JPWO2012141285A1 - 乳癌のバイオマーカー - Google Patents

乳癌のバイオマーカー Download PDF

Info

Publication number
JPWO2012141285A1
JPWO2012141285A1 JP2013509975A JP2013509975A JPWO2012141285A1 JP WO2012141285 A1 JPWO2012141285 A1 JP WO2012141285A1 JP 2013509975 A JP2013509975 A JP 2013509975A JP 2013509975 A JP2013509975 A JP 2013509975A JP WO2012141285 A1 JPWO2012141285 A1 JP WO2012141285A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lat1
tumor
her2
breast cancer
immunostaining
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013509975A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6075881B2 (ja
Inventor
仁 遠藤
仁 遠藤
岡安 勲
勲 岡安
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
J Pharma Co Ltd
Original Assignee
J Pharma Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by J Pharma Co Ltd filed Critical J Pharma Co Ltd
Publication of JPWO2012141285A1 publication Critical patent/JPWO2012141285A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6075881B2 publication Critical patent/JP6075881B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • G01N33/57407Specifically defined cancers
    • G01N33/57415Specifically defined cancers of breast
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

【課題】乳癌治療の指針となるマーカーの提供【解決手段】抗LAT1モノクローナル抗体を含んでなる乳癌の診断キットおよび/または診断方法。乳管内腫瘍性病変のうち、悪性である乳管内非浸潤性癌は良性である乳管内乳頭腫と比較して、LAT1が有意に高発現していることから、両病変の鑑別に抗LAT1モノクローナル抗体が有用である。また、従来の乳癌の分子標的マーカーであるER、PgR、HER2のいずれにも陰性で適切な分子標的治療方法のないトリプルネガティブ浸潤癌の多くがLAT1を高発現していたことから、LAT1は乳癌の新たな分子標的マーカーとなり、本免疫組織学的方法でLAT1発現の診断をするとともに、LAT1を対象とした分子標的治療方法の開発が有効である。【選択図】 図6

