JP2015221112A - 椅子 - Google Patents

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和男 藤本
Kazuo Fujimoto
和男 藤本
和幸 堀内
Kazuyuki Horiuchi
和幸 堀内
智昭 市川
Tomoaki Ichikawa
智昭 市川
裕美 高瀬
Hiromi Takase
裕美 高瀬
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Abstract

【課題】着座者をしっかりと支持したい領域と柔らかく支持したい領域と間のサポートの強弱を維持しつつ、両領域の境界での段差を感じ難くして着座時の当たりの違和感を少なくし、座り心地を良くする。また、デザインの自由度を高める。【解決手段】少なくとも相対向する2辺を有する支持フレーム例えば背フレーム7と、該背フレーム7の間に張られるメッシュ張地1とで構成される身体支持部を備える椅子において、メッシュ張地1は編み方あるいは織り方を途中で部分的に変更して編み組織あるいは織り組織を切り替えることにより高伸縮領域2とこれよりも伸び難い低伸縮領域3との少なくとも2つの領域を有し、両領域2,3の境界6を非直線的に形成するようにしている。【選択図】図1

Description

本発明は、メッシュ状の張地(以下、本明細書においてはメッシュ張地と呼ぶ)によって身体支持面を形成する椅子に関する。更に詳述すると、本発明は、枠部材と該枠部材によって周縁部分が支持されるメッシュ張地とで構成される座や背凭れ等として機能する身体支持構造物を備える椅子に関する。尚、本明細書において、上下、前後、左右の方向は椅子の座に着座した使用者を基準に定め、横方向(X軸方向)は椅子の左右あるいは幅方向と、縦方向(Y軸方向)は椅子の前後あるいは上下方向と一致するものとして定義される。
従来より、椅子の背凭れや座などの身体支持構造物に、通気性に優れるメッシュ状張地が使用されることがある。メッシュ張地は、編み物あるいは織物によって全体が均一な密度に組成されているため、どの部位においても均等に弾性変形して、着座者の背中や下半身を支持する。したがって、全体が均一な密度に編まれたメッシュ張地を用いた背によれば、メッシュ張地の下部(腰部付近)においてちょうど良い硬さ即ち適当な撓み量となるように張りを設定すると、上部(背部)においては硬すぎて撓み難くなり、反対に、上部においてちょうど良い硬さ即ち適当な撓み量とすると、下部においては撓み易く腰部の支持が不十分になるという問題を惹起することから、部分的に強い支持が得られ難い。そのため、背凭れの腰部付近や座の前縁部付近などの着座者をしっかりと支持したい部分には、ランバーサポート部材などの補強部材を裏側に配置してメッシュ張地を支持することが行われている。
しかし、別部材のランバーサポートなどを備えることは、部品点数が増加すると共に取り付け工程が増えることから、コスト高となる。また、背凭れの小さな会議用椅子等としては、コスト及びデザインの両面から好ましくない。また、別部材としてのランバーサポートを背フレームに取り付けることで腰部への支持力を高めることができるが、撓み易いメッシュ張地越しにランバーサポートに当たるため、違和感が生じ易い。
そこで、近年ではメッシュ張地自体のテンションを帯状に部分的に変更したメッシュ張地を用いた椅子も存在する。例えば、背凭れにおいて、メッシュ張地の強い支持力が必要とされる着座者の腰部に、強い弾性抵抗を付与することができるように構成したランバーサポートを模したものが提案されている(特許文献1)。このメッシュ張地は、メッシュ状の地組織と帯条部とに完全に二分し、強い支持力が必要である着座者の腰部に相当する部位に密な帯条部を対応させ、その他の部位に対しては地組織を対応させるように構成したものである。具体的には、メッシュ張地の織り込み密度あるいは編み込み密度を敢えて均一にせずに、着座者の背の上部を支えるメッシュの目の粗い低密度部と、下部即ち着座者の腰部付近を支える上半部のメッシュの目よりも細かい粗さの複数の高密度部とを備えるようにしたものである。
また、座においても、メッシュ張地の前後方向に沿った一部又は複数の部位が、他の部位に比べて弾性力が相対的に高いと共に左右全幅において広がる高弾性部に形成することによって、着座した人の大腿部がフレームの前部に集中的に当たることを防止して、突き上げ感(フレームに接触している感覚、フレーム感とも言う)を解消できるようにしたものが提案されている(特許文献2)。
さらに、経条及び緯条により格子状に組成した地組織の生地からなる弾性布帛をもって形成するとともに、地組織に、緯条よりも広幅の緯帯条部を、背凭れの上下方向または座体の前後方向の長手方向に沿って互いに離間させて複数配列し、かつこれら互いに隣り合う緯帯条部同士の配列間隔を、背凭れの上下端または座体の前後端から内方へ向うに従って漸次小さくなるように形成することにより、弾性支持力を部位ごとに極端に異ならせることなく、必要な部位において強い弾性支持力を得るようにしたものが提案されている(特許文献3)。
