JPWO2012090987A1 - 機能性フィルム、フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置 - Google Patents

機能性フィルム、フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置 Download PDF

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Abstract

基材3に反射層5が設けられたフィルムミラー10aにおいて、反射層5の光反射側に隣接して積層されたシランカップリング剤を含んで形成されるシリコーン変性樹脂からなる腐食防止層6と、その光反射側の最表面に積層されたUV吸収剤を含有するハードコート層9と、を備える構成にした。

Description

本発明は、機能性フィルム、フィルムミラー及びそのフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置に関する。
近年、石油、天然ガス等の化石燃料エネルギーに代わるエネルギーとして、バイオマスエネルギー、核エネルギー、風力エネルギー、太陽エネルギー等の利用が検討されている。なかでも、化石燃料の代替エネルギーとして最も安定しており且つ量の多い自然エネルギーは太陽エネルギーであると考えられている。しかしながら、太陽エネルギーは非常に有力な代替エネルギーであるものの、これを活用する観点からは、(1)太陽エネルギーのエネルギー密度が低いこと、(2)太陽エネルギーの貯蔵及び移送が困難であること等が問題となると考えられる。
太陽エネルギーを活用する上での上記課題における、太陽エネルギーのエネルギー密度が低いという問題は、巨大な反射装置で太陽エネルギーを集めることによって解決する方法が提案されている。反射装置は、太陽光による紫外線や熱、風雨、砂嵐等に晒されるため、従来、ガラス製ミラーが用いられてきた。ガラス製ミラーは、環境に対する耐久性が高い反面、輸送時などに破損してしまうことがあることや、その重量が重いミラーを設置する架台を強化する必要があることなどのため、プラントの建設費がかさむといった問題があった。
その一方で、軽量で柔軟性が高く、かつ生産コストおよび輸送コストが低い太陽熱発電用のミラーとして、フィルムミラーがある。フィルムミラーはフィルム基材に設けられた銀反射層上に樹脂からなる層を積層して銀の腐食を抑制している。さらに、その上層にUV吸収剤を含んだ樹脂層を積層することによる劣化の抑制や、最表面にハードコート層などを設けることによる傷つき抑制などによって、耐久性の向上を図っている。
また、太陽熱発電用のミラーは屋外環境下に設置されるため、ミラー表面に砂塵等の付着に起因する反射率低下を抑制する目的で、定期的に高圧放水やブラッシングによる洗浄作業が行われている。しかしながら、長期間屋外暴露したフィルムミラーにこれらの洗浄を施した場合、洗浄時に生じる応力により銀反射層とその上層の防食層とが剥離してしまい、反射率が低下するという問題があった。
上記の様に太陽熱発電用フィルムミラーにおいては、長期間の屋外使用に耐えうるとともに、洗浄作業時に発生する応力によって銀反射層との剥離が生じないよう高い密着性を有する防食層の構築技術が課題となっていた。
既に報告されている太陽熱発電用フィルムミラーに関して、特許文献1の技術が挙げられる。この文献におけるフィルムミラーでは、フィルムの最表層にUV吸収剤を含んだアクリル層を設けており、UV露光に起因する樹脂層の変色による反射率の低下を抑制している。しかしながら特許文献1の場合、銀反射層とアクリル層の間にPET層と粘着層とが挟まれており、半年間以上の屋外暴露後にブラッシングによる洗浄を行った場合に、銀反射層とPET層とに剥離が生じて、反射率が大きく低下するという問題があった。
また、特許文献2ではUV露光による樹脂層の劣化をより強力に抑制する目的で、最表面のハードコート層に大量のUV吸収剤を含有させることで樹脂の変色および脆弱化を抑制している。しかしながら、1年間以上の屋外暴露後にブラッシングによる洗浄を行った場合に、銀反射層と銀反射層上のアクリル樹脂からなる防食層とに剥離が生じて、反射率が大きく低下するという問題があった。
また、特許文献3では銀反射層と強固に密着する樹脂として、アクリル樹脂とシランカップリング剤からなるアクリルシリコーン樹脂を防食層に用いることで、剥離の発生を抑制している。しかしながら、太陽熱発電用フィルムミラーの様に1年以上の長期にわたり太陽光に晒される条件下において、アクリルシリコーン樹脂を防食層に用いたとき、防食層の密着性は維持できるが銀反射層が赤紫色に変色してしまう問題があることがわかった。
そのため、太陽熱発電に用いることができ、長期間屋外に暴露された後に洗浄作業による負荷をかけても高い密着性を有し、かつ変色も起きないフィルムミラーは未だ提案されていない。
特表2009−520174号公報 米国特許第7507776号明細書 特開2004−203014号公報
そこで、本発明の主な目的は、軽量で柔軟性があり、耐候性に優れて長期間にわたり屋外設置された後に洗浄を行っても反射層との界面で剥離が生じることなく、太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラーと、そのフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
すなわち、本発明の一の態様は、
フィルム基材に反射層が設けられたフィルムミラーであって、
前記反射層の光反射側に隣接して設けられた防食層と、前記防食層よりも光反射側に設けられたハードコート層とを備え、
前記防食層はシリコーン変性樹脂を有し、シランカップリング剤を含んで形成され、前記ハードコート層はUV吸収剤を有することを特徴としている。
好ましくは、前記ハードコート層は、光反射側の最表面に設けられている。
好ましくは、前記シリコーン変性樹脂は、アクリルシリコーン樹脂である。
好ましくは、前記防食層は、腐食防止剤を含有している。
好ましくは、前記ハードコート層は、酸化防止剤を含有している。
好ましくは、前記反射層は、銀反射層である。
また、本発明の他の態様は、太陽熱発電用反射装置であって、上記フィルムミラーを、支持体に貼り付けて形成したことを特徴としている。
また、本発明の他の態様は、
フィルム基材に銀層が設けられた機能性フィルムであって、
前記銀層の反射側に隣接して設けられた防食層と、前記防食層よりも反射側に設けられたハードコート層とを備え、
前記防食層はシリコーン変性樹脂を有し、シランカップリング剤を含んで形成され、前記ハードコート層はUV吸収剤を有することを特徴としている。
本発明によれば、長期にわたり屋外環境下に晒されても反射層が変色することはなく、また洗浄作業等による応力を与えても反射層との界面に剥離が生じにくいので、高い正反射率を長期間にわたり維持することが可能なフィルムミラーと、そのフィルムミラーを用いた太陽熱発電用反射装置を提供することができる。また、本発明はフィルムミラーだけでなく、熱線を反射する銀層を有する遮熱フィルムの様な機能性フィルムにも適用可能である。
本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの構成の一例を示す概略断面図である。
筆者らの鋭意検討の結果、アクリル樹脂とシランカップリング剤からなるアクリルシリコーン樹脂を防食層として用いた場合に銀反射層が赤紫色に変色する現象は、長期間屋外暴露して使用する太陽熱発電用フィルムミラーに特有な現象であり、未反応のシランカップリング剤が銀反射層に隣接した状態でUV暴露された際に起きる現象であることがわかった。
上記検討結果に基づき検討を継続した結果、銀反射層上にシリコーン変性樹脂とシランカップリング剤とからなる防食層を設け、かつ最表面にUV吸収剤を含むハードコート層を設けることにより、長期間屋外に暴露された後に洗浄作業による負荷をかけても銀反射層と防食層との界面に剥離が生じ難い高い密着性を有し、かつ変色も起きないフィルムミラーとなることがわかった。これは、硬度の高いハードコートは熱伝導性が高いため、UV吸収剤がUV光を熱に変換した際の放熱が効率よく進行するため、UV吸収剤がUV光を熱に効率的に変換することができ、未反応のシランカップリング剤のUV劣化を抑制したためであると考えられる。また、UV吸収剤がUV光を熱に効率的に変換することができるため、UV吸収剤自身も長持ちし、UV吸収性能が長期間安定的に維持される。
以下、本発明に係る太陽熱発電用フィルムミラーについて詳細について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
(1)太陽熱発電用フィルムミラーの構成概要
本発明の太陽熱発電用フィルムミラーの構成の例を、図1、図2、図3を用いて3種類説明する。
太陽熱発電用のフィルムミラー10a、10b、10cは、図1、図2、図3に示すように、光反射側とは反対側に粘着層2を有するフィルム基材としての基材3上に、構成層として少なくとも反射層5と、反射層5の光反射側に隣接して積層された腐食防止層6と、光反射側の最表面に積層されたハードコート層9とを備えている。なお、腐食防止層6は少なくともシリコーン変性樹脂を有し、シランカップリング剤を含んで形成された防食層である。また、ハードコート層9はUV吸収剤を含有している。
また、フィルムミラーの他の構成層として、基材3と反射層5の間にアンカー層4を設けてもよく(図1、図2参照)、また、腐食防止層6とハードコート層9の間に接着層7と透光性樹脂層8を設けること(図1参照)も好ましい態様である。
また、他の形態として腐食防止層6と透光性樹脂層8とを、接着層7を設けずに反射層5に接合した図3の形態も好ましい態様である。このような構成である場合、透光性樹脂層8を塗布により設けることが可能となるため、生産性の向上が期待できる。尚、本発明はフィルムミラーだけでなく、熱線を反射する銀層(反射層)を有する遮熱フィルムの様な機能性フィルムにも適用可能である。その場合、銀層は20nm以下と薄い層であることが好ましい。
(2)フィルム基材
本発明におけるフィルム基材としては樹脂フィルムまたはガラスフィルムを用いることができる。
<樹脂フィルム>
本発明のフィルムミラー又は機能性フィルムに用いられるフィルム基材としては、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。
中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルムが好ましく、特に、ポリエステル系フィルム、セルロースエステル系フィルムを用いることが好ましい。このフィルム基材は、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
フィルム基材の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。例えば、一般的には10〜300μmの範囲内である。好ましくは20〜200μm、さらに好ましくは30〜100μmである。
<ガラスフィルム>
本発明のフィルムミラー又は機能性フィルムに用いられるフィルム基材としては、ガラスフィルムを用いることも可能である。
当該ガラスフィルムとしては、ダウンドロー法によって成形されたガラスロールより得られるガラスフィルムであることが好ましい。すなわち、特開2010−132347号公報に開示されているような、ダウンドロー法によって成形された表裏面が露出したガラスフィルムを、保護シートに重ねてロール状に巻き取ったガラスロールより得られるガラスフィルムであることが好ましい。
このような構成によれば、ダウンドロー法によって形成された表裏面が露出したガラスフィルムがそのままの状態で、保護シートとともにロール状に巻き取られてガラスロールが形成される。そのため、梱包前の工程で、ガラスフィルムの表裏面のいずれにもポリマー層等の保護膜を形成する成膜工程を行う必要がなく、開梱後の工程でも、ガラスフィルムの表面からポリマー層等の保護膜を除去する除去工程を行う必要もない。
従って、保護膜を形成する工程が不要な分だけ梱包前の工程を短縮化できるので、ガラスフィルムの表裏面に異物が付着する割合を可及的に低減できると共に、開梱後に保護膜に由来する異物が残存するという事態も生じ得ない。その結果、ダウンドロー法に由来したガラスフィルムの表裏面の清浄性を良好に維持することができる。更に、ダウンドロー法により成形した表裏面であれば、フロート法により成形した場合のように事後的にガラスフィルムの表面研磨を行わなくても、未研磨面の状態で清浄性を確保できるという利点もある。
また、ガラスフィルムの露出した表裏面は、ガラスロールの状態で保護シートにより保護される。しかも、ガラスフィルムの表裏面は、ポリマー層等の保護膜が形成されていないガラス面であるため、巻き取った段階で、ガラスフィルムと保護シートとが固着するという事態も生じ難い。従って、ガラスロールの状態でのガラスフィルムの破損を確実に低減でき、しかも、ガラスフィルムと保護シートとの分離性も良好に維持できるので、開梱時のガラスフィルムの破損も可及的に低減することができる。
なお、ガラスフィルムは、長時間巻き取った状態が保持されたとしても、反りが発生することはなく容易に次工程へと送り込むことができる。さらに、巻き取ることによって長尺物のガラスフィルムとすることができることから、その後自由な長さで切断することができ、様々な大きさの基板に対応することが可能となり、ガラスフィルムの無駄を防止することができる。
ガラスフィルムの厚さは、1.0〜200μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは30〜150μmであるが、更に好ましくは50〜120μmの範囲内である。厚さが1μm以上であると、ロール状に巻き取る際のテンションに耐えることができるため破断を防ぐことができ、また、200μm以下にすることで、ロールとしての巻き取り性を良好に維持できる。
上記のような厚さにすれば、ガラスフィルムに適切な可撓性が付与される。そのため、ガラスフィルムを巻き取った際にガラスフィルムにかかる不当な応力を軽減することができ、破損を防止することができる。
上記の構成において、前記ガラスフィルムの幅方向の両端面の算術平均粗さRaが、0.1μm以下であることが好ましい。ここで、「算術平均粗さRa」は、JIS B0601:2001に準拠して測定された値とする。
このようにすれば、ガラスフィルムの幅方向の両端面に適切な平滑性が付与される。そのため、ガラスフィルムをロール状に巻き取る際に、ガラスフィルムの両端面に微細な傷が生じ難くなり、ガラスフィルム両端面からの破損を防止することができる。従って、ガラスフィルムの端面の微細な傷に起因する欠けにより発生するガラス粉(カレット)を低減できることから、ガラスフィルムの表裏面の清浄性を確保する上でも非常に有利となる。また、ガラスフィルムの端面と保護シートが接触した場合でも、ガラスフィルムの端面が保護シートに噛み込んで引っかかることがなく、ガラスフィルムと保護シートとの分離性を良好なものとすることができる。
