JP5583572B2 - 導電性微粒子 - Google Patents

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本発明は、微細な導電性微粒子に関するものであり、特に、電気接続に用いた場合に、低抵抗値を実現できる導電性微粒子に関する。
近年、電子機器の小型化、高機能化が益々進展している。それに伴い、電気機器に搭載される電子部品の小型化、高密度実装化が進んでおり、電子回路における電極や配線は一層微細化、狭小化する流れにある。従来、電子機器の組み立てにおいて、対向する多数の電極や配線間の電気的接続を行うために、異方性導電材料による接続方式が採用されている。異方性導電材料は、導電性微粒子をバインダー樹脂等に混合した材料であり、例えば異方性導電ペースト(ACP)、異方性導電インク、異方性導電フィルム(ACF)、異方性導電シート等がある。また、異方性導電材料に用いられる導電性微粒子としては、金属粒子や基材とする樹脂粒子の表面を導電性金属層で被覆したものが使用されている。
そして、上述したように電子回路の電極や配線の微細化、狭小化が進展するなか、異方性導電材料に用いられる導電性微粒子についても、粒子径がより小さなものが要求されている。このような粒子径の小さな導電性微粒子として、例えば、樹脂や無機化合物からなり、平均粒子径が0.5〜2.5μm、粒子径のCV値が20%以下である微球を基材として用いた導電性微粒子が提案されている(特許文献1(段落0009、0010)参照)。
また、導電性微粒子は、電極や配線間の電気的接続を行う上で、接続抵抗値が低く、接続が安定していることが好ましい。このような観点から、導電性微粒子を構成する導電性金属層についても種々検討されている。例えば、特許文献2には、柔軟性があり基材が変形しても割れにくく安定した接続信頼性を実現するために、導電性金属層として銅を50質量%以上含む金属層を採用することが提案されている(特許文献2(段落0013)参照)。なお、特許文献2は、基材粒子として5μm以上の粒子を用いることが想定されており、銅系金属層の厚みも厚く形成することが想定されている(特許文献2(段落0017、0019))。また、特許文献2では、金属層を柔軟とすることのみ検討されており、金属層と基材粒子との密着性については検討されていない。
特開2000−30526号公報 特開2001−155539号公報
導電性微粒子の粒子径を小さくした場合、加圧接続時において、導電性微粒子の変形により得られる接続面積が非常に小さくなってしまい、電気接続における接続抵抗値が大きくなる傾向がある。また、特許文献1のように、導電性金属層としてニッケルメッキを施した導電性微粒子では、導電性金属層が硬いために、この導電性金属層により基材粒子の変形が阻害されてしまう。そのため、導電性微粒子の変形量がさらに小さくなり、接続抵抗値がさらに高くなるという問題がある。また、ニッケルメッキからなる導電性金属層は硬いため、導電性微粒子を機械的に分散させる際に、導電性金属層に割れを生じやすい。このように導電性金属層に割れを生じた粒子は、電気的な接続が不可能となってしまうため、接続抵抗値が一層高くなるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、個数平均粒子径が1.1μm〜2.8μmという非常に小さな導電性微粒子であって、電気接続に用いた場合に、低抵抗値を実現できる導電性微粒子を提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明の導電性微粒子は、樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、導電性微粒子自体の個数平均粒子径が、1.1μm〜2.8μmであり、前記導電性金属層の少なくとも一層として、銅又は銅合金から形成された銅系金属層を有することを特徴とする。前記銅系金属層の厚さは、0.02μm〜0.10μmが好ましい。前記樹脂粒子の個数平均粒子径は、1.0μm〜2.5μmが好ましい。
本発明によれば、個数平均粒子径が1.1μm〜2.8μmという非常に小さな導電性微粒子であっても、電気接続に用いた場合に、低抵抗値を実現できる。
1.導電性微粒子
本発明は、微細な導電性微粒子の改良を目的とする。本発明の対象となる導電性微粒子は、その個数平均粒子径が、1.1μm以上、好ましくは1.2μm以上、より好ましくは1.3μm以上、さらに好ましくは1.4μm以上であり、2.8μm以下、好ましくは2.6μm以下、より好ましくは2.4μm以下、さらに好ましくは2.2μm以下である。個数平均粒子径がこの範囲内であれば、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。
そして、本発明の微細な導電性微粒子は、樹脂粒子からなる基材と該基材の表面に形成された一層以上の導電性金属層から構成され、かつ前記導電性金属層の少なくとも一層は銅又は銅合金から形成された銅系金属層である。粒子径が非常に小さい導電性微粒子では、加圧接続時に導電性微粒子の変形によって得られる接続面積は非常に小さいものとなる。そのため、従来のように、導電性金属層としてニッケルメッキのような高硬度金属を用いたものでは、導電性微粒子の粒子径が小さくなるほど、接続抵抗値が一層高くなる傾向があった。しかし、銅系金属層は非常に柔軟であり、加圧接続時に樹脂粒子の変形を阻害することがないため、より大きな接続面積を確保できる。また、加圧接続時には、銅系金属層自体も容易に変形し得るため、この変形によって接続面積をさらに大きくできる。よって、本発明の導電性微粒子は微小径であるにもかかわらず、電気接続に用いた場合に、低抵抗値を実現できる。
