以下、本発明による固体撮像素子及び撮像装置について、図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態による撮像装置としての電子カメラ1を模式的に示す概略ブロック図である。
本実施形態による電子カメラ1は、例えば一眼レフのデジタルカメラとして構成される。しかし、本発明による撮像装置は、これに限らず、コンパクトカメラなどの他の電子カメラや、携帯電話に搭載された電子カメラや、フィルムカメラなどの種々の撮像装置に適用することができる。
電子カメラ1には、撮影レンズ2が装着される。この撮影レンズ2は、レンズ制御部2aによってフォーカスや絞りが駆動される。この撮影レンズ2の像空間には、固体撮像素子3の撮像面が配置される。
固体撮像素子3は、撮像制御部4の指令によって駆動され、画像信号を出力する。電子ビューファインダーモード時や動画撮影時などでは、撮像制御部4は、例えばいわゆるローリング電子シャッタを行いつつ後述する水平画素加算の読み出し動作を行うように固体撮像素子3を制御する。また、通常の本撮影時(静止画撮影時)などでは、撮像制御部4は、例えば、全画素を同時にリセットするいわゆるグローバルリセット後に、図示しないメカニカルシャッタで露光した後に、水平画素加算によらない全画素の画像信号を得るように固体撮像素子3を制御する。いずれの画像信号も、信号処理部5によって黒レベルクランプ処理等の信号処理が行われた後、A/D変換部6によりA/D変換され、メモリ7に一旦蓄積される。メモリ7は、バス8に接続されている。バス8には、レンズ制御部2a、撮像制御部4、CPU9、液晶表示パネル等の表示部10、記録部11、画像圧縮部12及び画像処理部13なども接続される。CPU9には、レリーズ釦などの操作部9aが接続される。また、記録部11には記録媒体11aが着脱自在に装着される。
電子カメラ1内のCPU9は、操作部9aの操作により電子ビューファインダーモードや動画撮影などが指示されると、それに合わせて撮像制御部4を駆動する。撮像制御部4は、例えばローリング電子シャッタを行いつつ後述する水平画素加算の読み出し動作を行うように固体撮像素子3を制御する。このとき、レンズ制御部2aによって、フォーカスや絞りが適宜調整される。固体撮像素子3から得られた水平画素加算された画像信号は、メモリ7に蓄積される。CPU9は、電子ビューファインダーモード時には水平画素加算された画像信号を表示部10に画像表示させ、動画撮影時には水平画素加算された画像信号を記録媒体11aに記録する。通常の本撮影時(静止画撮影時)などの場合は、CPU9は、水平画素加算されていない画像信号がメモリ7に蓄積された後に、操作部9aの指令に基づき、必要に応じて画像処理部13や画像圧縮部12にて所望の処理を行い、記録部11に処理後の信号を出力させ記録媒体11aに記録する。
図2は、図1中の固体撮像素子3の概略構成を示す回路図である。本実施形態では、固体撮像素子3は、CMOS型の固体撮像素子として構成されているが、他のXYアドレス型固体撮像素子として構成してもよい。
固体撮像素子3は、図2に示すように、画素部21と、複数の水平制御信号線22と、垂直走査回路23と、複数の垂直信号線V1〜Vmと、画素部21の列方向(垂直方向、図2中上下方向)の両側にそれぞれ配置された上側信号出力回路24及び下側信号出力回路25と、を有している。
画素部21は、n行k列に2次元マトリクス状に配置され入射光に応じた画素信号を出力する有効画素PXからなる有効画素部21Aと、n行(m−k)列に2次元マトリクス状に配置され黒レベルの信号を生成するオプチカルブラック画素(OB画素)OBからなるOB画素部21Bとを有している。本実施形態では、OB画素部21Bは、有効画素部21Aの領域の行方向(水平方向、図2中左右方向)の図2中右側に配置されている。もっとも、OB画素部21Bは、有効画素部21Aの図2中左側に配置してもよいし、有効画素部21Aの図2中左右両側に配置してもよい。
画素部21の各行には、垂直走査回路23に接続された水平制御信号線22がそれぞれ配置されている。各々の水平制御信号線22は、垂直走査回路23から出力される制御信号(後述する制御信号φSEL,φRES,φTX)を、画素PX,OBの各行にそれぞれ供給する。
複数の垂直信号線V1〜Vkは、有効画素PXの列毎に設けられ、対応する列の有効画素PXからの信号を受け取る。また、複数の垂直信号線Vk+1〜Vmは、OB画素OBの列毎に設けられ、対応する列のOB画素OBからの信号を受け取る。垂直信号線Vk+1〜Vmは、OB画素用垂直信号線である。垂直信号線V1〜Vmの上端(厳密に言うと、本実施形態では、それらの垂直信号線のうちの偶数番目の列の垂直信号線の上端)が、上側信号出力回路24に接続されている。垂直信号線V1〜Vmの下端(厳密に言うと、本実施形態では、それらの垂直信号線のうちの奇数番目の列の垂直信号線の下側)が、下側信号出力回路25に接続されている。ここでは、1列目の垂直信号線には符号V1を付し、m列目の垂直信号線には符号Vmを付し、他の垂直信号線についても同様である。各垂直信号線V1〜Vmには、定電流源26が接続されている(後述する図5及び図6参照)。なお、定電流源26を各垂直信号線V1〜Vmの上端側及び下端側にそれぞれ接続して、各垂直信号線V1〜Vmに対して2つずつの定電流源26を接続してもよい。この場合は、定電流源1つ当たりの電流値を、垂直信号線1本当たりに必要な電流値の1/2倍とする。
なお、必要に応じて、いわゆる横スミアや黒太陽を防止するため、各垂直信号線V1〜Vmに対して、例えば特開2010−263443号公報の図4及び図5に開示されているようなクリップ回路を設けてもよい。
本実施形態では、各々の画素PXの光入射側には、それぞれが異なる色成分の光を透過させる複数種類のカラーフィルタが、2行2列の繰り返し周期を持つ色配列で配置されている。画素PXは、カラーフィルタでの色分解によって各色に対応する電気信号を出力する。本実施形態では、図2に示すように、上述の色配列としてベイヤ配列が採用され、赤色(R)、緑色(Gr,Gb)、青色(B)のカラーフィルタがベイヤ配列に従って各画素PXに配置されている。すなわち、有効画素部21Aの奇数行にはR,Grのカラーフィルタが交互に並ぶとともに、有効画素部21Aの偶数行にはGb,Bのフィルタが交互に並んでいる。そして、有効画素部21A全体では緑色のフィルタが市松模様をなすように配置されている。これにより、有効画素部21Aは、撮像時にカラーの画像を取得することができる。本実施形態では、OB画素部21Bにも有効画素部21Aと同様に、カラーフィルタが配置されている。もっとも、OB画素OBは黒レベルを出力するものであるので、OB画素部21Bには必ずしもカラーフィルタを配置する必要はない。なお、図2では、各々の画素PX,OBにカラーフィルタの色を併せて表記している。
図3は、図2中の画素PX,OBを示す回路図である。本実施形態では、各画素PXは、一般的なCMOS型固体撮像素子の画素と同様に、光電変換部としてのフォトダイオードPDと、電荷を受け取って上述の電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部としてのフローティングディフュージョンFDと、フローティングディフュージョンFDの電位をリセットするリセットトランジスタRESと、フローティングディフュージョンFDの電位に応じた信号を垂直信号線V1〜Vmに供給する選択トランジスタSELと、フォトダイオードPDからフローティングディフュージョンFDに電荷を転送する電荷転送部としての転送トランジスタTXと、フローティングディフュージョンFDの電位に応じた上述の信号を出力する増幅部としての増幅トランジスタAMPとを有し、図3に示すように、接続されている。図3において、VDDは電源電位である。なお、本実施形態では、画素PX,OBのトランジスタAMP,TX,RES,SELは、全てnMOSトランジスタである。
本実施形態では、OB画素OBは、フォトダイオードPDが遮光される点を除いて有効画素PXと同じ構造を有している。もっとも、OB画素OBは、例えば、有効画素PXからフォトダイオードPDを取り除いた構造を有していてもよい。
転送トランジスタTXのゲートは行毎に共通に接続され、そこには、転送トランジスタTXを制御する制御信号φTXが垂直走査回路23から供給される。リセットトランジスタRESのゲートは行毎に共通に接続され、そこには、リセットトランジスタRESを制御する制御信号φRESが垂直走査回路23から供給される。選択トランジスタSELのゲートは行毎に共通に接続され、そこには、選択トランジスタSELを制御する制御信号φSELが垂直走査回路23から供給される。各制御信号φTXを行毎に区別する場合、j行目の制御信号φTXは符号φTX(j)で示す。この点は、制御信号φRES,φSELについても同様である。
各画素PXのフォトダイオードPDは、入射光の光量(被写体光)に応じて信号電荷を生成する。転送トランジスタTXは、制御信号φTXのハイレベル期間にオンし、フォトダイオードPDの電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。リセットトランジスタRESは、制御信号φRESのハイレベル期間(電源電位VDDの期間)にオンし、フローティングディフュージョンFDをリセットする。
増幅トランジスタAMPは、そのドレインが電源電位VDDに接続され、そのゲートがフローティングディフュージョンFDに接続され、そのソースが選択トランジスタSELのドレインに接続され、定電流源26(図3では図示せず、図5及び図6を参照)を負荷とするソースフォロア回路を構成している。増幅トランジスタAMPは、フローティングディフュージョンFDの電圧値に応じて、選択トランジスタSELを介して垂直信号線V1〜Vmに読み出し信号を出力する。選択トランジスタSELは、制御信号φSELのハイレベル期間にオンし、増幅トランジスタAMPのソースを垂直信号線V1〜Vmに接続する。
図2中の垂直走査回路23は、図1中の撮像制御部4からの制御信号を受けて、画素PX,OBの行毎に、制御信号φSEL,φRES,φTXをそれぞれ出力し、ローリング電子シャッタによる動作や、メカニカルシャッタを利用したグローバルリセットによる静止画読み出し動作などを実現する。それらの具体的な動作については公知であるため、ここではその説明は省略する。
画素PX,OBの構成は、前述した図3に示す構成に限らない。例えば、画素PX,OBの構成として、図4に示す構成を採用してもよい。図4は、変形例による画素PX,OBを示す回路図である。図4において、図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
図4に示す構成が図3に示す構成と異なる所は、列方向に隣り合う2つの画素PX,OB毎に、当該2つの画素PX,OBが1組のフローティングディフュージョンFD、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRES及び選択トランジスタSELを共有している点である。この変形例では、垂直走査回路23は、図3に示すような制御信号φSEL,φRES,φTXに代えて、図4に示すような制御信号φSEL,φRES,φTX1,φTX2を出力するように構成される。
図4では、1組のフローティングディフュージョンFD、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRES及び選択トランジスタSELを共有する2つの画素PX,OBを、画素ブロックBLとして示している。また、図3では、画素ブロックBL内の上側の画素PX,OBのフォトダイオードPD及び転送トランジスタTXをそれぞれ符号PD1,OB1,TX1で示し、画素ブロックBL内の下側の画素PX,OBのフォトダイオードPD及び転送トランジスタTXをそれぞれ符号PD2,TX2で示し、両者を区別している。また、転送トランジスタTX1のゲートに供給される制御信号をφTX1とし、転送トランジスタTX2のゲート電極に供給される制御信号をφTX2とし、両者を区別している。なお、図3ではjは画素行を示しているが、図4ではjは画素ブロックBLの行を示している。画素ブロックBLの1行は、画素PX,OBの2行に相当している。
この変形例では、垂直走査回路23は、図1中の撮像制御部4からの制御信号を受けて、画素PX,OBの行毎に、制御信号φSEL,φRES,φTX1,φTX2をそれぞれ出力することで、ローリング電子シャッタによる動作や、メカニカルシャッタを利用したグローバルリセットによる静止画読み出し動作などを実現することができる。
