JPWO2013061552A1 - 座具及び椅子 - Google Patents

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Abstract

着座する者の着座姿勢を自然に良好なものとし、かつ、快適に着座することのできる座具及び椅子を提供する。本発明の座具1は、座板3を備え、座板3は、第一座面21と、第一座面21から連続して座具の前方向に延びる第二座面22と、を備え、第二座面22は、第一座面側の端面221により、第一座面21よりも高い位置に段差を形成し、第一座面21で着座者の臀部を支え、第二座面22で着座者の大腿上部を支える際に、段差により着座者の坐骨が前方へ移動することを規制し、第一座面21は、座具の左右方向における座板3の全長に渡って、段差に妨げられることなく延びている。

Description

本発明は、座具及び椅子に関するものである。
パーソナルコンピュータの普及に伴い、事務作業に従事する者をはじめとして、労働者の多くは長時間のデスクワークを強いられる状況にある。このような背景から、近年では、腰痛や腰等への慢性的な疲労を訴える者が少なくない。こうした腰痛や腰等への慢性的な疲労は、作業中の着座姿勢に起因するものが多い。このことを、図面を参照しながら説明する。図17の(a)及び(b)は、椅子に着座したときの作業者の骨格の一部を示す模式図である。なお、図17の(a)及び(b)では、説明を簡略化するために、椅子7の脚部の記載を省略した。
図17(a)は、作業者の理想的な姿勢を示している。このとき、骨盤91は、座板71及び背板73によって支えられており、起立した状態となる。これにより、背骨92は、人体が起立しているときと同様なS字カーブを描くことになり、骨盤91や背骨92への負担は少なくなる。こうした背骨92のS字カーブを維持したまま作業を続けることができれば、作業者の腰痛や腰等への慢性的な疲労をかなり低減させることができる。
しかしながら、このような理想的な姿勢を長時間維持することは難しく、作業を長時間続けるうちに、作業者の骨盤91は、図17(b)に示すように自然と前方へ滑っていき、寝た状態となる。この状態では、背骨92が背板73に押さえつけられた状態になり、背骨92はS字カーブを維持することができない。こうした姿勢を長時間続けると、骨盤91や背骨92に過度の負担がかかり、腰痛や腰等への慢性的な疲労の原因となる。作業者が図17(a)に示す状態で着座することを常に意識していれば、図17(b)に示すような姿勢になることを防止できようが、作業者は自分の作業に没頭するあまり、気がつけば図17(b)に示す姿勢となっていることが現実である。
特許文献1には、座板と背板とを同時に後方へ傾斜させることのできる椅子が提案されている。こうした椅子によれば、座板と背板とを後方へ傾斜させることにより、重力の働きによって骨盤が背板に押し付けられて起立した状態となって、疲労を減らすことが可能である。
特開平10−57178号公報
しかしながら、椅子の座板と背板とを同時に後方へ傾斜させて着座することにより骨盤を起立した状態にできたとしても、このとき背骨は、背板に押し付けられた状態になるので、人体が起立しているときのような自然なS字カーブを維持することは困難である。このため、作業者は、そのような姿勢を長く維持することができずに、いずれ疲労を覚えることになる。また、このような椅子を使用すると、作業者がその正面にあるディスプレイを正視するために首に過度の負担がかかるといった副作用もある。他方、特に幼稚園や小学校といった初等教育の現場では、骨格が発達途上にある園児や児童を姿勢良く着座させることが望ましいとされるが、現実には、園児や児童に良好な姿勢を長時間維持させることは大変難しい。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、着座する者の着座姿勢を自然に良好なものとし、かつ、快適に着座することのできる座具及び椅子を提供することを課題とする。
上記課題を達成するための本発明の要旨構成は、次の通りである。
本発明の座具は、
座板を備えた座具において、
前記座板は、
第一座面と、
前記第一座面から連続して座具の前方向に延びる第二座面と、
を備え、
前記第二座面は、前記第一座面側の端面により、前記第一座面よりも高い位置に段差を形成し、
前記第一座面で着座者の臀部を支え、前記第二座面で着座者の大腿上部を支える際に、前記段差により着座者の坐骨が前方へ移動することを規制し、
前記第一座面は、座具の左右方向における前記座板の全長に渡って、前記段差に妨げられることなく延びていることを特徴とする。
上記本発明の座具によれば、段差により着座者の坐骨が前方へ移動することが規制されるので、着座者の着座姿勢を自然に良好なものとすることができる。
また、第一座面が、座具の左右方向における座板の全長に渡って、段差に妨げられることなく延びているので、段差は着座者の臀部の左右両側を圧迫せず第一座面で着座者の臀部を支えることとなる結果、着座者は臀部に圧迫感を感じることなく快適に着座することができる。
本発明の座具においては、
前記第二座面の前記第一座面側の端面が、平面視したときに、座具の前方向に凸となるように湾曲又は屈曲して形成されていることが好ましい。
この構成によれば、着座者の個人差によって微妙に異なる坐骨位置の違いを吸収して、より効果的に着座者の着座姿勢を良好にすることができるとともに、平面視で段差が坐骨の輪郭形状により沿ったものとなるために、着座者がより快適に着座することができる。
また、本発明の座具においては、
前記第一座面側の端面を除く前記第二座面の、座具の左右方向の中央領域を除く領域の、座具の前後方向の最大長さが、前記第一座面の、座具の前後方向の最大長さより短いことが好ましい。
この構成によれば、着座者の大腿上部が広く第二座面に押し付けられることを回避して、着座者が長時間快適に着座することができるとともに、座具を極めてコンパクトに構成することができる。
さらに、本発明の座具においては、
前記第一座面の、座具の前後方向の最大長さが70mm以上250mm以下であり、前記第一座面側の端面を除く前記第二座面の、座具の左右方向の中央領域を除く領域の、座具の前後方向の最大長さが150mm以下であることが好ましい。
この構成によれば、第一座面の好適な大きさにより、着座者の臀部が第一座面上に載置され得るような大きさを確保し、座具が前方に移動するのを抑制しつつ、着座者の着座姿勢を良好にすることができる。また、着座者の大腿上部が広く第二座面に押し付けられることを回避して、着座者が長時間快適に着座することができるとともに、座具を極めてコンパクトに構成することができる。
本発明の座具の好適例は、
前記座板の前記第一座面側の端部から延びるとともに、少なくとも一部分で前記座板に対して略直角に延びる背板をさらに備える。
この構成によれば、着座者の仙骨を当接すべき、座具を載置すべき水平面に対して略直角に延在する壁面が存在しない場合でも、着座者の着座姿勢を良好にすることができる。
本発明の座具の他の好適例は、
前記座板を支持する支持体をさらに備え、
前記支持体は、前記座板が載置される底板と、該底板の前記座板の前記第一座面側の端部から延びるとともに、少なくとも一部分で前記底板に対して略直角に延びる背板とを有する。
この構成によれば、着座者の仙骨を当接すべき、座具を載置すべき水平面に対して略直角に延在する壁面が存在しない場合でも、着座者の着座姿勢を良好にすることができるとともに、座板と支持体とを別体に構成すれば、着座者の個人差によって微妙に異なる骨盤の大きさを吸収して、より効果的に着座者の着座姿勢を良好にすることができる。
本発明の椅子は、
座板、背板、及び脚部を備えた椅子において、
前記座板は、
第一座面と、
前記第一座面から連続して椅子の前方向に延びる第二座面と、
を備え、
前記背板の、前記座板側に位置する前面が、少なくとも一部分で、前記第一座面に対して略直角に延び、
前記第二座面は、前記第一座面側の端面により、前記第一座面よりも高い位置に段差を形成し、
前記第一座面で着座者の臀部を支え、前記第二座面で着座者の大腿上部を支える際に、前記段差により着座者の坐骨が前方へ移動することを規制するとともに、前記背板の前記前面により着座者の仙骨が後方へ移動することを規制し、
前記第一座面は、椅子の左右方向における前記座板の全長に渡って、前記段差に妨げられることなく延びており、
前記第二座面の前記第一座面側の端面が、平面視したときに、椅子の前方向に凸となるように湾曲又は屈曲して形成されていることを特徴とする。
上記本発明の椅子によれば、段差により着座者の坐骨が前方へ移動することが規制されるので、着座者の着座姿勢を自然に良好なものとすることができる。
また、第一座面が、椅子の左右方向における座板の全長に渡って、段差に妨げられることなく延びているので、段差は着座者の臀部の左右両側を圧迫せず第一座面で着座者の臀部を支えることとなる結果、着座者は臀部に圧迫感を感じることなく快適に着座することができる。
さらに、第二座面の第一座面側の端面が、平面視したときに、椅子の前方向に凸となるように湾曲又は屈曲して形成されているので、着座者の個人差によって微妙に異なる坐骨位置の違いを吸収して、効果的に着座者の着座姿勢を良好にすることができるとともに、平面視で段差が坐骨の輪郭形状に沿ったものとなるために、着座者が快適に着座することができる。
本発明の他の椅子は、
座板、背板、及び脚部を備えた椅子において、
前記座板は、
第一座面と、
前記第一座面から連続して椅子の前方向に延びる第二座面と、
を備え、
前記背板の、前記座板側に位置する前面が、少なくとも一部分で、前記第一座面に対して略直角に延び、
前記第二座面は、前記第一座面側の端面により、前記第一座面よりも高い位置に段差を形成し、
前記第一座面で着座者の臀部を支え、前記第二座面で着座者の大腿上部を支える際に、前記段差により着座者の坐骨が前方へ移動することを規制するとともに、前記背板の前記前面により着座者の仙骨が後方へ移動することを規制し、
前記第一座面は、椅子の左右方向における前記座板の全長に渡って、前記段差に妨げられることなく延びており、
前記第一座面の、椅子の前後方向の最大長さが70mm以上250mm以下であり、前記第一座面側の端面を除く前記第二座面の、椅子の左右方向の中央領域を除く領域の、椅子の前後方向の最大長さが150mm以下であることを特徴とする。
この本発明の他の椅子によれば、第一座面の好適な大きさにより、着座者の臀部が第一座面上に載置され得るような大きさを確保しつつ、着座者の着座姿勢を良好にすることができる。また、着座者の大腿上部が広く第二座面に押し付けられることを回避して、着座者が長時間快適に着座することができるとともに、椅子を極めてコンパクトに構成することができる。
本発明によれば、着座する者の着座姿勢を自然に良好なものとし、かつ、快適に着座することのできる座具及び椅子を提供することができる。
本発明の座具の第一実施形態を示す斜視図である。 図1の座具の使用態様を示す、図1におけるA−A線断面図である。 本発明の座具の第二実施形態を示す斜視図である。 本発明の座具の第三実施形態を示す斜視図である。 本発明の座具の第四実施形態を示す斜視図である。 本発明の座具の第五実施形態を示す斜視図である。 本発明の座具の第六実施形態を示す斜視図である。 本発明の座具の第七実施形態を示す斜視図である。 本発明の座具の第八実施形態を示す斜視図である。 本発明の座具の第九実施形態を示す斜視図である。 本発明の座具の第十実施形態を、その使用態様例とともに示す斜視図である。 図12(a)は本発明の座具の第十一実施形態を示す斜視図であり、図12(b)は図12(a)の座具のC−C線断面図である。 本発明の椅子及び本発明の他の椅子の第一実施形態を示す斜視図である。 図13の椅子に人体が着座した様子を示す、図13におけるB−B線断面図である。 本発明の椅子及び本発明の他の椅子の第二実施形態を示す斜視図である。 本発明の椅子及び本発明の他の椅子の第三実施形態を示す斜視図である。 従来の椅子に人体が着座した様子を模式的に示す縦断面図であり、(a)は、人体が良好な姿勢を保った状態を示す縦断面図であり、(b)は、人体の姿勢が崩れた状態を示す縦断面図である。
<座具>
以下、本発明の座具の第一〜十一実施形態について、図1〜図12を参照しながら説明する。なお、以下に述べる各実施形態は本発明の一例であり、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではない。
[第一実施形態]
まず、本発明の座具の第一実施形態について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の座具の第一実施形態を示す斜視図である。図2は、図1の座具の使用態様を示す、図1におけるA−A線断面図である。