前記銅合金に含有される銅以外の金属は、銅と共析し合金皮膜を形成し得るものであれば良い。このような金属としては、例えは、Fe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Ag、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、B等が挙げられる。これらの金属は1種を含有させてもよいし、2種以上を含有させてもよい。これらの中でも、Ag、Ni、Sn、Znが好ましい。銅合金を使用する場合、銅合金中の銅含有率は50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
また銅系金属層は、本発明の効果を損なわない範囲で、銅又は銅合金以外の、他の金属成分からなる相を含有していてもよい。他の金属成分からなる相としては、例えば、銅系金属層中に、粒状で分散する形態が挙げられる。他の金属成分としては、例えば、上述の銅合金を形成し得る金属が挙げられる。このような他の金属成分からなる相を有する銅系金属層における、銅又は銅合金の含有率は、銅系金属層100質量%に対して90質量%以上が好ましい。
前記銅系金属層の厚さは0.02μm以上が好ましく、より好ましくは0.03μm以上、さらに好ましくは0.04μm以上であり、0.10μm以下が好ましく、より好ましくは0.09μm以下、さらに好ましくは0.08μm以下である。銅系金属層が0.02μm以上であれば、銅系金属層の変形量がより大きくなるため、電気接続に用いた場合に接続抵抗値をより低くでき、0.10μm以下であれば、基材である樹脂粒子の特性が活かされ、導電性微粒子の柔軟性がより良好となることで、接続抵抗値を低くでき、さらに電極間のショートも抑制され、接続信頼性が向上する。なお、銅系金属層は異なる組成の層を複数設けてもよい。この場合、複数の銅系金属層の合計の厚さを上記範囲とすればよい。
前記導電性金属層は単層でも多層(2層以上)であってもよい。導電性金属層が多層である場合、銅、銅合金以外の金属からなる層を有していてもよい。他の金属としては、例えば、Ni、Pd、Au、Ag、Pt、Fe、Co、Ti、Zn、Al、Sn、Pb、Bi等の金属及びこれらの金属から選択される2種以上の金属を含む合金が好ましい。特に、銅系金属層は、高温高湿の雰囲気に曝されると酸化されてしまい、電気接続に用いた場合に接続抵抗値が高くなる場合がある。そのため、銅系金属層の酸化を防止するために、銅系金属層表面にPd(パラジウム)層又はAu(金)層を形成しておくことが好ましい。Pd層又はAu層を形成する場合、その厚さは0.005μm以上が好ましく、より好ましくは0.010μm以上、さらに好ましくは0.015μm以上であり、0.10μm以下が好ましく、より好ましくは0.07μm以下、さらに好ましくは0.05μm以下である。
また、銅系金属層の酸化を防止する効果があり、経済的にも安価であることから、銅系金属層表面にNi又はNi合金からなる層を形成することも好ましい。しかし、Ni又はNi合金からなる層は、通常、硬いため、薄膜とすることが好ましい。具体的には、Ni又はNi合金からなる層の厚さは0.05μm以下が好ましい。一方、銅系金属層の酸化を防止する観点からは、Ni又はNi合金からなる層の厚さは0.005μm以上が好ましい。
また、前記導電性金属層の最表面は防錆処理が施されていることが好ましい。防錆処理の方法としては特に限定されず、例えば、前記導電性金属層を形成した後に、防食剤を付与する方法が挙げられる。前記防食剤としては、例えば、リン酸アルミニウム、リン酸ナトリウム等のリン酸系;クロム酸カリウム、無水クロム酸等のクロム酸系;有機樹脂等が挙げられる。さらに、前記導電性金属層の最表面に酸化防止剤を付与してもよい。前記酸化防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール化合物、イミダゾール化合物、チアゾール化合物、トリアジン、2−メルカプトピリミジン、インドール、ピロール、アデニン、チオバルビツル酸、チオウラシル、ロダニン、チアゾリジンチオン、1−フェニル−2−テトラゾリン−5−チオン又は2−メルカプトピリジン等の窒素含有化合物等が挙げられる。これらの防食剤、酸化防止剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
導電性金属層の形成方法は特に限定されず、例えば、基材表面に無電解メッキ法、電解メッキ法等によってメッキを施す方法;基材表面に真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法により導電性金属層を形成する方法;等により形成できる。これらの中でも特に無電解メッキ法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
無電解メッキ法により導電性金属層を形成する場合、エッチング工程、触媒化工程を経てから無電解メッキ工程を行うことが好ましい。
エッチング処理工程
