JP2018116831A - 電池の製造方法 - Google Patents
電池の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018116831A JP2018116831A JP2017006650A JP2017006650A JP2018116831A JP 2018116831 A JP2018116831 A JP 2018116831A JP 2017006650 A JP2017006650 A JP 2017006650A JP 2017006650 A JP2017006650 A JP 2017006650A JP 2018116831 A JP2018116831 A JP 2018116831A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrode
- battery
- polyrotaxane
- electrode mixture
- active material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
【課題】電池性能の低下を抑制しつつ、電池の体積エネルギー密度を高めること。【解決手段】電池の製造方法は、次の(A)〜(C)を含む。(A)電極活物質とポリロタキサンとを混合することにより、電極合材を調製する。(B)電極合材を圧縮することにより、電極を製造する。(C)電極を備える電池を製造する。【選択図】図1
Description
本開示は電池の製造方法に関する。
特開平11−016567号公報(特許文献1)は、電極活物質と高級脂肪酸リチウムとを混合することにより、電極合材を調製すること、ならびに電極合材を圧縮することにより、電極を製造することを開示している。
体積エネルギー密度が高い電池が求められている。体積エネルギー密度は、電池内に詰め込むことができる電極活物質の量によって決まる。高い体積エネルギー密度を実現するためには、電極活物質を含む電極合材の圧縮率を高くする必要がある。
電極合材の圧縮率が高くなると、圧縮時、応力集中により電極活物質が割れる、合材密度が不均一になる等の不都合がある。さらに圧縮後の残留応力により、スプリングバックも大きくなる。その結果、電極抵抗が増加し、電池性能が低下することになる。したがって、高い体積エネルギー密度と電池性能との両立が極めて困難である。
特許文献1は、高級脂肪酸塩(ステアリン酸リチウム等)を電極合材に添加することを提案している。特許文献1によれば、圧縮時、高級脂肪酸塩が潤滑材として働くため、圧縮応力が均一になるとされている。しかしながら、より高い圧縮率において、電極活物質の割れ、スプリングバック等を抑制するためには、相当量の高級脂肪酸塩を添加する必要がある。その結果、電極抵抗が却って増加する可能性がある。
本開示の目的は、電池性能の低下を抑制しつつ、電池の体積エネルギー密度を高めることにある。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし、本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、本開示の範囲が限定されるべきではない。
本開示の電池の製造方法は、以下の(A)〜(C)を含む。
(A)電極活物質とポリロタキサンとを混合することにより、電極合材を調製する。
(B)電極合材を圧縮することにより、電極を製造する。
(C)電極を備える電池を製造する。
(A)電極活物質とポリロタキサンとを混合することにより、電極合材を調製する。
(B)電極合材を圧縮することにより、電極を製造する。
(C)電極を備える電池を製造する。
本開示では、潤滑材としてポリロタキサンが提案される。ポリロタキサンは、特異な分子構造を有する有機高分子化合物である。すなわちポリロタキサンは、鎖状高分子(軸分子)が環状分子(リング)の開口部を串刺し状に貫通した包接分子構造を有する。環状分子は軸分子上を動くことができる。環状分子が軸分子から抜けないように、軸分子は、嵩高い末端基(「封鎖基」とも称される)を有する。
ポリロタキサンが圧縮力を受けると、環状分子が軸分子上を滑って移動する、あるいは回転すると考えられる。これにより圧縮時に、従来の有機低分子潤滑材(ステアリン酸リチウム等)、無機潤滑材(アルミナ等)等に比して、大きな潤滑効果が得られると考えられる。さらに圧縮後、電極合材内の残留応力もポリロタキサンによって緩和されると考えられる。
