JP2008285772A - 人工毛髪およびそれからなる頭飾製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、人工毛髪用繊維に要求される耐熱性、強伸度等の繊維物性、カール特性を有し、色の鮮明性(発色性)に優れ、人毛に近似したソフトな触感、嵩高性、軽量感を有する人工毛髪、さらには、人毛に近似した光沢感を有し、難燃性に優れた人工毛髪を提供することを目的とする。
【解決手段】 人工毛髪用繊維の断面形状を中空率が10〜50%である中空部を有する形状にすることにより、人工毛髪用繊維に要求される耐熱性、強伸度等の繊維物性、カール特性を有し、色の鮮明性(発色性)に優れ、人毛に近似したソフトな触感、嵩高性、軽量感を有する人工毛髪、さらには、人毛に近似した光沢感を有し、難燃性に優れた人工毛髪が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】 人工毛髪用繊維の断面形状を中空率が10〜50%である中空部を有する形状にすることにより、人工毛髪用繊維に要求される耐熱性、強伸度等の繊維物性、カール特性を有し、色の鮮明性(発色性)に優れ、人毛に近似したソフトな触感、嵩高性、軽量感を有する人工毛髪、さらには、人毛に近似した光沢感を有し、難燃性に優れた人工毛髪が得られる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、中空繊維を含有する人工毛髪に関するものであり、さらに詳しくは、ウィービング、ウィッグ、ヘアーエクステンション等の頭髪装飾等の人工毛髪として用いられる、色の鮮明性、人毛に似た触感、嵩高性、軽量感を有する人工毛髪およびそれからなる頭飾製品に関するものである。
一般に、毛髪用に使用される合成繊維としては、アクリル系繊維、塩化ビニル系繊維、塩化ビニリデン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維などがある。従来から、これらの繊維を用いて、ウィービング、ウィッグ、ヘアーエクステンション等の頭髪装飾等の人工毛髪用商品に加工されてきたが、これらの繊維には、耐熱性、カール特性、触感等の人工毛髪用繊維として必要な特性の全てを同時に備えるものがないため、頭飾製品を製造する時、単独の繊維では種々の特性を満足させる製品を作ることができず、各繊維の断面形状が研究され改良が重ねられてきた。
例えば、繭形断面形状における最長部分L、両端の円形部分の径W、および中央部のくびれた部分の幅Cの長さを特定の範囲内に限定したかつら用フィラメント(特許文献1)、繊維横断面における重心を通る最大径(L)を所定の範囲に限定した人造毛髪用合成繊維(特許文献2)、断面が略円形もしくは楕円形をなす四本の単位フィラメントが一本の単位フィラメントに対し他の三本の単位フィラメントを等間隔をもって放射状に隣り合った断面Y字形であって、隣接するもの同士の接点が、該単位フィラメントの半径に略等しい幅で接続したウィッグおよびブレード用フィラメント(特許文献3)、少なくとも2個の扁平円を部分的に重ねた断面形状を有し、その短軸の長さWと長軸の長さLとの比L/W、隣り合う2つの扁平円の中心間の距離C、さらに2つの扁平円の中心間を結ぶ直線と扁平円の長軸のなす角度等を限定したかつら用フィラメント(特許文献4)等が挙げられる。
しかし、上記のような従来の人工毛髪用繊維として開発された繊維は、いずれも繊維断面形状の長さや角度が極めて限られた数値で限定された特異な形状を有しており、製造が必ずしも容易でないのに加えて、ブレード用やエクステンションヘアー用として用いた場合には、必ずしも好ましい風合いを有するものではなく、スタイルの保持やストレート性を重視するあまり、硬い触感の繊維となりがちであった。また、加工時の扱い易さといった点でも十分ではなかった。また、扁平繊維は、従来からパイル用途には広く用いられていたが、かつら等の人工毛髪用繊維としては、ヘタリ感等が敬遠され、人工毛髪用繊維としての用途には不向きと考えられていた。
一方、最近になって、ポリエステル系繊維やポリアミド系繊維が耐熱性、耐久性の要求を十分に満たすことがわかり、人工毛髪用繊維としての使用が増えてきている。特に、ポリエステル系繊維は、耐熱性が高く、高温でセットすることが可能であるという長所がある。さらに、通常、頭髪が汚れた場合には、シャンプー等で洗浄するが、ポリエステル系繊維は反復洗浄に対する耐久性が優れ、しかも洗浄後の形状戻り性(スタイル保持性)が優れているという利点もある。しかしながら、ポリエステル系繊維は、その比重が1.38前後あり、アクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維等と比較すると、重量感があり、ボリューム感に劣り、自然感が得られ難いという課題が残されていた。
また、人工毛髪用繊維としては、人毛に近い適度なつや消し性と色が必要とされるが、常法で製糸したポリエステル繊維そのままでは糸表面が平坦で、かつ光の屈折率が繊維軸方向で1.72、繊維軸と直交する方向でも1.54と高いため、光の反射が強く、表面光沢が高くなり、人工毛髪に適用することができない。この点を改良するため、例えば、ポリエステル繊維の表面に多数の擦過傷を生じさせて粗面化し、つや消しを施した人工毛髪を得る方法が知られているが、この方法により得られたつや消し繊維は繊維表面に生じた擦過傷のために繊維の強度が低下するという欠点を有していた。また、酸化硅素を主成分とする微粒子などを含有するポリエステル系繊維をアルカリ性水溶液で処理し、繊維表面に特定の微細な凹凸を形成させた人工毛髪用ポリエステル繊維およびその製造方法が開示されている(特許文献5)が、この方法で得られた繊維は表面の凹凸が微細、かつ均一過るために艶消し状態が不十分で、斜め方向からの光を受けたときに強い光の反射を示すことが認められ、人工毛髪としての使用が制約されており、光沢感の点でも課題が残されていた。
