JP2005310625A - アルカリ電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 親水性、保液性に優れ、安価でかつ機械的強度の良好なアルカリ電池用セパレータを得る。
【解決手段】 芳香族系ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホキシド、ポリパラフェニレン、ポリアリーレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミドから選択され、分子中に親水性基を有する少なくとも1種の芳香族高分子化合物を不織布に含有してなるアルカリ電池用セパレータ。
【選択図】 なし


Description

本発明は、不織布に親水基を有する高分子化合物を含有したアルカリ電池用セパレータに関するものである。
現在、自動車始動用(SLI用)バッテリーなどの大型蓄電池として主に鉛酸蓄電池が用いられている。また、小型民生機器用の電源としては、ニッケル−カドミウム蓄電池、やエネルギー密度の点でより優れたニッケル−水素蓄電池などのアルカリ蓄電池が広く用いられている。
近年、環境破壊が問題となってきており、その要因の一つとして自動車の排出ガスが挙げられる。これに対処するため、電気自動車の開発が進められているが、そのためには電源電池の開発が必要不可欠である。
これらの駆動用電源として、現在は主に鉛酸蓄電池が使われている。しかしながら、鉛酸蓄電池は活物質として鉛を使用しているため重量が重く、エネルギー密度も低い。そのため、鉛蓄電池よりも高出力、高エネルギー密度、さらには長寿命で大型、高容量タイプのニッケル−カドミウム蓄電池やニッケル−水素蓄電池などのアルカリ蓄電池の開発が要求されている。また、安全性の確保、及び保守を考えて、電池内部で発生したガスを電池系外へ放出しない密閉型の蓄電池が要求されている。
これらのアルカリ蓄電池用のセパレータとしては、一般にポリアミドやポリプロピレン製の繊維からなる不織布が用いられている。しかしポリアミド製のセパレータは、高温下や充放電サイクルにより、アルカリ電解液中で分解し、親水性が低下する。このため、セパレータ中に保持される電解液量が減少し、電池の内部抵抗が増大して放電容量が減少する。さらに、ポリアミドがアルカリ電解液中で分解されるとアンモニアが生成し、これが自己放電を引き起こす。これらの対策として、耐アルカリ性に優れたポリプロピレン製のセパレータを界面活性剤により処理して親水性を付与したセパレータが用いられている。しかしながら、これらのセパレータには、ノニオン系界面活性剤、例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが用いられているが、これらは電解液中に溶解し、電極で酸化還元され自己放電を引き起こす。このような問題を解決するために、特開昭62−115657号公報および特開昭64−57568号公報では、多孔体であるポリオレフィン系セパレータにスルホン化処理を施すという提案がなされていた。
しかし、スルホン化処理を施したポリオレフィン系セパレータは、次のような問題がある。
(1)スルホン化処理の方法としては濃硫酸にセパレータを浸漬した後、中和し、大量の水で水洗し乾燥を行っているために、処理が煩雑であり、時間がかかり、コストも高い。
(2)スルホン化処理により、ポリオレフィンの炭素−炭素結合が切れるため、セパレータの強度が低下する。
(3)繊維の内部まで十分にスルホン化されないため、セパレータ中の保液量が少なく、サイクル寿命特性や高率放電特性に劣る。
特開平6−181068
本発明の目的は、親水性、保液性に優れ、安価でかつ機械的強度の良好なアルカリ電池用セパレータを提供することにある。
本発明は、芳香族系ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホキシド、ポリパラフェニレン、ポリアリーレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミドから選択され、分子中に親水性基を有する少なくとも1種の芳香族高分子化合物を不織布繊維中に含有してなるアルカリ電池用セパレータであることを特徴とする。
好ましくは、上記アルカリ電池用セパレータに含まれる親水基を含有する芳香族高分子化合物は、親水基がスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方であり、さらに好ましくは、下記一般式(A)で表される繰り返し単位および下記一般式(B)で表される繰り返し単位からなるスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するポリアリーレンである。
Figure 2005310625
一般式(A)
(式中、Aは2価の電子吸引性基を示し、Bは2価の電子供与基または直接結合を示し、Arはスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する芳香族基を示し、R0はスルホン酸基またはスルホン酸塩基を示し、mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)。
Figure 2005310625
一般式(B)
(式(B)中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリル基、アリール基およびシアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Wは2価の電子吸引性基または単結合を示し、Tは単結合または2価の有機基を示し、pは0または正の整数を示す。)
本発明のセパレータは、低コストで十分な親水性や保液性を有し、自己放電特性やサイクル寿命特性に優れた電池を提供することができる。
