香族ポリヒドロキシ化合物、或いはそれらのエチレンオキサイド付加物との反応物が挙げられる。具体的には、例えば、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAビス〔オキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔グリシジルエーテル(メタ)アクリレート〕等、また、前記の如き不飽和カルボン酸と、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリヒドロキシ化合物との反応物、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等、また、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸とポリヒドロキシ化合物との反応物、例えば、(メタ)アクリル酸とフタル酸とエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類としては、下記一般式(6)、(7)、(8)で表されるものが好ましい。
Figure 2013115268
(式(6),(7)及び(8)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、e及びgは1〜25の整数、fは1、2、又は3である。)
ここで、e及びgは1〜10、特に1〜4であるのが好ましく、これらの具体例としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールホスフェート等が挙げられ、これらはそれぞれが単独で用いられても混合物として用いられてもよい。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート、等のポリイソシアネート化合物との反応物等が挙げられる。
このようなものとしては例えば、新中村化学社製商品名「U−4HA」「UA−306A」「UA−MC340H」「UA−MC340H」「U6LPA」等が挙げられる。
これらの中でも、1分子中に4個以上のウレタン結合〔−NH−CO−O−〕及び4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましく、該化合物は、例えば、ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の1分子中に4個以上の水酸基を有する化合物に、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物を反応させて得られた化合物、或いは、エチレングリコール等の1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物に、旭化成工業社製「デュラネート24A−100」、同「デュラネート22A−75PX」、同「デュラネート21S−75E」、同「デュラネート18H−70B」等ビウレットタイプ、同「デュラネートP−301−75E」、同「デュラネートE−402−90T」、同「デュラネートE−405−80T」等のアダクトタイプ等の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する化合物を反応させて得られた化合物、或いは、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等を重合若しくは共重合させて得られた化合物等の、1分子中に4個以上、好ましくは6個以上のイソシアネート基を有する化合物等、例えば、旭化成工業社製「デュラネートME20−100」と、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の、1分子中に1個以上の水酸基及び2個以上、好ましくは3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物とを、反応させることにより得ることができる。
(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類としては、例えば、(メタ)アクリル酸、又は前記の如きヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物、フェノールノボラックポリエポキシ化合物、ブロム化フェノールノボラックポリエポキシ化合物、(o−,m−,p−)クレゾールノボラックポリエポキシ化合物、ビスフェノールAポリエポキシ化合物、ビスフェノールFポリエポキシ化合物等の芳香族ポリエポキシ化合物、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物、等のポリエポキシ化合物との反応物等が挙げられる。
その他のエチレン性不飽和化合物として、前記以外に、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物類、エーテル結合含有エチレン性不飽和化合物のエーテル結合を5硫化燐等により硫化してチオエーテル結合に変えることにより架橋速度を向上せしめたチオエーテル結合含有化合物類、及び、例えば、日本国特許第3164407号公報及び日本国特開平9−100111号公報等に記載の、多官能(メタ)アクリレート化合物と、粒子径5〜30nmのシリカゾル〔例えば、イソプロパノール分散オルガノシリカゾル(日産化学社製「IPA−ST」)、メチルエチルケトン分散オルガノシリカゾル(日産化学社製「MEK−ST」)、メチルイソブチルケトン分散オルガノシリカゾル(日産化学社製「MIBK−ST」)等〕とを、イソシアネート基或いはメルカプト基含有シランカップリング剤を用いて結合させた化合物等の、エチレン性不飽和化合物にシランカップリング剤を介してシリカゾルを反応させ結合させることにより硬化物としての強度や耐熱性を向上せしめた化合物類、等が挙げられる。
本発明において、エチレン性不飽和化合物としては、エステル(メタ)アクリレート類、又は、ウレタン(メタ)アクリレート類が好ましく、中でも、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等、5官能以上のものが特に好ましい。
以上のエチレン性不飽和化合物は、それぞれ単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の着色感光性組成物中の光重合性モノマーの割合は、全固形分に対して通常1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは12〜30重量%である。この範囲よりも光重合性モノマーの割合が多すぎると、他の成分の割合が減るにつれ硬化度が低下するため電圧保持率が悪化する傾向がある。一方少なすぎるとアルカリ樹脂の量が増えるため現像性が低下する傾向がある。
[4]光重合開始剤