したがって本開示の製造方法においては、少量の潤滑材(ポリロタキサン)によって、電極の高密度化に伴う不都合(電極活物質の割れ、スプリングバック等)が十分抑制され得ると考えられる。すなわち本開示の製造方法によれば、電池性能の低下を抑制しつつ、電池の体積エネルギー密度を高めることができると考えられる。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」とも記される)が説明される。ただし以下の説明は、本開示の範囲を限定するものではない。以下では、一例としてリチウムイオン二次電池の製造方法が説明される。ただし電極合材が圧縮されることにより、電極が製造される限り、本実施形態の電池はリチウムイオン二次電池に限定されるべきではない。たとえば、電池はリチウム一次電池であってもよいし、ニッケル水素二次電池であってもよい。
<電池の製造方法>
図1は、本開示の実施形態に係る電池の製造方法の概略を示すフローチャートである。図1に示されるように、本実施形態の製造方法は、「(A)電極合材の調製」、「(B)電極の製造」および「(C)電池の製造」を含む。以下、本実施形態の製造方法が順を追って説明される。
図1は、本開示の実施形態に係る電池の製造方法の概略を示すフローチャートである。図1に示されるように、本実施形態の製造方法は、「(A)電極合材の調製」、「(B)電極の製造」および「(C)電池の製造」を含む。以下、本実施形態の製造方法が順を追って説明される。
《(A)電極合材の調製》
本実施形態の製造方法は、電極活物質とポリロタキサンとを混合することにより、電極合材を調製することを含む。
本実施形態の製造方法は、電極活物質とポリロタキサンとを混合することにより、電極合材を調製することを含む。
電極活物質とポリロタキサンとが混合される限り、電極合材はその他の成分を含むように調製されてもよい。電極合材は、たとえば、電極活物質、ポリロタキサン、導電材、およびバインダが所定の配合で混合されることにより調製され得る。
ただし、その他の成分(導電材、バインダ等)との混合に先立って、予め電極活物質とポリロタキサンとが混合されることが望ましい。電極活物質の表面にポリロタキサンが付着することにより、電極活物質同士の滑りが良くなり、電極活物質の割れ等が抑制されやすくなると考えられる。ポリロタキサンは、電極活物質の全面を覆うように付着してもよいし、電極活物質の表面の一部を覆うように付着してもよい。ポリロタキサンが電極活物質の表面の一部を覆うように付着することにより、電極抵抗の増加がいっそう抑制される可能性もある。
混合は湿式混合であることが望ましい。湿式混合とは、溶媒の共存下で、対象物が混合されることを示す。電極合材はペースト状とされてもよいし、顆粒状とされてもよい。電極合材がペースト状となるか、または顆粒状となるかは溶媒の使用量により決定される。
(ポリロタキサン)
図2は、ポリロタキサンの分子構造を説明するための概念図である。ポリロタキサン1は、軸分子2、環状分子3および末端基4を備える高分子である。軸分子2は、環状分子3の開口部を貫通している。環状分子3が軸分子2上を移動できることにより、顕著な潤滑作用が発現すると考えられる。
図2は、ポリロタキサンの分子構造を説明するための概念図である。ポリロタキサン1は、軸分子2、環状分子3および末端基4を備える高分子である。軸分子2は、環状分子3の開口部を貫通している。環状分子3が軸分子2上を移動できることにより、顕著な潤滑作用が発現すると考えられる。
環状分子3は単数であってもよいし、複数であってもよい。ポリロタキサン1が複数の環状分子3を含む場合、環状分子3同士が架橋されていてもよい。環状分子3は、軸分子2上を移動することができる限り、完全に閉環していなくてもよい。たとえば、環状分子3は、らせん状等であってもよい。すなわち、環状分子3は実質的に環状であればよい。環状分子3は、たとえば、シクロデキストリン(CD)、クラウンエーテル、シクロファン、カリックスアレーン等であってもよい。包接性の観点から、環状分子3は好ましくはCDであり、より好ましくはα−CDである。
軸分子2は、環状分子3に包接されている。軸分子2は、環状分子3の開口部を貫通できる分子鎖を含む限り、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよい。軸分子2は、たとえば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等であってもよい。包接性の観点から、軸分子2は、好ましくはPEGである。PEGは、たとえば、1000〜50万の質量平均分子量を有してもよい。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定におけるポリエチレングリコール換算の分子量を示す。
末端基4は、軸分子2の末端に配置されている。末端基4は、環状分子3を軸分子2上に封じ込める機能を有する。末端基4は、嵩高く、立体障害となりやすい官能基であることが望ましい。末端基4は、たとえば、アダマンタン基、ジアルキルフェニル基、ジニトロフェニル基等であってもよい。
電極合材は、100質量部の電極活物質に対して、たとえば0.1質量部以上1.0質量部以下(好ましくは0.1質量部以上0.5質量部以下、よりいっそう好ましくは0.1質量部以上0.3質量部以下)のポリロタキサンを含むように調製されてもよい。ポリロタキサンは、このように少量であっても、十分な潤滑効果を発揮すると考えられる。ポリロタキサン(潤滑材)が少量であることにより、電池性能の低下が抑制されると考えられる。