特開2009−112360号公報 特開2004−33542号公報 特開2011−255077号公報
しかしながら、いずれの特許文献の椅子も、身体支持構造物例えば背凭れの幅方向にはメッシュ張地のテンションは一様であり、背凭れの上下方向にのみメッシュ張地のテンションが段階的に急激に変化するものであり、一次元的(一方向)にしかメッシュ張地のテンションの変化を与えられないものである。したがって、メッシュ張地特有のつっぱり感を十分に低減させることができず、帯条部、高弾性部あるいは緯帯条部と呼ばれている伸縮し難い部分と地組織と呼ばれている伸縮し易い部分との境界での段差を感じ易いものである。つまり、左右方向全幅に亘って伸縮し難い部分と伸縮し易い部分との境界が直線的に構成されているため、それらの間の境界部で極端にテンションの違い即ち弾性支持力の差が生じ、段差を感じることから、着座者の座り心地に影響を与える。このことは、特許文献2の座面を構成するメッシュ張地においても同様である。
また、伸縮し易い地組織と伸縮し難い帯条部との配列間隔を漸次小さくなるように形成することで、極端な弾性支持力の差を緩和するようにした引用文献3記載の発明においても、同様である。即ち、左右方向全幅に亘って直線的に伸縮し難い部分と伸縮し易い部分との境界が形成されていることには変わりなく、着座者が受ける感覚は段階的な変化であり、十分に快適な座り心地を得ることできるものとは言い難い。しかも、地組織と帯条高弾性部との配列間隔を漸次変化させるといっても緩やかに変化させるためには相当長い距離を必要とし、柔らかさを必要とする領域にまで帯条高弾性部が占位し、全体に硬い背凭れ面(支持面)となる問題を有している。他方、着座者をしっかり支持したい領域においても、地組織の帯が細くなるとはいっても、張りが弱く柔らかい部分と張りが強い部分とが交互に配置されているので、張りが強く硬い帯条部のみで構成されている場合に比べて柔らかくなり、全体として支持力不足となる。
また、全体が均一な密度に編成されて適度な弾性変形を可能にして、快適な座り心地を得るようにしたメッシュ張地によれば、フレーム近傍では着座者の身体をメッシュ張地が支えきれずにフレームに当たるため、フレームに接触している感覚(フレーム感とも言う)を伴う。例えば、座の場合には、着座者の大腿部がフレームの前端に当たって、フレームの前端部で大腿部が突き上げられる感覚が生じて、使用者に違和感や不快感を与えることがある。
さらに、左右方向全幅に亘って伸縮し難い部分と伸縮し易い部分との境界が直線的に形成されているので、地組織と帯条部とで構成される横縞状の単調なデザインとなるため、デザイン的な面白みに欠けるものとなる。
そこで、本発明は、着座者をしっかりと支持したい領域と柔らかく支持したい領域と間のサポートの強弱を維持しつつ、両領域の境界での段差を感じ難くして着座時の当たりの違和感を少なくし、座り心地の良い椅子を提供することを目的とする。また、本発明は、デザインの自由度を高めた椅子を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために請求項1記載にかかる発明は、少なくとも相対向する2辺を有する支持フレームと、該支持フレームの間に張られるメッシュ張地とで構成される身体支持部を備える椅子において、メッシュ張地は編み方あるいは織り方を途中で部分的に変更して編み組織あるいは織り組織を切り替えることにより高伸縮領域とこれよりも伸び難い低伸縮領域との少なくとも2つの領域を有し、両領域の境界を非直線的に形成するようにしている。
ここで、メッシュ張地は緯編みであり、一コースのループの途中で部分的にあるいは全域で編み方を切り替え、ウェール方向に前記切り替える箇所を段階的にずらすことで非直線状の前記境界を形成しているものであることが好ましい。さらに、メッシュ張地には、編緯糸よりも弾力性を有するモノフィラメントの挿入糸が横方向に挿入されているものであることが好ましい。
また、本発明において、身体支持部は背凭れであり、着座者の腰部の近傍には低伸縮領域を配置し、腰部付近から離間する位置には高伸縮領域を配置したものであることが好ましい。
また、本発明において、身体支持部は座であり、支持フレームの近傍には低伸縮領域を配置し、支持フレームの内側には高伸縮領域を配置したものであることが好ましい。
請求項1記載の発明によれば、伸縮のし難い領域(低伸縮領域)とこれよりも伸縮のし易い領域(高伸縮領域)との少なくとも2つの領域の境界を、メッシュの編み組織あるいは織り組織を途中で変えることで非直線的に形成するようにしているので、身体支持部の左右・幅方向のみならず上下・縦方向の双方において同時に二次元的にテンションを変化させることができ、異なる領域の境界において受ける段差感を緩和させることができる。したがって、境界での段差(弾性支持力の差)が局部的でかつ強い当たりとなって着座者の身体に作用することを低減させることができ、圧迫感や違和感を与えることが少なく、メッシュ張地の特定の部位が沈み込み過ぎるような不具合を防止または抑制できる。即ち、着座者をしっかりと支持したい領域と柔らかく支持したい領域と間のサポートの強弱を維持しつつ、両領域の境界での段差を感じ難くして着座時の当たりの違和感を少なくし、座り心地の良い椅子とすることができる。
