JP4064880B2 - フィブリル化繊維偏在不織布の製造方法 - Google Patents

フィブリル化繊維偏在不織布の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィブリル化繊維が偏在し、通気性を有するピンホールフリーの緻密な不織布の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、厚み方向に密度勾配や特定繊維の分布変化を有する不織布を製造する方法としては、例えば、密度の異なる不織布同士を熱圧処理や樹脂接着で貼り合わせる方法、水流交絡処理やニードルパンチで一体化する方法、複数の抄網を用いて抄合わせる方法が行われている。円網抄紙機ワイヤー上のスラリーからの脱水を2段階で行う方法(例えば、特許文献1参照)も提案されている。
【0003】
しかしながら、熱圧処理すると不織布全体が高密度になる問題がある。樹脂接着は、不織布の通気性が著しく低下するか無くなってしまう問題と、樹脂の種類によっては耐薬品性やその他の特性上の問題が生じやすい。水流交絡やニードルパンチでは、ピンホールフリーの緻密な不織布が得られない。複数の抄網を用いて抄合わせる方法や円網抄紙機ワイヤー上のスラリーからの脱水を2段階にする方法は、繊維長が短く、細いフィブリル化繊維を主体とするスラリーを抄紙する場合は、非常に微細なフィブリル化繊維分が、抄網を通り抜けてしまうため、目標とする低通気性やピンホールフリーの緻密な不織布が得られにくい。かといって、フィブリル化繊維が抄網を通り抜けないように抄網の目を細かいメッシュにするとフィブリル化繊維が抄網に絡め取られて抄網からの剥離が不完全になってしまい、結果としてピンホールフリーの緻密な不織布が得られにくい。
【0004】
【特許文献1】
特許第3104153号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術に見られる上記問題点を解決するものである。即ち、本発明の目的は、フィブリル化繊維が偏在し、通気性を有するピンホールフリーの緻密な不織布の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決するため鋭意検討した結果、特殊な抄紙方法により、フィブリル化繊維が偏在し、通気性を有するピンホールフリーの緻密な不織布を実現できることを見出し、本発明に至ったものである。
【0007】
すなわち本発明は、フィブリル化繊維が偏在し、該繊維の含有量が、片表面>反対側表面であるフィブリル化繊維偏在不織布の製造方法であって、抄紙機の抄網上にフィブリル化繊維含有量が相対的に少ない第1原料スラリーを送出し、搾水して湿潤ウェブを形成した後、該湿潤ウェブ上にフィブリル化繊維含有量が相対的に多い第2原料スラリーを送出して湿式抄紙することを特徴とするフィブリル化繊維偏在不織布の製造方法である。
【0008】
本発明においては、フィブリル化繊維の少なくとも一部が、融点又は熱分解温度が250℃以上の耐熱性有機繊維であることが好ましい。
【0009】
本発明においては、耐熱性有機繊維が、全芳香族ポリアミドであることが好ましい。
【0010】
本発明においては、耐熱性有機繊維が、全芳香族ポリエステルであることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のフィブリル化繊維偏在不織布について詳細に説明する。
【0012】
本発明におけるフィブリル化繊維とは、主に繊維軸と平行な方向に非常に細かく分割された部分を有する繊維状で、少なくとも一部が繊維径1μm以下になっている繊維を指し、米国特許第5833807号明細書や米国特許第5026456号明細書に明記されているようなフィブリッドとは異なる。本発明におけるフィブリルは、長さと巾のアスペクト比が20:1〜100000:1の範囲に分布し、カナダ標準形濾水度が0ml〜500mlの範囲にある。さらに、重量平均繊維長が0.2mm以上、2mm以下の範囲にあるものが好ましい。
【0013】
フィブリル化繊維は、高圧ホモジナイザー、リファイナー、ビーター、ミル、摩粉装置などを用いて製造される。
【0014】