Description

本発明は、乳癌のバイオマーカー、より詳しくは乳腺腫瘍の診断キットおよび診断方法に関する。
中性アミノ酸トランスポーター[L−type amino acid transporter(LAT)]は、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、L−ドーパなどの中性アミノ酸を細胞内に取り込むための膜貫通型のタンパク質である。本発明者らは、各種のLATの探索を行ってきており、これまでLAT1およびそのアイソフォームであるLAT2、LAT3およびLAT4を見出してきた。
これらのうちLAT1は、アミノ酸輸送活性化因子4F2hcと共存することにより、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジンなどの大型の中性アミノ酸およびL−ドーパをNa非依存的に輸送する能力を有する12回膜貫通タンパク質である。また、LAT1は生体内においては胎盤、脾臓、大腸、精巣および血液・脳関門に主に発現している。また、LAT1はヒト胃印環細胞癌細胞株、肺小細胞癌細胞株、黒色腫細胞株、神経芽細胞腫瘍細胞株に発現が認められ、さらに、腎癌、膀胱癌および前立腺癌の腫瘍組織において、免疫組織化学染色により、その発現が確認されている(特許文献1、非特許文献1および非特許文献2参照)。LAT1をメルファラン、BCHなどの抑制薬によって抑制することにより、LAT1を発現する培養細胞の増殖速度が著しく低下することから、LAT1による細胞内への必須アミノ酸取り込みは細胞増殖にとって必要不可欠であり、癌細胞は本LAT1を高発現することにより正常細胞に比べ優位な栄養状態を獲得し、増殖を優位に行うことができると考えられている。
LAT2はLAT1のアイソフォームであるが、LAT1と同様、12回膜貫通構造を有し、4F2hcとの共存により大型のアミノ酸に加え、グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミンなどの小型のアミノ酸も含めた中性アミノ酸全般をNa非依存的に輸送する広い基質選択性を有する。LAT2は脳、骨格筋、腎臓、空腸、回腸、精巣および胎盤の正常組織における発現が確認されているが、腫瘍組織においてはその発現は確認されていない(特許文献2および非特許文献3参照)。LAT2の基質との親和性は、LAT1に比べ低いことから、LAT2は活発な細胞増殖を必要としない正常組織の細胞における中性アミノ酸の輸送を担っていると考えられている。
さらに、本発明者らは、L−体およびD−体アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性小型中性アミノ酸トランスポーター(特許文献3参照)、シスチン、塩基性アミノ酸および中性アミノ酸を基質とするトランスポーター(特許文献4参照)などの各種のトランスポーターも見出している。トランスポーターは、細胞が必要とする各種の物質を物質特異的に細胞に取り込むための機能を有する膜貫通型のタンパク質であり、生体組織の維持や増殖に不可決なものである。このために、各種のトランスポーターにより疾患を診断する方法も提案されている。例えば、腫瘍細胞、腫瘍組織または腫瘍を有する臓器若しくはその一部からなる試料中のタンパクの発現の有無または発現量を調べる方法(特許文献1参照)、アニオントランスポーターの抗体を使用することを特徴とする肺・胸部疾患の診断方法(特許文献5参照)、赤血球尿素トランスポーターのタンパク質若しくはその断片または核酸の定量値を指標として被験者が精神分裂病に罹患しているか否かを診断する方法(特許文献6参照)、体腔液から細胞学的調製物を調製し、膜貫通グルコーストランスポーターGLUT−1に結合する抗体を用いて、同一タイプの組織からの非悪性組織の切片から取得された組織試料でのGLUT−1発現レベルと比較して、GLUT−1を過剰発現する悪性腫瘍から良性腫瘍を識別する方法(特許文献7参照)などが報告されている。
乳癌の治療を対象としたバイオマーカーには、主に、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PgR)およびHER2(EGFR2とも呼ばれる、増殖要因の受容体)の3種類が知られている。それぞれを腫瘍組織の免疫組織化学またはFISH法で検査をして、反応を示した陽性例にはそれぞれを標的とした治療方法が選択されている。一方、これらの3種類のマーカーにいずれも陰性の乳癌(乳癌の腫瘍細胞にエストロゲンホルモン受容体、プロゲステロンホルモン受容体およびHER2の3種類のタンパク質の表現がないこと)はトリプルネガティブ乳癌と呼ばれ、全乳癌症例の12〜25%を占めると報告されている(非特許文献7〜10参照)。このトリプルネガティブ乳癌に対する適切な治療方法は未だ開発されておらず、患者の予後も既存の3マーカーいずれかに陽性の乳癌症例と比較して不良である(非特許文献9および10参照)。
また、乳管内腫瘍において、悪性の非浸潤性乳管癌(ductal carcinoma in situ;以下DCISということがある。)と、良性の乳管内乳頭腫(intraductal papilloma)との鑑別には従来のHE(ヘマトキシリン・エオジン)染色標本による病理組織診断方法が行われているが、明確な鑑別要素が明らかでなく、鑑別困難な病変が多い。そのため、より明確に判別可能なマーカーの開発が待たれている。
特開2000−157286号 特開2000−342270号 特開2001−211886号 特開2001−46070号 特開2001−228146号 特開2001−245661号 特表平11−511245号
Kanai, Y., et al., J. Biol. Chem., 273, 23629-23632, 1998 Yanagida O., et al., Biochim. Biophys. Acta., 1514(2), 291-302, 2001 Segawa, H., et al., J. Biol. Chem., 274(28), 19745-19751, 1999 Sakata T., et al., Pathol. Int. 59, 7-18, 2009 Ichinohe M., et al., Pathol. Int., 2011 in press Oda K., et al., Cancer Sci., 101, 173-179, 2010 Rakha E. A., et al., Cancer 109, 25-32, 2007 Liedtke C., et al., J. Clin. Oncol. 26, 1275-1281, 2008 Sasaki Y., et al., Breast Cancer 16, 254-259, 2009 Iwase H., et al., Breast Cancer 17, 118-124, 2010 Sinicrope F. A., et al., Cancer Res. 55, 237-241, 1995
本発明は、乳腺腫瘍の診断方法および診断キットを提供する。詳細には、第一に、本発明はER、PgR、HER2のいずれにも陰性であるトリプルネガティブ乳癌の診断キットおよび診断方法に関する。第二に、本発明は従来簡易な鑑別が困難であった乳管内腫瘍における悪性度の診断キットおよび診断方法に関する。
本発明者らは、癌細胞が特異的に使用している癌タイプアミノ酸トランスポーターに注目し、癌の分子標的癌療法の開発を目指して検索を行った。正常の細胞は主としてLAT2を使用し、癌細胞はアミノ酸取り込みの効率が良いLAT1を使用した。本発明者らは、LAT1に対するマウスモノクローナル抗体を作製し、この抗体を使用した免疫組織科学的検索方法を開発した(非特許文献4参照)。この方法によって、前立腺癌や胃癌では、LAT1高発現症例で、LAT1低発現症例に比較して、予後が有意に不良であることを認め(非特許文献4および5参照)、LAT1特異的抑制物質の開発とともに、診断と治療を一体化した対癌療法を開発している(非特許文献4〜6参照)。
