JPWO2012132393A1 - 非水電解質およびそれを用いた非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

本発明は、高温環境下での保存時や充放電サイクル時において、ガス発生を抑制できる二次電池用非水電解質およびそれを用いた非水電解質二次電池を提供する。本発明の二次電池用非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解した溶質と、添加剤とを含み、非水溶媒は、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートを含み、非水溶媒中のエチレンカーボネートの含有量WECが5〜20質量%であり、非水溶媒中のプロピレンカーボネートの含有量WPCが40〜60質量%であり、添加剤は、フッ素原子を含むスルトン化合物を含む。

Description

本発明は、非水電解質および非水電解質二次電池に関し、特に、エチレンカーボネート(EC)およびプロピレンカーボネート(PC)を含む非水電解質の改良に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池では、非水電解質として、LiPF6やLiBF4などのリチウム塩の非水溶媒溶液を用いる。非水溶媒としては、EC、PCなどの環状カーボネート、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネートなどが挙げられる。一般には、複数のカーボネートを併用する場合が多い。また、電池特性を向上させるために、非水電解質に添加剤を添加することも知られている。
カーボネートの中では、PCが従来から有望視されてきた。しかし、PCは、炭素材料との相性が悪く、黒鉛を用いた負極との併用が困難である。そこで、PCの代わりに、ECを非水溶媒の主成分として用いることが検討されている。
特許文献1および2では、主成分としてECを含む非水溶媒に、スルトン化合物を添加剤として加えた非水電解質が開示されている。
具体的には、特許文献1では、ECなどを含む非水溶媒に、非水電解質二次電池の充放電サイクル特性の改善を目的として、1,3−プロパンスルトンのようなスルトン化合物を添加した非水電解質を提案している。特許文献1の実施例では、例えば、1,3−プロパンスルトンと、ECと、DECとを、10:45:45の体積比で含む非水電解質が用いられている。
また、特許文献2では、ECなどを含む非水溶媒に、非水電解質二次電池の高温保存特性の改善を目的として、1,3−プロペンスルトンのような不飽和スルトン化合物を添加した非水電解質を提案している。特許文献2の実施例では、ECおよびEMCを4:6の重量比で含む非水溶媒に、1,3−プロペンスルトンを0.5〜3重量%加えた非水電解質が用いられている。
特開平11−162511号公報 特開2002−329528号公報
ECは、誘電率が高いので、リチウムイオン伝導性に優れているが、融点が比較的高く、低温では高粘度になり易い。一方、DECやEMCなどの鎖状カーボネートは、誘電率はそれほど高くないが、低粘度である。非水電解質の粘度の増加は、特に低温において顕著であり、低温では、イオン導電性が低下して、放電特性が低下し易い。そのため、特許文献1および2の実施例のように、ECは、通常、DECやEMCなどの鎖状カーボネートと組み合わせて使用される。
しかし、ECを主溶媒とする非水電解質では、高温環境下での保存時および充放電サイクル時に、正極においてECの酸化分解が起こり、CO、CO2等のガスが多量に発生する。リチウムイオン伝導性の点から、従来の非水電解質では、非水溶媒中のECの含有量が多いため、正極でのECの酸化分解に伴うガス発生が顕著になり易い。また、Niを含むリチウム含有遷移金属酸化物を正極活物質として用いる場合にも、ECの分解によるガスの発生が顕著になり易い。
特許文献1や特許文献2の非水溶媒では、ECの割合が多いものの、DECやEMCなどの鎖状カーボネートを多く添加しているため、ECの粘性に伴う低温でのレート特性の低下は、ある程度抑制できる。しかし、鎖状カーボネートの割合が多い場合、特に、高温環境下で保存したり、充放電を繰り返したりすると、多量のガスが発生し、電池の充放電容量が低下する。これは、鎖状カーボネートが、酸化分解および還元分解によりガスを発生し易いためである。
一方、PCは、電気伝導率が高く、非水電解質の非水溶媒に適しているものの、粘度が高い。また、PCは、鎖状カーボネートに比較すると、正極での耐酸化分解性が高いが、負極で還元分解を受け易い。従って、特許文献1および2のように、仮に、1,3−プロパンスルトンや1,3−プロペンスルトンを用いても、PCの還元分解を十分に抑制することができない。
本発明の目的は、高温環境下での保存時や充放電サイクル時において、ガス発生を抑制できる非水電解質およびそれを用いた非水電解質二次電池を提供することである。
本発明の一局面は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解した溶質と、添加剤とを含み、非水溶媒は、ECおよびPCを含み、非水溶媒中のECの含有量WECが5〜20質量%であり、非水溶媒中のPCの含有量WPCが40〜60質量%であり、添加剤は、フッ素原子を含むスルトン化合物を含む、二次電池用非水電解質に関する。
また、本発明の他の一局面は、正極集電体、および正極集電体の表面に形成された、正極活物質を含む正極合剤層を有する正極と、負極集電体、および負極集電体の表面に形成された、負極活物質を含む負極活物質層を有する負極と、正極と負極との間に配されるセパレータと、上記の非水電解質と、を備える、非水電解質二次電池に関する。
本発明によれば、非水電解質二次電池を高温環境下で保存した時および/または非水電解質二次電池の充放電を繰り返した時でも、ガス発生を抑制できる。
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成および内容の両方に関し、本発明の他の目的および特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の構成を概略的に示す縦断面図である。
(非水電解質)
本発明の非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解した溶質と、添加剤とを含む。非水溶媒は、ECおよびPCを含み、添加剤は、フッ素原子を含むスルトン化合物(以下、スルトン化合物A)を含む。
従来の非水電解質は、誘電率が高いECを主溶媒とするため、リチウムイオン伝導性に優れている反面、ECの含有量が多いため、特に、高温環境下での保存時や充放電サイクル時には、正極でのECの酸化分解が顕著になり、ガス発生量が多くなる。
そこで、本発明では、非水電解質の高い誘電率を維持しながら、上記のECの酸化分解を抑制するため、誘電率が高く、ECよりも酸化分解し難いPCを非水溶媒に加え、非水溶媒中のECの含有量を相対的に小さくしている。具体的に、本発明では、非水溶媒中のPCの含有量WPCを40〜60質量%と相対的に大きくし、非水溶媒中のECの含有量WECを5〜20質量%と相対的に小さくしている。
しかし、非水溶媒中のPCの含有量を大きくすると、特に、高温環境下での保存時や充放電サイクル時に、負極において、PCの還元分解が起こり、ガス発生量が多くなる。また、負極が炭素材料を含む場合、PCは炭素材料と激しく反応して、負極を劣化させる。
そこで、本発明の非水電解質には、添加剤としてスルトン化合物Aを添加している。これにより、PCの還元分解を効果的に抑制することができる。
負極のリチウムイオンの吸蔵および放出特性の観点から、非水溶媒中のECの含有量WECは、5質量%以上、好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。負極の充電受入性を維持しつつ、ECの酸化分解によるガス発生を抑制するためには、ECの含有量WECは、20質量%以下、好ましくは18質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。これらの上限値と下限値とは、任意に組み合わせてもよい。
ECの酸化分解によるガス発生の抑制、および負極の充放電特性の観点から、WECは、5〜20質量%、好ましくは7〜18質量%、さらに好ましくは10〜15質量%である。
