JPWO2013073091A1 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

本発明は、長寿命であるだけでなく、エンジン始動を繰り返した後に長時間放置しても、さらにエンジン始動が可能な、過酷な条件下での放電特性に優れた車載用の鉛蓄電池を提供する。本発明の鉛蓄電池は、鉛の酸化物を主成分とする粉末を含有するペーストを正極格子に充填してなる正極板と、鉛の酸化物を主成分とする粉末とカーボンブラックとを含有するペーストを負極格子に充填してなる負極板とを、セパレータを介して対峙させて極板群とし、前記正極格子における略菱形状に開いた開口部の面積が50mm/個以上100mm/個以下であって、前記カーボンブラックのDBP吸油量が140ml/g以上340ml/g以下としたものである。

Description

本発明は鉛蓄電池に関するものであって、特に鉛の酸化物を主成分とする粉末を含有するペーストを正極格子に充填してなる正極板と、鉛の酸化物を主成分とする粉末とカーボンブラックとを含有するペーストを負極格子に充填してなる負極板とを、セパレータを介して対峙させて極板群とした鉛蓄電池に関する。
安価で耐久性の高い鉛蓄電池は、自動車用のセルスタータとして、安定した需要がある。この鉛蓄電池は、鉛粉からなるペーストを正極格子に充填してなる正極板と、鉛粉とカーボンブラックとからなるペーストを負極格子に充填してなる負極板とを、セパレータを介して対峙させて極板群を構成し、この極板群を複数個のセル室からなる電槽に各々挿入した後で隣接する極板群を直列に接続し、電解液を極板群の高さより液面が高くなるように注いで、蓋により封口することで提供される。
鉛蓄電池を長寿命化する方法として、負極板にカーボンブラックのような導電剤を添加して負極板の充電受入性を高める方法が採られることが多い。このとき導電性を支配するのは、カーボンブラックの表面積とその添加量である。カーボンブラックの表面積の大小を表す尺度としては、DBP(フタル酸ジブチル)吸油量を用いることが多い。
特許文献1〜4には、DBP吸油量(あるいは比表面積)が大きいカーボンブラックを負極板に添加することで鉛蓄電池を長寿命化できることが記載されている。特に特許文献2や4には、DBP吸油量が100〜300ml/gあるいは450〜550ml/gであるカーボンブラックと負極活物質に対して0.1〜0.6質量%程度のリグニン化合物とを併用することで、負極の充電受入性が向上することが詳述されている。
特開平05−174825号公報 特開2002−063905号公報 特開2006−196191号公報 特開2007−273367号公報
しかし特許文献1〜4の技術を導入しても、SOCがある程度低い状態で車を長い間放置した後などにおいてエンジンを始動できないなど、特定条件下では鉛蓄電池を有効に使用できないことがわかってきた。本発明はこの課題を解決するためのものであって、長時間放置した後でも車のエンジンを始動させられる、過酷な条件下での放電特性に優れた鉛蓄電池を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するために、本発明の鉛蓄電池は、鉛の酸化物を主成分とする粉末を含有するペーストを正極格子に充填してなる正極板と、鉛の酸化物を主成分とする粉末とカーボンブラックとを含有するペーストを負極格子に充填してなる負極板とを、セパレータを介して対峙させて極板群とした鉛蓄電池であって、前記正極格子における略菱形状に開いた開口部の面積が50mm2/個以上100mm2/個以下であって、前記カーボンブラックのDBP吸油量が140ml/g以上340ml/g以下であることを特徴とする。
DBP吸油量は、JIS K6221(1982)6.1.2.A法に従って測定することができる。また、主成分とはその成分が50%以上を占めていることを意味する。略菱形状とは、厳密な菱形の形状のみではなくエキスパンドメタルにおいて菱形と称している形状を含み、エキスパンドメタルにおけるボンド部分を辺ではなく角と捉えた形状を意味する。
前記正極格子における略菱形状に開いた開口部の面積を65mm2/個以上85mm2/個以下としてもよい。
前記カーボンブラックのDBP吸油量を150ml/g以上200ml/g以下としてもよい。
前記カーボンブラックを、負極活物質に対して0.05質量%以上0.7質量%以下添加してもよい。
前記カーボンブラックを、負極活物質に対して0.1質量%以上0.5質量%以下添加してもよい。
電解液の液面を前記極板群の高さより高くしてもよい。
本発明を用いれば、長寿命であるだけでなく、エンジン始動を繰り返した後に長時間放置しても、さらにエンジン始動が可能な、過酷な条件下での放電特性に優れた車載用の鉛蓄電池を提供することができるようになる。
実施形態に係る鉛蓄電池の要部を示す概略図。 (a)実施形態に係る正極格子の一例を示す概略図、(b)正極格子の一部を拡大した図。
実施の形態について説明する前に、本発明に至った経緯について説明をする。
DBP吸油量が大きい(導電性が高い)カーボンブラックを負極板に適量添加することで、確かに負極板の充電受入性は向上し鉛蓄電池は長寿命化する。しかし一方で、無作為に作製した正極板と組み合わせて鉛蓄電池を構成しても、SOCがある程度低い状態で長時間放置した後に車を始動させることができないなど、特殊で過酷な条件下では満足した放電特性が得られないことがわかった。発明者らは鋭意検討した結果、この不具合の原因を解明し、本発明を想到するに至った。以下にそのメカニズムなどを詳述する。
リチウムイオン二次電池やニッケル水素蓄電池の場合、活物質からなるペーストに増粘剤(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やカルボキシメチルセルロース(CMC)など)を加えるため、流動性が高く充填や塗布がし易い(集電体の単位面積における活物質量のバラツキが小さい)ペーストが得られる。ところが鉛蓄電池の正極板の場合、酸化鉛を主成分とする鉛粉と精製水、希硫酸からなるペーストには増粘剤を加えない(アクリル樹脂繊維、またはポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂繊維などを加えるだけ)ので、壁土のように流動性が低く充填や塗布がし難い(集電体の単位面積における活物質量のバラツキが大きい)ペーストになる。
