JPWO2013054930A1 - 多孔性ポリオレフィンフィルムおよび蓄電デバイス - Google Patents
多孔性ポリオレフィンフィルムおよび蓄電デバイス Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2013054930A1 JPWO2013054930A1 JP2013506406A JP2013506406A JPWO2013054930A1 JP WO2013054930 A1 JPWO2013054930 A1 JP WO2013054930A1 JP 2013506406 A JP2013506406 A JP 2013506406A JP 2013506406 A JP2013506406 A JP 2013506406A JP WO2013054930 A1 JPWO2013054930 A1 JP WO2013054930A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- porous polyolefin
- polyolefin film
- modulus
- young
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J5/00—Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
- C08J5/20—Manufacture of shaped structures of ion-exchange resins
- C08J5/22—Films, membranes or diaphragms
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M50/00—Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
- H01M50/40—Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
- H01M50/489—Separators, membranes, diaphragms or spacing elements inside the cells, characterised by their physical properties, e.g. swelling degree, hydrophilicity or shut down properties
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L23/00—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L23/02—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01G—CAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
- H01G11/00—Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
- H01G11/52—Separators
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01G—CAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
- H01G9/00—Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
- H01G9/004—Details
- H01G9/02—Diaphragms; Separators
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M50/00—Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
- H01M50/40—Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
- H01M50/409—Separators, membranes or diaphragms characterised by the material
- H01M50/411—Organic material
- H01M50/414—Synthetic resins, e.g. thermoplastics or thermosetting resins
- H01M50/417—Polyolefins
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M50/00—Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
- H01M50/40—Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
- H01M50/489—Separators, membranes, diaphragms or spacing elements inside the cells, characterised by their physical properties, e.g. swelling degree, hydrophilicity or shut down properties
- H01M50/491—Porosity
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M50/00—Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
- H01M50/40—Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
- H01M50/489—Separators, membranes, diaphragms or spacing elements inside the cells, characterised by their physical properties, e.g. swelling degree, hydrophilicity or shut down properties
- H01M50/494—Tensile strength
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Abstract
LIBやEDLC組立の事前乾燥工程においてシワの発生や平面性が改善された多孔性ポリオレフィンフィルムを提供する。本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、23℃における長手方向のヤング率f(23)(MPa)と、105℃における長手方向のヤング率f(105)(MPa)との関係が、下記(1)式および(2)式を満たすことを特徴とする。f(105)>80 ・・・(1)f(23)−f(105)<450 ・・・(2)
Description
本発明は、多孔性ポリオレフィンフィルム、及び蓄電デバイスに関する。
多孔性ポリオレフィンフィルムは、電池や電解コンデンサーのセパレータや各種分離膜、衣料、医療用途における透湿防水膜、フラットパネルディスプレイの反射板や感熱転写記録シートなど多岐に亘る用途への展開が検討されている。中でも、ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話、デジタルカメラなどのモバイル機器などに広く使用されているリチウムイオン電池(LIB)や、定置用やバックアップ電源用の蓄電デバイスとして用いられる電気二重層キャパシタ(EDLC)やリチウムイオンキャパシタ(LIC)用のセパレータとして、多孔性フィルムは好適である。特に近年、電気自動車やハイブリッド車にLIBが使用されるようになり、電池の高出力化、高容量化に伴い、透気性が良く、厚みの薄いセパレータが求められている。また、EDLC用のセパレータとしては、従来低コストかつ透気性の良いセルロース系のセパレータが使用されてきたが、近年、電気容量向上のためにセパレータの薄膜化が望まれている。
多孔性ポリオレフィンフィルムとして、二軸延伸により広幅、大面積で低コスト製造が可能な乾式法で製膜され、ポリプロピレンの結晶多形であるα型結晶(α晶)とβ型結晶(β晶)の結晶密度の差と結晶転移を利用してフィルム中に空隙を形成させる、所謂β晶法と呼ばれる方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。また、電池の高出力化要求に対し、該β晶法でより透気性を良化させる目的で、ポリプロピレン樹脂と該ポリプロピレン樹脂中に完全相溶しない第2成分樹脂ドメインを形成することにより、フィブリル開裂を促進させる提案もなされている(特許文献4参照)。
上記の特許文献1〜4に記載のポリオレフィンを用いた多孔性フィルムは薄膜化が可能であるものの、LIBやLIC、EDLC用途では、電池中の水分が電池特性に悪影響を及ぼすため(特許文献5および6参照)、セパレータを100℃前後で乾燥し水分を事前に除去する乾燥工程を設ける場合があり、この乾燥工程での搬送張力や乾燥温度に起因してシワが生じたり平面性が低下する場合があった。
また、これらの用途では電池のサイズが大きくなり使用する面積が増えることから、低コスト化も強く望まれている。
また、これらの用途では電池のサイズが大きくなり使用する面積が増えることから、低コスト化も強く望まれている。
本発明の課題は、上記した問題点を解決することにある。すなわち、LIBやEDLC組立の事前乾燥工程においてシワの発生や平面性の低下が改善された多孔性ポリオレフィンフィルムを提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、23℃における長手方向のヤング率f(23)(MPa)と、105℃における長手方向のヤング率f(105)(MPa)との関係が、下記(1)式および(2)式を満たすことを特徴とする。
f(105)>80 ・・・(1)
f(23)−f(105)<450 ・・・(2)
f(105)>80 ・・・(1)
f(23)−f(105)<450 ・・・(2)
また、本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、23℃における長手方向ヤング率f(23)(MPa)と、105℃における長手方向のヤング率f(105)(MPa)との関係が、下記(1)式および(3)式を満たすことを特徴とする。