また、メッシュの編み組織あるいは織り組織を途中で変えることで、メッシュ張地だけで部分的に強い支持を必要とする部位とその他の部位とのサポートの強弱をつけることができるので、別部材としての補強部材例えばランバーサポートなどを裏側に配置してメッシュ張地を支持する必要がない。したがって、部品点数を少なくすることによるコストの低減や、部品管理の手間、組み立ての手間を減らすことができる。また、背凭れの小さな会議用椅子やパイプ椅子、カンチレバータイプの椅子等の、もともと別部材としてのランバーサポートの装備が難しい椅子類においても、メッシュ張地だけでサポートの強弱を付けることができるので、大幅なコストアップを伴わずに機能向上及びデザイン性の向上を実現することができる。
さらに、非直線状の境界で描かれる高伸縮領域と低伸縮領域との織りなす濃淡で描かれるデザインは、全体に透け感を維持しながらも、表現豊かな図形を描き得るので、単調な横縞模様よりもデザイン性に冨み(デザインの自由度が高い)、デザイン的に優れた身体支持面を備える椅子を提供しうる。
また、メッシュ張地は編み方あるいは織り方を途中で部分的に変更して編み組織あるいは織り組織そのものを変更することにより、伸縮のし難い領域とこれよりも伸縮のし易い領域との少なくとも2つの領域を、両領域の境界を非直線的に形成するようにして形成しているので、滑り止め効果を発揮する。即ち、編み組織あるいは織り組織を部分的に変化させることで感触が変化するので、滑り止め効果が得られる。これにより、メッシュ張地上での背中や下肢の滑りを防いで、安定した着座姿勢を保つことができる。
また、請求項4記載の発明によれば、着座者の腰部付近を支える部分のランバーサポート効果を高めながら、背中を支持する部分の撓み量を大きくし得るので、より快適な座り心地が得られる。即ち、背凭れの腰部付近などの着座者をしっかりと支持したい部分はしっかりと支持しながらも、その他の部分では適度な弾性変形を可能にして、快適な座り心地を得ることができる。
また、請求項5記載の発明によれば、フレームの近傍にはテンションを強く、支持部中心はテンションを弱くしているので、着座者の身体には強く当たらず座り心地を維持しながら、周辺のフレームに身体特に大腿部が集中的に当たる突き上げ現象(フレーム感)を防止することができる。
本発明にかかる椅子の一実施形態を示す斜視図である。 図1の椅子の背凭れにおけるメッシュ張地の伸縮のし難い領域(低伸縮領域)とこれよりも伸縮のし易い領域(高伸縮領域)とその境界部分を示す拡大図であり、更に(A)は高伸縮領域、(B)は境界付近、(C)は低伸縮領域を拡大して示す。 背凭れに適用するメッシュ張地の低伸縮領域(濃い濃度で示す部分)と高伸縮領域(淡い濃度で示す部分)との成す非直線の境界形状の例(A)〜(I)を示す説明図である。 座に適用するメッシュ張地の低伸縮領域(濃い濃度で示す部分)と高伸縮領域(淡い濃度で示す部分)との成す非直線の境界形状の例(A)〜(F)を示す説明図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明にかかる椅子の実施形態の一例を示す。この実施形態にかかる椅子は、背凭れ8にメッシュ張地1を適用した回転椅子(事務用椅子)である。この椅子は、一般に、キャスターを有する脚11と、脚11の支柱の頂端に取り付けられているメインフレーム10と、このメインフレーム10に支持された座9及び背8とを備えて成る。
ここで、背8は、少なくとも左右あるいは上下若しくは前後の相対向する2辺に跨がるようにメッシュ張地を張り渡して固定する背フレーム7と、該背フレーム7を覆うように張り渡されるメッシュ張地1とで構成されている。例えば、本実施形態における背8は、上下左右にメッシュ張地1を支持する矩形環状の背フレーム7と、周縁に係止用の樹脂コード(図示省略)を縫い付けたメッシュ張地1とで構成され、背フレーム7の側方に形成された張地取り付け用溝にメッシュ張地の周縁に縫い付けた樹脂コードともどもメッシュ張地の縁を折り返すようにして嵌め込むことでテンションを与えながら固定するように設けられている。勿論、背フレーム7へのメッシュ張地1の固定構造はこれに特に限られるものではなく、熱収縮性を有するメッシュ張地を無張力下あるいは身体支持構造物として必要な張力より弱い張力で枠部材に予め固定してから、メッシュ張地を加熱してメッシュ張地を縦横に収縮させ、身体支持構造物として必要な弾力性を発揮させる張力を与えるようにしても良い。更に、メッシュ張地をフレームに固定する手段は、上述の手法に特に限定されず、例えば、図示していないが、厚み方向に2分割されたフレームの間にメッシュ張地の周縁を挟み込んでから接着やねじ止め、嵌合あるいは縫製等により一体化することにより、枠部材とメッシュ張地とを一体化するようにしても良い。
