JPWO2013085039A1 - 導電性微粒子及びそれを含む異方性導電材料 - Google Patents
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Abstract
また本発明は、基材粒子と、該基材粒子の表面を被覆する導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、前記導電性金属層がニッケル層を含み、前記導電性微粒子を粉末X線回折測定したとき、ニッケルの格子面(200)に回折線が観測されることを特徴とする導電性微粒子に関する。本発明は、該導電性微粒子を含む異方性導電材料も包含する。
Description
1−1.導電性金属層
本発明の導電性微粒子は、基材粒子と、該基材粒子の表面を被覆する導電性金属層とを有している。そして、前記導電性金属層がニッケル層を含み、粉末X線回折測定したとき、ニッケル格子面(200)に帰属される回折線が観測され、すなわちニッケル格子面(200)に垂直な方向([200]方向)に結晶が成長している。これによって、導電性微粒子の耐湿熱性が向上できる。
なお、本発明でいうd(200)やd(111)等の結晶子径は、粉末X線回折測定により得られる回折線幅(半値幅)よりシェラーの式を用いて算出した値であり、具体的な結晶子径の測定方法については実施例において説明する。
一方、他の導電性金属層を積層するときは、他の導電性金属層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム及びニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の金属や金属化合物、及び、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、パラジウム、銀が導電性に優れており好ましい。導電性金属層は、例えば、ニッケル層−金層、ニッケル層−パラジウム層、ニッケル層−パラジウム層−金層、ニッケル層−銀層等の組合せが好ましく挙げられる。特に最外層として金層、又はパラジウム層を有することが好ましい。他の導電性金属層を積層するとき、他の導電性金属層が最表層となってもよい。
また、金やパラジウムなどの他の導電性金属層を構成する上記金属元素が、ニッケル元素と混在した金属層(合金状態の層を含む)を形成している形態も導電性金属層の好ましい形態の一つである。たとえば、ニッケル層を形成した後に、金の置換メッキを施した場合には、ニッケル層を構成するニッケル原子の少なくとも一部が金に置換されるために、上記のような導電性金属層となる。
前記ニッケル層は、基材粒子に直接形成してもよいし、下地として他の導電性金属層を基材粒子表面に形成し、その上にニッケル層を形成してもよいが、基材粒子に直接形成することが好ましい。
前記基材粒子は、樹脂成分を含む樹脂粒子が好ましい。樹脂粒子を用いることで、弾性変形特性に優れた導電性微粒子が得られる。前記樹脂としては、例えば、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル樹脂等のビニル重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類;ポリカーボネート類;ポリアミド類;ポリイミド類;フェノールホルムアルデヒド樹脂;オルガノポリシロキサン等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。電極の狭小化、或いは配線の微細化が進む電子部品実装において、今後、微細な導電性微粒子が要求されるため、基材粒子として、特に2.8μm未満の領域で、粒度分布が狭く、圧縮変形特性が制御された粒子が得られ易いという観点から、これらの中でも、ビニル重合体、アミノ樹脂、オルガノポリシロキサンが好ましく、ビニル重合体及びアミノ樹脂がより好ましく、特にビニル重合体が好ましい。ビニル重合体を含む材料は、ビニル基が重合して形成された有機系骨格を有し、加圧接続時の弾性変形に優れる。特に、ジビニルベンゼン及び/又はジ(メタ)アクリレートを重合成分として含むビニル重合体は、導電性金属被覆後の粒子強度の低下が少ない。
ビニル重合体粒子は、ビニル重合体により構成される。ビニル重合体は、ビニル系単量体(ビニル基含有単量体)を重合(ラジカル重合)することによって形成でき、このビニル系単量体はビニル系架橋性単量体とビニル系非架橋性単量体とに分けられる。なお、「ビニル基」には、炭素−炭素二重結合のみならず、(メタ)アクリロキシ基、アリル基、イソプロペニル基、ビニルフェニル基、イソプロペニルフェニル基のような官能基と重合性炭素−炭素二重結合から構成される置換基も含まれる。なお、本明細書において「(メタ)アクリロキシ基」、「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリル」は、「アクリロキシ基及び/又はメタクリロキシ基」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」や「アクリル及び/又はメタクリル」を示すものとする。
前記他の成分としては、特に限定されないが、ポリシロキサン成分が好ましい。ビニル重合体粒子に、ポリシロキサン骨格を導入することで、加圧接続時の弾性変形に優れるものとなる。
