JPWO2012111616A1 - 保護膜付複合基板、および半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

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昭広 八郷
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Abstract

本保護膜付複合基板(2Q)は、支持基板(10)と、支持基板(10)上に配置された酸化物膜(20)と、酸化物膜(20)上に配置された半導体層(30a)と、酸化物膜(20)のうち支持基板(10)および半導体層(30a)のいずれにも覆われていない部分(20s,20t)を覆うことにより酸化物膜(20)を保護する保護膜(40)と、を含む。本半導体デバイスの製造方法は、保護膜付複合基板(2Q)を準備する工程と、保護膜付複合基板(2Q)の半導体層(30a)上に、半導体デバイスとしての機能を発現させる少なくとも1層の機能半導体層をエピタキシャル成長させる工程と、を含む。これにより、品質の高い機能半導体層をエピタキシャル成長させることができる有効領域が大きい保護膜付複合基板およびかかる保護膜付複合基板を用いた半導体デバイスの製造方法を提供する。

Description

本発明は、支持基板と酸化物膜と半導体層と酸化物膜を保護するための保護膜とを含む保護膜付複合基板、およびかかる保護膜付複合基板を用いた半導体デバイスの製造方法に関する。
半導体デバイスの製造に有用な複合基板の製造方法として、たとえば、特開2007−201429号公報(特許文献1)および特開2007−201430号公報(特許文献2)は、支持基板と半導体材料の活性層との間に介在させた少なくとも1つの薄い絶縁層を備える複合基板の作製方法を開示する。
特開2007−201429号公報 特開2007−201430号公報
しかし、上記の特開2007−201429号公報(特許文献1)および特開2007−201430号公報(特許文献2)に開示された方法により作製される複合基板は、絶縁層として酸化物層が用いられている。このため、上記の複合基板の半導体材料の活性層上に、さらに半導体層としてたとえばIII族窒化物層をエピタキシャル成長させる場合には、歩留まりが低下するという問題点があった。
本発明者らは、この問題点について鋭意検討した結果、この問題点の原因は、[1]上記の複合基板の酸化物層(絶縁層)には、支持基板および活性層に覆われずに露出している部分(たとえば複合基板の側表面に露出している酸化物層の側表面部分、活性層の欠損により複合基板の主表面に露出している酸化物層の主表面部分など)があること、および、[2]酸化物層(絶縁層)が上記のIII族窒化物層をエピタキシャル成長させる条件(たとえば、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法における800℃以上1500℃以下程度のアンモニアガス含有雰囲気条件、HVPE(ハイドライド気相成長)法における800℃以上1500℃以下程度のIII族窒化物ガス含有雰囲気条件など)においては、酸化物層(絶縁層)が腐食されること、特に酸化物層のうち支持基板および活性層に覆われずに露出している部分から著しく腐食されること、にあることを見出した。
本発明者らは、上記の知見に基づき、上記の問題点を解決して、半導体デバイスの機能を発現させる機能半導体層を高品質でエピタキシャル成長させることができる有効領域が大きい、支持基板と酸化物膜と半導体層と酸化物膜を保護するための保護膜とを含む保護膜付複合基板、およびかかる保護膜付複合基板を用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ある局面に従えば、支持基板と、支持基板上に配置された酸化物膜と、酸化物膜上に配置された半導体層と、酸化物膜のうち支持基板および半導体層のいずれにも覆われていない部分を覆うことにより酸化物膜を保護する保護膜と、を含む保護膜付複合基板である。
本発明にかかる保護膜付複合基板において、酸化物膜は、TiO2膜、SrTiO3膜、インジウムスズ酸化物膜、アンチモンスズ酸化物膜、ZnO膜およびGa23膜からなる群から選ばれる少なくともひとつとすることができる。また、支持基板および半導体層の少なくともひとつをIII族窒化物で形成することができる。
また、本発明は、別の局面に従えば、上記の保護膜付複合基板を準備する工程と、保護膜付複合基板の半導体層上に、半導体デバイスとしての機能を発現させる少なくとも1層の機能半導体層をエピタキシャル成長させる工程と、を含む半導体デバイスの製造方法である。
本発明によれば、半導体デバイスの機能を発現させる機能半導体層を高品質でエピタキシャル成長させることができる有効領域が大きい、支持基板と酸化物膜と半導体層と酸化物膜を保護するための保護膜とを含む保護膜付複合基板、およびかかる保護膜付複合基板を用いた半導体デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明にかかる保護膜付複合基板の一例を示す概略断面図である。 本発明にかかる保護膜付複合基板の別の例を示す概略断面図である。 本発明にかかる保護膜付複合基板の製造方法および半導体デバイスの製造方法の一例を示す概略断面図である。 複合基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。
[保護膜付複合基板]
図1Aおよび図1Bを参照して、本発明のある局面における実施形態である保護膜付複合基板2P,2Qは、支持基板10と、支持基板10上に配置された酸化物膜20と、酸化物膜20上に配置された半導体層30aと、酸化物膜20のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20s,20tを覆うことにより酸化物膜20を保護する保護膜40と、を含む。ここで、酸化物膜20のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20s,20tとは、たとえば、酸化物膜20の側表面であって支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20s、酸化物膜20の主表面のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20tなどを含む。
本実施形態の保護膜付複合基板2P,2Qは、酸化物膜20のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20s,20tが保護膜40により覆われているため、この保護膜付複合基板2P,2Qの半導体層30aの主表面上に、半導体デバイスとしての機能を発現させる機能半導体層を高品質でエピタキシャル成長させることができる有効領域が大きい。
ここで、図1Aに示す保護膜付複合基板2Pは、酸化物膜20のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20s,20tに加えて、半導体層30aの主表面も保護膜40で覆われている形態を有する。保護膜付複合基板の半導体層30a上に機能半導体層をエピタキシャル成長させる際には、保護膜40のうち半導体層30aの主表面を覆っている部分を除去する必要があるが、機能半導体層をエピタキシャル成長させる前においては、上記保護膜40により酸化物膜20のみならず半導体層30aも保護できる。
