JPWO2012120962A1 - 糸条の加圧スチーム処理装置と炭素繊維前駆体糸条の製造方法 - Google Patents

糸条の加圧スチーム処理装置と炭素繊維前駆体糸条の製造方法 Download PDF

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Abstract

加圧スチームの装置外への漏出の影響を抑えて加圧スチーム供給量を最小に抑え、同時に糸切れを低減させ、歩留まりが向上する高生産性の炭素化前駆体糸条を製造するに適した糸条の加圧スチーム処理装置と炭素繊維前駆体糸条の製造方法を提供する。加圧スチーム処理装置(1) は、加圧スチーム処理部(2) の前後にラビリンスシール部(3) を備え、糸条走行路(5) に沿ってシート状に並走する複数の糸条を一括して加圧スチーム雰囲気下で処理する。前記ラビリンスシール部(3) の糸条走行路(5) を糸条と平行に分割させる。好適には仕切り板(3e)により複数に分割する。

Description

本発明は、ポリアクリロニトリル系などからなる炭素繊維前駆体糸条の加圧スチーム処理装置と炭素繊維前駆体糸条の製造方法に関する。
炭素繊維の製造などでは、その前駆体として、例えばポリアクリロニトリル系重合体からなる糸条などが原糸として用いられており、この糸条には強度および配向度に優れていることが求められる。このような糸条は、例えば、ポリアクリロニトリル系重合体を含む紡糸原液を紡糸して凝固糸とし、その凝固糸を浴中延伸して乾燥することにより緻密化した糸条を得た後、該糸条を加圧スチーム雰囲気下で二次延伸処理することにより得ることができる。
加圧スチーム雰囲気下での糸条の処理には、装置内部に糸条を走行させ、該糸条に対して加圧スチームを供給する処理装置が用いられる。このような処理装置においては、装置内部に供給した加圧スチームが糸条の入口および出口から装置外に多量に漏出すると、装置内部の圧力、温度、湿度などが不安定になり、糸条に毛羽や糸切れなどが生じてしまうことがあった。また、加圧スチームの装置外への漏出の影響を抑えるためには多量の加圧スチームが必要であり、エネルギーコストを増大させていた。
装置内部からの加圧スチームの漏出を抑える処理装置としては、例えば特開2001−140161号公報(特許文献1)により、一定方向に走行する糸条を加圧スチームにより処理する加圧スチーム処理部と、該加圧スチーム処理部の前後から延びる2つのラビリンスシール部とを具備する加圧スチーム処理装置が開示されている。前記ラビリンスシール部には、相対する天板及び底板の内壁面から糸条に向かって直角に延びる板片からなるラビリンスノズルが糸条走行路に沿って並列に多段設けられており、それらのラビリンスノズル間における各空間(膨張室)を通過する際にエネルギーが消耗されることにより加圧スチームの漏出量が低減される。
前記特許文献1によれば、加圧スチーム処理部の前後に第1及び第2のラビリンスシール部が配されており、糸条走行路に沿ってシート状に並走する複数の糸条を一括して加圧スチーム雰囲気下で処理する。前記ラビリンスノズルの天板及び底板の内壁面からの延設長さLと、前後のノズル間のピッチPとの比(L/P)の値が0.3〜1.2であり、前記ラビリンスノズルの段数が前後の第1及び第2ラビリンスシール部ともにそれぞれ80段〜120段とされている。また、前記ラビリンスシール部内の糸条走行路における以下に示す式により算出される糸条の充填率Fを0.5〜10%としている。
充填率F= {K/(ρ×105 )}/A
ここで、K:糸条繊度(tex)
ρ:糸条密度(g/cm3
A:前記糸条走行路の開口面積(cm2
である。
L/Pの値を前記範囲とすることにより、前後のノズル間に形成される膨張室の大きさが好適なものとなり、膨張室内において回転の小さな渦流の生成と消滅とを繰り返すことによってエネルギーを極度に消費することができるため、減圧が効果的に進行してゆくとしている。80〜120段というラビリンスノズルの形成段数と相まって効果的にチーム漏出量を抑制することが可能となり、糸条の損傷や毛羽を効果的に防止することができるというものである。
特開2001−140161号公報
