JP2013159874A - アクリル繊維束の製造方法と同繊維束のスチーム延伸装置 - Google Patents

アクリル繊維束の製造方法と同繊維束のスチーム延伸装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013159874A
JP2013159874A JP2012022325A JP2012022325A JP2013159874A JP 2013159874 A JP2013159874 A JP 2013159874A JP 2012022325 A JP2012022325 A JP 2012022325A JP 2012022325 A JP2012022325 A JP 2012022325A JP 2013159874 A JP2013159874 A JP 2013159874A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steam
fiber bundle
acrylic fiber
stretching
box
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012022325A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6098033B2 (ja
Inventor
Akinari Tada
旭成 多田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2012022325A priority Critical patent/JP6098033B2/ja
Publication of JP2013159874A publication Critical patent/JP2013159874A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6098033B2 publication Critical patent/JP6098033B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

【課題】アクリル繊維束にスチーム延伸を施すにあたって、特に高倍率で延伸を行う場合などにアクリル繊維束に大きな張力をかけても、上述の問題が発生しない、工程通過性に優れたアクリル繊維束の製造方法及び同繊維束のスチーム延伸装置を提供する。
【解決手段】スチーム延伸機3に、アクリル繊維束4を導入し、スチーム延伸するのに先立って、アクリル繊維束4の移送方向と対向する方向にスチームを供給して、アクリル繊維束の可塑化を行う。好適な態様として、スチームボックス1の糸条出口が前記スチーム延伸機3の糸条入口に直接接続されており、前記スチームボックス1の蒸気供給手段は前記スチーム延伸機3の繊維束の入口を含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スチーム延伸工程を有するアクリル繊維束の製造方法とアクリル繊維束を加圧スチームの雰囲気下で延伸するスチーム延伸装置に関する。
アクリル繊維束の延伸方法として、従来から加圧スチームを用いて延伸することが知られている。加圧スチームを用いると、大気圧下の熱水より高温が得られるとともに、水分の存在がアクリル繊維束の可塑化効果を生み、高倍率の延伸が可能となるがためである。特に、炭素繊維の前駆体として使用されるアクリル繊維束は、アクリロニトリル重合率が非常に高いので顕著な融点が存在せず、熱の効果だけでは実質的に延伸が不可能なため、加圧スチーム延伸が適用される場合が多い。
図2に示すアクリル繊維束のスチーム延伸方法は、糸条予熱ロール102を介して供給されるアクリル繊維束4をスチーム延伸機103に直接導入し、同スチーム延伸機103の延伸室に送り込まれる加圧スチームによってアクリル繊維束4を可塑化しながら所望の延伸率にて延伸がなされる。スチーム延伸機103の糸条入口及び出口にはラビリンスシール107が設けられ、スチーム延伸機103内のスチーム圧力を所定の加圧下においている。
しかしながら、アクリル繊維束4をスチーム延伸により、高倍率に延伸する場合などにおいて、単繊維の切断、毛羽の発生、繊維束全体の切断といった欠陥が発生する場合があった。細繊度の繊維を得る場合、より高速で処理しようとする場合も同様の欠陥が生じやすい。なお図2において、符号110はスチーム延伸機の上蓋を示し、111はスチーム延伸機の架台、112はスチーム延伸装置を示す。
