JP5584746B2 - 骨盤回動に着目した椅子 - Google Patents

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Description

本発明は、左右の支持フレーム間に弾性布帛を張設した椅子の構造に関するものであり、年長者から若年者まで幅広い年代層に使用され、介護施設、病院等だけでなく、一般のオフィスなどでも有用な椅子に関するものである。
従来、着座者の骨盤の回動に着目して、座り心地を良くした椅子が知られている(特許文献1)。
この椅子は、椅子における座体の下方に位置する支持基枠と、支持基枠に上下回動可能に枢支されて後方に延び、且つ背もたれ部の背面側に延びる側面視略L字状の梃杆と、梃杆を起立方向に付勢する弾力付勢手段とからなる。
特許文献1に記載された椅子は、座体の前部を支持基枠の上面に支持させ、座体の後部を支持する後座受体を前記梃杆の支持部に前後動自在に支持させている。
更に、この椅子は、背もたれ部へもたれ掛ける荷重により梃杆が後傾するとき座体上の着座者における転子点を中心として前記背もたれ部を回動させる第1連動機構と、後傾時の着座者の座骨の回動に応じて後座受体を梃杆の支持部に沿わせて前方に移動させる第2連動機構を備えている。
特開平6−86720号公報
つまり、特許文献1に記載された椅子は、後傾時の着座者の座骨の回動に応じて、背もたれ部を回動させ且つ後座受体を前方に移動させることで、着座者の臀部下面と座体との相対的移動(ずれ)を防止している。
しかしながら、特許文献1に記載の椅子では、背もたれ部や後座受体が、着座者の臀部や腰部の同一箇所を常に圧迫し、着座者に過度の緊張を与えている。
更に、特許文献1の椅子は、側面視略L字状の梃杆や、第1連動機構、第2連動機構を必須不可欠なものとしており、これらの連動機構は、5つ以上のリンクや、リンクを互いに枢支する多くのピン、ピンを摺動させる案内溝を有するなど、非常に部品数が多く、構造も複雑となっている。
このように、部品数の増加や構造の複雑化は、部品取替え時の分解や組立てを困難にし、椅子のメンテナンス性を著しく低下させると共に、重量の増加や、コスト高を招く。
そこで本発明は、左右の座支持フレーム間に座弾性布帛を張設し、左右の背支持フレーム間に背弾性布帛を張設し、上方隆起した座面前部の下方で配備された回転軸回りに、座部と背凭れ部を一体的に回動させて角度変更する切替機構を設けることにより、椅子の角度変更に伴って、臀部と座部及び腰部と背凭れ部の接触位置がずれると共に、使用者の姿勢変更も兼ねることで使用者の緊張を緩和し、更には、部品点数の減少、機構の単純化等を図ることを目的とする。
本発明に係る椅子は、使用者Sが着座する座部11と、この座部11の後方に設けられ且つ使用者Sが凭れる背凭れ部12を有した椅子であって、前記座部11は、左右の座支持フレーム13・13間に、破断伸度60%以上で10%伸長後の弾性回復率90%以上の弾性糸条を使用した座弾性布帛D1を張設して、座面14が形成され、前記背凭れ部12は、左右の背支持フレーム15・15間に、破断伸度60%以上で10%伸長後の弾性回復率90%以上の弾性糸条を使用した背弾性布帛D2を張設して、背凭れ面16が形成され、前記座面14は、前記左右の座支持フレーム13・13の前部で上方湾曲する座湾曲部17・17に沿って張設されることで、上方隆起した座面前部14aが形成されていて、この座面前部14aの下方で左右方向に沿って配備された回転軸18回りに、前記座部11と背凭れ部12を一体的に回動させて角度変更する切替機構19が設けられ、前記切替機構19の前方では、前記左右の座湾曲部17・17にそれらの各前端から延びて前方膨出状に湾曲している座前部フレーム44が左右それぞれ設けられ、これらの左右の座前部フレーム44・44間にも、前記座弾性布帛D1を張設していることを第1の特徴とする。
本発明に係る椅子の第2の特徴は、使用者Sが着座する座部11と、この座部11の後方に設けられ且つ使用者Sが凭れる背凭れ部12を有した椅子であって、前記座部11は、左右の座支持フレーム13・13間に、破断伸度60%以上で10%伸長後の弾性回復率90%以上の弾性糸条を使用した座弾性布帛D1を張設して、座面14が形成され、前記背凭れ部12は、左右の背支持フレーム15・15間に、破断伸度60%以上で10%伸長後の弾性回復率90%以上の弾性糸条を使用した背弾性布帛D2を張設して、背凭れ面16が形成され、前記座面14は、前記左右の座支持フレーム13・13の前部で上方湾曲する座湾曲部17・17に沿って張設されることで、上方隆起した座面前部14aが形成されていて、この座面前部14aの下方で左右方向に沿って配備された回転軸18回りに、前記座部11と背凭れ部12を一体的に回動させて角度変更する切替機構19が設けられ、前記座支持フレーム13を上方に付勢する付勢手段23が設けられている点にある。
本発明に係る椅子の第3の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、前記座弾性布帛D1と背弾性布帛D2は、1つの弾性布帛Dによって構成され、前記左右の座支持フレーム13・13と左右の背支持フレーム15・15に亘って張設されている点にある。
本発明に係る椅子の第4の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、前記座弾性布帛D1と背弾性布帛D2は、それぞれ別の弾性布帛によって構成されている点にある。
本発明に係る椅子の第5の特徴は、使用者Sが着座する座部11と、この座部11の後方に設けられ且つ使用者Sが凭れる背凭れ部12を有した椅子であって、前記座部11は、左右の座支持フレーム13・13間に、弾性糸条を使用した座弾性布帛D1を張設して、座面14が形成され、前記背凭れ部12は、左右の背支持フレーム15・15間に、弾性糸条を使用した背弾性布帛D2を張設して、背凭れ面16が形成され、前記座面14は、前記左右の座支持フレーム13・13の前部で上方湾曲する座湾曲部17・17に沿って張設されることで、上方隆起した座面前部14aが形成されていて、この座面前部14aの下方で左右方向に沿って配備され且つ前記座部11と背凭れ部12を一体的に回動可能に支持する回転軸18が設けられ、この回転軸18の前方では、前記左右の座湾曲部17・17にそれらの各前端から延びて前方膨出状に湾曲している座前部フレーム44が左右それぞれ設けられ、これらの左右の座前部フレーム44・44間にも、前記座弾性布帛D1を張設している点にある。
これらの特徴により、本発明に係る椅子1では、座部11は、左右の座支持フレーム13・13間に、破断伸度60%以上で10%伸長後の弾性回復率90%以上などの弾性糸条を使用した座弾性布帛D1を張設して、座面14が形成され、背凭れ部12は、左右の背支持フレーム15・15間に、破断伸度60%以上で10%伸長後の弾性回復率90%以上などの弾性糸条を使用した背弾性布帛D2を張設して、背凭れ面16が形成されていることから、使用者Sの臀部や腰部を、所定広さの面で支えることが可能となり、使用者Sに対する過度の圧迫を抑制できる。
又、左右の座支持フレーム13・13の前部で上方湾曲する座湾曲部17・17に沿って張設されることで、上方隆起した座面前部14aが形成され、座面前部14a下方の回転軸18回りに、座部11と背凭れ部12を一体的に回動させて角度変更することから、座部11と背凭れ部12の角度が変わっても、座面前部14aから椅子1の設置面までの高さは変わらないと共に、座面前部14aによって、座面14に対する使用者Sの臀部の転がりを許容しながら、使用者Sが前方へ落ちることを防ぐため、使用者Sは、椅子1の角度変更に拠らず、足を設置面にしっかり付けることが出来、姿勢の安定化が図れる。
