JP2012079635A - 導電性微粒子、絶縁性樹脂被覆導電性微粒子及び異方性導電材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の導電性微粒子は、基材粒子と、該基材粒子の表面に形成された導電性金属層から構成される導電性微粒子であって、前記基材粒子が、個数平均粒子径が100μm以下のビニル系重合体微粒子であり、該導電性微粒子は、表面が導電性金属で形成された多数の突起を有しており、これらの突起が粒子表面方向に房状に並ぶことで前記導電性金属層が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、低圧接続でも初期抵抗値が低い接続が得られる導電性微粒子、絶縁性樹脂被覆導電性微粒子及び異方性導電材料を提供することを目的とする。
1−1.突起
本発明の導電性微粒子は、基材粒子と、該基材粒子の表面に形成された導電性金属層から構成されており、基材粒子表面に多数の突起が房状に密集して並ぶことで導電性金属層を形成していることが特徴である。「房状」とは、個々の突起(好ましくは、膨らんだ中実の袋状突起)がその周囲に存在する複数の突起と接するように形成されている状態をいう。従って、粒子表面方向に突起が密に並ぶことになる。本発明の導電性微粒子において、突起は粒子表面の全体に形成されていることが好ましいが、粒子表面積に対して例えば、90%以上突起が形成されていればよい。前記突起は粒子表面積に対して95%以上形成されていることが好ましく、より好ましくは98%以上である。このように房状に突起が密集して形成されていることにより、個々の突起が互いに接し合うため、突起が導電性微粒子から脱落し難くなる。また、粒子表面全体に均一に突起が形成されているため、突起の効果にバラツキがなく、安定して低い初期抵抗値が達成できる。
例えば、基材粒子と導電性金属層との密着性をより向上させたい場合には、粒子表面のFE−SEM画像における1μm四方内に存在する突起の個数を80個以上(より好ましくは90個以上、さらに好ましくは95個以上)とすることが好ましい。これにより、個々の突起間の谷部が多く存在することとなるため、該谷部によるアンカー効果がより大きくなり、基材粒子と導電性金属層との密着性がより向上する。
例えば、基材粒子と導電性金属層との密着性をより向上させたい場合には、突起の平均長径を150nm未満(より好ましくは140nm以下、さらに好ましくは130nm以下)とすることが好ましい。これにより、個々の突起が小さくなり突起の個数を増やすことができ、突起間の谷部が多く存在することとなるため、該谷部によるアンカー効果がより大きくなり、基材粒子と導電性金属層との密着性がより向上する。
導電性金属層を構成する金属は、導電性を持つ化合物であればよく特に限定されない。例えば、ニッケル、パラジウム、金、銀、銅、白金、鉄、スズ、鉛、コバルト、チタン、ビスマス、亜鉛、アルミニウム、インジウム、又はこれらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀、銅が導電性に優れており好ましい。また、導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよく、複層の場合には、例えば、ニッケル−金、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金、ニッケル−銀等の組み合わせが好ましく挙げられる。
次に、基材粒子について説明する。本発明に用いられる基材粒子はビニル系重合体を含有する粒子であれば特に限定されず、ビニル系重合体のみからなる粒子や、有機質と無機質とが複合された材料からなる有機質無機質複合粒子のいずれも使用することができる。なお、本発明のビニルには、(メタ)アクリロイルも含まれる。ビニル系重合体微粒子としては、具体的には、(メタ)アクリル系(共)重合体、(メタ)アクリル系−スチレン系共重合体等のビニル系重合体のみからなる粒子や、重合性(ビニル基含有の意味;以下同じ)アルコキシシランのラジカル重合体及び/又は縮重合体、重合性アルコキシシランとビニル系モノマーとの共重合体等の有機質無機質複合粒子が挙げられる。以下の説明で「ビニル重合体」というときは、ビニル系モノマーが重合した有機質のみの重合体を意味する。また、本発明でいう「ビニル系重合体微粒子」は、「ビニル重合体」からなる成分や骨格を含む粒子を意味する。これらのビニル系重合体微粒子の製造方法の詳細は後述するが、乳化重合、懸濁重合、シード重合、ゾルゲル法等が採用でき、中でも、シード重合やゾルゲル法は粒度分布を小さくすることができるため好ましい。なお、微粒子の組成は、GC−MS等で確認することができる。
ビニル重合体粒子は、ビニル系単量体を含有する単量体混合物を含む単量体組成物を重合して得られる。単量体混合物に含有させるビニル系単量体としては、1分子中に1個のビニル基を有する非架橋性単量体、1分子中に2個以上のビニル基を有する架橋性単量体のいずれも使用することができる。