本発明において使用される親水基を有する芳香族高分子化合物としては、分子内にスルホン酸基、スルホン酸塩基、カルボン酸基(カルボキシル酸基)、カルボン酸塩基(カルボキシル酸塩基、リン酸基、リン酸塩基、アミン基、アミド基、水酸基、アルキルエステル基、酸無水物基などの親水基を有する芳香族ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホキシド、ポリパラフェニレン、ポリアリーレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミドから選択される少なくとも1種の芳香族高分子化合物であることが好ましい。また、これらの中で親水基としてはスルホン酸基およびスルホン酸塩基が特に好ましく、芳香族高分子化合物としてはポリアリーレンが特に好ましい。これらは単独、あるいは、2種以上の共重合体、あるいは、必要に応じて2種以上を混合して使用しても良い。
また、特に好ましく本発明に使用されるスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するポリアリーレンは、下記一般式(A)で表される繰り返し構成単位と、下記一般式(B)で表される繰り返し構成単位とを含んでおり、下記一般式(C)で表される単位を有する重合体である。
Figure 2005310625
一般式(A)
(式中、Aは2価の電子吸引性基を示し、Bは2価の電子供与基または直接結合を示し、Arはスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する芳香族基を示し、R0はスルホン酸基またはスルホン酸塩基を示し、mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)。
式中、Aは2価の電子吸引性基を示し、具体的には−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2−(ここで、lは1〜10の整数である)、−C(CF32−などが挙げられる。Bは2価の電子供与基または直接結合を示し、電子供与基の具体例としては、−(CH2)−、−C(CH32−、−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C―および
Figure 2005310625
などが挙げられる。なお、電子吸引性基とは、ハメット(Hammett)置換基常数がフェニル基のm位の場合、0.06以上、p位の場合、0.01以上の値となる基をいう。
Arはスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する芳香族基を示し、芳香族基として具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンチル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
0はスルホン酸基またはスルホン酸塩基を示す。
mは0〜10、好ましくは0〜2の整数、nは0〜10、好ましくは0〜2の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。
Figure 2005310625
一般式(B)
式(B)中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリル基、アリール基およびシアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基などが好ましい。
フッ素置換アルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられ、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが好ましい。
アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、
アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
Wは単結合または2価の電子吸引性基を示し、Tは単結合または2価の有機基を示す。
式(B)において、pは0または正の整数であり、上限は通常100、好ましくは10〜80である。
Figure 2005310625
一般式(C)
(式(C)中、W、T、A,B、Ar、m、n、k、pおよびR0〜R8は、それぞれ上記一般式(A)および(B)中のW、T、A,B、Ar、m、n、k、pおよびR0〜R8と同義である。 x、yはx+y=100モル%とした場合のモル比を示す。)
本発明で用いられるスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するポリアリーレンは、式(A)で表される繰り返し構成単位を0.5〜100モル%、好ましくは10〜99.999モル%の割合で、式(B)で表される繰り返し構成単位を99.5〜0モル%、好ましくは90〜0.001モル%の割合で含有している。
(製造方法)
スルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するポリアリーレンは、上記一般式(A)で表される構造単位となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるオリゴマーとを共重合させ、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを製造し、このスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを、加水分解し、必要に応じて塩基性化合物を作用させ、スルホン酸エステル基をスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方に変換することにより合成することができる。