また、メッシュ張地1は、椅子の背あるいは座などの身体支持構造物として必要とされる強度、弾力性を発揮させる張力を生じる柔軟性を有する熱収縮性素材によって構成される全てのメッシュ状の編物あるいは織物を含むものであり、好ましくはポリエステル糸やナイロン糸などの熱可塑性樹脂繊維による編物あるいは織物である。
このメッシュ張地1は、例えばポリエステル繊維やナイロン繊維等の引張強度が高くかつ適度な伸縮性を有する合成繊維の糸を1枚のメッシュ状に編むか、あるいは織るなどしてフレーム形状に沿った形状例えば長方形に形成されている。そして、メッシュ張地1については、編成の途中の任意の位置及び領域に該当する部分では、織り方あるいは編み方を変更することによりメッシュの編み組織あるいは織り組織を部分的あるいは一定区間で変更することにより、伸縮のし難い領域(低伸縮領域)3とこれよりも伸縮のし易い領域(高伸縮領域)2との少なくとも2つの領域を形成し、かつ両領域2,3の境界6を非直線的に形成するようにしている。つまり、メッシュ張地1だけで張りの異なる複数の領域、例えば伸縮のし難い領域(低伸縮領域)3と伸縮のし易い領域(高伸縮領域)2とをそれらの境界6が非直線状となるように構成して、部分的に強い支持を必要とする部位とその他の部位とのサポートの強弱を与え、かつそのサポート力の変化を段階的に着座者に与えるようにしている。本実施形態のメッシュ張地1の場合には、ランバー部4と両側のサイドサポート部5とを一体的に成形した低伸縮領域3と、その他の高伸縮領域2とで構成されている。尚、メッシュ張地1の伸縮のし易さあるいはし難さと、メッシュ張地の編み込み密度あるいはエラストマー糸の数とは比例するものではない。「高密度・低密度」、「メッシュ張地自体の硬さ・柔らかさ」、「挿入糸の多さ・少なさ」はメッシュ張地の伸縮性とは必ずしも一致しない。換言すると、低伸縮領域であっても、低密度や張地自体が柔らかい場合もある。
本実施形態におけるメッシュ張地は、ニットループを形成する編緯糸12と、ニットループを形成することなく編み込まれて編緯糸のニットループに係止される挿入糸(テンションを強くするために編み込まれる補強糸)13との少なくとも2種類の糸によって丸編みによって編成されている。具体的には、例えば、本実施形態におけるメッシュ張地1は、横方向(X軸方向)に、モノフィラメントから成るエラストマ性ポリエステル糸(以下、単にエラストマー糸とも呼ぶ)13がニットループを形成することなく編み込まれる挿入糸として横方向に配置され、該挿入糸13に絡むようにポリエステル糸を撚り合わせて成る複数本のストランド(以下、単にポリエステル糸とも呼ぶ)から成る編緯糸12が編まれてニットループを構成し、弾性緯編地が編成される。この弾性緯編地は、加熱処理により横方向即ち挿入糸の方向により強い張力を付与するように設けられる。ここで、エラストマー糸13としては、ニットループを構成する熱収縮性の緯糸12より熱収縮率が高い素材、例えばポリエステル系、ウレタン系、ナイロン系、オレフィン系、スチレン系、塩化ビニル系などの熱可塑性エラストマー材料が使用可能であり、中でもポリエステル系やウレタン系の熱可塑性エラストマーの使用が好ましい。尚、挿入糸(エラストマー糸)13の使用はメッシュ張地全体のテンションを高めるために好ましいが、必ずしも編み込まなくとも良く、編緯糸12だけで身体支持構造物として必要とされる強度、弾力性を発揮させる張力を生じる柔軟性を発揮させられる場合には弾性緯編地だけで構成されることもある。因みに、編物の場合は、挿入糸・エラストマー糸13は横あるいは縦のいずれか一方にしか入れられないが、その種類は何種類でも必要に応じて入れることができる。
このメッシュ張地1の編み構造において、低伸縮領域3は高伸縮領域2に比べて密度をアップさせている。密度をアップさせる方法としては、例えば1編み組織(編み方)を変化させる、2打ち込み量を変化させる、3ループ密度を変化させる方法があるが、本実施形態では編み組織(編み方)を変化させることにより行われる。例えば、本実施形態においては、メッシュ張地は丸編み(緯編み)であり、高伸縮領域2は天竺編みで、低伸縮領域3はタック編みに切り替えて編成し、両領域の境界6においては一コース(編地を形成する方向:よこ方向)のループの途中で部分的にあるいは全域で編み方を切り替え、ウェール方向(ループを連綴させる方向:たて方向)に切り替える箇所を段階的にずらすことで非直線状に形成している。つまり、横方向へ一段(1コース)編む間に編み方を切り替え、切り替える箇所をコース毎に段階的にずらすことで編み組織(編み方)を変化させることにより、非直線状の境界を形成している。図2の拡大図に明らかなように、高伸縮領域2では編緯糸12がエラストマー糸挿入糸13に絡むように単純に横に走っているが、低伸縮領域3では斜め方向に走る糸が多くなって編緯糸12の量も増えている。したがって、低伸縮領域3では透け難くなり、相対的に高伸縮領域2よりも濃く見える。また、高伸縮領域2については、編緯糸12が移動しやすく伸縮しやすいのに対して、低伸縮領域3については斜め方向に走る糸が邪魔をして伸縮しにくい構造となっている。また、低伸縮領域3と高伸縮領域2とを区分けする境界6も、編み組織(編み方)の切り替える箇所が段階的にずらされることで非直線状に形成されている。
