JPWO2012056599A1 - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

この発明の課題は、接地電極の温度上昇を低減しつつ、冷熱環境下で、外層において酸化した粒界を起点としてクラックが発生するのを抑制することのできるスパークプラグを提供することである。この発明のスパークプラグは、中心電極、及び前記中心電極との間に間隙を有する接地電極を備え、前記接地電極は、少なくとも芯部と前記芯部を内包する外層とを有し、前記芯部は外層よりも熱伝導率の高い材料により形成されるスパークプラグにおいて、前記接地電極が延びる方向に直交する断面での前記外層の厚みが0.5mm以下となる部位が少なくとも存在し、前記外層を形成する電極材料の組成は、Niが96質量%以上、Yと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種の合計が0.05質量%以上、Alが0.5質量%以下、及びSiが0.5質量%以上1.5質量%以下であること(ただし、Ni、Y、希土類元素、Al、Siの合計が100質量%を超えない。)を特徴とする。

Description

この発明は、スパークプラグに関し、特に、接地電極の内部に熱伝導率の高い材料により形成される芯部を有するスパークプラグに関する。
自動車エンジン等の内燃機関の点火用に使用されるスパークプラグは、一般に、筒状の主体金具と、この主体金具の内孔に配置される筒状の絶縁体と、この絶縁体の先端側内孔に配置される中心電極と、一端が主体金具の先端側に接合され、他端が中心電極との間に火花放電間隙を有する接地電極とを備える。そして、スパークプラグは、内燃機関の燃焼室内で、中心電極の先端と接地電極の先端との間に形成される火花放電間隙に火花放電され、燃焼室内に充填された燃料を燃焼させる。
ところで、近年、過給器による出力向上により、少ない燃料で走行距離を伸ばす技術が開発されている。このような内燃機関においては、燃焼室内の温度が上昇する傾向にあり、特に接地電極の先端が位置する領域近傍の温度が高温化する傾向にある。さらに、スパークプラグの小型化に伴い、接地電極も細くなるので、放電で生じた熱を接地電極が主体金具へと伝導して逃がすことができなくなり(熱引きと称することもある。)、接地電極自身の温度も上昇し易くなる。
スパークプラグが、このような高温環境下で使用されるようになり、接地電極の温度も上昇し易い構造になると、従来のスパークプラグでは所望の性能を維持するのが難しくなってくる。
特許文献1には、接地電極の温度上昇を低減するとともに消炎作用を抑制することができるスパークプラグを提供することを課題として、接地電極よりも熱伝導率が高い芯材を、接地電極の湾曲部以外の少なくとも一部に埋設されるスパークプラグが記載されている。
特許文献2には、耐酸化性、耐火花損耗性に優れ、さらに製造性も優れた特性を有する点火プラグ用電極材料を提供することを課題として、点火プラグ用合金の耐酸化性を向上させるには熱伝導率を高くすることが必要であり、かつ耐火花損耗性を向上させるには融点を高くすることが有効であるが、これらの2つの必要特性を同時に解決するには、高Ni基合金により形成される電極材料において、Siを少量添加すること、Hfおよび/またはReを少量添加すること、Mn、Alを低下させること、さらに希土類元素の一種以上及び/またはYを少量添加することを同時に満たすことが有効であることが記載されている。
しかし、燃焼室内はますます高温化し、スパークプラグは小型化する傾向にあるので、さらに熱引きの良好な接地電極が求められている。
特開2007−299670号公報 特開2006−316343号公報
そこで、接地電極を熱伝導率の高い高Ni基合金で形成し、さらに熱伝導率の高いCu等の芯材を適用すれば、接地電極の温度上昇を低減できると考えた。その際、芯材の体積を大きくして芯材を取り囲む高Ni基合金の厚みを薄くすれば、さらに効果が大きい。しかし、このような構造の接地電極にすると、燃焼室内における冷熱環境下では、高Ni基合金が酸化し易くなり、酸化した粒界を起点としてクラックが発生するという問題が生じた。
この発明は、接地電極の温度上昇を低減しつつ、冷熱環境下で、外層において酸化した粒界を起点としてクラックが発生するのを抑制することのできるスパークプラグを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、
(1) 中心電極、及び前記中心電極との間に間隙を有する接地電極を備え、
前記接地電極は、少なくとも芯部と前記芯部を内包する外層とを有し、
前記芯部は外層よりも熱伝導率の高い材料により形成されるスパークプラグにおいて、
前記接地電極が延びる方向に直交する断面での前記外層の厚みが0.5mm以下となる部位が少なくとも存在し、
前記外層を形成する電極材料の組成は、Niが96質量%以上、Yと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種の合計が0.05質量%以上、Alが0.5質量%以下、及びSiが0.5質量%以上1.5質量%以下であること(ただし、Ni、Y、希土類元素、Al、Siの合計が100質量%を超えない。)を特徴とするスパークプラグである。
前記(1)の好ましい態様は、
(2)前記電極材料は、0.01質量%以上0.5質量%以下のCr、0.01質量%以上2.5質量%以下のMn、及び0.01質量%以上0.5質量%以下のTiからなる群より選択される少なくとも1種を含有する組成であり、
(3)前記電極材料は、0.01質量%以上0.5質量%以下のCr、0.01質量%以上2.5質量%以下のMn、及び0.01質量%以上0.5質量%以下のTiからなる群より選択される少なくとも2種を含有する組成であり、