また、図1Bに示す保護膜付複合基板2Qは、図1Aに示す保護膜付複合基板2Pから保護膜40のうち半導体層30aの主表面を覆っている部分が除去されて、半導体層30aの主表面が露出した形態を有する。かかる形態を有する保護膜付複合基板2Qは、その半導体層30aの主表面上に品質の高い機能半導体層をエピタキシャル成長させることができる有効領域が大きい。
(支持基板)
本実施形態の保護膜付複合基板2P,2Qにおける支持基板10は、その上に酸化物膜20を形成することができるものであれば特に制限はなく、サファイア支持基板、Si支持基板、SiC支持基板、III族窒化物支持基板などが好適に挙げられる。支持基板10は、半導体層30aとの熱膨張係数および屈折率の差が小さく整合性が高くまた導電性である観点から、半導体材料であるIII族窒化物で形成されているIII族窒化物支持基板が特に好ましい。また、支持基板10は、安価でありまた光デバイスの場合は光透過性が高い観点から、透明材料であるサファイアで形成されているサファイア支持基板が特に好ましい。
ここで、保護膜付複合基板2P,2Qにおいて支持基板10と半導体層30aとの間の熱膨張係数の差を低減する観点から、半導体層30aと化学組成が同一または近似の支持基板10が好ましい。たとえば、半導体層30aがSi層のとき支持基板10はSi支持基板が好ましく、半導体層30aがIII族窒化物層のとき支持基板10はIII族窒化物支持基板が好ましい。
また、支持基板10は、単結晶体であっても、非配向性多結晶体(たとえば焼結体)、配向性多結晶体などの多結晶体であっても、非結晶体であってもよいが、製造コストの低減の観点から、多結晶体、非結晶体であることが好ましい。
また、支持基板10の厚さは、酸化物膜20および半導体層30aを支持できる厚さであれば特に制限はないが、取り扱い易い観点から300μm以上が好ましく、材料コストを低減する観点から1000μm以下が好ましい。
(酸化物膜)
本実施形態の保護膜付複合基板2P,2Qにおける酸化物膜20は、その上に半導体層30aを形成することができ、支持基板10上に形成することができ、支持基板10と半導体層30aとの接合強度が高いものであれば特に制限はなく、TiO2膜、SrTiO3膜、ITO(インジウムスズ酸化物)膜、ATO(アンチモンスズ酸化物)膜、ZnO膜、Ga23膜、Al23膜などが好適に挙げられる。以下の観点から、酸化物膜20は、TiO2膜、SrTiO3膜、ITO膜、ATO膜、ZnO膜およびGa23膜からなる群から選ばれる少なくともひとつであるであることが好ましい。光の透過性を高める観点から、酸化物膜20は、屈折率が高い酸化物膜、たとえばTiO2膜(波長400nmの光の屈折率が約2.8)およびSrTiO3膜(波長400nmの光の屈折率が約2.4)からなる群から選ばれる少なくともひとつであることが好ましい。
また、酸化物膜20の厚さは、支持基板10と半導体層30aとの接合強度を高める厚さであれば特に制限はないが、接合強度を高める観点から50nm以上が好ましく、成膜コストを低減する観点から1000nm以下が好ましい。
(半導体層)
本実施形態の保護膜付複合基板2P,2Qにおける半導体層30aは、その上に目的とする半導体デバイスの機能を発現させる機能半導体層をエピタキシャル成長させることができるものであれば特に制限はなく、III族窒化物層、Si層などが好適に挙げられる。目的とする半導体デバイスが光デバイスであって機能半導体層としてIII族窒化物層をエピタキシャル成長させる場合は、機能半導体層の品質を高める観点から、半導体層30aは機能半導体層と化学組成が同一または近似するIII族窒化物で形成されているIII族窒化物層であることが特に好ましい。
また、上記のように、支持基板10は、導電性である観点から半導体であるIII族窒化物から形成されていることが好ましい。したがって、支持基板10および半導体層30aの少なくともひとつがIII族窒化物で形成されていることが好ましい。
さらに、上記のように、支持基板10と半導体層30aとは、両者間の熱膨張係数の差を低減する観点から、化学組成が同一または近似の支持基板10が好ましい。したがって、支持基板10および半導体層30aはいずれもIII族窒化物で形成されていることが好ましい。
半導体層30aの厚さは、その上に品質の高い機能半導体層をエピタキシャル成長させることができる厚さであれば特に制限はないが、半導体層30aを割れることなく形成する観点から100nm以上が好ましく、半導体層30aの品質およびその厚さの精度を高く維持する観点から1000μm以下が好ましい。
(保護膜)
本実施形態の保護膜付複合基板2P,2Qにおける保護膜40は、酸化物膜20のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20s,20tを覆うことにより酸化物膜20を保護するものであれば特に制限はない。
保護膜40は、酸化物膜20を保護する観点から、半導体層30a上に機能半導体層をエピタキシャル成長させる条件において耐熱性および耐腐食性が高い膜が好ましい。保護膜40の有する好ましい耐熱性および耐腐食性とは、たとえば、半導体層30a上に機能半導体層としてIII族窒化物層をエピタキシャル成長させる方法がMOCVD(有機金属化学気相堆積)法の場合は、800℃以上1500℃以下で1kPa以上100kPa以下の分圧のアンモニアガスが含有される雰囲気中において耐熱性および耐腐食性を有することを意味する。また、半導体層30a上に機能半導体層としてIII族窒化物層をエピタキシャル成長させる方法がHVPE(ハイドライド気相成長)法の場合は、800℃以上1500℃以下で1kPa以上100kPa以下の分圧のIII族塩化物ガスが含有される雰囲気中において耐熱性および耐腐食性を有することを意味する。
また、保護膜40は、酸化物膜20のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20s,20tを確実に覆って分離させない観点から、支持基板10、酸化物膜20および半導体層30aの少なくともひとつとの接合強度が高く、支持基板10、酸化物膜20および半導体層30aの少なくともひとつの熱膨張係数と同一または近似の熱膨張係数を有していることが好ましい。かかる観点から、保護膜40の熱膨張係数は、支持基板10、酸化物膜20および半導体層30aの少なくともひとつの熱膨張係数との差が3×10-6-1以下であることが好ましい。
上記の観点から、保護膜40は、たとえば、III族窒化物(III族元素と窒素とにより形成される化合物、たとえばInxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1))、ムライト(単鎖構造を有するアルミノケイ酸塩鉱物、化学式は3Al23・2SiO2〜2Al23・SiO2またはAl613Si2)、ケイ素(Si)、モリブデン(Mo)などの少なくともひとつにより形成されていることが好ましい。