これと同時に、座部11と背凭れ部12が一体回動、つまり、使用者Sは前傾や後傾することによって、座面14上を臀部が転がり、臀部と座部11の接触位置P1や、腰部と背凭れ部12の接触位置P2のズレ(相対的な移動)に応じて、弾性布帛で形成された座面14及び背凭れ面16自体が変形して、使用者Sの臀部と座部11や、使用者Sの腰部と背凭れ部12の接触位置がずれても、使用者Sの臀部や腰部を、所定広さの面で、同様に支えることが出来る。
従って、切替機構19などによって、使用者Sにかかる荷重方向に応じて、臀部と座部11及び腰部と背凭れ部12の接触位置がずれることを許容すると共に、使用者Sの姿勢変更を、切替動作1つで兼ねることが可能となって、使用者の緊張を、複雑な操作なしに容易に緩和することが出来る。
更に、このような動きをする椅子1は、リンクや案内溝等を一切用いることなく、「使用者Sと椅子1の位置ズレの許容」と「使用者Sの姿勢変更」の兼用を実現していることから、部品点数が非常に少なくなると共に、構造の簡素化や、重量の低減(軽量化)を図ることが出来る。
座弾性布帛D1と背弾性布帛D2を、1つの弾性布帛Dによって構成し、左右の座支持フレーム13・13と左右の背支持フレーム15・15に亘って張設しても良く、又は、それぞれ別の弾性布帛によって構成しても良い。これによって、各座支持フレーム13と各背支持フレーム15が、連結されているか、分離しているかに応じて、弾性布帛を張設することが出来、支持フレームの構成の自由度が上がる。
更に、座支持フレーム13を上方に付勢する付勢手段23によって、使用者Sを下方から支えることが出来、腰を浮かせたり、立ち上がる際の負担を軽減できる。
この他、椅子は、前記切替機構19は、前記座部11を略水平にする前姿勢Fと、この前姿勢Fより座部11を後傾させる中姿勢Nと、この中姿勢Nより座部11を更に後傾させる後姿勢Bとに、前記座部11と背凭れ部12を一体的に角度変更する場合もある。
又、椅子は、前記座部11と背凭れ部12が中姿勢Nである時に、前記上方隆起した座面前部14aの隆起高さTが29mm以上37mm以下である場合もある。
更に、椅子は、前記切替機構19は、前記座支持フレーム13の下面に当接して前記座部11を所定の角度で保持する当接面20が2つ以上形成されたカム21と、このカム21を回転させて当接する当接面20を切り替える回転手段22を備えている場合もある。
切替機構19で、座部11を略水平にする前姿勢Fに角度変更する場合には、立位時と同様に、背骨を湾曲状態とした使用者Sは、高重量を占める頭部(頚椎)を体の重心である骨盤(座骨結節K)の鉛直上方に位置させることで頭部と背骨を支えることが可能となり、更に、立位状態のように頚椎が骨盤の鉛直上方にあれば、頭蓋骨における顎の骨(下顎骨)が本来の噛み合わせ位置にくる(噛む力・話す力のサポート)。
図6(a)に示したように、前姿勢Fの時には、座面14自体も略水平(座面前部14aが、座面14の後部と略同じ高さ位置か、若干高い位置)になる。この前姿勢Fの時であっても、使用者Sの体重(荷重)は鉛直下方向に掛かり、座面14(座弾性布帛D1)において、使用者Sの座骨結節Kと当接する部分が、最も下方へ撓む(沈み込む)。
この下方への撓みが、使用者Sの座骨結節Kを包み込むポケットの役割を果たし、座骨を安定させると同時に、座部11を前傾させた(前姿勢Fにした)際にも、使用者Sの座骨(臀部)が前方へずれ落ちるのを防止できる。
尚、この前方ずれ落ち防止は、一般の前すべり防止椅子(座板の上に、ウレタン又は綿などのクッション材で座面前部を盛り上げて、座面をバケット状に形成している椅子)に比べて、弾性布帛Dを用いた本発明の方が、効果が高い。
それは、一般の前すべり防止椅子では、座部を前傾させた際に、座板自体が前傾し、座面前部のクッション材が体重を支えようとするので、クッション材が柔らかかったり、ヘタリが発生するからである。
更に、切替機構19で、前姿勢Fより座部11を後傾させる中姿勢Nに角度変更する場合には、使用者S自らほぼ自分の体重を支えていた前姿勢Fよりも、背凭れ部12に体重を預けることで、使用者Sにかかる負担が減り、より緊張が緩和した状態で、TV鑑賞等をすることが出来る。
これに加え、切替機構19で、中姿勢Nより座部11を更に後傾させる後姿勢Bに角度変更する場合には、中姿勢Nよりも、使用者Sの体重を背凭れ部12側に預けることが可能となり、使用者Sは、姿勢保持に必要な力を更に低減でき、更にリラックスした状態で着座が可能となる。
更に、図1及び図6(b)に示した如く、座部11と背凭れ部12が中姿勢Nである時に、上方隆起した座面前部14aの隆起高さTを29mm以上37mm以下とする場合には、着座する使用者Sの座骨結節Kから大腿部裏側に亘る部分に応じて、座面14(座弾性布帛D1)が、連続的に下方へ撓む(沈み込む)ことが可能となる。
従って、使用者Sの大腿部裏側を過度に圧迫することなく、使用者Sの座骨結節Kから大腿部に沿って包み込むポケットが、座面14(座弾性布帛D1)に形成され、使用者Sの姿勢が安定する。
一方、一般の前すべり防止椅子では、座板をフラットにした際に、クッション材による座面前部の盛上りで、大腿部裏側に圧力が掛かって使用者Sに圧迫感を与えることとなる。
尚、座面前部14aの隆起高さTとは、「座部11及び背凭れ部12が中姿勢Nである際において、座面14最下点から座面前部14a最上点までの高さ」を指す。
切替機構19に、座支持フレーム13の下面に当接する当接面20が2つ以上形成されたカム21と、カム21を回転させる回転手段22を備えた場合には、座支持フレーム13を上方に付勢する付勢手段23を設けた際に、使用者Sが椅子1の角度変更する際に、少し腰を浮かせたり、立ち上がることで、座支持フレーム13下面からカム21の当接面20が離れて、カム21を容易に回転させることが可能となる。
左右の座支持フレーム間に座弾性布帛を張設し、左右の背支持フレーム間に背弾性布帛を張設し、上方隆起した座面前部の下方で配備された回転軸回りに、座部と背凭れ部を一体的に回動させて角度変更する切替機構を設けることによって、「使用者と椅子の位置ズレの許容」と「使用者の姿勢変更」の兼用を実現すると共に、部品数の低減、簡素化、軽量化の全てを同時に図りながら、食事時やデスク作業時などの負担低減が可能となる。
本発明の第1実施形態に係る椅子が、中姿勢である際の支持フレームを示す側面図である(後梁及び下梁は除く)。 椅子を示す斜視図である。 椅子を示す分解斜視図である。 椅子の切替機構の一部を示す拡大斜視図である。 切替機構のカムを示す拡大側面図である。 切替機構のカムの向きと、椅子の姿勢を示す側面図であって、(a)は前姿勢であり、(b)は中姿勢であり、(c)は後姿勢である。 他の切替機構を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る椅子を示す斜視図である。 椅子の支持フレームと弾性布帛と切替機構を示す斜視図である。 椅子の切替機構と支持脚を示す斜視図である。
[第1実施形態]
図1〜7に、本発明の第1実施形態に係る椅子1を示す。
上述した目的を達成するために、第1実施形態に係る椅子1は、使用者Sが着座する座部11と、使用者Sが凭れるように座部11の後部から立設された背凭れ部12と、この背凭れ部12と座部11に亘って張設された弾性布帛Dと、座部11と背凭れ部12を一体的に角度変更させ且つ座部11の下方に配備された切替機構19と、これら座部11と背凭れ部12と切替機構19を支持する支持脚31を有している。
図3に示したように、第1実施形態における座部11は、左右一対の座支持フレーム13・13と、これらの左右座支持フレーム13・13間に張設された座弾性布帛D1(弾性布帛Dの一部)と、左右座支持フレーム13・13を所定の左右間隔をおいて連結する前梁41、後梁42を有している。
図1の側面図で示したように、左右の座支持フレーム13・13は、後端から前方へ延びた座後部フレーム43・43と、この座後部フレーム43・43の前端から上方湾曲した座湾曲部17・17と、この座湾曲部17の前端から下方へ略C字状に形成された座前部フレーム44・44を有している。