(4)前記電極材料の組成は、Cが0.001質量%以上0.1質量%以下であり、
(5)前記電極材料の組成は、Yと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種の合計が0.45質量%以下であり、
(6)前記電極材料の組成は、Mnが0.05質量%以上であり、及びTiとVとNbとからなる元素群Aより選択される少なくとも1種が合計で0.01質量%以上であり、かつ
Mnの含有量(b)と元素群Aの合計含有量(a)との比(a/b)が0.02以上0.40以下であり、
(7)前記比(a/b)が0.03以上0.25以下であり、
(8)前記比(a/b)が0.05以上0.14以下であり、
(9)前記電極材料の組成は、Alが0.01質量%以上0.1質量%以下であり、
(10)前記電極材料の組成は、Crが0.05質量%以上0.5質量%以下であり、
(11)前記電極材料は、Tiを含有する組成である。
この発明に係るスパークプラグは、熱伝導率の高い材料により形成される芯部と前記芯部を内包する外層とを有する接地電極を備え、前記外層の厚みが0.5mm以下となる部位が少なくとも存在し、前記外層を形成する電極材料の組成は、Niが96質量%以上、Yと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種の合計が0.05質量%以上、Alが0.5質量%以下、及びSiが0.5質量%以上1.5質量%以下であるから、機械的強度の高い外層が得られ、また外層の表面に形成される酸化層の強度も高くなるので、接地電極の温度上昇を低減しつつ、冷熱環境下で、外層において酸化した粒界を起点としてクラックが発生するのを抑制することのできるスパークプラグを提供することができる。
また、前記電極材料が、Cr、Mn及びTiからなる群より選択される少なくとも1種を特定割合含有する組成であると、酸化層の強度が高くなるので、粒界が酸化され難くなると共に、粒界を起点としたクラックの発生をより一層抑制することができる。
さらに、前記電極材料が、Cを特定割合含有する組成であると、高強度の電極材料が得られるので、クラックの進行を抑制することができる。
前記電極材料が、Mnを特定割合含有し、TiとVとNbとからなる元素群Aより選択される少なくとも1種を合計で特定割合含有する組成であり、かつMnの含有量(b)と元素群Aの合計含有量(a)との比(a/b)が特定の範囲内であると、電極に付着したデポジットすなわちオイルや未燃焼燃料等の付着物と電極材料とが反応して形成されたと考えられる、複数の細かい塊状の腐食様新生異物が形成されるとクラックの起点となり易いところ、この腐食様新生異物の形成が防止されるので、クラックの発生をより一層抑制することができる。
前記電極材料が、Mn及び元素群Aを特定割合で含有し、また比(a/b)が特定の範囲内のとき、Al又はCrを特定割合含有する組成であると、強固な酸化膜を形成し、クラックの起点となる腐食様新生異物の形成が防止されるので、クラックの発生をより一層抑制することができる。
図1は、この発明に係るスパークプラグの一実施例であるスパークプラグを説明する説明図であり、図1(a)は、この発明に係るスパークプラグの一実施例であるスパークプラグの一部断面全体説明図であり、図1(b)は、この発明に係るスパークプラグの一実施例であるスパークプラグの主要部分を示す断面説明図である。 図2(a)は、この発明に係るスパークプラグの他の実施例であるスパークプラグの主要部分を示す断面説明図であり、図2(b)は、この発明に係るスパークプラグのさらに別の実施例であるスパークプラグの主要部分を示す断面説明図である。
この発明に係るスパークプラグは、中心電極と接地電極とを有し、この中心電極の一端と接地電極の一端とが間隙を介して対向するように配置されている。接地電極は少なくとも芯部とこの芯部を内包する外層とを有し、芯部が外層よりも熱伝導率の高い材料により形成されている。この発明に係るスパークプラグは、このような構成を有するスパークプラグであれば、その他の構成は特に限定されず、公知の種々の構成を採ることができる。
この発明に係るスパークプラグの一実施例であるスパークプラグを図1に示す。図1(a)はこの発明に係るスパークプラグの一実施例であるスパークプラグ1の一部断面全体説明図であり、図1(b)はこの発明に係るスパークプラグの一実施例であるスパークプラグ1の主要部分を示す断面説明図である。なお、図1(a)では紙面下方を軸線AXの先端方向、紙面上方を軸線AXの後端方向として、図1(b)では紙面上方を軸線AXの先端方向、紙面下方を軸線AXの後端方向として説明する。
このスパークプラグ1は、図1(a)及び(b)に示されるように、略棒状の中心電極2と、中心電極2の外周に設けられた略円筒状の絶縁体3と、絶縁体3を保持する円筒状の主体金具4と、一端が中心電極2の先端面と火花放電間隙Gを介して対向するように配置されると共に他端が主体金具4の端面に接合された接地電極6とを備えている。
前記主体金具4は、円筒形状を有しており、絶縁体3を内装することにより絶縁体3を保持するように形成されている。主体金具4における先端方向の外周面にはネジ部9が形成されており、このネジ部9を利用して図示しない内燃機関のシリンダヘッドにスパークプラグ1が装着される。主体金具4は、導電性の鉄鋼材料、例えば、低炭素鋼により形成されることができる。
