JP4854272B2 - 人工頭髪用繊維 - Google Patents

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Description

本発明は、人工頭髪用繊維に関するものであり、更に詳しくはウィッグ、ブレード、エクステンションヘアー等の頭髪装飾用等の人工頭髪用繊維として用いられる、人毛に似た艶、色相、風合、嵩高性を有する異形断面繊維、及びこの異形断面繊維を用いた人工頭髪用繊維に関するものである。
一般に、頭髪用に使用される合成繊維としては、アクリロニトリル系繊維、塩化ビニル系繊維、塩化ビニリデン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維等がある。従来から、これらの繊維を用いて、ウィッグ、ブレード、エクステンションヘアー等の人工頭髪用商品に加工されてきたが、これらの繊維には、耐熱性、カーリング性、触感等の人工頭髪用繊維として必要な特性の全てを同時に備えるものがないため、頭飾製品を製造する時、単独の繊維では種々の特性を満足させる製品を作ることができず、各繊維の特性に応じた製品が作られ使用されており、また、それぞれの商品性に適合する繊維の断面形状が研究され改良が重ねられてきた。
人工頭髪用繊維の究極の目標が人毛であるのは周知の通りであるが、人毛の断面は略円形または楕円形であり、もっとも自然な外観、触感、風合いと、かつ比較的優れた繊維物性を与えるのもこれらの断面が基本になると考えられる。
これらの断面は、外観、触感、コシ・ハリといった人工頭髪用繊維に要求される美容特性に関して大変優れており、さらに後加工でカールを付与する場合のカールの付きやすさ、カール保持力に優れることがわかっている。これらのカール特性は、繊維の断面2次モーメントに依存し、これが大きくなるほどカール特性に優れる。
しかしながら、合成繊維においては繊維の均一性が災いし、いかにも人毛らしからぬ外観、触感が顕著となる。すなわち、円形、楕円形といった充実度が高い断面においては、毛束にしたときの収束性が比較的強く、密な毛束になりがちである。このため、くし通りが非常に重く、ぺったりとした感じが強い、また手に持った感じも重く、硬く感じられる傾向にある。このため、滑り性を好適に改善できる油剤として、主にシリコーン系油剤に代表される摩擦低減効果を有する油剤を適用した商品が用いられ、くし通りは大きく改善された。しかしながら、円形または楕円形断面の繊維からなる商品の後加工工程において、蓑毛を作製する場合や、かつらのようにネット、布、皮状のベースに植毛する場合には、上記したように断面の充実さ、ひいては前記の摩擦低減油剤の影響により、一度固定した繊維が引っ張り等により容易に抜けてしまうといった、人工頭髪用繊維として致命的な欠点があった。
そこで、繊度を大きくしてボリューム感を出しながら、剛性をあまり強くしすぎないようにしつつ、適度なボリューム感(嵩高性)や、柔らかさを発現するために扁平、メガネ形、ドッグボーン形などの種々の異形断面形状が考案され、人工頭髪用に使用されてきた。
例えば、繭形断面形状における最長部分L、両端の円形部分の径W、および中央部のくびれた部分の幅Cの長さを特定の範囲内に限定したかつら用フィラメント(特許文献1)、断面が略円形もしくは楕円形をなす四本の単位フィラメントが、一本の単位フィラメントに対し他の三本の単位フィラメントが等間隔をもって放射状に隣り合った断面Y字形であって、隣接するもの同士の接点が、該単位フィラメントの半径に略等しい幅で接続したウィッグおよびブレード用フィラメント(特許文献2)、少なくとも2個の扁平円を部分的に重ねた断面形状を有し、その短軸の長さWと長軸の長さLとの比L/W、隣り合う2つの扁平円の中心間の距離C、更に2つの扁平円の中心間を結ぶ直線と扁平円の長軸のなす角度等を限定したかつら用フィラメント(特許文献3)などが挙げられる。
しかし、これらの異形断面形状は、概して円形や楕円形と比べて断面2次モーメントが小さくなるため、柔らかさは得られるもののコシ・ハリやカール特性が悪化し、人工頭髪用繊維として未だ優れたバランスを有するというレベルには到達しなかった。このように、円形または楕円形断面の優位点を維持しながら、上記のくし通りの問題と、毛抜けの問題を同時に好適に改善し、非常に優れたバランスのとれた製品を提供できる人工頭髪用繊維はこれまでになかった。
実開昭48−13277号公報 実開昭63−78026号公報 特開昭55−51802号公報
本発明は、人毛に似た自然な艶や触感を有し、くし通りやカール特性に優れ、強伸度などの繊維物性にも優れ、さらに加工後の商品の毛抜けを好適に防止しうる、非常に優れたバランスのとれた人工頭髪用繊維を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、繊維の断面形状を、特定の異形断面とすることにより、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、単繊維繊度が10〜100dtexの人工頭髪用繊維において、単繊維繊度が10〜100dtexの人工頭髪用繊維であって、直径Dを有する円からなる基本形状または、長径Daおよび短径Dbを有し、D=(Da+Db)/2とする楕円からなる基準形状の外周部に、好ましくは1〜3個の付随形状を有してなる異形断面において、基準形状の外周上の点から付随形状の外周上の最遠位点までの距離Lが、L≦0.414Dの範囲にある人工頭髪用繊維に関する。また、好ましくは、前記付随形状が、直径dを有する円または、長径daおよび短径dbを有し、d=(da+db)/2とする楕円であり、かつ、0.155D<d≦0.690Dであり、また、前記付随形状が基準形状に対して重なり合う部分の距離Wが、0.1d≦W≦0.4dの範囲にある人工頭髪用繊維に関する。また、前記基準形状の外周部に付随する付随形状を有してなる異形断面繊維を、単繊維本数において少なくとも14%含有し、他の異なる断面の繊維と混合してなる人工頭髪用繊維に関する。
また、本発明の人工頭髪用繊維はポリ塩化ビニル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維に代表される熱可塑性樹脂からなり、好ましくはポリエステル系繊維からなる人工頭髪用繊維に関する。
