JP2003293213A - カール付与方法 - Google Patents
カール付与方法Info
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- JP2003293213A JP2003293213A JP2002093451A JP2002093451A JP2003293213A JP 2003293213 A JP2003293213 A JP 2003293213A JP 2002093451 A JP2002093451 A JP 2002093451A JP 2002093451 A JP2002093451 A JP 2002093451A JP 2003293213 A JP2003293213 A JP 2003293213A
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Abstract
付与すると、カールが付与されなかったり、逆に過度に
かかりすぎるなど、カール形状を均一に発現させること
が難しいという課題があった。 【解決手段】100℃での熱収縮率(X)が1〜20%
の人工毛髪用繊維へ50〜110℃の範囲内の乾燥流体
による加熱処理によってカールを付与するカール付与方
法において、該加熱処理温度(Y)と前記熱収縮率
(X)が以下の式1を満たす相関関係を備え、該加熱処
理温度(Y)と加熱時間(Z)が以下の式2を満たす相
関関係を満たすことを特徴とするカール付与方法。 <式1>0.064X2−2.921X+82.921≦Y≦0.064X2−
2.921X+112.921 <式2>−0.5Y+60≦Z≦−Y+170
Description
ース、ブレード、エクステンションヘアー等の頭髪装飾
用の人工毛髪用繊維を、加熱処理によってカール付与さ
せるカール付与方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、ウィッグ、ヘアピース、ブレー
ド、エクステンションヘアー等の頭髪装飾品は、商品特
性を付加させるため、一部の直毛形状をとるものを除い
ては、繊維にカール付与させることが必須条件であり、
カール付与方法として特開平6−287801号の手段
が知られている。これらの手段で付与されたカールは、
外観や自然な風合いが重要なため、繊維の根元部分から
先端部分までのカールのかかり方が均一であることや、
触感が人毛に近いことが要求される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記手
段で熱収縮率が異なる繊維を同じ温度で熱処理させる
と、カールが付与されなかったり、逆に過度にかかりす
ぎるなど、カール形状を均一に発現させることが難しい
という課題があった。 【0004】そこで、本発明の目的は、繊維の熱収縮率
によって熱処理させる温度と時間を特定することによ
り、繊維の根元部分から先端部分までのカールのかかり
方が均一で、自然な風合いを持ったカールを、均一に発
現させることのできるカール付与方法を提供することに
ある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記に鑑み
鋭意検討を行った結果、100℃での熱収縮率(X)が
1〜20%の人工毛髪用繊維へ50〜110℃の範囲内
の乾燥流体による加熱処理によってカールを付与するカ
ール付与方法において、該加熱処理温度(Y)と前記熱
収縮率(X)が特定式を満たす相関関係を備え、該加熱
処理温度(Y)と加熱時間(Z)が他の特定式を満たす
相関関係であることにより、上記課題を解決できること
を見出し、本発明を完成した。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明のカール付与方法におい
て、加熱処理温度(Y)と熱収縮率(X)の相関関係を
特定したのは、熱収縮率が異なる繊維を同じ温度で加熱
処理させると、カール形状を均一に発現させることが困
難であることに着目し、相関関係を発見したものであ
る。この相関関係は、具体的には次の式1で特定され
る。 【0007】<式1>0.064X2−2.921X+82.921≦Y
≦0.064X2−2.921X+112.921 【0008】ここで、本発明に使用される人工毛髪用繊
維の100℃の熱収縮率(X)にあっては、あまりに低
いとカールを十分に付与させることができず、あまりに
高いと繊維が収縮しすぎてカールが過度にかかりその結
果均一性や触感が悪化するため、1〜20%が良い。 【0009】該熱収縮率(X)とは、試験体を加熱処理
した際に熱収縮したときの度合いである。具体的な試験
方法は、長さ100mmの繊維状の試験体を100℃の
ギアオーブン中で15分間熱処理し、熱処理後における
試験体の長さをLmmとしたときの(100−L)/1
00である。 【0010】本発明のカール付与方法において、加熱処
理温度(Y)と加熱時間(Z)の相関関係を特定したの
は、熱処理する時間にあっては、異なる加熱処理温度で
同じ時間加熱処理を行うと、カール形状を均一に発現さ
せることが困難であることに着目し、相関関係を発見し
たものである。この相関関係は、具体的には次の式2で
特定される。 【0011】<式2>−0.5Y+60≦Z≦−Y+170 【0012】ここで、本発明に使用される加熱処理温度
(Y)にあっては、あまりに低いとカールを十分に付与
させることができず、あまりに高いと繊維が収縮しすぎ
てカールが過度にかかりその結果均一性や触感が悪化す
るため、50〜110℃が良い。 【0013】人工毛髪用繊維に用いられる繊維はマルチ
フィラメントが好ましい。該繊維の繊度は、通常人工毛
髪用繊維に用いられる繊度であればよく、特に限定する
ものではないが、単糸繊度が約40〜100デニールで
あることが望ましい。一度に加熱処理させる糸束の合計
繊度は、約3000〜300000デニールが望まし
い。また、該人工毛髪用繊維の素材は、人工毛髪用に用
いられる熱可塑性繊維であれば適宜選択でき、具体的に
はポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
アクリロニトリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリア
ミド系樹脂がある。 【0014】本発明の加熱処理に使用さできるオーブン
は、通常、人工毛髪用繊維のカール付与に用いられるも
のであればよく、特に限定はしない。 【0015】本発明にあっては、繊維の熱収縮率、加熱
処理温度と加熱処理時間を特定することにより、人工毛