(電極活物質)
電極活物質は、正極活物質であってもよいし、負極活物質であってもよい。すなわち、本実施形態では、正極がポリロタキサンを含むように製造されてもよいし、負極がポリロタキサンを含むように製造されてもよいし、正極および負極の両方がポリロタキサンを含むように製造されてもよい。
電極活物質は、正極活物質であってもよいし、負極活物質であってもよい。すなわち、本実施形態では、正極がポリロタキサンを含むように製造されてもよいし、負極がポリロタキサンを含むように製造されてもよいし、正極および負極の両方がポリロタキサンを含むように製造されてもよい。
正極活物質は特に限定されるべきではない。正極活物質は、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNi0.80Co0.15Al0.05O2、LiFePO4等であってもよい。1種の正極活物質が単独で使用されてもよいし、2種以上の正極活物質が組み合わされて使用されてもよい。
負極活物質も特に限定されるべきではない。負極活物質は、たとえば、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、珪素、酸化珪素、錫、酸化錫等であってもよい。1種の負極活物質が単独で使用されてもよいし、2種以上の負極活物質が組み合わされて使用されてもよい。
(導電材)
導電材も特に限定されるべきではない。導電材は、たとえば、アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)等であってもよい。1種の導電材が単独で使用されてもよいし、2種以上の導電材が組み合わされて使用されてもよい。電極合材は、100質量部の電極活物質に対して、たとえば1〜15質量部の導電材を含むように調製されてもよい。
導電材も特に限定されるべきではない。導電材は、たとえば、アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)等であってもよい。1種の導電材が単独で使用されてもよいし、2種以上の導電材が組み合わされて使用されてもよい。電極合材は、100質量部の電極活物質に対して、たとえば1〜15質量部の導電材を含むように調製されてもよい。
バインダも特に限定されるべきではない。正極用のバインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等であってもよい。負極用のバインダは、たとえば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等であってもよい。1種のバインダが単独で使用されてもよいし、2種以上のバインダが組み合わされて使用されてもよい。電極合材は、100質量部の電極活物質に対して、たとえば0.5〜5質量部のバインダを含むように調製されてもよい。
(溶媒)
バインダの溶媒に対する分散性または溶解性が考慮され、適切な溶媒が選択されるべきである。溶媒は、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、水等でよい。
バインダの溶媒に対する分散性または溶解性が考慮され、適切な溶媒が選択されるべきである。溶媒は、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、水等でよい。
《(B)電極の製造》
本実施形態の製造方法は、電極合材を圧縮することにより、電極を製造することを含む。本実施形態では、電極合材に含まれるポリロタキサンが大きな潤滑効果を発揮するため、電極合材の圧縮率を高くしても、電極活物質の割れ、合材密度のばらつき、スプリングバック等が抑制されると考えられる。
本実施形態の製造方法は、電極合材を圧縮することにより、電極を製造することを含む。本実施形態では、電極合材に含まれるポリロタキサンが大きな潤滑効果を発揮するため、電極合材の圧縮率を高くしても、電極活物質の割れ、合材密度のばらつき、スプリングバック等が抑制されると考えられる。
電極合材が正極合材である場合、電極合材は、たとえば、3.1〜4.0g/cm3の合材密度を有するように圧縮されてもよい。電極合材が負極合材である場合、電極合材は、たとえば、1.5〜1.9g/cm3の合材密度を有するように圧縮されてもよい。
電極は、たとえば、電極合材が単独で圧縮されることにより製造されてもよい。たとえば、所定の金型に電極合材が充填される。金型内で電極合材が圧縮されることにより、ペレット状の電極が製造される。ペレット状の電極は、コイン形電池に使用され得る。