ところで、上記特許文献1に記載された加圧スチーム処理装置によれば、糸条走行路に沿って複数の糸条が並列して走行するが、このとき隣接する各糸条は単に並列した状態で走行するため、特に、処理装置に通す糸条の充填率が10%を超えると隣接する糸条同士が干渉し合い混繊が発生しやすくなる。
また、従来技術によるこの種の加圧スチーム処理装置では、複数の糸条のうち、一錘が加圧スチーム処理装置内部で糸切れが発生した際、切れた糸条がラビリンスシール部に残り、スチームにより乱され隣接する糸条と絡み合って、糸切れが誘発され、歩留まりの低下を招いていた。
更に、中央の加圧スチーム処理部から導入される高圧スチームは、加圧スチーム処理部及び前後に配された第1及び第2ラビリンスシール部の内部に流れて充満する。このとき加圧スチームは決められた方向には流れず、隣接する糸条同士を交絡させる方向に流れやすくなる可能性が高い。その結果、前述のような糸切れを更に助長し、そのため以降の炭素化工程において均一に安定して焼成することが難しくなる虞れが多い。
本発明は、かかる従来の課題を解決すべくなされたものであり、その目的は加圧スチームの装置外への漏出の影響を抑えて加圧スチーム供給量を最小に抑え、同時に糸切れを低減させ、歩留まりが向上する高生産性の炭素繊維前駆体糸条の加圧スチーム処理装置を提供することにある。
かかる目的は、本発明の第1の基本構成である、加圧スチーム処理部とラビリンスシール部とを備え、並走する複数の糸条を一括して加圧スチーム雰囲気下で処理する糸条の加圧スチーム処理装置であって、前記ラビリンスシール部は、加圧スチーム処理部の糸条入口と出口にそれぞれ連設され、前記ラビリンスシール部における糸条走行路を各糸条ごとに仕切られてなることを特徴とする加圧スチーム処理装置により効果的に達成される。
また、上記目的は、本発明の第2の基本構成となる、前記加圧スチーム処理装置をもって複数の糸条を一括して延伸処理することを特徴とする炭素繊維前駆体糸条の製造方法によっても効果的に達成される。
本発明の好適な態様によれば、前記ラビリンスシール部にあって、前記ラビリンスノズルの各段ごとに糸条に平行で、且つ糸条並列方向の隣り合う糸条間に沿って複数の仕切り板を連設することが好ましい。また、前記ラビリンスシール部にあって、糸条に平行で且つ糸条並列方向の隣り合う糸条間に沿って仕切り板を有することが望ましい。前記ラビリンスシール部にあって、ラビリンスノズルと隣り合うラビリンスノズルとの間ごとに糸条に平行で且つ糸条並列方向の隣り合う糸条間に沿って複数の仕切り板を連設するようにしてもよい。
前記仕切り板を、任意のラビリンスノズルと隣り合うラビリンスノズルとの間に設けることが好ましい。また、前記仕切り板の糸条に平行な長さが、任意のラビリンスノズルの面と隣り合うラビリンスノズルの対向する面との間の高さの55〜95%にすることが好ましい。前記仕切り板を、上又は下ラビリンスプレートの内面に有することもできる。前記仕切り板の高さが、ラビリンスノズルの高さ(L)と上下ラビリンスノズル間の開口高さ(H)との合計以上である場合もある。更には、前記仕切り板を、上及び下ラビリンスプレートの内面に有するようにしてもよい。
上及び下ラビリンスプレートの内面に有する仕切り板が対向する位置にあって、上及び下ラビリンスプレートに有する仕切り板の一方の高さが、上または下ラビリンスノズルの高さと上下ラビリンスノズル間の開口高さとの合計以上とすることが好ましい。また、上及び下ラビリンスプレートの内面に有する仕切り板が、同じ糸条間で互いに干渉しない位置にあって、上及び下ラビリンスプレートの内面に有する仕切り板の高さの合計が、上ラビリンスプレートの内面から下ラビリンスプレートの内面までの高さ以上とすることもある。
ラビリンスシール部の糸条走行路を糸条に平行で且つ糸条並列方向に直交させて複数に分割することによるスチーム整流効果により、加圧スチーム処理装置内部における糸条走行安定性が向上し、隣接する各糸条間の接触や交絡が大幅に低減される。本発明に到達する以前にも、糸条走行路をピンガイドをもって仕切る試験を行ったが、ピンガイドとラビリンスノズルとの間に毛羽が溜まり、その排除作業を頻繁に行わなければならず、また誘発切れの発生が相次ぎ、工程安定性が確保できず実用化が難しいことが判明した。また、前記毛羽溜まりの発生を低減すべくピンガイドの径を太くして試したが、糸条走行路を狭くせざるを得なくなり、生産性が低下することから実用化に結び付けることができなかった。