本実施形態の座具1は、人体の膝を曲げた状態で着座される椅子等に使用されるものであり、一つの座板3により構成されている。座板3は、座具1を使用する者が着座するための座面2を備える。座面2は、第一座面21及び第二座面22からなる。すなわち、第一座面21及び第二座面22が一の座面2を形成する。第二座面22は、第一座面21から連続して、座具1の前方向に延びる。そして、第二座面22は、第一座面21側の端面221が斜面となっており、この端面221にて第一座面21に隣接する。なお、第二座面22における第一座面21側の端面221は、第二座面22側から第一座面21側に向かって高さが低くなる傾斜を有することにより形成されたものであり、第二座面22の一部である。第二座面22は、第一座面21側の端面221により、第一座面21よりも高い位置となる段差を形成する。そして、第一座面21及び第二座面22は、端面221からなる段差部分を除き略水平な面を備え、互いに略平行に設けられる。なお、本明細書において、第二座面のうち、第二座面の主要部をなす、第一座面側の端面(斜面)と連続する略水平な面を、「主面」と称する場合がある。
なお、以下では、座具1の幅方向を左右方向と呼び、座具1の長さ方向(奥行きであり、第一座面21、端面221及び主面10を順次通過する方向)を前後方向と呼ぶ。左右方向と前後方向とは直交する。そして、前後方向のうち、第二座面22側を前方向又は前方と呼び、第一座面21側を後方向又は後方と呼ぶ。また、以降の説明から明らかになるように、本明細書で用いる「左右方向」、「前方(向)」、及び「後方(向)」との用語は、それぞれ着座者から見た「左右方向」、「前方(向)」、及び「後方(向)」と一致する。
上記「略水平な面」という表現には、完全に水平な面のみならず、臀部や大腿上部の形状に合わせた僅かな湾曲を備えた面も含まれる。特に、第一座面21が僅かな湾曲を備える場合、第一座面21には、座具1の左右方向(座具1の幅方向)にのみ高低差を設け、前後方向には高低差を設けないことが好ましい。この場合の第一座面21は、座具1の前後方向に延びる大半径円筒の弧面と同様の湾曲、すなわち座具1の左右方向に湾曲し、その中央部分が凹んだ弧面を有する。なお、第一座面21に設ける湾曲の一例として、1800R(曲率半径1800mmの弧面における湾曲)を挙げることができるが、特に限定されない。また、第二座面22にも、第一座面21と同様の湾曲を設けてもよい。なお、このようにして設けられる湾曲は、きわめて小さいものであるので、第一座面21及び第二座面22の一方にのみ湾曲を設けたとしても、両者が略平行となることには変わりない。
本明細書において、「大腿上部」とは、人体の大腿部のうち、該大腿部の付け根側の部分を指すものとする。
第二座面22の第一座面21側の端面(斜面)221は、左右方向にまっすぐ延びている。また、第一座面21は、座具1の左右方向における座板3の全長に渡って、段差に妨げられることなく延びている。言い換えれば、第一座面21の左右両側には、着座者の骨盤91を規制するものが設けられていない。
座板3は、複数の部材を互いに接着する等して組み合わせて形成してもよいし、板状である一つの部材を切削することにより形成してもよいし、熱可塑性エラストマー(TPE)やゴム等を金型成形して一体的に形成してもよい。なお、座板3を複数の部材で形成する場合、例えば、第一座面21側の部分と第二座面22側の部分とを、それぞれ異なる部材で形成してもよい。なお、端面221は、斜面に限定されるものではなく、座面2に段差を形成するのに設けられるに過ぎないので高低差を有するものであればよい。
次に、本実施形態の座具1の有する作用について図2を参照しながら説明する。なお、図2及び以下の説明では、骨格が座具1や壁面8に当接するように記載したが、これは理解を容易にするための模式化であり、実際には骨格と座具1及び壁面8との間には筋肉や皮膚等の肉体組織が存在するので、当然のことながら骨格と座具1及び壁面8とが直接当接するわけではない。
図2に示すように、座具1は、上方に延びた壁面8に第一座面21における第二座面22とは反対側の後縁部211を接触又は近接対向させた状態で、水平面9上に設置して使用する。ここでいう壁面8とは、座具1の第一座面21の後縁部211付近から上方に延びた面であればよい。また、ここでいう水平面9とは、壁面8から水平方向に、着座者の仙骨から膝の裏側(膝窩)の手前までに沿って延びる面であればよい。このとき、着座者は、膝を略直角に折り曲げた状態で座具1の上に着座するので、膝を真っ直ぐ伸ばした状態で着座する場合のように骨盤91が壁面8に強く押し付けられないので、着座姿勢を自然に良好なものとすることができる。
例えば、壁面8及び水平面9は、座具1を建物の壁等に作りつけの椅子で使用する場合、それぞれ壁の壁面及び当該壁に設けられた水平板の上面に該当する。その他、壁面8及び水平面9は、座具1を椅子(図示せず)で使用する場合、それぞれ当該椅子の背板の前面(すなわち着座者との対向面)及び座板の座面に該当する。また、壁面8及び水平面9は、座具1を、リクライニング機構を備えた介護ベッド(図示せず)で使用する場合、それぞれリクライニングにより形成された背板の前面及び座板の座面に該当する。
この状態で、着座する者がその臀部を第一座面21上に載置し、大腿上部を第二座面22上に載置すると、第一座面21で着座者の臀部を支え、第二座面22で着座者の大腿上部を支えている状態となる。この際、着座する者の骨盤91の下部に存在する左右一対の坐骨911、911は、端面221により形成された段差に当接し、この段差によって、前方(すなわち第二座面22側方向)への移動が規制される。また、着座する者の骨盤91の後部(背面側)に存在する仙骨912は、壁面8に当接し、壁面8の前面によって後方への移動が規制される。そのため、骨盤91は、一対の坐骨911、911及び仙骨912が端面221からなる段差及び壁面8に支えられた状態(以降、「三点固定状態」と称す。)で安定する。これにより、骨盤91が座具1の前方(第二座面22側方向)に移動して、着座する者が図17(b)に示すような姿勢をとることが抑制される。これにより、着座する者の姿勢が自然に良好なものとなるので、背骨92は良好なS字カーブを長時間維持することができ、腰痛や腰等への慢性的な疲労が軽減されるとともに、脳へ行く血流の増大により集中力アップにもつながる。
第一座面21は、座具1の左右方向における座板3の全長に渡って、段差に妨げられることなく延びている。言い換えれば、第一座面21の左右両側には、着座者の骨盤91を規制するものが設けられていない。このため、段差は着座者の臀部の左右両側を圧迫せず、第一座面21で着座者の臀部を支えることとなる結果、着座者は臀部に圧迫感を感じることなく快適に着座することができる。さらに、このような第一座面21によれば、仮に着座者の臀部が第一座面21の左右両側からはみ出るとしても、段差の左右方向の長さが一対の坐骨911、911間の間隔と同等以上である限り、問題なく三点固定状態を達成することができる。よって、例えば、段差の左右方向の長さを一対の坐骨911、911間の間隔と同等にまで短くすることが可能であり、座具1をコンパクトに構成することも可能になる。
なお、上記のように、第一座面21が略水平であることにより、端面221からなる段差により一対の坐骨911、911を確実に係止することができるので、骨盤91を安定に固定できる。なお、「略水平」という用語が水平面のみならず極めて小さな湾曲の弧面も含むことは上記の通りである。
座具1は、端面221からなる段差を備えることにより、骨盤91の姿勢を安定させるものであるため、座具1に着座した者の体重により第一座面21及び第二座面22の形状が変形せず、端面221の形状及び段差高さが維持されることが望ましい。このような観点から、座板3が、使用者の体重によってへこみを生じにくい材質であることが好ましい。このような材質として、木材、帆布のような収縮性の小さい高密度生地、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、EVA樹脂等のプラスチック材等を用いることができる。
なお、材質を熱可塑性エラストマー、ゴム、又はプラスチック材とする場合は、その硬度が5〜120であることが好ましい。ここで、本明細書において「硬度」とは、JIS規格のK6253に規定されているAタイプのデュロメータを用いて、当該K6253に規定された方法で測定することにより得られる硬度をいう。硬度をこの範囲に設定することで、着座者の快適性を適度に確保しつつ、座板3を長期間にわたって使用することにより座板3が不所望に変形することを、防ぐことができる。同様の観点から、上記硬度は40〜90であることがさらに好ましい。なお、少なくとも第二座面22側の部分、特に端面221によって形成された段差部分の硬度を、上記好ましい範囲、特には、上記さらに好ましい範囲とすることが望ましい。
第一座面21は、臀部から掛かる体重によって押さえられることによって、座具1が前方に移動するのを抑制する機能を有する。このため、第一座面21の前後方向の長さ、すなわち第一座面21の後縁部211から端面221の下端までの長さLは、臀部からの体重が十分に掛かるような長さである必要がある。一方で、第一座面21の前後方向の長さLが長すぎると、骨盤91の三点固定状態を達成できなくなる。この観点から、第一座面21の前後方向の長さLは、70mm以上250mm以下であることが好ましい。さらに具体的には、第一座面21の前後方向の長さLは、例えば、標準的な体型を持つ成人男性及び成人女性に対応可能とするためには、100mm以上200mm以下であることが好ましく、150mm以上170mm以下であることがさらに好ましく、また、例えば、小学生以下の子供等に対応可能とするためには、70mm以上150mm以下であることが好ましい。また、当該長さLは、例えば、背骨92が後方に凸に曲がっているお年寄り等であっても着座姿勢を可能な限り良好にするためには、200mm以上250mm以下であることが好ましい。
第二座面22は、その主面10で着座者の大腿上部を支えるとともに、端面221からなる段差を形成することによって、一対の坐骨911、911が前方に移動するのを規制する機能を有する。ここで、第二座面22の主面10の前後方向の長さ、すなわち第二座面22の前縁部222から端面221の上端までの長さLが長すぎると、第二座面22に着座者の大腿上部が広く押し付けられることとなる。この観点から、第二座面22の主面10の前後方向の長さLは、150mm以下であることが好ましく、90mm以下であることがより好ましく、40mm以下であることがさらに好ましい。一方、第二座面22の主面10の前後方向の長さLが短すぎると、硬度が比較的低い材質を用いる場合、着座者から掛かる体重により第二座面22が変形し易くなり、逆に硬度が比較的高い材質を用いる場合、第二座面22の部分が着座者の大腿上部に食い込んで着座者の快適性が低減されることとなる。この観点から、第二座面22の主面10の前後方向の長さLは、3mm以上であることが好ましい。
なお、上記のように、座具1が一対の坐骨911、911を係止し、かつ壁面8が仙骨912を係止することで、着座する者の骨盤91を安定に固定させることから、着座に伴って座具1自体が前後方向に移動してしまっては骨盤91を安定に固定させる作用が減殺される。そのため、座具1の裏面11には、公知の滑り止め手段(図示せず)を設けることが好ましい。滑り止め手段は、例えば、座具1の裏面11を凹凸面に形成したり、座具1の裏面11に滑り止めシートを貼り付けたり、あるいは座具1の裏面11に接着剤を塗布すること等により、実現することができる。
端面221からなる段差が高すぎると、座具1に着座する者は違和感を覚えることとなる。その一方で、端面221からなる段差が低すぎると、一対の坐骨911、911が段差を乗り越え易くなり、骨盤91の前方への移動を十分に規制することができなくなる。このような観点から、端面221からなる段差の高さHは、3mm以上30mm以下であることが好ましく、3mm以上20mm以下であることがより好ましく、8mm以上15mm以下であることがさらに好ましい。
また、端面221と第一座面21とのなす角θが小さくなるにつれて、座具1に着座する者は違和感を覚えるようになる。その一方で、端面221と第一座面21とのなす角θがあまりに大きければ、一対の坐骨911、911が段差を乗り越え易くなり、骨盤91の前方への移動を十分に規制することができなくなる。このような観点から、端面221と第一座面21とのなす角θは、90°以上165°以下であることが好ましく、90°以上140°以下であることがより好ましく、90°以上120°以下であることがさらに好ましい。
端面221の左右方向の長さW(すなわち、図1の例では、第一座面21の左右方向の長さ)は、一対の坐骨911、911間の間隔より長くする必要があるとともに、コンパクトな座具1を得るという観点から、100mm以上500mm以下であることが好ましく、150mm以上400mm以下であることがより好ましく、250mm以上300mm以下であることがさらに好ましい。
また、上述したような第一座面21及び端面221のそれぞれの機能に鑑みて、第一座面21の前後方向の長さLは、端面221の左右方向の長さWの0.40〜0.60倍であることが好ましく、0.46〜0.51倍であることがさらに好ましい。同様に、上述したような第二座面22の主面10及び端面221のそれぞれの機能に鑑みて、第二座面22の主面10の前後方向の長さLは、端面221の左右方向の長さWの0.01〜0.26倍であることが好ましく、0.01〜0.10倍であることがさらに好ましい。
