JP5153116B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、高容量の非水電解液二次電池に関し、さらに詳しくは、安全性の改良に関する。
近年、携帯電話やノートパソコンなどの電子機器の小型・軽量化に伴い、これらの電源である二次電池に対する高容量化が要求されている。そのような二次電池としては、正極活物質としてLiCoO2のようなリチウムコバルト酸化物を含む正極と、炭素材料を含
む負極とを備えた非水電解液二次電池が開発され、現在広く普及している。
しかし、LiCoO2は、Coを含む高価な材料であるため、代替材料として他の金属
酸化物、例えばLiNiO2や、そのNiの一部をCoで置換したLiNi1-xCox2、あるいはLiMn24等が提案され、研究が活発に行われている。
特に、LiNiO2やLiNi1-xCox2のような、ニッケルを必須元素とするリチウム複合酸化物(以下、ニッケル系酸化物と略記)を活物質とする正極は、リチウムコバルト酸化物を活物質とする正極に比較して、エネルギー密度を大きくすることが可能である。よって、電池の低コスト化を可能にするとともに、非水電解液二次電池の容量特性を向上させることができる。
しかし、ニッケル系酸化物を活物質とする正極は、リチウムコバルト酸化物を活物質とする正極に比較して、熱安定性が低く、電池の安全性が低いという問題がある。
安全性を向上する手段としては、例えば電池公称容量をP(mAh)、電池表面積をS(cm2)、電池をP(mA)で放電させた際の放電容量をC1(mAh)、電池を3×P(mA)で放電させた際の放電容量をC3(mAh)としたとき、45<P/Sの領域において、0.2<C3/C1<0.8の関係を満足させる電池が提案されている。この関係を満たす具体的な方法としては、活物質層の密度3.2g/cm3以上の電極を作成
することで達成できることを提案している(特許文献1参照)。
その他の手法としては、正極活物質の指定はないが、電解液の非水溶媒がエチレンカーボネートを体積百分率で10%以上30%以下、メチルエチルカーボネートを体積百分率で50%以上90%以下含むようにすることも提案されている。エチレンカーボネートが10%未満になると、負極活物質の表面に保護皮膜を形成する効果が小さくなる。そのため、低粘度で、低沸点溶媒であるメチルエチルカーボネートの含有率が90%を超えると、電池が短絡等を起こして発熱し、爆発等の危険性が高くなるとしている(特許文献2参照)。
特開2000−195557号公報 特開2000−123870号公報
一般に、ニッケルを必須元素とするニッケル系酸化物を活物質とする正極は、活物質の熱安定性の低さに起因して、安全性に乏しい。一般に、充電状態の電池の内部で短絡が発生すると、短絡箇所に大電流が局所的に流れ、そこがジュール熱により発熱する。
安全性試験の1つである、電池に釘を貫通させる釘刺し試験では、正極集電体と負極合剤層が接触したときが最も危険である。電池に釘を刺したとき、当該箇所の正極の活物質層が集電体から剥がれ、剥き出しになった正極集電体と負極活物質層とが釘を介して接触し、大きな発熱に至る。
ニッケル系酸化物を用いた電池においては、釘刺し試験のような条件下では、特許文献1のように活物質層の密度を一定以上にしただけでは、大きな発熱を防止することは困難である。また、活物質密度を上げることにより、特許文献1に記載してあるように、高率放電性能が低下するという問題もある。
また、ニッケル系酸化物を正極活物質とする電池に、単に特許文献2のような電解液、つまり非水溶媒が体積百分率10%以上のエチレンカーボネートと体積百分率90%以下のメチルエチルカーボネートとを含む電解液を組み合わせただけでは、電池の大きな発熱を防止することはできない。ニッケル系酸化物は、熱安定性が低いという問題がある。その原因は明らかではないが、ニッケル系酸化物固有の以下の特徴によって引き起こされると推測される。すなわち、高価数の金属酸化物は、高温になると分解して酸素を放出する。正極活物質の熱分解温度は充電状態、つまり正極中のリチウム含有量に影響され、リチウム含有率が少ないほど分解しやすい傾向がある。ニッケル系酸化物では、このリチウム含有率が少なく、結晶が不安定になりやすい傾向がある。また、リチウム含有率が同じニッケル系酸化物とコバルト系酸化物を比較すると、ニッケル系酸化物の方が熱力学的に不安定で、酸素を放出しやすい。
本発明は、ニッケル系酸化物を正極に用いた非水電解液電池を改良して、高率放電性能を低下させることなく、電池の安全性を確保し、安全性、電池特性ともに優れた電池を提供することを目的とする。
本発明の非水電解液二次電池は、正極、負極、および両電極間に挿入したセパレータを捲回した電極群、並びに非水溶媒およびそれに溶解されたリチウム塩を含む非水電解液を備えた非水電解液二次電池であって、前記正極はニッケル含有リチウム複合金属酸化物を活物質として含む正極合剤層を具備し、正極合剤層の多孔度をA(%)、非水溶媒中のエチレンカーボネートの体積百分率をB(%)としたとき、AとBの積が150〜30であり、かつ、Aが15〜20%、Bが8〜5%であることを特徴とする。