ECの酸化分解によるガス発生を抑制するためには、非水溶媒中のPCの含有量WPCは、40質量%以上、好ましくは42質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上である。PCの還元分解によるガス発生を抑制するためには、含有量WPCは、60質量%以下、好ましくは58質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下である。これらの下限値と上限値とは、任意に組み合わせてもよい。ECの酸化分解によるガス発生の抑制およびPCの還元分解によるガス発生の抑制の観点から、WPCは、例えば40〜60質量%、好ましくは42〜58質量%、より好ましくは、45〜55質量%である。
ECの酸化分解の抑制効果およびPCの還元分解の抑制効果がバランスよく得られる点で、ECの含有量WECに対するPCの含有量WPCの比:WPC/WECは、例えば、2.25〜6、好ましくは3〜6、さらに好ましくは3〜5である。WPC/WECが2.25以上であると、特に正極でECの酸化分解によるガス発生がより有効に抑制される。WPC/WECが6以下であると、特に負極でPCの還元分解によるガス発生がより有効に抑制される。
スルトン化合物Aの分子は、−SO2−O−基を含む環(スルトン環)構造を有し、スルトン環に直接的または間接的に結合したフッ素原子を有する。スルトン化合物Aは、スルトン環を構成する炭素原子上に、炭化水素基などの置換基を有していてもよい。スルトン化合物Aが有するフッ素原子は、スルトン環を構成する炭素原子に結合していてもよく、炭化水素基などの置換基が有していてもよい。炭化水素基が、フッ素原子を有する場合、炭化水素基中の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されていればよい。
電池の充放電に伴い、負極の表面には、スルトン化合物Aに由来する安定な被膜(SIE:Solid Electrolyte Interface)が形成される。これにより、負極でのPCの還元分解や負極の劣化を抑制することができる。PCの分解電位は、リチウム基準で0.9V程度であるが、スルトン化合物Aは、1.1〜1.3Vという高い電位で被膜を形成する。そのため、スルトン化合物A由来の被膜の形成が、PCの還元分解よりも優先的に起こる。
また、従来の非水電解質では、低温環境下で電池を過充電すると、負極表面に、金属リチウムが析出する場合がある。析出した金属リチウムは、非常に不安定で、発火や発熱の原因となり、電池の安全性を損なう場合もある。特に、負極表面に金属リチウムが析出した状態で、電池を高温環境下で保存すると、析出した金属リチウムが原因で、電池が異常に発熱する場合がある。
本発明の非水電解質に含まれるスルトン化合物Aは、析出したリチウムと反応して、フッ素およびリチウムを含む安定な化合物を形成すると考えられる。そのため、低温環境下での過充電等により、負極表面にリチウムが析出した場合でも、析出したリチウムが、スルトン化合物Aにより安定化される。これにより、高温環境下で電池を保存しても、電池の異常な発熱が抑制される。すなわち、スルトン化合物Aを用いることにより、リチウムが析出したとしても、電池の異常な発熱が極めて起こり難くなり、電池の安全性が向上する。
近年、非水電解質二次電池に求められる安全性基準は極めて高くなっている。例えば、−5℃程度の低温で過充電した電池を130℃程度まで故意に加熱する試験がある。本発明の非水電解質を用いることにより、このような試験においても高い安全性が得られる。
スルトン化合物Aは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
スルトン化合物Aとしては、例えば、下記式(A):
Figure 2012132393
(式(A)中、R1a〜R6aは、それぞれ独立に、フッ素原子、水素原子、またはフッ素原子を含んでもよい炭化水素基であり、R2aとR3aとは互いに結合して、二重結合を形成してもよい。nは、R5aおよびR6aを有するメチレン基の繰り返し数を示し、1〜3の整数である。nが2または3の場合、各メチレン基が有するR5aおよびR6aは、それぞれ同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。R1a〜R6aの少なくとも1つは、フッ素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を含む炭化水素基である。)
で表される化合物が例示できる。
1a〜R6aで表される炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基などの飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基が例示できる。アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が例示できる。アルケニル基としては、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル基などの直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基が例示できる。
上記炭化水素基およびフッ素原子を有する炭化水素基において、炭化水素基の炭素数は、例えば、1〜6、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4である。
炭化水素基がフッ素原子を有する場合、その個数は、炭化水素基の炭素数に応じて、適宜選択できるが、例えば、1〜5、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1または2である。
非水電解質の粘度を低減するためには、炭化水素基は、炭素数が1〜5のアルキル基であるのが好ましく、炭素数が1〜3のアルキル基がより好ましい。
式(A)で表されるスルトン化合物のうち、R2aおよびR3aを有する飽和スルトン化合物は、下記式(A-1):
Figure 2012132393
(式(A-1)中、R1a〜R6aおよびnは、前記に同じ。)
で表すことができる。
また、式(A)で表されるスルトン化合物のうち、R2aとR3aとが互いに結合して二重結合を形成した不飽和スルトン化合物は、下記式(A-2):
Figure 2012132393
(式(A-2)中、R1a〜R6aおよびnは前記に同じ。)
で表すことができる。
上記式で表される飽和スルトン化合物および不飽和スルトン化合物は、いずれも、高温環境下での保存時および充放電サイクル時のガス発生が大幅に抑制されるとともに、非水電解質における相溶性および安定性に優れている。
式(A-1)で表される飽和スルトン化合物は、不飽和スルトン化合物に比べて、保管時に空気中の酸素により化合物がラジカル重合反応を起こして失活することがなく、取り扱いが比較的容易であるという点で有利である。
式(A-2)で表される不飽和スルトン化合物では、−SO2−O−のS原子に隣接して炭素−炭素二重結合が存在することにより、被膜形成の過程で、電子が非局在化する。そして、硫黄原子に隣接した炭素原子上にラジカル電子が安定して存在し易くなり、被膜中のポリマー構造の重合度を高めることができる。また、不飽和スルトン化合物は、飽和スルトン化合物に比べて、還元電位が高いため、負極表面に優先的に被膜が形成されやすい。そのため、不飽和スルトン化合物を用いると、負極表面でのPCの還元分解をより有効に抑制できる。なお、不飽和スルトン化合物は、リチウム基準で1.3V程度(例えば、1.2〜1.3V程度)の高い電位で被膜が形成される。
式(A)、(A-1)および(A-2)において、繰り返し数nのR5aおよびR6aを有するメチレン基の部位は、nの数に応じて、具体的には下記式(a-1)〜(a-3):
Figure 2012132393
(式(a-1)〜(a-3)中、R7a〜R12aは、前記R5aおよびR6aに対応し、それぞれ独立に、フッ素原子、水素原子、またはフッ素原子を含んでもよい炭化水素基である)
で表すことができる。