f(105)>80 ・・・(1)
f(23)/f(105)<6 ・・・(3)
f(105)>80 ・・・(1)
f(23)/f(105)<6 ・・・(3)
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、LIBやLIC、ならびにEDLC組立の事前乾燥工程においてシワの発生や平面性の低下が改善されることから、高出力のLIBやLIC、ならびにEDLC用セパレータとして好適に使用することができる。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、23℃における長手方向ヤング率f(23)(MPa)と、105℃における長手方向のヤング率f(105)(MPa)との関係が、下記(1)式および(2)式を満たすことを特徴とする。
f(105)>80 ・・・(1)
f(23)−f(105)<450 ・・・(2)
尚、本願においては、フィルムの製膜する方向に平行な方向を、製膜方向あるいは長手方向あるいはMD方向と称し、フィルム面内で製膜方向に直交する方向を幅方向あるいはTD方向と称する。105℃における長手方向のヤング率f(105)が80MPa以下であると、LIBやEDLC組立の事前乾燥工程で水分を除去するために100℃付近に加熱したとき、乾燥オーブン内で多孔性ポリオレフィンフィルムが変形し、シワが発生したり平面性が低下する場合がある。f(105)は90MPa以上であることがより好ましく、100MPa以上であることがさらに好ましい。f(105)の上限値は特に設けないが、500MPa以上の場合、透過性が悪くなり高出力用途に適さない場合がある。
f(105)>80 ・・・(1)
f(23)−f(105)<450 ・・・(2)
尚、本願においては、フィルムの製膜する方向に平行な方向を、製膜方向あるいは長手方向あるいはMD方向と称し、フィルム面内で製膜方向に直交する方向を幅方向あるいはTD方向と称する。105℃における長手方向のヤング率f(105)が80MPa以下であると、LIBやEDLC組立の事前乾燥工程で水分を除去するために100℃付近に加熱したとき、乾燥オーブン内で多孔性ポリオレフィンフィルムが変形し、シワが発生したり平面性が低下する場合がある。f(105)は90MPa以上であることがより好ましく、100MPa以上であることがさらに好ましい。f(105)の上限値は特に設けないが、500MPa以上の場合、透過性が悪くなり高出力用途に適さない場合がある。
また、式(2)における、23℃における長手方向のヤング率f(23)と105℃における長手方向のヤング率f(105)の差が450MPaを超えると、多孔性ポリオレフィンフィルムが乾燥オーブンに導入される際、シワが発生したり平面性が低下する場合がある。一般的な乾燥装置は、常温で多孔性ポリオレフィンフィルムを巻出機から巻き出し、乾燥オーブンに導入して水や有機溶媒を乾燥させた後、常温で多孔性ポリオレフィンフィルムを巻き取る。この際、搬送される多孔性ポリオレフィンフィルムの張力は、巻出機と巻取機付近に設置された張力系で制御されるため、乾燥オーブン前後の多孔性ポリオレフィンフィルムにかかる張力は一定である。すなわち、式(2)における、23℃における長手方向のヤング率f(23)と105℃における長手方向のヤング率f(105)の差が大きくなると、乾燥オーブンに入る前の多孔性ポリオレフィンフィルムと、乾燥オーブン内の多孔性ポリオレフィンフィルムの変形挙動が大きく異なることとなる。一般的な空孔を有さないフィルムにおいてはこの変形挙動の差がフィルムのシワや平面性に及ぼす影響は大きくないが、多孔性ポリオレフィンフィルムは寸法が変形し易いため、シワが発生したり平面性の低下を引き起こすものと考えられる。上記観点から23℃における長手方向のヤング率f(23)と105℃における長手方向のヤング率f(105)の差は、好ましくは400MPa以下、さらに好ましくは350MPa以下である。
また、本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、23℃における長手方向ヤング率f(23)(MPa)と、105℃における長手方向のヤング率f(105)(MPa)との関係が、下記(1)式および(3)式を満たすことを特徴とする。
f(105)>80 ・・・(1)
f(23)/f(105)<6 (3)
式(3)において、23℃と105℃のヤング率比f(23)/f(105)が6を越えると多孔性ポリオレフィンフィルムが乾燥オーブンに導入される際、シワが発生したり平面性が低下する場合がある。ヤング率比f(23)/f(105)は5未満が更に好ましく、4.5未満が最も好ましい。
f(105)>80 ・・・(1)
f(23)/f(105)<6 (3)
式(3)において、23℃と105℃のヤング率比f(23)/f(105)が6を越えると多孔性ポリオレフィンフィルムが乾燥オーブンに導入される際、シワが発生したり平面性が低下する場合がある。ヤング率比f(23)/f(105)は5未満が更に好ましく、4.5未満が最も好ましい。
上記式(1)および式(2)を満たす、すなわち乾燥温度でのヤング率が高く、かつ常温と乾燥温度でのヤング率の差が小さい多孔性ポリオレフィンフィルムを得る方法としては、材料組成物として、後述するβ晶核剤、ポリプロピレン樹脂(A)、エチレン・α−オレフィン系共重合体(B)および分散剤(C)を所定量添加し、延伸時の条件を後述する範囲内とすることにより制御可能である。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、フィルムの両表面を貫通し、透気性を有する孔(以下、貫通孔という)を有している。この貫通孔を有する多孔性ポリオレフィンフィルムを得る方法としては、上記の特性を満たしていれば、製法や材質は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。多孔性ポリオレフィンフィルムの材質としてポリオレフィンを用いると、材料コストを低減できセパレータを低価格で製造できるため好ましい。製法としては、後述するβ晶法を用いると二軸延伸により生産性良く製膜可能であり好ましい。
以下に、β晶法を例にとって、本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムの好ましい形態について説明する。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、β晶形成能が40%以上であるポリプロピレン樹脂(A)を主成分とすることが好ましい。「主成分」とは、特定の成分が全成分中に占める割合が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、最も好ましくは95質量%以上であることを意味する。
β晶法とは、キャストシートに生成させたβ晶を、縦延伸により製膜方向に配向したフィブリルとし、そのフィブリルを横延伸で開裂させながら網目を形成させることにより、多孔性ポリプロピレンフィルムを得る方法であるが、従来、横延伸で製膜方向に配向したフィブリルを高度に均一に開裂させることは困難であった。不均一なフィブリル開裂が生じると、多孔性ポリオレフィンフィルムの長手方向の強度を担う太いフィブリルが減り、強度が低下するものと考えられる。本発明では後述する原料と製膜条件を採用することにより、長手方向に強く配向したフィブリルを均一に発生させ、すなわち乾燥温度でのヤング率が高く、かつ常温と乾燥温度でのヤング率の差が小さいフィルムを得るに至った。
β晶法において透気性を良くする方法として、ポリプロピレン樹脂(A)と、該ポリプロピレン樹脂(A)中に完全相溶せず、ドメインを形成することによりフィブリル開裂を促進させるエチレン・α−オレフィン系共重合体(B)を用いる多孔性ポリプロピレンフィルムが知られている(例えばWO2007/046225参照)。しかし、該方法を用いると透気性は良化するものの、横延伸工程でのフィブリル開裂の均一性が不十分であった。
本発明においては、ポリプロピレン樹脂(A)、およびエチレン・α−オレフィン系共重合体(B)に加え、第3成分として、エチレン・α−オレフィン系共重合体(B)のドメインを微細かつ均一に分散させるための分散剤(C)を用い、後述する製膜条件を採用すると、孔構造が均一化し、延伸による粗大な空孔を低減することができ、さらに高温と室温の機械特性の差を小さくできるため好ましい。
まず本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムに用いる原料について説明する。
β晶法を用いてフィルムに貫通孔を形成せしめるためには、多孔性ポリオレフィンフィルムの材料としてβ晶形成能を備えるポリオレフィン組成物を使用する。ポリオレフィン組成物は、ポリプロピレン樹脂(A)を主成分とするポリプロピレン組成物であることが好ましく、該ポリプロピレン組成物のβ晶形成能が40%以上であることが好ましい。β晶形成能が40%未満ではフィルム製造時にβ晶量が少ないためにα晶への転移を利用してフィルム中に形成される空隙数が少なくなり、その結果、透過性の低いフィルムしか得られない場合がある。一方、β晶形成能が90%を超えるようにするのは、後述するβ晶核剤を多量に添加したり、使用するポリプロピレン樹脂(A)の立体規則性を極めて高くしたりする必要があり、製膜安定性が低下するなど工業的な実用価値が低い。工業的にはβ晶形成能は60〜90%が好ましく、65〜85%が特に好ましい。
β晶形成能を40〜90%に制御するためには、アイソタクチックインデックスの高いポリプロピレン樹脂(A)を使用したり、β晶核剤と呼ばれる、ポリプロピレン樹脂(A)中に添加することでβ晶を選択的に形成させる結晶化核剤を添加剤として用いたりすることが好ましい。
β晶核剤としては、たとえば、1,2−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、コハク酸マグネシウムなどのカルボン酸のアルカリあるいはアルカリ土類金属塩、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミドに代表されるアミド系化合物、3,9−ビス[4−(N−シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどのテトラオキサスピロ化合物、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムなどの芳香族スルホン酸化合物、イミドカルボン酸誘導体、フタロシアンニン系顔料、キナクリドン系顔料を好ましく挙げることができるが、特に特開平5−310665号公報に開示されているアミド系化合物を好ましく用いることができる。β晶核剤の含有量としては、ポリプロピレン組成物全体を基準とした場合に、0.05〜0.5質量%であることが好ましく、0.1〜0.3質量%であればより好ましい。0.05質量%未満では、β晶の形成が不十分となり、多孔性ポリオレフィンフィルムの透気性が低下する場合がある。0.5質量%を超えると、粗大ボイドを形成し、LIB、LICやEDLCの組み立て工程の乾燥工程において搬送張力や乾燥温度でフィルム変形が生じ易く、シワの発生や平面性の低下が生じる原因となりうる。