エッチング処理工程では、樹脂粒子をクロム酸、無水クロム酸−硫酸混合液、過マンガン酸等の酸化剤;塩酸、硫酸、フッ酸、硝酸等の強酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリ溶液;等を用いて樹脂粒子の表面に微小な凹凸を形成させ、その凹凸のアンカー効果によって、後述する無電解メッキ後の樹脂粒子と導電性金属層との密着性の向上を図る。
触媒化工程
触媒化工程では、樹脂粒子の表面にメッキ析出の基点となるパラジウム触媒を吸着させる。パラジウム触媒を吸着させる方法は特に限定されず、無電解メッキ用として市販されている触媒化試薬を用いて行えばよい。触媒化方法としては、例えば、塩化パラジウムと塩化第一スズとを含む溶液を触媒化試薬とし、これに樹脂粒子を浸漬することにより樹脂粒子表面に触媒金属を吸着させ、その後、硫酸や塩酸等の酸や水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液で前記パラジウムイオンを還元することにより、樹脂粒子表面にパラジウムを析出させる方法(キャタリスト−アクセレータ法)や、スズイオン(Sn2+)を含有する溶液に樹脂粒子を接触させることによりスズイオンを樹脂粒子表面に吸着させた後、パラジウムイオン(Pd2+)を含有する溶液に浸漬させることにより、樹脂粒子表面にパラジウムを析出させる方法(センシタイジング−アクチベーティング法)等が挙げられる。
前記スズイオン含有溶液、パラジウムイオン含有溶液に樹脂粒子を浸漬する際の液温、浸漬時間は、各イオンが樹脂粒子に充分に吸着できれば特に限定されず、適宜調整すればよいが、液温は10℃〜60℃が好ましく、浸漬時間は1分〜120分が好ましい。
無電解メッキ工程
無電解メッキ工程では、前記触媒化工程にてパラジウム触媒を吸着させた触媒化樹脂粒子表面に、導電性金属層を形成する。具体的には、還元剤と所望の金属塩を溶解したメッキ液中に触媒化樹脂粒子を浸漬することにより、パラジウム触媒を起点として、メッキ液中の金属イオンを還元剤で還元し、樹脂粒子表面に所望の金属を析出させて、導電性金属層を形成する。
無電解メッキ工程では、まず、触媒化樹脂粒子を水に十分に分散させ、触媒化樹脂粒子の水性スラリーを調製する。ここで、安定した導電特性を発現させるためには、触媒化樹脂粒子を、メッキ処理を行う水性媒体に十分分散させておくことが好ましい。触媒化樹脂粒子を水性媒体に分散させる手段としては、例えば、通常攪拌装置、高速攪拌装置、コロイドミル又はホモジナイザーのような剪断分散装置等従来公知の分散手段を採用すればよく、必要に応じて超音波や分散剤(界面活性剤等)を併用してもよい。
次に、所望の導電性金属の塩、還元剤、錯化剤及び各種添加剤等を含有する無電解メッキ液に、上記で調製した触媒化樹脂粒子の水性スラリーを添加することにより、無電解メッキ反応を生じさせる。無電解メッキ反応は、触媒化樹脂粒子の水性スラリーを添加すると速やかに開始する。また、この反応には水素ガスの発生を伴うので、水素ガスの発生が認められなくなった時点をもって無電解メッキ反応を終了すればよい。無電解メッキ反応の終了後、反応系内から導電性金属層が形成された樹脂粒子を取り出し、必要に応じて洗浄、乾燥を施すことにより、導電性微粒子を得ることができる。
前記導電性金属塩としては、導電性金属層を構成する金属として例示した金属の塩化物、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。例えば、導電性金属層として銅層を形成する場合には、塩化銅、硫酸銅、酢酸銅、炭酸銅、硝酸銅等の銅塩等を無電解メッキ液に含有させればよい。銅合金層を形成する場合には、前記銅塩に加えて、銅合金層に含ませる金属の塩(例えば、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケル等のニッケル塩)を無電解メッキ液に含有させればよい。無電解メッキ液中における導電性金属塩の濃度は、所望の膜厚の導電性金属層が形成されるように、樹脂粒子のサイズ(表面積)等を考慮して適宜決定すればよい。
前記還元剤としては、例えば、ホルムアルデヒド、次亜リン酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、テトラヒドロホウ酸カリウム、グリオキシル酸、ヒドラジン等が挙げられる。還元剤は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
前記錯化剤としては、導電性金属のイオンに対して錯化作用のある化合物が使用できる。例えば、銅に対して錯化作用のある化合物としては、グリセロール、酒石酸、イミノ二酢酸、クエン酸、ヒドロキシ酢酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸又はそれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩等のカルボン酸(塩);D−ソルビトール、ズルシトール等の糖類;グリシン等のアミノ酸;エチレンジアミン、トリエタノールアミン、アルキルアミン等のアミン類;その他のアンモニウム、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)又はその塩(例えば、EDTA4Na(エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム)等)、2,2’−ビピリジン、ピロリン酸(塩);等が挙げられる。錯化剤は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