鉛蓄電池の正極板および負極板には、鉛や鉛合金からなる正極格子および負極格子が用いられる。これらの格子は、ストラップに接続するための耳部を有する上枠部の下に、略菱形状に開いた複数の開口部からなる網目部を有する。そして上述したペーストをこの網目部に充填することで、正極板および負極板が得られる。
鉛蓄電池の正極ペーストは上述したように他の電池系のペーストに比べて流動性が低く充填が困難である。このようなペーストを、開口部の面積が過度に小さい(網目が細かい)格子や開口部の面積が過度に大きい(網目が粗い)格子に精度よく充填するのは、非常に困難である。このような条件下で充填されたペーストからなる正極板において、単位面積当たりの活物質量(鉛粉量)は、1つの開口部の内部あるいは複数の開口部の間でばらつくことになる。
特許文献1〜4のようにDBP吸油量が大きく導電性が高いカーボンブラックを用いる(加えてリグニンの添加量を適正化する)ことで、負極板は充電受入性が向上するだけでなく、均質な導電ネットワークが形成されることで電荷移動抵抗が小さくなり、放電反応への応答性も向上する。
一方で正極板は、開口部の面積が小さすぎる場合や大きすぎる場合に活物質が均質に分布できないため、上述のように改善された負極板と比べて、電荷移動抵抗は相対的に大きくなる。
このような状況下において発明者らが知見したのは以下のことである。上述のように改善された負極板を用いた鉛蓄電池は長寿命であるが、SOCがある程度低い状態から車を長時間放置することで暗電流放電(機器のメモリ保持などに要する極めて微弱な電流による放電)があった場合、正極板の内部において活物質の分布がばらついていることが大きな影響を及ぼすことになる。これは、正極板及び負極板において、充放電反応の反応分布に偏りが発生、即ち、正極板及び負極板の特定部分に反応生成物である硫酸鉛(PbSO4)が偏って生成することが原因であることが判明した。
具体的には正極板の内部において、正極格子の重量比率が大きい(活物質の重量比率が小さい)部位の暗電流放電反応が他の部位に比べて進みやすくなり、この部位が大きな反応抵抗となることでエンジン始動ができなくなる。このような影響は、DBP吸油量が140〜340ml/gのカーボンブラックを添加して負極板の充電受入性を向上した鉛蓄電池を、暗電流放電に長時間晒すことで、初めて知見できるものである。
発明者らはこの知見を活用して、正極板の活物質ペーストを均質に充填しやすい正極格子を検討した結果、網目部における開口部の面積を1個当たり50〜100mm2、好ましくは65〜85mm2とすることで、ペーストの充填性が高く活物質の分布バラツキが小さい正極板が得られることがわかった。この検討結果を活用することで、長寿命でかつ、エンジン始動を繰り返すなどしてSOCが低下した後で暗電流放電に長時間晒してもなおエンジン始動が可能な鉛蓄電池を提供することができるようになる。
カーボンブラックのDBP吸油量が150〜200ml/gである場合に効果がさらに向上する。DBP吸油量が150ml/g以上なら負極板の充電受入性が高い上に、DBP吸油量が200ml/g以下なら活物質の構造が強固に保持できるので、寿命特性がさらに向上するからである。
また、カーボンブラックを負極活物質に対して0.05〜0.7質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%添加した場合に効果がさらに向上する。添加量が0.05質量%以上なら負極板の充電受入性が高い上に、0.7質量%以下なら活物質の構造が強固に保持できるので、寿命特性がさらに向上するからである。
さらに、電解液の液面が極板群の高さより高く極板群全体が電解液に浸っている、いわゆる液式の鉛蓄電池である場合に効果がさらに向上する。液式の鉛蓄電池はエンジン始動などの大電流放電を繰り返してSOCを低下させる機会が多い(特にアイドリングストップ車のセルスタータ用途)上に、車載時に暗電流放電される機会が多いからである。
(実施形態)
図1は実施形態に係る鉛蓄電池の要部(極板群)を示す概略図であり、図2は実施形態に係る正極格子の一例を示す概略図である。酸化鉛を主成分とする鉛粉と精製水及び希硫酸からなるペーストを正極格子に充填してなる正極板1aと、酸化鉛を主成分とする鉛粉と精製水及び希硫酸、添加剤としてカーボンブラック、硫酸バリウム、リグニンとからなるペーストを負極格子に充填してなる負極板1bとを、セパレータ1cを介して対峙させて極板群1を作製する。そして隔壁2aによって複数個のセル室3に仕切られた電槽2の各々のセル室3に極板群1を挿入した後、極板群1をストラップ4(およびこれに接続された接続部品5)と接続し、隔壁2aを介して隣接する異極性の接続部品5を接続することで、セル室3の数だけ極板群1が直列に接続された形態とする。なお異極性の接続部品5が隣接していない両端の接続部品5はそれぞれ、極柱(図示せず)と接続する。そして両端のセル室3の極柱と嵌合する1対のブッシング(図示せず)を有する蓋6で電槽2を封口し、極柱とブッシングとを溶接等で一体化することで1対の端子7を作製する。そして各々のセル室3の直上に設けた液口(図示せず)から、極板群1の高さより液面が高くなるように電解液(図示せず)を注いで液口栓6aで封口し、所定条件下で充電して、実施形態に係る鉛蓄電池を構成する。
実施形態に係る正極格子8は鉛や鉛合金からなり、接続部品5に接続するための耳部9aを有する上枠部9の下に、略菱形状に開いた複数の開口部10からなる網目部を有する。なお網目部の下に、構造を強固に保持するための下枠部をさらに設けても良い。また負極格子(図示せず)も、正極格子8と同様の構造を有する。
本実施形態は2つの特徴を有する。第1の特徴は、正極格子8の網目部における開口部10の面積を1個の開口部当たり50〜100mm2、好ましくは65〜85mm2とすることである。第2の特徴は、負極板1bに添加するカーボンブラックのDBP吸油量を140〜340ml/g、好ましくは150〜200ml/gとすることである。
鉛蓄電池の場合、リチウムイオン二次電池やニッケル水素蓄電池の場合とは異なり、鉛粉などからなるペーストに増粘剤(PVDFやCMCなど)を加えないため、壁土のように流動性が低く充填や塗布がし難い(集電体の単位面積における活物質量のバラツキが大きい)ペーストになる。このようなペーストを、開口部10の面積が過度に小さい(網目が細かい)あるいは過度に大きい(網目が粗い)格子に精度よく充填できないため、極板の単位面積当たりの活物質量(鉛粉量)は、1つの開口部10の内部あるいは複数の開口部10の間でばらつくことになる。