本発明者らは、前述のようにLAT1が癌に高率に発現し、効率のよいアミノ酸の取り込みを行い、増殖する知見を生かし、このLAT1を対象とした乳癌の分子標的治療を目指して、抗LAT1モノクローナル抗体を使用して、乳管内腫瘍のLAT1発現について免疫組織学的に鋭意研究を行った。その結果、非浸潤性乳管癌においては乳管内乳頭腫に比べてLAT1が高く発現しており、免疫染色方法が乳管内腫瘍の良性または悪性の鑑別に有用であることを見出した。
さらに、抗LAT1モノクローナル抗体をER、PgRおよびHER2のいずれにも陰性である、いわゆるトリプルネガティブ乳癌組織に使用することによって、その17例中14例という高割合においてLAT1が高発現していることを見出した。
すなわち、本発明者らは、腎や膀胱癌に特異的な必須アミノ酸トランスポーターのLAT1、および正常細胞に存在するLAT2を見出してきた。本発明者らは、驚くべきことに抗LAT1モノクローナル抗体を用いることによって、乳管内腫瘍において腫瘍の悪性または良性の鑑別ができること、およびいわゆるトリプルネガティブの乳癌組織において高確率でLAT1が発現していることを見出した。
本発明(1)は、乳腺腫瘍の診断においてLAT1の検出、同定または定量のための、抗LAT1モノクローナル抗体を含有する診断キットに関する。
本発明(2)は、前記乳腺腫瘍が乳管内腫瘍であって、その悪性度を診断するための、前項(1)記載の診断キットに関する。
本発明(3)は、前記乳腺腫瘍が、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体およびHER2のいずれにも陰性であるトリプルネガティブの乳癌である、前項(1)記載の診断キットに関する。
本発明(4)は、エストロゲン受容体の免疫染色キット、プロゲステロン受容体の免疫染色キットおよびHER2の免疫染色キットと、LAT1の免疫染色キットからなる組み合わせを含有する、乳腺腫瘍の診断キットに関する。
本発明(5)は、被験者から摘出された乳腺組織に、抗LAT1モノクローナル抗体を接触させ、前記組織中のLAT1を検出、同定または定量する工程を含む、乳腺腫瘍の診断方法に関する。
本発明(6)は、前記乳腺腫瘍が乳管内腫瘍であって、その悪性度を診断する、前項(5)記載の診断方法に関する。
本発明(7)は、前記乳腺腫瘍が、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体およびHER2のいずれにも陰性であるトリプルネガティブの乳癌である、前項(5)記載の診断方法に関する。
本発明(8)は、エストロゲン受容体の免疫染色、プロゲステロン受容体の免疫染色、HER2の免疫染色およびLAT1の免疫染色を含有してなる、乳腺腫瘍の診断方法。
本発明(1)および(5)によると、これまで困難であった、乳腺腫瘍における治療指針を示すための診断を容易に行うことができる。すなわち、乳腺腫瘍の抗LAT1抗体を使った免疫染色で乳癌のLAT1発現を検査することにより、LAT1を標的とする乳癌の抗癌療法が有効となる。
本発明(2)および(6)によると、診断困難な乳管内腫瘍の良性(乳管内乳頭腫)または悪性(非浸潤性乳管内癌)の鑑別を容易に行うことができる。
本発明(3)および(7)によると、ER、PrGおよびHER2のいずれにも陰性であるトリプルネガティブ乳癌が予後不良のものが多かったところ、その治療指針を提供することができる。
本発明(4)および(8)によると、従来から知られるER、PgRおよびHER2に加えて抗LAT1モノクローナル抗体を合わせて用いることによって、乳癌の診断においてより精度の高い治療指針を与えることができる。
本発明において、乳腺腫瘍とは、乳腺組織に腫瘍が含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、乳管内乳頭腫、乳頭部腺腫などの良性腫瘍、非浸潤癌(非浸潤性乳管癌など)、浸潤癌[浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌、充実腺管癌、硬癌)、特殊型]、ページェット病などの悪性腫瘍が代表的なものとして挙げられる。また、乳腺腫瘍は別の分類により、悪性腫瘍である乳癌と、良性腫瘍とに分けられる。
前記乳管内腫瘍とは、乳管内に腫瘍が含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、乳管内乳頭腫(良性腫瘍)および非浸潤性乳管癌(悪性腫瘍)が代表的なものとして挙げられる。
LAT1発現強度の標準を示す。この染色度を基に、LAT1の発現度を求める。 乳管内乳頭腫と非浸潤性乳管内癌におけるLAT1発現の比較を示す。 ER、PgRおよびHER2のいずれにも陰性であるトリプルネガティブ乳癌組織においてLAT1が高く発現している例を示す。 HER2陰性の乳癌組織においてLAT1が発現している例を示す。 HER2陽性の乳癌組織においてLAT1が発現している例を示す。 乳腺腫瘍性病変におけるLAT1発現の比較を示す。
本発明で用いるLATは、細胞の増殖に必要な必須アミノ酸の細胞膜輸送能を有する機能性タンパクで、とりわけ癌細胞に特異的に発現するLATは癌の増殖を裏づける必須アミノ酸の細胞膜輸送能と一致する機能性タンパクなので、これらのLATの異なる種類からなる2種以上を用いる本発明の方法により、癌の有無だけでなく、癌の悪性度を的確に評価することが可能となる。
本発明の特徴の一つは、乳腺腫瘍の抗LAT1抗体を使った免疫染色で乳癌のLAT1発現を検査することにより、LAT1を標的とする乳癌の抗癌療法が有効になることである。
本発明における正常細胞に発現するLATとしては、例えば、LAT2が挙げられる。また、本発明における腫瘍細胞に発現するLATとしては、例えば、LAT1が挙げられる。
本発明における試料としては、ヒトなどの哺乳動物の乳腺腫瘍細胞が挙げられる。本発明における試料中のLATの検出、同定または定量としては、LATを検出、同定または定量できる方法であれば特に制限はないが、好ましい方法としては当該LATの抗体を使用する方法が挙げられる。LATの抗体としては、LATタンパクの全長またはその一部に反応性を有する抗体であり、LATに特異性があれば特に制限はないが、より精度よく行うためには特異性の高いモノクローナル抗体を使用するのが好ましい。
本発明の抗体は、公知の抗体の製造手法に準じて製造することができる。具体的には、本発明のLAT若しくはその一部(天然体、組換体、化学合成物を含む)、または該タンパクを発現している細胞を免疫原として用い、常法に従って、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ニワトリ、ウサギ、ヤギ、ヒツジなどの非ヒト哺乳動物に免疫することにより得られる天然型抗体、遺伝子組換技術を用いて製造され得る組換えキメラモノクローナル抗体および組換えヒト型モノクローナル抗体(CDR−grafted抗体)、ならびにヒト抗体産生トランスジェニック動物などを用いて製造され得るヒト抗体のいずれであってもよい。モノクローナル抗体の場合には、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEなどのいずれのアイソタイプを有するモノクローナル抗体をも包含する。好ましくは、IgGまたはIgMである。
本発明の抗体を使用する場合には、この結果を検出、同定または定量可能なシグナルとさせるために、標識化または標識化可能なものとしておくことが好ましい。本発明の標識化抗体としては、酵素、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン、アビジンまたはH、14C、125Iなどの放射性同位体などで標識してなる抗体またはこのような標識化物質と結合能を有する抗体である。