ここに用いるニッケル含有リチウム複合金属酸化物は、式LiNixyz2(MはCoおよびMnの少なくとも1種であり、LはAl、Mg、Ca、Si、およびTiからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、0.3≦x≦0.9、0.1≦y≦0.5、0.005≦z≦0.1)で表される酸化物が好ましい。
非水電解液二次電池用電解液には、通常、エチレンカーボネートのような環状カーボネートと鎖状カーボネートとを混合して用いられている。その理由は、環状カーボネートは誘電率は高いが粘性が高く、また鎖状カーボネートは逆に誘電率が低く粘性が低い。よって、高いイオン伝導性を持つ電解液とするために、両者を体積比1:4〜5:5の範囲で混合し、エチレンカーボネートの体積百分率を20〜40%とするのが一般的である。
本発明者らの検討の結果、ニッケル系酸化物を活物質に用いた正極においては、その合剤層の多孔度とエチレンカーボネート量の関係が安全性に顕著に影響することが分かった。その理由は以下のように考えられる。
すなわち、ニッケル系酸化物を含む合剤層は、集電体からの剥がれという問題が生じる。それは、ニッケル系酸化物の表層にあるエチレンカーボネート由来の被膜に起因していると考えられる。つまり、活物質の表層の被膜が、活物質と集電体との密着性を阻害し、合剤層が剥がれやすくなる。また、ニッケル系酸化物は、エチレンカーボネートに接するとそれによる被膜を形成しやすいことがわかった。それは下式に示すエチレンカーボネートの開環、重合反応が繰り返される(D. Aurbach et al, J. Electrochem. Soc., 147(4)1322-1331(2000)参照)ためと推測される。ニッケル系酸化物以外のコバルト系酸化物などではこの反応は起こらない。
LiNiO2+(CH2O)2C=O → NiO2−CH2CH2OCO2Li
電池に釘をさしたときに合剤層が集電体から剥がれると、剥き出しになった正極集電体と負極活物質とが釘を介して接触しやすくなる。正極集電体の抵抗値は小さいので、短絡部に大電流が集中し、大きな発熱が起こるモードになる。従って、ニッケル系酸化物を用いる電池では、エチレンカーボネート量を極力減らして、活物質表層の被膜の形成を抑える、つまり合剤層の剥がれを抑え、大きな発熱を防止する必要がある。
また、集電体に正極合剤層用ペーストを塗布し、乾燥した後、圧延する工程で、圧延の程度を強くし、つまり合剤層の多孔度を小さくし、活物質が集電体に食い込んだ状態、つまり合剤層が集電体から剥がれにくい構造にするのも有効である。
本発明は、以上に鑑み、ニッケルを必須元素とするリチウム複合金属酸化物を正極活物質とする高容量な非水電解液二次電池において、正極合剤層の多孔度と電解液中のエチレンカーボネート量を、上記のように、適切な値に設定し、正極合剤の集電体からの剥離を抑制する。これによって、釘刺し試験などによる短絡時に、正極集電体と負極活物質との接触を防止し、電池の大きな発熱を防止する。
正極活物質が正極集電体に食い込みやすくなるように、正極活物質の形態は、一次粒子が凝集した二次粒子が、表面に突起を有するものが好ましい。
本発明によれば、ニッケルを必須元素とするリチウム複合金属酸化物を正極活物質とする高容量な非水電解液二次電池において、正極合剤層の集電体からの剥離を抑制して、正極集電体と負極活物質の接触を抑制することができる。
また、正極合剤層の多孔度が大きいほど非水溶媒中のエチレンカーボネートの体積百分率を減らすことにより、着火および燃焼を抑制することができる。
その結果、電池に釘を刺したときの大きな発熱が抑制され、高容量な非水電解液二次電池の品質を高めることができる。
本発明の非水電解液二次電池は、正極、負極、および両電極を隔離するセパレータを捲回した電極群を備えている。電極群は、非水電解液とともに、所定形状の電池ケースに収容される。電池ケースの形状は特に限定されないが、円筒状や角形が一般的である。電池ケースが円筒状である場合には、電極群は円柱状に形成される。電池ケースが角形である場合には、電極群は横断面が略楕円状になるように形成される。
正極は、正極合剤層とこれを担持する正極集電体とを含む。正極集電体には、帯状の金属箔、例えばアルミニウム箔などが好ましく用いられる。正極合剤層は、正極集電体の両面に担持させる。ただし、正極集電体の一部は、リード接続部もしくは集電部を形成する。リード接続部や集電部には、正極合剤層が形成されておらず、集電体が露出している。電池の小型化や軽量化の観点から、集電体の厚さは10〜25μmが好ましい。正極合剤層は、正極活物質と、結着剤とを含む。また、正極合剤層は、正極活物質および結着剤以外の成分、例えば導電剤等を含むこともできる。
