JP2008002041A - 人工毛髪用繊維およびその製造方法 - Google Patents
人工毛髪用繊維およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008002041A JP2008002041A JP2006175086A JP2006175086A JP2008002041A JP 2008002041 A JP2008002041 A JP 2008002041A JP 2006175086 A JP2006175086 A JP 2006175086A JP 2006175086 A JP2006175086 A JP 2006175086A JP 2008002041 A JP2008002041 A JP 2008002041A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- artificial hair
- cross
- shape
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Artificial Filaments (AREA)
Abstract
【課題】 人毛に似た自然な艶や触感を有し、くし通りやカール特性に優れ、強伸度などの繊維物性にも優れ、さらに加工後の商品において、人毛に非常に良く似た自然な外観と触感を有する、非常に優れたバランスのとれた人工毛髪用繊維が得られる。
【解決手段】 人工毛髪用繊維において、繊維長20cmあたりに、90°以上の捻転を少なくとも2〜40個有する単繊維を含有して集合してなることを特徴とする人工毛髪用繊維を用いることにより、上記課題を解決した人工毛髪用繊維を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 人工毛髪用繊維において、繊維長20cmあたりに、90°以上の捻転を少なくとも2〜40個有する単繊維を含有して集合してなることを特徴とする人工毛髪用繊維を用いることにより、上記課題を解決した人工毛髪用繊維を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、人工毛髪用繊維に関するものであり、更に詳しくはウィッグ、ブレード、エクステンションヘアー等の頭髪装飾用等の人工毛髪用繊維として用いられる、人毛に似た艶、色相、風合、嵩高性を有する繊維およびその製造方法、また該繊維を用いた人工毛髪用繊維束に関するものである。
一般に、人工毛髪用に使用される合成繊維としては、アクリロニトリル系繊維、塩化ビニル系繊維、塩化ビニリデン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維等がある。従来から、これらの繊維を用いて、ウィッグ、ブレード、エクステンションヘアー等の人工毛髪用商品に加工されてきた。人工毛髪用繊維の究極の目標が人毛であるのは周知の通りであるが、これらのいわゆる「合成繊維」は、その繊度、断面の均一さが災いし、いかにも人毛らしからぬ外観、触感が顕著となる。人毛にはわずかな太さの変化に加えて縮れやねじれなどがあり、自然な不均一性があるのに対して、上記のいわゆる「合成繊維」にはそれらがないか、あったとしても比較的少ないためである。
そこで、扁平、メガネ形、ドッグボーン形などの種々の異形断面形状や、異なる繊度の組み合わせ、繊維表面凹凸の調整、微細なクリンプ加工などの、合成繊維の均一性を適度に不均一にするための種々の方法が試みられてきた。
これらの方法のうち、異形断面形状に関してはこれまで種々の方法が試みられている。比較的最近のものとして、繊維横断面形状を楕円形、交差円形、繭形、だるま形、ドッグボーン形、リボン形、3〜8葉形、星形よりなる群から選ばれる少なくとも1種の異形断面形状を有するポリエステル系フィラメント(特許文献1)があるが、異形断面形状であってもフィラメント自体は比較的ストレートで不均一性が少ないため、人毛と比較してわずかに光沢が多く、特に人毛に似たものとするためにはさらに適度な不均一性が望まれた。
また、特に繊維に捲縮を付与する方法としては、たとえば、繊維にマルチフィラメントを200回/m以下で撚糸した後、ニットデニット法により編目の規則的ループ状捲縮を付与する方法(特許文献2)、繊維束に対し0.3〜5.0T/mの撚りを施した後に梱包する方法(特許文献3)、生糸と練糸、または繊度が相違する2種類の生糸、または精練割合が相違する2種類の生糸など、性状が異なる少なくとも二種類の絹糸を撚り合わせカールクリンプを発現させる方法(特許文献4)などが挙げられる。しかし、これらの方法により発現される捲縮は、比較的本数の多いフィラメントの集合体を撚糸することによるものであるため、捲縮そのものが均一であったり、また比較的大きなカール状のループとなるため、人毛似た自然な艶や触感を得るという目的とは異なったものとなる。
一方、上記方法とは異なり、ポリ塩化ビニル繊維の製造において、紡糸ノズル孔のL/Dや導入部の角度、吐出量等を特定することにより適度な表面凹凸を形成する方法(特許文献5)があるが、開示された条件ではフィラメントに捲縮や捻転といった不均一性を付与することは困難である。また、ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルの製造において、繊維1本1本に捻転を付与する方法として、特定の異形断面形状で紡出された溶融樹脂を、特定の冷却条件、紡糸速度とすることにより螺旋構造を発現させる方法(特許文献6)が開示されているが、フィラメントに付与される捻転数が非常に多く、ソフト性やストレッチ性、スパンライクな風合いを求めた布帛に応用されるものであり、上記いずれの方法でも、人毛に似た自然な外観と触感、その他の美容特性を同時に満足し、非常に優れたバランスの取れた製品を提供できる人工毛髪用繊維はこれまでになかった。
特開2005−120533号公報
特開平9−67725号公報
特開2002−285422号公報
特開2003−205249号公報
国際公開2005−033384号パンフレット
特開2005−113309号公報
本発明は、人毛に似た自然な艶や触感を有し、くし通りやカール特性に優れ、強伸度などの繊維物性にも優れ、さらに加工後の商品において、人毛に非常に良く似た自然な外観と触感を有する、非常に優れたバランスのとれた人工毛髪用繊維を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、人工毛髪用繊維に特定数の捻転を付与することで本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1)塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリエステル系樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する熱可塑性樹脂を、紡糸口金を装着した溶融紡糸装置より溶融紡糸して得られる人工毛髪用繊維であって、繊維断面方向に90°以上の捻転を、繊維長20cmあたり少なくとも2〜40個有する人工毛髪用繊維、
2)人工毛髪用繊維の断面が楕円形、交差円形、繭形、だるま形、ドッグボーン形、リボン形、星型、歯車型、横断面外周上に凹凸を有する任意の形状よりなる群から選択される少なくとも1種の形状を有し、かつ単繊維繊度が10〜100dtexであることを特徴とする、1)記載の人工毛髪用繊維。
3)人工毛髪用繊維の断面が、交差円または交差楕円形状であり、交差軸方向の最長部(a)と交差軸との直交軸方向の最長部(b)の長さの比a/bが1.1〜1.7であることを特徴とする、1)または2)に記載の人工毛髪用繊維、
4)紡糸口金のノズル孔における、ノズル孔のランド(L)と円相当直径(D)との比(L/D)を0.5〜0.9とすることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の人工毛髪用繊維の製造方法、
5)紡糸口金から吐出された溶融樹脂の糸状を吐出方向に対して直行する方向から0.3〜1.5m/sの風速の空気で冷却することを特徴とする請求項4記載の人工毛髪用繊維の製造方法。
6)1)〜3)記載の人工毛髪用繊維を用いた人工毛髪用繊維束、
に関する。
1)塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリエステル系樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する熱可塑性樹脂を、紡糸口金を装着した溶融紡糸装置より溶融紡糸して得られる人工毛髪用繊維であって、繊維断面方向に90°以上の捻転を、繊維長20cmあたり少なくとも2〜40個有する人工毛髪用繊維、
2)人工毛髪用繊維の断面が楕円形、交差円形、繭形、だるま形、ドッグボーン形、リボン形、星型、歯車型、横断面外周上に凹凸を有する任意の形状よりなる群から選択される少なくとも1種の形状を有し、かつ単繊維繊度が10〜100dtexであることを特徴とする、1)記載の人工毛髪用繊維。