なお架橋性単量体の割合が少ないほど基材粒子の10%K値を小さくでき、例えば、4000N/mm2以下にすることもできる。目的とする10%K値によっては、架橋性単量体の割合は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは25質量%以下である。
ポリシロキサン粒子としては、前記第三の形態(ビニル重合体−ポリシロキサン間架橋)を形成し得るシラン系架橋性単量体を含む組成物を、(共)加水分解縮合して得られるポリシロキサン粒子が好ましく、特にビニル基含有ポリシロキサン粒子が好ましい。ポリシロキサン粒子がビニル基を有する場合、得られるビニル重合体粒子が、ビニル重合体とポリシロキサン骨格がポリシロキサンを構成するケイ素原子を介して結合するため、弾性変形性及び接触圧に特に優れたものとなる。ビニル基含有ポリシロキサン粒子は、例えば、ビニル基を有するジ又はトリアルコキシシランを含むシラン系単量体(混合物)を(共)加水分解縮合することによって製造できる。
アミノ樹脂粒子を構成するアミノ樹脂は、アミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物により構成されるものが好ましい。
前記アミノ化合物としては、例えば、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、アセトグアナミン、ノルボルネンカルボグアナミン、スピログアナミン等のグアナミン化合物、メラミン等のトリアジン環構造を有する化合物等の多官能アミノ化合物が挙げられる。これらの中でも、多官能アミノ化合物が好ましく、トリアジン環構造を有する化合物がより好ましく、特にメラミン、グアナミン化合物(特にベンゾグアナミン)が好ましい。前記アミノ化合物は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
アミノ樹脂粒子の製造方法としては、例えば、特開2000−256432号公報、特開2002−293854号公報、特開2002−293855号公報、特開2002−293856号公報、特開2002−293857号公報、特開2003−55422号公報、特開2003−82049号公報、特開2003−138023号公報、特開2003−147039号公報、特開2003−171432号公報、特開2003−176330号公報、特開2005−97575号公報、特開2007−186716号公報、特開2008−101040号公報、特開2010−248475号公報等に記載のアミノ樹脂架橋粒子及びその製造方法を適用することが好ましい。
オルガノポリシロキサン粒子は、ビニル基を含有しないシラン系単量体(シラン系架橋性単量体、シラン系非架橋性単量体)の1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することによって得られる。
前記ビニル基を含有しないシラン系単量体としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等の3官能性シラン系単量体;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するジ又はトリアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するジ又はトリアルコキシシラン等が挙げられる。
導電性微粒子が微細(具体的には、個数平均粒子径が10.0μm未満)になると、本発明の効果が一層顕著となる。よって、基材粒子の個数平均粒子径は、10.0μm未満が好ましく、より好ましくは3.0μm以下、さらに好ましくは2.8μm以下が好ましいが、より一層好ましくは、2.8μm未満、さらに一層好ましくは2.7μm以下、なお一層好ましくは2.6μm以下、特に好ましくは2.5μm以下であり、一方、1.0μm以上が好ましく、1.5μm以上がより好ましい。
この場合、基材粒子としては、上記ビニル重合体粒子、アミノ樹脂粒子、オルガノポリシロキサン粒子の中でも、架橋性単量体を含む単量体成分を重合することによって形成されたビニル重合体粒子、及び、トリアルコキシシランをシラン系架橋性単量体として用いたオルガノポリシロキサン粒子が好ましい。10%K値を制御し易い点で、架橋性単量体を含む単量体成分を重合することによって形成されたビニル重合体粒子がより好ましい。この微細なビニル重合体粒子を構成する全単量体に占める架橋性単量体(ビニル系架橋性単量体及びシラン系架橋性単量体の合計)の割合は、30質量%以上が好ましく、より好ましくは40質量%以上であり、さらに好ましくは50%質量以上である。
また、基材粒子(樹脂粒子)の個数平均粒子径が、1.0μm以上、50μm以下の範囲で比較的大粒子径であることも好ましい。例えば6μm以上、より好ましくは7μm以上、さらに好ましくは8μm以上の場合であることが好ましい。この場合、上限は、例えば25μm以下、より好ましくは23μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