なお、式(A)および(A-1)において、「R1a〜R6aの少なくとも1つ」とは、繰り返し数nのR5aおよびR6aを有するメチレン基の部位が、式(a-1)である場合には、「R1a〜R4a、R7aおよびR8aの少なくとも1つ」であり、式(a-2)である場合には、「R1a〜R4aおよびR7a〜R10aの少なくとも1つ」、式(a-3)である場合には、「R1a〜R4aおよびR7a〜R12aの少なくとも1つ」を意味する。なお、「R1a〜R6aの少なくとも1つ」とは、式(A-2)では、式(a-1)〜(a-3)の各場合について、R2aおよびR3aを除いた上記の基のうちの少なくとも1つを意味する。
式(A)、(A-1)および(A-2)のスルトン化合物において、スルトン環が基R1a〜R6aとして有するフッ素原子およびフッ素原子を含む炭化水素基の個数の合計は、スルトン環の員数(すなわち、繰り返し数n)および二重結合の有無に応じて適宜選択でき、例えば、1〜6、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3、特に1または2である。
式(A)および(A-1)のスルトン化合物において、R1a〜R6aの少なくとも1つが、フッ素原子であるのが好ましい。また、式(A-2)のスルトン化合物においては、R1aおよびR4a〜R6aの少なくとも1つが、フッ素原子であるのが好ましい。
式(A)、(A-1)および(A-2)において、フッ素原子、およびフッ素原子を有する炭化水素基の置換位置は、特に制限されないが、例えば、R1a〜R4aの少なくとも1つ、特に、R3aおよびR4aの少なくとも1つが、フッ素原子、および/またはフッ素原子を有する炭化水素基(中でも、フッ素原子)であるのが好ましい。
式(A-2)の不飽和スルトン化合物においては、フッ素原子は、少なくとも、炭素−炭素二重結合の硫黄原子から遠い側の炭素原子に結合する(つまり、R4aがフッ素原子である)のが好ましい。このような位置にフッ素原子を有する不飽和スルトン化合物は、−SO2−O−の立体障害による影響を受けることなく、電池の熱的安定性に有利な、リチウムおよびフッ素を含む安定な化合物を含む被膜が、負極表面に形成され易い点から好ましい。
上記式(A-1)で表される飽和スルトン化合物は、具体的には、下記式(1)〜(3)で表すことができる。
Figure 2012132393
(式(1)〜(3)中、R1〜R4、R7〜R10およびR15〜R18は、前記R1a〜R4aに対応する。R5、R6、R11、R12、R19およびR20は、前記R7aおよびR8aに対応し、R13、R14、R21およびR22は、前記R9aおよびR10aに対応し、R23およびR24は、前記R11aおよびR12aに対応する。)
スルトン環の2−位にフッ素原子を有する飽和スルトン化合物を例に挙げて、式(1)〜(3)のスルトン化合物の具体例を説明すると、2−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、2−フルオロ−1,4−ブタンスルトン、2−フルオロ−1,5−ペンタンスルトンなどが例示できる。2−フルオロ−1,4−ブタンスルトンは、式(2)において、R7、R8、およびR11〜R14が水素原子であり、R9およびR10のいずれか一方がフッ素原子であり、他方が水素原子である化合物である。2−フルオロ−1,5−ペンタンスルトンは、式(3)において、R15、R16、およびR19〜R24が水素原子であり、R17およびR18のいずれか一方がフッ素原子であり、他方が水素原子である化合物である。
式(A-2)で表される不飽和スルトン化合物は、具体的には、下記式(4)〜(6)で表すことができる。
Figure 2012132393
(式(4)〜(6)中、R25、R29およびR35は、前記R1aに対応し、R26、R30およびR36は、前記R4aに対応する。R27、R28、R31、R32、R37およびR38は、前記R7aおよびR8aに対応し、R33、R34、R39およびR40は、前記R9aおよびR10aに対応し、R41およびR42は、前記R11aおよびR12aに対応する。)
スルトン環の2−位にフッ素原子を有する不飽和スルトン化合物を例に挙げて、式(4)〜(6)のスルトン化合物の具体例を説明すると、2−フルオロ−1,3−プロペンスルトン、2−フルオロ−1,4−ブテンスルトン、2−フルオロ−1,5−ペンテンスルトンなどが例示できる。2−フルオロ−1,4−ブテンスルトンは、式(5)において、R29およびR31〜R34が水素原子であり、R30がフッ素原子である化合物である。2−フルオロ−1,5−ペンテンスルトンは、式(6)において、R35およびR37〜R42が水素原子であり、R36がフッ素原子である化合物である。
より良好な被膜を形成し易い観点から、式(1)、(2)、(4)および(5)で表される化合物から選択される少なくとも一種が好ましく、これらの中でも、式(1)で表される化合物および/または式(4)で表される化合物がさらに好ましい。
式(1)で表される化合物のなかでは、特に、下記式(1a)で表される2−フルオロ−1,3−プロパンスルトンが好ましく、式(4)で表される化合物のなかでは。下記式(4a)で表される2−フルオロ−1,3−プロぺンスルトンを用いるのが好ましい。このような化合物を用いると、PC量が多い非水電解質を用いた電池の安全性を大幅に向上できる点で有利である。
Figure 2012132393
非水電解質中のスルトン化合物Aの含有量WSは、例えば、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。非水電解質中のスルトン化合物Aの含有量WSは、例えば、5質量%以下、好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。これらの下限値と上限値とは、任意に組み合わせてもよい。WSがこのような範囲である場合、PCの還元分解によるガス発生をより効果的に抑制できるとともに、負極の充電受入性および電池の安全性をより有効に向上できる上で有利である。
非水電解質二次電池の高温保存特性、充放電サイクル特性、および安全性、ならびに負極の充電受入性の観点から、非水電解質中のスルトン化合物Aの含有量WSは、例えば、0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜4質量%、より好ましくは1〜3質量%である。
非水電解質の粘度は、25℃において、例えば、2〜10mPa・sである。非水電解質二次電池のレート特性の観点からは、非水電解質の25℃における粘度は、3〜7mPa・sが好ましい。粘度は、例えば、コーンプレートタイプのスピンドルを用いて回転型粘度計により測定できる。
本発明では、粘度の高いPCを多く用いるが、非水電解質に、鎖状カーボネート等の低粘度の溶媒を加えることにより、非水電解質の粘度を、非水電解質二次電池で用いるのに適した粘度に容易に制御することができる。この場合、非水電解質の粘度を上記のような範囲に調整する観点から、非水溶媒中の鎖状カーボネートの含有量を、例えば、10〜50質量%、好ましくは20〜50質量%、さらに好ましくは30〜50質量%としてもよい。
鎖状カーボネートの中でも、非水電解質二次電池の低温環境下でのレート特性をより効果的に向上させる観点からは、特にDECが好ましい。非水溶媒中のDECの含有量WDECは、例えば、10質量%以上、好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上である。非水電解質二次電池の高温環境下での保存時および充放電サイクル時におけるDECの分解およびこれによるガス発生をより効果的に抑制する観点からは、DECの含有量WDECは、例えば、50質量%以下、好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。これらの下限値と上限値とは、任意に組み合わせることができる。DECの含有量WDECは、例えば、10〜50質量%、好ましくは15〜45質量%、より好ましくは20〜40質量%である。
ECの含有量WECに対するDECの含有量WDECの比:WDEC/WECは、例えば、1〜5、好ましくは1〜4.5、さらに好ましくは1〜4または2〜4.5である。この比WDEC/WECがこのような範囲であり、かつ比WPC/WECが前述のような範囲である非水電解質は、PCの含有量が大きく、ECおよびDECの含有量が相対的に小さい。そのため、ECおよびDECの分解反応に由来するガス発生量をより効果的に低減できる。