本発明の好適な態様の一つとして、特に、分割手段に仕切り板を用いると、加圧スチーム処理装置内部における誘発切れが効果的に防止できることを知った。その結果、毛羽の少ない高品位の糸条が得られるばかりでなく、糸条の走行安定性が維持され歩留まりが著しく向上する。この仕切り板のラビリンスノズルやラビリンスプレートに対する配設位置や大きさなどは、上述のとおり多様である。
本発明に係る加圧スチーム装置の実施例1によるラビリンスシール部の糸条走行路の一例を拡大して示す部分縦断面図である。 同ラビリンスシール部の内部を糸条走行路の上方から模式的に見た拡大部分斜視図である。 同ラビリンスシール部の糸条走行路の一例を示す横断面図である。 本発明のラビリンスノズル及び仕切り板の配置例を模式的に示す縦断面図である。 図4に示すラビリンスシール部の内部構造の概要を示す断面図である。 ラビリンスシール部の他の内部構造例を示す断面図である。 ラビリンスシール部の更に他の内部構造例を示す断面図である。 比較例1によるラビリンスシール部の糸条走行路を示す横断面図である。 比較例2によるラビリンスシール部の糸条走行路を示す横断面図である。 従来の加圧スチーム処理装置の概略構成を示す縦断面図である。 従来のラビリンスシール部の糸条走行路の一例を示す部分横断面図である。 従来のラビリンスシール部の糸条走行路の一例を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、本発明の実施形態を説明する前に、図10〜図12に示し上記特許文献1に開示された従来の代表的な加圧スチーム処理装置を一例として、それらの図面を参照して概略構成を説明する。本発明の実施形態にあっても、基本的には図10〜図12に示す従来構造を備えているが、その基本構造も例示する構造に限定されない。以上の点を踏まえ、以下に説明する本発明の実施形態を示す図面中の符号のうち、図10〜図12に示す部材に対応する部材には同一の符号を付している。
図10〜図12に示す加圧スチーム処理装置1は、加圧スチーム処理部2とその糸条入口及び出口にそれぞれ配されたラビリンスシール部3とを備えており、複数の糸条Yは前記装置1の前壁部に形成された糸条入口4から加圧スチーム処理装置1内へと導入され、同装置1の全長にわたって延びる糸条走行路5を、水平方向にシート状に並列して走行し、同装置1の後壁部に形成された糸条出口6から導出される。
加圧スチーム処理装置1を構成する部材の材質としては、スチームの漏れを防ぐためのシールを行うに充分な機械強度を有する材質であれば、いかなる構造材料も適用可能であり、特に限定されるものではない。例えば、処理装置の内面の糸条に接する可能性のある部分の材質として、耐腐食性を有するとともに、接触した場合の糸条への損傷を極力抑制できるように、ステンレス或いは鉄鋼材料に硬質クロムメッキ処理を施した材質が使われる。
前記加圧スチーム処理部2は、図10に示すように、糸条走行路5を挟んで上下にそれぞれ加圧室2aを有している。同加圧室2aの糸条走行路5に面する壁部が多孔板2bから構成されており、スチーム導入口2cから前記加圧室2aへと供給されたスチームは加圧されて前記多孔板2bから走行する糸条Yに向けてシャワー状に吹き出す。
前記ラビリンスシール部3は、図10及び図11に示すように、糸条長手方向に多段のラビリンスノズル3aにより構成されている。図11には同ラビリンスシール部3の糸条長手方向断面の一部を拡大して示しており、図12は前記ラビリンスノズル3aの縦断面図である。
前記ラビリンスノズル3aは前記ラビリンスシール部3の上下左右の全内壁面から走行糸条Yに向けて直角に延び、且つ同糸条Yの長手方向に80段〜120段と多段に配されており、糸条長手方向前後のラビリンスノズル3aの間には膨張室3cが形成されている。それらのラビリンスノズル3a間における各空間(膨張室)3cを通過する際にエネルギーが消耗されることにより加圧スチームの漏出量が低減される。