図3に示すスチーム延伸装置112は、アクリル繊維束4をスチーム延伸するスチーム延伸機103の上流側に隣接させてスチームボックス101を配し、アクリル繊維束4をスチームボックス101を通して予熱したのち、スチーム延伸機103に導入して加圧スチームの雰囲気下で所望の延伸を行っている。前記スチームボックス101のスチーム供給口109は、スチームボックス101の底部に設けられており、その開口はスチームボックス101の内部を水平に移送するアクリル繊維束4に直交するように向けられている。
この図3に示したスチーム延伸装置112に類似する装置が、例えば、特開平8−246284号公報(特許文献1)に開示されている。ただし、図3に示す前記スチーム延伸装置112のスチームボックス101と、前記特許文献1により開示されたスチーム延伸装置のスチームボックスとで異なるところは、特許文献1により開示されたスチームボックスでは、図3に示すスチームボックス101のスチーム供給口109と、移送するアクリル繊維束4との間に、図示せぬ遮蔽板を配している点である。
この遮蔽板を配することにより、スチームボックスの内部に、アクリル系糸条の移送方向に直交して供給されるスチームがアクリル系糸条に直接当たって単糸切れを越さず、またボックス内にスチームを均一に行き亘らせて、安定した予熱が行えるようにしている。図3に示すスチーム延伸装置も特許文献3に開示されたスチーム延伸装置も、アクリル繊維束4をスチーム延伸機103にてスチーム延伸を行うに先立って、スチームボックス101を通してスチームにて予熱し可塑化を促している点で一致している。
特許文献1によれば、このときにスチームボックス内に供給するスチームの圧力は0.5〜1.5kg/cm(0.0490〜0.1471MPa)であることが好ましく、例えばシリコーン系油剤が付与されているため撥水作用により伝熱速度の遅いアクリル系糸条であっても、スチーム延伸機に導入されるアクリル系糸条はスチームボックスにおいて十分に予熱されて、糸切れや毛羽発生などによるロール巻付きなどが起こらず、またスチームボックスに供給される圧力が上記数値より低くすると、予熱の効果が小さくなるため好ましくないとしている。
特開平8−246284号公報
しかるに、上記特許文献1に開示された技術を用いたとしても、高倍率延伸を行う場合などのようなアクリル繊維束に大きな張力をかけることが必要なときには、より均一な加熱を必要とするが、それを実現することは難しく、そのため均一な可塑化効果が得られず、アクリル繊維束全体の切断といったトラブルが発生していた。また、アクリル繊維束全体の切断に至らないまでも、単繊維の切断や毛羽の発生、といった品質の低下につながるトラブルを完全に防止できるものではなかった。
本発明の課題は、従来技術の上記欠点を改善し、アクリル繊維束にスチーム延伸を施すにあたって、特に高倍率で延伸を行う場合などにアクリル繊維束に大きな張力をかけても、上述の問題が発生しない、工程通過性に優れたアクリル繊維束の製造方法及び同繊維束のスチーム延伸装置を提供することにある。
第1の発明に係るアクリル繊維束の製造方法の基本構成は、スチームボックスにアクリル繊維束を導入し、アクリル繊維束の移送方向と対向する方向にスチームを供給して、アクリル繊維束の可塑化を行い、次いでスチーム延伸機に、前記アクリル繊維束を導入し、スチーム延伸するアクリル繊維束の製造方法にある。
前記アクリル繊維束の移送方向と対向する方向に供給するスチームが、スチーム延伸機に供給するスチームの圧力より0.2〜0.4MPa低い飽和蒸気であることが好ましい。さらに、アクリル繊維束を予熱した後、上記可塑化を行うことが好ましい。
第2の発明であるアクリル繊維束のスチーム延伸装置の基本構成は、繊維束の入口と出口を有するスチームボックスと、加圧スチームを供給して延伸するための、蒸気をシールする構造を繊維束の入口と出口との両端に有するスチーム延伸機とを備え、前記スチームボックスは、前記出口から前記入口に向かう方向に蒸気を供給可能とする蒸気供給手段を有している。
好ましい態様によれば、前記スチームボックスの前記出口が前記スチーム延伸機の繊維束の入口に直接接続されており、前記蒸気供給手段が前記スチーム延伸機の繊維束の入口を含んでいる。さらに、前記蒸気供給手段は、前記スチームボックスの前記出口を前記スチーム延伸機の繊維束の入口に隣接して独立して配するとともに、前記スチームボックスの前記出口の周辺に、前記入口に向けて繊維束の移送方向に対向する方向であって繊維束と平行にスチームを供給するために配されるスチーム供給口を採用することもできる。この場合、外部のスチーム源からスチーム供給口を介して供給されるスチームの流量や圧力は各種バルブにより積極的に制御できる。
前記スチームボックスよりアクリル繊維束移送方向の上流に、アクリル繊維束を予熱する予熱手段をさらに有していることが好ましい。当該予熱手段はスチームよりも糸条予熱ロールであることが好ましい。