正極合剤層の多孔度は、15〜20%が好ましい。多孔度が20%を超えると、正極活物質粒子が集電体に食い込む程度が小さくなり、正極集電体から剥がれやすくなり、剥き出しになった正極集電体と負極活物質の接触が起こりやすく、つまり、大きな発熱が起こりやすくなる。また、多孔度が15%より小さい場合は、充放電性能が低下し、充放電サイクルによる電池特性の劣化を促進する。
正極合剤層は、その多孔度が大きいほど集電体から剥がれやすくなり、安全性が低下する傾向がある。そのため、正極活物質の表層に形成されるエチレンカーボネート由来の皮膜を低減させることにより、安全性を確保する必要がある。そのために、電解液中のエチレンカーボネートの体積百分率を低下させることが好ましい。一方、正極合剤層の多孔度が小さくなるほど安全性が高まる傾向があるので、電池の充放電性能を確保するため、エチレンカーボネートの体積百分率を適切な範囲内で高めてもよい。適切な範囲とは、多孔度A(%)と非水溶媒中のエチレンカーボネートの体積百分率B(%)の関係が150≦A・B≦350である。
次に、本発明の非水電解液二次電池の製造方法の一例について説明する。
(i)正極合剤用ペーストの調製
まず、正極活物質、結着剤、導電剤、および分散媒を含む正極合剤用ペーストを調製する。分散媒には、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略記)を用いることが好ましいが、アセトンなどのケトン類を用いることもできる。ケトン類はNMPと混合して用いることが好ましい。
正極合剤用ペーストに含ませる導電剤の量は、正極活物質100重量部あたり1〜3重量部が好ましい。導電剤量を1重量部以上とすることにより、正極の電子伝導性の低下が抑制され、電池のサイクル寿命が長くなる。また、導電剤量を3重量部以下とすることにより、電池容量の減少を抑制できる。
(ii)正極の作製
正極合剤用ペーストは、正極芯材となる集電体の両面に塗布する。塗布膜を乾燥させ、圧延することにより、集電体と一体に結合された正極合剤層が形成される。正極合剤層が形成された集電体を、所定寸法に裁断することにより正極が作製される。集電体とその両面に担持された正極合剤層との合計の厚さは、一般に80〜200μmである。
(iii)負極の作製
負極活物質としては、例えば、金属、金属繊維、炭素材料、酸化物、窒化物、錫化合物、珪素化合物、各種合金材料等を用いることができる。炭素材料としては、例えば各種天然黒鉛、コークス、黒鉛化途上炭素、炭素繊維、球状炭素、各種人造黒鉛、非晶質炭素などが用いられる。また、珪素(Si)または錫(Sn)の単体、合金、または化合物が容量密度の大きい点から好ましい。例えば、好ましい珪素化合物としては、SiOx(0.05<x<1.95)がある。B、Mg、Ni、Ti、Mo、Co、Ca、Cr、Cu、Fe、Mn、Nb、Ta、V、W、Zn、C、N、およびSnからなる群から選択される少なくとも1つの元素で珪素化合物のSiの一部を置換した化合物も用いることができる。錫化合物としてはNi2Sn4、Mg2Sn、SnOx(0<x<2)、SnO2、SnSiO3などが適用できる。負極活物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極の製造方法は、特に限定されず、従来と同様に作製することができる。例えば、リチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料と、結着剤とを含む負極合剤用ペーストを調製し、これを負極芯材となる集電体の両面に塗布する。塗布膜を乾燥させ、圧延することにより、集電体と一体に結合された負極合剤層が形成される。負極合剤層を形成した集電体を、所定寸法に裁断することにより負極が作製される。集電体とその両面に担持された負極合剤層との合計の厚さは、一般に80〜200μmである。
なお、負極合剤に含ませる結着剤としては、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)やコアシェル型ゴム粒子の他、ポリアクリル酸単位を含む高分子の微粒子などを用いることができる。また、負極合剤用ペーストに良好な粘性を持たせるために、カルボキシメチルセルロースやポリエチレンオキシドを添加することもできる。負極合剤に含ませる結着剤の量は、炭素材料100重量部あたり1.5〜4重量部が好適である。負極集電体には、銅箔などの金属箔を用いることができる。電池の小型化および軽量化の観点から、負極集電体の厚さは、8〜20μmが好ましい。
(iv)電池の組立
次に、正極、負極、および非水電解液を用いて、電池を組み立てる。まず、正極、負極、および両電極間に挿入したセパレータを捲回することにより、電極群が得られる。この際、両電極とセパレータとを円筒状に捲回すれば、円筒形電池用の電極群が得られ、横断面が略楕円形になるように捲回すれば、角形電池用の電極群が得られる。得られた電極群は、所定形状の電池ケースに収容される。さらに、電極群が挿入された電池ケースに、非水電解液を注入し、電池ケースを封口することにより、非水電解液二次電池が完成する。