なお、第一実施形態に係る座具1は、その水平投影面の形状が矩形状に形成されており、それゆえに座具1の左右方向の長さが、座具1の前縁部222から後縁部211までに渡って一定である。ただし、座具1の水平投影面の形状は、矩形状に限られず、円形、楕円形、台形、扇形、あるいは、それらの形状の一部どうしの組合せなど、任意の形状が可能であり、ゆえに座具1の左右方向の長さが、座具1の前縁部222から後縁部211までに渡って変化してもよい。
また、第二座面22の主面10と端面221との間で、座具1の左右方向に延びる縁部は、図2に示す断面において、曲面状に湾曲しておらず、尖るように形成している。これにより、着座者の坐骨911が当該縁部上を前方に滑って第二座面22に乗り上げることを、抑制することができる。
第一実施形態によれば、壁面8に座具1の後縁部211を接触又は近接対向させた状態で、座具1を水平面9上に設置するだけで、着座者は快適に着座しながら三点固定状態を達成することができ、着座者の着座姿勢を矯正することができる。
また、第一実施形態によれば、使用者が、座具1を水平面9上に設置する際に、壁面8と座具1との間の距離を調節することができるので、使用者により骨盤91の大きさが異なっていても、三点固定状態を達成することができる。
また、座具1は、椅子に比べてコンパクトであり、収納性、持ち運び性に優れる。
このような座具1の利便性から、座具1は、様々な椅子に使用することができる。例えば、建物に作りつけの椅子、事務椅子、又は、介護用椅子や介護用ベッドの他にも、テーブル用椅子、公共ベンチ、車用シート、航空機用シート、スキー場のリフト用椅子、車椅子などに使用することができる。
また、第二座面22の第一座面21側の端面221は、斜面により形成する代わりに、前方に窪んだ凹曲面や後方に突出した凸曲面により形成してもよい。
[第二実施形態]
次に、本発明の座具の第二実施形態について、図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の座具の第二実施形態を示す斜視図である。なお、本実施形態の説明において、既に説明した実施形態と重複する部分の構成及び作用の説明を省き、異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の座具1Aは、既に説明した第一実施形態の座具1を構成する座板3と同様の構成を有する座板3Aと、座板3Aの第一座面21側の端部(後縁部211)、すなわち、座板3Aの第一座面21における第二座面22とは反対側の端部から、座板3Aに対して上方に略直角に延びる背板31とを備える。座板3Aと背板31とは、一体形成してもよいし、別体として形成して接着や締結等により互いに対して固定してもよい。また、背板31は、座板3Aの第一座面21側の端部から延びるとともに、その一部分のみにおいて、座板3Aに対して上方に略直角に延びるようにしてもよい。
背板31の前面は、第一実施形態における壁面8に代わり、着座する者の骨盤91の後部に存在する仙骨912に当接しこれを支えて、骨盤91が後方へ移動するのを規制する。これにより、着座する者の骨盤91は、端面221からなる段差により一対の坐骨911、911の前方移動が規制されるとともに、背板31の前面により仙骨912の後方移動が規制され、三点固定状態で安定する。このような背板31の機能を発揮しつつ、コンパクトな座具1Aを得るという観点から、第一座面21に対する背板31の高さHは、50mm以上350mm以下であることが好ましく、100mm以上210mm以下であることがさらに好ましい。また、背板31の前面及び端面221のそれぞれの機能に鑑みて、第一座面21に対する背板31の高さHは、端面221の左右方向の長さ(すなわち、図3の例では、第一座面21の左右方向の長さ)Wの0.16〜1.16倍であることが好ましく、0.33〜0.70倍であることがさらに好ましい。
また、背板31と座板3Aとのなす角、すなわち、背板31の前面と第一座面21とのなす角θは、三点固定状態を達成し得るように略直角であることが望ましく、具体的には90°以上120°以下であることが好ましく、90°以上95°以下であることがさらに好ましい。
なお、端面221と背板31の前面との間に、着座者の臀部全体を収めて、三点固定状態を達成し得るようにする必要がある。この観点から、第一座面21の前後方向の長さLは、70mm以上250mm以下であることが好ましい。さらに具体的には、第一座面21の前後方向の長さLは、例えば、標準的な体型を持つ成人男性及び成人女性に対応可能とするためには、100mm以上200mm以下であることが好ましく、150mm以上170mm以下であることがさらに好ましく、また、例えば、小学生以下の子供等に対応可能とするためには、70mm以上150mm以下であることが好ましい。また、当該長さLは、例えば、背骨92が後方に凸に曲がっているお年寄り等であっても着座姿勢を可能な限り良好にするためには、200mm以上250mm以下であることが好ましい。また、第一座面21及び背板31のそれぞれの機能に鑑みて、第一座面21の前後方向の長さLは、第一座面21に対する背板31の高さHの0.70〜0.90倍であることが好ましく、0.75〜0.85倍であることがさらに好ましい。
第二実施形態によれば、第一実施形態の効果に加えて、着座すべき水平面に対して上方に略直角に延在する壁面が存在しない場合でも、背板31によって第一座面21に対して上方に略直角に延在する壁面を形成して、三点固定状態を達成することができる。
なお、図示はしないが、座板3Aを、第一座面21を形成する下側座板と、当該下側座板の上に設けられるとともに第二座面22を形成する上側座板とで構成し、上側座板を下側座板上で前後方向に移動させてから固定することにより、第一座面21の前後方向の長さLを調節する調節手段を設けてもよい。これにより、使用者により骨盤91の大きさが異なっていても、三点固定状態を達成することができる。ここで、調節手段は、例えば、下側座板と上側座板とを面ファスナーで固定することにより実現することができる。
また、座板3Aと背板31とを別体に構成し、両者を蝶番(図示せず)等により連結することにより、背板31を座板3Aに対して前方又は後方に倒し得るようにしてもよい。これにより、座具1Aが折り畳み式に構成されることとなり、収納性が向上する。
[第三実施形態]
次に、本発明の座具の第三実施形態について、図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の座具の第三実施形態を示す斜視図である。なお、本実施形態の説明において、既に説明した実施形態と重複する部分の構成及び作用の説明を省き、異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の座具1Bは、着座者の臀部を支える第一座面21Bが、後側座板12の上面として形成され、着座者の大腿上部を支える第二座面22Bが、左右方向に延びる筒状充填体224を、前後方向に複数連結してなる凹凸シート13の上面として形成される。後側座板12と凹凸シート13とは、互いを縫い付けたり接着させるなどして連結されて、座板3Bを形成する。
第一座面21Bを有する後側座板12は、使用者の体重によってへこみを生じにくい材質であることが好ましい。このような材質として、木材、帆布のような収縮性の小さい高密度生地、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、EVA樹脂等のプラスチック材等を用いることができる。
なお、材質を熱可塑性エラストマー、ゴム、又はプラスチック材とする場合は、その硬度が5〜120であることが好ましく、40〜90であることがさらに好ましい。硬度を上記の好ましい範囲、特には、上記さらに好ましい範囲に設定することで、着座者の快適性を適度に確保しつつ、座板3Bを長期間にわたって使用することにより座板3Bが不所望に変形することを、防ぐことができる。
筒状充填体224は、筒223の内部空間に芯材225が挿入されてなる。筒状充填体224同士の連結は、筒223同士を縫い付けたり接着させるなどして行う。筒223は、例えば布のように、芯材225よりも硬度の低い材質で形成される。芯材225は、例えば硬質ゴム棒、ゴムチューブ、木棒のように、着座する者の体重により潰れない程度の強度を有する材質で構成される。
なお、芯材225は、円柱形状又は多角柱形状のいずれを有してもよく、その形状及び寸法に応じて、第二座面22Bの凹凸形状が形成されることとなる。
筒223の内部空間のうち芯材225によって占められていない部分には、クッション材を充填することができる。このようなクッション材として、クッション性を有する、綿、スポンジ等の発泡体、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、EVA樹脂等のプラスチック材、高密度生地等を用いることができる。これにより、着座者の快適性を向上することができる。
第二座面22Bにおける、第一座面21B側の端面221Bによって、第一座面21Bよりも高い位置に段差が形成される。そのため、本実施形態の座具1Bも、着座する者の一対の坐骨911、911の移動を規制する段差を備える。端面221Bの段差高さHは、第一実施形態に係る座具1の端面221の段差高さHと同様、3mm以上30mm以下であることが好ましく、3mm以上20mm以下であることがより好ましく、8mm以上15mm以下であることがさらに好ましい。また、筒状充填体224の内部に存在する芯材225により、この段差は、座具1Bの使用者が着座しても失われない。
なお、第三実施形態に係る座具1Bは、その水平投影面の形状が台形に形成され、これゆえに座具1Bの左右方向の長さが、前縁部222Bから後縁部211Bに向かって徐々に減少している。ただし、座具1Bの水平投影面の形状は、台形に限られず、矩形、扇形など、任意の形状が可能である。
第三実施形態によれば、筒状充填体224の筒223が比較的軟質な材質で構成されることから、筒状充填体224間の連結部分において柔軟性を有する。そのため、第一実施形態の効果に加えて、座具1Bを使用しないときには凹凸シート13を前後方向に巻きとったり、凹凸シート13の連結部分で折り曲げたりして、収納することが可能である。
また、第三実施形態によれば、比較的軟質な材質で形成された筒223の表面により、第二座面22Bを形成するため、着座者の快適性を向上することができる。
なお、第二座面22Bを、一本の筒状充填体224にて形成してもよい。
また、第二座面22Bは、筒状充填体224に代えて、ゴムホースのような中空部材を用いて構成されてもよい。
また、芯材225を、左右方向にまっすぐ延在させる代わりに、前方向又は後方向に凸となるように湾曲又は屈曲させてもよい。これにより、芯材225の形状に応じて、筒状充填体224もまた、前方向又は後方向に凸となるように湾曲又は屈曲することとなる。
また、第二実施形態に係る座具1Aの背板31を、座具1Bの後縁部211Bに設けてもよい。
[第四実施形態]
次に、本発明の座具の第四実施形態について、図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の座具の第四実施形態を示す斜視図である。なお、本実施形態の説明において、既に説明した実施形態と重複する部分の構成及び作用の説明を省き、異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の座具1Cは、既に説明した第一実施形態の座具1を構成する座板3と同じ構成を有する座板3Cの上面に、クッション性を有する表面部材4を設けたものである。すなわち、座具1Cにおける第一座面21C及び第二座面22Cは、クッション性を有する表面部材4の上面により形成される。このため、本実施形態の座具1Cは、着座する者の快適性を向上し、長時間着座する場合に臀部の疲労感を軽減させることができる。なお、本実施形態の説明において、座板3Cの説明は省略する。
表面部材4は、例えば、クッション性を有する、布、高密度生地、スポンジ等の発泡体、ゴム、熱可塑性エラストマー(TPE)、EVA樹脂等のプラスチック材等で構成されることが好ましい。
また、表面部材4は、その全体に渡って、厚さが略一定であり、ゆえに表面部材4が形成する座面2Cは、座板3Cの上面と略平行になる。したがって、端面221Cの段差高さHや、端面221Cと第一座面21Cとのなす角θの好ましい値は、それぞれ第一実施形態に係る座具1における端面221の段差高さHや、端面221と第一座面21とのなす角θと同様となる。また、第一座面21Cの前後方向の長さ、主面10Cの前後方向の長さ、端面221Cの左右方向の長さ、また、それらどうしの比等についても同様である。
なお、本発明の座具では、使用者が着座した際に、座面に設けられた段差が維持されていることが必要である。そのため、表面部材4の材質や厚さT等は、着座する者の体重によって端面221Cが変形した後に所望高さの段差が形成されるように、調節される。表面部材4の厚さTの好ましい値として、1〜15mmが挙げられる。
なお、座具1Cは、その水平投影面の形状が矩形状に形成されている。ただし、座具1Cの水平投影面の形状は、矩形状に限られず、円形、楕円形、台形、扇形、あるいは、それらの形状の一部どうしの組合せなど、任意の形状が可能である。