本発明によれば、アクリル繊維束にスチーム延伸を施す際、スチーム延伸機の上流側でアクリル繊維束の移送方向と対向する方向にスチームを供給して加熱することによりアクリル繊維束にダメージを与えずに可塑化効率が高まる。また好ましくは、アクリル繊維束の移送方向と対向する方向にスチームを供給する以前に、予熱ロールによる機械的予熱を行うことにより、さらに可塑化の効率が上昇し、以降のスチーム延伸を円滑に行うことができ、特に高倍率で延伸を行う場合、より高速で処理しようとする場合、細繊度の繊維を得る場合などにおいても、アクリル繊維束全体の切断といったトラブルを防止することができる。さらに、単繊維の切断や毛羽の発生も防止することができ、高品質のアクリル繊維束を安定して得ることができる。
本発明のスチーム延伸装置の一例を示す概略断面図である。 従来のスチーム延伸装置を示す概略断面図である。 スチームボックスに供給する蒸気を糸条に対して垂直方向としたスチーム延伸装置を示す概略断面図である。
以下、本発明の代表的な実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の代表的な実施形態を示すスチーム延伸装置の概略断面図である。
本発明における、アクリル繊維束の加圧スチーム延伸工程の前後に、当該繊維束の製造分野において公知の工程を適宜配することができる。例えば、アクリル系繊維を溶液紡糸する場合は、原料重合体としてアクリロニトリルのホモポリマー、あるいはコモノマーを含んだアクリロニトリル系共重合体を、公知の有機又は無機溶剤に溶解した溶液を紡糸した後、延伸するにあたって本発明のスチーム延伸を行うことができる。この場合、紡糸方法はいわゆる湿式、乾湿式、乾式のいずれであってもよく、紡糸後の工程で脱溶剤、浴中延伸、油剤付着処理、乾燥等を施すことができる。スチーム延伸は繊維製造のいかなる段階で実施してもよいが、溶液紡糸の場合は繊維束中の溶剤をある程度除去した後、すなわち洗浄後又は浴中延伸後、あるいは乾燥後に実施することが好ましく、高配向の繊維を得る観点から乾燥後がより好ましい。
延伸雰囲気のスチーム圧は、加圧状態、すなわち大気圧より高い圧力に適宜設定でき、目的に沿うものであればよく、特に限定されない。すなわち、延伸する繊維の種類、スチーム延伸工程での処理状態、あるいは目的とする繊維特性等により適宜設定される。
本発明に係るアクリル繊維束のスチーム延伸装置は、特許文献1に記載されたスチーム延伸装置と同様に、アクリル繊維束4の移送方向上流側に配され、アクリル繊維束4をスチームをもって加熱して可塑化を促進させるスチームボックス1と、スチームボックス1の下流側に接続して配され、アクリル繊維束4をスチーム延伸するスチーム延伸機3とを備えている。本発明にあって前記スチームボックス1は、アクリル繊維束4の糸条出口から糸条入口に向けてスチームを供給する蒸気供給手段を有していることが重要であり、この点が本発明にとって最も特徴ある構成となる。
図2は、従来の一般的なスチーム延伸装置の一例を示している。このスチーム延伸装置112は、糸条供給ロールとして機能するとともに糸条予熱ロール102でもある加熱可能な複数のロールの糸条移送方向下流側にスチーム延伸機103が配されている。このス
チーム延伸機103は従来の一般的な構成を備えており、その糸条入口と糸条出口にはラビリンスシール107を有している。この例では、図示せぬ糸条供給源から供給されるアクリル繊維束(糸条)4を糸条予熱ロール102により乾熱により予熱したのち、直ちにスチーム延伸機103に導入されて、同スチーム延伸機103の内部の加圧スチーム雰囲気下で所要の延伸がなされる。
図3に示すスチーム延伸装置は、上記特許文献1に開示されたスチーム延伸装置と遮蔽板の有無で相違する以外は実質的に変わりがない。糸条予熱ロール102の糸条下流側にスチールボックス101とスチーム延伸機103とを離間して順次配している。前記スチームボックス101の底部にはドレン排出口108とスチーム供給口109とが設けられており、スチーム供給口109は機内の上部を水平に移送するアクリル繊維束4に直交する方向にスチームを吹き出すようにしている。
図示実施形態にあっても、図1に示すように、一方向に移送するアクリル繊維束4は、糸条予熱ロール2を介して乾熱により予熱されたのちに、スチームボックス1を通して第2次の予熱がなされるとともに可塑化が促進され、引き続いてスチーム延伸機3に導入されるアクリル繊維束は同スチーム延伸機3にて所望の加圧スチームの雰囲気下で所定の高延伸倍率で延伸されて製造される。本実施形態に係るスチーム延伸装置は、加熱可能な複数の糸条予熱ロール2と、スチーム延伸機3に直接接続されたスチームボックス1とを備えている。このスチームボックス1の糸条入口及び糸条出口は、上記スチーム延伸機と異なり、格別のシール構造を備えていない。
