JPWO2013054921A1 - バナジウム電解液、その製造方法及びその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、ケイ素及びクロムのうち1又は2以上の元素が合計0.4質量%未満であり、溶存酸素が0.1ppm以下の4価のバナジウムイオン溶液を準備する準備工程と、4価のバナジウムイオン溶液を脱気雰囲気で酸化電解して5価のバナジウムイオン溶液を得ると同時に、4価のバナジウムイオン溶液を脱気雰囲気で還元電解して2価のバナジウムイオン溶液を得る電解工程とを備える製造方法により、上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
本発明に係るバナジウム電解液の製造方法は、図1に示すように、4価のバナジウムイオン溶液を準備する工程(準備工程)と、4価のバナジウムイオン溶液を脱気雰囲気で酸化電解して5価のバナジウムイオン溶液を得ると同時に、4価のバナジウムイオン溶液を脱気雰囲気で還元電解して2価のバナジウムイオン溶液を得る電解工程とを備える。本願において、「バナジウムイオン溶液」というときは、バナジウムイオンの価数に主眼をおいた場合に用い、「バナジウム電解液」というときは、二次電池で用いられる充放電流体という意味で用いている。以下、詳しく説明する。
準備工程は、4価のバナジウムイオン溶液を準備する工程である。準備された4価のバナジウムイオン溶液は、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、ケイ素及びクロムのうち1又は2以上の元素を合計0.4質量%未満含有する。アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、ケイ素及びクロムのうち1又は2以上の元素は、4価のバナジウムイオン溶液中では不純物元素として存在するので、できるだけ少ない方が好ましく、その含有量は合計0.4質量%未満である。なお、4価のバナジウムイオン溶液中には、本発明の効果を妨げない範囲内で、3価のバナジウムイオンが含まれていてもよい。
不純物元素の含有量が合計0.4質量%未満の4価のバナジウムイオン溶液を後述する電解工程で電解して得たバナジウム電解液は、後述する電解工程で電解して得たバナジウム電解液の不純物が少なく、そのバナジウム電解液を二次電池に使用して充放電を繰り返した場合であっても、不純物に由来したスラッジの発生を防ぐことができる。一方、その含有量が0.4質量%以上の4価のバナジウムイオン溶液は、後述する電解工程で電解して得たバナジウム電解液の不純物がやや多くなり、そのバナジウム電解液を二次電池に使用して充放電を繰り返した場合に、不純物に由来したスラッジが発生し易くなる。なお、不純物元素は完全に無くすことはできず、通常、0.05質量%程度は少なくとも含まれる。バナジウムイオン溶液に含まれる不純物元素の含有量は、原子吸光光度法、蛍光X線分析法、イオンクロマトグラフィー、ICP質量分析法等で得た結果から求めることができる。
バナジウムイオン溶液は、所定の濃度に調整された硫酸水溶液を撹拌しながら、その硫酸水溶液中に所定量の酸化硫酸バナジウム水和物を徐々に加えて調製される。バナジウムイオン溶液中のバナジウムイオン濃度は、1.5mol/L以上4mol/L以下の範囲であることが好ましい。バナジウムイオン濃度をこの範囲にすることにより、充放電効率のよい高濃度のバナジウム電解液を製造できる。特にバナジウムイオン濃度が3mol/L以上4mol/L以下の範囲の高濃度のバナジウム電解液は、電極に十分な量のイオンを供給できるので、一般的な循環型のフロー電池用電解液として、また、非循環型のノンフロー電池用電解液として好ましく用いることができる。
硫酸水溶液は、硫酸と水とで調製されたものであり、水は、超純水、純水、蒸留水、イオン交換水等が好ましく用いられる。調製された硫酸水溶液は予め脱気され、溶存酸素をできるだけ除去したものであることが好ましい。バナジウムイオン溶液中の硫酸濃度は、0.5mol/L以上6.5mol/L以下であることが好ましい。この範囲の硫酸濃度は、バナジウムイオン溶液の総量を考慮して調整される。硫酸濃度をこの範囲にすることにより、酸化硫酸バナジウム水和物を溶解でき、充放電効率のよい高濃度のバナジウム電解液を製造できる。硫酸濃度が0.5mol/L未満では、酸化硫酸バナジウム水和物の溶解が不十分になることがあり、一方、硫酸濃度が6.5mol/Lを超える場合も、酸化硫酸バナジウム水和物の溶解が不十分になることがある。なお、バナジウムイオン溶液中の硫酸濃度は、酸化硫酸バナジウム水和物を容易に溶解でき、且つ十分な電解液性能を確保できる観点からは、2.5mol/L以上6.5mol/L以下の範囲であることが好ましい。