上記の構成において、前記ガラスフィルムの幅方向の両端面が、レーザー切断により切断された切断面で構成されていることが好ましい。なお、ここでいうレーザー切断には、レーザー溶断以外にも、レーザー割断も含まれる。
(3)アンカー層
アンカー層は、樹脂からなり、フィルム基材と反射層とを密着させるものである。従って、アンカー層はフィルム基材と反射層とが密着する密着性、反射層を真空蒸着法等で形成する際の熱にも耐え得る耐熱性、及び反射層が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性が必要である。
アンカー層に使用する樹脂は、上記の密着性、耐熱性、平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、特にフィルム基材が樹脂フィルムである場合は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂が使用できる。特に、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。
アンカー層の厚さは、0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。アンカー層の厚さが、上記の範囲であると、密着性が良好になりアンカー層を形成した効果が大きく、またフィルム基材表面の凹凸を覆い隠すことができ、平滑性が良好になり、結果的には反射層の反射率が高くなる。なお、アンカー層の厚さを3μmより厚くても密着性の向上は望めず、塗りムラの発生により平滑性が悪くなる場合がある。
このアンカー層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法を適用できる。
(4)反射層
反射層は、太陽光を反射する機能を有する金属等からなる層である。
反射層の表面反射率は好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。この反射層は、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、Pt及びAuからなる元素群の中から選ばれるいずれかの元素を含む材料により形成されることが好ましい。中でも、反射率、耐食性の観点からAlまたはAgを主成分としていることが好ましく、このような金属の薄膜を二層以上形成するようにしてもよい。本発明においては、特に銀を主成分とする銀反射層であることが好ましい。
また、反射層上にSiO、TiO等の金属酸化物からなる層を設けてさらに反射率を向上させてもよい。
本発明における反射層(例えば銀反射層、銀層ともいう)の形成法としては、例えば、湿式法及び乾式法のどちらも使用することができる。
湿式法とは、めっき法または金属錯体溶液塗布法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例を挙げると銀鏡反応や、銀錯体インクの焼成による銀層形成等がある。
一方、乾式法とは、真空成膜法の総称であり、具体的には、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法等がある。とりわけ、本発明には連続的に成膜するロールツーロール方式が可能な蒸着法が好ましく用いられる。すなわち、本発明のフィルムミラーの製造方法においては、反射層を銀の蒸着により形成することが好ましい。
反射層の厚さは、反射率等の観点から、10〜200nmが好ましく、より好ましくは30〜150nmである。
(5)腐食防止層(防食層)
腐食防止層(防食層)は、反射層に隣接して設けられ、反射層の材料(例えば、銀)の腐食を防止するためのものである。ここで、「腐食」とは、金属材料(銀)を取り囲む環境物質によって、化学的または電気化学的に浸食されるか若しくは材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103−2004参照)。本発明で使用できる腐食防止層は、シリコーン変性樹脂を有し、シランカップリング剤を含んで形成されている必要がある。少なくともシリコーン変性樹脂を有し、シランカップリング剤を含んで形成されている腐食防止層は、屋外環境下で長期にわたって設置しても反射層との高い膜密着性を保つことができる。
(5−1)シリコーン変性樹脂
シリコーン変性樹脂とは、主鎖または側鎖または樹脂骨格の末端部にシロキサン結合部(−Si−O−)を有す樹脂である。ここで、nは1以上の整数である。
本発明に用いるシリコーン変性樹脂は、例えば主骨格となる樹脂にポリシロキサン構造を有する樹脂がグラフト状に結合したものでもよいし、主骨格となる樹脂にシランカップリング剤を結合させたものであってもよい。シリコーン変性樹脂のシロキサン結合以外の部位は、例えば、セルロースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂等の樹脂骨格を持つものである。特に、アクリルシリコーンやシリコーンアルキド等、アクリル樹脂骨格、アルキド樹脂骨格を持つものが好ましく、より好ましくはアクリル樹脂骨格を持つアクリルシリコーン樹脂がよい。更に好ましくは、アクリル樹脂骨格中にアミノ基を有するものを用いるのがよい。
樹脂骨格中にポリシロキサン構造がグラフト状に結合したシリコーン変性樹脂の具体例としては、ベッコライトM−6652−60(大日本インキ化学工業社製)、ベッコライトM−6650−60(大日本インキ化学工業社製)、Baysilone Resin UD-460M(バイエルン社製)、KP−541(信越シリコーン社製)、KP−543(信越シリコーン社製)、KP−545(信越シリコーン社製)、KP−549(信越シリコーン社製)、KP−550(信越シリコーン社製)、メタトロン(大宝化学工業社製)等が挙げられる。
また、骨格中にアミノ基を有するアクリル樹脂の具体例としては、PTC−05(藤倉化成社製)、PTC−0505(藤倉化成社製)、PTC−05−B2(藤倉化成社製)、PTC−05N(藤倉化成社製)、PTC−05N−B2(藤倉化成社製)、オリジツーク#100クリヤ(オリジン電気社製)、オリジツーク#200クリヤ(オリジン電気社製)、T40−a0.7h(オリジン電気社製)、T50−a0.7h(オリジン電気社製)、T40−b1.5h(オリジン電気社製)等が挙げられる。
(5−2)シランカップリング剤
本発明に用いるシランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエトキシトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。なお、主骨格となる樹脂にシランカップリング剤を結合させた場合であっても、未反応のシランカップリング剤やシランカップリング剤同士が反応した化合物等が、腐食防止層中に残存することもある。本発明によって、そのような残存したシランカップリング剤やカップリング剤同士が反応した化合物が紫外線によって引き起こす問題を防ぎ、それに伴い、シランカップリング剤の添加量を大きく気にすることなく、引き続き使用することが可能となる。
(5−3)腐食防止剤
腐食防止層には、腐食防止剤が添加されていることが好ましい。
腐食防止層に用いることができる腐食防止剤としては、ベンズトリアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、イオウ系化合物、テトラザインデン系化合物、チアジアゾール系化合物の腐食防止剤群からの中から選ぶことができる。また、これらの選択可能な化合物を2種以上合わせて使用することもできる。
以下に選択可能な腐食防止剤の一般式を示す。
(5−3−1)ベンズトリアゾール系化合物
ベンズトリアゾール系化合物は、下記の一般式(1)で表される。
Figure 2012090987
式中、R41〜R45は、水素原子または置換基を表す。置換基としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、シアノ基、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基等)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基、1,3−ジメチルウレイド基等)、スルファモイルアミノ基(ジメチルスルファモイルアミノ基等)、カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えばエチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、フェニルスルホニル基等)、アシル基(例えばアセチル基、プロパノイル基、ブチロイル基等)、アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミンオキシド基(例えばピリジン−オキシド基)、イミド基(例えばフタルイミド基等)、ジスルフィド基(例えばベンゼンジスルフィド基、ベンゾチアゾリル−2−ジスルフィド基等)、カルボキシル基、スルホ基、ヘテロ環基(例えば、ピロール基、ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基等)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
ベンゾトリアゾール系化合物の具体例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記タイプのベンゾトリアゾール系化合物は、例えば、チバ・ジャパン社から、TINUVIN P、TINUVIN234、TINUVIN328という商品名で市販されている。
(5−3−2)イミダゾール系化合物
イミダゾール系化合物は、下記の一般式(2)で表される。
Figure 2012090987
式中、R51〜R54は置換基を表す。置換基としては上記した一般式(1)のR41〜R45で表される置換基と同義である。なお、R51は水素原子が好ましい。
イミダゾール系化合物の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、5,6−ジメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
上記タイプのイミダゾール系化合物は、例えば、シグマアルドリッチ社から、上記した化合物名と同じ商品名で市販されている。
(5−3−3)イオウ系化合物
イオウ系化合物は、下記の一般式(3)で表される。
Figure 2012090987
式中、R61及びR62は置換基を表す。置換基としては上記した一般式(1)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
イオウ系化合物の具体例としては、ブタンジオールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリエチレングリコールジメルカプタン、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
上記タイプのイオウ系化合物は、例えば、淀化学株式会社から、BDTG、TMTG、PETG、TMTP、PETPという商品名で市販されている。
(5−3−4)テトラザインデン系化合物
テトラザインデン系化合物は、下記の一般式(4)で表される。
Figure 2012090987
式中、R71〜R73は置換基を表す。置換基としては上記した一般式(1)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
テトラザインデン系化合物の具体例としては、7−ヒドロキシ−5−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、5,6−ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オル、5−メチル−2−(メチルチオ)−1,3,4−トリアザインドリジン−7−オル等が挙げられる。
上記タイプのテトラザインデン系化合物は、例えば、シグマアルドリッチ社から、上記した化合物名と同じ商品名で市販されている。
(5−3−5)チアジアゾール系化合物
チアジアゾール系化合物は、下記の一般式(5)で表される。
Figure 2012090987
式中、R81及びR82は置換基を表す。置換基としては一般式(1)のR41〜R45で表される置換基と同義である。
チアジアゾール系化合物の具体例としては、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジチオール、5−(エチルチオ)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5,5’−(エチレンジチオ)ビス(1,3,4−チアジアゾール−2−チオール)等が挙げられる。
上記タイプのチアジアゾール系化合物は、例えば、シグマアルドリッチ社から、上記した化合物名と同じ商品名で市販されている。
(6)ハードコート層
ハードコート層は、フィルムミラーの防食層よりも光反射側に設けられ、好ましくは最表面層として設けられている。例えば、図1に示すフィルムミラー10aでは、ハードコート層9はアクリル樹脂層8上に積層されて最表面に設けられており、また図2に示すフィルムミラー10bでは、ハードコート層9は腐食防止層6上に積層されて最表面に設けられている。ハードコート層は、フィルムミラーの表面に傷や汚れが付くことを防止する他、UV吸収剤を高効率かつ長期にわたり機能させるよう担持するために設けられている。
このハードコート層は、バインダーとして、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂等を用い、UV硬化または熱硬化で形成することができる。
本発明においては、ハードコート層に有機材料または無機材料からなるUV吸収剤を含有させる必要がある。また、必要に応じて、光増感剤、光重合開始剤、熱重合開始剤あるいは改質剤等を含有させるようにしてもよい。
(6−1)UV硬化型ハードコート
