JP2021031659A - 架橋型メタクリレート樹脂粒子および造孔剤 - Google Patents

架橋型メタクリレート樹脂粒子および造孔剤 Download PDF

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Abstract

【課題】熱分解性に優れ、好適な硬さを有する樹脂粒子の提供。
【解決手段】本発明による樹脂粒子は、単官能メタクリレートおよび多官能メタクリレートを重合して得られる架橋型メタクリレート樹脂粒子であって、
重合反応の原材料であるメタクリレート化合物全体に対して、前記単官能メタクリレートの配合量が60質量%以上95質量%以下であり、前記多官能メタクリレートの配合量が5質量%以上40質量%以下であり、
前記単官能メタクリレートのエステル置換基の炭素数が3以下であり、
熱重量示差熱分析による測定において前記架橋型メタクリレート樹脂粒子の5%質量減少温度が180℃以上240℃以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、架橋型メタクリレート樹脂粒子に関する。さらに、本発明は、該架橋型メタクリレート樹脂粒子を含む造孔剤にも関する。
従来から、樹脂粒子は、様々な用途、例えば、塗料用の添加剤(艶消し剤、微細な凹凸を塗膜表面に付与するための意匠性付与剤等)、インク用の添加剤(艶消し剤等)、接着剤の主成分または添加剤、人工大理石用の添加剤(低収縮化剤等)、紙処理剤、化粧品用の充填材(滑り性向上のための充填材)、クロマトグラフィーに用いるカラム充填材、静電荷像現像に使用されるトナー用の添加剤、フィルム用のブロッキング防止剤、光拡散体(光拡散フィルム等)用の光拡散剤、固体酸化物型燃料電池の電極材料、絶縁電線の絶縁層等に使用されている。
固体酸化物型燃料電池の電極材料の製造工程では、造孔剤、セラミック原料粉末、バインダー、分散剤及び有機溶剤等を混合してスラリーを調製し、支持体に塗布してシート状に成型してセラミックグリーンシートを作製する。このようなセラミックグリーンシートを積層して焼成することで、電極材料を製造する。しかし、従来の方法では、焼成後の電極表面に有機成分が残存し、このような有機残渣が電池の効率低下の原因となっていた。また、造孔剤の低温での分解性が悪いと、得られる燃料極の表面積が低下するという問題も生じていた。このような問題に対して、特許文献1では、イソブチルメタクリレート、エステル置換基が炭素数4以下のアルキル基であるアルキルメタクリレート、多官能(メタ)アクリレート及び2種以上の乳化剤を含有するモノマー組成物を重合させて得られるアクリル系樹脂粒子であって、各成分の割合や粒子径を調節し、300℃および350℃で1時間加熱したときの質量減少率が特定の数値以上である樹脂粒子を用いることが提案されている。また、特許文献2および3では、固体酸化物型燃料電池の電極材料の造孔剤として、特定の平均粒子径や粒子サイズの変動係数が特定の範囲内にある(メタ)アクリル系樹脂粒子を用いることも提案されている。
特開2018−125277号公報 特開2007−220731号公報 特開2011−34819号公報
しかしながら、特許文献1に記載の樹脂微粒子は、必須の原材料として、イソブチルメタクリレートを70〜95重量%用いており、熱分解が開始すると分解が急速に進むことにより基材にクラックが生じる懸念があるため、熱分解性に改善の余地があった。また、特許文献1に記載の樹脂微粒子は、樹脂のガラス転移温度が低いことから柔軟性が高過ぎて変形し易いため、造孔剤として用いた際に基材中の細孔制御が不十分となる恐れがあった。そのため、熱分解性に優れ、好適な硬さを有する樹脂粒子が求められている。
また、従来、原材料である(メタ)アクリレートの分子鎖は長い方が、熱分解が進行し易いと考えられてきた。そのため、特許文献1のようにブチル(メタ)アクリレートやオクチル(メタ)アクリレート等のエステル置換基の炭素数が4以上の化合物を用いることが提案されてきた。しかし、本発明者は、意外にも、アクリレートではなく、メタクリレートを用い、かつメタクリレートの分子鎖を比較的短くすることで、熱分解が進行し易く、かつ分解後の残渣を少なくできることを知見した。
したがって、本発明の目的は、熱分解性に優れ、好適な硬さを有する樹脂粒子を提供することである。また、本発明の他の目的は、該樹脂粒子を含む造孔剤を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、単官能メタクリレートおよび多官能メタクリレートを重合して得られる架橋型メタクリレート樹脂粒子であって、単官能メタクリレートおよび多官能メタクリレートの配合割合を調節し、かつ、単官能メタクリレートのエステル置換基の炭素数を3以下とすることにより、上記課題を解決できることを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、
単官能メタクリレートおよび多官能メタクリレートを重合して得られる架橋型メタクリレート樹脂粒子であって、
重合反応の原材料であるメタクリレート化合物全体に対して、前記単官能メタクリレートの配合量が60質量%以上95質量%以下であり、前記多官能メタクリレートの配合量が5質量%以上40質量%以下であり、
前記単官能メタクリレートのエステル置換基の炭素数が3以下であり、
熱重量示差熱分析による測定において前記架橋型メタクリレート樹脂粒子の5%質量減少温度が180℃以上240℃以下である、架橋型メタクリレート樹脂粒子が提供される。