本発明のフィブリル化繊維としては、天然繊維、レーヨン、ポリノジック、溶剤紡糸セルロース、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテルスルホン(PES)などの樹脂からなる単繊維や複合繊維をフィブリル化したもの、耐熱性有機繊維をフィブリル化したもの、バクテリアセルロースなどが挙げられる
【0015】
本発明における耐熱性有機繊維とは、融点又は熱分解温度が250℃以上の有機繊維を指す。そのような材料としては、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、全芳香族ポリエーテル、全芳香族ポリカーボネート、全芳香族ポリアゾメチン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール(PBZT)、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが挙げられ、これら単独でも良いし、2種類以上の組み合わせでも良い。PBZTはトランス型、シス型の何れでも良い。また、全芳香族ではない芳香族ポリアミドや芳香族ポリエステルの中にもモノマーの種類と組成比によっては、融点または熱分解温度が250℃以上のものがあり、これらを用いることができる。ここで、全芳香族ではない芳香族とは、主鎖の一部に例えば脂肪鎖などを有するものを指す。これらの中でも、液晶性のため均一にフィブリル化されやすい全芳香族ポリアミド、特にパラ系全芳香族ポリアミドと全芳香族ポリエステルが好ましい。
【0016】
パラ系全芳香族ポリアミドは、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミド、ポリ−p−アミドヒドラジド、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド−3,4−ジフェニルエーテルテレフタルアミドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
全芳香族ポリエステルは、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸などのモノマーを組み合わせて、組成比を変えて合成される。例えば、p−ヒドロキシ安息香酸と2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸との共重合体が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0018】
本発明におけるフィブリル化繊維以外の繊維としては、非フィブリル化繊維(チョップドファイバーなど)が用いられる。非フィブリル化繊維としては、天然繊維、レーヨン、ポリノジック、溶剤紡糸セルロース、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの樹脂からなる単繊維や複合繊維、上記した耐熱性有機繊維が挙げられる。非フィブリル化繊維の繊維径は40μm以下が好ましく、明確な繊度を有する場合には、3dtex以下が好ましく、均一性の高い不織布が得られる点で細い程好ましい。非フィブリル化繊維の繊維長は1mm以上、30mm以下が好ましく、3mm以上、10mm以下がより好ましい。非フィブリル化繊維の断面は円形、異形何れでも良い。
【0019】
本発明のフィブリル化繊維偏在不織布、すなわちフィブリル化繊維が偏在し、該繊維の含有量が、片表面>反対側表面であるフィブリル化繊維偏在不織布は、抄紙機の抄網上にフィブリル化繊維含有量が相対的に少ない第1原料スラリーを送出し、搾水して湿潤ウェブを形成した後、該湿潤ウェブ上にフィブリル化繊維含有量が相対的に多い第2原料スラリーを送出して湿式抄紙して製造される。フィブリル化繊維量が相対的に少ない第1原料スラリーを先に送出して湿潤ウェブを形成しないと、その上に送出される第2原料スラリーからの脱水がしにくくなり、不織布の製造が難しくなるためである。搾水は、抄網の下からサクションボックスなどを用いて吸引し、スラリーから脱水させる方法が好ましい。
【0020】
第1原料スラリーから形成される湿潤ウェブ上に第2原料スラリーを送出して搾水し、湿潤ウェブを形成した後は、通常の湿式抄紙と同様にして、(ロール)プレス工程や乾燥工程を経て不織布を作製する。乾燥は熱ロールに接触させる方法、熱風乾燥する方法、赤外線を使用する方法、これらを併用する方法の何れを採用しても良いが、緻密な不織布が得られやすい点で熱ロールに接触させる方法が好ましい。