例えば、繭形断面形状における最長部分L、両端の円形部分の径W、および中央部のくびれた部分の幅Cの長さを特定の範囲内に限定したかつら用フィラメント(特許文献1)、繊維横断面における重心を通る最大径(L)を所定の範囲に限定した人造毛髪用合成繊維(特許文献2)、断面が略円形もしくは楕円形をなす四本の単位フィラメントが一本の単位フィラメントに対し他の三本の単位フィラメントを等間隔をもって放射状に隣り合った断面Y字形であって、隣接するもの同士の接点が、該単位フィラメントの半径に略等しい幅で接続したウィッグおよびブレード用フィラメント(特許文献3)、少なくとも2個の扁平円を部分的に重ねた断面形状を有し、その短軸の長さWと長軸の長さLとの比L/W、隣り合う2つの扁平円の中心間の距離C、さらに2つの扁平円の中心間を結ぶ直線と扁平円の長軸のなす角度等を限定したかつら用フィラメント(特許文献4)等が挙げられる。
しかし、上記のような従来の人工毛髪用繊維として開発された繊維は、いずれも繊維断面形状の長さや角度が極めて限られた数値で限定された特異な形状を有しており、製造が必ずしも容易でないのに加えて、ブレード用やエクステンションヘアー用として用いた場合には、必ずしも好ましい風合いを有するものではなく、スタイルの保持やストレート性を重視するあまり、硬い触感の繊維となりがちであった。また、加工時の扱い易さといった点でも十分ではなかった。また、扁平繊維は、従来からパイル用途には広く用いられていたが、かつら等の人工毛髪用繊維としては、ヘタリ感等が敬遠され、人工毛髪用繊維としての用途には不向きと考えられていた。
一方、最近になって、ポリエステル系繊維やポリアミド系繊維が耐熱性、耐久性の要求を十分に満たすことがわかり、人工毛髪用繊維としての使用が増えてきている。特に、ポリエステル系繊維は、耐熱性が高く、高温でセットすることが可能であるという長所がある。さらに、通常、頭髪が汚れた場合には、シャンプー等で洗浄するが、ポリエステル系繊維は反復洗浄に対する耐久性が優れ、しかも洗浄後の形状戻り性(スタイル保持性)が優れているという利点もある。しかしながら、ポリエステル系繊維は、その比重が1.38前後あり、アクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維等と比較すると、重量感があり、ボリューム感に劣り、自然感が得られ難いという課題が残されていた。
また、人工毛髪用繊維としては、人毛に近い適度なつや消し性と色が必要とされるが、常法で製糸したポリエステル繊維そのままでは糸表面が平坦で、かつ光の屈折率が繊維軸方向で1.72、繊維軸と直交する方向でも1.54と高いため、光の反射が強く、表面光沢が高くなり、人工毛髪に適用することができない。この点を改良するため、例えば、ポリエステル繊維の表面に多数の擦過傷を生じさせて粗面化し、つや消しを施した人工毛髪を得る方法が知られているが、この方法により得られたつや消し繊維は繊維表面に生じた擦過傷のために繊維の強度が低下するという欠点を有していた。また、酸化硅素を主成分とする微粒子などを含有するポリエステル系繊維をアルカリ性水溶液で処理し、繊維表面に特定の微細な凹凸を形成させた人工毛髪用ポリエステル繊維およびその製造方法が開示されている(特許文献5)が、この方法で得られた繊維は表面の凹凸が微細、かつ均一過るために艶消し状態が不十分で、斜め方向からの光を受けたときに強い光の反射を示すことが認められ、人工毛髪としての使用が制約されており、光沢感の点でも課題が残されていた。
さらには、ポリエステル系繊維は、可燃性であり、人工毛髪として使用した場合、安全性の点で問題がある。合成繊維に難燃性を付与する方法としては、一般的に、難燃剤が用いられる。しかし、一般的に紡織繊維で行われる難燃化処理を施した場合には、シャンプー等による洗浄で難燃剤が洗い流され難燃性が低下したり、リン化合物を共重合した難燃ポリエステル樹脂を用いた場合には、火炎に接した時に、ポリエステル系繊維が溶融滴下して消火するため、延焼したりやけどの恐れがあり危険であるという課題が残っている。
実開昭48−13277号公報
特公昭53−6253号公報
実開昭63−78026号公報
特開昭55−51802号公報
特開昭63−12716号公報
本発明は、人工毛髪用繊維に要求される耐熱性、強伸度等の繊維物性、カール特性を有し、色の鮮明性(発色性)に優れ、人毛に近似したソフトな触感、嵩高性、軽量感を有する人工毛髪、さらには、人毛に近似した光沢感を有し、難燃性に優れた人工毛髪を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、人工毛髪用繊維の断面形状を中空にすることにより、人工毛髪用繊維に要求される耐熱性、強伸度等の繊維物性、カール特性を有し、色の鮮明性(発色性)に優れ、人毛に近似したソフトな触感、嵩高性、軽量感を有する人工毛髪、さらには、人毛に近似した光沢感を有し、難燃性に優れた人工毛髪が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