電極は、集電体の表面に配置された電極合材が圧縮されることにより製造されてもよい。電極合材がペースト状に調製されている場合、たとえば、ダイコータ等により、電極合材が集電体の表面に塗布される。塗布後、たとえば、熱風式乾燥炉等により、電極合材に含まれる溶媒が除去される。これにより、電極合材からなる層、すなわち電極合材層が形成される。
電極が正極である場合、集電体は、たとえばアルミニウム(Al)箔等でよい。電極が負極で有る場合、集電体は、たとえば、銅(Cu)箔等でよい。集電体は、たとえば、5〜30μmの厚さを有してもよい。
ロール圧延機により、電極合材層が圧延される。これにより電極合材が圧縮され、電極が製造される。圧延後の電極合材層は、たとえば、10〜100μmの厚さを有してもよい。
《(C)電池の製造》
本実施形態の製造方法は、電極を備える電池を製造することを含む。本実施形態の電池は、正極および負極の少なくとも一方がポリロタキサンを含む。ポリロタキサンを含む電極は圧縮率を高くすることができるため、高い体積エネルギー密度を有する電池が製造され得る。
本実施形態の製造方法は、電極を備える電池を製造することを含む。本実施形態の電池は、正極および負極の少なくとも一方がポリロタキサンを含む。ポリロタキサンを含む電極は圧縮率を高くすることができるため、高い体積エネルギー密度を有する電池が製造され得る。
ここでは一例として、角形電池が説明される。ただし、本実施形態の電池は、円筒形電池であってもよいし、ラミネート型電池であってもよい。
まず電極群が構成される。図3は電極群の構成の一例を示す概略図である。角形電池において、正極10および負極20は帯状のシートである。正極10は、集電体11の表面に配置された正極合材層12(電極合材)を含む。負極20は、集電体21の表面に配置された負極合材層22(電極合材)を含む。正極10および負極20は、それぞれ、集電体11,21が電極合材から露出した部分を含む。当該部分は、外部端子との接続に利用される。
セパレータ30が準備される。セパレータ30を間に挟んで、正極10および負極20が積層され、渦巻状に巻回される。これにより巻回型の電極群40が構成される。電極群40は扁平状に成形される。
セパレータ30は、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータ30は、たとえば、ポリエチレン(PE)多孔質膜、ポリプロピレン(PP)多孔質膜等により構成され得る。セパレータ30は多層構造を含んでもよい。たとえば、セパレータ30は、PP多孔質膜、PE多孔質膜およびPP多孔質膜がこの順序で積層されることにより、構成されていてもよい。セパレータ30は、その表面に耐熱層を含んでもよい。耐熱層は、たとえば、アルミナ等を含む。
図4は、電池の構成の一例を示す概略図である。電極群40は、筐体50に収納される。電極群40は、外部端子51と電気的に接続される。筐体50に電解液が注入される。電解液は、溶媒にリチウム塩が溶解した液体電解質である。溶媒は、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)等の混合溶媒でよい。リチウム塩は、たとえば、LiPF6、LiBF4、Li[N(FSO2)2](LiFSI)等でよい。電解液は、たとえば、ビニレンカーボネート(VC)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)等の添加剤を含んでもよい。電解液が注入された後、筐体50が密閉される。
以上より、電池100が製造される。
以上より、電池100が製造される。
以下、実施例が説明される。ただし、以下の例は本開示の範囲を限定するものではない。
<実施例1>
《(A1)電極合材の調製》
以下の材料が準備された。
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
導電材:アセチレンブラック
バインダ:PVdF
潤滑材:ポリロタキサン(軸分子:PEG、環状分子:CD、末端基:アダマンタン基)
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
《(A1)電極合材の調製》
以下の材料が準備された。
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
導電材:アセチレンブラック
バインダ:PVdF
潤滑材:ポリロタキサン(軸分子:PEG、環状分子:CD、末端基:アダマンタン基)
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
攪拌混合装置の攪拌槽に、正極活物質とポリロタキサンとが投入された。4000rpmの回転数で、正極活物質とポリロタキサンとが攪拌混合された。その後、攪拌槽に、導電材、バインダおよび溶媒が投入された。これらが攪拌混合されることより、ペースト状の正極合材が調製された。正極合材の配合は、正極活物質:導電材:バインダ:ポリロタキサン=100:8:2:0.1(質量比)とされた。
《(B1)電極の製造》