ここで、図示実施形態でも、アクリル繊維束をスチーム延伸機に導入してスチーム延伸をするのに先立って、アクリル繊維束の可塑化を行うことは重要である。そのため、スチームボックス1とスチーム延伸機3との接続形態を、スチームボックス1の糸条出口とスチーム延伸機3の糸条入口とを連通するように直接接続している。この点が図3に示すスチーム延伸装置と大きく異なるところであり、その結果、改めてスチーム供給口が不要となり、スチームボックス1の底部からスチーム供給口を排除している。
スチームボックス内にドレンが発生するので、ドレン排出口8を設けるのが好ましい。
つまり、図1に示す本実施形態に係るスチーム延伸装置12と、図2に示したスチーム延伸装置112とにおいて構成上で大きく異なるところは、図2に示すスチーム延伸装置112ではスチーム延伸機103の上流側に配置した図1に示すスチームボックス1が完全に排除されている点である。また本実施形態に係るスチーム延伸装置と、図3に示す従来のスチーム延伸装置との異なるところは、後者がスチームボックス101をスチーム延伸機103と切り離して、糸条予熱ロール102とスチーム延伸機103との間に独立して設置している点であり、更には図3に示したスチームボックス101の底部に設けられた開口を上方に向けてスチーム供給口109を設けている形態が図1に示すスチームボックス1からスチーム供給口を排除するとともに、前記スチームボックス101の糸条出口とスチーム延伸機103の前記糸条入口とが直接接続されている点である。
本実施形態では、上述の構成により、スチーム延伸機3に導入されるアクリル繊維束4をスチーム延伸するのに先立って、スチーム延伸機3に導入されたスチームの一部を、スチーム延伸機3の糸条入口側のラビリンスシール7の間を通るスチームが、スチームボックス1の糸条出口を介して、アクリル繊維束4の移送方向に対向する方向に向けてスチームが流れることになる。このように、スチームをアクリル繊維束4の移送方向に対向する方向に流すことによって、アクリル繊維束4の側面に沿ってスチームが対向して流れ、アクリル繊維束4にダメージを与えることがなくなり、繊維束全体の切断はおろか単繊維の切断をも激減させる。その上に、スチームボックス1に導入されるアクリル繊維束4は、その導入口から出口にかけてスチーム加熱温度が徐々に高まるため、スチーム延伸機3に
導入されるときには十分な可塑化がなされた状態となり、スチーム延伸機3にて高倍率延伸を行う場合や、細繊度の繊維を得る場合、あるいはより高速で処理しようとする場合でも、アクリル繊維束全体の切断といったトラブルを防止することができる。さらに、単繊維の切断や毛羽の発生を防止することができ、高品質のアクリル繊維束を安定して得ることができる。
このときのスチーム延伸をより安定して行うために、対向する方向に供給される前記スチームは、スチーム延伸機に供給されるスチームの圧力より0.2〜0.4MPa低い飽和蒸気とすることが好ましい。また、スチームボックスに導入されるアクリル繊維束の温度をT1、対向する方向に供給するスチーム温度をT2とした場合、80≦T1≦T2の範囲とするのが好ましい。
さらに、本発明にあっては可塑化をより効率的に行うために、アクリル繊維束をスチームボックスに導入する前に予熱してから、上記可塑化を図ることが望ましい。この予熱を行うには、スチームにより加熱することもあり得るが、スチーム加熱ではアクリル繊維束の形態を乱しやすい点を考慮したとき、例えば予熱ロールを用いて乾熱による予熱を行うことが適切である。これにより、例えばシリコーン系油剤が付与されているため、可塑化効果が得られ難く伝熱速度の遅いアクリル繊維束でも、スチーム加熱が行われる前に乾熱により加熱されるため、繊維束の形態崩れがなくダメージも少ないため、以降のスチーム加熱によっても十分に可塑化がされるようになり、スチーム延伸機を用いて高倍率延伸を行う場合、細繊度の繊維を得る場合、より高速で処理しようとする場合にも、アクリル繊維束全体の切断といったトラブルを回避することができる。さらに、単繊維の切断や毛羽の発生を防止することができ、高品質のアクリル繊維束を安定的に得ることができる。
なお、図1に示した上記実施形態のスチーム延伸装置では、スチームボックス1とスチーム延伸機3とを直接接続している例であるが、本発明にあっては、図示は省略するが、例えばスチームボックス1とスチーム延伸機3とを独立して配し、スチームボックス1の糸条出口の周辺に複数のスチーム供給小口を設けて、そこからスチームボックス1の糸条入口側に向けてアクリル繊維束と平行に複数のスチームを供給することもできる。この場合、スチーム供給小口から供給されるスチーム温度や圧力は、スチームボックス1の外部に設けられたスチーム供給管路中に各種バルブの開度を調整することにより制御できる。