無電解メッキ液のpHは、限定されないが、好ましくは4〜14である。
無電解メッキ工程は、必要に応じて繰返し行ってもよい。例えば金属種の異なる無電解メッキ液を用いて無電解メッキ工程を繰返すことにより、樹脂粒子の表面に異種金属を幾層にも被覆できる。具体的には、樹脂粒子に銅メッキを施して銅被覆粒子を得た後、該銅被覆粒子をさらに無電解金メッキ液に投入して金置換メッキを行うことにより、最外層が金層で覆われ、その内側に銅層を有する導電性微粒子が得られる。
導電性金属層の膜厚を調整するには、具体的には、無電解メッキ処理を行う際の樹脂粒子濃度(処理液あたりの樹脂粒子の量)や無電解メッキ処理で使用する無電解メッキ液の濃度、pH、あるいは無電解メッキ処理の反応温度等を調整すればよい。例えば、無電解メッキ処理の処理液に対する樹脂粒子の量を増やしたり、無電解メッキ処理で使用する無電解メッキ液の濃度を薄くしたりすると、導電性金属層の膜厚は薄くなる。
活性化工程
また、無電解メッキを行う前に、触媒化樹脂粒子表面のパラジウム触媒を活性化させる活性化工程を設けることが好ましい。パラジウム触媒を活性化させることにより、導電性金属層と樹脂粒子との密着性を高めることができ、また、無電解メッキにおける金属の析出を促進できる。活性化工程では、触媒化樹脂粒子を、活性化剤を含有する活性化液(アクセレーター溶液)中に浸漬することにより行う。活性化剤としては、例えば、硫酸、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア溶液等が挙げられる。
前記導電性微粒子は、前記導電性金属層を形成するための基材として樹脂粒子を使用する。この樹脂粒子は、樹脂成分を含んでいればよく、有機材料のみから構成される粒子に限られず、有機無機複合材料から構成される粒子でもよい。樹脂粒子を用いることで、弾性変形特性に優れた導電性微粒子が得られる。
前記樹脂粒子を構成する有機材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン;スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル樹脂等のビニル重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリアミド;ポリイミド;フェノールホルムアルデヒド樹脂;メラミンホルムアルデヒド樹脂;メラミンベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂;尿素ホルムアルデヒド樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。また、有機無機複合材料としては、前記有機材料とポリシロキサン骨格とを含む材料(例えば、ポリシロキサン骨格とビニル重合体が複合化されてなる材料等)が挙げられる。これらの樹脂粒子を構成する材料は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
前記樹脂粒子を構成する材料の中でも、ビニル重合体及び/又はポリシロキサン骨格を含むものが好ましい。ビニル重合体を含む材料は、ビニル基が重合して形成された有機系骨格を有し、加圧接続時の弾性変形に優れる。特に、ジビニルベンゼンを重合成分として含むビニル重合体は、導電性金属被覆後の粒子強度の低下が少ない。また、ポリシロキサン骨格を含む材料は、加圧接続時において被接続体に対する接触圧が優れる。特にポリシロキサン骨格とビニル重合体を複合化した材料は、弾性変形性及び接触圧に優れ、得られる導電性微粒子の接続信頼性がより優れたものとなるため好ましい。
前記ビニル重合体はビニル基含有単量体を重合(ラジカル重合)したものであり、「ビニル基」には、炭素−炭素二重結合のみならず、(メタ)アクリロキシ基、アリル基、イソプロペニル基、ビニルフェニル基、イソプロペニルフェニル基のような重合性炭素−炭素二重結合を有する置換基も含まれる。なお、本明細書において「(メタ)アクリロキシ基」、「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリル」は、「アクリロキシ基及び/又はメタクリロキシ基」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」や「アクリル及び/又はメタクリル」を示すものとする。
前記ビニル基含有単量体には、分子中に一つのビニル基を有する単量体(1)、分子中に一つのビニル基とビニル基以外の官能基(カルボキシル基、水酸基等のプロトン性水素含有基、アルコキシ基等の末端官能基等)を有する単量体(2)、1分子中に2以上のビニル基を有する架橋性のビニル基含有単量体(3)(以下「架橋性ビニル基含有単量体」と称することがある。)が含まれる。これらの単量体(1)〜(3)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも架橋性ビニル基含有単量体(3)が好ましい。