第四実施形態によれば、第一実施形態の効果に加えて、着座者の快適性を向上し、長時間着座する場合に臀部の疲労感を軽減させることができる。
なお、第二実施形態に係る座具1Aの背板31を、座具1Cの後縁部211Cに設けてもよい。
[第五実施形態]
次に、本発明の座具の第五実施形態について、図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の座具の第五実施形態を示す斜視図である。なお、本実施形態の説明において、既に説明した実施形態と重複する部分の構成及び作用の説明を省き、異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の座具1Dは、第一実施形態の座具1と同様に、1つの座板3Dから構成される。座板3Dは、第二座面22Dの方向へ円弧状に凸となった第一座面21Dを備える点で、第一実施形態の座具1とは異なる。これに伴って、段差部分となる、第二座面22Dの第一座面21D側の端面221Dが、平面視したときに、前方向に凸となるように湾曲して形成されている。本実施形態の座具1Dは、こうした段差を備えることにより、当該段差によって一対の坐骨911、911を包み込むように固定することができ、着座する者の個人差によって微妙に異なる坐骨位置の違いを吸収して、より効果的に着座者の着座姿勢を良好にすることができるとともに、平面視で段差が坐骨の輪郭形状により沿ったものとなるために、着座者がより快適に着座することができる。このとき、平面視したときの端面221Dの前方側の縁部の曲率半径の好適な値として、例えば290〜330mmが挙げられる。
第一実施形態の座具1と同様に、第一座面21Dは、座具1Dの左右方向における座板3Dの全長に渡って、段差に妨げられることなく延びている。
なお、座具1Dは、その水平投影面の形状が矩形状に形成されている。ただし、座具1Dの水平投影面の形状は、矩形状に限られず、円形、楕円形、台形、扇形、あるいは、それらの形状の一部どうしの組合せなど、任意の形状が可能である。
第五実施形態によれば、第一実施形態の効果に加えて、着座する者の個人差によって微妙に異なる坐骨位置の違いを吸収して、より効果的に着座者の着座姿勢を良好にすることができるとともに、平面視で段差が坐骨の輪郭形状により沿ったものとなるために、着座者がより快適に着座することができる。
なお、このような効果は、段差、すなわち第二座面22Dの第一座面21D側の端面221Dが、平面視したときに、前方向に凸となるように形成されていれば得られるものである。したがって、端面221Dが前方向へ凸となる形状は、上記のような円弧状に限定されず、例えばU字形状であってもよい。または、第二座面22Dの第一座面21D側の端面221Dを、平面視したときに、前方向に多角形状に凸となるように屈曲して形成してもよい。
また、第二実施形態に係る座具1Aの背板31を、座具1Dの後縁部211Dに設けてもよい。
[第六実施形態]
次に、本発明の座具の第六実施形態について、図7を参照しながら説明する。図7は、本発明の座具の第六実施形態を示す斜視図である。なお、本実施形態の説明において、既に説明した実施形態と重複する部分の構成及び作用の説明を省き、異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の座具1Eは、座布団やマットのような収縮性の小さい厚手の生地5を折り畳むことにより、座板3Eを形成する。この座布団やマットは、折り畳むことが可能であれば、例えば布、高密度生地、スポンジ等の発泡体、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、EVA樹脂等のプラスチック材等で作ることができる。座板3Eは、着座者の臀部を支える第一座面21Eと、着座者の大腿上部を支える第二座面22Eとを有する。具体的には、座具1Eは、厚手の生地5を長さ方向に二つ折りし、さらに、その折り目部分を座具1Eの後方向へ向かって半分程度折り返した状態で、当接面どうしを接着又は縫い付ける等して固定させたものである。これにより、第二座面22Eは、第一座面21E側の端面として、後方へ突出する凸曲面221Eを有することになる。
凸曲面221Eは、第一座面21Eに対して段差を形成し、着座者の一対の坐骨911、911が前方に移動するのを規制する機能を有する。この観点から、凸曲面221Eの段差高さHは、第1実施形態に係る座具1の端面221の段差高さHと同様、3mm以上30mm以下であることが好ましく、3mm以上20mm以下であることがより好ましく、8mm以上15mm以下であることがさらに好ましい。
なお、座具1Eは、その水平投影面の形状が矩形状に形成されている。ただし、座具1Eの水平投影面の形状は、矩形状に限られず、台形など、任意の形状が可能である。
第六実施形態によれば、第一実施形態の効果に加え、生地5を折り畳んで段差を形成することができるため、容易に座具1Eを製造することができる。また、座具1Eの座面を座布団やマットのような比較的柔らかい材質で形成するため、着座者の快適性を向上することができる。
なお、第二実施形態に係る座具1Aの背板31を、座具1Eの後縁部211Eに設けてもよい。
[第七実施形態]
次に、本発明の座具の第七実施形態について、図8を参照しながら説明する。図8は、本発明の座具の第七実施形態を示す斜視図である。なお、本実施形態の説明において、既に説明した実施形態と重複する部分の構成及び作用の説明を省き、異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の座具1Fは、第一実施形態の座具1と同じ形状を有する座板3Fからなる。そして、座具1Fは、着座者の臀部を支える第一座面21Fと、着座者の大腿上部を支える第二座面22Fとからなる、座面2Fを有する。第二座面22Fは、端面221Fと主面10Fとを有する。
ここで、座具1Fは、端面221F及びその前側及び後側の部分を、比較的硬い材質からなる硬材質座板230Fで形成し、硬材質座板230Fの後側の部分を、硬材質座板230Fより柔らかい、比較的柔らかい材質からなる軟材質座板232Fで形成したものである。硬材質座板230Fと軟材質座板232Fとは、当接面同士を接着剤で接着したり縫い付けるなどして固定する。硬材質座板230Fと軟材質材板232Fとで、1つの座板3Fを構成する。
硬材質座板230Fの上面は、その前後方向の中間部分において、端面221Fを有する。そして、硬材質座板230Fの上面は、端面221Fより後側の部分で、軟材質座板232Fの上面とともに第一座面21Fを形成し、その他の部分(端面221F及び主面10F)で、第二座面22Fを形成する。硬材質座板230Fの材質は、第一実施形態に係る座具1を構成する座板3と同様、人体の体重によってへこみを生じにくい材質であることが好ましい。このような材質として、木材、帆布のような収縮性の小さい高密度生地、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、EVA樹脂等のプラスチック材等を用いることができる。
なお、材質を熱可塑性エラストマー、ゴム、又はプラスチック材とする場合は、その硬度が5〜120であることが好ましく、40〜90であることがさらに好ましい。硬度を上記好ましい範囲、特には、上記さらに好ましい範囲に設定することで、着座者の快適性を適度に確保しつつ、座板3Fを長期間にわたって使用することにより、座板3Fの特に端面221F並びにその前側及び後側の部分で座板3Fが不所望に変形することを、防ぐことができる。
軟材質座板232Fの材質は、硬材質座板230Fよりも柔らかくてクッション性を有する材質であることが好ましい。このような材質として、例えば、クッション性を有する、布、高密度生地、スポンジ等の発泡体、ゴム、熱可塑性エラストマー(TPE)、EVA樹脂等のプラスチック材等を用いることができる。
座具1Fの使用時には、着座者の一対の坐骨911、911が、端面221Fによって前方への移動が規制される。このとき、端面221Fの前側及び後側において、それぞれ着座者の大腿上部及び坐骨が、硬材質座板230Fによって支えられる。これによって、骨盤91の三点固定状態を達成することができる。なお、着座者の大腿上部及び坐骨の両方を、硬材質座板230Fによって支えることとしたので、着座者の体重がかかる時の前後で端面221Fの段差高さを一定にすることができる。
さらにこのとき、軟材質座板232Fによって、着座者の臀部を支える。これによって、着座者の臀部での快適性を向上することができる。
したがって、硬材質座板230Fの、端面221Fより後側に延びる部分の前後方向の長さLは、一対の坐骨991、991を支持するのに十分な長さであることが好ましく、具体的には10mm以上100mm以下であることが好ましく、30mm以上50mm以下であることがさらに好ましい。
なお、第一座面21Fの前後方向の長さL、第二座面22Fの主面10Fの前後方向の長さLの好ましい値は、それぞれ第一実施形態で説明した座具1の第一座面21の前後方向の長さL、第二座面22の主面10の前後方向の長さLと同様である。
第七実施形態によれば、第一実施形態の効果に加えて、座具1Fに着座者の体重がかかる時の前後で、端面221Fの段差高さを一定に維持し得るようにしつつ、着座者の臀部での快適性を向上することができる。
なお、第五実施形態に係る座具1D(図6)と同様に、第二座面22Fの第一座面21F側の端面221Fを前方向に凸となるように構成してもよい。
また、第二実施形態に係る座具1Aの背板31を、座具1Fの後縁部211Fに設けてもよい。
[第八実施形態]
次に、本発明の座具の第八実施形態について、図9を参照しながら説明する。図9は、本発明の座具の第八実施形態を示す斜視図である。なお、本実施形態の説明において、既に説明した実施形態と重複する部分の構成及び作用の説明を省き、異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の座具1Kは、第五実施形態の座具1Dと同様に、1つの座板3Kから構成されており、座板3Kは、第二座面22Kの方向へ円弧状に凸となった第一座面21Kを備える。これに伴って、段差部分となる、第二座面22Kの第一座面21K側の端面221Kが、平面視したときに、前方に凸となるように湾曲又は屈曲して形成されている。本実施形態の座具1Kは、こうした段差を備えることにより、当該段差によって一対の坐骨911、911を包み込むように固定することができ、着座する者の個人差によって微妙に異なる坐骨位置の違いを吸収して、より効果的に着座者の着座姿勢を良好にすることができるとともに、平面視で段差が坐骨の輪郭形状により沿ったものとなるために、着座者がより快適に着座することができる。このとき、平面視したときの端面221Kの前方側の縁部の曲率半径の好適な値として、例えば290〜330mmが挙げられる。
また、座具1Kは、その水平投影面の形状が、左右方向に長軸の楕円形であり、第一座面21K及び第二座面22Kの前後方向の長さが、それぞれ左右方向の中心線(図9の一点鎖線)に近づくにつれて増大する点で、第五実施形態の座具1Dとは異なる。
第二座面22Kの主面10K(第一座面21K側の端面221Kを除く第二座面22K)は、左右方向の中央領域300を除く左右両側領域301、301によって、着座者の一対の大腿上部を支える。主面10Kの左右両側領域301、301における前後方向の長さが長いと、その分、主面10Kに着座者の大腿上部が広く押し付けられ、着座者の快適性を低下させることとなる。したがって、主面10Kの左右両側領域301、301における前後方向の長さは、短い方が好ましい。この観点から、第二座面22Kの主面10Kの、左右両側の領域301、301の、前後方向の最大長さL10が、第一座面21Kの、前後方向の最大長さL11より短く形成されている。この構成によれば、着座者の大腿上部が広く第二座面22Kに押し付けられることを回避して、着座者が長時間快適に着座することができるとともに、座具1Kを極めてコンパクトに構成することができる。
ここで、第二座面22Kの主面10Kにおける、左右方向の中央領域300とは、着座者の一対の大腿上部の間にほぼ位置する、主面10Kの左右方向の中心線をはさんで主面10Kの左右方向の長さWに対して4分の1の幅を有する領域を言うものとする。主面10Kの中央領域300は、着座者の大腿上部からの体重があまり掛からない領域であることから、その前後方向の長さは長くても構わない。しかし、コンパクト性の観点から、主面10Kの前後方向の長さを、その左右方向の全域に渡って、第一座面21Kの前後方向の最大長さL11より短く形成することが、さらに好ましい。
第一座面21Kは、臀部から掛かる体重によって押さえられることによって、座具1Kが前方に移動するのを抑制する機能を有する。このため、第一座面21Kの前後方向の最大長さL11は、臀部からの体重が十分に掛かるような長さである必要がある。一方で、第一座面21Kの前後方向の最大長さL11が長すぎると、骨盤91の三点固定状態を達成できなくなる。この観点から、第一座面21Kの前後方向の最大長さL11は、70mm以上250mm以下であることが好ましい。さらに具体的には、第一座面21Kの前後方向の最大長さL11は、例えば、標準的な体型を持つ成人男性及び成人女性に対応可能とするためには、100mm以上200mm以下であることが好ましく、150mm以上170mm以下であることがさらに好ましく、また、例えば、小学生以下の子供等に対応可能とするためには、70mm以上150mm以下であることが好ましい。また、当該最大長さL11は、例えば、背骨92が後方に凸に曲がっているお年寄り等であっても着座姿勢を可能な限り良好にするためには、200mm以上250mm以下であることが好ましい。