集電体として、20μmの厚さを有するAl箔が準備された。ダイコータにより、集電体の表面(表裏両面)に、正極合材が塗布され、乾燥された。これにより正極合材層が形成された。ロール圧延機により、正極合材層が所定の厚さに圧縮された。これにより正極が製造された。すなわち電極合材が圧縮されることにより、電極が製造された。正極合材は、3.6g/cm3の合材密度を有するように圧縮された。正極が帯状に裁断された。正極の寸法は以下のとおりとされた。ここで「正極の厚さ」は、集電体、および表裏両面の正極合材層の厚さの合計を示す。
集電体として、20μmの厚さを有するAl箔が準備された。ダイコータにより、集電体の表面(表裏両面)に、正極合材が塗布され、乾燥された。これにより正極合材層が形成された。ロール圧延機により、正極合材層が所定の厚さに圧縮された。これにより正極が製造された。すなわち電極合材が圧縮されることにより、電極が製造された。正極合材は、3.6g/cm3の合材密度を有するように圧縮された。正極が帯状に裁断された。正極の寸法は以下のとおりとされた。ここで「正極の厚さ」は、集電体、および表裏両面の正極合材層の厚さの合計を示す。
正極の厚さ:70μm
正極の全長:3000mm
正極の全幅:114mm
正極合材の幅:94mm
正極の全長:3000mm
正極の全幅:114mm
正極合材の幅:94mm
《(A2)負極合材の調製》
以下の材料が準備された。
負極活物質:黒鉛
バインダ:CMCおよびSBR
潤滑材:ポリロタキサン(同上)
溶媒:水
以下の材料が準備された。
負極活物質:黒鉛
バインダ:CMCおよびSBR
潤滑材:ポリロタキサン(同上)
溶媒:水
攪拌混合装置の攪拌槽に、負極活物質とポリロタキサンとが投入された。4000rpmの回転数で、負極活物質とポリロタキサンとが攪拌混合された。その後、攪拌槽にバインダおよび溶媒が投入された。これらが攪拌混合されることより、ペースト状の負極合材が調製された。負極合材の配合は、負極活物質:CMC:SBR:ポリロタキサン=100:1:1:0.1(質量比)とされた。
《(B2)電極の製造》
集電体として、10μmの厚さを有するCu箔が準備された。ダイコータにより、集電体の表面(表裏両面)に、負極合材が塗布され、乾燥された。これにより負極合材層が形成された。ロール圧延機により、負極合材層が所定の厚さに圧縮された。これにより負極が製造された。すなわち電極合材が圧縮されることにより、電極が製造された。負極合材は、1.6g/cm3の合材密度を有するように圧縮された。負極が帯状に裁断された。負極の寸法は以下のとおりとされた。ここで「負極の厚さ」は、集電体、および表裏両面の負極合材層の厚さの合計を示す。
集電体として、10μmの厚さを有するCu箔が準備された。ダイコータにより、集電体の表面(表裏両面)に、負極合材が塗布され、乾燥された。これにより負極合材層が形成された。ロール圧延機により、負極合材層が所定の厚さに圧縮された。これにより負極が製造された。すなわち電極合材が圧縮されることにより、電極が製造された。負極合材は、1.6g/cm3の合材密度を有するように圧縮された。負極が帯状に裁断された。負極の寸法は以下のとおりとされた。ここで「負極の厚さ」は、集電体、および表裏両面の負極合材層の厚さの合計を示す。
負極の厚さ:80μm
負極の全長:3300mm
負極の全幅:120mm
負極合材の幅:100mm
負極の全長:3300mm
負極の全幅:120mm
負極合材の幅:100mm
《(C)電池の製造》
20μmの厚さを有する多孔質膜が準備された。この多孔質膜は、PP多孔質膜、PE多孔質膜およびPP多孔質膜がこの順序で積層されることにより構成されている。多孔質膜の表面(片面)に、5μmの厚さを有する耐熱層が形成された。耐熱層は、アルミナおよびアクリル系樹脂により構成された。
20μmの厚さを有する多孔質膜が準備された。この多孔質膜は、PP多孔質膜、PE多孔質膜およびPP多孔質膜がこの順序で積層されることにより構成されている。多孔質膜の表面(片面)に、5μmの厚さを有する耐熱層が形成された。耐熱層は、アルミナおよびアクリル系樹脂により構成された。
セパレータを間に挟んで、正極と負極とが積層され、渦巻状に巻回された。セパレータの耐熱層は、負極と対向するように配置された。これにより電極群が構成された。電極群が扁平状に成形された。電極群が筐体に収納された。電極群が外部端子と電気的に接続された。
以下の成分を含む電解液が準備された。
Li塩:LiPF6(1.0mоl/l)
溶媒:[EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]
Li塩:LiPF6(1.0mоl/l)
溶媒:[EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]
筐体に電解液が注入された。筐体が密閉された。以上より電池(角形リチウムイオン二次電池)が製造された。この電池は、3.0〜4.1Vの電圧範囲において、4Ahの容量を有するように設計されている。