この場合、基材粒子としては、架橋性単量体を含む単量体成分を重合することによって形成されたビニル重合体粒子が好ましい。この軟質なビニル重合体粒子を構成する全単量体に占める架橋性単量体(ビニル系架橋性単量体及びシラン系架橋性単量体の合計)の割合は、50質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。また、この軟質なビニル重合体粒子を構成する単量体成分に含まれる非架橋性単量体は、好ましい非架橋性単量体としてスチレン系単官能モノマー、アルキル(メタ)アクリレート類を含むものであることが好ましい。前記スチレン系単官能モノマーの中では、スチレンが好ましい。また、前記アルキル(メタ)アクリレート類の中では、メチル(メタ)アクリレート、アルキル基の炭素数が3以上であるアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、10%K値を所定の範囲に調整することが容易である観点から、アルキル基の炭素数が3以上であるアルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、ブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。非架橋性単量体の全量に占める、好ましい単量体(スチレン系単官能モノマー、アルキル(メタ)アクリレート類)の合計の割合は50質量%以上であることが好ましい。
基材粒子の10%K値の上限又は下限は、基材粒子の粒子径に応じて調整してもよい。粒子径に応じて調整することで、10%K値の制御効果をより確実に発揮させることができる。例えば、基材粒子の粒子径が3μm以下の場合、その10%K値は、3000N/mm2以上であることが好ましい。より好ましくは3500N/mm2以上、さらに好ましくは4000N/mm2超である。また、40000N/mm2以下であることが好ましく、より好ましくは30000N/mm2以下、さらに好ましくは25000N/mm2以下である。基材粒子の個数平均粒子径を3μm以下程度にまで小さくすると、従来の導電性微粒子(ニッケル層の結晶が[200]方向に成長していない導電性微粒子)では、湿熱性条件下で高圧縮時、接続抵抗値が上昇するという特有の不具合があった。小粒径、湿熱性条件、高圧縮が重なると、ニッケル層への負荷が大きくなり、導電性金属層が破断するためと思料される。本発明の導電性微粒子によれば、基材粒子の粒子径を3μm以下にしても、ニッケル層の結晶が[200]方向に成長しているためニッケル層が破断しにくい。よってこの粒子径3μm以下の場合に特有のこの課題を解決でき、10%K値の下限を比較的大きくすることが可能となる。
前記導電性微粒子の個数平均粒子径は、1.0μm以上が好ましく、より好ましくは1.1μm以上、さらに好ましくは1.2μm以上、一層好ましくは1.3μm以上、特に好ましくは1.4μm以上であり、好ましくは50μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。また前記導電性微粒子の粒子径の個数基準の変動係数(CV値)は、10.0%以下が好ましく、より好ましくは8.0%以下、さらに好ましくは5.0%以下、一層好ましくは4.5%以下、特に好ましくは4.0%以下である。
導電性微粒子が微細(具体的には、個数平均粒子径が10.0μm未満)になると、基材粒子を10.0μm未満にした場合と同様、湿熱性条件下でも導電性微粒子の接続抵抗値上昇を効果的に抑制できる。よって、本発明の効果が一層顕著となる理由から、個数平均粒子径は、10.0μm未満が好ましく、より好ましくは3.2μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下が好ましいが、より一層好ましくは、2.8μm以下、さらに一層好ましくは2.7μm以下、なお一層好ましくは2.6μm以下であり、一方、1.1μm以上が好ましく、1.6μm以上がより好ましい。
一方、基材粒子が軟質であると、上述の通りニッケル層の結晶が[200]方向に成長しているため、湿熱性条件下でも導電性微粒子の接続抵抗値上昇をより効果的に抑制できる。軟質な基材粒子が特に有用となるのは、導電性微粒子の個数平均粒子径が、例えば、6.3μm以上、より好ましくは7.3μm以上、さらに好ましくは8.3μm以上の場合である。上限は、例えば25μm以下、より好ましくは23μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
前記導電性微粒子は、無電解めっき法により製造でき、この微粒子中のニッケル層において(200)面に垂直な方向に結晶を成長させるには、無電解めっき工程で特有の処理が必要となる。すなわち無電解めっき工程におけるめっき液(ニッケル塩含有めっき液)がグリシンと酢酸ナトリウムを含むこと、言い換えればニッケルめっき時にグリシンと酢酸ナトリウムが共存することが重要である。さらに、(i)グリシンに対する酢酸ナトリウムの質量割合(酢酸ナトリウム/グリシン)を1.8以下(好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下)にすること、又は(ii)グリシンに対する酢酸ナトリウムの質量割合が1.8を超える場合(好ましくは1.9以上、さらに好ましくは2.0以上の場合)には、めっき後に、窒素などの不活性雰囲気下、270℃以上(好ましくは275℃以上、さらに好ましくは280℃以上)で熱処理することによって、本発明の導電性微粒子を得ることができる。
前記(i)の場合、グリシンに対する酢酸ナトリウムの質量割合の下限は、例えば0.5以上、好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1.0以上である。
