JP2009030187A - 湿式不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性、熱寸法安定性、吸湿寸法安定性に優れ、さらに絶縁破壊強さおよび防融性に優れた湿式不織布を提供する。
【解決手段】パラ系アラミド繊維と結晶化度20%以上、複屈折率100×10以上のポリフェニレンサルファイド繊維とを含み、少なくとも一部の繊維同士が熱融着してなり、嵩密度が0.7g/cm以上であることを特徴とする湿式不織布。
【選択図】なし

Description

本発明は、湿式不織布に関するものである。
耐熱性を有する工業用の湿式不織布として、パラ系アラミド繊維とポリフェニレンサルファイド繊維とを混抄してなるものが開示されている(特許文献1,2)。当該湿式不織布は、耐熱性を有する工業用の湿式不織布のなかでも、熱寸法安定性や吸湿寸法安定性に優れるという特徴を有している。
しかし、コンデンサー、変圧器、ケーブル等に用いられる絶縁紙の用途には、高い絶縁破壊強さと、より高い溶融に対する耐熱性(防融性)が要求されるが、特許文献1,2に記載の技術でも、不十分であった。
特開2001−40597 特開平11−222798
本発明は、耐熱性、熱寸法安定性、吸湿寸法安定性に優れ、さらに絶縁破壊強さおよび防融性に優れた湿式不織布を提供することを目的とする。
かかる課題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明者等は、湿式不織布における絶縁破壊が繊維間の空隙にて生じる部分放電を発端とすることに着目し、空気層の少ない緻密な湿式不織布とすることで絶縁破壊強さを高くすることに着想し、本発明に至った。
すなわち本発明は、パラ系アラミド繊維と結晶化度20%以上、複屈折率100×10以上のポリフェニレンサルファイド繊維とを含み、少なくとも一部の繊維同士が熱融着してなり、嵩密度が0.7g/cm以上であることを特徴とする湿式不織布である。
また本発明は、本発明の湿式不織布を製造する方法であって、パラ系アラミド繊維と結晶化度20%以上、複屈折率100×10以上のポリフェニレンサルファイド繊維とを混抄したものを200〜270℃で加熱加圧処理する工程を含むことを特徴とする湿式不織布の製造方法である。
本発明により、耐熱性、熱寸法安定性、吸湿寸法安定性に優れ、さらに絶縁破壊強さおよび防融性に優れた湿式不織布を提供することができる。
本発明の湿式不織布は、パラ系アラミド繊維を含む。パラ系アラミド繊維を含むことで耐熱性、熱寸法安定性に優れ、かつ、防融性も有する湿式不織布を得ることができる。
パラ系アラミド繊維としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミドや、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミドの共重合体等を挙げることができ、なかでも、フィブリル化し易いポリパラフェニレンテレフタルアミドが好ましい。
パラ系アラミド繊維は、その少なくとも一部がフィブリル化していることが好ましい。ここで、フィブリル化とはたて方向に繊維が2本以上に裂け単繊維よりも細い状態をいう。フィブリル化することで、繊維同士の絡合性が向上し、また、フィブリルで繊維間の空隙を充填して緻密な湿式不織布を得ることができる。また、一般的にパラ系アラミド繊維はPPS繊維に比べ熱溶融しにくい傾向にあり、両者を同条件下で適度に熱溶融させるのは困難であるが、フィブリル化によりパラ系アラミド繊維が熱溶融しやすくなるので、両者を同条件下で適度に熱溶融させることが可能となり、緻密で絶縁破壊強さに優れた湿式不織布を得ることができる。また、パラ系アラミド繊維の剛性を低くして加熱加圧処理後の復元を抑え、緻密で絶縁破壊強さに優れた湿式不織布を得ることができる。
本発明の湿式不織布におけるパラ系アラミド繊維の含有量としては、20質量%以上が好ましい。20質量%以上とすることで、湿式不織布の熱寸法安定性および防融性の向上の実効を得ることができる。一方、後述するPPS繊維の含有量が好ましくは20質量%以上であることから、パラ系アラミド繊維の含有量は80質量%以下であることが好ましい。