また、保護膜40の厚さは、酸化物膜20を保護するのに十分な厚さであれば特に制限はないが、酸化物膜20の保護を高める観点から10nm以上が好ましく、酸化物膜20中の光吸収量の低減および成膜コスト低減の観点から500nm以下が好ましい。
また、図1Bに示すように、保護膜付複合基板2Qは、半導体層30aの主表面が露出していることが好ましい。かかる保護膜付複合基板2Qの半導体層30aの露出した主表面上に、目的とする半導体デバイスの機能を発現させる機能半導体層を容易にエピタキシャル成長させることができる。
[保護膜付複合基板の製造方法]
図2を参照して、本実施形態の保護膜付複合基板2P,2Qの製造方法は、支持基板10と酸化物膜20と半導体層30aを含む複合基板1を準備する工程(図2(A))と、複合基板1上に保護膜40を形成することにより保護膜付複合基板2Pを得る工程(図2(B))と、保護膜付複合基板2Pを加工することにより、保護膜40のうち半導体層30aの主表面を覆っている部分を除去して、半導体層30aの主表面を露出させた保護膜付複合基板2Qを得る工程(図2(C))と、を含むことができる。
上記の工程により、半導体層30aの主表面上に品質の高い機能半導体層をエピタキシャル成長させることができる保護膜付複合基板2P,2Qを効率よく製造することができる。
(複合基板1の準備工程)
図2(A)を参照して、本実施形態の保護膜付複合基板2P,2Qの製造方法は、支持基板10と酸化物膜20と半導体層30aを含む複合基板1を準備する工程(複合基板1の準備工程)を含むことができる。
ここで、図3を参照して、複合基板1の準備工程は、特に制限はないが、効率よく複合基板1を準備する観点から、支持基板10を準備するサブ工程(図3(A))、支持基板10の主表面上に酸化物膜20を形成するサブ工程(図3(A))、半導体基板30にその一方の主表面から一定の深さの領域にイオンIを注入するサブ工程(図3(B))、支持基板10の主表面上に形成された酸化物膜20の主表面に半導体基板30のイオン注入領域30i(イオンIが注入された領域をいう。以下同じ。)側の主表面を貼り合わせるサブ工程(図3(C))、半導体基板30を、そのイオン注入領域30iで、半導体層30aと残りの半導体基板30bとに分離して、支持基板10の主表面上に形成された酸化物膜20の主表面上に半導体層30aを形成するサブ工程(図3(D))と、を含むことができる。
図3(A)を参照して、支持基板10を準備するサブ工程において、支持基板10は、その材質および形状に適した一般的な方法で準備することができる。たとえば、III族窒化物支持基板は、HVPE(ハイドライド気相成長)法、昇華法などの気相法、フラックス法、高窒素圧溶液法などの液相法により得られたIII族窒化物結晶体を、所定の形状に加工することにより準備することができる。また、サファイア支持基板は、サファイア結晶体を所定の形状に加工することにより準備することができる。
また、図3(A)に示す支持基板10上に酸化物膜20を形成するサブ工程において、支持基板10の主表面上に、酸化物膜20を形成する方法は、その酸化物膜の形成に適している限り特に制限はなく、スパッタ法、パルスレーザ堆積法、分子線エピタキシ法、電子線蒸着法、化学気相成長法などの一般的な方法を用いることができる。
図3(B)に示す半導体基板30にその一方の主表面から一定の深さの領域にイオンIを注入するサブ工程において、イオンIを注入する深さは、特に制限はないが、100nm以上1000μm以下が好ましい。イオンIを注入する深さが、100nmより小さいと半導体基板30をそのイオン注入領域30iで分離することにより形成される半導体層30aが割れやすくなり、1000μmより大きいとイオンの分布が広くなり分離する深さを調節することが難しくなるため半導体層30aの厚さを調節することが難しくなる。また、注入するイオンの種類は、特に制限はないが、形成する半導体層の品質の低下を抑制する観点から、質量が小さいイオンが好ましく、たとえば、水素イオン、ヘリウムイオンなどが好ましい。こうして形成されたイオン注入領域30iは、注入されたイオンにより脆化する。
図3(C)に示す支持基板10の主表面上に形成された酸化物膜20の主表面上に、半導体基板30のイオン注入領域30i側の主表面を貼り合わせるサブ工程において、その貼り合わせ方法は、特に制限はないが、貼り合わせ後高温雰囲気下においても接合強度を保持できる観点から、貼り合わせる面の表面を洗浄して直接貼り合わせた後600℃〜1200℃程度に昇温して接合することによる直接接合法、プラズマやイオンなどで貼り合わせ面を活性化させ室温(たとえば25℃)〜400℃程度の低温で接合することによる表面活性化法などが好ましい。
図3(D)に示す半導体基板30を、そのイオン注入領域30iで、半導体層30aと残りの半導体基板30bとに分離して、支持基板10の主表面上に形成された酸化物膜20の主表面上に半導体層30aを形成するサブ工程において、半導体基板30をそのイオン注入領域30iで分離する方法は、半導体基板30のイオン注入領域30iに何らかのエネルギーを与える方法であれば特に制限はなく、イオン注入領域30iに、応力を加える方法、熱を加える方法、光を照射する方法、および超音波を印加する方法の少なくともひとつの方法を用いることができる。かかるイオン注入領域30iは、注入されたイオンにより脆化しているため、上記エネルギーを受けることにより、半導体基板30は、支持基板10の主表面上に形成された酸化物膜20上に貼り合わされた半導体層30aと、残りの半導体基板30bと、に容易に分離される。
上記のようにして、支持基板10の主表面上に形成された酸化物膜20の主表面上に半導体層30aを形成することにより、支持基板10と、支持基板10の主表面上に形成されている酸化物膜20と、酸化物膜20の主表面上に形成されている半導体層30aと、を含む複合基板1が得られる。
図3(D)を参照して、こうして得られた複合基板1には、酸化物膜20の側表面であって支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20sが存在する。また、上記サブ工程において、酸化物膜20を形成する際の不具合、半導体基板30にイオン注入する際の不具合、酸化物膜20と半導体基板30とを貼り合わせる際の不具合などにより、半導体基板30を半導体層30aと残りの半導体基板30bとに分離する際に、イオン注入領域30iで分離されずに半導体基板30と酸化物膜20との界面で分離する分離異常領域Rが発生する場合がある。複合基板1のかかる分離異常領域Rにおいては、酸化物膜20の主表面のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20tが存在する。
上記のような酸化物膜20のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20s,20tを有する複合基板1は、半導体層30aの主表面上に機能半導体層をエピタキシャル成長させる条件において酸化物膜20の耐熱性および耐腐食性に乏しいため、上記の酸化物膜20が上記の支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20s,20tから著しく腐食されることにより、機能半導体層をエピタキシャル成長させて半導体デバイスを製造する際の有効領域が低下する問題点があった。
