JPH07252724A - 発泡ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

発泡ポリエステル繊維の製造方法

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JPH07252724A
JPH07252724A JP6042346A JP4234694A JPH07252724A JP H07252724 A JPH07252724 A JP H07252724A JP 6042346 A JP6042346 A JP 6042346A JP 4234694 A JP4234694 A JP 4234694A JP H07252724 A JPH07252724 A JP H07252724A
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JP
Japan
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fine particles
inorganic fine
resin
polyester fiber
discharge orifice
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JP6042346A
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Hiroshi Fujita
寛 藤田
Koichi Iohara
耕一 庵原
Toshimasa Kuroda
俊正 黒田
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】発泡倍率が大きく、かつ微細な独立気泡を有す
る細径の発泡ポリエステル繊維を生産性よく連続的に製
造できる方法を提供すること。 【構成】発泡剤を含んだ熱可塑性ポリエステル樹脂を押
出機で溶融後、押出機の先端に取り付けた口金の吐出オ
リフィスから低圧領域に押出して発泡ポリエステル繊維
を製造するに際し、該熱可塑性ポリエステル樹脂に、発
泡核剤として平均の一次粒子径が2μm以下である不活
性無機微粒子を含有させ、かつ吐出オリフィスの背圧を
50〜300kg/cm2 とするとともに、溶融樹脂が
吐出オリフィスを通過する時間を1〜15ミリsecと
して該樹脂を押出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発泡ポリエステル繊維の
製造方法に関し、更に詳しくは均一でかつ微細な独立気
泡構造を有し、建築用や構造体用の断熱材をはじめ、毛
布、クッション、冬物衣料やカーペットの充填保温用繊
維に好適な、繊維径の小さい発泡ポリエステル繊維の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発泡繊維、すなわち独立気泡を多数含有
するフィラメント状またはステープル状の繊維は、ポリ
オレフィンやポリスチレンから製造されたものが実用化
されている。
【0003】上記発泡繊維の利点は、低密度で単位重量
あたりの充填材料の体積が大きく、軽量性、断熱性、保
温性、弾力性、浮揚性などに優れていることであるが、
反面耐熱性や寸法安定性あるいは剛性に劣るという欠点
がある。
【0004】そこで、優れた耐熱性、寸法安定性、剛性
を有するポリエステル樹脂を発泡させて、発泡ポリエス
テル繊維を製造する試みが古くからなされている。
【0005】例えば、多量の低沸点溶剤と発泡剤とを含
む樹脂を押出した後、断熱的に溶剤を蒸発させて発泡倍
率50倍以上で繊維状発泡体を製造する方法(特公昭4
3−3993号公報など)、0.8〜4.0mmの平均
直径を有する藺草状構造物(特開昭55−93831号
公報など)、1〜200mm2 の断面積を有する紐状発
泡体(特公昭61−48410号公報、特公昭61−4
8411号公報など)が開示されている。
【0006】しかし、これらの方法においては、ポリエ
ステル繊維中に気泡を発生せしめることは可能である
が、気泡の大きさが不均一になりやすい為、ポリエステ
ル繊維中に強度の低い部分が発生し、紡糸あるいは延伸
時に繊維の切断が起こりやすいという問題点がある。
【0007】つまり、かかる方法によって得られる気泡