また、スルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する重合体は、上記一般式(A)で表される骨格を有しスルホン酸基、スルホン酸塩基、スルホン酸エステル基を有しない構造単位と、上記一般式(B)の構造単位からなるポリアリーレンを予め合成し、この重合体をスルホン化し、必要に応じて塩基性化合物を作用させることにより合成することもできる。
上記一般式(A)の構造単位となりうるモノマー(例えば下記一般式(D)で表されるモノマー、モノマー(D)ともいう。)と、上記一般式(B)の構造単位となりうるオリゴマー(例えば下記一般式(E)で表されるオリゴマー、オリゴマー(E)ともいう。)とを共重合させてスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを合成する場合には、モノマー(D)としては、例えば下記一般式(D)で表されるスルホン酸エステルが用いられる。
Figure 2005310625
一般式(D)
式(D)中、Xはフッ素を除くハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)、−OSO2Z(ここで、Zはアルキル基、フッ素置換アルキル基またはアリール基を示す。)から選ばれる原子または基を示し、A、B、Ar、m、nおよびkは、それぞれ上記一般式(A)中のA、B、Ar、m、nおよびkと同義である。Rは炭素原子数1〜20、好ましくは4〜20の炭化水素基を示し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert-ブチル基、iso-ブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンタンメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]へプチル基、ビシクロ[2.2.1]へプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基などが挙げられる。これらのうちn−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、さらにはネオペンチル基が好ましい。
Arは−SO3bで表される置換基を有する芳香族基を示し、芳香族基として具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンチル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
置換基−SO3bは、芳香族基に1個または2個以上置換しており、置換基−SO3bが2個以上置換している場合には、これらの置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
ここで、Rbは炭素原子数1〜20、好ましくは4〜20の炭化水素基を示し、具体的には上記炭素原子数1〜20の炭化水素基などが挙げられる。これらのうちn−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、さらにはネオペンチル基が好ましい。
mは0〜10、好ましくは0〜2の整数、nは0〜10、好ましくは0〜2の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。
また、上記一般式(D)で表される本発明に係る芳香族スルホン酸エステル誘導体として、上記化合物において塩素原子が臭素原子に置き換わった化合物、上記化合物において−CO−が−SO2−に置き換わった化合物、上記化合物において塩素原子が臭素原子に置き換わり、かつ−CO−が−SO2−に置き換わった化合物なども挙げられる。
一般式(D)中のRb基は1級のアルコール由来で、β炭素が3級または4級炭素であることが、重合工程中の安定性に優れ、脱エステル化によるスルホン酸の生成に起因する重合阻害や架橋を引き起こさない点で好ましく、さらには、これらのエステル基は1級アルコール由来でβ位が4級炭素であることが好ましい。
オリゴマー(E)としては、例えば下記一般式(E)で表される化合物が用いられる。
Figure 2005310625
一般式(E)
式(E)中、R'およびR''は互いに同一でも異なっていてもよく、フッ素原子を除くハロゲン原子または−OSO2Z(ここで、Zはアルキル基、フッ素置換アルキル基またはアリール基を示す。)で表される基を示す。Zが示すアルキル基としてはメチル基、エチル基などが挙げられ、フッ素置換アルキル基としてはトリフルオロメチル基などが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリル基、アリール基およびシアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基などが好ましい。
フッ素置換アルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられ、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが好ましい。
アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、
アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
Wは単結合または2価の電子吸引性基を示し、電子吸引基としては、上述したものと同様のものが挙げられる。
Tは単結合または2価の有機基であって、電子吸引性基であっても電子供与基であってもよい。電子吸引性基および電子供与性基としては、上述したものと同様のものが挙げられる。
pは0または正の整数であり、上限は通常100、好ましくは10〜80である。
上記一般式(E)で表される化合物として具体的には、EP公開第1400548号公報に記載の化合物に加えて、2,6−ジクロロベンゾニトリル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、
