JP6527320B2 - 作業用椅子 - Google Patents

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本発明は椅子に関する。さらに詳述すると、本発明は、手術などの長時間の作業において座るのに適した椅子に関する。
手術用椅子などの作業を主とした椅子は、執刀医の上腕の支持や介助などに工夫をしたものはあるが(特許文献1−4)、座り心地に配慮したものは少なく、人体寸法に合わせた十分な広さの幅と奥行き寸法を有する平らな円盤のような座を備えたものが一般的である。また、手術用椅子には、患者の血液などの体液が付着したときなどに、衛生面から簡単に拭い取り去りかつアルコール消毒などが実施できることが必要とされる。このことから、現在、オールステンレス製あるいはウレタンクッションを合成皮革で被覆した座を備える椅子が一般的である。
特開平10−272163号公報 特開昭59−186556号公報 実開平03−33628号公報 実開平06−63031号公報
しかしながら、合成皮革の座の下にもウレタンのクッションは存在するものの、衛生面的な配慮がなされているだけで、座り心地に関する配慮は全くといって良いほどなおざりにされていることから、クッションが薄く座ると硬いものである。さらに、座面の形状も座り心地に特に考慮されておらず、単なる円盤状に形成されているだけなので、局所的に圧力がかかってしまう問題がある。このため、長時間座り続けるとお尻が痛くなり、集中力を欠けさせる要因ともなりかねない。手術によっては、数時間から最長20数時間にも及ぶ長い時間座り続けなければならないため、苦痛の原因となっている。
しかも、血液などを拭き取りやすくするため、座面がレザーやステンレスで形成されていることから、通気性が悪く蒸れる問題がある。
また、手術などの長時間の作業は、前傾姿勢の作業や浅い座りが主たる姿勢であるため、前方に傾く(チルトする)椅子では前ずれを起こして座面からずり落ちようとするので、姿勢を維持するのに疲れる。反面、深く座ると、大腿部が圧迫され、血行阻害を起こして足が痺れる問題を伴う。手術中の顕微鏡の焦点合わせやスイッチ操作、昇降操作などは全て足を使ったペダル操作によって行われるので、足が自由に動かせることが必要である。そこで、前ずれを起こすこと無くペダル操作が正確に楽にできる椅子が望まれる。
また、欧米人に比べて骨盤が倒れ、重心が前にある日本人はお尻全体で浅くことかけてしまう傾向にあり、背当てを使用した椅子では体幹が後方に傾斜する傾向にある。このため、意識して骨盤を立てるように座らなければ、つい骨盤が倒れて腰椎が湾曲し、脊椎も湾曲して頭部も前傾した状態となり易いので、いつの間にか姿勢が崩れて所謂仙骨座りとなっていることがある。この仙骨座りは、骨盤が後傾し、脊椎が湾曲して円背となり、結果として頭部が前傾して筋肉に大きな負担をかけるため、筋肉の疲労が溜まり、疲労を感じることから長時間座っていられない原因となる。そこで、長時間座り続けても適正な姿勢に導き易い椅子が望まれる。
本発明は、手術などの長時間の座り作業における着座者の疲労を軽減する椅子を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために請求項1記載にかかる発明は、手術用椅子において、着座者を支持する身体支持面を備える座部と腰部サポート部とを有し、座部は骨盤を立てて座の奥深くに着座したときに臀部と臀溝付近の大腿部の一部を支える長さでかつ仙骨座りしたときに大腿部の支えが不十分な長さとなる奥行き長さLを有し、且つ着座者の着座時に着座者の臀溝付近に頂点を有し、該頂点から座面後方に向けて後下がりに傾斜して臀部を支える後部領域と、頂点よりも前方で前下がりに傾斜または湾曲して臀溝付近の大腿部の一部を支える前部領域とを備え、後部領域を腰部サポート部の直前の領域に限り、着座者の大腿部の支持は座骨に連結されている付近に限るようにしている。
また、本発明にかかる手術用椅子において、座部の身体支持面は通気性を有することが好ましい。
また、本発明にかかる手術用椅子において、腰部サポート部の幅は座部の幅よりも狭く、少なくとも着座者が肘を後ろに下げたときに干渉しない幅であることが好ましい。
また、本発明にかかる手術用椅子において、部の座面奥行き寸法は150mm〜350mmの範囲内であることが好ましい。150mm〜350mmの範囲、好ましくは250mm〜350mmの範囲、より好ましく300mm程度とするものである。
また、本発明にかかる手術用椅子において、座部は滑り難い構造を備えるものであることが好ましい。
また、本発明にかかる手術用椅子において、身体支持面を構成する部材は椅子本体に対して着脱自在であることが好ましい。
また、本発明にかかる手術用椅子において、身体支持面を構成する部材は、側面視において、着座者の臀溝付近に頂点を有し、該頂点から座面後方に向けて後下がりに傾斜する主に臀部を支える領域と、頂点よりも前方で前下がりに傾斜または湾曲する臀溝付近の大腿部の一部を支える領域とを備える波形を成していることが好ましい。
また、本発明にかかる手術用椅子において、身体支持面を構成する部材はメッシュ張地であり、メッシュ張地で構成される座面の臀部を支える領域に、前後方向に展開する襞を形成することが好ましい。
また、本発明にかかる手術用椅子において、座部の座面は、後方から前方に向かって幅広な形状を成していることが好ましい。
請求項1記載の手術用椅子によれば、座面の奥行きが短いので、踏ん反り返った姿勢では座れない。結果的に、骨盤が立つことで、脊椎も湾曲せずに直立した状態に保たれ、頭部も前傾せずに真っ直ぐに脊椎の上にあるので、姿勢良く座ることができ、長時間すわっていても疲れにくい。つまり、座るときに骨盤を立てるように姿勢良く着座せざるを得ないので、頭部重量が一直線上に脊椎の上に載った適正な姿勢に導くことがし易いので、疲労も少なくなる。したがって、数時間から20数時間にも及ぶ顕微鏡手術などでの使用に適する。
また、座面の奥行きが短かく、臀溝付近の大腿部の一部を支えて膝側寄りの大腿部が支えられないことから、即ち大腿部の支持が座骨に連結されている付近に限られることから、長時間座っていても、脚が痺れることがないし、足が自由となるので、ペダル操作がし易いものとなる。手術中の顕微鏡などの機器の操作例えば顕微鏡の焦点合わせやスイッチ操作、昇降操作などは全てペダル操作によって足で行われることから、これら操作が正確かつ楽にできる。