3)人工毛髪用繊維の断面が、交差円または交差楕円形状であり、交差軸方向の最長部(a)と交差軸との直交軸方向の最長部(b)の長さの比a/bが1.1〜1.7であることを特徴とする、1)または2)に記載の人工毛髪用繊維、
4)紡糸口金のノズル孔における、ノズル孔のランド(L)と円相当直径(D)との比(L/D)を0.5〜0.9とすることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の人工毛髪用繊維の製造方法、
5)紡糸口金から吐出された溶融樹脂の糸状を吐出方向に対して直行する方向から0.3〜1.5m/sの風速の空気で冷却することを特徴とする請求項4記載の人工毛髪用繊維の製造方法。
6)1)〜3)記載の人工毛髪用繊維を用いた人工毛髪用繊維束、
に関する。
本発明によると、人毛に似た自然な艶や触感を有し、くし通りやカール特性に優れ、強伸度などの繊維物性にも優れ、さらに加工後の商品において、人毛に非常に良く似た自然な外観と触感を有する、非常に優れたバランスのとれた人工毛髪用繊維が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において用いられる人工毛髪用繊維の繊度は、単繊維繊度が通常、10〜100dtexであり、さらには20〜90dtexであるのが、一般的に人工毛髪用途に適している。本発明の人工毛髪用繊維では、繊維を形成する際に繊維の1本1本について、繊維長20cmあたりに、繊維断面方向に90°以上の捻転を少なくとも2〜40個付与することにより、合成繊維に特有な均一な表面反射を抑制するとともに、適度な嵩高性が得られることで、人毛に非常に良く似た自然な外観と触感、くし通り性を実現することができる。
本発明において用いられる人工毛髪用繊維の繊度は、単繊維繊度が通常、10〜100dtexであり、さらには20〜90dtexであるのが、一般的に人工毛髪用途に適している。本発明の人工毛髪用繊維では、繊維を形成する際に繊維の1本1本について、繊維長20cmあたりに、繊維断面方向に90°以上の捻転を少なくとも2〜40個付与することにより、合成繊維に特有な均一な表面反射を抑制するとともに、適度な嵩高性が得られることで、人毛に非常に良く似た自然な外観と触感、くし通り性を実現することができる。
前記繊維長20cmあたりとしたのは、ウィッグ、ブレード、エクステンションヘアー等の人工毛髪用商品として、繊維長20cm程度以上のものが多く使用されるためであるが、この繊維長に限定される訳ではない。20cm未満の繊維長を用いる製品であっても構わない。前記捻転とは、繊維を鉛直下方に吊り下げた場合の、軸方向における時計回り、または反時計回り(以降正方向、逆方向と呼ぶ)の「ねじれ」を意味する。円形断面の場合、この捻転が付与されていても、繊維外形に変化を与える影響は少ないが、効果が無いわけではなく、例えば異種のポリマーや特性の異なる2種以上の素材からなる複合繊維など、繊維を構成する素材自体に不均一性がある場合にはより大きな効果が得られる。
捻転が外観に与える影響が顕著になるのは、90°以上においてである。特に楕円形、交差円形、繭形、だるま形、ドッグボーン形、リボン形などの、いわゆる扁平性を併せ持つ断面の繊維は、90°捻転することで外観が大きく変化する。また、星型、歯車型、横断面外周上に凹凸を有する形状等において、扁平断面でないかあるいは扁平性が、比較的少ない断面の繊維については、必ずしも90°以上の捻転がないと外観が変化しないということは無いが、90°以上において外観に及ぼす影響が顕著になる。90°未満では変化の感じ方の度合いが少ないためである。前記捻転は正方向のみ、逆方向のみ、またはその任意の組合せのいずれでも良い。捻転は繊維長20cmあたりに少なくとも2〜40個有することが好ましい。しかし捻転が40個を超えると螺旋状となり、不自然な外観上の光沢、すなわちキラキラ感が出たり、痛んだ頭髪のように見えてしまう傾向がある。5〜30個がより好ましく、10〜20個がさらに好ましい。正方向、あるいは逆方向の捻転は1個あたり90°以上、270°未満が好ましい。捻転は特に連続して螺旋状となると上記と同様キラキラ感が出たり、痛んだ頭髪のように見えてしまう傾向があるため、繊維全長に渡り適度に分散していることが好ましい。前記捻転を有する繊維を用いて、繊維束とする場合には、少なくとも前記繊維を30重量%以上含有させることが好ましい。捻転を有する繊維と捻転を有さない繊維とを混合した場合、または円形断面の繊維と混合した繊維束において、捻転を有する繊維が30重量%未満では、人工毛髪用繊維束における、捻転を有する繊維の割合が少なくなり、不自然に人工的に揃った艶や触感となってしまうために、人毛に似た自然さを得ることが困難となるため、捻転を有する繊維の割合は40重量%以上がより好ましく、50重量%以上がさらに好ましい。
本発明に記載の捻転を有する繊維の製造方法に関し、本発明者らが鋭意検討した結果、紡糸口金のノズル孔におけるL/D、すなわちノズル孔のランド(L)と円相当直径(D)の比L/Dを1未満とし、溶融樹脂の吐出時に乱流を発生させることで、本発明に最適なランダムに任意の捻転を発生させる方法を見出した。通常、安定に紡糸操業するためには紡糸ノズル孔のL/Dを4以上としてノズル孔からの溶融樹脂の吐出を層流となるようにし、均一に冷却することで繊維の直進性を維持するとともに糸切れを抑制することが重要となる。しかし、一般的な衣料用繊維等と比較して太い繊維である人工毛髪用繊維では、L/Dを4以上とすると、繊維の直進性がかえって災いし、繊維束とした場合には不自然に揃った艶や触感となってしまう。そこで、一般的には操業性が不安定になるため好ましくないと考えられているが、あえてL/Dを1未満とすることで、人工頭髪用繊維においては操業性を損なわずに適度な不均一性を発現し、特に好適な特性を付与できることがわかった。L/Dの範囲は、0.5以上であれば紡糸操業性を損なうことは無く、0.9以下であれば本願発明の繊維長20cmあたり2個以上の捻転を発現する点から好ましい。なお、捻転を発現しやすい断面形状は特に限定されないが、比較的扁平な形状がより捻転を発現しやすい傾向にある。しかしながら扁平過ぎると人工毛髪用繊維としてのハリ、コシといった触感や、カール特性などが悪くなり、光沢も出てくる傾向にあり、好ましくない。
本発明の方法によれば、従来の未延伸糸または延伸糸に捻転を付与し熱セットする方法、例えば紡糸冷却後の未延伸糸を巻き取る際に、フライヤー式ワインダーなどにより20〜100T/mなどの捻転すなわち撚りを付与して、その後延伸、熱処理を行う方法、また例えば延伸後の繊維を捻転機にかけた後、熱処理を行うことにより、繊維の捻転状態を固定する方法などの、撚糸機等により捻転を付与するといった煩雑な工程がなくなり、比較的大きなカール状のループを抑制するための比較的少ない総繊度のトウ状態での撚糸加工による生産効率の低下や、取り扱いの困難さから解放され、安定的かつ簡便に繊維の1本1本に捻転を付与することが可能となる。また一方で、前記の未延伸糸や延伸糸の段階で捻転を付与し、その後に熱セットするなどの方法は、頭髪用商品として加工した後にアイロンセットなどを施した際に捻転が解除されてしまう傾向が多くなるのに対して、本発明の方法では紡糸時の溶融樹脂を冷却する際に固定された捻転であるため、アイロンセットなどによる耐久性にも優れている。
本発明の人工毛髪用繊維の断面形状としては楕円形、交差円形、繭形、だるま形、ドッグボーン形、リボン形よりなる群から選ばれる少なくとも1種の形状を有することが、外観、触感、くし通り等、カール保持力等の美容特性の観点から好ましい。また、これらの異形断面形状の外周上に凹凸形状を有しても良い。本発明において、人工毛髪用繊維の繊維断面形状は、目的の繊維断面形状に近い形状のノズル孔を使用することにより制御することができる。
本発明の人工毛髪用繊維の断面形状は、2個以上の円または楕円が部分的に重ね合わさるか、互いに接した形状すなわち交差円または交差楕円形状が好ましい。種々の異形断面形状のうち、本発明において特徴的な捻転を付与した際により自然な不均一性が得られ、特に人毛に似た自然な外観、触感が得られるからである。また、前記交差円または交差楕円形状のうち、交差軸方向の最長部(a)と交差軸との直交軸方向の最長部(b)の長さの比a/bが1.1〜1.7であることが好ましい。ここで、交差軸とは円または楕円の中心とこれらが交差または接している部分とを通る軸のことを意味し、直交軸とは前記交差軸と直交する軸のことを意味する。前記形状におけるこれらの最長部の比a/bが1.1未満では繊維を構成する素材が2種以上である場合を除き、捻転を付与してもその変化度合いが少ないために不均一性が比較的少なくなる傾向にある。また、a/bが1.7を超えると比較的扁平度合いが大きくなり、外観、触感が不自然となる上、カールのつき易さ、カール保持力等が大きく損なわれる。a/bは1.2〜1.6がより好ましく、1.3〜1.4がさらに好ましい。