前記ラビリンスノズル3aは均一な厚みを持つ平板状の板片からなり、図12に示すように、高さ方向の中央に、水平方向に延びるスリット状の開口3bが形成されている。前記ラビリンスノズル3aの上下ラビリンスプレート3dの内壁面からの延設長さLと、前後のノズル間のピッチPとの比(L/P)の値は0.3〜1.2となるように設定されている。更にスリット状の前記開口3bの左右幅Wに対する高さHの比H/Wは1/900〜1/100に設定されている。
同開口3bの内部には、図12に示すように、他の部材は存在せず、ラビリンスシール部3の前後方向に連続して開口しており、この開口3bにより形成されるスリット状断面をもつ空間部がラビリンスシール部3における糸条走行路5を構成している。
本発明は、ラビリンスシール部3の前記糸条走行路5’の構成が前記従来の糸条走行路5と異なる点を特徴としている。すなわち、本発明にあっては、図1〜図3に示すように、スリット状断面をもつ糸条走行路5’に並列して走行する複数の糸条Y間であって、且つ上下ラビリンスノズル3a間の糸条走行路5’に、同糸条走行路5’に平行に複数の仕切り板3eが配されている。結果的に、従来の糸条走行路5が糸条並列方向に、各糸条Yごとに仕切り板3eによって分割されて、それぞれの糸条走行路5’に1本の糸条Yが走行することになる。
前記仕切り板3eは、ラビリンスノズル3a間の空間(膨張室3c’)を上下内壁面の全長にわたって配されている。なお本実施形態では、ラビリンスシール部3を構成するラビリンスノズル3aや上下のラビリンスプレート3dとは独立した平板片からなる仕切り板3eを別途取り付けているが、例えば前記ラビリンスノズル3aのように、上下のラビリンスプレート3dに直接一体に形成することも可能であり、或いはラビリンスノズル3aに直接一体に形成することもできる。仕切り板3eの材質としては、ステンレス、チタン、チタン合金や鉄鋼材料に硬質クロムメッキ処理を施した板材が使われる。
本実施形態にあっては、図1及び図2に示すように、仕切り板3eとラビリンスノズル3aとの間に僅かな隙間を設けている。この隙間は、隣接するラビリンスノズル3aと仕切り板3eとにより囲まれる各膨張室3c’内部のスチーム圧を均等にするためのスチーム流通路としての機能が期待できる。
かかる加圧スチーム処理装置1を用いて糸条を加圧スチーム雰囲気下で延伸処理するには、先ず、前記装置1に糸通しをする。ここで、上記特許文献1に開示された加圧スチーム処理装置では、糸通し性を改善するため、糸条走行路5を含む平面で上下に分離できるよう二分割している。同様の構成は、本発明にあっても採用することができる。こうすることにより、特に多錘を一括処理する場合の糸通し性が向上し、糸通し作業を容易に且つ短時間で行うことができる。
また、本発明にあって、上記特許文献1に開示された加圧スチーム処理装置と同様、加圧スチーム処理装置1への糸条の導入量を、充填率Fを0.5%〜10%の範囲に設定するとよい。この充填率Fとは次式、F={K/(ρ×105 )}/Aにより求められる値であり、即ち、ラビリンスシール部3における開口3bの開口面積に対する糸条断面積の占める割合である。ここで、Kは糸条繊度(tex)、ρは糸条密度(g/cm3 )、Aは前記糸条走行路の開口面積(cm2 )である。
前記加圧スチーム処理部2にスチーム導入口からスチームを供給して糸条を加圧スチーム雰囲気下で延伸処理を施す。このとき、装置内部のスチームは糸条入口4及び糸条出口6から外部へと漏出しようとする。本発明にあっても上記特許文献1に開示された加圧スチーム処理装置と同様に、前記加圧スチーム処理部2の糸条入口および出口のそれぞれにラビリンスシール部3を配しており、同シール部3にはラビリンスノズル3aを80段〜120段と多段に形成し、且つ前記ラビリンスノズル3aの延設長さL、すなわち前記開口3bまでの長さLと、前後のノズル間のピッチPとの比(L/P)の値を0.3〜1.2とすれば、さらに効果的にスチームの漏出を防止できる。
前記ラビリンスノズル3aは、形成段数を80段〜120段とすることにより、スチーム漏出量を効果的に低減させることができる。ラビリンスノズルが80段よりも少ない場合、シール性が不充分となり、逆にラビリンスノズルを120段以上としても、スチーム漏出の抑制効果は変わらない。
