JP2001093560A - レドックスフロー電池 - Google Patents

レドックスフロー電池

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JP2001093560A
JP2001093560A JP27334499A JP27334499A JP2001093560A JP 2001093560 A JP2001093560 A JP 2001093560A JP 27334499 A JP27334499 A JP 27334499A JP 27334499 A JP27334499 A JP 27334499A JP 2001093560 A JP2001093560 A JP 2001093560A
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Sumie Sekiguchi
純恵 関口
Koichi Furusato
洸一 古里
Mitsutaka Miyabayashi
光孝 宮林
Kanji Sato
完二 佐藤
Toshihiko Tanimoto
敏彦 谷本
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KASHIMAKITA KYODO HATSUDEN KK
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バナジウムレドックスフロー型二次電池は、
負極電解液の2価バナジウムが空気と接触すると酸化さ
れて、時間の経過とともに電池の蓄電容量が低下すると
いう問題があった。 【解決手段】 本発明は、隔膜によって分離されかつ液
透過性の多孔性電極が配設された正極室及び負極室に、
正極液及び負極液を通液して酸化還元反応を行い充放電
する液循環式電池であって、正極及び負極の電解液がバ
ナジウム濃度0.5mol/L〜8mol/Lである水溶液であ
り、負極液又は負極液と正極液の両方に接して空気遮断
手段を設けたバナジウムレドックスフロー型二次電池を
提供する。空気遮断手段としては、電解液表面に例えば
流動パラフィン等の非水溶性に液体層を形成させる方法
や、電解液貯槽の空間部を例えばチッソガス等の不活性
ガスで満たし、これに液体溜めやゴム状の袋を取り付け
ることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、電力貯蔵等に有
用なレドックスフロー電池、特に電解液の空気酸化を防
止し長時間の連続運転を可能とするレドックスフロー二
次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、化石燃料の大量使用による大気中
の炭酸ガス濃度の増加が著しく、地球の温暖化が大きな
問題となっている。このために、クリーンなエネルギー
源である太陽電池の開発が活発に行われているが、太陽
電池は、夜間や雨天時は発電できないため太陽電池と組
み合わせて用いる高性能な二次電池の開発が待たれてい
る。一方、従来の発電設備に於いても夜と昼とで電力需
要の差が大きく、需要のピークにあわせて発電能力を備
えねばならないため、発電設備の稼動率は低下してい
る。そのため大型の電力貯蔵電池により夜間電力を貯蔵
し、昼間活用することで運転負荷の平滑化を図り、発電
設備の稼動率を上げて効率的な運転を行うことが必要に
なってきており、大型の電力貯蔵電池の開発が待たれて
いる。さらには、電気自動車等の移動体電源に適した出
力密度の大きい二次電池の開発も待たれている。
【0003】レドックスフロー二次電池はタッピング
(需要に応じて多数の電池ユニットのうちの必要ユニッ
トを使用する方法)によって太陽電池の出力電圧に合わ
せて充電できることや、構造が比較的シンプルで大型化
しやすい等の特徴を持つために、上記の用途に適した新
型の二次電池として有望である。
【0004】レドックスフロー型二次電池とは、電池活
物質が液状であり、正極及び負極の電池活物質を液透過
型の電解槽に流通せしめ、酸化還元反応を利用して充放
電を行うものである。従来の二次電池と比べレドックス
フロー型二次電池は 次の利点を有する。 (1) 蓄電容量を大きくするためには、貯蔵容器の容量を
大きくし、活物質量を増加させるだけでよく、出力を大
きくしない限り、電解槽自体はそのままでよい。 (2) 正極、負極の電解液の活物質はそれぞれ別個の容器
に完全に分離して貯蔵できるので、活物質が電極に接し
ているようなその他のタイプの電池と異なり、自己放電
の可能性が小さい。 (3) レドックスフロー型二次電池で使用する液透過型炭
素多孔質電極においては、活物質イオンの充放電反応
(電極反応)は、単に、電極表面で電子の交換を行うのみ
で、亜鉛−臭素電池における亜鉛イオンのように電極に
電解液成分が析出することはないので、電池の反応が単
純である。
【0005】しかし、レドックスフロー型二次電池で
も、従来開発が行われてきた鉄−クロム系電池は、エネ
ルギー密度が小さく、イオン交換膜を介して鉄とクロム
が混合するなどの欠点があるために実用化にいたってい
ない。そのため正極液、負極液がともにバナジウムから
