JPWO2012046748A1 - 人工毛髪用繊維及びそれからなる頭髪装飾品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、130℃における収縮応力が70μN/dtex以下であるポリ塩化ビニル系樹脂繊維に関する。このポリ塩化ビニル系樹脂繊維20〜100重量%と、ヤング率4〜9GPaで130℃収縮率10%以下であり、ポリ塩化ビニル系樹脂を除く組成からなる熱可塑性樹脂繊維0〜80重量%を含む人工毛髪用繊維束を加工することで、スタイリング性に優れ、人毛に近い触感を有する人工毛髪用繊維及び人工毛髪製品が得られる。

Description

本発明は、スタイリング性に優れ、人毛に近い柔らかく滑らかな触感を有する人工毛髪用繊維、人工毛髪用繊維束、及び、それからなる頭髪装飾品、人工毛髪製品、さらには前記人口毛髪用繊維及び人工毛髪用繊維束を構成するポリ塩化ビニル系樹脂繊維に関するものである。
一般に市販されている人工毛髪用の合成繊維としては、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維、ポリエステル系樹脂繊維、モダアクリル系樹脂繊維など、多くの素材が存在する。これらの合成繊維はそれぞれが素材由来の優れた特性を有しており、各繊維の特性に応じて得意とする分野の頭飾製品に使用されてきた。さらに近年では各繊維を混ぜ合わせて一つの頭飾製品に使用し、各々の優れた特性を調和させて活かすことで、人毛品に比較的近い価値を有した商品も上市されてきている。例えばポリ塩化ビニル系樹脂繊維は人毛に近い柔らかな触感を有し、任意のスタイルに加工し易く毛の絡みも少ない。またポリエステル系樹脂繊維はコシが強く商品を装着して動いたときの弾力感に優れ、形態安定性が高いために使用耐久性に優れる。またモダアクリル系樹脂繊維は軽量でボリューム感が高く、表面凹凸を生かして自然な外観が得られる、などの特徴を有する。しかし一方で、素材の異なる繊維を混ぜ合わせて使用する場合には、各繊維の特性を充分に活かし切ることが難しく、合成繊維の頭飾製品では依然として人毛品に匹敵する商品価値を得られていないのが実状である。
素材の異なる繊維を混ぜ合わせて使用する際の最大の課題は、素材によって最適な加工温度が異なることにある。頭飾製品で商品価値を高めるためには、外観、触感、スタイリング性の3つの品質を何れも損なわずに向上させる必要があるが、これには各繊維の構成比率や繊維処理剤の選定に加えて、カール形状を付与する際に適正な温度で加熱することが重要となる。具体的には、適正な温度でカール形状を付与することによって、弾力性や形状保持力が向上し、これによって頭髪商品としての脈動感や使用耐久性を向上させることが出来る。さらに特定の繊維処理剤では、高温の熱を加えることによって繊維表面に繊維処理剤が馴染み、人毛に似た滑らかで保湿感(モイスチャー触感)を発現させることが可能となる。しかし一方で素材の最適温度から過度に高い温度で加熱すると、繊維間で融着が発生して柔軟性が失われ、熱収縮で繊維に屈曲が生じることでガサツキ気味の悪触感となる。また過度に低い温度で加熱すると充分に形状が保持出来なくなり、スタイリング性が低下することとなるが、相対的に高い温度で生じる課題の方が商品性の低下度が大きいため、素材の異なる繊維を混ぜ合わせる際には、耐熱性の最も低い素材の適正加工温度に合わせてカールを付与することが一般的である。
そして特にポリ塩化ビニル系樹脂は耐熱性が低く、温度の上昇に伴う品質の低下が顕著であるために、カール形状を付与する温度は80〜90℃に限定されていた。このため特にポリエステル系樹脂繊維などの高耐熱繊維を混合した場合には、ポリエステル系樹脂繊維の適正温度よりも加工温度が低いために、本来持っているカールの強さを活かすことが出来ない状況となっており、加えて繊維処理剤が本来有している触感の改良効果も充分には発現出来ない状態となっていた。しかしポリ塩化ビニル系樹脂繊維は、人毛に似たソフトで滑らかな触感、カール形状のスタイル性、そしてコストパフォーマンスなど、毛髪用繊維として非常に優れた特性を有するために同分野では外すことが困難な存在となっており、従来の技術では総合的な品質において充分に満足するレベルを得ることは出来ていなかった。
具体的には、例えば、特許文献1および2には、ポリエステル系樹脂繊維とハロゲン含有樹脂繊維、またはモダアクリル系樹脂繊維とポリ塩化ビニル系樹脂繊維を混ぜ合わせて100℃以上でカールを付与する例が記載されている。これらの技術は、異なる素材を混ぜ合わせて、その特性を生かすことによって、従来品よりも優れた商品性の発現に成功した。しかし、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維の性能が十分ではなかったため、触感の観点ではまだ改良の余地があり、人毛品に匹敵する商品性を提供するまでには至っていなかった。
さらに前述の課題を解決することを目的に、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維に関する幾つかの試みが行われているが、まだ充分な効果を得るには至っていない。
例えば特許文献3では、カールの付与条件の計算法が記されているが、単純に収縮率を低くするだけでは繊維屈曲の生成を抑える効果が充分ではなく、また高温条件では繊維が硬くなるなど、触感の概念が考慮されていないために毛髪用商品としては満足な品質を得ることが出来なかった。
また特許文献4では、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維の耐熱性を向上させる試みとして、高塩素含有率の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂を配合する例が記載されているが、収縮率を低減するだけでは毛髪用商品として満足な触感を得ることは出来なかった。
そして何れの特許文献も、繊維処理剤の効果を充分に得るための検討はされておらず、頭髪製品に求められる滑らかで保湿感のある触感が満足するレベルには至っていなかった。
特開2002−227019号公報 WO2005/082184号公報 特開2003−293213号公報 特許第4491414号公報
本発明は、スタイリング性に優れ、人毛に近い柔らかく滑らかな触感を有する人工毛髪用繊維及び人工毛髪製品を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維に収縮応力を低減させる改良を施した上で、必要に応じて耐熱性と剛性に優れる繊維を混ぜ合わせて、カール形状付与温度と収縮率、および繊維処理剤を選定して加工することで、前記の課題を解決した頭飾製品を作製出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。以下に、本発明の原理について説明する。
ポリ塩化ビニル系樹脂繊維は、前述のように主成分とするポリ塩化ビニル系樹脂の軟化温度が低いために、ガラス転移温度を超える90℃より高い温度で加工すると、収縮による繊維屈曲を生じて、ガサツキ気味の悪触感となる。この繊維屈曲は以下の原理で発生する。まずカール形状を付与する工程では、円筒形状のパイプに螺旋または同心円状に繊維束を捲き付け、その形態を保持した状態で所定時間加熱を行うことで捲き付け形状が繊維束に記憶され、その後冷却してパイプから繊維束を外すことで工程を完了する。この際に収縮差が大きい繊維が混合されていると、収縮の小さい繊維を収縮の大きい繊維が引っ張ることによって収縮率の小さい繊維に撓みが生じ、温度が高い場合にはその撓みが繊維屈曲となって触感悪化の原因となっていた。そして人間の触感では屈曲の角度が170°未満になるとガサツキ感を感じることを見出した。さらに、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維は、モダアクリル系樹脂繊維やポリエステル系樹脂繊維など他の繊維に対して、170°未満の角度の繊維屈曲が発生し易く、加えて繊維間の融着で柔軟性が失われるために、触感の悪化度が極めて大きいことを見出した。
そして発明者らが検討を重ねた結果、収縮率の高い繊維の収縮応力が小さい場合には、収縮率の低い繊維が支柱の役割を担って撓みが生じ難くなり、さらに収縮率の低い繊維の剛性が高い場合には収縮率の大きい繊維の収縮が抑制されて、繊維屈曲が発生し難くなることを見出した。そしてその原理を応用して、繊維屈曲の発生し易いポリ塩化ビニル系樹脂繊維の収縮応力を低減させ、必要に応じてポリ塩化ビニル系樹脂繊維よりも剛性が高く収縮の小さい例えばポリエステル系樹脂繊維を混合することにより、従来の90℃より高い温度でも繊維屈曲を増加させることなくカール形状を付与することに成功した。