第二座面22Kは、その主面10Kの左右両側の領域301で着座者の大腿上部を支えるとともに、第一座面21K側の端面221Kからなる段差を形成することによって、一対の坐骨911、911が前方に移動するのを規制する機能を有する。ここで、第二座面22Kの主面10Kの、左右両側の領域301の、前後方向の最大長さL10は、三点固定状態の達成には関与するものではなく、また、当該最大長さL10が長いと、その分、第二座面22Kに着座者の大腿上部が広く押し付けられて着座者の快適性を低下させることとなるとともに、座具のコンパクト性の観点からも好ましくない。したがって、当該最大長さL10は、短い方が好ましく、具体的には150mm以下であることが好ましく、90mm以下であることがより好ましく、40mm以下であることがさらに好ましい。一方、当該最大長さL10が短すぎると、硬度が比較的低い材質を用いる場合、着座者から掛かる体重により第二座面22Kが変形し易くなり、逆に硬度が比較的高い材質を用いる場合、第二座面22Kの部分が着座者の大腿上部に食い込んで着座者の快適性が低減されることとなる。この観点から、当該長さL10は、3mm以上であることが好ましい。
第二座面22Kの、第一座面21K側の端面221Kの左右方向の長さWは、一対の坐骨911、911間の間隔より長くする必要があるとともに、コンパクトな座具1Kを得るという観点から、100mm以上500mm以下であることが好ましく、150mm以上400mm以下であることがより好ましく、250mm以上300mm以下であることがさらに好ましい。
第一座面21Kは、座具1Kの左右方向における座板3Kの全長に渡って、段差に妨げられることなく延びている。言い換えれば、第一座面21Kの左右両側には、着座者の骨盤91を規制するものが設けられていない。このため、段差は着座者の臀部の左右両側を圧迫せず、第一座面21Kで着座者の臀部を支えることとなる結果、着座者は臀部に圧迫感を感じることなく快適に着座することができる。さらに、このような第一座面21Kによれば、仮に着座者の臀部が第一座面21Kの左右両側からはみ出るとしても、段差の左右方向の長さが一対の坐骨間の間隔と同等又はそれ以上である限り、問題なく三点固定状態を達成することができる。よって、例えば、段差の左右方向の長さを一対の坐骨間の間隔と同等にまで短くすることが可能であり、座具1Kをコンパクトに構成することも可能になる。
第二座面22Kの第一座面21K側の端面221Kは、第一座面21Kに対して段差を形成し、着座者の一対の坐骨911、911が前方に移動するのを規制する機能を有する。この観点から、端面221Kの段差高さH11は、第一実施形態に係る座具1の端面221の段差高さHと同様、3mm以上30mm以下であることが好ましく、3mm以上20mm以下であることがより好ましく、8mm以上15mm以下であることがさらに好ましい。
上述した事項以外について、座具1Kの寸法及び材質は、第一実施形態の座具1と同様であるので、その説明を省略する。なお、端面221Kと第一座面21Kとのなす角の値は、座板3Kの左右方向の中心線(図9の一点鎖線)を通る座具1Kの縦断面において測定した値とし、その好ましい値は、第一実施形態で説明したなす角θと同様である。
第八実施形態によれば、第五実施形態の効果に加えて、着座者の大腿上部が広く第二座面22Kに押し付けられることを回避して、着座者が長時間快適に着座することができるとともに、座具1Kを極めてコンパクトに構成することができる。
なお、第二実施形態に係る座具1Aと同様に、背板を、座具1Kの後縁部211Kに設けてもよい。
[第九実施形態]
次に、本発明の座具の第九実施形態について、図10を参照しながら説明する。図10は、本発明の座具の第九実施形態を示す斜視図である。なお、本実施形態の説明において、既に説明した実施形態と重複する部分の構成及び作用の説明を省き、異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の座具1Mは、座板3Mと、椅子(図示せず)の座面等の水平面9上に設置され、座板3Mを支持する支持体157とを備える。
座板3Mは、図9に示す第八実施形態に係る座具1Kを構成する座板3Kと同様の構造を有する。座板3Mの形状、寸法、及び材質は、座板3Kと同様であるので、その説明を省略する。
支持体157は、水平面9上に載置される。支持体157は、座板3Mが載置される底板157Aと、底板157Aの、座板3Mの第一座面21M側の端部から、底板157Aに対して上方に略直角に延びる背板157Bとを有する。底板157A及び背板157Bは、一体的に形成されている。なお、背板157Bは、底板157Aの、座板3Mの第一座面21M側の端部から延びるとともに、その一部分のみにおいて、底板157Aに対して上方に略直角に延びるようにしてもよい。
支持体157の底板157Aは、水平面9上に載置された状態で、その上面で、座板3Mを支持する機能を有する。座板3Mは、支持体157の底板157A上に、接着剤又は締結具等を用いて固定されている。ここで、図10に示すように、底板157Aの水平投影面の形状を、座板3Mの水平投影面の形状とほぼ同一に形成した場合には、コンパクトな座具1Mを得ることができる。
支持体157の背板157Bは、座板3M上に着座する者の仙骨912の後方への移動を規制する機能を有する。これにより、着座する者の骨盤91は、座板3Mの第二座面22Mの第一座面21M側の端面221Mからなる段差により一対の坐骨911、911の前方移動が規制されるとともに、支持体157の背板157Bにより仙骨912の後方移動が規制されて、三点固定状態が達成される。この観点から、底板157Aと背板157Bとのなす角、すなわち、座板157Aの上面と背板157Bの前面とのなす角θは、略直角であることが好ましく、具体的には90°以上120°以下であることが好ましく、90°以上95°以下であることがさらに好ましい。また、座板3Mを支持体157上に載置した際の、第一座面21Mに対する背板157Bの高さH12は、50mm以上350mm以下であることが好ましく、100mm以上210mm以下であることがさらに好ましい。
支持体157は、使用者の体重によって、底板157Aにへこみを生じたり、背板157Bが後方に倒れたりしにくい材質であることが好ましい。このような材質として、木材、繊維強化プラスチック(FRP)等のプラスチック材等を用いることができる。このように支持体157を構成することにより、例えば、椅子(図示せず)の座板が軟材質で形成されていたり、椅子の背板が後ろに大きく傾いているなど、座板3Mを椅子の座面上に載置しても三点固定状態を達成できない場合でも、椅子の座面上に支持体157を載置して、支持体157上に座板3Mを設置することで、三点固定状態を達成することができる。
例えば、椅子を用いた座具1Mの使用時において、着座する者は、支持体157の背板157Bを、椅子(図示せず)の背板の前面等の壁面8と対向させた状態で、座具1Mを水平面9上に載置する。このとき、座板3Mの前縁部222Mを、水平面9における壁面8とは反対側の前縁部と揃えることが好ましい。これにより、人体が座具1Mに着座した際に、大腿部の膝裏側の部分が水平面9の上に載ることを回避し、着座者の快適性をより良好なものとすることができる。
支持体157の背板157Bの下端部分と座板3Mの第二座面22Mの第一座面21M側の端面221Mとの、座具1Mの前後方向の最大距離L12は、三点固定状態を達成可能にするために、70mm以上250mm以下であることが好ましい。さらに具体的には、当該距離L12は、例えば、標準的な体型を持つ成人男性及び成人女性に対応可能とするためには、100mm以上200mm以下であることが好ましく、150mm以上170mm以下であることがさらに好ましく、また、例えば、小学生以下の子供等に対応可能とするためには、70mm以上150mm以下であることが好ましい。また、当該距離L12は、例えば、背骨92が後方に凸に曲がっているお年寄り等であっても着座姿勢を可能な限り良好にするためには、200mm以上250mm以下であることが好ましい。
第九実施形態によれば、例えば、椅子(図示せず)の座板が軟材質で形成されていたり、椅子の背板が後ろに大きく傾いていたり、さらには椅子を用いないなど、座板3Mを椅子の座面等の水平面上に載置しても三点固定状態を達成できない場合でも、該水平面上に座具1Mを設置するだけで、三点固定状態を達成することができる。
また、第九実施形態によっても、座具1Mを、椅子と比べて小型に構成することができるので、収納性が良好であり、持ち運びにも便利である。
なお、座板3Mと支持体157とを、互いに固定せずに、別体に構成してもよい。これにより、使用者が、着座の際に、自身の骨盤の大きさに応じて、支持体157の背板157Bの下端部分と座板3Mの第二座面22Mの第一座面21M側の端面221Mとの、座具1Mの前後方向の最大距離L12を調節することができる。これにより、着座する者の個人差によって微妙に異なる骨盤91の大きさの違いに対応することができる。この場合、座板3Mの裏面に、滑り止め手段(図示せず)を設けてもよい。滑り止め手段は、例えば、該裏面を凹凸面に形成したり、該裏面に滑り止めシートを貼り付けたりすること等により、実現することができる。または、滑り止め手段を設ける代わりに、座板3Mの、支持体157に対する前後方向の位置を調節する位置調節手段(図示せず)を設けてもよい。位置調節手段は、例えば、支持体157の底板157Aに、前後方向に延びるスリットを、支持体157の左右方向中心に形成するとともに、座板3Mに、座板3Mの底面から下方に延びる突起を設けて、当該突起が当該スリット内を前後方向に変位可能となるようにすること等により、実現することができる。位置調節手段によれば、上記距離L12の調節を可能にしつつ、座板3Mが支持体157に対して不所望に左右方向に変位することを防止することができる。
また、支持体157の底板157Aの裏面に、滑り止め手段(図示せず)を設けてもよい。滑り止め手段は、例えば、該裏面を凹凸面に形成したり、該裏面に滑り止めシートを貼り付けたり、あるいは該裏面に接着剤を塗布すること等により、実現することができる。
また、第一実施形態に係る座具1を構成する座板3(図1〜2)、第三実施形態に係る座具1Bを構成する座板3B(図4)、第四実施形態に係る座具1Cを構成する座板3C(図5)、第五実施形態に係る座具1Dを構成する座板3D(図6)、第六実施形態に係る座具1Eを構成する座板3E(図7)、又は第七実施形態に係る座具1Fを構成する座板3F(図8)を、それぞれ本実施形態に係る座具1Mの座板3Mの代わりに使用してもよい。
[第十実施形態]
次に、本発明の座具の第十実施形態について、図11を参照しながら説明する。図11は、本発明の座具の第十実施形態をその使用態様例とともに示す斜視図である。なお、本実施形態の説明において、既に説明した実施形態と重複する部分の構成及び作用の説明を省き、異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の座具1Jは、座板3Jと、椅子156の座面上に設置され、座板3Jを支持する支持体152と、支持体152の背板152Bの前面に、上下に設けられた一対のクッション153、154とを備える。
座板3Jは、図9に示す第八実施形態に係る座具1Kを構成する座板3Kと同様の構造を有する。座板3Jの形状、寸法、及び材質は、座板3Kと同様であるので、その説明を省略する。
支持体152は、椅子156の座面上に載置される。支持体152は、座板3Jが載置される底板152Aと、底板152Aの、座板3Jの第一座面21J側の端部から、底板152Aに対して上方に略直角に延びる背板152Bとを有し、底板152Aと背板152Bとが互いに一体的に形成されている。なお、背板152Bは、底板152Aの、座板3Jの第一座面21J側の端部から延びるとともに、その一部分のみにおいて、底板152Aに対して上方に略直角に延びるようにしてもよい。
支持体152の底板152Aは、椅子156の座面上に載置された状態で、その上面で、座板3Jを支持する機能を有する。この観点から、底板152Aの上面は、座板3Jと同等又はそれ以上の面積を有することが好ましい。
支持体152の背板152Bは、下側クッション153を介して、座板3J上に着座する者の仙骨912の後方への移動を規制する機能を有する。これにより、着座する者の骨盤91は、座板3Jの第二座面22Jの第一座面21J側の端面221Jからなる段差により一対の坐骨911、911の前方移動が規制されるとともに、下側クッション153を介して支持体152の背板152Bにより仙骨912の後方移動が規制されて、三点固定状態が達成される。この観点から、底板152Aと背板152Bとのなす角、すなわち、底板152Aの上面と背板152Bの前面とのなす角θは、略直角であることが好ましく、具体的には、90°以上120°以下であることが好ましく、90°以上95°以下であることがさらに好ましい。また、座板3Jを載置した際の、第一座面21Jに対する背板152Bの高さは、50mm以上350mm以下であることが好ましく、100mm以上210mm以下であることがさらに好ましい。