中空率が10〜50%である中空部を有する中空繊維を含有することを特徴とする人工毛髪に関する(請求項1)、
前記人工毛髪が、アルキレンテレフタレート単位を70モル%以上含有するポリエステル系繊維からなることを特徴とする請求項1記載の人工毛髪に関する(請求項2)、
前記人工毛髪がリン系難燃剤および/または臭素系難燃剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の人工毛髪に関する(請求項3)、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の人工毛髪を加工して得られる頭飾製品に関する(請求項4)、
前記頭飾製品が、ウィービング、ウィッグ、ツーぺ、ヘアーエクステンション、ヘアーピースまたはヘアーアクセサリーである請求項4記載の頭飾製品に関する(請求項5)、ものである。
中空率が10〜50%である中空部を有する中空繊維を含有することを特徴とする人工毛髪に関する(請求項1)、
前記人工毛髪が、アルキレンテレフタレート単位を70モル%以上含有するポリエステル系繊維からなることを特徴とする請求項1記載の人工毛髪に関する(請求項2)、
前記人工毛髪がリン系難燃剤および/または臭素系難燃剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の人工毛髪に関する(請求項3)、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の人工毛髪を加工して得られる頭飾製品に関する(請求項4)、
前記頭飾製品が、ウィービング、ウィッグ、ツーぺ、ヘアーエクステンション、ヘアーピースまたはヘアーアクセサリーである請求項4記載の頭飾製品に関する(請求項5)、ものである。
本発明によると、カール特性を有し、色の鮮明性(発色性)に優れ、人毛に近似したソフトな触感を有する人工毛髪が得られる。
本発明の人工毛髪は、中空繊維からなる人工毛髪であって、中空率が10〜50%である中空部を有することを特徴とするものである。
本発明の人工毛髪は、中空率を10〜50%とすることにより、カールセット性の低下を招くことなく、軽量化することができ、それとともに、嵩高性も発現することができる。さらには、触感も人毛に近い柔らかな触感が得られる。
前記人工毛髪の中空率が10%〜50%の範囲にあれば、軽量性、嵩高性、触感、カールセット性のバランスをとることができる。
本発明の人工毛髪は、楕円形、交差円形、繭形、だるま形、ドッグボーン形、リボン形、3〜8葉形、星形よりなる群から選ばれる少なくとも1種の断面形状(外周)を有する人工毛髪であり、その中空率が10〜50%であればよい。
本発明の人工毛髪は、アルキレンテレフタレート単位を70モル%以上含有するポリエステル系繊維からなる人工毛髪、または、カプロアミド単位および/またはヘキサメチレンアジパミド単位を70モル%以上を含有するポリアミド系繊維からなる人工毛髪であることが好ましい。
これらの中では、カールセット性、カールの耐久性(保持性)の点からは、アルキレンテレフタレート単位を70モル%以上含有するポリエステル系繊維からなる人工毛髪がさらに好ましい。また、触感、しっとり感の点からは、カプロアミド単位および/またはヘキサメチレンアジパミド単位を70モル%以上含有するポリアミド系繊維からなる人工毛髪が好ましい。
アルキレンテレフタレート単位を70モル%以上含有するポリエステル系繊維、または、カプロアミド単位および/またはヘキサメチレンアジパミド単位を70モル%以上含有するポリアミド系繊維を用いれば人工毛髪として満足できる特性という視点で好ましく、カールセット性、カールの耐久性(保持性)の点から75モル%以上含有する場合がより好ましく、80モル%以上含有する場合がさらに好ましい。
前記ポリエステル系繊維に用いられるアルキレンテレフタレート単位を70モル%以上含有するポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、および前記ポリアルキレンテレフタレート単位を70モル%以上含有しその他の共重合単位を30モル%未満含有する共重合ポリアルキレンテレフタレートが挙げられる。
前記その他の共重合単位を30モル%未満含有する共重合ポリアルキレンテレフタレートの具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレートを主体とし、ビスフェノールAのエチレングリコールエーテルを共重合したポリエステル、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルを共重合したポリエステル等が挙げられる。
前記ポリアルキレンテレフタレートおよび共重合ポリエステルは、1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートを主体とし、ビスフェノールAのエチレングリコールエーテルを共重合したポリエステル、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルを共重合したポリエステルなど)が好ましく、これらは2種以上混合したものも好ましい。