左右の各座後部フレーム43は、その後端から距離L43だけ直線状に延びた後、側面視において所定の曲率半径R43を持ち且つ下方に湾曲した円弧状に形成されている。
座後部フレーム43の距離L43は、47mm以上57mm以下、好ましくは、49mm以上55mm以下、更に好ましくは、51mm以上53mm以下であって、例えば、約52mm(51.7mm)であっても良い。
又、座後部フレーム43の曲率半径R43は、900mm以上1000mm以下、好ましくは、920mm以上980mm以下、更に好ましくは、940mm以上960mm以下であって、例えば、約950mmであっても良い。
尚、座後部フレーム43は、直線状に延びる部分のみ、又は、円弧状に形成された部分のみで構成されていても良い。
左右の各座湾曲部17は、座後部フレーム43の前端からやや上方に向かって、距離L17だけ直線状に前進した後、側面視において所定の曲率半径R17を持ち且つ上方に湾曲した円弧状に形成され、略C字状の座前部フレーム44に繋がっている。
座湾曲部17の距離L17は、100mm以上112mm以下、好ましくは、102mm以上110mm以下、更に好ましくは、104mm以上108mm以下であって、例えば、約106mm(105.7mm)であっても良い。
又、座湾曲部17の曲率半径R17は、225mm以上285mm以下、好ましくは、235mm以上275mm以下、更に好ましくは、245mm以上265mm以下であって、例えば、約255mmであっても良い。
尚、座湾曲部17は、座後部フレーム43の前端から直線状に前進した部分を有さず、全体が円弧状に形成されていても良い。
左右の各座前部フレーム44は、座湾曲部17の前端から、側面視において所定の曲率半径R44を持ち且つ前方膨出状に湾曲し、その先端が後下方に向くまで円弧状に延びている。
座前部フレーム44の曲率半径R44は、56mm以上68mm以下、好ましくは、585mm以上66mm以下、更に好ましくは、60mm以上64mm以下であって、例えば、約62mmであっても良い。
尚、図2で示した如く、座前部フレーム44の前端は、切替機構19の前方に位置することとなる。
このような左右の座支持フレーム13・13間に、座弾性布帛D1を張設することで、座面14が形成されている。
この座面14において、側面視で座後部フレーム43と座湾曲部17との間で上方へ湾曲し始める位置(湾曲位置W)から、所定距離Gだけ後方の位置(座後位置Z)の間に、使用者Sの骨盤の下端(つまり、座骨結節K)がくる。
更に、この座面14における湾曲位置Wから座後位置Zまでの間(以下、「ヒップレンジH」)で、使用者Sの臀部(特に、座骨結節K)が、椅子1の座部11(座面14)に対して移動できる、つまり、臀部と座部11の接触位置がずれることが許容されている。
ヒップレンジHの前後長さは、100mm以上150mm以下、好ましくは、110mm以上140mm以下、更に好ましくは、120mm以上130mm以下であって、例えば、約124(123.7)mmであっても良い。
このヒップレンジHを含む使用者Sの着座に関わる全ての範囲(以下「オールレンジA」)は、座部11の前端から背凭れ部12の前端(後述の背湾曲部54の前端)までの範囲であって、座部11の上方に遮るものがない範囲を言う。
オールレンジAの前後長さは、380mm以上440mm以下、好ましくは、390mm以上430mm以下、更に好ましくは、400mm以上420mm以下であって、例えば、約413mmであっても良い。
ヒップレンジHとオールレンジAを比較すると、ヒップレンジHの前後長さは、オールレンジAの前後長さの20%以上40%以下、好ましくは、25%以上35%以下、更に好ましくは、27%以上33%以下である。
座面14において、ヒップレンジHよりも前側に位置し且つ座湾曲部17によって隆起した座面前部14aの範囲(以下、「アップレンジU(アンカーサポート)」)における前後長さは、260mm以上290mm以下、好ましくは、240mm以上280mm以下、更に好ましくは、250mm以上270mm以下であって、例えば、約258mmであっても良い。
このアップレンジUの前後長さは、上述したオールレンジAの50%以上70%以下、好ましくは、55%以上65%以下、更に好ましくは、60%以上65%以下である。
アップレンジU(座面前部14a)の隆起高さT(座部11及び背凭れ部12が中姿勢Nである際において、ヒップレンジHの座面14最下点から、アップレンジU(座面前部14a)の座面14最上点までの高さ)が、29mm以上37mm以下、好ましくは、31mm以上35mm以下、更に好ましくは、32mm以上34mm以下であって、例えば、約33(33.4)mmであっても良い。
因みに、座後部フレーム43下面における最下点から、アップレンジUにおける座面14最上点までの高さは、41mm以上53mm以下、好ましくは、43mm以上51mm以下、更に好ましくは、45mm以上49mm以下であって、例えば、約47(47.4)mmであっても良い。
図1〜3に示すように、上述した前梁41と後梁42は、長手方向が左右に向いて配置され、左右それぞれの座支持フレーム13・13の下面に取り付けられた左右の端部と、この各端部の取付位置よりも所定距離だけ下方へ下がった中央部を有している。
この中央部が下がっていることで、左右座支持フレーム13・13間に張設された座弾性布帛D1が、使用者Sの着座によって沈降可能となる。
尚、前梁41における中央部の下り具合は、正面視において上底より下底が短い且つ左右対称な台形状に形成され、この前梁41の下底が、切替機構19の後述する回転軸18に取り付けられている。
後梁42も、正面視において上底より下底が短い且つ左右対称な台形状に形成されているが、正面視において下方へ湾曲した左右対称な円弧状に形成されていても良い。
尚、前梁41及び後梁42の左右長さ(つまり、座部11の左右幅)は、466mm以上484mm以下、好ましくは、469mm以上481mm以下、更に好ましくは、472mm以上478mm以下であって、例えば、約475mmであっても良い。
又、座部11の座支持フレーム13自体の幅は、26mm以上38mm以下、好ましくは、28mm以上36mm以下、更に好ましくは、30mm以上32mm以下であって、例えば、約32mmであっても良い。
これら左右座支持フレーム13・13の内面間の距離(内寸)は、390mm以上432mm以下、好ましくは、397mm以上425mm以下、更に好ましくは、404mm以上418mm以下であって、例えば、約411mmであっても良い。
背凭れ部12の左右幅、左右背支持フレーム15・15自体の左右幅及び内寸も、略同様である。
更に、前梁41の下り幅は、46mm以上52mm以下、好ましくは、47mm以上51mm以下、更に好ましくは、48mm以上50mm以下であって、例えば、約49(48.6)mmであっても良い。
前梁41は、座湾曲部17下面における前後方向の略中央位置に取り付けられている。
又、後梁42は、座後部フレーム43の直線状に延びた部分の下面における略中央位置に取り付けられている。
図3に示した如く、第1実施形態における背凭れ部12は、左右一対の背支持フレーム15・15と、これらの左右背支持フレーム15・15間に張設された背弾性布帛D2(弾性布帛Dの一部)と、左右背支持フレーム15・15を所定の左右間隔をおいて連結する上梁51、下梁52を有している。
図1で示されたように、左右の背支持フレーム15・15は、その下端が、左右の座支持フレーム13・13の後端と連結され、左右の座支持フレーム13・13の後端から前上方へ延びた背下部フレーム53・53と、この背下部フレーム53・53の上端から後上方へ向きを変え且つ側面視で円弧状に湾曲した背湾曲部54・54と、この背湾曲部54・54の上端から後下方へ直線状に延びた背上部フレーム55・55を有している。
左右の各背下部フレーム53は、その下端から前上方に向かって距離L53だけ直線状に形成されている。
