JPWO2012033085A1 - ポリフェニレンサルファイド繊維含有不織布 - Google Patents

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Abstract

本発明はワニスの含浸性が高く、高温環境における寸法安定性にも極めて優れる電気絶縁用、電池セパレータ用に好適な不織布を提供することを目的とする。本発明はPPS繊維を含んでなる不織布であって、該不織布は抄紙法で得られるものであり、不織布表面の接触角が不織布裏面の接触角よりも5°以上大きいものである。この不織布の製造に好適な方法は、未延伸のポリフェニレンサルファイド繊維を水に分散して漉き上げた後、カレンダー装置で加熱・加圧処理を行うものであって、カレンダー装置の2本のロール表面の温度を10℃以上異なる温度で処理するものである。

Description

本発明は、ポリフェニレンサルファイド繊維を含む不織布とその製造方法に関するものであり、特に電気絶縁用や電池セパレータ用に好適な不織布およびその製造方法に関するものである。
耐熱性と耐薬品性に優れているポリフェニレンサルファイド繊維(以下、PPS繊維と称することがある。)は、高機能繊維として用途が拡大してきている。具体的な用途としては、高温のガス集塵に用いるフィルター、工業製品の乾燥工程に使用するドライヤー用カンバス、およびオフィス用コピー機のロール拭き取り材などである。今後も用途の広がりがあると予測される。
中でもオフィス用コピー機のロール拭き取り材に採用されているのは、PPS繊維からなる紙である。紙特有の軽量性と柔軟性、拭き取り性能に優れることから、
PPS繊維からなる紙をロール拭き取り材として採用するコピー機が増加している。このPPS繊維からなる紙は、PPS繊維として捲縮を有する繊維を採用することで低目付でもシート強力が高く、かつ緻密で均一な紙とすることができたと言われている(特許文献1参照)。特許文献1では、具体的な用途として耐熱性電気絶縁材料や電池セパレータを提案している。
近年、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池に代表される二次電池のエネルギー密度は飛躍的に増加し、さらに車載用バッテリー用途には大容量化も急速に進んでいる。
バッテリー、モーター、インバーター等に用いる電気絶縁材料への要求性能も更に厳しくなっている。例えばモーター用絶縁材料に関しては、巻線とステータやローターとを絶縁する際、絶縁性能を更に高めるために樹脂からなるワニスを含浸させることがある。絶縁材料に使用されるシートには、シートにワニスを含浸させる時、ワニス溶液の良好な含浸性が要求される。また、エネルギー密度の増加した二次電池では高温環境に曝されて、空気中の湿度によって露つきが発生することがある。露つきによる二次電池の性能低下を防ぐために、使用される絶縁材料には露つきした水分が絶縁材料中に浸透せず、安定した防湿効果を発揮することが求められている。すなわち、ワニス溶液の含浸性が高く、かつ水分の浸透は抑制するという、二つの性能が求められている。更には、コイルの巻線から発生する熱を周囲に拡散しやすくして、使用される機器の温度上昇を抑制するために、電気絶縁材料には熱拡散性能なども要求される。
このようにモーター用絶縁材料には、ワニスとの良好な含浸性、水分の浸透を抑制できる性能、熱拡散性能などが要求される。特許文献1はPPS繊維からなる湿式不織布(抄紙法で得られる不織布)にバインダーが含まれていても良いことや、カレンダー装置に通して加熱・加圧することを開示している。しかし、特許文献1の発明は、上述の要求や課題に対する十分な解決策、特に、湿式不織布(抄紙法で得られる不織布)への樹脂溶液の含浸性が良好であり、かつ水分が内部に浸透することを抑制できるという課題を解決するものではなかった。
