JP4947514B2 - 背凭れ - Google Patents
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Description
背凭れ支持フレームの弾性布帛の側縁が密着している部分は、座面に対して60〜85度の傾斜角度をもって傾斜しており、背椎部の表面は、その背凭れ支持フレームの傾斜に沿って座面に対して60〜85度の傾斜角度をもって傾斜している。
車椅子では、背凭れ支持フレームの標準の背椎部の部分は、座面に対して85度傾斜している。
しかし、背筋を伸ばし、姿勢を正して着座するときは、座面に加わる体重が仙骨から大腿骨に至る臀部全体に分散し、長時間着座しても格別苦痛には感じられないようになる。その背筋を伸ばした状態では、腹部が突出し、腰椎が窪んだ姿勢になる。
従って、この腰椎が窪んだ状態が維持し得るようにランバーサポートを設定すべきと思われるが、従来の椅子等では、ランバーサポートがそのようには設定されておらず、単なる弾性布帛の補強材として適用されているように思われた。
そのバックアップ材の少なくとも一部が、背椎部の下縁40から座面15に降ろした垂線(V−V)よりも座面15の前縁側(41)に突き出た突出部21となっており、
その突出部21が、背椎部の固定縁14を通る斜面T−Tを超えて座面の前縁側(41)に突き出ていることを第1の特徴とする。
その背椎部の下縁40から座面15に降ろした垂線(V−V)よりも座面15の前縁側(41)に突き出たバックアップ材の突出部21を、背椎部の固定縁14を通る斜面T−Tを超えて座面の前縁側(41)に突き出すときは、着座して背椎部11に凭れ掛かってもバックアップ材が腰椎を押して窪ませて腹部を突き出し、背筋が伸びた姿勢に正すように作用する。
又、バックアップ材の螺子材36と背凭れ支持フレームの螺子材37を螺子合わせてバックアップ材(21,22)を背凭れ支持フレーム12に係止するときは、背凭れ支持フレームの螺子材37を回すことによってバックアップ材の張力を変え、体型に応じてバックアップ材から腰椎に作用する反力を加減することが出来る。
このため、体型に応じて上下に移動してバックアップ材21・22の設定位置を変える必要性が少なくなる。
例えば、上側のバックアップ材21を緩めればバックアップ材全体の位置は下側のバックアップ材22に移動したと同じことになり、下側のバックアップ材22を緩めればバックアップ材全体の位置は上側のバックアップ材21に移動したと同じことになる。
従って、背凭れ18の高さ方向におけるバックアップ材21・22の位置を厳密設定する必要はなく、背凭れ18が製作し易くなる。
しかし、バックアップ材の両端における少なくとも一部が、背椎部の固定縁14を通る斜面T−Tを超えて座面の前方側に突き出た突出部21となっていれば、幅方向Wにおける背椎部11の中央部の傾斜角度(θ’)やバックアップ材21・22の中央部の傾斜角度(α’・β’)が変化しても、バックアップ材21・22が腰椎を押して窪ませ、腹部を突き出し、背筋が伸びた姿勢に正すように作用して生じる効果は差程左右されない。
そして仮に、上下のバックアップ材21・22が大きく緩められることがあるとしても、適宜上下何れか一方、或いは双方のバックアップ材21・22を緊張し、腰椎を押して窪ませ、腹部を突き出し、背筋が伸びた姿勢に正すように作用させることが出来る。
そして、弾性布帛13を、表布25と裏布26の接結された二重織編構造とし、その裏布26に弾性糸27を使用し、その裏布26を裏向きにし表布25を表向きにして背凭れ18に適用すると、弾性糸27が直接肌に触れることがなく、蒸れ感を与えず、感触のよい背凭れが得られる。
弾性布帛13の織編密度は、弾性布帛13の通気度が150cc/cm2 ・sec以上になるように設定する。