本発明の態様においては、前記単官能メタクレートが、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、およびグリシジルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記多官能メタクリレートが、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、およびグリセリンジメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の態様においては、10%圧縮変形時の圧縮弾性率が2000N/mm以上3000N/mm以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、熱重量示差熱分析による測定において40℃から450℃まで昇温した際に、昇温終了時の残渣量が2.0質量%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、熱重量示差熱分析による測定において5%質量減少温度から50%質量減少温度までの分解速度が2.0質量%/℃以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記架橋型メタクリレート樹脂粒子の平均粒子径が0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記架橋型メタクリレート樹脂粒子の粒子サイズの変動係数が10%以上50%以下であることが好ましい。
本発明の他の態様においては、上記の架橋型メタクリレート樹脂粒子を含む、造孔剤が提供される。
本発明の他の態様においては、上記の造孔剤が固体酸化物型燃料電池の形成に用いられることが好ましい。
本発明の他の態様においては、上記の造孔剤が絶縁電線の形成に用いられることが好ましい。
本発明によれば、熱分解性に優れ、好適な硬さを有する架橋型メタクリル樹脂粒子を提供することができる。このような架橋型メタクリル樹脂粒子は、造孔剤として好適に用いることができる。
実施例1、比較例2、比較例14の樹脂粒子の熱重量示差熱分析で測定した分解曲線を示す。
<架橋型メタクリル樹脂粒子>
本発明による樹脂粒子は、下記で詳述する特定の単官能メタクリレートおよび多官能メタクリレートを重合して得られるメタクリレート樹脂の粒子であり、多官能メタクリレートによって各重合体鎖間が架橋された構造を有するものである。これらの2種の単量体を特定割合で配合して重合させることで、架橋型メタクリレート樹脂粒子の熱による分解開始までの温度を下げつつ、温度上昇による急激な分解を抑えることができる。そのため、基材の造孔剤として用いた際に、基材中の細孔が徐々に形成されることで細孔形成工程の制御が容易となる。また、架橋型メタクリレート樹脂粒子の硬さを適切な範囲に調節することができ、基材中で樹脂粒子が変形しづらく、細孔形成工程の制御が容易となる。
(単官能メタクリレート)
単官能メタクリレートは、エステル置換基の炭素数が3以下であれば、特に限定されない。単官能メタクリレートとしては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、およびグリシジルメタクリレート等が挙げられる。これらの単官能メタクリレートは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、メチルメタクリレートおよびグリシジルメタクリレートを併用することが好ましい。本発明においては、単官能アクリレートではなく単官能メタクリレートを用い、かつ単官能メタクリレートのエステル置換基の炭素数を3以下にすることで、熱分解性を向上しながら、好適な硬さに調節することができる。
単官能メタクリレートの配合量は、重合反応の原材料であるメタクリレート化合物全体に対して、60質量%以上95質量%以下であり、下限値としては好ましくは65質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、上限値としては好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下である。グリシジルメタクリレートを用いる場合、グリシジルメタクリレートの配合量は、原材料のメタクリレート化合物全体に対して、好ましくは5質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上20質量%以下である。単官能メタクリレートの配合量が上記数値範囲内であれば、熱分解性を向上しながら、好適な硬さに調節することができる。
(多官能メタクリレート)
多官能メタクリレートは、2官能以上のメタクリレートを意味し、2官能以上6官能以下のメタクリレートを用いることが好ましく、2官能以上4官能以下のメタクリレートを用いることがより好ましい。多官能メタクリレートは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、異なる官能基数の多官能メタクリレートを併用してもよい。
2官能メタクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、イソシアヌル酸エトキシ変性ジメタクリレート(イソシアヌル酸EO変性ジメタクリレート)等が挙げられる。これらの中でも、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート等を用いることが好ましい。
3官能メタクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロポキシ化グリセリルトリメタクリレート、3官能ポリエステルメタクリレート等が挙げられる。