前記絶縁体3は、主体金具4の内周部に滑石(タルク)10又はパッキン11等を介して保持されており、絶縁体3の軸線方向に沿って中心電極2を保持する軸孔5を有している。絶縁体3は、絶縁体3における先端方向の端部が主体金具4の先端面から突出した状態で、主体金具4に固着されている。絶縁体3は、機械的強度、熱的強度、電気的強度を有する材料であることが望ましく、このような材料として、例えば、アルミナを主体とするセラミック焼結体が挙げられる。
中心電極2は、外材7と、外材7の内部の軸心部に同心に埋め込まれるように形成されてなる内材8とにより形成される。中心電極2は、その先端部が絶縁体3の先端面から突出した状態で絶縁体3の軸孔5に固定されており、主体金具4に対して絶縁保持されている。内材8は外材7よりも熱伝導率の高い材料により形成されるのが良く、例えば、Cu、Ag、純Ni等を挙げることができる。外材7は、後述する接地電極の外層に使用される電極材料又はこの電極材料以外の公知の材料で形成されることができる。
前記接地電極6は、例えば、略角柱体に形成されてなり、一端が主体金具4の端面に接合され、途中で略L字に曲げられて、その先端部が中心電極2の軸線方向に位置するように、その形状及び構造が設計されている。接地電極6がこのように設計されることによって、接地電極6の一端が中心電極6と火花放電間隙Gを介して対向するように配置されている。火花放電間隙Gは、中心電極2の先端面と接地電極6の表面との間の間隙であり、この火花放電間隙Gは、通常、0.3〜1.5mmに設定される。
接地電極6は、接地電極6の軸心部に設けられた芯部12とこの芯部12を内包する外層13とを有する。この発明のスパークプラグは、接地電極6の温度上昇を低減するために、接地電極6の熱引きが良好になる構成を採用している。すなわち、外層13よりも熱伝導率の高い材料で形成される芯部12の体積が大きく、外層13の厚みが薄く形成されている。したがって、接地電極6が延びる方向に直交する断面での外層13の厚みが0.5mm以下となる部位が少なくとも一部に存在する。
芯部12の形状は、特に限定されず長手方向に同径の棒状体、先端部が小径化された楕円体、接地電極と同形の略角柱体等の形状を挙げることができる。また、芯部12の形状だけでなく接地電極6内部に配置される位置についても特に限定されない。芯部12の形状及びその位置に応じて、外層13の厚みが一定になるとは限らず、例えば、芯部12の形状が長手方向に同径の棒状体であり、接地電極と同形である場合には、芯部12が接地電極6の軸心に設けられているとき、芯部12の外周を取り囲む外層13の厚みは、接地電極6が延びる方向に直交する全方向において等しいが、芯部12が一方に偏心して配置されている場合には芯部12が偏心している方向の外層13の厚みが最も小さくなる。また、外層13の厚みが接地電極6が延びる方向に等しい場合、主体金具4と接合される基端部付近の厚みが最も小さく、先端に向かって厚みが大きくなる場合、中心電極2と対向する先端部付近の厚みが最も小さい場合等種々の態様を採ることができる。
外層13は以下に説明する、一般に高Ni基合金と称される電極材料により形成され、芯部12は外層13よりも熱伝導率の高い材料により形成される。芯部12を形成する材料としては、例えば、Cu、Cu合金、Ag、Ag合金、純Ni等の金属を挙げることができる。
芯部12を内包する外層13が低Ni基合金、例えばインコネル600(登録商標)等により形成される従来の接地電極では、外層13の表面にクラックが発生することはなかった。しかし、外層13を形成する電極材料としてNiが96質量%以上含まれる高Ni基合金を採用することにより、外層13が酸化し易くなり、酸化した粒界を起点としてクラックが発生する問題が生じた。そこで、発明者らは外層13を形成する電極材料の組成を所望の範囲にすることで酸化した粒界を起点としてクラックが発生するのを抑制することができることを見出した。すなわち、電極材料の組成が所望の範囲内であると、外層13の表面に形成される酸化層の強度を向上させることができるので、粒界を酸化し難くすることができると共に粒界を起点とするクラックの発生を抑制することができる。また電極材料の組成が所望の範囲内であると、電極材料の機械的強度を向上させることができるので、クラックの進行を抑制することができる。
外層13を形成する電極材料の組成は、Niが96質量%以上、Yと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種の合計が0.05質量%以上、Alが0.5質量%以下、及びSiが0.5質量%以上1.5質量%以下である(ただし、Ni、Y、希土類元素、Al、Siの合計が100質量%を超えない。)。
電極材料におけるNiの含有率は96質量%以上である。Niは熱伝導率の高い材料であるので、電極材料の高熱伝導率が維持できる点で、Niの含有率は96質量%以上であるのがよい。Niの含有率が96質量%未満であると、電極材料の熱伝導率が低下して、接地電極の熱引きが悪くなる。
電極材料におけるYと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種の合計含有率は0.05質量%以上であり、通常0.45質量%以下である。前記合計含有率が0.05質量%以上であると電極材料の機械的強度が高くなるので、冷熱環境下においてクラックが進行するのを抑制することができる。一方、前記合計含有率が0.05質量%未満であると、接地電極が高温に曝されることにより電極材料の組織が粒成長し易くなるので、接地電極が折損及び変形し易くなる。また、前記合計含有率が0.45質量%を超えると、機械的強度は高くなるものの硬くなり過ぎて成形性に劣るので、量産するのが困難になる。