またカール形状の付与温度を上げる効果は繊維処理剤の触感にも影響し、高温で加熱することで繊維処理剤と繊維表面の馴染みが向上し、特にアミノ変性シリコーン化合物を用いた場合には90℃以下でカール形状を付与した場合と比較して、繊維の滑らかさや保湿感の増幅効果が得られることを発見した。さらにアミノ変性シリコーン化合物はポリ塩化ビニル系樹脂繊維の繊維間融着を抑制する効果が得られることから、従来高温加熱時には低下していた繊維の柔軟性も確保することが可能となり、総合的に人毛に近い優れた触感を得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の要旨を有するものである。
本発明の特徴の一つは、130℃における収縮応力が70μN/dtex以下であるポリ塩化ビニル系樹脂繊維である。
本発明の別の特徴の一つは、130℃における収縮応力が70μN/dtex以下である人工毛髪用ポリ塩化ビニル系樹脂繊維である。
本発明の別の特徴の一つは、130℃における収縮応力が70μN/dtex以下であるポリ塩化ビニル系樹脂繊維20〜100重量%と、ポリ塩化ビニル系樹脂を除く組成からなる熱可塑性樹脂繊維0〜80重量%を含む人工毛髪用繊維束である。
本発明の別の特徴の一つは、130℃における収縮応力が70μN/dtex以下であるポリ塩化ビニル系樹脂繊維20〜100重量%と、ヤング率が4〜9GPaであり、130℃における収縮率が10%以下であり、ポリ塩化ビニル系樹脂を除く組成からなる熱可塑性樹脂繊維0〜80重量%を含む人工毛髪用繊維束である。
本発明の別の特徴の一つは、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維の130℃における収縮率が、熱可塑性樹脂繊維の130℃における収縮率より低くなく、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維の130℃における収縮率と、熱可塑性樹脂繊維の130℃における収縮率の差が6%以下であることを特徴とする人工毛髪用繊維束である。
本発明の別の特徴の一つは、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維及び熱可塑性樹脂繊維がアミノ変性シリコーン化合物を含む人工毛髪用繊維束である。
本発明の別の特徴の一つは、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維が重量平均分子量2000〜25000のポリアルキレンオキシド系化合物を0.07〜0.5omf%含む人工毛髪用繊維束である。
本発明の別の特徴の一つは、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維がシリコーン系化合物を0〜0.5omf%含む人工毛髪用繊維束である。
本発明の別の特徴の一つは、130℃における収縮応力が70μN/dtex以下であるポリ塩化ビニル系樹脂繊維20〜100重量%と、ポリ塩化ビニル系樹脂を除く組成からなる熱可塑性樹脂繊維0〜80重量%を含む人工毛髪用繊維束を加工して得られる人工毛髪製品である。
本発明は、スタイリング性に優れ、人毛に近い柔らかく滑らかな触感を有する人工毛髪用繊維及び人工毛髪製品が得られる。
本発明の製造例1−4に記載のポリ塩化ビニル系樹脂繊維に係る収縮応力の測定結果を示す図で、PVC−1が従来品、PVC−2〜4が本発明の改良品を示す。
以下に、本発明の詳細を説明する。
本発明の人工毛髪用繊維束は、130℃における収縮応力が70μN/dtex以下であるポリ塩化ビニル系樹脂繊維20〜100重量%、ヤング率が4〜9GPaであり130℃の収縮率が10%以下でありポリ塩化ビニル系樹脂を除く組成からなる熱可塑性樹脂繊維0〜80重量%からなることを特徴とする。
本発明における繊維束とは、1本20〜100dtexの単繊維を2本以上集合させたものを指し、単繊維の集合が崩れないように固定してもよく、また固定されていなくてもよい。人工毛髪用の合成繊維は、通常は数百mの連続した繊維束として製造され、商品加工時に任意の長さに切断し、繊維の混合やカール形状の付与などを行って製品化されるが、本発明における繊維束とは特に限定されず、特に指定がない場合には、たとえば、製造時の連続した繊維束、商品加工時に切断した繊維束、毛髪用製品内の繊維束、などを指す。
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維は、ポリ塩化ビニル系樹脂を主成分とする繊維であって、収縮応力が小さいことを特徴とする。一般に収縮応力は収縮率が大きいと高くなる傾向にあるが、潜在的な収縮歪があっても収縮時に発生する応力を小さくすることは可能であり、これによって繊維屈曲の発生を抑えることができる。収縮応力を低減させるには繊維製造時に例えば110℃以上の高温で長時間の緩和熱処理を行う方法が有効で、同じ収縮率であっても収縮応力を下げることができる。しかし、収縮応力を低減させる方法はこれに限らず使用できる。ポリ塩化ビニル系樹脂繊維において収縮応力は、一般的に図1のように130℃付近にピークを有し、本発明における収縮応力の好ましい値は、具体的には、130℃における収縮応力が70μN/dtex以下がよく、好ましくは50μN/dtex以下、さらに好ましくは40μN/dtex以下がよい。収縮応力が70μN/dtexを超えると、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維を支えて収縮を抑制する熱可塑性樹脂繊維の効果が充分では無くなるために、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維に撓みが生じ、繊維屈曲が発生して触感が悪化する。
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維は、人工毛髪用ポリ塩化ビニル系樹脂繊維として好適に用いることができる。
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維の、人工毛髪用繊維束における構成比率は20〜100重量%、好ましくは30〜75重量%、さらに好ましく40〜60重量%である。人工毛髪用繊維束における構成比率が20重量%より低いと、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維の有する柔軟な触感やスタイル性が不足して満足な商品性が得られず、商品性が低下する傾向にある。
また本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維として、商品に加工する前の繊維束の状態において、重量平均分子量2000〜25000のポリアルキレンオキシド系化合物を0.07〜0.5omf%、およびシリコーン系化合物を0〜0.5omf%繊維の表面に担持したものを好適に使用することができる。
繊維の表面に担持するとは、特定の化合物が繊維の表面層に付着している状態を指し、繊維内部に浸透して除去出来なくなった成分に関しては対象外とする。本発明においては、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維の内部まで浸透しない溶剤としてエタノール/シクロヘキサン=50wt%/50wt%を用い、この溶剤に繊維を浸漬した際に抽出される化合物の重量を担持量として扱う。
前述した繊維の収縮応力を低減させる方法として、緩和熱処理の温度を高くした場合、従来の毛髪用ポリ塩化ビニル系樹脂繊維では繊維間で融着が発生して、素材が有する人毛に近いソフトな触感を得られなくなる問題があった。これは通常融着を抑制する目的で使用される工程油剤の性能が充分でないために発生する。ポリ塩化ビニル系樹脂繊維では、工程油剤として、非イオン系の界面活性剤、カチオン系の界面活性剤、エステル油などの油成分、などからなる混合エマルジョンが使用されてきたが、これらの油剤成分は何れも重量平均分子量が1500未満の低分子成分であった。これは高分子量の成分を用いた場合には、ベトツキ気味の触感となり、商品加工時に別の油剤を乗せ換える場合も充分に洗浄することが難しいために、最終商品においても満足な触感を得られなく問題があったからである。しかし発明者らが検討を重ねた結果、重量平均分子量1500未満の繊維処理剤成分は、塩化ビニル系樹脂繊維の表面に担持させた状態で100℃以上で加熱すると、繊維内部に徐々に浸透して、繊維表面層の残存量が大きく低下することで融着抑制効果が低減し、さらに繊維内部に浸透した油成分が可塑化効果を発現することで、繊維間融着の促進や収縮応力の増加を招くことを発見した。そこで検討を重ねた結果、重量平均分子量2000〜25000のポリアルキレンオキシド系化合物を工程油剤として用いた場合には、油剤が繊維内部に浸透することはなく、120℃以上の高温で保持しても充分な融着抑制効果を発現できることを見出した。さらに同油剤は、付着量を調整することで触感のベトツキ感が改良され、少ない付着量でも櫛通り性や静電気抑制効果が良好であった。