図5は、図2中の上側信号出力回路24の一部分(有効画素部21Aの2列目、4列目及び6列目の垂直信号線V2,V4,V6にそれぞれ対応して設けられた、3つのスイッチ群(各スイッチ群はスイッチS1〜S6からなる。)及び3つの増幅部CA1〜CA3)を示す回路図である。
図6は、図2中の上側信号出力回路24の他の部分(OB画素部21Bのk+2列目、k+4列目及びk+6列目にそれぞれ対応して設けられた、3つのスイッチ群(各スイッチ群はスイッチS1〜S6からなる。)及び3つの増幅部CA(k/2)+1,CA(k/2)+2,CA(k/2)+3)を示す回路図である。図6において、図5中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付している。
図7は、図2中の上側信号出力回路24の更に他の部分(有効画素部21Aの2列目からk列目までの偶数列目の垂直信号線にそれぞれ対応して設けられたk/2個の増幅部CA1〜CA(k/2)の出力信号、及び、OB画素部21Bのk+2列目からm列目までの偶数列目の垂直信号線にそれぞれ対応して設けられた(m−k)/2個の増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)の出力信号を、それぞれサンプルホールドするサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)、水平走査回路31など)を示す回路図である。
本実施形態では、図5にその一部を示すように、上側信号出力回路24は、有効画素部21Aの偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vkにそれぞれ対応して設けられた、各々がスイッチS1〜S6からなるk/2個のスイッチ群及びk/2個の増幅部CA1〜CA(k/2)を有している。
各増幅部CA1〜CA(k/2)は、同一の構成を有し、p個(本実施形態では、3個)の入力容量C1〜C3と、演算増幅器OPと、帰還容量Cfと、カラムアンプリセット信号φCARSTに応じてカラムアンプをリセットするカラムアンプリセットスイッチCARSTと、を有している。演算増幅器OPの反転入力端子(第1の入力端子)に、各入力容量C1〜C3の一方端部が接続されている。演算増幅器OPの反転入力端子と演算増幅器OPの出力端子との間に、帰還容量Cf及びカラムアンプリセットスイッチCARSTが並列に接続されている。演算増幅器OPの非反転入力端子(第2の入力端子)には、所定電位Vrefが印加されている。カラムアンプリセットスイッチCARSTは、MOSトランジスタで構成され、カラムアンプリセット信号φCARSTがハイレベルの場合にオンする一方、カラムアンプリセット信号φCARSTがローレベルの場合にオフする。各増幅部CA1〜CA(k/2)のカラムアンプリセットスイッチCARSTのゲートは共通に接続され、そこには、カラムアンプリセット信号φCARSTが撮像制御部4から供給される。
本実施形態では、演算増幅器OPとして、作動制御信号φSTBYに応じて作動状態と上述の作動状態に比べて低消費電力の作動停止状態とになり得る演算増幅器(以下、「スタンバイ機能付き演算増幅器」と呼ぶ。)ものが、用いられている。演算増幅器OPの作動状態と作動停止状態に応じて、演算増幅器OPを有する増幅部全体としても作動状態と作動停止状態となる。
図8は、スタンバイ機能付き演算増幅器とした演算増幅器OPの具体例を示す回路図である。この例では、演算増幅器OPは、pMOSトランジスタT1〜T4及びnMOSトランジスタT5〜T8で構成されている。本例では、演算増幅器の一般的な構成をなすトランジスタT1,T2,T5,T6,T8に対して、トランジスタT3,T4,T7が追加されることでスタンバイ機能が実現されている。図8において、VIN_P、VIN_N、VOUTは、演算増幅器OPの非反転入力端子、反転入力端子及び出力端子をそれぞれ示している。VBIASは、図示しないバイアス回路からの電流源用バイアス電圧が印加されるバイアス電圧入力端子である。
図8において、STBYは作動制御信号φSTBYが入力される端子(作動制御信号入力端子)、STBY_Nは作動制御信号φSTBYの反転信号が入力される端子である。作動制御信号φSTBYがハイレベルになると、トランジスタT3,T4,T7がオフし、演算増幅器OPを流れる電流が遮断されて演算増幅器OPが作動停止状態となり、出力端子VOUTはフローティングになる。図5等では、作動制御信号φSTBYに相当する作動制御信号φSTBY1〜φSTBY3のみが演算増幅器OPに供給されるものとして記載され、作動制御信号φSTBY_Nに相当する反転作動制御信号が演算増幅器OPに供給される制御線等の図示は省略している。以下の説明では、作動制御信号φSTBYのみについて言及し、反転作動制御信号への言及は省略する。
増幅部CA1〜CA(k/2)を、対応する垂直信号線がp×2本(本実施形態では、p=3で、6本)の周期をなすp個(本実施形態では、3個)のグループに分けたとき、すなわち、増幅部CA1,CA4,CA7,…の第1グループと、増幅部CA2,CA5,CA8,…の第2グループと、増幅部CA3,CA6,CA9,…の第3グループに分けたとき、各グループ毎に作動制御信号φSTBYが入力される。つまり、第1グループの増幅部CA1,CA4,CA7,…の作動停止信号入力端子が共通に接続され、そこには、作動制御信号φSTBY1が撮像制御部4から供給される。第2グループの増幅部CA2,CA5,CA8,…の作動停止信号入力端子が共通に接続され、そこには、作動制御信号φSTBY2が撮像制御部4から供給される。第3グループの増幅部CA3,CA6,CA9,…の作動停止信号入力端子が共通に接続され、そこには、作動制御信号φSTBY3が撮像制御部4から供給される。
上述のk/2個のスイッチ群の各々の群のスイッチS1〜S6は、nMOSトランジスタで構成されている。上述のk/2個のスイッチ群の各々の群のスイッチS5は、当該スイッチ群と同じ垂直信号線に対応して設けられた増幅部の入力容量C2の他方端部と当該垂直信号線との間をオンオフする。例えば、垂直信号線V4に対応するスイッチ群のスイッチS5は、当該スイッチ群と同じ垂直信号線V4に対応して設けられた増幅部CA2の入力容量C2の他方端部と当該垂直信号線V4との間をオンオフする。
上述のk/2個のスイッチ群の各々の群のスイッチS4は、当該スイッチ群と同じ垂直信号線に対応して設けられた増幅部の入力容量C1の他方端部と、当該スイッチ群が対応する垂直信号線に対して2本前の垂直信号線との間を、オンオフする。例えば、垂直信号線V4に対応するスイッチ群のスイッチS4は、当該スイッチ群と同じ垂直信号線V4に対応して設けられた増幅部CA2の入力容量C1の他方端部と、当該スイッチ群が対応する垂直信号線V4に対して2本前の垂直信号線V2との間を、オンオフする。なお、図5に示すように、垂直信号線V2に対応するスイッチ群のスイッチS4がオン時に接続すべき垂直信号線が存在しないので、そのスイッチS4の一方はフローティング状態にされている。
上述のk/2個のスイッチ群の各々の群のスイッチS6は、当該スイッチ群と同じ垂直信号線に対応して設けられた増幅部の入力容量C3の他方端部と、当該スイッチ群が対応する垂直信号線に対して2本後の垂直信号線との間を、オンオフする。例えば、垂直信号線V4に対応するスイッチ群のスイッチS4は、当該スイッチ群と同じ垂直信号線V4に対応して設けられた増幅部CA2の入力容量C3の他方端部と、当該スイッチ群が対応する垂直信号線V4に対して2本後の垂直信号線V6との間を、オンオフする。なお、図面には示していないが、垂直信号線Vkに対応するスイッチ群のスイッチS6は、有効画素部21Aの垂直信号線ではないが、OB画素部21Bの垂直信号線Vk+2と接続されている。もっとも、垂直信号線Vkに対応するスイッチ群のスイッチS6の一方は、垂直信号線Vk+2と接続せずに、フローティング状態にしてもよい。
上述の第1グループの増幅部CA1,CA4,CA7,…に対応するスイッチ群のスイッチS4〜S6のゲートが共通に接続され、そこには、制御信号φ1が撮像制御部4から供給される。第2グループの増幅部CA2,CA5,CA8,…のゲートが共通に接続され、そこには、制御信号φ2が撮像制御部4から供給される。第3グループの増幅部CA3,CA6,CA9,…のゲートが共通に接続され、そこには、制御信号φ3が撮像制御部4から供給される。各スイッチS4〜S6は、そのゲートに供給される制御信号φ1〜φ3がハイレベル(H)の場合にオンする一方、そのゲートに供給される制御信号φ1〜φ3がローレベル(L)の場合にオフする。
上述のk/2個のスイッチ群の各々の群のスイッチS1〜S3は、当該スイッチ群と同じ垂直信号線に対応して設けられた増幅部の入力容量C1〜C3の他方端部と当該垂直信号線との間をそれぞれオンオフする。例えば、垂直信号線V4に対応するスイッチ群のスイッチS1〜S3は、当該スイッチ群と同じ垂直信号線V4に対応して設けられた増幅部CA2の入力容量C1〜C3の他方端部と当該垂直信号線V4との間をオンオフする。
上述のk/2個のスイッチ群のスイッチS1〜S3のゲートが共通に接続され、そこには、制御信号φNが撮像制御部4から供給される。各スイッチS1〜S3は、そのゲートに供給される制御信号φNがハイレベルの場合にオンする一方、そのゲートに供給される制御信号φNがローレベルの場合にオフする。
先の説明からわかるように、各スイッチ群において、スイッチS4〜S6は、p本(本実施形態では、3本)の垂直信号線とp個(本実施形態では、3個)の入力容量C1〜C3との間をそれぞれオンオフするp個(本実施形態では、3個)の第1のスイッチを構成している。また、各スイッチ群において、スイッチS1〜S3は、1本のみの垂直信号線と入力容量C1〜C3との間をそれぞれオンオフするp個(本実施形態では、3個)の第2のスイッチを構成している。各スイッチ群において、スイッチS1〜S6は、制御信号φ1〜φ3,φNに応じて、p本(本実施形態では、3本)の垂直信号線の信号を、p個(本実施形態では、3個)の入力容量C1〜C3にそれぞれ供給する第1の信号供給状態(スイッチS4〜S6がオンでスイッチS1〜S3がオフの状態)と、1本のみの垂直信号線の信号を、p個(本実施形態では、3個)の入力容量C1〜C3に共通して供給する第2の信号供給状態(スイッチS1〜S3がオンでスイッチS4〜S6がオフの状態)とに、切り替える信号供給部を構成している。
図9は、上述の増幅部CA1〜CA(k/2)のうちの任意の1つの増幅部CAの非加算時の状態(上述の第2の信号供給状態)を示す回路図である。図10は、上述の増幅部CA1〜CA(k/2)のうちの任意の1つの増幅部CAの加算時の状態(上述の第1の信号供給状態)を示す回路図である。図9及び図10では、作動制御信号φSTBYを供給するラインは省略している。以下の説明において、入力容量C1〜C3及び帰還容量Cfの容量値も、それぞれ同じ符号C1〜C3,Cfで表記する。
上述の第2の信号供給状態では、対応するスイッチ群のスイッチS1〜S3がオンでスイッチS4〜S6がオフであるので、図9に示すように、入力容量C1〜C3が並列接続され、対応する1本の垂直信号線の信号が、入力電圧Viとして、並列接続された入力容量C1〜C3へ入力される。例えば、増幅部CAが増幅部CA2である場合には、入力電圧Viは垂直信号線V4の信号となる。
この場合、信号φCARSTがハイレベルになると、カラムアンプリセットスイッチCARSTがオンして演算増幅器OPの反転入力端子と出力端子との間が短絡し、演算増幅器OPの出力端子が所定電位Vrefにリセットされる。その後、信号φCARSTがローレベルにされてカラムアンプリセットスイッチCARSTがオフした状態において、入力電圧ViがΔViだけ変化すると、演算増幅器OPの出力端子の信号(出力電圧)Voutは、[Vref−{(C1+C2+C3)/Cf}×ΔVi]となる。このように、カラムアンプリセットスイッチCARSTがオフすると、入力容量C1〜C3の並列合成容量(C1+C2+C3)と帰還容量Cfの比で反転ゲイン{−(C1+C2+C3)/Cf}が得られる。
したがって、図9に示す状態では、対応する垂直信号線の信号Viの変化分ΔViよる増幅出力、すなわち、1本の垂直信号線の非加算状態の信号が、出力信号Voutとして得られる。
なお、本実施形態における増幅部CAにおいて、入力容量C1〜C3を単一の入力容量とし、その単一の入力容量を所定の垂直信号線に固定して接続するように変形した増幅部が、いわゆるカラムアンプとして知られている。本実施形態における信号φCARSTのタイミングは、その公知のカラムアンプと同様のタイミングで行えばよいので、その説明は省略する。この点は、図10の状態の場合も同じである。