また、前記ラビリンスノズル3aは上下ラビリンスプレート3dの内壁面からの延設長さLと、隣接するノズル間のピッチPとの比(L/P)の値を0.3〜1.2の範囲にすると、スチームの漏出を効果的に抑制できる。このように前記L/Pの値を調節して膨張室3c’の寸法や断面形状を好適化することにより、スチーム漏出量を効果的に抑制することが可能となり、糸条の損傷や毛羽を効果的に防止することができる。
前記開口3bの左右幅Wに対する上下開口高さHの比H/Wを、上記特許文献1に記載された加圧スチーム処理装置と同様に、1/900〜1/100としている。その比H/Wが1/900以下では、糸条の損傷や毛羽の発生を抑制できず、また、比H/Wが1/100以上では、糸条を扁平に保つこととスチーム漏出量を抑制することとの両立が難しい。
さらに、スリット状の開口3bの幅Wに対する上下開口高さHの比H/Wの値を1/900〜1/100とすることと相まって上記充填率Fを抑えることにより、多錘処理での隣接して走行する糸条同士の干渉とそれに伴って引き起こされるダメージや混繊を防止できる。この充填率Fは0.5%〜10%とすることが好適である。この充填率Fが0.5%未満或いはラビリンスノズル3aが80段未満であるとスチームの漏出量が増え、また、充填率Fが10%を越え、或いはラビリンスノズル3aが120段を越えると、糸条とラビリンスノズル3aとの接触が無視できず、また隣接する糸条同士あるいは構成繊維同士の混繊も発生しやすくなる。
しかも本実施形態では、前記ラビリンスシール部3における糸条走行路5’を構成する開口3bの形状が図4に示すようにスリット形状であるラビリンスノズル3aを用いるとともに、糸条走行路5’を糸条数に応じて仕切り板3eにより、糸条並列方向に仕切っているため、糸条Yを扁平な状態に維持できるだけでなく、各仕切り板3eが整流板としての役目を果たし、上述の各ノズル3aと仕切り板3eとの間の隙間の存在とが相まって、各糸条Yに作用する加圧スチーム量と圧力が均等化され、スチームの糸束内部への侵入、到達が促進され、短時間での均一な加熱加圧が可能となる。また、特に仕切り板3eの存在は隣接する糸条Y同士の接触と絡み合いを防ぎ、ラビリンスシール部3における毛羽や混繊の発生、更には隣接する糸条Y同士の絡み合いによる誘発切れの発生がなくなり、糸条Yの走行安定性が著しく向上して、歩留りが高くなり、生産性に優れると同時に毛羽の発生が少ない高品位な糸条が得られる。
上記特許文献1に記載された加圧スチーム処理装置にあって、装置本体が糸条走行路5を含む平面において糸条並列方向に分割可能とした加圧スチーム処理装置を用いる場合、図4に例示するように、前記ラビリンスノズル3aと仕切り板3eとの間に隙間を設けることが好ましく、ラビリンスノズル3aの糸条長手方向の長さは、任意のラビリンスノズル3aの面と隣り合うラビリンスノズルの対向する面との高さの55%〜95%であることが好ましい。
仕切り板の糸条長手方向の長さが、任意のラビリンスノズル3aの面と、隣り合うラビリンスノズルの対向する面との高さの55%以上とすることで、隣接する糸条Y同士の接触と絡み合いを防ぎ、ラビリンスシール部3における毛羽や混繊の発生、更には隣接する糸条Y同士の絡み合いによる誘発切れの発生がなくなり、糸条Yの走行安定性が著しく向上して、歩留りが高くなり、生産性に優れると同時に毛羽の発生が少ない高品位な糸条が得られ、仕切り板の糸条長手方向の長さが、任意のラビリンスノズルの面と、隣り合うラビリンスノズルの対向する面との高さの95%以下とすることで、糸条走行路5を含む平面において分割された加圧スチーム装置を閉める際に、上又は下ラビリンスノズルの内、仕切り板を有していない側のラビリンスノズルと仕切り板とが接触することがなくなり、ラビリンスノズル及び仕切り板の破損がなくなる。
なお、上述した実施形態による加圧スチーム処理装置1は、水平方向に糸条を走行させるものであるが、走行方向は水平方向に限定されるものではなく、上下方向に走行させるタイプの処理装置とすることもできる。また、上記仕切り板3eは、加圧スチーム処理部2の糸条入口および出口にそれぞれ配される各ラビリンスシール部3に設けられた例を示したが、加圧スチーム処理部2の糸条入口または出口のいずれか一方のラビリンスシール部3だけに仕切り板3eを配するようにしてもよい。この場合、少なくとも糸条入口側のラビリンスシール部3に仕切り板3eを配することが好ましい。