【0021】
本発明では、長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機、傾斜型抄紙機、これらの複合抄紙機から選ばれる抄紙機の何れを用いても良いが、短網、傾斜型、長網抄紙機、これらの複合抄紙機が好ましい。
【0022】
本発明のフィブリル化繊維偏在不織布において、フィブリル化繊維が偏在する様子は、該不織布の断面を電子顕微鏡やレーザー光学顕微鏡などを用いて観察することにより確認することができる。同時にフィブリル化繊維が傾斜分布する様子も確認することができる。
【0023】
本発明のフィブリル化繊維偏在不織布は、厚み調整、強度向上、不純物除去、耐熱寸法安定性付与などの目的に応じて、カレンダー処理、熱処理、熱圧処理などが施される。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限定されるものではない。
【0025】
<フィブリル化繊維1の作製>
パラ系全芳香族ポリアミド(繊度2.7dtex、繊維長3mm)を初期濃度5wt%になるように水に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて、15回繰り返し叩解処理した後、高圧ホモジナイザーを用いて500kg/cm2の条件で30回繰り返し処理し、重量平均繊維長0.42mmのフィブリル化パラ系全芳香族ポリアミド繊維を作製した。以下、これをフィブリル化繊維1またはFB1と表記する。
【0026】
<フィブリル化繊維2の作製>
パラ系全芳香族ポリアミド(繊度2.7dtex、繊維長3mm)を初期濃度5wt%になるように水に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて、30回繰り返し叩解処理し、重量平均繊維長1.1mmのフィブリル化パラ系全芳香族ポリアミド繊維を作製した。以下、これをフィブリル化繊維2またはFB2と表記する。
【0027】
<フィブリル化繊維3の作製>
全芳香族ポリエステル(繊度1.7dtex、繊維長3mm)を初期濃度5wt%になるように水中に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて15回繰り返し叩解処理した後、高圧ホモジナイザーを用いて500kg/cm2の条件で20回繰り返し処理し、重量平均繊維長0.35mmのフィブリル化全芳香族ポリエステル繊維を作製した。以下、これをフィブリル化繊維3またはFB3と表記する。
【0028】
<フィブリル化繊維4の作製>
ポリイミド繊維(繊度2.7dtex、繊維長3mm)を初期濃度5wt%になるように水中に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて、25回繰り返し叩解処理した後、高圧ホモジナイザーを用いて500kg/cm2の条件で20回繰り返し処理し、重量平均繊維長0.66mmのフィブリル化ポリイミド繊維を作製した。以下、これをフィブリル化繊維4またはFB4と表記する
【0029】
<フィブリル化繊維5の作製>
リンターを5wt%濃度になるようにイオン交換水中に分散させ、高圧ホモジナイザーを用いて500kg/cm2の圧力で20回繰り返し処理して、重量平均繊維長0.33mmのフィブリル化セルロース繊維を作製した。以下、これをフィブリル化繊維5またはFB5と表記する。
【0030】
<スラリー1>
繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維75wt%、繊度1.7dtex、繊維長5mmの芯鞘複合繊維(芯部に融点265℃のポリエチレンテレフタレート、鞘部にポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートの共重合体(融点110℃)を配してなる)25wt%の配合比でパルパーを用いて水中に均一分散させたスラリー1を調製した。
【0031】
<スラリー2>
FB5を10wt%、繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維65wt%、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート繊維25wt%の配合比でパルパーを用いて水中に均一分散させたスラリー2を調製した。