以上の説明から理解できるように、本発明は特許請求の範囲を逸脱しない範囲において、多様な変更が可能である。
以下、実施例を用いて、本発明をより具体的に説明する。なお、本実施例中、アクリル繊維束全体の切断回数の評価は、同じ条件下でスチーム延伸を5回行い、アクリル繊維束全体が切断した回数を計測することにより行った。
また、アクリル繊維束の毛羽の発生状況の評価は、移送状態のアクリル繊維束を肉眼で3分間観察し、糸条表面の毛羽の数を計測することにより行った。
(実施例1)
アクリロニトリル単位98モル%、メタクリル酸単位2モル%からなるアクリル系共重合体を、ジメチルホルムアミドに溶解して重合体濃度23%の紡糸原液を調整した。この紡糸原液を、紡糸ノズルを用いて、温度10℃、濃度80%からなる凝固浴中に吐出し凝固糸を得た。この凝固糸を、冷延伸および熱水中延伸を実施し、油剤付着および乾燥緻密化処理を行って、アクリル繊維束を得た。
続いて、アクリル繊維束を図1に示した装置(表1に温度などの延伸条件を示す)に通
し、4.0倍延伸を行った。引き続き、乾燥して、単繊維繊度が0.8デシテックス、フィラメント数が12000のアクリル繊維束を得た。得られたアクリル繊維束の、繊維束全体の切断回数と毛羽の発生状況を評価した結果を表1に示した。
(実施例2〜7)
可塑化を行う前のアクリル繊維束の予熱の有無、スチーム延伸機内の蒸気圧力、スチームボックスに供給するアクリル繊維束の温度を、表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてアクリル繊維束を得た。得られたアクリル繊維束の、繊維束全体の切断回数と毛羽の発生状況を評価した結果を表1に示した。
(比較例1)
図2に示したスチーム延伸装置(スチームボックスがない以外は、実施例1と同様。)を使用し、アクリル繊維束を得た。得られたアクリル繊維束の、繊維束全体の切断回数と毛羽の発生状況を評価した結果を表1に示した。
(比較例2)
図3に示すように蒸気供給位置を変更したスチームボックスに、スチームをアクリル繊維束の移送方向に対して直交して側面から供給するように変更したほかは、実施例1と同様にしてアクリル繊維束を得た。得られたアクリル繊維束の、繊維束全体の切断回数と毛羽の発生状況を評価した結果を表1に示した。
Figure 2013159874
1,101 スチームボックス
2,102 糸条予熱ロール
3,103 スチーム延伸機
4 アクリル繊維束(糸条)
5,105 スチーム延伸機への加圧スチーム供給口
6,106 糸条引取りロール
7,107 ラビリンスシール
8,108 スチームボックスのドレン排出口
9,109 スチーム供給口
10,110 スチーム延伸機の上蓋
11,111 スチーム延伸機の架台
12,112 スチーム延伸装置

Claims (7)

  1. スチームボックスにアクリル繊維束を導入し、アクリル繊維束の移送方向と対向する方向にスチームを供給して、アクリル繊維束の可塑化を行い、次いでスチーム延伸機に、前記アクリル繊維束を導入し、スチーム延伸するアクリル繊維束の製造方法。
  2. 前記アクリル繊維束の移送方向と対向する方向に供給するスチームが、スチーム延伸機に供給するスチームの圧力より0.2〜0.4MPa低い飽和蒸気である請求項1記載の製造方法。
  3. アクリル繊維束を予熱した後、上記可塑化を行う請求項1または2に記載の製造方法。
  4. アクリル繊維束をスチーム延伸する装置であって、繊維束の入口と出口とを有するスチームボックスと、加圧スチームを供給して延伸するための、蒸気をシールする構造を繊維束の入口と出口との両端に有するスチーム延伸機とからなり、前記スチームボックスは、前記出口から前記入口に向かう方向に蒸気を供給可能な蒸気供給手段を有するスチーム延伸装置。
  5. 前記スチームボックスの前記出口が前記スチーム延伸機の繊維束の入口に直接接続されており、前記蒸気供給手段が前記スチーム延伸機の繊維束の入口を含んでいる請求項4記載のスチーム延伸装置。
  6. 前記スチームボックスよりアクリル繊維束移送方向の上流に、アクリル繊維束を予熱する予熱手段をさらに有している請求項4または5に記載のスチーム延伸装置。
  7. 前記予熱手段が糸条予熱ロールである請求項6記載のスチーム延伸装置。