ところで特許文献1〜4のようにDBP吸油量が大きく導電性が高いカーボンブラックを負極板1bに添加し、加えてリグニンの添加量を適正化することで、負極板1bは充電受入性が向上するだけでなく、均質な導電ネットワークが形成されることで電荷移動抵抗が小さくなり、放電反応への応答性も向上する。
一方で正極板1aは、正極格子8における開口部10の面積が小さすぎる場合や大きすぎる場合に充填バラツキによって活物質が均質に分布できないため、上述のように改善された負極板1bと比べて、電荷移動抵抗は相対的に大きくなる。
このように改善された負極板1bを用いた鉛蓄電池は長寿命であるが、SOCがある程度低い状態から車を長時間放置することで暗電流放電があった場合、正極板1aの内部において活物質の分布がばらついていることが大きな影響を及ぼすことになる。具体的には、正極板1aの内部において正極格子8(より具体的には網目を構成する格子(ストランド))の重量比率が大きく活物質の重量比率が小さい部位の暗電流放電反応が、他の部位に比べて進みやすくなり、この部位が大きな反応抵抗となることで、再度のエンジン始動を阻害するというものである。このような影響は、DBP吸油量が140〜340ml/gのカーボンブラックを添加して負極板1bの充電受入性を向上した鉛蓄電池を、暗電流放電に長時間晒すことで、初めて知見できるものである。
そこで正極板1aの活物質ペーストを均質に充填しやすい正極格子8として、網目部における開口部10の面積を1個当たり50〜100mm2、好ましくは65〜85mm2とすることで、ペーストの充填性が高く活物質の分布バラツキが小さい正極板1aを得ることができる。この正極板1aを、DBP吸油量が140〜340ml/gのカーボンブラックを添加して作製された負極板1bと組み合わせることによって、長寿命でかつ、エンジン始動を繰り返してSOCが低下した後で暗電流放電に長時間晒しても、なおエンジン始動が可能な鉛蓄電池を提供できるようになる。
ここで、負極板1bに添加するカーボンブラックのDBP吸油量が150〜200ml/gであることが好ましい。DBP吸油量が150ml/g以上なら負極板1bの充電受入性が高い上に、DBP吸油量が200ml/g以下なら活物質の構造が強固に保持できるので、寿命特性がさらに向上するからである。
さらにカーボンブラックを、負極板1bの負極活物質に対して0.05〜0.7質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%添加することが好ましい。添加量が0.05以上なら負極板1bの充電受入性が高い上に、0.7質量%以下なら活物質の構造が強固に保持できるので、寿命特性がさらに向上するからである。
さらに図1のように、電解液の液面が極板群1の高さより高い、いわゆる液式の鉛蓄電池であることが好ましい。液式の鉛蓄電池はエンジン始動などの大電流放電を繰り返してSOCを低下させる機会が多い(特にアイドリングストップ車のセルスタータ用途)上に、車載時に暗電流放電される機会が多いので、本実施形態の効果を発揮しやすいからである。
なお本実施形態では、負極板1bに添加すべきリグニン化合物の好適量は、特許文献1〜4のように負極活物質に対して0.1〜0.6質量%に限定されない。この理由は鋭意解明中であるが、正極板1aの放電反応への応答性が第一義である本実施形態において、負極板1bの充電受入性を向上させるリグニン化合物の添加量の大小よりも、正極板1aの導電ネットワークの良否(正極格子8の網目部における開口部10の大小)の方がより支配的であるからだと考えられる。
また図2のように網目部の開口部10の面積が上枠部9から下にかけて逐次変化する(但し面積の最大値が最小値の2倍以下である)場合、その平均値を「開口部10の面積」として用いることができる。なお上枠部9と接する網目部にのみ略菱形状の半分の面積を有する開口部10が存在するが、少数のため影響が少ないことから、これらは本実施形態における「開口部10の面積」の定義から除外することになる。
開口部10の面積は、図2(b)の場合ならA×Bとして算出できる。また開口部10の面積は、鋳造法で正極格子8を作製する場合は鋳型を調整することで、エキスパンド工法で正極格子8を作製する場合は原材料である鉛合金シートに施す入刃幅(切り幅)と展開寸法を調整することで、各々自在に変化させられる。
またカーボンブラックのDBP吸油量は、1種の材料のみを用いて数値を特定する(例えばDBP吸油量が178ml/gであるキャボット製「バルカンXC−72(商標)」(以下、BKと略記))のみを用いて178ml/gとする)こともできるし、複数の材料を用いて数値を変化させる(例えばBKと、DBP吸油量が350ml/gであるライオン製「ケッチェンブラックEC(商標)」(以下、KBと略記)とを適宜混合して178〜350ml/g間の任意の値を作り出す)こともできる。
(実施例1)
鉛−カルシウム合金製の圧延シートをレシプロ方式でエキスパンド展開する際に入刃幅(切り幅)と展開寸法を調整することで、網目部における略菱形状に開いた開口部10の面積が50mm2/個である正極格子8の連続体を作製した。これに酸化鉛を主成分とする鉛粉に硫酸と精製水とで混練して作製したペーストを充填し、所定寸法に切断後乾燥させることで、耳部9aと上枠部9を有する正極板1aを作製した。
一方、鉛−錫−カルシウム合金製の圧延シートをレシプロ方式でエキスパンド展開して負極格子の連続体を作製した。この負極格子に、酸化鉛を主成分とする鉛粉に対してリグニン化合物を0.15質量%、硫酸バリウムを1.0質量%、BKとKBとを混合することでDBP吸油量の平均値を185ml/gとしたカーボンブラック0.3重量%を添加し、硫酸と精製水とで混練して作製したペーストを充填し、所定寸法に切断後乾燥させることで、耳部9aと上枠部9を有する負極板1bを作製した。
上述した正極板1aおよび負極板1bを、主としてポリエチレン樹脂からなる微孔性のセパレータ1cを介して対峙させ、極板群1を作製した。6個の極板群1を、隔壁2aによって6つのセル室3に仕切られたポリプロピレン(PP)製の電槽2の各々のセル室3に収納し、ストラップ4および接続部品5を用いて極板群1どうしを直列に接続し、両端の極板群1は一方の極性に極柱を接続した。
そしてブッシングを有するPP製の蓋6で電槽2を封口し、極柱をブッシングに嵌合して溶接で一体化して1対の端子7を作製した。さらに各々のセル室3の直上に設けた液口から、極板群1の高さより液面が高くなるように、所定の希硫酸(電解液)を注いで液口栓6aで封口し、所定条件下で充電することで、JIS D5103(始動用鉛蓄電池)に規定された80D26を作製した。