前記(ii)の場合、グリシンに対する酢酸ナトリウムの質量割合の上限は3以下であることが好ましく、より好ましくは2.5以下である。不活性雰囲気下での熱処理温度は、350℃以下が好ましく、より好ましくは320℃以下、さらに好ましくは300℃以下である。不活性雰囲気下での熱処理時間の下限は、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは1時間以上であり、前記熱処理時間の上限は、好ましくは20時間以下、より好ましくは10時間以下、さらに好ましくは5時間以下である。
エッチング処理工程では、クロム酸、無水クロム酸−硫酸混合液、過マンガン酸等の酸化剤;塩酸、硫酸、フッ酸、硝酸等の強酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリ溶液;その他市販の種々のエッチング剤等を用いて、基材粒子の表面に親水性付与し、その後の無電解めっき液に対する濡れ性を高める。また、微小な凹凸を形成させ、その凹凸のアンカー効果によって、無電解めっき後の基材粒子と導電性金属層との密着性の向上を図る。
前記触媒化処理では、基材粒子表面に貴金属イオンを捕捉させた後、これを還元して前記貴金属を基材粒子表面に担持させ、基材粒子の表面に次工程の無電解めっきの起点となりうる触媒層を形成させる。基材粒子自体が貴金属イオンの捕捉能を有さない場合、触媒化を行う前に、表面改質処理を行うことも好ましい。表面改質処理は、表面処理剤を溶解した水又は有機溶媒に、基材粒子を接触させることで行うことができる。
無電解めっき工程では、上述の特有の処理(グリシンと酢酸ナトリウムの併用と、これらの割合に応じた熱処理の有無)を施す以外は、通常の無電解めっき工程が採用される。すなわち無電解めっき工程では、まず、触媒化基材粒子を水に十分に分散させ、触媒化基材粒子の水性スラリーを調製する。ここで、安定した導電特性を発現させるためには、触媒化基材粒子をめっき処理を行う水性媒体に十分に分散させておくことが好ましい。触媒化基材粒子が凝集した状態で無電解めっき処理を行うと、基材粒子同士の接触面に未処理面(導電性金属層が存在しない面)が生じるからである。触媒化基材粒子を水性媒体に分散させる手段としては、例えば、通常攪拌装置、高速攪拌装置、コロイドミル又はホモジナイザーのような剪断分散装置など従来公知の分散手段や、超音波や分散剤(界面活性剤等)を用いれば良い。
前記無電解めっき液のpHは、限定されないが、好ましくは6〜14である。また、無電解めっき液の液温も特に限定されないが、例えば30〜100℃である。
導電性微粒子はその表面が平滑であっても凹凸状であっても良いが、バインダー樹脂を効果的に排除して電極との接続を行える点で複数の突起を有することが好ましい。突起を有することで、導電性微粒子を電極間の接続に用いた際の接続信頼性を高めることができる。
本発明の導電性微粒子は、表面の少なくとも一部に絶縁層を有する態様(絶縁被覆導電性微粒子)であってもよい。このように表面の導電性金属層にさらに絶縁層が積層されていると、高密度回路の形成時や端子接続時等に生じやすい横導通を防ぐことができる。
絶縁粒子はその表面に導電性微粒子への付着性を高めるため官能基を有していても良い。前記官能基としては、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、リン酸基、シラノール基、アンモニウム基、スルホン酸基、チオール基、ニトロ基、ニトリル基、オキサゾリン基、ピロリドン基、スルホニル基、水酸基等が挙げられる。
本発明の導電性微粒子は、異方性導電材料として有用である。
前記異方性導電材料としては、前記導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなるものが挙げられる。異方性導電材料の形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インク等様々な形態が挙げられる。これらの異方性導電材料を相対向する基材同士や電極端子間に設けることにより、良好な電気的接続が可能になる。なお、本発明の導電性微粒子を用いた異方性導電材料には、液晶表示素子用導通材料(導通スペーサー及びその組成物)も含まれる。
これらの用途の中でも、本発明の異方性導電性材料はFPDのFOG接続、COG接続、ならびにタッチパネル引き出し回路とFPC接続用に好適に用いられる。異方性導電材料の形態としてはペースト状であってもフィルム状であっても良いが、接続信頼性をより高められる点でフィルム状(異方性導電フィルム)であることが好ましい。
1−1.個数平均粒子径、粒子径の変動係数(CV値)
粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径を測定し、個数基準の平均粒子径、粒子径の標準偏差を求めるとともに、下記式に従って粒子径の個数基準のCV値(変動係数)を算出した。
粒子の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/個数基準平均粒子径)
なお、基材粒子では、基材粒子0.005部に界面活性剤(第一工業製薬社製、「ハイテノール(登録商標) N−08」)の1%水溶液20部を加え、超音波で10分間分散させた分散液を測定試料とした。シード粒子では、加水分解、縮合反応で得られた分散液を、界面活性剤(第一工業製薬社製、「ハイテノール(登録商標) N−08」)の1%水溶液により希釈したものを測定試料とした。