光重合開始剤は、通常、加速剤との混合物(光重合開始剤系)として用いられ、必要に応じて添加される増感色素等が併用される。
光重合開始剤系は、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
光重合開始剤系成分を構成する光重合開始剤としては、例えば、国際公開第2008/153000号などに記載の各種化合物を使用することができる。
本発明の着色感光性組成物に使用される光重合開始剤として特に好ましくは、重合活性ラジカルの発生効率が良好な点からオキシムエステル系化合物が挙げられ、中でも以下に例示する化合物を好ましく用いることができる。
Figure 2013115268
Figure 2013115268
光重合開始剤系成分を構成する加速剤及び増感色素の例としては、例えば国際公開第2008/153000号などに記載の各種化合物が挙げられ,好ましい化合物も国際公開第2008/153000号に記載された化合物と同様である。
光重合開始剤系成分(光重合開始剤と加速剤の混合物)の含有割合は、本発明の着色感光性組成物中の全固形分中、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%である。この含有割合が著しく低いと露光光線に対する感度が低下する原因となることがあり、反対に著しく高いと未露光部分の現像液に対する溶解性が低下し、現像不良を誘起させることがある。
本発明の着色感光性組成物中に占める増感色素の含有割合は着色感光性組成物中の全固形分中、通常0〜20重量%、好ましくは0〜15重量%、更に好ましくは0〜10重量%である。
[5]分散剤・分散助剤
本発明の着色感光性組成物は、顔料の分散性の向上、分散安定性の向上のために、顔料分散剤及び分散助剤のうち少なくとも一方を併用する事が好ましい。中でも、特に顔料分散剤として高分子分散剤を用いると経時の分散安定性に優れるので好ましい。なお、ここで、高分子分散剤は顔料の分散安定性を確保するための、顔料とは全く構造の異なるポリマーであり、分散助剤とは顔料の分散性を高めるための顔料誘導体等をいう。
高分子分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。これら分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(BASF社製)、DisperBYK(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成(株)製)、SOLSPERSE(ゼネカ社製)、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)等を挙げることができる。
これらの高分子分散剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
顔料誘導体としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系等の誘導体が挙げられるが、中でもキノフタロン系が好ましい。顔料誘導体の置換基としてはスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接又はアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられ、好ましくはスルホン酸基である。またこれら置換基は一つの顔料骨格に複数置換していてもよい。
顔料誘導体の具体例としてはフタロシアニンのスルホン酸誘導体、キノフタロンのスルホン酸誘導体、アントラキノンのスルホン酸誘導体、キナクリドンのスルホン酸誘導体、ジケトピロロピロールのスルホン酸誘導体、ジオキサジンのスルホン酸誘導体等が挙げられる。
これらの顔料誘導体は1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の着色感光性組成物において、分散剤及び分散助剤のうち少なくとも一方の含有量は、顔料に対して通常5重量%以上120重量%以下であり、好ましくは5重量%以上90重量%以下、更にこのましくは5重量%以上60重量%以下、特に好ましい範囲は5重量%以上40重量%以下である。分散剤及び分散助剤の含有量が少な過ぎると、十分な分散性が得られない場合があり、多過ぎると相対的に他の成分の割合が減って電圧保持率が低下する場合がある。尚、分散剤と分散助剤を併用する場合には、上記含有量は、分散剤と分散助剤の合計の含有量を表す。
顔料誘導体を用いる場合、その使用量は着色感光性組成物中の顔料に対して通常0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。
[6]溶剤
本発明の着色感光性組成物は、一般に上述の顔料、バインダー樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、分散剤及び分散助剤や、後述のその他の成分の固形分を溶剤に溶解ないし分散させて調製される。
溶剤は、本発明の着色感光性組成物において、顔料、バインダー樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤等を溶解又は分散させ、粘度を調節する機能を有する。
溶剤としては、沸点が100〜300℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜280℃の沸点をもつ溶剤である。
このような溶剤としては、例えば国際公開第2008/153000号などに記載の各種溶剤が挙げられる。
これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
特に、フォトリソグラフィー法にてブラックフォトスペーサーを形成する場合、溶剤としては沸点が100〜200℃(圧力1013.25[hPa]条件下。以下、沸点に関しては全て同様。)の範囲のものを選択するのがより好ましい。とりわけ好ましくは120〜170℃の沸点を持つものである。
上記国際公開第2008/153000号に記載された溶剤のうち、塗布性、表面張力などのバランスがよく、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、グリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましい。
また、グリコールアルキルエーテルアセテート類は、単独で使用してもよいが、他の溶剤を併用してもよい。併用する溶剤として、特に好ましいのはグリコールモノアルキルエーテル類である。中でも、特に組成物中の構成成分の溶解性からプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。なお、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、添加量が多すぎると顔料が凝集しやすく、経時により着色感光性組成物の粘度が上がっていくなどの保存安定性が低下する傾向があるので、溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5重量%〜30重量%が好ましく、5重量%〜20重量%がより好ましい。