支持体152は、使用者の体重によって、底板152Aにへこみを生じたり、背板152Bが後方に倒れたりしにくい材質であることが好ましい。このような材質として、木材、繊維強化プラスチック(FRP)等のプラスチック材等を用いることができる。このように支持体152を構成することにより、椅子156の座板156Aが軟材質で形成されていたり、椅子156の背板156Bが後ろに大きく傾いているなど、座板3Jを椅子156の座面上に載置しても三点固定状態を達成できない場合でも、三点固定状態を達成することができる。
座板3Jは、接着剤等の固定手段155によって、支持体152の底板152A上に固定されている。
支持体152の背板152Bの前面、すなわち人体との対向面に、上下に一対のクッション153、154が取り付けられている。クッション153、154は、それぞれの後面が接着剤等により支持体152の背板152Bに固定される。クッション153、154の前面は、支持体152の背板152Bの前面と平行であることが好ましい。
下側のクッション153は、着座する者の仙骨912と当接して、仙骨912の位置を固定するとともに、仙骨912が背板152Bに対して押圧される際の衝撃を緩和する機能を有する。この観点から、下側クッション153は、座板3Jに着座する者の仙骨912に当接し得るように、座板3Jを載置した際の、座板3Jの第一座面21Jから50mm以上350mm以下の高さ範囲内に配置することが好ましく、100mm以上210mm以下の高さ範囲内に配置することがさらに好ましい。
上側のクッション154は、着座する者に対して背骨92が自然なS字カーブを維持するように促すとともに、背骨92が背板152Bに対して押圧される際の衝撃を緩和する機能を有する。
なお、座板3Jは、その水平投影面の形状が、左右方向に長い楕円形に形成されている。ただし、座板3Jの水平投影面の形状は、楕円形に限られず、矩形、円形、台形、扇形、あるいは、それらの形状の一部どうしの組合せなど、任意の形状が可能である。
座具1Jの使用時において、着座する者は、支持体152の背板152Bと椅子156の背板156Bとを対向させた状態で、座具1Jを椅子156の座面上に載置する。ここで、下側クッション153と座板3Jの第二座面22Jの第一座面21J側の端面221Jとの、座具1Jの前後方向の最大距離は、70mm以上250mm以下であることが好ましい。さらに具体的には、当該距離は、例えば、標準的な体型を持つ成人男性及び成人女性に対応可能とするためには、100mm以上200mm以下であることが好ましく、150mm以上170mm以下であることがさらに好ましく、また、例えば、小学生以下の子供等に対応可能とするためには、70mm以上150mm以下であることが好ましい。また、当該距離は、例えば、背骨92が後方に凸に曲がっているお年寄り等であっても着座姿勢を可能な限り良好にするためには、200mm以上250mm以下であることが好ましい。
第十実施形態によれば、第九実施形態の効果に加えて、下側のクッション153によって、着座する者の仙骨912と当接して、仙骨912の位置を固定するとともに、仙骨912が背板152Bに対して押圧される際の衝撃を緩和することができる。また、上側のクッション154によって、着座する者に対して背骨92が自然なS字カーブを維持するように促すとともに、背骨92が背板152Bに対して押圧される際の衝撃を緩和することができる。
なお、本実施形態では、下側クッション153又は上側クッション154の一方のみを設けてもよい。なお、下側クッション153のみを設ける場合、その分、支持体152の背板152Bの高さを低くして、座具1Jをさらに小型にすることができる。
また、支持体152と座板3Jとを、互いに固定せずに、別体として構成してもよい。これにより、使用者が、着座の際に、自身の骨盤の大きさに応じて、下側クッション153と座板3Jの第二座面22Jの第一座面21J側の端面221Jとの距離を調節することができる。これにより、着座する者の個人差によって微妙に異なる骨盤91の大きさの違いに対応することができる。この場合、座板3Jの裏面に、滑り止め手段(図示せず)を設けてもよい。滑り止め手段は、例えば、該裏面を凹凸面に形成したり、該裏面に滑り止めシートを貼り付けたりすること等により、実現することができる。または、滑り止め手段を設ける代わりに、座板3Jの、支持体152に対する前後方向の位置を調節する位置調節手段(図示せず)を設けてもよい。位置調節手段は、例えば、支持体152の底板152Aに、前後方向に延びるスリットを、支持体152の左右方向中心に形成するとともに、座板3Jに、座板3Jの底面から下方に延びる突起を設けて、当該突起が当該スリット内を前後方向に変位可能となるようにすること等により、実現することができる。位置調節手段によれば、下側クッション153と座板3Jの端面221Jとの上記距離の調節を可能にしつつ、座板3Jが支持体152に対して不所望に左右方向に変位することを防止することができる。
また、支持体152の底板152Aの裏面に滑り止め手段(図示せず)を設けてもよい。滑り止め手段は、例えば、底板152Aの裏面を凹凸面に形成したり、底板152Aの裏面に滑り止めシートを貼り付けたり、あるいは底板152Aの裏面に接着剤を塗布すること等により、実現することができる。
また、第一実施形態に係る座具1を構成する座板3(図1〜2)、第三実施形態に係る座具1Bを構成する座板3B(図4)、第四実施形態に係る座具1Cを構成する座板3C(図5)、第五実施形態に係る座具1Dを構成する座板3D(図6)、第六実施形態に係る座具1Eを構成する座板3E(図7)、又は第七実施形態に係る座具1Fを構成する座板3F(図8)を、それぞれ本実施形態に係る座具1Jの座板3Jの代わりに使用してもよい。
[第十一実施形態]
次に、本発明の座具の第十一実施形態について、図12(a)、図12(b)を参照しながら説明する。図12(a)は、本発明の座具の第十一実施形態を示す斜視図である。図12(b)は、図12(a)の座具のC−C断面図である。なお、本実施形態の説明において、既に説明した実施形態と重複する部分の構成及び作用の説明を省き、異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の座具1Nは、座板3Nと、椅子の座面等の水平面上に設置され、座板3Nを支持する支持体158とを備える。
座板3Nは、主に、第一座面21N側の部分が波形状に形成されている点で、図9に示す第八実施形態に係る座具1Kを構成する座板3Kと異なる。具体的には、座板3Nの第一座面21N側の部分が、その上面(第一座面21N)及び裏面において、それぞれ前後方向に延びる湾曲突条部及び湾曲凹条部を左右方向に交互に連結した波形状となっている。なお、座板3Nは、第一座面21N側の部分と第二座面22N側の部分とが、一体的に形成されている。
座板3Nの材質は、人体の体重によってへこみを生じにくい材質であることが好ましい。このような材質として、木材、帆布のような収縮性の小さい高密度生地、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、EVA樹脂等のプラスチック材等を用いることができる。
なお、材質を熱可塑性エラストマー、ゴム、又はプラスチック材とする場合は、その硬度が5〜120であることが好ましく、40〜90であることがさらに好ましい。硬度を上記好ましい範囲、特には、上記さらに好ましい範囲に設定することで、着座者の快適性を適度に確保しつつ、座板3Nを長期間にわたって使用することにより座板3Nが不所望に変形することを、防ぐことができる。
そして、座板3Nの第一座面21N側部分を波形状に形成するとともに、座板3Nの材質を上述した硬度を持つ熱可塑性エラストマー、ゴム、又はプラスチック材等とした場合には、使用者が着座したときに使用者の体重によって、座板3Nの第一座面21N側部分における上面側の突条部140Nを、若干下方にへこませることができる。これにより、座板3Nの持つ高い硬度によって段差部分に過度な変形が生じることを防止するとともに、座板3Nの第一座面21N側部分が若干へこむことにより当該部分がクッションのように機能するので、着座者の座り心地を向上させることができる。
第二座面22Nの主面10N(第一座面21N側の端面221Nを除く第二座面22N)の中央領域304を除く左右両側領域305、305における前後方向の最大長さL13、第一座面21Nの前後方向の最大長さL14、第二座面22Nの端面221Nの左右方向の長さW、及び端面221Nからなる段差の高さH12の好ましい値は、それぞれ図9に示す座板3Kの長さL10、長さL11、長さW、及び高さH11と同様である。なお、端面221Nからなる段差の高さH12は、当該端面221Nの、第一座面21Nの上面側の突条部140Nの上端から測った高さをいうものとする。
また、座板3Nの第一座面21Nが、座具1Nの左右方向における座板3Nの全長に渡って、端面221Nによる段差に妨げられることなく延びている点、及び、端面221Nが、平面視したときに、前方向に凸となるように湾曲又は屈曲して形成されている点は、図9に示す座板3Kと同様であるので、その説明を省略する。
水平面上に載置される支持体158は、座板3Nが載置される底板158Aと、第一背板部分158Cと、第二背板部分158Bとを有する。第一背板部分158Cは、底板158Aと一体的に形成されており、底板158Aの後側端部から上方に延びている。第二背板部分158Bは、底板158A及び第一背板部分158Cとは別体に構成されており、第一背板部分158Cの前面に、任意の固定手段により固定されている。従って、第一背板部分158Cと、第二背板部分158Bとで、実質的に座具1Nの支持体158の背板を構成することとなる。そして、この座具1Nの背板は、底板158Aの、座板3Nの第一座面21N側の端部から延びるとともに、第二背板部分158Bにおいて、底板158Aに対して上方に略直角に延びている。ただし、底板158Aと第一背板部分158Cと第二背板部分158Bとを一体的に形成してもよい。
支持体158は、主に、底板158Aの上面に前後方向に延びる複数の溝159が形成されている点で、図10に示す支持体157とは異なる。図12(b)から明らかなように、溝159は、座板3Nの裏面側の突条部141Nと嵌合して、座板3Nが支持体157の底板157A上を前後方向に摺動し得るように寸法決めされている。これにより、使用者は、着座する際に、支持体158の第二背板部分158Bに対する座板3Nの前後方向の位置を調整することができるとともに、座板3Nが支持体158に対して不所望に左右方向に変位することを抑制することができる。
図12に示すように、支持体158の溝159の前後方向の長さを、座板3Nの前後方向の長さよりも長く形成した場合には、座板3Nの裏面側の突条部141Nが、溝159内を摺動する際に、溝159によってさらに安定的に案内されることとなる。
支持体158の底板158Aと第二背板部分158Bとのなす角度、すなわち、底板158Aの略水平に延びる部分の上面と第二背板部分158Bの前面とのなす角度θの好ましい値は、図10のなす角度θと同様である。
第十一実施形態によれば、第九実施形態の効果に加えて、座板3Nが支持体158と嵌合しながら支持体158上を前後方向に摺動し得るようにしたので、使用者が、着座する際に、支持体158の第二背板部分158Bに対する座板3Nの前後方向の位置を調整することができるとともに、座板3Nが支持体158に対して不所望に左右方向に変位することを抑制することができる。
なお、支持体158の底板158Aの裏面に滑り止め手段(図示せず)を設けてもよい。滑り止め手段は、例えば、底板158Aの裏面を凹凸面に形成したり、底板158Aの裏面に滑り止めシートを貼り付けたり、あるいは底板158Aの裏面に接着剤を塗布すること等により、実現することができる。
また、本実施形態では、座板3N及び支持体158を合わせて座具1Nを構成したが、支持体158を用いずに、座板3Nのみで座具を構成してもよい。
なお、上述した第一〜十一実施形態に係る座具は、いずれも、座具全体を覆うカバー(図示せず)を備えてもよい。このようなカバーは、例えば、伸縮性のある布等からなるシート等で構成することができる。
<椅子>
以下、本発明の椅子及び本発明の他の椅子の第一〜三実施形態について、図13〜図16を参照しながら説明する。なお、以下に述べる実施形態は本発明の一例であり、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではない。
本発明の椅子及び本発明の他の椅子は、基本的に、上述した本発明の座具の座面と同様の座面を有する。したがって、上述した各実施形態に係る座具の座面を、本発明の椅子及び本発明の他の椅子に適用することができる。
[第一実施形態]