ポリエステル(A)の固有粘度としては、0.5〜1.4であるのが好ましく、さらには0.6〜1.2であるのが、繊維物性、カール特性の点から好ましい。
前記ポリアミド系繊維に用いられるカプロアミド単位および/またはヘキサメチレンアジパミド単位を70モル%以上含有するポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド、および前記カプロアミド単位および/またはヘキサメチレンアジパミド単位を70モル%以上含有しその他の共重合単位を30モル%未満含有する共重合ポリアミドが挙げられる。
前記その他の共重合単位を30モル%未満含有する共重合ポリアミドの具体例としては、例えばナイロン6またはナイロン6,6を主体とし、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6および/またはナイロン6,6と、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン6Tおよび/または6I単位を含有する半芳香族ナイロンを共重合したポリエステル等が挙げられる。
前記ポリアミドおよび共重合ポリアミドは、1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6の共重合体、ナイロン6とナイロン12の共重合体、ナイロン6,6とナイロン12の共重合体、ナイロン6とナイロン6,12の共重合体、ナイロン6,6とナイロン6,12の共重合体が好ましい。
本発明の人工毛髪は、無機粒子、有機樹脂粒子、および、無機有機樹脂複合粒子から選ばれる1種以上の粒子を含有することが好ましい。前記粒子を含有することにより、得られる繊維の表面に微細な突起を形成し、人工毛髪に人毛に近似した光沢感と着色した際の色の鮮明性(発色性)の低下を抑制することができる。
前記無機粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムとリン酸カルシウムの複合体、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、タルク、カオリン、モンモリロナイト、ベントナイト、マイカ等が挙げられる。また、前記有機粒子としては、前記ポリエステルおよび前記ポリアミドと相溶しないか、部分的に相溶しない構造を有する有機樹脂粒子が挙げられ、例えば、架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレン、架橋ポリエステル、ポリカーボネート樹脂粒子、ポリアリレート樹脂粒子、フッ素樹脂粒子およびシリコーン樹脂粒子等が挙げられる。なお、前記粒子は、樹脂成分との密着性を高めるために、エポキシ化合物、シラン化合物、イソシアネート化合物、チタネート化合物等で表面処理されてもよい。
前記無機粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムとリン酸カルシウムの複合体、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、タルク、カオリン、モンモリロナイト、ベントナイト、マイカ等が挙げられる。また、前記有機粒子としては、前記ポリエステルおよび前記ポリアミドと相溶しないか、部分的に相溶しない構造を有する有機樹脂粒子が挙げられ、例えば、架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレン、架橋ポリエステル、ポリカーボネート樹脂粒子、ポリアリレート樹脂粒子、フッ素樹脂粒子およびシリコーン樹脂粒子等が挙げられる。なお、前記粒子は、樹脂成分との密着性を高めるために、エポキシ化合物、シラン化合物、イソシアネート化合物、チタネート化合物等で表面処理されてもよい。
また、前記無機有機複合粒子とは、無機化合物と有機樹脂が複合化されて形成された粒子であり、例えば、メラミン樹脂とシリカとの複合粒子が挙げられる。
これらの無機粒子、有機樹脂粒子、および、無機有機樹脂複合粒子は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、有機樹脂粒子、および、無機有機樹脂複合粒子、特に、架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂粒子、メラミン樹脂とシリカとの無機有機複合粒子が、耐熱性に優れ、また、樹脂組成物中での分散性に優れているために光沢を調整する効果が高い点から好ましく、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムとリン酸カルシウムの複合体は樹脂成分との屈折率と比較的近い屈折率を有するために繊維の着色時の発色性の低下が小さく、また、カールセット時にスチーム等で処理した場合に有機成分を含有しないために変色し難い点から好ましい。
前記無機粒子、有機樹脂粒子、および、無機有機樹脂複合粒子の平均粒子径としては、0.1〜15μm、さらには、0.2〜10μm、とくには、0.5〜8μmであることが光沢調整効果に優れている点から好ましい。
前記粒子の含有量は、前記ポリエステル、前記ポリアミドの樹脂成分100質量部に対し、無機粒子、有機樹脂粒子、および、無機有機樹脂複合粒子から選ばれる少なくとも1種の粒子を0.2〜10質量部、さらには、0.5〜5重量部を含有することが好ましい。