本発明の抗体を標識するための「単独でまたは他の物質と反応することにより検出可能なシグナルをもたらすことができる標識物質」とは、それらを、前記した抗体に物理的または化学的な結合などにより結合させることにより該モノクローナル抗体の存在を検出可能にするために用いられる物質を意味する。具体的には、酵素、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン、アビジン、または前記放射性同位体などである。具体的には、ペルオキシダーゼ[例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase)など]、アルカリフォスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ペニシリナーゼ、カタラーゼ、アポグルコースオキシダーゼ、ウレアーゼ、ルシフェラーゼ、若しくはアセチルコリンエステラーゼなどの酵素、フルオレスセインイソチオシアネート、フィコビリタンパク、希土類金属キレート、ダンシルクロライド若しくはテトラメチルローダミンイソチオシアネートなどの蛍光物質、H、14C、125Iなどの放射性同位体、ビオチン、アビジンまたは化学発光物質が挙げられる。
ここで、放射性同位体および蛍光物質は、単独で検出可能なシグナルをもたらすことができるが、酵素、化学発光物質、ビオチンおよびアビジンは、単独では検出可能なシグナルをもたらすことができないため、さらに1種以上の他の物質と反応することにより検出可能なシグナルをもたらすことが可能となる。例えば、酵素の場合には少なくとも基質が必要であり、酵素活性を測定する方法(比色法、蛍光法、生物発光法または化学発光法など)に依存して種々の基質が用いられる。例えば、ペルオキシダーゼの場合には、基質として過酸化水素を用いる。また、ビオチンの場合には少なくともアビジンまたは酵素修飾アビジン(例えば、ストレプトアビジン−β−ガラクトシダーゼ)を基質として反応させるのが一般的であるが、この限りではない。必要に応じてさらに該基質に依存する種々の発色物質が用いられる。例えば、ビオチンの基質としてストレプトアビジン−β−ガラクトシダーゼを用いる場合には、発色物質として4−メチル−ウンベリフェリル−β−D−ガラクトシドを用いることができる。
本発明の標識化抗体は、本発明のLATを検出、同定または定量するために用いることができ、そのための測定方法としては、慣用されている免疫組織学的技術を用いて常法に従って実施することができる(例えば、実験医学別冊、「細胞工学ハンドブック」、羊土社、201〜213頁、1992年参照)。また、本発明の標識化抗体は、前記の免疫組織学的試験だけでなく、試料中の細胞、組織または臓器若しくはその一部から、常法に従って可溶性膜タンパクを調製し、当該可溶性膜タンパクに標識化抗体を反応させることにより可溶性膜タンパク中の本発明のLATの存否を確認するウェスタンブロッティング法においても用いることができる。前記のような免疫学的測定方法においては、上記のいずれの標識物質で標識した標識化抗体をも使用可能であるが、検出感度または定量感度の高さおよび操作の利便性の点を考慮すると、ペルオキシダーゼなどの酵素またはビオチンで標識したモノクローナル抗体を用いるのが好ましい。
本発明のLATの検出、同定または定量する方法としては、前記免疫組織学的技術などにより行うことができるが、具体的には、例えば下記(1)および(2)の工程を含む方法が挙げられる。
(1)試料に本発明の標識化抗LAT抗体を接触させる工程;および
(2)当該試料中のLATに結合した標識化抗体を、当該標識化抗体に結合している標識物質の種類に応じて、蛍光、化学発光または放射活性を検出することにより測定する工程。
さらに具体的には、例えば下記のような工程を含むことができる。
(工程1)被検体から採取された試料を、パラフォルムアルデヒドなどにより固定化し、固定化試料を作製する工程;
(工程2)当該固定化試料に、ビオチンまたはペルオキシダーゼなどの酵素により標識した本発明の標識化抗体を加え抗原抗体反応を行わせる工程;
(工程3)次いで、当該固定化試料を必要に応じ洗浄した後、用いた酵素の種類に応じて種々の基質またはアビジンまたはストレプトアビジン−β−ガラクトシダーゼなどの酵素修飾アビジンを加え、該基質、アビジンまたは酵素修飾アビジンと標識抗体上の標識物質とを反応させる工程;
(工程4)工程3で酵素修飾アビジンを加えた場合には、該修飾に用いた酵素の種類に応じて種々の基質(例えば、4−メチル−ウンベリフェリル−β−D−ガラクトシドなど)を加え、アビジンに結合した酵素と基質を反応させる工程;
(工程5)必要に応じ、固定化試料を洗浄し、酵素反応および発色反応を停止させる工程;および
(工程6)固定化試料を顕微鏡下で観察することにより、比色強度、蛍光強度または発光強度を測定する工程。
本発明の検出、同定または定量方法として、免疫染色法を用いた、乳腺組織中の癌細胞の検出法を例としてさらに詳細に説明する。本発明の方法は、乳腺組織から癌細胞およびその破片を検出し、その悪性度を診断するものである。本発明の方法ではLAT1の有無を免疫染色により直接視覚的に観察することができることから、陰性または陽性の判断に特殊な能力を必要とせず、簡便にかつ確実に行うことができる。
本発明の検出、同定または定量方法の具体例としては、例えば、次の(1)〜(4)に挙げる方法が挙げられるが、特に限定されない。
(1)組織及びスメア法による癌細胞の検出
摘出組織をホルマリン固定・パラフィン包埋後に3μm厚さの組織切片を作製して、スライドガラス上に乗せる。この切片を脱パラフィン後に、それぞれアミノ酸トランスポーターに特異的に結合する抗LAT1およびLAT2抗体で処理する(一次抗体処理)。一次抗体処理後、サンプルをそれぞれの一次抗体に特異的に結合する酵素またはDAB(3,3’−ジアミノベンジジン4塩酸塩)、メチルグリーン、メイヤーズヘマトキシリンなどの蛍光色素などで標識された二次抗体により処理する(標識二次抗体処理)。酵素標識した二次抗体を用いた場合は基質溶液を加え、発色させた後、光学顕微鏡を用いて細胞を観察し陽性または陰性の判定を行う。蛍光色素により標識した二次抗体を用いる場合は二次抗体処理後、蛍光顕微鏡を用いて観察し、癌細胞の有無を判定する。なお、スメア法では、摘出細胞をそのままガラスに塗布ないし遠心分離機で分離し、細胞成分と液成分に分け、細胞成分(沈渣)について免疫染色を行う。すなわち、沈渣をスライドガラス上に塗布し、エタノール液または10%ホルマリン液などで固定した後、組織切片と同様の免疫染色を行って判定する。
(2)凍結包埋法による癌細胞の検出
摘出組織をOCTコンパウンド包埋後に液体窒素で急速凍結して、クリオスタットで薄切してスライド標本を作製する。この標本を10%ホルマリンやエタノール液などで固定後に、前記(1)に記載した方法で免疫染色を行う。摘出細胞の場合には遠心分離機で分離し、沈渣成分に10%ホルマリンで固定した後、再度遠心して、上清を捨てて細胞成分得る。細胞成分をヒートブロックなどで温めながら、2%アガロースを50μL加えて混和し、4℃下で固化させ、沈渣成分をゲル内に封入する。固化したゲルをOCTコンパウンドで封入し、凍結ブロックを作製し、凍結ブロックをクリオスタットで薄切してスライド標本を作製する。スライド標本上の細胞を定法に従って処理し、免疫組織蛍光染色を行った後、染色後の標本を蛍光顕微鏡で観察し、癌細胞の有無を判定する。
(3)摘出細胞のパラフィン包埋法による癌細胞の検出
状況に応じ、沈渣を封入したゲルを以下の方法で処理し、パラフィン標本での検査も可能である。ゲルを4%ホルマリンにより4℃で一晩処理した後、PBSで洗浄し、定法に従って脱水、透徹を行う。透徹後、ゲルを定法に従い、パラフィンに包埋してパラフィンブロックを作製する。作製したブロックをミクロトームで薄切し、スライド標本を作製する。作製したスライド標本を定法に従って脱パラフィン処理した後、免疫組織蛍光染色を行った後、染色後の標本を蛍光顕微鏡で観察し、癌細胞の有無を判定する。本方法により、乳癌組織を免疫組織化学の手法などで識別することができる。
(4)ELISA法を用いた癌細胞の検出
ELISA法を用いて、摘出組織に含まれるLATタンパクを検出することにより、摘出組織中のLATタンパク質量を数値化することができ、より定量的な判定が可能になる。サンプルを界面活性剤および超音波で処理した後、超遠心で4℃、100,000×gで遠心分離し、上清を捨ててタンパクペレットを得る。ペレットに10%BSA/PBSTを適量加えて、超音波処理により懸濁させる。これをサンプルとして、ELISA法を行う。