また、請求項2記載の発明にかかる椅子によれば、座部の通気性が確保されているので、座っている状態での蒸れが無くなる。このため、長時間の手術にも耐えうる座り心地が得られる。なかでも、身体支持面を構成する部材がメッシュ張地の場合には、着座者である執刀医の座面と接触する部分全面で体重を分散させて支持するため座面の硬さを感じないし、高い通気性が得られることから、手術などの長時間の座り作業における着座者の疲労を軽減する椅子を提供することができる。しかも、患者の血液などの体液が付着しても、め簡単に拭い取り去り、かつアルコール消毒などが実施できるので、衛生的である。また、身体支持面を構成する部材がプラスチック成形品であるシェルの場合においても、通気性が確保されるため、蒸れが少なくなるし、患者の血液などの体液が付着しても、プラスチック成形品であるため簡単に拭い取り去り、かつアルコール消毒などが実施できるので、衛生的である。
また、請求項3記載の発明にかかる椅子によれば、腰部サポート部の幅は座部の幅よりも狭く、肘が当たらない大きさとされているので、執刀医の肘・滅菌域が触れて滅菌状態が喪失されることがない。しかも、腰部サポート部が骨盤をサポートするため、骨盤の後傾、腰椎の後弯を防いで、臀部を支える部分の沈み込みによる前ずれ防止と相俟って仙骨座りを防ぐことができる。腰部を支えない座では姿勢が定まり難いため、腰椎の湾曲のばらつきが大きいものとなるが、腰部を支えることで骨盤の後方の位置が規制されると共に座面の奥行きが短いために浅く腰かけられないので座骨を立てて座らざるを得ないこととなる。したがって、姿勢良く座ることができ、疲れにくいものとなる。
また、請求項4記載の発明によれば、部の座面奥行き寸法は150mm〜350mmの範囲内で設定されているので、人体寸法に合致した適正な位置に設定でき、上述の効果を確実に得ることができる。
また、請求項5記載の発明によれば、座面は滑り止め機能を有しているので、座るときに骨盤を立てるように姿勢良く着座すれば、座骨結節が前方へ滑って骨盤が後傾することがない。したがって、骨盤全体を座面と腰部サポート面とでしっかりサポートし、座骨結節が前ずれしないように立体的に支持することができることから、背骨の上に頭部が乗る姿勢を保つことができ、疲労が溜まらず、長時間座って作業しても疲れにくい。しかも、常に意識して骨盤を立てるように座らなくとも、いつの間にか姿勢が崩れて所謂仙骨座りとなることがない。
また、請求項6記載の発明によれば、部(座面を構成する部材)は椅子本体に対して着脱自在であることから、患者の血液などの体液が付着しても、取り外して洗濯、滅菌処理などが行えるので衛生的であると共に、手術毎にあるいは必要に応じて部(座面を構成する部材)例えばメッシュ張地の張り替えをユーザの手によって行うことができる。医療用の椅子として求められる清潔性を容易に実現することができる。
また、請求項7記載の発明によれば、着座者の臀溝付近に頂点を有し、該頂点から座面後方に向けて僅かに後下がりに傾斜する主に臀部を支える領域と、頂点よりも前方で前下がりに傾斜または湾曲する臀溝付近の大腿部の一部を支える領域とを備えるので、臀溝付近の大腿部の裏を圧迫しないように支持しながら臀部を支える部分では前滑りを妨げる機能を奏することができる。つまり、主に臀部を支える領域を腰部サポート部の直前の領域に限定し大腿部の支持は座骨に連結されている付近に限るようにしているので、着座者は必然的に座るときに骨盤を立てるように姿勢良く着座することとなる。しかも、後傾する臀部を支える部分では前滑りを妨げる機能を有するので、座骨結節が前方へ滑って骨盤が後傾することがない。しかして、いつの間にか姿勢が崩れて所謂仙骨座りとなることがない。
また、請求項8記載の発明によれば、臀部を支える領域の座面に前後方向に展開する襞を形成するようにメッシュ張地を張るようにしたので、骨盤を立てて座らせるように誘導し、同時に座部後方に比べて比較的伸び量が小さい座面前方の大腿部を支える部分が歯止めとなって臀部の前滑りを防ぐことができる。つまり、メッシュ張地に襞が設けられたところでは、横(幅)方向の張りは同じであるが、奥行き(前後)方向には襞が展開して伸びるため、平坦な座面部分と比べて前後方向の伸び量が大きくなる。したがって、同じ体重が襞を有する座面部分と無襞座面部分とに同時にかかると、襞を有する座面部分の方がより沈み込むこととなる。このため、座骨結節を立体的にホールドすると共に前ずれを防ぐことができ、所謂仙骨座りとなることを防いで、長時間座っていても適正な姿勢に導くことがし易いものとなる。さらに、着座部はメッシュ張地で構成されているので、座の通気性が確保されているので、座っている状態での蒸れが無くなる。このため、長時間の手術にも耐えうる座り心地が得られる。着座者である執刀医の座面と接触する部分全面で体重を分散させて支持するため座面の硬さを感じず長時間の着座でも痛くないし、高い通気性が得られることから、座り心地の良い快適な身体支持面を実現できる。
また、請求項9記載の発明によれば、座部の座面が後方から前方に向かって幅広な形状を成しているので、骨盤近傍での大腿部の支持領域が広がることで足下での作業例えばペダル操作などを行い易い。