また別の技術として、耐熱性繊維と未延伸ポリフェニレンサルファイド繊維とを混綿してなる耐熱性不織布が高耐熱電気絶縁シートに好適であると提案されている(特許文献2参照)。特許文献2は、未延伸ポリフェニレンサルファイド繊維を8%未満の混率とした上で、熱融着させている。その結果、耐熱性不織布の密度が高くなり過ぎず、ペーパーの平滑化や薄いシート化が進まないためにワニス含浸性が良くなると開示している。特許文献2の発明は、PPSの短繊維をカーディングしてウェブ化した後、耐熱性不織布の密度を高くし過ぎないために熱融着圧力を100kg/cm未満にすることで得られるものである。特許文献2の方法で得られる不織布は、ワニス含浸性こそ良いものの、水分の浸透を抑制しつつワニス含浸性も維持するという課題を十分に解決できるものではなかった。また、特許文献2は、不織布はカーディング法やエアーレイ法という乾式法によって得られる不織布で、密度を高くし過ぎないことが好適と開示している。カーディング法やエアーレイ法で得られる不織布は捲縮のある繊維長が38mm以上の長さの短繊維を用いることが一般的であり、得られるウェブは嵩高く、かつ繊維の分散状態も抄紙法で得られる不織布より劣るものである。したがって特許文献2の開示する不織布は、本発明の抄紙法で得られる不織布のように、地合の均一さや薄さを兼ね備えるものではなく、従ってワニスとの良好な含浸性と水分の浸透を制御できる性能を兼備するという課題、更には電気絶縁材料として必要な軽量性という課題を解決するものではなかった。
また更に別の技術として、湿式法によって得られる印刷用の抄紙が知られている(特許文献3参照)。特許文献3はパルプを用いて抄造した後にカレンダー処理する時、水分を付着させることで不透明度、白色光沢度、平滑性を高くすることを開示している。具体的には、ホットソフトニップカレンダー装置を用いてカレンダー処理するに際し、不織布の両面を、カレンダー装置が、好ましくは6ニップ以上処理するものである。
また、これまでに知られていた抄紙法で得られるPPS繊維の不織布は、紙特有の軽量性と柔軟性、更に耐熱性を有するが、電気絶縁材料に必要なワニスとの含浸性が高く、かつ、湿熱や乾熱などの高温環境における寸法安定性に優れるものではなかった。
特開平9−67786号公報 特開平3−137260号公報 特開2008−274518号公報
そこで本発明の課題は、PPS繊維を含んでなる不織布であって、ワニスの含浸性が高い不織布を提供することにある。さらには、高温・高湿度環境における寸法安定性が要求される場合、この特性にも優れた不織布を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成せんとするものである。本発明の不織布は、PPS繊維を含んでなる抄紙法で得られるものであり、不織布表面(おもてめん)の水の接触角が不織布裏面の水の接触角よりも5°以上大きいことを特徴とするものである。
本発明の不織布の好ましい態様によれば、前記の不織布表面と不織布裏面の接触角が、いずれも70°〜110°の範囲内にあるものである。
また本発明の不織布の好ましい態様によれば、前記のPPS繊維の一部に未延伸のPPS繊維を含み、該未延伸のPPS繊維が融着して不織布を構成しており、更に該融着が不織布表面に選択的に存在することである。
本発明が開示する不織布の製造方法は、前記いずれかの不織布を製造するために好適な方法である。すなわち未延伸のPPS繊維を水に分散してワイヤー(抄紙網)に漉き上げて水分を乾燥除去した後、カレンダー装置で加熱・加圧処理を行うことを特徴とし、カレンダー装置の2本のロール表面温度を10℃以上異なる温度で処理することにより製造される。
本発明によれば、ワニスの含浸性と高温環境での寸法安定性とを兼備した不織布が得られる。また、PPS繊維の一部に未延伸のPPS繊維を含み、該未延伸のPPS繊維が融着して不織布を構成し、更に該融着が不織布表面に選択的に存在することで、ワニスの含浸性に優れ、また高温環境での寸法安定性に優れ、かつ絶縁性能を高くできる効果も奏する。