前記単量体(1)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート類;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のハロゲン基含有スチレン類等のスチレン系単官能モノマー;等が挙げられる。単量体(1)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレン系単官能モノマーが好ましく、スチレンがより好ましい。
また、前記単量体(2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類、p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシ基含有スチレン類等のヒドロキシ基を有する単量体;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有(メタ)アクリレート類、p−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン類等のアルコキシ基を有する単量体;等が挙げられる。単量体(2)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。ここで、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基等は、反応(結合)相手となる基が他の単量体に存在する場合には架橋構造を形成し得る。
前記単量体(3)(架橋性ビニル基含有単量体)としては、例えば、アリル(メタ)アクリレート等のアリル(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のヘキサ(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族炭化水素系架橋剤(好ましくはジビニルベンゼン等のスチレン系多官能モノマー);N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等のヘテロ原子含有架橋剤;等が挙げられる。これらの架橋性ビニル基含有単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、1分子中に2以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体、スチレン系多官能モノマーが好ましい。前記1分子中に2以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体の中でも、1分子中に2以上のアクリロイル基を有する単量体が好ましく、1分子中に2個のアクリロイル基を有する単量体(ジアクリレート類)がより好ましく、アルカンジオールジアクリレート、ポリアルキレングリコールジアクリレートがさらに好ましく、特にアルカンジオールジアクリレートが好ましい。前記スチレン系多官能モノマーの中でも、ジビニルベンゼンが好ましい。
前記ビニル重合体としては、構成成分として、前記架橋性ビニル基含有単量体(3)を含む態様;前記単量体(1)と前記架橋性ビニル基含有単量体(3)を含む態様が好ましい。具体的には、前者としては、構成成分として、1分子中に2以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体を含む態様;スチレン系多官能モノマーを含む態様;1分子中に2以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体とスチレン系多官能モノマーとを含む態様;が好ましく、後者としては、スチレン系単官能モノマーと1分子中に2以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体とを含む態様、スチレン系単官能モノマーとスチレン系多官能モノマーとを含む態様が好ましい。
前記ポリシロキサン骨格は、シラン系単量体を加水分解縮合することで得られ、前記シラン系単量体としては、非架橋性シラン系単量体、架橋性シラン系単量体が挙げられる。前記非架橋性シラン系単量体として、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルキルシラン等の2官能性シラン系単量体;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のトリアルキルシラン等の1官能性シラン系単量体等が挙げられる。
前記架橋性シラン系単量体は、架橋構造を形成し得る。架橋性シラン系単量体により形成される架橋構造としては、有機重合体骨格(例えば、ビニル系重合体骨格)と有機重合体骨格とを架橋するもの(第一の形態);ポリシロキサン骨格とポリシロキサン骨格とを架橋するもの(第二の形態);有機重合体骨格とポリシロキサン骨格とを架橋するもの(第三の形態);が挙げられる。
第一の形態を形成し得るものとしては、例えば、ジメチルジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、テトラビニルシラン等が挙げられる。第二の形態を形成し得るものとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能性シラン系単量体;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の3官能性シラン系単量体等が挙げられる。第三の形態を形成し得るものとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等のビニル基を有するもの;等が挙げられる。