前記ポリエステルは、ポリアルキレンテレフタレートおよびポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルの1種以上からなるポリエステル(A)100重量部に対し、臭素含有難燃剤(B)5〜30重量部、アンチモン化合物(C)0.5〜10重量部、可塑剤および/または滑剤(E)0.05〜3重量部を含んでなる組成物から形成されたポリエステル系人工頭髪用繊維であり、好ましくは、ポリエステル(A)が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種のポリマーであり、臭素含有難燃剤(B)が、臭素化芳香族系難燃剤、臭素含有リン酸エステル系難燃剤、臭素化ポリスチレン系難燃剤、臭素化ベンジルアクリレート系難燃剤、臭素化エポキシ系難燃剤、臭素化フェノキシ系難燃剤、臭素化ポリカーボネート系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA誘導体、臭素含有トリアジン系化合物、臭素含有イソシアヌル酸系化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であり、アンチモン化合物(C)が、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のアンチモン化合物であり、分散剤(E)が、モンタン酸系ワックス、モンタン酸エステル系ワックス、部分ケン化モンタン酸系ワックス、モンタン酸金属塩、ポリエチレン系ワックス、酸化ポリエチレン系ワックス、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素変性ワックス、ポリジメチルシリコーン、変性シリコーンレジンの1種以上からなる化合物である、人工頭髪用繊維に関する。
さらに、ポリエステル(A)100重量部に対し、有機微粒子(F)および/または無機微粒子(G)を0.1〜5重量部含有する上記ポリエステル系人工頭髪用繊維、より好ましくは、有機微粒子(F)が、ポリアリレート、ポリアミド、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、架橋アクリル樹脂および架橋ポリスチレンよりなる群から選ばれた少なくとも1種である上記ポリエステル系人工頭髪用繊維、無機微粒子(G)が、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、シリカ/メラミン樹脂複合体、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、タルク、カオリン、モンモリロナイト、ベントナイトおよびマイカよりなる群から選ばれた少なくとも1種である上記ポリエステル系人工頭髪用繊維に関する。
本発明によると、これまでの繊維断面では得られなかった、より人毛に近い自然な艶、触感と、良好なくし通り、かつ良好な繊維物性を維持し、カール特性に優れ、加工後の商品の毛抜けが好適に防止された人工頭髪用繊維が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明において用いられる人工頭髪用繊維の繊度は、単繊維繊度が通常、10〜100dtex、さらには20〜90dtexであるのが、一般的に人工頭髪に適している。
本発明の人工頭髪用繊維は、図1に示すように、直径Dを有する円からなる基本形状または、長径Daおよび短径Dbを有し、D=(Da+Db)/2とする楕円からなる基準形状の外周部に、付随形状を有してなる異形断面からなる繊維である。人工頭髪用繊維としてより自然な外観、触感、風合いと、かつ比較的優れた繊維物性が得られるためには、基準形状として円形、または楕円形が好ましい。ここで、基準形状とは、本発明における人工頭髪用繊維断面の根幹をなす断面形状を意味する。また、付随形状とは、繊維横断面において基準形状と合一し、通常の加工・使用形態において基準形状から分離、脱離しない程度に接合された状態にある、基準形状に付随した断面形状であることを意味する。
前記付随形状は、円形、楕円形、方形、その他任意の直線、曲線の組合せから形成してもよいが、人工頭髪用繊維としての外観、触感等を考慮すると、円形、楕円形から形成することが好ましい。
前記付随形状は、直径dを有する円または、長径daおよび短径dbを有し、d=(da+db)/2とする楕円からなることが好ましい。
付随形状は、上記の通り、繊維横断面において基準形状と合一し、通常の加工・使用形態において基準形状から分離、脱離しない程度に接合された状態にあることが必要であり、これを確実にするために前記付随形状が基準形状に対して重なり合う部分の距離Wが、0.1d≦W≦0.4dの範囲にあることが好ましい。距離Wが0.1d未満では、基準形状に対する接合が不完全となる恐れがあり、0.4dを超えると、基準形状の外周部に占める付随形状の部分が大きくなりすぎて、所望の効果を得るのが困難になる。前記付随形状は、基準形状の外周部付近に接合しており、基準形状の外周上の点から付随形状の外周上の最遠位点までの距離Lが、L≦0.414Dの範囲にあることが好ましい。
前記付随形状は、直径dを有する円または、長径daおよび短径dbを有し、d=(da+db)/2とする楕円からなり、かつ、0.155D<d≦0.690Dであることが好ましい。付随形状が上記範囲にあることにより、円形または楕円形の基準断面が有する、人工頭髪用繊維としての好適な特性を維持したまま、毛束にしたときの収束性を緩和し、重厚感やくし通りが好適に改善できる。また、蓑毛を作製する場合や、かつらのようにネット、布、皮状のベースに植毛する場合の毛抜けを防止することが可能となる。
前記付随形状の直径dの範囲、及び上記距離Lの範囲は、基準形状および付随形状の双方に円形断面を用いた場合の幾何学的論理から導かれる。すなわち、繊維束を形成する繊維の横断面について考えると、平面充填形には正三角格子、正方格子などがある。ここで、平面上において円形が互いに重なり合わないように配置したり、平面を完全に覆いつくす配置を考える場合には、図2に示すように、正三角格子を考慮し、円の中心が正三角形の頂点に置かれたとき、すなわち、それぞれの円が正六角形の頂点で六個の他の円と互いに隣接している場合が想定される。そのため、前記dの下限値は、当該円形の最密充填時に形成される空隙に配置できる円の直径を求め、基準形状の外周からこの距離よりも大きく張り出す形状の付随形状の直径を有すれば、最密充填を阻止しうる。前記最密充填時の空隙に配置できる円の直径は、計算より2/3・(√3―1)・D=0.155Dと求めることができる。従って、d>0.155Dとなる。