図2(B)〜(C)を参照して、上記問題点を解決するため、以下の工程により保護膜付複合基板2P,2Qを製造する。
(保護膜付複合基板2Pを得る工程)
図2(B)を参照して、本実施形態の保護膜付複合基板2P,2Qの製造方法は、上記の複合基板1に保護膜40を形成することにより保護膜付複合基板2Pを得る工程を含むことができる。
保護膜付複合基板2Pを得る工程において、複合基板1に保護膜40を形成する方法は、酸化物膜20のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20s,20tを覆うことができる方法であれば特に制限はなく、スパッタ法、パルスレーザ堆積法、分子線エピタキシ法、電子線蒸着法、化学気相成長法、ゾルゲル法などの一般的な方法を用いることができる。
こうして得られた保護膜付複合基板2Pは、酸化物膜20のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20s,20tに加えて、半導体層30aの主表面も、保護膜40で覆われている形態を有するため、機能半導体層をエピタキシャル成長させる前において、上記保護膜40により酸化物膜20のみならず半導体層30aも保護できる。
(保護膜付複合基板2Qを得る工程)
図2(C)を参照して、本実施形態の保護膜付複合基板2Qの製造方法は、保護膜付複合基板2Pを加工することにより、保護膜40のうち半導体層30aの主表面を覆っている部分を除去して、半導体層30aの主表面を露出させた保護膜付複合基板2Qを得る工程を含むことができる。
保護膜付複合基板2Qを得る工程において、保護膜付複合基板2Pを加工することにより、保護膜40のうち半導体層30aの主表面を覆っている部分を除去する方法には、特に制限はなく、RIE(反応性イオンエッチング)などのドライエッチング、酸溶液、アルカリ溶液などによるウェットエッチング、研削、機械的研磨、化学機械的研磨、化学的研磨などの一般的な方法を用いることができる。
こうして得られた保護膜付複合基板2Qは、酸化物膜20のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20s,20tが保護膜40に覆われており、半導体層30aの主表面が露出しているため、半導体層30aの主表面上に品質の高い機能半導体層をエピタキシャル成長させることができる有効領域が大きい。
すなわち、図2(D)を参照して、上記の製造方法により得られた保護膜付複合基板2Qは、その半導体層30aの主表面上に機能半導体層50をエピタキシャル成長させる工程を加えることにより、品質の高い機能半導体層をエピタキシャル成長させることができる有効領域が大きいため、特性の高い半導体デバイスを歩留まりよく製造することができる。
[半導体デバイスの製造方法]
図2を参照して、本発明の別の局面における実施形態である半導体デバイスの製造方法は、上記の保護膜付複合基板2Qを準備する工程(図2(A)〜(C))と、保護膜付複合基板2Qの半導体層30a上に、半導体デバイス3としての機能を発現させる少なくとも1層の機能半導体層50をエピタキシャル成長させる工程(図2(D))と、を含む半導体デバイスの製造方法である。
本実施形態の半導体デバイスの製造方法によれば、支持基板10、酸化物膜20、半導体層30aおよび保護膜40を含み、酸化物膜20のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20s,20tが保護膜40に覆われた保護膜付複合基板2Qを準備し、その保護膜付複合基板2Qの半導体層30a上に少なくとも1層の機能半導体層50をエピタキシャル成長させることにより、エピタキシャル成長の際の高温および高腐食性の雰囲気下においても酸化物膜の腐食が抑制され、広い有効領域において品質の高い機能半導体層を成長させることができるため、特性の高い半導体デバイスを歩留まりよく製造することができる。
(保護膜付複合基板の準備工程)
図2(A)〜(C)を参照して、本実施形態の半導体デバイスの製造方法は、上記の保護膜付複合基板2Qを準備する工程を含む。かかる保護膜付複合基板2Qの準備工程は、上記の複合基板1の準備工程と、保護膜付複合基板2Pを得る工程と、および保護膜付複合基板2Qを得る工程とを含む、すなわち保護膜付複合基板2Qの製造方法と同様である。
(機能半導体層のエピタキシャル成長工程)
図2(D)を参照して、本実施形態の半導体デバイスの製造方法は、保護膜付複合基板2Qの半導体層30a上に、半導体デバイス3としての機能を発現させる少なくとも1層の機能半導体層50をエピタキシャル成長させる工程を含む。
ここで、機能半導体層50をエピタキシャル成長させる方法には、特に制限はないが、品質の高い機能半導体層50を成長させる観点から、MOCVD法、HVPE法、MBE(分子線成長)法、昇華法などの気相法、フラックス法、高窒素圧溶液法などの液相法などが好ましい。
また、半導体デバイス3としての機能を発現させる少なくとも1層の機能半導体層50は、半導体デバイスの種類により異なる。たとえば、半導体デバイスが光デバイスであれば、機能半導体層50としてMQW(多重量子井戸)構造の発光層などが挙げられる。半導体デバイスが電子デバイスであれば、機能半導体層として電子ストップ層、電子ドリフト層などが挙げられる。
[実施例1]
(実施例1−1)
1.支持基板の準備
図3(A)を参照して、HVPE法により成長させたGaN結晶体(図示せず)から直径が50mmで厚さが500μmの基板を切り出して、その主表面を研磨して、GaN支持基板(支持基板10)を準備した。
2.支持基板上への酸化物膜の形成
図3(A)を参照して、スパッタ法により、GaN支持基板(支持基板10)上に厚さ300nmのTiO2膜(酸化物膜20)を成長させた。
3.酸化物膜上への半導体層の形成
図3(B)を参照して、HVPE法により成長させたGaN結晶体(図示せず)から直径が50mmで厚さが500μmの基板を切り出して、その主表面を化学機械的研磨して、GaN基板(半導体基板30)を準備し、その基板の一方の主表面から300nmの深さに水素イオンを注入した。
図3(C)を参照して、GaN支持基板(支持基板10)上のTiO2膜(酸化物膜20)の主表面と、GaN基板(半導体基板30)のイオン注入側の主表面とを、それぞれアルゴンプラズマにより清浄化させた後、接合圧力8MPaで貼り合わせた。
図3(D)および図2(A)を参照して、貼り合わせた基板を、300℃で2時間熱処理することにより、貼り合わせた基板の接合強度を高めるとともに、GaN基板(半導体基板30)をそのイオン注入領域30iで分離することにより、TiO2膜(酸化物膜20)上に厚さが300nmのGaN層(半導体層30a)を形成して、GaN支持基板(支持基板10)、TiO2膜(酸化物膜20)およびGaN層(半導体層30a)がこの順に形成された複合基板1が得られた。
得られた複合基板1は、光学顕微鏡により観察したところ、TiO2膜(酸化物膜20)の側表面であってGaN支持基板(支持基板10)およびGaN層(半導体層30a)のいずれにも覆われていない部分20s、および、TiO2膜(酸化物膜20)の主表面のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20tが存在していた。