背下部フレーム53の距離L53は、76mm以上88mm以下、好ましくは、78mm以上86mm以下、更に好ましくは、80mm以上84mm以下であって、例えば、約82mm(81.9mm)であっても良い。
尚、背下部フレーム53は、円弧状に形成された部分を有していても良い。
左右の各背湾曲部54は、背下部フレーム53の前端から、側面視において所定の曲率半径R54を持ち且つその先端が後上方を向くまで湾曲した円弧状に形成された後、背上部フレーム55に繋がっている。
背湾曲部54の曲率半径R54は、54mm以上66mm以下、好ましくは、56mm以上64mm以下、更に好ましくは、58mm以上62mm以下であって、例えば、約60mmであっても良い。
尚、背湾曲部54は、直線状に延びる部分を有していても良い。
左右の各背上部フレーム55は、背湾曲部54の上端から後下方に向かって距離L55だけ直線状に形成されている。
背上部フレーム55の距離L55は、300mm以上340mm以下、好ましくは、310mm以上330mm以下、更に好ましくは、315mm以上323mm以下であって、例えば、約318mm(317.6mm)であっても良い。
尚、背上部フレーム55は、円弧状に形成された部分を有していても良い。
このような左右の背支持フレーム15・15間に背弾性布帛D2を張設することで、背凭れ面16が形成されている。
この背凭れ面16が、背湾曲部54によって前方へ膨出されることで、ランバーサポートLを形成しており、このランバーサポートLの膨出距離(背上部フレーム55の上端から背湾曲部54の前端までの前後長さ)は、114mm以上120mm以下、好ましくは、116mm以上124mm以下、更に好ましくは、118mm以上122mm以下であって、例えば、約120(119.5)mmであっても良い。
このランバーサポートLの膨出距離は、上述したオールレンジAの20%以上40%以下、好ましくは、25%以上35%以下、更に好ましくは、26%以上32%以下である。
背凭れ部12の高さ方向についても言及すれば、アップレンジUにおける座面14最上点から、背湾曲部54の上端までの高さは、91mm以上97mm以下、好ましくは、92mm以上96mm以下、更に好ましくは、93mm以上95mm以下であって、例えば、約94(94.2)mmであっても良い。
背湾曲部54の上端から、背上部フレーム55の上端までの高さは、275mm以上315mm以下、好ましくは、285mm以上305mm以下、更に好ましくは、290mm以上300mm以下であって、例えば、約296(296.2)mmであっても良い。
因みに、座後部フレーム43下面における最下点から、背上部フレーム55の上端までの高さは、420mm以上460mm以下、好ましくは、430mm以上450mm以下、更に好ましくは、435mm以上445mm以下であって、例えば、約438(437.8)mmであっても良い。
図1で示されたように、第1実施形態における椅子1は、座部11と背凭れ部12が一体的に回動して角度変更するため、上述したように、左右の各座支持フレーム13後端と各背支持フレーム15下端が連結固定され、切替機構19による角度変更時でも、座部11の座面14と、背凭れ部12の背凭れ面16の相対位置関係や角度が一定に保たれている。
尚、座部11の座面14と、背凭れ部12の背凭れ面16互いの相対角度(より詳しくは、座部11のヒップレンジHにおける座面14最下点付近に対する、背凭れ部12の背上部フレーム55によって形成される背凭れ面16の角度)は、108度以上114度以下、好ましくは、109度以上113度以下、更に好ましくは、110度以上112度以下であって、例えば、約111(111.14)度であっても良い。
次に、このような相対角度を有する各フレーム13、15の連結部分の形状や特徴について、以下に述べる。
図1〜3に示したように、上述の背支持フレーム15における背湾曲部54の前端(ランバーサポートLの膨出先端)から、背支持フレーム15下端(座支持フレーム13後端)の後面までの前後長さは、90mm以上102mm以下、好ましくは、92mm以上100mm以下、更に好ましくは、94mm以上98mm以下であって、例えば、約96(96.4)mmであっても良い。
尚、背支持フレーム15及び座支持フレーム13自体の太さ(例えば、約14mm)を考慮すると、背支持フレーム15と座支持フレーム13が連結された部分の前面(座面14及び背凭れ面16)は、ランバーサポートLの膨出先端(背湾曲部54の前端)から、距離M(76mm以上88mm以下、好ましくは、78mm以上86mm以下、更に好ましくは、80mm以上84mm以下であって、例えば、約82(82.4)mm)だけ、後方に位置する。
つまり、背支持フレーム15及び座支持フレーム13によって、座面14及び背凭れ面16(座弾性布帛D1及び背弾性布帛D2)は、背湾曲部54の前端から背支持フレーム15と座支持フレーム13が連結された部分の前面までの距離Mだけ後方へ凹ませて(逃がし)ている。
この逃がし手段61を有することで、使用者Sが椅子1に着座した際に、座部11に使用者Sの体重が掛かって、座面14を形成する座弾性布帛D1(弾性布帛Dの一部)が凹む沈み込み(弾性布帛Dに対する下向きの張力)が、同じ弾性布帛Dの一部である背弾性布帛D2の最下部に伝わるとしても、逃がし手段(左右の座後部フレーム43・43の後部間と、左右の背下部フレーム53・53間に張設された弾性布帛D)を介して、緩和される。
従って、この緩和によって、座弾性布帛D1から背弾性布帛D2に掛かる張力が、ランバーサポートL付近に波及することを防ぎ、使用者Sの腰部を、過度に圧迫することなく支えることが可能となる。
尚、切替機構19で椅子1の角度を変更し、座部11に対して使用者Sの体重が掛かる方向が変わる際にも、座弾性布帛D1に対する張力の向きが変化して沈み込みが生じるが、この沈み込みも、上述の逃がし手段61によって、同様に緩和することが出来る。
よって、椅子1の角度変更時でも、ランバーサポートL付近での張力変化を抑え、使用者Sの腰部に掛かる圧力を低減し、リラックスして使用者S自身の姿勢も変更させることが可能となる。
図1〜3に示すように、上述した上梁51と下梁52も、前梁41や後梁42と同様に、長手方向が左右に向いて配置され、左右それぞれの背支持フレーム15・15の後面に取り付けられた左右の端部と、この各端部の取付位置よりも所定距離だけ後方へ湾曲した中央部を有している。
この中央部が後方湾曲していることで、左右背支持フレーム15・15間に張設された背弾性布帛D2が、使用者Sの着座によって窪むことが出来る。
尚、上梁51と下梁52も、前梁41や後梁42のように、上底より下底が短い且つ左右対称な台形状に形成されているが、左右対称な円弧状に形成されていても良い。
ここまでは、座部11と背凭れ部12や、それらの各支持フレーム13、15等について述べたが、これら支持フレーム13、15等に張設される弾性布帛D(座弾性布帛D1及び背弾性布帛D2)自体について、以下に示す。
弾性布帛Dは、織物でも編物でも良く、又、それらは立体メッシュ地のように表地と裏地を連結糸で連結した立体的二重構造を成すものであっても良い。特に、編地では、糸条が一直線状に編み込まれている緯糸挿入編地を用いると良い。
弾性布帛Dは、座部11から背凭れ部12までを覆う1枚の布帛として当初から編成又は織成されたものでも良く、2枚の布帛(座弾性布帛D1の後端と背弾性布帛D2の下端)を縫合して座部11から背凭れ部12まで連続するように仕立てられた(縫製された)ものであっても良い。
弾性糸条としては、破断伸度が60%以上であり、10%伸長後の弾性回復率が90%以上の弾性糸、例えば、ポリエーテル系エステル繊維糸条や、鞘成分を熱融着性ポリマーとするポリエステル芯鞘複合熱融着性繊維モノフィラメント弾性糸条(例えば、東洋紡績株式会社製品名:ダイヤフローラ(登録商標))を使用すると良い。