本発明の湿式不織布は、ポリフェニレンサルファイド(以下、「PPS」と表す)繊維を含む。PPS繊維を含むことで耐熱性、吸湿寸法安定性に優れた湿式不織布を得ることができる。
PPSは、繰り返し単位としてp−フェニレンサルファイド単位やm−フェニレンサルファイド単位などのフェニレンサルファイド単位を含有するポリマーである。PPSは、これらのいずれかの単位のホモポリマーでもよいし、両方の単位を有する共重合体でもよい。また、他の芳香族サルファイドとの共重合体であってもよい。
また、PPSの重量平均分子量としては、40000〜60000が好ましい。40000以上とすることで、PPS繊維として良好な力学的特性を得ることができる。また、60000以下とすることで、溶融紡糸の溶液の粘度を抑え、特殊な高耐圧仕様の紡糸設備を必要とせずに済む。
また、PPS繊維は結晶化度が20%以上であることが重要である。結晶化度が20%よりも小さいと、繊維が軟らかすぎて十分な湿式不織布の強度を得ることができない。また、結晶化度が70%以下であることが好ましい。結晶化度を70%以下とすることで、繊維が硬く脆くなり割れてしまうのを防ぐでき緻密な湿式不織布とすることができる。
また、PPS繊維は複屈折率(Δn)が100×10以上であることが重要であり、好ましくは200×10以上である。複屈折率を100×10以上とすることで、防融性に優れた湿式不織布を得ることができるとともに、200〜270℃の加熱加圧処理にも耐え、緻密でひいては絶縁破壊強さに優れた湿式不織布を得ることができる。PPS繊維の複屈折率が100×10よりも小さいと、軟化点が低くなり優れた防融性を得ることができない。また、200〜270℃の加熱加圧処理にも耐えられず、それよりも低温の加熱加圧処理を施した場合には緻密で絶縁破壊強さに優れた湿式不織布を得ることができない。一方、PPS繊維の複屈折率は400×10以下であることが好ましく、より好ましくは300×10以下である。400×10以下とすることで、加熱加圧処理によりPPS繊維が軟化して湿式不織布において繊維同士の緻密で強固な結合を得ることができる。
本発明の湿式不織布におけるPPS繊維の単繊維繊度の構成としては、1dtex以下のものがPPS繊維全体の95質量%以上であることが好ましい。PPS繊維として1dtex以下のものを主に用いることで、繊維間に大きな空隙が生じるのを抑え、また、PPS繊維の剛性を低くして加熱加圧処理後の復元を抑え、緻密で絶縁破壊強さに優れた湿式不織布を得ることができる。
本発明の湿式不織布におけるPPS繊維の繊維長としては、0.5〜15mmが好ましく、より好ましくは1〜6mmである。0.5mm以上とすることで、繊維同士の絡合により湿式不織布の強度を高くすることができる。また25mm以下とすることで、繊維同士の絡合がダマになるなどしてムラ等が生じるのを防ぐことができる。
また、PPS繊維における捲縮の有無については、有するものと有しないものとのそれぞれに利点がある。捲縮を有するPPS繊維は、繊維同士の絡合性が向上して強度の優れた湿式不織布を得るのに適している。一方、捲縮を有しないPPS繊維は、ムラが小さい均一な湿式不織布を得るのに適している。
本発明の湿式不織布におけるPPS繊維の含有量は、20質量%以上が好ましい。20質量%以上とすることで、湿式不織布の吸湿寸法安定性の向上の実効を得ることができる。一方、後述するパラ系アラミド繊維の含有量が好ましくは20質量%以上であることから、PPS繊維の含有量は80質量%以下であることが好ましい。
本発明の湿式不織布の目付けとしては80g/m以上が好ましく、より好ましくは100g/m以上、さらに好ましくは150g/m以上である。80g/m以上とすることで、微細な目付けムラは吸収し、薄い部分から破壊が生じる傾向にある絶縁破壊等に対する強さ向上させることができる。
一方、本発明の湿式不織布の目付けは500g/m以下が好ましく、より好ましくは400g/m以下、さらに好ましくは300g/m以下である。目付けを500g/m以下とすることで、湿式不織不を薄くでき省スペース化を図ることができるとともに、折り曲げ加工時にひび割れなどを発生しない柔軟な湿式不織布を得ることができる。
本発明の湿式不織布の嵩密度としては0.7g/cm以上が好ましく、より好ましくは0.8g/cm以上である。0.7g/cm以上とすることで、空気層の割合が大きくなりすぎて、電流がほとんど空気層だけを流れて湿式不織布を貫通することがなくなり、絶縁破壊強さを向上できる。嵩密度が大きくなるほど、繊維の充填率が大きくなり、絶縁破壊強さを大きくすることができる。