Figure 2005310625
Figure 2005310625
Figure 2005310625
Figure 2005310625
などの化合物が挙げられる。これらの化合物において塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物、さらにこれらの化合物において4位に置換したハロゲン原子の少なくとも1つ以上が3位に置換した化合物などが挙げられる。
上記一般式(E)で表される化合物は、EP公開第1400548号公報に記載の方法で合成することができる。
スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンはEP公開第1400548号公報に記載の方法により合成することができる。
更に、モノマー(D)を用いて得られたスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンは、EP公開第1400548号公報に記載の方法によりスルホン酸エステル基を加水分解し、必要に応じて塩基性化合物を作用させて、スルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方に変換することによりスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するポリアリーレンとすることができる。
スルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するポリアリーレンは、上記一般式(D)で表されるモノマー(D)と同様の骨格を有しスルホン酸エステル基を有しないモノマーと上記一般式(E)で表されるオリゴマー(E)を共重合させることによりポリアリーレン系共重合体を予め合成し、このポリアリーレン系共重合体をスルホン化し、必要に応じて塩基性化合物を作用させることにより合成することもできる。この場合、上記合成方法に準じた方法によりスルホン酸基、スルホン酸塩基、スルホン酸エステル基を有しないポリアリーレンを製造した後、スルホン化剤を用い、スルホン酸基、スルホン酸塩基、スルホン酸エステル基を有しないポリアリーレンにスルホン酸基を導入し、必要に応じて塩基性化合物を作用させることによりスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するポリアリーレンを得ることができる。
このスルホン化の方法、反応条件としては特開2003−113136号公報に記載の方法、反応条件を用いて行うことが出来る。
また、上記に示した、スルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するポリアリーレンを得る反応において、必要に応じて作用させる塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩;メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、アミルリチウム、プロピルナトリウム、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、プロピルマグネシウムアイオダイド、ジエチルマグネシウム、ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機金属化合物;アンモニア水、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、アニリン、ピペラジンなどのアミン類;ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、亜鉛などの金属化合物を挙げることができる。これらの塩基性化合物は、1種単独で使用することも、また2種以上を併用することもできる。これらの塩基性化合物の中では、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水が好ましく、特に水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムが好ましい。
この反応の際には、上記塩基性化合物を水溶液の形で使用することもでき、あるいは塩基性化合物に不活性な有機溶媒に溶解して使用することもできる。
この有機溶媒としては、クロロホルム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;液体二酸化イオウ、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどのアルコール類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜、2種以上混合して使用することができる。
塩基性化合物を水溶液または有機溶媒溶液として使用する場合には、塩基性化合物濃度は、通常、1〜70重量%、好ましくは10〜50重量%程度である。 また、この反応温度は、通常、−30〜150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは+50〜100℃で行われ、また常圧、減圧あるいは加圧下のいずれでも実施することができる。さらに、反応時間は、通常、0.1〜24時間、好ましくは0.5〜5時間である。
本発明で使用されるスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するポリアリーレン中の、スルホン酸基とスルホン酸塩基の合計の量は、通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。0.3meq/g未満では、親水性などの機能が発現しにくく、実用的ではない。一方、5meq/gを超えると、耐アルカリ水性が大幅に低下してしまうことがあるため好ましくない。
