JP2018079616A - セラミックグリーンシート成形用樹脂組成物およびセラミックグリーンシート成形用材料 - Google Patents
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Abstract
Description
上記方法に使用されるバインダーは、セラミックグリーンシート成形体の加工性の保持や、作業時に成形体が損傷しないように無機粉末をつなぎ止めるために必要な樹脂であるが、最終製品となる前に、焼成によって除去されるものである。
また、セラミックグリーンシートの伸度の向上のため、可塑剤が添加されている。可塑剤としては、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル系のものが汎用されている(例えば特許文献1)。
しかし、可塑剤を添加することで伸度は向上するが、強度は低下する。
[1]質量平均分子量が10,000以下、ガラス転移温度が−20℃以下である低分子量アクリル重合体(A)と、側鎖および末端にカルボキシル基を有するアクリル樹脂であって質量平均分子量が100,000〜1,000,000、ガラス転移温度が40℃以上である樹脂(B)と、を含むことを特徴とするセラミックグリーンシート成形用樹脂組成物。
[2]前記低分子量アクリル重合体(A)と前記樹脂(B)との質量比が、前記低分子量アクリル重合体(A)/前記樹脂(B)=5/95〜50/50の範囲内である[1]に記載のセラミックグリーンシート成形用樹脂組成物。
[3]質量平均分子量が10,000以下、ガラス転移温度が−20℃以下である低分子量アクリル重合体(A)と、側鎖および末端にカルボキシル基を有するアクリル樹脂であって質量平均分子量が100,000〜1,000,000、ガラス転移温度が40℃以上である樹脂(B)と、無機粉体(C)と、を含むことを特徴とするセラミックグリーンシート成形用材料。
本発明のセラミックグリーンシート成形用樹脂組成物(以下、「本樹脂組成物」とも記す。)は、低分子量アクリル重合体(A)と樹脂(B)とを含む。
本樹脂組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、低分子量アクリル重合体(A)および樹脂(B)以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。ただし本樹脂組成物は、無機粉体(C)を含まないものとする。
本樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤を含んでもよい。
低分子量アクリル重合体(A)において「アクリル重合体」とは、アクリル系単量体に基づく構成単位(単量体単位)を有する重合体である。アクリル系単量体とは、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を示す。「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基およびメタクリロイル基の総称である。
アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜12であるものが好ましい。
従来のセラミックグリーンシートには通常、スラリー調製時の無機粉体の分散性の向上のために、分散剤が配合されている。低分子量アクリル重合体(A)が単量体(a1)に基づく構成単位を有する場合、低分子量アクリル重合体(A)は分散剤としても機能する。そのため、分散剤を別途配合しなくても、スラリー中に無機粉体(C)が良好に分散し、得られるセラミックグリーンシート中の無機粉体(C)の分散均一性が良好になる。分散剤を配合しないことで、セラミックグリーンシートの材料を削減し、生産コストを低減できる。
低分子量アクリル重合体(A)の質量平均分子量(Mw)の下限は、可塑剤としての機能の点では特に限定されないが、典型的には1,000である。
低分子量アクリル重合体(A)の質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の値である。
低分子量アクリル重合体(A)のガラス転移温度(Tg)の下限は、可塑剤としての機能の点では特に限定されないが、典型的には−75℃である。
低分子量アクリル重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC−60)により測定される値である。
低分子量アクリル重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、低分子量アクリル重合体(A)を形成する単量体の種類、組成、低分子量アクリル重合体(A)の質量平均分子量(Mw)等により調整できる。
樹脂(B)は、側鎖および末端にカルボキシル基を有するアクリル樹脂である。
単量体(b1)としては、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