本発明において用いられる繊維材料としては、例えば、一般的に用いられるアクリロニトリル系繊維、塩化ビニル系繊維、塩化ビニリデン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維などがあげられる。これらのなかでは、人工毛髪用繊維として要求される耐熱性や繊維物性を満足し、かつ樹脂加工や紡糸、延伸、熱処理等の各加工工程において、比較的取り扱いが容易である点から、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましく、強度、耐熱性などの繊維物性と、水分管理や溶融紡糸の加工性の点から、ポリエステル系樹脂がより好ましい。また、上記のような本発明に係る異型断面繊維を人工毛髪用として使用する場合、人毛と任意の割合でブレンドすることによって頭髪用商品としての自由なスタイルを作ることができる。また、前記人毛の他に、従来から用いられている他の人工毛髪用繊維、例えば、アクリロニトリル系繊維、塩化ビニル系繊維、塩化ビニリデン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維などとブレンドして使用することもできる。
本発明において用いられるポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレートを代表とするポリエステル単独で用いても良いが、安全性の点から難燃性を付与されたものが好ましく、例えば、ポリアルキレンテレフタレートまたはポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルの1種以上からなるポリエステル、臭素含有難燃剤、アンチモン系化合物および、可塑剤および/または滑剤を含んでなる組成物を溶融紡糸した繊維を用いることがさらに好ましい。また、本発明において用いられるポリエステル系繊維は、難燃性や耐熱性だけでなく、燃焼時にドリップし難く、人毛に似た適度に艶消しされた自然な艶等の頭髪用繊維として優れた特性を持つポリエステル系繊維を用いることがさらに好ましい。
本願の人工毛髪用繊維としては、以下のポリエステル系樹脂組成物が好適に使用しうる。本発明に用いられるポリエステルに含まれるポリアルキレンテレフタレートまたはポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレートおよび/またはこれらのポリアルキレンテレフタレートを主体とし、少量の共重合成分を含有する共重合ポリエステルがあげられる。ポリアルキレンテレフタレートとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが、入手の容易性およびコストの点から、特に好ましい。前記主体とするとは、80モル%以上含有することをいう。前記ポリアルキレンテレフタレートおよび共重合ポリエステルは、1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明に用いられるポリエステルの固有粘度としては、0.5〜1.4、さらには0.6〜1.2であるのが好ましい。ポリエステルの固有粘度が0.5未満の場合、得られる繊維の機械的強度が低下する傾向があり、1.4を超えると、分子量の増大に伴い溶融粘度が高くなり、溶融紡糸が困難になり、繊度が不均一になる傾向がある。
本発明に用いられる臭素含有難燃剤には特に限定はなく、一般に用いられている臭素含有難燃剤であれば使用することができる。難燃性付与の点から、臭素含有リン酸エステル系難燃剤、臭素化ポリスチレン系難燃剤、臭素化ベンジルアクリレート系難燃剤、臭素化エポキシ系難燃剤、臭素化フェノキシ樹脂系難燃剤、臭素化ポリカーボネート系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA誘導体、臭素含有トリアジン系化合物、臭素含有イソシアヌル酸系化合物が好ましく、繊維物性、耐熱性および加工安定性の点から、臭素含有リン酸エステル系難燃剤、臭素化エポキシ系難燃剤、臭素化フェノキシ樹脂系難燃剤がさらに好ましい。本発明における臭素含有難燃剤の使用量は、ポリエステル100重量部に対し、5〜30重量部が好ましく、6〜25重量部がより好ましく、7〜20重量部がさらに好ましい。臭素含有難燃剤の使用量が5重量部未満では難燃効果が得られにくい傾向があり、30重量部を超えると得られる繊維の機械的特性、耐熱性、耐ドリップ性が損なわれる傾向がある。
本発明においては、臭素含有難燃剤を配合することにより難燃性は発現されるが、アンチモン化合物成分を配合することにより難燃効果を著しく向上させることができる。本発明に用いられるアンチモン化合物には、特に限定はなく、具体例としては、例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらのなかでは、組成物の紡糸加工性の点から、アンチモン酸ナトリウムが好ましい。発明におけるアンチモン化合物の使用量は、ポリエステル100重量部に対し、0.5〜10重量部が好ましく、0.6〜9重量部がより好ましく、0.7〜7重量部がさらに好ましい。アンチモン化合物の使用量が0.5重量部未満では、難燃効果の向上が小さくなる傾向があり、10重量部を超えると、加工安定性、外観性、透明性が損なわれる傾向がある。
本発明においては、可塑剤および/または滑剤を使用することにより、アンチモン化合物の分散状態が改善されることにより、紡糸安定性が向上し、繊維表面のがさつきがなく、さらに、繊維表面にすべり性を付与することができ、くし通りの良いフィラメントを得ることができる。本発明に用いられる可塑剤および/または滑剤は特に限定はなく、一般に用いられているものであれば、使用することができる。モンタン酸系ワックス、モンタン酸エステル系ワックス、部分ケン化モンタン酸系ワックス、モンタン酸金属塩、ポリエチレン系ワックス、酸化ポリエチレン系ワックス、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素変性ワックス、ポリジメチルシリコーン、変性シリコーンレジンが、アンチモン化合物の分散性、難燃性、耐熱性などの繊維物性への影響が小さい点から好ましい。これらの化合物は、単独で使用してもよく、また、2種以上を混合して使用してもよい。本発明における可塑剤および/または滑剤の使用量は、ポリエステル100重量部に対し、これらを合わせて、0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜2.5重量部がより好ましく、0.15〜2重量部がさらに好ましい。可塑剤および/または滑剤の使用量が0.05重量部未満では、アンチモン化合物粒子が部分的に凝集し、紡糸加工時の糸切れが発生したり、繊維表面の触感ががさついたりする傾向があり、3重量部を超えると、紡糸安定性が低下して糸切れが発生したり、機械的特性、耐熱性、難燃性、耐ドリップ性が損なわれる傾向がある。本発明で得られるポリエステル系人工毛髪用繊維は、例えば、ポリエステル、臭素含有難燃剤、アンチモン化合物および、可塑剤および/または滑剤などをドライブレンドした後、種々の一般的な混練機を用いて溶融混練して得られたポリエステル系組成物を、単軸押出機を用いて溶融紡糸して得ることができる。
また、本発明において用いられる塩化ビニル系繊維としては、従来公知の塩化ビニルの単独重合物であるホモポリマー樹脂、または各種のコポリマー樹脂であり、特に限定されないが、コポリマー樹脂としては塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニルコポリマー樹脂などの塩化ビニルとビニルエステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリル酸2エチルヘキシルコポリマー樹脂などの塩化ビニルとアクリル酸エステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニル−エチレンコポリマー樹脂、塩化ビニル−プロピレンコポリマー樹脂などの塩化ビニルとオレフィン類とのコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー樹脂などが挙げられるが、繊維物性や透明性等の面から、塩化ビニルの単独重合物であるホモポリマー樹脂、塩化ビニル−エチレンコポリマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー樹脂などが好適に用いられる。コポリマー樹脂において、コモノマーの含有量は特に限定されず、成型加工性、糸特性などの要求品質に応じて決めることができる。また、従来公知の滑剤、熱安定剤、可塑剤を含んでなる組成物を溶融紡糸した繊維を用いることがさらに好ましい。
また、本発明において用いられるポリアミド系繊維としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)の単独重合体もしくはこれらの共重合体又はこれらの混合体が挙げられるが、耐熱性などの面からナイロン66の単独重合体が好適に用いられる。また、ポリエステル系繊維の場合と同様に、安全性の点から難燃剤を付与されたものが好ましく、臭素系難燃剤、アンチモン化合物および、可塑剤および/または滑剤を含んでなる組成物を溶融紡糸した繊維を用いることがさらに好ましい。