本発明にかかる作業用椅子を手術用椅子に適用した一実施形態を示す斜視図である。 同椅子の右側面図である。 同椅子の背面図である。 同椅子の平面図を示す図で、身体支持面を構成する部材たるメッシュ張地を取り除いて示す。 同椅子の身体支持面を構成する部材たるメッシュ張地を取り除いて示す斜視図で、サブフレームとベースフレームとを分解して示す。 本発明にかかる作業用椅子を手術用椅子に適用した他の実施形態を示す斜視図で、座部と腰部サポート部のみを示す。 図6の椅子の身体支持面を構成する部材たるメッシュ張地を取り除いてベースフレームと腰部サポートフレームとを示す斜視図である。 図6の椅子のサブフレームを示す斜視図である。 本発明にかかる手術用椅子の座部の他の実施形態を示す平面図である。 身体支持面を構成する部材として樹脂製シェルを用いた実施形態にかかる手術用椅子の座部と腰部サポート部とを示す斜視図である。 身体支持面を構成する部材としてメッシュ張地を用いた場合の他の実施形態を示す座の平面図である。 編み組織(編み方)を途中で変化させることによりメッシュ張地の伸縮のし難い領域(低伸縮領域)とこれよりも伸縮のし易い領域(高伸縮領域)とを構成した座面の拡大図であり、さらに(A)は高伸縮領域、(B)は境界付近、(C)は低伸縮領域を拡大して示す。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。尚、本明細書において、上下(高さ)、前後(奥行き)、左右(幅)の各方向は着座者を基準に定め、互いに直交する奥行き方向(Y軸)、幅方向(X軸)並びに高さ方向(Z軸)の3軸方向は各身体支持構造物の身体支持面をXY平面とすることを基準に定め、奥行き方向は椅子の前後方向と一致するものとして定義される。
図1に、本発明にかかる作業用椅子の一実施形態として手術中に執刀医が座る手術用椅子に適用した一例を示す。この手術用椅子は、メッシュ張地1によって執刀医(着座者)の身体を支持する身体支持面を形成する座部2及び腰部サポート部3を備える回転椅子である。本実施形態において、座部2及び腰部サポート部3は、身体支持面を構成する部材たるメッシュ張地1によって一体的に連続的に形成されている。尚、脚部の支柱に内臓される昇降装置(ガスシリンダ)は、底部に備える環状操作板6を足で踏みつけることで、ガスシリンダのバルブを操作して座部2及び腰部サポート部3を任意に昇降させ得るように設けられている。
座部2は、臀部と膝の裏側近くまでの大腿部を支えるに十分な奥行き寸法を有する従来の一般的な座と比べて奥行き方向長さが短く、骨盤を立てて座の奥深くに着座したときに臀部と臀溝付近の大腿部の一部を支える長さでかつ仙骨座りしたときに大腿部の支えを失うあるいは不十分となる長さとされている。換言すれば、着座者が腰部サポート部3に腰部を当てて骨盤を立てるように座の奥深くに着座したときに、骨盤近傍の大腿部を座面で支えて膝裏寄りの大腿部の前方部分が自由に動けるようにサポートできる長さとされている。一般に、椅子推奨寸法(一般社団法人人間生活工学研究センター発行「日本人の人体寸法 データブック2004−2006)によれば、座面の奥行寸法は、360mm〜460mmの範囲が好ましいものであり、その中でも410mm前後がより好ましいものであるとされている。しかし、本実施形態の椅子によれば、座部2の奥行寸法を敢えて短く設定することにより、適正な姿勢に導き易い座面を実現できることを知見したものであり、かかる知見に基づいて本発明は成されたものである。つまり、本実施形態の座部2は、前述の椅子推奨寸法よりも短い座面奥行寸法(背もたれ点から前端までの長さ)としたものであり、例えば、座面奥行寸法は150mm〜350mmの範囲であり、好ましくは250mm〜350mmの範囲にすることであり、より好ましく300mm程度とするものである。
ここで、座部2の身体支持面(所謂座面)は、全面あるいは一部において滑り難い構造とされることが好ましい。そして、滑り難い構造とされる座面の一部は、着座者の臀部周辺(座面後部)でも着座者の大腿部周辺(座面の前方)でも構わない。さらに、腰部のみでの滑り止めの構造でも良い。つまり、座面の奥行が短い椅子であっても着座者が滑りにくい構造を備えていれば、前滑りを起こすことがないので、骨盤を立てて座骨結節で座った姿勢を保持できる。尚、本明細書において、滑らない構造とは、形状的な配慮によって、あるいは張地自体に滑らない素材を用いることによって(これには通常素材の張地やシェルの上に摩擦係数の高いものを配する場合も含む。)、若しくは伸びる張地と伸びない張地の組み合わせの他、突起物による滑り止め、ゴムなど摩擦係数の高いものによる滑り止め等を含めたものである。
例えば、本実施形態における座面(座の身体支持面)は、図1及び図2に示すように、側方視において、着座者の骨盤から大腿への移行部分であって水平方向の臀部のひだの形態の比較的丸い境界線(臀溝と呼ばれる)付近に頂点7を有し、該頂点7から座面後方に向けて僅かに後下がりに傾斜する主に臀部を支える領域(以下、後部領域と呼ぶ)9と、頂点7よりも前方で前下がりに傾斜または湾曲する臀溝付近の大腿部の一部を支える領域(以下、前部領域と呼ぶ)8とを備え、臀溝付近の大腿部の裏を圧迫しないように支持しながら後部領域9では前滑りを妨げる機能を奏するようにしている。即ち、本実施形態の座部2は、全体に上向きに凸に湾曲した、奥行き長さLを臀部と臀溝付近の大腿部の一部を支える短い長さの座とし、後部領域9を腰部サポート部3の直前の領域に限定し大腿部の支持は座骨に連結されている付近に限るようにしているので、着座者は必然的に座るときに骨盤を立てるように姿勢良く着座することとなる。しかも、後傾する後部領域9では前滑りを妨げる機能を有するので、座骨結節が前方へ滑って骨盤が後傾することがない。つまり、いつの間にか姿勢が崩れて所謂仙骨座りとなることがない。したがって、骨盤全体を座面と腰部サポート面とでしっかりサポートし、座骨結節が前ずれしないように立体的に支持することができる。尚、頂点7の位置は、背もたれ点の位置(垂線上の位置)から約200mmに設定されている。本実施形態の場合では、座面奥行寸法は背もたれ点から約300mmの長さであるため、約3分の2の位置に頂点7が存在する。ちなみに、座位基準点は、背もたれ点の位置(垂線上の位置)から約100mmの位置にあり、頂点7と背もたれ点のほぼ中間点に位置する。そのため、座位基準点は、メッシュ張地1が一番伸びやすい位置にあるといえる。ここで、座位基準点とは、椅子の座面の高さを決める基準となる点であり、左右の座骨結節部(骨盤の下方に突き出た部分で、座位で体重を支えるところ)の中央の点である。そして、一般に床面から座位基準点までの垂直距離を座面高とする。本実施形態の椅子の座位基準点は背もたれ点から例えば100〜150mmの範囲に設定され、座面高さは、通常位置が床面から400mmの高さであり、上方に向かって150mmの範囲で調整が可能とされていることが好ましい。