また、本発明で使用されるスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を含有する重合体の分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量で、1000〜100万、好ましくは1万〜80万、特に好ましくは2万〜50万である。
本発明で使用されるスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を含有する重合体には、老化防止剤、好ましくは分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物を含有させて使用してもよく、老化防止剤を含有することで電解質としての耐久性をより向上させることができる。
本発明で使用することのできるヒンダードフェノール系化合物としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロオネート](商品名:IRGANOX 245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(商品名:IRGANOX 1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチルー4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(IRGAONOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4?ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:IRGANOX 1330)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(商品名:IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA-80)などを挙げることができる。
本発明において、スルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を含有する重合体100重量部に対してヒンダードフェノール系化合物は0.01〜10重量部の量で使用することが好ましい。
本発明のアルカリ電池用セパレータは、上記で得られた高分子化合物を不織布に含有させることで得ることができる。不織布に含有させる方法としては、上記の高分子化合物を公知の溶剤に溶解させて基材となる不織布に対してコーティングする方法の他、不織布の成型時に練り込むなどして不織布内部に含有させる方法を用いることができる。
不織布にコーティングする場合のコーティング方法には特に制限はなく、刷毛塗り、スプレー、ロールコーター、フローコーター、バーコーター、ディッピング処理などの方法を用いることができる。塗布膜厚は、乾燥膜厚で、通常、0.01〜1,000ミクロン、好ましくは0.05〜500ミクロンである。
アルカリ電池用セパレータに用いられる不織布は、種々のポリマーを原料としてつくった物を使用することができる。用いられるポリマーの具体例としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4―メチルペンテン−1などのオレフィン単独重合体のほか、これらオレフィンのランダムあるいはブロック共重合体、ポリアミド、ポリエステル、アクリル重合体、エチレンービニルアルコール共重合体など、公知の不織布に使用されるポリマーが挙げられ、それぞれ単独で使用しても、2種以上混合して使用しても構わない。特に、本発明のセパレータとして使用する場合には、エチレン、プロピレンなどのオレフィン系の(共)重合体が好ましい。
2種以上のポリマーの併用法としては、両者をブレンド溶融して繊維とする方法、各々の繊維を混ぜてもしくは撚合わせて繊維とする方法、両繊維を混紡する方法、各々の繊維を貼り合わせて使用する方法、両繊維からなる分割繊維とする方法などが挙げられる。
不織布を調製する方法としては特に制限がなく、公知の方法を採用できるが、特にスパンレース法、メルトブロー法、湿式抄造法などで製造したものが好ましく使用できる。
不織布の目付量は、好ましくは10〜300g/m2、さらに好ましくは20〜150g/m2であり、特に40〜80g/m2が好ましい。平均繊維径は0.1〜40μmが好ましく、さらに好ましくは1〜30μm、特に3〜20μmのものが好ましい。また、不織布の厚さとしては、通常、10〜5000μmが好ましく、さらに好ましくは20〜2000μm、特に好ましくは50〜1000μmである。
また、熱ロール方式、ピンテンター方式など任意の方法で延伸処理を実施して使用してもよい。
また、本発明のアルカリ電池用セパレータに用いる不織布は、公知の酸化防止剤、老化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含んだものを使用してもよい。
本発明のアルカリ電池用セパレータにおいて、基材に対する高分子化合物のコーティング量は基材の材質、孔径等によって異なり一概に定義できないが、通常、0.1〜50g/m2であり、好ましくは0.5〜30g/m2であり 、さらに好ましくは1〜10g/m2 である。0.1g/m2 未満では、電池用電解質との親和性の向上や電解液の保液性向上などが発現しにくく、自己放電性などの電池性能向上がみられない。一方、50g/m2 を超えると、コーティングした不織布などの基材が目詰まり等を起こし電池性能が低下する。
また、本発明のアルカリ電池用セパレータを用いたアルカリ蓄電池では、アルカリ電解液の種類、量は特に規定しないが、水酸化カリウムと水酸化ナトリウムの1成分または2成分と水酸化リチウムを含有し、その液量は電池容量1Ah当たり1〜5cm3であるのが好ましく、さらに1.3〜2cm3であることが好ましい。
また、電極は正極がニッケル酸化物、負極が電気化学的に水素の吸蔵・放出が可能な水素吸蔵合金粉末を用いるのが好ましい。