UV硬化型ハードコートとは、UV照射工程により樹脂を硬化させてなるハードコートである。UV照射工程とは、高圧水銀ランプ等を用いて80mj以上のエネルギー(紫外線)を照射することをいう。UV硬化性樹脂としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、多官能ウレタン化(メタ)アクリレート等を主成分とする(メタ)アクリレート系樹脂などが例示される。ここで、多官能ウレタン化(メタ)アクリレートとは、例えば、イソホロンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートのような、分子内に少なくとも2個のイソシアナト基(−NCO)を有するポリイソシアネートに、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートやペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのような、分子内に1個の水酸基および少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加反応させて得られる、ウレタン結合と少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。これらのUV硬化性樹脂は単独または2種以上混合して使用することができる。また、多官能ウレタン化(メタ)アクリレートに、上述したようなウレタン結合を有しない多官能(メタ)アクリレートを組み合わせて用いることも可能である。
また、UV硬化性樹脂としては市販されているものを好適に用いることができる。UV硬化性樹脂の市販品としては、具体的には、カヤラッドDPHA(日本化薬(株)製)、カヤラッドDPCA−20(日本化薬(株)製)、カヤラッドDPCA−30(日本化薬(株)製)、カヤラッドDPCA−60(日本化薬(株)製)、カヤラッドDPCA−120(日本化薬(株)製)、カヤラッドD−310(日本化薬(株)製)、カヤラッドD−330(日本化薬(株)製)、カヤラッドPET−30(日本化薬(株)製)、カヤラッドGPO−303(日本化薬(株)製)、カヤラッドTMPTA(日本化薬(株)製)、カヤラッドTHE−330(日本化薬(株)製)、カヤラッドTPA−330(日本化薬(株)製)、アロニックスM−315(東亞合成(株)製)、アロニックスM−325(東亞合成(株)製)などが挙げられる。
上述したようなUV硬化性樹脂は、通常、光重合開始剤と混合して使用される。光重合開始剤としては、例えば、イルガキュアー907(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー184(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、ルシリンTPO(BASF社製)などの市販品を好適に用いることができる。
(6−2)熱硬化型ハードコート
熱硬化型ハードコートとは、加熱工程により樹脂を硬化させてなるハードコートであり、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂等を用い、加熱工程を含む方法により硬化させて形成することができる。樹脂の加熱工程とは、塗布後のバインダー樹脂を40℃以上の雰囲気下で1分以上処理して硬化させることをいう。熱硬化性樹脂層の架橋密度を十分なものとするために、40〜150℃の雰囲気下で、1分〜数日処理を必要とする。十分な硬度を発現させるために、60℃〜100℃の雰囲気下で30分から2日間静置することが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン系樹脂またはシリコーン変性系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂を用いることができるが、本発明においては、シリコーン系樹脂またはシリコーン変性系樹脂を用いることが好ましい。
シリコーン系樹脂を構成する前駆体化合物は、RSi(OR’)の一般式で示されるものであり、RおよびR’は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、mおよびnは、m+n=4の関係を満たす整数である。
具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ポロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テロラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(N−アミノベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、メチルメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のシランカップリング剤や、電離放射線硬化性シロキサン化合物を用いることもできる。電離放射線硬化性シロキサン化合物としては、具体的には、電離放射線の照射により反応し架橋する複数の官能基、例えば重合性二重結合基を有する分子量5000以下の有機ケイ素化合物が挙げられ、より具体的には、片末端ビニル官能性ポリシロキサン、両末端ビニル官能性ポリシロキサン、またはこれらの化合物を反応させたビニル官能性ポリシロキサン等が挙げられる。この組成物は、シラノール基の脱水縮合により3次元架橋がなされ、高硬度の被膜が得られる。
本発明でハードコート層9に用いるシリコーン変性系樹脂とはシリコーンを側鎖にもつグラフト共重合体である。好ましくはシリコーンを側鎖にもつアクリル系グラフト共重合体である。アクリル変性シリコーン高分子モノマーとラジカル重合性単量体をラジカル重合させて成るシリコーン系グラフト共重合体としては、上記のアクリル変性シリコーンが、下記の一般式(6)で示されるシリコーンと、下記の一般式(7)で示されるアクリル化合物とを縮合させて成る生成物をあげることができる。
下記の式(6)中、RおよびRは炭素数1〜10の一価の脂肪族炭化水素基、フェニル基または一価のハロゲン化炭化水素基を表す。qは1以上の正数である。
Figure 2012090987
下記の式(7)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rはメチル基、エチルまたはフェニル基を表す。2個のRは互いに同一もしくは異なっていてもよい。Zは塩素原子、メトキシ基またはエトキシ基を表す。
Figure 2012090987
上記した一般式(6)で示されるシリコーンは市販品として入手でき、目的にあったものを使用することができる。上記した一般式(6)におけるRおよびRは炭素数1〜10の一価の脂肪族炭化水素基、フェニル基または一価のハロゲン化炭化水素である。炭素数1〜10の一価の脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、アシル基等が挙げられ、一価のハロゲン化炭化水素としては、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロ−3,3−ジフルオロブチル基、2−クロロエチル基等が挙げられる。RおよびRとして特に好ましいのはメチル基である。
上記した一般式(6)でqは1以上の正数であるが、一般にqの数が100以上という高分子量のシリコーンから誘導されるアクリル変性シリコーンとラジカル重合性単量体との共重合からはオイル状のものが得られやすい傾向にあり、qの数が100以下という低分子量のシリコーンから誘導されるアクリル変性シリコーンとラジカル重合性単量体との共重合からは用いるモノマーの種類によりオイル状、ゼリー状、固体状等各種のものを得ることができる。
また、上記した一般式(7)で示されるアクリルシラン化合物としては、例えばγ−メタクリルオキシプロピルジメチルクロロシラン、γ−メタクリルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルジフェニルクロロシラン、γ−アクリルオキシプロピルジメチルクロロシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。これらのアクリルシラン化合物は、特公昭33−9969号の方法等に従い、ケイ素化合物と脂肪族性多重結合を有する化合物とを塩化白金酸の存在下で反応させることにより容易に得られる。
また、アクリル変性シリコーンとラジカル重合性単量体とのラジカル共重合は、従来公知の方法を使用でき、放射線照射法、ラジカル重合開始剤を用いる方法を使用できる。さらに紫外線照射法により共重合させる場合は、ラジカル重合開始剤として公知の増感剤を使用し、電子線照射により共重合させる場合はラジカル重合開始剤を使用する必要はない。このようにして得られたシリコーン共重合体は、ラジカル重合性単量体を幹とし、シリコーンを枝とする櫛形グラフト共重合体である。
シリコーン共重合体の市販品としては、サイマックUS−150、US−270、US−350、US−450、レゼダGP−700(以上、東亞合成(株)製)、サーコートNP730、サーコートNP720(以上、動研社製)等を挙げることができる。
(6−3)シリカ微粒子
充分な高硬度を有し、硬化収縮によるカールを充分に抑制し得るハードコート層を得るために、ハードコート層の形成に用いられる硬化性樹脂組成物中にシリカ微粒子を添加することが好ましい。
シリカ微粒子としては、例えば、粉体状シリカまたはコロイダルシリカが挙げられ、平均粒子径が0.01〜20μmの範囲内のものが好適に用いられる。また、シリカ微粒子は、ハードコートフィルムの光透過性に影響を与えないものであることが好ましく、そのためには、一次粒子径が10〜350nmの範囲内にあることが好ましく、10〜50nmの範囲内にあることがより好ましい。なお、上述したシリカ微粒子の平均粒子径は、例えば、透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができ、また、シリカ微粒子の一次粒子径は、例えば、イソプロピルアルコールなどの溶媒に微粒子を分散させ、その分散液から、コールター粒度分布測定法、レーザー回折散乱法、動的光散乱法などにより測定することができ、これらの中でもコールター粒度分布測定法が一般的である。
シリカ微粒子の形状は、球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、もしくは不定形状であってよいが、硬化性樹脂中で凝集することなく粒子を好適に分散させるためには、好ましくは球状である。また、ハードコート層の硬度や平面性を維持する観点から、シリカ微粒子の比表面積は0.1〜3000m/gの範囲内であることが好ましく、さらには1m/g以上、とりわけ10m/g以上、また1500m/g以下であることがより好ましい。
このようなシリカ微粒子も市販されているものを好適に用いることができる。シリカ微粒子の市販品を例示すると、コロイダルシリカとしては、メタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製)、IPA−ST(日産化学工業(株)製)、MEK−ST(日産化学工業(株)製)、NBA−ST(日産化学工業(株)製)、XBA−ST(日産化学工業(株)製)、DMAC−ST(日産化学工業(株)製)、ST−UP(日産化学工業(株)製)、ST−OUP(日産化学工業(株)製)、ST−20(日産化学工業(株)製)、ST−40(日産化学工業(株)製)、ST−C(日産化学工業(株)製)、ST−N(日産化学工業(株)製)、ST−O(日産化学工業(株)製)、ST−50(日産化学工業(株)製)、ST−OL(日産化学工業(株)製)などを挙げることができる。
また、粉体状シリカとしては、アエロジル130(日本アエロジル(株)製)、アエロジル300(日本アエロジル(株)製)、アエロジル380(日本アエロジル(株)製)、アエロジルTT600(日本アエロジル(株)製)、アエロジルOX50(日本アエロジル(株)製)、シルデックスH31(旭硝子(株)製)、シルデックスH32(旭硝子(株)製)、シルデックスH51(旭硝子(株)製)、シルデックスH52(旭硝子(株)製)、シルデックスH121(旭硝子(株)製)、シルデックスH122(旭硝子(株)製)、E220A(日本シリカ工業(株)製)、E220(日本シリカ工業(株)製)、サイリシア470(富士シリシア(株)製)、SGフレーク(日本板硝子(株)製)などを挙げることができる。
(6−4)レベリング剤
ハードコート層の形成に用いられる硬化性樹脂組成物には、得られるハードコート層の表面平滑性を確保するために、レベリング剤を添加することが好ましい。
レベリング剤とは、塗料に添加することでその塗料の表面張力を低下させ、塗膜の表面平滑性を向上させる効果のある薬剤である。
レベリング剤として一般的に使用される物質としては、例えば、ポリアルキルアクリレートなどのポリアクリレート系ポリマー、ポリアルキルビニルエーテルなどのポリビニルエーテル系ポリマー、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、さらにはポリエーテル、ポリエステル、アラルキルなどが導入された有機変性ポリシロキサンなどのシリコーン系ポリマーなどが例示されるが、本発明ではこれらのポリマーにフッ素原子を含有するものを用いることが最も好ましい。フッ素原子を有するレベリング剤は、例えばフッ素含有基を有するモノマーを共重合させることにより得ることができる。
具体的に市販されている商品としては、例えばサーフロン「S−381」、「S−382」、「SC−101」、「SC−102」、「SC−103」、「SC−104」(何れも旭硝子株式会社製)、フロラード「FC−430」、「FC−431」、「FC−173」(何れもフロロケミカル−住友スリーエム製)、エフトップ「EF352」、「EF301」、「EF303」(何れも新秋田化成株式会社製)、シュベゴーフルアー「8035」、「8036」(何れもシュベグマン社製)、「BM1000」、「BM1100」(いずれもビーエム・ヒミー社製)、メガファック「F−171」、「F−470」、「RS−75」、「RS−72−K」(何れも大日本インキ化学工業株式会社製)、BYK340(ビックケミー・ジャパン社製)、「ZX−049」、「ZX−001」、「ZX−017」(何れも富士化成工業社製)等を挙げることができる。
(6−5)UV吸収剤
ハードコート層の形成に用いられる硬化性樹脂組成物には、得られるハードコート層およびハードコート層よりも下層の樹脂層の耐候性を向上させるために、UV吸収剤を添加することが好ましい。得られたハードコート層は、有機化合物からなるUV吸収剤または無機化合物からなるUV吸収剤、もしくは両者を含有していることが好ましい。有機系の場合はトリアジン系UV吸収剤を用いることが好ましい。
(6−5−1)無機UV吸収剤
無機UV吸収剤とは、主には金属酸化物顔料であり、アクリル樹脂に20質量%以上の濃度で分散させて、6μm厚のフィルムを形成し、UV−B域(290−320nm)における光線透過率を10%以下にする機能を備えた化合物である。本発明に適用可能な無機UV吸収剤としては、特に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウムまたはこれらの混合物から選択されることが好ましい。