本発明で用いるポリプロピレン樹脂(A)には、メルトフローレート(以下、MFRと表記する)が2〜30g/10分のアイソタクチックポリプロピレン樹脂を用いることが押出成形性及び孔の均一な形成の観点から好ましい。ここで、MFRとはJIS K 7210(1995)で規定されている樹脂の溶融粘度を示す指標であり、ポリオレフィン樹脂の特徴を示す物性値である。本発明においては230℃、2.16kgで測定した値を指す。本発明においてはポリプロピレン樹脂(A)のアイソタクチックインデックスは90〜99.9%の範囲であることが好ましい。より好ましくは95〜99%である。アイソタクチックインデックスが90%未満の場合、樹脂の結晶性が低くなってしまい、製膜性が悪化したり、フィルムの強度が不十分となる場合がある。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムを形成するポリプロピレン組成物としては、ホモポリプロピレンを用いることができるのはもちろんのこと、製膜工程での安定性や造膜性、物性の均一性の観点から、ポリプロピレンにエチレン成分やブテン、ヘキセン、オクテンなどのα−オレフィン成分を5質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下の範囲で共重合した樹脂を用いることもできる。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムを形成するポリプロピレン組成物は、二軸延伸を行って貫通孔を形成する場合、延伸時の空隙形成効率の向上や、孔径が拡大することによる透気性向上の観点から、第2成分としてエチレン・α−オレフィン系共重合体(B)を含有することが好ましい。ここで、エチレン・α−オレフィン系共重合体(B)としては直鎖状低密度ポリエチレンや超低密度ポリエチレンを挙げることができ、中でも、オクテン−1を共重合した、融点が60〜90℃の共重合ポリエチレン樹脂(共重合PE樹脂)を好ましく用いることができる。この共重合ポリエチレンは市販されている樹脂、たとえば、ダウ・ケミカル社製“Engage(エンゲージ)(登録商標)”(タイプ名:8411、8452、8100など)を挙げることができる。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムを形成するポリプロピレン組成物は、ポリプロピレン組成物全体を100質量%としたときに、上記エチレン・α−オレフィン系共重合体(B)を10質量%以下含有することが透気向上の観点から好ましい。多孔性ポリオレフィンフィルムの機械強度の観点からは1〜7質量%であればより好ましく、さらに好ましくは1〜4質量%である。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、多孔性ポリオレフィンフィルムを形成するポリプロピレン組成物として、上記したポリプロピレン樹脂(A)とエチレン・α−オレフィン系共重合体(B)と、その分散剤(C)とを配合し、さらに後述する製膜条件を採用すると、孔構造が均一化し横延伸でのフィブリル開裂が均一化され、延伸による粗大な空孔が低減することで105℃における長手方向のヤング率f(105)の長手方向の強度が向上でき、さらに高温と室温の機械特性の差を小さくできるため好ましい。また、本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、均一な構造を有し、23℃における長手方向のヤング率f(23)と105℃における長手方向のヤング率f(105)の差を所定値より小さくできるため、事前乾燥工程で水分を除去するために100℃付近に加熱したとき、乾燥オーブン内でのフィルムの変形や、シワの発生を防止することができる。
本発明で用いる分散剤(C)としては、エチレン・α−オレフィン系共重合体(B)のポリプロピレン樹脂(A)への分散性を高めることができるものであれば良い。ところで、国際公開第2007/046225号公報には、ポリプロピレン樹脂に非相溶なエチレン・α−オレフィン系共重合体を、所定温度での溶融、相溶化剤の添加、または押出時の高い剪断力等によりポリプロピレン樹脂中に分散させることにより、微細な孔を形成して空孔率および透気率を向上できる旨が記載されている。しかしながら、相溶化剤については具体的な化合物等について何ら記載されておらず、ポリプロピレン樹脂(A)とエチレン・α−オレフィン系共重合体(B)とを含むポリプロピレン組成物を、所定温度で溶融し、高い剪断力を加えて押出すること等のみでは、エチレン・α−オレフィン系共重合体(B)を所定の分散径に分散させ、ポリプロピレンフィルムの孔構造を高度に均一化することは困難である。本発明者らは、ポリプロピレン樹脂(A)との相溶性が高いセグメント(例えばポリプロピレンセグメント、エチレンブチレン共重合セグメント)とエチレン・α−オレフィン系共重合体(B)との相溶性が高いセグメント(ポリエチレンセグメントなど)とを各々有するブロック共重合体を分散剤(C)としてポリプロピレン組成物に配合することにより、ポリプロピレン樹脂(A)中に所定範囲の分散径を有するエチレン・α−オレフィン系共重合体(B)が分散したキャストシートが得られ、該キャストシートを延伸することにより、多孔性ポリオレフィンフィルムの孔構造が均一化できることを見出した。分散剤(C)としては、市販されている樹脂、例えばJSR社製オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックポリマー(以下、CEBCと表記する)“DYNARON(ダイナロン)(登録商標)”(タイプ名:6100P、6200Pなど)や、ダウ・ケミカル社製オレフィンブロック共重合体“INFUSE OBC(登録商標)”を挙げることができる。分散剤(C)の添加量としてはエチレン・α−オレフィン系共重合体(B)100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、5〜33質量部であることがより好ましい。また、エチレン・α−オレフィン系共重合体(B)のポリプロピレン樹脂(A)への分散性向上の観点および孔形成の均一性向上の観点から、分散剤(C)の融点は、エチレン・α−オレフィン系共重合体(B)の融点より、0〜60℃高いことが好ましく、15〜30℃高いことがより好ましい。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムを形成するポリプロピレン組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤や無機あるいは有機粒子からなる滑剤、さらにはブロッキング防止剤や充填剤、非相溶性ポリマーなどの各種添加剤を含有させてもよい。特に、ポリプロピレン樹脂(A)の熱履歴による酸化劣化を抑制する目的で、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤添加量は、ポリプロピレン組成物100質量部に対して2質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは1質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下である。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルム中に含有されるエチレン成分の量は、多孔性ポリオレフィンフィルムを100質量部としたとき、10質量部未満であることが好ましい。エチレン成分の量が10質量部以上であると、低融点成分が多く含まれるため耐熱性が低下し、105℃における長手方向のヤング率f(105)(MPa)が低下して、多孔性ポリオレフィンフィルムが乾燥オーブンに導入される際、シワが発生したり平面性が低下する場合がある。エチレン成分の量は5質量部未満であることがより好ましく、3質量部未満であることがさらに好ましい。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムを形成するポリプロピレン組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、無機あるいは有機粒子からなる孔形成助剤を含有させてもよい。含有量はポリプロピレン組成物100質量部に対して5質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下である。5質量部を超えると、セパレータとして使用したとき、脱落した粒子が電池性能を低下させたり、原料コストが高くなり、生産性が低下する場合がある。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、10〜200秒/100mlであることが好ましい。透気抵抗が10秒/100ml未満であると、フィルムの強度が不十分となり、乾燥オーブン内でフィルムが変形し、シワが発生したり平面性が低下する場合がある。200秒/100mlを超えると、透過性が低下し、特にEDLC用セパレータとして用いたとき、必要な出力特性が得られない場合がある。透気抵抗は、50〜170秒/100mlであることがより好ましく、70〜140秒/100mlであることがさらに好ましい。透気抵抗は、後述するβ晶核剤、エチレン・α−オレフィン系共重合体(B)および分散剤(C)の添加量、キャストドラムの温度、長手方向の延伸倍率と温度、横延伸速度、熱処理工程での温度と時間、ならびにリラックスゾーンでの弛緩率を後述する範囲内とすることにより制御可能である。