本発明のアルカリ電池用セパレータは、電池用電解質との親和性の向上の為にアルカリ蓄電池系内に界面活性剤を添加した場合とは異なり、親水性基成分がセパレータに固定されているため、正,負極に親水基成分が集まって酸化還元反応を引き起こすことは少ない。このため、高温雰囲気下に放置しても自己放電は加速されず、スルホン化セパレータを用いた場合と同等の自己放電特性を保つことができる。
また、本発明のアルカリ電池用セパレータは、電解液の保持力が強いため、充放電サイクルを繰り返してもセパレータの液枯れが生じにくく、電池としての内部抵抗が増大しないため、寿命特性を向上させることが可能となる。
そして、セパレータ中に電解液を十分に保持させることができ、電流−電圧特性の向上が可能となるばかりでなく、液枯れを起こしにくくなりサイクル寿命特性に優れたアルカリ蓄電池の提供が可能となる。さらにディッピング処理等によりセパレータに前述の高分子化合物を塗布するだけであり、スルホン化処理のような繁雑な工程を除去できるためコスト的に安価である。
また以上の作用から、本発明のアルカリ電池用セパレータを用いることにより寿命特性、保存特性等の諸特性に優れたアルカリ蓄電池を提供することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例において、スルホン酸当量、分子量、吸液率、加重後の保液性、機械的強度は以下のようにして求めた。
(1)スルホン酸当量
得られたスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する重合体を、10重量%硫酸水へ浸漬する。硫酸水を3回交換して浸漬を繰り返した後、水洗水が中性になるまで洗浄し、フリーに残存している酸を除く。乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点から、スルホン酸当量を求めた。
(2)分子量の測定
スルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する重合体の分子量は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
(3)吸液率測定
得られたスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する重合体を、THF/水=90/10(重量比)の混合溶剤を用いて固形分濃度3重量%に調整した。この溶液中で不織布(ポリプロピレン製)をディッピング処理した。その後、100℃で1時間、恒温槽で乾燥し評価サンプルとした。なお、コーティング量は、ディッピングによるコーティング前後の重量増加から算出したところいずれも5g/m3であった。コーティング処理した5cm角の不織布を30%KOH水溶液に10分間浸漬後の重量増加率を測定し、次式により吸液率を算出した。
吸液率(%)=(浸漬後不織布重量−浸漬前不織布重量)/浸漬前不織布重量×100
(4)加重後の保液性測定
前記、スルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する重合体でコーティング処理した5cm角の不織布を30%KOH水溶液に2時間浸漬、不織布に十分KOH水溶液を吸液させた後、5cm角の不織布全体に均一になるように5Kgの加重を10分間かけた後のKOH水溶液の保液率を測定し、次式により保液率を算出した。た。
加重後の保液率(%)=(浸漬・加重後不織布重量−浸漬前不織布重量)/浸漬前不織布重量×100
(5)セパレータ不織布の機械強度
前記、スルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する重合体でコーティング処理した不織布を巾1cm、長さ5cmの短冊状に切り出し、チャック間を2.5cmで固定して引っ張り試験を行い、破断時の応力(kg/25mm)および伸び率(%)を評価した。
〔重合体1〕
攪拌装置、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入口を付けた反応装置に、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン101.7g(0.40モル)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン50.1g(0.20モル)、4,4‘−ビフェノール37.2g(0.20モル)及び炭酸カリウム72gを仕込み、N,N−ジメチルアセトアミド500mLとトルエン400mLを添加して、窒素気流下、加熱攪拌した。反応により生成した水をトルエン共に共沸させ、Dean-Stark管で系外に除去しながら反応させ、反応温度を徐々に165℃まで昇温し、その温度で3時間攪拌した。得られた反応液を放冷後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を大量の水に投入した。沈殿した生成物を濾別後、熱水中で2回、メタノール中で1回洗浄し、減圧乾燥してポリエーテルスルホン共重合体を得た。
このポリエーテルスルホン共重合体20gを98%硫酸200mLに溶解し、内温を25℃に保ちながら24時間攪拌した。反応終了後のポリマー溶液を大量のイオン交換水に投入し、ポリマーを析出させた。洗浄水のpHが5になるまで重合体の洗浄を繰り返した後、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で3時間攪拌した。その後、ポリマーを取り出し、洗浄水のpHが8になるまで重合体の洗浄を繰り返した後乾燥して、スルホン酸基およびスルホン酸塩基含有ポリエーテルスルホン共重合体を得た。得られた重合体の分子量は、Mn=41,200、Mw=135,000であり、スルホン酸等量は1.7meq/gであった。
〔重合体2〕
(オリゴマーの調製)