単量体(b2)としては、特に限定されず、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(n−プロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(n−ブトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−(n−プロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(n−ブトキシ)プロピル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の脂環式基含有(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
単量体(b3)としては、特に限定されず、一般に樹脂としてアクリル系単量体とともに用いられる公知の単量体であればよく、例えばα−メチルスチレン、スチレン、酢酸ビニル等のビニル系単量体等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
単量体(b1)に基づく構成単位の含有量は、樹脂(B)を構成する全構成単位の合計を100%としたときに、0.2〜10質量%が好ましい。また、樹脂(B)を構成する全構成単位の合計を100%としたときに、単量体(b2)に基づく構成単位の含有量は、80〜99.8質量%が好ましく、単量体(b3)に基づく構成単位の含有量は、0〜10質量%が好ましい。
樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)の上限は、セラミックグリーンシートの強度の点では特に限定されないが、120℃であることが、より高伸度のセラミックグリーンシートが得られる点で好ましい。
樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC−60)により測定される値である。
樹脂(B)のガラス転移温度は(Tg)は、樹脂(B)を形成する単量体の種類、組成比、樹脂(B)の質量平均分子量(Mw)等により調整できる。
樹脂(B)の質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の値である。
重合の際には、連鎖移動剤を用いてもよい。ラジカル重合開始剤や連鎖移動剤の使用量、溶媒の種類、重合温度等によって樹脂(B)の質量平均分子量(Mw)を調整できる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、本樹脂組成物を用いて得られるセラミックグリーンシートの好ましい強度を得る観点から、樹脂(B)を構成する全構成単位の合計を100質量部としたときに、0.1〜5.0質量部が好ましい。
重合反応の反応生成物中には、アクリル系共重合体の両末端にカルボキシル基が導入されたものと、アクリル系共重合体のいずれか片方の末端のみにカルボキシル基が導入されたもの、とが含まれる。本樹脂組成物を用いて得られるセラミックグリーンシートの好ましい強度を得る観点から、樹脂(B)を構成するアクリル系共重合体はその両末端にカルボキシル基を有してもよく、いずれか片方の末端にのみカルボキシル基を有していてもよい。
本樹脂組成物が含んでいてもよい他の成分としては、後述する本発明のセラミックグリーンシート成形用材料が含んでいてもよい他の成分と同様のものが挙げられる。
本樹脂組成物が含んでいてもよい有機溶剤としては、後述する本発明のセラミックグリーンシート成形用材料が含んでいてもよい有機溶剤と同様のものが挙げられる。
本樹脂組成物において、低分子量アクリル重合体(A)と樹脂(B)との質量比は、低分子量アクリル重合体(A)/樹脂(B)(以下、「A/B」とも記す。)=5/95〜50/50の範囲内であることが好ましく、10/90〜40/60の範囲内であることがより好ましい。A/Bが前記範囲内であれば、セラミックグリーンシートの伸度、強度がより優れる。
本樹脂組成物は、セラミックグリーンシートの成形に用いられる。例えば本樹脂組成物と、無機粉体(C)とを混合することで、後述する本発明のセラミックグリーンシート成形用材料とすることができ、この材料をシート状に成形することでセラミックグリーンシートが得られる。
本樹脂組成物において、樹脂(B)は、無機粉体(C)を結合するバインダーとして機能し、低分子量アクリル重合体(A)は、樹脂(B)の可塑剤として機能する。
低分子量アクリル重合体(A)を用いることで、従来のセラミックグリーンシートに汎用されているフタル酸エステル系可塑剤を用いる場合に比べて、得られるセラミックグリーンシートの強度がより優れる。また、伸度も、従来と同等以上の優れたものとなる。
これは、樹脂(B)の側鎖と末端に導入されたカルボキシル基が有する極性によって、樹脂(B)の分子同士の間で水素結合などの分子間力が生じるため、樹脂(B)の分子間の結合が強固になることによるものと推察される。さらに、樹脂(B)の側鎖と末端に導入されたカルボキシル基が無機粉体の表面に吸着するとも推察される。
本発明のセラミックグリーンシート成形用材料(以下、「本材料」とも記す。)は、低分子量アクリル重合体(A)と樹脂(B)と無機粉体(C)とを含む。