前記希土類元素としては、Nd、La、Ce、Dy、Er、Yb、Pr、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Ho、Tm、Luを挙げることができる。
電極材料におけるAlの含有率は、0質量%以上0.5質量%以下である。すなわちAlは0.5質量%を超えて含まない。電極材料がAlを0.5質量%を超えて含むと外層の表面に形成される酸化層の厚みが大きくなり過ぎて本来の外層の厚みが薄くなってしまうために、クラックが発生し易くなる。
電極材料におけるSiの含有率は、0.5質量%以上1.5質量%以下である。Siの含有率が前記範囲内であると、適度な厚みで高い強度の酸化層が外層の表面に形成されるので、粒界が酸化され難くなると共に、粒界を起点としたクラックの発生を抑制することができる。Siの含有率が0.5質量%未満であると酸化層の厚みが薄くなり、また十分な強度も得られなくなってしまう。Siの含有率が1.5質量%を超えると酸化層の厚みが大きくなり過ぎて本来の外層の厚みが薄くなってしまうために、クラックが発生し易くなる。
電極材料は、0.01質量%以上0.5質量%以下のCr、0.01質量%以上2.5質量%以下のMn、及び0.01質量%以上0.5質量%以下のTiからなる群より選択される少なくとも1種を含有する組成であるのが好ましい。
電極材料が前記範囲内でCr、Mn及びTiのうちの1種又は2種を含有すると、外層の表面に形成される酸化層の強度がさらに高くなるので、粒界が酸化され難くなると共に、粒界を起点としたクラックの発生をより一層抑制することができる。なお、Cr、Mn及びTiのうちの1種だけでなく2種含有する方が効果が大きい。Cr、Mn及びTiのすべての元素を含有する場合は2種を含有する場合と効果が変わらない。
電極材料の組成は、Cが0.001質量%以上0.1質量%以下であるのが好ましい。Cの含有率が前記範囲内であると、電極材料の機械的強度が高くなるのでクラックの進行をより一層抑制することができる。Cの含有率が0.1質量%を超えると機械的強度は高くなるものの硬くなり過ぎて成形性に劣るので、量産するのが困難になる。
電極材料の組成は、Mnが0.05質量%以上であり、TiとVとNbとからなる元素群Aより選択される少なくとも1種が合計で0.01質量%以上であり、かつMnの含有量(b)と元素群Aの合計含有量(a)との比(a/b)が0.02以上0.40以下であるのが好ましく、0.03以上0.25以下であるのがより好ましく、0.05以上0.14以下であるのが特に好ましい。
電極材料におけるMnの含有率が0.05質量%以上であると、この電極材料により形成された接地電極の表面に強固な酸化膜が形成されるので、クラックの発生を抑制することができる。しかし、接地電極が高温及び高酸素濃度の環境下に曝されると、複数の細かい塊状の腐食様新生異物が接地電極の表面に発生することがある。この腐食様新生異物は、電極に付着したデポジットすなわちオイルや未燃焼燃料等の付着物に含まれるCと酸化膜とが反応して形成されたと考えられる。この腐食様新生異物が接地電極の表面に形成されると、この腐食様新生異物を起点としてクラックが発生し易くなってしまう。
そこで、電極材料として、Mnに加えて、Ti、V、及びNbからなる元素群Aより選択される少なくとも1種を合計で0.01質量%以上含有させると、腐食様新生異物の形成を抑制することができることを見出した。電極材料が元素群Aより選択される少なくとも1種を含有すると、元素群Aより選択される少なくとも1種が酸化膜に侵入したデポジット由来のCをトラップすることにより、CとMnの酸化膜とが反応して形成される腐食様新生異物の発生が抑制されると推定される。例えばCをトラップしたTiは、TiCを形成する。TiCはMnの酸化膜と反応して化合物を形成しないので、Mnの酸化膜は融点が下がることなく、安定して存在することができるようになる。その結果、腐食様新生異物が形成され難くなると考えられる。
したがって、電極材料におけるMnの含有率と元素群Aより選択される少なくとも1種の合計含有率とが所定範囲にあるだけでなく、Mnの含有量(b)に対する元素群Aの合計含有量(a)の比が前述したように特定の範囲にあると、腐食様新生異物の形成を防止することができ、その結果クラックの発生を抑制することができる。
前記Ti、V、及びNbは、いずれもデポジット由来のCをトラップする作用があると考えられ、いずれも腐食様新生異物の形成を抑制する効果があるが、これらのうちでは、経済性の観点からTiを含有させるのが特に好ましい。
電極材料がMn及び元素群Aを前記範囲内で含有する組成であり、またその比率が前記範囲内であるとき、Alの含有率が0.01質量%以上0.1質量%以下であるのが好ましい。Alの含有率が前記範囲内であると、Mn等の他の元素と相俟って腐食様新生異物の発生を抑制し、強固な酸化膜が形成されるので、クラックの発生を抑制することができる。
電極材料がMn及び元素群Aを前記範囲内で含有する組成であり、またその比率が前記範囲内であるとき、Crの含有率が0.05質量%以上0.5質量%以下であるのが好ましい。Crの含有率が前記範囲内であると、Mn等の他の元素と相俟って腐食様新生異物の発生を抑制し、強固な酸化膜が形成されるので、クラックの発生を抑制することができる。
外層18を形成する電極材料は、Ni、Yと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種、及びSiと、所望により、Al、Cr、Mn、Ti、C、V、及び/又はNbとを実質的に含有する。これらの各成分は、前述した各成分の含有率の範囲内で、これら各成分と不可避不純物との合計が100質量%になるように含有される。前記成分以外の成分、例えば、S、P、Fe、Cu、B、Zr、Mg、及び/又はCaが微量の不可避不純物として含有されることがある。これらの不可避不純物の含有量は少ない方が好ましいが、本願発明の目的を達成することができる範囲内で含有していてもよく、前述した成分の合計質量を100質量部としたときに、前述した1種類の不可避不純物の割合は0.1質量部以下、含有されるすべての種類の不可避不純物の合計割合は0.2質量部以下であるのがよい。