また、前記Lの上限値は、図3に示すように、同様に正方格子を考慮し、円の中心が正方形の頂点に置かれた場合を想定し、最疎充填時に形成される空隙に配置できる円の直径を求め、少なくともこの距離の付随形状を有すれば、疎な充填密度となる。前記最疎充填時の空隙に配置できる円の直径は、前記と同様に計算より(√2−1)・D=0.414Dと求めることができる。従って、L≦0.414Dとなる。
Lが0.414Dを超えると、最密充填を効果的に阻止できる一方で、繊維断面形状における断面2次モーメントが小さくなり、柔らかさは得られるもののコシ・ハリやカール特性が悪化する傾向がある。
一方、前記dの上限値は、前記付随形状が基準形状に対して重なり合う部分の距離Wが上限値の0.4dの場合に、基準形状の外周から張り出す部分の距離が(d−0.4d)=0.6dである。このときに、Lの上限値0.414Dと等しいことから、0.6d≦0.414Dとなり、d≦0.69Dとなる。
上記は、基準形状が円形の場合を考慮して導いた計算結果であるが、同様に、基準形状が楕円形の場合を考慮した場合には、楕円形の長径Da、短径Dbの平均値D=(Da+Db)/2をもって、上記範囲を適用すればよい。
前記付随形状は1〜3個であることが好ましい。付随形状が1個でも上記の最密充填を阻止することが可能であるが、より効率的かつ確実に充填効率を下げるためには、2個または3個配置することが好ましい。付随形状を4個以上形成すると、繊維間の摩擦が増大して触感やくし通りが悪化する傾向がある。
上記付随形状が2個または3個の場合、繊維断面において基準形状に対する配置は特に限定されない。2個の場合は互いに最も遠位、すなわち180°の配置に、また3個の場合は120°の配置としても良く、紡糸冷却のバランスや、出来上がった繊維のモーメントなどを考慮して任意の配置に設計し製作すれば良い。それらの付随形状の配置角度を変えた繊維を混合しても良く、また付随形状の数の異なる本発明の人工頭髪用繊維を任意の割合で混合して使用しても良い。
本発明において、人工頭髪用繊維の繊維断面形状は、目的の繊維断面形状に近い形状のノズル孔を使用することにより制御することができる。
本発明の異形断面繊維と、他の異なる断面、例えば円形、楕円形、交差円形、繭形、ドッグボーン形、リボン形などの断面からなる繊維を混合して、さらに人毛に似た自然な外観、触感を有する人工頭髪用繊維を構成することが可能となる。その際、本発明の異形断面繊維を、単繊維本数において少なくとも14%以上含有することで、毛束にしたときの収束性を緩和し、重厚感やくし通りが好適に改善でき、蓑毛やかつらに加工した場合の毛抜け防止に寄与する。14%は上記最密充填時の断面において、それぞれの円が正六角形の頂点で六個の他の円と互いに隣接している場合を想定した場合に、少なくとも1個が本発明の異形断面糸からなる場合の割合を示すものである。14%未満では本発明の異形断面繊維を混合しても所望の効果が得られ難い。上記の最密充填を効率良く阻止するためには、さらに本発明の異形断面繊維の割合が2個、3個とすることが好ましく、すなわち29%以上、さらには43%以上とすることが好ましい。
本発明において用いられる繊維材料としては、例えば、一般的に用いられるアクリロニトリル系繊維、塩化ビニル系繊維、塩化ビニリデン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維などが挙げられる。これらのなかでは、人工頭髪用繊維として要求される耐熱性や繊維物性を満足し、かつ樹脂加工や紡糸、延伸、熱処理等の各加工工程において、比較的取り扱いが容易である点から、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましく、強度、耐熱性などの繊維物性と、水分管理や溶融紡糸の加工性の点から、ポリエステル系樹脂がより好ましい。
また、上記のような本発明に係る異型断面繊維を人工頭髪用として使用する場合、人毛と任意の割合でブレンドすることによって頭髪用商品としての自由なスタイルを作ることができる。また、前記人毛の他に、従来から用いられている他の人工頭髪用繊維、例えば、アクリロニトリル系繊維、塩化ビニル系繊維、塩化ビニリデン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維などとブレンドして使用することもできる。
本発明において用いられるポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレートを代表とするポリエステル単独で用いても良いが、安全性の点から難燃性を付与されたものが好ましく、例えば、ポリアルキレンテレフタレートまたはポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルの1種以上からなるポリエステル(A)、臭素含有難燃剤(B)、アンチモン系化合物(C)および分散剤(E)を含んでなる組成物を溶融紡糸した繊維を用いることがさらに好ましい。
また、本発明において用いられるポリエステル系繊維は、難燃性や耐熱性だけでなく、燃焼時にドリップし難く、人毛に似た適度に艶消しされた自然な艶等の頭髪用繊維として優れた特性を持つポリエステル系繊維を用いることがさらに好ましい。
以下に、本発明に用いることができるポリエステル系樹脂組成物について、詳細に説明する。
本発明に用いられるポリエステル(A)に含まれるポリアルキレンテレフタレートまたはポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレートおよび/またはこれらのポリアルキレンテレフタレートを主体とし、少量の共重合成分を含有する共重合ポリエステルがあげられる。ポリアルキレンテレフタレートとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが、入手の容易性およびコストの点から、特に好ましい。なお、前記主体とするとは、80モル%以上含有することをいう。