非水溶媒は、EC、PCおよび鎖状カーボネート以外の他の溶媒を含んでもよい。このような他の溶媒としては、特に限定されないが、例えば、EC、PC以外の環状カーボネート(ブチレンカーボネートなど);γ−ブチロラクトン等の環状カルボン酸エステル;脂肪酸アルキルエステル等が挙げられる。これらの他の溶媒は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの他の溶媒の含有量は、非水溶媒全体に対して、例えば、10質量%以下、好ましくは5質量%以下であってもよい。
非水電解質は、スルトン化合物(A)に加え、必要により、公知の添加剤、例えば、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートなどの重合性炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート;フルオロエチレンカーボネートなどのフッ素原子を有する環状カーボネート、フッ素化芳香族化合物、フッ素化エーテル等の含フッ素化合物;1,3−プロパンサルトンなどのフッ素原子を有さないサルトン化合物;スルホラン等の環状スルホン;メチルベンゼンスルホネートなどのスルホネート化合物;シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテルなどの芳香族化合物などが例示できる。これらの添加剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。これらの添加剤の含有量は、非水電解質全体に対して、例えば、10質量%以下である。
非水電解質の溶質は、特に限定されず、例えば、各種リチウム塩が使用できる。リチウム塩としては、例えば、無機酸のリチウム塩(LiPF6、LiBF4等のフッ素含有酸のリチウム塩など)、リチウムイミド化合物(LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22等のフッ素含有酸イミドのリチウム塩など)などが挙げられる。これらのリチウム塩は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
非水電解質中の溶質の濃度は、好ましくは1.0〜1.5モル/L、より好ましくは1.0〜1.2モル/Lである。
このような非水電解質は、非水電解質中に含まれる非水溶媒と正極および/または負極との反応を抑制し、非水溶媒の分解に伴うガス発生を顕著に抑制できる。そのため、本発明の非水電解質は、電池、特に、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池用の非水電解質として用いるのに適している。
(非水電解質二次電池)
本発明の非水電解質二次電池は、正極と、負極と、正極および負極の間に配されるセパレータと、上記の非水電解質を備える。
以下に、各構成要素について詳しく説明する。
(正極)
正極は、正極集電体、および正極集電体の表面に形成された、正極活物質を含む正極合剤層を含む。
正極集電体の材質としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタンなどが挙げられる。
正極集電体は、無孔の導電性基板であってもよく、複数の貫通孔を有する多孔性の導電性基板であってもよい。無孔の集電体としては、金属箔、金属シートなどが利用できる。多孔性の集電体としては、連通孔(穿孔)を有する金属箔、メッシュ体、パンチングシート、エキスパンドメタルなどが例示できる。
正極集電体の厚さは、例えば、1〜100μmである。
正極合剤層は、正極活物質に加え、例えば、導電剤および結着剤を含む。
正極活物質は、リチウム含有遷移金属複合酸化物であるのが好ましい。リチウム含有遷移金属複合酸化物の代表的な例としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiMnO2等を挙げることができる。
本発明では、ECの含有量が比較的少ないため、ECを分解させやすいニッケルを含むリチウム含有遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いる場合であっても、ガス発生を大きく抑制できる。ニッケルを含むリチウム含有遷移金属複合酸化物は、容量が高い点でも有利である。この複合酸化物に含まれるニッケルのリチウムに対するモル比が、30〜100モル%であることが好ましい。
複合酸化物は、更に、マンガンおよびコバルトよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。この場合、複合酸化物に含まれるマンガンおよびコバルトの合計のリチウムに対するモル比は70モル%以下であることが好ましい。
具体的なリチウムニッケル含有複合酸化物としては、例えば、LixNiyzMe1-(y+z)2+d(Mは、CoおよびMnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Meは、Al、Cr、Fe、Mg、およびZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、0.98≦x≦1.1、0.3≦y≦1、0≦z≦0.7、0.9≦y+z≦1、−0.01≦d≦0.01)で表される複合酸化物が挙げられる。yは、0.3≦y≦0.7、または0.5≦y≦0.95であるのが好ましい。
リチウムニッケル含有複合酸化物の具体的としては、LiNi1/2Mn1/22、LiNi1/2Fe1/22、LiNi0.8Co0.15Al0.052、LiNi1/3Mn1/3Co1/32などが例示できる。
正極活物質は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
導電剤としては、例えば、アセチレンブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維などの導電性繊維;フッ化カーボンなどが挙げられる。導電剤の割合は、正極活物質100質量部あたり、例えば、0.3〜10質量部である。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂;ポリアクリル酸メチル、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体などのアクリル樹脂;スチレン−ブタジエンゴム、アクリルゴムまたはこれらの変性体などのゴム状材料が例示できる。
結着剤の割合は、正極活物質100質量部当たり、例えば、0.3〜10質量部である。
正極合剤層は、例えば、正極活物質、導電剤、結着剤および分散媒を含む正極合剤スラリーを、正極集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要により圧延することにより形成できる。正極合剤層は、正極集電体の片面に形成してもよく、両面に形成してもよい。
正極合剤層の厚さ(正極集電体の片面あたりの厚さ)は、例えば、20〜120μmである。
分散媒としては、例えば、水、エタノールなどのアルコール、テトラヒドロフランなどのエーテル、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、またはこれらの混合溶媒などが例示できる。
正極合剤スラリーは、必要により増粘剤を含んでもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロース誘導体;ポリエチレングリコールなどのポリC2-4アルキレングリコールなどが挙げられる。
増粘剤の割合は、例えば、正極活物質100質量部当たり、例えば、0.1〜10質量部である。
(負極)
負極は、負極集電体、および負極集電体の表面に形成された、負極活物質を含む負極活物質層を含む。
負極集電体の材質としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、銅、銅合金などが挙げられる。
負極集電体の形態としては、正極集電体で例示したものと同様のものが挙げられる。また、負極集電体の厚みも、正極集電体と同様の範囲から選択できる。
負極活物質層は、負極集電体の両方の表面に形成してもよく、一方の表面に形成してもよい。負極活物質層の厚みは、例えば、10〜100μmである。