本発明の湿式不織布の通気度としては1.0cm/cm・s以下であることが好ましく、より好ましくは0.5cm/cm・s以下、さらに好ましくは0.3cm/cm・s以下である。1.0cm/cm・s以下とすることで、緻密で絶縁破壊強さに優れた湿式不織布とすることができる。
次に、本発明の湿式不織布を製造する方法について説明する。
複屈折率100×10以上のPPS繊維は、PPSポリマーを、エクストルダー型紡糸機等で溶融紡糸した糸を、3.0倍以上、好ましくは5.5倍以下、さらに好ましくは3.5〜5.0倍の範囲で延伸することにより得ることができる。この延伸は1段で延伸してもよいが、2段以上の多段延伸を行ってもよい。2段延伸を用いる場合の1段目の延伸は総合倍率の70%以上、好ましくは75〜85%とし、残りを2段目の延伸で行なうのが好ましい。
また、結晶化度20%以上のPPS繊維は、延伸の最高温度を120〜180℃とすることで得ることができる。なお、ここでの延伸熱処理は、一般に加熱ローラ上で行われるが、延伸ローラ間に熱媒体、例えば赤外線ヒーターなどを設けて非接触延伸熱処理を行ってもよい。
パラ系アラミド繊維は、高圧ホモジナイザーを用い、パラ系アラミドの懸濁液を高速で小さな径のオリフィスに通過させて吐出させることにより得ることができる。
またパラ系アラミド繊維をフィブリル化させる手段としては例えば、前記オリフィスの出口近くに壁を設置し、吐出直後のパラ系アラミド繊維を壁に衝突させて繊維に衝撃を与える方法を用いることができる。また、カットファイバーとした後で、ナイヤガラビーター、ホモジナイザー、ディスクリファイナー、ライカイ機、すり棒とすり鉢、ウォータージェットパンチ等によりすり潰してもよい。
上記したようなパラ系アラミド繊維とPPS繊維とを混抄して湿式不織布とする方法の一例を示す。まず、パラ系アラミド繊維とPPS繊維とを、水中に分散させ、抄紙用分散液をつくる。
抄紙用分散液に対するパラ系アラミド繊維およびPPS繊維の合計量としては、0.005〜5質量%が好ましい。合計量を0.005質量%にすることで、80g/m以上の目付の大きな湿式不織布を効率的に得ることができる。また、5質量%以下にすることで繊維の分散状態が良くなり均一な湿式不織布を得ることができる。
分散液は、予めパラ系アラミド繊維の分散液とPPS繊維の分散液とを別々につくってから両者を抄紙機で混合してもよいし、直接、両方を含む分散液つくってもよい。それぞれの繊維の分散液を別々につくってから両者を混合するのは、それぞれの繊維の形状・特性等に合わせて攪拌時間を別個に制御できる点で好ましく、直接両方を含む分散液を作るのは工程簡略の点で好ましい。
抄紙用分散液には、水分散性を向上するためにカチオン系、アニオン系、ノニオン系などの界面活性剤などからなる分散剤や油剤、また泡の発生を抑制する消泡剤等を添加してもよい。
抄紙用分散液を、丸網式、長網式、傾斜網式などの抄紙機または手漉き抄紙機を用いて抄紙し、これをヤンキードライヤーやロータリードライヤー等で乾燥し、湿式不織布とすることができる。
本発明の湿式不織布の製造方法は、パラ系アラミド繊維とPPS繊維とを混抄したものを加熱加圧処理する工程を含むことが重要である。加熱加圧処理することで、湿式不織布の体を固定し、嵩密度を向上させ、強度や絶縁破壊強さ等を向上させることができる。
加熱加圧処理の手段としては、平板等での熱プレス、カレンダーなどを採用することができる。なかでも、連続して加工することができるカレンダーが好ましい。カレンダーのロールは、金属−金属ロール、金属−紙ロール、金属−ゴムロール等を使用することができる。
加熱加圧処理の圧力としては、98〜7000N/cmが好ましい。98N/cm以上とすることで繊維間の空隙を潰すことができる。一方、7000N/cm以下とすることで、加熱加圧処理工程における湿式不織布の破れ等を防ぎ、安定して処理を施すことができる。