前記ポリアルキレンテレフタレートおよび共重合ポリエステルは、1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるポリエステル(A)の固有粘度としては、0.5〜1.4、さらには0.6〜1.2であるのが好ましい。ポリエステル(A)の固有粘度が0.5未満の場合、得られる繊維の機械的強度が低下する傾向があり、1.4を超えると、分子量の増大に伴い溶融粘度が高くなり、溶融紡糸が困難になり、繊度が不均一になる傾向がある。
本発明に用いられる臭素含有難燃剤(B)には特に限定はなく、一般に用いられている臭素含有難燃剤であれば使用することができる。難燃性付与の点から、臭素含有リン酸エステル系難燃剤、臭素化ポリスチレン系難燃剤、臭素化ベンジルアクリレート系難燃剤、臭素化エポキシ系難燃剤、臭素化フェノキシ樹脂系難燃剤、臭素化ポリカーボネート系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA誘導体、臭素含有トリアジン系化合物、臭素含有イソシアヌル酸系化合物が好ましく、繊維物性、耐熱性および加工安定性の点から、臭素含有リン酸エステル系難燃剤、臭素化エポキシ系難燃剤、臭素化フェノキシ樹脂系難燃剤がさらに好ましい。
本発明における臭素含有難燃剤(B)の使用量は、ポリエステル(A)100重量部に対し、5〜30重量部が好ましく、6〜25重量部がより好ましく、7〜20重量部がさらに好ましい。臭素含有難燃剤(B)の使用量が5重量部未満では難燃効果が得られにくい傾向があり、30重量部を超えると得られる繊維の機械的特性、耐熱性、耐ドリップ性が損なわれる傾向がある。
本発明においては、臭素含有難燃剤(B)を配合することにより難燃性は発現されるが、アンチモン化合物(C)成分を配合することにより難燃効果を著しく向上させることができる。
本発明に用いられるアンチモン化合物(C)には、特に限定はなく、具体例としては、例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらのなかでは、組成物の紡糸加工性の点から、アンチモン酸ナトリウムが好ましい。
本発明におけるアンチモン化合物(C)の平均粒子径は、0.02〜15μmが好ましく、0.1〜12μmがより好ましく、0.2〜10μmがさらに好ましい。
本発明におけるアンチモン化合物(C)の使用量は、ポリエステル(A)100重量部に対し、0.5〜10重量部が好ましく、0.6〜9重量部がより好ましく、0.7〜7重量部がさらに好ましい。アンチモン化合物(C)の使用量が0.5重量部未満では、難燃効果の向上が小さくなる傾向があり、10重量部を超えると、加工安定性、外観性、透明性が損なわれる傾向がある。
本発明においては、分散剤(E)を使用することにより、アンチモン化合物(C)の分散状態が改善されることにより、紡糸安定性が向上し、繊維表面のがさつきがなく、さらに、繊維表面にすべり性を付与することができ、くし通りの良いフィラメントを得ることができる。
本発明に用いられる分散剤(E)としては、可塑剤または滑剤を使用することができる。可塑剤または滑剤としては特に限定はなく、一般に用いられているものであれば、使用することができる。本発明に用いられる分散剤(E)としては、モンタン酸系ワックス、モンタン酸エステル系ワックス、部分ケン化モンタン酸系ワックス、モンタン酸金属塩、ポリエチレン系ワックス、酸化ポリエチレン系ワックス、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素変性ワックス、ポリジメチルシリコーン、変性シリコーンレジンが、アンチモン化合物の分散性、難燃性、耐熱性などの繊維物性への影響が小さい点から好ましい。これらの化合物は、単独で使用してもよく、また、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明における分散剤(E)の使用量は、ポリエステル(A)100重量部に対し、これらを合わせて、0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜2.5重量部がより好ましく、0.15〜2重量部がさらに好ましい。分散剤(E)の使用量が0.05重量部未満では、アンチモン化合物粒子(C)が部分的に凝集し、紡糸加工時の糸切れが発生したり、繊維表面の触感ががさついたりする傾向があり、3重量部を超えると、紡糸安定性が低下して糸切れが発生したり、機械的特性、耐熱性、難燃性、耐ドリップ性が損なわれる傾向がある。
本発明の難燃性ポリエステル系人工頭髪用繊維は、有機微粒子(F)および/または無機微粒子(G)をさらに混合することにより、得られる繊維の表面に微細な突起を形成し、繊維表面の光沢、つやを調整することができる。
本発明における有機微粒子(F)としては、主成分である難燃性ポリエステル(A)と相溶しないか、部分的に相溶しない構造を有する有機樹脂であれば使用することができ、例えば、ポリアリレート、ポリアミド、フッ素樹脂、シリコン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレンなどが好ましく用いられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。安定的に光沢調整効果を発現するためには、耐熱性および分散性の点から、架橋ポリエステル粒子および架橋アクリル粒子が好ましい。
本発明に用いられる無機微粒子(G)としては、繊維の透明性および発色性への影響から、難燃性ポリエステル(A)の屈折率に近い屈折率を有するものが好ましく、例えば、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、タルク、カオリン、モンモリロナイト、ベントナイト、マイカなどが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかでは、球形に近い微粒子の方が光沢調整効果は高く、酸化ケイ素、酸化ケイ素を主体とした複合粒子などが好ましい。本発明に用いられる無機微粒子(G)は、必要に応じてエポキシ化合物、シラン化合物、イソシアネート化合物、チタネート化合物等で表面処理されてもよい。
