JP2013202782A - 機能性フィルム及び機能性フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐傷性及び耐候性に優れた機能性フィルム及び機能性フィルムの製造方法を実現する。
【解決手段】樹脂基材1上に、アクリル層7とハードコート層8を有するフィルムミラー10において、アクリル層7の上面に、溶媒100gに対してアクリル層を1g以上40g以下溶解する溶媒を、5重量%以上70重量%以下含有している保護層用塗工液を塗工してハードコート層8を形成することで、そのハードコート層8とアクリル層7の少なくとも一部が、その厚さ方向に層間混合するようにして、ハードコート層8とアクリル層7の密着性を向上させた。
【選択図】図1

Description

本発明は、機能性フィルム及び機能性フィルムの製造方法に関する。
機能性フィルムには、その用途別に様々な種類があり、例えば、反射フィルム、遮熱フィルム、防汚フィルム、保護フィルムなどが知られている。
近年、機能性フィルムには様々な高付加価値が要求されており、フィルム状の樹脂基材上に各種機能層を積層することで、用途に応じた機能が付与された機能性フィルムが作製されるようになっている。
そして、これら機能性フィルムは、物品の表面に張り付けられるなどして使用されることが多いため、特に、耐傷性に優れるものが望まれている。
例えば、機能層である銀反射層を、ポリエステルフィルム層やアクリルフィルム層で被覆した反射フィルムが知られている(特許文献1参照)。
特表2009−520174号公報
しかしながら、上記特許文献1の場合、フィルム最表面がアクリルフィルム層であるため、その硬度が十分ではないアクリルフィルム層に傷が付くことで、反射フィルムの反射率が低下してしまうという問題があった。そこで、アクリルフィルム層の上に保護層を設けることで、耐傷性を高める事が考えられる。しかしながら、その様な保護層を設ける場合、アクリル層と保護層との密着力が弱く、機能性フィルムを長期にわたって使用する際には、保護層がアクリル層から剥離してしまい、機能性フィルムの耐候性が低下してしまうという課題が非常に大きかった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、耐傷性及び耐候性に優れた機能性フィルム及び機能性フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
樹脂基材上に、アクリル層と保護層を有する機能性フィルムであって、
前記保護層は、前記アクリル層の前記樹脂基材側とは反対側の面に隣接して設けられており、
前記保護層と前記アクリル層の少なくとも一部が、その厚さ方向に層間混合していることを特徴とする。
ここで、保護層とアクリル層とが層間混合している部分の厚さが0.1μm未満の場合は実質的に混合していないといえる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の機能性フィルムにおいて、
前記保護層は、前記アクリル層の上面に、溶媒100gに対して前記アクリル層を5g以上40g以下溶解する溶媒を、5重量%以上70重量%以下含有している保護層用塗工液を塗工して形成された層であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の機能性フィルムにおいて、
前記保護層と前記アクリル層とが層間混合している部分の厚さは、0.1μm以上5μm以下であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の機能性フィルムにおいて、
前記溶媒は、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチルのうちの少なくとも一つであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れか一項に記載の機能性フィルムにおいて、
前記溶媒は、その溶媒100gに対して前記アクリル層を10g以上40g以下溶解する溶媒であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5の何れか一項に記載の機能性フィルムにおいて、
前記保護層用塗工液が前記アクリル層上に塗工される付量は1g/m以上17g/m以下であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の機能性フィルムにおいて、
前記保護層は、少なくともポリシロキサン化合物を含有していることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の機能性フィルムにおいて、
前記ポリシロキサン化合物が、アルキルトリアルコキシシラン加水分解物であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の機能性フィルムにおいて、
前記ポリシロキサン化合物が、メチルトリアルコキシシラン加水分解物及びポリメチルシロキサンオリゴマーの混合物であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9の何れか一項に記載の機能性フィルムにおいて、
前記保護層が、250nm以上300nm以下の範囲に吸収極大波長を有する紫外線吸収剤を含有していることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の機能性フィルムにおいて、
前記紫外線吸収剤は、金属酸化物粒子であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11の何れか一項に記載の機能性フィルムにおいて、
前記保護層の厚さは、1μm以上5μm以下であることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12の何れか一項に記載の機能性フィルムにおいて、
当該機能性フィルムは、厚さ30nm以上200nm以下の反射層を有する太陽熱発電用フィルムミラーであることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項1〜12の何れか一項に記載の機能性フィルムにおいて、
当該機能性フィルムは、厚さ0.1nm以上50nm以下の反射層を有する遮熱フィルムであることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、
樹脂基材とアクリル層と保護層とを備えた機能性フィルムの製造方法であって、
前記樹脂基材に前記アクリル層を設ける工程と、