このように、弾性糸の破断伸度が60(%)以上であり、10%伸長後の弾性回復率が90(%)以上であり、車椅子の幅方向における布帛の10%伸長時の応力FS (N/5cm)が150≦FS ≦600に設定されているので、座面14、背凭れ面16に、使用者Sの体重が作用しても破断伸度に至る程に大きく弾性布帛が伸長することはなく、従って、衝撃荷重が作用する時には更に伸縮する余力・余裕が弾性布帛に残存し、その残存する弾性布帛に伸縮余力が緩衝効果を発揮する。
その弾性糸の長さ方向を椅子1の左右方向に向けて織編込んだ弾性布帛Dとしては、その弾性糸を緯糸に使用した織物や緯糸挿入編地を、座部11や背凭れ部12に使用すると良い。
このような弾性布帛D(座弾性布帛D1、背弾性布帛D2)を張設して座面14、背凭れ面16を形成することで、座部11と背凭れ部12の一体回動時に、前傾又は後傾する使用者Sの臀部が座面14上を転がり、臀部と座部11の接触位置P1や、腰部と背凭れ部12の接触位置P2のズレ(相対的な移動)に応じて、弾性布帛で形成された座面14及び背凭れ面16自体が変形して、使用者Sの臀部と座部11や、使用者Sの腰部と背凭れ部12の接触位置がずれても、使用者Sの臀部や腰部を、所定広さの面で、使用者Sの臀部や腰部を支えることが可能となり、使用者Sに対する過度の圧迫を抑制できる。
その場合、緯糸には非弾性糸である通常の紡績糸やマルチフィラメント糸を併用することも出来る。そのように非弾性糸を併用すると、非弾性糸によって弾性布帛Dの伸度が抑えられ、座部11や背凭れ部12の沈み込みを所定の範囲に設定し易くなる。
又、弾性布帛D全体においては、布帛の10%伸長時の伸長応力FS を、150≦FS ≦600(N/5cm)と設定しても良い。
この伸長応力FS が150N未満になると、肢体を載せた状態において、弾性布帛Dの沈み込みが大きく、その沈み込んだ弾性布帛Dの周囲から受ける側圧感が大きくなり、一方、伸長応力FS が600Nを超えると、肢体を載せた弾性布帛Dから硬さが強く感じられる場合があるからである。
更に、弾性布帛D全体としての10%伸長時のヒステリシスロス率ΔEを20%以上45%以下としても良い。
このヒステリシスロス率ΔEが20%未満になるときは、弾性布帛Dの弾性特性が金属バネに近似したものになり、弾性布帛が硬さを感じさせ易くなり、一方、10%伸長時のヒステリシスロス率ΔEが45%を超えると、使用者Sの肢体が離れても弾性布帛Dが原形回復し難くなり、その原形回復の遅れの荷重履歴疲労によって、肢体を載せた跡が座面14等に残り易くなるからでもある。
これらの点を考慮して、10%伸長時の伸長応力FS が200N/5cm以上400N/5cm以下となり、10%伸長時のヒステリシスロス率ΔEが25%前後になるように、弾性布帛Dを設計することが望ましい。
尚、弾性布帛D(座弾性布帛D1、背弾性布帛D2)は、その左右方向、前後方向の少なくともいずれか1方向において、部分的に伸縮性を変化させても良い。
これに加えて、弾性布帛D(座弾性布帛D1、背弾性布帛D2)は、JIS−L−1096:2010(フラジール形法)における空気量が100cm3 /cm2 ・sec以上となる通気度を有しており、使用者Sが長時間同じ姿勢で着座して生じる蒸れを抑制できる。
尚、JIS−L−1096:2010(フラジール形法)における空気量は、好ましくは150cm3 /cm2 ・sec以上であり、更に好ましくは180cm3 /cm2 ・sec以上である。
又、弾性布帛Dは、座支持フレーム13・13と背支持フレーム15・15に対して着脱自在に張設されており、弾性布帛Dが汚れた際にも、布帛であることから、全体を容易に洗濯することが可能であり、更に、洗濯後の乾燥時間も短くて済む。
尚、弾性布帛Dが、支持フレーム13、15等に張設できるのであれば、ビス止めやフック等その手段は問わないが、座湾曲部17や背湾曲部54など湾曲している部位に沿わせるために、例えば、以下に示す張設手段でも良い。
この張設手段を詳解すれば、弾性布帛D(座弾性布帛D1及び背弾性布帛D2)の左右端を、各支持フレーム13、15と長尺の薄板の間に挟み込み、この薄板側からビスや螺子等の固定具によって、弾性布帛D(座弾性布帛D1及び背弾性布帛D2)に、座支持フレーム13、背支持フレーム15を固定する。
このとき、座弾性布帛D1における座面14となる面側に、座支持フレーム13の上面となる面が固定され、背弾性布帛D2における背凭れ面16となる面側に、背支持フレーム15が固定されている。
座支持フレーム13及び背支持フレーム15を、座面14、背凭れ面16側から、その裏面側へ引っ繰り返した後、左右の各フレーム13、15を所定距離だけ離して所定張力が弾性布帛Dに生じた状態で、左右の各フレーム13、15間に各梁41、42、51、52を取り付けることで、弾性布帛D(座弾性布帛D1及び背弾性布帛D2)を張設する。
尚、各フレーム13、15を引っ繰り返すことで、薄板が座弾性布帛D1及び背弾性布帛D2に包まれるため、ビス等の固定具や薄板が露出せず、見栄えも良いと同時に、安易にビス等を外すことを防止できる。
このように張設された弾性布帛D(座弾性布帛D1及び背弾性布帛D2)と、この弾性布帛Dが張設された座部11及び背凭れ部12は、上述した支持脚31によって支えられている。
支持脚31は、左右の前脚32・32と、左右後脚33・33を有していて、左右前脚32・32が上下2本の前脚梁34・34で連結され、左右の前後脚32、33が左右各1本ずつの側脚梁35・35で連結され、左右後脚33・33が1本の後脚梁36で連結されている。
この後脚梁36は、椅子1が角度変更した際に、座部11と背凭れ部12の連結部の上面に当接する位置で連結されており、椅子1が所定角度以上に前傾しないようストッパの役割を兼用している。
又、左右の前後脚32、33の上端には、左右各1つずつの肘掛37・37が亘されている。
左右の前脚32・32と後脚33・33は、上端部と下端部が、それぞれ伸縮自在に構成されており、使用者Sの膝下の長さや、肘掛37高さの好みに応じて、所定の長さとすることが出来る。
又、左右の各肘掛37も、左右の各前後脚32、33に対して、所定の前後位置で取付可能に構成されている。
支持脚31における後脚33・33にキャスタを設けても良く、このキャスタによって、使用者Sを乗せたまま、背面側から椅子1を押す等の操作をすることが可能となる。
このような支持脚31に支えられた座部11及び背凭れ部12は、切替機構19によって、角度変更される。
この切替機構19は、座部11と背凭れ部12の相対角度や位置を変えることなく一体的に回動可能であれば、何れの機構であっても良いが、その1例として、下記の機構を述べる。
図2〜6に示したように、切替機構19は、座部11における上述の前梁41を下面から回動可能に支持した回転軸18と、この回転軸18より後方で左右方向に延びたレバー軸71と、このレバー軸71の一端側に取り付けられたカム21と、このカム21を回転させるべくレバー軸71の一端に取り付けられた回転レバー72と、この回転レバー72及びカム21を所定の角度で保持する保持具73を有している。
回転軸18は、支持脚31における上述した左右の前脚32・32間で、長手方向を左右に向けて、各前脚32を貫通するように取り付けられている。
尚、回転軸18は、左右前脚32・32に対して回転可能であれば、貫通していなくても良い。又、回転軸18は、2本の前脚梁34・34より上方に位置している。
更に、回転軸18の左右両端には、前脚梁34に貫通している部分よりも太径状の抜止め部18aが螺合されており、この抜止め部18aの螺合をもどくことによって、支持脚31から回転軸18を外す、つまり、支持脚31から座部11及び背凭れ部12を取り外すことが出来る。
レバー軸71も、支持脚31における上述した左右の側脚梁35・35で、長手方向を左右に向けて、各側脚梁35を貫通するように取り付けられているが、左右側脚梁35・35に対して回転可能であれば、貫通していなくても良い。
又、レバー軸71は、前脚梁35における後脚33寄りに位置している。