また、本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、厚み当たりの透気抵抗が20秒/100ml/μm以下であることが好ましい。20秒/100ml/μmを超えると、透過性が低下し、特にEDLC用セパレータとして用いたとき、セパレータを薄膜化しても必要な出力特性が得られない場合がある。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、フィルム総厚みが20μm以下であることが好ましい。20μmを超えると透過性が低下し、特にEDLC用セパレータとして用いたとき、必要な出力特性が得られなかったり、蓄電デバイス内に占める多孔性ポリオレフィンフィルムの体積割合が高くなりすぎてしまい、高いエネルギー密度を得ることができなくなる。フィルム強度と出力特性の両立の観点から、フィルム総厚みは3〜18μmであればより好ましく、5〜15μmであればなお好ましい。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは105℃における幅方向の熱収縮率が5%以下であることが好ましい。幅方向の熱収縮率が5%を超えると、乾燥オーブン内でフィルム幅の変化が大きくなり、シワが発生したり平面性が低下する場合がある。幅方向の熱収縮率は3%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。熱収縮率は小さいほど好ましいが、実質的には0.1%程度が下限である。熱収縮率は、β晶核剤、エチレン・α−オレフィン系共重合体(B)および分散剤(C)の添加量、キャストドラムの温度、長手方向の延伸倍率と温度、熱処理工程での温度と時間、ならびにリラックスゾーンでの弛緩率を後述する範囲内とすることにより制御可能である。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは空孔率が60〜80%であることが好ましい。空孔率が60%未満では、透過性が低下し、特にEDLC用セパレータとして用いたとき、必要な出力特性が得られない場合がある。一方、空孔率が80%を超えると、多孔性フィルムの機械強度が低くなりすぎてしまい、乾燥オーブン内でフィルムが変形し、シワが発生したり平面性が低下する場合がある。空孔率は62〜75%であればより好ましく、65〜70%であれば特に好ましい。空孔率は、β晶核剤、エチレン・α−オレフィン系共重合体(B)および分散剤(C)の添加量、キャストドラムの温度、長手方向の延伸倍率と温度、熱処理工程での温度と時間、ならびにリラックスゾーンでの弛緩率を後述する範囲内とすることにより制御可能である。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、本発明の効果を損ねない範囲で、様々な効果を付与する目的で積層構成をとっても構わない。積層数としては、2層積層でも3層積層でも、また、それ以上の積層数でもいずれでも構わない。積層の方法としては、共押出によるフィードブロック方式やマルチマニホールド方式でも、ラミネートによる多孔性フィルム同士を貼り合わせる方法でもいずれでも構わない。積層構成としては、例えば、低温でのシャットダウン性を付与する目的でポリエチレンを含む層を積層したり、強度や耐熱性を付与する目的で粒子を含む層を積層することができる。積層構成とする場合には、表層を構成する樹脂にはポリエチレン系樹脂、エチレン共重合樹脂を含まないことが好ましい。表層にエチレン成分が存在すると電池用セパレータとして使用したとき耐酸化性が低下する場合がある。
以下に本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムの製造方法を具体的な一例をもとに説明する。なお、本発明のフィルムの製造方法はこれに限定されるものではない。
ポリプロピレン樹脂(A)として、MFR8g/10分の市販のホモポリプロピレン樹脂99.5質量部、β晶核剤としてN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド0.3質量部、酸化防止剤0.2質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給して溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン原料(a)を準備する。この際、溶融温度は270〜300℃とすることが好ましい。また同様に、ポリプロピレン樹脂(A)として上記のホモポリプロピレン樹脂64.8質量部、エチレン・α−オレフィン系共重合体(B)として市販のMFR18g/10分の超低密度ポリエチレン樹脂エチレン・オクテン−1共重合体を30質量部、分散剤(C)として市販のCEBC5質量部、酸化防止剤0.2質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、240℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン原料(b)を準備する。
次に、ポリプロピレン原料(a)90質量部、ポリプロピレン原料(b)10質量部をドライブレンドにて混合して単軸の溶融押出機に供給し、200〜230℃にて溶融押出を行う。次に、途中に設置したフィルターにて、異物や変性ポリマーなどを除去した後、Tダイよりキャストドラム上に吐出し、未延伸のキャストシートを得る。本発明では、均一な孔構造を得るために、キャストシート中のエチレン・α−オレフィン系共重合体(B)のドメイン形状や分散状態を制御することが重要であり、上述した分散剤(C)を添加することに加え、押出の際、ダイでのせん断速度を100〜1000sec−1とすることが好ましい。より好ましくは150〜800sec−1であり、さらに好ましくは200〜600sec−1である。ダイでのせん断速度は(3)式で表される。ダイでのせん断速度が100sec−1未満であると、せん断が十分にかからずドメイン形状の制御が困難となる場合がある。また、ダイでのせん断速度が1000sec−1を超えると、必要以上にドメインにせん断がかかってしまいドメイン形状の制御が困難となる場合がある。
せん断速度(sec−1)=6Q/ρWt2 ・・・(3)
Q:流量(kg/sec)
ρ:比重(kg/cm3)
W:溝幅(cm)
t:溝間隙(cm)
せん断速度(sec−1)=6Q/ρWt2 ・・・(3)
Q:流量(kg/sec)
ρ:比重(kg/cm3)
W:溝幅(cm)
t:溝間隙(cm)
上記のようにダイのせん断速度を好ましい範囲内とすることでキャストシート中のエチレン・α−オレフィン系共重合体(B)を主体とするドメイン(エチレン―α―オレフィン系共重合体(B)を主体とし、分散剤(C)が混合されてなる)を微細かつ均一に分散させることが可能である。ここで、TD/ZD断面のドメイン径は5〜100nmであることが好ましく、より好ましくは10〜90nm、さらに好ましくは、15〜80nmである。ただし、TD/ZD断面とは、フィルムを、厚み方向に平行な直線と幅方向に平行な直線を通る平面で切断したときの断面を示す。ドメイン径が5nm未満の場合、延伸時のフィブリルの開裂を促す効果が小さく、透気性が低下する場合がある。ドメイン径が100nmを超えると孔のサイズが大きくなり機械強度に劣る場合がある。通常、ダイのせん断のみによりドメイン径を制御しようとすると、せん断のかかりやすい厚み方向の表層付近はドメイン径が小さくなるが、厚み方向の中央付近はドメイン径が大きくなってしまい、均一な孔構造を得るのが困難であったが、本発明においては、上述した分散剤(C)を用い、上記範囲で製膜することにより、横延伸でのフィブリル開裂が均一化された多孔性ポリオレフィンフィルムが得られる。
ダイのせん断速度が上述した範囲となるようにポリマーの流量、Tダイの溝幅、溝間隙を適宜調整する。ポリマーの流量は押出安定性の観点から40〜500kg/hrの範囲が好ましい。Tダイの溝幅は生産性の観点から200〜1000mmの範囲が好ましい。Tダイの溝間隙は押出系内の内圧やキャスト精度の観点から0.8〜2mmの範囲が好ましい。また、キャストドラムは、表面温度が105〜130℃であることが、キャストシートのβ晶分率を高く制御する観点から好ましい。この際、特にシートの端部の成形が、後の延伸性に影響するので、端部にスポットエアーを吹き付けてドラムに密着させることが好ましい。また、シート全体のドラム上への密着状態から、必要に応じて全面にエアナイフを用いて空気を吹き付けてもよい。
次に、得られたキャストシートを二軸配向させ、フィルム中に空孔を形成する。二軸配向させる方法としては、フィルム長手方向に延伸後幅方向に延伸、あるいは幅方向に延伸後長手方向に延伸する逐次二軸延伸法、またはフィルムの長手方向と幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸法などを用いることができるが、透気性とフィルム機械特性のバランスの取れたフィルムを得やすいという点で逐次二軸延伸法を採用することが好ましく、特に、長手方向に延伸後、幅方向に延伸することが好ましい。
具体的な延伸条件を、フィルム長手方向に延伸後幅方向に延伸する逐次二軸延伸法を例として説明する。キャストシートを長手方向に延伸する温度制御の方法は、温度制御された回転ロールを用いる方法、熱風オーブンを使用する方法などを採用することができる。長手方向の延伸温度としては、90〜140℃であることが好ましい。90℃未満では、フィルムが破断する場合がある。140℃を超えると、孔構造が不均一になったり、透気性が低下する場合がある。長手方向の延伸温度が高い方が長手方向のヤング率が高い傾向があり、この観点から、より好ましくは110〜135℃、特に好ましくは120〜130℃である。延伸倍率としては、3〜6倍であることが好ましい。延伸倍率を高くするほど長手方向のヤング率は向上するが、6倍を超えて延伸すると、次の横延伸工程でフィルム破れが起きやすくなる場合がある。延伸倍率はより好ましくは4.5〜6倍である。
続いて、幅方向に延伸するために、縦延伸後のフィルムの端部をクリップで把持し、横延伸機で横延伸を行うが、クリップで縦延伸後のフィルムを把持する際に長手方向に張力をかけ、長手方向にフィルムを緊張させたまま横延伸を開始すると、得られる多孔性ポリオレフィンフィルムの105℃における長手方向のヤング率f(105)を向上することができるため好ましい。具体的な手法としては、縦延伸機の最終ロールの速度と横延伸機のライン速度に差(ドロー)を付け製膜する方法や、同時2軸延伸機を用い、クリップで把持した後、長手方向に微延伸して張力をかけたまま横延伸する方法などが挙げられる。ここで、ドローは103〜120%であることが好ましく、105〜110%であることがより好ましい。ドローが103%より低いと105℃における長手方向のヤング率f(105)が低下し、室温のヤング率f(23)との差が大きくなり、本発明の多孔性フィルムをLIBやLIC、ならびにEDLCのセパレータとして用いる場合、組立の事前乾燥工程でフィルムが変形し、シワが発生したり平面性が低下することがある。他方ドローが120%を超えると、フィルム製膜時に縦延伸機と横延伸機との区間でフィルムが破断する場合がある。