前記含有量が0.2〜10質量部である場合には、人毛に近似した光沢感と着色した際の発色性の低下が抑制され、0.5〜5質量部である場合には、さらにより人毛に近似した光沢感と着色した際の優れた発色性が得られる。
本発明における人工毛髪は、さらに、難燃性を付与する目的で難燃剤を含有することが好ましい。
前記難燃剤としては、リン系難燃剤や臭素系難燃剤等が好ましく用いられる。
前記難燃剤としては、リン系難燃剤や臭素系難燃剤等が好ましく用いられる。
リン系難燃剤の具体例としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリネフチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチルなどのほか、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェート、縮合リン酸エステル系化合物、リン酸エステルアミド化合物または有機環状リン系化合物等が挙げられる。
また、臭素系難燃剤の具体例としては、例えば、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、テトラブロモ無水フタル酸、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの臭素含有リン酸エステル類、臭素化ポリスチレン類、臭素化ポリベンジルアクリレート類、臭素化エポキシオリゴマー類、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリカーボネートオリゴマー類、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)などのテトラブロモビスフェノールA誘導体、トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジンなどの臭素含有トリアジン系化合物、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどの臭素含有イソシアヌル酸系化合物等が挙げられる。
これらの難燃剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかでは、臭素系難燃剤、とくには、臭素化エポキシ系難燃剤が難燃性に優れている点から好ましい。
前記難燃剤の含有量は、前記ポリエステル、前記ポリアミドの樹脂成分100質量部に対し、3〜30質量部、さらには、5〜28重量部、とくには、7〜25質量部であることが好ましい。
前記含有量が少なすぎる場合には、難燃効果が不十分になり、30質量部を超える場合には、人工毛髪のカールセット性が低下するとともに、接炎時にドリップし易くなる傾向がある。
本発明においては、前記難燃剤成分を配合することにより、難燃性は発現されるものの、シリコーン系の繊維処理剤を使用した場合や可燃性の人工毛髪と混合して使用する場合には、難燃性のレベルが不十分な場合がある。このような場合には、さらに、難燃助剤を配合することにより、難燃効果が著しく向上し、さらに高い難燃性を得ることができる。
前記難燃助剤としては、特に限定なく、その具体例としては、例えば、メラミンシアヌレート、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、混合物の紡糸加工性の点から、アンチモン酸ナトリウムが好ましい。
前記難燃助剤の含有量としては、前記ポリエステル、前記ポリアミドの樹脂成分100質量部に対し、10質量部以下、さらには、8質量部以下、とくには、6重量部以下であって、0.5質量部以上、さらには、1質量部以上含有することが好ましい。前記難燃助剤の使用割合が10質量部を超える場合には、加工安定性、外観性および透明性が損なわれる傾向がある。
前記難燃助剤の平均粒子径としては、1.5μm未満が好ましく、1.4μm以下がより好ましく、1.3μm以下がさらに好ましい。平均粒子径の下限値としては、0.2μm超が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、0.8μm以上がさらに好ましい。
本発明の人工毛髪には、必要に応じて、さらに、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料などの各種添加剤を含有してもよい。
本発明の人工毛髪は、紡糸後に染色する方法(後染色)や樹脂の溶融混練の際に顔料や染料を配合して着色する方法(原着)により着色して使用することができる。
染色に使用される顔料、染料、助剤等は、耐候性および難燃性のよいものが好ましい。
本発明の人工毛髪は、前記各成分をドライブレンドした後、種々の一般的な混練機を用いて溶融混練して得られる樹脂組成物を溶融紡糸することにより形成される。
なお、前記樹脂組成物に含まれるポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂は、溶融混練時に吸着水分による加水分解を受けるため、機械的特性が低下し、人工毛髪としてのカールセット性を十分に維持できなくなる恐れがある。したがって、溶融混練時には、十分に乾燥して用いることが好ましい。
樹脂組成物の製造に用いられる前記混練機の例としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどがあげられる。これらのうちでは、二軸押出機が、混練度の調整、操作の簡便性の点から好ましい。