更に、上記実施形態では、前記ラビリンスノズル3aがラビリンスシール部3の上下左右の全ての内壁面から延設されており、同ラビリンスノズル3aにより糸条走行路5の全周が囲まれているが、かかる構成に限定されるものではない。前記ラビリンスノズル3aを内壁面の全面ではなく、例えば上下の壁面からだけ延設させる場合もあり、この場合には糸条走行路5’は上下ラビリンスプレート3dから垂直に延びる前記ラビリンスノズル3aとラビリンスシール部3の左右側壁面とにより囲まれることになる。
[製造例1]
アクリロニトリル(AN)、メチルアクリレート(MA)、及びメタクリル酸(MAA)をモル比AN/MA/MAA=96/2/2で共重合させたポリアクリロニトリル系重合体をジメチルアセトアミド(DMAc)溶液(ポリマー濃度20質量%、粘度50Pa・s、温度60℃)に溶解させて紡糸原液を調製し、該紡糸原液をホール数12000の紡糸口金を通して、濃度が70質量%、液温が35℃のDMAc水溶液中に吐出して水洗後、熱水浴中で3倍に延伸し、135℃で乾燥して、緻密化した糸条Fを得た。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、以下に説明する実施例及び比較例は例示に過ぎず、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例では、図10及び図11に示した従来の加圧スチーム処理装置に基づき改良された加圧スチーム処理装置1を用いた。
(実施例1)
図1〜図5に例示した前記処理装置1において、前後ラビリンスシール部3に多数の仕切り板3eを連設されている。この処理装置1では、糸条に平行で且つ糸条並列方向の隣り合う糸条間に沿って複数の仕切り板3eを連設している。このとき、仕切り板3eの側面とラビリンスノズル3aの対向平面との間に所要の間隔が空けらている。本実施例1では、ラビリンスノズル3aの厚みt=1mm、ラビリンスノズル3aの間の膨張室の長さP2=21mm、前記ラビリンスノズル3aの上下ラビリンスプレート3dの内壁面からの延設長さL=5mm、開口高さH=2mmとし、下ラビリンスプレート3dに仕切り板3eを直接立設させている。この仕切り板3eの糸条長手方向の長さP1=19mm、仕切り板の高さH1=10mmとした。そのため、図4に示すように、下ラビリンスプレート3dの内面から立ち上がる仕切り板3eの上端と上ラビリンスプレート3dの内面との間にも2mm高さの間隙が形成されている。
前記処理装置1を用いて、製造例1で得られた糸条Yを3錘で糸条入口から導入して加圧スチーム処理を行った。加圧室の圧力は300kPaとし、加圧スチームによる糸条Yの延伸倍率を3倍とした。加圧スチームによる延伸処理開始と同時に10時間紡糸を行った。糸条の紡糸中、全ての糸条においてばたつきなく、毛羽の発生もなく安定してスチーム延伸できた。糸条の製造開始から10時間経過後に、処理装置1の入口側を走行する糸条Yのうち、中央を走行する糸条Yに屑糸を巻きつけ、中央を走行する糸条Yを処理装置1の中で強制的に切断したが、表1に示すとおり、その後も隣接する2本の糸条Yは誘発切れすることなく、安定してスチーム延伸ができた。
(実施例2〜4)
前記処理装置1の仕切り板3eの糸条長手方向の長さP1を、表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の加圧スチーム処理装置1を用いて、糸条Yの加圧スチーム処理を10時間行った。また、糸条の製造開始から10時間経過後に、同処理装置1の入口側を走行する糸条Yのうち、中央を走行する糸条Yに屑糸を巻きつけ、中央を走行する糸条Yを処理装置2〜4の中で強制的に切断した。加圧スチーム処理装置1で延伸を行っている間に加圧スチーム延伸以降の糸条の毛羽状態を観察し、毛羽の発生頻度を評価した結果と、中央を走行する糸条Yを強制的に切断した後の隣接する2本の糸条Yの誘発切れの発生状況とを表1に示す。実施例1と同様、毛羽の発生や誘発切れすることなく、安定してスチーム延伸ができた。
(実施例5)