長手方向の張力を保ったまま横延伸を行う場合の横延伸温度は、好ましくは130〜155℃である。130℃未満ではフィルムが破断する場合があり、155℃を超えると透気性が低下する場合がある。より好ましくは145〜155℃である。幅方向の延伸倍率は2〜12倍であることが好ましい。2倍未満であると、透気性が低下したり、幅方向の平面性が低下する場合がある。12倍を超えるとフィルムが破断する場合がある。幅方向の延伸倍率は高すぎると長手方向のヤング率が低下する場合があるため、より好ましくは3〜8倍、更に好ましくは4〜6倍である。なお、このときの横延伸速度としては、500〜6,000%/分で行うことが好ましく、1,000〜5,000%/分であればより好ましい。面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)としては、好ましくは30〜60倍である。
横延伸に続いて、横延伸後の幅のまま熱処理工程を行う。ここで熱処理工程は、横延伸後の幅のまま熱処理を行う熱固定ゾーン(以後、HS1ゾーンと記す)、横延伸後の幅方向にクリップ幅を狭めてフィルムを幅方向へ弛緩させながら熱処理を行うリラックスゾーン(以後、Rxゾーンと記す)、リラックス後の幅のまま熱処理を行う熱固定ゾーン(以後、HS2ゾーンと記す)の3ゾーンに分かれていることが、透気性と機械物性の両立、さらには低熱収の観点から好ましい。
HS1ゾーンの温度は、140〜165℃であることが好ましい。140℃未満であると、幅方向の熱収縮率が大きくなる場合がある。165℃を超えると、フィルムの配向が緩和しすぎ、続くRxゾーンにおいて弛緩率を高くできず、透気性と機械強度との両立が困難であったり、高温により孔周辺のポリマーが溶けて透気抵抗が大きくなる場合がある。透気性と機械強度の両立の観点から150〜160℃であればより好ましい。
HS1ゾーンでの熱処理時間は、幅方向の熱収縮率と生産性の両立の観点から0.1秒以上10秒以下であることが好ましい。
本発明におけるRxゾーンでの弛緩率は13〜35%であることが好ましい。弛緩率が13%未満であると幅方向の熱収縮率が大きくなる場合がある。35%を超えると透気性が低下したり、幅方向の厚み斑や平面性が低下する場合がある。透気性向上と熱収縮率低減の観点から、15〜25%であるとより好ましい。
Rxゾーンの温度は、155〜170℃であることが好ましい。Rxゾーンの温度が155℃未満であると、弛緩の為の収縮応力が低くなり、上述した高い弛緩率を達成できなかったり、幅方向の熱収縮率が大きくなる場合がある。170℃を超えると、高温により孔周辺のポリマーが溶けて透気性が低下する場合がある。透気性向上と熱収縮率低減の観点から、160〜165℃であるとより好ましい。
Rxゾーンでの弛緩速度は、100〜1,000%/分であることが好ましい。弛緩速度が100%/分未満であると、製膜速度を遅くしたり、テンター長さを長くする必要があり、生産性に劣る場合がある。1,000%/分を超えると、テンターのレール幅が縮む速度よりフィルムが収縮する速度が遅くなり、テンター内でフィルムがばたついて破れたり、幅方向の物性ムラや平面性の低下を生じる場合がある。弛緩速度は、150〜500%/分であることがより好ましい。
HS2ゾーンの温度は、155〜165℃であることが好ましい。155℃未満であると、熱弛緩後のフィルムの緊張が不十分となり、幅方向の物性ムラや平面性低下を生じたり、幅方向の熱収縮率が大きくなる場合がある。また、HS2の温度が高い方が、105℃における長手方向のヤング率f(105)が高くなる傾向があり、155℃未満ではf(105)が不十分になる場合がある。165℃を超えると、高温により孔周辺のポリマーが溶けて透気性が低下する場合がある。透気性と機械強度の両立の観点から、HS2ゾーンの温度は、160〜165℃であることがより好ましい。
本発明におけるHS2ゾーンでの熱処理時間は、機械強度および幅方向の物性ムラや平面性と生産性の両立の観点から0.1秒以上10秒以下であることが好ましい。熱固定工程後のフィルムは、横延伸機のクリップで把持した耳部を除去して製品とする。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、強度や耐熱性に優れることから、包装用品、衛生用品、農業用品、建築用品、医療用品、分離膜、光拡散板、反射シート用途で用いることができるが、特に乾燥温度でのヤング率が高く、かつ常温と乾燥温度でのヤング率の差が小さいため、LIBやEDLC組立の事前乾燥工程においてシワの発生や平面性が改善されることから、自動車用などの蓄電デバイス用セパレータとして好適に使用することができる。また、セラミックや耐熱樹脂層を塗工・乾燥してなる耐熱セパレータ用の基材としても好適に用いることができる。本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムからなるセパレータは、蓄電デバイスの正極と負極の間に設けられ、該電極の接触を防止しつつ、電解液中のイオンを効率よく透過できる。ここで、蓄電デバイスとしては、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池や、リチウムイオンキャパシタや電気二重層キャパシタなどを挙げることができる。このような蓄電デバイスは充放電することで繰り返し使用することができるので、産業装置や生活機器、電気自動車やハイブリッド電気自動車などの電源装置として使用することができる。本発明の多孔性フィルムを用いたセパレータを使用した蓄電デバイスは、セパレータの優れた特性から産業機器や自動車の電源装置に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、特性は以下の方法により測定、評価を行った。
(1)フィルム厚み
任意の場所の合計10箇所を接触式の膜厚計ミツトヨ社製ライトマチックVL−50A(10.5mmφ超硬球面測定子、測定荷重0.06N)にて測定し、その平均値を多孔性ポリオレフィンフィルムの厚みとした。
任意の場所の合計10箇所を接触式の膜厚計ミツトヨ社製ライトマチックVL−50A(10.5mmφ超硬球面測定子、測定荷重0.06N)にて測定し、その平均値を多孔性ポリオレフィンフィルムの厚みとした。
(2)23℃での長手方向のヤング率;f(23)
JIS K7127(1999.)に規定された測定方法に準じて行った。多孔性ポリオレフィンフィルムを、フィルムの製膜方向の長さが150mm、幅方向の長さが10mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期チャック間距離50mm、引張速度を300mm/分とし、23℃、65%RHの雰囲気下でフィルムの長手方向に引張試験を行った。測定はサンプルを変更して5回行い、そのヤング率の平均値を求めた。
なお、フィルムの厚みは以下のように測定を行った。長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルの初期チャック間距離50mmの中で任意の5ヶ所について接触式の膜厚計ミツトヨ社製ライトマチックVL−50A(10.5mmφ超硬球面測定子、測定荷重0.06N)にて測定し、その平均値を多孔性ポリオレフィンフィルムの厚みとした。
JIS K7127(1999.)に規定された測定方法に準じて行った。多孔性ポリオレフィンフィルムを、フィルムの製膜方向の長さが150mm、幅方向の長さが10mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期チャック間距離50mm、引張速度を300mm/分とし、23℃、65%RHの雰囲気下でフィルムの長手方向に引張試験を行った。測定はサンプルを変更して5回行い、そのヤング率の平均値を求めた。
なお、フィルムの厚みは以下のように測定を行った。長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルの初期チャック間距離50mmの中で任意の5ヶ所について接触式の膜厚計ミツトヨ社製ライトマチックVL−50A(10.5mmφ超硬球面測定子、測定荷重0.06N)にて測定し、その平均値を多孔性ポリオレフィンフィルムの厚みとした。
(3)105℃での長手方向のヤング率;f(105)
JIS K7127(1999.)に規定された測定方法に準じて行った。多孔性ポリオレフィンフィルムを上記(2)と同様寸法に切りだしたサンプルを引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)にセットし、105℃に加熱されたオーブン中へチャック毎投入し、1分間加熱した後、初期チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分としてフィルムの長手方向に引張試験を行った。測定はサンプルを変更して5回行い、そのヤング率の平均値を求めた。
なお、フィルムの厚みは上記(2)と同様の方法で測定した。
JIS K7127(1999.)に規定された測定方法に準じて行った。多孔性ポリオレフィンフィルムを上記(2)と同様寸法に切りだしたサンプルを引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)にセットし、105℃に加熱されたオーブン中へチャック毎投入し、1分間加熱した後、初期チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分としてフィルムの長手方向に引張試験を行った。測定はサンプルを変更して5回行い、そのヤング率の平均値を求めた。
なお、フィルムの厚みは上記(2)と同様の方法で測定した。
(4)β晶形成能
多孔性ポリオレフィンフィルム中のポリプロピレン5mgを試料としてアルミニウム製のパンに採取し、示差走査熱量計(セイコー電子工業製RDC220)を用いて測定した。まず、窒素雰囲気下で室温から260℃まで10℃/分で昇温(ファーストラン)し、10分間保持した後、20℃まで10℃/分で冷却する。5分保持後、再度10℃/分で昇温(セカンドラン)した際に観測される融解ピークにについて、145〜157℃の温度領域にピークが存在する融解をβ晶の融解ピーク、158℃以上にピークが観察される融解をα晶の融解ピークとして、高温側の平坦部を基準に引いたベースラインとピークに囲まれる領域の面積から、それぞれの融解熱量を求め、α晶の融解熱量をΔHα、β晶の融解熱量をΔHβとしたとき、以下の式で計算される値をβ晶形成能とする。なお、融解熱量の校正はインジウムを用いて行った。