ここで、伸び易さ即ち張りの強さが異なる複数の領域の間の境界6に関して、非直線状とは、本明細書においては、左右幅方向の並びに上下方向あるいは前後方向に直線的に形成されないという程度のことを意味する用語として使われており、主に曲線を指すものであるが、場合によっては細かく方向が変化する直線の集合から成る線や多角形状などの閉領域を含むものである。例えば図3及び図4に示すように、様々な形状を採りうる。
例えば、図3の(A)〜(I)に、背におけるメッシュ張地1の伸縮のし難い領域(低伸縮領域)3と、それよりも伸縮のし易い領域(高伸縮領域)2並びにそれらの境界6のパターンの一例を示す。尚、図中、中間濃度で示される周辺の枠は背フレーム7を示し、その内側の領域において濃度の濃い領域は低伸縮領域3を、濃度の薄い領域は高伸縮領域2をそれぞれ示し、濃い濃度と薄い濃度との中間の濃度領域は高伸縮領域2よりもやや伸び難い領域(以下、中伸縮領域と呼ぶ)3’を示している。また、図中において、図の上部が背もたれにおける上部を、下部が背もたれにおける下部を表すと共に、フレームの括れた部分が腰部近辺を表す。
(A)に示す実施形態は、ランバーサポート部4及びサイドサポート部5を含む低伸縮領域3とその他の高伸縮領域2との2層に分けた構造としたものである。即ち、ランバーサポート部4とその左右のフレーム7にかかるサイドサポート部5とを連続的に張りが強く硬く伸び難くなるように編み、その周囲の他の領域は張りが弱い・伸び易くなるように編んでいる。そして、それらの境界6は、ランバー部4において着座者の背骨の近辺が最も縦方向に幅が広く、左右に向かうに従って漸次縦方向に幅が狭く細くなり中心から離れた地点で最小幅となるような曲線を成し、更にその外側のサイドサポート部5においては両側の背フレーム7に接近するに従って漸次縦方向に幅が広がり、フレーム上で最大値となるように設けられている。このメッシュ張地1の場合には、一旦括れた部分から外側(左右のフレーム側)のくさび状の部分はサイドサポート部5とされているので、ランバーサポート部4を含めて側方のサポート部5に覆われる部分までテンションが高くなるので、身体をしっかり支持することができ、フレームに接触している感覚(フレーム感)を伴うことがない。
(B)に示す実施形態は、背凭れ面を構成するメッシュ張地を、低伸縮領域3と中伸縮領域3’と高伸縮領域2との3層の構造としたものである。着座者の腰部が当たる部分は、縦方向の幅が左右両端で最も幅広となり、中心部分で最も狭くなる双曲線状の輪郭を成し、ランバーサポート部4とサイドサポート部5とが全体として鼓形のような形状に形成されている。そして、この低伸縮領域3の上側には、低伸縮領域3よりも柔らかく、さらに背凭れの上端側寄りの高伸縮領域2よりも伸び難い領域(中伸縮領域)3’が形成されている。この中伸縮領域3’は低伸縮領域3の上側の境界6と同様のカーブから成る高伸縮領域2との間の境界6を有し、湾曲した帯条に形成されている。そして、更にその上側には高伸縮領域2が形成されている。このため、背凭れの腰部が当たる付近から上では、低伸縮領域3から中伸縮領域3’、さらに中伸縮領域3’から高伸縮領域2へと、張りの強さを変化させる間にも漸次緩やかに張りの強さが変化するため、全体としてなだらかな張り強さの変化が生ずる。即ち、部分的に強い支持を必要とする部位のコア部分とその他の部位とのサポートの強弱をつけつつ、ランバーサポート部分における段差感をさらにより緩和できる。また、低伸縮領域3の下方には、高伸縮領域2が形成されている。
(C)に示す実施形態は、低伸縮領域3と高伸縮領域2との2層によるテンションの相違する構造の他の例を示すものであり、2層の境界6の形状が縦に変化するものの例を示している。即ち、ランバーサポート部分における支持は、左右幅方向の全幅において低伸縮領域3を形成する必要はなく、全体として幅方向におけるテンションを高めれば良い。そこで、サイドサポート部5をフレーム7の左右の全域に及ぶものとし、左右の低伸縮領域3の間に高伸縮領域2を配置すると共に、この高伸縮領域2がランバー部付近でもっとも狭くなるように縦に双曲線状に形成したものである。この場合、背フレーム7の左右の辺のほぼ全域においてフレーム感を抑制しつつ、ランバーサポートが必要とされる付近では最もテンションを高くしてサポートの強弱を付与することができる。
(D)に示す実施形態は、低伸縮領域3と高伸縮領域2とを多層にしてテンションの相違する構造の他の例を示すものである。この実施形態にかかるメッシュ張地の2領域間の境界6の形状は左右幅方向に連続した波形に形成されたものであり、腰部付近を中心に複数本例えば3本が配置されたものである。即ち、比較的幅の狭い波状の低伸縮領域3が腰部付近を中心に一定間隔毎に配置され、高伸縮領域2、低伸縮領域3、高伸縮領域2、低伸縮領域3、高伸縮領域2、低伸縮領域3、高伸縮領域2と交互に配置されている。低伸縮領域の間の高伸縮領域の幅は狭く、全体に低伸縮領域と高伸縮領域との中間のテンションが与えられる。