4官能メタクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等が挙げられる。
多官能メタクリレートの配合量は、重合反応の原材料であるメタクリレート化合物全体に対して、5質量%以上40質量%以下であり、下限値としては好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、上限値としては好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。多官能メタクリレートの配合量が上記数値範囲内であれば、熱分解性を向上しながら、好適な硬さに調節することができる。
本発明の架橋型メタクリル樹脂粒子の原材料として、本発明の効果を損なわないように、原材料として、上記の単官能メタクリレートおよび多官能メタクリレート以外のメタクリレートやアクリレートの配合量を極力少なくすることが好ましい。例えば、アクリレートの配合量は、重合反応の原材料である単量体全体に対して好ましくは1質量%未満であり、より好ましくは0.5質量%未満であり、さらに好ましくは0.1質量%未満であり、さらにより好ましくは0質量%である。
単官能メタクリレートおよび多官能メタクリレートの重合反応には、通常、重合開始剤を用いてもよい。重合開始剤としては、例えば、水系懸濁重合に用いられる油溶性の過酸化物系重合開始剤、又はアゾ系重合開始剤が挙げられる。具体的には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルトクロロ過酸化ベンゾイル、オルトメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、アゾビスバレロニトリル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(2−カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤が挙げられる。これらの中でも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等が、適度の速さの重合開始剤の分解速度を有する等の点で好ましい。重合開始剤の添加量は、機能やコストの観点から、原材料のメタクリレート化合物100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部であり、より好ましくは0.01〜5質量部である。
上記の単官能メタクリレートおよび多官能メタクリレートは常法に従って重合開始剤を溶解後、重合安定剤および界面活性剤を含む水溶液と攪拌混合することにより、所望の液滴径に調整することができる。この混合液を攪拌下、加熱し重合反応を行って、架橋型メタクリル樹脂粒子を製造することができる。
重合安定剤としては、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子やリン酸カルシウムなどの無機系安定剤を用いることができる。
界面活性剤としては、重合反応性に影響を与えないノニオン系界面活性剤が用いられ、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のエステル型、ポリオキシエチレン(またはPOE)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(またはPOE)アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のエーテル型、脂肪酸や多価アルコール脂肪酸エステルにエチレンオキシドを付加したタイプで、分子中にエステル結合とエーテル結合の両方を有しているエステルエーテル型などが用いられる。
重合により得られた架橋型メタクリル樹脂粒子は、重合反応液から通常の操作により固液分離工程および乾燥工程を経た後に、解砕を行うことによって粉体として取り出して使用される。すなわち、遠心分離によってウェットケーキを得た後に棚段乾燥をする方法、噴霧乾燥による方法などによって水分を除去した後、ハンマーミル、ビーズミルなどによって衝撃を与えることで凝集をほぐし、一次または二次粒子を得ることができる。
(樹脂粒子物性)
本発明による架橋型メタクリル樹脂粒子は、熱重量示差熱分析(TG/DTA)による測定において、40℃から450℃まで10℃/分の速度で昇温した際に、100℃の樹脂粒子の質量を100%として、質量が5%減少した時点の温度(5%質量減少温度)が180℃以上240℃以下であり、下限値としては好ましくは185℃以上であり、より好ましくは190℃以上であり、上限値としては好ましくは230℃以下であり、より好ましくは225℃以下であり、さらに好ましくは220℃以下である。5%質量減少温度が上記数値範囲内であれば、加熱時に迅速に樹脂粒子が基材中で消失し、細孔形成工程の制御が容易となる。5%質量減少温度が180℃未満の場合、樹脂粒子の製造工程、特に乾燥工程において粒子が固着、分解、ないし劣化する等の不具合を生じる恐れがある。
本発明による架橋型メタクリル樹脂粒子は、上記のTG/DTAによる測定において、40℃から450℃まで昇温した際に、昇温終了時(450℃到達時)の残渣量が好ましくは2.0質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1.3質量%以下である。残渣量が上記数値範囲内であれば、加熱により基材中の細孔に樹脂粒子の残渣がほとんど残らないため、基材を用いた製品の性能に悪影響を与えるのを防ぐことができる。