図5の側面図にて示したように、カム21は、レバー軸71に固定されており、レバー軸71と共に回転する。又、カム21は、座支持フレーム13の下面に当接して座部11を所定の角度で保持する当接面20を3つ備えている。
この3つの当接面は、レバー軸71の軸心(回転中心)からの距離が最も遠い第1当接面20aと、この第1当接面20aの次に回転中心からの距離が遠い第2当接面20bと、最も回転中心からの距離が近い第3当接面20cである。
このように、回転中心からの距離が異なる3つの当接面20a〜20cを切り替えることによって、レバー軸71から座支持フレーム13の下面までの距離が変わり、座部11前部の下方に位置する回転軸18を中心として、座部11と背凭れ部12を一体的に回動させて、3つの角度(姿勢)で保持できる。
最も回転中心から遠い第1当接面20aが座支持フレーム13に当接した場合、座部11(座面14)を略水平にする前姿勢Fとなる(図6(a)参照)。
以下同様に、次に回転中心から遠い第2当接面20bが座支持フレーム13に当接した場合、前姿勢Fよりも座部11(座面14)を後傾させる中姿勢Nとなり(図6(b)参照)、最も回転中心から近い第3当接面20cが座支持フレーム13に当接した場合、中姿勢Nよりも更に座部11(座面14)を後傾させる後姿勢Bとなる(図6(c)参照)。
尚、各当接面20a〜20cを、直接、座支持フレーム13の下面に当接させても良いが、クッション材を介して当接させても良い。
又、カム21は、レバー軸71の左右いずれかの一端側に取り付けられているが、左右端のそれぞれに設けられていても良い。
更に、当接面20は、3つでなくとも、2つ以上(2つや、4つ以上)であっても良い。
回転レバー72は、レバー軸71の一端に、レバー軸71の回転中心に対して直交するように取り付けられている。従って、この回転レバー72を、回転中心回りに前後に揺動させることによって、カム21を回転させて当接する当接面20a〜20cを切り替えることが出来る。
図4で示されたように、保持具73は、カム21と側脚梁35との間で、レバー軸71に取り付けられた受板74と、この受板74の左右外面側に対向する位置で、側脚梁35の左右内面に設けられたプランジャ部材75を有している。
受板74は、略円板状であって、レバー軸71に対して固定されており、レバー軸71と共に回転する。
受板74には、カム21の第1当接面20a、第2当接面20b、第3当接面20cにそれぞれ対応する第1受孔76a、第2受孔76b、第3受孔76cが形成されており、第1受孔76a〜第3受孔76cは、レバー軸71の回転中心から等距離にある。
図5の2点鎖線で示されたように、受板74は、第1受孔76a〜第3受孔76cが、カム21の第1当接面20a〜第3当接面20cに対応して、座支持フレーム13の下面に当接し得るような対応位置に設けられている。
尚、受板74は、側面視で円形状であっても良いが、その周縁に突出部を設け、この突出部が、側脚梁35の左右内面に別途設けられた突片に当接することで、回転レバー72の揺同範囲を規制しても良い。
プランジャ部材75は、筒状部材75a内に出退自在な球状の係止体75bを有しており、この係止体75bが受板74側へ付勢されている。
従って、回転レバー72を揺動させることで、プランジャ部材75の係止体75bが、係止する受孔76a〜76c(当接面20a〜20c)を切り替えて、座部11及び背凭れ部12を前姿勢F、中姿勢N,後姿勢Bの何れかに姿勢変更される。
座部11及び背凭れ部12の各姿勢F〜Bは、付勢された係止体75bが各受孔76の何れかに没入して係止することで維持されるが、係止体75bに対する付勢力に勝る力で、回転レバー72を揺動させることによって、係止体75bが係止した各受孔76を切り替えることとなる。
このような係止体75bと受孔76a〜76cの係止箇所を、左右外方から覆うカバー板を設けても良く、これによって外観も向上し、係止箇所に物を挟むことが防止される。
尚、プランジャ部材75は、側脚梁35の左右内面に設けられていても良いが、側脚梁35の左右外面に、その側脚梁35を貫通して係止体75bが出退するように構成しても良い。
上述したレバー軸71、カム21、回転レバー72、保持具73で回転手段22を構成している。
ここで、図3にて示したように、第1実施形態の椅子1は、座支持フレーム13を上方に付勢する付勢手段23を有していても良い。
詳解すれば、この付勢手段23は、コイル状のバネ等で構成され、その一端が支持脚31における後脚梁36の左右中央部に取り付けられ、その他端が座部11における後梁42に取り付けられている。
このように、座支持フレーム13を上方に付勢する付勢手段23によって、使用者Sを下方から支えることが出来、腰を浮かせたり、立ち上がる際の負担を軽減できると共に、椅子1の姿勢変更をする時に、切替機構19におけるカム21の各当接面20a〜20cから、座支持フレーム13下面が上方へ離れる(浮く)こととなり、当接面d20a〜20cが座支持フレーム13下面に当接したままで、回転レバー72を揺動させるよりも、軽い力で、座部11及び背凭れ部12の角度変更が可能となる。
尚、コイル状のバネ等の付勢手段23を、ネットなどによって覆っても良く、バネ等の間に物を挟むことが防止される。
次に、第1実施形態に係る椅子1において、座部11と背凭れ部12が、前姿勢Fから中姿勢N,そして、後姿勢Bに切り替わる様子を述べる。
図6(a)で示す如く、前姿勢Fでは、座部11における座面14が、全体として、略水平となり、使用者Sの立位時と同様に、背骨を湾曲状態とした使用者Sは、高重量を占める頭部(頚椎)を体の重心である骨盤(座骨結節K)の鉛直上方に位置させることで頭部と背骨を支えることが可能となり、更に、立位状態のように頚椎が骨盤の鉛直上方にあれば、頭蓋骨における顎の骨(下顎骨)が本来の噛み合わせ位置にくることとなる(噛む力・話す力のサポート)。
又、座面前部14a下方の回転軸18回りに、座部11と背凭れ部12を一体的に回動させて角度変更することから、座部11と背凭れ部12の角度が変わっても、座面前部14aから椅子1の設置面までの高さは変わらないため、使用者Sは、椅子1の角度変更に拠らず、足を設置面にしっかり付けることが出来、姿勢の安定化が図れ、より噛み合わせが容易となる。
更には、前姿勢Fの時には、座面14自体も略水平(座面前部14aが、座面14の後部と略同じ高さ位置か、若干高い位置)になる。この前姿勢Fの時であっても、使用者Sの体重(荷重)は鉛直下方向に掛かり、座面14(座弾性布帛D1)において、使用者Sの座骨結節Kと当接する部分が、最も下方へ撓む(沈み込む)。
この下方への撓みが、使用者Sの座骨結節Kを包み込むポケットの役割を果たし、座骨を安定させると同時に、座部11を前傾させた(前姿勢Fにした)際にも、使用者Sの座骨(臀部)が前方へずれ落ちるのを防止できる。
図6(b)に示したように、切替機構19で、前姿勢Fより座部11を後傾させる中姿勢Nに角度変更することにより、使用者S自らほぼ自分の体重を支えていた前姿勢Fよりも、背凭れ部12に体重を預けることで、使用者Sにかかる負担が減り、より緊張が緩和した状態で、TV鑑賞等をすることが出来る。
これに加え、中姿勢Nである時には、上方隆起した座面前部14aの隆起高さTが29mm以上37mm以下であるため、着座する使用者Sの座骨結節Kから大腿部裏側に亘る部分に応じて、座面14(座弾性布帛D1)が、連続的に下方へ撓む(沈み込む)ことが可能となる。
従って、使用者Sの大腿部裏側を過度に圧迫することなく、使用者Sの座骨結節Kから大腿部に沿って包み込むポケットが、座面14(座弾性布帛D1)に形成され、使用者Sの姿勢が安定する。
更に、図6(c)のように、切替機構19で、中姿勢Nより座部11を更に後傾させる後姿勢Bに角度変更することにより、中姿勢Nよりも、使用者Sの体重を背凭れ部12側に預けることが可能となり、使用者Sは、姿勢保持に必要な力を更に低減でき、更にリラックスした状態で着座が可能となる。