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノールAF)67.3g(0.20モル)、4,4'−ジクロロベンゾフェノン(4,4'−DCBP)60.3g(0.24モル)、炭酸カリウム71.9g(0.52モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)300mL、トルエン150mLをとり、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean-Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。反応温度を130から徐々に150℃まで上げた。その後、反応温度を徐々に150℃まで上げながら大部分のトルエンを除去し、150で10時間反応を続けた後、4,4'−DCBP10.0g(0.040モル)を加え、さらに5時間反応した。得られた反応液を放冷後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を4Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン300mLに溶解した。これをメタノール4Lに再沈殿し、目的の化合物95g(収率85%)を得た。
得られた重合体のGPC(THF溶媒)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量は11,200であった。また、得られた重合体はTHF、NMP、DMAc、スルホランなどに可溶で、Tgは110℃、熱分解温度は498℃であった。
得られた化合物は式(I)で表されるオリゴマー(以下、「BCPAFオリゴマー」という)であった。
Figure 2005310625
式(I)
(ネオペンチル基を保護基としたポリアリーレン共重合体(PolyAB−SO3 neo-Pe)の調製)
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、4−[4−(2,5−ジクロロベンゾイル)フェノキシ]ベンゼンスルホン酸neo-ペンチル(A−SO3 neo-Pe)39.58g(98.64ミリモル)とBCPAFオリゴマー(Mn=11200)15.23g(1.36ミリモル)、Ni(PPh32Cl2 1.67g(2.55ミリモル)、PPh3 10.49g(40ミリモル)、NaI 0.45g(3ミリモル)、亜鉛末 15.69g(240ミリモル)、乾燥NMP 390mLを窒素下で加えた。反応系を攪拌下に加熱し(最終的には75℃まで加温)、3時間反応させた。重合反応液をTHF 250mLで希釈し、30分攪拌し、セライトをろ過助剤に用い、ろ過紙、ろ液を大過剰のメタノール1500mLに注ぎ、凝固させた。凝固物を濾集、風乾し、さらにTHF/NMP(それぞれ200/300mL)に再溶解し、大過剰のメタノール1500mLで凝固析出させた。風乾後、加熱乾燥により目的の黄色繊維状のネオペンチル基で保護されたスルホン酸誘導体からなる共重合体(PolyAB-SO3neo-Pe)47.0g(収率99%)を得た。GPCによる分子量は数平均分子量Mn=47,600、重量平均分子量Mw=159,000であった。
こうして得られたPolyAB-SO3neo-Pe 5.1gをNMP60mLに溶解し、90℃に加温した。反応系にメタノール50mLと濃塩酸8mLの混合物を一時に加えた。懸濁状態となりながら、温和の還流条件で10時間反応させた。蒸留装置を設置し、過剰のメタノールを溜去させ、淡緑色の透明溶液を得た。この溶液を大量の水/メタノール(1:1重量比)中に注いで、ポリマーを凝固させた後、洗浄水のPHが6以上となるまで、イオン交換水でポリマーを洗浄した後、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で3時間攪拌した。その後、ポリマーを取り出し、洗浄水のpHが8になるまで重合体の洗浄を繰り返した後乾燥して、スルホン酸基およびスルホン酸塩基含有ポリアリーレン共重合体を得た。
得られた重合体の分子量は、Mn=53,200、Mw=185,000であり、スルホン酸等量は1.9meq/gであった。
〔重合体3〕
上記合成例1で得られた式(I)のオリゴマー 28.1g(2.5mmol)、2,5−ジクロロ−4'−(4−フェノキシ)フェノキシベンゾフェノン(DCPPB)35.9g(82.5mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド 1.67g(2.6mmol)、ヨウ化ナトリウム 1.66g(11.1mmol)、トリフェニルホスフィン 8.92g(34.0mmol)、亜鉛末 13.3g(204mmol)をフラスコにとり、乾燥窒素置換した。N−メチル−2−ピロリドン160mlを加え、80℃に加熱し、4時間攪拌し、重合をおこなった。重合溶液をTHFで希釈し、塩酸/メタノールで凝固回収し、メタノール洗滌を繰り返し、THFで溶解、メタノールへ再沈殿による精製し、濾集した重合体を真空乾燥し目的の共重合体51.0g(90%)を得た。GPC(THF)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量は36,900、重量平均分子量は140,000であった。
(スルホン酸基を有するポリアリーレンの合成)
上記共重合体50gを攪拌装置、温度計を取り付けた1000mlのセパラブルフラスコに入れ、濃度98%硫酸500mlを加え、内温を25℃に保ちながら窒素気流下で24時間攪拌した。得られた溶液を大量のイオン交換水の中に注ぎ入れ、重合体を沈殿させた。洗浄水のpHが5になるまで重合体の洗浄を繰り返した後、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で3時間攪拌した。その後、ポリマーを取り出し、洗浄水のpHが8になるまで重合体の洗浄を繰り返した後乾燥して、スルホン酸基およびスルホン酸塩基含重合体57g(95%)を得た。得られた重合体の分子量はMn=42,500、Mw=156,000であった。本重合体のスルホン酸等量は2.1meq/gであった。