樹脂組成物を溶融混練する際の条件は、ポリエステル系、ポリアミド系で異なるため特定できないが、前記ポリエステルおよびポリアミドが十分に溶融して、混練されるように温度条件等を調整すればよい。例えば、スクリュー径45mmの二軸押出機を用いて、バレル温度を260〜300℃とし、吐出量50〜150kg/hr、スクリュー回転数150〜200rpmで溶融混練し、ダイスよりストランドを引取、水冷した後に、ストランドカッターを用いてペレット化して、本発明の組成物を得ることができる。
本発明の人工毛髪を、通常の溶融紡糸法で溶融紡糸する場合には、例えば、押出機、ギアポンプ、口金などの温度を270〜310℃とし、溶融紡糸し、紡出糸条を加熱筒に通過させたのち、ガラス転移点以下に冷却し、50〜5000m/分の速度で引き取ることにより紡出糸条が得られる。また、紡出糸条を冷却用の水を入れた水槽で冷却し、繊度のコントロールを行なうことも可能である。加熱筒の温度や長さ、冷却風の温度や吹付量、冷却水槽の温度、冷却時間、引取速度は、吐出量および口金の孔数によって適宜調整することができる。
なお、本発明の人工毛髪を得る別の方法としては、前記各成分をドライブレンドした組成物を、ギアポンプおよび紡糸ノズルを備えた二軸押出機または混練能を有するスクリューを使用した単軸押出機を用いて、溶融したストランドを吐出した後、樹脂組成物をペレット化することなく直接溶融紡糸してもよい。
本発明においては、得られた紡出糸条は熱延伸されるが、延伸は紡出糸条を一旦巻き取ってから延伸する2工程法および、巻き取ることなく連続して延伸する直接紡糸延伸法のいずれの方法によってもよい。熱延伸は、1段延伸法または2段以上の多段延伸法で行なわれる。熱延伸における加熱手段としては、加熱ローラ、ヒートプレート、スチームジェット装置、温水槽などを使用することができ、これらを適宜併用することもできる。
さらに、繊維処理剤柔軟剤等の油剤を使用し、触感、風合いを付与して、より人毛に近づけることができる。
前記繊維処理剤としては、例えば、触感やくし通りを向上させるためのシリコーン系繊維処理剤や、非シリコーン系繊維処理剤等が挙げられる。
本発明の人工毛髪の繊度は、通常、10〜100dtex、さらには20〜90dtexであるのが、人工毛髪に適している。
このようにして得られた本発明の人工毛髪は、耐熱性、強伸度等の繊維物性、カール特性を有し、色の鮮明性(発色性)に優れ、人毛に近似したソフトな触感、嵩高性、軽量感を有し、さらには、人毛に近似した光沢感を有し、難燃性に優れているため、人工毛髪として好適に使用することができる。さらに、高い耐熱性を有していることから、美容熱器具を用いたカールセット性優れ、カールの保持性にも優れている。したがって、ウィービング、ウィッグ、ツーぺ、ヘアーエクステンション、ヘアーピースまたはヘアーアクセサリー等の頭飾製品や、ドールヘアー等の人工毛髪として好ましく用いられる。
また、これらの頭飾製品を作製する場合に、本発明の人工毛髪と人毛や獣毛等の天然繊維とを組合せて用いてもよい。
つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、特性値の測定法は、以下のとおりである。
(強度および伸度)
引張圧縮試験機(インテスコ社製、INTESCO Model201型)を用いて、フィラメントの引張強伸度を測定する。長さ40mmのフィラメント1本をとり、フィラメントの両端10mmを、接着剤を糊付けした両面テープを貼り付けた台紙(薄紙)で挟み、一晩風乾させて、長さ20mmの試料を作製する。試験機に試料を装着し、温度24℃、湿度80%以下、荷重1/30gF×繊度(デニール)、引張速度20mm/分で試験を行ない、破断時の引張強度および伸度を測定する。同じ条件で試験を10回繰り返し、平均値をフィラメントの強伸度とする。
(光沢感)
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを太陽光のもと、目視により評価する。
(強度および伸度)
引張圧縮試験機(インテスコ社製、INTESCO Model201型)を用いて、フィラメントの引張強伸度を測定する。長さ40mmのフィラメント1本をとり、フィラメントの両端10mmを、接着剤を糊付けした両面テープを貼り付けた台紙(薄紙)で挟み、一晩風乾させて、長さ20mmの試料を作製する。試験機に試料を装着し、温度24℃、湿度80%以下、荷重1/30gF×繊度(デニール)、引張速度20mm/分で試験を行ない、破断時の引張強度および伸度を測定する。同じ条件で試験を10回繰り返し、平均値をフィラメントの強伸度とする。
(光沢感)
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを太陽光のもと、目視により評価する。
◎:人毛に等しいレベルに光沢が調整されている
○:適度に光沢が調整されている
△:若干光沢が多すぎる、または、若干光沢が少なすぎる
×:光沢が多すぎる、または、光沢が少なすぎる
(色の鮮明性)
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを太陽光のもと、目視により評価する。
○:適度に光沢が調整されている
△:若干光沢が多すぎる、または、若干光沢が少なすぎる
×:光沢が多すぎる、または、光沢が少なすぎる
(色の鮮明性)