上述の第1の信号供給状態では、対応するスイッチ群のスイッチS4〜S6がオンでスイッチS1〜S3がオフであるので、図10に示すように、入力容量C1〜C3の入力側がそれぞれ電気的に分離され、対応する3本の垂直信号線の信号がそれぞれ、入力電圧Va,Vb,Vcとして、入力容量C1〜C3へそれぞれ入力される。例えば、増幅部CAが増幅部CA2である場合には、入力電圧Vaは垂直信号線V2の信号、入力電圧Vbは垂直信号線V4の信号、入力電圧Vcは垂直信号線V6の信号となる。
この場合、信号φCARSTがハイレベルになると、カラムアンプリセットスイッチCARSTがオンして演算増幅器OPの反転入力端子と出力端子との間が短絡し、演算増幅器OPの出力端子が所定電位Vrefにリセットされる。その後、信号φCARSTがローレベルにされてカラムアンプリセットスイッチCARSTがオフした状態において、入力電圧Va,Vb,VcがそれぞれΔVa,ΔVb,ΔVcだけ変化すると、演算増幅器OPの出力端子の信号(出力電圧)Voutは、[Vref−[{(C1/Cf)×ΔVa}+{(C2/Cf)×ΔVb}+{(C3/Cf)×ΔVc}]]となる。このように、カラムアンプリセットスイッチCARSTがオフすると、{(C1/Cf)×ΔVa}と{(C2/Cf)×ΔVb}と{(C3/Cf)×ΔVc}を加算した反転ゲイン[{(C1/Cf)×ΔVa}+{(C2/Cf)×ΔVb}+{(C3/Cf)×ΔVc}]が得られる。
例えば、C1=C2=C3=Cとすると、出力電圧Voutは、[Vref−{(C/Cf)×(ΔVa+ΔVb+ΔVc)}]となり、ΔVaとΔVbとΔVcとを重み付けなしに加算した反転ゲインを得ることができる。
C1,C2,C3の値の関係を適宜設定することで、ΔVaとΔVbとΔVcとを所望の重み係数による重み付け加算を行うことができる。例えば、C1=C3=CかつC2=α・C(α>1)とすれば、ΔVa及びΔVcに比べてΔVbの重みづけを重くした重みづけ加算を行うことできる。この場合、加算するp本(本実施形態では、3本)の垂直信号線のうち、それらの中央に位置する垂直信号線の信号が供給される入力容量C2の容量値は、上述のp本の垂直信号線のうちのそれらの中央に位置する垂直信号線の信号が供給される入力容量C1,C3の容量値よりも大きい設定されることになる。この場合、加算後の信号の重心に存在する中央の垂直線信号の信号の重み付けが中央から遠い位置の垂直信号線の信号よりも重くされるので、加算後の画質の向上を図ることができる。もっとも、これに限らず、例えば、C1=C2=C3としてもよい。
このように、図10に示す状態では、対応する3本の垂直信号線の信号Va,Vb,Vcの変化分ΔVa,ΔVb,ΔVcの重み付けあり又は重み付けなしの加算による増幅出力、すなわち、3本の垂直信号線の加算状態の信号が、出力信号Voutとして得られる。
ここで、図6を参照する。本実施形態では、図6にその一部を示すように、上側信号出力回路24は、OB画素部21Bの偶数列目の垂直信号線Vk+2,Vk+4,…,Vmにそれぞれ対応して設けられた、各々がスイッチS1〜S6からなる{(m/2)−(k/2)}個のスイッチ群及び{(m/2)−(k/2)}個の増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)を有している。これらは、OB画素OB用であり、図5に関連して説明した有効画素部21Aの偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vkにそれぞれ対応して設けられた、各々がスイッチS1〜S6からなるk/2個のスイッチ群及びk/2個の増幅部CA1〜CA(k/2)と、それぞれ同様に構成されている。
ただし、本実施形態では、有効画素PXについては水平画素加算と水平画素非加算とを切り替えるのに対し、OB画素OBについては常に、水平画素非加算として、OB画素OBの全列の信号を読み出すように構成されている。
すなわち、OB画素用スイッチ群では、スイッチS1〜S3のゲートに固定的にハイレベルが印加されて常時スイッチS1〜S3がオンするとともに、スイッチS4〜S6のゲートに固定的にローレベルが印加されて常時スイッチS4〜S6がオフする。これにより、OB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)は、図9に示す非加算状態に固定されている。なお、これと同じ電気的接続状態を実現するべく、OB画素用スイッチ群を取り除いて、オン状態のスイッチS1〜S3で接続される箇所を配線で接続してもよい。しかし、この場合には、回路の均一性が低下し、信号にオフセット等が生じ易いので、本実施形態のようにOB画素用スイッチ群を設けることが好ましい。
また、OB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)の演算増幅器OPには、作動制御信号φSTBY1〜φSTBY3とは独立した作動制御信号φSTBY−OBが供給されており、OB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)を、前述した増幅部CA1〜CA(k/2)から独立して、常時作動状態にし得るようになっている。
図7に示すように、上側信号出力回路24は、前述した増幅部CA1〜CA(m/2)にそれぞれ対応して設けられたサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)と、水平走査回路31と、水平信号線32N,32Sと、水平線リセットトランジスタRTHS,RTHNと、出力アンプAPS,APNとを有している。
水平走査回路31は、撮像制御部4の制御下で、サンプリング部CDS1〜CDS(m/2)の各々毎にあるいはそのうちの選択されたもの毎に、水平走査信号φHを出力し、水平走査の制御を行う。φHに付した(m/2)はm列目の信号であることを示している。
サンプリング部CDS1〜CDS(m/2)には、対応する増幅部CA1〜CA(m/2)の演算増幅器OPの出力端子が接続されている。各サンプリング部CDS1〜CDS(m/2)は、第1の容量CSと、第2の容量CNとを有している。本実施形態では、第1の容量CSは、光信号等を蓄積する容量である。第2の容量CNは、上述の光信号等から差し引くべきノイズ成分を含む差分用信号を蓄積する容量である。また、各サンプリング部CDS1〜CDS(m/2)は、第1及び第2の入力スイッチTVS,TVNと、第1及び第2の出力スイッチTHS,THNとを有している。各サンプリング部CDS1〜CDS(m/2)は、対応する増幅部CA1〜CA(m/2)の出力信号Voutを制御信号φTVN,φTVSに従ってサンプリングして保持するとともに、当該保持された信号を水平走査回路31からの水平走査信号φHに従って水平信号線32N,32Sへ供給する。水平信号線32N,32Sに出力された光信号等及び差分用信号はそれぞれ出力アンプAPS,APNを介して増幅され、図1中の信号処理部5へ出力される。信号処理部5は、出力アンプAPS,APNの出力間の差分を、差動アンプ等によって得る。これにより相関2重サンプリングが実現される。なお、そのような差動アンプ等は、固体撮像素子3に搭載してもよい。このサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)は、増幅部CA1〜CA(m/2)のオフセットを取り除くために設けられている。なお、水平線リセットトランジスタRTHS,RTHNは水平信号線32S,32Nをそれぞれ水平線リセット制御信号φRTHに従って所定タイミングで所定電位Vref0にリセットする。
このようなサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)自体については、公知であるので、その詳細な説明は省略する。
図面には示していないが、図2中の下側信号出力回路25は、上側信号出力回路24を上下反転させた回路である。ただし、下側信号出力回路25では、上側信号出力回路24において偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmにそれぞれ接続されている箇所は、画素部21において奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1にそれぞれ接続される。
本実施形態では、このように、信号出力回路が上側信号出力回路24と下側信号出力回路25とに分けられているので、スペースを有効に活用することができるとともに、両者の処理を並行して行うことで処理の高速化を図ることができる。もっとも、本発明では、信号出力回路を上側又は下側のいずれか一方側にのみ配置してもよい。
次に、図2に示す固体撮像素子3の動作例について説明する。
本実施形態では、通常の本撮影時(静止画撮影時)などにおいて、全画素PXの信号を水平画素非加算で読み出す動作モード(以下、「水平画素非加算読み出しモード」と呼ぶ。)が行われる。
図11は、図2に示す固体撮像素子3の水平画素非加算読み出しモードの特徴的な動作を模式的に示す動作説明図である。図12は、図2に示す固体撮像素子3の水平画素非加算読み出しモードでの制御信号の状態を示すタイミングチャートである。
水平画素非加算読み出しモードでは、図12に示すように、上側及び下側の(上側信号出力回路24及び下側信号出力回路25の)制御信号φNがハイレベルに維持される一方で、上側及び下側の制御信号φ1,φ2,φ3がローレベルに維持される。したがって、上側及び下側の有効画素用増幅部CA1〜CA(k/2)はいずれも、図9に示す非加算状態に維持される。上側及び下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)は、そもそも図9に示す非加算状態に固定されている。
水平画素非加算読み出しモードでは、図11からも理解できるように、偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmが、上側の増幅部CA1〜CA(m/2)の、図9に示す非加算状態の入力部に、それぞれ接続される。また、水平画素非加算読み出しモードでは、図11からも理解できるように、奇数列の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1が、下側の増幅部CA1〜CA(m/2)の、図9に示す非加算状態の入力部に、それぞれ接続される。
また、水平画素非加算読み出しモードでは、図12に示すように、上側及び下側の作動制御信号φSTBY1〜φSTBY3,φSTBY−OBがローレベルに維持され、上側及び下側の全ての増幅部CA1〜CA(m/2)は作動状態に維持される。
そして、水平画素非加算読み出しモードでは、撮像制御部4による制御下で垂直走査回路23によって、1行目からn行目まで順次1行ずつ読み出し対象として選択され、読み出し対象の行の各画素PX,OBの信号が、対応する列の垂直信号線V1〜Vmに出力される。
図11に示すように、奇数行目が読み出し対象となっている場合には、偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmには、対応する列のGr画素(Grカラーフィルタが設けられた有効画素PX及びOB画素OB)の信号が出力され、奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1には、対応する列のR画素の信号が出力される。偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmに出力されたGr画素の信号は、図9に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である上側の増幅部CA1〜CA(m/2)によって増幅された後に、上側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた全てのGr画素の信号が上側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1に出力されたR画素の信号は、図9に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である下側の増幅部CA1〜CA(m/2)によって増幅された後に、下側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた全てのR画素の信号が下側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。