また、本実施形態では、頂点7よりも後方の後部領域9の座面に前後方向に展開する襞10を形成するように張ることによって、さらに効果的に座面に滑り止め機能と座骨結節を立体的に保持する機能を与えるようにしている。例えば、図2及び図5に示すように、メッシュ張地1の両側縁を支えるサブフレーム12の張地掛け面(上面)18に波形の凹凸19を形成することにより、これら両フレーム12間に張られるメッシュ張地1に張地掛け面18の波形の凹凸19に沿った前後方向に波形の凹凸からなる襞10を形成する(波形張りと呼ぶ)ようにしている。メッシュ張地1に襞10が設けられたところでは、横(幅)方向の張りは同じであるが、奥行き(前後)方向には襞10が展開して伸びるため、平坦な座面部分と比べて前後方向の伸び量が大きくなる。したがって、同じ体重が襞10を有する座面部分と無襞座面部分とに同時にかかると、襞10を有する座面部分の方がより沈み込むこととなる。つまり、座骨を支持して積極的に沈み込み易い後部領域9を腰部サポート部3の直前に設けて骨盤を立てて座らせることを誘導するようにしている。同時に座部後方に比べて比較的伸び量が小さい座面前方の前部領域8が歯止めとなって臀部の前滑りを防ぐことができる。このため、座骨結節を立体的にホールドすると共に前ずれを防ぐことができ、所謂仙骨座りとなることを防いで、長時間座っていても適正な姿勢に導くことがし易いものとなる。
座部2の後端には少なくとも腰部を支える腰部サポート部3を備える。本実施形態では、腰部サポート部3は、腰部サポートフレーム23と、該腰部サポートフレーム23の前面側を覆うように張り渡されるメッシュ張地1とで構成され、腰部サポートフレーム23の外側面に形成された張地取付け用溝21にメッシュ張地1の周縁に縫い付けた係止部材24ともどもメッシュ張地1の縁を折り返して嵌め込むことでテンションを与えながら固定するように設けられている。この腰部サポート部3は、座の幅よりも狭く形成され、着座者・執刀医の滅菌領域である肘を後ろに動かしたときに当たらない大きさに設けられている。例えば、腰部サポート部3の幅は350mm以内であることが好ましい。また、腰部サポート部3の腰部支持高さ(座面から背もたれ点までの高さ)は、200mm上方に設定されることが好ましく、さらに、腰部サポート高さ(座面から腰部サポート部3上端までの高さ)は、背もたれ点を支持できさえすれば良く、その高さ寸法にあまり拘らない。したがって、本実施形態の場合には、座面より300mmの高さに設定されているが、場合によってはもう少し高くあるいは低く設定しても問題ない。尚、腰部サポート部3は、図2及び図5に示すように、高さ方向における中央部分が最も前方へ突出するような湾曲面を形成し、骨盤座りをした執刀医の骨盤と腰椎とを保持する曲面を構成する。この場合、腰部サポート部3はY軸方向において前方へ僅かに湾曲し、X軸方向においては直線的に成形されている。
座部2並びに腰部サポート部3の身体支持面を構成する部材1は、椅子本体に対して着脱自在に設けられ、必要に応じて取り替え可能な構造とされている。例えば、身体支持面を構成する部材1としてメッシュ張地を用いる本実施形態では、フレーム構造の幅方向への拡張によってメッシュ張地1にテンションをかけると同時に椅子本体に取り付ける構造としている。
具体的には、メッシュ張り込み構造は、図3〜図5に示すように、脚柱5のガススプリング(図示省略)に支持されるベースフレーム(固定フレーム)11と、メッシュ張地1の縁を折り返して係止部材24と共に嵌入する溝21を側面に有する左右一対のサブフレーム(可動フレーム)12と、ベースフレーム11に対してサブフレーム12をメッシュ張地1の張り方向へ移動可能に支持し且つ連結させる締結手段13とを備え、メッシュ張地1の縁を係止部材24ごと折り返してサブフレーム12の溝21に嵌入することによってメッシュ張地1を左右のサブフレーム12間に着脱自在に取り付けるようにしている。このメッシュ張り込み構造は、サブフレーム12をベースフレーム11に対し連結したときに、左右のサブフレーム12の間隔が拡張してサブフレーム12の側面の溝21に嵌め込まれたメッシュ張地1にテンションがかかってメッシュ張地1が溝から抜け外れないように固定し、所望の弾力を発揮する身体支持面を構成するように設けられたものである。尚、係止部材24は、メッシュ張地1の縁部に取り付けられ、フレームの外側の張地取付用溝21に嵌め込まれたときにメッシュ張地1の張力によって張地取付用溝21に引っかかって抜け止めとして機能することによって張地を腰部サポートフレーム23に固定させるものである。係止部材24としては、ある程度の硬さがあって尚且つ曲がる可塑性を有する素材であれば使用可能であるが、なかでも一般に市販されており比較的安価に入手し易く使いやすい樹脂コード、例えばポリプロピレンなどによって形成された樹脂製コードを用いることが好ましい。また、場合によっては、係止部材24を用いずに、メッシュ張地1の縁を折り返しただけのものを張地取付用溝21に嵌め込んで固定することもある。
ここで、サブフレーム12は、メッシュ張地1の縁を嵌め込む溝を有する張地掛け部14と、この張地掛け部14を支えてボックス状のベースフレーム11に水平移動可能に搭載される支持アーム部15とで構成され、張地掛け部14をベースフレーム11の外に張り出すように配置した状態で座の幅方向に摺動可能に支持される。支持アーム部15の基端部には、ベースフレーム11の上面と摺接するスライダ部16と、ベースフレーム11の上面に開口されたガイド用孔20に挿入されるナット部17とを備え、スライダ部16の裏面に突する2箇所のナット部17をベースフレーム11の上面に開口された2カ所のガイド用孔20内に挿入し、ベースフレーム11の側壁の貫通孔22を貫通する締結用ねじ13とそれぞれ螺合させるようにしてベースフレーム11に連結される。ベースフレーム11のガイド用孔20は、サブフレームのスライダ部16のナット部17を挿入しナット部17の回転規制を図ると共に移動範囲を規制するものであり、このガイド用孔20の長さの範囲でサブフレームは移動可能となる。したがって、締結用ねじ13を締め付けると、ベースフレーム11の摺動用孔内に挿入したサブフレームのスライダ部16の裏面に突出させたナット部17を相対的に回転させて、ベースフレーム11の側壁に向けて移動させる(引き寄せる)。そして、締結用ねじ13とナット部17とでベースフレーム11の側壁を挟持することでサブフレーム12とベースフレーム11との締結を完了すると同時にメッシュ張地1のテンション付与も完了させるようにしている。即ち、締結用ねじ13をねじ送り機構の送りねじとして利用しながら、ベースフレーム11とサブフレーム12とを連結するようにしている。このとき、サブフレーム12は、座の幅方向の内側から外側へ締結用ねじ13で引き付けられるため、左右のサブフレーム12の張地掛け部14の間隔は拡張される方向に変位する。したがって、両サブフレーム12の溝21に両縁が嵌め込まれたメッシュ張地1は、幅方向外側に引っ張られてテンションがかけられることとなる。