(E)に示す実施形態は、低伸縮領域3と高伸縮領域2との2層によるテンションの相違する構造の他の例を示すものである。この場合における境界6の形状は左右方向に連続した波形に形成されたものであり、腰部付近を中心に1本の帯のように幅太い波状の低伸縮領域3が配置されたものである。即ち、(D)の実施形態とは異なり、比較的広い幅の波状の低伸縮領域3が腰部付近を中心に配置され、低伸縮領域を挟んでその上方と下方に高伸縮領域3が配置されている。
(F)に示す実施形態は、低伸縮領域3と高伸縮領域2との2層によるテンションの相違する構造の他の例を示すものである。この場合における低伸縮領域3と高伸縮領域2との境界6の形状は左右方向に連続した波形に形成されたものであり、背凭れの上部と下部とに低伸縮領域3がそれぞれ分けて形成されている。
(G)に示す実施形態は、背中の体圧分布に近づけた低伸縮領域3と高伸縮領域2との配置の例を示すものである。この実施形態におけるランバーサポート部4は、背骨近傍において上下に凸となる山形を成し、背骨近傍を強く支持している。また、背の上端側においても両端に向かうほど縦方向に幅が広がり、両隅部をカバーする低伸縮領域3を形成し、肩付近のサポートを高めるようにしている。
(H)に示す実施形態は、低伸縮領域3と高伸縮領域2との2層によるテンションの相違する構造の他の例を示すものである。この実施形態における低伸縮領域3はほぼVの字形を成し、高伸縮領域2を背凭れの上部と下部とにそれぞれ分断するように形成されている。
(I)に示す実施形態は、低伸縮領域3と高伸縮領域2との2層によって形成されるテンションが部分的に相違する構造の他の例として、境界6の形状が完全に閉じた非直線状に形成された例を示すものである。この実施形態における低伸縮領域3はその周囲を高伸縮領域2によって完全に囲まれ、腰部付近の中央部分のみを強く押し当てるように形成されている。低伸縮領域3の形状は中央部が上下に突出した山形を成し、周辺が漸次薄くなった銅鑼形に形成されたものであり、周囲の高伸縮領域2との間の境界6が完全に閉じた非直線状に形成されている。この場合においても、腰部付近のメッシュ張地の幅方向全体としての張りは一番強くなり、着座者の腰部を強く支持することとなる。
また、図4の(A)〜(F)に、座におけるメッシュ張地1の低伸縮領域3と高伸縮領域2並びにそれらの境界6のパターンの一例を示す。尚、図中、中間濃度で示される周辺の枠は座フレームを示し、その内側の領域において濃度の濃い領域は低伸縮領域3を、濃度の薄い領域は高伸縮領域2をそれぞれ示し、濃い濃度と薄い濃度との中間の濃度領域は高伸縮領域2よりもやや伸び難い領域(以下、中伸縮領域と呼ぶ)3’を示している。また、図中において、図の上部が座における後部を、下部が座における前部をそれぞれ表す。
(A)に示す実施形態は、低伸縮領域3とその他の高伸縮領域2との2層に分けた構造の一例を示す。この実施形態における低伸縮領域3は、座の前縁側の前下がりに湾曲した座面部分における使用者の身体のサポート性の向上即ちフレーム感の低減を図るためのものである。座の前縁付近のメッシュ張地の曲面部分には、使用者の膝の近くの大腿部の裏が座の枠部材の前方側の辺に当たらないように支持するため、曲面部分における強い張力を実現することが望まれる。そこで、座の前縁側の曲面部分のメッシュ張地の張力を低伸縮領域3を形成することで高くしてへたり難くしている。そして、この低伸縮領域3とその他の高伸縮領域2との境界の形状は、左右幅方向に連続した波形に形成されている。これにより、着座者の大腿部の裏は、座フレームの前縁部に触れることなく支持され、尚且つ波形の境界6で低伸縮領域3と高伸縮領域2との間の張りの変化が緩和されるため、強く段差を感じることがない。
(B)に示す実施形態は、座面を構成するメッシュ張地の座前縁付近の前下がりの曲面部分を、低伸縮領域3と中伸縮領域3’と高伸縮領域2との3層の構造としたものである。即ち、着座者の膝の近くの大腿部の裏が座の枠部材の前方側の辺に当たらないように支持するために最も強い張力を必要とする部分に、波形に形成された低伸縮領域3が左右方向全幅に亘って形成されている。さらに、この低伸縮領域3の後ろ側には、同様の波形の高伸縮領域2が形成され、さらにその後側には同様の波形の中伸縮領域3’が形成されている。そして、中伸縮領域3’の後側には、高伸縮領域2がフレーム後縁まで形成されている。本実施形態においては、3層となった低伸縮領域、高伸縮領域2及び中伸縮領域3’は、いずれも同程度の幅の帯条でかつ波形を成しており、全体として座の前縁側の前下がりに湾曲した座面部分を中心とする領域を形成するようにされている。これによって、メッシュ張地の座前縁付近の前下がりの曲面部分に向かってメッシュ張地が少しずつ硬くなり(テンションが高くなり)、極端なテンションの違いを受けることが少なく着座者の座り心地に影響を与えることが少ない上にフレーム感の軽減効果が得られる。