図6に例示するように、上及び下ラビリンスプレート3dの内面に高さH1及びH2の仕切り板3eを取り付けた以外は前記処理装置1と同様な処理装置を用いて糸条Yの加圧スチーム処理を10時間行った。また、糸条の製造開始から10時間経過後に、処理装置の入り側を走行する糸条Yのうち、中央を走行する糸条Yに屑糸を巻きつけ、中央を走行する糸条Yを処理装置1の中で強制的に切断した。加圧スチーム処理装置1で延伸を行っている間に加圧スチーム延伸以降での毛羽の状態を観察し、毛羽の発生頻度を評価した結果と、中央を走行する糸条Yを強制的に切断した後の隣接する2本の糸条Yの誘発切れの発生状況について表1に示す。表1に示したとおり、毛羽の発生も誘発切れの発生もなく、安定してスチーム延伸ができた。
(実施例6)
図7に例示するように、上及び下ラビリンスプレート3dの内面に取り付けた高さH1及びH2の異なる上及び下仕切り板3eが、同じ隣り合う糸条間で互いに干渉しない位置にあって、上及び下ラビリンスプレートの内面に互い違いに配された仕切り板の高さの合計H1+H2が、上ラビリンスプレート3dの内面から下ラビリンスプレート3dの内面までの高さ以上であること以外は実施例1の処理装置1と同様な処理装置を用いて糸条Yの加圧スチーム処理を10時間行った。
また、糸条の製造開始から10時間経過後に、処理装置1の入り側を走行する糸条Yのうち、中央を走行する糸条Yに屑糸を巻きつけ、中央を走行する糸条Yを処理装置1の中で強制的に切断した。加圧スチーム処理装置で延伸を行っている間に加圧スチーム延伸以降での毛羽の状態を観察し、毛羽の発生頻度を評価した結果と、中央を走行する糸条Yを強制的に切断した後の隣接する2本の糸条Yの誘発切れの発生状況について表1に示す。表1に示したとおり、毛羽の発生も誘発切れの発生もなく、安定してスチーム延伸ができた。
(比較例1)
図8に例示するように、前記処理装置1の仕切り板3eを取り外したこと以外は、実施例1と同様な加圧スチーム処理装置1を用いて、糸条Yの加圧スチームによる延伸処理開始10時間紡糸を行った。糸条の製造中、全ての糸条においてばたつきなく、毛羽の発生も無く安定してスチーム延伸できた。糸条の製造開始から10時間経過後に、処理装置1の入り側を走行する糸条Yのうち、中央を走行する糸条Yに屑糸を巻きつけ、中央を走行する糸条Yを処理装置1の中で強制的に切断したところ、直後に隣接する2本の糸条Yは誘発切れにより切断された。誘発切れ発生箇所を確認したところ、表1に示すように、毛羽立ちはなかったものの、加圧スチーム処理部前側のラビリンスシール部3内にて隣接する糸条同士が絡み合い、誘発切れが生じた。
(比較例2)
図9に例示するように、前記処理装置1の仕切り板3eの代わりに直径6mmのピンガイド3fを使用したこと以外は、実施例1の前記処理装置1と同様な加圧スチーム処理装置を用いて、糸条Yの加圧スチーム処理を10時間行った。糸条の製造中、全ての糸条においてばたつきがなかったが、加圧スチーム処理後の糸条に毛羽の発生が見られた。糸条の製造開始から10時間経過後に、処理装置1の入り側を走行する糸条Yのうち、中央を走行する糸条Yに屑糸を巻きつけ、中央を走行する糸条Yを処理装置1の中で強制的に切断したところ、直後に隣接する2本の糸条Yは誘発切れにより切断された。誘発切れ発生箇所を確認したところ、加圧スチーム処理部前側のラビリンスシール部3内にて隣接する糸条同士が絡み合っていた。
Figure 2012120962
以上詳述したように、本発明の糸条の加圧スチーム処理装置によれば、糸条走行路を糸条並列方向に分割して、隣接する糸条間の干渉を防止するとともに加圧スチームを各糸条に均等に作用させることができるため、糸条の走行性が向上し、しかもスチームの漏出量が最小限に抑えられ、各糸条に対して安定した加圧スチーム処理を行うことができ、しかも損傷や毛羽のない高品質の糸条が得られる。
1 加圧スチーム処理装置
2 加圧スチーム処理部
2a 加圧室
2b 多孔板
2c スチーム導入口
3 ラビリンスシール部
3a ラビリンスノズル
3b 開口
3c,3c’ 膨張室
3d ラビリンスプレート
3e 仕切り板
3f ピンガイド
4 糸条入口
5,5’ 糸条走行路
6 糸条出口
Y 糸条
H1,H2 (上及び下仕切り板の)高さ