実施例1
ポリプロピレン製不織布(平均繊維径10μm、目付重量48g/m2、厚み200μm)に前述の方法で重合体1を塗布してアルカリ電池用セパレータを得た。評価結果を表1に示す。
実施例2
重合体2を実施例1と同じポリプロピレン製不織布に前述の方法で塗布して電池用セパレータを得た。評価結果を表1に示す。
実施例3
重合体3を実施例1と同じポリプロピレン製不織布に前述の方法で塗布して電池用セパレータを得た。評価結果を表2に示す。なお、比較例としてのスルホン化ポリプロピレン製セパレータは、上記セパレータと同じ基布を用いた。
Figure 2005310625
表1に示したように、吸液率及び加重後の保液率は本発明のスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する重合体をコーティングしたセパレータの方が、スルホン化ポリプロピレンセパレータよりも優れた値を示している。
また、引張強度試験は、スルホン化ポリプロピレンセパレータは1.9Kg/25mm幅であり、スルホン化する以前の基布よりも強度が約40%低下する。一方、本発明のスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する重合体をコーティングしたセパレータは、若干強度が低下するが、基布とほぼ同等の優れた引張強度を示した。引張強度は、電池の組立工程においてセパレータの切れやショート防止のためには、高い値を示すものが好ましい。
以下、実施例1〜3のセパレータ及びスルホン化ポリプロピレン製セパレータを用いて電池を構成した。正極は芯材である発泡状ニッケルに活物質である水酸化ニッケル粉末とコバルト硫化物を主成分としたペーストを充填し、プレス後に所定寸法に切断したものである。
また、負極は電気化学的に水素の吸蔵・放出が可能な、MmNi3.6Mn0.4Al0.3Co0.7の組成をもつ水素吸蔵合金粉末のペーストをパンチングメタルに塗着し、乾燥してプレスした後、所定寸法に切断したものを用いた。これらの正,負極板をポリプロピレン製のセパレータを介して、公称電池容量100Ahの密閉式ニッケル−水素蓄電池を構成した。
なお、電解液には40g/lの割合で水酸化リチウムを含有した濃度27重量%の水酸化カリウム水溶液を用い、その液量は170cm3とした。この電解液量は、サイクル寿命、内圧および電流−電圧特性を総合的に考慮した場合、電池容量1Ah当たり1.3〜2.0cm3が適切である。
この密閉式ニッケル−水素蓄電池を用いて、45℃雰囲気下で10日間保存したときの容量維持率とサイクル寿命特性を調べた。その結果を表2に示す。
容量維持率は次式から求めた。
容量維持率(%)=45℃で充電状態で10日間保存後、0.2CmAで25℃雰囲気下における放電容量/標準容量×100
なお、標準容量は、充電深度110%まで0.1CmAで充電を行い、0.2CmAで1Vまで放電を行ったものである。
寿命試験は、0.3CmAの充電電流で充電深度90%まで充電し、0.3CmAで1Vまで放電することにより行った。
Figure 2005310625
本発明のスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する重合体をコーティングしたセパレータを用いると、いずれもスルホン化ポリプロピレンセパレータを用いる場合よりも優れたサイクル寿命特性を示した。
これは、表1に示したように、スルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する重合体をコーティングしたほうが、保液性に優れたものとなるためと考えられる。

Claims (4)

  1. 芳香族系ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホキシド、ポリパラフェニレン、ポリアリーレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミドから選択され、分子中に親水性基を有する少なくとも1種の芳香族高分子化合物を不織布に含有してなるアルカリ電池用セパレータ。
  2. 請求項1に記載の親水基が、スルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池用セパレータ。
  3. 請求項1に記載の芳香族高分子化合物が、下記一般式(A)で表される繰り返し単位および下記一般式(B)で表される繰り返し単位からなるスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するポリアリーレンであることを特徴とするアルカリ電池用セパレータ。
    Figure 2005310625
    一般式(A)
    (式中、Aは2価の電子吸引性基を示し、Bは2価の電子供与基または直接結合を示し、Arはスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する芳香族基を示し、R0はスルホン酸基またはスルホン酸塩基を示し、mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)。
    Figure 2005310625
    一般式(B)
    (式(B)中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリル基、アリール基およびシアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Wは2価の電子吸引性基または単結合を示し、Tは単結合または2価の有機基を示し、pは0または正の整数を示す。)
  4. 請求項1〜3記載のアルカリ電池用セパレータと正極と負極とアルカリ電解液からなるアルカリ蓄電池。
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