まず、サンプルをイムノプレートに100μL/ウェル添加し、4℃下で一晩放置する。サンプル溶液を捨て、ブロッキング溶液を添加し、室温で1時間放置する。ウェル内のブロッキング溶液を捨て、適宜希釈した抗LAT一次抗体溶液を添加して、室温で2時間放置する(この間に抗LAT抗体が、ウェルの底面の各LATタンパク質に結合する)。一次抗体液を捨て、PBSTで洗浄した後、適宜希釈した標識二次抗体を加え、室温で1時間放置する。ウェル内をPBSTで洗浄し、基質溶液を加えて発色または化学発光させ、その色素量、または発光の度合いを分光光度計またはルミノメーターで測定することにより、LATタンパク質の存在の有無を確認し、判定する。
本発明の他の特徴は、乳管内腫瘍組織中の腫瘍の悪性度を判定することができることである。本発明の試料中の乳管内腫瘍中の腫瘍の悪性度を判定する方法は、正常細胞に発現するLATを定量することにより、正常細胞の量を知ることができる。また腫瘍細胞に発現するLATを定量することにより、腫瘍細胞の量を知ることができる。しかも、これらの細胞は同種のLATを必要とするものであるから、この両者の定量値から、全体のどの程度が腫瘍細胞化しているかを知ることができる。したがって、本発明は、試料中の正常細胞に発現するLAT2を定量し、かつ腫瘍細胞に発現するLAT1を定量し、両者の定量値を比較することからなる試料中の細胞の腫瘍の悪性度を判定する方法をも提供する。
本発明の他の特徴は、乳腺腫瘍が、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体およびHER2のいずれにも陰性であるトリプルネガティブ乳癌である、乳腺腫瘍の治療指針を与えることができることである。トリプルネガティブ乳癌の大多数においてLAT1が高発現していることから、これまで治療が困難であったトリプルネガティブ乳癌にLAT1を標的とした治療が有効であることが分かる。なお、トリプルネガティブか否かにかかわらず、乳癌全般においてLAT1発現の有無を調べることにより、LAT1を標的とした治療が有効である。
本発明の他の特徴は、ER(エストロゲン受容体)の免疫染色、PgR(プロゲステロン受容体)の免疫染色およびHER2の免疫染色とLAT1の免疫染色を組み合わせることにより、乳癌の診断ができることである。本発明において、ER、PgRおよびHER2の免疫染色に加えて抗LAT1モノクローナル抗体を用いたLAT1の免疫染色を用いると、より正確に乳癌を診断することができる。ER、PgRおよびHER2の免疫染色には市販のものを用いることができる。例えば、ERおよびPgRの免疫染色にはベンタナXTシステム(ベンタナジャパン、東京、日本)を用いることができ、また、HER2の免疫染色キットとしてはDAKO EGFR pharmDx kit(Dako North America Inc.,Carpinteria,CA,USA)を用いることができるが、ER、PgRおよびHER2を測定することができる手段であれば、これらに限定されない。ERおよびPgR発現状態の有無を評価することにより、エストロゲン、プロゲステロンまたはこれらの類縁体などのホルモン療法の効果を推定することができる。HER2遺伝子発現状態の有無を評価することにより、乳癌での抗HER2薬剤の効果を推定することができる。これらと同様に、抗LAT1モノクローナル抗体を用いたLAT1の免疫染色キットによりLAT1発現状態の有無を評価することにより、LAT1トランスポーター制御剤の効果を推定することができる。これらの免疫染色は、同時に行ってもよく、それぞれ独立に行ってもよい。
(キット)
さらに本発明は、前記本発明の各方法のいずれかを行うための診断キットを提供する。すなわち本発明は、乳腺腫瘍の診断においてLAT1の検出、同定または定量のための、抗LAT1モノクローナル抗体を含有する診断キットに関する。かかる診断キットは、乳腺腫瘍が乳管内腫瘍であって、その悪性度を診断するためのものであってもよく、乳腺腫瘍がエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体およびHER2のいずれにも陰性であるトリプルネガティブ乳癌であるものであってもよい。また、本発明は、エストロゲン受容体の免疫染色キット、プロゲステロン受容体の免疫染色キットおよびHER2の免疫染色キットと、LAT1の免疫染色キットからなる組み合わせを含有する、乳腺腫瘍の診断キットにも関する。なお、本発明は、乳腺腫瘍のエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体やHER2の検索結果が陽性・陰性にかかわらず、LAT1の発現を同定するキットにも関する。
詳細には、試料中の正常細胞に発現するLAT2を検出、同定または定量するためのキット、および資料中の腫瘍細胞に発現するLAT1を検出、同定または定量するためのキットを含有してなる、被検体から採取した試料中の腫瘍細胞を検出、同定または定量するためのキットを提供する。
本発明のLATを検出、同定または定量するための診断キットは、LATを検出、同定または定量することができるための資材を含んでなり、例えば、前記の、単独でまたは他の物質と反応することにより検出可能なシグナルをもたらすことができる標識物質で標識してなる標識化抗体などを含有するものである。本発明のキットにおける、正常細胞に発現するLATを検出、同定または定量するためのキット、および腫瘍細胞に発現するLATを検出、同定または定量するためのキットは、いずれもLATを検出、同定または定量するためのキットの1種であり、定量するためには同じ種類の測定用のセットとすることが好ましいが、これに限定されるものではない。
例えば、正常細胞に発現するLAT(例えば、LAT2)を検出、同定または定量するためのキットを蛍光物質で標識化したものとし、腫瘍細胞に発現するLAT(例えば、LAT1)を検出、同定または定量するためのキットを放射性同位体で標識化したものとすることができるが、波長の異なる蛍光物質で標識化したものとは、異なる放射性同位体で標識化したものとすることが好ましい。
(実験方法)
本発明におけるLATの作用についてより具体的に説明する。まず、本発明者らは、LATの免疫組織学的検討を行った。外科的処置により摘出し、パラフィン包埋した乳腺腫瘍細胞の組織標本を脱パラフィンおよびブロッキングを行った後、最終濃度2μg/mLの抗LAT抗体(LAT1はマウス抗ヒトLAT1モノクローナル抗体(非特許文献1の23,631頁図3A参照)、LAT2はラビット抗ヒトLAT2ポリクローナル抗体(抗hEST3A−N抗体、株式会社トランスジェニック、熊本)で4℃下一晩処理する。PBSによる洗浄の後、いずれもChemMate DAKO ENVISION System Kit(DAKO ChemMate ENVISION System HRP kit)のユニバーサル抗体を添加し、室温で30分間処理後、DAB(3,3’−ジアミノベンジジン4塩酸塩)基質溶液により発色する。
この結果、LAT1抗体での癌細胞の特異的な染色が認められる一方、LAT2については特異的な染色は認められなかった。図1〜図5に抗LAT1モノクローナル抗体を用いた染色試験の結果を示す。例えば、図1は、LAT1発現強度を示す標準、図2では、悪性の非浸潤性乳管内癌におけるLAT1の発現例、図3では、トリプルネガティブ乳癌におけるLAT1の高発現例、図4ではHER2陰性である乳癌におけるLAT1の発現例、図5はHER2陽性である乳癌におけるLAT1の発現例を示す。以下、それぞれについて説明する。
図1は、LAT1発現強度の標準を示す。LAT1発現はSinicropeの方法(非特許文献11参照)を改変した方法(非特許文献4参照)により、発現の強度(intensity)[0(陰性)、1(軽度の陽性)、2(中度の陽性)および3(強度の陽性)]と発現領域の面積(area)[0(陰性)、1(局所的、10%以下)、2(部分的、10%より大、30%以下)および3(び漫性、30%より大)]の積により得られた値を評価値(スコア)とする。この染色度を基に、LAT1の発現度を求める。図1はLAT1発現強度の目安を表し、左から順に強度0、強度1、強度2、強度3を表す。