粉末X線回折装置(リガク社製、「RINT(登録商標)−TTRIII」)を使用して、導電性微粒子についてX線回折測定を行った。次いで、解析ソフトとして総合粉末X線解析ソフトウエア(リガク社製、「PDKL」)を用い、ミラー指数(200)の格子面に帰属されるピーク(回折線)の幅(積分幅)から、Scherrerの式に基づいて、該格子面に垂直方向の結晶子径d(200)を計算した。また、同様にして、各実施例についてミラー指数(111)の格子面に垂直方向の結晶子径d(111)も計算した。
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製、「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、基材粒子3000個の粒子径、導電性微粒子3000個の粒子径を測定し、基材粒子の個数平均粒子径X(μm)、導電性微粒子の個数平均粒子径Y(μm)、CV値(%)を求めた。そして、下記式に従って導電性金属層の膜厚を算出した。
導電性金属層膜厚(μm)=(Y−X)/2
導電性微粒子0.05gに王水4mlを加え、加熱下で攪拌することにより金属層を溶解し、ろ別した。その後、ろ液をICP発光分析装置を用いて、ニッケル及びリンの含有量を分析した。
導電性微粒子10質量部(以下、質量部については単に「部」と表す)に、バインダー樹脂としてのエポキシ樹脂(三菱化学社製、「JER828」)を100部、硬化剤(三新化学社製、「サンエイド(登録商標) SI−150」)2部、及びトルエン100部を加えた。この混合物に、1mmのジルコニアビーズ50部を加えて、ステンレス製の2枚攪拌羽根を用いて300rpmで10分間分散を行い、ペースト状組成物を得た。得られたペースト状組成物をバーコーターで剥離処理PETフィルム上に塗布し、乾燥させて、異方性導電フィルムを得た。
得られた異方性導電フィルムを、抵抗測定用の線を有する全面アルミ蒸着ガラス基板と、100μmピッチで銅パターンを形成したポリイミドフィルム基板間に挟み込み、5MPa、200℃の圧着条件で熱圧着して測定試料を作製した。この試料について、電極間の抵抗値(初期抵抗値)を評価した。また、測定試料を、温度80℃、湿度100%で1000時間、2000時間、又は3000時間放置した後の電極間の抵抗値についてもそれぞれ同様に測定した。
下記式により抵抗値上昇率を求め、抵抗値上昇率が1%未満の場合を「A」、抵抗値上昇率が1%以上の場合を「B」と評価した。
抵抗値上昇率(%)=((温度80℃、湿度100%、所定時間放置後の抵抗値)−(初期抵抗値)/(初期抵抗値))×100
微小圧縮試験機(島津製作所製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台上に散布した試料粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子を用いて、「標準表面検出」モードで粒子の中心方向へ一定の負荷速度(2.2295mN/秒)で荷重をかけた。そして、圧縮変位が粒子径の10%となったときの荷重(mN)を測定し、得られた圧縮荷重、粒子の圧縮変位及び粒子径から、10%K値を算出した。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。
2−1.合成例1:ビニル重合体粒子1の合成
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水1800部と、25%アンモニア水24部、メタノール355部を入れ、攪拌下、滴下口から3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン100部及びメタノール245部の混合液を添加して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、メタクリロイル基を有するポリシロキサン粒子(重合性ポリシロキサン粒子)の乳濁液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数平均粒子径は3.02μmであった。
重合性ポリシロキサン粒子の乳濁液を調製するにあたり、「四つ口フラスコに、イオン交換水1800部と、25%アンモニア水24部、メタノール355部を入れ、攪拌下、滴下口から3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン100部及びメタノール245部の混合液を添加」することに代えて、「四つ口フラスコに、イオン交換水1800部と、25%アンモニア水24部、メタノール450部を入れ、攪拌下、滴下口から3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン150部及びメタノール500部の混合液を添加」したこと以外は、合成例1と同様にしてビニル重合体粒子2を作製した。このとき中間生成物であるポリシロキサン粒子の個数平均粒子径は1.50μmであった。また、得られたビニル重合体粒子2の個数平均粒子径、粒子径の変動係数(CV値)および10%K値を測定した。結果を表1に示す。