【0032】
<スラリー3>
FB1を10wt%、繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維65wt%、スラリー1で用いた芯鞘複合繊維25wt%の配合比でパルパーを用いて水中に均一分散させたスラリー3を調製した。
【0033】
<スラリー4>
FB2を30wt%、FB5を5wt%、繊度0.05dtex、繊維長3mmの芳香族ポリアミド繊維(融点265℃)40wt%、繊度0.5dtex、繊維長5mmの芳香族ポリアミド繊維(融点265℃)25wt%の配合比でパルパーを用いて水中に均一分散させたスラリー4を調製した。
【0034】
<スラリー5>
FB3を40wt%、繊度0.3dtex、繊維長3mmの全芳香族ポリエステル繊維35wt%、スラリー1で用いた芯鞘複合繊維25wt%の配合比でパルパーを用いて水中に均一分散させたスラリー5を調製した。
【0035】
<スラリー6>
FB4を15wt%、FB5を10wt%、繊度0.08dtex、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維45wt%、繊度0.7dtex、繊維長6mmのポリイミド繊維30wt%の配合比でパルパーを用いて水中に均一分散させたスラリー6を調製した。
【0036】
<スラリー7>
FB1を100wt%の配合比でパルパーを用いて水中に均一分散させたスラリー7を調製した。
【0037】
<スラリー8>
FB1を20wt%、FB2を50wt%、FB5を10wt%、繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維20wt%の配合比でパルパーを用いて水中に均一分散させたスラリー8を調製した。
【0038】
<スラリー9>
FB2を90wt%、FB5を10wt%の配合比でパルパーを用いて水中に均一分散させたスラリー9を調製した。
【0039】
<スラリー10>
FB2を80wt%、スラリー1で用いた芯鞘複合繊維20wt%の配合比でパルパーを用いて水中に均一分散させたスラリー10を調製した。
【0040】
<スラリー11>
FB3を60wt%、スラリー5で用いた全芳香族ポリエステル繊維20wt%、スラリー1で用いた芯鞘複合繊維20wt%の配合比でパルパーを用いて水中に均一分散させたスラリー11を調製した。
【0041】
<スラリー12>
FB4を90wt%、FB5を10wt%の配合比でパルパーを用いて水中に均一分散させたスラリー12を調製した。
【0042】
実施例1
傾斜型抄紙機を用い、80メッシュの抄網上に乾燥時の坪量が10g/m2となる量のスラリー1を送出し、搾水して湿潤ウェブを形成した後、乾燥時の坪量が14g/m2となる量のスラリー7を送出して搾水し、プレス、乾燥工程を経て、坪量24g/m2のフィブリル化繊維偏在不織布1を作製した。
【0043】
実施例2
スラリー1とスラリー9を用いた以外は、実施例1と同様にして湿式抄紙し、坪量24g/m2のフィブリル化繊維偏在不織布を作製した。このとき、抄網上へはスラリー1から先に送出した。次いで、該不織布をスーパーカレンダー処理して厚みを50μmに調整し、フィブリル化繊維偏在不織布2とした。
【0044】
実施例3
傾斜型抄紙機を用い、80メッシュの抄網上に乾燥時の坪量が10g/m2となる量のスラリー2を送出し、搾水して湿潤ウェブを形成した後、乾燥時の坪量が14g/m2となる量のスラリー8を送出して搾水し、プレス、乾燥工程を経て、坪量24g/m2のフィブリル化繊維偏在不織布3を作製した。
【0045】
実施例4
スラリー2とスラリー12を用いた以外は、実施例3と同様にして湿式抄紙し、坪量24g/m2のフィブリル化繊維偏在不織布4を作製した。このとき、抄網上へはスラリー2から先に送出した。
【0046】
実施例5
傾斜型抄紙機を用い、80メッシュの抄網上に乾燥時の坪量が14g/m2となる量のスラリー3を送出し、搾水して湿潤ウェブを形成した後、乾燥時の坪量が10g/m2となる量のスラリー7を送出して搾水し、プレス、乾燥工程を経て、坪量24g/m2のフィブリル化繊維偏在不織布5を作製した。
【0047】
実施例6