左右のサブフレーム12は互いに独立し、それぞれのスライダ部16がベースフレーム11上に摺動可能に搭載されている。そして、サブフレーム12の前縁部分には、メッシュ張地1を支持するためのフレーム構造は設けられていない。つまり、メッシュ張地1の前縁には補強部材がなく、メッシュ張地1の前縁は弛緩しあるいは伸縮可能な状態にある。この場合、メッシュ張地1の前縁において大腿部が圧迫感を受けることが少ない。したがって、メッシュ張地1の前縁によって大腿部裏側が圧迫されることに起因する、脚の痺れがさらに起こり難く、足の動きも自由となる。尚、本実施形態ではサブフレーム12の正面側の端面にもメッシュ張地1の縁を折り返して嵌入する溝を設けて、正面側にもメッシュ張地1の縁を折り返して嵌入することで、メッシュ張地1のずり上がりを阻止するストッパ機能を与えるようにしている。
上述のメッシュ張り構造によれば、サブフレーム12の溝21にメッシュ張地1の縁を折り返して嵌入した状態で締結用ねじ13を回してサブフレーム12を張り方向に移動させるだけの簡単な作業でメッシュ張地1にテンションをかけてサブフレーム12に取り付けることができる。他方、締結用ねじ13を弛めれば、サブフレーム12が移動すると共にメッシュ張地1にかかるテンションが解除されるため、メッシュ張地1の縁はサブフレーム12の溝21から簡単に離脱させ得るので、メッシュ張地1をサブフレーム12から容易に取り外せる。つまり、メッシュ張り込み設備やヒートセット設備などの大型の工場設備を用いずに、病院内などの現場において完全に人手だけでメッシュの張り込み、取り外しを完了させ得る。しかも、メッシュ張地1にテンションを付与するための力は締結用ねじ13の回転によって得られるので、女性などの比較的非力な人でも簡単に張ることができる。したがって、簡単にメッシュ張地1(座部2並びに腰部サポート部3の身体支持面を構成する部材)の張り替えが可能となり、患者の血液などの体液が付着しても、取り外して洗濯、滅菌処理などが行えるので衛生的であると共に、手術毎にあるいは必要に応じてメッシュ張地1の張り替えをユーザの手によって行うこともできる。依って、医療用の椅子として求められる衛生面の維持を簡易に実現することができる。
また、メッシュ張り構造は上述の実施形態に特に限られるものでは無く、例えば図6〜図8に示すように、サブフレーム12をベースフレーム11の内側に配置し、外側に配置されたベースフレーム11にメッシュ張地1の張り方向に配置された締結用ねじ13を使って引き付けることにより、メッシュ張地1に張りを与えると同時にメッシュ張地1の縁をベースフレーム11との間で挟持するようにしても良い。この場合には、メッシュ張地1に体重がかかったときに、係止部材(図示省略)を縫い付けたメッシュ張地1の縁が溝21に引っ掛かって固定されると同時にサブフレーム12とベースフレーム11との間で引っ張り方向と直交する方向の全域において挟持されるので、メッシュ張地1の支持がより堅固なものとなる。ここで、サブフレーム12は、図5に示す実施形態のサブフレーム12の張地掛け部14と基本的に同じ形態を成す。即ち、サブフレーム12は、着座者の臀溝付近に頂点7を有し、該頂点7から座面後方に向けて僅かに後下がりに傾斜する後部領域9と、頂点7よりも前方で前下がりに傾斜または湾曲する前部領域8とを備える、上向きに凸に湾曲したメッシュ張地掛け面18を有し、外側の側面にはメッシュ張地1の縁と係止部材とを折り返して嵌め込む溝21を有する。また、サブフレーム12の張地掛け面(上面)18の頂点7から後方に向けて僅かに後下がりに傾斜する部分には波形の凹凸19を形成することにより、これら両フレーム間に張られるメッシュ張地1の後部領域9に張地掛け面18の波形の凹凸19に沿った襞10を形成するようにしている。また、メインフレーム11は、サブフレーム12と側面視の輪郭形状はほぼ同じ(波形の凹凸は有していない)で、弓形の支持アーム26によって下方から受け支えられ、腰部サポートフレーム23と溶接などで一体化されてから脚柱5のガススプリングに連結されている。尚、図中の符号27は、ガススプリングに嵌合させるブッシュを溶接付けした受け部である。また、符号28はメインフレーム11に開けられたねじ孔、25はサブフレーム12の貫通孔である。
他方、腰部サポートフレーム23は、図5あるいは図7に示すように、腰部形状に沿って前後方向に湾曲した左右両側の縦辺部23aと、これらを連結する上下に配置される横辺部23bとで構成される概略矩形状の環状を成し、脚柱に支持されているベースフレーム11に支桿23cを介して取り付けられている。そして、腰部サポートフレーム23の左右両側の縦辺部23aには、腰部サポート面に沿って腰部サポート面と平行に開放された外向きの溝、即ち張地5の縁部を嵌め込み固定するための張地取付用溝21がほぼ全長に亘って設けられている。この張地取付用溝21には、人手によって付与できる程度の張力がかけられた状態の張地5の縁が係止部材と共に折り返されて嵌め込まれる(図3参照)ことによって、腰部サポートフレーム23の前面側の曲線形状に沿ってメッシュ張地1が張設される。
ここで、各フレーム11,12,23を構成する部材は、特定の素材に限定されるものではなく合成樹脂でもアルミニウムやステンレススチールなどの金属でも構成可能であるが、好ましくポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂などの熱可塑性合成樹脂あるいは熱硬化性合成樹脂によって、それ自体でメッシュ張地12の張力を保持できる剛性を有しているものとして上述の形状に成形されている。