つまり、椅子1の姿勢が変更され、座部11と背凭れ部12が一体回動、つまり、使用者Sが前傾又は後傾することによって、座面14上を臀部が転がり、臀部と座部11の接触位置P1や、腰部と背凭れ部12の接触位置P2のズレ(相対的な移動)に応じて、弾性布帛で形成された座面14及び背凭れ面16自体が変形して、使用者Sの臀部と座部11や、使用者Sの腰部と背凭れ部12の接触位置がずれても、使用者Sの臀部や腰部を、所定広さの面で、同様に支えることが出来る。
従って、本発明の第1実施形態は、左右座支持フレーム13・13間と左右背支持フレーム15・15間に張設された弾性布帛D(座弾性布帛D1、背弾性布帛D2)により、切替機構19の角度変更で使用者Sの荷重方向の変化が生じても、臀部と座部11及び腰部と背凭れ部12の接触位置がずれることを許容すると共に、使用者Sの姿勢変更を、切替動作1つで兼ねることが可能となって、使用者の緊張を、複雑な操作なしに容易に緩和することが出来る。
このような動きをする弾性布帛Dは、1つで構成され、リンクや案内溝等を一切用いることなく、使用者Sを支えていることから、部品点数が非常に少ないと共に、構造の簡素化や、重量の低減(軽量化)を図ることが出来る。
尚、切替機構19は、上述の構成に限定されず、椅子1の姿勢を切り替えられるのであれば、図7に示したような、その他の構成を有する切替機構19であっても良い。
図7の切替機構19が、上述した切替機構19と異なるのは、左右一方の座支持フレーム13の左右外方に設けられた上下に並ぶ3つの係止溝81に、係止片82を係止させることで、座部11の姿勢を切り替えている点である。
この係止片82を揺動させるためのレバー83が、支持脚31に揺動自在に枢支されている。
又、この切替機構19は、付勢手段23として、回転軸18に嵌められた左右一対の捻りバネ23を有している。
これら左右の捻りバネ23は、それぞれの左右中央側の一端が、回転軸18に対して嵌合され且つ座部11における前梁41を回転可能に支える支持体84に取り付けられ、それぞれの左右外方側の他端が、左右の前脚32・32に取り付けられることで、座支持フレーム13を上方に付勢している。
ここで、座部11及び背凭れ部12が、前姿勢Fから中姿勢Nへ切り替わる際の回転軸18回りの回転角度と、中姿勢Nから後姿勢Bへ切り替わる際の回転軸18回りの回転角度は、略同一であって、その回転角度は、4.5度以上9.0度以下、好ましくは、5.5度以上8.0度以下、更に好ましくは、6.5度以上8.0度以下であって、例えば、約7.6度であっても良い。
更に、前姿勢Fから中姿勢Nへ切り替わる回転角度と、中姿勢Nから後姿勢Bへ切り替わる回転角度が、略同一でなくとも良い。
尚、図1に示した如く、座部11及び背凭れ部12が中位置Nにある際には、これらを支え且つ回転軸18に取り付ける前梁41の上面・下面が略水平であり、使用者Sの体重を、前梁41と回転軸18が正対して、確り受け止めることが出来る。
[第2実施形態]
図8〜10に、本発明の第2実施形態に係る椅子1を示す。
この第2実施形態において第1実施形態と最も異なるのは、弾性布帛Dが、それぞれ別の座弾性布帛D1と背弾性布帛D2で構成されている点である。
従って、座部11と背凭れ部12の連結した部分に、逃がし手段61を設けなくとも、座弾性布帛D1から背弾性布帛D2に掛かる張力が、ランバーサポートL付近に波及することはなく、使用者Sの腰部を、過度な圧迫を与えずに支えることが出来る。
この他、図9、10の如く、第2実施形態の椅子1は、切替機構19が、略ロ字型の支持枠の右側面に設けられた上下に並ぶ3つのダボ孔91に、係止ピン92を挿入することで、座部11及び背凭れ部12の姿勢を、一体的に切り替えている。
又、切替機構19は、ばねやゴムのような弾性体、又は、油の粘性抵抗を用いたオイルシリンダ等から成る付勢手段93を有していて、この付勢力が座部11、背凭れ部12及び弾性布帛Dに作用する重さ(モーメント)と略同じであるため、使用者Sが、座部11と背凭れ部12を姿勢変更する際に必要な力が、少なくて済む。
更に、姿勢を切り替えるためのレバー94が、椅子1の右斜め前方に付いており、使用者S本人が姿勢変更できるのは勿論のこと、使用者S以外の者でも、背後等から姿勢の操作をすることが出来る。
第2実施形態の支持脚31は、2本の棒状体を略台形状に屈曲して形成された左右の前脚32・32及び左右の後脚33・33と、これら左右前後脚32、33間を連結する前脚梁34と、左右後脚間を連結する後脚梁36と、これら前後の脚梁間に亘って設けられ且つ切替機構19を支える支持板95と、上記2本の棒状体の中途部に取り付けられた左右の肘掛37を有している。
又、支持脚31から、座部11及び背凭れ部12は、簡単に着脱でき、支持脚31の替わりに、主輪と、この主輪より直径の小さい副輪によって座部11と背凭れ部12と切替機構19を軸承する車椅子であっても良い。
尚、車椅子の場合、主輪の直径は30cm以上であり、副輪の直径は30cm未満である。
上述した実施形態のように、椅子1の姿勢変更に伴って、使用者Sの臀部と座部11及び腰部と背凭れ部12の接触位置がずれると共に、使用者Sの姿勢変更も兼ねることで使用者Sの緊張を緩和させる弾性布帛D(座弾性布帛D1及び背弾性布帛D2)の実施例について言及する。
弾性布帛Dの編成には、第1筬L1 と第2筬L2 と第3筬L3 と第4筬L4 と第5筬L5 と第6筬L6 との6枚筬を装備したニードルゲージが22ゲージ/25.4mm、釜間が3.2mmのダブルラッシェル経編機を使用する。
第1筬L1 と第2筬L2 と第3筬L3 には、ポリエステル繊維ウーリー加工糸(167dtex−48f×2)を1イン−1アウトの順に供給し、第4筬L4 と第5筬L5 と第6筬L6 には、ポリエーテル系エステルを芯成分ポリマーとし、その芯成分ポリマーよりも低融点の熱融着性ポリマーを鞘成分ポリマーとする熱融着性芯鞘複合ポリエーテル系エステル弾性糸条(500dtex−1f、東洋紡績株式会社製品名:ダイヤフローラ(登録商標))を供給する。
第1筬L1 は、4544/3233/4544/3233/4544/3222/1011/2322/1011/3222/1011/2333/………の順に、第2筬L2 は、1011/2322/1011/3222/1011/2333/4544/3233/4544/3233/4544/3222/………の順に、第3筬L3 は、0101/1010/………の順に、第4筬L4 は、0001/1110/………の順に、第5筬L5 は、5555/0000/………の順に、第6筬L6 は、0000/5555/………の順に、それぞれ編目が形成される編組織による経編地を編成する。
この編成された経編地を、185℃にて10分間乾熱処理し、熱融着性芯鞘複合ポリエーテル系エステル弾性糸条とポリエステル繊維ウーリー加工糸が融着したコース密度21本/25.4mm、ウェール密度12本/25.4mmの弾性布帛D(座弾性布帛D1及び背弾性布帛D2)に仕上げる。
この弾性布帛Dのウェール(布長さ)方向における10%伸長時の応力FS は232.6(N/5cm)であり、ヒステリシスロス率ΔEは42%であった。
この弾性布帛Dを、椅子1の左右座支持フレーム13・13間と左右背支持フレーム15・15間に張設して椅子1を調製した。
調製した椅子1は、長期・長時間の試用において心地良く、姿勢を正しく保つことが出来、使用者Sが体勢を崩すことなかった。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。椅子1の各構成又は全体の構造、デザイン形状、寸法、重量などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
切替機構19は、変更可能な姿勢として、少なくとも前姿勢Fと中姿勢Nの2つを有していれば良く、上述した後姿勢Bや、更に後傾角度を大きくして背凭れ部12に体重のほとんどを預ける背凭れ姿勢や、逆に、前傾角度を大きくして使用者Sが立ち上がり易くした立上り姿勢など姿勢の数は、4つ以上であっても良い。