本発明による架橋型メタクリル樹脂粒子は、上記のTG/DTAによる測定において、5%質量減少温度から50%質量減少温度までの分解速度が好ましくは2.0質量%/℃以下であり、下限値としては好ましくは0.2質量%/℃以上であり、より好ましくは0.3質量%/℃以上であり、さらに好ましくは0.5質量%/℃以上であり、上限値としてはより好ましくは1.8質量%/℃以下であり、さらに好ましくは1.7質量%/℃以下であり、さらにより好ましくは1.6質量%/℃以下である。分解速度が上記数値範囲内であれば、樹脂粒子が徐々に分解されるため、基材中の細孔が徐々に形成されることで細孔形成工程の制御が容易となる。基材中で急激な体積変化が生じにくいため、基材中にクラックが生じるのを防止することができる。
本発明による架橋型メタクリル樹脂粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは0.5μm以上20μm以下であり、下限値としてはより好ましくは0.7μm以上であり、さらに好ましくは1.0μm以上であり、さらにより好ましくは1.5μm以上であり、上限値としてはより好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは12μm以下であり、さらにより好ましくは10μm以下である。樹脂粒子の平均粒子径が上記数値範囲内であれば、基材中に均一な細孔を形成し易い。
なお、樹脂粒子の平均粒子径は、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社のマルチサイザー4、所定のアパチャー径:平均粒子径が5μm未満の場合、30μmアパチャー使用、平均粒子径が5μm以上の場合、70μm以上アパチャー使用)を用いることにより測定することができる。また、樹脂粒子の形状は特に限定されないが、球形、回転楕円体などが好ましい。
本発明による架橋型メタクリル樹脂粒子は、10%圧縮変形時の圧縮弾性率が特定の数値範囲内にあることで、好適な硬さを有するものである。本発明における10%圧縮変形時の圧縮弾性率(以下、「10%K値」という)とは、粒子直径が10%変位したときの圧縮弾性率である。10%K値は、微小圧縮試験器(島津製作所製MCT−210)を用い、試料台に散布した樹脂粒子1個について室温(25℃)において直径20μmのダイヤモンド製円形圧子を垂直下方向に一定速度で負荷をかけ、樹脂粒子直径の10%圧縮変形時の荷重値および圧縮変位を測定し、下記の数式(I)により求められる値である。10%K値は、樹脂粒子の柔軟性を普遍的かつ定量的に表すものであり、10%K値を用いることにより、樹脂粒子の好適な硬さを定量的且つ一義的に表すことが可能となる。
K=(3/√2)・F・10−3・S(−3/2)・R(−1/2) ・・・数式(I)
(式中、 K:樹脂粒子の10%圧縮変形時の圧縮弾性率(N/mm
F:樹脂粒子の10%圧縮変形時の荷重値(N)
S:樹脂粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:樹脂粒子の半径(mm)
本発明による架橋型メタクリル樹脂粒子は、10%K値が好ましくは2000N/mm以上3000N/mm以下であり、下限値としてはより好ましくは2050N/mm以上であり、さらに好ましくは2100N/mm以上であり、上限値としてはより好ましくは2900N/mm以下であり、さらに好ましくは2800N/mm以下であり、さらにより好ましくは2500N/mm以下である。10%K値が上記数値範囲内であれば、好適な硬さを有するため、細孔形成工程の制御が容易となる。
本発明による架橋型メタクリル樹脂粒子の粒子サイズの変動係数(Cv)は、細孔形成工程の制御を容易にするために10%以上50%以下であることが好ましい。Cvは下限値としてはより好ましくは15%以上であり、さらに好ましくは18%以上であり、さらにより好ましくは20%以上であり、上限値としてはより好ましくは48%以下であり、さらに好ましくは47%以下であり、さらにより好ましくは45%以下である。Cvは、その値が小さいほど(ゼロに近いほど)、粒度分布が狭く、粒子の径が均一で粒子サイズが揃っていることを意味する。本発明におけるCvの測定方法は、実施例で記載した通りである。Cvが上記範囲内であれば、基材中に均一な細孔を形成し易い。
<造孔剤>
本発明による造孔剤は、上記の架橋型メタクリル樹脂粒子を含むものである。造孔剤を含有させた基材を加熱することで、造孔剤が熱分解(気化)し、造孔剤の存在していた箇所に細孔を形成することが可能となる。
本発明による造孔剤は、従来公知の様々な用途に適用することができる。例えば、固体酸化物型燃料電池の電極材料、セラミックフィルター、絶縁電線の絶縁層等の形成に用いることができる。
造孔剤を含有させる基材は、特に限定されず、各種用途に応じて、適宜、選択することができる。例えば、基材としては、セラミック、樹脂基材等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例の樹脂粒子の製造のために、以下の原材料を準備した。
<単官能メタクリレート>
・MMA:メチルメタクリレート(三菱レイヨン株式会社製)
・GMA:グリシジルメタクリレート(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・n−BMA:n−ブチルメタクリレート(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・i−BMA:i−ブチルメタクリレート(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・OMA:2−エチルヘキシルメタクリレート(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・DMA:n−ドデシルメタクリレート(富士フイルム和光純薬株式会社製)