溶存酸素は、調製された4価のバナジウムイオン溶液中に0.1ppm以下であることが好ましい。この範囲の溶存酸素を含むバナジウムイオン溶液は、後述する電解工程時及び二次電池の充放電時のいずれの場合においても、過酸化物等のスラッジを発生させたり、溶存酸素の限界電流等による電流効率が低下したりする等の問題が起こりにくいという利点がある。一方、溶存酸素が0.1ppmを超えると、電解工程や二次電池の充放電時に、正極側では過酸化状態になって過酸化バナジウム等のスラッジが発生し易くなり、また、負極側では溶存酸素の限界電流等による電流効率の低下が起きやすくなって、正極と負極の酸化還元反応のバランスが崩れ、スラッジを生成する原因となる。なお、溶存酸素の好ましい範囲は、バナジウムイオン溶液中に0.05ppm以下の場合であり、この範囲で、上記した過酸化物等のスラッジの発生や、溶存酸素の限界電流等による電流効率の低下がより生じにくくなる。
バナジウム電解液の調製例を以下に説明するが、以下の例は一例であって、その方法に限定されない。また、目標液量とは、得ようとする液量のことをいい、目標濃度とは、得ようとする濃度のことをいう。結晶水量とは、硫酸バナジウム水和物に含まれる水和物のことである。
電解工程は、図1及び図2に示すように、4価のバナジウムイオン溶液を脱気雰囲気で酸化電解して5価のバナジウムイオン溶液を得ると同時に、4価のバナジウムイオン溶液を脱気雰囲気で還元電解して2価のバナジウムイオン溶液を得る工程である。
電解工程は、上記した定電流電解工程であってもよいし、定電圧電解工程であってもよいし、最初に定電流で電解を行い、その後に定電圧で電解を行う複合電解工程であってもよい。
(B)陽極又は陰極に印加する初期の電流密度(絶対値)を1〜3mA/cm2の範囲内で定電流電解を行い、陽極の酸化還元電位が+600mV〜+850mVの範囲内に到達したとき又は陰極の酸化還元電位が+300mV〜±0mVの範囲内に到達したときに、電流密度(絶対値)を3〜6mA/cm2の範囲内に引き上げてさらに定電流電解を行い、陽極の酸化還元電位が+850mV〜+1100mVの範囲内に到達したとき又は陰極の酸化還元電位が±0mV〜−200mVの範囲内に到達したときに、定電圧電解に切り替える。
(b)定電流電解から定電圧電解に切り替える場合、陽極又は陰極に印加する電極間電圧を1.40V〜1.50Vの範囲内で第1の定電圧電解を行い、その第1の定電圧電解中に電流密度が0.2〜1mA/cm2(絶対値)の範囲内まで低下したときに、電極間電圧を0.2V〜0.5Vの範囲内で増した第2の定電圧電解を行い、その第2の定電圧電解中に電流密度が0.2〜1mA/cm2(絶対値)の範囲内まで低下したときに、電極間電圧を0.2V〜0.5Vの範囲内で増した第3の定電圧電解を行う。
本発明に係るバナジウム電解液の製造方法における応用例、変形例としては、例えば、第1電解セル11と、第1循環槽31及び第2循環槽41とで、レドックスフロー電池に用いる電解セルをそのまま用いることもできる。
本発明に係るバナジウム電解液は、上記したバナジウム電解液の製造方法で製造されたものであって、(A)アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、ケイ素及びクロムのうち1又は2以上の元素が合計0.4質量%未満であり、溶存酸素が0.1ppm以下の1.5mol/L〜4mol/Lの5価のバナジウムイオン含有硫酸水溶液、及び、(B)アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、ケイ素及びクロムのうち1又は2以上の元素が合計0.4質量%未満であり、溶存酸素が0.1ppm以下の1.5mol/L〜4mol/Lの2価のバナジウムイオン含有硫酸水溶液、であることに特徴がある。