本発明に用いるポリアルキレンオキシド系化合物として、活性水素基を2個有する有機化合物にエチレンオキシドを含有するアルキレンオキシドを付加重合せしめたポリアルキレンオキシド化合物を好適に用いることができる。活性水素基を2個有する有機化合物としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、アニリン等が例示できる。これらの中から少なくとも1以上の化合物を好適に用いることができる。エチレンオキシドを含有するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシドおよび炭素数3〜30のアルキレンオキシドであり、例えばプロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、α−オレフィンエポキシド又はグリシジルエーテル類を用いることができる。これらの中から少なくとも1以上の化合物を好適に用いることができる。この中で触感の観点では炭素数は少ない方が好ましいが、融着抑制効果を得るには室温で流動性を有することが必要となることから、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体が好ましい。またアルキレンオキシドの付加重合は公知の方法に従って行うことができ、ランダムタイプでもブロックタイプでもよい。また分子量は重量平均分子量で2000〜25000がよく、好ましくは5000〜20000、さらに好ましくは10000〜18000である。重量平均分子量が2000より小さいと、加熱時に繊維内部に浸透して融着抑制効果が低減するために繊維の触感が硬くなり、25000より大きいと付着量を調整してもベトツキ気味の悪触感となる。また触感と帯電防止効果を両立させるために、前述の範囲で異なる重量平均分子量のポリアルキレンオキシド化合物を混合してもよい。
本発明に用いるポリアルキレンオキシド系化合物の繊維に対する担持量は0.07〜0.5omf%がよく、好ましくは0.07〜0.3omf%、さらに好ましくは0.1〜0.2omf%である。繊維に対する担持量が0.07より少ない場合には、融着抑制効果が不足するために繊維が硬くなり、また櫛通り性や静電気抑制効果が不十分となる。また繊維に対する担持量が0.5omf%より多いとベトツキ気味の悪触感となり、また繊維が過度に収束してボリューム感が低減する。
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維には、ポリアルキレンオキシド系化合物に加えてシリコーン系化合物を担持させてもよい。特定の粘度を有するシリコーン系化合物は、ポリアルキレンオキシド系化合物と同様に繊維内部に浸透することがなく、かつ高い融着抑制効果を得られる。さらにシリコーン系化合物がアミノ変性シリコーン系化合物の場合、前述のように高温で熱処理を行うことで良好な触感が得られ、特に緩和熱処理工程では張力のある状態で加熱するために繊維屈曲が生成しないことから、カール形状付与時よりも高い温度で加熱が可能であり、より高い触感の改良効果が得られる。但しシリコーン系化合物は帯電効果が大きいために、単独で油剤として使用することは出来ず、ポリアルキレンオキシド系化合物と併用して用いる必要がある。
本発明に用いるシリコーン系化合物として、23℃で液体の直鎖状ポリジメチルシロキサン、あるいは同ポリジメチルシロキサンにアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、ポリエーテル基、チオール基を側鎖に導入させ、分子の末端はメチル基、あるいは水酸基とした、一般にシリコーンオイルと称される化合物を好適に用いることができる。また繊維表面には複数のシリコーン化合物を混合してもよく、エマルジョンの安定性を保てる範囲で上記官能基を有するシルセスキオキサンを混合してもよい。この中で好ましくは、ポリジメチルシロキサン、アミノ基変性ジメチルシロキサン、エポキシ変性ジメチルシロキサンであり、さらに好ましくはアミノ変性ジメチルシロキサンとジメチルシロキサンである。アミノ変性ジメチルシロキサンは他のシリコーン化合物よりも比較的低温で繊維表面との馴染みが良くなり良好な触感を得ることができ、これに任意の割合でジメチルシロキサンを加えることによって、より滑らかな触感を得ることができる。またシリコーン化合物の中でシリコーンオイルは一般的に分子量を動粘度で規定する場合が多いが、本発明において好ましい動粘度は25℃において500〜20000mm2/sで、さらに好ましくは1000〜10000mm2/sである。動粘度が500mm2/sより低いと繊維内部に浸透する量が多くなるために、融着抑制効果が不足して繊維が硬くなり、20000mm2/sよりも高いと繊維表面に均一に付着させることが難しくなり、融着抑制効果と触感改良効果を充分に得ることが出来なくなる。
本発明に用いるシリコーン化合物の繊維に対する担持量は0〜0.5omf%がよく、好ましくは0.02〜0.3omf%、さらに好ましくは0.05〜0.2omf%である。繊維に対する担持量が0.5omf%よりも多い場合には、帯電効果が大きいために静電気が発生して繊維の加工時に単繊維が絡むなどの問題が出る。
また本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維は、ポリアルキレンオキシド系化合物とシリコーン系化合物以外にも帯電防止剤や平滑剤を加えてもよいが、繊維に浸透して可塑化効果を発現する鉱物油やエステル油などの油成分の付着量は少ない方がよく、油成分の好ましい付着量は0.15omf%以下、さらに好ましくは0.07omf%以下である。
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維は、配合や製造方法においては、特に限定されず従来公知の製造方法を用いて作製することが出来るが、毛髪用繊維に適した繊度や繊維の断面形状を得るために、同分野の製造方法を用いることが好ましい。以下にその一例を説明する。
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維は、ポリ塩化ビニル系樹脂を主成分する繊維であって、繊維の透明性等の品質や紡糸安定性を損なわない限りで、目的に応じて塩化ビニル系組成物に使用される公知の配合剤を加えることが出来る。具体的には例えば、塩素化塩化ビニル樹脂やAS樹脂等の耐熱性向上剤、金属石鹸系熱安定剤、βジケトンやホスファイト、ポリオール等の安定化助剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填剤、難燃剤、顔料等を使用する事ができる。また場合によっては発泡剤、架橋剤、粘着性付与剤、導電性付与剤、香料等特殊な配合剤を使用する事もできる。
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維に使用するポリ塩化ビニル系樹脂は、従来公知の塩化ビニルの単独重合物であるホモポリマー樹脂、または従来公知の各種のコポリマー樹脂など、特に限定されるものではない。コポリマー樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニルコポリマー樹脂などの塩化ビニルとビニルエステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリル酸2エチルヘキシルコポリマー樹脂などの塩化ビニルとアクリル酸エステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニル−エチレンコポリマー樹脂、塩化ビニル−プロピレンコポリマー樹脂などの塩化ビニルとオレフィン類とのコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー樹脂などが代表的に例示される。好ましい塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルの単独重合物であるホモポリマー樹脂があげられる。該コポリマー樹脂において、コモノマーの含有量は特に限定されず、繊維への成型加工性、繊維の特性などに応じて決めることができる。ただし、コポリマー樹脂の軟化温度が低い場合には、耐熱性の低下する原因となるため、塩化ビニルの単独重合物であるホモポリマー樹脂と混合して用いることが好ましい。