本発明のポリエステル系、ポリアミド系人工毛髪用繊維の製造方法としては、混練機として例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用い、260〜300℃で溶融混練し、従来公知の方法でペレット化して、本発明の組成物を得ることができる。さらに、得られたペレットを通常の溶融紡糸法で溶融紡糸する場合には、例えば、押出機、ギアポンプ、ノズル(口金)などの温度を270〜310℃とし、溶融紡糸し、ノズルからの距離5〜50mmで、風速0.3〜1.5m/sでガラス転移点以下に冷却し、50〜5000m/分の速度で引き取ることにより、捻転を有する繊維を得ることができる。
また、本発明の塩化ビニル系人工毛髪用繊維の製造方法としては、あらかじめ例えばヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダーなどを使用して混合してなるパウダーコンパウンド、またはこれを溶融混合してなるペレットコンパウンドとして組成物を得ることができる。さらに得られた組成物を通常の溶融紡糸法で溶融紡糸する場合には、例えば押出機、ギアポンプ、ノズル(口金)などの温度を150〜190℃とし、溶融紡糸し、ノズル直下に設けた200〜300℃の加熱筒を通過させたのち、加熱筒からの距離5〜50mmで、風速0.3〜1.5m/sで冷却し、20〜200m/分の速度で引き取ることにより、捻転を有する繊維を得ることができる。上記の冷却風速は0.5〜1.2m/sとすることが、捻転の発生しやすい紡糸張力となる点からさらに好ましい。冷却風速0.3m/s未満では冷却速度が遅くなりすぎ、捻転しても緩和されてしまうために冷却後に捻転が残らない。一方、冷却風速が1.5m/sを超えると紡糸張力が高くなりすぎるため捻転が発生しにくい。
本発明においては、得られた紡出糸条は熱延伸されるが、延伸は紡出糸条を一旦巻き取ってから延伸する2工程法および、巻き取ることなく連続して延伸する直接紡糸延伸法のいずれの方法によってもよい。熱延伸は、1段延伸法または2段以上の多段延伸法で行なわれる。熱延伸における加熱手段としては、加熱ローラ、ヒートプレート、スチームジェット装置、温水槽などを使用することができ、これらを適宜併用することもできる。
本発明の人工毛髪用繊維には、必要に応じて、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、可塑剤、潤滑剤などの各種添加剤を含有させることができる。本発明の人工毛髪用繊維は染色または原着により着色して使用することができる。染色により着色する場合には、従来公知の方法で染色することができる。また、原着の場合にも、従来公知の顔料を溶融混練することにより、原着繊維を得ることができる。本発明の人工毛髪用繊維は、さらに加工することにより、ウィッグ、ブレード、ヘアアクセサリー、人形の頭髪のような頭飾製品として使用することができる。
本発明の人工毛髪用繊維には、必要に応じて、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、可塑剤、潤滑剤などの各種添加剤を含有させることができる。本発明の人工毛髪用繊維は染色または原着により着色して使用することができる。染色により着色する場合には、従来公知の方法で染色することができる。また、原着の場合にも、従来公知の顔料を溶融混練することにより、原着繊維を得ることができる。本発明の人工毛髪用繊維は、さらに加工することにより、ウィッグ、ブレード、ヘアアクセサリー、人形の頭髪のような頭飾製品として使用することができる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 尚、本願発明の短繊維並びに繊維束の特性値の測定法は、以下のとおりである。
(捻転数)
長さ22cmのフィラメント1本をとり、片端2cmのところまでを粘着テープ用いて台紙に固定し、有効長20cmとして、温度24℃、湿度80%以下、水平に置いた状態でルーペを用いて目視により正方向、及び逆方向の90°以上の捻転個所の個数を数える。同じ条件で試験を10回繰り返し、平均値を捻転数とする。
長さ22cmのフィラメント1本をとり、片端2cmのところまでを粘着テープ用いて台紙に固定し、有効長20cmとして、温度24℃、湿度80%以下、水平に置いた状態でルーペを用いて目視により正方向、及び逆方向の90°以上の捻転個所の個数を数える。同じ条件で試験を10回繰り返し、平均値を捻転数とする。
(強度および伸度)
インテスコ社製、INTESCO Mode1 201型を用いて、フィラメントの引張強伸度を測定する。長さ40mmのフィラメント1本をとり、フィラメントの両端10mmを、接着剤を糊付けした両面テープを貼り付けた台紙(薄紙)で挟み、一晩風乾させて、長さ20mmの試料を作製する。試験機に試料を装着し、温度24℃、湿度80%以下、荷重=0.363mN×繊度(dtex)、引張速度20mm/分で試験を行ない、強度と伸度を測定する。同じ条件で試験を10回繰り返し、平均値をフィラメントの強伸度とする。
インテスコ社製、INTESCO Mode1 201型を用いて、フィラメントの引張強伸度を測定する。長さ40mmのフィラメント1本をとり、フィラメントの両端10mmを、接着剤を糊付けした両面テープを貼り付けた台紙(薄紙)で挟み、一晩風乾させて、長さ20mmの試料を作製する。試験機に試料を装着し、温度24℃、湿度80%以下、荷重=0.363mN×繊度(dtex)、引張速度20mm/分で試験を行ない、強度と伸度を測定する。同じ条件で試験を10回繰り返し、平均値をフィラメントの強伸度とする。
(光沢)
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを、太陽光の下、目視により評価する。
◎:人毛に等しいレベルに光沢が調整されている。
○:適度に光沢が調整されている。
△:若干光沢が多すぎる、又は、若干光沢が少なすぎる。
×:光沢が多すぎる、又は、光沢が少なすぎる。
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを、太陽光の下、目視により評価する。
◎:人毛に等しいレベルに光沢が調整されている。
○:適度に光沢が調整されている。
△:若干光沢が多すぎる、又は、若干光沢が少なすぎる。
×:光沢が多すぎる、又は、光沢が少なすぎる。
(触感)
専門美容師による官能評価を行い、3段階で評価する。
○:人毛に似た非常に柔らかな風合い。
△:人毛に比べやや硬い風合い。
×:人毛に比べ硬い風合い。
専門美容師による官能評価を行い、3段階で評価する。
○:人毛に似た非常に柔らかな風合い。
△:人毛に比べやや硬い風合い。
×:人毛に比べ硬い風合い。
(ボリューム感)
蓑毛にしたフィラメントを32mmφのパイプに捲きつけ、120℃、相対湿度100%で60分間のスチーム加工条件でカールセットし、室温で60分間エイジングしたのちに、カールしたフィラメントの一端を固定して釣り下げ、カールのボリューム感を目視評価する。
◎:人毛によく似たボリューム感がある。
○:適度なボリューム感がある。
△:ボリューム感がやや少ない。
×:ボリューム感がなくぺったりしている。
蓑毛にしたフィラメントを32mmφのパイプに捲きつけ、120℃、相対湿度100%で60分間のスチーム加工条件でカールセットし、室温で60分間エイジングしたのちに、カールしたフィラメントの一端を固定して釣り下げ、カールのボリューム感を目視評価する。
◎:人毛によく似たボリューム感がある。
○:適度なボリューム感がある。
△:ボリューム感がやや少ない。
×:ボリューム感がなくぺったりしている。
(外観の自然さ)
前記ボリューム感と同様にして、カール後のフィラメント外観の自然さを目視評価する。
◎:人毛に非常によく似た自然な外観。
○:人毛似た自然な外観。
△:やや均一でやや不自然な外観。
×:均一に揃っていて不自然な外観。
前記ボリューム感と同様にして、カール後のフィラメント外観の自然さを目視評価する。
◎:人毛に非常によく似た自然な外観。
○:人毛似た自然な外観。
△:やや均一でやや不自然な外観。
×:均一に揃っていて不自然な外観。
(くし通り)
長さ30cm、総繊度100万dtexのトウフィラメントに繊維表面処理剤として、PO/EOランダム供重合体(分子量20000)とカチオン系帯電防止剤を50/50の比率で含む3%水溶液に浸漬し、それぞれ0.1%が付着するようにし、80℃で5分間乾燥させる。処理されたトウフィラメントにくし(デルリン製樹脂)を通し、くしの通り易さを評価する。
○:ほとんど抵抗ない(軽い)。
△:若干抵抗がある(重い)。
×:かなり抵抗がある、または、途中で引っかかる。
(カールまとまり性)
蓑毛にしたフィラメントを32mmφのパイプに捲きつけ、120℃、相対湿度100%で60分間のスチーム加工条件でカールセットし、室温で60分間エイジングしたのちに、カールしたフィラメントの一端を固定して釣り下げ、ヘアコームあるいはブラシを用いてカールを外巻きにしたときのまとまりを目視評価する。
◎:下端がほぼ水平に揃いまとまっている。