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを太陽光のもと、目視により評価する。
◎:透明感があり、色の深み(鮮やかさ)がある
○:透明感がある
△:若干不透明感(曇り)がある
×:不透明感があり、色の深みがない
(触感)
人毛との比較で官能評価を行い、3段階で評価する。
○:透明感がある
△:若干不透明感(曇り)がある
×:不透明感があり、色の深みがない
(触感)
人毛との比較で官能評価を行い、3段階で評価する。
◎:人毛と同等の非常に柔らかな風合い
○:人毛に似たに柔らかな風合い
△:人毛に比べやや硬い風合い
×:人毛に比べ硬い風合い
(難燃性)
繊度約50dtexのフィラメントを150mmの長さに切り、0.7gを束ね、一方の端をクランプで挟んでスタンドに固定して垂直に垂らす。有効長120mmの固定したフィラメントに20mmの炎を3秒間接炎させ、燃焼させて評価する。
○:人毛に似たに柔らかな風合い
△:人毛に比べやや硬い風合い
×:人毛に比べ硬い風合い
(難燃性)
繊度約50dtexのフィラメントを150mmの長さに切り、0.7gを束ね、一方の端をクランプで挟んでスタンドに固定して垂直に垂らす。有効長120mmの固定したフィラメントに20mmの炎を3秒間接炎させ、燃焼させて評価する。
◎:残炎時間が0秒(着火しない)
○:残炎時間が3秒未満
△:残炎時間が3〜10秒
×:残炎時間が10秒以上
(カールセット性)
蓑毛にしたフィラメントを32mmΦのパイプに捲きつけ、120℃、相対湿度100%で60分間のスチーム加工条件でカールセットし、室温で60分間エイジングしたのちに、カールしたフィラメントの一端を固定し釣り下げ、カールの状態を目視評価する。これをカールの付きやすさの指標とし、長さが短く、形良くカールが付いているものが好ましい。
○:残炎時間が3秒未満
△:残炎時間が3〜10秒
×:残炎時間が10秒以上
(カールセット性)
蓑毛にしたフィラメントを32mmΦのパイプに捲きつけ、120℃、相対湿度100%で60分間のスチーム加工条件でカールセットし、室温で60分間エイジングしたのちに、カールしたフィラメントの一端を固定し釣り下げ、カールの状態を目視評価する。これをカールの付きやすさの指標とし、長さが短く、形良くカールが付いているものが好ましい。
○:形良くカールが付いている
△:若干カールが伸びている
×:カールが伸びて、形が崩れている
(カール保持性)
蓑毛にしたフィラメントを32mmΦのパイプに捲きつけ、100〜180℃の各温度で60分間カールセットし、室温で60分間エイジングしたのちに、カールしたフィラメントの一端を固定し釣り下げ、初期のフィラメント長、7日後までのフィラメント長の経時変化を調べた。
△:若干カールが伸びている
×:カールが伸びて、形が崩れている
(カール保持性)
蓑毛にしたフィラメントを32mmΦのパイプに捲きつけ、100〜180℃の各温度で60分間カールセットし、室温で60分間エイジングしたのちに、カールしたフィラメントの一端を固定し釣り下げ、初期のフィラメント長、7日後までのフィラメント長の経時変化を調べた。
○:7日後のフィラメント長が初期の120%未満である
△:7日後のフィラメント長が初期の120〜140%である
×:7日後のフィラメント長が初期の140%を超えている
本実施例および比較例において使用した原料は、以下のとおりである。
ポリエチレンテレフタレート:三菱化学(株)製、BK−2180
ポリカーボネート:出光興産(株)製、タフロンA−2600
臭素系難燃剤:阪本薬品工業(株)製、SR−T20000
アンチモン化合物:日本精鉱(株)製、SA−A、平均粒子径(一次粒子)2.4
μm
顔料(黒):大日精化工業(株)製、顔料マスタバッチ、顔料純分20wt%含有、PESM22367BLACK
顔料(黄):大日精化工業(株)製、顔料マスタバッチ、顔料純分20wt%含有、PESM1001YELLOW
顔料(赤):大日精化工業(株)製、顔料マスタバッチ、顔料純分20wt%含有、PESM3005RED
(実施例1〜7)
表1に示す配合比率の組成物を、水分量100ppm以下に乾燥し、ドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所(株)製、TEX44)に供給し、バレル設定温度260℃で溶融混練し、ペレット化した後に、水分量100ppm以下に乾燥させた。次いで、溶融紡糸機(シンコーマシナリー(株)製、SV30)を用いて、バレル設定温度260℃で図1(円形中空断面、実施例1〜4、6,7)または図2(扁平比が1.4:1の繭形中空断面、実施例5)の形状を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、20℃の冷却風により空冷し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸に対し、85℃に加熱したヒートロールを用いて4倍に延伸し、200℃に加熱したヒートロールを用いて熱処理を行い、30m/分の速度で巻き取り、ポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。得られたポリエステル系繊維に、親水性繊維処理剤であるKWC−Q(エチオキサイド−プロピレンオキサイドのランダム共重合ポリエーテル;丸菱油化(株)製)/加工剤29(カチオン性界面活性剤;丸菱油化(株)製)=0.20/0.20%omfとなるように、それぞれの純分を0.80%含む水溶液を調製し、総繊度10万dtexのトウフィラメントに、トウ重量に対して含液率25%になるように溶液を付着させ、熱風乾燥機を用いて120℃にて10分間乾燥させた。