負極活物質層は、気相法による負極活物質の堆積膜でもよく、負極活物質および結着剤、必要により導電剤および/または増粘剤を含む合剤層でもよい。
堆積膜は、負極活物質を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの気相法により、負極集電体の表面に堆積させることにより形成できる。この場合、負極活物質としては、例えば、後述するケイ素、ケイ素化合物、リチウム合金などが利用できる。
負極合剤層は、負極活物質、結着剤、分散媒、必要により導電剤および/または増粘剤を含む負極合剤スラリーを調製し、負極集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要により圧延することにより形成できる。
負極活物質としては、炭素材料;ケイ素、ケイ素化合物;スズ、アルミニウム、亜鉛、及びマグネシウムから選ばれる少なくとも一種を含むリチウム合金などが例示できる。
炭素材料としては、例えば、黒鉛、コークス、黒鉛化途上炭素、黒鉛化炭素繊維、非晶質炭素などが挙げられる。非晶質炭素としては、例えば、高温(例えば、2800℃)の熱処理によって容易に黒鉛化する易黒鉛化性炭素材料(ソフトカーボン)、前記熱処理によってもほとんど黒鉛化しない難黒鉛化性炭素材料(ハードカーボン)などが含まれる。ソフトカーボンは、黒鉛のような微小結晶子がほぼ同一方向に配列した構造を有し、ハードカーボンは乱層構造を有する。
ケイ素化合物としては、例えば、ケイ素酸化物SiOα(0.05≦α≦1.95)などが挙げられる。αは、好ましくは0.1〜1.8、さらに好ましくは0.15〜1.6である。ケイ素酸化物においては、ケイ素の一部が1または2以上の元素で置換されていてもよい。このような元素としては、例えば、B、Mg、Ni、Co、Ca、Fe、Mn、Zn、C、N、Snなどが挙げられる。
負極活物質としては、炭素材料を用いるのが好ましく、負極容量を高める観点から、特に、黒鉛粒子を使用することが好ましい。黒鉛粒子とは、黒鉛構造を有する領域を含む粒子の総称である。よって、黒鉛粒子には、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化メソフェーズカーボン粒子などが含まれる。これらの黒鉛粒子は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
負極における非水溶媒の還元分解をより効果的に抑制する観点から、必要により、黒鉛粒子を、水溶性高分子で被覆したものを負極活物質として用いてもよい。
広角X線回折法で測定される黒鉛粒子の回折像は、(101)面に帰属されるピークと、(100)面に帰属されるピークとを有する。ここで、(101)面に帰属されるピークの強度I(101)と、(100)面に帰属されるピークの強度I(100)との比は、0.01<I(101)/I(100)<0.25を満たすことが好ましく、0.08<I(101)/I(100)<0.20を満たすことが更に好ましい。なお、ピークの強度とは、ピークの高さを意味する。
高エネルギー密度化の観点から、負極合剤層1cm3中に含まれる黒鉛粒子の質量は、1.3〜1.8gが好ましく、1.5〜1.8gがより好ましい。スルトン化合物Aの被膜形成能が非常に高いため、上記範囲で黒鉛粒子を密に充填し、黒鉛粒子の表面近傍に存在するスルトン化合物Aの相対的な量を少なくした場合でも、黒鉛粒子の表面に、スルトン化合物Aに由来の被膜を十分に形成することができる。
黒鉛粒子の充填性の観点から、黒鉛粒子の平均粒径(D50)は、例えば、5〜40μm、好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは14〜25μmである。平均粒径は、例えば、市販のレーザー回折式の粒度分布測定装置により測定することができる。
黒鉛粒子の充填性の観点から、黒鉛粒子の平均球形度は、例えば、0.85〜0.95、好ましくは0.90〜0.95である。平均球形度は、4πS/L2(ただし、Sは黒鉛粒子の正投影像の面積、Lは正投影像の周囲長)で表される。例えば、任意の100個の黒鉛粒子の球形度の平均が上記範囲であることが好ましい。
水溶性高分子で被覆された黒鉛粒子を負極活物質として使用する場合、負極合剤層の作製時において、黒鉛粒子は、水溶性高分子で被覆されているのが好ましい。黒鉛粒子の表面を水溶性高分子で被覆することにより、スルトン化合物Aを含む非水電解質が、負極合剤層の内部まで浸透し易くなり、黒鉛粒子の表面にほぼ均一に被膜を形成することができる。
水溶性高分子の種類は、特に限定されないが、セルロース誘導体;ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどのポリC2-4アルキレングリコールまたはこれらの誘導体(置換基を有する置換体、部分エステルなど)などが例示できる。これらのうちでも特に、セルロース誘導体、ポリアクリル酸が好ましい。
セルロース誘導体としては、メチルセルロースなどのアルキルセルロース;カルボキシメチルセルロース(CMC)などのカルボキシアルキルセルロース;CMCのNa塩などのカルボキシアルキルセルロースのアルカリ金属塩などが好ましい。アルカリ金属塩を形成するアルカリ金属としては、カリウム、ナトリウムなどが例示できる。
セルロース誘導体の重量平均分子量は、例えば、1万〜100万が好適である。ポリアクリル酸の重量平均分子量は、5000〜100万が好適である。
被覆率を適度にする観点から、負極活物質層に含まれる水溶性高分子の量は、黒鉛粒子100質量部あたり、例えば、0.5〜2.5質量部、好ましくは0.5〜1.5質量部である。
黒鉛粒子の水溶性高分子による被覆は、公知の方法により行うことができる。例えば、黒鉛粒子は、負極合剤スラリーの調製に先立って、予め水溶性高分子で処理することにより、表面を被覆してもよい。
黒鉛粒子の表面を水溶性高分子で被覆するために、以下の方法で負極を製造することが望ましい。ここでは、第1の方法および第2の方法を例示する。
まず、第1の方法について説明する。
第1の方法では、黒鉛粒子の被覆は、黒鉛粒子に、水溶性高分子の水溶液を付着させ、乾燥させることにより行うことができる。黒鉛粒子と、水と、水溶性高分子とを混合し、得られた混合物を乾燥させて、乾燥混合物とする工程(工程(a1))を含む。例えば、水溶性高分子を水中に溶解させて、水溶性高分子の水溶液を調製する。得られた水溶性高分子の水溶液と黒鉛粒子とを混合し、その後、水分を除去して、混合物を乾燥させる。このように、混合物を一旦乾燥させることにより、黒鉛粒子の表面に水溶性高分子が効率的に付着し、水溶性高分子による黒鉛粒子表面の被覆率が高められる。
水溶性高分子の水溶液の粘度は、25℃において、1〜10Pa・sに制御することが好ましい。粘度は、B型粘度計を用い、周速度20mm/sで、5mmφのスピンドルを用いて測定する。
また、水溶性高分子の水溶液100質量部と混合する黒鉛粒子の量は、50〜150質量部が好適である。
乾燥温度は80〜150℃が好ましい。乾燥時間は1〜8時間が好適である。
次に、得られた乾燥混合物と、結着剤と、分散媒とを混合し、負極合剤スラリーを調製する(工程(a2))。この工程により、水溶性高分子で被覆された黒鉛粒子の表面に、結着剤が付着する。黒鉛粒子間の滑り性が良好なため、水溶性高分子で被覆された黒鉛粒子表面に付着した結着剤は、十分なせん断力を受け、水溶性高分子で被覆された黒鉛粒子表面に有効に作用する。
そして、得られた負極合剤スラリーを、負極集電体に塗布し、乾燥させて、負極合剤層を形成することにより、負極が得られる(工程(a3))。負極合剤スラリーを負極集電体に塗布する方法は、特に限定されない。例えば、ダイコートにより、負極集電体の原反に負極合剤スラリーを所定パターンで塗布する。塗膜の乾燥温度も特に限定されない。乾燥後の塗膜は、圧延ロールで圧延し、所定の厚さに制御される。圧延工程により、負極合剤層と負極集電体との接着強度や、水溶性高分子で被覆された黒鉛粒子間の接着強度が高められる。こうして得られた負極合剤層を負極集電体とともに所定形状に裁断することにより、負極が完成する。
次に、第2の方法について説明する。