また、150℃以上の沸点をもつ溶剤(以下「高沸点溶剤」と称す場合がある。)を併用することも好ましい。このような高沸点溶剤を併用することにより、着色感光性組成物は乾きにくくなるが、組成物中における顔料の均一な分散状態が、急激な乾燥により破壊されることを防止する効果がある。すなわち、例えばスリットノズル先端における、色材などの析出・固化による異物欠陥の発生を防止する効果がある。このような効果が高い点から、上述の国際公開第2008/153000号に記載された各種溶剤の中でも、特にジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましい。
溶剤中の高沸点溶剤の含有割合は、3重量%〜50重量%が好ましく、5重量%〜40重量%がより好ましく、5重量%〜30重量%が特に好ましい。高沸点溶剤の量を上記下限値以上とすることにより、例えばスリットノズル先端における顔料などの析出・固化による異物欠陥発生を防止することができ、また上記上限値以下とすることにより、後述するカラーフィルター製造工程において、減圧乾燥プロセスのタクト不良や、プリベークのピン跡といった問題を惹き起こさないよう、組成物の乾燥速度を適度に保つことが可能となる。
なお沸点150℃以上の高沸点溶剤が、グリコールアルキルエーテルアセテート類であってもよく、またグリコールアルキルエーテル類であってもよく、この場合は、沸点150℃以上の高沸点溶剤を別途含有させなくてもかまわない。
好ましい高沸点溶剤として、例えば前述の各種溶剤の中ではジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテート、トリアセチンなどが挙げられる。
本発明の着色感光性組成物全体に占める溶剤の含有量は特に制限はないが、通常99重量%以下であり、通常50重量%以上、好ましくは55重量%以上、更に好ましくは60重量%以上である。溶剤の割合を上記上限値以下とすることにより、着色感光性組成物中に顔料、バインダー樹脂、光重合性モノマー等の固形分を必要十分な量含有することができる。また上記下限値以上とすることにより、増粘を抑制し、良好な塗布性と塗布膜の膜厚均一性を得ることができる。
なお、上記事情を勘案し、本発明の着色感光性組成物は溶剤を使用して、その固形分濃度が通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%となるように、調液される。
[7]その他の成分
本発明の着色感光性組成物には、上記の成分の他に、さらに重合加速剤、増感色素、界面活性剤、光酸発生剤、架橋剤、密着性向上剤、可塑剤、保存安定剤、表面保護剤、有機カルボン酸、有機カルボン酸無水物、現像改良剤、熱重合防止剤等を含んでいてもよい。
[7−1]光酸発生剤
光酸発生剤とは、紫外線により酸を発生することができる化合物であり、露光を行った際に発生する酸の作用により、例えばメラミン化合物等架橋剤があることで架橋反応を進行させることとなる。係る光酸発生剤の中でも、溶剤に対する溶解性、特に着色感光性組成物に使われる溶剤に対する溶解性が大きいものが好ましいものであり、例えば、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p−アニシル)ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム、ビス(n−ドデシル)ヨードニウム、p−イソブチルフェニル(p−トリル)ヨードニウム、p−イソプロピルフェニル(p−トリル)ヨードニウムなどのジアリールヨードニウム、あるいはトリフェニルスルホニウムなどのトリアリールスルホニウムのクロリド、ブロミド、あるいはホウフッ化塩、へキサフルオロフォスフェート塩、ヘキサフルオロアルセネート塩、芳香族スルホン酸塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩等や、ジフェニルフェナシルスルホニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート等のスルホニウム有機ホウ素錯体類、あるいは、2−メチル−4,6−ビストリクロロメチルトリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビストリクロロメチルトリアジンなどのトリアジン化合物等を挙げることができるがこの限りではない。
これらの光酸発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光酸発生剤を用いる場合、その含有割合は、着色感光性組成物の全固形分に対して0〜20重量%が好ましく、特に好ましくは2〜15重量%である。
[7−2]架橋剤
本発明の着色感光性組成物には、さらに架橋剤を加えることができ、例えばメラミン又はグアナミン系の化合物を用いることができる。これら架橋剤としては、例えば、下記一般式(XI)で示されるメラミン又はグアナミン系の化合物を挙げることができる。
Figure 2013115268
〔式中、R61は−NR6667基又はアリール基を表し、R61が−NR6667基の場合はR62、R63、R64、R65、R66及びR67の一つ、そしてR61がアリール基の場合はR62、R63、R64及びR65の一つが−CHOR68基を表し、R62、R63、R64、R65、R66及びR67の残りは互いに独立に、水素原子又は−CHOR68基を表し、ここにR68は水素原子又はアルキル基を表す。〕
ここで、アリール基は典型的にはフェニル基、1−ナフチル基又は2−ナフチル基であり、これらのフェニル基やナフチル基には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などの置換基が結合していてもよい。アルキル基及びアルコキシ基は、それぞれ炭素数1〜6であることができる。R68で表されるアルキル基は、上記のなかでも、メチル基又はエチル基、とりわけメチル基であるのが一般的である。
一般式(XI)に相当するメラミン系化合物、すなわち下記一般式(XI−1)の化合物には、へキサメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ペンタメトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミンなどが包含される。
Figure 2013115268
〔式中、R62、R63、R64、R65、R66及びR67の一つがアリール基の場合はR62、R63、R64及びR65の一つが−CHOR68基を表し、R62、R63、R64、R65、R66及びR67の残りは互いに独立に、水素原子又は−CHOR68基を表し、ここにR68は水素原子又はアルキルを表す。〕