セパレータには、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン製微多孔膜などが好ましく用いられる。セパレータの厚さは、一般的に10〜40μmである。
非水電解液は、特に限定されず、従来から非水電解液二次電池に用いられているどのような電解液を用いてもよい。一般的には、リチウム塩を溶解した非水溶媒からなる電解液が好ましく用いられる。リチウム塩としては、例えばLiPF6、LiBF4などが用いられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどが用いられる。
非水電解液には、過充電に対する耐性を高める添加剤を含ませてもよい。そのような添加剤には、フェニル基およびそれに隣接する炭化水素環状化合物基からなるベンゼン誘導体を用いることが好ましい。このようなベンゼン誘導体として、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼン、ジフェニルエーテル、フェニルラクトンなどが挙げられる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
(i)正極の作製
活物質にはリチウムニッケル複合酸化物(組成式:LiNi0.8Co0.15Al0.052)を用いた。上述の手順に従い、正極合剤用ペーストを調製した。
この正極合剤用ペーストを、厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、塗布膜を乾燥した後に圧延した。こうして集電体に正極合剤層を一体に形成した。これを幅56mm×長さ610mmに切断して、正極を得た。アルミニウム箔とその両面に担持された正極合剤層との合計厚みは159μmであり、合剤層の多孔度は20%であった。
(ii)負極の作製
球状天然黒鉛粉末を100重量部に、日本ゼオン(株)製の「BM−400B(商品名)」(シェル部にスチレン基を導入したアクリロニトリル基を含むコアシェル型ゴム粒子)を1重量部、カルボキシメチルセルロースを1重量部、および適量の水を添加し、混合して、負極合剤用ペーストを調製した。
この負極合剤用ペーストを、厚さ10μmの銅箔からなる集電体の両面に塗布し、塗布膜を乾燥した後に圧延した。こうして集電体に負極合剤層を一体に形成した。これを幅58mm×長さ640mmに切断して、負極を得た。
(iii)電池の組立
得られた正極を一昼夜放置した後、正極と負極とを、厚さ20μmのポリプロピレン製セパレータを介して、円柱状に捲回し、電極群を得た。電極群を有底円筒形の電池ケースに挿入した後、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比10:20:70の割合で混合した非水溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度で溶解させた非水電解液を注入した。その後、電池ケースの開口部を封口板およびガスケットにより封口して、外径18mm、高さ65mmの円筒型リチウムイオン二次電池(公称容量2800mAh)を作製した。
《実施例2》
非水溶媒中のDMCとEMCの比率をそれぞれ2.5%ずつ減らし、ECの百分率を15%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。
《実施例3》
非水溶媒中のDMCとEMCの比率をそれぞれ1%ずつ増やし、ECの百分率を8%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。
《実施例4》
正極合剤層の多孔度を15%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
参考
正極合剤層の多孔度を15%に変更するとともに、非水溶媒中のDMCとEMCの比率をそれぞれ5%ずつ減らし、ECの百分率を20%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
《実施例および
正極活物質にLiCoO2を10重量%混合したこと以外は、実施例1および2と同様にして、それぞれ実施例およびの電池を作製した。
《比較例1》
非水溶媒中のDMCとEMCの比率をそれぞれ5%ずつ減らし、ECの百分率を20%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
《比較例2》
正極合剤層の多孔度を15%に変更するとともに、非水溶媒中のDMCとEMCの比率をそれぞれ7.5%ずつ減らし、ECの百分率を25%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
《比較例3》
正極合剤層の多孔度を10%に変更するとともに、非水溶媒中のDMCとEMCの比率をそれぞれ7.5%ずつ減らし、ECの百分率を25%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
《比較例4》
正極合剤層の多孔度を25%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
《比較例5》
非水溶媒中のDMCとEMCの比率をそれぞれ2.5%ずつ増やし、ECの百分率を5%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[評価]
上記実施例1〜6、参考例1および比較例1〜5の電池について、以下の評価を行った。
(釘刺し試験)
電池を4.25Vに充電し、釘刺し試験を行った。試験は、充電した電池を横向きに置き、その中央部へステンレス鋼製の釘を油圧プレスにて電池を貫通するまで突き刺して実施した。結果を表1に示す。
(サイクル試験)
電池を組み立てた後、以下に示す要領で、25℃環境下で電池のサイクル試験を行った。結果を表1に示す。
1)定電流−定電圧充電:1960mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、次に、4.2Vの定電圧で電流が140mAに低下するまで充電する。
2)定電流放電:2800mAの定電流で電池電圧が2.5Vに低下するまで放電する。
Figure 0005153116
以下、得られた結果について詳述する。
まず、正極合剤層の多孔度は20%が好適であるが、多孔度Aと非水溶媒中のECの百分率Bとの積が400となる比較例1では、釘刺し試験で大きな発熱が起こった。これは、多孔度、ECの百分率とも適正値であるが、それらの積が大きく、合剤層が集電体から剥がれやすかったためと考えられる。従って、多孔度AとECの百分率Bとの積A・Bが150以上350以下の範囲にある実施例1、2および3が好適である。
次に、正極合剤層の多孔度を15%と低減したが、ECの百分率を25%と増加した比較例2でも、釘刺し試験での大きな発熱が認められた。これも多孔度を低減し、正極合剤層の集電体からの剥離を抑制しようと試みたが、ECの百分率が大きいので、活物質表面に皮膜が多く形成され、合剤層の剥離を抑えきれなかったためであると考えられる。従って、多孔度を低減したとしても、ECの百分率は150≦A・B≦350を満たす範囲が適切であり、実施例4などが好適である。
正極合剤層の多孔度を10%まで低減した比較例3では、釘刺し時の大きな発熱が認められなかった。これは正極活物質が正極集電体に十分に食い込み、合剤層の剥離が抑えられ、従って、釘刺し時に正極集電体と負極合剤との接触が抑えられたためと考えられる。しかしながら、サイクル特性が極端に低下した。これは、正極合剤層の多孔度が小さく、活物質表面と電解液との十分な濡れ性が確保できず、充放電性能が低下したためと考えられる。従って、正極合剤層の多孔度に関しては、15%以上を確保することが好ましい。
一方、比較例4のように、多孔度を25%と増加させたときは、ECの百分率をいくら低減しても、釘刺し時の大きな発熱を抑えることはできなかった。これは、活物質が集電体に食い込む度合いが小さく、合剤層が集電体から剥がれやすい領域にあるためであると考えられる。従って、多孔度は20%以下とすることが好適である。
実施例およびから明らかなように、正極活物質は、ニッケル系酸化物単独でなく、少量のLiCoO2を混合してもよい。
一方、比較例5のように、ECの百分率を5%に低減したときは、サイクル特性が極端に低下した。これは、活物質と電解液との反応性が十分確保されず、充放電性能が低下したためと考えられる。従って、ECの百分率に関しては、実施例3でも明らかなように、8%以上を確保することが好ましい。
本発明によれば、短絡時に、正極集電体と負極活物質との接触による電池の大きな発熱を防止することができる。本発明の非水電解液二次電池は、携帯機器を始め各種の電子機器の電源として有用である。

Claims (2)

  1. 正極、負極、および両電極間に挿入したセパレータを捲回した電極群、並びに非水溶媒およびそれに溶解されたリチウム塩を含む非水電解液を備えた非水電解液二次電池であって、前記正極の活物質はニッケル含有リチウム複合金属酸化物を含み、正極の多孔度をA(%)、非水溶媒中のエチレンカーボネートの体積百分率をB(%)としたとき、AとBの積が150〜30であり、かつ、Aが15〜20%、Bが8〜5%である非水電解液二次電池。
  2. 前記ニッケル含有リチウム複合酸化物が、式LiNixyz2(MはCoおよびMnの少なくとも1種であり、LはAl、Mg、Ca、Si、およびTiからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、0.3≦x≦0.9、0.1≦y≦0.5、0.005≦z≦0.1)で表される、請求項1記載の非水電解液二次電池。
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