また、座面は、図3に示すように、同じ幅で構成するようにしても良いが、後方から前方に向かって(後方に比べて前方が)幅広な形状をしていることが好ましい。例えば、図9に示すように、座面のトップから前下がりに湾曲している骨盤近傍の主に前部領域8が前方に向かえに従って幅広となるように形成されていることが好ましい。この場合には、骨盤近傍の大腿部が圧迫されずに軽く支持されるので、足下でのペダル操作等を行う際の脚の動きが容易であると共に疲れ難くなる。例えば、図9に示す実施形態の座部2においては、後端幅430mmに対して前端幅が450mmに設定されている。この場合には、着座者の足でのペダル操作等がし易いものとなる。
本実施形態の場合、腰部サポート部3と座部2とは1枚のメッシュ張地1で身体支持面が連続的に形成されている。このため、座面にかかる力(体重)が腰部サポート面が着座者の腰部をサポートする力としても作用するため、立った骨盤を立体的に保持する良好なホールド感が得られる。勿論、座部2と腰部サポート部3とを分断されたメッシュ張地1で不連続に形成しても良いが、この場合には、座面を構成するメッシュ張地1の上端を何らかの手段で前後方向に移動しないように図示しないフレームなどで固定しておけば、腰部サポート部3と座部2とを一体に成形する場合と同様のホールド感が得られる。ここで、座部2と腰部サポート部3とは1枚のメッシュ張地1で連続的な一つの身体支持面を形成しているが、場合によっては複数のメッシュ張地1あるいは樹脂シェルを縫合、または接合することによって一体化した場合も含まれる。
尚、本明細書において、メッシュ張地1と称するものは、椅子の座部2あるいは腰部サポート部3などの身体支持構造物として必要とされる強度、弾力性を発揮させる張力を生じる柔軟性を有するエラストマー素材によって構成される全てのメッシュ状の張地あるいは構造的に弾力性等を発揮させるものを含むものであり、例えば織物、編物、織物あるいは編物から成るメッシュ、不織布等のいずれの形態をとるものであっても使用可能であるが、好ましくはポリエステル糸やナイロン糸などの熱可塑性樹脂繊維による織物あるいは編物、さらには織物あるいは編物から成るメッシュ(本明細書ではこれらを総称して単にメッシュと呼ぶ)を用いることである。メッシュ張地1によって構成された身体支持面特に座面によれば、着座者である執刀医の座面と接触する部分全面で体重を分散させて支持するため座面の硬さを感じないし、高い通気性が得られることから、手術などの長時間の座り作業における着座者の疲労を軽減する椅子を提供することができる。
上述の実施形態の場合、メッシュ張地1を張るフレームの一部の形状、即ち後部領域9のメッシュ張地1に波形の凹凸からなる襞10を設けることによって、後部領域9の身体支持面のメッシュ張地1の前後方向の伸び量を増やして、沈み込み易い状況を作っているが、これに特に限られるものではない。例えば、座面前方の前部領域8と後方の後部領域9とで編み方を変えることによって後部領域9の伸びを前部領域8の伸びよりも大きくしたり、エラストマー糸の配置や挿入本数などを変更してテンションを帯状に部分的に変更したり、伸びるメッシュ張地と伸びないメッシュ張地とを組み合わせたり、あるいはメッシュ張地1の織り込み密度あるいは編み込み密度を敢えて均一にせずに、メッシュの目の粗い低密度部と、メッシュの目の細かい高密度部とを有するものを用いることにより、前部領域8に比べて後部領域9の伸び量が大きくなるように構成するようにしても良い。
例えば、図11に示すメッシュ張地1は、編成の途中の任意の位置及び領域に該当する部分では、織り方あるいは編み方を変更することによりメッシュの編み組織あるいは織り組織を部分的あるいは一定区間で変更することにより、伸縮のし難い前部領域(低伸縮領域)8とこれよりも伸縮のし易い後部領域(高伸縮領域)9との少なくとも2つの領域を形成し、かつ両領域9,8の境界33を非直線的に形成するようにしている。例えば編み物として製作する場合には、ニットループを形成する編緯糸29と、ニットループを形成することなく編み込まれて編緯糸のニットループに係止される挿入糸(テンションを強くするために編み込まれる補強糸)30との少なくとも2種類の糸によって丸編みによって編成されている。具体的には、例えば、本実施形態におけるメッシュ張地1は、横方向(X軸方向)に、モノフィラメントから成るエラストマ性ポリエステル糸(以下、単にエラストマー糸とも呼ぶ)28がニットループを形成することなく編み込まれる挿入糸として横方向に配置され、該挿入糸28に絡むようにポリエステル糸を撚り合わせて成る複数本のストランド(以下、単にポリエステル糸とも呼ぶ)から成る編緯糸29が編まれてニットループを構成し、弾性緯編地が編成される。この弾性緯編地は、加熱処理により横方向即ち挿入糸の方向により強い張力を付与するように設けられる。尚、挿入糸(エラストマー糸)30の使用はメッシュ張地1全体のテンションを高めるために好ましいが、必ずしも編み込まなくとも良く、編緯糸29だけで身体支持構造物として必要とされる強度、弾力性を発揮させる張力を生じる柔軟性を発揮させられる場合には弾性緯編地だけで構成されることもある。因みに、編物の場合は、挿入糸・エラストマー糸30は横あるいは縦のいずれか一方にしか入れられないが、その種類は何種類でも必要に応じて入れることができる。
ここで、編み組織(編み方)を途中で変化させることにより前部領域8は後部領域9に比べて密度をアップさせる手法としては、例えば、メッシュ張地1は丸編み(緯編み)であり、後部領域9は天竺編みで、前部領域8はタック編みに切り替えて編成し、両領域の境界33においては一コース(編地を形成する方向:よこ方向)のループの途中で部分的にあるいは全域で編み方を切り替え、ウェール方向(ループを連綴させる方向:たて方向)に切り替える箇所を段階的にずらすことで非直線状に形成することができる。つまり、横方向へ一段(1コース)編む間に編み方を切り替え、切り替える箇所をコース毎に段階的にずらすことで編み組織(編み方)を変化させることにより、非直線状の境界を形成している。図12の拡大図に明らかなように、後部領域9では編緯糸29がエラストマー糸挿入糸30に絡むように単純に横に走っているが、前部領域8では斜め方向に走る糸が多くなって編緯糸29の量も増えている。したがって、前部領域8では透け難くなり、相対的に後部領域9よりも濃く見える。また、後部領域9については、編緯糸29が移動しやすく伸縮しやすいのに対して、前部領域8については斜め方向に走る糸が邪魔をして伸縮しにくい構造となっている。また、前部領域8と後部領域9とを区分けする境界33も、編み組織(編み方)の切り替える箇所が段階的にずらされることで非直線状に形成されている。尚、メッシュ張地1は熱収縮性の経糸と緯糸で織られた織物(以下、弾性織地と呼ぶ)で構成しても良い。