β晶形成能(%) = 〔ΔHβ / (ΔHα + ΔHβ)〕 × 100
なお、ファーストランで観察される融解ピークから同様にβ晶の存在比率を算出することで、その試料の状態でのβ晶分率を算出することができる。
多孔性ポリオレフィンフィルム中のポリプロピレン5mgを試料としてアルミニウム製のパンに採取し、示差走査熱量計(セイコー電子工業製RDC220)を用いて測定した。まず、窒素雰囲気下で室温から260℃まで10℃/分で昇温(ファーストラン)し、10分間保持した後、20℃まで10℃/分で冷却する。5分保持後、再度10℃/分で昇温(セカンドラン)した際に観測される融解ピークにについて、145〜157℃の温度領域にピークが存在する融解をβ晶の融解ピーク、158℃以上にピークが観察される融解をα晶の融解ピークとして、高温側の平坦部を基準に引いたベースラインとピークに囲まれる領域の面積から、それぞれの融解熱量を求め、α晶の融解熱量をΔHα、β晶の融解熱量をΔHβとしたとき、以下の式で計算される値をβ晶形成能とする。なお、融解熱量の校正はインジウムを用いて行った。
β晶形成能(%) = 〔ΔHβ / (ΔHα + ΔHβ)〕 × 100
なお、ファーストランで観察される融解ピークから同様にβ晶の存在比率を算出することで、その試料の状態でのβ晶分率を算出することができる。
(5)透気抵抗
多孔性ポリオレフィンフィルムから100mm×100mmの大きさの正方形を切取り試料とした。JIS P 8117(1998)のB形ガーレー試験器を用いて、23℃、相対湿度65%にて、100mlの空気の透過時間の測定を行った。測定は試料を替えて3回行い、透過時間の平均値をそのフィルムの透気性とした。なお、フィルムに貫通孔が形成されていることは、この透気性の値が有限値であることをもって確認できる。
多孔性ポリオレフィンフィルムから100mm×100mmの大きさの正方形を切取り試料とした。JIS P 8117(1998)のB形ガーレー試験器を用いて、23℃、相対湿度65%にて、100mlの空気の透過時間の測定を行った。測定は試料を替えて3回行い、透過時間の平均値をそのフィルムの透気性とした。なお、フィルムに貫通孔が形成されていることは、この透気性の値が有限値であることをもって確認できる。
(6)105℃熱収縮率(幅方向)
多孔性ポリオレフィンフィルムから10mm×200mmの大きさの矩形を5本切取り試料とした。なお、200mmの長さ方向をフィルムの幅方向に合わせた。試料の両端から25mmの位置に印を付けて試長150mm(l0)とする。次に、荷重3gを付けて105℃に保温されたオーブン内に吊し、1時間加熱後に取り出して、室温で冷却後、寸法(l1)を測定して下記式にて求め、5本の平均値を熱収縮率とした。
熱収縮率={(l0−l1)/l0}×100(%)
多孔性ポリオレフィンフィルムから10mm×200mmの大きさの矩形を5本切取り試料とした。なお、200mmの長さ方向をフィルムの幅方向に合わせた。試料の両端から25mmの位置に印を付けて試長150mm(l0)とする。次に、荷重3gを付けて105℃に保温されたオーブン内に吊し、1時間加熱後に取り出して、室温で冷却後、寸法(l1)を測定して下記式にて求め、5本の平均値を熱収縮率とした。
熱収縮率={(l0−l1)/l0}×100(%)
(7)シワの発生度合い(23℃)
多孔性ポリオレフィンフィルムを長手方向に300mm、幅方向に200mmにサンプリングし、多孔性ポリオレフィンフィルムの試料1を調製する。図1に示すように、試料1の長手方向の両端部30mmを全幅で各々2枚の金属板2に挟み込み、長手方向の下方部の金属板2とおもり3を合わせて2kgf荷重となるように負荷を掛ける。このとき、つり下げた時にセパレータの位置がずれないよう2枚の金属板2を固定する。23℃、65%RHの雰囲気下で前記サンプルをつり上げ、10秒間の観察においてシワの発生度合いを下記基準にて判断した。○、△が合格である
○:シワが1つも確認できない
△:シワが1〜2本確認できる
×:シワが3本以上
多孔性ポリオレフィンフィルムを長手方向に300mm、幅方向に200mmにサンプリングし、多孔性ポリオレフィンフィルムの試料1を調製する。図1に示すように、試料1の長手方向の両端部30mmを全幅で各々2枚の金属板2に挟み込み、長手方向の下方部の金属板2とおもり3を合わせて2kgf荷重となるように負荷を掛ける。このとき、つり下げた時にセパレータの位置がずれないよう2枚の金属板2を固定する。23℃、65%RHの雰囲気下で前記サンプルをつり上げ、10秒間の観察においてシワの発生度合いを下記基準にて判断した。○、△が合格である
○:シワが1つも確認できない
△:シワが1〜2本確認できる
×:シワが3本以上
(8)シワの発生度合い(105℃)
上記(7)と同様にして、荷重を0.5kgfとしたサンプルを105℃雰囲気に加熱されたギアオーブンにつり下げ、10秒間の観察においてシワの発生度合いを下記基準にて判断した。○、△が合格である
○:シワが1つも確認できない
△:シワが1〜2本確認できる
×:シワが3本以上
上記(7)と同様にして、荷重を0.5kgfとしたサンプルを105℃雰囲気に加熱されたギアオーブンにつり下げ、10秒間の観察においてシワの発生度合いを下記基準にて判断した。○、△が合格である
○:シワが1つも確認できない
△:シワが1〜2本確認できる
×:シワが3本以上
(9)加熱オーブン通過時のシワの発生度合い
幅300mmのロールサンプルを用意し、23℃で巻きだし、内部温度105℃のトンネル状オーブンを通過させた時、オーブン出口でのサンプルのシワ発生状態を下記基準にて判断した。なお、搬送張力は0.5kgf、オーブン長2m、搬送速度15m/分とした。トンネルオーブン入り口および出口にガイドロールをセットした。サンプルは予めトンネルオーブンを通しておき、搬送状態を安定化するため搬送開始後15秒間搬送した状態で維持し、その後20秒間通過させた時の状態で判定した。○、△が合格である。
○:シワが1つも確認できない
△:シワが1〜2本確認できる
×:シワが3本以上
幅300mmのロールサンプルを用意し、23℃で巻きだし、内部温度105℃のトンネル状オーブンを通過させた時、オーブン出口でのサンプルのシワ発生状態を下記基準にて判断した。なお、搬送張力は0.5kgf、オーブン長2m、搬送速度15m/分とした。トンネルオーブン入り口および出口にガイドロールをセットした。サンプルは予めトンネルオーブンを通しておき、搬送状態を安定化するため搬送開始後15秒間搬送した状態で維持し、その後20秒間通過させた時の状態で判定した。○、△が合格である。
○:シワが1つも確認できない
△:シワが1〜2本確認できる
×:シワが3本以上
(10)キャストシート中の異種成分の分散径(ドメイン径)の測定
ミクロトーム法を用い、キャストシートの幅方向−厚み方向に断面(TD/ZD断面)を有する超薄切片を採取した。採取した切片をRuO4で染色し、下記条件にて透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察した。この時例えば、ポリプロピレン樹脂より結晶性の低いエチレン−α−オレフィン系重合体(B)は、ポリプロピレンよりも黒く染まる。
・装置 :(株)日立製作所製 透過型電子顕微鏡(TEM)H−7100FA
・加速電圧:100kV
・観察倍率:20,000倍。
キャストシートの一方の表面からもう一方の表面までを、厚み方向に連続して観察した像を採取した。得られた像にキャストシートの厚み方向に平行に1μm相当の間隔をあけて直線を引き、2本の直線の間に存在する全てのエチレン−α−オレフィン系重合体(B)の分散径を測定した(単位:nm)。2本の直線間に存在する分散径を平均し、さらに厚み方向の平均値を算出し、得られた平均分散径をエチレン−α−オレフィン系重合体(B)の分散径とした。
ミクロトーム法を用い、キャストシートの幅方向−厚み方向に断面(TD/ZD断面)を有する超薄切片を採取した。採取した切片をRuO4で染色し、下記条件にて透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察した。この時例えば、ポリプロピレン樹脂より結晶性の低いエチレン−α−オレフィン系重合体(B)は、ポリプロピレンよりも黒く染まる。
・装置 :(株)日立製作所製 透過型電子顕微鏡(TEM)H−7100FA
・加速電圧:100kV
・観察倍率:20,000倍。
キャストシートの一方の表面からもう一方の表面までを、厚み方向に連続して観察した像を採取した。得られた像にキャストシートの厚み方向に平行に1μm相当の間隔をあけて直線を引き、2本の直線の間に存在する全てのエチレン−α−オレフィン系重合体(B)の分散径を測定した(単位:nm)。2本の直線間に存在する分散径を平均し、さらに厚み方向の平均値を算出し、得られた平均分散径をエチレン−α−オレフィン系重合体(B)の分散径とした。
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂(A)として、融点165℃、MFR=7.5g/10分の住友化学(株)製ホモポリプロピレンFLX80E4を99.5質量部、β晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.3質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々0.1質量部ずつがこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(I)を得た。
ポリプロピレン樹脂(A)として、融点165℃、MFR=7.5g/10分の住友化学(株)製ホモポリプロピレンFLX80E4を99.5質量部、β晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.3質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々0.1質量部ずつがこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(I)を得た。
次に、ポリプロピレン樹脂(A)としてホモポリプロピレンFLX80E4を64.8質量部、エチレン・α−オレフィン系共重合体(B)としてエチレン−α−オクテン−1共重合体(ダウ・ケミカル製 “Engage(登録商標)”8411、メルトインデックス:18g/10分)を30質量部、分散剤(C)としてJSR社製オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックポリマー (CEBC)“DYNARON(ダイナロン)(登録商標)”(タイプ名:6200P)を5質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製“イルガノックス(登録商標)”1010、“イルガフォス(登録商標)”168を各々0.1質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、240℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(II)を得た。