ここで、ポリシロキサン骨格は、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合(例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基)を有する重合性ポリシロキサン由来の骨格を有することが好ましい。つまり、ポリシロキサン骨格は、構成成分として、少なくとも前記第三の形態の架橋構造を形成し得る架橋性シラン系単量体(好ましくは(メタ)アクリロイル基を有するもの、より好ましくは3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を加水分解及び縮合することにより形成されたポリシロキサン骨格を含有することが好ましい。
前記樹脂粒子は、重合体を構成する全単量体成分中、架橋性単量体(架橋性ビニル基含有単量体、架橋性シラン系単量体)の含有量が5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、80質量%以下が好ましく、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
前記樹脂粒子(基材)の個数平均粒子径は、1.0μm以上が好ましく、より好ましくは1.1μm以上、さらに好ましくは1.2μm以上、特に好ましくは1.3μm以上であり、2.5μm以下が好ましく、より好ましくは2.3μm以下、さらに好ましくは2.1μm以下、特に好ましくは1.9μm以下である。前記樹脂粒子の粒子径の個数基準の変動係数(CV値)は、10%以下が好ましく、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは6%以下である。
前記樹脂粒子の製造方法としては、乳化重合、懸濁重合、分散重合、シード重合、ゾルゲルシード重合法等が採用できるが、シード重合やゾルゲルシード重合法は粒度分布を小さくすることができるため好ましい。なお、上記ゾルゲルシード重合法とは、シード重合の一態様であって、特に、シード粒子がゾルゲル法により合成される場合を意味する。例えば、アルコキシシランの加水分解縮合反応により得られたポリシロキサンをシード粒子とする場合等が挙げられる。したがって、シード重合には、シード粒子が、有機質材料からなる場合と、有機質と無機質とが複合された材料からなる場合(ゾルゲルシード重合法の場合)とが存在する。
上述したように、前記樹脂粒子としては、ビニル重合体骨格とポリシロキサン骨格を有するものが好ましい。よって、樹脂粒子の製造方法としては、ラジカル重合性基を有する架橋性シラン単量体を加水分解、縮合反応を行って重合性ポリシロキサン粒子を調製した後、該重合性ポリシロキサン粒子に前記ビニル基含有単量体等を吸収させ重合する方法が挙げられる。
2.樹脂被覆導電性微粒子
本発明の導電性微粒子は、導電性金属層の表面に、さらに絶縁性樹脂層を形成してもよい。前記絶縁性樹脂層としては、導電性微粒子の粒子間における絶縁性が確保でき、一定の圧力及び/又は加熱により容易にその絶縁性樹脂層が崩壊あるいは剥離するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン類;ポリメチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート重合体及び共重合体;ポリスチレン;等の熱可塑性樹脂や特にその架橋物;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。
但し、基材となる樹脂粒子に比べて絶縁性樹脂層が硬過ぎる場合には、絶縁性樹脂層の破壊よりも先に樹脂粒子自体が破壊してしまうおそれがある。したがって、絶縁性樹脂層には、未架橋又は比較的架橋度の低い樹脂を用いることが好ましい。
前記絶縁性樹脂層は、単層であっても、複数の層からなるものであってもよい。例えば、単一又は複数の皮膜状の層;絶縁性を有する粒状、球状、塊状、鱗片状その他の形状の粒子を導電性微粒子の表面に付着した層;さらに、導電性微粒子の表面を化学修飾することにより形成された層;であってもよい。上記樹脂絶縁層の厚さは0.01μm〜1μmが好ましく、より好ましくは0.02μm〜0.5μm、さらに好ましくは0.03μm〜0.4μmである。樹脂絶縁層の厚さが前記範囲内であれば、導電性微粒子による導通特性を良好に維持しつつ、粒子間の電気絶縁性が良好となる。
3.異方性導電材料
本発明の導電性微粒子は、異方性導電材料の構成材料としても好適であり、本発明の導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料もまた、本発明の好ましい実施態様の1つである。上記異方性導電材料は、本発明の導電性微粒子を用いてなるものであればその形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インク等、様々な形態が挙げられる。すなわち、これらの異方性導電材料を相対向する基材同士や電極端子間に設けることで、電気的に接続することができる。なお、本発明の導電性微粒子を用いた異方性導電材料には、液晶表示素子用導通材料(導通スペーサー及びその組成物)も含まれる。