<単官能アクリレート>
・MA:メチルアクリレート(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・EA:エチルアクリレート(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・BA:n−ブチルアクリレート(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・OA:2−エチルヘキシルアクリレート(富士フイルム和光純薬株式会社製)
<多官能メタクリレート>
・1G:下記式で表される2官能メタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:1G(エチレングリコールジメタクリレート))
・14G:下記式で表される2官能メタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:14G(ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート))
・9PG:下記式で表される2官能メタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:9PG(ポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート)))
(式中、m+n=7である。)
<多官能アクリレート>
・TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:TMPTA)
・A−600:下記式で表される2官能アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−600(ポリエチレングリコール#600ジアクリレート))
・APG−400:下記式で表される2官能アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:APG−400(ポリプロピレングリコール(#400)ジアクリレート))
(式中、m+n=7である。)
<樹脂粒子の製造>
[実施例1]
分散容器に、脱イオン水200質量部、分散剤としてポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA217−EE)2質量部を加えた。また、単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレート80質量部、多官能メタクリレートとして上記の1Gを10質量部および14Gを10質量部、重合開始剤としてラウリルパーオキサイド0.5質量部を、上記の分散容器内の水溶液に加え、混合液とした。得られた混合液を所定時間、分散機により分散処理し、液滴径を調整した分散液を得た。この分散液を攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応器に注入し、窒素流入下80℃で4時間重合反応を行った。重合反応液から遠心沈降操作による固液分離を行って、架橋型メタクリル樹脂を得た。得られた架橋型メタクリル樹脂をイオン交換水で再度分散し、遠心沈降することで、界面活性剤の洗浄を行った。続いて、減圧条件下80℃で12時間乾燥した後に、解砕を行うことによって、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[実施例2]
単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレート80質量部、多官能メタクリレートとして上記の9PGを20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[実施例3]
単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレートを60質量部、多官能メタクリレートとして上記の9PGを40質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[実施例4]
分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(第一工業製薬製、商品名:ハイテノールNF−17)1部、単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレートを95質量部、多官能メタクリレートとして上記の9PGを5質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[実施例5]
単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレートを75質量部、グリシジルメタクリレートを5質量部、多官能メタクリレートとして上記の9PGを20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[実施例6]
単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレートを60質量部、グリシジルメタクリレートを20質量部、多官能メタクリレートとして上記の9PGを20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[実施例7]