本発明者らは、PPS繊維を用いてなる抄紙法で得られた不織布において、不織布表面の接触角を不織布裏面の接触角よりも5°以上大きくすることで、ワニス含浸性を高め、高温での寸法変化を低減できることを見出した。本発明者らは、更に、例えばポンプモーターのような多湿中での露付き現象によって絶縁材料が寸法変化してしまう問題点に着目し、前記の不織布表面と裏面の接触角がいずれも70°〜110°の範囲内にあることで、高温の多湿環境における寸法変化防止も解決できることを見出し、本発明に到達した。
本発明で規定する接触角は水による接触角であり、JIS R 3257(1999)「6 静滴法」に準拠の方法で測定したものである。不織布表面の接触角が不織布裏面の接触角より5°以上大きいということは、不織布表面側が不織布裏面側より液滴をはじく程度が大きいことを意味する。接触角が大きいほうが表面と定義される。電気絶縁材料においては不織布表面側を巻線側に配置して、巻線とステータとの間に挟み込むことで、巻線側に露付きして巻線が劣化することを防ぐことができ、尚且つ、ステータ側の不織布裏面において選択的にワニス含浸性が高いので、絶縁耐久性を向上し、熱拡散性能も兼備することができる。本発明では、不織布表面の接触角が不織布裏面の接触角より9°以上大きいことがより好ましい。
また本発明の不織布は、不織布表面と不織布裏面の接触角が、いずれも70°〜110°の範囲内、さらに70°から100°の範囲内であることが好ましい。接触角が70°以上あることで特に空気中からの水分(水滴)をはじきやすく、高湿度・高温環境における寸法安定性に優れることからである。また接触角を上記角度以下とすると、ワニス含浸性、特に水を媒体とするワニスの含浸性が良好となり好ましい。さらに接触角が80°〜100°の範囲内にある不織布が、水滴の付着による劣化が少なく、かつ、十分なワニス含浸性を兼備するので更に好ましい。不織布表面の水の接触角が不織布裏面の接触角よりも5°以上大きいことから、表面(おもてめん)の接触角は75°〜110°、さらに75°〜100°の範囲にあることが好ましい。一方裏面の接触角は70〜105°、さらに70〜95°の範囲にあることが好ましい。
ここで不織布表面(おもてめん)とは、不織布を構成し接触角が大きいほうの面を指し、一方で不織布裏面とは、もう一方の面を指すものである。
本発明の不織布は抄紙法で得られるものである。抄紙法とは原料となる繊維を水に分散し、必要に応じて分散剤や消泡剤等を加えた抄紙原液を調整する。その後に、抄紙原液を抄紙機に通じて漉きあげ抄紙とするものである。抄紙機は、一般的な構造のものであれば問題なく採用することができる。抄紙機としては、円網、長網および短網のいずれでも良い。得られた湿紙をベルト上に載せて、水を絞りつつ乾燥して巻き取ることにより抄紙法で得られた不織布とすることができる。
本発明で用いられるPPS繊維は、ポリマー構成単位が
−(C−S)−
を主な構造単位とする重合体からなる合成繊維である。これらPPS重合体の代表例としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体およびそれらの混合物などが挙げられる。特に好ましいPPS重合体としては、ポリマーの主要構造単位として、−(C−S)−で表されるp−フェニレン単位を、好ましくは90モル%以上含有するポリフェニレンスルフィドが望ましい。質量の観点からは、p−フェニレン単位を80質量%、さらには90質量%以上含有するポリフェニレンスルフィドが望ましい。また本発明で用いられるPPS繊維は、抄紙法に用いることから、その繊維長が2〜38mmの範囲内にあることが好ましい。繊維長が2〜38mmの範囲内であれば、抄紙用の原液に均一に分散が可能となり、抄紙直後の濡れた状態(湿紙)で乾燥工程を通過させるのに必要な引張強力を有する。また、PPS繊維の太さについても、抄紙用の原液に繊維が凝集せずに均一分散できることから、単繊維繊度は0.1〜10dtexの範囲内にあるものが好ましい。