(C)に示す実施形態は、座面を構成するメッシュ張地の座前縁付近5aの前下がりの曲面部分から着座者の左右の大腿部の間から臀部の仙骨近傍までに伸びる逆T形の低伸縮領域3と、その周りの高伸縮領域2とで構成されている。着座者の体圧分布の圧力が低い左右の大腿部の間から臀部の仙骨近傍に沿って低伸縮領域3は伸びている。これにより、着座者の臀部の座骨周辺と大腿部直下を中心に比較的柔らかい高伸縮領域2で支持され、尚且つ着座者の膝の近くの大腿部の裏が座のフレームの前方側の辺に当たらないように支持するために最も強い張力を必要とする部分は、境界6の形状が前後方向に湾曲した曲線上(非直線状)に形成された低伸縮領域3でサポートされる。また、着座者の臀部の座骨周辺に至るまでの左右の大腿部の間は低伸縮領域3が占位するため、この部分における左右幅方向における全幅でのテンションは座骨周辺の支持よりもやや硬いテンションとなるため、大腿部が受ける反発力はやや硬めとなり、しっかり支持されている感覚となる。したがって、座前縁付近における曲面部分のへたりが少なく、極端なテンションの違いを受けることが少なく着座者の座り心地に影響を与えることが少ない上にフレーム感の軽減効果が得られる。しかも、臀部座面部分はその周囲よりも柔らかく沈み込み易くして着座者の骨盤が前側へずれないように姿勢保持(骨盤を安定支持できる)できるので、底突感の少ない座り裏心地の良いものとなる。さらに、左右の大腿の間の舌状の低伸縮領域3の存在により、座面が大きく下側へ湾曲して大腿が内転することを防止できる。
(D)に示す実施形態は、座面を構成するメッシュ張地の全周縁が低伸縮領域3で包囲され、その内側が全て高伸縮領域2で形成されているものである。この実施形態のメッシュ張地は、座前縁付近の前下がりの曲面部分における大腿部の裏側で受けるフレーム感と大腿部の側方で受ける左右部分のフレーム感の軽減を重視したものである。ここで、座前縁付近の前下がりの曲面部分では、W形を成す低伸縮領域3と、W形の低伸縮領域3の谷部を占める高伸縮領域2とで構成されている。即ち、座前縁付近の低伸縮領域3と高伸縮領域2との境界6は、着座者の大腿部の中心が位置する付近において最も縦方向の幅が狭く(高さが低い)谷部を形成し、それよりも座フレームの両側の辺に向かって漸次縦方向に幅が広がると共に、着座者の左右の大腿部の間に位置する部分が仙骨側に向けて僅かに侵入するような山形を成すW形を成している。これにより、着座者の臀部の座骨周辺と大腿部直下を中心に比較的柔らかい高伸縮領域2で支持され、尚且つ着座者の膝の近くの大腿部の裏が座の枠部材の前方側の辺に当たらないように支持するために最も強い張力を必要とする部分は、境界形状が前後方向に湾曲した曲線上(非直線状)に形成された低伸縮領域でサポートされる。したがって、曲面部分のへたりが少なく、極端なテンションの違いを受けることが少なく着座者の座り心地に影響を与えることが少ない上にフレーム感の軽減効果が得られる。
(E)に示す実施形態は、座面を構成するメッシュ張地の着座者の座骨が当たる位置を中心に高伸縮領域2、その外側に中伸縮領域3’、さらにその外側に低伸縮領域3と年輪のように配置して、全周縁が低伸縮領域3で包囲された3層構造としたものである。
この場合、座骨部分が柔らかく、その周りが徐々に硬くなることから、体圧分布に近い張りが得られると共にフレーム感を軽減することができる。つまり、着座者の臀部の座骨周辺から大腿部の大半が比較的柔らかい高伸縮領域2で支持され、尚且つ着座者の膝の近くの大腿部の裏が座の枠部材の前方側の辺に当たらないように支持するために最も強い張力を必要とする部分は、境界6が前後方向に湾曲した曲線上(非直線状)に形成された中伸縮領域3’並びに低伸縮領域3でサポートされる。したがって、膝の近くの大腿部の裏は、前方に向けて高伸縮領域2から中伸縮領域3’、さらに低伸縮領域3へと、メッシュ張地の座前縁付近の前下がりの曲面部分に向かってメッシュ張地が少しずつ硬く(伸び難く)なるので、極端なテンションの違いを受けることが少なく、着座者の座り心地に影響を与えることが少ない。しかも、フレームの周辺は低伸縮領域3でサポートされているので、フレーム感の軽減効果が得られる。さらに、臀部付近の座面はその周囲よりも柔らかく沈み込み易くして着座者の骨盤が前側へずれないように姿勢保持(骨盤を安定支持できる)できるので、底突感の少ない座り裏心地の良いものとなる。したがって、曲面部分のへたりが少なく、極端なテンションの違いを受けることが少なく着座者の座り心地に影響を与えることが少ない上にフレーム感の軽減効果が得られる。