第2の方法は、黒鉛粒子と、結着剤と、水と、水溶性高分子とを混合し、得られた混合物を乾燥させて、乾燥混合物とする工程(工程(b1))を含む。例えば、水溶性高分子を水中に溶解させて、水溶性高分子の水溶液を調製する。水溶性高分子の水溶液の粘度は、第1の方法と同様でよい。次に、得られた水溶性高分子の水溶液と、結着剤と、黒鉛粒子とを混合し、その後、水分を除去して、混合物を乾燥させる。このように、混合物を一旦乾燥させることにより、黒鉛粒子の表面に水溶性高分子と結着剤とが効率的に付着する。よって、水溶性高分子による黒鉛粒子表面の被覆率が高められるとともに、水溶性高分子で被覆された黒鉛粒子の表面に結着剤が良好な状態で付着する。結着剤は、水溶性高分子の水溶液に対する分散性を高める観点から、水を分散媒とするエマルジョンの状態で水溶性高分子の水溶液と混合することが好ましい。
次に、得られた乾燥混合物と、分散媒とを混合し、負極合剤スラリーを調製する(工程(b2))。この工程により、水溶性高分子と結着剤で被覆された黒鉛粒子が、分散媒で、ある程度膨潤し、黒鉛粒子間の滑り性が良好となる。
そして、得られた負極合剤スラリーを、第1の方法と同様に、負極集電体に塗布し、乾燥させ、圧延して、負極合剤層を形成することにより、負極が得られる(工程(b3))。
第1の方法および第2の方法で、負極合剤スラリーを調製する際に用いる分散媒は、特に限定されないが、水、アルコール水溶液などが好ましく、水が最も好ましい。ただし、NMPなどを用いてもよい。
負極合剤層中の結着剤の含有量は、黒鉛粒子100質量部あたり、例えば、0.4〜1.5質量部、好ましくは0.4〜1質量部である。黒鉛粒子の表面を水溶性高分子で被覆すると、黒鉛粒子間の滑り性が向上するため、黒鉛粒子表面に付着した結着剤は、十分なせん断力を受け、黒鉛粒子表面に有効に作用する。また、粒子状で平均粒径の小さい結着剤は、黒鉛粒子の表面と接触する確率が高くなる。よって、結着剤の量が少量でも十分な結着性が発揮される。
負極合剤層の水浸透速度は、3〜40秒であることが好ましい。負極合剤層の水浸透速度は、例えば水溶性高分子の被覆量によって制御できる。負極合剤層の水浸透速度が3〜40秒であることで、スルトン化合物Aを含む非水電解質が、負極の内部まで特に浸透しやすくなる。これにより、PCの還元分解をより良好に抑制できる。負極合剤層の水浸透速度は、10〜25秒であることがより好ましい。
負極合剤層の水浸透速度は、例えば以下の方法で25℃の環境下で測定する。
2μlの水を滴下して、液滴を負極合剤層の表面に接触させる。負極合剤層表面に対する水の接触角θが10°より小さくなるまでの時間を測定することで、負極合剤層の水浸透速度が求められる。負極合剤層表面に対する水の接触角は、市販の接触角測定装置(例えば、協和界面科学(株)製のDM−301)を用いて測定すればよい。
負極合剤スラリーに使用される結着剤、分散媒、導電剤および増粘剤としては、正極合剤スラリーの項で例示したものと同様のものが使用できる。
結着剤としては、粒子状でゴム弾性を有するものが好ましい。このような結着剤としては、スチレン単位およびブタジエン単位を含む高分子(スチレン−ブタジエンゴム(SBR)など)が好ましい。このような高分子は、弾性に優れ、負極電位で安定である。
粒子状の結着剤の平均粒径は、例えば、0.1〜0.3μm、好ましくは0.1〜0.25μmである。なお、結着剤の平均粒径は、例えば、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、加速電圧200kV)により、10個の結着剤粒子のSEM写真を撮影し、これらの最大径の平均値として求めることができる。
結着剤の割合は、負極活物質100質量部に対して、例えば、0.4〜1.5質量部、好ましくは0.4〜1質量部である。負極活物質として、水溶性高分子で被覆した黒鉛粒子を用いる場合、負極活物質粒子間の滑り性が高いため、負極活物質粒子表面に付着した結着剤は、十分なせん断力を受け、負極活物質粒子表面に有効に作用する。また、粒子状で平均粒径の小さい結着剤は、負極活物質粒子の表面と接触する確率が高くなる。よって、結着剤の量が少量でも十分な結着性が発揮される。
導電剤の割合は、特に制限されず、例えば、負極活物質100質量部に対して0〜5質量部である。増粘剤の割合は、特に制限されず、例えば、負極活物質100質量部に対して0〜10質量部である。
負極は、正極の作製方法に準じて作製できる。負極活物質層の厚みは、例えば、30〜110μmである。
負極活物質層は、負極集電体の片面に形成してもよく、両面に形成してもよい。負極活物質層の厚さ(負極集電体の片面あたりの厚さ)は、例えば、20〜120μmである。
(セパレータ)
セパレータとしては、樹脂製の、微多孔フィルム、不織布または織布などが使用できる。セパレータを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリアミド;ポリアミドイミド;ポリイミド;セルロースなどが例示できる。
セパレータの厚みは、例えば、5〜100μm、好ましくは10〜30μmである。
(その他)
非水電解質二次電池の形状は、特に制限されず、円筒形、扁平形、コイン形、角形などであってもよい。
非水電解質二次電池は、電池の形状などに応じて、慣用の方法により製造できる。円筒形電池または角形電池では、例えば、正極と、負極と、これらの間に配されるセパレータとを捲回して電極群を形成し、電極群および非水電解質を電池ケースに収容することにより製造できる。
電極群は、捲回したものに限らず、積層したもの、またはつづら折りにしたものであってもよい。電極群の形状は、電池または電池ケースの形状に応じて、円筒形、捲回軸に垂直な端面が長円形である扁平形であってもよい。
電池ケース材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金(マンガン、銅等などの金属を微量含有する合金など)、鋼鈑などが使用できる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
(1)負極の作製
工程(i)
水溶性高分子としてのCMC(分子量40万)を水に溶解し、CMC濃度1.0質量%の水溶液を得た。天然黒鉛粒子(平均粒径20μm、平均球形度0.95)100質量部と、CMC水溶液100質量部とを混合し、混合物の温度を25℃に制御しながら攪拌した。その後、混合物を150℃で5時間乾燥させ、乾燥混合物を得た。乾燥混合物において、黒鉛粒子100質量部あたりのCMC量は1.0質量部であった。
工程(ii)
工程(i)で得られた乾燥混合物100質量部と、結着剤としての粒子状のSBR(平均粒径0.12μm)0.6質量部と、CMC0.9質量部と、適量の水とを混合し、負極合剤スラリーを調製した。なお、SBRは、水を分散媒とするエマルジョン(日本ゼオン(株)製のBM−400B(商品名)、SBR含有量:40質量%)の状態で他の成分と混合した。
工程(iii)
得られた負極合剤スラリーを、負極集電体である電解銅箔(厚さ12μm)の両面にダイコートにより塗布し、塗膜を形成した。塗膜を120℃で乾燥した後、圧延ローラを用いて乾燥塗膜を線圧250kg/cmで圧延し、負極合剤層(厚さ160μm、黒鉛密度1.65g/cm3)を形成した。負極合剤層を負極集電体とともに所定形状に裁断することにより、負極を得た。
(2)正極の作製
正極活物質である100質量部のLiNi0.80Co0.15Al0.052に対し、結着剤であるPVDFを4質量部と、導電剤であるアセチレンブラック8質量部とを添加し、適量のNMPとともに混合し、正極合剤スラリーを調製した。得られた正極合剤スラリーを、正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に、ダイコートにより塗布し、塗膜を形成した。塗膜を120℃で乾燥した後、圧延ローラを用いて乾燥塗膜を線圧1800kg/cmで圧延し、正極合剤層(厚さ140μm)を形成した。正極合剤層を正極集電体とともに所定形状に裁断することにより、正極を得た。
(3)非水電解質の調製
ECと、PCと、DECとの混合溶媒に、スルトン化合物を加え、さらにLiPF6を溶解させることにより、非水電解質を調製した。スルトン化合物としては、式(1a)で表される化合物(以下、化合物(1a))を用いた。非水電解質中のECと、PCと、DECと、化合物(1a)との質量比を、10:50:40:1とした。非水電解質中のLiPF6の濃度を1モル/リットルとした。