本発明で用いられるPPS繊維の製造方法は、上述のフェニレンサルファイド構造単位を有するポリマーをその融点以上で溶融し、紡糸口金から紡出することにより繊維状にする方法が好ましい。紡出された繊維は、そのままでは未延伸のPPS繊維である。未延伸のPPS繊維は、その大部分が非晶構造であり、熱を加えることで、繊維同士を接着させるバインダーとして働くことができる。一方、このような繊維は熱による寸法安定性が乏しいので、紡出に続いて熱延伸して配向させ、繊維の強力と熱寸法安定性を向上させた延伸糸が市販されている。PPS繊維としては、“トルコン”(登録商標)(東レ製)、“プロコン”(登録商標)(東洋紡績製)など、複数のものが流通している。
本発明の不織布は10〜800g/mの目付け、10〜800μmの厚みを有するものが好ましく、要求される絶縁性能によって適宜選択される。中でもモーター用絶縁材料の場合は巻線とステータやローターの間に挿入して使われることから適度な柔軟性が要求される場合があり、目付に注目すると好ましくは40〜300g/mの範囲、厚みに注目すると40〜300μmの厚みを有するのが良い。更に好適には40〜230μmの厚みが良い。なぜなら目付けが40g/m以上あることで絶縁性能を満足できることとなり、一方、目付けが300g/m以下であればモーター内に組み込んだ時の柔軟性を有するためである。
上述のとおり、本発明の不織布は、PPS繊維を含んでいる不織布である。さらにその不織布としては、PPS繊維の一部に未延伸のPPS繊維を含み、該未延伸のPPS繊維が融着して不織布を構成しており、更に該融着が不織布表面(おもてめん)方向に多く存在することが好ましい。PPS繊維の一部に未延伸のPPS繊維を用いて、加熱することで、不織布を構成する繊維同士を固着させることが可能となり、不織布の引っ張り破断強度を向上することができるので好ましい。さらにまた、融着部分は一般的には2本の平滑ロールによって不織布を加熱・加圧させることにより形成される。本発明のように未延伸のPPS繊維が融着して不織布を構成していることは、PPS繊維の一部が繊維状態のかたちから変化して平滑となることで水をはじき易くなる。その結果露つきして性能低下を引き起こすとか、吸湿して寸法が変化してしまうことが減少する。特に本発明においては、後述するとおり、2本の平滑ロールの表面(ひょうめん)温度を10℃以上異なる温度として加熱・加圧処理を行うことで、不織布表面側に選択的に多くの融着部分が存在することとなり、表面では選択的に水をはじき易い一方、不織布裏面の方では不織布表面よりも水との親水性が良くなり、ワニス含浸性を発揮するので好ましい。PPS未延伸糸に替えて低融点のポリエステル成分を用いることもできるが、PPS未延伸糸の方がより低い加熱・加圧温度で選択的に熱融着させることが可能であるので、熱融着させる成分としてはPPS未延伸糸であることが好ましい。
ここで、不織布表面と不織布裏面の両面を対比した時に融着部分が同じ程度に存在する場合、不織布の雰囲気中の水分による露付き予防と、ワニス含浸性という両方の性能を同時に満たすことが困難となることから、融着部分は不織布表面に多くに存在し、不織布裏面は融着部分が少ないものとすることが好ましい。
本発明の不織布は、雰囲気中の水分による露付きすることを抑制することができ、尚且つ、ワニス含浸性も高いので、電気絶縁用途に用いると、絶縁耐久性が向上し、熱拡散性能も兼備することができることから、電気絶縁用途に好適に用いることができる。
本発明の不織布にワニスを含浸した資材は、高い絶縁破壊電圧と、優れた湿熱寸法安定性能を兼備することから、電気絶縁材料として好適に用いることができる。用いるワニスの材料としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂など、各種の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。
本発明の不織布は例えば以下の方法で製造できる。未延伸のPPS繊維を含む材料を水に分散してワイヤー(抄紙網)に漉き上げて、そして水分を乾燥除去する(ここまでの工程が抄紙法である)。その後、カレンダー装置で加熱・加圧処理を行う。その際カレンダー装置の2本のロール表面(ひょうめん)温度を10℃以上異なる温度で処理する。