純度が99.5質量%以上の酸化硫酸バナジウム(IV)水和物950gを1mol/Lの希硫酸水溶液に溶解して1Lの4価のバナジウムイオン溶液を調製した。こうして得られた4価のバナジウムイオン溶液のバナジウムイオン濃度は2.7mol/Lである。このバナジウムイオン溶液を、酸化電解用の第1循環槽31と還元電解用の第2循環槽41に入れ、その後、窒素ガスを注入させるとともに、槽内で窒素ガスをバブリングさせて、バナジウムイオン溶液中の溶存酸素を0.02ppmを上限として管理した。一方、硫酸ナトリウムを用い、純水に溶解して3mol/Lの硫酸ナトリウム溶液を1L調製した。この硫酸ナトリウム溶液を第3循環槽51に入れた。
実施例1において、溶存酸素の濃度を0.1ppmを上限として管理した他は、実施例1と同様にして、5価のバナジウムイオン溶液と2価のバナジウムイオン溶液を得た。
実施例1において、酸化硫酸バナジウム水和物の配合量を調整して、バナジウムイオン濃度が4mol/Lになるように調製した他は、実施例1と同様にして、5価のバナジウムイオン溶液と2価のバナジウムイオン溶液を得た。
実施例1〜3で得られた5価のバナジウムイオン溶液と2価のバナジウムイオン溶液を用いて循環型のレドックスフロー電池を構成した。循環時でも窒素ガスをバブリングさせて溶存酸素の濃度が0.02ppmを超えないように管理した。
実施例1〜3で得られた5価のバナジウムイオン溶液と2価のバナジウムイオン溶液を用いて非循環のレドックスノンフロー電池を構成した。二次電池の電解セルは、空気の混入がないように密閉し、溶存酸素の濃度が当初の濃度を超えないように管理した。
実施例1において、第1電解セル11は用いたが第2電解セル21は用いない電解装置を構成し、それ以外は実施例1と同様にして、5価のバナジウムイオン溶液と2価のバナジウムイオン溶液を得た。
実施例1において、純度が95質量%の酸化硫酸バナジウム(IV)水和物を用いた他は、実施例1と同様にして、5価のバナジウムイオン溶液と2価のバナジウムイオン溶液を得た。
実施例1において、溶存酸素の濃度を0.1ppmを超える程度に管理した他は、実施例1と同様にして、5価のバナジウムイオン溶液と2価のバナジウムイオン溶液を得た。
実施例1において、電解を30mA/cm2の定電流条件で行った他は、実施例1と同様にして、5価のバナジウムイオン溶液と2価のバナジウムイオン溶液を得た。
比較例2〜4で得られた5価のバナジウムイオン溶液と2価のバナジウムイオン溶液を用いて循環型のレドックスフロー電池を構成した。循環時は窒素ガス雰囲気にしなかった。
比較例2〜4で得られた5価のバナジウムイオン溶液と2価のバナジウムイオン溶液を用いて非循環のレドックスノンフロー電池を構成した。二次電池の電解セルは、空気の混入がないように密閉し、溶存酸素の濃度が当初の濃度を超えないように管理した。
実施例1〜3で得られたバナジウムイオン溶液では、スラッジが生成しなかった。また、実施例1〜3で得られたバナジウムイオン溶液を実施例4,5の各二次電池に適用して充放電を繰り返しても、スラッジが生成しなかった。
実施例1で調製したバナジウムイオン溶液32,42を用いた。そのバナジウムイオン溶液32,42を、実施例1と同じ電解装置(図2参照)に投入して循環し、溶存酸素が0.1ppm以下、通常は0.05ppm以下になるように脱気しながら酸化還元電解を行った。隔壁12にはアニオン交換膜を用い、電極(正極13及び負極14)は、有効面積が縦16cm×横16cmのカーボン電極を用いた。バナジウムイオン溶液32,42を循環させる流量は、隔膜有効面積1cm2あたりの流量として0.4mL/min・cm2とした。なお、これらも実施例1と同じである。
実施例6の第1電解工程において、正極13と負極14との間に3mA/cm2の電流密度を印加して定電流電解を行った。このときの定電流電解も、電極間電圧のリミッタ電圧を1.40Vとして行った。正極13の酸化還元電位は、電解当初は約+450mVであったが、時間の経過と共に上昇した。一方、負極14の酸化還元電位も電解当初は約+450mVであったが、時間の経過と共にマイナス側に移行した。正極13の酸化還元電位が+800mVに達した時点、又は、負極14の酸化還元電位が−50mVに達した時点で、第2ステップとして、電極間電圧を1.40Vとした定電圧電解に切り替えた。それ以降は、実施例1の第2電解工程と同じ条件で段階的な定電圧電解を行った。こうして、バナジウムイオン溶液32から5価のバナジウムイオンを含有するバナジウム電解液と、バナジウムイオン溶液42から2価のバナジウムイオンを含有するバナジウム電解液とを製造した。製造されたバナジウム電解液には、スラッジが発生していなかった。