本発明に用いられる有機微粒子(F)および/または無機微粒子(G)の平均粒子径は、0.1〜15μmが好ましく、0.2〜10μmがより好ましく、0.5〜8μmがさらに好ましい。有機微粒子(F)および/または無機微粒子(G)の平均粒子径が0.1μmより小さい場合には、光沢調整効果が小さくなる傾向があり、15μmより大きい場合には、光沢調整効果が小さくなる、または、糸切れが発生する傾向がある。
本発明に用いられる有機微粒子(F)および/または無機微粒子(G)の使用量は、特に限定されないが、ポリエステル(A)100重量部に対して、これらを合わせて、0.1〜5重量部が好ましく、0.2〜3重量部がより好ましく、0.3〜2重量部がさらに好ましい。有機微粒子(F)および/または無機微粒子(G)の使用量が0.1重量部未満では、繊維表面に形成される微細な突起が少なくなるため、繊維表面の光沢調整効果が小さくなる傾向があり、5重量部を超えると、外観性、色相、発色性が損なわれる傾向がある。
本発明で得られるポリエステル系人工頭髪用繊維は、例えば、ポリエステル(A)、臭素含有難燃剤(B)、アンチモン化合物(C)および分散剤(E)、さらには有機微粒子(F)または無機微粒子(G)をドライブレンドした後、種々の一般的な混練機を用いて溶融混練して得られたポリエステル系組成物を、単軸押出機を用いて溶融紡糸して得ることができる。
樹脂組成物の製造に用いられる前記混練機の例としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどがあげられる。これらのうちでは、二軸押出機が、混練度の調整、操作の簡便性の点から好ましい。
例えば、スクリュー径45mmの二軸押出機を用いて、バレル温度を260〜300℃とし、吐出量50〜150kg/hr、スクリュー回転数150〜200rpmで溶融混練し、ダイスよりストランドを引取、水冷した後に、ストランドカッターを用いてペレット化して、本発明の組成物を得ることができる。
本発明のポリエステル系人工頭髪用繊維を、通常の溶融紡糸法で溶融紡糸する場合には、例えば、押出機、ギアポンプ、ノズル(口金)などの温度を270〜310℃とし、溶融紡糸し、紡出糸条を加熱筒に通過させたのち、ガラス転移点以下に冷却し、50〜5000m/分の速度で引き取ることにより紡出糸条が得られる。また、紡出糸条を冷却用の水を入れた水槽で冷却し、繊度のコントロールを行なうことも可能である。加熱筒の温度や長さ、冷却風の温度や吹付量、冷却水槽の温度、冷却時間、引取速度は、吐出量および口金の孔数によって適宜調整することができる。
また、ポリエステル(A)、臭素含有難燃剤(B)、アンチモン化合物(C)および分散剤(E)、さらには有機微粒子(F)または無機微粒子(G)をドライブレンドした組成物を、ギアポンプおよび紡糸ノズルを備えた二軸押出機または混練能を有するスクリューを使用した単軸押出機を用いて、一旦樹脂組成物を取り出すことなく、溶融紡糸して得ることができる。
さらには、ポリエステル(A)、アンチモン化合物(C)および分散剤(E)、さらには有機微粒子(F)または無機微粒子(G)を溶融混練し、溶融紡糸し、繊維化した後に、臭素含有難燃剤(B)の吸尽加工を行うことにより、本発明のポリエステル系人工頭髪用繊維を得ることができる。
本発明においては、得られた紡出糸条は熱延伸されるが、延伸は紡出糸条を一旦巻き取ってから延伸する2工程法および、巻き取ることなく連続して延伸する直接紡糸延伸法のいずれの方法によってもよい。熱延伸は、1段延伸法または2段以上の多段延伸法で行なわれる。熱延伸における加熱手段としては、加熱ローラ、ヒートプレート、スチームジェット装置、温水槽などを使用することができ、これらを適宜併用することもできる。
本発明のポリエステル系人工頭髪用繊維には、必要に応じて、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、可塑剤、潤滑剤などの各種添加剤を含有させることができる。
このようにして得られる本発明のポリエステル系人工頭髪用繊維は、160〜200℃で美容熱器具(ヘアーアイロン)が使用できる耐熱性を有しており、着火しにくく、自己消火性を有していることが好ましい。
本発明のポリエステル系人工頭髪用繊維は染色または原着により着色して使用することができる。染色により着色する場合には、通常のポリエステル系繊維と同様の条件で染色することができる。また、原着の場合には、通常のポリエステル系繊維に用いられる顔料を溶融混練することにより、原着繊維を得ることができる。
染色に使用される顔料、染料、助剤などとしては、耐候性および難燃性のよいものが好ましい。
本発明のポリエステル系人工頭髪用繊維は、美容熱器具(ヘアーアイロン)を用いたカールセット性に優れ、カールの保持性にも優れる。また、繊維表面の凹凸により、適度に艶消されており、人工頭髪として使用することができる。さらに、繊維表面処理剤、柔軟剤などの油剤を使用し、触感、風合を付与して、より人毛に近づけることができる。
本発明の人工頭髪用繊維は、さらに加工することにより、ウィッグ、ブレード、ヘアアクセサリー、人形の頭髪のような頭飾製品として使用することができる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、特性値の測定法は、以下のとおりである。
(断面形状寸法)
キーエンス製、レーザー顕微鏡 VK−9500により測定する。繊維断面を3000倍(対物レンズ150倍×内蔵レンズ20倍)の倍率で拡大観察し、得られた画像上で基準形状の直径D、付随形状の直径d、基準形状の外周上の点から付随形状の外周上の最遠位点までの距離L、付随形状と基準形状との重なり合う部分の距離Wを計測する。さらに、計測結果を基に、前記LおよびWを、それぞれDおよびdで表す。
(強度および伸度)
インテスコ社製、INTESCO Mode1 201型を用いて、フィラメントの引張強伸度を測定する。長さ40mmのフィラメント1本をとり、フィラメントの両端10mmを、接着剤を糊付けした両面テープを貼り付けた台紙(薄紙)で挟み、一晩風乾させて、長さ20mmの試料を作製する。試験機に試料を装着し、温度24℃、湿度80%以下、荷重=0.363mN×繊度(dtex)、引張速度20mm/分で試験を行ない、強度と伸度を測定する。同じ条件で試験を10回繰り返し、平均値をフィラメントの強伸度とする。