低分子量アクリル重合体(A)、樹脂(B)はそれぞれ、本樹脂組成物における低分子量アクリル重合体(A)、樹脂(B)と同様であり、好ましい態様も同様である。
本材料は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、低分子量アクリル重合体(A)、樹脂(B)および無機粉体(C)以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。
本材料は、必要に応じて、有機溶剤を含んでもよい。
無機粉体(C)としては、特に限定されず、セラミックグリーンシート用途において公知のものであってよい。具体例としては、アルミナ、ジルコニア、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
他の成分としては、例えば、分散剤(ただし低分子量アクリル重合体(A)を除く。)、可塑剤(ただし低分子量アクリル重合体(A)を除く。)、湿潤剤、消泡剤、帯電防止剤、減粘剤等が挙げられる。これらの添加剤はいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
分散剤としては、塗料用として一般的に用いられるものであればよく、市販品のもので構わない。例えば、楠本化学社製ディスパロン1210、ディスパロン2150、ディスパロンKS−860、ディスパロンKS873N等、サンノプコ社製ノプコスパース092、SNディスパーサント9228、SNスパース70等、味の素ファインテクノ社製アジスパーPN411、アジスパーPA111等が挙げられる。
可塑剤としては、特に限定されず、例えばフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル系の可塑剤;アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソデシル等のアジピン酸エステル系の可塑剤;リン酸トリエチル、リン酸トリス−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル系の可塑剤等が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン、エタノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
本材料における低分子量アクリル重合体(A)と樹脂(B)との質量比(A/B)の好ましい範囲は、本樹脂組成物におけるA/Bの好ましい範囲と同様である。
本材料は、セラミックグリーンシートの成形に用いられる。
セラミックグリーンシートの成形は、公知の方法により行うことができる。例えば本材料が有機溶剤を含む場合、スラリー状の本材料をドクターブレード法等によって支持体上に塗布し、乾燥させて有機溶剤を除去し、支持体を剥離する方法、本材料の粒子を乾式プレス法等で成形する方法等が挙げられる。支持体としては、表面が平滑で剥離性を有するものが好ましく、例えば、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が挙げられる。
本材料において、樹脂(B)は、無機粉体(C)を結合するバインダーとして機能し、低分子量アクリル重合体(A)は、樹脂(B)の可塑剤として機能する。
低分子量アクリル重合体(A)を用いることで、従来のセラミックグリーンシートに汎用されているフタル酸エステル系可塑剤を用いる場合に比べて、得られるセラミックグリーンシートの強度がより優れる。また、伸度も、従来と同等以上の優れたものとなる。
なお、以下の各例中、「部」は「質量部」を示す。
低分子量アクリル重合体およびアクリル樹脂の質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準ポリスチレン換算の値を測定し、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC−60)により求めた。
<製造例A1>
重合用の攪拌羽を装着した攪拌棒、温度計、窒素パージ用のガラス管を備えたセパラブルフラスコに、アクリル酸n−ブチル100部、トルエン250部および重合開始剤(2,2’‐アゾビス(2−メチルプロピオニトリル))15.0部を加え、窒素雰囲気下、撹拌しながら95℃で8時間保持して溶液重合を行い、質量平均分子量(Mw)が3,000、ガラス転移温度(Tg)が−75℃の低分子量アクリル重合体(A1)の溶液を得た。
重合する単量体の種類と量(部)、重合開始剤の量(部)を表1に示すように変更した以外は製造例A1と同様にして、低分子量アクリル重合体(A2)〜(A5)の溶液を得た。低分子量アクリル重合体(A1)〜(A5)の質量平均分子量(Mw)およびガラス転移温度(Tg)を表1に示す。
<製造例B1>
重合用の攪拌羽を装着した攪拌棒、温度計を備えたセパラブルフラスコに、イオン交換水300部およびノニオン系分散剤(株式会社クラレ製、「PVA235」)0.3部を加えた後、メタクリル酸メチル99.0部、メタクリル酸1.0部および重合開始剤(4,4’‐アゾビス(4−シアノバレリック酸))1.8部を加え、撹拌しながら80℃で2時間保持して懸濁重合を行い、重合体の懸濁液を得た。