回転粘度計(コーンプレートの半径:24mm)によって25℃における非水電解質の粘度を測定した。25℃における非水電解質の粘度は、5.4mPa・sであった。
(4)電池の組み立て
図1に示すような角型リチウムイオン二次電池を作製した。
負極と正極とを、これらの間に厚さ20μmのポリエチレン製の微多孔性フィルムからなるセパレータ(セルガード(株)製のA089(商品名))を介して捲回し、断面が略楕円形の電極群21を構成した。電極群21はアルミニウム製の角型の電池缶20に収容した。電池缶20は、底部と、側壁とを有し、上部は開口しており、その形状は略矩形である。側壁の主要平坦部の厚みは80μmとした。
その後、電池缶20と正極リード22または負極リード23との短絡を防ぐための絶縁体24を、電極群21の上部に配置した。次に、絶縁ガスケット26で囲まれた負極端子27を中央に有する矩形の封口板25を、電池缶20の開口に配置した。負極リード23は、負極端子27と接続した。正極リード22は、封口板25の下面と接続した。開口の端部と封口板25とをレーザーで溶接し、電池缶20の開口を封口した。その後、封口板25の注液孔から2.5gの非水電解質を電池缶20に注入した。最後に、注液孔を封栓29で溶接により塞ぎ、高さ50mm、幅34mm、内空間の厚み約5.2mm、設計容量850mAhの角型リチウムイオン二次電池(電池1)を完成させた。
《実施例2》
スルトン化合物として、化合物(1a)に代えて、式(4a)で表される化合物(以下、化合物(4a))を用いる以外は、実施例1と同様の方法により電池2を作製した。
《比較例1》
スルトン化合物として、化合物(1a)に代えて、1,3−プロパンスルトンを用いる以外は、実施例1と同様の方法により電池3を作製した。
《比較例2》
スルトン化合物として、化合物(4a)に代えて、1,3−プロペンスルトンを用いた以外、実施例1と同様の方法により電池4を作製した。
実施例1〜2および比較例1〜2の電池について、以下の評価を行った。
[評価]
(1)充放電サイクル時の容量維持率の評価
45℃で、電池の充放電サイクルを繰り返した。充放電サイクルにおいて、充電処理では、600mAで、電圧が4.2Vになるまで定電流充電し、次いで4.2Vの電圧で、定電圧充電を行った。充電処理の時間は、定電流充電および定電圧充電の合計で2時間30分であった。また、充電処理後の休止時間を10分とした。一方、放電処理では、850mAで、電圧が2.5Vになるまで定電流放電を行った。放電処理後の休止時間を、10分とした。
3サイクル目および500サイクル目の放電容量を求め、3サイクル目の放電容量を100%とみなし、500サイクル目の放電容量を、充放電サイクル時の容量維持率X(%)として算出した。
(2)充放電サイクル時の電池膨れ(ガス発生)の評価
上記(1)と同様の条件で、電池の充放電サイクルを繰り返し、3サイクル目の充電後における状態と、501サイクル目の充電後における状態とで、電池の縦50mm×横34mmの平面の中央部分において、この平面に垂直な方向における電池の厚みを測定した。その電池厚みの差から、充放電サイクル後における電池膨れの量(mm)を求めた。
(3)高温保存時の容量維持率の評価
各実施例または比較例について、同じ仕様の電池を2個準備した。
一方の電池については、25℃で、電池を充放電した。充電処理では、600mAで、電圧が4.2Vになるまで定電流充電し、次いで4.2Vの電圧で、定電圧充電を行った。充電処理の時間は、定電流充電および定電圧充電の合計で2時間30分であった。また、充電処理後の休止時間を10分とした。一方、放電処理では、170mAで、電圧が2.5Vになるまで定電流放電を行った。この放電時の放電容量を求め、保存前の放電容量とした。
他方の電池を、上記と同様の条件で充電した後、85℃で3日間保存した。保存後の電池を25℃環境下で6時間放置した後、上記と同様の条件で放電した。再度、上記と同様の条件で、充電と放電とを行った。この放電時の放電容量を求め、保存後の放電容量とした。
保存前の放電容量を100%とみなし、保存後の放電容量を、高温保存時の容量維持率Y(%)として算出した。
(4)高温保存時の電池膨れ(ガス発生)の評価
上記(3)における保存前および保存後の充電時の電池について、電池の縦50mm×横34mmの平面の中央部分において、この平面に垂直な方向における電池の厚みを測定した。その電池厚みの差から、高温保存後における電池膨れの量(mm)を求めた。
(5)電池の安全性評価
各電池に対して、上記(1)と同じ条件で充放電を25℃の環境下で3サイクル実施した。次に、4サイクル目の充電を、−5℃の環境下において、600mAで、電圧が4.25Vになるまで定電流充電し、次いで4.25Vの電圧で定電圧充電を行った。4サイクル目の充電時間は、2時間30分とした。その後、5℃/分で130℃まで電池を昇温させた後、130℃にて3時間保持した。この時の電池表面の温度を、熱電対を用いて測定し、その最大値を求めた。
評価結果を表1に示す。
Figure 2012132393
実施例1および2の電池1および2は、比較例1および2の電池3および4と比べて、優れた充放電サイクル特性、高温保存特性、および安全性を示した。
実施例の電池で、電池膨れが小さくなったのは、負極でのPCおよびDECの還元分解が抑制されたことにより、ガスの発生が低減されたことによるものと考えられる。特に、実施例で使用したスルトン化合物は、比較例で使用したスルトン化合物に比べて、還元電位が高いため、実施例では、PCの還元電位よりも高い電位で、負極表面に被膜がスムーズに形成されたたことにより、負極でのPCの還元分解が有効に抑制されたと考えられる。
また、比較例では、低温環境下での過充電により、負極表面にリチウムが析出した状態で、電池を130℃で保存したことにより、発熱が顕著となったため、電池表面温度の最大値が高くなっている。これに対し、実施例では、電池表面温度の最大値が、保存温度と実質的に変わらない。これは、実施例の電池では、フッ素原子を含むスルトン化合物により、析出したリチウムが安定化されたため、発熱が抑制されたと考えられる。
《実施例2》
非水電解質中のスルトン化合物の含有量WSを、表2に示す値に変更した。非水溶媒であるEC、PC、およびDECの質量比を、1:5:4とした。
上記以外、実施例1と同様の方法により、それぞれ電池11〜19を作製し、評価した。電池11は比較例である。
評価結果を表2に示す。なお、表2中の3サイクル目の放電容量(指数)は、各電池の充放電サイクル試験での3サイクル目の放電容量を、電池15の3サイクル目の放電容量を100とした指数として表した。
Figure 2012132393
非水電解質がスルトン化合物Aを含まない電池11では、被膜が十分に形成されず、PCの還元分解を十分に抑制できないため、充放電できなかった。
それに対し、電池12〜19では、電池11と比べて、充放電サイクル特性、高温保存特性、および安全性が向上した。
これは、非水電解質が、フッ素原子を含むスルトン化合物を含むことにより、電池1と同様の効果が、スルトン化合物の含有量に応じて得られることによると考えられる。これらの電池のうち、電池13〜18では、より優れた充放電サイクル特性、高温保存特性、および安全性が得られた。各電池の3サイクル目の放電容量を対比すると、電池13〜18では、高い放電容量が得られた。そのため、フッ素原子を含むスルトン化合物の非水電解質中の含有量は、0.1〜5質量%の範囲であるのが好ましい。
《実施例3》
非水溶媒中のPCの含有量WPCを、表3に示す値に変更し、ECとDECとの質量比を、10:30とした。スルトン化合物Aは、EC、PCおよびDECの合計質量100に対して、1となるような含有量で使用した。
上記以外、実施例1と同様の方法により、それぞれ電池21〜29を作製し、評価した。電池21、22および29は比較例である。
評価結果を表3に示す。
Figure 2012132393
電池23〜28は、優れた充放電サイクル特性、高温保存特性、および安全性を示した。
電池29では、PC量が過度に多くなり、PCの還元分解によるガス発生量が多くなり、容量維持率XおよびYが低下した。電池21および22では、PC量が過度に少なくなり、ECやDECの酸化分解によるガス発生量が多くなり、容量維持率XおよびYが低下した。
《実施例4》