<実施例2>
正極合材がポリロタキサンを含まないように調製されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
正極合材がポリロタキサンを含まないように調製されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
<実施例3および9>
下記表1に示されるように、ポリロタキサンの配合量が変更されることを除いては、実施例2と同じ製造方法により電池が製造された。
下記表1に示されるように、ポリロタキサンの配合量が変更されることを除いては、実施例2と同じ製造方法により電池が製造された。
<実施例4>
負極合材がポリロタキサンを含まないように調製されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
負極合材がポリロタキサンを含まないように調製されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
<実施例5および10>
下記表1に示されるように、ポリロタキサンの配合量が変更されることを除いては、実施例4と同じ製造方法により電池が製造された。
下記表1に示されるように、ポリロタキサンの配合量が変更されることを除いては、実施例4と同じ製造方法により電池が製造された。
<実施例6〜8>
下記表1に示されるように、ポリロタキサンの配合量が変更されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
下記表1に示されるように、ポリロタキサンの配合量が変更されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
<比較例1>
正極合材および負極合材の両方がポリロタキサンを含まないように調製されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
正極合材および負極合材の両方がポリロタキサンを含まないように調製されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
<比較例2>
ポリロタキサンに代えてステアリン酸リチウムが潤滑材として使用されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
ポリロタキサンに代えてステアリン酸リチウムが潤滑材として使用されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
<比較例3>
ポリロタキサンに代えてステアリン酸リチウムが潤滑材として使用されることを除いては、実施例8と同じ製造方法により電池が製造された。
ポリロタキサンに代えてステアリン酸リチウムが潤滑材として使用されることを除いては、実施例8と同じ製造方法により電池が製造された。
<比較例4>
ポリロタキサンに代えてアルミナが潤滑材として使用されることを除いては、実施例6と同じ製造方法により電池が製造された。
ポリロタキサンに代えてアルミナが潤滑材として使用されることを除いては、実施例6と同じ製造方法により電池が製造された。
<比較例5>
下記表1に示されるように、アルミナの配合量が変更されることを除いては、比較例4と同じ製造方法により、電池が製造された。
下記表1に示されるように、アルミナの配合量が変更されることを除いては、比較例4と同じ製造方法により、電池が製造された。
<評価>
《初期充放電効率》
4Aの電流により電池が4.1Vまで充電された。これにより初期充電容量が測定された。その後、4Aの電流により電池が3.0Vまで放電された。これにより初期放電容量が測定された。初期放電容量が初期充電容量によって除されることにより、初期充放電効率が算出された。結果は、下記表1に示されている。
《初期充放電効率》
4Aの電流により電池が4.1Vまで充電された。これにより初期充電容量が測定された。その後、4Aの電流により電池が3.0Vまで放電された。これにより初期放電容量が測定された。初期放電容量が初期充電容量によって除されることにより、初期充放電効率が算出された。結果は、下記表1に示されている。
《低温インピーダンス》
室温環境において、電池の電圧が3.7Vに調整された。−10℃に設定された恒温槽内に電池が配置された。以下の条件により交流インピーダンスが測定された。測定結果が複素平面にプロットされた。描かれた円弧の実数成分の直径が測定された。当該直径(低温インピーダンス)は、電極の反応抵抗に相当すると考えられる。結果は下記表1に示されている。
室温環境において、電池の電圧が3.7Vに調整された。−10℃に設定された恒温槽内に電池が配置された。以下の条件により交流インピーダンスが測定された。測定結果が複素平面にプロットされた。描かれた円弧の実数成分の直径が測定された。当該直径(低温インピーダンス)は、電極の反応抵抗に相当すると考えられる。結果は下記表1に示されている。