未延伸のPPS繊維を水に分散する際、PPS繊維の延伸糸を加えても良く、必要に応じて分散剤や消泡剤を添加して、PPS繊維を均一に分散させることもできる。PPS繊維の延伸糸を加えることで、得られる不織布の引張強度が向上するので好ましい。ただし未延伸のPPS繊維が少なくなるとカレンダー装置で加熱・加圧処理を施した時に、融着部分が十分に発生しないため、露つき予防の効果が低下する傾向がある。そのため用いる未延伸のPPS繊維は不織布全体の20質量%以上が良い。さらに電気絶縁用途に用いる際に好適な露付き予防とワニス含浸性の両立という点から、未延伸のPPS繊維は不織布全体の30質量%以上、一方70質量%以下のものがより好ましい。
ワイヤーに漉き上げて水分を乾燥除去する際は、抄紙機とそれに付属するドライヤーパートを用いることができる。ドライヤーパートにおいては、前の工程において抄紙機で漉き上げた湿紙をベルト上に移載し、2つのベルト間に挟んで水を絞り、回転ドラムにて乾燥する工程を用いることができる。回転ドラムの乾燥温度は90〜120℃とすることが好ましい。なぜなら、この温度であると、水分を効率良く除去でき、かつ、未延伸のPPS繊維に含まれる非晶成分が軟化せずに残留し、後に続くカレンダー装置での加熱・加圧によって融着が十分に発生するからである。
本発明の不織布の好ましい製造方法は、水分を乾燥除去した後にカレンダー装置で加熱・加圧処理を行う際、カレンダー装置の2本のロール表面温度を10℃以上異なる温度で処理するものである。カレンダー装置は2本のロールが1対以上で形成され、加熱と加圧手段を有するものであれば良い。ロールの材質として金属、ペーパー、ゴムなどを適宜選択して用いることができる。なかでも不織布表面の微細な毛羽を減少させるためには鉄などの金属のロールが好適に用いられる。またロールの材質について別の好ましい態様としては、2本のうち一方の材質を金属に、他方の材質をペーパーにすることである。金属のロールを表面温度を高く、一方ペーパーのロールを表面温度の低い側に設定することで、得られる不織布の表と裏との表面状態に、より顕著な違いを持たせることができるので好ましい。特にペーパーのロールを採用して低温側に設定することで、繊維間の空隙が残って水やワニスとの馴染みが良くて優れたワニス含浸性を発揮できる。さらにペーパーのロールを使用した場合、金属のロールのみを使用した場合よりも、得られる不織布の幅方向での皺発生を緩和でき、厚みムラも出にくいという特長を有するものである。
2本のロール表面温度を10℃以上異なる状態で加熱・加圧処理することで、表裏それぞれの面に本発明の特徴が提供される。ロール表面温度が高い側の不織布面においては、選択的に多くの融着部分が存在して平滑化することができる。融着部分の存在および平滑化により水をはじき易くなるとともに、不織布全体の引張強力も高くすることが出来る。一方でロール表面温度が低い側の不織布面においては、繊維間の空隙が残っていることから水やワニスとの馴染みが良く、ワニスの含浸性に優れるものである。金属の2本のロールで処理する場合の好ましい温度は一方を150〜190℃の範囲内とし、他方を190〜220℃の範囲内にして、2本のロール表面温度を10℃以上異なる温度とすることで、得られる不織布は湿熱寸法安定性とワニス含浸性という両方の性能をより顕著に有することから好ましい。
2本のロールをペーパーロールと金属ロールとする場合、好ましいロールの温度は、金属ロールを150〜190℃の範囲内とし、ペーパーロールを105〜130℃の範囲内にして、2本のロール表面温度を20℃以上異なる温度にすることが、加熱・加圧処理を問題なく実施でき、かつ、得られた不織布が湿熱寸法安定性とワニス含浸性の両方の性能に優れることから好ましい。より好ましくは2本のロール表面温度は15℃以上異なることが、吸湿寸法安定性と吸水性をいずれも優れた性能で両立できるので好ましい。ロール間の圧力については100〜8,000N/cmの線圧範囲が好ましく採用できる。100〜8,000N/cmの線圧を採用することで、未延伸のPPS繊維が十分に融着して不織布の強力を発現しつつ、露付き予防とワニス含浸性という2つの性能を兼備する不織布を得ることが可能となる。