△:7日後のフィラメント長が初期の120〜140%である
×:7日後のフィラメント長が初期の140%を超えている
本実施例および比較例において使用した原料は、以下のとおりである。
ポリエチレンテレフタレート:三菱化学(株)製、BK−2180
ポリカーボネート:出光興産(株)製、タフロンA−2600
臭素系難燃剤:阪本薬品工業(株)製、SR−T20000
アンチモン化合物:日本精鉱(株)製、SA−A、平均粒子径(一次粒子)2.4
μm
顔料(黒):大日精化工業(株)製、顔料マスタバッチ、顔料純分20wt%含有、PESM22367BLACK
顔料(黄):大日精化工業(株)製、顔料マスタバッチ、顔料純分20wt%含有、PESM1001YELLOW
顔料(赤):大日精化工業(株)製、顔料マスタバッチ、顔料純分20wt%含有、PESM3005RED
(実施例1〜7)
表1に示す配合比率の組成物を、水分量100ppm以下に乾燥し、ドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所(株)製、TEX44)に供給し、バレル設定温度260℃で溶融混練し、ペレット化した後に、水分量100ppm以下に乾燥させた。次いで、溶融紡糸機(シンコーマシナリー(株)製、SV30)を用いて、バレル設定温度260℃で図1(円形中空断面、実施例1〜4、6,7)または図2(扁平比が1.4:1の繭形中空断面、実施例5)の形状を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、20℃の冷却風により空冷し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸に対し、85℃に加熱したヒートロールを用いて4倍に延伸し、200℃に加熱したヒートロールを用いて熱処理を行い、30m/分の速度で巻き取り、ポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。得られたポリエステル系繊維に、親水性繊維処理剤であるKWC−Q(エチオキサイド−プロピレンオキサイドのランダム共重合ポリエーテル;丸菱油化(株)製)/加工剤29(カチオン性界面活性剤;丸菱油化(株)製)=0.20/0.20%omfとなるように、それぞれの純分を0.80%含む水溶液を調製し、総繊度10万dtexのトウフィラメントに、トウ重量に対して含液率25%になるように溶液を付着させ、熱風乾燥機を用いて120℃にて10分間乾燥させた。
表1の樹脂組成Aの組成物を用いて、実施例と同様にして、ポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
得られた繊維を用いて、強伸度、光沢感、触感、難燃性、色の鮮明性、カールセット性、カール保持性を評価した結果を表2に示す。
表2に示したように、比較例に対し、実施例では、ポリエステル系繊維を中空率が10〜50%の中空繊維とすることにより、カールセット性、カール保持性を維持した状態で、色の鮮明性(発色性)に優れ、人毛に近似したソフトな触感を有し、さらには、人毛に近似した光沢感、高い難燃性を示すことが確認された。したがって、今回の中空繊維化した人工毛髪は、従来の人工毛髪に比べ、繊維物性、カールセット性を維持したまま、色の鮮明性(発色性)に優れ、人毛に近似したソフトな触感を有し、人工毛髪として有効に用いることが可能となることを確認した。
d1 中空繊維の外径、又は繭型中空繊維の短径
d2 中空繊維の内径
d3 繭型中空繊維の長径
d2 中空繊維の内径
d3 繭型中空繊維の長径
Claims (5)
- 中空率が10〜50%である中空部を有する中空繊維を含有することを特徴とする人工毛髪。
- 前記人工毛髪が、アルキレンテレフタレート単位を70モル%以上含有するポリエステル系繊維からなることを特徴とする請求項1記載の人工毛髪。
- 前記人工毛髪がリン系難燃剤および/または臭素系難燃剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の人工毛髪。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の人工毛髪を加工して得られる頭飾製品。
- 前記頭飾製品が、ウィービング、ウィッグ、ツーぺ、ヘアーエクステンション、ヘアーピースまたはヘアーアクセサリーである請求項4記載の頭飾製品。
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---|---|---|---|
JP2007129705A JP2008285772A (ja) | 2007-05-15 | 2007-05-15 | 人工毛髪およびそれからなる頭飾製品 |
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-
2007
- 2007-05-15 JP JP2007129705A patent/JP2008285772A/ja active Pending
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