なる、いわゆる全バナジウムレドックスフロー型電池
(J.Electrochem.Soc.,133 1057(1986), 特開昭62-18647
3)が提案されており、この電池は、鉄−クロム系電池に
比し起電力が高く、エネルギー密度が大きく、また電解
液が一元素系であるたがめ隔膜を介して正極液と負極液
が相互に混合しても充電によって簡単に再生することが
でき、電池容量が低下せず,電解液を完全にクローズド
化できる等の利点を持っている。
【0006】バナジウムレドックスフロー二次電池では
電解液としてバナジウムの硫酸溶液が用いられている。
バナジウムレドックスフロー二次電池の電解セルに於け
る電極反応は以下の通りである。 正極: VO2++H2O ⇔ VO2 ++2H++e 負極: V3+ +e ⇔ V2+ 充電動作の時は右方向に、放電動作の時は逆の左方向に
反応が進行する。すなわち、充電時には正極においては
電解液中の4価のバナジウムは酸化されて5価になり、
負極においては3価のバナジウムは2価へと還元され
る。このとき電気エネルギーはイオンの価数変化により
電解液中に蓄積される。上記の反応式に示したVO2 +
2+の濃度はそのまま充電状態の活物質の濃度を表す。
そのため、電池のエネルギー密度は電解液中の活物質で
あるバナジウムの濃度に依存し、蓄電容量は電解液量の
増加により増すことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】バナジウムレドックス
フロー型二次電池においては、負極の電解液中の2価の
バナジウムイオン(V2+)が非常に酸化されやすい性質
を持っているため、空気中に放置すると空気中の酸素に
よって酸化されて3価のバナジウムに変化してしまうと
いう問題がある。電解液中の2価のバナジウムが空気酸
化されて3価になると、負極液中の充電状態の活物質の
濃度が低下するためイオンのバランスが崩れ、蓄電容量
が低下する。この低下した蓄電容量は、初期状態より酸
化状態に傾いたバナジウムイオンのバランスを還元剤で
処理する等の操作により初期状態に戻す、いわゆるリバ
ランス処理をしないと回復することができない。
【0008】そのため、従来は窒素などの不活性ガスを
負極槽、または正極槽と負極槽の両方に常に流通させる
などの方法によって2価のバナジウムの空気酸化を防止
する必要があった。しかし、実用化に際しては、不活性
ガスを常時流通するという方法は、そのための特別の設
備が必要であり、不活性ガスを使用するためにコストが
かかり、設備のメンテナンスが必要といった面から現実
的ではなく、何とかそれに代わる方法を見いだす必要が
あった。かかる状況に鑑み、本発明者等は、負極電解液
中の2価のバナジウムイオンの空気酸化に起因する蓄電
容量の低下を抑制しうる、従来行っていた不活性ガスの
常時流通に代わる簡便な方法について鋭意検討した結
果、本発明に到達したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、隔膜によって
分離されかつ液透過性の多孔性電極が配設された正極室
及び負極室に、正極液貯槽及び負極液貯槽からそれぞれ
正極液及び負極液を通液して酸化還元反応を行い充放電
する液循環式レドックスフロー型電池に於いて、正極及
び負極の電解液がバナジウム濃度0.5mol/L〜8mol
/Lである水溶液であり、負極電解液又は負極と正極電
解液の両方に接して空気遮断手段を設けることにより負
極電解液中の2価のバナジウムの空気酸化を防止したバ
ナジウムレドックスフロー型二次電池である。
【0010】また、本発明は、負極電解液中の2価のバ
ナジウムイオンの空気酸化を防止するために、負極電解
液又は負極と正極電解液の両方に接して設ける空気遮断
手段として、電解液と空気の接触面に電解液に対して化
学的に不活性な物質の層を形成したバナジウムレドック
スフロー型二次電池である。
【0011】さらに、本発明は、負極電解液中の2価の
バナジウムイオンの空気酸化を防止するために、負極電
解液又は負極と正極電解液の両方に接して設ける空気遮
断手段として、電解液と空気の接触面に電解液に対して
化学的に不活性な物質の液体層を形成したバナジウムレ
ドックスフロー型二次電池である。
【0012】さらに、本発明は、負極電解液中の2価の
バナジウムイオンの空気酸化を防止するために、負極電
解液又は負極と正極電解液に接して設ける空気遮断手段
として、密閉性を持つ負極電解液の貯槽又は負極及び正
極電解液の貯槽を不活性ガスで満たしたバナジウムレド
ックスフロー型二次電池である。
【0013】さらに、本発明は、負極電解液中の2価の
バナジウムイオンの空気酸化を防止するために、負極電
解液又は負極と正極電解液に接して設ける空気遮断手段
として、気密性を持つ電解液の貯槽及び配管を不活性ガ
スで満たし、貯槽の空間部から気密性の液体を満たした
液体溜めに配管を通じて気体の体積変動を吸収するよう
にしたバナジウムレドックスフロー型二次電池である。
【0014】さらに、本発明は、負極電解液中の2価の
バナジウムイオンの空気酸化を防止するために、負極電
解液に又は負極と正極電解液に接して設ける空気遮断手
段として、気密性を持つ電解液の貯槽及び配管を不活性