JP2012022325A 2012-02-03 2012-02-03 アクリル繊維束の製造方法と同繊維束のスチーム延伸装置 Active JP6098033B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012022325A JP6098033B2 (ja) 2012-02-03 2012-02-03 アクリル繊維束の製造方法と同繊維束のスチーム延伸装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012022325A JP6098033B2 (ja) 2012-02-03 2012-02-03 アクリル繊維束の製造方法と同繊維束のスチーム延伸装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013159874A true JP2013159874A (ja) 2013-08-19
JP6098033B2 JP6098033B2 (ja) 2017-03-22

Family

ID=49172380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012022325A Active JP6098033B2 (ja) 2012-02-03 2012-02-03 アクリル繊維束の製造方法と同繊維束のスチーム延伸装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6098033B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014203880A1 (ja) * 2013-06-21 2014-12-24 三菱レイヨン株式会社 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法及びスチーム延伸装置
CN106012174A (zh) * 2016-07-29 2016-10-12 江苏宇顺纺织有限公司 纺织纱线热牵伸装置
CN106012173A (zh) * 2016-07-29 2016-10-12 江苏宇顺纺织有限公司 化纤纱线热牵伸装置
CN108532077A (zh) * 2018-06-01 2018-09-14 桐乡市建泰纺织有限公司 一种用于包芯纱的加热牵伸装置
WO2019188236A1 (ja) 2018-03-27 2019-10-03 東レ株式会社 アクリロニトリル系繊維束の製造方法および炭素繊維束の製造方法
WO2022217384A1 (zh) * 2021-04-11 2022-10-20 吴江市海成纺织有限公司 一种基于纺织面料生产用化学纤维抽丝装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05263313A (ja) * 1992-01-23 1993-10-12 Toray Ind Inc アクリル系糸条のスチーム延伸方法およびスチーム延伸装置
JPH08246284A (ja) * 1995-03-06 1996-09-24 Toray Ind Inc スチーム延伸装置およびスチーム延伸方法
JPH11286845A (ja) * 1998-03-31 1999-10-19 Toray Ind Inc アクリル系延伸フィラメント糸条の製造方法
JP2008214795A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Toray Ind Inc 炭素繊維前駆体繊維束およびその製造方法
JP2009174073A (ja) * 2008-01-23 2009-08-06 Toray Ind Inc 炭素繊維前駆体繊維の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05263313A (ja) * 1992-01-23 1993-10-12 Toray Ind Inc アクリル系糸条のスチーム延伸方法およびスチーム延伸装置
JPH08246284A (ja) * 1995-03-06 1996-09-24 Toray Ind Inc スチーム延伸装置およびスチーム延伸方法
JPH11286845A (ja) * 1998-03-31 1999-10-19 Toray Ind Inc アクリル系延伸フィラメント糸条の製造方法
JP2008214795A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Toray Ind Inc 炭素繊維前駆体繊維束およびその製造方法