○:カールの左右両端がわずかに下がっているがバラケはない。
△:カールの左右両端が下がり、ややバラケが認められる。
×:カールの左右両端が大きく下がり、バラケがありカールがまとまらない。
長さ30cm、総繊度100万dtexのトウフィラメントに繊維表面処理剤として、PO/EOランダム供重合体(分子量20000)とカチオン系帯電防止剤を50/50の比率で含む3%水溶液に浸漬し、それぞれ0.1%が付着するようにし、80℃で5分間乾燥させる。処理されたトウフィラメントにくし(デルリン製樹脂)を通し、くしの通り易さを評価する。
○:ほとんど抵抗ない(軽い)。
△:若干抵抗がある(重い)。
×:かなり抵抗がある、または、途中で引っかかる。
(カールまとまり性)
蓑毛にしたフィラメントを32mmφのパイプに捲きつけ、120℃、相対湿度100%で60分間のスチーム加工条件でカールセットし、室温で60分間エイジングしたのちに、カールしたフィラメントの一端を固定して釣り下げ、ヘアコームあるいはブラシを用いてカールを外巻きにしたときのまとまりを目視評価する。
◎:下端がほぼ水平に揃いまとまっている。
○:カールの左右両端がわずかに下がっているがバラケはない。
△:カールの左右両端が下がり、ややバラケが認められる。
×:カールの左右両端が大きく下がり、バラケがありカールがまとまらない。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット(株)製、RT523)100重量部に対し、顔料マスターバッチ(大日精化工業(株)製、PESM22367 BLACK、カーボンブラック20wt%含有)2重量部を添加し、水分量100ppm以下に乾燥した後にドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所(株)製、TEX44)に供給し、バレル設定温度280℃にて溶融混練し、ペレット化した後に、水分量100ppm以下に乾燥させて、ポリエステル系樹脂を得た。次に、当該ポリエステル系樹脂を、溶融紡糸機(シンコーマシナリー(株)製、SV30)を用いバレル設定温度290℃にて、表1に示すノズル孔断面及びノズル孔L/Dの紡糸口金を用いて溶融ポリマーを吐出し、ノズルからの距離20mmで表1に示す風速にて空冷し、130m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を85℃のヒートロールを用いて30m/分の速度で延伸を行ない、3倍延伸糸とし、さらに連続して200℃に加熱したヒートロールを用いて、30m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、仕上げ油剤としてKWC−Q(丸菱油化工業(株)製)を0.20%omf(乾燥繊維重量に対する油剤純分重量百分率)、およびKWC−B(丸菱油化工業(株)製)を0.10%omfとなるように付着させ、乾燥させた後、単繊維繊度が60〜70dtexのポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。得られた繊維について、捻転数と、強伸度、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表1に示す。
ポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット(株)製、RT523)100重量部に対し、顔料マスターバッチ(大日精化工業(株)製、PESM22367 BLACK、カーボンブラック20wt%含有)2重量部を添加し、水分量100ppm以下に乾燥した後にドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所(株)製、TEX44)に供給し、バレル設定温度280℃にて溶融混練し、ペレット化した後に、水分量100ppm以下に乾燥させて、ポリエステル系樹脂を得た。次に、当該ポリエステル系樹脂を、溶融紡糸機(シンコーマシナリー(株)製、SV30)を用いバレル設定温度290℃にて、表1に示すノズル孔断面及びノズル孔L/Dの紡糸口金を用いて溶融ポリマーを吐出し、ノズルからの距離20mmで表1に示す風速にて空冷し、130m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を85℃のヒートロールを用いて30m/分の速度で延伸を行ない、3倍延伸糸とし、さらに連続して200℃に加熱したヒートロールを用いて、30m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、仕上げ油剤としてKWC−Q(丸菱油化工業(株)製)を0.20%omf(乾燥繊維重量に対する油剤純分重量百分率)、およびKWC−B(丸菱油化工業(株)製)を0.10%omfとなるように付着させ、乾燥させた後、単繊維繊度が60〜70dtexのポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。得られた繊維について、捻転数と、強伸度、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表1に示す。
(実施例2、3)
ポリエチレンテレフタレート(三菱化学(株)製、BK−2180)100重量部に対し、臭素化エポキシ系難燃剤(阪本薬品工業(株)製、SR−T20000)20重量部、アンチモン酸ナトリウム(日本精鉱(株)製、SA−A、平均粒子径(一次粒子)2.4μm)2重量部、モンタン酸系ワックス/フッ素系ワックスブレンド品(クラリアントジャパン(株)製、Wax Composite G431L)0.2重量部、顔料マスターバッチ(大日精化工業(株)製、PESM22367 BLACK、カーボンブラック20wt%含有)2重量部を添加し、実施例1と同様の方法により、ポリエステル系樹脂を得た後、表1に示すノズル孔断面及びノズル孔L/Dの紡糸口金を用いて、ポリエステル系繊維を得た。得られた繊維について、捻転数と、強伸度、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表1に示す。
ポリエチレンテレフタレート(三菱化学(株)製、BK−2180)100重量部に対し、臭素化エポキシ系難燃剤(阪本薬品工業(株)製、SR−T20000)20重量部、アンチモン酸ナトリウム(日本精鉱(株)製、SA−A、平均粒子径(一次粒子)2.4μm)2重量部、モンタン酸系ワックス/フッ素系ワックスブレンド品(クラリアントジャパン(株)製、Wax Composite G431L)0.2重量部、顔料マスターバッチ(大日精化工業(株)製、PESM22367 BLACK、カーボンブラック20wt%含有)2重量部を添加し、実施例1と同様の方法により、ポリエステル系樹脂を得た後、表1に示すノズル孔断面及びノズル孔L/Dの紡糸口金を用いて、ポリエステル系繊維を得た。得られた繊維について、捻転数と、強伸度、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表1に示す。
(実施例4〜15)
実施例2の配合組成に加え、さらに、微粒シリカ(富士シリシア化学(株)製、サイリシア310P)0.3重量部を添加し、実施例2と同様の方法でポリエステル系樹脂を得た後、表1に示すノズル孔断面及びノズル孔L/Dの紡糸口金を用いて、ポリエステル系繊維を得た。得られた繊維について、捻転数と、強伸度、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表1に示す。
実施例2の配合組成に加え、さらに、微粒シリカ(富士シリシア化学(株)製、サイリシア310P)0.3重量部を添加し、実施例2と同様の方法でポリエステル系樹脂を得た後、表1に示すノズル孔断面及びノズル孔L/Dの紡糸口金を用いて、ポリエステル系繊維を得た。得られた繊維について、捻転数と、強伸度、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表1に示す。
(実施例16〜17)
ナイロン66(宇部興産(株)製、2020U)100重量部に対し、顔料マスターバッチ(大日精化工業(株)製、PESM22367 BLACK、カーボンブラック20wt%含有)2重量部を添加し、水分量100ppm以下に乾燥した後にドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所(株)製、TEX44)に供給し、バレル設定温度280℃で溶融混練し、ペレット化した後に、水分量100ppm以下に乾燥させて、ポリアミド系樹脂を得た。次に、当該ポリアミド系樹脂を、溶融紡糸機(シンコーマシナリー(株)製、SV30)を用いてバレル設定温度280℃で、表2に示すノズル孔断面及びノズル孔L/Dの紡糸口金を用いて溶融ポリマーを吐出し、ノズルからの距離15mmで、表2に示す風速にて空冷し、130m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を80℃のヒートロールを用いて30m/分の速度で延伸を行ない、3倍延伸糸とし、さらに連続して180℃に加熱したヒートロールを用いて、30m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、仕上げ油剤としてKWC−Q(丸菱油化工業(株)製)を0.20%omf(乾燥繊維重量に対する油剤純分重量百分率)、およびKWC−B(丸菱油化工業(株)製)を0.10%omfとなるように付着させ、乾燥させた後、単繊維繊度が60〜70dtexのポリアミド系繊維(マルチフィラメント)を得た。得られた繊維について、捻転数と、強伸度、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表2に示す。