(実施例2〜5)
実施例1に対して、正極格子8の網目部における開口部10の面積を65mm2/個(実施例2)、75mm2/個(実施例3)、85mm2/個(実施例4)、100mm2/個(実施例5)としたこと以外は、全て実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(比較例1,2)
実施例1に対して、正極格子8の網目部における開口部10の面積を45mm2/個(比較例1)、110mm2/個(比較例2)としたこと以外は、全て実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(比較例3)
実施例3の正極格子8を用い、負極ペーストに添加するカーボンブラックとして、DBP吸油量が115ml/gである電気化学工業製「デンカブラック(商標)」(以下、DBと略記)とBKとを混合して用いることで、カーボンブラックのDBP吸油量の平均値を130ml/gとしたこと以外は、全て実施例3と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(実施例6〜8)
実施例3の正極格子8を用い、負極ペーストに添加するカーボンブラックとして、DBとBKとを混合して用いることで、カーボンブラックのDBP吸油量の平均値を140ml/g(実施例6)、150ml/g(実施例7)、170ml/g(実施例8)としたこと以外は、全て実施例3と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(実施例9〜11)
実施例3の正極格子8を用い、負極ペーストに添加するカーボンブラックとして、BKとKBとを混合して用いることで、カーボンブラックのDBP吸油量の平均値を200ml/g(実施例9)、270ml/g(実施例10)、340ml/g(実施例11)としたこと以外は、全て実施例3と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(比較例4)
実施例3の正極格子8を用い、負極ペーストに添加するカーボンブラックとして、KBのみ使用することで、カーボンブラックのDBP吸油量を350ml/gとしたこと以外は、全て実施例3と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(実施例12〜17)
実施例3の正極格子8を用い、負極ペーストへのカーボンブラックの添加量を酸化鉛粉(負極活物質)に対して0.03質量%(実施例12)、0.05質量%(実施例13)、0.1質量%(実施例14)、0.5質量%(実施例15)、0.7質量%(実施例16)、0.8質量%(実施例17)としたこと以外は、全て実施例3と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(実施例18)
実施例3の正極格子を用い、負極ペーストへのリグニン化合物の添加量を0.05質量%としたこと以外は、全て実施例3と同様にして鉛蓄電池を作製した。
これらの鉛蓄電池に対して、暗電流放電とエンジン始動とを想定し組み合わせた複合サイクル寿命試験を行った。具体的には、JIS D5103「軽負荷寿命試験」の4分放電を2分放電に変更して、80℃の恒温槽中で実施した。すなわち、25A放電2分と14.8V定電圧(最大電流25A)10分とを480サイクル繰返すごとに、25℃の恒温槽中で2週間0.1Aで放電させた後、490A30秒間の判定放電を行い、放電末期電圧が7.2V以下となると寿命と判定した。構成条件と結果とを(表1)に併記する。
Figure 2013073091
正極格子8の開口部10の面積が45mm2/個である比較例1と、この面積が110mm2/個である比較例2は、ともに暗電流放電後の始動性に劣る結果となった。このように、負極板1b内部の導電ネットワークが良好な場合、開口部10が過小あるいは過大であるために活物質からなるペーストの充填度合(活物質の分布)がばらつくと、低いSOCから暗電流放電した場合の耐性が低下することがわかる。
また、カーボンブラックのDBP吸油量が140ml/g未満である比較例3と、この値が340ml/gを超える比較例4は、ともに寿命特性に劣る結果となった。このように、負極の充電受入性を高めて寿命特性を向上させるには、カーボンブラックのDBP吸油量を適正範囲にする必要がある。この値が小さすぎると負極板1b内部の導電ネットワークが不足し、大きすぎると負極板1b内部の活物質保持力が低下するからである。
これら比較例に対して、開口部10の面積が50〜100mm2/個でありかつカーボンブラックのDBP吸油量が140〜340ml/gである各実施例は、寿命特性、暗電流放電後の始動性ともに良好な結果となった。この効果は、開口部10の面積が65〜85mm2/個でありかつカーボンブラックのDBP吸油量が150〜200ml/gである場合に著しい。
カーボンブラックの添加量については、寿命特性の結果と照合すれば、負極活物質に対して0.05〜0.7質量%であれば好ましく、0.1〜0.5質量%であればなお好ましいことがわかる。添加量による寿命特性への影響は、カーボンブラックのDBP吸油量の値の大小と同じメカニズムであると推察できる。
一方、リグニン化合物の添加量が負極活物質に対して0.15質量%である実施例3と0.05質量%である実施例18とでは、暗電流放電後の始動性が同じレベルである。すなわち本実施形態では、正極板1aと負極板1bとの導電ネットワークのバランスを調整することが第一義であり、これとは直接関係がない(充電受入性のみに効果を発揮する)リグニン化合物の影響を受け難いことがわかる。
本発明の鉛蓄電池は、車載のセルスタータ用途を中心に、広範に採用できるので、工業上、極めて有用である。
1 極板群
1a 正極板
1b 負極板
1c セパレータ
2 電槽
2a 隔壁
2b 側壁
3 セル室
4 ストラップ
5 接続部品
6 蓋
6a 液口栓
7 端子
8 正極格子
9 上枠部
9a 耳部
10 開口部
本発明は鉛蓄電池に関するものであって、特に鉛の酸化物を主成分とする粉末を含有するペーストを正極格子に充填してなる正極板と、鉛の酸化物を主成分とする粉末とカーボンブラックとを含有するペーストを負極格子に充填してなる負極板とを、セパレータを介して対峙させて極板群とした鉛蓄電池に関する。