(光沢)
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを、太陽光の下、目視により評価する。
◎:人毛に等しいレベルに光沢が調整されている。
○:適度に光沢が調整されている。
△:若干光沢が多すぎる、又は、若干光沢が少なすぎる。
×:光沢が多すぎる、又は、光沢が少なすぎる。
(カールセット性)
蓑毛にしたフィラメントを32mmφのパイプに捲きつけ、120℃、相対湿度100%で60分間のスチーム加工条件でカールセットし、室温で60分間エイジングしたのちに、カールしたフィラメントの一端を固定して釣り下げ、カールの状態を目視評価する。これをカールの付きやすさの指標とした。長さが短く、形良くカールが付いているものが好ましい。
○:形良くカールが付いている。
△:若干カールが伸びている。
×:カールが伸びて、形が崩れている。
(触感)
専門美容師による官能評価を行い、3段階で評価する。
○:人毛に似た非常に柔らかな風合い。
△:人毛に比べやや硬い風合い。
×:人毛に比べ硬い風合い。
(くし通り)
長さ30cm、総繊度100万dtexのトウフィラメントにくし(デルリン製樹脂)を通し、くしの通り易さを評価する。
◎:ほとんど抵抗ない(軽い)
○:ごくわずかに抵抗がある
△:若干抵抗がある(重い)
×:かなり抵抗がある、または、途中で引っかかる。
(アイロンセット性)
ヘアーアイロンによるカールセットのしやすさ、カール形状の保持性の指標である。フィラメントを、180℃に加熱したヘアーアイロンにかるく挟み、そのままフィラメント先端に向けて抜く操作を3回繰り返し、カールを付与するフィラメントの部分を予熱する。この予熱操作時の、(1)フィラメント間の融着、(2)フィラメントの縮れ・糸切れを目視評価する。
次に、予熱したフィラメントをヘアーアイロンに捲きつけ、10秒間保持し、アイロンを引き抜く。このときの、(3)抜きやすさ(ロッドアウト性)、(4)抜いたときのカールの保持性を目視評価する。
○:前記(1)−(4)の評価項目のいずれも問題なく良好。
△:前記(1)−(4)の評価項目のいずれかにおいてやや悪い(やや融着が認められる、縮れ・糸切れが多少ある、ロッドアウト性がやや悪い、カール形状がやや崩れるなど)。
×:前記(1)−(4)の評価項目のいずれかにおいて悪い(融着が認められる、縮れ・糸切れがある、ロッドアウト性が悪い、カール形状が崩れるなど)。
(毛抜け)
蓑毛にしたフィラメントを32mmφのパイプに捲きつけ、120℃、相対湿度100%で60分間のスチーム加工条件でカールセットし、室温で60分間エイジングしたのちに、カールしたフィラメントの一端を固定して釣り下げ、くし(デルリン製樹脂)を通し、毛の抜け難さを評価する。
○:ほとんど毛抜けがない
△:若干毛抜けがある
×:かなり毛抜けがある。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット(株)製、RT523)100重量部に対し、顔料マスターバッチ(大日精化工業(株)製、PESM22367 BLACK、カーボンブラック20wt%含有)2重量部を添加し、水分量100ppm以下に乾燥した後にドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所(株)製、TEX44)に供給し、バレル設定温度280℃にて溶融混練し、ペレット化した後に、水分量100ppm以下に乾燥させて、ポリエステル系樹脂を得た。
次に、当該ポリエステル系樹脂を、溶融紡糸機(シンコーマシナリー(株)製、SV30)を用いバレル設定温度290℃にて、表1に示す異形断面ノズル孔を有する紡糸口金を用いて溶融ポリマーを吐出し、空冷し、130m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を85℃のヒートロールを用いて30m/分の速度で延伸を行ない、3倍延伸糸とし、さらに連続して200℃に加熱したヒートロールを用いて、30m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、仕上げ油剤としてKWC−Q(丸菱油化工業(株)製)を0.20%omf(乾燥繊維重量に対する油剤純分重量百分率)、およびKWC−B(丸菱油化工業(株)製)を0.10%omfとなるように乾燥させた後、単繊維繊度が60〜70dtexのポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
得られた繊維について、横断面形状と横断面における付随形状の個数、基準形状の直径d、基準形状の外周上の点から付随形状の外周上の最遠位点までの距離L、付随形状が基準形状に対して重なり合う部分の距離W、単繊維繊度と、光沢、強伸度、カールセット性、触感、アイロンセット性、毛抜けを評価した結果を、表1に示す。
(実施例2)
ナイロン66(宇部興産(株)製、2020U)100重量部に対し、顔料マスターバッチ(大日精化工業(株)製、PESM22367 BLACK、カーボンブラック20wt%含有)2重量部を添加し、水分量100ppm以下に乾燥した後にドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所(株)製、TEX44)に供給し、バレル設定温度280℃で溶融混練し、ペレット化した後に、水分量100ppm以下に乾燥させて、ポリアミド系樹脂を得た。
次に、当該ポリアミド系樹脂を、溶融紡糸機(シンコーマシナリー(株)製、SV30)を用いてバレル設定温度280℃で、表1に示す異形断面ノズル孔を有する紡糸口金を用いて溶融ポリマーを吐出し、空冷し、130m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を80℃のヒートロールを用いて30m/分の速度で延伸を行ない、3倍延伸糸とし、さらに連続して180℃に加熱したヒートロールを用いて、30m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、仕上げ油剤としてKWC−Q(丸菱油化工業(株)製)を0.20%omf(乾燥繊維重量に対する油剤純分重量百分率)、およびKWC−B(丸菱油化工業(株)製)を0.10%omfとなるように乾燥させた後、単繊維繊度が60〜70dtexのポリアミド系繊維(マルチフィラメント)を得た。