図11に示すように、偶数行目が読み出し対象となっている場合には、偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmには、対応する列のB画素の信号が出力され、奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1には、対応する列のGb画素の信号が出力される。偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmに出力されたB画素の信号は、図9に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である上側の増幅部CA1〜CA(m/2)によって増幅された後に、上側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた全てのB画素の信号が上側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1に出力されたGb画素の信号は、図9に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である下側の増幅部CA1〜CA(m/2)によって増幅された後に、下側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた全てのGb画素の信号が下側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。
このようにして、水平画素非加算読み出しモードでは、全ての画素PX,OBの信号を水平加算することなく読み出すことができる。
本実施形態では、電子ビューファインダーモード時や動画撮影時などにおいて、有効画素PXの信号を水平画素加算して読み出す動作モード(以下、「水平画素加算読み出しモード」と呼ぶ。)が行われる。
図13は、図2に示す固体撮像素子3の水平画素加算読み出しモードの特徴的な動作を模式的に示す動作説明図である。図14は、図2に示す固体撮像素子3の水平画素加算読み出しモードでの制御信号の状態を示すタイミングチャートである。
水平画素加算読み出しモードでは、図14に示すように、上側及び下側の制御信号φNがローレベルに維持される。したがって、上側及び下側の有効画素用増幅部CA1〜CA(k/2)はいずれも、図10に示す加算状態に維持される。一方、上側及び下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)は、そもそも図9に示す非加算状態に固定されている。
水平画素加算読み出しモードでは、上側の制御信号φ2がハイレベルに維持され、上側の制御信号φ1,φ3がローレベルに維持され、これ応じて、上側の有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,…で加算される垂直信号線の信号が定まり、例えば、上側の有効画素用増幅部CA2では垂直信号線V2,V4,V6の信号が加算される。一方、下側の制御信号φ1がハイレベルに維持され、下側の制御信号φ2,φ3がローレベルに維持され、これ応じて、下側の有効画素用増幅部CA1,CA4,CA7,…で加算される垂直信号線の信号が定まり、例えば、下側の有効画素用増幅部CA4では垂直信号線V5,V7,V9の信号が加算される。
水平画素加算読み出しモードでは、図14に示すように、上側の制御信号φSTBY2,φSTBY−OBがローレベルに維持され、上側のφSTBY1,φSTBY3がハイレベルに維持される。したがって、上側信号出力回路24では、有効画素部21Aに関しては、有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,…のみが作動状態に維持され、残りの有効画素用増幅部CA1,CA3,CA4,CA6,CA7,CA9,…は作動停止状態に維持される。上側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)は、作動状態に維持される。
水平画素加算読み出しモードでは、図14に示すように、下側の制御信号φSTBY1,φSTBY−OBがローレベルに維持され、下側のφSTBY2,φSTBY3がハイレベルに維持される。したがって、下側信号出力回路25では、有効画素部21Aに関しては、有効画素用増幅部CA1,CA4,CA7,…のみが作動状態に維持され、残りの有効画素用増幅部CA2,CA3,CA5,CA6,CA8,CA9,…は作動停止状態に維持される。下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)は、作動状態に維持される。
そして、水平画素加算読み出しモードでは、撮像制御部4による制御下で垂直走査回路23によって、1行目からn行目まで順次1行ずつ読み出し対象として選択され、読み出し対象の行の各画素PX,OBの信号が、対応する列の垂直信号線V1〜Vmに出力される。
図13に示すように、奇数行目が読み出し対象となっている場合には、偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmには、対応する列のGr画素(Grカラーフィルタが設けられた有効画素PX及びOB画素OB)の信号が出力され、奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1には、対応する列のR画素の信号が出力される。
偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vkに出力されたGr画素の信号は、図10に示す加算状態となっていてかつ作動状態にある上側の有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,…によって、互いに重複しない3つのGr画素の信号ずつ加算される。図13から理解できるように、加算後の各Gr画素の重心位置同士の行方向の間隔は等ピッチである。偶数列目の垂直信号線Vk+2,…,Vmに出力されたGr画素の信号は、図9に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である上側のOB画素用CA(k/2)+1〜CA(m/2)によって増幅される。これらの有意の信号を含む上側の増幅部CA1〜CA(m/2)の出力信号は、上側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた信号が上側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。このとき、上側の水平走査回路31は、このサンプリングされた全ての信号を出力させる(全列読み出しする)ようにしてもよいし、上側の有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,…の出力信号(Gr画素の加算信号)と上側OB画素用CA(k/2)+1〜CA(m/2)の出力信号(Gr画素の加算信号)のみを選択的に出力させる(列選択読み出しする)ようにしてもよい。前者の場合は、後段の回路で不要信号は使用しなければよい。
奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vk−1に出力されたR画素の信号は、図10に示す加算状態となっていてかつ作動状態である下側の有効画素用増幅部CA1,CA4,CA7,…によって、互いに重複しない3つのR画素の信号ずつ加算される。図13から理解できるように、加算後の各R画素の重心位置同士の行方向の間隔は等ピッチであるとともに、加算後の各R画素の信号の重心位置と前述した加算後の各Gr画素の信号の重心位置との間隔も等ピッチである。奇数列目の垂直信号線Vk+1,…,Vm−1に出力されたR画素の信号は、図9に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である下側のOB画素用CA(k/2)+1〜CA(m/2)によって増幅される。これらの有意の信号を含む下側の増幅部CA1〜CA(m/2)の出力信号は、下側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた信号が下側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。このとき、下側の水平走査回路31は、このサンプリングされた全ての信号を出力させる(全列読み出しする)ようにしてもよいし、下側の有効画素用増幅部CA1,CA4,CA7,…の出力信号(R画素の加算信号)と下側のOB画素用CA(k/2)+1〜CA(m/2)の出力信号(R画素の加算信号)のみを選択的に出力させる(列選択読み出しする)ようにしてもよい。前者の場合は、後段の回路で不要信号は使用しなければよい。
図13に示すように、偶数行目が読み出し対象となっている場合には、偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmには、対応する列のB画素の信号が出力され、奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1には、対応する列のGb画素の信号が出力される。
偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vkに出力されたB画素の信号は、図10に示す加算状態となっていてかつ作動状態にある上側の有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,…によって、互いに重複しない3つのB画素の信号ずつ加算される。図13から理解できるように、加算後の各B画素の重心位置同士の行方向の間隔は等ピッチである。偶数列目の垂直信号線Vk+2,…,Vmに出力されたB画素の信号は、図9に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である上側のOB画素用CA(k/2)+1〜CA(m/2)によって増幅される。これらの有意の信号を含む上側の増幅部CA1〜CA(m/2)の出力信号は、上側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた信号が上側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。このとき、上側の水平走査回路31は、このサンプリングされた全ての信号を出力させる(全列読み出しする)ようにしてもよいし、上側の有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,…の出力信号(Gr画素の加算信号)と上側OB画素用CA(k/2)+1〜CA(m/2)の出力信号(B画素の加算信号)のみを選択的に出力させる(列選択読み出しする)ようにしてもよい。前者の場合は、後段の回路で不要信号は使用しなければよい。
奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vk−1に出力されたGb画素の信号は、図10に示す加算状態となっていてかつ作動状態である下側の有効画素用増幅部CA1,CA4,CA7,…によって、互いに重複しない3つのGb画素の信号ずつ加算される。図13から理解できるように、加算後の各Gb画素の重心位置同士の行方向の間隔は等ピッチであるとともに、加算後の各Gb画素の信号の重心位置と前述した加算後の各B画素の信号の重心位置との間隔も等ピッチである。奇数列目の垂直信号線Vk+1,…,Vm−1に出力されたGb画素の信号は、図9に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である下側のOB画素用CA(k/2)+1〜CA(m/2)によって増幅される。これらの有意の信号を含む下側の増幅部CA1〜CA(m/2)の出力信号は、下側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた信号が下側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。このとき、下側の水平走査回路31は、このサンプリングされた全ての信号を出力させる(全列読み出しする)ようにしてもよいし、下側の有効画素用増幅部CA1,CA4,CA7,…の出力信号(Gb画素の加算信号)と下側のOB画素用CA(k/2)+1〜CA(m/2)の出力信号(Gb画素の加算信号)のみを選択的に出力させる(列選択読み出しする)ようにしてもよい。前者の場合は、後段の回路で不要信号は使用しなければよい。
このようにして、水平画素加算読み出しモードでは、有効画素PXの信号を水平加算して読み出すことができる一方で、全てのOB画素OBの信号を水平画素加算することなく読み出すことができる。