重合性ポリシロキサン粒子の乳濁液を調製するにあたり、「四つ口フラスコに、イオン交換水1800部と、25%アンモニア水24部、メタノール355部を入れ、攪拌下、滴下口から3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン100部及びメタノール245部の混合液を添加」することに代えて、「四つ口フラスコに、イオン交換水1800部と、25%アンモニア水24部、メタノール550部を入れ、攪拌下、滴下口から3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン100部及びメタノール50部の混合液を添加」したこと以外は、合成例1と同様にしてビニル重合体粒子3を作製した。このとき中間生成物であるポリシロキサン粒子の個数平均粒子径は1.15μmであった。また、得られたビニル重合体粒子3の個数平均粒子径、粒子径の変動係数(CV値)および10%K値を測定した。結果を表1に示す。
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水1000.0部と、25%アンモニア水15.0部を入れ、攪拌下、滴下口から、単量体成分(シード形成モノマー)としてビニルトリメトキシシラン59.3部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40.7部、及びメタノール170.0部を添加し、ビニルトリメトキシシラン及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、ビニル基及びメタクリロイル基を有する重合性ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均粒子径は4.36μmであった。
次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液12.5部をイオン交換水500部に溶解した溶液に、単量体成分(吸収モノマー)としてジビニルベンゼン(新日鐡化学社製「DVB960」:ジビニルベンゼン96%、エチルビニルベンゼン等4%含有品)500.0部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)12.0部とを溶解した溶液を加え、乳化分散させて単量体成分(吸収モノマー)の乳化液を調製した。乳化分散の開始から2時間後、得られた乳化液を、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液中に添加して、さらに攪拌を行った。乳化液の添加から1時間後、混合液をサンプリングして顕微鏡で観察を行ったところ、ポリシロキサン粒子が吸収モノマーを吸収して肥大化していることが確認された。
次いで、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液25.0部を加え、窒素雰囲気下で反応液を65℃まで昇温させて、65℃で2時間保持し、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、窒素雰囲気下280℃で1時間焼成し、ビニル重合体粒子4を得た。ビニル重合体粒子4の個数平均粒子径、粒子径の変動係数(CV値)および10%K値を測定した。結果を表1に示す。
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更し、個数基準の平均粒子径が4.50μmのシード粒子を作製した後、吸収モノマーの種類と使用量を「ジビニルベンゼン(新日鐡化学社製「DVB960」:ジビニルベンゼン96%、エチルビニルベンゼン等4%含有品)500.0部」に代えて、「スチレン250部及びDVB960(新日鐡化学社製、ジビニルベンゼン含量96質量%、エチルビニルベンゼン等4%含有品)250部」に変更したこと以外は合成例4と同様にして、ビニル重合体粒子5を得た。ビニル重合体粒子5の個数平均粒子径、粒子径の変動係数(CV値)および10%K値を測定した。結果を表1に示す。
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更し、個数基準の平均粒子径が5.15μmのシード粒子を作製した後、吸収モノマーの種類と使用量を「ジビニルベンゼン(新日鐡化学社製「DVB960」:ジビニルベンゼン96%、エチルビニルベンゼン等4%含有品)500.0部」に代えて、「メチルメタクリレート475.0部、エチレングリコールジメタクリレート25.0部」に変更し、焼成の代わりに窒素雰囲気下80℃で4時間乾燥したこと以外は合成例4と同様にして、ビニル重合体粒子6を得た。ビニル重合体粒子6の個数平均粒子径、粒子径の変動係数(CV値)および10%K値を測定した。結果を表1に示す。
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更し、個数基準の平均粒子径が3.25μmのシード粒子を作製した後、吸収モノマーの種類と使用量を「ジビニルベンゼン(新日鐡化学社製「DVB960」:ジビニルベンゼン96%、エチルビニルベンゼン等4%含有品)500.0部」に代えて、「n−ブチルメタクリレート1440.0部、トリエチレングリコールジメタクリレート160.0部、及びメタクリル酸400部」に変更し、焼成の代わりに窒素雰囲気下40℃で12時間乾燥したこと以外は合成例4と同様にして、ビニル重合体粒子7を得た。ビニル重合体粒子7の個数平均粒子径、粒子径の変動係数(CV値)および10%K値を測定した。結果を表1に示す。
3−1.実施例1