本発明の湿式不織布の製造方法は、加熱加圧処理の温度条件を200〜270℃とすることが重要であり、好ましくは240〜260℃である。200℃よりも低いと、繊維同士が熱融着せず緻密な湿式不織布を得ることができない。一方、270℃を超えると、PPS繊維が軟らかくなりすぎて、カレンダーのロールや熱プレスの板等の加熱加圧装置に貼りついてしまい、安定して量産加工ができない。また、湿式不織布としても、表面が荒れたものができてしまう。
加熱加圧処理としてカレンダー加工を採用した場合の工程通過速度としては、2〜30m/minが好ましく、より好ましくは3〜20m/minである。2m/min以上とすることで、良好な作業効率を得ることができる。一方、30m/min以下とすることで、湿式不織布の内部の繊維にも熱を伝導させ、繊維の熱融着の実効を得ることができる。
[測定・評価方法]
(1)結晶化度(広角X線回折法)
X線回折装置(リガク社製 RINT2100)を用い、Cu線源(λ=0.15406nm)にてX線回折を測定し、観測される全回折ピーク面積に占める結晶性構造に由来するピーク面積比(%)により、結晶化度を算出した。
(2)複屈折率
干渉縞法により測定した。偏光顕微鏡(オリンパス社製 BH−2)を用いて測定したレターデーションと繊維径から、次式により複屈折率(Δn)を算出した。
Δn=(レターデーション/繊維径) 。
(3)カレンダー結果
カレンダー加工後の、湿式不織布及びロールの観察から、次の基準にて評価した。
○:ロールに汚れや繊維の付着もなく、良好にカレンダー加工できた。
△:カレンダー加工はできたがロールに汚れまたは繊維の付着が認められた。
×:ロールへの貼り付き、しわ発生などでカレンダー加工ができず、サンプルを得られなかった。
(4)目付
JIS L 1906:2000に準じて、20cm×20cmの試験片を、試料の幅1m当たり3枚採取し、標準状態におけるそれぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m当たりの質量(g/m)で表した。
(5)厚さ
JIS L 1906:2000で準用するJIS L 1096:1999に準じて、試料の異なる10か所について、厚さ測定機を用いて、直径22mmの加圧子による2kPaの加圧下、厚さを落ち着かせるために10秒間待った後に厚さを測定し、平均値を算出した。
(6)嵩密度
上記(3),(4)で測定した目付および厚さから、次式によって算出した。
=S/(1000×t)
ここに、A:嵩密度(g/cm
:目付(g/m
t:厚さ(mm)。
(7)通気度
JIS L 1096:1999 8.27.1 A法(フラジール形法)に則り測定した。試料の異なる5か所から約20cm×20cmの試験片を採取し、フラジール形試験機(TEXTEST社製 FX3300)を用い、円筒の一端(吸気側)に試験片を取り付けた。試験片を取り付けた後、加減抵抗器によって傾斜形気圧計が125Paの圧力を示すように吸込みファンを調整し、そのときの垂直形気圧計の示す圧力と、使用した空気孔の種類とから、試験機に付属の表によって試験片を通過する空気量を求め、5枚の試験片についての平均値を算出した。
尚、表1における「限界値以下」は、装置の測定限界値(0.05cm/cm・s)以下であったことを表す。
(8)絶縁破壊強さ
JIS K 6911:1995に則り測定した。試料の異なる5か所から約10cm×10cmの試験片を採取し、直径25mm、質量250gの円盤状の電極で試験片を挟み、試験媒体には空気を用い、0.25kV/秒で電圧を上昇させながら周波数60Hzの交流電圧をかけ、絶縁破壊したときの電圧を測定した。得られた絶縁破壊電圧をあらかじめ測定しておいた中央部の厚さで割り、絶縁破壊強さを算出した。
(9)吸湿寸法変化率
試料の異なる3箇所からタテ25cm×ヨコ5cmの試験片を採取し、シリカゲルの入ったデシケーター中にて25℃で24時間乾燥し、タテ方向に200.0mmの間隔のしるしをつけた。
次いで、相対湿度90%、温度25℃に調整した恒温・恒湿槽内にて上記試験片を6時間放置した後に上記しるしの間隔Lを測定し、寸法変化率を下の式で算出した。その平均値を算出し小数点以下1けたに丸めた。
寸法変化率(%)=(1−L/200.0)×100
ここに、L:相対湿度90%にて放置後のしるしの間隔(mm)。
(10)熱寸法変化率
試料の異なる3か所から100.0mm×100.0mmの試験片を採取し、180℃の熱風乾燥機中で4時間熱処理し、25℃にて2時間放置後、試験片の面積を測定して、熱寸法変化率を次式によって算出し、その平均値を算出し小数点以下1けたに丸めた。