ナイロン66(宇部興産(株)製、2020U)100重量部に対し、顔料マスターバッチ(大日精化工業(株)製、PESM22367 BLACK、カーボンブラック20wt%含有)2重量部を添加し、水分量100ppm以下に乾燥した後にドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所(株)製、TEX44)に供給し、バレル設定温度280℃で溶融混練し、ペレット化した後に、水分量100ppm以下に乾燥させて、ポリアミド系樹脂を得た。次に、当該ポリアミド系樹脂を、溶融紡糸機(シンコーマシナリー(株)製、SV30)を用いてバレル設定温度280℃で、表2に示すノズル孔断面及びノズル孔L/Dの紡糸口金を用いて溶融ポリマーを吐出し、ノズルからの距離15mmで、表2に示す風速にて空冷し、130m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を80℃のヒートロールを用いて30m/分の速度で延伸を行ない、3倍延伸糸とし、さらに連続して180℃に加熱したヒートロールを用いて、30m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、仕上げ油剤としてKWC−Q(丸菱油化工業(株)製)を0.20%omf(乾燥繊維重量に対する油剤純分重量百分率)、およびKWC−B(丸菱油化工業(株)製)を0.10%omfとなるように付着させ、乾燥させた後、単繊維繊度が60〜70dtexのポリアミド系繊維(マルチフィラメント)を得た。得られた繊維について、捻転数と、強伸度、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表2に示す。
(実施例18〜19)
塩化ビニル樹脂((株)カネカ製、S1001)100重量部に対し、EEA樹脂(日本ユニカー(株)製、PES−250)3重量部、アクリル系加工助剤((株)カネカ製、カネエースPA20)1.3重量部、オクチル錫メルカプト熱安定剤(三共有機合成(株)製)0.5重量部、ブチル錫マレエート熱安定剤(三共有機合成(株)製)0.5重量部、カルシウムステアレート0.6重量部、ポリエチレンワックス0.5重量部、ステアリン酸0.5重量部およびラウリルアルコール0.8重量部を添加し、ヘンシェルミキサーに投入し、撹拌しながら内容物の温度が115℃になるまで撹拌・混合した。その後、内容物の温度が75℃になるまで冷却して、塩化ビニル系パウダーコンパウンドを得た。次に、当該パウダーコンパウンドを、溶融紡糸機(シンコーマシナリー(株)製、SV30)を用いてバレル設定温度180℃で、表2に示すノズル孔断面及びノズル孔L/Dの紡糸口金を用いて溶融ポリマーを吐出し、320℃の加熱紡糸筒を通過させて加熱し、加熱筒からの距離10mmで、風速0.5m/sで冷却し、60m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を95℃の加熱ボックスを用いて15m/分の速度で延伸を行ない、3.5倍延伸糸とし、さらに連続して105℃の加熱ボックスを用いて熱処理を行ない、単繊維繊度が60〜70dtexの塩化ビニル系繊維(マルチフィラメント)を得た。得られた繊維について、捻転数と、強伸度、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表2に示す。
塩化ビニル樹脂((株)カネカ製、S1001)100重量部に対し、EEA樹脂(日本ユニカー(株)製、PES−250)3重量部、アクリル系加工助剤((株)カネカ製、カネエースPA20)1.3重量部、オクチル錫メルカプト熱安定剤(三共有機合成(株)製)0.5重量部、ブチル錫マレエート熱安定剤(三共有機合成(株)製)0.5重量部、カルシウムステアレート0.6重量部、ポリエチレンワックス0.5重量部、ステアリン酸0.5重量部およびラウリルアルコール0.8重量部を添加し、ヘンシェルミキサーに投入し、撹拌しながら内容物の温度が115℃になるまで撹拌・混合した。その後、内容物の温度が75℃になるまで冷却して、塩化ビニル系パウダーコンパウンドを得た。次に、当該パウダーコンパウンドを、溶融紡糸機(シンコーマシナリー(株)製、SV30)を用いてバレル設定温度180℃で、表2に示すノズル孔断面及びノズル孔L/Dの紡糸口金を用いて溶融ポリマーを吐出し、320℃の加熱紡糸筒を通過させて加熱し、加熱筒からの距離10mmで、風速0.5m/sで冷却し、60m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を95℃の加熱ボックスを用いて15m/分の速度で延伸を行ない、3.5倍延伸糸とし、さらに連続して105℃の加熱ボックスを用いて熱処理を行ない、単繊維繊度が60〜70dtexの塩化ビニル系繊維(マルチフィラメント)を得た。得られた繊維について、捻転数と、強伸度、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表2に示す。
(実施例20)
実施例4で得られた繊維と、実施例11で得られた繊維を重量比50/50で混合してミックスフィラメントとして評価を行った。得られた繊維について、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表3に示す。
実施例4で得られた繊維と、実施例11で得られた繊維を重量比50/50で混合してミックスフィラメントとして評価を行った。得られた繊維について、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表3に示す。
(実施例21)
実施例5で得られた繊維と、実施例11で得られた繊維を重量比50/50で混合してミックスフィラメントとして評価を行った。得られた繊維について、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表3に示す。
実施例5で得られた繊維と、実施例11で得られた繊維を重量比50/50で混合してミックスフィラメントとして評価を行った。得られた繊維について、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表3に示す。
(実施例22〜24)
実施例4で得られた繊維と、実施例4と同様にしてノズル孔L/Dが4の紡糸口金を用いて得られた、断面形状は実施例4と同様であるが捻転がない繊維を、表3に示す重量比で混合してミックスフィラメントとして評価を行った。得られた繊維について、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表3に示す。
実施例4で得られた繊維と、実施例4と同様にしてノズル孔L/Dが4の紡糸口金を用いて得られた、断面形状は実施例4と同様であるが捻転がない繊維を、表3に示す重量比で混合してミックスフィラメントとして評価を行った。得られた繊維について、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表3に示す。
(実施例25)
実施例4で得られた繊維と、実施例18で得られた繊維を重量比50/50で混合してミックスフィラメントとして評価を行った。得られた繊維について、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表3に示す。
実施例4で得られた繊維と、実施例18で得られた繊維を重量比50/50で混合してミックスフィラメントとして評価を行った。得られた繊維について、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表3に示す。
(実施例26)
実施例4で得られた繊維と、比較例1で得られた繊維を重量比20/80で混合してミックスフィラメントとして評価を行った。得られた繊維について、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表3に示す。
実施例4で得られた繊維と、比較例1で得られた繊維を重量比20/80で混合してミックスフィラメントとして評価を行った。得られた繊維について、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表3に示す。
(比較例1〜5)