は、その大きさを制御することが極めて困難であり、気
泡の大きさが最大300μmにも及ぶ粗大な気泡となり
やすいので、細径の発泡ポリエステルを安定して得るこ
とはできない。
【0008】一方、有機発泡剤とシリコーンオイルの添
加により空洞が形成された太細ポリエステル繊維(特開
昭63−219619号公報など)や、重炭酸ナトリウ
ムとクエン酸とからなる発泡剤とポリカーボネートを用
いたポリエステル発泡繊維の製法(特開平4−2144
07号公報など)も知られている。
【0009】これらの方法によれば、気泡の最大の大き
さは20μm程度と小さくできるが、発泡倍率が1.4
倍と低いものしか得られない。
【0010】このような問題を解決するため、予め加圧
下で十数時間ガスを含浸させて、ガスの過飽和状態にし
た高分子ペレットを加圧ダイスで押出成形後に加熱発泡
する方法(米国特許第4,473,665号明細書な
ど)や、加圧室でガス含浸させたペレットを押出機で混
練後、加圧液化ガス槽に押出して連続的にガスを含浸さ
せ加熱発泡する方法(特開平4−268344号公報、
特開平4−268345号公報など)、成形品に加圧室
でガス含浸させ、結晶化度を30%以上にした後に加熱
発泡する方法(特開平5−230259号公報など)が
提案されている。
【0011】これらの方法によれば、気泡の最大の大き
さが20〜40μm程度と小さく、しかも発泡倍率が5
倍程度の大きいものが得られるが、加圧室でのガス含浸
に長い時間を要するため生産性が悪いという問題点があ
る。
【0012】また、上記方法においては、加圧のために
工程をシールすることが必要になるので、連続的に繊維
を成形する場合は、該方法を適用することは極めて困難
となる。
【0013】つまり、従来公知の方法では、発泡倍率が
大きく、しかも微細な気泡を有する発泡ポリエステル繊
維を、生産性よく連続的に得ることは困難であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発泡
倍率が大きく、かつ微細な独立気泡を有する発泡ポリエ
ステル繊維を生産性よく連続的に製造できる方法を提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討した結果、発泡剤を含んだ熱可
塑性ポリエステル樹脂を押出機から押出す際、特定の発
泡核剤を含有させ、かつ溶融樹脂が吐出オリフィスを通
過する時間を一定範囲に制御するとき、上記目的が達成
できる事を究明した。
【0016】かくして本発明によれば、発泡剤を含んだ
熱可塑性ポリエステル樹脂を押出機で溶融後、押出機の
先端に取り付けた口金の吐出オリフィスから低圧領域に
押出して発泡ポリエステル繊維を製造するに際し、該熱
可塑性ポリエステル樹脂に、発泡核剤として平均の一次
粒子径が2μm以下である不活性無機微粒子を含有さ
せ、かつ吐出オリフィスの背圧を50〜300kg/c
2 とするとともに、溶融樹脂が吐出オリフィスを通過
する時間を1〜15ミリsecとして該樹脂を押出すこ
とを特徴とする発泡ポリエステル繊維の製造方法が提供
される。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹
脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートなど
のポリエステルの他、ポリブチレンテレフタレートとポ
リテトラメチレングリコールブロック共重合体の如きポ
リエステル・エーテルエラストマーなどが挙げられる。
これらのポリエステルの極限粘度(オルトクロロフェ
ノール、35℃での測定値)は好ましくは0.5以上、
更に好ましくは0.6以上のものが用いられる。
【0019】また、本発明においては、溶融物が紡糸オ
リフィスから低圧領域に押出されたとき、個々の気泡の
発泡圧に対して適度の抵抗を持つように、上記熱可塑性
ポリエステル樹脂に斯界でしばしば用いられている増粘
剤を含有させてもよい。
【0020】上記増粘剤としては、該熱可塑性ポリエス
テル樹脂の融点より15℃高い温度における粘度が、8
000ポイズ以上のものを使用することが必要であり、
従来公知の多官能グリシジルエステル化合物や多官能カ
ルボン酸無水物などをあげることができる。
【0021】上記ポリエステル樹脂に添加する発泡剤と