ガスで満たし、貯槽の空間部から気密性のゴム状の袋に
配管を通じて気体の体積変動を吸収するようにしたバナ
ジウムレドックスフロー型二次電池である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のバナジウムレドックスフロー二次電池は、負極
の電解液中の2価のバナジウムイオンの空気酸化に起因
する蓄電容量の低下を抑制するために、電解液に接して
空気遮断手段を設け、電解液と空気中の酸素の接触を遮
断して電解液の酸化防止を図った電池である。電解液に
接して設ける空気遮断手段としては、電解液と化学的に
不活性な物質の層を電解液に接して形成することが挙げ
られ、バナジウム電解液と層を形成する化学的に不活性
な物質としては液体状、又は気体状のものが望ましい。
この場合、負極の電解液に接して空気遮断手段を設ける
ことが必須であるが、負極及び正極の両者の電解液に接
して空気遮断手段を設けることがバナジウムの空気酸化
を防止するためにより好ましい。
【0016】電解液に接して設ける層が液体の場合に
は、例えば流動パラフィンのように以下の条件を満足す
ることが望ましい。 (1) 電解液に対して化学的に不活性で、かつ非水溶性で
電解液に溶解せず、完全に2層に分離すること。 (2)電解液よりも比重の軽い液体で、混合した時に電解
液の上部に層を形成すること。 (3)広い温度域で安定であること。 (4)揮発性が低いこと。 (5)酸素透過性でないこと。 また、このような液体を用いて電解液の表面に液体層を
形成する場合には、液体層は好ましくは0.2mm以上、
より好ましくは0.5mm以上100cm以下、更に好まし
くは0.7mm以上50cm以下、特に好ましくは1mm以上
20cm以下の厚みで電解液の表面に形成することが必要
である。
【0017】この非水溶性に液体層で電解液の表面を覆
う場合には、予め電解液を窒素ガス等の不活性ガスで十
分に脱気しておくことが好ましい。不活性ガスによる脱
気とは、具体的には不活性ガスを電解液中に吹き込み、
液中の溶存酸素を不活性ガスで置換する操作をいう。こ
の場合、負極液を脱気することが最も重要であるが、正
極液と負極液の両方を脱気すれば更に好ましい。
【0018】また、バナジウム電解液に接して設ける層
が気体の場合は、例えば窒素ガスやアルゴンガスのよう
な電解液に対して化学的な反応性のない不活性ガスが望
ましく、負極電解液貯槽、正極電解液貯槽、配管等を完
全な密閉系とし、その空間部分にあるすべての空気をこ
れらの不活性ガスで十分に置換することが望ましい。ま
た、バナジウム電解液に接して設ける層が気体の場合に
は、温度変化等により密閉系の電解液貯槽及び/又は配
管中の気体の体積変化が生ずる。このような気体の体積
変化を吸収するために、電解液貯槽の空間部から気密性
の液体を満たした液体溜め及び必要に応じて液体トラッ
プに配管を通じて接続した構成とすることが好ましい。
電解液貯槽の空間部の気体が膨張すると、電解液貯槽と
液体溜めを接続した配管中の液体が液体溜めに流入して
圧力の均衡を保つ。逆に、電解液貯槽の空間部の気体が
収縮すると、電解液貯槽と液体溜めに接続した配管中に
液体溜めから液体が流入して圧力の均衡を保つ働きをす
る。この場合、液体溜めに使用する液体としては、以下
の条件を満足することが望ましく、例えば流動パラフィ
ン、フッ素系オイル、シリコン系オイルなどが挙げられ
る。 (1)非水溶性でかつバナジウム電解液と化学的に不活性
であること。 (2)粘度が高く、温度による体積膨張率が低い。 (3)揮発性が低いこと。 (4)酸素透過性でないこと。 更に、電解液貯槽の空間部と液体溜めの間に液体トラッ
プを設置して、貯槽中の電解液が不活性ガスの流れに伴
い液体溜めに飛散するのを防止することが好ましい。こ
のように電解液貯槽を密閉系として液体溜め等によって
不活性ガスを充満させることにより、従来の不活性ガス
を流通させる方式に比べ不活性ガスの消費量を大幅に低
下させることができる。
【0019】また、バナジウム電解液に接して設ける層
が気体の場合には、温度変化等により密閉系の電解液貯
槽及び/又は配管中に体積変化が発生したときに、電解
液貯槽の空間部から気密性のゴム状の袋に配管を通じて
設けた構成とし、気体の体積変動を吸収するようにする
こともできる。
【0020】本発明のバナジウムレドックスフロー二次
電池は、正極液と負極液がバナジウムの水溶液であり、
バナジウムイオン濃度が0.5mol/L〜8mol/Lである
水溶液である。好ましくはバナジウムの濃度が、0.6
mol/L〜6.0mol/L、より好ましくは0.8mol/L〜
5.0mol/L、さらに好ましくは1.0mol/L〜4.5
mol/L、特に好ましくは1.2mol/L〜4.0mol/L、
最も好ましくは1.5mol/L〜3.5mol/Lの水溶液で
ある。バナジウムの濃度が、0.5mol/L未満だと電池
のエネルギー密度が小さくなり、8.0mol/Lを越える
と、電解液の粘度が高くなり電池セルの抵抗が高くな
り、電力効率も低いものとなる。また、電解液としては
バナジウムの硫酸水溶液が好ましく用いられ、電解液に
おける硫酸根の濃度は、好ましくは0.5mol/L〜9.