弾性布帛13を二重織編構造とするときは、それをダブルラッシェル経編機によって編成し、表布25をメッシュ(ネット)構造にし、裏布26を地経糸の形成する鎖編目列間を弾性挿入糸27によって連結した無地構造にし、表布25と裏布26を連結糸28によって接結一体化すると、弾性挿入糸27が直接肌に触れることがなく、表布25と裏布26の間に通気性隙間が出来て蒸れ感を与えず、感触のよい背凭れが得られる。その場合、表布25には、単繊維繊度10dtex以下の天然繊維や吸水性アクリル繊維等の吸水性繊維を使用するとよい。
尚、ここに言う「糸足」とは、所定の寸法の弾性ベルトを分解して引き出された糸条(30,31)の実質長さを意味する。
雄型面ファスナー23は、背凭れ支持フレームで折り返されて伸縮しないバックアップ材21・22の先端に取り付けられので、それには弾性糸を使用する必要はない。
腰椎部16に該当する部分が、背凭れを側面視して背椎部の固定縁14を通る斜面T−Tよりも後退した位置に位置する背凭れ支持フレーム12では、その腰椎部16に該当する部分に把手等の治具20を背椎部の固定縁14を通る斜面T−Tに向けて突設し、その把手等の治具20にバックアップ材21・22を直接係止固定、又は、治具を介して係止固定することになる(図1,図2,図4)。
車椅子では背凭れの高さDを400〜470mm前後、背椎部の丈Eを110〜170mm前後、座面15からバックアップ材21・22の中心部Oまでの高さHを110〜150mm前後、バックアップ材21・22の中心部Oから背椎部11までの距離Gを130mm前後にするとよく、座面15からバックアップ材21・22の中心部Oまでの高さHは概して背凭れの上縁までの高さDの3分の1前後になるようにするとよい。
車椅子の座面15の奥行Lは380mm前後、座面15と背椎部11の斜面T−Tとの交点Pから座面15の先端縁までの距離Mは330mm前後とし、肘掛け33を付設するときはその高さKを230mm前後にするとよい。
背凭れ支持フレーム12に密着した弾性布帛13の固定縁14の座面15に対する傾斜角度θは75〜85度前後(標準85度)にするとよい。
そうすると、座面の後半部34が前半部32に比して柔らかく、着座したとき後半部34が前半部32に比して窪み、座面から受ける体重の反力が仙骨から大腿骨に至る臀部全体に分散して苦痛感を与えず、前半部32と後半部34の間にステップ(段差)35が生じて姿勢が前屈みにならず、そのステップ35に臀部が引っ掛かる格好になるので、臀部が前半部32へと移動して所謂ズッコケ座りとか仙骨座りと言った不自然な座り方にならず、背筋が伸びた正しい姿勢で長時間着座し易くなる。
12:背凭れ支持フレーム
13:弾性布帛
14:固定縁
15:座面
16:腰椎部
17:座面支持フレーム
18:背凭れ
19:自由縁
20:治具
21:バックアップ材(突出部)
22:バックアップ材(後退部)
23:雄型面ファスナー
24:雌型面ファスナー
25:表布
26:裏布
27:弾性糸(弾性挿入糸)
28:連結糸
29:緯糸
30:弾性モノフィラメント糸
31:非弾性マルチフィラメント糸
32:前半部
33:肘掛け
34:後半部
35:ステップ
36,37:螺子材
38:貫通孔
39:上縁
40:下縁
41:前縁
42:軸桿
Claims (11)
- 背椎に向き合う背椎部(11)が、左右の背凭れ支持フレーム間(12・12)に弾性布帛を張設して構成されており、その背椎部の弾性布帛の左右の側縁が背凭れ支持フレーム(12)に密着した固定縁(14)となっており、その固定縁が座面(15)に対して傾斜した斜面(T−T)を構成しており、背椎部と座面の間において腰椎に向き合う腰椎部(16)が、左右の背凭れ支持フレーム間にバックアップ材(21・22)を張設して構成されており、
そのバックアップ材の少なくとも一部が、背椎部の下縁(40)から座面(15)に降ろした垂線(V−V)よりも座面(15)の前縁側(41)に突き出た突出部(21)となっており、
その突出部(21)が、背椎部の固定縁(14)を通る斜面(T−T)を超えて座面の前縁側(41)に突き出ていることを特徴とする背凭れ。 - 背椎部の固定縁(14)を通る斜面(T−T)を超えて突き出ているバックアップ材の突出部(21)の表面(A−O)が座面(15)に対して傾斜しており、その傾斜角度(α)が背椎部の固定縁を通る斜面(T−T)の傾斜角度(θ)以上(α≧θ)であることを特徴とする前掲請求項1に記載の背凭れ。