前記アクリル層の上面に、前記保護層の材料を含有するとともに、溶媒100gに対して前記アクリル層を1g以上40g以下溶解する溶媒を、5重量%以上70重量%以下含有している保護層用塗工液を塗工し、塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を乾燥させる工程と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、耐傷性に優れた機能性フィルム及び機能性フィルムの製造方法を提供できる。
本発明のフィルムミラーの構成の一例を示す説明図である。 本発明のフィルムミラーの構成の一例を示す説明図である。
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本発明者らが鋭意検討した結果、樹脂基材上にアクリル層と保護層を積層して設けて、樹脂基材上の機能層をアクリル層と保護層とで覆う構成の機能性フィルム、或いはフィルムの最表面をアクリル層と保護層とで覆う構成の機能性フィルムを実現する場合、保護層をアクリル層の樹脂基材側とは反対側の面に隣接して設けるとともに、保護層とアクリル層の少なくとも一部が、その厚さ方向に層間混合するように配することで、耐傷性及び耐候性に優れた機能性フィルムが得られることを見出した。
上述したように、機能性フィルムの機能層を保護するため、また機能性フィルム自体を保護するためにアクリル層を設けることは一般に行われているが、アクリル層の硬度が十分ではないため、擦傷耐性を向上させるようにアクリル層上にさらに保護層を設けることがある。しかしながら、アクリル層と保護層との密着力は弱く、機能性フィルムを長期に亘って使用する際に保護層がアクリル層から剥離してしまうことがあり、機能性フィルムの耐傷性及び耐候性を維持できないという問題があった。
そこで、保護層とアクリル層を層間混合させることで密着力を向上させ、保護層が剥離することを抑えて、機能性フィルムの耐傷性を高い状態で維持することで、耐傷性に優れた機能性フィルムを実現することを可能にした。尚、層間混合している部分は界面が平面でない為、当該部分において紫外線が散乱され、樹脂基材に到達する紫外線を減らすことができる為、特に屋外において機能性フィルムの耐候性を向上させることが可能となる。
(1)太陽熱発電用フィルムミラーの構成概要
本発明に係る機能性フィルムの一例として、太陽熱発電用フィルムミラーの概要を説明する。
フィルムミラーは、樹脂基材1上に機能層である反射層(銀反射層)3を備えており、その反射層3を被覆するアクリル層7とハードコート層8を備えている。ハードコート層8は、フィルム最表面に配されている保護層である。そして、このフィルムミラーにおいては、ハードコート層(保護層)8とアクリル層7の少なくとも一部が層間混合していることを特徴としている。
また、上記した各構成層の間や、構成層上に、更に別の構成層を設けてもよい。
例えば、樹脂基材1と反射層3の間にアンカー層2を設けてもよい。
例えば、反射層3の光入射側に隣接して腐食防止層4を設けてもよい。
例えば、反射層3よりも光入射側に、紫外線吸収層5を設けてもよい。
例えば、アクリル層7を反射層3の光入射側に配設するための接着層6を設けてもよい。
フィルムミラー全体の厚さは、ミラーのたわみ防止、正反射率、取り扱い性等の観点から75〜250μmが好ましく、より好ましくは90〜230μm、更に好ましくは100〜220μmである。
ここで、太陽熱発電用のフィルムミラーの好ましい層構成の一例について、図1、図2を用いて説明する。
フィルムミラー10は、図1に示すように、樹脂基材1上に反射層である銀反射層3、接着層6、アクリル層7、ハードコート層8が順に積層されて設けられている。
また、フィルムミラー20は、図2に示すように、樹脂基材1上に、アンカー層2、反射層である銀反射層3、腐食防止層4、紫外線吸収層5、接着層6、アクリル層7、ハードコート層8が順に積層されて設けられている。
以下、各層構成の詳細について記載する。
(2)樹脂基材
樹脂基材としては、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルム、アクリルフィルムが好ましい。特にポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム又はアクリルフィルムを用いることが好ましい。また樹脂フィルムは、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
樹脂基材は、銀反射層よりも光入射側から遠い位置にあるため、樹脂基材に紫外線は到達しにくい。特に、樹脂基材よりも光入射側にある層に紫外線吸収剤を含有させたり、紫外線吸収層を設けたりすることで、紫外線が樹脂基材により到達しにくくなる。その場合には、紫外線によって劣化しやすい樹脂であっても樹脂機材に用いることが可能となる。そのような観点から、樹脂基材として、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムを用いることが可能となる。
樹脂基材の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。例えば、一般的には、10〜300μmの範囲内である。好ましくは20〜200μmであり、より好ましくは30〜100μmである。
(3)アンカー層
アンカー層は、樹脂からなり、樹脂基材と銀反射層とを密着させるものである。従って、アンカー層は、樹脂基材と銀反射層とを密着する密着性、銀反射層を真空蒸着法等で形成する際の熱にも耐え得る耐熱性、及び銀反射層が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性が必要である。
アンカー層に使用する樹脂材料は、上記の密着性、耐熱性、及び平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂が使用でき、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。
アンカー層の形成方法としては、所定の樹脂材料を塗布、塗工するグラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
アンカー層の厚さは、0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。厚さが0.01μmより薄いと、密着性が悪くなりアンカー層を形成した効果がなく、また樹脂基材表面の凹凸を覆い隠し難くなり、平滑性が悪くなって結果的には銀反射層の反射率が低くなってしまうので好ましくない。また、厚さが3μmより厚くても、密着性の向上は望めず、かえって塗りムラの発生により平滑性が悪くなり、アンカー層の硬化が不充分となる場合があるので好ましくない。