0mol/L、より好ましくは0.8mol/L〜8.5mol/
L、さらに好ましくは1.0mol/L〜8.0mol/L、特
に好ましくは1.2mol/L〜7.0mol/L、最も好まし
くは1.5mol/L〜6.0mol/Lである。
【0021】
【実施例】以下に好適な実施例について説明する。 実施例1及び比較例1:実施例1は負極電解液中の2価
のバナジウムの空気酸化を防止するために、負極電解液
上部に流動パラフィンの層を形成し、バナジウム電池用
セルを用いて下記の条件で充放電試験を行った例を示
す。また、比較例1として実施例1と同様の充放電条件
で流動パラフィンを加えず充放電試験を行った。充放電
試験は32回連続して繰り返し行い、1回の充放電が終
了するたびに電池の充電電気量を測定し、第1回目の充
電電気量に対する変化を求めた。
【0022】充放電条件:電池セル用のイオン交換膜と
して、ポリスルホン系のアニオン交換膜、電極として液
透過性の多孔質炭素電極を用いた。正極液貯槽、及び負
極液貯槽に電解液を入れ、負極液貯槽に流動パラフィン
を静かに注ぎ込んだ。このとき流動パラフィン層の厚み
は1cmであった。試験用電解液のバナジウムイオン及び
硫酸イオン濃度は、それぞれバナジウムイオンが1.8
M、硫酸イオンが4.5Mとし、セル電圧が1.30V
〜1.60Vの範囲で充放電を行った。温度は35℃一
定にした。
【0023】試験結果:充放電試験の結果を図1に示
す。比較例1は流動パラフィンは加えず、またその他の
空気酸化防止のための処理を一切行っていないため、充
放電を重ねるごとに空気中の酸素によって電解液中の2
価のバナジウムが酸化され、価数バランスに狂いが生じ
たため、電気量の著しい低下が見られた。それに比べ
て、本発明である実施例1は約30サイクルまで充放電
を繰り返しても充電電気量の低下が見られず、電解液表
面の流動パラフィンによるシール効果が見られた。
【0024】実施例2及び比較例2:実施例2は負極電
解液中の2価のバナジウムイオンの空気酸化を防止する
ために、密閉系とした負極電解液貯槽内の空気を窒素ガ
スで十分に置換し、負極液貯槽の空間部から気密性の液
体トラップ及び液体を満たした液体溜めに配管によって
接続し、この負極液貯槽と正極液貯槽及びバナジウム電
池用セルを用い、下記の条件で充放電試験を行った。液
体溜には流動パラフィンを入れ、貯槽から通じている配
管の端を流動パラフィン中に浸した。また、比較例2と
して実施例2と同様の充放電条件で窒素置換を行わず充
放電試験を行った。充放電試験は32回連続して繰り返
し行い、1回の充放電が終了するたびに電池の充電電気
量を測定し、第1回目の充電電気量に対する変化を求め
た。
【0025】充放電条件:電池セル用のイオン交換膜と
して、ポリスルホン系のアニオン交換膜、電極として液
透過性の多孔質炭素電極を用いた。試験用電解液のバナ
ジウムイオン及び硫酸イオン濃度はそれぞれバナジウム
イオンが1.8M、硫酸イオンが4.5Mとし、セル電
圧は1.30V〜1.60Vの範囲で充放電を行った。
温度は35℃一定にした。
【0026】試験結果:この充放電試験の結果を図2に
示す。比較例2は窒素ガスによる置換その他の空気酸化
防止のための処理を行っていないため、充放電を重ねる
ごとに空気中の酸素によって電解液中の2価のバナジウ
ムが酸化され、価数バランスに狂いが生じたため、電気
量の著しい低下が見られた。それに比べて、本発明であ
る実施例2は約30サイクルまで充放電を繰り返しても
充電電気量の低下が見られず、電解液貯槽の窒素ガスに
よる空気遮断効果が見られた。
【0027】
【発明の効果】本発明のレドックスフロー電池は電解液
表面に液膜を形成し、又は不活性ガスを満たすことで空
気を遮断することによって電解液中のバナジウムの酸化
による電解液の劣化を防止し、長期間にわたって充放電
を繰り返して使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、電解液表面を流動パラフィンでシー
ルした場合と流動パラフィンによる液シールをしない場
合の、充放電を繰り返した時の充電電気量の変化を示す
グラフである。