JP2009174073A (ja) * 2008-01-23 2009-08-06 Toray Ind Inc 炭素繊維前駆体繊維の製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014203880A1 (ja) * 2013-06-21 2014-12-24 三菱レイヨン株式会社 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法及びスチーム延伸装置
JP5831638B2 (ja) * 2013-06-21 2015-12-09 三菱レイヨン株式会社 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法及びスチーム延伸装置
CN105358746A (zh) * 2013-06-21 2016-02-24 三菱丽阳株式会社 碳纤维前体丙烯腈纤维束的制造方法及蒸汽拉伸装置
US10604871B2 (en) 2013-06-21 2020-03-31 Mitsubishi Chemical Corporation Process for steam drawing carbon-fiber precursor acrylic fiber bundle
CN106012174A (zh) * 2016-07-29 2016-10-12 江苏宇顺纺织有限公司 纺织纱线热牵伸装置
CN106012173A (zh) * 2016-07-29 2016-10-12 江苏宇顺纺织有限公司 化纤纱线热牵伸装置
WO2019188236A1 (ja) 2018-03-27 2019-10-03 東レ株式会社 アクリロニトリル系繊維束の製造方法および炭素繊維束の製造方法
KR20200133741A (ko) 2018-03-27 2020-11-30 도레이 카부시키가이샤 아크릴로니트릴계 섬유 다발의 제조 방법 및 탄소 섬유 다발의 제조 방법
CN108532077A (zh) * 2018-06-01 2018-09-14 桐乡市建泰纺织有限公司 一种用于包芯纱的加热牵伸装置
CN108532077B (zh) * 2018-06-01 2023-11-14 桐乡市建泰纺织有限公司 一种用于包芯纱的加热牵伸装置
WO2022217384A1 (zh) * 2021-04-11 2022-10-20 吴江市海成纺织有限公司 一种基于纺织面料生产用化学纤维抽丝装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6098033B2 (ja) 2017-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6098033B2 (ja) アクリル繊維束の製造方法と同繊維束のスチーム延伸装置
JP5831638B2 (ja) 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法及びスチーム延伸装置
US9657413B2 (en) Continuous carbonization process and system for producing carbon fibers
CN111868315A (zh) 丙烯腈系纤维束的制造方法及碳纤维束的制造方法
JP5430774B2 (ja) スチーム延伸装置
JP2015030923A (ja) 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の延伸方法
JP5621848B2 (ja) 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法
CN110402307B (zh) 丙烯腈系纤维束的制造方法和碳纤维束的制造方法
JP6265068B2 (ja) 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法
WO2016114385A1 (ja) アクリル繊維束の製造方法及び加圧スチーム延伸装置
JP6562187B1 (ja) アクリロニトリル系繊維束の製造方法および炭素繊維束の製造方法
KR102281627B1 (ko) 라지토우용 탄소섬유 전구체 섬유 제조 방법
JP2006022415A (ja) アクリル系炭素繊維前駆体繊維束の製造方法
JP2016199822A (ja) アクリル系糸条の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170206

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6098033

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350