(4)反射層
反射層は、太陽光を反射する機能を有する金属等からなる層である。
反射層の表面反射率は好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。この反射層は、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、Pt及びAuからなる元素群の中から選ばれるいずれかの元素を含む材料により形成されることが好ましい。中でも、反射率の観点からAlまたはAgを主成分としていることが好ましく、このような金属の薄膜を二層以上形成するようにしてもよい。
本発明においては反射層として、銀を主成分とする銀反射層を好ましく用いている。
反射層(銀反射層)の厚さは、反射率等の観点から、10〜200nmが好ましく、より好ましくは30〜150nmである。
この反射層の形成法としては、湿式法及び乾式法のどちらも使用することができる。湿式法とは、めっき法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例をあげるとすれば、銀鏡反応などがある。一方、乾式法とは、真空製膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。とりわけ、本発明には連続的に製膜するロールツーロール方式が可能な蒸着法が好ましく用いられる。例えば、太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法において、銀反射層を銀蒸着によって形成する手法が好ましく用いられる。
なお、上記したように反射層の厚さを、例えば30nm以上200nm以下とすれば、その反射層を有する機能性フィルムを太陽熱発電用フィルムミラーとして使用することが可能になる。
また、反射層を銀反射層とし、反射層の厚さを、例えば0.1nm以上50nm以下とすれば、その反射層を有する機能性フィルムを遮熱フィルムとして使用することが可能になる。
(5)アクリル層
アクリル層は、樹脂基材よりも光入射側に設けられており、紫外線の影響をより受けやすい位置となるため、紫外線に対して強いアクリル樹脂材料を用いることが好ましく、紫外線吸収剤を含有していることが好ましい。また、アクリル層は、銀反射層よりも光入射側にあるため、光透過性を有する材料からなることが好ましい。
アクリル層にアクリル樹脂フィルムを用いる場合、接着層を介して銀反射層の上面などに貼付するようにして、樹脂基材上にアクリル層を配設する。
また、アクリル層の形成方法としては、例えば塗布による方法を挙げることができる。塗布方式でアクリル層となる塗膜を塗設する場合には、従来用いられる種々の塗布方法、例えば、スプレーコート、スピンコート、バーコート等の方法を用いることができる。
このアクリル層は、メタクリル樹脂を主成分としていることが好ましい。メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主体とする重合体であり、メタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸エステル50重量%以上とこれ以外の単量体50重量%以下との共重合体であってもよい。ここで、メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸のアルキルエステルが用いられる。特に好ましく用いられるメタクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA;Poly(methyl methacrylate))である。
アクリル層に用いるアクリル樹脂フィルムとしては、透過率80%以上のフィルムを使用できる。例えば、Korad Transparent Films '05005(Polymer Extruded Products)、アクリプレン HBS006、アクリプレン HBXN47、アクリプレン HBS010(三菱レイヨン)、スミペックス テクノロイ S001G、スミペックス テクノロイ S014G、テクノロイ S001GM(住友化学)、パンライトフィルム PC-2151(帝人化成)などを挙げることができる。特に透過率90%以上のものが好ましい。また、耐光性を付与するために紫外線吸収剤、酸化防止剤などをさらに添加してもよい。これらアクリルフィルムは厚さ30μm〜200μmのものが好ましく、厚さ50〜125μmのものがさらに好ましい。
(6)ハードコート層
ハードコート層は、フィルムミラーの最表層、最外層に設けられる構成層である。
ハードコート層の膜厚は、厚すぎれば応力によって割れる危険性があり、また、ハードコート層の膜厚が薄すぎれば硬度を維持できない。そのため、膜厚は0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、より好ましくは、1μm以上5μm以下である。
特に、本発明でのハードコート層は、耐侯性、耐傷性、防汚性を有することが好ましい。耐傷性に関しては、ハードコート層表面の鉛筆硬度はH以上6H未満、加重500g/cmのスチールウール試験における傷が30本以下であることが好ましい。防汚性に関しては、ハードコート層の転落角が0°より大きく30°以下であれば水滴が落ちやすく防汚性に優れるため好ましい。
このハードコート層は、少なくともポリシロキサン化合物を含有しており、そのポリシロキサン化合物が、アルキルトリアルコキシシラン加水分解物であることが好ましく、またポリシロキサン化合物が、メチルトリアルコキシシラン加水分解物及びポリメチルシロキサンオリゴマーの混合物であることが好ましい。
ポリシロキサン化合物は、熱、紫外線、湿度に対して強く、耐候性が非常に高いため、特に屋外で用いる機能性フィルム(フィルムミラー)においては理想的なハードコート材料となる。特に、メチルトリアルコキシシラン加水分解物及びポリメチルシロキサンオリゴマーの混合物を用いると防汚性を付与することができ、ハードコート層の防汚性が向上する。
ハードコート層に用いられるポリシロキサン化合物である、ポリオルガノシロキサン系の樹脂材料は、下記の一般式(1)で表される基本骨格を有している。
Si(OR’) ・・・(1)
上記の式(1)において、RおよびR’は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、mおよびnは、m+n=4の関係を満たす整数である。