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維に使用する塩化ビニル系樹脂の粘度平均重合度は、繊維としての十分な強度、耐熱性を得るためには、450以上が好ましい。また適切なノズル圧力の下で、安全な繊維の製造を行うには、重合度は1800以下が好ましい。これら成型加工性と繊維特性を達成するために、塩化ビニルのホモポリマー樹脂を使用する場合は、粘度平均重合度が650〜1450の領域が特に好ましい。コポリマーを使用する場合は、コモノマーの含有量にも依存するが、粘度平均重合度は、1000〜1700の領域が特に好ましい。なお、前記粘度平均重合度は、樹脂200mgをニトロベンゼン50mlに溶解させ、このポリマー溶液を30℃恒温槽中、ウベローデ型粘度計を用いて比粘度を測定し、JIS−K6721により算出したものである。
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維に使用する塩化ビニル系樹脂は、乳化重合、塊状重合または懸濁重合などによって製造することができる。繊維の初期着色性などを勘案して、懸濁重合によって製造した重合体が好ましい。
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維に使用する塩化ビニル系樹脂として、塩素化塩化ビニル系樹脂を使用することもできる。塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂を原料とし、これに塩素を反応せしめ、塩素含有量を58〜72%に高めたものを使用する。塩素化して塩素含有量が増えることにより、樹脂の耐熱性が上がるので、塩素化塩化ビニル系樹脂を使用することで、繊維の収縮を抑える効果がある。塩素化塩化ビニル系樹脂の粘度平均重合度(原料塩化ビニル系樹脂の粘度平均重合度)は、300〜1100であることが好ましく、該粘度平均重合度が300未満であると、繊維の熱収縮率を低下せしめる効果が小さくなるので収縮率のやや高い繊維となる。逆に、該粘度平均重合度が1100を超えると、溶融粘度が高くなり、紡糸時のノズル圧力が高くなるため安全操業が困難になる傾向がある。特に好ましくは、粘度平均重合度は500〜900のものが良い。また前記塩素含有率については58%未満であると繊維の熱収縮率を低下せしめる効果が小さくなり、逆に72%を超えると、溶融粘度が高くなって安定操業が困難となる傾向があり好ましくない。
塩素化塩化ビニル系樹脂は、紡糸時の糸切れ、熱による糸の着色の点で、単独で使用するよりも、塩化ビニル樹脂と混合して使用するのが好ましい。塩化ビニル樹脂100〜60重量%に対して、塩素化塩化ビニル系樹脂0〜40重量%の比率で混合するのが好ましく、さらには塩化ビニル樹脂90〜70重量%に対して、塩素化塩化ビニル系樹脂10〜30重量%の比率で混合することが好ましい。塩素化塩化ビニル系樹脂が40重量%を超えると、紡糸時に糸切れが起こりやすくなる。
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維に使用する安定剤としては、従来公知のものが使用できるが、中でも錫系熱安定剤、Ca−Zn系熱安定剤、ハイドロタルサイト系熱安定剤、エポキシ系熱安定剤、β−ジケトン系熱安定剤から選択される少なくとも1種の熱安定剤が好ましい。熱安定剤は0.2〜5重量部使用するのが好ましく、さらに好ましくは1〜3重量部である。0.2重量部未満では、熱安定剤としての効果が乏しい。5重量部を超えても、熱安定性が大きく改善されず、経済的に不利である。
前記熱安定剤の添加により、紡糸時に樹脂の熱分解が防止されるため、繊維の色調が低下せず、安定して紡糸することができる(ロングラン紡糸性)などの効果を示す。前記ロングラン紡糸性とは、数日間にわたって紡糸工程を止めることなく安定して連続運転でき、繊維を生産できる性質のことである。ロングラン紡糸性が低い樹脂組成物は、運転開始後、比較的短時間のうちに、例えばプレートアウトなどで糸切れが起こり始めたり、ダイ圧が上昇し始めたりして、ブレーカプレートやノズルを交換、再スタートする必要があり、生産効率が悪い。前記繊維の色調の低下とは、紡糸時における繊維の初期着色のことである。
熱安定剤の中で、錫系安定剤としては、ジメチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプタイド、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプトポリマー、ジオクチル錫メルカプトアセテートなどのメルカプト錫系熱安定剤、ジメチル錫マレエート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫マレエート、ジオクチル錫マレエートポリマーなどのマレエート錫系熱安定剤、ジメチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレート、ジオクチル錫ラウレートなどのラウレート錫系熱安定剤を例示できる。Ca−Zn系熱安定剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどを例示できる。ハイドロタルサイト系熱安定剤としては、例えば協和化学工業株式会社製のアルカマイザーなどがあげられる。エポキシ系熱安定剤としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などがあげられる。βジケトン系熱安定剤としては、例えば、ステアロイルベンゾイルメタン(SBM)、ジベンゾイルメタン(DBM)などがあげられる。
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維に使用する滑剤は、従来公知のものを用いることができるが、特に金属石鹸系滑剤、ポリエチレン系滑剤、高級脂肪酸系滑剤、エステル系滑剤、高級アルコール系滑剤からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。該滑剤は、組成物の溶融状態、ならびに組成物と押出し機内の、スクリュー、シリンダー、ダイスなどの金属面との接着状態を制御するために有効である。滑剤は塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.2〜5重量部使用するのが好ましい。さらに好ましくは1〜4重量部である。0.2重量部未満になると、紡糸時にダイ圧上昇、吐出量低下により生産効率が低下し、更には糸切れやノズル圧力の上昇などが起こりやすくなり、安定生産が困難になる。5重量部を越えると、吐出量低下、糸切れ多発などにより、0.2重量部未満時と同様に安定生産が困難になり、また透明感のある繊維が得られない傾向にあり好ましくない。
金属石鹸系滑剤としては、例えば、Na、Mg、Al、Ca、Baなどのステアレート塩、ラウレート塩、パルミテート塩、オレエート塩などの金属石鹸が例示される。高級脂肪酸系滑剤としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、カプリン酸などの飽和脂肪酸、オレイン酸などの不飽和脂肪酸、またはこれらの混合物などが例示される。高級アルコール系滑剤としては、ステアリルアルコール、パルミチルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコールなどが例示される。エステル系滑剤としては、アルコールと脂肪酸からなるエステル系滑剤やペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトールと高級脂肪酸とのモノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル、またはこれらの混合物などのペンタエリスリトール系滑剤やモンタン酸とステアリルアルコール、パルミチルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコールなどの高級アルコールとのエステル類のモンタン酸ワックス系滑剤が例示される。
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維を製造する際には、目的に応じてさらに、例えば、加工助剤、艶消し剤、充填剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料などを使用することができる。
これらの中でも、柔軟な触感を得るためのエチレン−酢酸ビニル系(EVA)樹脂、例えば日本ユニカー(株)製のPES−250など、また押し出し加工性をさらに改善するためのアクリル系樹脂、例えば、(株)カネカ製のPA−20などを添加しても良い。