また、一般式(XI)に相当するグアナミン系化合物、すなわち一般式(XI)中のR61がアリール基である化合物には、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン、トリメトキシメチルベンゾグアナミン、テトラエトキシメチルベンゾグアナミンなどが包含される。
さらに、メチロール基又はメチロールアルキルエーテル基を有する架橋剤を用いることもできる。以下にその例を挙げる。
2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェノール、4−tert−ブチル−2,6−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール、5−エチル−1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ペルヒドロ−1,3,5−トリアジン−2−オン(通称N−エチルジメチロールトリアゾン)又はそのジメチルエーテル体、ジメチロールトリメチレン尿素又はそのジメチルエーテル体、3,5−ビス(ヒドロキシメチル)ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン−4−オン(通称ジメチロールウロン)又はそのジメチルエーテル体、テトラメチロールグリオキザールジウレイン又はそのテトラメチルエーテル体。
尚、これら架橋剤は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
架橋剤を用いる際の量は、着色感光性組成物の全固形分に対して0.1〜15重量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜10重量%である。
[7−3]密着向上剤
本発明の着色感光性組成物には、細い線やドットを充分密着させるために、密着向上剤を含有させてもよい。
密着向上剤としては、窒素原子を含有する化合物や燐酸基含有化合物、シランカップリング剤などが好ましく、窒素原子を含有する化合物としては、例えば、ジアミン類(日本国特開平11−184080号公報記載の密着増強剤、他)やアゾール類が好ましい。なかでもアゾール類が好ましく、特にイミダゾール類(日本国特開平9−236923号公報記載の密着向上剤、他)、ベンゾイミダゾール類、ベンゾトリアゾール類(日本国特開2000−171968号公報記載の密着向上剤、他)が好ましく、イミダゾール類とベンゾイミダゾール類が最も好ましい。これらのなかで、カブリが生じにくく、密着性を大きく向上させることができる点から2−ヒドロキシベンゾイミダゾール、2−ヒドロキシエチルベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−ヒドロキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−アミノイミダゾールが好ましく、2−ヒドロキシベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−ヒドロキシイミダゾール、イミダゾールが特に好ましい。シランカップリング剤の種類としては、エポキシ系、メタクリル系、アミノ系等種々の物が使用できるが、特にエポキシ系やイソシアネート系のシランカップリング剤が好ましい。
これらは1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの密着向上剤を配合する場合、その配合割合は、用いる密着向上剤の種類によっても異なるが、着色感光性組成物の全固形分に対して0.01〜5重量%、特に0.05〜3重量%とすることが好ましい。これよりも少ないと十分な密着性の向上効果が得られない場合があり、多すぎると現像性を下げる場合がある。
[7−4]増感色素
増感色素としては、例えば日本国特開平4−221958号、日本国特開平4−219756号公報に記載のキサンテン色素、日本国特開平3−239703号、日本国特開平5−289335号公報に記載の複素環を有するクマリン色素、日本国特開平3−239703号、日本国特開平5−289335号公報に記載の3−ケトクマリン化合物、日本国特開平6−19240号公報に記載のピロメテン色素、その他、日本国特開昭47−2528号、日本国特開昭54−155292号、日本国特公昭45−37377号、日本国特開昭48−84183号、日本国特開昭52−112681号、日本国特開昭58−15503号、日本国特開昭60−88005号、日本国特開昭59−56403号、日本国特開平2−69号、日本国特開昭57−168088号、日本国特開平5−107761号、日本国特開平5−210240号、日本国特開平4−288818号公報に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等を挙げることができる。
これらは1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
増感色素を配合する場合、着色感光性組成物中の全固形分中における増感色素の含有率は、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%である。これより少ないと増感効果が出ない場合があり、多すぎると現像性を下げる場合がある。
[7−5]界面活性剤
界面活性剤としてはアニオン系、カチオン系、非イオン系、両性界面活性剤等各種のものの1種又は2種以上を用いることができるが、諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン系界面活性剤を用いるのが好ましい。また、フッ素系やシリコン系のものは、塗布性の面で効果的である。
界面活性剤を用いる場合、その配合割合としては、着色感光性組成物中の全固形分に対して通常0.001〜10重量%、好ましくは0.005〜1重量%、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%、最も好ましくは0.03〜0.3重量%の範囲である。界面活性剤の添加量が上記範囲よりも少ないと塗布膜の平滑性、均一性が発現できない場合があり、多いと塗布膜の平滑性、均一性が発現できない場合がある他、他の特性が悪化する場合がある。
[7−6]有機カルボン酸、有機カルボン酸無水物
本発明の着色感光性組成物は、現像性の向上や地汚れ改善の目的で有機カルボン酸及び有機カルボン酸無水物のうち少なくとも一方を含んでいてもよい。
有機カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸が挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸、グリコール酸、アクリル酸、メタクリル酸などのモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸などのジカルボン酸、トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸などのトリカルボン酸などが挙げられる。