具体的には、ポリオルガノシロキサン系の樹脂材料として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ポロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テロラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(N−アミノベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、メチルメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライドを用いることもできる。これらのメトキシ基、エトキシ基などの加水分解性基が水酸基に置換した状態のものが、一般的にポリオルガノシロキサン系ハードコートといわれている。
(6−1)ハードコート層の形成
上記した樹脂材料を、樹脂基材上に設けたアクリル層上に塗工し、加熱硬化させることで、脱水縮合反応が促進し、硬化・架橋することでハードコート層が製膜される。
本発明では、上記したハードコート層用の樹脂材料と、アクリル層を所定量溶解する溶媒を含有している保護層用塗工液をアクリル層上に塗工して、ハードコート層を形成する。
その保護層用塗工液に用いる溶媒は、溶媒100gに対してアクリル層を1g以上40g以下溶解する溶媒が好ましく、より好ましくは、溶媒100gに対してアクリル層を5g以上40g以下溶解する溶媒、更に好ましくは、溶媒100gに対してアクリル層を10g以上40g以下溶解する溶媒である。特に、保護層用塗工液は、その溶媒を5重量%以上70重量%以下含有していることが好ましい。
なお、アクリル層の溶解量は、100gの溶媒に対して、23℃で24時間撹拌した後に、溶液中に未溶解物がない溶液となる上限量のことを言う。
保護層用塗工液に用いる溶媒は、具体的に、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチルのうちの少なくとも一つであり、これらを単独あるいは混合して用いることができる。また、アクリル層を溶解する溶媒以外の溶媒(つまり、アクリル層を溶解しない溶媒)としては、メタノールやn−プロパノール等を用いることができ、それらの配合量を調整することで、アクリル層の溶解量を調整することができる。
このハードコート層となる塗膜の形成方法として、ワイヤーバーによるコーティング、スピンコーティング、ディップコーティングなどによる塗布・塗工方式で形成することができる。また、ダイコーター、グラビアコーター、コンマコーターなどの連続塗布装置でも製膜することが可能である。
なお、アクリル層上に塗工される保護層用塗工液の付量は1g/m以上17g/m以下であることが好ましい。より好ましくは、2g/m以上13g/m以下である。
保護層用塗工液を塗布・塗工して製膜した塗膜から溶媒を除去して、塗膜を乾燥させた後、ハードコート層の硬化・架橋を促進するため、50℃以上、150℃以下の温度で30分〜数日間の熱処理を必要とする。樹脂基材の耐熱性やフィルムをロール状にした時の基材の安定性を考慮して、40℃以上80℃以下で4時間以上処理することが好ましい。
そして、本発明では、アクリル層を溶解する溶媒を含有している保護層用塗工液をアクリル層上に塗工して、そのアクリル層に隣接するハードコート層を形成することによって、ハードコート層とアクリル層の少なくとも一部が、その厚さ方向に層間混合するようになっている。
これまで、ポリシロキサン化合物由来のハードコート層とアクリル層の密着力は弱く、機能性フィルム(フィルムミラー)を長期に亘って使用する際には、ハードコート層がアクリル層から剥離してしまい、機能性フィルムの耐候性が低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明のように、ハードコート層とアクリル層とを層間混合させることで、ハードコート層とアクリル層の密着力を向上させることができ、ハードコート層がアクリル層から剥離しにくくなる。その結果、機能性フィルム(フィルムミラー)の耐候性、耐傷性を向上させることが可能となる。
ハードコート層とアクリル層が混ざりあっているか否かは、積層した層の断面を観察するか、それぞれの層成分を分光的または化学的に分析することにより判定することができる。具体的には、層断面の光学顕微鏡観察や、SEM(Scanning Electron Microscopy)観察にて、層界面が明確なこと、または、層の成分をAES(Auger Electron Microscopy)、EPMA、XPS、ダイナミックシムス、トフシムス等の分光分析、層材料をIR、NMR、UV-Vis、ICP等の化学分析により膜界面に層成分が混在しない場合に有機物層が混ざりあっていないと判断できる。
ハードコート層とアクリル層とが層間混合している部分の厚さは、X線光電子分光法(XPS)による公知の標準的な手法により測定することができる。例えば、ハードコート層とアクリル層の界面付近をエッチングしつつ、SEM−EDXを用いて、層の厚み方向(深さ方向)の元素構成比を分析することによって測定することができる。
ハードコート層とアクリル層とが層間混合している部分の厚さは、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下がさらに好ましい。
また、本発明におけるハードコート層は紫外線吸収剤を含有することが好ましい。特に平均粒子径5〜50nmの金属酸化物粒子を0.01〜5重量%含有することが好ましい。
(6−2)紫外線吸収剤
ハードコート層は、紫外線吸収剤を含有していることが好ましい。
有機系の紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系等が挙げられる(後述の紫外線吸収層参照)。
また無機系の紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄等の金属酸化物粒子が挙げられる。
特に、ハードコート層は、250nm以上300nm以下の範囲に吸収極大波長を有する紫外線吸収剤を含有していることが好ましい。このような紫外線吸収剤を含有しているハードコート層は、アクリル層との界面の劣化が抑制されて、ハードコート層とアクリル層の密着力を長期に亘って維持でき、ハードコート層の耐久性を向上させることができる。
(7)腐食防止層
腐食防止層は、例えば銀の腐食を防止する層である。従って、腐食防止層は、銀反射層に隣接して設けられることが好ましい。特に、腐食防止層が銀反射層の光入射側に隣接していることがより好ましい。また、銀反射層の両側に腐食防止層を隣接させてもよい。
腐食防止層は、腐食防止剤を含有しており、特に銀反射層に含まれる銀に対する腐食防止剤を含有している。腐食防止剤としては、銀に対する吸着性基を有することが好ましい。ここで、「腐食」とは、金属(銀)がそれをとり囲む環境物質によって、化学的または電気化学的に浸食されるか若しくは材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103−2004参照)。