4.保護膜の形成
図2(B)を参照して、上記の複合基板1のTiO2膜(酸化物膜20)およびGaN層(半導体層30a)が形成されている主表面上に、厚さ300nmのGaN膜(保護膜40)を、スパッタ法で形成することにより、保護膜付複合基板2Pが得られた。
得られた保護膜付複合基板2Pは、光学顕微鏡により観察したところ、TiO2膜(酸化物膜20)の側表面であってGaN支持基板(支持基板10)およびGaN層(半導体層30a)のいずれにも覆われていない部分20s、および、TiO2膜(酸化物膜20)の主表面のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20tに加えてGaN層(半導体層30a)の主表面および側表面も、GaN膜(保護膜40)で覆われていた。
図2(C)を参照して、上記の保護膜付複合基板2Pにおいて、保護膜40のうち半導体層30aの主表面を覆っている部分を化学機械的研磨(CMP)により除去して、半導体層30aの主表面を露出させることにより、保護膜付複合基板2Qが得られた。
得られた保護膜付複合基板2Qは、光学顕微鏡により観察したところ、酸化物膜20の側表面であって支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20s、ならびに、酸化物膜20の主表面のうち支持基板10および半導体層30aのいずれにも覆われていない部分20tがGaN膜(保護膜40)で覆われていた。
5.保護膜付複合基板の透過率測定
上記の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、紫外可視分光光度計により測定したところ、59.4%であった。
6.機能半導体層のエピタキシャル成長
上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層30a)の主表面上に、MOCVD法により、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層50)をエピタキシャル成長させた。
7.エピタキシャル成長後の保護膜付複合基板の透過率測定
上記のようにしてGaN層(機能半導体層50)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、紫外可視分光光度計により測定したところ、58.8%であった。結果を表1にまとめた。
(実施例1−2)
図2を参照して、保護膜40として厚さ300μmのムライト膜をスパッタ法により形成したこと以外は、実施例1−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、59.4%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層30a)の主表面上に、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層50)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層50)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、58.8%であった。結果を表1にまとめた。
(実施例1−3)
図2を参照して、保護膜40として厚さ300μmのモリブデン膜をスパッタ法により形成したこと以外は、実施例1−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、59.4%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層30a)の主表面上に、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層50)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層50)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、58.8%であった。結果を表1にまとめた。
(比較例1)
実施例1−1と同様にして、複合基板1を得た。得られた複合基板1における波長500nmの光の透過率は、実施例1と同様に測定したところ、62.5%であった。上記の複合基板1のGaN層(半導体層)の主表面上に、実施例1−1と同様にして、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層)がエピタキシャル成長された後の複合基板1における波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、43.8%であった。結果を表1にまとめた。
Figure 2012111616
表1から明らかなように、比較例1の保護膜のない複合基板は、その光透過率が、機能半導体層のエピタキシャル成長により62.5%から43.8%と著しく低下したのに比べて、実施例1−1、1−2および1−3の保護膜付複合基板は、それらの光透過率が、機能半導体層のエピタキシャル成長によっても59.4%から58.8%とほとんど低下しなかった。実施例1−1、1−2、および1−3の保護膜付複合基板ならびに比較例1の保護膜のない複合基板におけるこのような光透過率の低下は、機能半導体層をエピタキシャル成長させる際のTiO膜(酸化物膜)の熱および腐食による劣化による失透に由来するものであった。すなわち、保護膜付複合基板は、保護膜であるGaN膜、ムライト膜およびモリブデン膜のひとつによってTiO膜(酸化物膜)が保護されているため、保護膜のない複合基板に比べて、機能半導体層をエピタキシャル成長させる際の酸化物膜の劣化を極めて低減されることにより有効領域が大きく維持されるため、特性の高い半導体デバイスが歩留まりよく得られることがわかった。
[実施例2]
(実施例2−1)
図2および図3を参照して、酸化物膜20として厚さ300nmのSrTiO3膜をスパッタ法により成長させたこと以外は、実施例1−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、61.1%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層)の主表面上に、実施例1−1と同様にして、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、60.5%であった。結果を表2にまとめた。
(実施例2−2)
図2を参照して、保護膜40として厚さ300μmのムライト膜をスパッタ法により形成したこと以外は、実施例2−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、61.1%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層30a)の主表面上に、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層50)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層50)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、60.5%であった。結果を表2にまとめた。