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂繊維は、繊維化工程においては公知の溶融紡糸法を用いることができる。例えば、塩化ビニル系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂、熱安定剤、滑剤を所定の割合で混合し、ヘンシェルミキサーなどで攪拌混合した後、押出し機に充填し、シリンダー温度150〜190℃、ノズル温度180±15℃の範囲で、紡糸性の良い条件で樹脂を押出し、溶融紡糸を行い、未延伸糸を得る。
また、前記未延伸糸を紡糸にする際には、従来公知の押出し機を使用できる。例えば単軸押出し機、異方向2軸押出し機、コニカル2軸押出し機などを使用できるが、特に好ましくは、口径が35〜85mmφ程度の単軸押出し機または口径が35〜50mmφ程度のコニカル押出し機を使用するのが良い。この際使用するノズルの孔形状は、最終断面形状に近似した形とするが、紡糸時のダイスウェルや延伸などによって形状寸法は微妙に変化するため、それらを考慮して調整したものを使用する。ノズル孔形状は特に限定されず、円型、扁平楕円型、眼鏡型、繭型、星型、C字型、H字型、T字型、Y字型、十字型、5角型、6角型、8角型などが選択できる。この中で剛性が著しく増加しないことが望ましく、好ましくは扁平楕円型、眼鏡型、繭型、更に好ましくは眼鏡型、繭型がよい。
押し出されたフィラメントをノズル直下に設けた加熱紡糸筒内(200〜300℃雰囲気で紡糸性の良い条件)で約0.5〜1.5秒熱処理し、生成した未延伸糸は引き取りロールによって延伸工程に送られる。次に、引き取りロールと延伸ロールとの間で未延伸糸を100〜130℃に温度調整した熱風循環箱を通して約2〜4倍に延伸する。
次に110〜150℃に温度調整した熱風循環箱の中に設置した2対の円錐形ロール間を引き回し、連続的に20〜50%程度の緩和処理を実施し、マルチフィラメントを巻き取ることで本発明の繊維が製造される。この際に収縮応力を低減させるために、熱処理温度は高いことが望ましく、好ましくは120〜145℃、さらに好ましくは130〜140℃がよい。熱処理温度が110℃より低いと、130℃における収縮応力を充分に低減することが出来なくなるために、繊維屈曲が生じて商品性が低下し、150℃より高いとポリアルキレンオキシド化合物を担持させても繊維間の融着を充分に抑制することが難しくなり触感が硬くなる。
また分子内の歪を低減するために緩和速度は極力遅くすることが望ましく、好ましくは1分あたり緩和率10%以下にすることが好ましく、さらには1分あたり緩和率8%以下とすることが好ましい。緩和速度が1分あたり緩和率10%を超えると、繊維内の歪を充分に除去することが出来なくなるために、繊維収縮で繊維屈曲が生成しやすくなり、触感が悪化する。さらに緩和熱処理時間は2〜60分が好ましく、さらには4〜20分が好ましい。熱処理時間が2分より短いとマルチフィラメント間の収縮率を揃えることが難しくなり、60分より長いとポリアルキレンオキシド化合物を担持させても繊維間の融着を充分に抑制することが難しくなり触感が硬くなる。
また収縮率を調整するために、緩和熱処理後の繊維にさらに0.1〜4%の範囲で延伸を加えてもよい。さらに軽度の繊維間融着を解すために、緩和熱処理後に工程内にニップロールや屈折箇所を導入しても良い。
本発明の人工毛髪用繊維を構成する単繊維の繊度は、通常の人工毛髪用繊維と同様に20〜100dtexであることが好ましく、40〜90dtexであることがさらに好ましい。20dtexより細いと商品加工後のカールが弱くなり、スタイル性が著しく低下する。また100dtexより太い場合には、繊維の剛性が高くなり触感が硬くなる。
本発明に用いる熱可塑性樹脂繊維は、ヤング率が4〜9GPaであり、130℃の収縮率が10%以下であり、ポリ塩化ビニル系樹脂を除く組成からなり、人工毛髪用繊維束における構成比率が0〜80重量%であることを特徴とする。
熱可塑性樹脂繊維は、本発明においてポリ塩化ビニル系樹脂繊維の収縮を抑えて触感の悪化を防ぐ役割を持ち、収縮応力を吸収できるだけの剛性を有する必要がある。剛性はヤング率を指標とすることができる。本発明における熱可塑性樹脂繊維は、ヤング率が4〜9GPaである必要があり、好ましくは4.5〜8GPa、さらに好ましくは5〜7GPaである。ヤング率が4GPaより小さいと、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維の収縮を抑制する効果が充分に得られず、繊維屈曲生成によって触感が悪化する。またヤング率が9GPaより大きいと、毛髪用繊維としてコシ感が強すぎるために触感やスタイル性が悪化する。
また熱可塑性樹脂繊維は、カール形状付与温度で軟化して変形しないことが必要であり、その指標として130℃の収縮率を用いることが出来る。なお本発明における収縮率の測定には単繊維を束ねて総繊度15000〜25000dtexとした繊維束を用い、合計20回の平均値を用いることとする。この際に同じ繊維内でも収縮率の変動幅が大きい場合には、繊維屈曲生成の原因となる。したがって、平均収縮率から2%以上収縮差のある繊維が同じ繊維内で30%以上を占める場合には、良好な触感を保てなくなる恐れがあるため、使用しないことが好ましい。本発明に用いる熱可塑性樹脂繊維は130℃の収縮率が10%以下である必要があり、好ましくは4%以下、さらに好ましくは1%以下である。130℃の収縮率が10%より高いと、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維の収縮を抑制する効果が充分に得られず、繊維屈曲生成によって触感が悪化する。
本発明に用いる熱可塑性樹脂繊維の、人工毛髪用繊維束における構成比率は0〜80重量%、好ましくは25〜70重量%、さらに好ましくは40〜60重量%である。人工毛髪用繊維束における構成比率が80重量%より高いと、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維の有する柔軟な触感やスタイル性を充分に得ることが出来ず、商品性が低下する。
本発明に用いる熱可塑性樹脂繊維は、ポリ塩化ビニル系樹脂を除く熱可塑性樹脂であれば、組成は特に限定されない。ポリ塩化ビニル系樹脂繊維の場合には、例えば無機物を配合することで剛性を上げることは可能であるが、前述のように撓みが生じた際の繊維屈曲がシャープになる特性を持つことから、触感の悪化を防ぐことは困難である。熱可塑性樹脂繊維に使用される組成としては、具体的には、例えば、アクリロニトリル系樹脂、モダアクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェレンスルフィド系繊維、テフロン(登録商標)樹脂などが挙げられる。この中で毛髪用繊維として違和感なく混ぜられる観点から、好ましくはアクリロニトリル系樹脂、モダアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、さらに好ましくはモダアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が用いられる。またこれらの組成は数種類を混ぜ合わせてもよく、さらには芯鞘構造などの多層構造を有する複合組成の繊維としてもよい。
本発明に用いる熱可塑性樹脂繊維は、LOI値が25以上であることが好ましい。毛髪用製品はその使用目的から難燃性が要求され、消化性能を有するポリ塩化ビニル系樹脂繊維を多く混ぜることで一定の難燃性は得られる。本発明は可燃性のアミノ変性シリコーン化合物を繊維束に担持させるのに適した人工毛髪用繊維束を提供することを特徴としており、人工毛髪用繊維束が高いレベルの難燃性を有していることが望ましい。このため熱可塑性樹脂繊維も繊維自身に難燃性能を有していることが望ましく、その指標としてLOI値が用いられる。
本発明に用いる熱可塑性樹脂繊維のLOI値は25以上が好ましく、さらに好ましくは27以上である。LOI値が25より低いと、繊維束として充分な難燃性を有することができず、着火して延焼する可能性がある。LOI値を25以上とする手段としては、モダアクリル系樹脂やポリフェニレンスルフィド系樹脂などの難燃性の樹脂を用いる方法、ならびに各種の難燃剤を樹脂に配合する方法がある。本発明の熱可塑性樹脂繊維に使用できる難燃剤は光沢と色相を損なわない範囲であれば特に限定されないが、具体的には例えば、リン系難燃剤、臭素含有ポリマー、塩素含有ポリマーなどが使用できる。また必要に応じてアンチモン化合物などの難燃助剤も適宜使用することが出来る。
また本発明に用いる熱可塑性樹脂繊維は、前記条件のヤング率、収縮率、LOI値を満たす繊維であれば、複数の異なる繊維を混ぜ合わせてもよい。例えば、人工毛髪用繊維束の外観や触感、ボリューム感などの機能性を向上させる目的で、比重の軽い繊維や国際公開公報WO2005/082184号明細書記載のアクリル合成繊維のように表面凹凸を有する繊維などを用いることが出来る。