有機質無機質複合粒子は、ビニル重合体に由来する有機質部分と、無機質部分とを含んでなる粒子である。前記有機質無機質複合粒子の態様としては、シリカ、アルミナ、チタニア等の金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物、金属炭化物等の無機質微粒子が、ビニル重合体中に分散含有されてなる態様;(オルガノ)ポリシロキサン、ポリチタノキサン等のメタロキサン鎖(「金属−酸素−金属」結合を含む分子鎖)と有機分子が分子レベルで複合してなる態様;ビニルトリメトキシシラン等のビニル系重合体を形成し得るビニル基を有するオルガノアルコキシシランが加水分解縮合反応やビニル基の重合反応を起こすことで得られる粒子や加水分解性シリル基を有するシラン化合物を原料とするポリシロキサンとビニル基を有する重合性単量体等と反応させて得られる粒子のように、ビニル重合体骨格とポリシロキサン骨格とを含む有機質無機質複合粒子からなる態様等が挙げられる。これらの中でも、特にビニル重合体骨格とポリシロキサン骨格とを含む有機質無機質複合粒子からなる態様が好ましい。
R’mSiX4-m (3)
(式中、R’は置換基を有していてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基及び不飽和脂肪族基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、Xは水酸基、アルコキシ基及びアシロキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、mは0から3までの整数である。)
CH2=C(−Ra)−COORb− (4)
(式中、Raは水素原子又はメチル基を表し、Rbは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
CH2=C(−Rc)− (5)
(式中、Rcは水素原子又はメチル基を表す。)
CH2=C(−Rd)−Re− (6)
(式中、Rdは水素原子又はメチル基を表し、Reは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
前記混合ガス中のフッ素ガスの濃度は、0.01体積%以上であることが好ましい。フッ素ガス濃度が0.01体積%以上であれば、親水化処理を均一に施すことができる。なお、フッ素ガスの濃度は、10体積%以下が好ましい。
上述したような突起を有する導電性微粒子は、無電解メッキ法、電解メッキ法等によってメッキを施す方法;金属微粉を単独でもしくはバインダーに混ぜ合わせたペースト状で基材粒子にコーティングする方法;ハイブリダイゼーションにより基材粒子の表面に子粒子を付着させた後、この突起を有する基材粒子に真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法により導電性金属層を形成する方法;等により製造できる。これらの中でも特に無電解メッキ法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
エッチング工程では、基材粒子をクロム酸、無水クロム酸−硫酸混合液、過マンガン酸等の酸化剤;塩酸、硫酸、フッ酸、硝酸等の強酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリ溶液等を用いて基材粒子の表面に微小な凹凸を形成させ、その凹凸のアンカー効果によって、後述する無電解めっき後の基材粒子と導電性金属層の密着性の向上を図る。基材粒子として、上述の親水化処理をしてなる基材粒子を用いる場合は、これらのエッチング工程を省略することもできる。
触媒化工程では、基材粒子の表面にメッキ析出の基点となるパラジウム触媒を吸着させる。パラジウム触媒を吸着させる方法は特に限定されず、無電解メッキ用として市販されている触媒化試薬を用いて行えばよい。触媒化方法としては、例えば、塩化パラジウムと塩化第一スズとを含む溶液を触媒化試薬とし、これに基材粒子を浸漬することにより基材粒子表面に触媒金属を吸着させ、その後、硫酸や塩酸等の酸や水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液で前記パラジウムイオンを還元することにより、基材粒子表面にパラジウムを析出させる方法(キャタリスト−アクセレータ法)や、基材粒子をスズイオン(Sn2+)を含有する溶液と接触させることによりスズイオンを基材粒子表面に吸着させた後、パラジウムイオン(Pd2+)を含有する溶液に浸漬させることにより、基材粒子表面にパラジウムを析出させる方法(センシタイジング−アクチベーティング法)等が挙げられる。
前記スズイオンを含有する溶液としては、例えば、塩化第一スズ溶液が挙げられる。前記スズイオン含有溶液の濃度(スズ換算)は10質量ppm以上が好ましく、より好ましくは20質量ppm以上、さらに好ましくは30質量ppm以上であり、1500質量ppm以下が好ましく、より好ましくは1000質量ppm以下、さらに好ましくは800質量ppm以下である。また、スズイオン含有溶液の使用量は、基材粒子100質量部に対するスズ量が0.10質量部以上が好ましく、より好ましくは0.12質量部以上、さらに好ましくは0.15質量部以上であり、10質量部以下が好ましく、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