このようにして読み出した信号から最終的な動画像等を得るには、例えば、図1中の信号処理部5あるいは画像処理部13で、垂直方向の3画素加算処理を行ってもよい。あるいは、前述した例では、垂直走査回路23によって1行ずつ読み出されているが、3行おきに読み出し、垂直方向は間引き読み出ししてもよい。あるいは、固体撮像素子3を垂直方向の画素加算し得るように構成しておき、垂直方向も画素加算読み出ししてもよい。これらの点は、後述する第2の実施形態についても同様である。
なお、本実施形態では、水平画素非加算読み出しモード及び水平画素加算読み出しモードのいずれにおいても、制御信号φ3がローレベルに維持されているので、それに対応するスイッチS4〜S6(図5参照)を取り除いてもよい。しかし、この場合には、回路の均一性が低下し、信号にオフセット等が生じ易いので、本実施形態のように制御信号φ3に対応するスイッチS4〜S6を設けることが好ましい。
本実施形態によれば、増幅部C1〜Ckが増幅機能のみならず水平画素加算機能(図10に示す加算状態の機能)をも担うので、水平方向の画素信号の加算を行う専用の加算回路を用いることなく、水平方向の画素信号を加算することができる。
また、本実施形態によれば、水平画素加算読み出しモードにおいて、必要な信号の処理に関与しない増幅部(上側の有効画素用増幅部CA1,CA3,CA4,CA6,CA7,CA9,…及び下側の有効画素用増幅部CA2,CA3,CA5,CA6,CA8,CA9,…)は、消費電力の少ない作動停止状態に維持されるので、低消費電力化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、前述したように、水平画素加算読み出しモードにおいて、加算後の各色の画素の重心位置同士の行方向の間隔は等ピッチであるとともに、加算後の異なる色の画素の重心位置同士の行方向の間隔は等ピッチである。したがって、本実施形態によれば、モアレや偽色が発生し難い。
ところで、上述の水平画素加算読み出しモードを次のように変形してもよい。すなわち、上側及び下側の制御信号φNをローレベルに維持し、上側及び下側の制御信号φ1〜φ3をハイレベルに維持し、上側及び下側の制御信号φSTBY1〜φSTBY3,φSTBY−OBをローレベルに維持してもよい。
この場合、同色のカラーフィルタが設けられたp列(本例では3列)ずつの画素であって行方向に隣り合うp列(本例では3列)の画素からの信号であって順次行方向の両側へ2列分だけずれたp列(本例では3列)ずつの画素からの信号をそれぞれ加算した信号が、上側及び下側の有効画素用増幅部CA1〜CA(k/2)の各々から得られる。この場合、上側及び下側の水平走査回路31は、サンプリングされた上側及び下側の有効画素用増幅部CA1〜CA(k/2)の全ての出力信号を読み出すようにする。
この変形例では、水平方向に関して画像縮小効果は得られないものの、水平方向に関して光学ローパスフィルタ効果と同様の効果を得ることができる。
<第2の実施形態>
図15は、第2の実施形態による電子カメラで用いられる固体撮像素子の上側信号出力回路24の一部分を示す回路図であり、図5に対応している。図16は、第2の実施形態による電子カメラで用いられる固体撮像素子の上側信号出力回路24の他の部分を示す回路図であり、図6に対応している。図15及び図16において、図5及び図6中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施形態が上述の第1の実施形態と異なる所は以下に説明する点である。
本実施形態では、上側信号出力回路24において、m/2個の増幅部CA1〜CA(m/2)にそれぞれ対応し各々がスイッチS1〜S6からなるm/2個のスイッチ群にそれぞれ対応して、各々がスイッチS7〜S9からなるm/2個の垂直線選択用スイッチ群(ライン選択部)が追加されている。
各垂直線選択用スイッチ群のスイッチS7〜S9は、上述の第1の実施形態において上側信号出力回路24において偶数列の各垂直信号線V2,V4,…,Vmに接続されている箇所を、当該垂直信号線、当該垂直信号線の1本前の垂直信号線及び当該垂直信号線の2本後の垂直信号線のいずれかに選択的に接続し得るように設けられている。
例えば、上側信号出力回路24において増幅部CA1に対応する垂直線選択スイッチ群のスイッチS7〜S9は、上述の第1の実施形態において上側信号出力回路24において垂直信号線V2に接続されている箇所を、当該垂直信号線V2、当該垂直信号線V2の1本前の垂直信号線V1及び当該垂直信号線V2の2本後の垂直信号線V4のいずれかに選択的に接続し得るように設けられている。この垂直線選択スイッチ群のスイッチS7〜S9のうちのスイッチS7が選択的にオンすると、上述の第1の実施形態において上側信号出力回路24において垂直信号線V2に接続されている箇所を、選択肢の中で最も1列目側の垂直信号線V1に選択的に接続する。この垂直線選択スイッチ群のスイッチS7〜S9のうちのスイッチS8が選択的にオンすると、上述の第1の実施形態において上側信号出力回路24において垂直信号線V2に接続されている箇所を、選択肢の中で2番目に1列目側の垂直信号線V2に選択的に接続する。この垂直線選択スイッチ群のスイッチS7〜S9のうちのスイッチS9が選択的にオンすると、上述の第1の実施形態において上側信号出力回路24において垂直信号線V2に接続されている箇所を、選択肢の中で3番目に1列目側の垂直信号線V4に選択的に接続する。
また、例えば、上側信号出力回路24において増幅部CA2に対応する垂直線選択スイッチ群のスイッチS7〜S9は、上述の第1の実施形態において上側信号出力回路24において垂直信号線V4に接続されている箇所を、当該垂直信号線V4、当該垂直信号線V4の1本前の垂直信号線V3及び当該垂直信号線V4の2本後の垂直信号線V6のいずれかに選択的に接続し得るように設けられている。この垂直線選択スイッチ群のスイッチS7〜S9のうちのスイッチS7が選択的にオンすると、上述の第1の実施形態において上側信号出力回路24において垂直信号線V4に接続されている箇所を、選択肢の中で最も1列目側の垂直信号線V3に選択的に接続する。この垂直線選択スイッチ群のスイッチS7〜S9のうちのスイッチS8が選択的にオンすると、上述の第1の実施形態において上側信号出力回路24において垂直信号線V4に接続されている箇所を、選択肢の中で2番目に1列目側の垂直信号線V4に選択的に接続する。この垂直線選択スイッチ群のスイッチS7〜S9のうちのスイッチS9が選択的にオンすると、上述の第1の実施形態において上側信号出力回路24において垂直信号線V4に接続されている箇所を、選択肢の中で3番目に1列目側の垂直信号線V6に選択的に接続する。
上述のm/2個の垂直線選択用スイッチ群の各々の群のスイッチS7〜S9は、nMOSトランジスタで構成されている。各垂直線選択用スイッチ群のスイッチS7が共通に接続され、そこには、制御信号φSEL7が撮像制御部4から供給される。各垂直線選択用スイッチ群のスイッチS8が共通に接続され、そこには、制御信号φSEL8が撮像制御部4から供給される。各垂直線選択用スイッチ群のスイッチS9が共通に接続され、そこには、制御信号φSEL9が撮像制御部4から供給される。各スイッチS7〜S8は、そのゲートに供給される制御信号φSEL7〜φSEL9がハイレベルの場合にオンする一方、そのゲートに供給される制御信号φSEL7〜φSEL9がローレベルの場合にオフする。
本実施形態では、下側信号出力回路25は、上述した上側信号出力回路24を単に上下反転させた回路である。
次に、本実施形態における固体撮像素子3の動作例について説明する。
本実施形態においても、通常の本撮影時(静止画撮影時)などにおいて、全画素PXの信号を水平画素非加算で読み出す動作モード(以下、「水平画素非加算読み出しモード」と呼ぶ。)が行われる。
図17は、本実施形態における固体撮像素子3の水平画素非加算読み出しモードの特徴的な動作を模式的に示す動作説明図であり、図11に対応している。図18は、本実施形態おける固体撮像素子3の水平画素非加算読み出しモードでの制御信号の状態を示すタイミングチャートであり、図12に対応している。
本実施形態における水平画素非加算読み出しモードが上述の第1の実施形態における水平画素非加算読み出しモードと異なる所は以下の点のみである。
本実施形態における水平画素非加算読み出しモードでは、上側及び下側の制御信号φSEL9はローレベルに維持され、奇数行目が読み出し対象となっている場合には、上側の制御信号φSEL7をローレベルにする一方で下側の制御信号φSEL7をハイレベルにするとともに、上側の制御信号φSEL8をハイレベルにする一方で下側の制御信号φSEL8をローレベルにし、偶数行目が読み出し対象となっている場合には、上側の制御信号φSEL7をハイレベルにする一方で下側の制御信号φSEL7をローレベルにするとともに、上側の制御信号φSEL8をローレベルにする一方で下側の制御信号φSEL8をハイレベルにする。
これにより、図17から理解できるように、図11と異なり、Gr画素の信号のみならずGb画素の信号も上側の増幅部から出力され、隣接するGr画素の信号及びGb画素の信号が同一の上側の増幅部で処理される。したがって、本実施形態における水平画素非加算読み出しモードでは、図11の場合のように隣接するGr画素の信号及びGb画素の信号が上側と下側の互いに異なる増幅部で処理される場合に比べて、増幅部間のレベル差の影響を受け難くなる。
本実施形態においても、電子ビューファインダーモード時や動画撮影時などにおいて、有効画素PXの信号を水平画素加算して読み出す動作モード(以下、「水平画素加算読み出しモード」と呼ぶ。)が行われる。
図19は、本実施形態における固体撮像素子3の水平画素加算読み出しモードの特徴的な動作を模式的に示す動作説明図であり、図13に対応している。図20は、本実施形態おける固体撮像素子3の水平画素加算読み出しモードでの制御信号の状態を示すタイミングチャートであり、図14に対応している。
本実施形態における水平画素加算読み出しモードでは、図20に示すように、上側及び下側の制御信号φNがローレベルに維持され、上側及び下側の制御信号φ1がハイレベルに維持され、上側及び下側の制御信号φ2,φ3がローレベルに維持され、上側及び下側の制御信号φSTBY1,φSTBY−OBがローレベルに維持され、上側及び下側のφSTBY2,φSTBY3がハイレベルに維持される。
また、本実施形態における水平画素加算読み出しモードでは、図20に示すように、上側及び下側の制御信号φSEL8がローレベルに維持され、奇数行目が読み出し対象となっている場合には、上側の制御信号φSEL7をローレベルにする一方で下側の制御信号φSEL7をハイレベルにするとともに、上側の制御信号φSEL9をハイレベルにする一方で下側の制御信号φSEL9をローレベルにし、偶数行目が読み出し対象となっている場合には、上側の制御信号φSEL7をハイレベルにする一方で下側の制御信号φSEL7をローレベルにするとともに、上側の制御信号φSEL9をローレベルにする一方で下側の制御信号φSEL9をハイレベルにする。
これにより、図19から理解できるように、図13と異なり、Gr画素の信号のみならずGb画素の信号も上側の上側信号出力回路24から出力される。このとき、加算後の各色の画素の重心位置同士の行方向の間隔は等ピッチであるとともに、加算後の異なる色の画素の重心位置同士の行方向の間隔は等ピッチである。
ところで、本実施形態では、上側の制御信号φSEL8をハイレベルに維持し、上側の制御信号φSEL7,φSEL9をローレベルに維持し、下側の制御信号φSEL7をハイレベルに維持し、上側の制御信号φSEL8,φSEL9をローレベルに維持することで、本実施形態における固体撮像素子3は上述の第1の実施形態における固体撮像素子3と全く同じ接続状態となる。したがって、本実施形態においても、このような接続状態を維持することで、上述の第1の実施形態における水平画素非加算読み出しモード及び水平画素加算読み出しモードを実現することができる。
<第3の実施形態の説明>
図21は、第3の実施形態での固体撮像素子の構成例を示すブロック図である。第3の実施形態での固体撮像素子は、シリコン基板上にCMOS(相補性金属酸化膜半導体)プロセスを使用して形成されたXYアドレス型の固体撮像素子である。第3の実施形態の固体撮像素子は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラなどの撮像装置に実装される(なお、撮像装置の構成例は後述する)。
また、第3の実施形態の固体撮像素子は、各画素の電気信号を独立に読み出す動作モード(通常読み出しモード)と、複数の画素から電気信号を混合して読み出す動作モード(混合読み出しモード)を有している。