本発明では、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維と熱可塑性樹脂繊維を混ぜ合わせた繊維束を毛髪用商品に加工する際に、アミノ変性シリコーン化合物を繊維束表面に担持させることにより、95〜130℃でカール形状を付与することを可能とする。
本発明に用いるアミノ変性シリコーン化合物は、人毛に似た滑らかで保湿感を発現させる役割をもつ。さらにシリコーン化合物を含まない従来の油剤を用いたポリ塩化ビニル系樹脂繊維は、95℃以上で加熱すると繊維間で融着が発生して毛髪用製品の触感の硬くなる課題があるが、アミノ変性シリコーン化合物はその融着を抑制させる役割をもつ。
本発明に用いるアミノ変性シリコーン化合物は、直鎖状ポリジメチルシロキサンの側鎖にイミノ基またはアミノ基が存在する23℃で液体のオイル状化合物で、アミノ基が繊維表面に吸着することで通常のジメチルシリコーン化合物よりも繊維に効率よく単分子膜的に付着し、繊維の表面エネルギーを低減化して摩擦抵抗を下げることで、人毛で好まれる滑らかで保湿感を有する良好なモイスチャー触感を得ることが出来る。但しシリコーン化合物のアミノ基が多すぎると、オイルの表面張力が増加して摩擦抵抗低減効果が減少し、親水性が増加して汗や雨などで繊維表面から流れ落ちることから使用耐久性が低下するため、最適なアミノ基量を選択する必要がある。本発明のアミノ変性シリコーン化合物における適切なアミン当量は1000〜20000g/molで、好ましくは1250〜10000g/mol、さらに好ましくは1500〜5000g/molである。アミン当量が1000g/molより低いと、アミン基が多すぎるために触感や使用耐久性が低下し、アミン当量が20000g/molより高いと繊維との吸着量が低下してやはり触感が低下する。またアミノ変性シリコーン化合物の分子末端は、メチル基、水酸基、アミノ基の何れでも問題はなく、液状を保てる範囲でアミノ変性のシルセスキオキサンを加えてもよい。
本発明は、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維と熱可塑性樹脂繊維を組み合わせることで、95〜130℃でカール形状を付与することを可能とし、このように高温で加熱することによってアミノ変性シリコーン化合物は、繊維表面への吸着が最適化されることになる。これによって従来の90℃加熱時と比較して、さらに滑らかさと繊維表面からの耐脱落性が改良され、触感と使用耐久性が向上することとなる。但しアミノ変性シリコーンの分子量が低い場合には、繊維内部に浸透して本来の改質効果が低減されることとなるため、最適な分子量を選択する必要がある。シリコーン化合物の中でシリコーンオイルは一般的に分子量を動粘度で規定する場合が多いが、本発明のアミノ変性シリコーン化合物において、好ましい動粘度は25℃において500〜20000mm2/sで、さらに好ましくは1000〜10000mm2/sである。動粘度が500mm2/sより低いと繊維内部に浸透する量が多くなるために触感の改良効果が充分ではなくなり、10000mm2/sよりも高いと繊維表面に均一に付着させることが難しくなることから、やはり触感の改良効果が低下する。
本発明に用いるアミノ変性シリコーン化合物を繊維に担持させる方法は特に限定されないが、例えば、水を溶媒とする乳化エマルジョンとしてから、繊維を浸漬させ、遠心脱水にて繊維への残存量を調整することで繊維表面に担持させる方法などがある。水を溶媒のとする乳化エマルジョンとする際には、界面活性剤などを用いて固形分濃度が5〜25%なるように乳化し、必要に応じて酢酸などで中和を行ってから使用する。この際、帯電防止剤や平滑剤を併用してもよい。好ましい併用成分としては、平滑効果や帯電防止効果を有し、エマルジョン化の界面活性剤としても機能する非イオン性界面活性剤があげられる。
また繊維をアミノ変性シリコーン化合物のエマルジョンに浸漬する前に、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維、熱可塑性樹脂繊維の繊維表面に付着している余分な繊維処理剤を除くため、界面活性剤を用いて洗浄を行ってもよい。
本発明に用いるアミノ変性シリコーン化合物の繊維に対する担持量は0.05〜0.8omf%がよく、好ましくは0.1〜0.6omf%、さらに好ましくは0.2〜0.4omf%である。繊維に対する担持量が0.05omf%よりも少ない場合には、触感の改良効果が小さく、0.8omf%よりも多い場合には繊維が過度に収束してボリューム感が低下して商品性が低下する。
本発明の人工毛髪用繊維束は、95〜130℃でカール形状を付与することを特徴とし、該温度におけるポリ塩化ビニル系樹脂繊維の収縮率が熱可塑性樹脂繊維の収縮率より低くない関係にあり、かつポリ塩化ビニル系樹脂繊維と熱可塑性樹脂繊維の収縮率の差が6%以下であることを特徴とする。
カール形状を付与する方法は、特に限定されないが、例えば、円筒形状のパイプに螺旋または同心円状に繊維束を捲き付け、その形態を保持した状態で所定温度において所定時間の加熱を行うことで捲き付け形状が繊維束に記憶され、その後冷却してパイプから繊維束を外す方法などを用いることが出来る。このときのパイプの口径は商品スタイルによって任意に選択することが出来るが、本発明では熱可塑性樹脂繊維がポリ塩化ビニル系樹脂繊維に密着することで複数の支点をつくり、該支点でポリ塩化ビニル系樹脂繊維を支えることで、収縮を抑制する効果を発現する。このため各繊維が密着するようにパイプに対して繊維束を圧着する必要があり、その方法としては、繊維束の片末端をパイプに固定した状態で張力を保ちながらパイプに捲き付ける方法や、敷き紙を使ってパイプに捲き付ける方法などを用いることが出来る。また円形のカール形状以外にも、真っ直ぐなストレート系のスタイルにも適用出来るが、その場合には繊維を密着させるために両端を縛るか、全体を板で挟み込むなどの方法を用いる必要がある。
カール形状を付与する温度は、高温にするとスタイル性の改良効果やアミノ変性シリコーンの触感改良効果が増幅されるが、一方で過度に温度を高くするとポリ塩化ビニル系樹脂繊維が熱で融着して触感が硬くなる。このため双方のバランスをみて95〜130℃の範囲で温度を設定する必要があり、好ましい温度としては100℃〜120℃、さらは105℃〜115℃とすることが好ましい。カール形状の付与温度が95℃よりも低いと、触感の改良効果が充分でなく、かつ熱可塑性樹脂繊維の最低加工温度よりも低いためにポリ塩化ビニル系樹脂繊維単独よりもスタイル性の悪化する場合がある。またカール形状の付与温度が130℃よりも高いと、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維が軟化温度を大きく超えるために繊維間の融着を繊維処理剤だけで抑えることが難しくなり、触感が硬くなって商品性が低下する。
また該温度範囲内であっても、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維と熱可塑性樹脂繊維の収縮差が大きいと、熱可塑性樹脂繊維が撓んで繊維間の圧着力が低下することで、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維に繊維屈曲が生じて触感が悪化する。このためカール付与温度におけるポリ塩化ビニル系樹脂繊維の収縮率と熱可塑性樹脂繊維の収縮率の差は6%以下である必要があり、好ましくは4%以下、さらに好ましくは3%以下がよい。ポリ塩化ビニル系樹脂繊維と熱可塑性樹脂繊維の収縮差が6%を超えると、熱可塑性樹脂繊維が撓んで繊維間の圧着力が低下し、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維に繊維屈曲が生じて触感が悪化する。また熱可塑性樹脂繊維は複数の組成の繊維から構成されていてもよいが、何れの組成の繊維も上記収縮率の関係を満たす必要がある。
以下に実施例を示して、本発明の具体的な実施態様をより詳細に説明するが、本発明は、この実施例のみに限定されるものではない。
(実験例1)収縮率
各繊維の混合前、あるいは混合された繊維束から1つの素材の単繊維を選り分けて束ね、総繊度18000±3000dtexの繊維束を作製した。その繊維束を40cmの長さに切断して、両端から5cmの位置にマーキングを行い、片端のみを固定した状態で、所定の温度で30分間乾燥条件下で加熱を行い、室温にて冷却を行った。冷却後の繊維束のマーキング間の長さを測定して元の長さ30cmに対する比率から収縮率を求めた。この測定を合計20回実施し、その平均値を試料の収縮率とした。なお実際の毛髪製品では試料が40cmより短い場合があるため、サンプリング可能な長さに応じてマーキング間の長さは短く出来るものとした。
(実験例2)油剤担持量