実施例6の第1電解工程において、正極13と負極14との間に2mA/cm2の電流密度を印加して定電流電解を行った。このときの定電流電解も、電極間電圧のリミッタ電圧を1.40Vとして行った。正極13の酸化還元電位は、電解当初は約+450mVであったが、時間の経過と共に上昇した。一方、負極14の酸化還元電位も電解当初は約+450mVであったが、時間の経過と共にマイナス側に移行した。正極13の酸化還元電位が+800mVに達した時点、又は、負極14の酸化還元電位が±0mVに達した時点で、第2ステップとして、電極間電圧を1.50Vとした定電圧電解に切り替えた。1.50Vでの定電圧電解は、時間の経過と共に電流値が徐々に低下した。その電流値が電流密度換算で0.2mA/cm2以下になり、且つ併せてモニタリングしている正極13の酸化還元電位は+1100mVに達した時点、又は、負極14の酸化還元電位が−300mVに達した時点を終点とした。この実施例8では、定電流電解を1段階とし、定電圧電解も1段階とした。こうして、バナジウムイオン溶液32から5価のバナジウムイオンを含有するバナジウム電解液と、バナジウムイオン溶液42から2価のバナジウムイオンを含有するバナジウム電解液とを製造した。製造されたバナジウム電解液には、スラッジが発生していなかった。
実施例6の第1電解工程において、正極13の酸化還元電位が+800mVに達した時点又は負極14の酸化還元電位が±0mVに達した時点で、第3ステップとして、電極間電圧を1.45Vとした定電圧電解に切り替えた。なお、この切り替え時点での電極間電圧は、ほぼリミッタ電圧(1.40V)に近い値であった。1.45Vでの定電圧電解は、時間の経過と共に電流値が徐々に低下し、一方、正極13の酸化還元電位は徐々に上昇し、負極14の酸化還元電位は徐々にマイナス側に移行した。その電流値が電流密度換算で0.2mA/cm2になった時点(併せてモニタリングしている正極13の酸化還元電位が+1000mVに達していた、又は負極14の酸化還元電位が−200mVに達していた。)で、第4ステップとして電解電圧を1.55Vに切り替えた。1.55Vでの定電圧電解は、時間の経過と共に電流値が徐々に低下した。その電流値が電流密度換算で0.2mA/cm2以下になり、且つ併せてモニタリングしている酸化還元電位が+1100mVに達した時点又は負極14の酸化還元電位が−350mVに達した時点を終点とした。それ以外は、実施例6と同様にして、バナジウムイオン溶液32から5価のバナジウムイオンを含有するバナジウム電解液と、バナジウムイオン溶液42から2価のバナジウムイオンを含有するバナジウム電解液とを製造した。製造されたバナジウム電解液には、スラッジが発生していなかった。
実施例6の第1電解工程において、正極13の酸化還元電位が+800mVに達した時点又は負極14の酸化還元電位が±0mVに達した時点で、第3ステップとして、電極間電圧を1.45Vとした定電圧電解に切り替えた。なお、この切り替え時点での電極間電圧は、ほぼリミッタ電圧(1.40V)に近い値であった。1.45Vでの定電圧電解は、時間の経過と共に電流値が徐々に低下し、一方、正極13の酸化還元電位は徐々に上昇し、負極14の酸化還元電位は徐々にマイナス側に移行した。その電流値が電流密度換算で1mA/cm2を下回った時点(併せてモニタリングしている正極13の酸化還元電位が+950mVに達していた、又は負極14の酸化還元電位が−150mVに達していた。)で、第4ステップとして電解電圧を1.50Vに切り替えた。1.50Vでの定電圧電解は、時間の経過と共に電流値が徐々に低下した。その電流値が電流密度換算で1mA/cm2を下回った時点(併せてモニタリングしている正極13の酸化還元電位は+1050mVに達していた、又は負極14の酸化還元電位が−250mVに達していた。)で、第5ステップとして電解電圧を1.52Vに切り替えた。1.52Vでの定電圧電解は、時間の経過と共に電流値が徐々に低下した。その電流値が電流密度換算で1mA/cm2を下回った時点(併せてモニタリングしている正極13の酸化還元電位は+1100mVに達していた、又は負極14の酸化還元電位が−300mVに達していた。)で、第6ステップとして電解電圧を1.54Vに切り替えた。1.54Vでの定電圧電解は、時間の経過と共に電流値が徐々に低下した。その電流値が電流密度換算で0.2mA/cm2以下になり、且つ併せてモニタリングしている正極13の酸化還元電位が+1150mVに達した時点又は負極14の酸化還元電位が−350mVに達した時点を終点とした。