本発明の椅子及び本発明の他の椅子の第一実施形態について図13〜図14を参照しながら説明する。図13は、本発明の椅子及び本発明の他の椅子の第一実施形態を示す斜視図である。図14は、図13の椅子に人体が着座した様子を示す、図13のB−B線断面図である。本実施形態の椅子101は、第一座面21Gを形成する第一座板108、第二座面22Gを形成する第二座板109、背板103、脚部104、及び結合板105を備える。第1座板108と第2座板109とが、一つの座板110を形成する。結合板105は、第一座板108、第二座板109、及び脚部104を互いに結合する。脚部104及び結合板105は椅子101の左右にそれぞれ一対ずつ設けられ、それぞれの脚部104が椅子101の前方及び後方に分岐する。これにより、椅子101は四本の脚で支えられ、自立する。
背板103と座板110とは、前後方向の縦断面において、背板103の、座板110側に位置する前面(人体との対向面)が、第一座面21Gに対して上方に略直角に延びるように組み合わされ、左右の両側から結合板105、105に挟まれて連結される。互いに連結された背板103、第一座板108、第二座板109、及び結合板105は、結合板105と脚部104とが例えばボルト106で締結されることにより、脚部104と連結される。なお、背板103の前面は、その一部分のみで、第一座面21Gに対して上方に略直角に延びていてもよい。
第二座面22Gは、第一座面21Gから連続して、椅子101の前方向に延びる。第二座面22Gは、第一座面21G側の端面221Gにより、第一座面21Gよりも高い位置に段差を形成する。座面2Gは、図6に示す第五実施形態に係る座具1Dの座面2Dと同様に、第二座面22Gの方向へ円弧状に凸となった第一座面21Gを備える。これに伴い、第二座面22Gの第一座面21G側の端面221Gが、平面視したときに、椅子101の前方向に凸となるように湾曲又は屈曲して形成されている。また、座面2Gは、第二座面22Gの前後方向の長さが、左右方向の中心線(図13の一点鎖線)付近で最も長く形成されている点で、座面2Dとは異なっている。第一座板108と第二座板109とは、左右一対のボルト等の締結具107によって、第一座板108の表面の前方部分の上に第二座板109が重なった状態で、互いに締結される。
第一座面21Gは、第一座板108の表面のうち、第二座板109と重ならない部分により形成される。第二座面22Gは、第二座板109の上面である。そして、第二座面22Gは、その後端面、すなわち第一座面21G側の端面221Gが、斜面となっており、この端面221Gにて第一座面21Gに隣接する。
椅子101に人体が着座する際には、着座者がその臀部を第一座面21G上に載置し、大腿上部を第二座面22G上に載置することによって、第一座面21Gで着座者の臀部を支えて、第二座面22Gで着座者の大腿上部を支える状態となる。この際に、着座者の一対の坐骨911、911は、端面221Gに当接し、端面221Gによる段差によって前方への移動が規制されるとともに、着座者の仙骨912は、背板103の前面に当接し、背板103の前面によって後方への移動が規制され、三点固定状態が達成される。
第一座面21Gは、椅子101の左右方向における座板110の全長に渡って、段差に妨げられることなく延びている。このため、段差は着座者の臀部の左右両側を圧迫せず、第一座面21Gで着座者の臀部を支えることとなる結果、着座者は臀部に圧迫感を感じることなく快適に着座することができる。
第二座面22Gの第一座面21G側の端面221Gは、平面視したときに、前方向に凸となるように湾曲して形成されている。本実施形態の椅子101は、こうした端面221Gによる段差を備えることにより、当該段差によって一対の坐骨911、911を包み込むように固定することができ、着座する者の個人差によって微妙に異なる坐骨位置の違いを吸収して、より効果的に着座者の着座姿勢を良好にすることができるとともに、平面視で段差が坐骨の輪郭形状により沿ったものとなるために、着座者がより快適に着座することができる。このとき、平面視したときの端面221Gの前方側の縁部の曲率半径の好適な値として、例えば290〜330mmが挙げられる。
第二座面22Gの主面10G(第一座面21G側の端面221Gを除く第二座面22G)は、左右方向の中央領域302を除く左右両側領域303、303によって、着座者の一対の大腿上部を支える。主面10Gの左右両側領域303、303における前後方向の長さが長いと、その分、主面10Gに着座者の大腿上部が広く押し付けられ、着座者の快適性を低下させることとなる。したがって、主面10Gの左右両側領域303、303における前後方向の長さは、短い方が好ましい。この観点から、第二座面22Gの主面10Gにおける、左右両側の領域303、303の、前後方向の最大長さLが、第一座面21Gの、前後方向の最大長さLより短く形成されている。この構成によれば、着座者の大腿上部が広く第二座面22Gに押し付けられることを回避して、着座者が長時間快適に着座することができるとともに、椅子101を極めてコンパクトに構成することができる。
ここで、第二座面22Gの主面10Gにおける、左右方向の中央領域302とは、着座者の一対の大腿上部の間にほぼ位置する、主面10Gの左右方向の中心線をはさんで主面10Gの左右方向の長さに対して4分の1の幅を有する領域を言うものとする。
ここで、端面221Gと背板103の前面との間に、着座者の臀部全体を収めて、三点固定状態を達成し得るようにする必要がある。この観点から、第一座面21Gの椅子101の前後方向の最大長さLは、70mm以上250mm以下に設定されている。なお、具体的には、当該最大長さLは、例えば、標準的な体型を持つ成人男性及び成人女性に対応可能とするためには、100mm以上200mm以下であることが好ましく、150mm以上170mm以下であることがさらに好ましく、また、例えば、小学生以下の子供等に対応可能とするためには、70mm以上150mm以下であることが好ましい。また、当該最大長さLは、例えば、背骨92が後方に凸に曲がっているお年寄り等であっても着座姿勢を可能な限り良好にするためには、200mm以上250mm以下であることが好ましい。
第二座面22Gは、その主面10Gの左右両側の領域303、303で着座者の大腿上部を支えるとともに、第一座面21G側の端面221Gからなる段差を形成することによって、一対の坐骨911、911が前方に移動するのを規制する機能を有する。ここで、第二座面22Gの主面10Gの、左右両側の領域303の、椅子101の前後方向の最大長さLは、三点固定状態の達成には関与するものではなく、また、当該最大長さLが長いと、その分、第二座面22Gに着座者の大腿上部が広く押し付けられて着座者の快適性を低下させることとなる。したがって、当該最大長さLは、短い方が好ましく、本実施形態では、具体的には150mm以下とされている。なお、当該最大長さLは、90mm以下であることがより好ましく、40mm以下であることがさらに好ましい。一方、当該最大長さLが短すぎると、硬度が比較的低い材質を用いる場合、着座者から掛かる体重により第二座面22Gが変形し易くなり、逆に硬度が比較的高い材質を用いる場合、第二座面22Gの部分が着座者の大腿上部に食い込んで着座者の快適性が低減されることとなる。この観点から、当該長さLは、3mm以上であることが好ましい。
第一座面21Gに対する背板103の高さHは、50mm以上350mm以下であることが好ましく、100mm以上210mm以下であることがさらに好ましい。また、背板103の前面と第一座面21Gとのなす角θは、三点固定状態を達成し得るように略直角であることが望ましく、具体的には90°以上120°以下であることが好ましく、90°以上95°以下であることがさらに好ましい。
第一実施形態に係る椅子101によれば、座面2Gの前後方向の最大長さを、例えば150mm以上170mm以下と、人体が着座するときの仙骨912から大腿上部までの長さとほぼ同一にすることができる。これにより、座面の前後方向の長さが、人体が着座するときの仙骨から大腿下部までの長さにほぼ同一であるような従来の椅子と比べて、本実施形態に係る椅子101は、コンパクトとなり、収納性を向上することができる。
なお、本実施形態に係る椅子においては、第一座板108と第二座板109とを、一体形成してもよい。
また、締結具107に、背板103と第二座面22Gとの離間幅を調節する調節機構(図示せず)を設けてもよい。この場合、締結具107が前後方向に移動できるように、調節可能としたい離間幅の大きさに応じたスリット(貫通孔)を第一座板108及び/又は第二座板109に設けておくことが例示される。
ボルト106を回転軸として、背板103、座板110、及び結合板105を一体的に、脚部104に対して後方へ傾斜させる傾斜機構を設けてもよい。このような傾斜機構を設けることにより、椅子101の使用者は、長時間同じ姿勢を維持することに伴う臀部の圧迫を感じた際に、一時的に、背板103、座板110、及び結合板105を後部に傾斜させ、臀部にかかる圧迫を軽減させることができる。
上記実施形態では脚部104を椅子101の両側に設けたが、脚部を座面の裏側中央付近(重心)に設けてもよい。この場合、ガスシリンダーのような公知の昇降手段を脚部に設けてもよい。
椅子101を折り畳み式に構成することで、収納性をさらに向上させてもよい。
主面10Gの中央領域302は、着座者の大腿上部からの体重があまりかからない領域であることから、図13に示すように、その前後方向の長さは、主面10Gの左右両側領域303、303よりも長くても構わない。しかし、コンパクト性の観点から、主面10Gの前後方向の長さを、その左右方向の全域に渡って、第一座面21Gの前後方向の最大長さLより短く形成することが好ましい。
また、第一実施形態に係る座具1(図1〜2)、第三実施形態に係る座具1B(図4)、第四実施形態に係る座具1C(図5)、第六実施形態に係る座具1E(図7)、第七実施形態に係る座具1F(図8)、第八実施形態に係る座具1K(図9)、第十一実施形態に係る座具1N(図12)の座面を、それぞれ本実施形態に係る椅子101の座面2Gの代わりに使用することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の椅子及び本発明の他の椅子の第二実施形態について図15を参照しながら説明する。図15は、本発明の椅子及び本発明の他の椅子の第二実施形態を示す斜視図である。本実施形態の椅子131は、座面2Hを有する座板135、背板133、脚部134、及び背板133を座板135に対して固定するための固定具138を備える。
座面2Hは、図6に示す第五実施形態に係る座具1Dの座面と同様の構造を有する。具体的には、座面2Hは、第一座面21H及び第二座面22Hからなる。第二座面22Hの第一座面21H側の端面221Hが、平面視したときに、前方向に凸となるように湾曲して形成されている。第二座面22Hは、第一座面21H側の端面221Hによって段差を形成する。
固定具138は、上下方向に延びて左右方向に互いに離間した一対のポールを有し、座板135の後端面に取り付けられる。背板133の、座板135側に位置する前面は、第一座面21Hに対して上方に略直角に延びている。すなわち、前後方向の縦断面における背板133の前面と第一座面21Hとのなす角θは、三点固定状態を達成し得るように略直角とされており、具体的には90°以上120°以下であることが好ましく、90°以上95°以下であることがさらに好ましい。
図示するように、背板133は、座板135とは、上下方向に離間しているが、第一実施形態に係る椅子101における背板103と同様の機能を有する。すなわち、第一座面21Hに対する背板133の上下方向の位置は、着座する者の仙骨912に当接し得るように設定される。この観点から、背板133の下縁部と第一座面21Hとの間の上下方向の距離Hは、10mm以上250mm以下であることが好ましく、30mm以上70mm以下であることがさらに好ましい。
第二座面22Hの主面10Hの前後方向の長さは、その左右方向の全域に渡って、第一座面21Hの前後方向の最大長さより短く形成されている。この構成によれば、着座者の大腿上部が広く第二座面22Hに押し付けられることを回避して、着座者が長時間快適に着座することができるとともに、椅子131を極めてコンパクトに構成することができる。
第一座面21Hは、椅子131の左右方向における座板135の全長に渡って、段差に妨げられることなく延びている。言い換えれば、第一座面21Hの左右両側には、着座者の骨盤91を規制するものが設けられていない。このため、段差は着座者の臀部の左右両側を圧迫せず、第一座面21Hで着座者の臀部を支えることとなる結果、着座者は臀部に圧迫感を感じることなく快適に着座することができる。さらに、仮に着座者の臀部が第一座面21Hの左右両側からはみ出るとしても、段差の左右方向の長さが一対の坐骨間の間隔と同等又はそれ以上である限り、問題なく三点固定状態を達成することができる。よって、例えば、段差の左右方向の長さを一対の坐骨間の間隔と同等にまで短くすることが可能であり、椅子131をコンパクトに構成することも可能になる。