また、芳香族カルボン酸としては、具体的には、安息香酸、トルイル酸、クミン酸、へメリト酸、メシチレン酸、フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリット酸、フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸などのフェニル基に直接カルボキシル基が結合したカルボン酸、及びフェニル基から炭素結合を介してカルボキシル基が結合したカルボン酸等が挙げられる。
上記有機カルボン酸の中では、モノカルボン酸、ジカルボン酸が好ましく、中でもマロン酸、グルタル酸、グリコール酸が更に好ましく、マロン酸が特に好ましい。
上記有機カルボン酸の分子量は、通常1000以下であり、通常50以上である。上記有機カルボン酸の分子量が大きすぎると地汚れ改善効果が不十分となる場合があり、少なすぎると昇華、揮発などにより、添加量の減少やプロセス汚染を起こす恐れがある。
有機カルボン酸無水物としては、脂肪族カルボン酸無水物及び芳香族カルボン酸無水物が挙げられ、脂肪族カルボン酸無水物としては、具体的には無水酢酸、無水トリクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水グルタル酸、無水1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、無水n−オクタデシルコハク酸、無水5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸などの脂肪族カルボン酸無水物が挙げられる。芳香族カルボン酸無水物としては、具体的には無水フタル酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、無水ナフタル酸などが挙げられる。
上記有機カルボン酸無水物の中では、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸が好ましく、無水マレイン酸が更に好ましい。
上記有機カルボン酸無水物の分子量は、通常800以下、好ましくは600以下、更に好ましくは500以下であり、通常50以上である。上記有機カルボン酸無水物の分子量が大きすぎると地汚れ改善効果が不十分となる場合があり、少なすぎると昇華、揮発などにより、添加量の減少やプロセス汚染を起こす恐れがある。
これらの有機カルボン酸及び有機カルボン酸無水物は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの有機カルボン酸及び有機カルボン酸無水物を用いる場合、その添加量は、それぞれ、本発明の着色感光性組成物の全固形分中、通常0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.03重量%〜3重量%である。その添加量が少なすぎると十分な添加効果が得られない場合があり、多すぎると表面平滑性や感度が悪化し、未溶解剥離片が発生する場合がある。
[7−7]熱重合防止剤
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ピロガロール、カテコール、2,6−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトール等の1種又は2種以上が用いられる。
熱重合防止剤の配合割合は、着色感光性組成物中の全固形分に対し0〜2重量%の範囲であることが好ましく、これよりも多いと遮光性、着色感光性組成物の感度の低下を招く場合がある。
[7−8]可塑剤
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等の1種又は2種以上が用いられる。
これら可塑剤の配合割合は、着色感光性組成物の全固形分に対し0〜5重量%の範囲であることが好ましく、これよりも多いとブラックフォトスペーサーの硬化点が低下する。
[着色感光性組成物の調製方法]
本発明の着色感光性組成物は常法に従って調製される。以下に、例を挙げて具体的に説明するが、本発明における着色感光性組成物の調製方法は、当該方法に限定される訳ではない。
顔料の分散安定性の確保の点から、本発明の着色感光性組成物は、以下に述べるように、予め顔料分散液を調製し、これにその他の成分を混合する調製方法が好ましい。
[1]顔料分散液の製造方法
顔料、溶剤及び分散剤、必要に応じて分散助剤を各々所定量秤量し、分散処理工程において、顔料を分散させて液状の顔料分散液とする。この分散処理工程では、ペイントコンディショナー(ペイントシェイカー)、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザーなどを使用することができる。この分散処理を行うことによって顔料が微粒子化されるため、このようにして調製された顔料分散液を用いた着色感光性組成物は塗布特性、及び形状や直線性などのパターニング特性が向上する。
サンドグラインダーやペイントシェイカーを用いて分散処理を行う場合は、0.1〜8mm径のガラスビーズ、又はジルコニアビーズを用いるのが好ましい。分散処理する際の温度は通常0℃〜100℃の範囲、好ましくは室温〜80℃の範囲に設定する。なお、分散時間は、顔料分散液の組成(顔料、溶剤、分散剤等)、及び装置の大きさなどにより適正時間が異なるため、適宜調整する必要がある。
この場合、JIS Z8741(1997)における20度鏡面光沢度が100〜200の範囲となるように顔料分散液の光沢を制御するのが分散の目安である。顔料分散液の光沢が低い場合には分散処理が十分でなく荒い顔料粒子が残っていることが多く、現像性、密着性、解像性等の点で不十分となる場合がある。また、光沢値が上記範囲を超えるまで分散処理すると超微粒子が多数生じるために却って分散安定性が損なわれることになりやすい。
顔料を分散処理する際には、前記のバインダー樹脂、又は分散助剤などを適宜併用してもよい。バインダー樹脂を含むことにより、顔料分散液を製造する際の分散安定性を高めることができる。
この場合、バインダー樹脂の添加量は、顔料分散液中の顔料に対して、通常5〜100重量%、好ましくは10〜60重量%とすることが好ましい。バインダー樹脂の添加量を上記下限値以上とすることにより、より高い分散安定性やパターニング特性を有することができ、また上記上限値以下とすることにより、高い顔料濃度を確保でき、より高い遮光性が得られるため好ましい。
なお、顔料分散液の固形分濃度は、通常10〜40重量%である。
ここで、「全固形分」とは、溶剤以外の顔料分散液の全成分を指す。
[2]着色感光性組成物の製造方法