繊維束から繊維を取り出して重量を測定した後に、エタノール/シクロヘキサン=50%/50%の混合溶媒に20分間浸漬させ、混合溶媒から繊維を取り出した後に混合溶媒を120℃で加熱して気化させ、気化しなかった化合物の残分の重量を測定した。その値を元にして次の式で繊維への担持量を求めた。化合物の残重量/(繊維重量−化合物残重量)×100=化合物の繊維表面の担持量(omf%)。
(実験例3)ヤング率
A&D(株)社製テンシロン万能試験機(RTC−1210A)を用いて、引張り速度20cm/分の条件で応力−歪み曲線からヤング率の値を求め、N=20の平均値を試料のヤング率とした。
(実験例4)収縮応力
セイコー電子工業(株)製SSC5200H熱分析TMA/SS150Cを用いて、繊維の熱収縮応力を測定した。長さ10mmの単繊維10本をとり、336.2mNの荷重をかけ、昇温速度5℃/分で30〜240℃の範囲での収縮応力を測定し、130℃における収縮応力の値を試料の繊維本数10で除して単繊維1本の収縮応力とし、さらに単繊維の繊度で除して単位繊度あたりの収縮応力(μN/dtex)を求めた。
(実験例5)LOI(限界酸素指数)
16cm/0.25gのフィラメントを秤量し、端を軽く両面テープでまとめ、懸撚器で挟み撚りをかけた。十分に撚りがかかったら、試料の真中を二つに折り2本を撚り合わせた。端をセロハンテープで留め、全長7cmになるようにした。105℃で60分間前乾燥を行ない、さらにデシケーターで30分以上乾燥した。乾燥したサンプルを所定の酸素濃度に調整し、40秒後8〜12mmに絞った点火器で上部より着火し、着火後点火器を離した。5cm以上燃えるか、3分以上燃え続けた酸素濃度を調べ、同じ条件で試験を3回繰り返し、限界酸素指数とした。
(実験例6)商品性:滑らかさ
単繊維を抜き出して水平の板上に無荷重下で静置し、その形状をデシタル映像として取り込み、1試料あたり20cm×8本の繊維で角度170°未満の繊維屈曲を数え、1mあたりの繊維屈曲数を求めた。また複数の素材が混合された試料では、各素材の繊維屈曲数を数えた上で、構成比率を乗じて繊維束としての繊維屈曲数を求めた。その繊維屈曲数と合わせて、かつら等の美容評価に従事する一般的技術者の評価を基に以下の5段階で繊維平滑性の判定を行い、3点以上の水準を合格とした。
5点:繊維屈曲数10ケ/m未満:全くガサツキ感を感じない極めて良好な触感
4点:繊維屈曲数10ケ/m以上、20ケ/m未満:ガサツキを感じない良好な触感
3点:繊維屈曲数20ケ/m以上、50ケ/m未満:若干のガサツキを感じるが商品として適用可能なレベルの触感
2点:繊維屈曲数50ケ/m以上、100ケ/m未満:ガサツキを感じるために商品として適用し難いレベルの触感
1点:繊維屈曲数100ケ/m以上:極めてガサツキ感が高く商品に適用出来ないレベルの触感。
(実験例7)商品性:柔らかさ
人工毛髪用繊維束について、かつら等の美容評価に従事する一般的技術者により、人毛に近い柔らかな触感の再現性を基準に5段階で外観の評価を行い、3点以上の水準を合格とした。
5点:人毛とほぼ同等の柔らかな良好な触感
4点:人毛に近い柔らかな触感
3点:やや硬さ感はあるものの、比較的人毛に近い触感
2点:合成繊維特有の硬さ感がある触感
1点:一部に繊維間の融着が残る明らかに人毛と異なる触感。
(実験例8)商品性:潤い感/保湿感
人工毛髪用繊維束について、かつら等の美容評価に従事する一般的技術者により、人毛に近い潤い感や保湿感を有するかを基準に5段階で外観の評価を行い、3点以上の水準を合格とした。
5点:潤い感、保湿感の何れも人毛に近いレベルの良好な触感
4点:若干不足気味ではあるものの、潤い感、保湿感の何れも人毛に近いレベルの触感
3点:潤い感、保湿感の何れかが不足気味ではあるものの、比較的人毛に近いレベルの触感
2点:潤い感、保湿感が明らかに人毛に対して劣る触感
1点:潤い感、保湿感が認識出来ない触感。
(実験例9)商品性:弾力感/カール形状安定性
人工毛髪用繊維束について、カール形状付与後に60時間繊維束を吊るし、かつら等の美容評価に従事する一般的技術者により、弾力感とカール形状が長期間の使用でも保持されるかを基準に5段階で安定性の判定を行い、3点以上の水準を合格とした。
5点:試料を動かした際にカールが違和感なく脈動的に跳ね、カール形状も殆ど乱れが無い良好な状態
4点:試料を動かした際に違和感無くカールが跳ね、カール形状も大きな乱れがない状態
3点:試料を動かした際にややカールの跳ねが弱く、ややカール形状に乱れがある状態
2点:試料を動かした際にカールが垂れた状態にあり、カール形状も大きく乱れた状態
1点:60時間の保持のみで動かす前からカールが伸びて大きく乱れた状態。
(実験例10)商品性:ボリューム感
人工毛髪用繊維束について、かつら等の美容評価に従事する一般的技術者により、繊維束試料の外観ならびに握り締めた際の反発力を基準に5段階でボリューム感を判定し、3点以上の水準を合格とした。
5点:3点を基準にして同一重量でも外観・反発力共に優れた嵩高性を有する
4点:3点を基準にして同一重量ではやや高い嵩高性を有する
3点:標準レベル
2点:3点を基準にして同一重量ではやや嵩高性が劣る
1点:3点を基準にして同一重量では明らかに嵩高性が劣る。
(実験例11)商品性:総合評価
滑らかさ、柔らかさ、潤い感/保湿感、弾力感/カール形状安定性、ボリューム感の5項目の点数を合算して、21点以上を優良、20〜17点を良、16〜14点を並、13点以下を劣と判定し、良以上を合格とした。
(製造例1)PVC−1
ポリ塩化ビニル樹脂S1001(カネカ(株)製)100重量部に対し、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂H438(カネカ(株)製)10重量部、安定剤として、協和化学株式会社製のハイドロタルサイト熱安定剤であるアルカマイザー1を1重量部、エステル系滑剤として、理研ビタミン(株)社製EW−100を0.5重量部、ポリエチレンワックス系滑剤として三井化学(株)社製HW400Pを0.5重量部、その他に、β−ジケトンを0.4重量部、カルシウム石鹸・亜鉛石鹸を0.4重量部、エポキシ化大豆油を2重量部添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌混合し、コンパウンドを製造した。また色の調整用に黒色系顔料を添加した。40mmφ押し出し機に、孔断面積0.1mm2、孔数120個のノズルを取り付けた。孔形状は繭型形状とした。シリンダー温度140〜190℃、ノズル温度180±15℃の範囲で、紡糸性の良い条件で上記コンパウンドを押し出し溶融紡糸した。押し出されたフィラメントをノズル直下に設けた加熱紡糸筒内(200〜400℃雰囲気で紡糸性の良い条件)で約0.5〜1.5秒熱処理し、第一の引き取りロールによって紡糸した。この第一引き取りロールの直前で、非イオン性界面活性剤(ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド共重合体、分子量約800)、カチオン系界面活性剤(アンモニウムサルフェート系化合物、分子量約800):エステル油(オレイン酸オレイル:分子量約500)からなる油剤を、繊維に対して0.5omf%になるように添付した。次に、第二の延伸ロールとの間で110℃の熱風循環箱を通して約3倍程度に延伸した。さらに110℃に温度調整した箱の中に設置した2対の円錐形ロール間を引き回し、2分間で約35%緩和熱処理を実施し、この中の単繊維が約77〜81dtexの繊度になるようにマルチフィラメントを巻き取って、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維PVC−1を作製した。
(製造例2)PVC−2
油剤の構成成分を、分子量10000のポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド共重合体とし、油剤添付量を0.2omf%とし、緩和熱処理の温度を130℃とし、緩和速度を4分間で35%緩和とした以外は、製造例1と同様の方法を用いて、ポリ塩化ビニル系繊維PVC−2を作製した。
(製造例3)PVC−3
緩和速度を6分間で37%緩和とした以外は、製造例2と同様の方法を用いて、ポリ塩化ビニル系繊維PVC−3を作製した。
(製造例4)PVC−4
緩和速度を8分間で39%緩和とした以外は、製造例2と同様の方法を用いて、ポリ塩化ビニル系繊維PVC−4を作製した。
(製造例5)PVC−5
油剤の構成成分を、非イオン性界面活性剤(ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド共重合体、分子量約800)、カチオン系界面活性剤(アンモニウムサルフェート系化合物、分子量約800):エステル油(オレイン酸オレイル:分子量約500)とし、油剤添付量を0.5omf%とした以外は、製造例3と同様の方法を用いて、ポリ塩化ビニル系繊維PVC−5を作製した。