固体撮像素子111は、画素アレイ112と、複数の水平制御信号線113と、垂直走査回路114と、複数の垂直信号線115と、第1信号出力回路116と、第2信号出力回路117と、撮像素子制御回路118とを有している。
画素アレイ112は、入射光を電気信号に変換する複数の画素PXを有している。画素アレイ112の画素PXは、受光面上で第1方向D1および第2方向D2にマトリクス状に配置されている。以下、第1方向D1および第2方向D2を、行方向D1および列方向D2ともそれぞれ称する。なお、図21では画素PXの配列を簡略化して示すが、実際の固体撮像素子の受光面にはさらに多数の画素が配列されることはいうまでもない。
ここで、各々の画素PXの前面には、それぞれが異なる色成分の光を透過させる複数種類のカラーフィルタが所定の色配列で配置されている。そのため、画素PXは、カラーフィルタでの色分解によって各色に対応する電気信号を出力する。例えば、第3の実施形態においては赤色(R)、緑色(Gr,Gb)、青色(B)のカラーフィルタが2行2列のベイヤ配列にしたがって各画素PXに配置されている。これにより、画素アレイ112は、撮像時にカラーの画像を取得することができる。以下、赤(R)、緑(Gr、Gb)、青(B)のフィルタを有する画素PXを、それぞれ赤画素(R)、青画素(B)、緑画素(Gr、Gb)とも称する。
行方向D1に着目した場合、例えば、画素アレイ112の奇数行では、赤画素(R)と、緑画素(Gr)とが交互に配置されている。また、例えば、画素アレイ112の偶数行では、緑画素(Gb)と、青画素(B)とが交互に配置されている。
また、列方向D2に着目した場合、例えば、画素アレイ112の奇数列では、緑画素(Gb)と、赤画素(R)とが交互に配置されている。また、例えば、画素アレイ112の偶数列では、青画素(B)と、緑画素(Gr)とが交互に配置されている。
また、画素アレイ112の各行には、垂直走査回路114に接続された水平制御信号線113がそれぞれ配置されている。各々の水平制御信号線113は、垂直走査回路114から出力される制御信号(後述の選択信号φSEL、リセット信号φRST、転送信号φTX)を、行方向D1に並ぶ画素群にそれぞれ供給する。
また、画素アレイ112の各列には、信号読み出し線の一例である垂直信号線115がそれぞれ配置されている。列方向D2に配置された複数の画素PXは、列毎に設けられた垂直信号線115により互いに接続されている。すなわち、画素アレイ112は、同じ列に配置された複数の画素PXからの出力信号を共通の垂直信号線115を介して出力する。
なお、第3の実施形態では、緑画素(Gb)および赤画素(R)に対応する奇数列の垂直信号線115は、図21の下側に位置する第1信号出力回路116にそれぞれ接続される。また、青画素(B)および緑画素(Gr)に対応する偶数列の垂直信号線115は、図21の上側に位置する第2信号出力回路17にそれぞれ接続される。
ここで、図22を参照しつつ、画素PXの回路構成例を説明する。
画素PXは、フォトダイオードPDと、転送トランジスタTXと、リセットトランジスタRSTと、増幅トランジスタAMPと、選択トランジスタSELと、フローティングディフュージョンFDとをそれぞれ有している。
フォトダイオードPDは、入射光の光量に応じて光電変換により信号電荷を生成する。転送トランジスタTXは、転送信号φTXの高レベル期間にオンし、フォトダイオードPDに蓄積された信号電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。
転送トランジスタTXのソースはフォトダイオードPDであり、転送トランジスタTXのドレインはフローティングディフュージョンFDである。フローティングディフュージョンFDは、例えば、半導体基板に不純物を導入して形成された拡散領域である。なお、フローティングディフュージョンFDは、増幅トランジスタAMPのゲートと、リセットトランジスタRSTのソースとにそれぞれ接続されている。
リセットトランジスタRSTは、リセット信号φRSTの高レベル期間にオンし、フローティングディフュージョンFDを電源電圧VDDにリセットする。また、増幅トランジスタAMPは、ドレインが電源電圧VDDに接続され、ゲートがフローティングディフュージョンFDにそれぞれ接続され、ソースが選択トランジスタSELのドレインに接続されており、垂直信号線115に接続された定電流源119(図21では不図示)を負荷とするソースフォロア回路を構成する。増幅トランジスタAMPは、フローティングディフュージョンFDの電圧値に応じて、選択トランジスタSELを介して読み出し電圧を出力する。選択トランジスタSELは、選択信号φSELの高レベル期間にオンし、増幅トランジスタAMPのソースを垂直信号線115に接続する。
なお、各垂直信号線115には、垂直信号線115の電圧を所定値にクリップするクリップ回路120(図21では不図示)がそれぞれ接続されている。例えば、クリップ回路120は、クリップ電圧を生成するトランジスタMCL1と、クリップのオン/オフを制御するトランジスタMCL2とを有している。なお、クリップ回路120は、トランジスタMCL1、MCL2をカスコード接続するとともに、トランジスタMCL1のドレインを電源電圧VDDに接続し、トランジスタMCL2のソースを垂直信号線115に接続して形成される。
図21に戻って、第1信号出力回路116および第2信号出力回路117は、画素アレイ112を隔てて上下に並列して配置されている。第1信号出力回路116は、図21の下側に配置されており、画素アレイ112の奇数列の画像信号(GbまたはR)を行方向D1に向けて色毎に読み出す回路である。また、第2信号出力回路117は、図21の上側に配置されており、画素アレイ112の偶数列の画像信号(BまたはGr)を行方向D1に向けて色毎に読み出す回路である。このように、画素アレイ112の両側(上下)にそれぞれ信号出力回路を設けることで、画素アレイ112から画像信号を高速に読み出すことができる。
また、第1信号出力回路116および第2信号出力回路117は、混合読み出しモードのときに、垂直信号線115の延長方向(列方向D2)に対して交差方向(行方向D1)に配置される複数の画素PXから画像信号を混合して読み出す。なお、第3の実施形態での第1信号出力回路116および第2信号出力回路117は、混合読み出しモードのときに、行方向D1における同色3画素分の信号を混合読み出しする(混合読み出しの詳細は後述する)。
撮像素子制御回路118は、垂直走査回路114、第1信号出力回路116、第2信号出力回路117に対して、それぞれ制御信号を供給する。
なお、上述の制御信号は、第3の実施形態の固体撮像素子が実装される撮像装置の制御部から供給されてもよい。上記の場合には、固体撮像素子111から撮像素子制御回路118を省略することができる。
以下、図23を参照しつつ、第1信号出力回路116、第2信号出力回路117の構成例をより詳細に説明する。ここで、第2信号出力回路117は、偶数列の垂直信号線115が接続される点を除いて第1信号出力回路116と基本構成が同一である。そのため、以下の例では第1信号出力回路116の例を示し、第2信号出力回路117に関する重複説明はいずれも省略する。
第1信号出力回路116は、混合読み出し制御部121と、カラムアンプ122と、サンプルホールド部123と、水平走査回路124とを有している。混合読み出し制御部121、カラムアンプ122、サンプルホールド部123は、1本の垂直信号線115に対してそれぞれ1組ずつ設けられる。また、水平走査回路124は、第1信号出力回路116内に1つのみ設けられる。
なお、第1信号出力回路116の以下の説明では、奇数列の3m−2番目(例えば1,4,7番目)に対応する要素には末尾に符号aを付し、奇数列の3m−1番目(例えば2,5,8番目)に対応する要素には末尾に符号bを付し、奇数列の3m番目(例えば3,6,9番目)に対応する要素には末尾に符号cを付す(但し、mは0を除く自然数)。
混合読み出し制御部121a〜cは、画素PXの混合読み出しのオン/オフを切り替える回路である。例えば、通常読み出しモードの場合、混合読み出し制御部121は、画素アレイ112の所定の奇数列のみから画素PXの出力信号を読み出す。一方、混合読み出しモードの場合、混合読み出し制御部121は、画素アレイ112の奇数列のうち行方向D1に隣接する3列分の画素PXから出力信号を混合して読み出す。
なお、混合読み出し制御部121aは、モード選択信号線φNおよび位相選択信号線φ1に接続されている。混合読み出し制御部121bは、モード選択信号線φNおよび位相選択信号線φ2に接続されている。混合読み出し制御部121cは、モード選択信号線φNおよび位相選択信号線φ3に接続されている。そして、混合読み出しモードでの混合読み出し制御部121a〜cは、位相選択信号φ1〜φ3を受けてそれぞれ独立に動作する。
上述の3m−2番目の列に対応する第1の混合読み出し制御部121aは、トランジスタMa1〜Ma6と、容量Ca1〜Ca3とを有している。トランジスタMa1〜Ma3、トランジスタMa4〜Ma6、容量Ca1〜Ca3は、それぞれ3つずつ並列に配置される。
トランジスタMa1〜Ma3の各ゲートは、モード切り替えを指示する共通のモード選択信号線φNにいずれも接続される。また、トランジスタMa1〜Ma3の各ソースは、奇数列の3m−2番目の列に対応する垂直信号線115にいずれも接続される。
また、トランジスタMa4〜Ma6の各ゲートは、位相選択信号線φ1にいずれも接続されている。また、トランジスタMa4のソースは、隣接する3m番目の列に対応する垂直信号線115に接続される。トランジスタMa5のソースは、3m−2番目の列に対応する垂直信号線115に接続される。トランジスタMa6のソースは、隣接する3m−1番目の列に対応する垂直信号線115に接続される。
また、トランジスタMa1,Ma4のドレインはいずれも容量Ca1に接続され、トランジスタMa2,Ma5のドレインはいずれも容量Ca2に接続され、トランジスタMa3,Ma6のドレインはいずれも容量Ca3に接続される。これらの容量Ca1〜Ca3は、後段の第1のカラムアンプ122aに接続され、第1のカラムアンプ122aの入力容量となる。
上述の3m−1番目の列に対応する第2の混合読み出し制御部121bは、トランジスタMb1〜Mb6と、容量Cb1〜Cb3とを有している。トランジスタMb1〜Mb3、トランジスタMb4〜Mb6、容量Cb1〜Cb3は、それぞれ3つずつ並列に配置される。
トランジスタMb1〜Mb3の各ゲートは、上述した共通のモード選択信号線φNにいずれも接続される。また、トランジスタMb1〜Mb3の各ソースは、奇数列の3m−1番目の列に対応する垂直信号線115にいずれも接続される。
また、トランジスタMb4〜Mb6の各ゲートは、位相選択信号線φ2にいずれも接続されている。また、トランジスタMb4のソースは、隣接する3m−2番目の列に対応する垂直信号線115に接続される。トランジスタMb5のソースは、3m−1番目の列に対応する垂直信号線115に接続される。トランジスタMb6のソースは、隣接する3m番目の列に対応する垂直信号線115に接続される。
また、トランジスタMb1,Mb4のドレインはいずれも容量Cb1に接続され、トランジスタMb2,Mb5のドレインはいずれも容量Cb2に接続され、トランジスタMb3,Mb6のドレインはいずれも容量Cb3に接続される。これらの容量Cb1〜Cb3は、後段の第2のカラムアンプ122bに接続され、第2のカラムアンプ122bの入力容量となる。
上述の3m番目の列に対応する第3の混合読み出し制御部121cは、トランジスタMc1〜Mc6と、容量Cc1〜Cc3とを有している。トランジスタMc1〜Mc3、トランジスタMc4〜Mc6、容量Cc1〜Cc3は、それぞれ3つずつ並列に配置される。
トランジスタMc1〜Mc3の各ゲートは、上述した共通のモード選択信号線φNにいずれも接続される。また、トランジスタMc1〜Mc3の各ソースは、奇数列の3m番目の列に対応する垂直信号線115にいずれも接続される。
また、トランジスタMc4〜Mc6の各ゲートは、位相選択信号線φ3にいずれも接続されている。また、トランジスタMc4のソースは、隣接する3m−1番目の列に対応する垂直信号線115に接続される。トランジスタMc5のソースは、3m番目の列に対応する垂直信号線115に接続される。トランジスタMc6のソースは、隣接する3m−2番目の列に対応する垂直信号線115に接続される。
また、トランジスタMc1,Mc4のドレインはいずれも容量Cc1に接続され、トランジスタMc2,Mc5のドレインはいずれも容量Cc2に接続され、トランジスタMc3,Mc6のドレインはいずれも容量Cc3に接続される。これらの容量Cc1〜Cc3は、後段の第3のカラムアンプ122cに接続され、第3のカラムアンプ122cの入力容量となる。