上記した基材粒子(ビニル重合体粒子1)に、水酸化ナトリウム水溶液によるエッチング処理を施した後、二塩化スズ溶液に接触させ、その後、二塩化パラジウム溶液に浸漬させることにより(センシタイジング−アクチベーティング法)、パラジウム核を形成させた。パラジウム核を形成させた基材粒子10部をイオン交換水5000部に添加し、超音波照射により十分に分散させ、懸濁液を得た。この懸濁液を70℃に加熱して攪拌しながら、70℃に加熱したニッケルめっき液1000mLを添加した。前記ニッケルめっき液は、グリシンを38.0g/L、酢酸ナトリウムを57.0g/L、硫酸ニッケルを110.0g/L、次亜リン酸ナトリウムを230g/L含有しており(すなわち、ニッケルめっき液中のグリシンに対する酢酸ナトリウムの質量割合は、1.5)、pHは6.3に調整されている。液温を70℃で保持し、水素ガスの発生が停止したことを確認してから、60分間攪拌した。その後、固液分離を行い、イオン交換水、メタノールの順で洗浄することにより、ニッケルめっきを施した導電性微粒子1を得た。
実施例1と同様にしてパラジウム核を形成させた基材粒子10部をイオン交換水5000部に添加し、超音波照射により十分に分散させ、懸濁液を得た。この懸濁液を70℃に加熱して撹拌しながら、70℃に加熱したニッケルめっき液1000mLを添加した。前記ニッケルめっき液は、グリシンを38.0g/L、リンゴ酸を10.5g/L、酢酸ナトリウムを76.0g/L、硫酸ニッケルを113.0g/L、次亜リン酸ナトリウムを230g/L含有しており(すなわち、ニッケルめっき液中のグリシンに対する酢酸ナトリウムの質量割合は、2.0)、pHは6.8に調整されている。液温を70℃で保持し、水素ガスの発生が停止したことを確認してから、60分間攪拌した。その後、固液分離を行い、イオン交換水、メタノールの順で洗浄した後、得られた導電性微粒子を、窒素(不活性)雰囲気下、280℃で2時間加熱処理を行い、ニッケルめっきを施した導電性微粒子2を得た。
窒素雰囲気下、280℃で2時間の加熱処理を行わないこと以外は実施例2と同様にして、導電性微粒子3を得た。
導電性微粒子3の個数平均粒子径、CV値、ニッケル層の膜厚、リン濃度を測定した。結果を表2に示す。導電性微粒子3を粉末X線回折測定した結果、ニッケル格子面(200)に帰属される回折線は観測されなかった。また、導電性微粒子3の1000時間経過後の耐湿熱性評価の結果は「B」であった。
実施例2における窒素雰囲気下、280℃で2時間の加熱処理の代わりに、窒素雰囲気下、260℃で2時間加熱処理を行ったこと以外は実施例2と同様にして、導電性微粒子4を得た。
導電性微粒子4の個数平均粒子径、CV値、ニッケル層の膜厚、リン濃度を測定した。結果を表2に示す。導電性微粒子4を粉末X線回折測定した結果、ニッケル格子面(200)に帰属される回折線は観測されなかった。また、導電性微粒子4の1000時間経過後の耐湿熱性評価の結果は「B」であった。
実施例1で用いたニッケルめっき液の代わりに、乳酸52.2g/L、リンゴ酸10.0g/L、硫酸ニッケル110.0g/L、次亜リン酸ナトリウム230g/Lを含有し、pH4.6に調整されたニッケルめっき液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電性微粒子5を得た。
導電性微粒子5の個数平均粒子径、CV値、ニッケル層の膜厚、リン濃度を測定した。結果を表2に示す。導電性微粒子5を粉末X線回折測定した結果、ニッケル格子面(200)に帰属される回折線は観測されなかった。また、導電性微粒子5の1000時間経過後の耐湿熱性評価の結果は「B」であった。
ビニル重合体粒子1に代えて、ビニル重合体粒子2を基材粒子として用いたこと以外は、実施例2と同様にして、導電性微粒子6を得た。得られた導電性微粒子6の個数平均粒子径、ニッケル層の膜厚、リン濃度を測定した。結果を表2に示す。導電性微粒子6を粉末X線回折測定した結果、ニッケル格子面(200)に帰属される回折線が観測され、ニッケル格子面(111)の回折線も観測された。d(200)の値、d(111)の値、d(200)/d(111)比、耐湿熱性評価の結果を後述する表3に示す。
加熱処理における条件等を変更する以外は、実施例3と同様にして、導電性微粒子7を得た。得られた導電性微粒子7の個数平均粒子径、ニッケル層の膜厚、リン濃度を測定した。結果を表2に示す。導電性微粒子7を粉末X線回折測定した結果、ニッケル格子面(200)に帰属される回折線が観測され、ニッケル格子面(111)の回折線も観測された。d(200)の値、d(111)の値、d(200)/d(111)比、耐湿熱性評価の結果を後述する表3に示す。
加熱処理における条件等を変更する以外は、実施例3と同様にして、導電性微粒子8を得た。得られた導電性微粒子8の個数平均粒子径、ニッケル層の膜厚、リン濃度を測定した。結果を表2に示す。導電性微粒子8を粉末X線回折測定した結果、ニッケル格子面(200)に帰属される回折線が観測され、ニッケル格子面(111)の回折線も観測された。d(200)の値、d(111)の値、d(200)/d(111)比、耐湿熱性評価の結果を後述する表3に示す。