この電極材料に含まれる各成分の含有率は、次のようにして測定することができる。すなわち、この電極材料を採取し(炭素硫黄分析は0.3g以上、ICP発光分析は0.2g以上が望ましい)、Cの含有量は炭素硫黄分析により、その他の成分はICP発光分析(inductively coupled plasma emission spectrometry)を行うことにより、質量分析する。Niについては上記分析測定値の残部として算出する。炭素硫黄分析では、採取した試料を燃焼炉にて熱分解し、非分散赤外線検出することでCの含有量を定量する(炭素硫黄分析装置として、例えば、ホリバ製作所製EMIA-920V)。ICP発光分析では、試料を硝酸等を用いて酸分解法により溶液化し、定性分析の後、検出元素及び指定元素について定量を行う(ICP発光分析装置として、例えば、サーモフィッシャー製iCAP-6500)。いずれの分析も3回の測定値の平均値を算出し、その平均値を電極材料における各成分の含有率とする。
なお、この電極材料は、所定の原料を所定の配合割合で配合して、以下に示すように製造される。製造された電極材料の組成は、原料の組成とはほぼ一致する。したがって、この電極材料に含まれる各成分の含有率は、簡易的な方法として原料の配合割合からも算出することができる。
接地電極が芯部とこの芯部を内包する外層とを有し、この芯部が外層よりも熱伝導率の高い材料で形成され、さらに外層の厚みが薄く形成されて、外層の厚みが0.5mm以下となる部位が存在しても、接地電極の外層を形成する電極材料が前記組成を有すると、電極材料の機械的強度が高くなり、また酸化膜の強度も高くなるので、接地電極の温度上昇を低減しつつ、冷熱環境下で外層において酸化した粒界を起点としてクラックが発生するのを抑制することのできるスパークプラグを提供することができる。
前記スパークプラグ1は、例えば次のようにして製造される。まず、接地電極6の製造方法について説明する。前記組成を有する電極材料を溶解して調整し、調整した電極材料をカップ状に加工して外層13となるカップ体を作製する。一方、前記電極材料よりも熱伝導率の高いCu等の材料を溶解して、熱間加工、線引き加工等して芯部12となる棒状体を作製する。この棒状体を前記カップ体に挿入し、押し出し加工等の塑性加工した後に所望の形状に塑性加工して、外層13の内部に芯部12を有する接地電極6を作製する。
中心電極2は、前記電極材料と同一の組成を有する電極材料又は公知の材料を用いて、前述した接地電極6と同様の方法により製造することができる。内部に高熱伝導率を有する材料により形成される内材8を有さない場合には、所定の組成を有する合金の溶湯を調製し、溶湯から鋳塊を調製した後、この鋳塊を熱間加工、線引き加工等して、所定の形状及び所定の寸法に適宜調整して、中心電極2を作製することができる。
次いで、所定の形状に塑性加工等によって形成した主体金具4の端面に、接地電極6の一端部を電気抵抗溶接又はレーザ溶接等によって接合する。次いで、接地電極が接合された主体金具にZnめっき又はNiめっきを施す。Znめっき又はNiめっきの後に3価クロメート処理を行っても良い。また、接地電極にめっきが付いていても良く、接地電極6にめっきが付かないようにマスキングをしても良く、接地電極6に付いためっきを別途剥離しても良い。次いで、セラミック等を所定の形状に焼成することによって絶縁体3を作製し、中心電極2を絶縁体3に公知の手法により組み付け、接地電極6が接合された主体金具4にこの絶縁体3を組み付ける。そして、接地電極6の先端部を中心電極2側に折り曲げて、接地電極6の一端が中心電極2の先端部と対向するようにして、スパークプラグ1が製造される。
本発明に係るスパークプラグは、自動車用の内燃機関例えばガソリンエンジン等の点火栓として使用され、内燃機関の燃焼室を区画形成するヘッド(図示せず)に設けられたネジ穴に前記ネジ部9が螺合されて、所定の位置に固定される。この発明に係るスパークプラグは、如何なる内燃機関にも使用することができるが、接地電極の温度上昇を低減しつつ冷熱環境下においてクラックが発生するのを抑制した接地電極を備えているから、特に、燃焼室内の温度が従来よりも高い内燃機関に好適に使用されることができる。
この発明に係るスパークプラグ1は、前述した実施例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、前記スパークプラグ1は、中心電極2の先端面と接地電極6における一端の表面とが、軸線AX方向で、火花放電間隙Gを介して対向するように配置されているが、この発明において、図2に示されるように、中心電極2の側面と接地電極61,62における一端の先端面が、中心電極2の半径方向で、火花放電間隙Gを介して対向するように配置されていてもよい。この場合に、中心電極2の側面に対向する接地電極61,62は、図2(a)に示されるように単数が設けられても、図2(b)に示されるように複数が設けられてもよい。