分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(第一工業製薬製、商品名:ハイテノールNF−17)1部、単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレートを70質量部、グリシジルメタクリレートを10質量部、多官能メタクリレートとして上記の9PGを20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[実施例8]
分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(第一工業製薬製、商品名:ハイテノールNF−17)1部、単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレートを70質量部、グリシジルメタクリレートを10質量部、多官能メタクリレートとして上記の1Gを5質量部、9PGを20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[比較例1]
分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(第一工業製薬製、商品名:ハイテノールNF−17)1部、単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレートを55質量部、n−ブチルメタクリレートを25質量部、多官能メタクリレートとして上記の9PGを20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[比較例2]
単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレートを80質量部、多官能アクリレートとしてトリメチロールプロパントリアクリレートを20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型(メタ)アクリル樹脂粒子を得た。
[比較例3]
単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレートを80質量部、多官能メタクリレートとして上記の1Gを20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[比較例4]
単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレートを70質量部、単官能アクリレートとしてメチルアクリレートを10質量部、多官能メタクリレートとして上記の1Gを20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型(メタ)アクリル樹脂粒子を得た。
[比較例5]
単官能アクリレートとしてエチルアクリレートを80質量部、多官能アクリレートとしてトリメチロールプロパントリアクリレートを20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型アクリル樹脂粒子を得た。
[比較例6]
分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(第一工業製薬製、商品名:ハイテノールNF−17)1部、単官能アクリレートとしてn−ブチルアクリレートを80質量部、多官能アクリレートとしてトリメチロールプロパントリアクリレートを20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型アクリル樹脂粒子を得た。
[比較例7]
単官能アクリレートとして2−エチルヘキシルアクリレートを80質量部、多官能メタクリレートとして上記の1Gを20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型(メタ)アクリル樹脂粒子を得た。
[比較例8]
単官能メタクリレートとしてn−ブチルメタクリレートを90質量部、多官能メタクリレートとして上記の1Gを10質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[比較例9]
分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(第一工業製薬製、商品名:ハイテノールNF−17)1部、単官能メタクリレートとしてイソブチルメタクリレートを90質量部、多官能メタクリレートとして上記の1Gを10質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[比較例10]
単官能メタクリレートとしてn−ブチルメタクリレートを95質量部、多官能メタクリレートとして上記の1Gを5質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[比較例11]
単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレートを50質量部、2−エチルヘキシルメタクリレートを30質量部、多官能メタクリレートとして上記の1Gを20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[比較例12]
単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレートを20質量部、2−エチルヘキシルメタクリレートを60質量部、多官能メタクリレートとして上記の1Gを20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[比較例13]