次に実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[測定・評価方法]
(1)目付
JIS L 1913(2010)に準じて、25cm×25cmの試験片を3枚採取し、標準状態(20℃±2℃、65±4%RH)におけるそれぞれの質量(g)を量り、1m当たりの質量(g/m)で表した。
(2)厚さ
JIS L 1906(2000)で準用するJIS L 1096(1999)に準じて、試料の異なる10か所について、厚さ測定機を用いて、直径22mmの加圧子による2kPaの加圧下、厚さを落ち着かせるために10秒間待った後に厚さを測定し、平均値を算出した。
(3)接触角
接触角の測定は、20℃、65%RHの環境でおこなった。JIS R 3257(1999)の「 6.」の静滴法に準じて、8cm×3.5cmの試験片を1枚採取し、両面テープを使ってプレパラート上に貼り付けて固定した。タイプ22Gの針を有する注射筒を用意し、液滴量2.0μlにて液滴を作成した。液滴作成には400msの負荷時間、2000mVの負荷電圧とした。液滴には蒸留水を使用した。また液滴が試験片上に静置してから1秒経過した時に接触角を測定した。液滴の接触角は協和界面科学(株)製DropMaster700を用い、協和界面科学(株)のFAMAS接触角測定[液滴法]アドインソフトウェアを用いてθ/2法で解析し、10点の平均値を算出した。
(4)ワニス含浸性
5cm×5cmの試験片を2枚採取し、ワニスとしてポリアミドイミド系樹脂、東洋紡績社製の“バイロマックス”HR−11NNを用い、プラスチック製のバット内で試験片に室温で30秒の間含浸して軽く絞った後、150℃で20分、熱風乾燥機で乾燥して質量を測定した。ワニス含浸量は以下の式で算出した。
ワニス含浸量(g/m)=(乾燥後の質量−含浸前の質量)/0.0025

ワニス含浸量(%)=(ワニス含浸量(g/m)/カレンダー後の不織布目付け(g/m)×100

(5)絶縁破壊電圧
ワニスを含浸した5cm×5cmの試験片を2枚用い、JIS K 6911(1995)に準じて測定した。直径25mm、質量250gの円盤状の電極で試験片を挟み、試験媒体には空気を用い、0.25kV/秒で電圧を上昇させながら周波数60Hzの交流電圧をかけ、絶縁破壊したときの電圧を測定した。測定には、絶縁破壊耐電圧試験機(安田精機製作所製)を使用した。
(6)湿熱寸法安定性
ワニスを含浸していない20cm×20cmの試験片を5枚採取し、温度20℃、湿度65%RHの室内でデシケータ中に24時間保管した。しかる後に温度25℃、湿度80%RHに調整した恒温恒湿室中に6時間、静置した後、試験片の大きさを測定し、次式でタテ方向とヨコ方向の収縮率を計算した。恒温恒湿室はTABAI ESPEC社製を使用した。
収縮率(%)=(試験前の長さ−試験後の長さ)/(試験前の長さ)×100

(PPS繊維の未延伸糸)
未延伸のPPS繊維として、単繊維繊度3.0dtex(直径17μm)、カット長6mmの東レ製“トルコン”(登録商標)、品番S111を用いた。
(PPS繊維の延伸糸)
延伸されたPPS繊維として、単繊維繊度1.0dtex(直径10μm)、カット長6mmの東レ製“トルコン”(登録商標)、品番S301を用いた。
(ポリエステル繊維の延伸糸)
延伸されたポリエステル繊維として、単繊維繊度2.2dtex(直径14μm)、の東レ製“テトロン”(登録商標)、品番T9615を6mmにカットして用いた。
(パラ系アラミド繊維の延伸糸)
延伸されたパラ系アラミド繊維として、単繊維繊度1.7dtex(直径12μm)、カット長6mmの東レ・デュポン製“ケブラー”(登録商標)を用いた。
(手漉きの抄紙機)