- バックアップ材の突出部(21)の下側部分が座面の後方側に後退した後退部(22)となっていることを特徴とする前掲請求項1と2の何れかに記載の背凭れ。
- バックアップ材の後退部(22)の表面(B−O)が座面(15)に対して傾斜しており、その傾斜角度(β)が、バックアップ材の突出部(21)の表面(A−O)の座面に対する傾斜角度(α)以上(β≧α)であり、
背椎部の下縁(40)から座面(15)に降ろした垂線(V−V)からバックアップ材(21・22)の中心部(O)までの突出距離(R)が20〜70mmであり、座面(15)からバックアップ材(21・22)の中心部(O)までの高さ(H)が120〜200mm前後であることを特徴とする前掲請求項3に記載の背凭れ。 - バックアップ材の突出部(21)と後退部(22)が分離された別々のバックアップ材(21・22)によって構成されていることを特徴とする前掲請求項3と4の何れかに記載の背凭れ。
- 座面(15)が左右の座面支持フレーム間(17・17)に弾性布帛を張設して構成されており、座面(15)の弾性布帛と背凭れ(18)の弾性布帛が連続しており、その弾性布帛(13)によって腰椎部のバックアップ材(21・22)の座面の前縁側(41)の表面が被覆されており、その座面から背椎部まで続く弾性布帛(13)の連続部分の側縁が背凭れ支持フレーム(12)と座面支持フレーム(17)の何れにも固定されない自由縁(19)になっていることを特徴とする前掲請求項1と2と3と4と5の何れかに記載の背凭れ。
- 背凭れの幅方向(W)における弾性布帛の10%伸長時応力がバックアップ材の10%伸長時応力よりも少なく、弾性布帛がバックアップ材に比して背凭れの幅方向(W)に伸び易いことを特徴とする請求項1と2と3と4と5と6の何れかに記載の背凭れ。
- バックアップ材の一端が背凭れ支持フレーム(12)に固定され、その他端に先端側から雄型面ファスナー(23)と雌型面ファスナー(24)の順に面ファスナーが取り付けられており、それらの面ファスナーが取り付けられている他端が背凭れ支持フレーム(12)を囲撓して折り畳まれ、その折り畳まれて向き合う雄型面ファスナーと雌型面ファスナーが係合し、それらの面ファスナーの取り付けられている他端が係脱自在に背凭れ支持フレームに係止されていることを特徴とする前掲請求項1と2と3と4と5と6と7の何れかに記載の背凭れ。
- バックアップ材の少なくとも一端に螺子材(36)が取り付けられ、そのバックアップ材の一端に向き合う背凭れ支持フレーム(12)にバックアップ材の螺子材(36)に雌雄対応する螺子材(37)が付設されており、その背凭れ支持フレームの螺子材(37)の付設箇所に貫通孔(38)が穿設されており、バックアップ材の螺子材(36)と背凭れ支持フレームの螺子材(37)の何れか一方から軸桿(42)が突出しており、その軸桿(42)が背凭れ支持フレームの貫通孔(38)を貫通しており、その貫通した軸桿(42)を介してバックアップ材の螺子材(36)と背凭れ支持フレームの螺子材(37)とが螺子合わされてバックアップ材(21,22)が背凭れ支持フレーム(12)に係止されていることを特徴とする前掲請求項1と2と3と4と5と6と7の何れかに記載の背凭れ。
- 背凭れの幅方向(W)におけるバックアップ材(21,22)の少なくとも一部が弾性糸と非弾性糸によって織編された弾性ベルトによって構成されていることを特徴とする前掲請求項1と2と3と4と5と6と7と8と9の何れかに記載の背凭れ。
- 弾性布帛が表布(25)と裏布(26)の接結された二重織編構造を成し、裏布(26)に弾性糸(27)が使用されており、裏布が裏向きになり、表布が表向きになっていることを特徴とする前掲請求項1と2と3と4と5と6と7と8と9と10の何れかに記載の背凭れ。
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