また、無機UV吸収剤含有層の透明性を向上させる点から、平均粒径が5nmと500nmとの間の平均基本粒子径であるものが好ましく、特に好ましくは10nmと100nmとの間の平均基本粒子径であって、粒径分布の最大粒径が150nm以下の金属酸化物粒子である。この種の被覆または非被覆金属酸化物顔料は、より詳細に、特許出願「EP−A−0 518 773」(欧州特許)に記載されている。
また、本発明においては、無機酸化物の光触媒能による隣接樹脂の酸化劣化作用を抑える観点から、無機UV吸収剤を表面被覆したものの平均粒径が、10nm以上、100nm以下の無機UV吸収剤微粒子であってもよい。また、無機UV吸収剤を表面被覆することによって無機UV吸収剤粒子の分散性を向上させる効果もあるためより好ましい。ここでいう表面被覆された無機UV吸収剤とは、アミノ酸、蜜蝋、脂肪酸、脂肪アルコール、陰イオン界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩またはアルミニウム塩、金属アルコキシド(チタンまたはアルミニウムの)、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物あるいはヘキサメタリン酸ナトリウムのような化合物により、化学的、電子工学的、メカノケミストリー的または機械的な特質の1つまたは複数の手段により表面処理を受けた無機UV吸収剤である。
無機UV吸収剤を単独で用いる場合の使用量は、UV吸収層(ハードコート層9)の全質量に対し1〜30質量%、好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは15〜20質量%である。30質量%よりも多いと密着性が悪くなり、1質量%より少ないと耐候性改良効果が小さい。
また、無機UV吸収剤を後述する有機UV吸収剤と併用して用いる場合、UV吸収層(ハードコート層9)の全質量に対し、無機UV吸収剤の使用量は3〜20質量%、好ましくは5〜10質量%であり、有機UV吸収剤の使用量は0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%である。このような使用量の範囲で無機UV吸収剤と有機UV吸収剤とを併用すると、ハードコート層の透明度は高く、耐侯性も良好となる。
(6−5−2)低分子トリアジン系UV吸収剤
本発明において好ましく用いられる低分子トリアジン系UV吸収剤は、下記の一般式(8)で表される。
−Q−OH ・・・(8)
上記の式(8)中、Qは1,3,5−トリアジン環を表し、Qは芳香族環を表す。
一般式(8)の化合物は、さらに好ましくは下記の一般式(9)で表される化合物である。
Figure 2012090987
上記の式(9)中、Rは炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;フェニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数5〜12のシクロアルコキシ基、炭素原子数3〜18のアルケニルオキシ基、ハロゲン原子、−COOH、−COOR、−O−CO−R、−O−CO−O−R、−CO−NH、−CO−NHR、−CO−N(R)(R)、−CN、−NH、−NHR、−N(R)(R)、−NH−CO−R、フェノキシ基、炭素原子数1〜18のアルキル基で置換されたフェノキシ基、フェニル−炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数6〜15のビシクロアルコキシ基、炭素原子数6〜15のビシクロアルキルアルコキシ基、炭素原子数6〜15のビシクロアルケニルアルコキシ基、または炭素原子数6〜15のトリシクロアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜18のアルキル基;ヒドロキシ基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基または−O−CO−Rで置換された炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;グリシジル基;−CO−Rまたは−SO−R10を表すか;あるいはRは1以上の酸素原子で中断された及び/またはヒドロキシ基、フェノキシ基もしくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換された炭素原子数3〜50のアルキル基を表すか;あるいはRは−A;−CH−CH(XA)−CH−O−R12;−CR13R’13−(CH−X−A;−CH−CH(OA)−R14;−CH−CH(OH)−CH−XA;
Figure 2012090987

−CR15R’15−C(=CH)−R’’15;−CR13R’13−(CH−CO−X−A;−CR13R’13−(CH−CO−O−CR15R’15−C(=CH)−R’’15または−CO−O−CR15R’15−C(=CH)−R’’15(式中、Aは−CO−CR16=CH−R17を表す。)で表される定義の一つを表す。
は、互いに独立して、炭素原子数6〜18のアルキル基;炭素原子数2〜6のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;−COOR;−CN;−NH−CO−R;ハロゲン原子;トリフルオロメチル基;−O−Rを表す。
はRに対して与えられた定義を表し;Rは炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表すか;あるいはRは1以上の−O−、−NH−、−NR−、−S−で中断された及びOH、フェノキシ基もしくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換されていてもよい、炭素原子数3〜50のアルキル基を表し;RはH;炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数2〜18のアルケニル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルケニル基;炭素原子数6〜15のトリシクロアルキル基を表し;RはH;炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表し;R及びRは互いに独立して炭素原子数1〜12のアルキル基;炭素原子数3〜12のアルコキシアルキル基;炭素原子数4〜16のジアルキルアミノアルキル基を表すか;または炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表し;あるいはR及びRは一緒になって炭素原子数3〜9のアルキレン基、炭素原子数3〜9のオキサアルキレン基または炭素原子数3〜9のアザアルキレン基を表し;Rは炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数2〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキルアルキル基、炭素原子数6〜15のビシクロアルケニル基;または炭素原子数6〜15のトリシクロアルキル基を表し;R10は炭素原子数1〜12のアルキル基;フェニル基;ナフチル基;または炭素原子数7〜14のアルキルフェニル基を表し;基R11は互いに独立してH;炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜6のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;ハロゲン原子;炭素原子数1〜18のアルコキシ基を表し;R12は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数3〜8のアルケノキシ基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基で1〜3回置換されたフェニル基を表すか;または炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のトリシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキルアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルケニルアルキル基;−CO−Rを表し;またはR12は1以上の−O−、−NH−、−NR−、−S−で中断された及びOH、フェノキシ基もしくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換されていてもよい、炭素原子数3〜50のアルキル基を表し;R13及びR’13は互いに独立してH;炭素原子数1〜18のアルキル基;フェニル基を表し;R14は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜12のアルコキシアルキル基;フェニル基;フェニル−炭素原子数1〜4のアルキル基を表し;R15、R’15及びR’’15は互いに独立してHまたはCHを表し;R16はH;−CH−COO−R;炭素原子数1〜4のアルキル基;またはCNを表し;R17はH;−COOR;炭素原子数1〜17のアルキル基;またはフェニル基を表し;Xは−NH−;−NR−;−O−;−NH−(CH−NH−;または−O−(CH−NH−を表し;及び指数mは数0〜19を表し;nは数1〜8を表し;pは数0〜4を表し;qは数2〜4を表す;ただし一般式(9)中、R、R及びR11の少なくとも1つが2個以上の炭素原子を含む、である。
(6−5−3)低分子ベンゾフェノン系UV吸収剤
ベンゾフェノン系UV吸収剤は、下記の一般式(10)で表される。
Figure 2012090987
上記の式(10)中、Q及びQはそれぞれ独立に芳香族環を表す。Xは置換基を表し、Yは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を表す。XYは水素原子であってもよい。
ベンゾフェノン系UV吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
(6−5−4)低分子ベンズトリアゾール系UV吸収剤
ベンズトリアゾール系UV吸収剤は、下記の一般式(11)で表される。
Figure 2012090987
上記の式(11)中、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に一価の有機基を表し、R、R及びRの少なくとも1つは総炭素数10〜20の無置換の分岐または直鎖のアルキル基を表す。
ベンズトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンズトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンズトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンズトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンズトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンズトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンズトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンズトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル)ベンズトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンズトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンズトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンズトリアゾール、(2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロロベンズトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンズトリアゾール、(2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロロベンズトリアゾール等が挙げられる。
(6−5−5)高分子型UV吸収剤
本発明に用いられる高分子型UV吸収剤とは、重量平均分子量が500以上の化合物をいう。重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置で測定することができる。
本発明に用いられる高分子型UV吸収剤としては、下記の一般式(12)で表される化合物が好ましく、中でもベンズトリアゾール基を有するベンズトリアゾール系高分子UV吸収剤がより好ましい。
Figure 2012090987
上記の式(12)中、R11は水素原子またはメチル基を表し、R12及びR13は水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R13はベンゾフェノン基またはベンズトリアゾール基を表す。l、m及びnは1以上の整数を表す。
12及びR13で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状のアルキル基等が挙げられる。
12及びR13で表されるアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ベンジル基、フェネチル基等を挙げることができる。