しては、下記ア)〜エ)のものが例示される。 ア)ポリエステル溶融体に対して実質的に不活性な気
体、例えば、炭酸ガス、窒素、ヘリウムなど。 イ)ポリエステル樹脂の溶融時又は押出し時に気化して
その体積を著しく増大させ、しかもポリエステル溶融体
に対して実質的に不活性な有機液体、例えばキシレン、
トルエン、ジフェニルエーテル、クロロベンゼン、アニ
ソールなど。 ウ)ポリエステルの溶融時に反応してガスを発生させる
ポリマー、例えばポリカーボネートなど。 エ)加熱すると分解してガスを発生する熱分解型発泡
剤、例えば、重炭酸ソーダや炭酸アンモニウムのような
無機発泡剤や、アゾ化合物、N−ニトロソ化合物、 ス
ルホニルヒドラジド化合物、スルホニルセミカルバジド
化合物、スルホニル ヒドラゾン化合物などのような有
機発泡剤。
【0022】さらに、本発明においては、溶融ポリエス
テルポリマーを押出す際の気泡の凝集と繊維外へのガス
飛散損失を抑制し、気泡の大きさを微細かつ均一にする
ために、発泡核剤を上記の発泡剤と併用することが必要
である。
【0023】発泡核剤は、平均の一次粒子径が2μm以
下である不活性無機微粒子であることが必要があり、中
でも含珪素無機微粒子、元素周期律表第II族金属の酸化
物からなる無機微粒子、元素周期律表第II族金属の塩類
からなる無機微粒子、酸化アルミニウムおよび酸化ジル
コニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の無機
微粒子を使用することが好ましい。
【0024】ここで、含珪素無機微粒子とは、500℃
で2時間加熱した後に酸化珪素として20重量%以上の
珪素を含有し、ポリエステルに実質的に不溶性の無機微
粒子を意味し、この例としてタルク、マイカ、カオリ
ン、ガラス粉末、珪酸ジルコニウム、酸化珪素などを挙
げることができる。
【0025】また、元素周期律表第II族金属の酸化物か
らなる無機微粒子あるいは元素周期律表第II族金属の塩
類からなる無機微粒子としては、酸化亜鉛、炭酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、
リン酸バリウム、リン酸マグネシウム、硫酸ストロンチ
ウムなどを挙げることができる。
【0026】また、上記不活性無機微粒子の平均の一次
粒子径は2μm以下であることが必要であり、好ましく
は1μm以下、特に好ましくは0.2μm以下である。
【0027】ここで平均粒径とは測定した全粒子の50
重量%の点にある粒子の等価球形直径であり、粒子の電
子顕微鏡写真または通常の沈降法による測定から計算す
ることができる。
【0028】一次粒子径が2μmを越えると、ポリマー
中に粗大粒子が混入するため、発泡ポリエステル繊維の
気泡が粗大化したり気泡が不均一になる上、紡糸工程で
の濾過層の目詰まりや糸切れなどのトラブルが発生する
ため好ましくない。
【0029】不活性無機微粒子の平均の一次粒子径を2
μm以下とするためには自然沈降法や遠心分離法などの
方法で分級し、粗大粒子を除去する方法などが好ましく
利用できる。
【0030】上記不活性無機微粒子の平均の一次粒子径
の下限は0.01μmが好ましい。
【0031】上記不活性無機微粒子の添加量は生成する
ポリエステル組成物に対して、0.1〜4重量%が好ま
しく、0.3〜2重量%が特に好ましい。添加量が0.
1重量%未満では、発泡核剤としての効果が不十分で好
ましくなく、一方、4重量%を越えると、発泡核剤とし
ての効果が飽和してしまうだけでなく、得られるポリエ
ステル中の粗大粒子数も増加するので好ましくない。
【0032】また不活性無機微粒子の添加時期は、前記
発泡剤添加と同時または発泡剤添加以前であることが好
ましい。発泡剤添加後に不活性無機微粒子を添加した場
合は、ポリマー押出時に気泡が凝集しやすく、気泡の大
きさが大きく不均一となるため好ましくない。
【0033】本発明においては、前記発泡剤および発泡
核剤を含んだポリエステル溶融体を、押出機の先端に取
り付けた口金の吐出オリフィスから低圧領域に押出して
発泡ポリエステル繊維を製造するが、その際、吐出オリ
フィスの背圧を50〜300kg/cm2 、好ましくは
100〜300kg/cm2 とすることが必要である。
【0034】上記の背圧が50kg/cm2 未満では、