髪用繊維に、繊維の根元部分から先端部分までのカール
のかかり方が均一で、自然な風合いを持ったカールを付
与することができる。 【0016】 【実施例】以下、本発明にかかる実施例を、表1を参照
しながら、比較例と比較しつつ説明する。ここで、表1
は、本実施例及び各比較例における繊維の熱収縮率、及
び熱処理条件と、各条件によってカール付与された人工
毛髪用繊維の特性を測定した結果を示したものである。
表1における熱収縮率は、長さ100mmの繊維状の試
験体を100℃のギアオーブン中で15分間熱処理し、
熱処理後における試験体の長さをLmmとしたときの
(100−L)/100である。また、表1における加
熱処理温度の単位は℃であり、加熱処理時間の単位は分
である。 【0017】 【表1】 【0018】表1中、セット性とは、カール付与させた
繊維を垂下させた直後の長さを測定したものであり、カ
ールが不十分だと初期の長さに近い値であり、カールが
過度にかかると短くなるため、具体的には、長さ50c
m、重さ1.0gになるように採取した繊維の加熱処理
後の長さが28.0〜33.0cmだったものを○、そ
れ以外を×とした。加熱処理は、具体的には、試験体た
る繊維を直径30mmのアルミパイプに巻き付け、熱風
循環式のオーブンで、表1に示す加熱処理温度及び加熱
処理時間で行ったものである。 【0019】表1中、均一性とは、前記加熱処理後の繊
維の根元部分におけるカール角度と先端部分におけるカ
ール角度の比を測定したものである。表1では、角度比
が0.85以上だったものを○、0.85未満だったも
のを×とした。 【0020】各実施例及び各比較例では、人工毛髪用繊
維としてポリ塩化ビニル系繊維を使用した。該ポリ塩化
ビニル系繊維は、従来公知の混合機(例えばヘンシェル
ミキサー、リボンブレンダー等)を使用して混合し、従
来公知の溶融押出機(単軸押出機、異方向二軸押出機、
コニカル二軸押出機等)を使用して溶融紡糸し、延伸処
理工程、熱弛緩処理工程を経て得られたものである。 【0021】実施例1〜3にあっては、熱収縮率が異な
る繊維であっても、熱処理させる温度と時間を特定する
ことにより、繊維の根元部分から先端部分までのカール
のかかり方が均一で、自然な風合いを持ったカールを付
与することができた。 【0022】比較例1が示すように、繊維の熱収縮率が
あまりに低いと加熱処理温度と加熱処理時間が式1及び
式2を満たしていてもカールが付与されずセット性が悪
かった。比較例2が示すように、熱収縮率があまりに高
いと繊維が収縮しすぎてカールが過度にかかり、セット
性及び均一性が悪かった。 【0023】比較例3が示すように、加熱処理温度があ
まりに低いとセット性が悪かった。比較例4が示すよう
に、加熱処理温度があまりに高いと繊維が収縮しすぎて
カールが過度にかかりセット性及び均一性が悪かった。 【0024】比較例5が示すように、加熱処理時間があ
まりに短いと十分にカールされずセット性が悪かった。
比較例6が示すように、加熱処理時間があまりに長いと
繊維が収縮しすぎてカールが過度にかかりセット性及び
均一性が悪かった。 【0025】 【発明の効果】本発明にあっては、100℃での熱収縮
率(X)が1〜20%の人工毛髪用繊維へ50〜110
℃の範囲内の乾燥流体による加熱処理によってカールを
付与するカール付与方法において、該加熱処理温度
(Y)と前記熱収縮率(X)が上記式1を満たす相関関
係を備え、該加熱処理温度(Y)と加熱時間(Z)が上
記式2を満たす相関関係を満たすことを特徴とし、これ
により、熱収縮率が異なる繊維であっても、繊維の根元
部分から先端部分までのカールのかかり方が均一で、自
然な風合いを持ったカールを付与することができた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 100℃での熱収縮率(X)が1〜20
%の人工毛髪用繊維へ50〜110℃の範囲内の乾燥流
体による加熱処理によってカールを付与するカール付与
方法において、該加熱処理温度(Y)と前記熱収縮率
(X)が以下の式1を満たす相関関係を備え、該加熱処
理温度(Y)と加熱時間(Z)が以下の式2を満たす相
関関係を満たすことを特徴とするカール付与方法。 <式1>0.064X2−2.921X+82.921≦Y≦0.064X2−
2.921X+112.921 <式2>−0.5Y+60≦Z≦−Y+170
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002093451A JP2003293213A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | カール付与方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002093451A JP2003293213A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | カール付与方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003293213A true JP2003293213A (ja) | 2003-10-15 |
Family
ID=29237904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002093451A Pending JP2003293213A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | カール付与方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003293213A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012046748A1 (ja) | 2010-10-06 | 2012-04-12 | 株式会社カネカ | 人工毛髪用繊維及びそれからなる頭髪装飾品 |
-
2002
- 2002-03-29 JP JP2002093451A patent/JP2003293213A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012046748A1 (ja) | 2010-10-06 | 2012-04-12 | 株式会社カネカ | 人工毛髪用繊維及びそれからなる頭髪装飾品 |
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