前記スパークプラグ1は、図1(b)に示されるように、接地電極6が芯部12とこの芯部12を内包する外層13とにより形成されているが、図2(b)に示されるように、接地電極62が芯部122と、この芯部122を内包する外層132と、芯部122と外層132との間に芯部122を覆うように設けられた中間層142と、により形成され、例えば、外層132が前記電極材料、中間層142がCuを主成分とする金属材料、芯部122が純Niにより形成されてもよい。このような構造を有する接地電極62は、熱引きがよく、高温になった接地電極の温度を効果的に下げることができる。また、芯部が純Niにより形成されていると、接地電極の変形が防止されるので、スパークプラグを内燃機関に搭載した場合に接地電極が起き上がってしまうのを防止することができる。
さらに、前記スパークプラグ1は、中心電極2及び接地電極6を備えているが、この発明においては、中心電極の先端部及び接地電極の表面の両方又はいずれか一方に、貴金属チップを備えていてもよい。中心電極の先端部及び接地電極の表面に形成される貴金属チップは、通常、円柱又は角柱形状を有し、適宜の寸法に調整され、適宜の溶接手法例えばレーザ溶接又は電気抵抗溶接により中心電極の先端部、接地電極の表面に溶融固着される。この場合、対向する2つの貴金属チップの表面の間に形成される間隙、又は貴金属チップの表面とこの貴金属チップに対向する中心電極2又は接地電極6の表面との間の間隙が前記火花放電間隙となる。この貴金属チップを形成する材料は、例えば、Pt、Pt合金、Ir、Ir合金等の貴金属が挙げられる。
<スパークプラグ試験体の作製>
通常の真空溶解炉を用いて、表1〜4に示す組成を有する合金の溶湯を調製し、真空鋳造にて各溶湯から鋳塊を調製した。その後、この鋳塊を熱間鋳造にて丸棒として、この丸棒をカップ状に形成して外層となるカップ体を作製した。一方、Cu又はCu合金を熱間鋳造にて丸棒とし、この丸棒を熱間加工、線引き加工等して芯部となる棒状体を作製した。この棒状体を前記カップ状体に挿入し、押し出し加工等の塑性加工後に線引き加工を施して、断面寸法1.3mm×2.7mmの芯部あり接地電極を作製した。なお、芯部については3種類の組成を有する芯部を作製した。
表1及び2に示す組成を有する外層に内包される芯部は、Cu100質量%の組成を有する芯部を使用した。表3に示す組成を有する外層に内包される芯部は、Cu99質量%、Cr1質量%の組成を有する芯部を使用した。表4に示す組成を有する外層に内包される芯部は、Cu98質量%、Cr2質量%の組成を有する芯部を使用した。
この接地電極の長さは3mm、接地電極の延びる方向に直交する断面における外層の厚みの最小値は0.4mmであった。
前記芯部あり接地電極と同様にして、実施例12に示す組成を有する合金の溶湯を調整して丸棒を作製し、線引き加工、塑性加工等を施して断面寸法1.6mm×2.8mmの芯部なし接地電極を作製した。
そして、公知の手法により、主体金具の一端面に外層の組成が異なる3種類の前記芯部あり接地電極を1本ずつと前記芯部なし接地電極1本との一端部を接合し、次いで、セラミックで形成された絶縁体に前記中心電極を組み付け、接地電極が接合された主体金具にこの絶縁体を組み付けた。そして、前記芯部なし接地電極の先端部のみを中心電極側に折り曲げて、前記芯部なし接地電極の一端が中心電極の先端面と対向するようにして、スパークプラグ試験体を製造した。
なお、製造されたスパークプラグ試験体のねじ径はM14であり、絶縁体の端面から軸線方向に突出する中心電極の端面までの長さを示す中心電極出寸法は1.5mm、中心電極の先端径は2.5mm、主体金具の端面から軸線方向に突出する絶縁体の端面までの長さを示す絶縁体出寸法は1.5mm、中心電極の側面とこの中心電極に対向する接地電極の表面との間の火花放電間隙は1.1mmであった。
製造された接地電極の外層の組成はICP発光分析(サーモフィッシャー製iCAP-6500)及び炭素硫黄分析(ホリバ製作所製EMIA-920V)により分析した。
<評価方法>
(クラック)
前述のように製造したスパークプラグ試験体を、2000cc、6気筒のガソリンエンジンに取り付け、スロットル全開状態で、エンジン回転数5000rpmの状態を1分間維持した後に1分間アイドリングするサイクルを繰り返して200時間の運転を行った。このとき、芯部なし接地電極のみを放電させて芯部あり接地電極は放電させなかった。なお、25時間毎に気筒に取り付けられたスパークプラグをローテーションした。
芯部あり接地電極の表面におけるクラックの有無を目視により判断し、以下の基準に基づいて評価した。結果を表1及び2に示す。
なお、クラックとしては、酸化した粒界を起点としたクラックと腐食様新生異物を起点としたクラックとが観察され、少なくとも一方のクラックが発生した時間を測定した。

×:75時間以下の運転でクラックが観察された場合。
○:100時間以下の運転でクラックが観察された場合。
◎:125時間の運転でクラックが観察された場合。
☆:150時間の運転でクラックが観察された場合。
★:175時間の運転でクラックが観察された場合。
★★:200時間の運転でクラックが観察された場合。
★★★:200時間の運転でクラックが観察されなかった場合。
(腐食様新生異物)
腐食様新生異物の形成状態については、拡大鏡(×50)を用いて、接地電極の表面における腐食様新生異物の有無を目視により判断し、以下の基準に基づいて評価した。結果を表1及び2に示す。

×:125時間の運転で腐食様新生異物が観察された場合。
○:150時間の運転で腐食様新生異物が観察された場合。
◎:175時間の運転で腐食様新生異物が観察された場合。
☆:200時間の運転で腐食様新生異物が観察された場合。
★:200時間の運転で腐食様新生異物が観察されなかった場合。
表1及び2における総合評価は、クラックの評価結果に基づいて評価した。
Figure 2012056599