かかる目的は、本発明の第1の基本構成である、加圧スチーム処理部とラビリンスシール部とを備え、並走する複数の糸条を一括して加圧スチーム雰囲気下で処理する糸条の加圧スチーム処理装置であって、前記ラビリンスシール部は、加圧スチーム処理部の糸条入口と出口にそれぞれ連設され、前記ラビリンスシール部にあって、糸条に平行で且つ糸条並列方向の隣り合う糸条間に沿って仕切り板を有し、該仕切り板により前記ラビリンスシール部における糸条走行路各糸条ごとに仕切られてなることを特徴とする加圧スチーム処理装置により効果的に達成される。
また、上記目的は、本発明の第2の基本構成となる、前記加圧スチーム処理装置をもって複数の糸条を一括して延伸処理することを特徴とする炭素繊維前駆体糸条の製造方法によっても効果的に達成される。
本発明の好適な態様によれば、前記ラビリンスシール部にあって、前記ラビリンスノズルの各段ごとに糸条に平行で、且つ糸条並列方向の隣り合う糸条間に沿って複数の仕切り板を連設することが好ましい。また、前記ラビリンスシール部にあって、ラビリンスノズルと隣り合うラビリンスノズルとの間ごとに糸条に平行で且つ糸条並列方向の隣り合う糸条間に沿って複数の仕切り板を連設するようにしてもよい。

Claims (14)

  1. 加圧スチーム処理部とラビリンスシール部とを備え、並走する複数の糸条を一括して加圧スチーム雰囲気下で処理する糸条の加圧スチーム処理装置であって、
    前記ラビリンスシール部は、加圧スチーム処理部の糸条入口と出口にそれぞれ連設され、前記ラビリンスシール部における糸条走行路を各糸条ごとに仕切られてなる加圧スチーム処理装置。
  2. 前記ラビリンスシール部にあって、糸条に平行で且つ糸条並列方向の隣り合う糸条間に沿って仕切り板を有する請求項1に記載の加圧スチーム処理装置。
  3. 前記ラビリンスシール部にあって、ラビリンスノズルと隣り合うラビリンスノズルとの間ごとに糸条に平行で且つ糸条並列方向の隣り合う糸条間に沿って複数の仕切り板を連設した請求項1に記載の加圧スチーム処理装置。
  4. 前記仕切り板を、任意のラビリンスノズルと隣り合うラビリンスノズルとの間に有する請求項1又は2に記載の加圧スチーム処理装置。
  5. 前記仕切り板の糸条に平行な長さが、任意のラビリンスノズルの面と隣り合うラビリンスノズルの対向する面との距離の55〜95%である請求項3又は4に記載の加圧スチーム処理装置。
  6. 前記仕切り板を、上又は下ラビリンスプレートの内面に有する請求項3〜5のいずれかに記載の加圧スチーム処理装置。
  7. 前記仕切り板の高さが、上または下ラビリンスノズルの高さと上下ラビリンスノズル間の開口距離との合計以上である請求項6に記載の加圧スチーム処理装置。
  8. 前記仕切り板を、上及び下ラビリンスプレートの内面に有する請求項3〜5のいずれかに記載の加圧スチーム処理装置。
  9. 上及び下ラビリンスプレートの内面に有する仕切り板が対向する位置にあって、上及び下ラビリンスプレートに有する仕切り板の一方高さが、上または下ラビリンスノズル高さと上下ラビリンスノズル間の開口距離との合計以上である請求項8に記載の加圧スチーム処理装置。
  10. 上及び下ラビリンスプレートの内面に有する仕切り板が、同じ糸条間で互いに干渉しない位置にあって、上及び下ラビリンスプレートの内面に有する仕切り板の高さの合計が、上ラビリンスプレートの内面から下ラビリンスプレートの内面までの距離以上である請求項8に記載の加圧スチーム処理装置。
  11. 前記仕切り板をラビリンスノズルに有する請求項3〜5のいずれかに記載の加圧スチーム処理装置。
  12. 前記仕切り板を加圧スチーム処理部の前に備えるラビリンスシール部のみに有する請求項1〜11のいずれかに記載の加圧スチーム処理装置。
  13. 前記ラビリンスシール部のうち、糸条入り側の後部ラビリンスシール部のみ糸条走行路を分割することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の加圧スチーム処理装置。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の加圧スチーム処理装置で複数の糸条を一括して延伸処理する炭素繊維前駆体糸条の製造方法。
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