更に、切替機構19は、前姿勢F、中姿勢N、後姿勢Bの3段階で姿勢変更を行ったが、各姿勢F、N、Bの間で、何れの角度でも姿勢保持できる無段階で姿勢変更が可能な構成としても良い。
弾性布帛Dは、座弾性布帛D1と背弾性布帛D2をそれぞれ織成又は編成した後、縫製して1つとしたが、当初より1枚の弾性布帛によって構成されていても良い。
尚、弾性布帛D(座弾性布帛D1、背弾性布帛D2)は、その左右方向、前後方向の少なくともいずれか1方向において、部分的に伸縮性を変化させても良いく、例えば、座弾性布帛D1において、アップレンジUをヒップレンジHより伸縮し難くしても良い。
特に、座弾性布帛D1が、その左右方向の中間部が、側部に比して伸縮し難くした場合について述べると、座部11における座弾性布帛D1は、中間部における前後方向(左右方向と直交する方向)に沿って10%伸長した時の伸長応力FM が、左右の側部における前後方向に沿って10%伸長した時の伸長応力FG より大きいこととなる。
これを実現するには、例えば、座弾性布帛D1を織地として織成する場合、伸び難い糸条(伸長応力が強く、総じて太手の糸条、以下、太手の糸条と言う。)を中間部の左右幅に応じた長さ分だけ、弾性糸条を経糸として織り込んでから、伸び易い糸条(伸長応力が弱く、総じて細手の糸条、以下、細手の糸条と言う。)を経糸として織り込んで側部を織成する。
一方、座弾性布帛D1を編地として編成する場合、経糸によってウェール方向に連続して形成されてコース方向において左右隣合うニードルループとニードルループを、ウェール方向にジグザグに続く挿入糸によって連結して編成される経編地では、その左右隣合うニードルループを連結する挿入糸に弾性糸条を適用することとしても良い。
この場合、中間部の左右幅と側部の左右幅に応じた幅で、コース密度やウェール密度を部分的に変え、或いは、太手の糸条と細手の糸条を配置することとなる。
又、座弾性布帛D1を織地または編地として織編する場合、中間部に熱融着性繊維を適用し、それを加熱融着させ、その部分での伸縮性を抑えることも推奨される。
尚、中間部と側部の間に伸縮性の差異を設けるために、中間部に熱融着性繊維を適用するとしても、そのことは、中間部と側部の双方を構成する弾性糸条として、鞘成分を熱融着性ポリマーとする芯鞘複合熱融着性弾性糸条の適用を妨げるものではない。
このような伸長応力FS 分布を座弾性布帛D1に持たせることで、左右の側部の窪みに相対して隆起する中間部が、自転車のサドル(座席)のように使用者Sの両足の間に嵌まり込み、左右の座骨結節Kとその間で体重が支えられる。
これにより、使用者Sが、左右の座骨結節Kの左右方向の中間点における鉛直上方に頚椎を位置させ易くなり、左右方向におけるバランス保持が容易となる。
更に、背凭れ部12の上部に、ヘッドレストを取付可能としても良い。
座支持フレーム13を上方に付勢する付勢手段23は、コイル状のバネ等で構成されていたが、速応性のあるダンパ等であっても良い。
1 椅子
11 座部
12 背凭れ部
13 座支持フレーム
14 座面
15 背支持フレーム
16 背凭れ面
17 座湾曲部
18 回転軸
19 切替機構
20 当接面
21 カム
22 回転手段
23 付勢手段
S 使用者
F 前姿勢
N 中姿勢
B 後姿勢
T 座面前部の隆起高さ
D 弾性布帛
D1 座弾性布帛
D2 背弾性布帛

Claims (5)

  1. 使用者(S)が着座する座部(11)と、この座部(11)の後方に設けられ且つ使用者(S)が凭れる背凭れ部(12)を有した椅子であって、
    前記座部(11)は、左右の座支持フレーム(13・13)間に、破断伸度60%以上で10%伸長後の弾性回復率90%以上の弾性糸条を使用した座弾性布帛(D1)を張設して、座面(14)が形成され、
    前記背凭れ部(12)は、左右の背支持フレーム(15・15)間に、破断伸度60%以上で10%伸長後の弾性回復率90%以上の弾性糸条を使用した背弾性布帛(D2)を張設して、背凭れ面(16)が形成され、
    前記座面(14)は、前記左右の座支持フレーム(13・13)の前部で上方湾曲する座湾曲部(17・17)に沿って張設されることで、上方隆起した座面前部(14a)が形成されていて、
    この座面前部(14a)の下方で左右方向に沿って配備された回転軸(18)回りに、前記座部(11)と背凭れ部(12)を一体的に回動させて角度変更する切替機構(19)が設けられ
    前記切替機構(19)の前方では、前記左右の座湾曲部(17・17)にそれらの各前端から延びて前方膨出状に湾曲している座前部フレーム(44)が左右それぞれ設けられ、
    これらの左右の座前部フレーム(44・44)間にも、前記座弾性布帛(D1)を張設していることを特徴とする椅子。
  2. 使用者(S)が着座する座部(11)と、この座部(11)の後方に設けられ且つ使用者(S)が凭れる背凭れ部(12)を有した椅子であって、
    前記座部(11)は、左右の座支持フレーム(13・13)間に、破断伸度60%以上で10%伸長後の弾性回復率90%以上の弾性糸条を使用した座弾性布帛(D1)を張設して、座面(14)が形成され、
    前記背凭れ部(12)は、左右の背支持フレーム(15・15)間に、破断伸度60%以上で10%伸長後の弾性回復率90%以上の弾性糸条を使用した背弾性布帛(D2)を張設して、背凭れ面(16)が形成され、
    前記座面(14)は、前記左右の座支持フレーム(13・13)の前部で上方湾曲する座湾曲部(17・17)に沿って張設されることで、上方隆起した座面前部(14a)が形成されていて、
    この座面前部(14a)の下方で左右方向に沿って配備された回転軸(18)回りに、前記座部(11)と背凭れ部(12)を一体的に回動させて角度変更する切替機構(19)が設けられ、
    前記座支持フレーム(13)を上方に付勢する付勢手段(23)が設けられていることを特徴とする椅子。
  3. 前記座弾性布帛(D1)と背弾性布帛(D2)は、1つの弾性布帛(D)によって構成され、前記左右の座支持フレーム(13・13)と左右の背支持フレーム(15・15)に亘って張設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の椅子。
  4. 前記座弾性布帛(D1)と背弾性布帛(D2)は、それぞれ別の弾性布帛によって構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の椅子。
  5. 使用者(S)が着座する座部(11)と、この座部(11)の後方に設けられ且つ使用者(S)が凭れる背凭れ部(12)を有した椅子であって、
    前記座部(11)は、左右の座支持フレーム(13・13)間に、弾性糸条を使用した座弾性布帛(D1)を張設して、座面(14)が形成され、
    前記背凭れ部(12)は、左右の背支持フレーム(15・15)間に、弾性糸条を使用した背弾性布帛(D2)を張設して、背凭れ面(16)が形成され、
    前記座面(14)は、前記左右の座支持フレーム(13・13)の前部で上方湾曲する座湾曲部(17・17)に沿って張設されることで、上方隆起した座面前部(14a)が形成されていて、
    この座面前部(14a)の下方で左右方向に沿って配備され且つ前記座部(11)と背凭れ部(12)を一体的に回動可能に支持する回転軸(18)が設けられ、
    この回転軸(18)の前方では、前記左右の座湾曲部(17・17)にそれらの各前端から延びて前方膨出状に湾曲している座前部フレーム(44)が左右それぞれ設けられ、
    これらの左右の座前部フレーム(44・44)間にも、前記座弾性布帛(D1)を張設していることを特徴とする椅子。
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