(実施例2−3)
図2を参照して、保護膜40として厚さ300μmのモリブデン膜をスパッタ法により形成したこと以外は、実施例2−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、61.1%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層30a)の主表面上に、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層50)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層50)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、60.5%であった。結果を表2にまとめた。
(比較例2)
図2を参照して、実施例2−1と同様にして、図2(A)に示すような複合基板1を得た。得られた複合基板1における波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、64.3%であった。上記の複合基板1のGaN層(半導体層)の主表面上に、実施例1−1と同様にして、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層)がエピタキシャル成長された後の複合基板1における波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、45.0%であった。結果を表2にまとめた。
Figure 2012111616
表2から明らかなように、比較例2の保護膜のない複合基板は、その光透過率が、機能半導体層のエピタキシャル成長により64.3%から45.0%と著しく低下したのに比べて、実施例2−1、2−2および2−3の保護膜付複合基板は、それらの光透過率が、機能半導体層のエピタキシャル成長によっても61.1%から60.5%とほとんど低下しなかった。実施例2−1、2−2および2−3の保護膜付複合基板ならびに比較例2の保護膜のない複合基板におけるこのような光透過率の低下は、機能半導体層をエピタキシャル成長させる際のSrTiO3膜(酸化物膜)の熱および腐食による劣化による失透に由来するものであった。すなわち、保護膜付複合基板は、保護膜であるGaN膜、ムライト膜およびモリブデン膜のひとつによってSrTiO3膜(酸化物膜)が保護されているため、保護膜のない複合基板に比べて、機能半導体層をエピタキシャル成長させる際の酸化物膜の劣化を極めて低減されることにより有効領域が大きく維持されるため、特性の高い半導体デバイスが歩留まりよく得られることがわかった。
[実施例3]
(実施例3−1)
図2および図3を参照して、酸化物膜20として厚さ300nmのITO(インジウムスズ酸化物)膜をスパッタ法により成長させたこと以外は、実施例1−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、57.3%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層)の主表面上に、実施例1−1と同様にして、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、56.7%であった。結果を表3にまとめた。
(実施例3−2)
図2を参照して、保護膜40として厚さ300μmのムライト膜をスパッタ法により形成したこと以外は、実施例3−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、57.3%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層30a)の主表面上に、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層50)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層50)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、56.7%であった。結果を表3にまとめた。
(実施例3−3)
図2を参照して、保護膜40として厚さ300μmのモリブデン膜をスパッタ法により形成したこと以外は、実施例3−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、57.3%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層30a)の主表面上に、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層50)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層50)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、56.7%であった。結果を表3にまとめた。
(比較例3)
図2を参照して、実施例3−1と同様にして、図2(A)に示すような複合基板1を得た。得られた複合基板1における波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、60.3%であった。上記の複合基板1のGaN層(半導体層)の主表面上に、実施例1−1と同様にして、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層)がエピタキシャル成長された後の複合基板1における波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、42.2%であった。結果を表3にまとめた。
Figure 2012111616
表3から明らかなように、比較例3の保護膜のない複合基板は、その光透過率が、機能半導体層のエピタキシャル成長により60.3%から42.2%と著しく低下したのに比べて、実施例3−1、3−2および3−3の保護膜付複合基板は、それらの光透過率が、機能半導体層のエピタキシャル成長によっても57.3%から56.7%とほとんど低下しなかった。実施例3−1、3−2および3−3の保護膜付複合基板ならびに比較例3の保護膜のない複合基板におけるこのような光透過率の低下は、機能半導体層をエピタキシャル成長させる際のITO膜(酸化物膜)の熱および腐食による劣化による失透に由来するものであった。すなわち、保護膜付複合基板は、保護膜であるGaN膜、ムライト膜およびモリブデン膜のひとつによってITO膜(酸化物膜)が保護されているため、保護膜のない複合基板に比べて、機能半導体層をエピタキシャル成長させる際の酸化物膜の劣化を極めて低減されることにより有効領域が大きく維持されるため、特性の高い半導体デバイスが歩留まりよく得られることがわかった。