腐食防止層はバインダーとして樹脂を用いることができる。例えば、以下の樹脂を用いることができる。セルロースエステル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアリレート系、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン系、ポリカーボネート、ノルボルネン系、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル系樹脂等を挙げることができる。中でも、アクリル系樹脂が好ましい。腐食防止層は、厚さが30nm以上、1μm以下であることが好ましい。
なお、腐食防止剤の含有量は、使用する化合物によって最適量は異なるが、一般的には0.1〜1.0/mの範囲内であることが好ましい。
(7−1)腐食防止剤
次に腐食防止剤の詳細について説明する。
銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤としては、アミン類およびその誘導体、ピロール環を有する化合物、トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系の少なくとも一種またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。また、シリコン変性樹脂を用いることも可能である。シリコン変性樹脂として特に限定されない。
アミン類およびその誘導体としては、エチルアミン、ラウリルアミン、トリ−n−ブチルアミン、O−トルイジン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アセトアミド、アクリルアミド、ベンズアミド、p−エトキシクリソイジン、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンカーバメイト、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート、シクロヘキシルアミンアクリレート等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ピロール環を有する物としては、N−ブチル−2,5−ジメチルピロール,N−フェニル−2,5ジメチルピロール、N−フェニル−3−ホルミル−2,5−ジメチルピロール,N−フェニル−3,4−ジホルミル−2,5−ジメチルピロール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
トリアゾール環を有する化合物としては、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、3−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−メチル−1,2,3−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4,5,6,7−テトラハイドロトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ3’5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ピラゾール環を有する化合物としては、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリジン、ピラゾリドン、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ヒドロキシピラゾール、4−アミノピラゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チアゾール環を有する化合物としては、チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、チアゾリドン、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、P−ジメチルアミノベンザルロダニン、2−メルカプトベンゾチアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
イミダゾール環を有する化合物としては、イミダゾール、ヒスチジン、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5ジヒドロキシメチルイミダゾール、4−フォルミルイミダゾール、2−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−フォルミルイミダゾール、4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
インダゾール環を有する化合物としては、4−クロロインダゾール、4−ニトロインダゾール、5−ニトロインダゾール、4−クロロ−5−ニトロインダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
銅キレート化合物類としては、アセチルアセトン銅、エチレンジアミン銅、フタロシアニン銅、エチレンジアミンテトラアセテート銅、ヒドロキシキノリン銅等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チオ尿素類としては、チオ尿素、グアニルチオ尿素等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
メルカプト基を有する化合物としては、すでに上記に記載した材料も加えれば、メルカプト酢酸、チオフェノール、1,2‐エタンジオール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、グリコールジメルカプトアセテート、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ナフタレン系としては、チオナリド等が挙げられる。
(8)紫外線吸収層
紫外線吸収層は、太陽光や紫外線によるフィルムミラーの劣化防止の目的で紫外線吸収剤を含有してなる層である。紫外線吸収層は、樹脂基材よりも光入射側に設けることが好ましく、腐食防止層を有する場合は腐食防止層よりも光入射側に設けることが好ましい。