ポリエチレンテレフタレート(三菱化学(株)製、BK−2180)100重量部に対し、臭素化エポキシ系難燃剤(阪本薬品工業(株)製、SR−T20000)20重量部、アンチモン酸ナトリウム(日本精鉱(株)製、SA−A、平均粒子径(一次粒子)2.4μm)2重量部、モンタン酸系ワックス/フッ素系ワックスブレンド品(クラリアントジャパン(株)製、Wax Composite G431L)0.2重量部、顔料マスターバッチ(大日精化工業(株)製、PESM22367 BLACK、カーボンブラック20wt%含有)2重量部を添加し、実施例1と同様の方法により、ポリエステル系樹脂を得た後、表4に示す異形断面ノズル孔及びノズル孔L/Dを有する紡糸口金を用いて溶融ポリマーを吐出し、ノズルからの距離15mmで、表4に示す風速にて、単繊維繊度が60〜70dtexのポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
得られた繊維について、捻転数と、強伸度、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表4に示す。
ポリエチレンテレフタレート(三菱化学(株)製、BK−2180)100重量部に対し、臭素化エポキシ系難燃剤(阪本薬品工業(株)製、SR−T20000)20重量部、アンチモン酸ナトリウム(日本精鉱(株)製、SA−A、平均粒子径(一次粒子)2.4μm)2重量部、モンタン酸系ワックス/フッ素系ワックスブレンド品(クラリアントジャパン(株)製、Wax Composite G431L)0.2重量部、顔料マスターバッチ(大日精化工業(株)製、PESM22367 BLACK、カーボンブラック20wt%含有)2重量部を添加し、実施例1と同様の方法により、ポリエステル系樹脂を得た後、表4に示す異形断面ノズル孔及びノズル孔L/Dを有する紡糸口金を用いて溶融ポリマーを吐出し、ノズルからの距離15mmで、表4に示す風速にて、単繊維繊度が60〜70dtexのポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
得られた繊維について、捻転数と、強伸度、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性を評価した結果を、表4に示す。
表1〜表4に示したように、比較例に対し、実施例では、紡糸性、延伸性、熱処理性ともに安定しており、光沢、触感、ボリューム感、外観の自然さ、くし通り、カールまとまり性に優れることが確認された。従って、本発明の製造方法により製造される人工毛髪用繊維では、これまでの繊維断面では得られなかった、人毛に似た自然な艶や触感を有し、くし通りやカール特性に優れ、強伸度などの繊維物性にも優れ、さらに加工後の商品において、人毛に非常に良く似た自然な外観と触感を有する、非常に優れたバランスのとれた人工毛髪用繊維が得られる。
1 交差軸方向の最長部(a)
2 交差軸との直交軸方向の最長部(b)
2 交差軸との直交軸方向の最長部(b)
Claims (6)
- ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、およびポリアミド系樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する熱可塑性樹脂を、紡糸口金を装着した溶融紡糸装置より溶融紡糸して得られる人工毛髪用繊維であって、繊維断面方向に90°以上の捻転を、繊維長20cmあたり少なくとも2〜40個有する人工毛髪用繊維。
- 人工毛髪用繊維の断面が楕円形、交差円形、繭形、だるま形、ドッグボーン形、リボン形、星型、歯車型、横断面外周上に凹凸を有する任意の形状よりなる群から選択される少なくとも1種の形状を有し、かつ単繊維繊度が10〜100dtexであることを特徴とする、請求項1記載の人工毛髪用繊維。
- 人工毛髪用繊維の断面が、交差円または交差楕円形状であり、交差軸方向の最長部(a)と交差軸との直交軸方向の最長部(b)の長さの比a/bが1.1〜1.7であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の人工毛髪用繊維。
- 紡糸口金のノズル孔における、ノズル孔のランド(L)と円相当直径(D)との比(L/D)を0.5〜0.9とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の人工毛髪用繊維の製造方法。
- 紡糸口金から吐出された溶融樹脂の糸状を吐出方向に対して直交する方向から0.5〜1.5m/sの風速の空気で冷却することを特徴とする請求項4記載の人工毛髪用繊維の製造方法。
- 請求項1〜3記載の人工毛髪用繊維を用いた人工毛髪用繊維束。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006175086A JP2008002041A (ja) | 2006-06-26 | 2006-06-26 | 人工毛髪用繊維およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006175086A JP2008002041A (ja) | 2006-06-26 | 2006-06-26 | 人工毛髪用繊維およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008002041A true JP2008002041A (ja) | 2008-01-10 |
Family
ID=39006654
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006175086A Pending JP2008002041A (ja) | 2006-06-26 | 2006-06-26 | 人工毛髪用繊維およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008002041A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010126828A (ja) * | 2008-11-26 | 2010-06-10 | Daiwabo Holdings Co Ltd | 側面異形繊維およびそれを用いた硬化体 |
JP2011168908A (ja) * | 2010-02-17 | 2011-09-01 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 人工毛髪用繊維束及び頭飾品 |
WO2018037706A1 (ja) * | 2016-08-23 | 2018-03-01 | デンカ株式会社 | 人工毛髪用繊維 |
KR20190087335A (ko) * | 2018-01-16 | 2019-07-24 | 주식회사 와이지켐 | 수세성 및 컬가공시 분리성을 가지며 열 표면 융착에 의하여 결합된 필라멘트들로 이루어진 연속 스트랜드, 이를 이용한 웨트룩 가발 및 이의 제조방법 |
CN113195806A (zh) * | 2019-02-19 | 2021-07-30 | 电化株式会社 | 人工毛发用纤维 |
CN113699604A (zh) * | 2020-05-20 | 2021-11-26 | 株式会社Cyc | 人造头发喷丝头及使用其制作的人造头发 |
Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5551802A (en) * | 1978-10-09 | 1980-04-15 | Nippon Carbide Kogyo Kk | Filament for wig |
JPS5591833U (ja) * | 1978-12-19 | 1980-06-25 | ||
JPS6245718A (ja) * | 1985-08-23 | 1987-02-27 | Sumitomo Chem Co Ltd | ポリエステル繊維 |
JPS6312716A (ja) * | 1986-06-30 | 1988-01-20 | Kuraray Co Ltd | 人工毛髪及び製造方法 |
JPH07252724A (ja) * | 1994-03-14 | 1995-10-03 | Teijin Ltd | 発泡ポリエステル繊維の製造方法 |
JPH0967725A (ja) * | 1995-08-30 | 1997-03-11 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 人工毛髪用捲縮繊維及びその製法 |
JP2001262433A (ja) * | 2000-03-14 | 2001-09-26 | Kuraray Co Ltd | 染色性に優れた軽量繊維 |
WO2005033384A1 (ja) * | 2003-10-03 | 2005-04-14 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | 人工毛髪用ポリ塩化ビニル繊維、その製造方法、及び、その製造装置 |