単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレートを60質量部、n−ドデシルメタクリレートを30質量部、多官能メタクリレートとして上記の1Gを10質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[比較例14]
分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(第一工業製薬製、商品名:ハイテノールNF−17)1部、単官能メタクリレートとしてメチルメタクリレートを10質量部、2−エチルヘキシルメタクリレートを80質量部、多官能メタクリレートとして上記の1Gを10質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型メタクリル樹脂粒子を得た。
[比較例14]
単官能メタクリレートとしてn−ブチルメタクリレートを80質量部、多官能アクリレートとして上記のA−600を20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型(メタ)アクリル樹脂粒子を得た。
[比較例15]
単官能メタクリレートとしてn−ブチルメタクリレートを80質量部、多官能アクリレートとして上記のAPG−400を20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型(メタ)アクリル樹脂粒子を得た。
実施例および比較例で得られた樹脂粒子の組成の一覧を表1に示した。
<樹脂粒子の物性評価>
(耐熱性の測定)
実施例および比較例で製造した各樹脂粒子をSII社製TG/DTA7200を用いて熱分解性を測定した。空気流量50mL/分の雰囲気下で40℃から10℃/分の速度で昇温を開始し、450℃まで昇温した。100℃到達時の試料の質量を100%として、質量が5%減少した時点の温度を5%質量減少温度、質量が50%減少した時点の温度を50%質量減少温度、昇温終了時(450℃到達時)の質量割合を残渣量(質量%)とした。また、5%質量減少温度から50%質量減少温度までの分解速度(質量%/℃以下)を算出した。測定結果を表2に示した。また、実施例1、比較例2、比較例14の樹脂粒子の熱重量示差熱分析で測定した分解曲線を図1に示した。
(平均粒子径および変動係数(Cv)の測定)
実施例および比較例で製造した各樹脂粒子の平均粒子径および変動係数(Cv)を、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社のマルチサイザー4、アパチャー孔径30μm)を用いて測定した。測定結果を表2に示した。
(10%K値の測定)
実施例および比較例で製造した各樹脂粒子から試料樹脂粒子をサンプリングした。続いて、微小圧縮試験器(島津製作所製MCT−210)を用い、試料台に散布した試料樹脂粒子(一次粒子、粒子径5μm)1個について、室温(25℃ )において直径20μmのダイヤモンド製円形圧子を垂直下方向に一定の負荷速度で荷重をかけて、試料樹脂粒子が粒子径の10%まで圧縮した際の荷重値、圧縮変位を測定し、下記の式より10%K値を算出した。算出結果を表2に示した。10%K値が2000N/mm未満であると、柔軟性が高過ぎて、樹脂粒子を基材に分散させるために強い力をかけると変形し易くなり、細孔形成工程の制御が不十分となる恐れがあるため、造孔剤として不適である。
K=(3/√2)・F・10−3・S(−3/2)・R(−1/2)
K:樹脂粒子の10%圧縮変形における圧縮弾性率(N/mm
F:樹脂粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)
S:樹脂粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:樹脂粒子の半径(mm)
実施例および比較例で製造した樹脂粒子の測定結果を表2に示した。
<造孔後の基材断面の評価>
(固体酸化物形燃料電池用アノード支持体の作成)
NiO(商品名NiO−FP、住友金属鉱山株式会社製)とYSZ(商品名TZ8YS,東ソー株式会社製)とを体積比40:60で湿式混合し、乾燥させた。得られた混合粉体70質量部と実施例1または比較例11で得られた樹脂粒子10質量部、バインダーとしてポリビニルブチラールを3質量部、可塑剤としてジブチルテレフタレートを3質量部、溶媒として2−プロパノール9質量部、トルエン5質量部をビーズミルで十分混練することで固体酸化物形燃料電池用アノード支持体用スラリーを得た。このスラリーをドクターブレード法によってPETフィルムに塗布し、90℃で一晩乾燥させることで支持体用グリーンシートを作成した。このグリーンシートを1100℃で4時間加熱することで、細孔が形成された固体酸化物形燃料電池用アノード支持体を作製した。
(細孔が形成されたポリイミド樹脂の作成)
窒素雰囲気とした分散容器に、4,4−ジアミノジフェニルエーテル(和歌山精化工業株式会社製:DDE)11質量部とN,N−ジメチルアセトアミドを165質量部と実施例1または比較例11で得られた樹脂粒子2質量部を添加した後、ビーズミルで十分攪拌することにより、樹脂粒子が分散したDDEの溶解液を得た。次いで、前記溶解液を三口フラスコに移し、ドライアイス−アセトン浴中に沈めて冷却し、前記溶解液を固化させた。このようにして固化させた溶解液を含有する三口フラスコ内に、窒素雰囲気下、無水ピロメリット酸(東京化成工業株式会社製)を12質量部添加し、25 ℃で12時間攪拌して反応液を得た。得られた反応液をガラス板上に、加熱硬化後の塗膜の厚みが100μmとなるようにして流延し、ガラス板上に塗膜を形成した。その後、前記塗膜の形成されたガラス板を減圧オーブンに投入し、100mmHgの圧力下において、40℃の温度条件で12時間加熱した後、更に、1mmHgの圧力下において、400℃の温度条件で1時間加熱して塗膜を硬化せしめて、ガラス板上にポリイミドからなるフィルムを形成した。次いで、前記ポリイミドからなるフィルムの形成されたガラス板を減圧オーブンから取り出し、25℃の水に12時間浸け、ガラス板上からポリイミドからなるフィルムを回収して、細孔が形成されたポリイミド樹脂を得た。