ポリエステル内部での気泡壁の破裂が多くなり、独立し
た気泡が少なく、従って気泡の大きさが大きく不均一と
なるため好ましくない。一方、吐出オリフィスの背圧が
300kg/cm2 を越える場合も、気泡の大きさが不
均一になるため好ましくない。
【0035】上記の背圧は、吐出オリフィスの形状、孔
径またはランド長等を変更することにより、調整するこ
とができる。
【0036】さらに、本発明においては、溶融樹脂が吐
出オリフィスを通過する時間を1〜15ミリsec、よ
り好ましくは1〜10ミリsecとして押出すことが必
要である。
【0037】ここで、吐出オリフィスとは、押出機の最
下流側に取り付けられた、溶融樹脂を低圧領域に押出し
てモノフィラメントを得るための成形孔であり、例えば
図1や図2のVt で表わされる部分をいう。
【0038】溶融樹脂が吐出オリフィスを通過する時間
tが15ミリsec以下では、気泡が均一且つ微細とな
るため、発泡ポリエステル繊維の太さ斑が小さく、例え
ば直径500μm未満の細い発泡ポリエステル繊維が紡
糸および延伸時の糸切れもなく安定して得られる。
【0039】溶融樹脂が吐出オリフィスを通過する時間
を15ミリsec以下とする手段としては、一つの吐出
オリフィスから単位時間に押出される樹脂量を少なくす
るか、吐出オリフィス部の体積を小さくするかのいずれ
かの手段をとることができる。
【0040】なお、口金の押出ノズル孔部分を通過する
時間が1ミリsec未満の口金も設計可能であるが、そ
の場合、口金の押出ノズル孔の背圧を300kg/cm
2 以下にするには、押出ノズルのランド長を極めて短く
する必要がある。そのため口金内のノズル孔間の背圧の
バラツキが大きくなり、繊維径のホール間斑を招くため
好ましくない。
【0041】吐出オリフィスの形状や孔径、ランド長な
どには特に制限はなく、所望の繊維形状、繊維径、繊維
特性に応じて適宜設定すれば良い。
【0042】また、口金に複数個の吐出オリフィスを設
け、同時に複数本の発泡ポリエステル繊維を製造するこ
ともできる。
【0043】本発明のポリエステル繊維の製造方法は、
直径500デニール程度未満の発泡ポリエステル繊維を
製造するのに適している。
【0044】何故なら、本発明の方法により、直径50
0デニール以上の繊維を製造しようとすると、吐出オリ
フィスの孔径を大きくしなければならず、吐出オリフィ
スの背圧が低くなりすぎて、気泡の大きさが大きく不均
一となるからである。
【0045】
【作用】本発明においては、前記発泡剤および発泡核剤
を含んだポリエステル溶融体を、50〜300kg/c
2 の背圧で、且つ溶融体が吐出オリフィスを通過する
時間を1〜15ミリsecとして低圧領域に押出すこと
により、均一かつ微細な気泡を有する細径の発泡ポリエ
ステル繊維を安定して製造することができる。
【0046】溶融樹脂が吐出オリフィスを通過する時間
が15ミリsecという値を限界として、これ以下の通
過時間で、気泡の最大の大きさが約200μm以下の微
細な独立気泡が生じやすくなるという事実は、全く予想
外の事実である。
【0047】本発明者らの検討した結果では、前述の核
剤を使用した場合、吐出オリフィスの単位横断面積から
単位時間内に押し出される樹脂量の大小にかかわらず、
溶融樹脂が吐出オリフィスを通過する時間が15ミリs
ecを越える時は気泡の大きさが粗く不均一となりやす
く、15ミリsec以下の時は気泡の大きさが微細で均
一となることが判明した。
【0048】押し出された繊維中の気泡が均一かつ微細
となる理由は明確ではないが、背圧の作用によって気泡
の発生ができるだけ低圧領域に近いところまで抑制され
る上、押出される際に発泡核剤を核として気泡が均一に
発生し、しかも吐出オリフィス部でのポリマーの滞留時
間が短いために気泡核の衝突による気泡の凝集成長が抑
制されるためであろうと推定される。
【0049】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0050】[実施例1]極限粘度0.64のポリエチ
レンテレフタレートのペレット100重量部を160℃
で5時間熱風乾燥した後、増粘剤としてピロメリット酸
無水物0.3重量部、発泡核剤として一次粒子径0.0
5μmの炭酸カルシウム(発泡核剤Aと略称する)0.