本発明の着色感光性組成物は、上記工程により得られた顔料分散液に、着色感光性組成物が含有する他の成分を添加し、混合して均一な溶液とすることにより調製される。なお、着色感光性組成物として配合する全成分を同時に混合した液での分散処理は、分散時に生じる発熱のため高反応性の成分が変性するおそれがある。また、製造工程においては微細なゴミが液中に混じることが多いため、得られた着色感光性組成物溶液はフィルター等により濾過処理するのが望ましい。
[ブラックフォトスペーサー]
本発明の着色感光性組成物は、公知のカラーフィルター用着色感光性組成物と同様の用途に使用されるが、以下、ブラックフォトスペーサーとして使用される場合について、本発明の着色感光性組成物を用いたブラックフォトスペーサーの形成方法の具体例に従って説明する。
通常、ブラックフォトスペーサーが設けられるべき基板上に、着色感光性組成物溶液を、塗布等の方法により膜状或いはパターン状に供給し、溶剤を乾燥させる。続いて、露光−現像を行うフォトリソグラフィー法などの方法によりパターン形成を行う。その後、必要により追露光や熱硬化処理を行うことにより、該基板上にブラックフォトスペーサーが形成される。
[1]基板への供給方法
本発明の着色感光性組成物は、通常、溶剤に溶解或いは分散された状態で、基板上へ供給される。その供給方法としては、従来公知の方法、例えば、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法などによって行うことができる。また、インクジェット法や印刷法などにより、パターン状に供給されてもよい。中でも、ダイコート法によれば、塗布液の使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法によった際に付着するミストなどの影響が全くない、異物発生が抑制されるなど、総合的な観点から好ましい。
塗布量は用途により異なるが、例えばブラックフォトスペーサーの場合には、乾燥膜厚として、通常0.5μm〜10μm、好ましくは1μm〜9μm、特に好ましくは1μm〜7μmの範囲である。また、乾燥膜厚あるいは最終的に形成されたスペーサーの高さが、基板全域に渡って均一であることが重要である。ばらつきが大きい場合には、液晶パネルにムラ欠陥を生ずることとなる。
ただし、本発明の着色感光性組成物をフォトリソグラフィー法により高さの異なるブラックフォトスペーサーを一括形成する場合は最終的に形成されたブラックフォトスペーサーの高さは異なるものとなる。
尚、基板としてはガラス基板など、公知の基板を使用することができる。また、基板表面は平面であることが好適である。
[2]乾燥方法
基板上に着色感光性組成物溶液を供給した後の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブンを使用した乾燥方法によるのが好ましい。また、温度を高めず、減圧チャンバー内で乾燥を行う、減圧乾燥法を組み合わせてもよい。
乾燥の条件は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて適宜選択することができる。乾燥時間は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて、通常は、40℃〜130℃の温度で15秒〜5分間の範囲で選ばれ、好ましくは50℃〜110℃の温度で30秒〜3分間の範囲で選ばれる。
[3]露光方法
露光は、着色感光性組成物の塗布膜上に、ネガのマスクパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線又は可視光線の光源を照射して行う。露光マスクを用いて露光を行う場合には、露光マスクを着色感光性組成物の塗布膜に近接させる方法や、露光マスクを着色感光性組成物の塗布膜から離れた位置に配置し、該露光マスクを介した露光光を投影する方法によってもよい。また、マスクパターンを用いないレーザー光による走査露光方式によってもよい。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、脱酸素雰囲気下で行ったり、光重合性層上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行ったりしてもよい。
本発明の好ましい態様として、フォトリソグラフィー法により高さの異なるブラックフォトスペーサーを同時に形成する場合は、例えば、前述の如く、遮光部(光透過率0%)と、複数の開口部として、平均光透過率の最も高い開口部(完全透過開口部)に対して平均光透過率の小さい開口部(中間透過開口部)を有する露光マスクを用いる。この方法により、中間透過開口部と完全透過開口部の平均光透過率の差(一般的には5%〜40%)、即ち露光量の差により、残膜率の差異を生じさせる。
中間透過開口部は、例えば、微小な多角形の遮光ユニットを有するマトリックス状遮光パターンによって作成する方法等が知られている。また吸収体として、クロム系、モリブデン系、タングステン系、シリコン系などの材料の膜によって、光透過率を制御し作成する方法等が知られている。
上記の露光に使用される光源は、特に限定されるものではない。光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプなどのランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、青紫色半導体レーザー、近赤外半導体レーザーなどのレーザー光源などが挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。
光学フィルターとしては、例えば薄膜で露光波長における光透過率を制御可能なタイプでもよく、その場合の材質としては、例えばCr化合物(Crの酸化物、窒化物、酸窒化物、フッ化物など)、MoSi、Si、W、Al等が挙げられる。
露光量としては、通常、1mJ/cm以上、好ましくは5mJ/cm以上、より好ましくは10mJ/cm以上であり、通常300mJ/cm以下、好ましくは200mJ/cm以下、より好ましくは150mJ/cm以下である。
また、近接露光方式の場合には、露光対象とマスクパターンとの距離としては、通常10μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは75μm以上であり、通常500μm以下、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下である。
[4]現像方法
上記の露光を行った後、アルカリ性化合物の水溶液、又は有機溶剤を用いる現像によって、基板上に画像パターンを形成することができる。この水溶液には、さらに界面活性剤、有機溶剤、緩衝剤、錯化剤、染料又は顔料を含ませることができる。
アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ性化合物や、モノ−・ジ−又はトリエタノールアミン、モノ−・ジ−又はトリメチルアミン、モノ−・ジ−又はトリエチルアミン、モノ−又はジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−又はトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類などのアニオン性界面活性剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類などの両性界面活性剤、が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。有機溶剤は、単独でも水溶液と併用して使用できる。
現像処理の方法については特に制限は無いが、通常、10℃〜50℃、好ましくは15℃〜45℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法により行われる。
[5]追露光及び熱硬化処理
現像の後の基板には、必要により上記の露光方法と同様な方法により追露光を行ってもよく、また熱硬化処理を行ってもよい。この際の熱硬化処理条件は、温度は100℃〜280℃の範囲、好ましくは150℃〜250℃の範囲で選ばれ、時間は5分間〜60分間の範囲で選ばれる。
本発明のブラックフォトスペーサーの大きさや形状等は、これを適用するカラーフィルターの仕様等によって適宜調整されるが、本発明の着色感光性組成物は、特に、フォトリソグラフィー法によりスペーサーとサブスペーサーの高さの異なるブラックフォトスペーサーを同時に形成するのに有用であり、その場合、スペーサーの高さは通常2〜7μmであり、サブスペーサーは、スペーサーよりも通常0.2〜1.5μm低い高さを有する。
[カラーフィルター]
本発明のカラーフィルターは、上述のような本発明のブラックフォトスペーサーを備えるものであり、例えば透明基板としてのガラス基板上に、ブラックマトリクスと、赤色、緑色、青色の画素着色層と、オーバーコート層とが積層されて、ブラックフォトスペーサーを形成した後配向膜を形成して製造される。
このような本発明のブラックフォトスペーサーを有する本発明のカラーフィルターと液晶駆動側基板とを貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入して液晶表示装置を製造することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」は「重量部」を表す。
以下の実施例及び比較例で用いた着色感光性組成物の構成成分は次の通りである。
<バインダー樹脂−1>
日本化薬(株)製「ZCR−1569H」(MW=3000〜4000、酸価=約100mg−KOH/g)
なお、このバインダー樹脂−1は、本発明における「アルカリ可溶性樹脂(A)」に相当する。
<バインダー樹脂−2>
日本化薬(株)製「ZCR−1642H」(MW=5000〜6500、酸価=約100mg−KOH/g)
なお、このバインダー樹脂−2は、本発明における「アルカリ可溶性樹脂(A)」に相当する。
<バインダー樹脂−3>
下記構造(11)のエポキシ化合物とアクリル酸との反応物を、トリメチロールプロパン(TMP)及びビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA)と反応させて得られた樹脂(MW=3500〜4500、酸価=約110mg−KOH/g)
Figure 2013115268
尚、バインダー樹脂−3は、下記方法に従い合成することができる。
<合成例1:バインダー樹脂−3の合成>
上記構造(11)のエポキシ化合物(エポキシ当量264)50g、アクリル酸13.65g、メトキシブチルアセテート60.5g、トリフェニルホスフィン0.936g、及びパラメトキシフェノール0.032gを、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら90℃で酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させる。反応には12時間を要し、エポキシアクリレート溶液を得る。
上記エポキシアクリレート溶液25重量部及び、トリメチロールプロパン(TMP)0.74重量部、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(BPDA)3.95重量部、テトラヒドロフタル酸無水物(THPA)2.7重量部を、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら105℃までゆっくり昇温し反応させる。
樹脂溶液が透明になったところでメトキシブチルアセテートで希釈し、固形分50重量%となるよう調製し、バインダー樹脂−3を得る。
なお、このバインダー樹脂−3は、本発明における「アルカリ可溶性樹脂(A1”)」に相当する。
<分散剤>
ビックケミー社製「DisperBYK−2000」
<分散助剤>
ループリゾール社製「S12000」
<界面活性剤>
大日本インキ化学社製「メガファック F−475」
<溶剤−1>
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<溶剤−2>
MB:3−メトキシブタノール
<光重合開始剤>
下記化合物。
Figure 2013115268
<光重合性モノマー>
DPHA:日本化薬(株)製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
[顔料分散液−1〜10の調製]
表1に記載の顔料、分散剤、分散助剤、バインダー樹脂、及び溶剤を、表1に記載の重量比で混合した。ここに、分散容器の容積の80%のジリコニアビーズ(平均粒径0.3mm)を混合した後、ピコミル分散容器に充填し、表1に示す必要なリテンション時間(RT)にて分散させて、各顔料分散液を調製した。
Figure 2013115268
[実施例1〜5、比較例1〜6]
上記の通り調製された顔料分散液と表2に示す他の各成分とを、表2に示す割合で配合、撹拌して着色感光性組成物を調製した。
この着色感光性組成物を用いて、以下の通り各評価を行い、結果を表2に示した。
[段差(ΔH)、密着性、光学濃度(OD)の評価]
<高さの異なる硬化物の一括形成方法>
ガラス基板(AGC社製「AN100」)上にスピナーを用いて各着色感光性組成物を塗布した。次いで、110℃にて70秒間、ホットプレート上で加熱乾燥して塗布膜を形成した。
得られた塗布膜に対し、直径5〜50μmの各種直径の円形パターンの完全透過開口部及び直径5〜50μmの各種直径の円形パターンの中間透過開口部、さらにはベタ部を有する露光マスクを用いて露光処理を施した。中間透過開口部は、Cr酸化物の薄膜で波長365nmにおける光透過率を10±2%としたものである。露光ギャップ(マスクと塗布面間の距離)は、250μmであった。光射光としては、波長365nmでの強度が32mW/cmである紫外線を用い、露光量は40〜90mJ/cmの6水準とした。また、紫外線照射は空気下で行った。