【図2】 図2は、窒素ガスで置換した場合と窒素ガス
で置換しない場合の、充放電を繰り返した時の充電電気
量の変化を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮林 光孝 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田16番地 鹿 島北共同発電株式会社V電池開発室内 (72)発明者 佐藤 完二 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田16番地 鹿 島北共同発電株式会社V電池開発室内 (72)発明者 谷本 敏彦 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田16番地 鹿 島北共同発電株式会社V電池開発室内 Fターム(参考) 5H026 AA10 CX04 CX05 EE01 EE05 EE11 EE17 HH05 RR01 5H027 AA10 BE01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隔膜によって分離されかつ液透過性の多
    孔性電極が配設された正極室及び負極室に、正極液貯槽
    及び負極液貯槽からそれぞれ正極液及び負極液を通液し
    て酸化還元反応を行い充放電する液循環式電池に於い
    て、正極及び負極の電解液がバナジウム濃度0.5mol
    /L〜8mol/Lである水溶液であり、負極液又は負極液
    と正極液の両方に接して空気遮断手段を設けることこと
    を特徴とする負極電解液中の2価のバナジウムの空気酸
    化を防止したバナジウムレドックスフロー型二次電池。
  2. 【請求項2】 空気遮断手段が、負極液貯槽の電解液表
    面又は負極液貯槽と正極液貯槽の両方の電解液表面に非
    水溶性の液体層を形成することである請求項1記載のバ
    ナジウムレドックスフロー型二次電池。
  3. 【請求項3】 不活性ガスで負極液又は正極液と負極液
    の両方を脱気した後に、負極液貯槽又は正極液と負極液
    の両貯槽の表面に非水溶性の液体層を形成することを特
    徴とする請求項2記載のバナジウムレドックスフロー型
    二次電池。
  4. 【請求項4】 非水溶性の液体層が流動パラフィンであ
    ることを特徴とする特許請求範囲2又は3記載のバナジ
    ウムレドックスフロー型二次電池。
  5. 【請求項5】 空気遮断手段が、密閉性を持つ負極液貯
    槽又は負極液と正極液の両貯槽を不活性ガスで満たすこ
    とである請求項1記載のバナジウムレドックスフロー型
    二次電池。
  6. 【請求項6】 空気遮断手段が、密閉性を持つ負極液貯
    槽又は負極液と正極液の両貯槽を不活性ガスで満たし、
    各貯槽の空間部から気密性の液体を満たした液体溜めに
    配管により接続したものである請求項1又は5記載のバ
    ナジウムレドックスフロー型二次電池。
  7. 【請求項7】 液体溜めに満たす液体が、パラフィンオ
    イル、フッ素系オイルまたはシリコンオイルのいずれか
    である請求項6記載のバナジウムレドックスフロー型二
    次電池。
  8. 【請求項8】 空気遮断手段が、密閉性を持つ負極液貯
    槽又は負極液と正極液の両貯槽及び配管を不活性ガスで
    満たし、各貯槽の空間部から気密性のゴム状の袋に配管
    を通じて接続したものである請求項1又は5記載のバナ
    ジウムレドックスフロー型二次電池。
  9. 【請求項9】 正極液と負極液が、バナジウムの硫酸水
    溶液であり、電解液における硫酸根の濃度が0.5mol
    /L〜9.0mol/Lであることを特徴とする請求項1〜
    9のいずれか1項に記載のバナジウムレドックスフロー
    型二次電池。
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Cited By (14)

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