カラムアンプ122は、例えば、増幅部の一例である演算増幅器OPと、帰還容量Cfと、制御スイッチSfとを有する反転増幅器であり、垂直信号線115を介して画素PXから出力される出力信号を列ごとに反転増幅する。
演算増幅器OPの非反転入力端子には、一定の電位Vref_PGAが供給される。演算増幅器OPの反転入力端子は、混合読み出し制御部121の入力容量と接続される。また、帰還容量Cfおよび制御スイッチSfは、いずれも一端が演算増幅器OPの出力端子に接続され、いずれも他端が演算増幅器OPの反転入力端子に接続される。なお、カラムアンプ122のリセットは、制御スイッチSfをオンすることで行われる。なお、演算増幅器OPの出力端子は、後段のサンプルホールド部123に接続される。
また、演算増幅器OPは、カラムアンプ122の動作を列ごとに選択的に停止させるためのスタンバイスイッチを内蔵している。例えば、上述の3m−2番目の列に対応するカラムアンプ122では、演算増幅器OPに制御信号線φSTBY1がそれぞれ接続されている。上述の3m−1番目の列に対応するカラムアンプ122では、演算増幅器OPに制御信号線φSTBY2がそれぞれ接続されている。上述の3m番目の列に対応するカラムアンプ122では、演算増幅器OPに制御信号線φSTBY3がそれぞれ接続されている。すなわち、制御信号線φSTBY1、φSTBY2、φSTBY3により、行方向D1に隣接する各奇数列のカラムアンプ122には、スタンバイ期間を規定する制御信号(スタンバイ信号)がそれぞれ独立に入力される。なお、スタンバイスイッチを有する演算増幅器の回路構成例については後述する。
サンプルホールド部123は、画像信号選択スイッチMS1、MS2と、ノイズ信号選択スイッチMN1、MN2と、容量CTS、CTDとを有している。なお、スイッチMS1、MN1は例えばCMOSスイッチである。
例えば、画像信号選択スイッチMS1は、制御信号φSigCが高レベルの期間にオンし、カラムアンプ122から入力された信号を容量CTSに出力する。また、例えば、ノイズ信号選択スイッチMN1は、制御信号φDarkCが高レベルの期間にオンし、カラムアンプ122から入力された信号を容量CTDに出力する。なお、容量CTS、CTDの他端はいずれも接地されている。
第3の実施形態の例では、制御信号線の本数を抑制するために、各サンプルホールド部123には、共通の制御信号線φSigC、φDarkCが接続されている。そのため、第3の実施形態では、行方向D1の全体にわたって、サンプルホールド部123の画像信号選択スイッチMS1およびノイズ信号選択スイッチMN1が同じ動作をする。
一方、画像信号出力スイッチMS2は、制御信号φGHが高レベルの期間にオンし、容量CTSに保持された電圧を画像信号OUTSとして出力する。また、ノイズ信号出力スイッチMN2は、制御信号φGHが高レベルの期間にオンし、容量CTDに保持された電圧をノイズ信号OUTNとして出力する。ここで、ノイズ信号OUTNは、例えば、画素PXがリセットトランジスタRSTによりリセットされ転送トランジスタTXが開く直前の画像信号(暗信号)である。したがって、例えば、画像信号OUTSに含まれる固定ノイズ成分及び画素のリセットノイズ成分は、画像信号OUTSからノイズ信号OUTNを減算することで除去できる。
水平走査回路124は、制御信号φGHを用いて、各奇数列に対応する画像信号出力スイッチMS2およびノイズ信号出力スイッチMN2を行方向D1へ順次オンし、容量CTS、CTDにそれぞれ保持された信号OUTS、OUTNを順次出力する。例えば、m列目の画素PXから読み出された信号に対応する画像信号OUTS、ノイズ信号OUTNをそれぞれ出力するとき、水平走査回路124は、制御信号φGH(m)を高レベルに制御し、他の列の制御信号φGHを低レベルに制御する。
次に、図24を参照しつつ、第3の実施形態での演算増幅器OPの回路構成例を説明する。なお、図24では、帰還容量Cfおよび制御スイッチSfの図示を省略する。また、図24の例において、「VIN_P」は非反転入力端子を示し、「VIN_N」は反転入力端子を示し、「VOUT」は出力端子を示す。また、「STBY」はスタンバイ信号(φSTBY1〜3)を受けるスタンバイ端子であり、「STBY_N」は上記のSTBYの負論理を受けるスタンバイ端子である。なお、図24では、サンプルホールド部123の一部を併せて示す。
図24に示す演算増幅器OPは、PMOSトランジスタT1〜T4と、NMOSトランジスタT5〜T9とを有している。図24に示す演算増幅器OPは、一般的なNMOS入力の演算増幅器(T1、T2、T5、T6、T8、T9の構成)に対して、それぞれスタンバイスイッチとして機能するPMOSトランジスタ(T3、T4)およびNMOSトランジスタ(T7)が付加されている。なお、NMOSトランジスタT8、T9は、カスコード型電流源を構成する。
PMOS側のスタンバイスイッチであるトランジスタT3、T4は、スタンバイ期間(STBYが高レベルのとき)にオフとなる。上記のトランジスタT3、T4は、いずれもゲートでSTBYを受けている。トランジスタT3のソースは、トランジスタT1のドレインおよびトランジスタT1、T2のゲートと接続されている。トランジスタT3のドレインは、トランジスタT5のドレインと接続されている。また、トランジスタT4のソースは、トランジスタT2のドレインと接続されている。トランジスタT4のドレインは、トランジスタT6のドレインおよび出力端子VOUTに接続されている。
このように、トランジスタT4は、PMOSのトランジスタT2と出力端子VOUTとの間に配置されており、トランジスタT2を隔てて電源電圧VDDと接続されている。なお、トランジスタT3は、回路の対称性を保つために設けられている。図24の構成では、トランジスタT1、T2は電源電圧VDDに直接接続されているので、演算増幅器OPは、スタンバイスイッチとして付加されたトランジスタT3、T4の抵抗によるIRドロップの影響をほぼ受けずにすむ。
また、NMOS側のスタンバイスイッチであるトランジスタT7は、スタンバイ期間(STBY_Nが低レベルのとき)にオフとなる。上記のトランジスタT7は、ゲートでSTBYの負論理(STBY_N)を受けている。トランジスタT7のドレインは、トランジスタT5、T6のソースとそれぞれ接続されており、トランジスタT6を隔てて出力端子VOUTと接続されている。トランジスタT7のソースは、トランジスタT8のドレインと接続されており、トランジスタT8、T9を隔てて接地されている。
上記の演算増幅器OPでは、スタンバイのときにトランジスタT3、T4がオフとなり、電源電圧VDDから出力端子VOUTへの電流が遮断される。また、スタンバイのときにトランジスタT7がオフとなり、出力端子VOUTからGNDへの電流が遮断される。これにより、カラムアンプ122はスタンバイ状態となる。このスタンバイ期間において、演算増幅器OPの出力端子はフローティング状態となる。よって、上述した第3の実施形態での演算増幅器OPでは、カラムアンプ122のスタンバイ期間に後段のサンプルホールド部123が動作している場合においても、演算増幅器OPからサンプルホールド部123の容量に不要な電荷の充電が行われることはない。
これに対して、PMOS側のスタンバイスイッチ(トランジスタT3、T4)がない場合を比較例として説明する(比較例の図示は省略する)。この比較例の場合、スタンバイのときにNMOS側のスタンバイスイッチがオフとなる。これにより、出力端子VOUTからGNDへの電流が遮断されて、カラムアンプ122はスタンバイ状態となる。しかし、スタンバイ期間には、電源電圧VDDからPMOSトランジスタを介して出力端子側に電流が流れこんでしまう。例えば、カラムアンプ122のスタンバイ期間に後段のサンプルホールド部123が動作している場合、比較例の構成ではサンプルホールド部123の容量に不要な電荷が充電されてしまうので、理想的なスタンバイ状態とはならないことが分かる。
以下、第3の実施形態の固体撮像素子111での読み出し動作例を説明する。
(通常読み出しモードの場合)
図25は、通常読み出しモードでの画素アレイ112からの信号読み出しの例を示す図である。図25の例では、画素アレイ112の全ての画素から信号を読み出す場合を示すが、所定の間隔で行および列を間引きして信号を読み出してもよい。
通常読み出しモードにおいて、画素アレイ112の奇数行の画素から信号を読み出すときには、第1信号出力回路116から赤画素(R)の信号が順次読み出されるとともに、第2信号出力回路117から緑画素(Gr)の信号が順次読み出される。また、画素アレイ112の偶数行の画素から信号を読み出すときには、第1信号出力回路116から緑画素(Gb)の信号が順次読み出されるとともに、第2信号出力回路117から青画素(B)の信号が順次読み出される。
なお、撮像素子制御回路118は、通常読み出しモードの場合、モード選択信号φNを高レベルとし、位相選択信号φ1、φ2、φ3およびスタンバイ信号φSTBY1、φSTBY2、φSTBY3をいずれも低レベルとする。
ここで、画素アレイ112の奇数列の画像信号を読み出す場合を説明する。図26は、通常読み出しモードでの第1信号出力回路116の動作状態を示す図である。なお、以下の動作例の説明では、高レベルを示す制御信号線と、画素PXから演算増幅器OPまでの信号が出力される信号線とを図中太線で示す。
例えば、上述の3m−2番目の列に対応する第1の混合読み出し制御部121aでは、トランジスタMa1〜Ma3がいずれもオンとなる一方で、トランジスタMa4〜Ma6はいずれもオフとなる。これにより、3m−2番目の列の画素PXから信号が出力されると、その信号電荷はトランジスタMa1〜Ma3を介して容量Ca1〜Ca3に蓄積される。
また、各奇数列のカラムアンプ122はいずれも動作状態にあるため、画素PXから読み出された出力信号は、対応する列のカラムアンプ122で反転増幅され、後段のサンプルホールド部123に出力される。
なお、第1信号出力回路116の他の列(3m−1番目、3m番目の奇数列)や、第2信号出力回路117の各列においても、上記と同様に信号の読み出しが行われる。以上のように、通常読み出しモードでの固体撮像素子111は、各画素PXの信号をそれぞれ独立に読み出すことができる。
(混合読み出しモードの場合)
図27は、混合読み出しモードでの画素アレイ112からの信号読み出しの例を示す図である。混合読み出しモードでは、行方向D1における同色3画素分の信号を混合読み出しすることで、単純な間引き読み出しと比べて、モアレや偽色の発生を抑制しつつ、ノイズ成分を低減した画像を得ることができる。
上記の混合読み出しモードでは、混合読み出し時の各色画素の重心位置がベイヤ配列を維持するように、信号のサンプリング位置が決定される。
図27において、1番目の緑画素(Gb)、赤画素(R)の信号は1,3列目の信号を混合して生成される(なお、図中1列目の左方向にさらに緑画素(Gb)、赤画素(R)がある場合、これらの信号もさらに混合される)。そして、混合読み出しされた1番目の緑画素(Gb)、赤画素(R)の重心位置は画素アレイ112の1列目となる。一方、図27において、1番目の青画素(B)、緑画素(Gb)の信号は2,4,6列目の信号を混合して生成される。そして、混合読み出しされた1番目の青画素(B)、緑画素(Gb)の重心位置は画素アレイ112の4列目となる。
混合読み出しモードにおいて上記の読み出しを行うために、撮像素子制御回路118は、第1信号出力回路116および第2信号出力回路117のモード選択信号φNをいずれも低レベルとする。また、撮像素子制御回路118は、第1信号出力回路116について、位相選択信号φ1とスタンバイ信号φSTBY2、φSTBY3とをいずれも高レベルとし、位相選択信号φ2、φ3とスタンバイ信号φSTBY1とをいずれも低レベルとする。一方、撮像素子制御回路118は、第2信号出力回路117について、位相選択信号φ2とスタンバイ信号φSTBY1、φSTBY3とをいずれも高レベルとし、位相選択信号φ1、φ3とスタンバイ信号φSTBY2とをいずれも低レベルとする。
ここで、画素アレイ112の奇数列の画像信号を読み出す場合を説明する。図28は、混合通常読み出しモードでの第1信号出力回路116の動作状態を示す図である。
上記の場合、モード選択信号φNは低レベルであるため、図28に示すトランジスタMa1〜Ma3、Mb1〜Mb3、Mc1〜Mc3は、いずれもオフとなる。
また、位相選択信号φ1は高レベルであるため、図28に示す第1の混合読み出し制御部121aのトランジスタMa4〜Ma6はいずれもオンとなる。