得られた懸濁液を30℃まで冷却し、遠心脱水機で脱水し、50℃、24時間の条件で乾燥させて、質量平均分子量(Mw)が280,000、ガラス転移温度(Tg)が110℃の樹脂(B1)を得た。
重合する単量体の種類と量(部)、重合開始剤および連鎖移動剤の量(部)を表2に示すように変更した以外は製造例B1と同様にして、樹脂(B2)〜(B9)を得た。樹脂(B1)〜(B9)の質量平均分子量(Mw)およびガラス転移温度(Tg)を表2に示す。
重合開始剤として過酸化ベンゾイル2.2部を使用するように変更した以外は製造例B1と同様にして、樹脂(B10)を得た。樹脂(B10)の質量平均分子量(Mw)およびガラス転移温度(Tg)を表2に示す。
<実施例1>
低分子量アクリル重合体(A1)35部と、樹脂(B1)65部と、分散剤(サンノプコ株式会社製、SNディスパーサント9228、ノニオン系分散剤)7.3部と、トルエン533部と、エタノール133部と、チタン酸バリウム(堺化学工業株式会社製、BT−03)733部とを配合し、ボールミル分散機(中央化工機株式会社製)により48時間攪拌混合してセラミックグリーンシート成形用のスラリーを得た。
次いで、このスラリーを、ドクターブレードを使用して支持体(パナック社製、剥離性ポリエチレンテレフタレートフィルム SP−PET100−01BU)上に塗布し、その塗膜を100℃で30分間乾燥し、その後、支持体を剥離して、厚さ30μmのセラミックグリーンシートを得た。
低分子量アクリル重合体(A)の種類、樹脂(B)の種類およびそれらの質量比(A/B)を表3〜5に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ30μmのセラミックグリーンシートを得た。
分散剤(サンノプコ株式会社製、SNディスパーサント9228)を配合しなかった以外は実施例3と同様にして、厚さ30μmのセラミックグリーンシートを得た。
(評価方法)
各例で得られたセラミックグリーンシートの破断強度および伸度を、引張試験機(株式会社東洋精機製作所製、STROGRAPH VG1−E)により測定した。測定条件は、温度23℃、湿度50%下で、引張試験機の引張速度を50mm/minとした。
別途、各例における低分子量アクリル重合体(A)を可塑剤(フタル酸ジブチル)に置き換えて、厚さ30μmの可塑剤含有セラミックグリーンシートを得た。この可塑剤含有セラミックグリーンシートについて、上記と同様にして破断強度および伸度を測定した。
これらの結果から、各例のセラミックグリーンシートの破断強度および伸度をそれぞれ、以下の評価基準にて評価した。
「破断強度」
〇:破断強度が、対応する可塑剤含有セラミックグリーンシートの破断強度よりも高い値。
×:破断強度が、対応する可塑剤含有セラミックグリーンシートの破断強度と同じ値またはそれよりも低い値。
「伸度」
〇:伸度が、対応する可塑剤含有セラミックグリーンシートの伸度と同じ値またはそれよりも高い値。
×:伸度が、対応する可塑剤含有セラミックグリーンシートの伸度よりも低い値。
また、分散剤を配合しなかった実施例13でも良好な結果が得られた。このことから、低分子量アクリル重合体(A)が分散剤としての効果を有することも確認できた。
低分子量アクリル重合体(A)の質量平均分子量(Mw)が10,000超の比較例1のセラミックグリーンシートは、伸度に劣っていた。
低分子量アクリル重合体(A)のガラス転移温度が−20℃よりも高い比較例2のセラミックグリーンシートは、強度、伸度共に劣っていた。
樹脂(B)の質量平均分子量が100,000未満の比較例3のセラミックグリーンシートは、強度に劣っていた。
樹脂(B)の質量平均分子量が1,000,000超の比較例4のセラミックグリーンシートは、伸度に劣っていた。
樹脂(B)のガラス転移温度が40℃未満の比較例5のセラミックグリーンシートは、強度に劣っていた。
樹脂(B)の側鎖にはカルボキシル基を有し、末端にはカルボキシル基を有さない比較例6のセラミックグリーンシートは、強度に劣っていた。
Claims (3)
- 質量平均分子量が10,000以下、ガラス転移温度が−20℃以下である低分子量アクリル重合体(A)と、
側鎖および末端にカルボキシル基を有するアクリル樹脂であって質量平均分子量が100,000〜1,000,000、ガラス転移温度が40℃以上である樹脂(B)と、
を含むことを特徴とするセラミックグリーンシート成形用樹脂組成物。 - 前記低分子量アクリル重合体(A)と前記樹脂(B)との質量比が、前記低分子量アクリル重合体(A)/前記樹脂(B)=5/95〜50/50の範囲内である、請求項1に記載のセラミックグリーンシート成形用樹脂組成物。
- 質量平均分子量が10,000以下、ガラス転移温度が−20℃以下である低分子量アクリル重合体(A)と、
側鎖および末端にカルボキシル基を有するアクリル樹脂であって質量平均分子量が100,000〜1,000,000、ガラス転移温度が40℃以上である樹脂(B)と、
無機粉体(C)と、
を含むことを特徴とするセラミックグリーンシート成形用材料。
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