得られたポリプロピレン組成物(I)90質量部とポリプロピレン組成物(II)10質量部をドライブレンドして単軸の溶融押出機に供給し、220℃で溶融押出を行い、25μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、Tダイから120℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出し、未延伸シートを得た。未延伸シート中のドメイン径は75nmであった。また、ドメイン径は、厚み方向の表層付近では80nm程度のドメインが多く観察され、中央部では70nm程度のドメインが多く観察された。ついで、125℃に加熱したセラミックロールを用いて予熱を行いフィルムの長手方向に5.0倍延伸を行った。次いで縦延伸後のロール速度に対し105%のドローを掛けた状態でフィルム端部をクリップで把持させて横延伸機へ導入し、150℃で5.0倍に、延伸速度1,800%/分で延伸した。そのまま幅方向を把持したままHS1ゾーンにて160℃で熱処理し、引き続き幅方向に20%のリラックスを掛けながら162℃で熱処理を行い、最後に幅方向を把持したままHS2ゾーンにて162℃の熱処理を行い、厚み12μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。
(実施例2)
ポリプロピレン樹脂(A)としてホモポリプロピレンFLX80E4を54.8質量部、エチレン−α−オレフィン系重合体(B)としてエチレン−オクテン−1共重合体(ダウ・ケミカル製 “Engage(登録商標)”8411、メルトインデックス:18g/10分)を30質量部、分散剤(C)としてJSR社製オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックポリマー (CEBC)“DYNARON(ダイナロン)(登録商標)”(タイプ名:6200P)を15質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製“イルガノックス(登録商標)”1010、“イルガフォス(登録商標)”168を各々0.1質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、240℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(III)を得た。得られたポリプロピレン組成物(III)10質量部と実施例1で用いたポリプロピレン組成物(I)90質量部をドライブレンドして単軸の溶融押出機に供給し、実施例1と同じ製膜条件で厚み12μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。
ポリプロピレン樹脂(A)としてホモポリプロピレンFLX80E4を54.8質量部、エチレン−α−オレフィン系重合体(B)としてエチレン−オクテン−1共重合体(ダウ・ケミカル製 “Engage(登録商標)”8411、メルトインデックス:18g/10分)を30質量部、分散剤(C)としてJSR社製オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックポリマー (CEBC)“DYNARON(ダイナロン)(登録商標)”(タイプ名:6200P)を15質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製“イルガノックス(登録商標)”1010、“イルガフォス(登録商標)”168を各々0.1質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、240℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(III)を得た。得られたポリプロピレン組成物(III)10質量部と実施例1で用いたポリプロピレン組成物(I)90質量部をドライブレンドして単軸の溶融押出機に供給し、実施例1と同じ製膜条件で厚み12μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。
(実施例3、4、5)
表1に示す製造条件において実施例1の条件から延伸時のMD温度を縦延伸後のロール速度に対するドローを103%(実施例3)、MD延伸倍率を5.5倍(実施例4)、横延伸倍率を6.5倍(実施例5)、をそれぞれ変更し、厚み12μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。
表1に示す製造条件において実施例1の条件から延伸時のMD温度を縦延伸後のロール速度に対するドローを103%(実施例3)、MD延伸倍率を5.5倍(実施例4)、横延伸倍率を6.5倍(実施例5)、をそれぞれ変更し、厚み12μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。
(比較例1)
ポリプロピレン樹脂(A)として、ホモポリプロピレンFLX80E4を69.8質量部、エチレン−α−オレフィン系重合体(B)としてエチレン−オクテン−1共重合体(ダウ・ケミカル製 “Engage(登録商標)”8411、メルトインデックス:18g/10分)を30質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製“イルガノックス(登録商標)”1010、“イルガフォス(登録商標)”168を各々0.1質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、240℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(IV)を得た。得られたポリプロピレン組成物(IV)10質量部と実施例1で用いたポリプロピレン組成物(I)90質量部をドライブレンドして単軸の溶融押出機に供給し、実施例1の条件から縦延伸後のロール速度に対するドローを100%とし、横延伸後の弛緩処理率を15%、HS1,Rxゾーン、HS2ゾーンを各160℃と変更し、厚み12μmの実質上で分散剤を含まない多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。未延伸シート中のドメイン径は120nmであった。また、ドメイン径は、厚み方向の表層付近では100nm程度のドメインが多く観察され、中央部では150nm程度のドメインが多く観察された。本比較例のフィルムは105℃での長手方向のヤング率と23℃の長手方向のヤング率との差が大きかった。
ポリプロピレン樹脂(A)として、ホモポリプロピレンFLX80E4を69.8質量部、エチレン−α−オレフィン系重合体(B)としてエチレン−オクテン−1共重合体(ダウ・ケミカル製 “Engage(登録商標)”8411、メルトインデックス:18g/10分)を30質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製“イルガノックス(登録商標)”1010、“イルガフォス(登録商標)”168を各々0.1質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、240℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(IV)を得た。得られたポリプロピレン組成物(IV)10質量部と実施例1で用いたポリプロピレン組成物(I)90質量部をドライブレンドして単軸の溶融押出機に供給し、実施例1の条件から縦延伸後のロール速度に対するドローを100%とし、横延伸後の弛緩処理率を15%、HS1,Rxゾーン、HS2ゾーンを各160℃と変更し、厚み12μmの実質上で分散剤を含まない多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。未延伸シート中のドメイン径は120nmであった。また、ドメイン径は、厚み方向の表層付近では100nm程度のドメインが多く観察され、中央部では150nm程度のドメインが多く観察された。本比較例のフィルムは105℃での長手方向のヤング率と23℃の長手方向のヤング率との差が大きかった。
(比較例2)
表1に示す製造条件において実施例1の条件から、横延伸後のHS1ゾーン、Rxゾーン、HS2ゾーンを各155℃とし、弛緩処理率を5%に変更し、厚み12μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。比較例2のフィルムは105℃での長手方向のヤング率が不十分、かつ23℃のヤング率との差が非常に大きいフィルムであった。
表1に示す製造条件において実施例1の条件から、横延伸後のHS1ゾーン、Rxゾーン、HS2ゾーンを各155℃とし、弛緩処理率を5%に変更し、厚み12μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。比較例2のフィルムは105℃での長手方向のヤング率が不十分、かつ23℃のヤング率との差が非常に大きいフィルムであった。
本発明の要件を満足する実施例では透気性、熱寸法安定性に優れるだけでなく、105℃の長手方向のヤング率が高く、かつ23℃の長手方向のヤング率差が小さいため、蓄電デバイス用のセパレータとして好適に用いることが可能であると考えられる。一方、比較例では、105℃での長手方向のヤング率が不十分、かつ23℃のヤング率との差が非常に大きく蓄電デバイス用のセパレータとして用いることが困難である。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムは、LIBやLIC、ならびにEDLC組立の事前乾燥工程においてシワの発生や平面性が改善されることから、自動車用などの蓄電デバイス用セパレータとして好適に使用することができる。
1:試料
2:金属板
3:おもり
2:金属板
3:おもり
Claims (7)
- 23℃における長手方向のヤング率f(23)(MPa)と、105℃における長手方向のヤング率f(105)(MPa)との関係が、下記(1)式および(2)式を満たすことを特徴とする多孔性ポリオレフィンフィルム。