紫外線吸収層はバインダーとして樹脂を用いることができる。例えば、以下の樹脂を用いることができる。セルロースエステル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアリレート系、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン系、ポリカーボネート、ノルボルネン系、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル系樹脂等を挙げることができる。中でも、アクリル系樹脂が好ましい。紫外線吸収層の厚さは、1μm〜200μmであることが好ましい。
また、フィルムミラーに紫外線吸収層を設ける以外に、樹脂基材よりも光入射側に設けられた構成層のうちの何れか一層に紫外線吸収剤を添加し、紫外線吸収層を兼ねるようにしてもよい。例えば、ハードコート層に紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
紫外線吸収剤には大別して、有機系と無機系がある。
有機系の紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系等が挙げられ、また無機系の紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄等が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2ー(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2ー(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2ー(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
また、紫外線吸収剤としては上記以外に、紫外線の保有するエネルギーを分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物を用いることもできる。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用により効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。
紫外線吸収剤の使用量は、0.1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは3〜10質量%である。これらの範囲内にすることで、他の構成層の密着性を良好に保ちつつ、耐候性を向上させることが可能となる。
(9)接着層
接着層は、層同士の接着性を高める機能があるものであれば特に限定はない。図1に示す例においては、アクリル層と樹脂基材との接着性を高め、アクリル層を樹脂基材に接着するために接着層が設けられている。従って、接着層は、層同士を密着する密着性及び銀反射層が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性が必要である。
接着層の厚さは、密着性、平滑性、反射材の反射率等の観点から、0.01〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmである。
接着層が樹脂である場合、樹脂として、上記の密着性、平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂が使用でき、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。接着層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
また、接着層が金属酸化物である場合、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化ランタン、窒化ランタン等、各種真空製膜法により製膜することができる。例えば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。本実施例のフィルムミラーは、図2に示す実施態様である。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例や比較例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
[反射フィルムの作成方法]
[フィルムミラー1;FM1の作製]
樹脂基材1として、二軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ25μm)を用いた。このポリエステルフィルムの片面に、ポリエステル系樹脂(ポリエスター SP−181、日本合成化学社製)とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率で10:2に混合し、溶媒としてメチルエチルケトンを加え、更に腐食防止剤としてグリコールジメルカプトアセテート(和光純薬製)10質量%となるよう調製した量を混合し、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ60nmの腐食防止層2(アンカー層2)を形成した。
続いて腐食防止層2上に、真空蒸着によって銀反射層3を80nmになるように製膜した。
次に銀反射層3上に、上記腐食防止層2のグリコールジメルカプトアセテートの代わりにTinuvin234(チバ・ジャパン社製)を用いた以外は同様にして、腐食防止層4を形成した。その腐食防止層4上に、紫外線吸収ポリマー「ニューコートUVA−204W」(新中村化学製)を厚さ5μmになるようにグラビアコート法によりコーティングして、紫外線吸収層5を形成した。
次に紫外線吸収層5上に、接着剤TBS‐730(大日本インキ社製)を厚さ5μmになるようにグラビアコート法によりコーティングして接着層6を作製し、その上から紫外線吸収剤を含有したアクリルフィルム、スミペックス テクノロイ S001G 75μm(住友化学株式会社製)を貼り合わせて、アクリル層7を形成した。
続いて、アクリルシリコーン系熱硬化性樹脂のサーコートBP−16N(動研社製:45質量%のメタノール溶液)をメチルエチルケトン(MEK)で希釈して作製した30質量%の保護層塗工液No.1を作成した。塗工液中のMEKは32質量%である。当該塗工液をアクリル層7の上に塗布し、80℃で90秒乾燥した後に、45℃で48時間加熱処理を行い、保護層としてハードコート層8を設けることでフィルムミラー(FM1)を作製した。このハードコート層8の乾燥膜厚は3μmであった。なお、MEKは、MEK100gに対してスミペックス テクノロイ S001Gを20g溶解する。
[フィルムミラー2;FM2の作製]
上記フィルムミラー(FM1)のハードコート層8の形成に用いたメチルエチルケトンを酢酸エチルに変更した30質量%の保護層塗工液No.2を用いた以外は同様の操作を行い、フィルムミラー(FM2)を作製した。なお、酢酸エチルは、酢酸エチル100gに対してスミペックス テクノロイ S001Gを30g溶解する。