熱寸法変化率(%)={(10000−A)/10000}×100
ここに、A:熱処理後の試験片の面積(mm)。
(11)防融性
試料から約5cm×5cm試験片を切り出し、あらかじめ800℃(±10℃)に加熱した直径約1cm、高さ約2cmの円柱状金属柱の上に前記試験片を乗せ、試験片が浮かないようにその上に質量200gの重りを乗せた。
15秒経過後、重りと試験片をはずし、試験片に貫通孔が形成の有無を目視で確認し、次の基準にて評価した。
○:貫通孔の形成が無かった。
×:貫通孔の形成が有った。
[実施例・比較例]
(パラ系アラミド繊維)
フィブリルを有するパラ系アラミド繊維として、DuPont社製‘ケブラー’パルプ、品番1F538を用いた。
(パラ系アラミド繊維の分散液)
上記パラ系アラミド繊維を、それぞれ表1記載の質量分とり、水1Lとともに家庭用ジューサーミキサーに投入して攪拌し、分散液とした。攪拌時間としては、良く分散させるために15分とした。
(PPS繊維(1))
PPS繊維(1)として、単繊維繊度1.0dtex、カット長6mm、結晶化度24%、複屈折率258×10の東レ社製‘トルコン’、品番S101を用いた。
(PPS繊維(1)の分散液)
上記PPS繊維(1)を、それぞれ表1記載の質量分とり、水1Lとともに家庭用ジューサーミキサーに投入して攪拌し、分散液とした。攪拌時間としては、繊維同士が絡むのを防ぐために10秒とした。
(PPS繊維(2))
PPS繊維(2)として、単繊維繊度3.0dtex、カット長6mm、結晶化度1%、複屈折率84×10の東レ社製‘トルコン’、品番S111を用いた。
(PPS繊維(2)の分散液)
上記PPS繊維(2)を、それぞれ表1記載の質量分とり、水1Lとともに家庭用ジューサーミキサーに投入して攪拌し、分散液とした。攪拌時間としては、繊維同士が絡むのを防ぐために10秒とした。
(抄紙)
各実施例・比較例において使用した繊維の分散液1Lずつを、底に140メッシュの手漉き抄紙網を設置した大きさ25cm×25cm、高さ40cmの手すき抄紙機(熊谷理機工業社製)に投入し、さらに水を追加して抄紙分散液の総量を20Lとし、攪拌棒で十分に攪拌した。
手すき抄紙機の水を抜き、抄紙網に残った湿紙をろ紙に転写した。
(乾燥)
上記湿紙をろ紙ごとロータリー式乾燥機に投入し、温度125℃、工程通過速度0.5m/min、工程長1.25m(処理時間2.5min)にて乾燥する処理を5回繰り返した。
(加熱加圧処理)
上記乾燥処理した湿式不織布をろ紙から剥離して、鉄ロールとペーパーロールとからなるカレンダー加工機に通した。カレンダー条件は、表1記載の温度、圧力100kN/25cm(4kN/cm)、ロール回転速度3m/minとし、表裏の2回繰り返した。
Figure 2009030187
本発明の湿式不織布は、モーター、コンデンサー、変圧器、ケーブル等に用いられる絶縁紙や、液体や気体を処理する濾材として利用可能である。

Claims (6)

  1. パラ系アラミド繊維と結晶化度20%以上、複屈折率100×10以上のポリフェニレンサルファイド繊維とを含み、少なくとも一部の繊維同士が熱融着してなり、嵩密度が0.7g/cm以上であることを特徴とする湿式不織布。
  2. 前記パラ系アラミド繊維の少なくとも一部がフィブリル化している、請求項1記載の湿式不織布。
  3. 前記ポリフェニレンサルファイド繊維のうち、単繊維繊度1dtex以下のものの割合が95〜100質量%である、請求項1または2記載の湿式不織布。
  4. 通気度が1.0cm/cm・s以下である、請求項1〜3のいずれか記載の湿式不織布。
  5. 目付が80g/m以上である、請求項1〜4のいずれか記載の湿式不織布。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の湿式不織布を製造する方法であって、
    パラ系アラミド繊維と結晶化度20%以上、複屈折率100×10以上のポリフェニレンサルファイド繊維とを混抄したものを200〜270℃で加熱加圧処理する工程を含むことを特徴とする湿式不織布の製造方法。
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