[実施例4]
(実施例4−1)
図2および図3を参照して、酸化物膜20として厚さ300nmのATO(アンチモンスズ酸化物)膜をスパッタ法により成長させたこと以外は、実施例1−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、57.8%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層)の主表面上に、実施例1−1と同様にして、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、57.2%であった。結果を表4にまとめた。
(実施例4−2)
図2を参照して、保護膜40として厚さ300μmのムライト膜をスパッタ法により形成したこと以外は、実施例4−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、57.8%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層30a)の主表面上に、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層50)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層50)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、57.2%であった。結果を表4にまとめた。
(実施例4−3)
図2を参照して、保護膜40として厚さ300μmのモリブデン膜をスパッタ法により形成したこと以外は、実施例4−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、57.8%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層30a)の主表面上に、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層50)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層50)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、57.2%であった。結果を表4にまとめた。
(比較例4)
図2を参照して、実施例4−1と同様にして、図2(A)に示すような複合基板1を得た。得られた複合基板1における波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、60.8%であった。上記の複合基板1のGaN層(半導体層)の主表面上に、実施例1−1と同様にして、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層)がエピタキシャル成長された後の複合基板1における波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、42.6%であった。結果を表4にまとめた。
Figure 2012111616
表4から明らかなように、比較例4の保護膜のない複合基板は、その光透過率が、機能半導体層のエピタキシャル成長により60.8%から42.6%と著しく低下したのに比べて、実施例4−1、4−2および4−3の保護膜付複合基板は、それらの光透過率が、機能半導体層のエピタキシャル成長によっても57.8%から57.2%とほとんど低下しなかった。実施例4−1、4−2および4−3の保護膜付複合基板ならびに比較例4の保護膜のない複合基板におけるこのような光透過率の低下は、機能半導体層をエピタキシャル成長させる際のATO膜(酸化物膜)の熱および腐食による劣化による失透に由来するものであった。すなわち、保護膜付複合基板は、保護膜であるGaN膜、ムライト膜およびモリブデン膜のひとつによってATO膜(酸化物膜)が保護されているため、保護膜のない複合基板に比べて、機能半導体層をエピタキシャル成長させる際の酸化物膜の劣化を極めて低減されることにより有効領域が大きく維持されるため、特性の高い半導体デバイスが歩留まりよく得られることがわかった。
[実施例5]
(実施例5−1)
図2および図3を参照して、酸化物膜20として厚さ300nmのZnO膜をスパッタ法により成長させたこと以外は、実施例1−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、57.1%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層)の主表面上に、実施例1−1と同様にして、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、56.5%であった。結果を表5にまとめた。
(実施例5−2)
図2を参照して、保護膜40として厚さ300μmのムライト膜をスパッタ法により形成したこと以外は、実施例5−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、57.1%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層30a)の主表面上に、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層50)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層50)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、56.5%であった。結果を表5にまとめた。
(実施例5−3)
図2を参照して、保護膜40として厚さ300μmのモリブデン膜をスパッタ法により形成したこと以外は、実施例5−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、57.1%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層30a)の主表面上に、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層50)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層50)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、56.5%であった。結果を表5にまとめた。
(比較例5)
図2を参照して、実施例5−1と同様にして、図2(A)に示すような複合基板1を得た。得られた複合基板1における波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、60.1%であった。上記の複合基板1のGaN層(半導体層)の主表面上に、実施例1−1と同様にして、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層)がエピタキシャル成長された後の複合基板1における波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、42.1%であった。結果を表5にまとめた。