例えば、パラジウム触媒の吸着量を低減したい場合には、スズイオン含有溶液の使用量は、基材粒子100質量部に対するスズ量が1質量部以下が好ましく、より好ましくは0.8質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。パラジウムイオン含有溶液の使用量は、基材粒子100質量部に対するパラジウム量が30質量部以下が好ましく、より好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下である。一方、例えば、パラジウム触媒の吸着量を増加させたい場合には、スズイオン含有溶液の使用量は、基材粒子100質量部に対するスズ量が1質量部以上が好ましく、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上である。パラジウムイオン含有溶液の使用量は、基材粒子100質量部に対するパラジウム量が0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上である。
例えば、粒子表面のFE−SEM画像における1μm四方内に存在する突起の個数を80個以上としたい場合には、前記パラジウム触媒の吸着量は400mg/m2以上が好ましく、より好ましくは500mg/m2以上、さらに好ましくは600mg/m2以上であり、2000mg/m2未満が好ましく、より好ましくは1500mg/m2以下、さらに好ましくは1300mg/m2以下である。
無電解メッキ工程では、前記触媒化工程にてパラジウム触媒を吸着させた触媒化基材粒子表面に、導電性金属層を形成する。無電解メッキ処理は、還元剤と所望の金属塩を溶解したメッキ液中に触媒化基材粒子を浸漬することにより、パラジウム触媒を起点として、メッキ液中の金属イオンを還元剤で還元し、基材粒子表面に所望の金属を析出させて、導電性金属層を形成するものである。
前記導電性微粒子は、さらにその表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有していることが好ましい。このように導電性金属層にさらに絶縁性樹脂層が積層されていると、微細配線の電気的な接続を行う際に生じやすい横導通を防ぐことができる。
前記導電性微粒子及び絶縁性樹脂被覆導電性微粒子は、異方性導電材料として好適に用いられる。異方性導電材料の形態としては、特に制限されないが、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インク等、相対向する基材間や電極端子間に設けることで電気的な接続を可能にするものが挙げられる。
1−1.個数平均粒子径、変動係数(CV値)
<重合体粒子>
粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径を測定し、個数平均粒子径、粒子径の標準偏差を求めるとともに、下記式に従って粒子径のCV値(変動係数)を算出した。
粒子の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/個数平均粒子径)
<導電性微粒子>
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製、「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、導電性微粒子3000個の粒子径(μm)を測定し、個数平均粒子径を求めた。
パラジウム触媒を吸着させた触媒化処理基材粒子1部に食塩水(食塩濃度:20%)10部を加え、超音波分散させた。次いで、この分散液に、硝酸水溶液(濃度:69%)2部を滴下し、10分間80℃で攪拌し、2時間超音波分散し、固液分離した後、超純水60部で洗浄した。得られた濾液中のパラジウム元素量を誘導結合プラズマ発光分光装置(島津製作所社製:「ICPE(登録商標)−9000」)により定量することで、触媒化処理基材粒子の表面に吸着したパラジウム触媒量(mg/g)を算出した。そして、下記式に代入することで触媒化処理基材粒子の表面積に対する吸着量(mg/m2)を求めた。
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製、「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、基材粒子3000個の粒子径X(μm)、導電性微粒子3000個の粒子径Y(μm)を測定した。そして、下記式に従って導電性金属層の膜厚を算出した。
導電性金属層膜厚(μm)=(Y−X)/2
導電性微粒子について、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、「FE−SEM S−4800」)により、30000倍の倍率にて表面観察を行い、突起が存在する場合を「有」、表面が平滑である場合を「無」とした。
また、突起が存在する場合には、1個の導電性微粒子に対して、対角線の交点が粒子の正投影面における中心と一致する、縦横1μm四方の正方形を観察し、前記1μm2の正方形の中に存在する凸部の個数を測定した。さらに、前記1μm2の正方形の中に存在する凸部の長径、短径を測定し、その平均値を求めた。ここで、長径とは、突起の最も長い部分の長さであり、短径とは、前記長径方向に直行する方向において最も長い部分の長さである。