得られた固体酸化物形燃料電池用アノード支持体およびポリイミド樹脂を収束イオンビーム加工装置(日立ハイテク社製、FB−2100)によって切断し、走査型電子顕微鏡を用いて断面を観察した。実施例1で得られた樹脂粒子を用いて得られた細孔は球状であり、細孔内部に残渣は認められず、また、基材にクラックは確認されなかった。一方、比較例11の樹脂粒子により形成された細孔は球が潰れたような不定形状が複数確認され、細孔内部には残渣が認められ、また、基材にはクラックが複数確認された。
実施例1、比較例2、比較例13の樹脂粒子の熱重量示差熱分析で測定した分解曲線を示す。
[比較例15
単官能メタクリレートとしてn−ブチルメタクリレートを80質量部、多官能アクリレートとして上記のA−600を20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型(メタ)アクリル樹脂粒子を得た。
[比較例16
単官能メタクリレートとしてn−ブチルメタクリレートを80質量部、多官能アクリレートとして上記のAPG−400を20質量部用いた以外は実施例1と同様にして、架橋型(メタ)アクリル樹脂粒子を得た。
<樹脂粒子の物性評価>
(耐熱性の測定)
実施例および比較例で製造した各樹脂粒子をSII社製TG/DTA7200を用いて熱分解性を測定した。空気流量50mL/分の雰囲気下で40℃から10℃/分の速度で昇温を開始し、450℃まで昇温した。100℃到達時の試料の質量を100%として、質量が5%減少した時点の温度を5%質量減少温度、質量が50%減少した時点の温度を50%質量減少温度、昇温終了時(450℃到達時)の質量割合を残渣量(質量%)とした。また、5%質量減少温度から50%質量減少温度までの分解速度(質量%/℃以下)を算出した。測定結果を表2に示した。また、実施例1、比較例2、比較例13の樹脂粒子の熱重量示差熱分析で測定した分解曲線を図1に示した。

Claims (11)

  1. 単官能メタクリレートおよび多官能メタクリレートを重合して得られる架橋型メタクリレート樹脂粒子であって、
    重合反応の原材料であるメタクリレート化合物全体に対して、前記単官能メタクリレートの配合量が60質量%以上95質量%以下であり、前記多官能メタクリレートの配合量が5質量%以上40質量%以下であり、
    前記単官能メタクリレートのエステル置換基の炭素数が3以下であり、
    熱重量示差熱分析による測定において前記架橋型メタクリレート樹脂粒子の5%質量減少温度が180℃以上240℃以下である、架橋型メタクリレート樹脂粒子。
  2. 前記単官能メタクレートが、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートおよびグリシジルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の架橋型メタクリレート樹脂粒子。
  3. 前記多官能メタクリレートが、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、およびグリセリンジメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の架橋型メタクリレート樹脂粒子。
  4. 10%圧縮変形時の圧縮弾性率が2000N/mm以上3000N/mm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の架橋型メタクリレート樹脂粒子。
  5. 熱重量示差熱分析による測定において40℃から450℃まで昇温した際に、昇温終了時の残渣量が2.0質量%以下である、請求項1〜4のいずれか一項記載の架橋型メタクリレート樹脂粒子。
  6. 熱重量示差熱分析による測定において5%質量減少温度から50%質量減少温度までの分解速度が2.0質量%/℃以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の架橋型メタクリレート樹脂粒子。
  7. 前記架橋型メタクリレート樹脂粒子の平均粒子径が0.5μm以上20μm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の架橋型メタクリレート樹脂粒子。
  8. 前記架橋型メタクリレート樹脂粒子の粒子サイズの変動係数が10%以上50%以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の架橋型メタクリレート樹脂粒子。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の架橋型メタクリレート樹脂粒子を含む、造孔剤。
  10. 固体酸化物型燃料電池の形成に用いられる、請求項9に記載の造孔剤。
  11. 絶縁電線の形成に用いられる、請求項9に記載の造孔剤。
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