安価で耐久性の高い鉛蓄電池は、自動車用のセルスタータとして、安定した需要がある。この鉛蓄電池は、鉛粉からなるペーストを正極格子に充填してなる正極板と、鉛粉とカーボンブラックとからなるペーストを負極格子に充填してなる負極板とを、セパレータを介して対峙させて極板群を構成し、この極板群を複数個のセル室からなる電槽に各々挿入した後で隣接する極板群を直列に接続し、電解液を極板群の高さより液面が高くなるように注いで、蓋により封口することで提供される。
鉛蓄電池を長寿命化する方法として、負極板にカーボンブラックのような導電剤を添加して負極板の充電受入性を高める方法が採られることが多い。このとき導電性を支配するのは、カーボンブラックの表面積とその添加量である。カーボンブラックの表面積の大小を表す尺度としては、DBP(フタル酸ジブチル)吸油量を用いることが多い。
特許文献1〜4には、DBP吸油量(あるいは比表面積)が大きいカーボンブラックを負極板に添加することで鉛蓄電池を長寿命化できることが記載されている。特に特許文献2や4には、DBP吸油量が100〜300ml/100gあるいは450〜550ml/100gであるカーボンブラックと負極活物質に対して0.1〜0.6質量%程度のリグニン化合物とを併用することで、負極の充電受入性が向上することが詳述されている。
特開平05−174825号公報 特開2002−063905号公報 特開2006−196191号公報 特開2007−273367号公報
しかし特許文献1〜4の技術を導入しても、SOCがある程度低い状態で車を長い間放置した後などにおいてエンジンを始動できないなど、特定条件下では鉛蓄電池を有効に使用できないことがわかってきた。本発明はこの課題を解決するためのものであって、長時間放置した後でも車のエンジンを始動させられる、過酷な条件下での放電特性に優れた鉛蓄電池を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するために、本発明の鉛蓄電池は、鉛の酸化物を主成分とする粉末を含有するペーストを正極格子に充填してなる正極板と、鉛の酸化物を主成分とする粉末とカーボンブラックとを含有するペーストを負極格子に充填してなる負極板とを、セパレータを介して対峙させて極板群とした鉛蓄電池であって、前記正極格子における略菱形状に開いた開口部の面積が50mm2/個以上100mm2/個以下であって、前記カーボンブラックのDBP吸油量が140ml/100g以上340ml/100g以下であることを特徴とする。
DBP吸油量は、JIS K6221(1982)6.1.2.A法に従って測定することができる。また、主成分とはその成分が50%以上を占めていることを意味する。略菱形状とは、厳密な菱形の形状のみではなくエキスパンドメタルにおいて菱形と称している形状を含み、エキスパンドメタルにおけるボンド部分を辺ではなく角と捉えた形状を意味する。
前記正極格子における略菱形状に開いた開口部の面積を65mm2/個以上85mm2/個以下としてもよい。
前記カーボンブラックのDBP吸油量を150ml/100g以上200ml/100g以下としてもよい。
前記カーボンブラックを、負極活物質に対して0.05質量%以上0.7質量%以下添加してもよい。
前記カーボンブラックを、負極活物質に対して0.1質量%以上0.5質量%以下添加してもよい。
電解液の液面を前記極板群の高さより高くしてもよい。
本発明を用いれば、長寿命であるだけでなく、エンジン始動を繰り返した後に長時間放置しても、さらにエンジン始動が可能な、過酷な条件下での放電特性に優れた車載用の鉛蓄電池を提供することができるようになる。
実施形態に係る鉛蓄電池の要部を示す概略図。 (a)実施形態に係る正極格子の一例を示す概略図、(b)正極格子の一部を拡大した図。
実施の形態について説明する前に、本発明に至った経緯について説明をする。
DBP吸油量が大きい(導電性が高い)カーボンブラックを負極板に適量添加することで、確かに負極板の充電受入性は向上し鉛蓄電池は長寿命化する。しかし一方で、無作為に作製した正極板と組み合わせて鉛蓄電池を構成しても、SOCがある程度低い状態で長時間放置した後に車を始動させることができないなど、特殊で過酷な条件下では満足した放電特性が得られないことがわかった。発明者らは鋭意検討した結果、この不具合の原因を解明し、本発明を想到するに至った。以下にそのメカニズムなどを詳述する。
リチウムイオン二次電池やニッケル水素蓄電池の場合、活物質からなるペーストに増粘剤(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やカルボキシメチルセルロース(CMC)など)を加えるため、流動性が高く充填や塗布がし易い(集電体の単位面積における活物質量のバラツキが小さい)ペーストが得られる。ところが鉛蓄電池の正極板の場合、酸化鉛を主成分とする鉛粉と精製水、希硫酸からなるペーストには増粘剤を加えない(アクリル樹脂繊維、またはポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂繊維などを加えるだけ)ので、壁土のように流動性が低く充填や塗布がし難い(集電体の単位面積における活物質量のバラツキが大きい)ペーストになる。
鉛蓄電池の正極板および負極板には、鉛や鉛合金からなる正極格子および負極格子が用いられる。これらの格子は、ストラップに接続するための耳部を有する上枠部の下に、略菱形状に開いた複数の開口部からなる網目部を有する。そして上述したペーストをこの網目部に充填することで、正極板および負極板が得られる。
鉛蓄電池の正極ペーストは上述したように他の電池系のペーストに比べて流動性が低く充填が困難である。このようなペーストを、開口部の面積が過度に小さい(網目が細かい)格子や開口部の面積が過度に大きい(網目が粗い)格子に精度よく充填するのは、非常に困難である。このような条件下で充填されたペーストからなる正極板において、単位面積当たりの活物質量(鉛粉量)は、1つの開口部の内部あるいは複数の開口部の間でばらつくことになる。
特許文献1〜4のようにDBP吸油量が大きく導電性が高いカーボンブラックを用いる(加えてリグニンの添加量を適正化する)ことで、負極板は充電受入性が向上するだけでなく、均質な導電ネットワークが形成されることで電荷移動抵抗が小さくなり、放電反応への応答性も向上する。
一方で正極板は、開口部の面積が小さすぎる場合や大きすぎる場合に活物質が均質に分布できないため、上述のように改善された負極板と比べて、電荷移動抵抗は相対的に大きくなる。