(乳管内腫瘍における悪性、良性の鑑別)
図2は、ともに乳管内腫瘍である、乳管内乳頭腫と非浸潤性乳管内癌の比較を示す。上段はHE(ヘマトキシリン・エオジン)染色、下段はLAT1免疫染色による処理を行ったものである。左上が良性である乳管内乳頭腫、右上が悪性である非浸潤性乳管内癌のHE染色写真である。左下がLAT1処理を行った乳管内乳頭腫、右下がLAT1処理を行った非浸潤性乳管内癌の写真である。図2から明らかなように、乳管内乳頭腫においては、LAT1の発現がほとんど見られない一方、非浸潤性乳管内癌の細胞膜にLAT1の強い発現が見られる。非浸潤乳管内癌群のLAT1発現スコアは、乳管内乳頭腫群のLAT1発現スコアと比較して有意に高い。したがって、LAT1をバイオマーカーとすることによって、これまで鑑別が困難であった乳管内乳頭腫と非浸潤性乳管内癌を簡便な方法で診断することができる。
乳管内腫瘍のうち、良性である乳管内乳頭腫と悪性である非浸潤乳管内癌との鑑別は組織診断上重要であり、手術的切除の必要性の判断に不可欠である。しかしながら、両腫瘍の鑑別には従来のHE染色標本による病理組織診断方法では確かな鑑別要素が明らかでなく、鑑別困難な病変が多い。本発明により、良性の乳管内乳頭腫ではLAT1発現が極めて低く、高発現していた悪性の非浸潤乳管内癌とは対照的であることが見出された。したがって、LAT1の免疫組織学的発現の評価によって、良性または悪性の鑑別が可能となる。
(トリプルネガティブ乳癌の診断)
図3は、ER(エストロゲン受容体)、PgR(プロゲステロン受容体)、HER2のいずれにも陰性であるトリプルネガティブ乳癌細胞におけるLAT1発現の所見を示す。左から順にHE(ヘマトキシリン・エオジン)染色(標準染色)、HER2、ER、PgR、LAT1で処理した場合を示す。この例は、ER、PgRおよびHER2のいずれにも陰性であったトリプルネガティブ乳癌細胞がLAT1においては強度3(高強度)の陽性を示した例である。トリプルネガティブ群17例のうち14例(約83%)がLAT1高発現(スコア6以上)していることから、LAT1がトリプルネガティブ乳癌のバイオマーカーとして有用であると考えられる。
浸潤癌の中で、トリプルネガティブ乳癌には有効な分子標的治療がこれまでなかったところ、このトリプルネガティブ乳癌群の多くにLAT1の高発現が認められた。トリプルネガティブ乳癌は臨床的に予後不良の症例が多いことから、この所見は、LAT1高発現の前立腺癌例がLAT1低発現例と比較して予後が不良であったことと一致する。従って、トリプルネガティブ乳癌に抗LAT1分子標的療法(抗LAT1抗体、LAT1トランスポーターに作用する物質など)が有用であることを示唆しており、今後LAT1を標的とした抗癌療法の導入が期待される。
図4は、浸潤性癌のうち、HER2陰性例(Hercep Testにおけるスコア0)であってLAT1陽性である乳癌の例を示す。左から順にER、PgR、HER2およびLAT1で処理した場合である。この例では、ERおよびPgRでは核に陽性、HER2では陰性、LAT1では細胞膜に中強度の陽性(強度2)を示した。
図5は、浸潤性癌のうち、HER2陽性例(Hercep Testにおけるスコア3)であってLAT1が高発現の陽性である乳癌の例を示す。左から順にHE(ヘマトキシリン・エオジン)染色、HER2で処理した場合、LAT1で処理した場合である。この結果、HER2陽性例(Hercep Testにおけるスコア3)においてLAT1抗体でも強度3(高強度)の染色が認められた。図4および図5において、浸潤性癌のうち、HER2陽性例(Hercep Testにおけるスコア3)群におけるLAT1発現スコアはHER2陰性例(Hercep Testにおけるスコア0)群と比較して有意に高かった。
以上より、LAT1は従来診断困難であった乳管内腫瘍の良性または悪性の鑑別のための新たな診断ツールとなりうる。また、LAT1はこれまでのER、PrGおよびHER2のいずれにも陰性のトリプルネガティブ乳癌の治療において極めて有望なバイオマーカーとなりうる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
参考例1 実験サンプルの抽出
本発明者らが所属する施設において2005年から2009年までに外科的に切除された乳腺の腫瘍性病変を無作為的に抽出し、乳管内乳頭腫(intraductal papilloma)10例、非浸潤性乳管癌(DCIS)10例および浸潤癌(invasive carcinoma)67例の計87例の手術材料の病理検体を使用した。このうち、ER、PgR、HER2とも陰性のトリプルネガティブ浸潤癌は17例であった。
実施例1 抗LAT抗体を用いた染色
参考例1で抽出した乳腺の腫瘍性病変についてすべて、10%ホルマリン固定パラフィン包埋ブロックを作製し、さらに腫瘍性病変の最大割面の代表的ブロックから3μmの薄切切片を作製して、5分間のマイクロウェーブによる賦活後に本発明者らが作製したマウス抗LAT1モノクローナル抗体(非特許文献1の23,631頁図3A参照)を4℃以下の温度で一晩反応させた。DAKO ChemMate ENVISION System HRP kitのユニバーサル抗体を添加し、室温で30分間反応させた後に、DAB(3,3’−ジアミノベンジジン4塩酸塩)基質溶液により発色させた。核染色にはメチルグリーンまたはメイヤーズヘマトキシリン染色を施工した。ERおよびPgRの免疫染色にはベンタナXTシステム(ベンタナジャパン、東京、日本)を用い、HER2の免疫染色はDAKO EGFR pharmDx kit(Dako North America Inc.,Carpinteria,CA,USA)により行った。なお、LAT2については、ラビット抗ヒトLAT2ポリクローナル抗体(抗hEST3A−N抗体、株式会社トランスジェニック、熊本)を使用した。
この結果、多くの乳癌細胞にはLAT1が発現しており(LAT1発現スコアは0〜9)、LAT2も軽度ながら発現していた(LAT2発現スコアは0〜3)。一方、正常細胞におけるLAT1発現スコアは0〜1であり、LAT2スコアは1〜4であった。
LAT1発現はSinicropeの方法(非特許文献11参照)を改変した方法(非特許文献4参照)により、発現の強度(intensity)[0(陰性)、1(軽度の陽性)、2(中度の陽性)、3(強度の陽性)]と発現領域の面積(area)[0(陰性)、1(局所的、10%以下)、2(部分的、10%より大、30%以下)、3(び漫性、30%より大)]の積により得られた値を評価値(スコア)とした。統計処理は、各群の平均値±標準偏差として表現し、2群間の比較はノンパラメトリック、Mann−Whitney U testによって、危険率5%以下で有意とした。
結果
実施例1の結果を図6に示す。図6は、乳腺腫瘍におけるLAT1発現の比較を示す。
(1)非浸潤性乳管内癌と乳管内乳頭腫のLAT1発現の比較
悪性の非浸潤性乳管癌(DCIS)群のLAT1発現スコアは5.1±3.2であり、良性の乳管内乳頭腫(intraductal papilloma)群の1.5±2.1と比較して有意に高かった(p=0.0156)。
(2)HER2陽性例と陰性例のLAT1発現の比較
浸潤性癌(invasive carcinoma)のうち、HER2陽性例(Hercep Testにおけるスコア3)群におけるLAT1発現スコアは6.6±2.8であり、HER2陰性例(Hercep Testにおけるスコア0)群の3.6±2.4と比較して有意に高かった(p=0.0008)。このことから、HER2陽性例はLAT1スコアが高く、細胞増殖の面から、悪性度が高いといえる。
(3)トリプルネガティブ乳癌群におけるLAT1発現
ER、PgRおよびHER2のいずれも陰性である、トリプルネガティブ乳癌群の多くはLAT1高発現症例(スコアが6以上だったのが17例のうち14例、すなわち約83%)であり、その17例のLAT1発現スコアは6.8±2.6と高値を示した。このことから、トリプルネガティブ乳癌群の多くはLAT1スコアが高く、LAT1を対象とした分子標的治療が有効であると考えられる。