続いて、0.05重量%の水酸化カリウムと0.08重量%のノニオン性界面活性剤(花王社製「A−60」)を含有する水溶液よりなる現像液を用い、25℃において水圧0.15MPaのシャワー現像を施した後、純水にて現像を停止し、水洗スプレーにて洗浄した。シャワー現像時間は、10〜120秒間の間で調整し、未露光の塗膜が溶解除去される時間の1.5倍とした。
これらの操作により、不要部分を除去したパターンを得た。当該パターンの形成された基板をオーブン中、230℃で20分間加熱してパターンを硬化させ、略円柱状のスペーサーパターンを得た。
<段差の評価>
直径15μmの円形パターンの完全透過開口部及び直径35μmの円形パターンの中間透過開口部の高さの差異(段差ΔH)を算出し、露光量40〜90mJ/cmにおける最大値を求めると共に、ΔHの値を以下の基準で評価した。
(段差ΔHの評価基準)
0.5μm以上 :○
0.3μm以上0.5μm未満:△
0.3μm未満 :×
<基板密着性の評価>
高さの差異(ΔH)が最大となる露光量にて、5〜50μmの円形パターンの完全透過開口部と、同じく5〜50μmの中間透過開口部において、それぞれパターンが解像性良く残っている最小の開口直径(μm)を最小密着として表2に示した。この値は小さい程基板密着性に優れる。尚、解像性良く残っているとは、同一サイズのパターンを24個形成して、その全てのパターンが正常に形成されていることをいう。
<光学濃度(OD)の評価>
ベタ部の光学濃度(OD)を透過濃度計(グレタグマクベス社製「D 200−II」)にて測定した。さらに測定箇所の膜厚も測定し、単位膜厚あたりの光学濃度(単位OD)を算出し、以下の基準で評価した。なお、OD値は遮光能力を示す数値であり数値が大きい程高遮光性であることを示す。
(単位ODの評価基準)
0.8以上 :○
0.8未満 :×
[電圧保持率(VHR)評価]
<液晶セルの作製>
5cm角の片全面にITO膜を形成した電極基板A(イーエッチシー製、評価用ガラスITOベタ)と、2.5cm角の同ガラス基板の片面中央部に、2mm幅の取り出し電極がつながった1cm角のITO膜を形成した電極基板B(イーエッチシー製、評価用ガラスSZ−B111MIN(B))を用意した。
電極基板Aの上に、各着色感光性組成物を塗布し、1分間真空乾燥後、ホットプレート上で90℃にて1.5分間プリベークし、乾燥膜厚2.0μmの塗布膜を得た。その後、外縁部が2mmマスキングして、それぞれ3kW高圧水銀を用い50mJ/cmの露光条件にて画像露光を施した。次いで、約0.06重量%の水酸化カリウムと約0.14重量%のノニオン性界面活性剤(花王(株)製「A−60」)を含有する水溶液よりなる現像液を用い、25℃において水圧0.15MPaのシャワー現像を施した後、純水にて現像を停止し、水洗スプレーにてリンスした。シャワー現像時間は、10〜120秒間の間で調整し、非感光層が溶解除去される時間(ブレークタイム)の約1.5倍とした。
こうして画像形成された電極基板を230℃で20分間ポストベークし、レジストが施された電極基板を得た(レジスト基板)。その後、レジスト基板にポリイミド溶液を塗布し、ホットプレート上で70℃にて2分間プリベークし、220℃で24分間ポストベークした。こうして得られたレジスト基板を2.5cm角の基板にカットし、評価用電極基板Aを完成した。
一方、電極基板Bの上にも、ポリイミド溶液を塗布し、ホットプレート上で70℃にて2分間プリベークし、220℃で24分間ポストベークし、評価電極基板Bを完成した。
その後、電極基板Bの外周上に、ディスペンサーを用いて、直径5μmのシリカビーズを含有するエポキシ樹脂系シール剤を塗布した後、電極基板Bの表側(シール剤側)に評価用電極基板Aの塗布面を圧着したまま貼り付けて、空セルが完成した。熱風循環炉内で180℃で2時間加熱した。
こうして得られた空セルに、液晶(メルクジャパン社製MLC−6608)を注入し、周辺部をUV硬化型シール剤によって封止し、電圧保持率測定用液晶セルを完成した。
<電圧保持率(VHR)の評価>
上記液晶セルを、アニール処理(熱風循環炉内で105℃、2.5時間加熱)した後、評価用電極基板A、Bに、電圧5V、0.6Hz、フレーム時間1667msecの条件で電圧印加し、電圧保持率を(株)東陽テクニカ製「VHR−6254型」にて測定した。
Figure 2013115268
表2の結果から、顔料としてOr64及びB60を必須成分として含む本発明の着色感光性組成物、及び、顔料としてOr72及びB60を必須成分として含む本発明の着色感光性組成物は、遮光性と密着性、電圧保持率を維持しつつ、高さの異なる硬化物を同一材料で同時に形成するのに有用であることが分かる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2012年1月31日出願の日本特許出願(特願2012−018337)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (6)

  1. 顔料、バインダー樹脂、光重合性モノマー、及び光重合開始剤を含む着色感光性組成物であって、前記顔料が、下記(A)に示す顔料及び(B)に示す顔料を含む着色感光性組成物。
    (A)C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、及びC.I.ピグメントオレンジ72からなる群より選ばれる1つ
    (B)C.I.ピグメントブルー60
  2. 前記顔料が、C.I.ピグメントオレンジ64及びC.I.ピグメントブルー60を含む請求項1に記載の着色感光性組成物。
  3. 前記顔料が、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントバイオレット23、及びC.I.ピグメントバイオレット29からなる群より選ばれる1つをさらに含む請求項1又は2に記載の着色感光性組成物。
  4. 前記顔料が、下記(1)に示す顔料又は(2)に示す顔料を含む請求項1に記載の着色感光性組成物。
    (1) C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントブルー60、及びC.I.ピグメントレッド254
    (2) C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントブルー60、及びC.I.ピグメントバイオレット29
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の着色感光性組成物を用いて形成されたブラックフォトスペーサー。
  6. 請求項5に記載のブラックフォトスペーサーを含むカラーフィルター。
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