このような状況下において発明者らが知見したのは以下のことである。上述のように改善された負極板を用いた鉛蓄電池は長寿命であるが、SOCがある程度低い状態から車を長時間放置することで暗電流放電(機器のメモリ保持などに要する極めて微弱な電流による放電)があった場合、正極板の内部において活物質の分布がばらついていることが大きな影響を及ぼすことになる。これは、正極板及び負極板において、充放電反応の反応分布に偏りが発生、即ち、正極板及び負極板の特定部分に反応生成物である硫酸鉛(PbSO4)が偏って生成することが原因であることが判明した。
具体的には正極板の内部において、正極格子の重量比率が大きい(活物質の重量比率が小さい)部位の暗電流放電反応が他の部位に比べて進みやすくなり、この部位が大きな反応抵抗となることでエンジン始動ができなくなる。このような影響は、DBP吸油量が140〜340ml/100gのカーボンブラックを添加して負極板の充電受入性を向上した鉛蓄電池を、暗電流放電に長時間晒すことで、初めて知見できるものである。
発明者らはこの知見を活用して、正極板の活物質ペーストを均質に充填しやすい正極格子を検討した結果、網目部における開口部の面積を1個当たり50〜100mm2、好ましくは65〜85mm2とすることで、ペーストの充填性が高く活物質の分布バラツキが小さい正極板が得られることがわかった。この検討結果を活用することで、長寿命でかつ、エンジン始動を繰り返すなどしてSOCが低下した後で暗電流放電に長時間晒してもなおエンジン始動が可能な鉛蓄電池を提供することができるようになる。
カーボンブラックのDBP吸油量が150〜200ml/100gである場合に効果がさらに向上する。DBP吸油量が150ml/100g以上なら負極板の充電受入性が高い上に、DBP吸油量が200ml/100g以下なら活物質の構造が強固に保持できるので、寿命特性がさらに向上するからである。
また、カーボンブラックを負極活物質に対して0.05〜0.7質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%添加した場合に効果がさらに向上する。添加量が0.05質量%以上なら負極板の充電受入性が高い上に、0.7質量%以下なら活物質の構造が強固に保持できるので、寿命特性がさらに向上するからである。
さらに、電解液の液面が極板群の高さより高く極板群全体が電解液に浸っている、いわゆる液式の鉛蓄電池である場合に効果がさらに向上する。液式の鉛蓄電池はエンジン始動などの大電流放電を繰り返してSOCを低下させる機会が多い(特にアイドリングストップ車のセルスタータ用途)上に、車載時に暗電流放電される機会が多いからである。
(実施形態)
図1は実施形態に係る鉛蓄電池の要部(極板群)を示す概略図であり、図2は実施形態に係る正極格子の一例を示す概略図である。酸化鉛を主成分とする鉛粉と精製水及び希硫酸からなるペーストを正極格子に充填してなる正極板1aと、酸化鉛を主成分とする鉛粉と精製水及び希硫酸、添加剤としてカーボンブラック、硫酸バリウム、リグニンとからなるペーストを負極格子に充填してなる負極板1bとを、セパレータ1cを介して対峙させて極板群1を作製する。そして隔壁2aによって複数個のセル室3に仕切られた電槽2の各々のセル室3に極板群1を挿入した後、極板群1をストラップ4(およびこれに接続された接続部品5)と接続し、隔壁2aを介して隣接する異極性の接続部品5を接続することで、セル室3の数だけ極板群1が直列に接続された形態とする。なお異極性の接続部品5が隣接していない両端の接続部品5はそれぞれ、極柱(図示せず)と接続する。そして両端のセル室3の極柱と嵌合する1対のブッシング(図示せず)を有する蓋6で電槽2を封口し、極柱とブッシングとを溶接等で一体化することで1対の端子7を作製する。そして各々のセル室3の直上に設けた液口(図示せず)から、極板群1の高さより液面が高くなるように電解液(図示せず)を注いで液口栓6aで封口し、所定条件下で充電して、実施形態に係る鉛蓄電池を構成する。
実施形態に係る正極格子8は鉛や鉛合金からなり、接続部品5に接続するための耳部9aを有する上枠部9の下に、略菱形状に開いた複数の開口部10からなる網目部を有する。なお網目部の下に、構造を強固に保持するための下枠部をさらに設けても良い。また負極格子(図示せず)も、正極格子8と同様の構造を有する。
本実施形態は2つの特徴を有する。第1の特徴は、正極格子8の網目部における開口部10の面積を1個の開口部当たり50〜100mm2、好ましくは65〜85mm2とすることである。第2の特徴は、負極板1bに添加するカーボンブラックのDBP吸油量を140〜340ml/100g、好ましくは150〜200ml/100gとすることである。
鉛蓄電池の場合、リチウムイオン二次電池やニッケル水素蓄電池の場合とは異なり、鉛粉などからなるペーストに増粘剤(PVDFやCMCなど)を加えないため、壁土のように流動性が低く充填や塗布がし難い(集電体の単位面積における活物質量のバラツキが大きい)ペーストになる。このようなペーストを、開口部10の面積が過度に小さい(網目が細かい)あるいは過度に大きい(網目が粗い)格子に精度よく充填できないため、極板の単位面積当たりの活物質量(鉛粉量)は、1つの開口部10の内部あるいは複数の開口部10の間でばらつくことになる。
ところで特許文献1〜4のようにDBP吸油量が大きく導電性が高いカーボンブラックを負極板1bに添加し、加えてリグニンの添加量を適正化することで、負極板1bは充電受入性が向上するだけでなく、均質な導電ネットワークが形成されることで電荷移動抵抗が小さくなり、放電反応への応答性も向上する。
一方で正極板1aは、正極格子8における開口部10の面積が小さすぎる場合や大きすぎる場合に充填バラツキによって活物質が均質に分布できないため、上述のように改善された負極板1bと比べて、電荷移動抵抗は相対的に大きくなる。
このように改善された負極板1bを用いた鉛蓄電池は長寿命であるが、SOCがある程度低い状態から車を長時間放置することで暗電流放電があった場合、正極板1aの内部において活物質の分布がばらついていることが大きな影響を及ぼすことになる。具体的には、正極板1aの内部において正極格子8(より具体的には網目を構成する格子(ストランド))の重量比率が大きく活物質の重量比率が小さい部位の暗電流放電反応が、他の部位に比べて進みやすくなり、この部位が大きな反応抵抗となることで、再度のエンジン始動を阻害するというものである。このような影響は、DBP吸油量が140〜340ml/100gのカーボンブラックを添加して負極板1bの充電受入性を向上した鉛蓄電池を、暗電流放電に長時間晒すことで、初めて知見できるものである。