Claims (8)

  1. 乳腺腫瘍の診断においてLAT1の検出、同定または定量のための、抗LAT1モノクローナル抗体を含有する診断キット。
  2. 前記乳腺腫瘍が乳管内腫瘍であって、その悪性度を診断するための、請求項1記載の診断キット。
  3. 前記乳腺腫瘍が、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体およびHER2のいずれにも陰性であるトリプルネガティブ乳癌である、請求項1記載の診断キット。
  4. エストロゲン受容体の免疫染色キット、プロゲステロン受容体の免疫染色キットおよびHER2の免疫染色キットと、LAT1の免疫染色キットからなる組み合わせを含有する、乳腺腫瘍の診断キット。
  5. 被験者から摘出された乳腺組織に、抗LAT1モノクローナル抗体を接触させ、前記組織中のLAT1を検出、同定または定量する工程を含む、乳腺腫瘍の診断方法。
  6. 前記乳腺腫瘍が乳管内腫瘍であって、その悪性度を診断する、請求項5記載の診断方法。
  7. 前記乳腺腫瘍が、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体およびHER2のいずれにも陰性であるトリプルネガティブ乳癌である、請求項5記載の診断方法。
  8. エストロゲン受容体の免疫染色、プロゲステロン受容体の免疫染色、HER2の免疫染色、およびLAT1の免疫染色を含有してなる、乳腺腫瘍の診断方法。
JP2013509975A 2011-04-15 2012-04-13 乳癌のバイオマーカー Active JP6075881B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011091378 2011-04-15
JP2011091378 2011-04-15
PCT/JP2012/060114 WO2012141285A1 (ja) 2011-04-15 2012-04-13 乳癌のバイオマーカー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012141285A1 true JPWO2012141285A1 (ja) 2014-07-28
JP6075881B2 JP6075881B2 (ja) 2017-02-08