ビニル重合体粒子1に代えてビニル重合体粒子3を基材粒子として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性微粒子9を得た。得られた導電性微粒子9の個数平均粒子径、ニッケル層の膜厚、リン濃度を測定した。結果を表2に示す。導電性微粒子9を粉末X線回折測定した結果、ニッケル格子面(200)に帰属される回折線が観測され、ニッケル格子面(111)の回折線も観測された。d(200)の値、d(111)の値、d(200)/d(111)比、耐湿熱性評価の結果を後述する表3に示す。
ビニル重合体粒子1に代えてビニル重合体粒子4を基材粒子として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性微粒子10を得た。得られた導電性微粒子10の個数平均粒子径、ニッケル層の膜厚、リン濃度を測定した。結果を表2に示す。導電性微粒子10を粉末X線回折測定した結果、ニッケル格子面(200)に帰属される回折線が観測され、ニッケル格子面(111)の回折線も観測された。d(200)の値、d(111)の値、d(200)/d(111)比、耐湿熱性評価の結果を後述する表3に示す。
ビニル重合体粒子1に代えてビニル重合体粒子5を基材粒子として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性微粒子11を得た。得られた導電性微粒子11の個数平均粒子径、ニッケル層の膜厚、リン濃度を測定した。結果を表2に示す。導電性微粒子11を粉末X線回折測定した結果、ニッケル格子面(200)に帰属される回折線が観測され、ニッケル格子面(111)の回折線も観測された。d(200)の値、d(111)の値、d(200)/d(111)比、耐湿熱性評価の結果を後述する表3に示す。
ビニル重合体粒子1に代えてビニル重合体粒子6を基材粒子として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性微粒子12を得た。得られた導電性微粒子12の個数平均粒子径、ニッケル層の膜厚、リン濃度を測定した。結果を表2に示す。導電性微粒子12を粉末X線回折測定した結果、ニッケル格子面(200)に帰属される回折線が観測され、ニッケル格子面(111)の回折線も観測された。d(200)の値、d(111)の値、d(200)/d(111)比、耐湿熱性評価の結果を後述する表3に示す。
ビニル重合体粒子1に代えてビニル重合体粒子7を基材粒子として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性微粒子13を得た。得られた導電性微粒子13の個数平均粒子径、ニッケル層の膜厚、リン濃度を測定した。結果を表2に示す。導電性微粒子13を粉末X線回折測定した結果、ニッケル格子面(200)に帰属される回折線が観測され、ニッケル格子面(111)の回折線も観測された。d(200)の値、d(111)の値、d(200)/d(111)比、耐湿熱性評価の結果を後述する表3に示す。
さらに実施例3〜5の対比より、基材の平均粒子径が3.0μmの導電性微粒子6〜8では、d(200)/d(111)が大きい程、湿熱性条件下においても長時間にわたって抵抗値上昇を効果的に抑制できることがわかる。ニッケル層の結晶の[200]方向の成長が進行しているほど、耐湿熱性がより顕著に向上するためであると考えられる。
Claims (9)
- 基材粒子と、該基材粒子の表面を被覆する導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、
前記導電性金属層がニッケル層を含み、
前記導電性微粒子を粉末X線回折測定したとき、ニッケルの格子面(200)に帰属される回折線が観測されることを特徴とする導電性微粒子。 - 導電性微粒子の粉末X線回折測定により測定されるニッケルの[200]方向の結晶子径をd(200)とし、ニッケルの[111]方向の結晶子径をd(111)としたとき、これらの比(d(200)/d(111))が、0.05以上である請求項1に記載の導電性微粒子。
- 前記基材粒子がビニル重合体粒子である請求項1又は2に記載の導電性微粒子。
- 前記基材粒子の個数平均粒子径が1μm以上、50μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性微粒子。
- 前記基材粒子の10%K値が100N/mm2以上、40000N/mm2以下である請求項1〜4のいずれかに記載の導電性微粒子。
- 前記基材粒子の個数平均粒子径が3μm以下であり、かつ、10%K値が4000N/mm2超である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性微粒子。
- 前記基材粒子の個数平均粒子径が3μm以下であり、かつ、導電性微粒子の粉末X線回折測定により測定されるニッケルの[200]方向の結晶子径d(200)と、ニッケルの[111]方向の結晶子径d(111)の比(d(200)/d(111))が0.2以上である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性微粒子。
- 前記基材粒子の10%K値が100N/mm2以上、4000N/mm2以下である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性微粒子。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の導電性微粒子を含む異方性導電材料。
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