非水溶媒中のECの含有量WECを、表4に示す値に変更し、PCとDECとの質量比を、50:40とした。スルトン化合物Aは、EC、PCおよびDECの合計質量100に対して、1となるような含有量で使用した。
上記以外、実施例1と同様の方法により、それぞれ電池31〜39を作製し、評価した。電池31、32および39は比較例である。
評価結果を表4に示す。
Figure 2012132393
電池33〜38は、優れた充放電サイクル特性、高温保存特性、および安全性を示した。
電池31および32では、EC量が過度に少ないため、充放電できなかった。電池39では、EC量が過度に多くなり、ECの酸化分解によるガス発生量が多くなり、容量維持率XおよびYが低下した。
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形および改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、すべての変形および改変を包含する、と解釈されるべきものである。
本発明によれば、非水電解質二次電池を高温環境下で保存した時および/または非水電解質二次電池の充放電を繰り返した時でも、ガス発生を抑制できる。そのため、本発明の非水電解質は、携帯電話、パソコン、デジタルスチルカメラ、ゲーム機器、携帯オーディオ機器などの電子機器類に使用される二次電池用の非水電解質として有用である。
20 電池缶
21 電極群
22 正極リード
23 負極リード
24 絶縁体
25 封口板
26 絶縁ガスケット
27 負極端子
29 封栓

Claims (13)

  1. 非水溶媒と、前記非水溶媒に溶解した溶質と、添加剤とを含み、
    前記非水溶媒は、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートを含み、
    前記非水溶媒中の前記エチレンカーボネートの含有量WECが5〜20質量%であり、
    前記非水溶媒中の前記プロピレンカーボネートの含有量WPCが40〜60質量%であり、
    前記添加剤は、フッ素原子を含むスルトン化合物を含む、非水電解質。
  2. 前記スルトン化合物が、下記式(A):
    Figure 2012132393
    (式(A)中、R1a〜R6aは、それぞれ独立に、フッ素原子、水素原子、またはフッ素原子を含んでもよい炭化水素基であり、R2aとR3aとは互いに結合して、二重結合を形成してもよい。nは、R5aおよびR6aを有するメチレン基の繰り返し数を示し、1〜3の整数である。nが2または3の場合、各メチレン基が有するR5aおよびR6aは、それぞれ同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。R1a〜R6aの少なくとも1つは、フッ素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を含む炭化水素基である。)
    で表される化合物である、請求項1に記載の非水電解質。
  3. 前記スルトン化合物が、下記式(1):
    Figure 2012132393
    (式(1)中、R1〜R6は、それぞれ独立に、フッ素原子、水素原子、またはフッ素原子を含んでもよい炭化水素基であり、かつR1〜R6の少なくとも1つは、フッ素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を含む炭化水素基である。)で表される化合物、
    下記式(2):
    Figure 2012132393
    (式(2)中、R7〜R14は、それぞれ独立に、フッ素原子、水素原子、またはフッ素原子を含んでもよい炭化水素基であり、かつR7〜R14の少なくとも1つは、フッ素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を含む炭化水素基である。)で表される化合物、および
    下記式(3):
    Figure 2012132393
    (式(3)中、R15〜R24は、それぞれ独立に、フッ素原子、水素原子、またはフッ素原子を含んでもよい炭化水素基であり、かつR15〜R24の少なくとも1つは、フッ素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を含む炭化水素基である。)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載の非水電解質。
  4. 前記スルトン化合物は、下記式(1a):
    Figure 2012132393
    で表される化合物である、請求項1記載の非水電解質。
  5. 前記スルトン化合物が、下記式(4):
    Figure 2012132393
    (式(4)中、R25〜R28は、それぞれ独立に、フッ素原子、水素原子、またはフッ素原子を含んでもよい炭化水素基であり、かつR25〜R28の少なくとも1つは、フッ素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を含む炭化水素基である。)で表される化合物、
    下記式(5):
    Figure 2012132393
    (式(5)中、R29〜R34は、それぞれ独立に、フッ素原子、水素原子、またはフッ素原子を含んでもよい炭化水素基であり、かつR29〜R34の少なくとも1つは、フッ素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を含む炭化水素基である。)で表される化合物、および
    下記式(6):
    Figure 2012132393
    (式(6)中、R35〜R42は、それぞれ独立に、フッ素原子、水素原子、またはフッ素原子を含んでもよい炭化水素基であり、かつR35〜R42の少なくとも1つは、フッ素原子、または少なくとも1つのフッ素原子を含む炭化水素基である。)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載の非水電解質。
  6. 前記スルトン化合物が、下記式(4a):
    Figure 2012132393
    で表される化合物である、請求項1、2または5に記載の非水電解質。
  7. 前記非水電解質中の前記スルトン化合物の含有量WSが、0.1〜5質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質。
  8. 正極集電体、および前記正極集電体の表面に形成された、正極活物質を含む正極合剤層を有する正極と、
    負極集電体、および前記負極集電体の表面に形成された、負極活物質を含む負極活物質層を有する負極と、
    前記正極と前記負極との間に配されるセパレータと、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水電解質と、を備える、非水電解質二次電池。
  9. 前記負極活物質が黒鉛粒子を含む、請求項8記載の非水電解質二次電池。
  10. 前記負極活物質層の1cm3中に含まれる前記黒鉛粒子の重量が、1.3〜1.8gである、請求項9記載の非水電解質二次電池。
  11. 前記黒鉛粒子が、セルロース誘導体およびポリアクリル酸からなる群より選択される少なくとも一種で被覆されている、請求項9記載の非水電解質二次電池。
  12. 前記負極活物質層の表面に、前記スルトン化合物に由来する被膜が形成されている、請求項8〜11のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  13. 前記正極活物質が、LixNiyzMe1-(y+z)2+d(Mは、CoおよびMnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Meは、Al、Cr、Fe、Mg、およびZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、0.98≦x≦1.1、0.3≦y≦1、0≦z≦0.7、0.9≦y+z≦1、−0.01≦d≦0.01)で表されるリチウムニッケル含有複合酸化物を含む、請求項8〜12のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
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