そこで正極板1aの活物質ペーストを均質に充填しやすい正極格子8として、網目部における開口部10の面積を1個当たり50〜100mm2、好ましくは65〜85mm2とすることで、ペーストの充填性が高く活物質の分布バラツキが小さい正極板1aを得ることができる。この正極板1aを、DBP吸油量が140〜340ml/100gのカーボンブラックを添加して作製された負極板1bと組み合わせることによって、長寿命でかつ、エンジン始動を繰り返してSOCが低下した後で暗電流放電に長時間晒しても、なおエンジン始動が可能な鉛蓄電池を提供できるようになる。
ここで、負極板1bに添加するカーボンブラックのDBP吸油量が150〜200ml/100gであることが好ましい。DBP吸油量が150ml/100g以上なら負極板1bの充電受入性が高い上に、DBP吸油量が200ml/100g以下なら活物質の構造が強固に保持できるので、寿命特性がさらに向上するからである。
さらにカーボンブラックを、負極板1bの負極活物質に対して0.05〜0.7質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%添加することが好ましい。添加量が0.05以上なら負極板1bの充電受入性が高い上に、0.7質量%以下なら活物質の構造が強固に保持できるので、寿命特性がさらに向上するからである。
さらに図1のように、電解液の液面が極板群1の高さより高い、いわゆる液式の鉛蓄電池であることが好ましい。液式の鉛蓄電池はエンジン始動などの大電流放電を繰り返してSOCを低下させる機会が多い(特にアイドリングストップ車のセルスタータ用途)上に、車載時に暗電流放電される機会が多いので、本実施形態の効果を発揮しやすいからである。
なお本実施形態では、負極板1bに添加すべきリグニン化合物の好適量は、特許文献1〜4のように負極活物質に対して0.1〜0.6質量%に限定されない。この理由は鋭意解明中であるが、正極板1aの放電反応への応答性が第一義である本実施形態において、負極板1bの充電受入性を向上させるリグニン化合物の添加量の大小よりも、正極板1aの導電ネットワークの良否(正極格子8の網目部における開口部10の大小)の方がより支配的であるからだと考えられる。
また図2のように網目部の開口部10の面積が上枠部9から下にかけて逐次変化する(但し面積の最大値が最小値の2倍以下である)場合、その平均値を「開口部10の面積」として用いることができる。なお上枠部9と接する網目部にのみ略菱形状の半分の面積を有する開口部10が存在するが、少数のため影響が少ないことから、これらは本実施形態における「開口部10の面積」の定義から除外することになる。
開口部10の面積は、図2(b)の場合ならA×Bとして算出できる。また開口部10の面積は、鋳造法で正極格子8を作製する場合は鋳型を調整することで、エキスパンド工法で正極格子8を作製する場合は原材料である鉛合金シートに施す入刃幅(切り幅)と展開寸法を調整することで、各々自在に変化させられる。
またカーボンブラックのDBP吸油量は、1種の材料のみを用いて数値を特定する(例えばDBP吸油量が178ml/100gであるキャボット製「バルカンXC−72(商標)」(以下、BKと略記))のみを用いて178ml/100gとする)こともできるし、複数の材料を用いて数値を変化させる(例えばBKと、DBP吸油量が350ml/100gであるライオン製「ケッチェンブラックEC(商標)」(以下、KBと略記)とを適宜混合して178〜350ml/100g間の任意の値を作り出す)こともできる。
(実施例1)
鉛−カルシウム合金製の圧延シートをレシプロ方式でエキスパンド展開する際に入刃幅(切り幅)と展開寸法を調整することで、網目部における略菱形状に開いた開口部10の面積が50mm2/個である正極格子8の連続体を作製した。これに酸化鉛を主成分とする鉛粉に硫酸と精製水とで混練して作製したペーストを充填し、所定寸法に切断後乾燥させることで、耳部9aと上枠部9を有する正極板1aを作製した。
一方、鉛−錫−カルシウム合金製の圧延シートをレシプロ方式でエキスパンド展開して負極格子の連続体を作製した。この負極格子に、酸化鉛を主成分とする鉛粉に対してリグニン化合物を0.15質量%、硫酸バリウムを1.0質量%、BKとKBとを混合することでDBP吸油量の平均値を185ml/100gとしたカーボンブラック0.3重量%を添加し、硫酸と精製水とで混練して作製したペーストを充填し、所定寸法に切断後乾燥させることで、耳部9aと上枠部9を有する負極板1bを作製した。
上述した正極板1aおよび負極板1bを、主としてポリエチレン樹脂からなる微孔性のセパレータ1cを介して対峙させ、極板群1を作製した。6個の極板群1を、隔壁2aによって6つのセル室3に仕切られたポリプロピレン(PP)製の電槽2の各々のセル室3に収納し、ストラップ4および接続部品5を用いて極板群1どうしを直列に接続し、両端の極板群1は一方の極性に極柱を接続した。
そしてブッシングを有するPP製の蓋6で電槽2を封口し、極柱をブッシングに嵌合して溶接で一体化して1対の端子7を作製した。さらに各々のセル室3の直上に設けた液口から、極板群1の高さより液面が高くなるように、所定の希硫酸(電解液)を注いで液口栓6aで封口し、所定条件下で充電することで、JIS D5103(始動用鉛蓄電池)に規定された80D26を作製した。
(実施例2〜5)
実施例1に対して、正極格子8の網目部における開口部10の面積を65mm2/個(実施例2)、75mm2/個(実施例3)、85mm2/個(実施例4)、100mm2/個(実施例5)としたこと以外は、全て実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(比較例1,2)
実施例1に対して、正極格子8の網目部における開口部10の面積を45mm2/個(比較例1)、110mm2/個(比較例2)としたこと以外は、全て実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(比較例3)
実施例3の正極格子8を用い、負極ペーストに添加するカーボンブラックとして、DBP吸油量が115ml/100gである電気化学工業製「デンカブラック(商標)」(以下、DBと略記)とBKとを混合して用いることで、カーボンブラックのDBP吸油量の平均値を130ml/100gとしたこと以外は、全て実施例3と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(実施例6〜8)