その他の高分子型UV吸収剤としては、例えば特開2004−42614号公報に記載の化合物が挙げられる。具体的には[2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシメトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシオクトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシドデシロキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシベンジロキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2,2’−ジヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2,2’−ジヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシメトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2,2’−ジヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシオクトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2,2’−ジヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシベンジロキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2,2−ジヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシドデシロキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2,2’,4−トリヒドロキシ−4’−(メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2,2’,4−トリヒドロキシ−4’−(メタクリロイルオキシメトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2,2’,4−トリヒドロキシ−4’−(メタクリロイルオキシオクトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2,2’,4−トリヒドロキシ−4’−(メタクリロイルオキシドデシロキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2,2’,4−トリヒドロキシ−4’−(メタクリロイルオキシベンジロキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[4−ヒドロキシ−4’−(メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[4−ヒドロキシ−4’−(メタクリロイルオキシメトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[4−ヒドロキシ−4’−(メタクリロイルオキシオクトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[4−ヒドロキシ−4’−(メタクリロイルオキシドデシロキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[4−ヒドロキシ−4’−(メタクリロイルオキシベンジロキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2−ヒドロキシ−4’−メチル−4−(メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2−ヒドロキシ−4’−メチル−4−(メタクリロイルオキシメトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2−ヒドロキシ−4’−メチル−4−(メタクリロイルオキシオクトキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2−ヒドロキシ−4’−メチル−4−(メタクリロイルオキシドデシロキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2−ヒドロキシ−4’−メチル−4−(メタクリロイルオキシベンジロキシ)ベンゾフェノン]−メタクリル酸メチル共重合体、[2−(2’−ヒドロキシ−4’−メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾトリアゾール]−メタクリル酸メチル共重合体、[2−(2’−ヒドロキシ−4’−メタクリロイルオキシエトキシ)−5−クロロベンゾトリアゾール]−メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。さらには2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]等の分子量500以上の高分子型UV吸収剤も好適である。
(6−6)酸化防止剤
ハードコート層の形成に用いられる硬化性樹脂組成物には、酸化防止剤を添加することが好ましい。
ハードコート層が酸化防止剤を含有することによって、耐候性を向上することができる。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物の酸化防止剤群の中から選ぶことができる。
ヒンダードフェノール系化合物の具体例としては、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−アセテート、n−オクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、n−ドデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、ネオ−ドデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ドデシルβ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(n−オクチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート、2−(n−オクチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート、2−(2−ヒドロキシエチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ジエチルグリコールビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ステアルアミドN,N−ビス−[エチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−ブチルイミノN,N−ビス−[エチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,2−プロピレングリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ネオペンチルグリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、グリセリン−l−n−オクタデカノエート−2,3−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス−[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス−{2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,1,1−トリメチロールエタン−トリス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ソルビトールヘキサ−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−ヒドロキシエチル7−(3−メチル−5−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−ステアロイルオキシエチル7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,6−n−ヘキサンジオール−ビス[(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)が含まれる。上記タイプのフェノール化合物は、例えば、チバ・ジャパン株式会社から「IRGANOX1076」及び「IRGANOX1010」という商品名で市販されている。
ヒンダードアミン系化合物の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1−アクロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)デカンジオエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。
また、高分子タイプの化合物でもよく、具体例としては、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−[4,6−ビス−〔ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ〕−トリアジン−2−イル]−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジン−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、1,6−ヘキサンジアミン−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、ポリ[(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)〔(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕−ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕]等の、ピペリジン環がトリアジン骨格を介して複数結合した高分子量HALS;コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンとの混合エステル化物等の、ピペリジン環がエステル結合を介して結合した化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物等で、数平均分子量(Mn)が2,000〜5,000のものが好ましい。
上記タイプのヒンダードアミン化合物は、例えば、チバ・ジャパン株式会社から、「TUNUVIN144」及び「TUNUVIN770」、株式会社ADEKAから「ADK STAB LA−52」という商品名で市販されている。
リン系化合物の具体例としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、トリデシルホスファイト等のモノホスファイト系化合物;4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物;トリフェニルホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト等のホスホナイト系化合物;トリフェニルホスフィナイト、2,6−ジメチルフェニルジフェニルホスフィナイト等のホスフィナイト系化合物;トリフェニルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン等のホスフィン系化合物;等が挙げられる。
上記タイプのリン系化合物は、例えば、住友化学株式会社から、「SumilizerGP」、株式会社ADEKAから「ADK STAB PEP−24G」、「ADK STAB PEP−36」及び「ADK STAB 3010」、チバ・ジャパン株式会社から「IRGAFOS P−EPQ」、堺化学工業株式会社から「GSY−P101」という商品名で市販されている。
(6−7)溶剤
ハードコート層の形成に用いられる塗布液は、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのいずれか1種以上を溶剤として電離放射線硬化性樹脂の固形分が30〜70質量%となるように希釈して得ることができる。ここで、塗布液中の電離放射線硬化性樹脂の固形分が30質量%未満である場合には、塗布液を基材上に塗布した際に溶剤濃度が高すぎて10〜30μmの厚みの塗膜を得ることが難しく、また、塗布液中の電離放射線硬化性樹脂の固形分が70質量%を超える場合には、塗布液の粘度が高すぎて塗膜にムラが発生し、平面性を損なうためである。
また、図1に示すフィルムミラー10aのように、腐食防止層6とハードコート層9の間に、接着層7と第2の樹脂基材8を設けてもよい。
(7)接着層
本発明に係るフィルムミラー10aに形成される接着層は、腐食防止層と透光性樹脂層との接着性を高める機能があるものであれば特に限定はない。従って、接着層は、腐食防止層と透光性樹脂層とを密着する密着性や平滑性が必要である。
接着層の厚さは、密着性、平滑性、反射層の反射率等の観点から、0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。
接着層が樹脂である場合、上記の密着性及び平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂を用いることができる。耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。この接着層7の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
また、接着層が金属酸化物である場合、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化ランタン、窒化ランタン等を各種真空成膜法により成膜したものを用いることができる。この接着層の形成方法(成膜方法)は、例えば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などが使用できる。
(8)透光性樹脂層
透光性樹脂層は、光透過性を有する樹脂材料からなり、紫外線吸収剤を含有している樹脂層である。
透光性樹脂層に用いる樹脂材料には特に制限はないが、薄膜を形成した際に透明性を維持しうる、従来公知の種々の合成樹脂を用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン類、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)或いはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
この透光性樹脂層の形成方法としては、例えば溶融流涎, 押し出し成形による成膜方法や、塗布による方法を挙げることができる。溶融流涎や押し出し成形といった方法により製造される透光性樹脂層は、従来公知の樹脂フィルムとして市販されるものを使用することができる。塗布方式で透光性樹脂層8となる塗膜を塗設する場合には、従来用いられる種々の塗布方法、例えば、スプレーコート、スピンコート、バーコート等の方法を用いることができる。そして、反射層の光入射側の面上、または銀反射層よりも光入射側に設けられた構成層(例えば、腐食防止層)の面上に、透光性樹脂層となる材料を直接塗布することによって、透光性樹脂層を形成することができる。
こうした塗布方式で透光性樹脂層を形成することによって、透光性樹脂層の平滑性を高めることができる。具体的には、塗布方式で形成した透光性樹脂層の中心線平均粗さ(Ra)は、3nm以上20nm以下にすることができる。換言すれば、中心線平均粗さがこの値を満たせば、溶融製膜によって製造された透光性樹脂フィルムを接着剤層で貼り合わせて設けられた透光性樹脂層ではなく、その透光性樹脂層が塗布によって設けられたものとみなすことができる。
この透光性樹脂層の厚さは、10〜150μmであることが好ましい。より好ましくは、20〜100μmであり、更に好ましくは、40〜100μmである。
なお、透光性樹脂層の平滑性の指標となる中心線平均粗さ(Ra)は、JIS B0601−1982に基づく測定方法により求めることができる。
透光性樹脂層を形成する材料として、上記例示した樹脂材料の中では、アクリルを好適に用いることができる。
透光性樹脂層をアクリルで形成する場合、アクリル樹脂は固いので、柔らかくて破損しにくいアクリル製の透光性樹脂層を得るため、可塑剤の微粒子を含有させてもよい。可塑剤の好ましい一例としては、例えば、ブチルゴムやブチルアクリレートなどが挙げられる。
アクリル製の透光性樹脂層は、メタクリル樹脂を主成分としていることが好ましい。メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主体とする重合体であり、メタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸エステル50重量%以上とこれ以外の単量体50重量%以下との共重合体であってもよい。ここで、メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸のアルキルエステルが用いられる。特に好ましく用いられるメタクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)である。
メタクリル樹脂の好ましい単量体組成は、全単量体を基準として、メタクリル酸エステルが50〜100重量%、アクリル酸エステルが0〜50重量%、これら以外の単量体が0〜49重量%であり、より好ましくは、メタクリル酸エステルが50〜99.9重量%、アクリル酸エステルが0.1〜50重量%、これら以外の単量体が0〜49重量%である。
ここで、メタクリル酸アルキルの例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、そのアルキル基の炭素数は通常1〜8、好ましくは1〜4である。中でもメタクリル酸メチルが好ましく用いられる。
また、アクリル酸アルキルの例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、そのアルキル基の炭素数は通常1〜8、好ましくは1〜4である。
また、メタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキル以外の単量体は、単官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を1個有する化合物であってもよいし、多官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する化合物であってもよいが、単官能単量体が好ましく用いられる。そして、この単官能単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの如き芳香族アルケニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルの如きアルケニルシアン化合物などが挙げられる。また、多官能単量体の例としては、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートの如き多価アルコールのポリ不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルの如き不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートの如き多塩基酸のポリアルケニルエステル、ジビニルベンゼンの如き芳香族ポリアルケニル化合物などが挙げられる。
なお、上記のメタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、及びこれら以外の単量体は、それぞれ、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。
メタクリル樹脂は、フィルムの耐熱性の点から、そのガラス転移温度が40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。このガラス転移温度は、単量体の種類やその割合を調整することにより、適宜設定することができる。
メタクリル樹脂は、その単量体成分を、懸濁重合、乳化重合、塊状重合などの方法により重合させることにより調製することができる。その際、好適なガラス転移温度を得るため、又は好適なフィルムへの成形性を示す粘度を得るため、重合時に連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤の量は、単量体の種類やその割合などに応じて、適宜決定すればよい。
また、紫外線吸収剤の具体例としては前記〔ハードコート層〕の一般記載に例示したものなどをなどが挙げられる。
また、紫外線吸収剤としては上記した以外に、紫外線の保有するエネルギーを分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物を用いることもできる。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用により効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。但し、上記の紫外線吸収剤を使用する場合は、紫外線吸収剤の光吸収波長が、光重合開始剤の有効波長と重ならないものを選択する必要がある。通常の紫外線吸収剤を使用する場合は、可視光でラジカルを発生する光重合開始剤を使用することが有効である。
なお、上記紫外線吸収剤はそれぞれ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。また、必要により、上記紫外線吸収剤以外の紫外線吸収剤、例えば、サリチル酸誘導体、置換アクリロニトリル、ニッケル錯体などを含有させることもできる。
透光性樹脂層への紫外線吸収剤の含有量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。また、紫外線吸収剤の透光性樹脂層への含有量は、フィルム単位面積当たりの含有量が0.17〜2.28g/mで、より好ましくは単位面積当たりの含有量が0.4〜2.28g/m以上である。含有量を上記の範囲にすることによって、耐候性能を十分発揮しつつ、紫外線吸収剤のブリードアウトによるロールやフィルムの汚れを起こすことを防止できる。
また、紫外線吸収剤入り透光性樹脂層の劣化を防止するために、透光性樹脂層に酸化防止剤を含有させてもよい。酸化防止剤の具体例としては前記〔ハードコート層〕の一般記載に例示したものなどをなどが挙げられる。
また、透光性樹脂層に帯電防止剤を加えて、帯電防止性能を付与することも可能である。
また、透光性樹脂層にリン系難燃剤を加えてもよい。ここで用いられるリン系難燃剤としては、赤リン、トリアリールリン酸エステル、ジアリールリン酸エステル、モノアリールリン酸エステル、アリールホスホン酸化合物、アリールホスフィンオキシド化合物、縮合アリールリン酸エステル、ハロゲン化アルキルリン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合ホスホン酸エステル、含ハロゲン亜リン酸エステル等から選ばれる1種、あるいは2種以上の混合物を挙げることができる。 具体的な例としては、トリフェニルホスフェート、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキシド、フェニルホスホン酸、トリス(β−クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等が挙げられる。
(9)粘着層
フィルムミラーは、フィルムミラーを支持体に貼り付けるための粘着層を有することが好ましい。
粘着層としては、特に制限されず、例えば、ドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤等のいずれもが用いられる。粘着剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトリルゴム等が用いられる。ラミネート法は、特に制限されず、例えば、ロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。また、粘着層の厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1〜100μm程度、好ましくは1〜50μm程度の範囲であることが好ましい。粘着層に用いる具体的な材料としては、例えば、綜研化学社製「SKダインシリーズ」、東洋インキ社製Oribain BPWシリーズ、BPSシリーズ、荒川化学社製「アルコン」「スーパーエステル」「ハイペール」等の粘着剤を好適に用いることができる。
(10)太陽熱発電用反射装置
太陽熱発電用反射装置20a、20b、20cは、図1、図2、図3に示すように、少なくともフィルムミラー10a、10b、10cと、支持体としての金属基材とから構成される。
(10−1)支持体
本発明の太陽熱発電用反射装置に用いられる支持体としては、金属板、樹脂板または金属と樹脂の複合板を用いることができる。金属板としては、鋼板、銅板、アルミニウム板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム系合金めっき鋼板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板、クロムめっき鋼板、ステンレス鋼板など熱伝導率の高い金属材料を用いることができる。また、樹脂板としては、アクリル系樹脂板、ウレタン系樹脂板、ポリスチレン系樹脂板、ポリイミド系樹脂板、フェノール系樹脂板、ポリカーボネート系樹脂板、脂環式炭化水素系樹脂板、ポリプロピレン系樹脂板、ポリオレフィン系樹脂板、メラミン樹脂系樹脂板、ABS系樹脂板を用いることができる。また、金属と樹脂の複合板としては、前記金属板および樹脂板を積層したものや、前記金属板と発泡性樹脂とを積層したもの等を用いることができる。ここで発泡性樹脂とは多孔質の樹脂を意味し、例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、メラミン樹脂系、ポリイミド系の組成からなるものを挙げることができる。
以下、具体的な実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例や比較例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
なお、太陽熱発電用反射装置のNo.1〜11が図1に示すフィルムミラー10aタイプのものであり、No.12〜21が図2に示すフィルムミラー10bタイプのものであり、No.22〜33が図3に示すフィルムミラー10cタイプのものである。
[実施例1]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.1の作製)
基材3として、2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ100μm)を用いた。上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、TDI系イソシアネート、HMDI系イソシアネートを樹脂固形分比率で20:1:1:2:に混合した樹脂を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ0.1μmのアンカー層4を形成し、そのアンカー層4上に反射層5として真空蒸着法によって厚さ80nmの銀反射層を形成した。この反射層5上に、アクリルシリコーン樹脂からなる腐食防止層6として、側鎖にアミノ基を有するアクリル樹脂であるオリジツーク#100クリヤ、エポキシ基を有するシランカップリング剤を含有する硬化剤のポリハードG21、溶剤のオリジンシンナー#111NO2(いずれもオリジン電気社製)を質量比で40:10:20とした液をグラビアコート法によりコーティングして、80℃下30分間乾燥させることで厚さ0.1μmの膜を積層した。続いて、この腐食防止層6の上に接着層7としてアクリル樹脂接着剤(昭和高分子社製)を厚さ10μmの厚さでコートし、接着層7の上に透光性樹脂層8としてUV吸収剤を含まない膜厚100μmのアクリル樹脂であるテクノロイS000(住友化学社製)を積層させた。続いて透光性樹脂層8上に、UV硬化性樹脂のリオデュラスLCH(東洋インキ社製)にフッ素系レベリング剤としてZX−049(富士化成工業社製)を樹脂固形分に対して0.1質量%、トリアジン系UV吸収剤としてTinuvin477(チバ・ジャパン社製)を樹脂固形分に対して1.0質量%となる量を添加したものをグラビアコートによってウェット膜厚40μmで塗布し、80℃で2時間加熱処理を行ってハードコート層9を設けた。
こうして、太陽熱発電用フィルムミラーNo.1を作製した。
[実施例2]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.2の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.1の作製において、腐食防止層6を形成する塗布液として、オリジツーク#100クリヤ、エポキシ基を有するシランカップリング剤を含有する硬化剤のポリハードG21、溶剤のオリジンシンナー#111NO2の混合液を用いる替わりに、シリコーンアルキド樹脂のベッコライトM−6652−60(大日本インキ化学工業社製)溶液とエポキシ基を有するシランカップリング剤である2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製)を質量比で40:1とした溶液を用いて腐食防止層6を形成することで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.2を作製した。