導電性微粒子10質量部にバインダー樹脂としてのエポキシ樹脂(三菱化学製、「JER828」)100質量部に硬化剤(三新化学社製、「サンエイド(登録商標) SI−150」)2質量部、及びトルエン100質量部を加え、さらに1mmのジルコニアビーズ50質量部を加えて、ステンレス製の2枚攪拌羽根を用いて300rpmで10分間分散を行い、得られたペースト状組成物をバーコーターで剥離処理PETフィルム上に塗布して乾燥させ異方性導電フィルムを得た。
得られた異方性導電フィルムを抵抗測定用の線を有した全面アルミ蒸着ガラス基板と100μmピッチに銅パターンを形成したポリイミドフィルム基板間に挟み込み、5MPa、200℃の圧着条件で熱圧着した後、電極間の抵抗値を評価した。初期抵抗値が3Ω未満の場合を◎、3Ω以上5Ω未満を○、5Ω以上を×とした。また、85℃/85%RHで500時間放置後の抵抗値についても同様に測定し、以下に求められる抵抗値上昇率が1%未満を◎、5%未満を○、5%以上を×とした。
抵抗値上昇率(%)=100×(85℃/85%RH500時間後抵抗値−初期抵抗値)/初期抵抗値
導電性微粒子10部にトルエン100部を加え、さらに1mmのジルコニアビーズ50部を加えて、ステンレス製の2枚攪拌羽根を用いて400rpmで10分間分散を行った。分散処理後の粒子を取出し、乾燥後、デジタル走査型電子顕微鏡(日立協和エンジニアリング、「S−3500N」)により、導電性微粒子の表面観察を行った。1000個の粒子を観察し、導電性金属層が剥離している粒子の個数をカウントし、剥離粒子個数が5個未満を◎、10個未満を○、10個以上を×とした。
2−1.製造例1
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水1800.0部と、25%アンモニア水24.0部、メタノール555.0部を入れ、攪拌下、滴下口から3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン80.0部及びメタノール45.0部の混合液を添加して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、メタクリロイル基を有するポリシロキサン粒子(重合性ポリシロキサン粒子)の乳濁液を調製した。
上記で得た重合体粒子120部を、容量500Lのチャンバー式処理装置に入れた。粒子層の厚みは0.5mmであった。チャンバー内を、1Paに減圧した後、フッ素(F2)ガス/酸素(O2)ガス/チッ素(N2)ガス=66.7Pa(0.5torr)/3.99kPa(30torr)/75.93kPa(569.5torr)となるように導入した。その後、40℃で60分間処理を行った後、チャンバー内を窒素で置換し、大気圧に戻した。
次に、得られた混合ガス処理粒子120部を、1%水酸化ナトリウム水溶液に分散させ(粒子濃度6.7質量%)、攪拌下、80℃で3時間アルカリ処理を行った。粒子を濾過した後、80℃のイオン交換水に分散させ(粒子濃度6.7質量%)、同温度で3時間洗浄処理を行った。室温まで冷却した後、粒子を濾過し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールの順で掛け洗いを行った後、さらに、120℃で2時間真空乾燥を行うことにより親水化処理された重合体粒子を得た。
ビーカーに塩化第一スズ水溶液「ピンクシューマー(日本カニゼン株式会社製)10部とイオン交換水80部を入れ混合した。別途、ビーカーに上記で得た重合体粒子(基材粒子)2部とイオン交換水10部を入れ超音波分散させたものを準備し、これを前記混合液に投入し、30℃で15分間攪拌して懸濁液とし、これを固液分離して得られたケーキを、イオン交換水30部で洗浄した。なお、懸濁液中のスズ濃度は689質量ppmであり、基材粒子100部に対するスズ量は3.44部であった。
得られたケーキをビーカーに移し、イオン交換水80部を加え超音波分散させ、これに、塩化パラジウム水溶液「レッドシューマー(日本カニゼン株式会社製)」20部加え、30℃で15分間攪拌して懸濁液とした。なお、懸濁液中のパラジウム濃度は72質量ppmであり、基材粒子100部に対するパラジウム量は0.36部であった。この懸濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水40部で洗浄し、窒素雰囲気下100℃で2時間真空乾燥を行い、表面にパラジウム触媒が吸着された触媒化基材粒子を得た。
上記で得た触媒化基材粒子0.2部をイオン交換水8部に添加し、超音波処理した後、70℃の水浴で粒子懸濁液を加温した。この懸濁液を攪拌しながら、別途70℃で加温した無電解ニッケルメッキ液「シューマーS680(日本カニゼン株式会社製)」18.5部を加え、無電解ニッケルメッキを行った。水素ガスの発生が終了したことを確認した後、固液分離を行い、イオン交換水、メタノールの順に洗浄し、100℃で2時間真空乾燥を行って、個数平均粒子径2.74μmの導電性微粒子(1)を得た。
製造例1の親水化処理工程において、混合ガスの濃度を、フッ素(F2)ガス/酸素(O2)ガス/チッ素(N2)ガス=133Pa(1.0torr)/3.99kPa(30torr)/75.86kPa(569torr)となるように導入したこと以外は、製造例1と同様の手法で導電性微粒子(2)を得た。