f(105)>80 ・・・(1)
f(23)−f(105)<450 ・・・(2) - 23℃における長手方向ヤング率f(23)(MPa)と、105℃における長手方向のヤング率f(105)(MPa)との関係が、下記(1)式および(3)式を満たすことを特徴とする多孔性ポリオレフィンフィルム。
f(105)>80 ・・・(1)
f(23)/f(105)<6 ・・・(3) - 105℃における幅方向の熱収縮率が5%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の多孔性ポリオレフィンフィルム。
- 透気抵抗が10〜200秒/100mlであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の多孔性ポリオレフィンフィルム。
- 厚み当たりの透気抵抗が20秒/100ml/μm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の多孔性ポリオレフィンフィルム。
- β晶形成能が40%以上のポリプロピレンを主成分とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の多孔性ポリオレフィンフィルム。
- 正極と負極の間に設けられ、両者の接触を防止しつつ、電解液中のイオンを透過させるセパレータを備えた蓄電デバイスにおいて、
前記セパレータが、請求項1〜6のいずれか一つに記載の多孔性ポリオレフィンフィルムを用いて形成されたことを特徴とする蓄電デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013506406A JP5267754B1 (ja) | 2011-10-14 | 2012-10-12 | 多孔性ポリオレフィンフィルムおよび蓄電デバイス |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011226461 | 2011-10-14 | ||
JP2011226461 | 2011-10-14 | ||
PCT/JP2012/076543 WO2013054930A1 (ja) | 2011-10-14 | 2012-10-12 | 多孔性ポリオレフィンフィルムおよび蓄電デバイス |
JP2013506406A JP5267754B1 (ja) | 2011-10-14 | 2012-10-12 | 多孔性ポリオレフィンフィルムおよび蓄電デバイス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP5267754B1 JP5267754B1 (ja) | 2013-08-21 |
JPWO2013054930A1 true JPWO2013054930A1 (ja) | 2015-04-02 |
Family
ID=48081974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013506406A Active JP5267754B1 (ja) | 2011-10-14 | 2012-10-12 | 多孔性ポリオレフィンフィルムおよび蓄電デバイス |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5267754B1 (ja) |
KR (1) | KR101956950B1 (ja) |
CN (1) | CN103874725B (ja) |
WO (1) | WO2013054930A1 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102269114B1 (ko) | 2013-05-31 | 2021-06-23 | 도레이 카부시키가이샤 | 폴리올레핀 다층 미다공막 및 이의 제조 방법 |
WO2014192861A1 (ja) * | 2013-05-31 | 2014-12-04 | 東レバッテリーセパレータフィルム株式会社 | ポリオレフィン多層微多孔膜およびその製造方法 |
JP6773023B2 (ja) * | 2015-02-20 | 2020-10-21 | 東レ株式会社 | 微多孔プラスチックフィルムの製造方法 |
EP3399572B1 (en) * | 2015-12-28 | 2022-08-10 | Zeon Corporation | Heat-sensitive layer for lithium ion secondary battery |
JP6466603B2 (ja) | 2016-01-29 | 2019-02-06 | 住友化学株式会社 | 電池用セパレータフィルム、非水電解液二次電池用セパレータ及び非水電解液二次電池 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE602005026121D1 (de) * | 2004-04-22 | 2011-03-10 | Toray Industries | Mikroporöse polypropylenfolie und herstellungsverfahren dafür |
WO2007046225A1 (ja) * | 2005-10-18 | 2007-04-26 | Toray Industries, Inc. | 微多孔ポリプロピレンフィルムおよびその製造方法 |
JP4931083B2 (ja) * | 2007-01-30 | 2012-05-16 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | 多層多孔膜及びその製造方法 |
KR101071602B1 (ko) * | 2008-11-10 | 2011-10-10 | 미쓰비시 쥬시 가부시끼가이샤 | 적층 다공성 필름, 리튬 전지용 세퍼레이터 및 전지 |
US20130316247A1 (en) * | 2011-02-03 | 2013-11-28 | Toray Industries, Inc. | Porous polypropylene film, separator for electricity storage device, and electricity storage device |
-
2012
- 2012-10-12 WO PCT/JP2012/076543 patent/WO2013054930A1/ja active Application Filing
- 2012-10-12 KR KR1020147007182A patent/KR101956950B1/ko active IP Right Grant
- 2012-10-12 CN CN201280049987.5A patent/CN103874725B/zh active Active
- 2012-10-12 JP JP2013506406A patent/JP5267754B1/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5267754B1 (ja) | 2013-08-21 |
KR101956950B1 (ko) | 2019-03-11 |
KR20140081797A (ko) | 2014-07-01 |
WO2013054930A1 (ja) | 2013-04-18 |
CN103874725B (zh) | 2015-12-02 |
CN103874725A (zh) | 2014-06-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5354132B2 (ja) | 多孔性ポリプロピレンフィルムおよび蓄電デバイス | |
JP5626486B2 (ja) | 多孔性ポリプロピレンフィルム、蓄電デバイス用セパレータおよび蓄電デバイス | |
JP5907066B2 (ja) | 多孔性ポリプロピレンフィルム、蓄電デバイス用セパレータおよび蓄電デバイス | |
JP5672007B2 (ja) | 多孔性ポリプロピレンフィルムロール | |
JP5807388B2 (ja) | 多孔性ポリプロピレンフィルム | |
JP6273898B2 (ja) | 積層多孔性フィルムおよび蓄電デバイス | |
JP5267754B1 (ja) | 多孔性ポリオレフィンフィルムおよび蓄電デバイス | |
JP2010242060A (ja) | 多孔性ポリプロピレンフィルムロール | |
JP6089581B2 (ja) | 多孔性ポリオレフィンフィルム、積層多孔性フィルムおよび蓄電デバイス | |
JP5251193B2 (ja) | 多孔性ポリオレフィンフィルム | |
JP2013100487A (ja) | 多孔性フィルムおよび蓄電デバイス | |
JP5672015B2 (ja) | 二軸配向多孔性フィルムおよび蓄電デバイス | |
JP6361251B2 (ja) | 多孔性フィルム、蓄電デバイス用セパレータおよび蓄電デバイス | |
JP5724329B2 (ja) | 多孔性ポリプロピレンフィルムロール | |
WO2014103713A1 (ja) | 多孔性ポリオレフィンフィルムおよびその製造方法、ならびにそれを用いてなる蓄電デバイス用セパレータ | |
JP5354131B2 (ja) | 多孔性ポリプロピレンフィルム、積層多孔性フィルムおよび蓄電デバイス | |
JP2014060146A (ja) | 多孔性ポリオレフィンフィルムおよび蓄電デバイス | |
WO2013187326A1 (ja) | 多孔性ポリプロピレンフィルム、蓄電デバイス用セパレータおよび蓄電デバイス | |
WO2012169510A1 (ja) | 多孔性ポリプロピレンフィルムおよびその製造方法 | |
JP2012022911A (ja) | 積層セパレータおよび蓄電デバイス | |
WO2013054931A1 (ja) | 多孔性ポリプロピレンフィルムおよび蓄電デバイス | |
JP2013199511A (ja) | 多孔性フィルムおよび蓄電デバイス | |
JP2013100458A (ja) | 多孔性ポリオレフィンフィルムおよび蓄電デバイス |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130409 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5267754 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |