JP6816414B2 - 光反射フィルム及び液晶表示装置用バックライトユニット - Google Patents

光反射フィルム及び液晶表示装置用バックライトユニット Download PDF

Info

Publication number
JP6816414B2
JP6816414B2 JP2016172035A JP2016172035A JP6816414B2 JP 6816414 B2 JP6816414 B2 JP 6816414B2 JP 2016172035 A JP2016172035 A JP 2016172035A JP 2016172035 A JP2016172035 A JP 2016172035A JP 6816414 B2 JP6816414 B2 JP 6816414B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
light
organic coating
silver
coating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016172035A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018036604A (ja
Inventor
美佳 本田
美佳 本田
真紀子 齊藤
真紀子 齊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2016172035A priority Critical patent/JP6816414B2/ja
Priority to CN201710060814.8A priority patent/CN107797334A/zh
Publication of JP2018036604A publication Critical patent/JP2018036604A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6816414B2 publication Critical patent/JP6816414B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1335Structural association of cells with optical devices, e.g. polarisers or reflectors
    • G02F1/1336Illuminating devices
    • G02F1/133602Direct backlight
    • G02F1/133605Direct backlight including specially adapted reflectors
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/08Mirrors

Description

本発明は、光反射フィルム及び液晶表示装置用バックライトユニットに関する。
従来、液晶表示装置用バックライトユニットの光反射フィルムや、プロジェクションテレビや光学系装置の反射鏡、LED照明用反射部材等の用途において、反射部材が用いられている。
そのような反射部材として、銀層を含む反射フィルムが知られている(例えば特許文献1及び2)。特許文献1には、基板と、(111)面を主要な面方位とする銀薄膜と、窒化珪素膜とをこの順に含む反射部材が開示されている。(111)面を主要な面方位とする銀薄膜は、スパッタ法で成膜されることが示されている。特許文献2には、基材フィルムと、銀層と、アクリルメラミン系樹脂で構成された低屈折率層と、酸化チタン粒子と熱線硬化型樹脂の硬化物とを含む高屈折率層とをこの順に含む積層フィルムが開示されている。
特開2007−58194号公報 特開2008−39960号公報
ところで、特許文献1の反射部材は、(無機薄膜である)銀層と(無機薄膜である)窒化珪素膜との間の層間密着性が十分ではなかった。そのため、湿熱耐久性が低下する虞があった。
一方、特許文献2の反射部材は、(無機薄膜である)銀層と(樹脂層である)低屈折率層との間の層間密着性は良好であり、湿熱耐久性の良好であると考えられるものの、以下のような新たな問題が見出された。
即ち、近年、LEDを光源とする液晶表示装置の開発が進められている。LEDは、指向性のある光源であるため、部分的に強い光を照射することが知られている。しかしながら、特許文献2に示されるような従来の反射部材にLEDからの光が長時間照射されると、強い光が照射され続ける部分から黒色の変色が生じる場合があることが見出された。この変色について検討するために、特許文献2の反射部材について、高温下でLEDからの光を長時間照射して強制劣化試験を行ったところ、いずれも光照射部分に黒色の変色が生じることが見出された。このような変色は、外観不良の原因となるだけでなく、反射率の低下の原因ともなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、銀層に隣接する有機コーティング層を有する光反射フィルムにおいて、LEDからの光が長時間照射されたときの変色が抑制され、反射率の低下が抑制された光反射フィルムを提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記構成によって達成される。
[1] 基材層Aと、有機コーティング層Bと、前記有機コーティング層Bに隣接して設けられた銀層Cと、前記銀層Cに隣接して設けられた有機コーティング層Dとをこの順に含む光反射フィルムであって、前記銀層Cの下記式(1)で表される(111)面の比率が80%以上である、光反射フィルム。
(111)面の比率(%)=I(111)/[I(111)+I(200)+I(220)+I(311)]×100…(1)
(式(1)において、
I(111):X線回折法で測定される銀の(111)面に対応するピークの積分強度
I(200):X線回折法で測定される銀の(200)面に対応するピークの積分強度
I(220):X線回折法で測定される銀の(220)面に対応するピークの積分強度
I(311):X線回折法で測定される銀の(311)面に対応するピークの積分強度
を示す)
[2] 前記(111)面の比率が95%未満である、[1]に記載の光反射フィルム。
[3] 前記銀層Cは、蒸着膜である、[1]又は[2]に記載の光反射フィルム。
[4] 前記有機コーティング層B及び前記有機コーティング層Dは、アクリル系樹脂又はその硬化物を主成分として含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の光反射フィルム。
[5] 前記有機コーティング層B及び前記有機コーティング層Dは、チオール化合物をさらに含む、[4]に記載の光反射フィルム。
[6] 前記チオール化合物は、チオール基を有する含窒素複素環化合物である、[5]に記載の光反射フィルム。
[7] 前記有機コーティング層Dの前記銀層Cとは反対側の面に、前記有機コーティング層Dよりも40℃90%RHにおける水蒸気透過率が低い保護層Eをさらに含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の光反射フィルム。
[8] 前記保護層Eの波長550nmにおける屈折率は、前記有機コーティング層Bの波長550nmにおける屈折率よりも高い、[7]に記載の光反射フィルム。
[9] 前記保護層Eは、高屈折率粒子と、硬化性樹脂の硬化物とを含む層である、[7]又は[8]に記載の光反射フィルム。
[10] 前記高屈折率粒子は、酸化ジルコニウム粒子である、[9]に記載の光反射フィルム。
[11] 光源と、[1]〜[10]のいずれかに記載の光反射フィルムとを含む、液晶表示装置用バックライトユニット。
本発明は、銀層に隣接する有機コーティング層を有する光反射フィルムにおいて、LEDからの光が長時間照射されたときの変色が抑制され、反射率の低下が抑制された光反射フィルムを提供することができる。
図1Aは、銀の蒸着膜の表面のSEM観察結果の一例であり、図1Bは、銀のスパッタ膜の表面のSEM観察結果の一例である。 図2は、本発明の光反射フィルムの一例を示す模式図である。 図3は、本発明の液晶表示装置の一例を示す断面図である。 図4は、成膜条件1〜4のX線回折スペクトルの一例を示す図である。
特許文献2の反射部材が、LEDからの光が長時間照射されたときに、光照射部分の黒色変化が生じる原因は明らかではないが、以下のように推定される。
即ち、特許文献2の反射部材は、高屈折率層として、「酸化チタン粒子を含む樹脂層」を有する。酸化チタン粒子は光触媒作用を有することから、LEDからの光が長時間照射されると、酸化チタン粒子の光触媒作用により、高屈折率層を構成する樹脂の光分解が促進されやすく、時間の経過とともに消失しやすい。その結果、高屈折率層の下にある低屈折率層(樹脂層)にもLEDからの光が強く照射されやすくなり、高屈折率層に含まれる酸化チタンの光触媒作用によって、低屈折率層を構成する樹脂も光分解されやすく、時間の経過とともに消失しやすい。このように、銀層に隣接して設けられる低屈折率層(樹脂層)の一部が消失すると、銀層が露出するため、銀層を構成する銀原子が移動・拡散(マイグレーション)しやすくなり、凝集体を形成したり、他の層と混ざり合ったりして、黒色に変色して見えるものと考えられる。
これに対して本発明では、基材層Aと、有機コーティング層Bと、該有機コーティング層Bと隣接する銀層Cと、該銀層Cと隣接する有機コーティング層Dとをこの順に有する光反射フィルムにおいて、銀層Cの(111)面の比率を80%以上に調整する。銀層の(111)面の比率を80%以上に調整することで、銀原子の結晶構造を規則性の高いものとすることができるので、銀原子を移動・拡散させにくくすることができる。それにより、銀層Cの光入射側に隣接して設けられる有機コーティング層Dの一部が、LEDからの長時間の光照射によって消失したとしても、銀層Cを構成する銀原子のマイグレーションを高度に抑制できるので、従来よりも黒色の変色を少なくすることができる。
さらに、保護層Eを設け、且つ該保護層Eの波長550nmの光の屈折率を、有機コーティング層Dの波長550nmの光の屈折率よりも高くすること、即ち有機コーティング層Dを低屈折率層、保護層Eを高屈折率層として機能させることで、低波長領域の光の反射率をさらに高めて、反射光の色度をさらに改善することができる。
さらに、高屈折率層としての保護層Eを、酸化ジルコニウム粒子を含む樹脂層とすることで、保護層Eを構成する樹脂の光分解を抑制することができる。それにより、LEDからの光が長時間照射されたときの保護層Eや有機コーティング層Dの消失を抑制でき、LEDからの光が長時間照射されたときの黒色の変色を一層抑制できる。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
1.光反射フィルム
本発明の光反射フィルムは、基材層Aと、有機コーティング層Bと、銀層Cと、有機コーティング層Dとをこの順に含み、保護層Eをさらに含むことが好ましい。
1−1.基材層A
基材層Aは、銀層を支持する機能を有する。基材層Aは、樹脂フィルムであることが好ましい。
樹脂フィルムの例には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、フッ素樹脂フィルム、セルロースエステル系フィルム、ポリシクロオレフィン系フィルム等が含まれる。中でも、耐熱性や強度、透明性が高い点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリプロピレンフィルムが好ましい。
基材層Aの厚みは、例えば10〜300μmとすることができる。基材層Aの厚みが10μm以上であると、基材層Aが十分な強度を有するだけでなく、表面平滑性も損なわれにくい。基材層Aの厚みは、20〜200μmであることが好ましく、20〜100μmであることがより好ましい。
基材層A上に均一に層を形成するためには、基材層Aが不純物をできるだけ含まないことが好ましい。そのような観点から、基材層Aは、透明基材層であることが好ましい。透明基材層の波長360〜400nmでの平均透過率は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
1−2.有機コーティング層B
有機コーティング層Bは、基材層Aと銀層Cとの間に配置され、基材層Aと銀層Cとの密着性を高めるアンカー層として機能し得るだけでなく、表面平滑性の高い銀層Cを形成しやすくし得る。
有機コーティング層Bは、樹脂を主成分として含む。樹脂を主成分として含むとは、樹脂の含有量が、有機コーティング層Bの全質量に対して50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であることをいう。
有機コーティング層Bに含まれる樹脂の例には、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂又はその硬化物、複素環式化合物(例えばメラミン系樹脂)又はその硬化物、エポキシ系樹脂の硬化物、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、及び塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等が含まれる。これらは、一種類であってもよいし、二種類以上を組み合わせてもよい。
中でも、光に対する耐久性が良好である点から、有機コーティング層Bは、アクリル系樹脂又はその硬化物を含むことが好ましく;銀層Cとの密着性の観点から、アクリル系樹脂と複素環式化合物(例えばメラミン系樹脂)の混合物、又はアクリル系樹脂の硬化物を含むことがより好ましい。
アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体又は(メタ)アクリル酸エステルと他の共重合モノマーとの共重合体であり得る。(メタ)アクリル酸エステルは、好ましくはメタクリル酸メチルであり得る。
メタクリル酸メチルと共重合される共重合体モノマーの例には、メタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和基含有二価カルボン酸;2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;n−ブトキシメチルアクリルアミド等のアルコキシ基含有(メタ)アクリルアミドが含まれる。これらは、一種類で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。メタクリル酸メチルと他の共重合モノマーとの共重合体における共重合モノマー由来の構成単位の割合は、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
アクリル系樹脂の例には、ポリメチルメタクリレートやメタクリル酸メチル・スチレン・アクリルアミド・アクリル酸2−ヒドロキシエチルの共重合体が含まれる。
アクリル系樹脂の重量平均分子量は、塗布可能な程度であればよく、例えば1000〜50万でありうる。樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算にて測定することができる。
アクリル系樹脂の硬化物は、「官能基を有するアクリル系樹脂」の官能基同士が直接反応して得られる硬化物(架橋物)であってもよいし;「官能基を有するアクリル系樹脂」の官能基と、硬化剤の官能基とが反応して得られる硬化物(架橋物)であってもよいが、銀層Cとの密着性に優れる観点から、アクリル系樹脂の硬化剤(好ましくは複素環式化合物、より好ましくはメラミン系樹脂)による硬化物であることが好ましい。
「官能基を有するアクリル系樹脂」における官能基の例には、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、メチロール基等が含まれる。「官能基を有するアクリル系樹脂」の例には、前述の(メタ)アクリル酸エステルとヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルの共重合体や、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の共重合体等が含まれる。硬化剤の例には、メラミン系樹脂等の複素環式化合物やイソシアネート等が含まれる。
有機コーティング層Bは、チオール化合物をさらに含むことが好ましい。チオール化合物のチオール基は、銀層Cを構成する銀原子と相互作用しやすく、銀原子のマイグレーションを一層抑制しやすいからである。
チオール化合物の例には、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトブタン酸等のチオール基含有カルボン酸;チオフェノール、2−メルカプトベンジルアルコール、2−フェノキシチオフェノール、3−メルカプトフェナンスレン、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン及びβ−メルカプトナフタレン等の芳香族炭化水素チオール化合物;エタンチオール、プロパンチオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−へキサンジチオール等のアルカン(ポリ)チオール化合物;3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−5−メルカプト−1H−テトラゾール(MMT)、1−(2−ジメチルアミノエチル)−5−メルカプト−1H−テトラゾール(DMT)、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等のチオール基含有芳香族複素環;チオナリド;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のチオール基含有アルコキシシラン化合物;チオール基含有カルボン酸(メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸等)とアルコール(メタノール、エタノール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトール等の(ポリ)アルコール)とをエステル反応させて得られるチオール基含有カルボン酸誘導体(メルカプト酢酸メチル、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、グリコールジメルカプトアセテート、ブタンジオールビスチオグリコレート(BDTG)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート(TMTG)、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート(TMTP)及びペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(PETG)等)が含まれる。
チオール化合物は、特に(111)面を構成する銀原子と相互作用しやすい観点では、チオール基含有含窒素芳香族複素環であることが好ましく、チオール基含有含窒素芳香族複素5員環(チオール基含有アゾール化合物)であることがより好ましく、チオール基含有テトラゾールであることがさらに好ましい。
チオール化合物は、分子内に1つのチオール基を有する単官能のチオール化合物であってもよいし、分子内に2以上のチオール基を有する多官能のチオール化合物であってもよい。
チオール化合物のチオール基当量(g/eq)は、300以下であることが好ましく、200以下であることがより好ましい。チオール基当量が一定以下であると、分子内にチオール基を多く含むので、銀層Cを構成する銀原子と相互作用しやすい。それにより、銀層Cを均一に形成しやすいだけでなく、銀原子のマイグレーションを抑制しやすい。チオール基当量は、下記式で定義される。
チオール基当量(g/eq)=チオール化合物の重量平均分子量/1分子あたりのチオール基の数
チオール化合物の重量平均分子量は、樹脂中に良好に分散できるものであればよく、特に制限されないが、例えば100〜1000であることが好ましく、150〜500であることがより好ましい。
チオール化合物の含有量は、有機コーティング層Bの全質量に対して0.1〜50質量%であることが好ましい。チオール化合物の含有量が0.1質量%以上であると、銀層Cを構成する銀原子と十分に相互作用しやすいので、銀原子のマイグレーションを十分に抑制しうる。チオール化合物の含有量が50質量%以下であると、ブリードアウトする虞がない。チオール化合物の含有量は、有機コーティング層Bの全質量に対して1〜20質量%であることがより好ましい。
有機コーティング層Bは、光学性能への影響が少ないため、銀原子のマイグレーションを抑制するのに十分な厚みがあればよい。有機コーティング層Bの厚みは、有機コーティング層Dの厚みよりも大きくてもよい。具体的には、有機コーティング層Bの厚みは、例えば10nm〜1000nmとすることができる。有機コーティング層Bの厚みが10nm以上であると、基材層Aと銀層Cとの密着性を十分に高めやすい。有機コーティング層Bの厚みが1000nm以下であると、有機コーティング層Bのひび割れ等を生じにくい。有機コーティング層Bの厚みは、銀原子のマイグレーションをより高度に抑制しやすくする観点では、10nm〜500nmであることが好ましく、50nm〜200nmであることがより好ましい。
1−3.銀層C
銀層Cは、有機コーティング層Bに隣接して設けられ、入射光を反射させる反射層として機能し得る。
銀層Cは、Ag又はその合金を主成分として含む。Ag又はその合金を主成分として含むとは、銀層Cを構成する全原子量の合計に対するAg又はその合金の含有量が90原子%以上であることをいう。従って、Ag又はその合金の含有量は、銀層Cの全原子量の合計に対して95原子%以上であることが好ましく、99.9原子%以上であることがより好ましい。
銀層Cは、Ag又はその合金以外の他の金属をさらに含んでもよい。他の金属の例には、Al、Cu、Pd、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、Pt及びAuからなる群より選ばれる少なくとも一種及びその合金が含まれ、好ましくはAlとその合金又はAuとその合金である。
前述の通り、LEDからの光が長時間照射されたときの、光反射フィルムの黒色の変色を抑制するためには、銀層Cの式(1)で表される(111)面の比率は、80%以上であることが好ましい。
(111)面の比率(%)=I(111)/[I(111)+I(200)+I(220)+I(311)]×100…(1)
(式(1)において、
I(111):X線回折法で測定される銀の(111)面に対応するピークの積分強度
I(200):X線回折法で測定される銀の(200)面に対応するピークの積分強度
I(220):X線回折法で測定される銀の(220)面に対応するピークの積分強度
I(311):X線回折法で測定される銀の(311)面に対応するピークの積分強度
を示す)
銀層CをX線回折測定すると、通常、銀の(111)面、(200)面、(220)面及び(311)面に由来するピークが観測される。これらの面に由来するピーク強度の比率は、銀層Cの結晶構造の状態によって変わる。(111)面の比率が高い銀層Cは、銀原子が規則性よく配列した構造を有する(規則性の高い結晶構造を有する)。即ち、(111)面の比率が80%以上であると、銀原子が規則性よく配列しているので、銀原子の拡散・移動(マイグレーション)を生じにくい。その結果、光反射フィルムに光が長時間照射されて、銀層Cの光入射側に設けられた有機コーティング層Dの一部が消失したり、ダメージを受けたりしても、銀層Cを構成する銀原子のマイグレーションを抑制できるので、変色を抑制できる。銀層CのX線回折法により測定される(111)面の比率は、85%以上であることがより好ましく、100%であってもよい。但し、(111)面比率が高すぎると、銀層Cの表面エネルギーが小さくなるため、隣接する保護層Eとの層間密着性が損なわれる虞がある。従って、層間密着性を損なわれにくくする観点では、銀層Cの(111)面の比率は、95%未満であることが好ましい。
銀層Cの(111)面の比率は、以下の方法で測定することができる。
1)光反射フィルムを、有機コーティング層Dを溶解する溶剤に浸漬した後、乾燥させて有機コーティング層Dを除去する。
2)前記1)で得られた光反射フィルムの銀層Cについて、X線回折(XRD)分析装置(リガク社製「RINT-TTRII」)を用いて、管球Cu、管電圧30kV、管電流30mA、サンプリング幅0.020°の条件で、モノクロメータとガラスの試料ホルダを使用してX線回折測定を行う。そして、X線回折スペクトル(横軸:2θ、縦軸:ピーク強度)を得る(後述の図4参照)。得られたX線回折スペクトルから、銀層の(111)面、(200)面、(220)面及び(311)面に対応するピークの積分強度をそれぞれ求める。ピークの積分強度とは、ピークのベースライン(上記4つのピークに共通するベースライン)とピークとの間に形成される領域の面積をいう。
3)前記2)で得られた各面に対応するピークの積分強度を、上記式(1)に当てはめて、(111)面の比率を求める。
銀層Cの(111)面の比率は、銀層Cを真空成膜する際の成膜条件(具体的には成膜速度)によって調整することができる。銀層Cの(111)面の比率を高くするためには、例えば銀層Cの成膜速度を小さくすることが好ましい。成膜速度を小さくすることにより、銀原子を最密充填構造で堆積させやすく、得られる銀層Cの(111)面の比率を高めやすいからである。
真空蒸着法の場合、成膜速度は、例えば原料を仕込んだるつぼの加熱温度(蒸着温度)、チャンバ−内に供給するガスの供給流量、ガスの組成、又はチャンバ−内の真空度等によって調整することができる。生産効率を低下させることなく成膜速度を小さくしやすい観点から、蒸着温度を高温(例えば900℃以上)とし、且つチャンバ−内の圧力が所定の範囲(好ましくは4×10−2パスカル近傍)に維持されるように、ガス(好ましくはアルゴンガス、キセノンガス又はそれらの混合ガス)を導入しながら成膜を行うことが好ましい。
真空成膜法には、後述するようにスパッタ法や蒸着法があるが、生産効率が高く、且つ(111)面の比率が過剰に高まりすぎない観点から、真空蒸着法が好ましい。即ち、銀層Cは、蒸着膜であることが好ましい。
銀層Cが蒸着膜であるかどうかは、銀層Cの表面を日本電子製 JSM-6060LAを用いて銀層Cの表面を印加電圧30kV、倍率15000倍の条件でSEM観察したときに、銀の粒界が見えることによって確認することができる。図1Aは、厚み100nmの銀の蒸着膜の表面のSEM観察結果の一例であり、図1Bは、厚み100nmの銀のスパッタ膜の表面のSEM観察結果の一例である。蒸着膜では、銀の粒界が見えるのに対し(図1A参照)、スパッタ膜では、銀の粒界が見えないことがわかる(図1B参照)。
銀層Cの厚みは、反射率の点から、100nm〜200nmであることが好ましい。銀層の厚みが100nm以上であると、透過光の割合が増大することによる反射率の低下を抑制できる。銀層Cの厚みが200nm以下であると、製造コストの増大を抑制しうる。銀層Cの厚みが80〜150nmであることがより好ましく、90〜150nmであることがさらに好ましい。
1−4.有機コーティング層D
有機コーティング層Dは、銀層Cに隣接して設けられ、有機コーティング層Bと共に銀層Cを挟持することで、銀層Cを構成する銀原子のマイグレーションを抑制する機能を有する。有機コーティング層Dは、特に後述する保護層Eと組み合わせることによって、銀層Cの低波長領域(波長550nm付近)の光の反射率を高めて、反射光の色度を調整する機能をさらに有することが好ましい。即ち、有機コーティング層Dが「低屈折率層」として機能し、保護層Eが「高屈折率層」として機能することが好ましい。
有機コーティング層Dは、樹脂を主成分として含む。樹脂を主成分として含むとは、樹脂の含有量が、有機コーティング層Dの全質量に対して50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であることをいう。有機コーティング層Dに含まれる樹脂としては、有機コーティング層Bに含まれる樹脂と同様のものを用いることができる。
中でも、有機コーティング層Dは、有機コーティング層Bと同様に、アクリル系樹脂又はその硬化物を含むことが好ましく、銀層Cとの密着性の観点から、アクリル系樹脂と複素環式化合物(例えばメラミン系樹脂)の混合物、又はアクリル系樹脂の複素環式化合物(例えばメラミン系樹脂)による硬化物を含むことがより好ましい。有機コーティング層Dに含まれるアクリル系樹脂又はその硬化物は、有機コーティング層Bに含まれるアクリル系樹脂又はその硬化物と同様のものを用いることができる。
有機コーティング層Dは、有機コーティング層Bと同様に、チオール化合物をさらに含むことが好ましい。チオール化合物は、銀層Cの(111)面を構成する銀原子のマイグレーションを抑制しやすい点から、チオール基含有含窒素芳香族複素環であることが好ましい。有機コーティング層Dに含まれるチオール化合物やチオール基含有含窒素芳香族複素環としては、有機コーティング層Bに含まれるチオール化合物やチオール基含有含窒素芳香族複素環とそれぞれ同様のものを用いることができる。
有機コーティング層Dに含まれるチオール化合物やチオール基含有含窒素芳香族複素環は、有機コーティング層Bに含まれるチオール化合物やチオール基含有含窒素芳香族複素環と同一であってもよいし、異なっていてもよい。有機コーティング層Dは、光学特性に影響を与えることから、有機コーティング層Dに含まれるチオール化合物やチオール基含有含窒素芳香族複素環は、波長550nmの光の吸収率が低い化合物であることが好ましい。チオール化合物やチオール基含有含窒素芳香族複素環の波長550nmの光の吸収率が低いと、反射率の低下を抑制し得るからである。
有機コーティング層Dに含まれるチオール化合物の含有量は、有機コーティング層Dの全質量に対して0.1〜30質量%であることが好ましい。チオール化合物の含有量が0.1質量%以上であると、銀層Cを構成する銀原子と十分に相互作用しやすいので、銀原子のマイグレーションを十分に抑制しうる。チオール化合物の含有量が30質量%以下であると、反射性能が損なわれにくい。チオール化合物の含有量は、有機コーティング層Dの全質量に対して1〜10質量%であることがより好ましい。
有機コーティング層Dは、必要に応じて他の成分をさらに含んでもよい。他の成分の例には、低屈折率粒子が含まれる。低屈折率粒子は、波長550nmの光の屈折率が1.5以下の無機粒子であることが好ましく、その例にはシリカ粒子等が含まれる。このような低屈折率粒子をさらに含むことで、有機コーティング層Dと保護層Eの屈折率差を調整しやすくし得る。
低屈折率粒子の含有量は、有機コーティング層Dの全質量に対して例えば1〜40質量%とし得る。
有機コーティング層Dの波長550nmの光の屈折率nは、特に制限されないが、後述する保護層Eと組み合わせることによって、銀層Cの低波長領域(波長550nm付近)の光の反射率を高めて、反射光の色度を調整するためには、保護層Eの波長550nmの光の屈折率よりも低いことが好ましい。即ち、有機コーティング層Dの波長550nmの光の屈折率nは、保護層Eとの屈折率差を考慮して設定され、例えば1.4〜1.6であることが好ましく、1.3〜1.5であることがより好ましい。尚、有機コーティング層Dの波長550nmの光の屈折率は、基材層Aの波長550nmの光の屈折率よりも低くてもよい。
有機コーティング層Dの屈折率nは、有機コーティング層Dを構成する材料の種類や組み合わせ、有機コーティング層Dの密度で調整される。有機コーティング層Dが、例えばアクリル系樹脂のメラミン系樹脂による硬化物を含む場合、アクリル系樹脂とメラミン系樹脂との比率によって、屈折率を調整することができる。
有機コーティング層Dの屈折率nは、以下の方法で測定することができる。即ち、ポリエチレンテレフタレート基材上に、厚み100nmの有機コーティング層Dを塗布形成して、測定用サンプルを得る。得られた測定用サンプルの波長550nmの光の屈折率を、堀場製分光エリプソメーターUVISELを用いて測定する。
有機コーティング層Dの厚みは、増反射させる光の波長域によるが、波長550nm付近の光の増反射効果を高める点では、40nm以上80nm以下であることが好ましく、40nm以上70nm以下であることがより好ましい。有機コーティング層Dの厚みは、堀場製分光エリプソメーターUVISELを用いて測定することができる。
1−5.保護層E
保護層Eは、銀層Cへの水分の透過を抑制するバリア層として機能し得る。即ち、保護層Eは、有機コーティング層Dよりも水蒸気透過率が低いことが好ましい。
保護層Eの40℃90%RHにおける水蒸気透過率は、20/m・day以下であることが好ましく、10g/m・day以下であることがより好ましい。銀層Cへの水分の透過を十分に低減し得るからである。
保護層Eの水蒸気透過率は、以下の方法で測定することができる。
1)光反射フィルムの水蒸気透過率を、MOCON社製:PERMATRAN−W 3/32を用いて、温度40℃、湿度90%RHの環境下で測定する。
2)次いで、光反射フィルムを、保護層Eを溶解する溶剤に浸漬して保護層Eを除去した後、得られるフィルムの水蒸気透過率を前述と同様の方法で測定する。
3)前記2)の水蒸気透過率から前記1)の水蒸気透過率を差し引いて、保護層Eの水蒸気透過率を得る。
さらに、保護層Eは、特に有機コーティング層Dと組み合わせることによって、銀層Cの低波長領域(波長550nm付近)の光の反射率を高めて、反射光の色度を調整する機能をさらに有することが好ましい。即ち、保護層Eは、有機コーティング層Dよりも波長550nmの光の屈折率が高いことが好ましい。
保護層Eは、高屈折率粒子と、樹脂とを含む樹脂層であり得る。
保護層Eを構成する高屈折率粒子は、波長550nmの光の屈折率が2.0以上である粒子であることが好ましく、その例には、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化銅等の金属酸化物粒子;硫化亜鉛、硫化マンガン等の金属硫化物粒子;亜鉛、クロム、タングステン等の金属粒子が含まれる。中でも、光触媒作用が少なく、光が長時間照射されたときの変色を抑制しやすい観点では、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、又は硫化亜鉛の粒子がより好ましく、酸化ジルコニウムの粒子がさらに好ましい。
高屈折率粒子の平均粒子径は、例えば5〜30nmであり得る。
高屈折率粒子の平均粒子径は、以下の手順で測定することができる。まず、光反射フィルムを、樹脂成分を溶解する有機溶剤に溶解させて、保護層Eから高屈折率粒子を分離回収する。分離回収した高屈折率粒子の平均粒子径を、SEMにより測定する。SEM観察は、日立ハイテクノロジー社製s−4800を用いて、倍率50万で行い;得られた画像データから20個の粒子径の平均値を求めて、平均粒子径とする。
高屈折率粒子の含有量は、保護層Eの屈折率が所定の範囲になるように設定されることが好ましく、例えば保護層Eの全体積に対して1〜40体積%、好ましくは10〜30体積%とし得る。
保護層Eを構成する樹脂は、高屈折率粒子の分散性が良好であり、且つ高屈折率粒子と混合して保護層Eを形成した際に、保護層Eに適した屈折率を達成する樹脂であればよい。そのような樹脂の例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートのコポリマー(coPET)、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体(PETG)等のポリエステル系樹脂;アクリル系樹脂;メラミン系樹脂等の複素環式化合物;ポリビニルアルコール系樹脂、ゼラチン、セルロース類、増粘多糖類等が含まれる。アクリル系樹脂としては、有機コーティング層Bや有機コーティング層Dで用いられるアクリル系樹脂と同様のものを用いることができる。これらの樹脂のうち、硬化性樹脂(例えば有機コーティング層Bや有機コーティング層Dで用いられる官能基を有するアクリル系樹脂等)は、硬化物であってもよい。即ち、樹脂層は、硬化性樹脂の硬化物を含んでいてもよい。
保護層Eは光反射フィルムの最表面に設けられることから、耐傷性を高める観点などから、保護層Eを構成する樹脂は、硬化性樹脂の硬化物であることが好ましい。
樹脂の含有量は、保護層Eの全体積に対して60〜99体積%、好ましくは70〜90体積%とし得る。
保護層Eの波長550nmの光の屈折率nは、有機コーティング層Dとの屈折率差を考慮して設定され、例えば1.7〜2.4であることが好ましく、1.75〜2.3であることがより好ましい。保護層Eの屈折率は、保護層Eを構成する材料の種類や組み合わせ、保護層Eの密度等で調整される。
保護層Eと有機コーティング層Dの波長550nmの光の屈折率の差は、色度を十分に調整できるようにする観点では、0.35以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましい。
保護層Eの屈折率nは、ポリエチレンテレフタレート基材上に、厚み100nmの高屈折率層Eを形成して測定用サンプルを得る以外は前述と同様にして測定することができる。
保護層Eの厚みdは、増反射させる光の波長域によるが、波長550nm付近の光の増反射効果を高める点では、30nm以上80nm以下であることが好ましく、40nm以上70nm以下であることがより好ましい。保護層Eの厚みは、堀場製分光エリプソメーターUVISELを用いて測定することができる。
1−6.積層構造
本発明の光反射フィルムに含まれる有機コーティング層Dと保護層Eは、それぞれ1つであってもよいし、複数あってもよい。複数の有機コーティング層Dは、互いに同じであっても異なってもよい。複数の保護層Eは、互いに同じであっても異なってもよい。銀層C側から、有機コーティング層Dと保護層Eがこの順序で合計2m層(mは1以上の整数、例えば1〜5、好ましくは1又は2)積層されていればよい。
本発明の光反射フィルムの積層構造の例には、以下の態様が含まれる。以下の態様において、Aは基材層A、Bは有機コーティング層、Cは銀層、Dは有機コーティング層、Eは保護層である。以下の態様において、右側が光入射側に相当する。
A/B/C/D
A/B/C/D/E
A/B/C/D/E/D/E
図2は、本発明の光反射フィルムの一例を示す模式図である。光反射フィルム10は、基材層A11、有機コーティング層B13、銀層C15、有機コーティング層D17、保護層E19をこの順に含む。光反射フィルム10の光入射面は、保護層E19の表面である。
2.光反射フィルムの製造方法
本発明の光反射フィルムは、任意の方法で製造されてよく、例えば基材層A上に、有機コーティング層B、銀層C、有機コーティング層D、及び必要に応じて保護層Eをこの順に積層して製造されうる。
(銀層Cの形成)
銀層Cの形成は、真空成膜法により行うことができる。真空成膜法の例には、真空蒸着法(抵抗加熱式、電子ビーム加熱式)、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法及びスパッタ法が含まれる。これらの中でも、真空蒸着法又はスパッタ法が好ましく、生産効率を低下させることなく成膜速度を調整しやすい点から、真空蒸着法がより好ましい。
前述の通り、(111)面の比率が高い銀層Cを得るためには、銀層Cを成膜する際の成膜速度を小さくすることが好ましい。真空蒸着法では、成膜速度は、蒸着温度(原料を入れたるつぼの加熱温度)、チャンバ−内へのガスの供給流量、ガスの組成、又はチャンバ−内の真空度によって調整できる。蒸着温度を低くすれば、成膜速度は小さくなる。しかしながら、それだけでは、高速搬送される基材層A上への成膜には対応できず、生産効率が低い。生産性を低下させることなく成膜速度を小さくするためには、蒸着温度は高温とし、且つチャンバ−内の圧力が所定の範囲で維持されるようにガスを一定以上の流量で供給することが好ましい。また、チャンバ−内に供給するガスは、成膜速度を低下させやすいガス成分の割合を多くすることが好ましい。
即ち、蒸着温度(原料を入れたるつぼの加熱温度)は、例えば900℃以上とすることが好ましく、1000℃以上とすることがより好ましい。チャンバ−内へのガスの供給流量は、チャンバ−内の圧力を所定の範囲(好ましくは4×10−2パスカル近傍)に維持した状態で、200cc/分以上とすることが好ましく、300cc/分以上とすることがより好ましい。チャンバ−内に供給するガスの組成は、例えばキセノンガスとアルゴンガスの混合ガスの場合、キセノンガスの割合を多くすることが好ましい。
チャンバ−内に供給するガスは、希ガスであることが好ましく、アルゴンガス、キセノンガス又は窒素ガスであり得る。
(有機コーティング層B及び有機コーティング層Dの形成)
有機コーティング層B及び有機コーティング層Dの形成は、いずれも樹脂組成物を塗布した後、乾燥又は硬化させて行うことができる。有機コーティング層B及び有機コーティング層Dを形成するときの硬化は、熱硬化であっても光硬化であってもよいが、熱硬化であることが好ましい。
樹脂組成物の塗布は、例えばグラビアコート法、スピンコート法及びバーコート法等により行うことができる。
有機コーティング層B及び有機コーティング層Dを形成するための熱硬化性の樹脂組成物は、官能基を有するアクリル系樹脂と、溶剤とを含み、必要に応じて硬化剤(熱硬化剤)をさらに含み得る。
溶剤の例には、前述の樹脂を良好に分散できるものであればよく、例えば非プロトン性溶剤であることが好ましい。非プロトン性溶剤の例には、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の炭化水素溶媒;塩化メチレン、トリクロロエタン等のハロゲン炭化水素溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が含まれる。
硬化剤の例には、メラミン系樹脂や、ポリイソシアネート、エポキシ化合物等が含まれる。硬化剤の含有量は、前述の硬化性樹脂に対して0.1〜15質量%程度としうる。
(保護層Eの形成)
保護層Eの形成は、高屈折率粒子と、樹脂とを含む樹脂組成物を塗布した後、乾燥又は硬化させて行ってもよい。保護層Eを形成するための硬化は、熱硬化であっても光硬化であってもよいが、耐傷性を高める観点では、光硬化であることが好ましい。
保護層Eを形成するための光硬化性の樹脂組成物は、エチレン性二重結合を有する光硬化性モノマー又はオリゴマーと、光重合開始剤とを含み、必要に応じて溶剤をさらに含み得る。
エチレン性不飽和二重結合を有する光硬化性モノマーの例には、(メタ)アクリル酸エステルモノマー又はオリゴマーが含まれ、具体的には(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが含まれる。
光ラジカル重合開始剤の例には、ベンゾイン系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシベンゾフェノン系、ミヒラーズケトン系、α−アミロキシムエステル系、チオキサントン系の光ラジカル重合開始剤が含まれる。光ラジカル重合開始剤の含有量は、光硬化性の樹脂組成物の全質量に対して0.1〜15質量%程度、好ましくは1〜10質量%とし得る。光ラジカル重合開始剤は、必要に応じて光増感剤と共に用いられてもよい。
光照射に用いる光源は、特に限定されず、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
光照射強度は、樹脂組成物の組成にもよるが、光ラジカル重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1〜1000mW/cmとなるようにすることが好ましい。
光照射時間は、樹脂組成物が硬化するのに十分な時間であればよいが、例えば照射強度と照射時間の積として表される積算光量が10〜5000mJ/cmとなるように設定され得る。
3.光反射フィルムの用途
本発明の光反射フィルムは、各種用途の反射部材、例えば液晶表示装置用バックライトユニットの光反射フィルム、プロジェクションテレビの反射鏡及びランプリフレクター等として用いることができる。中でも、本発明の光反射フィルムは、長時間光照射されたときの変色を抑制できる点から、液晶表示装置用バックライトユニットの光反射フィルム、特に発光ダイオード素子(LED)を光源とする液晶表示装置用バックライトユニットの光反射フィルムとして好ましく用いられる。
(液晶表示装置用バックライトユニット)
液晶表示装置用バックライトユニットは、光源と、本発明の光反射フィルムとを含む。本発明の光反射フィルムは、その最外層(有機コーティング層D又は保護層E)が、光源又は導光板の裏面(液晶表示パネルと対向しない面)と対向するように配置される。
光源の例には、冷陰極管(CCFL)、熱陰極管(HCFL)、外部電極蛍光管(EEFL)、平面蛍光管(FFL)、発光ダイオード素子(LED)、及び有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)等が含まれる。中でも、冷陰極管(CCFL)や発光ダイオード素子(LED)が好ましく、発光ダイオード素子(LED)がより好ましい。
液晶表示装置用バックライトユニットは、他の光学フィルムをさらに含んでもよい。他の光学フィルムの例には、光拡散フィルムやプリズムフィルムが含まれる。光拡散フィルムの例には、フィラーやビーズ含有のバインダーを塗装した拡散フィルムが含まれる。
液晶表示装置用バックライトユニットは、直下型のバックライトユニットであってもよいし、サイドエッジ型のバックライトユニットであってもよい。中・小型の液晶表示装置に適することから、サイドエッジ型のバックライトユニットが好ましい。
サイドエッジ型のバックライトユニットは、光源と、それと隣接して配置される導光板と、導光板の裏面側に配置される光反射フィルムとを含み、必要に応じて他の光学フィルムをさらに含んでもよい。サイドエッジ型のバックライトユニットの態様の一例には、後述する図3に示されるバックライトユニット40が含まれる。
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、液晶表示パネルと、バックライトユニットとを含む。図3は、本発明の液晶表示装置の一例を示す断面図である。同図は、サイドエッジ型のバックライトユニットを用いた場合の一例である。図3に示されるように、液晶表示装置20は、液晶表示パネル30と、サイドエッジ型のバックライトユニット40とを含む。
液晶表示パネル30は、液晶セル31と、それを挟持する一対の偏光板33及び35とを含む。液晶セル31の表示方式は、特に制限されず、VA(MVA、PVA)やIPS等の種々の表示モードでありうる。偏光板33及び35は、それぞれ偏光子と、その少なくとも一方の面に配置された保護フィルムとを含む。
サイドエッジ型のバックライトユニット40は、棒状の光源41と、側端部が光源41と隣接するように配置された導光板43と、導光板43の裏面側に配置された光反射フィルム10と、導光板43の表面側に配置された複数の光学フィルム45とを含む。
光源41は、ランプリフレクター42で覆われている。複数の光学フィルム45は、図3の態様に限定されず、光学フィルム45がなくてもよいし、光学フィルムの組み合わせや枚数を変更してもよい。
サイドエッジ型のバックライトユニット40では、光源41から発せられた光が導光板43の内部を伝播する。導光板43から出た光の一部は、光反射フィルム10で反射され、導光板43の表面側(液晶表示パネル30側)に出射される。導光板43の表面側に出射した光は、光拡散フィルム47で拡散され、プリズムフィルム49で屈折されて、液晶表示パネル30の全面に入射される。
光反射フィルム10は、例えばLEDからの光が長時間照射されたときの変色を抑制できる。従って、特に発光ダイオード素子(LED)を光源とする液晶表示装置20を長時間使用しても、良好な光利用効率を維持できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.光反射フィルムの材料の調製
(1)有機コーティング層B(アンカー層)用/有機コーティング層D(低屈折率層)用溶液
有機コーティング層B又は有機コーティング層D用溶液として、以下の溶液1−1〜1−6を調製した。
(溶液1−1の調製)
アクリル系樹脂(三菱レーヨン(株)製のダイヤナールBR−608)と、メラミン系樹脂((株)三和ケミカル製のMX−730)とを1:1の質量比で混合し、これらの樹脂成分の合計がメチルエチルケトンに対して1質量%となるようにして、溶液1−1を得た。
(溶液1−2の調製)
メラミン系樹脂((株)三和ケミカル製のMX−730)を添加しなかった以外は溶液1−1と同様にして溶液1−2を得た。
(溶液1−3の調製)
チオール化合物として、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート(TMTP)を、アクリル系樹脂(三菱レーヨン(株)製のダイヤナールBR−608):TMTP=95:5の質量比となるように添加した以外は溶液1−2と同様にして溶液1−3を得た。
(溶液1−4の調製)
チオール化合物として、1−メチル−5−メルカプト−1H−テトラゾール(MMT)を、アクリル系樹脂(三菱レーヨン(株)製のダイヤナールBR−608):MMT=95:5の質量比となるように添加した以外は溶液1−2と同様にして溶液1−4を得た。
(溶液1−5の調製)
チオール化合物として、1−(2−ジメチルアミノエチル)−5−メルカプト−1H−テトラゾール(DMT)を、アクリル系樹脂(三菱レーヨン(株)製のダイヤナールBR−608):DMT=95:5の質量比となるように添加した以外は溶液1−2と同様にして溶液1−5を得た。
(溶液1−6の調製)
シリカ粒子(平均粒子径5nm)を、全固形分に対して10質量%となるように添加した以外は溶液1−1と同様にして溶液1−6を得た。
溶液1−1〜1−6の組成を表1に示す。
(2)保護層E(高屈折率層)用溶液
保護層E用溶液として、以下の溶液2−1〜2−2を準備した。
溶液2−1:
酸化ジルコニウム粒子含有樹脂溶液(トーヨーケム(株)製、UV硬化型アクリル系樹脂と、平均粒子径6nmの酸化ジルコニウム粒子とを含む分散液TYZ76)
溶液2−2:
酸化チタン粒子(TiO粒子)含有樹脂溶液(トーヨーケム(株)製、UV硬化型アクリル系樹脂と、平均粒子径6nmの酸化チタン粒子とを含む分散液TYT90)
(3)各層の物性
(3−1)有機コーティング層D及び保護層Eの屈折率の測定
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、溶液1−1〜1−6のいずれかを塗布した後、後述する実施例1と同様の条件で乾燥及び熱硬化させて、厚み50nmの有機コーティング層D(低屈折率層)を有する測定用サンプルを得た。
同様に、厚み100μmのPETフィルム上に、溶液2−1又は2−2を塗布した後、後述する実施例2と同様の条件で乾燥及び光硬化させて、厚み50nmの保護層E(高屈折率層)を有する測定用サンプルを得た。厚み100μmのPETフィルム上に、溶液2−3を塗布した後、後述する実施例10と同様の条件で乾燥させて。厚み50nmの保護層E(高屈折率層)を有する測定用サンプルを得た。
これらのサンプルの波長550nmの光の屈折率を、堀場製分光エリプソメーターUVISELを用いてそれぞれ測定した。これらの結果を、後述の表3に示す。
(3−2)銀層CのX線回折測定
(3−2−1)成膜条件1〜4で成膜した銀層Cについて
厚み100μmのPETフィルム上に、後述する実施例1と同様の条件で有機コーティング層Bを形成した後、以下の成膜条件で銀層Cをさらに成膜して、PETフィルム/有機コーティング層B/銀層Cの積層構造を有する測定用サンプルを得た。
成膜条件1(本発明):真空蒸着法、蒸着温度(るつぼの加熱温度):900℃、チャンバー内の圧力:4×10−2パスカル、チャンバー内へのガスの供給流量:380cc/分、ガスの組成:アルゴンガス/キセノンガス=3/7(体積比)
成膜条件2(本発明):ガスの組成をアルゴンガス/キセノンガス=7/3(体積比)に変更した以外は成膜条件1と同じ
成膜条件3(本発明):スパッタ法、チャンバー内の圧力:4×10−2パスカル、ガスの供給流量:500cc/分、ガスの組成:アルゴンガス
成膜条件4(比較用):ガスの供給をしなかった以外は成膜条件1と同じ
次いで、得られたサンプルの銀層Cについて、X線回折(XRD)分析装置(リガク社製「RINT-TTRII」)を用いて、管球Cu、管電圧30kV、管電流30mA、サンプリング幅0.020°の条件で、モノクロメータとガラスの試料ホルダを使用してX線回折測定を行い、X線回折スペクトルを得た。
図4は、成膜条件1〜4のX線回折スペクトルの一例を示す図である。図4において、横軸は2θ(°)を示し、縦軸はピーク強度(−)(=光子数(counts))を示す。
図4に示されるように、X線回折スペクトルでは、銀の(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(222)面に対応するピークがそれぞれ検出されることがわかる。
さらに、得られた線回折スペクトルから、各面に対応するピークの積分強度をそれぞれ求めた。得られた各ピークの積分強度を、下記式(1)に当てはめて、(111)面の比率を求めた。尚、(222)面は、(111)面と平行であることから、(111)面の比率の算出においては考慮しなかった。
(111)面の比率(%)=I(111)/[I(111)+I(200)+I(220)+I(311)]×100…(1)
ピークの積分強度と(111)面の比率の算出結果を、表2に示す。
表2に示されるように、成膜速度が小さい成膜条件1〜3で得られた銀層は、(111)面の比率が高いのに対し、成膜速度が大きい成膜条件4で得られた銀層は、(111)面の比率が低いことがわかる。
(3−2−2)成膜条件Ag−1〜Ag−3で成膜した銀層Cについて
厚み100μmのPETフィルム上に、後述する実施例1と同様の条件で有機コーティング層Bを形成した後、対応する実施例又は比較例と同様の条件で銀層Cをさらに成膜して、PETフィルム/有機コーティング層B/銀層Cの積層構造を有する測定用サンプルを得た。
得られたサンプルの銀層Cについて、前述の(3−2−1)と同様の条件でX線回折測定を行い、X線回折スペクトルを得た。得られたX線回折スペクトルから、前述の(3−2−1)と同様にして、銀の(111)面、(200)面、(220)面及び(311)面に対応するピークの積分強度をそれぞれ求め、それらの結果を上記式(1)に当てはめて、(111)面の比率を算出した。これらの結果を、後述の表3に示す。
(3−3)保護層Eの水蒸気透過率の測定
ポリエステルフィルム(東レ製T60、厚み25μm)上に、対応する実施例/比較例と同様の条件で保護層Eをそれぞれ形成し、測定用サンプルを得た。一方、保護層Eを形成していないポリエステルフィルムを、ブランク測定用サンプルとした。
得られた測定用サンプルとブランク測定用サンプルの水蒸気透過率を、それぞれMOCON社製:PERMATRAN−W 3/32を用いて、温度40℃、湿度90%RHの環境下で測定した。そして、測定用サンプルの水蒸気透過率から、ブランク測定用サンプルの水蒸気透過率を差し引いて、保護層Eの水蒸気透過率を求めた。これらの結果を、後述の表3に示す。
尚、後述する実施例1の有機コーティング層Bの40℃90%RH下での水蒸気透過率を測定したところ、後述する実施例1の保護層Eの40℃90%RH下での水蒸気透過率よりも低いことを確認した。
2.光反射フィルムの作製と評価
<実施例1>
基材層Aとしてのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン(株)製のHB3)上に、溶液1−1を塗布した後、150℃で1分乾燥及び硬化させて、厚み100nmの有機コーティング層B(アンカー層)を形成した。
この有機コーティング層B上に、銀を以下の条件で成膜して、厚み100nmの銀層Cを形成した。銀層Cの成膜条件は、蒸着温度(るつぼの加熱温度)を900℃、チャンバー内へのアルゴンガスの供給流量を380cc/分、チャンバー内の圧力を4×10−2パスカルとした真空蒸着法にて行った(成膜条件Ag−3)。
次に、この銀層C上に、溶液1−1を塗布し、150℃で1分乾燥及び硬化させて、厚み50nmの有機コーティング層D(低屈折率層)を形成し、光反射フィルム1を得た。
<実施例2>
有機コーティング層D上に、溶液2−1を塗布し、110℃で1分乾燥させて、塗膜を形成した。その後、得られた塗膜に、ヘレウス(株)製のUV照射装置 Light Hammer10により、照度400mW/cm、積算光量1100mJ/cmのUVを照射して光硬化させて、厚み50nmの保護層E(高屈折率層)をさらに形成した以外は実施例1と同様にして光反射フィルム2を得た。
<実施例3〜6>
有機コーティング層B(アンカー層)と有機コーティング層D(低屈折率層)の材料を、表3に示されるものに変更した以外は実施例2と同様にして光反射フィルム3〜6を得た。
<実施例7>
銀層Cの成膜方法・成膜条件を、特開2007−58194の実施例1に開示されているスパッタリング方法・条件(成膜条件Ag−1)に変更した以外は実施例2と同様にして光反射フィルム7を得た。
<実施例8>
保護層Eの材料を、表3に示されるものに変更した以外は実施例2と同様にして光反射フィルム8を得た。
<比較例1>
有機コーティング層B及びDを形成せず、且つ銀層Cの成膜条件を以下のように変更した以外は実施例1と同様にして光反射フィルム11を得た。銀層Cの成膜条件は、蒸着温度(るつぼの加熱温度)を900℃、チャンバー内へのアルゴンガスの供給流量を0cc/分、チャンバー内の圧力を4×10−2パスカルとした真空蒸着法にて行った(成膜条件Ag−2)。
<比較例2>
有機コーティング層B及びDを形成しなかった以外は実施例1と同様にして光反射フィルム12を得た。
<比較例3>
銀層Cの成膜条件を以下のように変更した以外は実施例1と同様にして光反射フィルム13を得た。銀層Cの成膜条件は、蒸着温度を900℃、チャンバー内へのアルゴンガスの供給流量を0cc/分、チャンバー内の圧力を4×10−2パスカルとした真空蒸着法にて行った(成膜条件Ag−2)。
<比較例4>
有機コーティング層Bを形成しなかった以外は実施例1と同様にして光反射フィルム14を得た。
<比較例5>
基材層Aとしてのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン(株)製のHB3)上に、銀を、特開2007−58194の実施例1に開示されたスパッタリング方法・条件(成膜条件Ag−1)でスパッタし、厚み100nmの銀層を形成した。
この銀層上に、窒化珪素を、同実施例1に開示されたスパッタリング方法・条件にてさらにスパッタし、厚み8nmの窒化珪素膜を形成し、光反射フィルム15を得た。
実施例1〜8及び比較例1〜5で得られた光反射フィルムについて、(1)UV−LED照射試験(外観変化、反射率の変化量)、(2)表示装置での反射光の色度、(3)層間密着性、及び(4)生産性を、それぞれ以下の方法で評価した。
(1)UV−LED照射試験
得られた光反射フィルムを160℃に設定したホットプレート上に置き、日亜化学工業(株)製の、中心波長405nmのLEDを用いて、176mW/cmで3hの光照射を行った。
(照射試験後の外観)
上記UV−LED照射試験後の光反射フィルムの外観を目視で観察し、次の基準に基づいて評価した。
5: 変色がなく、照射前の光反射フィルムと区別がつかない。
4: LED光源の直下は変色しているが黒くはなく、その周辺は変色していない。
3: LED光源の直下とその周辺が変色しているが、いずれも黒くはない。
2: LED光源の直下が黒くなり、その周辺は変色しているが黒くはない。
1: LED光源の直下とその周辺が黒く変色している。
尚、本発明においては、上記試験において評価結果が3以上のものを、実用に耐えうるフィルムとする。
(全光線反射率の変化量)
上記UV−LED照射試験の開始前及び終了後に、光反射フィルムの全光線反射率を日立ハイテクノロジーズ社製の分光光度計U−4100を用いて、波長360〜830nm、入射角5°の条件で測定した。試験前の全光線反射率に対する試験後の全光線反射率の変化量(%)を次の式に基づいて算出した。
全光線反射率の変化量(%)=[(試験後の全光線反射率)−(試験前の全光線反射率)]/(試験前の全光線反射率)×100
(2)色度
液晶表示装置(商品名:LC−37GX1W、シャープ製)からバックライトユニットを取り出し、当該バックライトユニットの光反射フィルムを、上記作製した光反射フィルムに取り換えた。光反射フィルムは、有機コーティング層D又は保護層Eが光入射面となるように配置した。
得られたバックライトユニットの光反射フィルムが配置された面とは反対側で、且つ光反射フィルムからの高さが200mmの位置に、輝度計(コニカミノルタ社製、製品名「CS−2000」)を設置した。そして、面光源装置の中央部を、平行に配列された光源の垂直方向に横断する形で、端から端まで0.6mm間隔で色度を測定した。測定は、25℃で行った。
色度のリファレンスとして、ESR65(3M Company製)を用いて、リファレンスの色度を0としたときのリファレンスの色度との差Δx及びΔyを、それぞれ算出した。
(3)層間密着性
上記作製した光反射フィルムにおける60℃90%RH下で500時間保存した。その後、銀層C/有機コーティング層Dの界面の密着性を、JIS K 5600−5−6:1999に準拠した碁盤目試験により評価した。
具体的には、上記光反射フィルムの表面(銀層Cが形成された面側)を、1mm間隔で縦、横に11本の切れ目を入れ、1mm角の碁盤目を100個作製した。この上にセロハンテープ(登録商標)を貼り付け、90度の角度で素早く剥がした。そして、剥がれずに残った碁盤目の数をカウントした。測定は、25℃で行った。
(4)生産性
銀層Cの成膜開始から成膜終了までに要した時間(但し、成膜開始までの準備時間を除く)をそれぞれ測定し、以下の基準で評価した。
5:1時間以上3時間未満
4:3時間以上6時間未満
3:6時間以上9時間未満
2:9時間以上12時間未満
1:12時間以上
実施例1〜8及び比較例1〜5の光反射フィルムの構成を表3に示し;評価結果を表4に示す。
銀層Cの(111)面の比率が80%以上であり、且つ銀層Cを、有機コーティング層Bと有機コーティング層Dとで挟持した実施例1〜8の光反射フィルムは、UV−LED照射試験後の外観変化が少なく、反射率の変化量も少ないことがわかる。
特に、銀層Cの(111)面の比率を95%未満とすることで、光反射フィルムを短時間で作製できるので生産性が高く、層間密着性も損なわれにくいことがわかる(実施例1と7の対比)。
さらに、有機コーティング層Dがチオール化合物をさらに含むこと;特に、チオール基を有する含窒素複素環化合物を含むことで、UV−LED照射試験後の外観変化や反射率の変化量が少なく、層間密着性も良好であることがわかる(実施例3と実施例4〜6との対比)。
さらに、保護層Eをさらに含むことで、UV−LED照射試験後の外観変化や反射率の変化量が少なく、色度も改善されることがわかる(実施例1と2の対比)。
さらに、保護層Eが、酸化ジルコニウム粒子を含む樹脂層であると、酸化チタン粒子を含む樹脂層であるよりも、UV−LED照射試験後の外観が少なく、反射率の変化量も少ないことがわかる(実施例2と実施例8との対比)。
これに対して、銀層Cの(111)面の比率が80%未満であり、且つ有機コーティング層BやDを有しない比較例1の光反射フィルムは、UV−LED照射試験後の外観変化や反射率の変化量が多いことがわかる。
また、有機コーティング層Bと有機コーティング層Dの両方を有していても、銀層Cの(111)面の比率が80%未満である比較例3の光反射フィルム、及び銀層Cの(111)面の比率が80%以上であっても、有機コーティング層Bと有機コーティング層Dの少なくとも一方を有しない比較例2、4及び5の光反射フィルムは、いずれもUV−LED照射試験後の外観変化や反射率の変化量が依然として多いことがわかる。
本発明によれば、銀層に隣接する有機コーティング層を有する光反射フィルムにおいて、LEDからの光が長時間照射されたときの変色が抑制され、反射率の低下が抑制された光反射フィルムを提供することができる。
10 光反射フィルム
11 基材層A
13 有機コーティング層B
15 銀層C
17 有機コーティング層D
19 保護層E
20 液晶表示装置
30 液晶表示パネル
31 液晶セル
33、35 偏光板
40 サイドエッジ型のバックライトユニット
41 光源
42 ランプリフレクター
43 導光板
45 光学フィルム
47 光拡散フィルム
49 プリズムフィルム

Claims (7)

  1. 基材層Aと、有機コーティング層Bと、前記有機コーティング層Bに隣接して設けられた銀層Cと、前記銀層Cに隣接して設けられた有機コーティング層Dと、保護層Eとをこの順に含む光反射フィルムであって、
    前記銀層Cの下記式(1)で表される(111)面の比率が80%以上であり、
    前記有機コーティング層Bと前記有機コーティング層Dのそれぞれは、アクリル系樹脂またはその硬化物と、チオール基を有する含窒素複素環化合物とを含み、
    前記有機コーティング層Dの厚みは、40〜80nmであり、
    前記保護層Eは、高屈折率粒子と、硬化性樹脂の硬化物とを含み、
    前記保護層Eの波長550nmにおける屈折率は、前記有機コーティング層Dの波長550nmにおける屈折率よりも高く、
    前記保護層Eの厚みは、30〜80nmである、
    光反射フィルム。
    (111)面の比率(%)=I(111)/[I(111)+I(200)+I(220)+I(311)]×100…(1)
    (式(1)において、
    I(111):X線回折法で測定される銀の(111)面に対応するピークの積分強度
    I(200):X線回折法で測定される銀の(200)面に対応するピークの積分強度
    I(220):X線回折法で測定される銀の(220)面に対応するピークの積分強度
    I(311):X線回折法で測定される銀の(311)面に対応するピークの積分強度
    を示す)
  2. 前記(111)面の比率が95%未満である、
    請求項1に記載の光反射フィルム。
  3. 前記銀層Cは、蒸着膜である、
    請求項1又は2に記載の光反射フィルム。
  4. 前記保護層Eの40℃90%RHにおける水蒸気透過率は、前記有機コーティング層Dよりも低い
    請求項1〜のいずれか一項に記載の光反射フィルム。
  5. 前記高屈折率粒子は、酸化ジルコニウム粒子である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の光反射フィルム。
  6. 前記保護層Eは、最表面に配置されている、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の光反射フィルム。
  7. 光源と、請求項1〜のいずれか一項に記載の光反射フィルムとを含む、
    液晶表示装置用バックライトユニット。
JP2016172035A 2016-09-02 2016-09-02 光反射フィルム及び液晶表示装置用バックライトユニット Active JP6816414B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016172035A JP6816414B2 (ja) 2016-09-02 2016-09-02 光反射フィルム及び液晶表示装置用バックライトユニット
CN201710060814.8A CN107797334A (zh) 2016-09-02 2017-01-25 光反射膜及液晶显示装置用背光单元

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016172035A JP6816414B2 (ja) 2016-09-02 2016-09-02 光反射フィルム及び液晶表示装置用バックライトユニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018036604A JP2018036604A (ja) 2018-03-08
JP6816414B2 true JP6816414B2 (ja) 2021-01-20

Family

ID=61530086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016172035A Active JP6816414B2 (ja) 2016-09-02 2016-09-02 光反射フィルム及び液晶表示装置用バックライトユニット

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6816414B2 (ja)
CN (1) CN107797334A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7099516B2 (ja) * 2018-03-12 2022-07-12 昭和電工マテリアルズ株式会社 成形品及び表示装置
CN108761909A (zh) * 2018-05-28 2018-11-06 武汉华星光电技术有限公司 一种led面光源及其制备方法、显示面板
CN109709722A (zh) * 2019-03-12 2019-05-03 合肥京东方光电科技有限公司 直下式背光源及制备方法、背光模组以及显示装置
CN111123421B (zh) * 2020-01-29 2022-02-15 北方夜视技术股份有限公司 微孔光学元件超薄低透过率反光膜

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004291464A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Bridgestone Corp ガスバリア性反射防止フィルム及びその製造方法
JP2006171059A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Kiyousera Opt Kk 光反射鏡、その製造方法およびプロジェクター
US20070030568A1 (en) * 2005-07-26 2007-02-08 Tohoku University Future Vision Inc. High-reflectance visible-light reflector member, liquid-crystal display backlight unit employing the same, and manufacture of the high-reflectance visible-light reflector member
JP2007058194A (ja) * 2005-07-26 2007-03-08 Tohoku Univ 高反射率可視光反射部材及びそれを用いた液晶ディスプレイバックライトユニット並びに高反射率可視光反射部材の製造方法
JP4688674B2 (ja) * 2005-10-20 2011-05-25 京セラ株式会社 発光素子収納用パッケージおよび発光装置
JP2008039960A (ja) * 2006-08-03 2008-02-21 Oike Ind Co Ltd 積層フィルム
JP5457176B2 (ja) * 2007-06-08 2014-04-02 東洋鋼鈑株式会社 光反射板の製造方法
JP2011158888A (ja) * 2010-01-08 2011-08-18 Central Glass Co Ltd 反射体及び該反射体を用いた可視光反射部材
JPWO2011096151A1 (ja) * 2010-02-04 2013-06-10 コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 フィルムミラー、その製造方法及び太陽光集光用ミラー
JP5894358B2 (ja) * 2010-06-16 2016-03-30 デクセリアルズ株式会社 光学体、壁材、建具、日射遮蔽装置、および建築物
EP2660632A1 (en) * 2010-12-28 2013-11-06 Konica Minolta, Inc. Functional film, film mirror, and reflecting device for solar thermal power generation
JP5691811B2 (ja) * 2011-05-09 2015-04-01 コニカミノルタ株式会社 フィルムミラー、太陽光反射用ミラー及び太陽熱発電用反射装置
JP2013201004A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Fujifilm Corp 導電性パターン部材、その製造方法、タッチパネル及び太陽電池
JP2013208746A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Konica Minolta Inc 機能性フィルム
WO2014061497A1 (ja) * 2012-10-16 2014-04-24 コニカミノルタ株式会社 フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置
JP2015087625A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 コニカミノルタ株式会社 反射体及びその製造方法
WO2016027733A1 (ja) * 2014-08-22 2016-02-25 コニカミノルタ株式会社 光反射フィルム、光反射フィルムの製造方法、光反射フィルムの加飾成型加工方法、合わせガラス及び曲面形状体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018036604A (ja) 2018-03-08
CN107797334A (zh) 2018-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6816414B2 (ja) 光反射フィルム及び液晶表示装置用バックライトユニット
TWI237128B (en) Reflector, usage of relfector, and manufacture method of reflector
WO2017164226A1 (ja) 光反射フィルム及び液晶表示装置用バックライトユニット
TWI748134B (zh) 硬塗膜、光學層積體及影像顯示装置
JP2003529798A (ja) 耐食性特徴部を有する光指向性構造
JP4923345B2 (ja) コーティング組成物、その塗膜、反射防止膜、及び、反射防止フィルム
JP2003177209A (ja) 減反射フィルム及び電子画像表示装置
TW200422125A (en) Reflector and its applications
TWI251678B (en) Coated film and reflection prevented film using the same
JP2009103734A (ja) 防眩性フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP4369092B2 (ja) ディスプレイ用透明フィルム基板
CN107783209A (zh) 光反射膜以及液晶显示装置用背光单元
WO2017047649A1 (ja) 光反射フィルム及び液晶表示装置用バックライトユニット
JPH07325203A (ja) 防眩性反射防止フィルム、偏光板及び液晶表示装置
KR102313377B1 (ko) 눈부심 방지 필름 및 디스플레이 장치
JP5021357B2 (ja) 薄型偏光板
TWI621716B (zh) UV reflective film and sputtering target
JP6765912B2 (ja) 映像を投影可能な積層体、およびそれを備えた映像投影システム
JP4075498B2 (ja) 防眩性積層体及び表示媒体
JPH07108643A (ja) 艶消し反射フィルム
JP2005301004A (ja) 反射防止フィルム
JP7092146B2 (ja) 膜厚測定方法、膜厚測定システム、光反射フィルムの製造方法及び光反射フィルムの製造システム
JPH05162227A (ja) 反射体
JP6627769B2 (ja) 透明導電体及びこれを含むタッチパネル
US20080107827A1 (en) Diffusing structure

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190327

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190708

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20191011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200128

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200901

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6816414

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150