製造例1の親水化処理工程において、混合ガスの濃度を、フッ素(F2)ガス/酸素(O2)ガス/チッ素(N2)ガス=667Pa(5.0torr)/3.99kPa(30torr)/75.32kPa(565torr)となるように導入したこと以外は、製造例1と同様の手法で導電性微粒子(3)を得た。
製造例1の親水化処理工程において、混合ガスの濃度を、フッ素(F2)ガス/酸素(O2)ガス/チッ素(N2)ガス=1.33kPa(10torr)/3.99kPa(30torr)/74.66kPa(560torr)となるように導入したこと以外は、製造例1と同様の手法で導電性微粒子(4)を得た。
製造例1の親水化処理工程において、混合ガスの濃度を、フッ素(F2)ガス/酸素(O2)ガス/チッ素(N2)ガス=1.33kPa(10torr)/667Pa(5torr)/78.0kPa(585torr)となるように導入したこと以外は、製造例1と同様の手法で導電性微粒子(5)を得た。
製造例5の触媒化工程において、塩化パラジウム水溶液の量を5部に変更したこと以外は製造例5と同様の手法で導電性微粒子(6)を得た。なお、懸濁液中のパラジウム濃度は18.0質量ppmであり、基材粒子100部に対するパラジウム量は0.09部であった。
製造例2の触媒化工程において、塩化第一スズ水溶液の量を0.5部に変更したこと以外は製造例2と同様の手法で導電性微粒子(7)を得た。なお、懸濁液中のスズ濃度は34質量ppmであり、基材粒子100部に対するスズ量は0.17部であった。
製造例2の触媒化工程において、塩化パラジウム水溶液の量を5部に変更したこと以外は製造例2と同様の手法で導電性微粒子(8)を得た。なお、懸濁液中のパラジウム濃度は18.0質量ppmであり、基材粒子100部に対するパラジウム量は0.09部であった。
製造例2の触媒化工程において、塩化パラジウム水溶液の量を1.0部に変更したこと以外は製造例2と同様の手法で導電性微粒子(9)を作製した。なお、懸濁液中のパラジウム濃度は3.6質量ppmであり、基材粒子100部に対するパラジウム量は0.018部であった。
製造例1と同様にして製造した上記で得た重合体粒子10部を、予めクロム酸400g/l、硫酸400g/lとなるように調製したエッチング処理液200部に加え、70℃で10分間加熱処理を行った。室温まで冷却した後、これを固液分離して得られたケーキを、イオン交換水、メタノールの順で掛け洗いを行った後、さらに、120℃で2時間真空乾燥を行った。以上の前処理工程を行った後は、製造例1と同様に触媒化工程、無電解メッキ工程を行い、導電性微粒子(10)を得た。
Claims (12)
- 基材粒子と、該基材粒子の表面に形成された導電性金属層から構成される導電性微粒子であって、
前記基材粒子が、個数平均粒子径が100μm以下のビニル系重合体微粒子であり、
該導電性微粒子は、表面が導電性金属で形成された多数の突起を有しており、これらの突起が粒子表面方向に房状に並ぶことで前記導電性金属層が形成されていることを特徴とする導電性微粒子。 - 粒子表面のFE−SEM画像において、1μm四方内に存在する突起の個数が30個〜500個である請求項1に記載の導電性微粒子。
- 粒子表面のFE−SEM画像において、1μm四方内に存在する突起の個数が30個以上80個未満である請求項1に記載の導電性微粒子。
- 粒子表面のFE−SEM画像において、1μm四方内に存在する突起の個数が80個以上500個以下である請求項1に記載の導電性微粒子。
- 粒子表面のFE−SEM画像において、前記突起の平均長径が50nm〜300nmである請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性微粒子。
- 前記突起の平均長径と平均短径との比(長径/短径)が1.2〜3.0である請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性微粒子。
- 前記導電性金属層の厚さが0.01μm〜0.30μmである請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性微粒子。
- 個数平均粒子径が3μm未満である請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電性微粒子。
- 前記基材粒子が、樹脂成分を含んでおり、この樹脂成分を形成する単量体成分として、多官能アクリレートが含まれる請求項1〜8のいずれか一項に記載の導電性微粒子。
- 前記基材粒子が、樹脂成分を含んでおり、この樹脂成分を形成する単量体成分として、多官能(メタ)アクリレート及び芳香族ジビニル化合物が含まれる請求項1〜8のいずれか一項に記載の導電性微粒子。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の導電性微粒子の表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有することを特徴とする絶縁性樹脂被覆導電性微粒子。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の導電性微粒子又は請求項11に記載の絶縁性樹脂被覆導電性微粒子を含有することを特徴とする異方性導電材料。
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