11 第1電解セル
12 隔膜
13 正極
14 負極
15 酸化電解室
16 還元電解室
17 電解電源
21 第2電解セル
22 隔膜
23 正極
24 負極
25 酸化電解室
26 還元電解室
27 電解電源
31 第1循環槽
32 バナジウムイオン溶液
33 仕切板
34 循環配管
41 第2循環槽
42 バナジウムイオン溶液
43 仕切板
44 循環配管
51 第3循環槽
52 電解液
53 循環配管
61 不活性ガス供給装置
62,63 液面センサ
64 温度センサ
65 その他のセンサ
66 リーク弁
67 攪拌器
68 ORP計
71,72 流量計
73,74,75 循環ポンプ
76 補助ポンプ
77,78 ポンプ
Claims (9)
- アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、ケイ素及びクロムのうち1又は2以上の元素が合計0.4質量%未満であり、溶存酸素が0.1ppm以下の4価のバナジウムイオン溶液を準備する準備工程と、
前記4価のバナジウムイオン溶液を脱気雰囲気で酸化電解して5価のバナジウムイオン溶液を得ると同時に、前記4価のバナジウムイオン溶液を脱気雰囲気で還元電解して2価のバナジウムイオン溶液を得る電解工程と、を備えることを特徴とするバナジウム電解液の製造方法。 - 前記電解工程での脱気雰囲気は、不活性ガスを流しつつ前記バナジウムイオン溶液中でバブリングさせる、請求項1に記載のバナジウム電解液の製造方法。
- 前記電解工程が第1電解セルと第2電解セルとを有し、前記第1電解セルでは前記バナジウムイオンの酸化及び還元を同じ電気量で行い、前記第2電解セルでは前記バナジウムイオンのみの酸化を前記第1電解セルでの酸化と同じ電気量で行う、請求項1又は2に記載のバナジウム電解液の製造方法。
- 前記第2電解セルでの酸化電解は、バナジウムイオン溶液以外の電解液で行う、請求項3に記載のバナジウム電解液の製造方法。
- 前記4価のバナジウムイオン溶液を、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化鉄、酸化ケイ素及び酸化クロムのうち1又は2以上が合計0.5質量%未満の酸化硫酸バナジウム水和物を溶解した硫酸水溶液を脱気して得る、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバナジウム電解液の製造方法。
- 前記電解工程は、定電流電解工程、定電圧電解工程、又は、定電流電解工程と該定電流電解工程後に定電圧電解工程とを有する複合電解工程、のいずれかである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のバナジウム電解液の製造方法。
- バナジウムイオンの酸化及び還元を同じ電気量で行うための第1電解セルと、バナジウムイオンの酸化を前記第1電解セルでの酸化と同じ電気量で行うための第2電解セルと、前記第1電解セルが備える酸化電解室で酸化反応に供されるバナジウムイオン溶液を循環させるための第1循環槽と、前記第1電解セルが備える還元電解室及び前記第2電解セルが備える還元電解室で還元反応に供されるバナジウムイオン溶液を循環させるための第2循環槽と、前記第2電解セルが備える酸化電解室で酸化反応に供されるバナジウムイオン溶液以外の電解液を循環させるための第3循環槽と、不活性ガスを前記第1循環槽内と前記第2循環槽内に供給するための不活性ガス供給装置と、で少なくとも構成されていることを特徴とするバナジウム電解液の製造装置。
- アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、ケイ素及びクロムのうち1又は2以上の元素が合計0.4質量%未満であり、溶存酸素が0.1ppm以下の1.5mol/L〜4mol/Lの5価のバナジウムイオン含有硫酸水溶液であることを特徴とするバナジウム電解液。
- アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、ケイ素及びクロムのうち1又は2以上の元素が合計0.4質量%未満であり、溶存酸素が0.1ppm以下の1.5mol/L〜4mol/Lの2価のバナジウムイオン含有硫酸水溶液であることを特徴とするバナジウム電解液。
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