椅子131に人体が着座すると、骨盤91の下方に位置する一対の坐骨911、911が端面221Hからなる段差に引っかかるとともに、人体の仙骨912が背板133に当接することにより、骨盤91が三点固定状態となる。よって、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第一座面21Hの、椅子131の前後方向の最大長さや、第一座面21H側の端面221Hを除く第二座面22H(すなわち主面10H)の、椅子131の左右方向の中央領域を除く領域の、椅子131の前後方向の最大長さ等の、各種寸法については、第一実施形態(図13)で説明したものと同様である。
[第三実施形態]
次に、本発明の椅子及び本発明の他の椅子の第三実施形態について、図16を参照しながら説明する。図16は、本発明の椅子及び本発明の他の椅子の第三実施形態を示す斜視図である。本実施形態に係る椅子165は、座板156Aと、背板156Bと、座面上に固定された段差形成部材161と、背板156Bの前面に固定された壁面形成部材163とを備える。この椅子165は、背板156Bが後方に大きく傾斜した公知の椅子156に、段差形成部材161及び壁面形成部材163を取り付けることにより作ることができる。そして、段差形成部材161と、座板156Aの、段差形成部材161より後側の部分(段差形成部材161と背板156Bとの間の部分)とを組み合わせて、一つの座板を形成する。
段差形成部材161の上面170及び後側の端面171は、それぞれ上述した各実施形態に係る座具や椅子におけるものと同様の第二座面の主面及び第一座面側の端面を構成する。また、座板156Aの、段差形成部材161より後側かつ壁面形成部材163より前側の部分の上面は、上述した各実施形態に係る座具や椅子におけるものと同様の第一座面を構成する。段差形成部材161は、座板156Aの上面に対して段差を形成する。人体が椅子165に着座すると、第一座面を構成する、座板156Aの、段差形成部材161より後側かつ壁面形成部材163より前側の部分の上面で着座者の臀部を支え、第二座面を構成する段差形成部材161の上面170で着座者の大腿上部を支える。そして、段差を形成する、段差形成部材161の後側の端面171により、一対の坐骨911、911の前方への移動を規制する。段差形成部材161の上面170の形状や寸法については、図9に示す第八実施形態に係る座具1Kの第二座面22Kの主面10Kと同様であるため、その詳細の説明を省略する。
段差形成部材161は、接着剤や面ファスナー等の固定手段162により、座板156Aの上面に取り付けられている。
壁面形成部材163は、接着剤や面ファスナー等の固定手段164により椅子156の背板156Bの前面に取り付けられる。壁面形成部材163及び背板156Bは、実質的に椅子165の背板を構成する。そして、この椅子165の背板の、座板側に位置する前面は、壁面形成部材163の前面の部分で、第一座面に対して上方に略直角に延びている。壁面形成部材163の前面により、椅子156に着座する者の仙骨912の後方への移動を規制する。この観点から、壁面形成部材163は、椅子156に着座する者の仙骨912と当接し得るように、底板156Aの上面から50mm以上350mm以下の高さ範囲内に配置することが好ましく、100mm以上210mm以下の高さ範囲内に配置することがさらに好ましい。また、前後方向の縦断面における壁面形成部材163の前面と椅子156の座面とのなす角θは、略直角とされており、具体的には、90°以上120°以下であることが好ましく、90°以上95°以下であることがさらに好ましい。
段差形成部材161及び壁面形成部材163は、使用者の体重によってへこみを生じにくい材質であることが好ましい。このような材質として、木材、帆布のような収縮性の小さい高密度生地、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、EVA樹脂等のプラスチック材等を用いることができる。
なお、材質を熱可塑性エラストマー、ゴム、又はプラスチック材とする場合は、その硬度が5〜120であることが好ましく、40〜90であることがさらに好ましい。硬度を上記好ましい範囲、特には、上記さらに好ましい範囲に設定することで、着座者の快適性を適度に確保しつつ、段差形成部材161及び壁面形成部材163を長期間にわたって使用することにより段差形成部材161及び壁面形成部材163が不所望に変形することを、防ぐことができる。
第一座面の、椅子165の前後方向の最大長さ、すなわち、壁面形成部材163の前面と段差形成部材161の後側の端面171の下端との間の椅子165の前後方向の最大距離は、70mm以上250mm以下とされている。なお、当該距離は、例えば、標準的な体型を持つ成人男性及び成人女性に対応可能とするためには、100mm以上200mm以下であることが好ましく、150mm以上170mm以下であることがさらに好ましく、また、例えば、小学生以下の子供等に対応可能とするためには、70mm以上150mm以下であることが好ましい。また、当該距離は、例えば、背骨92が後方に凸に曲がっているお年寄り等であっても着座姿勢を可能な限り良好にするためには、200mm以上250mm以下であることが好ましい。
第三実施形態によれば、使用者は、三点固定状態を維持し得ないような椅子156に、段差形成部材161及び壁面形成部材163を取り付けるだけで、三点固定状態を維持可能な椅子165を得ることができる。したがって、段差形成部材161及び壁面形成部材163を取り付ける際に、使用者は、自身の骨盤91の大きさに応じて、壁面形成部材163と段差形成部材161との間の前後方向の最大距離を、上述した値の範囲内で、適宜調節することができる。
なお、椅子165の背板156Bが座板156Aに対して略垂直である場合、壁面形成部材163を用いなくてもよい。
また、第一座面側の端面を除く第二座面、すなわち、主面170の、椅子165の左右方向の中央領域を除く領域の、椅子165の前後方向の最大長さ等の、各種寸法については、第一実施形態(図13)で説明したものと同様である。
以上、本発明の座具及び椅子の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られず、様々な変形例、変更例をも包含する。例えば、一方の実施形態で説明した技術的要素を、他方の実施形態に適用することもできる。
本発明の座具及び椅子は、長時間の作業、運転、勉強、観劇、スポーツ観戦等に用いる座具及び椅子として適用して特に好適であり、また、小さくコンパクトに構成できる点から、例えば、建物、特には、講堂やスタジアム等の大規模建築物等に作りつけの椅子、事務椅子、介護用椅子、介護用ベッド、テーブル用椅子、公共ベンチ、車用シート、航空機用シート、スキー場のリフト用椅子、車椅子等として、又は、これらに載置して、好適に使用することができる。
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1J、1K、1M、1N 座具
2、2B、2C、2D、2E、2F、2G、2H、2J、2K、2M、2N 座面
3、3A、3B、3C、3D、3E、3F、3J、3K、3M、3N 座板
4 表面部材
5 生地
7、101、131、156、165 椅子
8 壁面
9 水平面
10、10B、10C、10D、10E、10F、10G、10H、10J、10K、10M、10N 主面
11、11F、11J 裏面
12 後側座板
13 凹凸シート
21、21B、21C、21D、21E、21F、21G、21H、21J、21K、21M、21N 第一座面
22、22B、22C、22D、22E、22F、22G、22H、22J、22K、22M、22M 第二座面
31 座具の背板
71、110、135、156A 椅子の座板
72 椅子の座面
73、103、133、156B 椅子の背板
91 骨盤
92 背骨
104、134 脚部
105 結合板
106 ボルト
107 締結具
108 第一座板
109 第二座板
138 固定具
140N 上面側の突条部
141N 裏面側の突条部
152、157、158 支持体
152A、157A、158A 支持体の底板
152B、157B 支持体の背板
153 下側クッション
154 上側クッション
155、162、164 固定手段
158B 支持体の第二背板部分
158C 支持体の第一背板部分
159 溝
161 段差形成部材
163 壁面形成部材
170 段差形成部材の上面
171 段差形成部材の後側の端面
211、211B、211C、211D、211E、211F、211G、211H、211J、211K、211M、211N 後縁部
221、221B、221C、221D、221E、221F、221G、221H、221J、221K、221M、221N 第二座面の第一座面側の端面
222、222B、222C、222D、222E、222F、222G、222H、222J、222K、222M、222N 前縁部
223 筒
224 筒状充填体
225 芯材
230F 硬材質座板
232F 軟材質座板
300、302、304 中央領域
301、303、305 左右両側の領域(中央領域を除く領域)
911 坐骨
912 仙骨

Claims (8)

  1. 座板を備えた座具において、
    前記座板は、
    第一座面と、
    前記第一座面から連続して座具の前方向に延びる第二座面と、
    を備え、
    前記第二座面は、前記第一座面側の端面により、前記第一座面よりも高い位置に段差を形成し、
    前記第一座面で着座者の臀部を支え、前記第二座面で着座者の大腿上部を支える際に、前記段差により着座者の坐骨が前方へ移動することを規制し、
    前記第一座面は、座具の左右方向における前記座板の全長に渡って、前記段差に妨げられることなく延びていることを特徴とする、座具。
  2. 前記第二座面の前記第一座面側の端面が、平面視したときに、座具の前方向に凸となるように湾曲又は屈曲して形成されている、請求項1に記載の座具。
  3. 前記第一座面側の端面を除く前記第二座面の、座具の左右方向の中央領域を除く領域の、座具の前後方向の最大長さが、前記第一座面の、座具の前後方向の最大長さより短い、請求項1又は2に記載の座具。
  4. 前記第一座面の、座具の前後方向の最大長さが70mm以上250mm以下であり、前記第一座面側の端面を除く前記第二座面の、座具の左右方向の中央領域を除く領域の、座具の前後方向の最大長さが150mm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の座具。
  5. 前記座板の前記第一座面側の端部から延びるとともに、少なくとも一部分で前記座板に対して略直角に延びる背板をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の座具。
  6. 前記座板を支持する支持体をさらに備え、
    前記支持体は、前記座板が載置される底板と、該底板の前記座板の前記第一座面側の端部から延びるとともに、少なくとも一部分で前記底板に対して略直角に延びる背板とを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の座具。
  7. 座板、背板、及び脚部を備えた椅子において、
    前記座板は、
    第一座面と、
    前記第一座面から連続して椅子の前方向に延びる第二座面と、
    を備え、
    前記背板の、前記座板側に位置する前面が、少なくとも一部分で、前記第一座面に対して略直角に延び、
    前記第二座面は、前記第一座面側の端面により、前記第一座面よりも高い位置に段差を形成し、
    前記第一座面で着座者の臀部を支え、前記第二座面で着座者の大腿上部を支える際に、前記段差により着座者の坐骨が前方へ移動することを規制するとともに、前記背板の前記前面により着座者の仙骨が後方へ移動することを規制し、
    前記第一座面は、椅子の左右方向における前記座板の全長に渡って、前記段差に妨げられることなく延びており、
    前記第二座面の前記第一座面側の端面が、平面視したときに椅子の前方向に凸となるように湾曲又は屈曲して形成されていることを特徴とする、椅子。
  8. 座板、背板、及び脚部を備えた椅子において、
    前記座板は、
    第一座面と、
    前記第一座面から連続して椅子の前方向に延びる第二座面と、
    を備え、
    前記背板の、前記座板側に位置する前面が、少なくとも一部分で、前記第一座面に対して略直角に延び、
    前記第二座面は、前記第一座面側の端面により、前記第一座面よりも高い位置に段差を形成し、
    前記第一座面で着座者の臀部を支え、前記第二座面で着座者の大腿上部を支える際に、前記段差により着座者の坐骨が前方へ移動することを規制するとともに、前記背板の前記前面により着座者の仙骨が後方へ移動することを規制し、
    前記第一座面は、椅子の左右方向における前記座板の全長に渡って、前記段差に妨げられることなく延びており、
    前記第一座面の、椅子の前後方向の最大長さが70mm以上250mm以下であり、前記第一座面側の端面を除く前記第二座面の、椅子の左右方向の中央領域を除く領域の、椅子の前後方向の最大長さが150mm以下であることを特徴とする、椅子。
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