上記異方性導電材料は、絶縁性のバインダー樹脂中に、本発明の導電性微粒子を分散させ、所望の形態とすることで製造されるが、もちろん、絶縁性のバインダー樹脂と導電性微粒子とを別々に使用して、基材間あるいは電極端子間を接続してもかまわない。上記バインダー樹脂としては、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等の熱可塑性樹脂;グリシジル基を有するモノマーやオリゴマー及びイソシアネート等の硬化剤との反応により硬化する硬化性樹脂組成物や、光や熱により硬化する硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
1.評価方法
1−1.個数平均粒子径、変動係数(CV値)
<樹脂粒子>
粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径を測定し、個数平均粒子径、粒子径の標準偏差を求めるとともに、下記式に従って粒子径のCV値(変動係数)を算出した。
粒子の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/個数平均粒子径)
<導電性微粒子>
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製、「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、導電性微粒子3000個の粒子径(μm)を測定し、個数平均粒子径を求めた。
1−2.導電性金属層膜厚
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製、「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、樹脂粒子3000個の粒子径、導電性微粒子3000個の粒子径を測定し、樹脂粒子の個数平均粒子径X(μm)、導電性微粒子の個数平均粒子径Y(μm)を求めた。そして、下記式に従って導電性金属層の膜厚を算出した。
導電性金属層膜厚(μm)=(Y−X)/2
1−3.初期抵抗値
導電性微粒子10質量部に、バインダー樹脂としてのエポキシ樹脂(三菱化学製、「JER828」)100質量部、硬化剤(三新化学社製、「サンエイド(登録商標) SI−150」)2質量部、及びトルエン100質量部を加え、さらに1mmのジルコニアビーズ50質量部を加えて、ステンレス鋼製の2枚攪拌羽根を用いて300rpmで10分間分散を行い、得られたペースト状組成物をバーコーターで剥離処理PETフィルム上に塗布して乾燥させ異方性導電フィルムを得た。
得られた異方性導電フィルムを抵抗測定用の線を有した全面アルミ蒸着ガラス基板と30μmピッチに銅パターンを形成したポリイミドフィルム基板間に挟み込み、5MPa、200℃の圧着条件で熱圧着した後、電極間の抵抗値をA、B、Cの3段階に分けて評価した。初期抵抗値が3Ω未満の場合を「A」、3Ω以上5Ω未満を「B」、5Ω以上を「C」とした。また、上記の抵抗値測定を20回行い、ショートの発生の有無についても確認した。
1−4.密着性
導電性微粒子10部にトルエン100部を加え、さらに1mmのジルコニアビーズ50部を加えて、ステンレス鋼製の2枚攪拌羽根を用いて400rpmで10分間分散を行った。分散処理後の粒子を取出し、乾燥後、デジタル走査型電子顕微鏡(日立協和エンジニアリング、「S−3500N」)により、導電性微粒子の表面観察を行った。1000個の粒子を観察し、導電性金属層が剥離している粒子の個数をカウントし、剥離粒子個数が5個未満を「A」、5個以上10個未満を「B」、10個以上を「C」とした。
2.樹脂粒子の製造
2−1.樹脂粒子No.1
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水1800部と、25%アンモニア水24部、メタノール555部を入れ、攪拌下、滴下口から3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン100部及びメタノール45部の混合液を添加して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、メタクリロイル基を有するポリシロキサン粒子(重合性ポリシロキサン粒子)の乳濁液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数平均粒子径は1.35μmであった。
次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製:「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液10部をイオン交換水400部で溶解した溶液に、スチレン200部及びジビニルベンゼン(新日鐡化学社製 DVB960)200部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製:「V−65」)4.8部を溶解した溶液を加え、乳化分散させて単量体成分の乳化液を調製した。反応開始から2時間後、得られた乳化液を、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の乳濁液中に添加して、さらに攪拌を行った。乳化液の添加から1時間後、混合液をサンプリングして顕微鏡で観察を行ったところ、ポリシロキサン粒子が単量体を吸収して肥大化していることが確認された。