そのため、行方向D1に向けて奇数列の画素PXから信号を読み出すと、3m−2番目の列に対応する垂直信号線115の信号電荷は、トランジスタMa5を介して容量Ca2に蓄積される。また、3m−1番目の列に対応する垂直信号線115の信号電荷は、トランジスタMa6を介して容量Ca3に蓄積される。また、3m番目の列に対応する垂直信号線115の信号電荷は、トランジスタMa4を介して容量Ca1に蓄積される。
また、スタンバイ信号φSTBY1は低レベルであるため、第1の混合読み出し制御部21aの後段のカラムアンプ122は動作状態にある。そのため、容量Ca1〜Ca3に蓄積された同じ行の同色3画素分の信号電荷はまとめてカラムアンプ122aで反転増幅され、出力信号の混合読み出しがなされる。
一方、位相選択信号φ2、φ3は低レベルであるため、図28に示すトランジスタMb4〜Mb6、Mc4〜Mc6はいずれもオフになる。そのため、第2の混合読み出し制御部121bおよび第3の混合読み出し制御部121cからは、後段の回路に信号が出力されない。また、スタンバイ信号φSTBY2、φSTBY3は高レベルであるため、カラムアンプ122b、カラムアンプ122cはいすれもスタンバイ状態となる(図28において、スタンバイ状態のカラムアンプ122b,122cをハッチングで示す)。
ところで、第3の実施形態でのサンプルホールド部123は、行方向D1の全体にわたって、共通の制御信号φSigC、φDarkによって動作する。そのため、混合読み出しモードにおいて、カラムアンプ122b、カラムアンプ122cがスタンバイ状態であっても、その後段のサンプルホールド部123が動作する場合がある。しかし、上述するように、第3の実施形態のカラムアンプ122から後段のサンプルホールド部123の容量に不要な電荷の充電が行われることはない。
なお、混合読み出しモードでの第2信号出力回路117では、第1の混合読み出し制御部121および第3の混合読み出し制御部121がスタンバイ状態となり、第2の混合読み出し制御部121で上記の混合読み出しが行われることとなる。混合読み出しモードでの第2信号出力回路117の動作は、第1信号出力回路116の動作とほぼ共通するので重複説明を省略する。
<第3の実施形態の変形例1>
図29は、第3の実施形態での演算増幅器OPの回路構成例の別例を示している。
図29の構成は、図24に示す演算増幅器OPの変形例であって、トランジスタT1、T2とトランジスタT3、T4との位置が入れ替わっている点のみ相違する。なお、図29において、図24と共通する要素の重複説明は省略する。
図29の例において、トランジスタT4は、演算増幅器OPの電源電圧VDDとPMOSのトランジスタT2との間に配置されており、トランジスタT2を隔てて出力端子VOUTと接続されている。なお、トランジスタT3は、回路の対称性を保つために設けられている。
かかる図29の構成によっても、上述の図24の構成と同様の効果を得ることができる。特に、図29の構成では、スタンバイスイッチとして付加されたトランジスタT3、T4の抵抗によるIRドロップの影響で、トランジスタT1、T2の動作点が変化する。しかし、図29の構成ではトランジスタT3、T4が電源電圧VDDに直接接続されており、トランジスタT3、T4が演算増幅器OPの出力の負荷とはならない。そのため、図29の構成によれば、図24の構成と比べて演算増幅器OPの静定時間を短縮できる。
<第3の実施形態の変形例2>
図30は、第3の実施形態での演算増幅器OPの回路構成例の別例を示している。
図30の構成は、図29に示す演算増幅器OPの変形例であって、ダブルカスコードタイプの演算増幅器にスタンバイスイッチを設けた例である。図30の例では、図29と同様に、トランジスタT4は、演算増幅器OPの電源電圧VDDとPMOSのトランジスタT2との間に配置されており、回路の対称性を保つためにトランジスタT3が設けられている。なお、図30において、図29と共通する要素の重複説明は省略する。
図30の例では、トランジスタT1とトランジスタT5との間に、PMOSトランジスタT11とNMOSトランジスタT13とがそれぞれ接続されている。また、トランジスタT2とトランジスタT4との間に、PMOSトランジスタT12とNMOSトランジスタT14とがそれぞれ接続されている。なお、図30の例では、トランジスタT1、T2のゲートは、トランジスタT11、T13のドレイン間に接続されており、出力端子VOUTはトランジスタT12、T14のドレイン間に接続されている。
トランジスタT11、T12の各ゲートには、電圧VBIAS_PGAPが供給される。また、トランジスタT13、T14の各ゲートには、電圧VBIAS_PGANが供給される。スイッチトキャパシタアンプ動作時には、VBIAS_PGAP、VBIAS_PGANには独立してバイアス電圧が供給される。また、ボルテージフォロワー動作時には、トランジスタT11、T12の各ゲートにVBIAS_PGAPとして接地電圧が供給され、トランジスタT13、T14の各ゲートにVBIAS_PGANとして電源電圧が供給される。これにより、ボルテージフォロワー動作時には、トランジスタT11〜T14は単なる抵抗と等価の状態となる。
かかる図30の構成例によっても、上述の図29の構成と同様の効果を得ることができる。
<撮像装置の構成例>
図31は、撮像装置の一例である電子カメラの構成例を示す図である。
電子カメラは、撮像光学系131と、上記の第3の実施形態の固体撮像素子132と、アナログフロントエンド回路133(AFE回路)と、画像処理部134と、モニタ135と、記録I/F136と、制御部137と、操作部138とを有している。ここで、固体撮像素子132、アナログフロントエンド回路133、画像処理部134、操作部138はそれぞれ制御部137と接続されている。
撮像光学系131は、例えばズームレンズやフォーカスレンズを含む複数のレンズで構成されている。なお、簡単のため、図31では撮像光学系131を1枚のレンズで図示する。
固体撮像素子132は、撮像光学系131を通過した光束による被写体の結像を撮像する。この撮像素子の出力はアナログフロントエンド回路133に接続されている。
電子カメラの撮影モードにおいて、固体撮像素子132は、操作部138の入力に応じて、不揮発性の記憶媒体(139)への記録を伴う記録用静止画像や動画像を撮影する。また、固体撮像素子132は、記録用静止画像の撮影待機時にも所定間隔ごとに観測用の画像(スルー画像)を連続的に撮影する。時系列に取得されたスルー画像のデータ(あるいは上記の動画像のデータ)は、モニタ135での動画表示や制御部137による各種の演算処理に使用される。なお、動画撮影時に、電子カメラはスルー画像を記録するようにしてもよい。
アナログフロントエンド回路133は、パイプライン式に入力される画像信号に対して、アナログ信号処理、A/D変換処理を順次施す回路である。アナログフロントエンド回路133の出力は画像処理部134に接続される。
画像処理部134は、アナログフロントエンド回路133から入力されるデジタルの画像信号に対して画像処理(色補間処理、階調変換処理、輪郭強調処理、ホワイトバランス調整など)を行う。なお、画像処理部134には、モニタ135および記録I/F136が接続される。
モニタ135は、各種の画像を表示する表示デバイスである。例えば、モニタ135は、制御部137の制御により、撮影モード下でのスルー画像の動画表示(ビューファインダ表示)を行う。
記録I/F136は、不揮発性の記憶媒体139を接続するためのコネクタを有している。そして、記録I/F136は、コネクタに接続された記憶媒体139に対してデータの書き込み/読み込みを実行する。上記の記憶媒体139は、ハードディスクや、半導体メモリを内蔵したメモリカードなどで構成される。なお、図31では記憶媒体139の一例としてメモリカードを図示する。
制御部137は、電子カメラの動作を統括的に制御するプロセッサである。操作部138は、記録用静止画像の取得指示(例えばレリーズ釦の全押し操作)をユーザから受け付ける。
<実施形態の補足事項>
(補足1):例えば、上述の第1、第2の実施形態では、増幅部CA1〜CA(m/2)は、作動状態と作動停止状態とを切り替えられるものであったが、本発明では、増幅部CA1〜CA(m/2)は必ずしも低消費電力の作動停止状態に切り替えられなくてもよい。
(補足2):また、上述の各実施形態の固体撮像素子は、カラーフィルタの色配列がベイヤ配列である例であった。しかし、本発明では、カラーフィルタの色配列は、ベイヤ配列に限らない。本発明は、2行2列の繰り返し周期を持つ他の色配列のカラーフィルタ(例えば、マゼンタ、グリーン、シアン及びイエローを用いる補色系カラーフィルタなど)などを有する固体撮像素子や、カラーフィルタを有しないいわゆる白黒の固体撮像素子にも適用することができる。
(補足3):上述の第1、第2の実施形態では、上述のpの数が3の例であった。しかし、本発明では、上述のpの数は2以上であればよい。もっとも、上述のpの数は、奇数であることが好ましい。上述のpの数が奇数であれば、加算後の信号重心の位置が加算前の重心の位置と一致するため、モアレ等が発生し難くなるからである。
(補足4):上述の第1、第2の実施形態では、固体撮像素子は水平走査回路でAPS,APNをアナログ信号のまま出力する構成を説明した。しかし、本発明の撮像素子は、増幅部CAそれぞれにAD変換器を配置したカラムADC方式として、デジタル出力としてもよい。
(補足5):上述の第3の実施形態において、固体撮像素子は水平走査回路でOUTS,OUTNをアナログ信号のまま出力する構成を説明した。しかし、本発明の固体撮像素子は、カラムアンプ116のそれぞれにAD変換器を配置したカラムADC方式として、デジタル出力としてもよい。その場合は、撮像装置において、アナログフロントエンドAFE133の代わりに、デジタルフロントエンドDFEを配置すればよい。
(補足6):上述の実施形態において、第1信号出力回路116、第2信号出力回路117にそれぞれ全ての垂直信号線115を接続してもよい。このとき、第1信号出力回路116、第2信号出力回路117にそれぞれカラムセレクタを設け、第1信号出力回路116、第2信号出力回路117との間で、奇数列の読み出しと偶数列の読み出しとを1行毎に交互に切り替えてもよい。この場合、例えば、緑画素(Gr、Gb)の信号を、同じカラムアンプ122を介して読み出すことができるので、緑画素(Gr、Gb)の信号のレベル差を小さくできる。
(補足7):上述の実施形態では、1画素が4つのトランジスタで構成される例を説明した。しかし、本発明の固体撮像素子は、リセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMPおよび選択トランジスタSELを複数の画素間で共有するもの(例えば、2画素で5つのトランジスタを有する2.5Tr構成、または4画素で7つのトランジスタを有する1.75Tr構成)であってもよい。
図32は、画素PXの変形例を示している。図32に示した画素PXの構成は、増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRSTおよびフローティングディフュージョンFDが、画素アレイの列方向D2に隣接する2画素(PX1〜PX2)で共用されている点を除いて、上述した図32の画素PXと同様である。なお、図に示す画素PXについて、列方向D2に隣接する複数のフローティングディフュージョンFDをスイッチで接続し、さらに列方向D2での加算読み出しを可能としてもよい(この場合の図示は省略する)。
図33は、画素PXの変形例を示している。図33に示した画素PXの構成は、増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRSTおよびフローティングディフュージョンFDが、画素アレイの列方向D2に隣接する4画素(PX1〜PX4)で共用されている点を除いて、上述した図32の画素PXと同様である。
(補足7):上述の実施形態では、撮像装置の一例として電子カメラの構成を説明した。しかし、本発明の撮像装置は、固体撮像素子と各種の信号処理回路とをオンチップで一体化したものであってもよい。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲が、その精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図する。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずであり、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物によることも可能である。