周波数範囲:0.01〜100000Hz
電圧振幅:5mV
電圧振幅:5mV
《低温サイクル特性》
室温環境において、電池の電圧が3.7Vに調整された。−10℃に設定された恒温槽内に電池が配置された。以下の「充電→休止→放電→休止」の一巡を1サイクルとして、1000サイクルが実施された。
室温環境において、電池の電圧が3.7Vに調整された。−10℃に設定された恒温槽内に電池が配置された。以下の「充電→休止→放電→休止」の一巡を1サイクルとして、1000サイクルが実施された。
充電:電流=8A、充電時間=20秒
休止:5分
放電:電流=8A、放電時間=20秒
休止:5分
休止:5分
放電:電流=8A、放電時間=20秒
休止:5分
サイクル後、初期放電容量と同様にしてサイクル後放電容量が測定された。サイクル後放電容量が初期放電容量によって除されることにより、容量維持率が算出された。結果は、下記表1の「低温サイクル特性」の欄に示されている。
<結果>
上記表1に示されるように、正極合材および負極合材の少なくとも一方(電極合材)がポリロタキサンを含む実施例では、電池性能の低下が抑制されている。電極合材が圧縮される際に、ポリロタキサン(有機高分子潤滑材)が顕著な潤滑作用を発揮するためと考えられる。
上記表1に示されるように、正極合材および負極合材の少なくとも一方(電極合材)がポリロタキサンを含む実施例では、電池性能の低下が抑制されている。電極合材が圧縮される際に、ポリロタキサン(有機高分子潤滑材)が顕著な潤滑作用を発揮するためと考えられる。
他方、ステアリン酸リチウム(有機低分子潤滑材)およびアルミナ(無機潤滑材)が使用された比較例では、電池性能の低下が大きい。潤滑作用が十分でなく、かつ添加量の増加に伴う電極抵抗の増加幅も大きいためと考えられる。特に無機潤滑材は、固体粒子であるため、リチウムイオンの拡散を阻害しやすいものと考えられる。
上記の実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記の説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ポリロタキサン、2 軸分子、3 環状分子、4 末端基、10 正極、11,21 集電体、12 正極合材層、20 負極、22 負極合材層、30 セパレータ、40 電極群、50 筐体、51 外部端子、100 電池。
Claims (1)
- 電極活物質とポリロタキサンとを混合することにより、電極合材を調製すること、
前記電極合材を圧縮することにより、電極を製造すること、および
前記電極を備える電池を製造すること
を含む、電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017006650A JP2018116831A (ja) | 2017-01-18 | 2017-01-18 | 電池の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017006650A JP2018116831A (ja) | 2017-01-18 | 2017-01-18 | 電池の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018116831A true JP2018116831A (ja) | 2018-07-26 |
Family
ID=62985573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017006650A Pending JP2018116831A (ja) | 2017-01-18 | 2017-01-18 | 電池の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018116831A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018174038A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | Tdk株式会社 | リチウムイオン二次電池負極用バインダー、リチウムイオン二次電池用負極及びこれを用いたリチウムイオン二次電池 |
CN111261822A (zh) * | 2020-02-11 | 2020-06-09 | 福建师范大学 | 一种热稳定性电池隔膜及其在电池中应用 |
CN111276660A (zh) * | 2020-02-11 | 2020-06-12 | 福建师范大学 | 无机添加剂聚轮烷型隔膜及其在电池中应用 |
WO2023058603A1 (ja) * | 2021-10-05 | 2023-04-13 | 株式会社村田製作所 | 二次電池用負極および二次電池 |