JP2005113309A (ja) * | 2003-10-07 | 2005-04-28 | Solotex Corp | 異形断面ポリトリメチレンテレフタレート繊維 |
JP2005120533A (ja) * | 2003-10-17 | 2005-05-12 | Kaneka Corp | ポリエステル系人工毛髪用繊維 |
JP2005179823A (ja) * | 2003-12-19 | 2005-07-07 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル繊維の製造方法、及び溶融紡糸用紡糸口金 |
-
2006
- 2006-06-26 JP JP2006175086A patent/JP2008002041A/ja active Pending
Patent Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5551802A (en) * | 1978-10-09 | 1980-04-15 | Nippon Carbide Kogyo Kk | Filament for wig |
JPS5591833U (ja) * | 1978-12-19 | 1980-06-25 | ||
JPS6245718A (ja) * | 1985-08-23 | 1987-02-27 | Sumitomo Chem Co Ltd | ポリエステル繊維 |
JPS6312716A (ja) * | 1986-06-30 | 1988-01-20 | Kuraray Co Ltd | 人工毛髪及び製造方法 |
JPH07252724A (ja) * | 1994-03-14 | 1995-10-03 | Teijin Ltd | 発泡ポリエステル繊維の製造方法 |
JPH0967725A (ja) * | 1995-08-30 | 1997-03-11 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 人工毛髪用捲縮繊維及びその製法 |
JP2001262433A (ja) * | 2000-03-14 | 2001-09-26 | Kuraray Co Ltd | 染色性に優れた軽量繊維 |
WO2005033384A1 (ja) * | 2003-10-03 | 2005-04-14 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | 人工毛髪用ポリ塩化ビニル繊維、その製造方法、及び、その製造装置 |
JP2005113309A (ja) * | 2003-10-07 | 2005-04-28 | Solotex Corp | 異形断面ポリトリメチレンテレフタレート繊維 |
JP2005120533A (ja) * | 2003-10-17 | 2005-05-12 | Kaneka Corp | ポリエステル系人工毛髪用繊維 |
JP2005179823A (ja) * | 2003-12-19 | 2005-07-07 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル繊維の製造方法、及び溶融紡糸用紡糸口金 |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010126828A (ja) * | 2008-11-26 | 2010-06-10 | Daiwabo Holdings Co Ltd | 側面異形繊維およびそれを用いた硬化体 |
JP2011168908A (ja) * | 2010-02-17 | 2011-09-01 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 人工毛髪用繊維束及び頭飾品 |
WO2018037706A1 (ja) * | 2016-08-23 | 2018-03-01 | デンカ株式会社 | 人工毛髪用繊維 |
CN109561745A (zh) * | 2016-08-23 | 2019-04-02 | 电化株式会社 | 人工毛发用纤维 |
JPWO2018037706A1 (ja) * | 2016-08-23 | 2019-06-20 | デンカ株式会社 | 人工毛髪用繊維 |
US10888132B2 (en) | 2016-08-23 | 2021-01-12 | Denka Company Limited | Fibers for artificial hair |
KR20190087335A (ko) * | 2018-01-16 | 2019-07-24 | 주식회사 와이지켐 | 수세성 및 컬가공시 분리성을 가지며 열 표면 융착에 의하여 결합된 필라멘트들로 이루어진 연속 스트랜드, 이를 이용한 웨트룩 가발 및 이의 제조방법 |
WO2019143130A3 (ko) * | 2018-01-16 | 2019-09-06 | 주식회사 와이지켐 | 수세성 및 컬가공시 분리성을 가지며 열 표면 융착에 의하여 결합된 필라멘트들로 이루어진 연속 스트랜드, 이를 이용한 웨트룩 가발 및 이의 제조방법 |
KR102136818B1 (ko) * | 2018-01-16 | 2020-07-23 | 주식회사 와이지켐 | 수세성 및 컬가공시 분리성을 가지며 열 표면 융착에 의하여 결합된 필라멘트들로 이루어진 연속 스트랜드, 이를 이용한 웨트룩 가발 |
CN113195806A (zh) * | 2019-02-19 | 2021-07-30 | 电化株式会社 | 人工毛发用纤维 |
CN113699604A (zh) * | 2020-05-20 | 2021-11-26 | 株式会社Cyc | 人造头发喷丝头及使用其制作的人造头发 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7011581B2 (ja) | 人工毛髪繊維 | |
JP5700048B2 (ja) | ポリ塩化ビニル系樹脂繊維の製造方法 | |
JP5176960B2 (ja) | 加工性の改良された人工毛髪用繊維及びそれを用いた頭髪装飾品 | |
KR102285778B1 (ko) | 인공모용 수지 조성물 및 그 성형체 | |
JP5552114B2 (ja) | 人工毛髪用繊維と、その用途及び製造方法 | |
JPWO2015056629A1 (ja) | 形状記憶及び形状復元機能を持つ人工毛髪用繊維、耐燃焼性に優れた人工毛髪用繊維、低光沢な外観を有する人工毛髪用繊維 | |
JP2008002041A (ja) | 人工毛髪用繊維およびその製造方法 | |
JP5122133B2 (ja) | 人工頭髪繊維束及びそれからなる頭飾製品 | |
JP4889635B2 (ja) | 人工毛髪用繊維束及びそれを用いた頭髪装飾製品 | |
JP2008285772A (ja) | 人工毛髪およびそれからなる頭飾製品 | |
JP2007297737A (ja) | 人工毛髪用ポリエステル系繊維 | |
KR101084492B1 (ko) | 인공모발용 폴리아미드계 섬유 및 그 제조 방법 | |
JP2005120533A (ja) | ポリエステル系人工毛髪用繊維 | |
EP3933080A1 (en) | Crimped polester-based fiber, method for producing same, pile fabric including same, and method for producing pile fabric | |
JP2007009336A (ja) | 人工毛髪用繊維束 | |
JP5210856B2 (ja) | 塩化ビニル系樹脂繊維の製造方法 | |
WO2007049561A1 (ja) | ポリエステル系人工毛髪 | |
CN1117893C (zh) | 卷曲混纤聚酯复丝及其生产方法 | |
JP3600928B2 (ja) | ポリ塩化ビニル系繊維及びその製造法 | |
JP4935050B2 (ja) | 人工頭髪用繊維 | |
JP4854272B2 (ja) | 人工頭髪用繊維 | |
WO2007043559A1 (ja) | 人工毛髪用繊維束及び頭飾製品 | |
JP2007217805A (ja) | 人工毛髪およびそれからなる頭飾製品 | |
JP2011058139A (ja) | 人工毛髪用繊維束 | |
JP4722881B2 (ja) | 合成繊維束、及び合成繊維束の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20090423 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20120111 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120124 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120522 |