次いで、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の20%水溶液96部、イオン交換水500部を加え、窒素雰囲気下で反応液を65℃まで昇温させて、65℃で2時間保持し、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、窒素雰囲気下280℃で1時間焼成処理し、樹脂粒子No.1を得た。この樹脂粒子No.1の個数平均粒子径は2.70μm、変動係数(CV値)は5.2%であった。
2−2.樹脂粒子No.2〜8
ポリシロキサン粒子を製造する条件を変更してシード粒子の個数平均粒子径を表1に示すように変更した。次いで、製造例1と同様にして乳化液の混合、ポリシロキサン粒子に対する単量体成分の吸収及びラジカル重合を行って樹脂粒子No.2〜4、6〜8を得た。また、乳化液を調製する際に、スチレン200部を1,6−ヘキサンジオールジアクリレート200部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして乳化液の混合、ポリシロキサン粒子に対する単量体成分の吸収及びラジカル重合を行って樹脂粒子No.5を得た。
Figure 0005583572
製造例1
エッチング処理工程
樹脂粒子No.1を、液温65℃の10%水酸化ナトリウム水溶液に30分間浸漬して、エッチング処理を行った。
無電解メッキ工程
得られたエッチング処理後の樹脂粒子1部を、プレディップ溶液100部に1分間分散させた後、濾過し、キャタリスト溶液100部に5分間浸漬した(浴液温度45℃)。十分な濾過洗浄後、アクセレーター溶液100部に5分間分散させ、濾過洗浄後、無電解銅メッキ液100部に速やかに投入した(浴液温度70℃)。約20分後、濾過洗浄及び乾燥を行い金属膜厚0.05μmの導電性微粒子を得た。
フロー式粒子像解析装置により平均粒径は2.80μmであり、変動係数は3%で、均一にメッキされていることが確認された。
無電解メッキに使用した各溶液(水溶液)の組成は以下の通りである。
プレディップ溶液組成:36%塩酸水溶液30ml/l、塩化ナトリウム150g/l
キャタリスト溶液組成:36%塩酸水溶液30ml/l、塩化ナトリウム150g/l、塩化スズ3g/l、塩化パラジウム0.1g/l
アクセレーター溶液組成:10%硫酸水溶液100ml/l
無電解銅メッキ液組成:硫酸銅5水和物1〜30g/l、37%ホルムアルデヒド10ml/l、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム25g/l、2,2’−ビピリジン10ppm
製造例2〜14
使用する樹脂粒子を表2に示すように変更し、銅系金属層の膜厚が表2に示す膜厚となるように無電解メッキ工程における無電解銅メッキ液の使用量を変更したこと以外は、製造例1と同様にエッチング処理、触媒化処理を行い、銅被覆粒子を製造した。
製造例15
樹脂粒子No.4に水酸化ナトリウムによるエッチング処理を行った後、二塩化スズ溶液によるセンシタイジングを行った。さらに二塩化パラジウム溶液によるアクチベーティングを行い、パラジウム核を形成させた。次いで、パラジウム核を形成させた触媒化樹脂粒子を無電解ニッケルメッキ浴に浸漬し、膜厚が0.10μmになるまでニッケルメッキ層を形成させた。その後、イオン交換水で洗浄後、アルコール置換を行って真空乾燥を行い、導電性微粒子を得た。
各製造例で得た導電性微粒子について、用いた樹脂粒子の種類及び評価結果を表2に示した。
Figure 0005583572
製造例1〜12の導電性微粒子は、個数平均粒子径が1.1μm〜2.8μmであり、導電性金属層として銅系金属層を有する場合であるが、いずれも初期抵抗値が低い。また、製造例1、2の導電性微粒子では、それぞれショートの発生が1回確認された。
製造例13の導電性微粒子は、導電性微粒子自体の個数平均粒子径が2.8μmを超えるため、初期抵抗値が高く、ショートの発生が3回以上確認された。製造例14の導電性微粒子は、個数平均粒子径が1.1μm未満であるため、初期抵抗値が高かった。製造例15の導電性微粒子は、導電性金属層がNiから構成されているため、初期抵抗値が高かった。
本発明の導電性微粒子は、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インク等の異方性導電材料に好適に用いられる。

Claims (3)

  1. 樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、
    導電性微粒子自体の個数平均粒子径が、1.1μm〜2.4μmであり、
    前記導電性金属層の少なくとも一層として、銅又は銅合金から形成された銅系金属層を有することを特徴とする導電性微粒子。
  2. 前記銅系金属層の厚さが、0.02μm〜0.10μmである請求項1に記載の導電性微粒子。
  3. 前記樹脂粒子の個数平均粒子径が、1.0μm〜2.5μmである請求項1又は2に記載の導電性微粒子。
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