[フィルムミラー3;FM3の作製]
上記フィルムミラー(FM1)のハードコート層8の形成に用いたメチルエチルケトンを酢酸メチルに変更した30質量%の保護層塗工液No.3を用いた以外は同様の操作を行い、フィルムミラー(FM3)を作製した。なお、酢酸メチルは、酢酸メチル100gに対してスミペックス テクノロイ S001Gを35g溶解する。
[フィルムミラー4;FM4の作製]
上記フィルムミラー(FM1)のハードコート層8の形成に用いたメチルエチルケトンを1−ブタノールに変更した30質量%の保護層塗工液No.4を用いた以外は同様の操作を行い、フィルムミラー(FM4)を作製した。なお、1−ブタノールは、1−ブタノール100gに対してスミペックス テクノロイ S001Gを5g溶解する。
[フィルムミラー5;FM5の作製]
上記フィルムミラー(FM1)のハードコート層8の形成に用いたメチルエチルケトンを1−プロパノールに変更した30質量%の保護層塗工液No.5を用いた以外は同様の操作を行い、フィルムミラー(FM5)を作製した。なお、1−プロパノールは、1−プロパノール100gに対してスミペックス テクノロイ S001Gを3g溶解する。
[フィルムミラー6;FM6の作製]
上記フィルムミラー(FM1)のハードコート層8の形成に用いたメチルエチルケトンを2−プロパノールに変更した30質量%の保護層塗工液No.6を用いた以外は同様の操作を行い、フィルムミラー(FM6)を作製した。なお、2−プロパノールは、2−プロパノール100gに対してスミペックス テクノロイ S001Gを1g溶解する。
[フィルムミラー7;FM7の作製]
上記フィルムミラー(FM1)のハードコート層8の形成に用いたメチルエチルケトンをメタノールに変更した30質量%の保護層塗工液No.7を用いた以外は同様の操作を行い、フィルムミラー(FM7)を作製した。なお、メタノールは、メタノール100gに対してスミペックス テクノロイ S001Gを0.2g溶解する。
[フィルムミラー8;FM8の作製]
上記フィルムミラー(FM1)のアクリル層7の形成に用いたアクリルフィルムをKorad Transparent Films '05005 50μm(Polymer Extruded Products社製)に変更した以外は同様の操作を行い、フィルムミラー(FM8)を作製した。なお、MEKは、MEK100gに対してKorad Transparent Films '05005を10g溶解する。
[フィルムミラー9;FM9の作製]
上記フィルムミラー(FM1)のアクリル層7の形成に用いたアクリルフィルムをアクリプレン HBS006 50μm(三菱レイヨン社製)に変更した以外は同様の操作を行い、フィルムミラー(FM9)を作製した。なお、MEKは、MEK100gに対してアクリプレン HBS006を14g溶解する。
[フィルムミラー10;FM10の作製]
上記フィルムミラー(FM1)のアクリル層7の形成に用いたアクリルフィルムをアクリプレン HBXN47 125μm(三菱レイヨン社製)に変更した以外は同様の操作を行い、フィルムミラー(FM10)を作製した。なお、MEKは、MEK100gに対してアクリプレン HBXN47を12g溶解する。
[フィルムミラー11;FM11の作製]
上記フィルムミラー(FM1)のアクリル層7の形成に用いたアクリルフィルムをスミペックス テクノロイ S001GM60 100μm(住友化学社製)に変更した以外は同様の操作を行い、フィルムミラー(FM11)を作製した。なお、MEKは、MEK100gに対してスミペックス テクノロイ S001GM60を18g溶解する。
[フィルムミラー12;FM12の作製]
上記フィルムミラー(FM1)のアクリル層7の形成に用いたアクリルフィルムをパンライトフィルム PC-2151 125μm(帝人化成社製)に変更した以外はと同様の操作を行い、フィルムミラー(FM12)を作製した。なお、MEKは、MEK100gに対してパンライトフィルム PC-2151を18g溶解する。
これらフィルムミラー1〜12(FM1〜FM12)の評価結果を、表1に示す。
Figure 2013202782
[フィルムミラー13〜20;FM13〜FM20の作製]
表2に示す配合で、保護層塗工液No.8〜No.12を調整し、その保護層塗工液(No.8〜No.12)を用いてハードコート層8を形成した以外は上記フィルムミラー(FM1)の作製と同様の操作を行い、フィルムミラー(FM13〜FM20)を作製した。
フィルムミラー13〜20(FM13〜FM20)の評価結果を表3に示す。また、保護層塗工液の塗工液付量と、ハードコート層の乾燥膜厚を表3に示した。
Figure 2013202782
Figure 2013202782
[フィルムミラー21;FM21の作製]
下記に示す配合で、保護層塗工液No.13を調整し、その保護層塗工液(No.13)を用いてハードコート層8を形成した以外は上記フィルムミラー(FM1)の作製と同様の操作を行い、フィルムミラー21(FM21)を作製した。なお、ハードコート層8の乾燥膜厚は3μmであった。
フィルムミラー21(FM21)の評価結果を表4に示す。また、保護層塗工液の塗工液付量と、ハードコート層の乾燥膜厚を表4に示した。
《保護層塗工液No.13》
BP−16N(動研社製:固形分45質量%のMEK溶液) 663.3質量部
TD−176(テイカ社製:固形分35質量%のMEK分散物) 4.3質量部
メチルエチルケトン 332.4質量部
Figure 2013202782
[フィルムミラーの評価]
上記のように作製したフィルムミラー(FM1〜FM21)について、下記の方法に従って、アクリル層とハードコート層が層間混合している混合厚み、アクリル層とハードコート層の膜密着性、磨耗性、反射率に関する評価を行った。
〈層間混合厚みの測定〉
各フィルムミラーにおけるハードコート層とアクリル層の界面付近をエッチングしつつ、SEM−EDXを用いて、層の厚み方向(深さ方向)のSi、C、N元素の強度をすることによって、アクリル層とハードコート層が層間混合している混合厚みを測定した。
〈密着性〉
作製した各フィルムミラーを、JIS K5400の試験方法(100マス法)を用いて最表面層の剥離試験を行い、ハードコート層が剥がれなかった数を評価した。
更に、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、63℃の環境下で300時間(或いは600時間;表4のフィルムミラーFM21に関する評価)の紫外線照射を行った後、上記方法で密着性を評価した。
紫外線照射後に密着性が劣化していないものがよい。