底に140メッシュの手漉き抄紙網を設置した大きさ25cm×25cm、高さ40cmの手すき抄紙機(熊谷理機工業製)を用いた。
(回転型乾燥機)
手すき抄紙した後の乾燥には回転型乾燥機(熊谷理機工業製ROTARY DRYER DR−200)を用いた。
(加熱・加圧工程)
鉄ロールとペーパーロールとからなる油圧式3本ロールカレンダー加工機(由利ロール製、型式IH式H3RCM)を使用して加熱・加圧工程を施した。
[実施例1]
PPS繊維の未延伸糸とPPS繊維の延伸糸とを表1の質量比率になるように準備し、それらを水に分散し分散液を作成した。分散液から手漉きの抄紙機で湿紙を作成した。湿紙を、回転型乾燥機を用いて110℃で70秒間加熱、乾燥し、続いて鉄ロール側とペーパーロール側の温度を表1のとおりに45℃異なる条件とし、線圧490N/cm、ロール回転速度5m/分で同じ面を鉄ロール側にして2回、加熱・加圧し、不織布を得た。得られた不織布は湿熱寸法安定性に優れるとともに、十分なワニス含浸性能を有するものであった。
またワニスを含浸した後のサンプルは絶縁破壊電圧が高く、絶縁材料として優れた性能を有するものであった。
[実施例2]
PPS繊維の未延伸糸とPPS繊維の延伸糸とを表1の質量比率になるように準備し、それらを水に分散し分散液を作成した。分散液から手漉きの抄紙機で湿紙を作成した。湿紙を、回転型乾燥機を用いて110℃で70秒間加熱、乾燥し、続いて鉄ロール側とペーパーロール側の温度を表1のとおりに55℃異なる条件とし、線圧490N/cm、ロール回転速度5m/分で同じ面を鉄ロール側にして2回、加熱・加圧し、不織布を得た。得られた不織布は湿熱寸法安定性に優れるとともに、実施例1と同様に高いワニス含浸性能を有するものであった。

[参考例1]
ポリエステル繊維の延伸糸とPPS繊維の延伸糸とを表1の質量比率になるように準備し、それらを水に分散し分散液を作成した。分散液から手漉きの抄紙機で湿紙を作成した。湿紙を、回転乾燥機を用いて110℃で70秒間加熱、乾燥した。得られたものを、続いて鉄ロール側とペーパーロール側の温度を表1のとおりに55℃異なる条件とし、線圧490N/cm、ロール回転速度5m/分で加熱・加圧しようとしたが、ロール面に貼り付きが発生し、良好な不織布を得ることができなかった。
[実施例3]
参考例と同様にポリエステル繊維の延伸糸とPPS繊維の延伸糸とを表1の質量比率になるように準備し、それらを水に分散、分散液を作成した。分散液から手漉きの抄紙機で湿紙を作成し、回転乾燥機を用いて110℃で70秒間加熱・乾燥した。続いて鉄ロール側とペーパーロール側の温度を表1のとおりに60℃異なる条件とし、線圧490N/cm、ロール回転速度5m/分で1回のみ加熱・加圧し、不織布を得た。得られた不織布のワニス含浸性能は実施例2と同様、十分なものであった。絶縁破壊電圧は実施例1よりは低いものの良好なものであった。
[実施例4]
PPS繊維の未延伸糸とPPS繊維の延伸糸とを表2の質量比率になるように準備し、それらを水に分散し、分散液を作成した。分散液から手漉きの抄紙機で湿紙を作成した。湿紙を、回転型乾燥機を用いて110℃で70秒間乾燥し、続いて鉄ロール側とペーパーロール側の温度を表1のとおりに35℃異なる条件とし、線圧490N/cm、ロール回転速度5m/分で1回のみ加熱・加圧し、不織布を得た。得られた不織布は湿熱寸法安定性に優れるとともに、実施例3と同様に高いワニス含浸性能を有するものであった。

[比較例1]
PPS繊維の未延伸糸とPPS繊維の延伸糸とを表2の質量比率になるように準備した。それらを水に分散して分散液を作成した。分散液から手漉きの抄紙機で湿紙を作成した。湿紙を、回転型乾燥機を用いて110℃で70秒間加熱、乾燥した。得られたものを、続いて鉄ロール側とペーパーロール側の温度を表1のとおりとし、線圧490N/cm、ロール回転速度5m/分で同じ面を鉄ロール側にして、2回、加熱・加圧処理した。カレンダー加工の温度が高かったため、表面(おもてめん)同様に裏面のPPS繊維の未延伸糸も融着が進み、得られた不織布は表面(おもてめん)と裏面とで表面状態に違いが無く、ワニス含浸性能の低いものであった。