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本願発明の範囲に含まれる電極材料で形成された接地電極を備えたスパークプラグは、表1〜4に示されるように、接地電極の外層にクラックが発生するのが抑制され、また腐食様新生異物も形成され難かった。また、芯部の組成によらず同様の効果が得られた。
一方、本願発明の範囲外にある電極材料で形成された電極を備えたスパークプラグは、表1〜4に示されるように、短い運転時間で接地電極にクラックが観察された。
1,101,102 スパークプラグ
2 中心電極
3 絶縁体
4 主体金具
6,61,62 接地電極
7 外材
8 内材
9 ネジ部
10 タルク
11 パッキン
12,121,122 芯部
13,131,132 外層
142 中間層
G 火花放電間隙
前記課題を解決するための手段は、
(1) 中心電極、及び前記中心電極との間に間隙を有する接地電極を備え、
前記接地電極は、少なくとも芯部と前記芯部を内包する外層とを有するスパークプラグにおいて、
前記芯部は外層よりも熱伝導率の高い材料により形成され、前記材料はCu、Cu合金、Ag、又はAg合金であり、
前記接地電極が延びる方向に直交する断面での前記外層の厚みが0.5mm以下となる部位が少なくとも存在し、
前記外層を形成する電極材料の組成は、Niが96質量%以上、Yと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種の合計が0.05質量%以上、Alが0.5質量%以下、及びSiが0.5質量%以上1.5質量%以下であること(ただし、Ni、Y、希土類元素、Al、Siの合計が100質量%を超えない。)を特徴とするスパークプラグである。
(2) 中心電極、及び前記中心電極との間に間隙を有する接地電極を備え、
前記接地電極は、少なくとも芯部と前記芯部を内包する外層と前記芯部と前記外層との間に前記芯部を覆うように設けられた中間層とを有するスパークプラグにおいて、
前記芯部は外層よりも熱伝導率の高い材料により形成され、前記中間層はCuを主成分とする金属材料により形成され、
前記接地電極が延びる方向に直交する断面での前記外層の厚みが0.5mm以下となる部位が少なくとも存在し、
前記外層を形成する電極材料の組成は、Niが96質量%以上、Yと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種の合計が0.05質量%以上、Alが0.5質量%以下、及びSiが0.5質量%以上1.5質量%以下であること(ただし、Ni、Y、希土類元素、Al、Siの合計が100質量%を超えない。)を特徴とするスパークプラグである。
前記(1)及び前記(2)の好ましい態様は、
)前記電極材料は、0.01質量%以上0.5質量%以下のCr、0.01質量%以上2.5質量%以下のMn、及び0.01質量%以上0.5質量%以下のTiからなる群より選択される少なくとも1種を含有する組成であり、
)前記電極材料は、0.01質量%以上0.5質量%以下のCr、0.01質量%以上2.5質量%以下のMn、及び0.01質量%以上0.5質量%以下のTiからなる群より選択される少なくとも2種を含有する組成であり、
)前記電極材料の組成は、Cが0.001質量%以上0.1質量%以下であり、
)前記電極材料の組成は、Yと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種の合計が0.45質量%以下であり、
)前記電極材料の組成は、Mnが0.05質量%以上であり、及びTiとVとNbとからなる元素群Aより選択される少なくとも1種が合計で0.01質量%以上であり、かつ
Mnの含有量(b)と元素群Aの合計含有量(a)との比(a/b)が0.02以上0.40以下であり、
)前記比(a/b)が0.03以上0.25以下であり、
)前記比(a/b)が0.05以上0.14以下であり、
10)前記電極材料の組成は、Alが0.01質量%以上0.1質量%以下であり、
11)前記電極材料の組成は、Crが0.05質量%以上0.5質量%以下であり、
12)前記電極材料は、Tiを含有する組成である。
前記課題を解決するための手段は、
(1) 中心電極、及び前記中心電極との間に間隙を有する接地電極を備え、
前記接地電極は、少なくとも芯部と前記芯部を内包する外層とを有するスパークプラグにおいて、
前記芯部は外層よりも熱伝導率の高い材料により形成され、前記材料はCu、Cu合金、Ag、又はAg合金であり、
前記接地電極が延びる方向に直交する断面での前記外層の厚みが0.5mm以下となる部位が少なくとも存在し、
前記外層を形成する電極材料の組成は、Niが96質量%以上、Yと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種の合計が0.05質量%以上、Alが0.5質量%以下、及びSiが0.5質量%以上1.5質量%以下、Mnが0.05質量%以上、TiとVとNbとからなる元素群Aより選択される少なくとも1種が合計で0.01質量%以上であり、かつ、Mnの含有量(b)と元素群Aの合計含有量(a)との比(a/b)が0.02以上0.40以下であること(ただし、Ni、Y、希土類元素、Al、Si、Mn、元素群Aの合計が100質量%を超えない。)を特徴とするスパークプラグである。
(2) 中心電極、及び前記中心電極との間に間隙を有する接地電極を備え、
前記接地電極は、少なくとも芯部と前記芯部を内包する外層と前記芯部と前記外層との間に前記芯部を覆うように設けられた中間層とを有するスパークプラグにおいて、
前記芯部は外層よりも熱伝導率の高い材料により形成され、前記中間層はCuを主成分とする金属材料により形成され、