(F)に示す実施形態は、低伸縮領域3と高伸縮領域2との2層によるテンションの相違する構造の他の例を示すものであり、2層の境界6の形状が縦に変化するものの例を示している。具体的には、サイドサポート部5を座フレームの左右の全域に及ぶものとし、左右の低伸縮領域3の間に高伸縮領域2を配置すると共に、この高伸縮領域2が左右の座骨の間でもっとも狭くなるように内側へ向けて一旦膨出すると共にその膨出部分から座前縁部に向けて漸次左右幅方向に幅が狭くなるような縦方向の湾曲線状に形成されている。この場合、座フレームの左右の辺のほぼ全域においてフレーム感を抑制しつつ、臀部特に座骨付近では最もテンションを高くして座骨の位置を安定させるようにサポートの強弱を付与することができる。また、膝の近くの大腿部の裏は、両側に配置された低伸縮領域3によって、低伸縮領域3が存在しない場合よりもメッシュ張地が少し硬く(伸び難く)なるので、フレーム感の軽減効果が得られる。荷重のかかる部分は張りを強く、かからない部分は柔らかく、全体を均一にする座り心地が得られる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では、編み物によるメッシュ張地の例を挙げて本発明を主に説明したが、これに特に限定されるものではなく、図示していないが、メッシュ張地は熱収縮性の経糸と緯糸で織られた織物(以下、弾性織地と呼ぶ)で構成しても良い。この織物によるメッシュ張地の場合、織りの途中で織り方を部分的あるいは一定区間変更することで、織り組織を部分的あるいは一定区間で変更することにより、メッシュ張地の一部を、その他の部位よりも弾性力が高い高弾性領域に非直線の境界を作成しながら構成することができる。ここで、弾性織地を構成する熱収縮性の糸より熱収縮率が高いエラストマー糸を挿入糸として織り込むことにより、当該メッシュ張地のテンションを身体支持構造物に要求されるものとして十分なものとすることが好ましい。エラストマー糸は弾性織地を構成する経糸及び緯糸とは別に織り込まれても良く、経糸あるいは緯糸のいずれか一方に沿って、あるいは双方に沿って織り込まれても良い、場合によっては経糸あるいは緯糸のいずれか一方の糸としてあるいは経糸及び緯糸として双方に織り込まれるようにしても良い。勿論、挿入糸として熱収縮率が高いエラストマー糸を織り込まなくとも、熱収縮性の経糸と緯糸で織られた弾性織地だけでメッシュ張地を構成するようにしても良い。さらに、織物によって構成されるメッシュ張地の場合には、例えば、必要に応じて経糸と緯糸の素材を異なるものとしても良い。
また、上述の例では、いずれも熱収縮性の弾性糸を使用してメッシュ張地を編むあるいは織るようにしているが、これに特に限られるものではなく、非弾性糸によってメッシュ張地を編むあるいは織るようにしても良い。この場合においても、挿入糸としてエラストマー糸が使用されていれば、メッシュ張地全体としての弾力性を発揮させることができる。
また上述の実施形態では、身体支持構造物として主に座や背として構成したものを例に挙げて本発明を説明したが、これに特に限定されるものではなく、ヘッドレストや肘掛けなどにも適用可能であることは言うまでも無い。また、本発明にかかる椅子は、一般用椅子、事務用椅子、作業用椅子、看護用椅子等の椅子全般であることは勿論である。さらに、本発明にかかる椅子は、身体支持構造物1は、そのままで椅子の座や背凭れ等として使用することができるが、場合によってはその上から表皮部材を取り付けたり、クッション材などを併用するようにしても良い。
また、本発明において、エラストマー糸・挿入糸13の配置密度を身体支持構造物の部位に応じて異ならせる場合、エラストマー糸の配置密度を高くした部位の反発力を増すことができ、例えば座の場合の前縁側の曲面部分あるいは背の場合のランバーサポート部分における使用者の身体のサポート性を低伸縮領域3とすることに加えてさらに向上できる。
1 メッシュ張地
2 高伸縮領域(伸び易い領域)
3 低伸縮領域(高伸縮領域よりも伸び難い領域)
3’中伸縮領域(低伸縮領域と高伸縮領域との間の張りの領域)
4 ランバーサポート部
5 サイドサポート部
6 領域間の境界

Claims (5)

  1. 少なくとも相対向する2辺を有する支持フレームと、該支持フレームの間に張られるメッシュ張地とで構成される身体支持部を備える椅子において、
    前記メッシュ張地は編み方あるいは織り方を途中で部分的に変更して編み組織あるいは織り組織を切り替えることにより高伸縮領域とこれよりも伸び難い低伸縮領域との少なくとも2つの領域を有し、前記両領域の境界を非直線的に形成したことを特徴とする椅子。
  2. 前記メッシュ張地は緯編みであり、一コースのループの途中で部分的にあるいは全域で編み方を切り替え、ウェール方向に前記切り替える箇所を段階的にずらすことで非直線状の前記境界を形成しているものである請求項1記載の椅子。
  3. 前記メッシュ張地には、編緯糸よりも弾力性を有するモノフィラメントの挿入糸が横方向に挿入されているものである請求項1または2記載の椅子。
  4. 前記身体支持部は背凭れであり、着座者の腰部の近傍には前記低伸縮領域を配置し、腰部付近から離間する位置には前記高伸縮領域を配置したものである請求項1から3のいずれか1つに記載の椅子。
  5. 前記身体支持部は座であり、前記支持フレームの近傍には低伸縮領域を配置し、前記支持フレームの内側には前記前記高伸縮領域を配置したものである請求項1から3のいずれか1つに記載の椅子。
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