またワニスを含浸した後のサンプルも絶縁破壊電圧が低いものであった。
[比較例2]
PPS繊維の未延伸糸とパラ系アラミド繊維の延伸糸とを表2の質量比率になるように準備した。それらを水に分散し分散液を作成した。分散液から手漉きの抄紙機で湿紙を作成した。湿紙を、回転型乾燥機を用いて110℃で70秒間加熱、乾燥した。得られたものを、続いて鉄ロール側とペーパーロール側の温度を表1のとおりにし、線圧490N/cm、ロール回転速度5m/分で異なる面が鉄ロール側になるよう、1回ずつ、加熱・加圧し、不織布を得た。得られた不織布は不織布の表面(おもてめん)、裏面ともにPPS繊維の未延伸糸が融着して存在するものであり、ワニス含浸性能と湿熱寸法安定性が大きく劣るものであった。
ワニスを含浸した後のサンプルも絶縁破壊電圧が低いものであった。
[参考例2]
PPS繊維の未延伸糸とPPS繊維の延伸糸とを表2の質量比率になるように準備した。それらを水に分散し分散液を作成した。分散液から手漉きの抄紙機で湿紙を作成した。得られた湿紙を回転乾燥機を用いずに室内で乾燥して不織布を得た。得られた不織布は表面(おもてめん)と裏面で接触角に差が無かった。また不織布強度が弱いため、ワニス含浸加工をすることができなかった。
Figure 2012033085
Figure 2012033085
表1および表2から明らかなように、実施例1〜3はいずれも湿熱寸法安定性が低く、吸湿による寸法変化の無い優れたものであり、かつ、ワニス含浸性が十分あり、電気絶縁材料として極めて好適な絶縁破壊電圧を有するものであった。また実施例4はPPS繊維のみで構成するペーパーであり、同じ構成の実施例1や実施例2に比べて表面の接触角の絶対値が高いので空気中からの水分をはじき易く、かつ、ワニス含浸性が高くできるものであった。また同じ構成の参考例2でも接触角は高くできるが、不織布強度が弱いためにワニス含浸が出来ないものであった。

Claims (8)

  1. ポリフェニレンサルファイド繊維を含んでなる不織布であり、該不織布が抄紙法で得られたもので、かつ、不織布表面(おもてめん)の水の接触角が不織布裏面の接触角よりも5°以上大きいことを特徴とする不織布。
  2. 不織布表面と不織布裏面の接触角が、いずれも70°〜110°の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の不織布。
  3. ポリフェニレンサルファイド繊維の一部に未延伸のポリフェニレンサルファイド繊維を含み、該未延伸のポリフェニレンサルファイド繊維が融着して不織布を構成しており、更に該融着が不織布表面に選択的に存在することを特徴とする請求項1または2記載の不織布。
  4. 電気絶縁用途に用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の不織布。
  5. 上記請求項1〜3のいずれかの不織布を使った電気絶縁材料。
  6. 未延伸のポリフェニレンサルファイド繊維を水に分散して抄紙網に漉き上げて水分を乾燥除去した後、カレンダー装置で加熱・加圧処理を行うことを特徴とする請求項1〜4いずれかの不織布の製造方法であって、カレンダー装置の2本のロール表面(ひょうめん)温度を10℃以上異なる温度とすることを特徴とする不織布の製造方法。
  7. カレンダー装置が有する第1のロールの表面温度が、105〜130℃、第2のロールの表面温度が150〜190℃であることを特徴とする請求項6記載の不織布の製造方法。
  8. カレンダー装置が有する第1のロールの材質がペーパーであって、表面温度が、105〜130℃、第2のロールの材質が金属であって、表面温度が150〜190℃であることを特徴とする請求項6記載の不織布の製造方法。
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