実施例3の正極格子8を用い、負極ペーストに添加するカーボンブラックとして、DBとBKとを混合して用いることで、カーボンブラックのDBP吸油量の平均値を140ml/100g(実施例6)、150ml/100g(実施例7)、170ml/100g(実施例8)としたこと以外は、全て実施例3と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(実施例9〜11)
実施例3の正極格子8を用い、負極ペーストに添加するカーボンブラックとして、BKとKBとを混合して用いることで、カーボンブラックのDBP吸油量の平均値を200ml/100g(実施例9)、270ml/100g(実施例10)、340ml/100g(実施例11)としたこと以外は、全て実施例3と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(比較例4)
実施例3の正極格子8を用い、負極ペーストに添加するカーボンブラックとして、KBのみ使用することで、カーボンブラックのDBP吸油量を350ml/100gとしたこと以外は、全て実施例3と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(実施例12〜17)
実施例3の正極格子8を用い、負極ペーストへのカーボンブラックの添加量を酸化鉛粉(負極活物質)に対して0.03質量%(実施例12)、0.05質量%(実施例13)、0.1質量%(実施例14)、0.5質量%(実施例15)、0.7質量%(実施例16)、0.8質量%(実施例17)としたこと以外は、全て実施例3と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(実施例18)
実施例3の正極格子を用い、負極ペーストへのリグニン化合物の添加量を0.05質量%としたこと以外は、全て実施例3と同様にして鉛蓄電池を作製した。
これらの鉛蓄電池に対して、暗電流放電とエンジン始動とを想定し組み合わせた複合サイクル寿命試験を行った。具体的には、JIS D5103「軽負荷寿命試験」の4分放電を2分放電に変更して、80℃の恒温槽中で実施した。すなわち、25A放電2分と14.8V定電圧(最大電流25A)10分とを480サイクル繰返すごとに、25℃の恒温槽中で2週間0.1Aで放電させた後、490A30秒間の判定放電を行い、放電末期電圧が7.2V以下となると寿命と判定した。構成条件と結果とを(表1)に併記する。
Figure 2013073091
正極格子8の開口部10の面積が45mm2/個である比較例1と、この面積が110mm2/個である比較例2は、ともに暗電流放電後の始動性に劣る結果となった。このように、負極板1b内部の導電ネットワークが良好な場合、開口部10が過小あるいは過大であるために活物質からなるペーストの充填度合(活物質の分布)がばらつくと、低いSOCから暗電流放電した場合の耐性が低下することがわかる。
また、カーボンブラックのDBP吸油量が140ml/100g未満である比較例3と、この値が340ml/100gを超える比較例4は、ともに寿命特性に劣る結果となった。このように、負極の充電受入性を高めて寿命特性を向上させるには、カーボンブラックのDBP吸油量を適正範囲にする必要がある。この値が小さすぎると負極板1b内部の導電ネットワークが不足し、大きすぎると負極板1b内部の活物質保持力が低下するからである。
これら比較例に対して、開口部10の面積が50〜100mm2/個でありかつカーボンブラックのDBP吸油量が140〜340ml/100gである各実施例は、寿命特性、暗電流放電後の始動性ともに良好な結果となった。この効果は、開口部10の面積が65〜85mm2/個でありかつカーボンブラックのDBP吸油量が150〜200ml/100gである場合に著しい。
カーボンブラックの添加量については、寿命特性の結果と照合すれば、負極活物質に対して0.05〜0.7質量%であれば好ましく、0.1〜0.5質量%であればなお好ましいことがわかる。添加量による寿命特性への影響は、カーボンブラックのDBP吸油量の値の大小と同じメカニズムであると推察できる。
一方、リグニン化合物の添加量が負極活物質に対して0.15質量%である実施例3と0.05質量%である実施例18とでは、暗電流放電後の始動性が同じレベルである。すなわち本実施形態では、正極板1aと負極板1bとの導電ネットワークのバランスを調整することが第一義であり、これとは直接関係がない(充電受入性のみに効果を発揮する)リグニン化合物の影響を受け難いことがわかる。
本発明の鉛蓄電池は、車載のセルスタータ用途を中心に、広範に採用できるので、工業上、極めて有用である。
1 極板群
1a 正極板
1b 負極板
1c セパレータ
2 電槽
2a 隔壁
2b 側壁
3 セル室
4 ストラップ
5 接続部品
6 蓋
6a 液口栓
7 端子
8 正極格子
9 上枠部
9a 耳部
10 開口部

Claims (6)

  1. 鉛の酸化物を主成分とする粉末を含有するペーストを正極格子に充填してなる正極板と、鉛の酸化物を主成分とする粉末とカーボンブラックとを含有するペーストを負極格子に充填してなる負極板とを、セパレータを介して対峙させて極板群とした鉛蓄電池であって、
    前記正極格子における略菱形状に開いた開口部の面積が50mm2/個以上100mm2/個以下であって、
    前記カーボンブラックのDBP吸油量が140ml/g以上340ml/g以下であることを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 前記正極格子における略菱形状に開いた開口部の面積が65mm2/個以上85mm2/個以下であることを特徴とする、請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 前記カーボンブラックのDBP吸油量が150ml/g以上200ml/g以下であることを特徴とする、請求項1に記載の鉛蓄電池。
  4. 前記カーボンブラックを、負極活物質に対して0.05質量%以上0.7質量%以下添加したことを特徴とする、請求項1に記載の鉛蓄電池。
  5. 前記カーボンブラックを、負極活物質に対して0.1質量%以上0.5質量%以下添加したことを特徴とする、請求項4に記載の鉛蓄電池。
  6. 電解液の液面が、前記極板群の高さより高いことを特徴とする、請求項1に記載の鉛蓄電池。
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