ここで、伸び易さ即ち張りの強さが異なる複数の領域の間の境界33に関して、非直線状とは、本明細書においては、左右幅方向の並びに上下方向あるいは前後方向に直線的に形成されないという程度のことを意味する用語として使われており、主に曲線を指すものであるが、場合によっては細かく方向が変化する直線の集合から成る線や多角形状などの閉領域を含むものである。また、メッシュ張地1の伸縮のし易さあるいはし難さと、メッシュ張地1の編み込み密度あるいはエラストマー糸の数とは比例するものではない。「高密度・低密度」、「メッシュ張地自体の硬さ・柔らかさ」、「挿入糸の多さ・少なさ」はメッシュ張地の伸縮性とは必ずしも一致しない。換言すると、低伸縮領域であっても、低密度や張地自体が柔らかい場合もある。
このメッシュ張地1の場合にも、前部領域8よりも後部領域9の方が伸縮し易く沈み込むこととなる。このため、座骨結節をホールドして、前ずれを防ぐことができる。また、伸縮のし難い前部領域8と伸縮のし易い後部領域9との境界33を非直線的に形成することにより、着座者が受けるサポート力の変化を段階的なものとできるので、段差感を緩和させることができる。したがって、境界での段差(弾性支持力の差)が局部的でかつ強い当たりとなって着座者の身体に作用することを低減させることができ、圧迫感や違和感を与えることが少なく、メッシュ張地1の臀部を支える後部領域9が沈み込み易くなるようにできる。即ち、着座者をしっかりと支持したい領域と柔らかく支持したい領域と間のサポートの強弱を維持しつつ、両領域の境界での段差を感じ難くして着座時の当たりの違和感を少なくし、座り心地の良い椅子とすることができる。また、メッシュ張地1は編み方あるいは織り方を途中で部分的に変更して編み組織あるいは織り組織そのものを変更することにより、伸縮のし難い領域とこれよりも伸縮のし易い領域との少なくとも2つの領域を形成しているので、滑り止め効果を発揮する。即ち、編み組織あるいは織り組織を部分的に変化させることで感触が変化するので、滑り止め効果が得られる。これによっても、メッシュ張地1上での臀部及びまたは臀部付近の大腿部の前滑りを防いで、仙骨座りを未然に防ぎ、安定した着座姿勢を保たせることができる。
また、1枚のメッシュ張地1において伸縮し難い部分と伸縮し易い部分とを形成することは、エラストマー糸・挿入糸の配置密度を身体支持構造物の部位に応じて異ならせることによっても実現できる。つまり、伸縮性に富むメッシュ生地に挿入するエラストマー糸の配置密度を高くした部位の反発力を増すことができ、逆に配置密度を低くした部位の反発力を減らして撓み易くすることができる。これによって、後部領域9を主に大腿部を支える領域よりも伸縮し易く沈み込むものとすることができる。これにより、座骨結節をホールドして、前ずれを防ぐことができる。
また、本実施形態では、熱収縮性の弾性糸を使用してメッシュ張地を編むあるいは織るようにしているが、これに特に限られるものではなく、非弾性糸によってメッシュ張地を編むあるいは織るようにしても良い。この場合においても、挿入糸としてエラストマー糸が使用されていれば、メッシュ張地全体としての弾力性を発揮させることができる。
ここで、座部2と腰部サポート部3とは1枚のメッシュ張地1(あるいは合成樹脂製シェル)によってあるいは縫合や接合によって、連続的な一つの身体支持面を形成していることが好ましい。この場合には、腰部サポート部3のメッシュ張地1も後部領域9の座面にかかる張力を負担するため、臀部支持面と腰部サポート面とが連係して骨盤全体を包み込むようにホールドするため、良好なホールド感が与えられると共に安定姿勢が保たれる。
また、身体支持面を構成する部材は、必ずしもメッシュ張地1に限られない。通気性を有するものであれば、例えば、プラスチック成形品である樹脂製シェル31で構成するようにしても良い。この場合においても、座部2と腰部サポート部3とを互いに独立した別部材として構成しても良いが、一体的に連続形成することが好ましい。この場合には、座面にかかる力(体重)が腰部サポート面にも影響を与えて着座者の腰部をサポートする力として作用するため、立った骨盤を立体的に保持する良好なホールド感が得られる。また、樹脂製シェル31で構成される座部2及び腰部サポート部3は、例えば、その裏面の前端縁付近と後端縁付近とに椅子本体側の左右のフレーム(図示省略)に跨るように配置される前後の取付け用プレート(図示省略)などを備えてビスなどで止めつけられることによって簡単に着脱可能に組み立てられる。
樹脂製シェル31によって構成される座部2は少なくとも着座者の身体が触れる部分には孔32が分散配置されることにより、通気性と、全体として座として要求される弾力性と構造的強度を併せ持つ構造と、部分的な座面の沈み込みが確保される。ここで、孔32は、前部領域8と後部領域9とでその配置数、あるいは孔径若しくはピッチ(密度)を異ならせることで後部領域9の伸び量を大きくすることによって、前部領域8よりも後部領域9の方が沈み込み易くすることができる。同時に、前部領域8は張りがあるため、これが歯止めとなって着座者の前滑りを防ぐことができる。即ち、着座者の座骨結節をホールドして前ずれを防ぐことができるため、所謂仙骨座りとなることを防いで、より疲労が少なく、長時間座っていても適正な姿勢に導くことがし易いものとなる。具体的には、後部領域9の孔の数を前部領域8の孔の数よりも多くして伸縮量を高め(撓み易くし)、座位基準点付近が頂点7よりも前方の前部領域8よりも沈み込み易くすることが好ましい。孔は、均等に分散させても良いが、局部的に集中させたりしても良い。