得られた繊維について、横断面形状と横断面における付随形状の個数、基準形状の外周上の点から付随形状の外周上の最遠位点までの距離L、付随形状が基準形状に対して重なり合う部分の距離W、単繊維繊度と、光沢、強伸度、カールセット性、触感、アイロンセット性、毛抜けを評価した結果を、表1に示す。
(実施例3)
塩化ビニル樹脂((株)カネカ製、S1001)100重量部に対し、EEA樹脂(日本ユニカー(株)製、PES−250)3重量部、アクリル系加工助剤((株)カネカ製、カネエースPA20)1.3重量部、オクチル錫メルカプト熱安定剤(三共有機合成(株)製)0.5重量部、ブチル錫マレエート熱安定剤(三共有機合成(株)製)0.5重量部、カルシウムステアレート0.6重量部、ポリエチレンワックス0.5重量部、ステアリン酸0.5重量部およびラウリルアルコール0.8重量部を添加し、ヘンシェルミキサーに投入し、撹拌しながら内容物の温度が115℃になるまで撹拌・混合した。その後、内容物の温度が75℃になるまで冷却して、塩化ビニル系パウダーコンパウンドを得た。
次に、当該パウダーコンパウンドを、溶融紡糸機(シンコーマシナリー(株)製、SV30)を用いてバレル設定温度180℃で、表1に示す異形断面ノズル孔を有する紡糸口金を用いて溶融ポリマーを吐出し、320℃の加熱紡糸筒を通過させて加熱し、60m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を95℃の加熱ボックスを用いて15m/分の速度で延伸を行ない、3.5倍延伸糸とし、さらに連続して105℃の加熱ボックスを用いて熱処理を行ない、単繊維繊度が60〜70dtexの塩化ビニル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
得られた繊維について、横断面形状と横断面における付随形状の個数、基準形状の直径d、基準形状の外周上の点から付随形状の外周上の最遠位点までの距離L、付随形状が基準形状に対して重なり合う部分の距離W、単繊維繊度と、光沢、強伸度、カールセット性、触感、アイロンセット性、毛抜けを評価した結果を、表1に示す。
(実施例4〜10)
ポリエチレンテレフタレート(三菱化学(株)製、BK−2180)100重量部に対し、臭素化エポキシ系難燃剤(阪本薬品工業(株)製、SR−T20000)20重量部、アンチモン酸ナトリウム(日本精鉱(株)製、SA−A、平均粒子径(一次粒子)2.4μm)2重量部、モンタン酸系ワックス/フッ素系ワックスブレンド品(クラリアントジャパン(株)製、Wax Composite G431L)0.2重量部、顔料マスターバッチ(大日精化工業(株)製、PESM22367 BLACK、カーボンブラック20wt%含有)2重量部を添加し、実施例1と同様の方法により、ポリエステル系樹脂を得た後、表1に示す異形断面ノズル孔を有する紡糸口金を使用して、ポリエステル系繊維を得た。
得られた繊維について、横断面形状と横断面における付随形状の個数、基準形状の直径d、基準形状の外周上の点から付随形状の外周上の最遠位点までの距離L、付随形状が基準形状に対して重なり合う部分の距離W、単繊維繊度と、光沢、強伸度、カールセット性、触感、アイロンセット性、毛抜けを評価した結果を、表1に示す。
(実施例11、12)
実施例4の配合組成に加え、さらに、微粒シリカ(富士シリシア化学(株)製、サイリシア310P)0.3重量部を添加し、実施例4と同様の方法でポリエステル系樹脂を得た後、表1に示す異形断面ノズル孔を有する紡糸口金を使用して、ポリエステル系繊維を得た。
得られた繊維について、横断面形状と横断面における付随形状の個数、基準形状の外周上の点から付随形状の外周上の最遠位点までの距離L、付随形状が基準形状に対して重なり合う部分の距離W、単繊維繊度と、光沢、強伸度、カールセット性、触感、アイロンセット性、毛抜けを評価した結果を、表1に示す。
(実施例13)
実施例1で得られた繊維と、実施例4で得られた繊維をフィラメント数比50/50で混合してミックスフィラメントとして評価を行った。
得られた繊維について、横断面形状と横断面における付随形状の個数、基準形状の外周上の点から付随形状の外周上の最遠位点までの距離L、付随形状が基準形状に対して重なり合う部分の距離W、単繊維繊度と、光沢、強伸度、カールセット性、触感、アイロンセット性、毛抜けを評価した結果を表1に示す。
(実施例14)
実施例5で得られた繊維と、比較例1で得られた繊維をフィラメント数比50/50で混合してミックスフィラメントとして評価を行った。
得られた繊維について、横断面形状と横断面における付随形状の個数、基準形状の外周上の点から付随形状の外周上の最遠位点までの距離L、付随形状が基準形状に対して重なり合う部分の距離W、単繊維繊度と、光沢、強伸度、カールセット性、触感、アイロンセット性、毛抜けを評価した結果を表1に示す。
Figure 0004854272
(比較例1〜5)
ポリエチレンテレフタレート(三菱化学(株)製、BK−2180)100重量部に対し、臭素化エポキシ系難燃剤(阪本薬品工業(株)製、SR−T20000)20重量部、アンチモン酸ナトリウム(日本精鉱(株)製、SA−A、平均粒子径(一次粒子)2.4μm)2重量部、モンタン酸系ワックス/フッ素系ワックスブレンド品(クラリアントジャパン(株)製、Wax Composite G431L)0.2重量部、顔料マスターバッチ(大日精化工業(株)製、PESM22367 BLACK、カーボンブラック20wt%含有)2重量部を添加し、実施例1と同様の方法により、ポリエステル系樹脂を得た後、表2に示す円形または異形断面ノズル孔を有する紡糸口金を使用して、単繊維繊度が60〜70dtexのポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
得られた繊維について、横断面形状と横断面における付随形状の個数、基準形状の直径d、基準形状の外周上の点から付随形状の外周上の最遠位点までの距離L、付随形状が基準形状に対して重なり合う部分の距離W、単繊維繊度と、光沢、強伸度、カールセット性、触感、アイロンセット性、毛抜けを評価した結果を表2に示す。
Figure 0004854272