前記接地電極が延びる方向に直交する断面での前記外層の厚みが0.5mm以下となる部位が少なくとも存在し、
前記外層を形成する電極材料の組成は、Niが96質量%以上、Yと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種の合計が0.05質量%以上、Alが0.5質量%以下、及びSiが0.5質量%以上1.5質量%以下、Mnが0.05質量%以上、TiとVとNbとからなる元素群Aより選択される少なくとも1種が合計で0.01質量%以上であり、かつ、Mnの含有量(b)と元素群Aの合計含有量(a)との比(a/b)が0.02以上0.40以下であること(ただし、Ni、Y、希土類元素、Al、Si、Mn、元素群Aの合計が100質量%を超えない。)を特徴とするスパークプラグである。
前記(1)及び前記(2)の好ましい態様は、
(3)前記電極材料は、0.01質量%以上0.5質量%以下のCr、2.5質量%以下のMn、及び0.01質量%以上0.5質量%以下のTiからなる群より選択される少なくとも1種を含有する組成であり、
(4)前記電極材料は、0.01質量%以上0.5質量%以下のCr、2.5質量%以下のMn、及び0.01質量%以上0.5質量%以下のTiからなる群より選択される少なくとも2種を含有する組成であり、
(5)前記電極材料の組成は、Cが0.001質量%以上0.1質量%以下であり、
(6)前記電極材料の組成は、Yと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種の合計が0.45質量%以下であり
(7)前記比(a/b)が0.03以上0.25以下であり、
)前記比(a/b)が0.05以上0.14以下であり、
)前記電極材料の組成は、Alが0.01質量%以上0.1質量%以下であり、
10)前記電極材料の組成は、Crが0.05質量%以上0.5質量%以下であり、
11)前記電極材料は、Tiを含有する組成である。
Figure 2012056599
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Claims (11)

  1. 中心電極、及び前記中心電極との間に間隙を有する接地電極を備え、
    前記接地電極は、少なくとも芯部と前記芯部を内包する外層とを有し、
    前記芯部は外層よりも熱伝導率の高い材料により形成されるスパークプラグにおいて、
    前記接地電極が延びる方向に直交する断面での前記外層の厚みが0.5mm以下となる部位が少なくとも存在し、
    前記外層を形成する電極材料の組成は、Niが96質量%以上、Yと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種の合計が0.05質量%以上、Alが0.5質量%以下、及びSiが0.5質量%以上1.5質量%以下であること(ただし、Ni、Y、希土類元素、Al、Siの合計が100質量%を超えない。)を特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記電極材料は、0.01質量%以上0.5質量%以下のCr、0.01質量%以上2.5質量%以下のMn、及び0.01質量%以上0.5質量%以下のTiからなる群より選択される少なくとも1種を含有する組成であることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記電極材料は、0.01質量%以上0.5質量%以下のCr、0.01質量%以上2.5質量%以下のMn、及び0.01質量%以上0.5質量%以下のTiからなる群より選択される少なくとも2種を含有する組成であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記電極材料の組成は、Cが0.001質量%以上0.1質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  5. 前記電極材料の組成は、Yと希土類元素とからなる群より選択される少なくとも1種の合計が0.45質量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  6. 前記電極材料の組成は、Mnが0.05質量%以上であり、TiとVとNbとからなる元素群Aより選択される少なくとも1種が合計で0.01質量%以上であり、かつ
    Mnの含有量(b)と元素群Aの合計含有量(a)との比(a/b)が0.02以上0.40以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  7. 前記比(a/b)が0.03以上0.25以下であることを特徴とする請求項6に記載のスパークプラグ。
  8. 前記比(a/b)が0.05以上0.14以下であることを特徴とする請求項6又は7に記載のスパークプラグ
  9. 前記電極材料の組成は、Alが0.01質量%以上0.1質量%以下であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  10. 前記電極材料の組成は、Crが0.05質量%以上0.5質量%以下であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  11. 前記電極材料は、Tiを含有する組成であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
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