また、孔の数だけでなく、その配置密度や孔径などを変化させることによっても、座位基準点付近が頂点7よりも前方の前部領域8よりも沈み込み易くすることができる。勿論、メッシュ張地1による身体支持面の場合と同様に、さらにシェル素材そのものを摩擦係数の高い滑らない素材としたり、通常使用される素材のシェルの上に摩擦係数の高い材料例えばゴムなど摩擦係数の高いものを部分的にあるいは全面的に被覆させたり、突起物による滑り止めを形成したりして、滑らない構造とすることは前滑りを防ぐ上で好ましい。そして、滑らない構造は座面全面でも、座面の一部でも構わない。そして、前述の座面の一部は、座者の臀部周辺(座面後部)でも座者の大腿部周辺(座面の前方)でも構わない。さらに、腰部のみでの滑り止めの構造でも良い。つまり、座面の奥行が短い椅子であっても着座者が滑りにくい構造を備えていれば、前ずれを防いで所謂仙骨座りとなるのを防ぎ、骨盤を立てた正しい姿勢を保持できる。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述の実施形態では、手術用椅子として好適な例に挙げて本発明を説明したが、これに特に限定されるものではなく、長時間に亘って座った姿勢で作業を行う作業用椅子全般に適用可能であると共に、一般家庭用椅子、事務用椅子、看護用椅子等の椅子全般に適用することもできる。いずれの場合においても、正しい姿勢が保たれあるいは正しい姿勢に導かれるので、疲れ難い、お尻が痛くない、蒸れないなどの効果を奏するものである。
また、上述の実施形態において、メッシュ張地1は、フレーム構造の幅方向への拡張によってテンションをかけると同時にメインフレームに取り付ける構造としているが、これに特に限られるものではなく、エラストマー素材によって構成されるメッシュ張地1を予め一定のテンションをかけた状態でフレームに固定・一体化した身体支持構造物(特開平11−290153号、特開2001−78852号公報参照)で作製された座部2及び腰部サポート部3の一体構造物あるいは互いに独立した座部2と腰部サポート部3をベースフレーム11に着脱可能に装着するようにしても良い。つまり、本明細書において、少なくとも着座部を構成する身体支持面を構成する部材1が着脱自在であるということは、図示するフレーム間隔の拡張機構によるメッシュ張地1の張り構造に限らないという意味である。この場合においても、メッシュ張地1は製造段階でフレームと一体化されているので、椅子本体側のフレームに対し着脱可能にメッシュ張地1の囲りのフレームを連結する取付け構造を椅子本体側に採用することにより、身体支持面を構成する部材即ちメッシュ張地1をフレーム毎取り替えることができる。しかして、医療用の椅子として求められる清潔性を実現することができる。
また、上述の実施形態においては、身体支持面を構成する座部及び腰部サポート部3の双方を通気性を有する構造とした例について説明したが、これに特に限られるものではなく、少なくとも座において通気性を有する構造とすれば蒸れに対しては十分な効果が得られる。
1 身体支持面を構成する部材(メッシュ張地)
2 座部
3 腰部サポート部
7 頂部
8 主に大腿部を支える領域(前部領域)
に臀部を支える領域(後部領域)
10 座面の襞
11 ベースフレーム
12 サブフレーム
13 締結手段(締結用ねじ)
14 張地掛け部
15 支持アーム部
16 スライダ部
17 ナット部
18 張地掛け面(サブフレームあるいは張地掛け部の上面)
19 張地掛け面の波形の凹凸
20 ガイド用孔
21 張地取付け用溝
31 身体支持面を構成する部材(樹脂製シェル)
32 孔

Claims (9)

  1. 手術用椅子において、着座者を支持する身体支持面を備える座部と腰部サポート部とを有し、前記座部は骨盤を立てて座の奥深くに着座したときに臀部と臀溝付近の大腿部の一部を支える長さでかつ仙骨座りしたときに大腿部の支えが不十分な長さとなる奥行き長さLを有し、且つ前記着座者の着座時に前記着座者の前記臀溝付近に頂点を有し、該頂点から座面後方に向けて後下がりに傾斜して前記臀部を支える後部領域と、前記頂点よりも前方で前下がりに傾斜または湾曲して前記臀溝付近の大腿部の一部を支える前部領域とを備え、前記後部領域を前記腰部サポート部の直前の領域に限り、着座者の大腿部の支持は座骨に連結されている付近に限ることを特徴とする手術用椅子。
  2. 前記座部の前記身体支持面は通気性を有することを特徴とする請求項1記載の手術用椅子。
  3. 前記腰部サポート部の幅は前記座部の幅よりも狭く、少なくとも着座者が肘を後ろに下げたときに干渉しない幅であることを特徴とする請求項1または2記載の手術用椅子。
  4. 前記座部の座面奥行き寸法は150mm〜350mmの範囲内である請求項1から3のいずれか1つに記載の手術用椅子。
  5. 前記座部は滑り難い構造を備えるものである請求項1から4のいずれか1つに記載の手術用椅子。
  6. 前記身体支持面を構成する部材は椅子本体に対して着脱自在であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の手術用椅子。
  7. 前記身体支持面を構成する部材は、側面視において、着座者の臀溝付近に頂点を有し、該頂点から座面後方に向けて後下がりに傾斜する主に臀部を支える領域と、頂点よりも前方で前下がりに傾斜または湾曲する臀溝付近の大腿部の一部を支える領域とを備える波形を成していることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の手術用椅子。
  8. 前記身体支持面を構成する部材はメッシュ張地であり、前記メッシュ張地で構成される座面の主に臀部を支える領域に、前後方向に展開する波形の凹凸からなる襞を形成することを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の手術用椅子。
  9. 前記座部の座面は、後方から前方に向かって幅広な形状を成していることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の手術用椅子。
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