5重量部、発泡剤マスターバッチとして永和化成工業製
ポリスレンES−201、7.5重量部をV型ブレンダ
ーにて混合し、シリンダー直径30mm、L/D32の押出
機で、シリンダー温度を供給ゾーン 260℃、可塑化ゾー
ン 280℃、メタリングゾーン 280℃、スクリュー回転数
50rpmで溶融させた。
【0051】ギヤポンプで、60g/分となるよう計量し
て 280℃のダイ部に導き、孔径0.7mmφ、ランド長
1.40mmの吐出オリフィスを12個有する口金か
ら、吐出量60g/分で押出し、エアギャップ30cm
で水冷した後、紡糸速度75m/分で引き取り、単糸3
50μm径の紡出糸を得た。
【0052】第1表に、発泡押出条件と吐出オリフィス
の背圧P、溶融樹脂が吐出オリフィスを通過する時間t
を、第2表に紡出糸の見掛け比重、発泡倍率、気泡の最
大の大きさ、単糸の繊維径を示す。
【0053】さらに紡出糸を、95℃の温水浴で4.0
倍の倍率、30m/分の速度で延伸した後、250℃の
スリットヒーターで1.5倍の倍率、10m/分の速度
で延伸し、単糸160μm径の延伸糸を得た。第3表に
延伸糸の見掛け比重、発泡倍率、気泡の最大の大きさ、
単糸の繊維径を示す。
【0054】[実施例2〜4、比較例1]吐出オリフィ
スの孔径、ランド長、ホール数、紡糸速度を変更する以
外は、実施例1と同様に行った。結果を第1表、第2
表、第3表に示す。
【0055】[実施例5、比較例2]極限粘度0.64
のポリエチレンテレフタレートのペレット100重量部
を160℃で5時間熱風乾燥した後、増粘剤としてピロ
メリット酸無水物0.3重量部、発泡核剤として一次粒
子径0.06μmの炭酸カルシウム0.5重量部をV型
ブレンダーにて混合し、シリンダー直径30mm、L/D
32の押出機で溶融した。
【0056】押出機シリンダー中央部より、発泡剤とし
て炭酸ガスをポリエチレンテレフタレート100重量部
当り3部の割合で45kg/cm2 の圧力下圧入する以
外は、実施例5と同様に行った。結果を第1表、第2
表、第3表に示す。
【0057】溶融樹脂が吐出オリフィスを通過する時間
tが15ミリsec以下の場合は、気泡の最大の大きさ
が、紡出糸では35〜200μm、延伸糸では20〜7
5μmの均一で微細な独立気泡が得られ、発泡ポリエス
テル繊維の太さ斑が小さく、直径500μm以下の細い
発泡ポリエステル繊維が安定して得られる。これに対し
て、溶融樹脂が吐出オリフィスを通過する時間tが15
ミリsecを越えた比較例1〜2では、ポリエステル繊
維径に対して相対的に大きい気泡しか得られず、繊維の
太さ斑が大きくなることが明らかである。
【0058】[実施例6〜8、比較例3〜4]発泡核剤
の種類を、一次粒子径0.2μmの炭酸カルシウム(発
泡核剤Bと略称する)、一次粒子径0.2μmの酸化ア
ルミニウム(発泡核剤Cと略称する)、一次粒子径0.
2μmの酸化ジルコニウム(発泡核剤Dと略称する)、
一次粒子径2.5μmの炭酸カルシウム(発泡核剤Eと
略称する)、一次粒子径2.2μmのタルク(発泡核剤
Fと略称する)に変更する以外は、実施例6と同様に行
った。結果を第1表、第2表、第3表に示す。
【0059】比較例3〜4のように、不活性無機微粒子
の平均の一次粒子径が2μmを越えると、発泡ポリエス
テル繊維の気泡の大きさが増大し気泡が不均一になり、
紡出糸および延伸糸の繊維径斑が大きくなることが明ら
かである。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
発泡倍率が比較的大きく、かつ気泡の大きさが微細で均
一な独立気泡構造を有した細径の発泡ポリエステル繊維
を生産性よく連続的に製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる吐出オリフィスの一例を示す断
面図。
【図2】本発明で用いる吐出オリフィスの他の例を示す
断面図。
【符号の説明】
t 吐出オリフィス
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 301 M Q

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤を含んだ熱可塑性ポリエステル樹
    脂を押出機で溶融後、押出機の先端に取り付けた口金の
    吐出オリフィスから低圧領域に押出して発泡ポリエステ
    ル繊維を製造するに際し、該熱可塑性ポリエステル樹脂
    に、発泡核剤として平均の一次粒子径が2μm以下であ
    る不活性無機微粒子を含有させ、かつ吐出オリフィスの
    背圧を50〜300kg/cm2 とするとともに、溶融
    樹脂が吐出オリフィスを通過する時間を1〜15ミリs
    ecとして該樹脂を押出すことを特徴とする発泡ポリエ
    ステル繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 不活性無機微粒子が含珪素無機微粒子、
    元素周期律表第II族金属の酸化物からなる無機微粒子、
    元素周期律表第II族金属の塩類からなる無機微粒子、酸
    化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムからなる群から
    選ばれた少なくとも一種の無機微粒子である請求項1記
    載の発泡ポリエステル繊維の製造方法。
JP6042346A 1994-03-14 1994-03-14 発泡ポリエステル繊維の製造方法 Pending JPH07252724A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008002041A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Kaneka Corp 人工毛髪用繊維およびその製造方法
JP2021011551A (ja) * 2019-07-08 2021-02-04 Dmノバフォーム株式会社 発泡体およびその製造方法

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