Figure 2012111616
表5から明らかなように、比較例5の保護膜のない複合基板は、その光透過率が、機能半導体層のエピタキシャル成長により60.1%から42.1%と著しく低下したのに比べて、実施例5−1、5−2および5−3の保護膜付複合基板は、それらの光透過率が、機能半導体層のエピタキシャル成長によっても57.1%から56.5%とほとんど低下しなかった。実施例5−1、5−2および5−3の保護膜付複合基板ならびに比較例5の保護膜のない複合基板におけるこのような光透過率の低下は、機能半導体層をエピタキシャル成長させる際のZnO膜(酸化物膜)の熱および腐食による劣化による失透に由来するものであった。すなわち、保護膜付複合基板は、保護膜であるGaN膜、ムライト膜およびモリブデン膜のひとつによってZnO膜(酸化物膜)が保護されているため、保護膜のない複合基板に比べて、機能半導体層をエピタキシャル成長させる際の酸化物膜の劣化を極めて低減されることにより有効領域が大きく維持されるため、特性の高い半導体デバイスが歩留まりよく得られることがわかった。
[実施例6]
(実施例6−1)
図2および図3を参照して、酸化物膜20として厚さ300nmのGa23膜をスパッタ法により成長させたこと以外は、実施例1−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、54.7%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層)の主表面上に、実施例1−1と同様にして、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、54.2%であった。結果を表6にまとめた。
(実施例6−2)
図2を参照して、保護膜40として厚さ300μmのムライト膜をスパッタ法により形成したこと以外は、実施例6−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、54.7%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層30a)の主表面上に、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層50)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層50)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、54.2%であった。結果を表6にまとめた。
(実施例6−3)
図2を参照して、保護膜40として厚さ300μmのモリブデン膜をスパッタ法により形成したこと以外は、実施例6−1と同様にして、図2(C)に示すような保護膜付複合基板2Qを得た。得られた保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、54.7%であった。上記の保護膜付複合基板2QのGaN層(半導体層30a)の主表面上に、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層50)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層50)がエピタキシャル成長された後の保護膜付複合基板2Qにおける波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、54.2%であった。結果を表6にまとめた。
(比較例6)
図2を参照して、実施例6−1と同様にして、図2(A)に示すような複合基板1を得た。得られた複合基板1における波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、57.6%であった。上記の複合基板1のGaN層(半導体層)の主表面上に、実施例1−1と同様にして、厚さ300nmのGaN層(機能半導体層)をエピタキシャル成長させた。GaN層(機能半導体層)がエピタキシャル成長された後の複合基板1における波長500nmの光の透過率は、実施例1−1と同様に測定したところ、51.8%であった。結果を表6にまとめた。
Figure 2012111616
表6から明らかなように、比較例6の保護膜のない複合基板は、その光透過率が、機能半導体層のエピタキシャル成長により57.6%から51.8%と著しく低下したのに比べて、実施例6−1、6−2および6−3の保護膜付複合基板は、それらの光透過率が、機能半導体層のエピタキシャル成長によっても54.7%から54.2%とほとんど低下しなかった。実施例6−1、6−2および6−3の保護膜付複合基板ならびに比較例6の保護膜のない複合基板におけるこのような光透過率の低下は、機能半導体層をエピタキシャル成長させる際のGa23膜(酸化物膜)の熱および腐食による劣化による失透に由来するものであった。すなわち、保護膜付複合基板は、保護膜であるGaN膜、ムライト膜およびモリブデン膜のひとつによってGa23膜(酸化物膜)が保護されているため、保護膜のない複合基板に比べて、機能半導体層をエピタキシャル成長させる際の酸化物膜の劣化を極めて低減されることにより有効領域が大きく維持されるため、特性の高い半導体デバイスが歩留まりよく得られることがわかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 複合基板、2P,2Q 保護膜付複合基板、3 半導体デバイス、10 支持基板、20 酸化物膜、20s,20t 覆われていない部分、30 半導体基板、30a 半導体層、30b 残りの半導体基板、30i イオン注入領域、40 保護膜、50 機能半導体層。

Claims (5)

  1. 支持基板(10)と、前記支持基板(10)上に配置された酸化物膜(20)と、前記酸化物膜(20)上に配置された半導体層(30a)と、前記酸化物膜(20)のうち前記支持基板(10)および前記半導体層(30a)のいずれにも覆われていない部分(20s,20t)を覆うことにより前記酸化物膜(20)を保護する保護膜(40)と、を含む保護膜付複合基板。
  2. 前記酸化物膜(20)は、TiO2膜、SrTiO3膜、インジウムスズ酸化物膜、アンチモンスズ酸化物膜、ZnO膜およびGa23膜からなる群から選ばれる少なくともひとつである請求項1に記載の保護膜付複合基板。
  3. 前記支持基板(10)および前記半導体層(30a)の少なくともひとつがIII族窒化物で形成されている請求項2に記載の保護膜付複合基板。
  4. 前記支持基板(10)および前記半導体層(30a)の少なくともひとつがIII族窒化物で形成されている請求項1に記載の保護膜付複合基板。
  5. 請求項1に記載の保護膜付複合基板(2Q)を準備する工程と、
    前記保護膜付複合基板(2Q)の前記半導体層(30a)上に、半導体デバイス(3)としての機能を発現させる少なくとも1層の機能半導体層(50)をエピタキシャル成長させる工程と、を含む半導体デバイスの製造方法。
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