(製造例6)PVC−6
油剤の構成成分を、分子量10000のポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド共重合体75重量%、動粘度1000mm2/Sのアミノ変性シリコーンオイル25重量%とし、油剤添付量を0.2omf%とした以外は、製造例3と同様の方法を用いて、ポリ塩化ビニル系繊維PVC−6を作製した。
(製造例7)TPR−1
アクリルニトリル50%、塩化ビニル49%、スチレンスルホン酸ソーダ1%を共重合して成るアクリル系共重合体樹脂をアセトンに溶解し、29%の紡糸原液を作製した。亜鈴型異形断面ノズルを用い、ノズルドラフトが1.6となる条件で、この紡糸原液を20℃の20%アセトン水溶液中に紡出し、得られた繊維を水洗浴50℃で脱溶剤及び1.5倍延伸し、次いで130℃で乾熱乾燥後、125℃で2.5倍の乾熱延伸を行い、更に150℃の乾熱で弛緩熱処理を行った。こうして得られたアクリル系繊維の単糸繊度は47dtexであった。又、断面形状は略馬蹄型であった。
(製造例8)TPR−2
ポリエチレンテレフタレート(三菱化学(株)製、BK−2180)100重量部、臭素系難燃剤(阪本薬品工業(株)製、SR−T20000)、アンチモン化合物(日本精鉱(株)製、SA−A)を水分量100ppm以下に乾燥した後に着色用ポリエステルペレットPESM6100 BLACK(大日精化工業(株)製、カーボンブラック含有量30%)2部を添加してドライブレンドし、二軸押出機に供給し、280℃で溶融混練し、ペレット化したのちに、水分量100ppm以下に乾燥させた。ついで、溶融紡糸機で280℃で、眼鏡型ノズルを用いて、紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、口金下30mmの位置に設置した水温50℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を80℃の温水浴中で延伸を行ない、4倍延伸糸とし、200℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、単繊維繊度が65dtex前後のポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
製造例1〜8で得られた繊維の物性を表1に示した。
Figure 2012046748
(実施例1〜14、比較例1〜6)
製造例1〜8で作製したポリ塩化ビニル系繊維(PVC−1〜6)ならびに熱可塑性樹脂繊維(TPR−1,2)を表2に示す比率で混合してハックリングを行い人工毛髪用繊維束とした。次に、アミノ変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング(株)製、BY16203、動粘度2000mm2/S、官能基当量1900g/mol)、分子量10000のポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド共重合体、純水を重量比で0.5:0.5:9の割合で混合し、ホモジナイザーで攪拌してエマルジョン化させた後に酢酸を加えて中和を行い、繊維処理剤を作製した。この繊維処理剤に実施例1〜5、7〜13、ならびに比較例2、4、6の繊維束を5分間浸漬させ、繊維表面の担持量が0.4omf%となるように遠心脱水機で過剰な繊維処理剤を取り除いたのち、繊維束を各々120万dtexになるように2つの繊維束に分けた。また繊維処理剤を担持させなかった繊維束も同様に、各々120万dtexになるように2つの繊維束に分けた。次に一方の繊維束を長さ35cmに切断し、両端5cmを紐で括ってから表2記載の温度で1時間加熱を行い、収縮した繊維束の繊維屈曲数を測定した。次に残りの繊維束をかつら用ミシンで縫製して試長25cmのミノ毛を作り、これを直径35mmのパイプに巻いて、対流型乾燥機で表2記載の温度で1時間の熱セットを行い、カール形状を付与した。このカール付与したミノ毛をネットに1cm間隔で10段に縫製して商品見本を作製し、商品性(滑らかさ、柔らかさ、潤い感/保湿感、弾力感/カール形状安定性、ボリューム感)の評価を行った。結果を表2に示した。
表2から明らかなとおり、本発明の人工毛髪用繊維は、触感とスタイリング性に優れ、特に剛性の高い繊維との組み合わせ、シリコーン油剤の適用、高温カール付与などにより、従来品を大きく上回る品質が得られることを確認した。
Figure 2012046748
1.従来PVC繊維PVC-1
2.本発明PVC繊維PVC-2
3.本発明PVC繊維PVC-3
4.本発明PVC繊維PVC-4

Claims (16)

  1. 130℃における収縮応力が70μN/dtex以下であるポリ塩化ビニル系樹脂繊維。
  2. 前記130℃における収縮応力が50μN/dtex以下である請求項1に記載のポリ塩化ビニル系樹脂繊維。
  3. 前記130℃における収縮応力が40μN/dtex以下である請求項2に記載のポリ塩化ビニル系樹脂繊維。
  4. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂繊維が、塩化ビニルのホモポリマー樹脂、塩化ビニルとビニルエステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニルとアクリル酸エステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニルとオレフィン類とのコポリマー樹脂、及び、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー樹脂からなる群から選ばれる1以上の樹脂からなる樹脂繊維である請求項1から3のいずれか1項に記載のポリ塩化ビニル系樹脂繊維。
  5. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂繊維が人工毛髪用ポリ塩化ビニル系樹脂繊維である請求項1から4のいずれか1項に記載のポリ塩化ビニル系樹脂繊維。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のポリ塩化ビニル系樹脂繊維20〜100重量%と、ポリ塩化ビニル系樹脂を除く組成からなる熱可塑性樹脂繊維0〜80重量%を含む人工毛髪用繊維束。
  7. 前記熱可塑性樹脂繊維のヤング率が4〜9GPaである請求項6に記載の人工毛髪用繊維束。
  8. 前記熱可塑性樹脂繊維の130℃における収縮率が10%以下である請求項6または7に記載の人工毛髪用繊維束。
  9. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂繊維の130℃における収縮率が、前記熱可塑性樹脂繊維の130℃における収縮率より低くないことを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の人工毛髪用繊維束。
  10. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂繊維の130℃における収縮率と、前記熱可塑性樹脂繊維の130℃における収縮率の差が6%以下であることを特徴とする請求項9に記載の人工毛髪用繊維束。
  11. 前記熱可塑性樹脂繊維が、アクリロニトリル系樹脂、モダアクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェレンスルフィド系繊維、および、テフロン(登録商標)樹脂からなる群から選ばれる1以上の樹脂からなる樹脂繊維である請求項6から10のいずれか1項に記載の人工毛髪用繊維束。
  12. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂繊維及び前記熱可塑性樹脂繊維がアミノ変性シリコーン化合物を含む請求項6から11のいずれか1項に記載の人工毛髪用繊維束。
  13. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂繊維が重量平均分子量2000〜25000のポリアルキレンオキシド系化合物を0.07〜0.5omf%含む請求項6から12のいずれか1項に記載の人工毛髪用繊維束。
  14. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂繊維がシリコーン系化合物を0〜0.5omf%含む請求項6から13のいずれか1項に記載の人工毛髪用繊維束。
  15. 請求項6から14のいずれか1項に記載の人工毛髪用繊維束を加工して得られる人工毛髪製品。
  16. 前記加工が95〜130℃で行われる請求項15に記載の人工毛髪製品。
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