〈摩耗性〉
作製した各フィルムミラーに、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、63℃の環境下で300時間(或いは600時間;表4のフィルムミラーFM21に関する評価)の紫外線照射処理を施し、そのフィルムミラーの最表面層を#0000のスチールウールで1kg/cmの荷重をかけて、ストローク100mm、速度30mm/secで10回往復摩擦した後に下記の基準に従って、UV劣化処理後の耐擦傷性を評価した。
◎:傷本数が0本
○:傷本数が1本〜5本
△:傷本数が6本〜10本
×:傷本数が10本より多い。
〈反射率〉
作製した各フィルムミラーに、岩崎電気製アイスーパーUVテスターを用いて、63℃の環境下で300時間(或いは600時間;表4のフィルムミラーFM21に関する評価)の紫外線照射処理を施し、そのフィルムミラーの反射率を下記のように測定した。
島津製作所社製の分光光度計UV265に積分球反射付属装置を取り付け改造し、反射面の法線に対して入射光の入射角を5°となるように調整して、各フィルムミラーの反射角5°での正反射率を測定した。反射率評価は250nmから2500nmの反射率において太陽光スペクトル(AM1.5G)の加重平均値を算出し、反射率とした。
◎:反射率の平均値が、90%以上である
○:反射率の平均値が、85%以上、90%未満である
△:反射率の平均値が、80%以上、85%未満である
×:反射率の平均値が、80%未満である。
表1、表3、表4に示した結果から明らかなように、アクリル層とハードコート層(保護層)が層間混合していれば(混合厚みが0.1μm以上であれば)、UV照射後の膜密着性の向上がみられる。また、摩耗性についても向上し、その結果、耐傷性及び耐候性に優れ、良好な反射率を有するフィルムミラーを得ることができる。特に、アクリル層とハードコート層(保護層)が層間混合している混合厚みが0.5μm以上であれば、UV照射後の膜密着性のさらなる向上が見られ、0.8μm以上であればより良好な密着性が得られることがわかる。
なお、ハードコート層とアクリル層とが層間混合している部分の厚さが0.1μm未満であれば実質的に層間混合していないといえる。
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 樹脂基材
2 アンカー層
3 銀反射層(反射層)
4 腐食防止層
5 紫外線吸収層
6 接着層
7 アクリル層
8 ハードコート層(保護層)
10、20 フィルムミラー(機能性フィルム)

Claims (15)

  1. 樹脂基材上に、アクリル層と保護層を有する機能性フィルムであって、
    前記保護層は、前記アクリル層の前記樹脂基材側とは反対側の面に隣接して設けられており、
    前記保護層と前記アクリル層の少なくとも一部が、その厚さ方向に層間混合していることを特徴とする機能性フィルム。
  2. 前記保護層は、前記アクリル層の上面に、溶媒100gに対して前記アクリル層を5g以上40g以下溶解する溶媒を、5重量%以上70重量%以下含有している保護層用塗工液を塗工して形成された層であることを特徴とする請求項1に記載の機能性フィルム。
  3. 前記保護層と前記アクリル層とが層間混合している部分の厚さは、0.1μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性フィルム。
  4. 前記溶媒は、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチルのうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項2又は3に記載の機能性フィルム。
  5. 前記溶媒は、その溶媒100gに対して前記アクリル層を10g以上40g以下溶解する溶媒であることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の機能性フィルム。
  6. 前記保護層用塗工液が前記アクリル層上に塗工される付量は1g/m以上17g/m以下であることを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載の機能性フィルム。
  7. 前記保護層は、少なくともポリシロキサン化合物を含有していることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の機能性フィルム。
  8. 前記ポリシロキサン化合物が、アルキルトリアルコキシシラン加水分解物であることを特徴とする請求項7に記載の機能性フィルム。
  9. 前記ポリシロキサン化合物が、メチルトリアルコキシシラン加水分解物及びポリメチルシロキサンオリゴマーの混合物であることを特徴とする請求項7又は8に記載の機能性フィルム。
  10. 前記保護層が、250nm以上300nm以下の範囲に吸収極大波長を有する紫外線吸収剤を含有していることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の機能性フィルム。
  11. 前記紫外線吸収剤は、金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項10に記載の機能性フィルム。
  12. 前記保護層の厚さは、1μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の機能性フィルム。
  13. 当該機能性フィルムは、厚さ30nm以上200nm以下の反射層を有する太陽熱発電用フィルムミラーであることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の機能性フィルム。
  14. 当該機能性フィルムは、厚さ0.1nm以上50nm以下の反射層を有する遮熱フィルムであることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の機能性フィルム。
  15. 樹脂基材とアクリル層と保護層とを備えた機能性フィルムの製造方法であって、
    前記樹脂基材に前記アクリル層を設ける工程と、
    前記アクリル層の上面に、前記保護層の材料を含有するとともに、溶媒100gに対して前記アクリル層を1g以上40g以下溶解する溶媒を、5重量%以上70重量%以下含有している保護層用塗工液を塗工し、塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜を乾燥させる工程と、
    を有することを特徴とする機能性フィルムの製造方法。
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