[実施例3]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.3の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.1の作製において、腐食防止層6を形成する塗布液に腐食防止剤としてTinuvin234(BASF社製)を溶液に対して5質量%添加したものを用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.3を作製した。
[実施例4]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.4の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.3の作製において、ハードコート層9を形成する溶液に、酸化防止剤としてTinuvin152を樹脂固形分に対して1.5質量%添加したものを用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.4を作製した。
[実施例5]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.5の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.4の作製において、透光性樹脂層8としてUV吸収剤を含む膜厚100μmのテクノロイS001(住友化学社製)を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.5を作製した。
[比較例1]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.6の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.5の作製において、腐食防止層6を形成する溶液にシランカップリング剤および腐食防止剤を添加しないものを用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.6を作製した。
[比較例2]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.7の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.2の作製において、腐食防止層6を形成する溶液にシランカップリング剤を添加しないものを用い、透光性樹脂層8としてUV吸収剤を含む膜厚100μmのテクノロイS001(住友化学社製)を用い、ハードコート層9を形成する溶液に、酸化防止剤としてTinuvin152を樹脂固形分に対して1.5質量%添加したものを用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.7を作製した。
[比較例3]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.8の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.7の作製において、腐食防止層6を形成する樹脂としてシリコーンアルキド樹脂のベッコライトM−6652−60(大日本インキ化学工業社製)溶液とエポキシ基を有するシランカップリング剤である2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製)を質量比で40:1とした溶液を用いる替わりに、分子量30000のPMMA(三菱レイヨン社製)の15質量%MEK希釈溶液を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.8を作製した。
[比較例4]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.9の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.5の作製において、ハードコート層9を設けないことで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.9を作製した。
[比較例5]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.10の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.9の作製において、腐食防止層6を形成する塗布液として、オリジツーク#100クリヤ、エポキシ基を有するシランカップリング剤を含有する硬化剤のポリハードG21、溶剤のオリジンシンナー#111NO2の混合液を用いる替わりに、シリコーンアルキド樹脂のベッコライトM−6652−60(大日本インキ化学工業社製)溶液とエポキシ基を有するシランカップリング剤である2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製)を質量比で40:1とした溶液を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.10を作製した。
[比較例6]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.11の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.9の作製において、腐食防止層6を形成する塗布液として、オリジツーク#100クリヤ、エポキシ基を有するシランカップリング剤を含有する硬化剤のポリハードG21、溶剤のオリジンシンナー#111NO2の混合液を用いる替わりに、分子量30000のPMMA(三菱レイヨン社製)の15質量%MEK希釈溶液を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.11を作製した。
[実施例6]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.12の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.1の作製において、接着層7と透光性樹脂層8を設けないことで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.12を作製した。
[実施例7]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.13の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.2の作製において、接着層7と透光性樹脂層8を設けないことで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.13を作製した。
[実施例8]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.14の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.3の作製において、接着層7と透光性樹脂層8を設けないことで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.14を作製した。
[実施例9]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.15の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.4の作製において、接着層7と透光性樹脂層8を設けないことで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.15を作製した。
[比較例7]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.16の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.15の作製において、腐食防止層6を形成する溶液にシランカップリング剤を添加せず、ハードコート層9を形成する溶液に、酸化防止剤としてTinuvin152を樹脂固形分に対して1.5質量%添加したものを用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.16を作製した。
[比較例8]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.17の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.16の作製において、腐食防止層6を形成する塗布液として、オリジツーク#100クリヤ、エポキシ基を有するシランカップリング剤を含有する硬化剤のポリハードG21、溶剤のオリジンシンナー#111NO2の混合液を用いる替わりに、シリコーンアルキド樹脂のベッコライトM−6652−60(大日本インキ化学工業社製)溶液とエポキシ基を有するシランカップリング剤である2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製)を質量比で40:1とした溶液を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.17を作製した。
[比較例9]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.18の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.16の作製において、腐食防止層6を形成する塗布液として、オリジツーク#100クリヤ、エポキシ基を有するシランカップリング剤を含有する硬化剤のポリハードG21、溶剤のオリジンシンナー#111No2の混合液を用いる替わりに、分子量30000のPMMA(三菱レイヨン社製)の15質量%MEK希釈溶液を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.18を作製した。
[比較例10]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.19の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.9の作製において、接着層7と透光性樹脂層8とハードコート層9を設けないことで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.19を作製した。
[比較例11]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.20の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.10の作製において、接着層7と第透光性樹脂層8とハードコート層9を設けないことで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.20を作製した。
[比較例12]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.21の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.11の作製において、接着層7と透光性樹脂層8とハードコート層9を設けないことで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.21を作製した。
[実施例10]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.22の作製)
基材3として、2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ100μm)を用いた。上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、TDI系イソシアネート,HMDI系イソシアネートを樹脂固形分比率で20:1:1:2:に混合した樹脂を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ0.1μmのアンカー層4を形成し、銀反射層として真空蒸着法により厚さ80nmの銀反射層5を形成した。この反射層5上に、アクリルシリコーン樹脂からなる腐食防止層6として、側鎖にアミノ基を有するアクリル樹脂であるオリジツーク#100クリヤ、エポキシ基を有するシランカップリング剤を含有する硬化剤のポリハードG21、溶剤のオリジンシンナー#111NO2(いずれもオリジン電気社製)を質量比で40:10:20とした液をグラビアコート法によりコーティングして、80℃下30分間乾燥させることで、厚さ0.1μmの腐食防止層を形成した。
次に、上記腐食防止層6上に、アクリル樹脂(三菱レイヨン製アクリペットVH)、UV吸収剤(BASF製Tinuvin477)を固形分比95:5で、MEK中に固形分20%で溶解した後、押し出しコーターにて上記銀反射層上に、膜厚30μmとなるように塗布、乾燥(90℃、1分)を行い、UV吸収剤入り透光性樹脂層8を形成した。
続いて透光性樹脂層8上に、UV硬化性樹脂のリオデュラスLCH(東洋インキ社製)にフッ素系レベリング剤としてZX−049(富士化成工業社製)を樹脂固形分に対して0.1質量%、トリアジン系UV吸収剤としてTinuvin477(チバ・ジャパン社製)を樹脂固形分に対して1.0質量%となる量を添加したものをグラビアコートによってウェット膜厚40μmで塗布し、80℃で2時間加熱処理を行ってハードコート層9を設けた。
こうして、太陽熱発電用フィルムミラーNo.22を作製した。
[実施例11]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.23の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.10の作製において、腐食防止層6を形成する塗布液として、オリジツーク#100クリヤ、エポキシ基を有するシランカップリング剤を含有する硬化剤のポリハードG21、溶剤のオリジンシンナー#111NO2の混合液を用いる替わりに、シリコーンアルキド樹脂のベッコライトM−6652−60(大日本インキ化学工業社製)溶液とエポキシ基を有するシランカップリング剤である2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製)を質量比で40:1とした溶液を用いて腐食防止層6を形成することで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.23を作製した。
[実施例12]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.24の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.10の作製において、腐食防止層6を形成する塗布液に腐食防止剤としてTinuvin234(BASF社製)を溶液に対して5質量%添加したものを用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.24を作製した。
[実施例13]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.25の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.24の作製において、ハードコート層9を形成する溶液に、酸化防止剤としてTinuvin152を樹脂固形分に対して1.5質量%添加したものを用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.25を作製した。
[実施例14]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.26の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.25の作製において、透光性樹脂層8としてUV吸収剤を含む膜厚100μmのテクノロイS001(住友化学社製)を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.26を作製した。
[比較例13]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.27の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.26の作製において、腐食防止層6を形成する溶液にシランカップリング剤および腐食防止剤を添加しないものを用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.27を作製した。
[比較例14]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.28の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.23の作製において、腐食防止層6を形成する溶液にシランカップリング剤を添加しないものを用い、透光性樹脂層8としてUV吸収剤を含む膜厚100μmのテクノロイS001(住友化学社製)を用い、ハードコート層9を形成する溶液に、酸化防止剤としてTinuvin152を樹脂固形分に対して1.5質量%添加したものを用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.28を作製した。
[比較例15]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.29の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.28の作製において、腐食防止層6を形成する樹脂としてシリコーンアルキド樹脂のベッコライトM−6652−60(大日本インキ化学工業社製)溶液とエポキシ基を有するシランカップリング剤である2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製)を質量比で40:1とした溶液を用いる替わりに、分子量30000のPMMA(三菱レイヨン社製)の15質量%MEK希釈溶液を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.29を作製した。
[比較例16]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.30の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.26の作製において、ハードコート層9を設けないことで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.30を作製した。
[比較例17]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.31の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.30の作製において、腐食防止層6を形成する塗布液として、オリジツーク#100クリヤ、エポキシ基を有するシランカップリング剤を含有する硬化剤のポリハードG21、溶剤のオリジンシンナー#111NO2の混合液を用いる替わりに、シリコーンアルキド樹脂のベッコライトM−6652−60(大日本インキ化学工業社製)溶液とエポキシ基を有するシランカップリング剤である2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製)を質量比で40:1とした溶液を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.31を作製した。
[比較例18]
(太陽熱発電用フィルムミラーNo.32の作製)
太陽熱発電用フィルムミラーNo.30の作製において、腐食防止層6を形成する塗布液として、オリジツーク#100クリヤ、エポキシ基を有するシランカップリング剤を含有する硬化剤のポリハードG21、溶剤のオリジンシンナー#111NO2の混合液を用いる替わりに、分子量30000のPMMA(三菱レイヨン社製)の15質量%MEK希釈溶液を用いることで、太陽熱発電用フィルムミラーNo.32を作製した。
[太陽熱発電用反射装置・太陽熱発電用フィルムミラーの評価]
上記のように作製した太陽熱発電用フィルムミラーNo.1〜21について、下記の方法に従って、UV劣化処理後の膜密着性の評価、UV劣化処理後の銀層変色評価、UV劣化処理後の反射率の評価、耐硫化性の評価を行い、耐候性を評価した。
[UV劣化処理後の膜密着性の評価]
各試料を、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、65℃の環境下で150mW、96時間紫外線照射を行った後、フィルムミラーの最表面層を#0000のスチールウールに1kg/cmの荷重をかけて、ストローク100mm、速度30mm/secで10回往復摩擦行い、続いてJIS K5400規格に基づき碁盤目100マスクロスカットした際のテープ剥離試験を行い、下記の基準で膜密着性を評価した。
◎:膜剥離が0マス
○:膜剥離が1マス以上5マス以下
△:膜剥離が6マス以上10マス以下
×:膜剥離が11マス以上
[UV劣化処理後の銀層変色の評価]
各試料を、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、65℃の環境下で150mW、7日間紫外線照射を行った後、蛍光灯を試料に当てて目視観察した際に銀層の赤紫色変色が確認されるかを評価した。
○:変色無し
×:変色有り
[UV劣化処理後の反射率の評価]
各試料を、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、65℃の環境下で7日間紫外線照射を行った後、下記の「正反射率測定」方法により正反射率を測定し、下記の基準に従って、UV劣化処理後の反射率射率を評価した。
ここで、「正反射率測定」は、島津製作所社製の分光光度計UV265を、積分球反射付属装置を取り付けたものに改造し、反射面の法線に対して、入射光の入射角を5°となるように調整し、各試料の反射角5°での正反射率を測定した。評価は、350nmから700nmまでの平均反射率として測定した。
◎:正反射率の平均値が、92%以上である
○:正反射率の平均値が、87%以上、92%未満である
△:正反射率の平均値が、82%以上、87%未満である
×:正反射率の平均値が、82%未満である
[耐硫化性の評価]
各試料を、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、65℃の環境下で7日間紫外線照射を行った後、端面を防水テープで封止して10%硫化アンモニウム水溶液に24時間浸漬し、上記した「正反射率測定」方法により正反射率を測定し、下記の基準に従って、耐硫化性を評価した。
◎:正反射率の平均値が、87%以上である
○:正反射率の平均値が、82%以上、87%未満である
△:正反射率の平均値が、77%以上、82%未満である
×:正反射率の平均値が、77%未満である
これらUV劣化処理後の膜密着性の評価、UV劣化処理後の銀層変色評価、UV劣化処理後の反射率の評価、耐硫化性の評価の結果を、表1−1、表1−2、表2、表3−1、表3−2に示す。
Figure 2012090987

Figure 2012090987
Figure 2012090987
Figure 2012090987

Figure 2012090987
表1、表2、表3に示す結果から明らかなように、反射層5上にシリコーン変性樹脂およびシランカップリング剤からなる腐食防止層6が積層されており、かつ最表面にUV吸収剤を含むハードコート層9を有している本発明の太陽熱発電用フィルムミラーNo.1〜5、No.12〜15、No.22〜26はUV劣化処理後であっても反射層5と樹脂層(腐食防止層6)との膜密着性を維持し、かつ反射層5の変色も起こしておらず、耐候性に優れていることがわかる。
また、ハードコート層9に酸化防止剤を添加した太陽熱発電用フィルムミラーNo.4〜5およびNo.15、No.25〜26ではハードコート層9内のUV吸収剤の酸化劣化を酸化防止剤が抑制するため、UV照射後の膜密着性能の向上と、反射層5の入射光側に位置する樹脂層の黄変色抑制に由来するUV照射後の反射率性能の向上が確認できる。
また、腐食防止層6中に腐食防止剤を添加した太陽熱発電用フィルムミラーNo.3〜5、No.14〜15、No.24〜26では、硫化耐性がより高くなっていることがわかる。
また、太陽熱発電用フィルムミラーNo.1とNo.2およびNo.22とNo.23の比較により、腐食防止層6の樹脂としてはアクリルシリコーン樹脂の方がシリコーンアルキド樹脂よりも高い硫化耐性を示すことがわかる。
一方で、シリコーン変性樹脂、シランカップリング剤、UV吸収剤を含有するハードコート層9の何れかが不足している比較例の太陽熱発電用フィルムミラーNo.6〜11、No.16〜21、No.27〜32では、UV照射後に膜の密着性低下と反射層5変色の両方または何れかが発生してしまい、屋外で長期にわたり使用することができないことがわかる。
以上のように、本発明のフィルムミラー10a、10b、10c(太陽熱発電用フィルムミラーNo.1〜5、No.12〜15、No.22〜26)は、軽量で柔軟性があり、耐候性に優れており、長期間にわたり屋外設置された後に洗浄を行っても反射層5と腐食防止層6の界面で剥離が生じることなく、太陽光に対して良好な正反射率を有するフィルムミラーとして使用できる。
本発明は、以上のように構成されていることから、フィルムミラー、太陽熱発電用反射装置として利用できる。
1 支持体
2 粘着層
3 基材(フィルム基材)
4 アンカー層
5 反射層(銀層)
6 腐食防止層(防食層)
7 接着層
8 透光性樹脂層
9 ハードコート層
10a、10b、10c フィルムミラー
20a、20b、20c 太陽熱発電用反射装置
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
すなわち、本発明の一の態様は、
フィルム基材に反射層が設けられたフィルムミラーであって、
前記反射層の光反射側に隣接して設けられた防食層と、前記防食層よりも光反射側に設けられたハードコート層とを備え、
前記防食層はシリコーン変性樹脂を有し、シランカップリング剤を含んで形成され、前記ハードコート層はUV吸収剤を有することを特徴としている。
好ましくは、前記ハードコート層は、光反射側の最表面に設けられている。
好ましくは、前記シリコーン変性樹脂は、アクリルシリコーン樹脂である。
好ましくは、前記防食層は、腐食防止剤を含有している。
好ましくは、前記ハードコート層は、酸化防止剤を含有している。
好ましくは、前記反射層は、銀反射層である。
好ましくは、前記UV吸収剤が、トリアジンUV吸収剤及びベンゾトリアゾールUV吸収剤の少なくとも一方を含有する。

Claims (8)

  1. フィルム基材に反射層が設けられたフィルムミラーであって、
    前記反射層の光反射側に隣接して設けられた防食層と、前記防食層よりも光反射側に設けられたハードコート層とを備え、
    前記防食層はシリコーン変性樹脂を有し、シランカップリング剤を含んで形成され、前記ハードコート層はUV吸収剤を有することを特徴とするフィルムミラー。
  2. 前記ハードコート層は、光反射側の最表面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルムミラー。
  3. 前記シリコーン変性樹脂は、アクリルシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルムミラー。
  4. 前記防食層は、腐食防止剤を含有していることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のフィルムミラー。
  5. 前記ハードコート層は、酸化防止剤を含有していることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のフィルムミラー。
  6. 前記反射層は、銀反射層であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のフィルムミラー。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載のフィルムミラーを、支持体に貼り付けて形成したことを特徴とする太陽熱発電用反射装置。
  8. フィルム基材に銀層が設けられた機能性フィルムであって、
    前記銀層の反射側に隣接して設けられた防食層と、前記防食層よりも反射側に設けられたハードコート層とを備え、
    前記防食層はシリコーン変性樹脂を有し、シランカップリング剤を含んで形成され、前記ハードコート層はUV吸収剤を有することを特徴とする機能性フィルム。
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