Family

ID=47009444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013509975A Active JP6075881B2 (ja) 2011-04-15 2012-04-13 乳癌のバイオマーカー

Country Status (7)

Country Link
US (1) US9618512B2 (ja)
EP (1) EP2698634B1 (ja)
JP (1) JP6075881B2 (ja)
KR (1) KR101976219B1 (ja)
CN (1) CN103547923B (ja)
ES (1) ES2656988T3 (ja)
WO (1) WO2012141285A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103808937B (zh) * 2014-03-13 2015-11-18 广州恒泰生物科技有限公司 用于乳腺癌早中期快速诊断试剂盒及其检测方法
CN106170701A (zh) * 2014-04-08 2016-11-30 阿尔诺治疗公司 用于鉴定孕酮受体亚型的系统及方法
EP3247362A4 (en) 2014-11-17 2018-10-10 Context Biopharma Inc. Onapristone extended-release compositions and methods
JPWO2016103761A1 (ja) * 2014-12-22 2017-11-02 ジェイファーマ株式会社 癌の血中バイオマーカー
AU2016326657B2 (en) 2015-09-25 2019-10-24 Context Biopharma, Inc. Methods of making onapristone intermediates
JP6599710B2 (ja) * 2015-09-29 2019-10-30 公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 カクテル抗体
CN105238763A (zh) * 2015-10-26 2016-01-13 无锡傲锐东源生物科技有限公司 抗pr蛋白单克隆抗体杂交瘤细胞及其产生的抗pr单克隆抗体和应用
KR20180113988A (ko) 2015-12-15 2018-10-17 컨텍스트 바이오파마 인코포레이티드 비정질 오나프리스톤 조성물 및 그 제조방법
WO2018102369A1 (en) 2016-11-30 2018-06-07 Arno Therapeutics, Inc. Methods for onapristone synthesis dehydration and deprotection
CN107200779B (zh) * 2017-07-03 2020-04-03 中国农业大学 稳定过表达LAT3的β细胞株的制备方法及其应用
CN110215448B (zh) * 2018-03-02 2022-09-20 中国医学科学院基础医学研究所 一种含有转运蛋白抑制剂的药物、药物组合物及用途
JP2019158777A (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 東ソー株式会社 腫瘍マーカーならびに腫瘍細胞を夾雑細胞と区別して回収および検出する方法
IT201800004137A1 (it) * 2018-03-30 2019-09-30 Domenico Marina Di Metodo di screening in vitro per diagnosi precoce dei tumori del cavo orale e relativo kit, basato in particolare su saggio elisa
CN110376036A (zh) * 2019-07-30 2019-10-25 河南赛诺特生物技术有限公司 一种肿瘤细胞系免疫组化对照品的制备方法及肿瘤细胞系免疫组化对照品
KR20220141216A (ko) 2021-04-12 2022-10-19 연세대학교 산학협력단 유방암 진단을 위한 신규 바이오마커
CN116333115B (zh) * 2023-05-12 2023-07-28 北京纳百生物科技有限公司 一种抗孕酮的单克隆抗体、试剂盒及应用

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5698410A (en) 1995-06-07 1997-12-16 Mount Sinai School Of Medicine Of The City University Of New York Highly sensitive immunocytochemical method for diagnosis of malignant effusions
JP4689781B2 (ja) 1998-09-03 2011-05-25 独立行政法人科学技術振興機構 アミノ酸輸送蛋白及びその遺伝子
JP4326626B2 (ja) 1999-06-04 2009-09-09 独立行政法人科学技術振興機構 広い基質選択性を有する中性アミノ酸トランスポーター及びその遺伝子
JP4592131B2 (ja) 1999-08-05 2010-12-01 ジェイファーマ株式会社 シスチン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸を基質とするトランスポーター及びその遺伝子
JP2001228146A (ja) 1999-12-07 2001-08-24 Takeda Chem Ind Ltd 疾患関連遺伝子の用途
JP2001211886A (ja) 2000-02-07 2001-08-07 Japan Science & Technology Corp L−体及びd−体アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性小型中性アミノ酸トランスポーター及びその遺伝子
JP3507884B2 (ja) 2000-03-07 2004-03-15 新潟大学長 遺伝子発現を指標とする統合失調症の客観的診断法
TWI390034B (zh) * 2006-04-06 2013-03-21 Kyowa Hakko Kirin Co Ltd Novel anti-CD98 antibody
CN101680895A (zh) * 2007-02-06 2010-03-24 J制药股份有限公司 前列腺癌的恶性程度判定试剂盒和其方法
JP5745273B2 (ja) * 2007-11-30 2015-07-08 クラリエント ダイアグノスティック サービシーズ, インコーポレイテッド 化学療法のためのマーカーとしてのtle3
JP2011024537A (ja) * 2009-07-29 2011-02-10 Kinki Univ トランスポーターに対する抗体およびその用途

Also Published As

Publication number Publication date
CN103547923A (zh) 2014-01-29
ES2656988T3 (es) 2018-03-01
JP6075881B2 (ja) 2017-02-08
EP2698634B1 (en) 2017-11-08
EP2698634A4 (en) 2014-11-26
WO2012141285A1 (ja) 2012-10-18
EP2698634A1 (en) 2014-02-19
KR101976219B1 (ko) 2019-05-07
US9618512B2 (en) 2017-04-11
KR20140019833A (ko) 2014-02-17
US20140106377A1 (en) 2014-04-17
CN103547923B (zh) 2015-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6075881B2 (ja) 乳癌のバイオマーカー
JP5689133B2 (ja) 結腸直腸癌におけるpodxlタンパク質
JP5767116B2 (ja) 白金に基づく治療に対する応答の予測
DK2622348T3 (en) Means and methods for diagnosing cancer using an antibody which specifically binds to braf v600e
CN109975549B (zh) 肿瘤来源IgG在胰腺癌诊断或预后中的用途
JP2012501440A (ja) 内分泌処置予測因子としてのanlnタンパク質
JP4560314B2 (ja) 中性アミノ酸トランスポーターによる癌の検出法、及びそのためのキット
JP7432578B2 (ja) がんマーカーおよびその用途
JP5798916B2 (ja) Hmgcrタンパク質に関係する処置予測
WO2021246153A1 (ja) 膵臓がんの検出方法及び検出試薬
AU2017346940B2 (en) Prognostic method and kits useful in said method
JP2024066398A (ja) がんの検査方法、試薬、キット及び装置
JP2024003567A (ja) 膵癌又は前立腺癌の診断を補助する方法及び膵癌又は前立腺癌の診断用試薬
KR20240060024A (ko) 뇌종양 예후 예측용 바이오마커 조성물
CN111208304A (zh) 肿瘤来源IgG在甲状旁腺癌诊断和预后中的用途
US20130143231A1 (en) MST1/STK4 PHOSPHO-THREONINE 120 (pMST-T120) ANTIBODY

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160509

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161104

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20161125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6075881

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250