-
2017
- 2017-01-18 JP JP2017006650A patent/JP2018116831A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018174038A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | Tdk株式会社 | リチウムイオン二次電池負極用バインダー、リチウムイオン二次電池用負極及びこれを用いたリチウムイオン二次電池 |
CN111261822A (zh) * | 2020-02-11 | 2020-06-09 | 福建师范大学 | 一种热稳定性电池隔膜及其在电池中应用 |
CN111276660A (zh) * | 2020-02-11 | 2020-06-12 | 福建师范大学 | 无机添加剂聚轮烷型隔膜及其在电池中应用 |
CN111261822B (zh) * | 2020-02-11 | 2022-08-05 | 福建师范大学 | 一种热稳定性电池隔膜及其在电池中应用 |
WO2023058603A1 (ja) * | 2021-10-05 | 2023-04-13 | 株式会社村田製作所 | 二次電池用負極および二次電池 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4407205B2 (ja) | リチウム二次電池用非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 | |
JP5003095B2 (ja) | 二次電池用非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池 | |
JP5671774B2 (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
JP5426763B2 (ja) | 二次電池用非水電解質および非水電解質二次電池 | |
JP5636622B2 (ja) | リチウム二次電池用非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 | |
JP4493513B2 (ja) | 有機電解液及びそれを採用したリチウム電池 | |
JP5514394B2 (ja) | 二次電池用非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池 | |
JP6627904B2 (ja) | 二次電池用非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池 | |
JP2004095556A (ja) | 有機電解液及びそれを採用したリチウム電池 | |
JP5089828B2 (ja) | 非水電解質およびそれを用いた非水電解質二次電池 | |
JP2018190582A (ja) | リチウムイオン二次電池の製造方法 | |
CA3112163A1 (fr) | Materiaux d'electrode comprenant un oxyde lamellaire de sodium et de metal, electrodes les comprenant et leur utilisation en electrochimie | |
CN112563563A (zh) | 复合固态电解质、固态电池及其制备方法 | |
JP2018116831A (ja) | 電池の製造方法 | |
CN109935906B (zh) | 电解液和锂离子电池 | |
JP2011192561A (ja) | 非水電解液二次電池の製造方法 | |
JP2012084426A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JPWO2013018243A1 (ja) | 二次電池用非水電解質および非水電解質二次電池 | |
JP5636623B2 (ja) | 二次電池用非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池 | |
CN111430779B (zh) | 电解液原料组合物,电解液及锂离子二次电池及其制备方法 | |
JP6083289B2 (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
JP7175161B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用電解液及びリチウムイオン二次電池 | |
JP7265481B2 (ja) | 非水電解液用添加剤、非水電解液及び蓄電デバイス | |
WO2015151145A1 (ja) | 全固体リチウム二次電池 | |
JP2022552872A (ja) | 組成物 |