表1及び表2に示したように、比較例に対し、実施例では、紡糸性、延伸性、熱処理性ともに安定しており、特にカールセット性、毛抜け、くし通りに優れることが確認された。
従って、本発明の製造方法により製造される人工頭髪用繊維では、これまでの繊維断面では得られなかった、より人毛に近い自然な艶、触感と、良好なくし通り、かつ良好な繊維物性を維持し、カール特性に優れ、加工後の商品の毛抜けが好適に防止された人工頭髪用繊維が得られる。
断面形状寸法説明図 繊維断面配置における最小空隙説明図 繊維断面配置における最大空隙説明図 異形断面繊維1断面図 異形断面繊維2断面図 異形断面繊維3断面図 異形断面繊維4断面図 異形断面繊維5断面図 異形断面繊維6断面図 異形断面繊維7断面図 異形断面繊維8断面図 異形断面繊維9断面図 異形断面繊維10断面図 異形断面繊維11断面図 円形断面繊維12断面図 楕円形断面繊維13断面図 異形断面繊維14断面図 異形断面繊維15断面図 異形断面繊維16断面図 異形断面繊維17断面図
符号の説明
1 基準断面
2 付随断面
3 基準断面直径D
4 付随断面直径d
5 距離L
6 距離W
7 断面直径D
8 空隙に配置される断面直径0.155D
9 断面直径D
10 空隙に配置される断面直径0.414D

Claims (13)

  1. 単繊維繊度が10〜100dtexの人工頭髪用繊維であって、直径Dを有する円からなる基本形状または、長径Daおよび短径Dbを有し、D=(Da+Db)/2とする楕円からなる基準形状の外周部に、付随形状を有してなる異形断面において、基準形状の外周上の点から付随形状の外周上の最遠位点までの距離Lが、L≦0.414Dの範囲にあり、前記付随形状が、直径dを有する円または、長径daおよび短径dbを有し、d=(da+db)/2とする楕円であり、かつ、0.155D<d≦0.690Dであり、前記付随形状が基準形状に対して重なり合う部分の距離Wが、0.1d≦W≦0.4dの範囲にあることを特徴とする人工頭髪用繊維。
  2. 前記基準形状の外周部に付随する付随形状の数が、1〜3個であることを特徴とする、請求項1に記載の人工頭髪用繊維。
  3. 前記基準形状の外周部に付随する付随形状を有してなる異形断面繊維を、単繊維本数において少なくとも14%含有し、他の異なる断面の繊維と混合してなることを特徴とする、請求項1または2に記載の人工頭髪用繊維。
  4. 前記人工頭髪用繊維が、塩化ビニル系繊維、ポリアミド系繊維およびポリエステル系繊維よりなる群から選ばれた1種からなることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の人工頭髪用繊維。
  5. 前記人工頭髪用繊維が、ポリエステル系繊維からなることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の人工頭髪用繊維。
  6. 前記ポリエステル系繊維が、ポリアルキレンテレフタレートおよびポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルの1種以上からなるポリエステル(A)100重量部に対し、臭素含有難燃剤(B)5〜30重量部、アンチモン系化合物(C)0.5〜10重量部および分散剤(E)0.05〜3重量部よりなる組成物から形成された、難燃性ポリエステル系繊維であることを特徴とする、請求項記載の人工頭髪用繊維。
  7. 前記ポリアルキレンテレフタレートが、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種のポリマーである、請求項記載の人工頭髪用繊維。
  8. 前記臭素含有難燃剤(B)が、臭素化芳香族系難燃剤、臭素含有リン酸エステル系難燃剤、臭素化ポリスチレン系難燃剤、臭素化ベンジルアクリレート系難燃剤、臭素化エポキシ系難燃剤、臭素化フェノキシ系難燃剤、臭素化ポリカーボネート系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA誘導体、臭素含有トリアジン系化合物および臭素含有イソシアヌル酸系化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の難燃剤である、請求項または7に記載の人工頭髪用繊維。
  9. アンチモン系化合物(C)が、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモンおよびアンチモン酸ナトリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のアンチモン化合物である、請求項のいずれかに記載の人工頭髪用繊維。
  10. 分散剤(E)が、モンタン酸系ワックス、モンタン酸エステル系ワックス、部分ケン化モンタン酸系ワックス、モンタン酸金属塩、ポリエチレン系ワックス、酸化ポリエチレン系ワックス、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素変性ワックス、ポリジメチルシリコーン、変性シリコーンレジンの1種以上からなる化合物である、請求項のいずれかに記載の人工頭髪用繊維。
  11. さらに、ポリエステル(A)100重量部に対し、有機微粒子(F)および/または無機微粒子(G)を0.1〜5重量部含有する、請求項10のいずれかに記載の人工頭髪用繊維。
  12. 有機微粒子(F)が、ポリアリレート、ポリアミド、フッ素樹脂、シリコン樹脂、架橋アクリル樹脂および架橋ポリスチレンよりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項11記載の人工頭髪用繊維。
  13. 無機微粒子(G)が、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、シリカ/メラミン樹脂複合体、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、タルク、カオリン、モンモリロナイト、ベントナイトおよびマイカよりなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項11記載の人工頭髪用繊維。
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