スラリー3とスラリー9を用いた以外は、実施例5と同様にして湿式抄紙し、坪量24g/m2のフィブリル化繊維偏在不織布を作製した。このとき、抄網上へはスラリー3から先に送出した。次いで、該不織布をスーパーカレンダー処理して厚みを50μmに調整し、フィブリル化繊維偏在不織布6とした。
【0048】
実施例7
傾斜型抄紙機を用い、80メッシュの抄網上に乾燥時の坪量が10g/m2となる量のスラリー4を送出し、搾水して湿潤ウェブを形成した後、乾燥時の坪量が10g/m2となる量のスラリー9を送出して搾水し、プレス、乾燥工程を経て、坪量20g/m2のフィブリル化繊維偏在不織布7を作製した。
【0049】
実施例8
スラリー4とスラリー10を用いた以外は実施例7と同様にして湿式抄紙し、坪量20g/m2のフィブリル化繊維偏在不織布8を作製した。このとき、抄網上へはスラリー4から先に送出した。
【0050】
実施例9
傾斜型抄紙機を用い、80メッシュの抄網上に乾燥時の坪量が10g/m2となる量のスラリー5を送出し、搾水して湿潤ウェブを形成した後、乾燥時の坪量が10g/m2となる量のスラリー11を送出して搾水し、プレス、乾燥工程を経て、坪量20g/m2のフィブリル化繊維偏在不織布9を作製した。
【0051】
実施例10
傾斜型抄紙機を用い、80メッシュの抄網上に乾燥時の坪量が10g/m2となる量のスラリー6を送出し、搾水して湿潤ウェブを形成した後、乾燥時の坪量が10g/m2となる量のスラリー12を送出して搾水し、プレス、乾燥工程を経て、坪量20g/m2のフィブリル化繊維偏在不織布10を作製した。
【0052】
比較例1
2連式の円網抄紙機(抄網は何れも80メッシュ)を用いて、スラリー1とスラリー7からそれぞれ乾燥時の坪量が10g/m2になるように抄合わせ、坪量20g/m2のフィブリル化繊維偏在不織布11を作製した。
【0053】
比較例2
スラリー2とスラリー8を用いた以外は、比較例1と同様にして湿式抄紙し、坪量20g/m2のフィブリル化繊維偏在不織布12を作製した。
【0054】
比較例3
80メッシュの円網抄紙機を用いて、スラリー4から乾燥時の坪量が10g/m2になるように、80メッシュの長網抄紙機を用いて、スラリー9から乾燥時の坪量が10g/m2になるように抄合わせ、坪量20g/m2のフィブリル化繊維偏在不織布13を作製した。
【0055】
フィブリル化繊維偏在不織布1〜13について、下記の試験方法により測定し、その結果を下記表1に示した。
【0056】
<ガーレー透気度>
外径28.6mmの円孔を有するガーレー透気度計を用いて、100mlの空気がセパレータ試料を通過する時間を計測し、10箇所の平均値を示した。
【0057】
<最大孔径>
ASTM F316−86に規定されるバブルポイント法に準拠して最大孔径を測定した。
【0058】
<ピンホール>
目視により、ピンホールの有無を確認した。
【0059】
【表1】
Figure 0004064880
【0060】
評価:
表1の結果から明らかなように、実施例1〜10で作製したフィブリル化繊維偏在不織布は、フィブリル化繊維含有量が相対的に少ない第1原料を送出し、搾水して湿潤ウェブを形成した後、該湿潤ウェブ上にフィブリル化繊維含有量が相対的に多い第2原料スラリーを送出して湿式抄紙して製造されてなるため、通気性を有し、ピンホールがなく緻密な不織布であった。
【0061】
一方、比較例1〜3で作製したフィブリル化繊維偏在不織布は、複数の抄網を用いて抄合わせてなるため、フィブリル化繊維の脱落が多く、ピンホールの多い不織布になった。
【0062】
【発明の効果】
以上、説明した如く、本発明によれば、フィブリル化繊維が偏在し、通気性を有するピンホールフリーの緻密な不織布が得られる。

Claims (3)

  1. フィブリル化繊維が偏在し、該繊維の含有量が、片表面>反対側表面であるフィブリル化繊維偏在不織布の製造方法であって、フィブリル化繊維の少なくとも一部が、融点又は熱分解温度が250℃以上の耐熱性有機繊維であり、抄紙機の抄網上にフィブリル化繊維含有量が相対的に少ない第1原料スラリーを送出し、搾水して湿潤ウェブを形成した後、該湿潤ウェブ上にフィブリル化繊維含有量が相対的に多い第2原料スラリーを送出して湿式抄紙することを特徴とし、不織布の最大孔径が1.4〜3.0μmであるフィブリル化繊維偏在不織布の製造方法。
  2. 耐熱性有機繊維が、全芳香族ポリアミドであることを特徴とする請求項1記載のフィブリル化繊維偏在不織布の製造方法。
  3. 耐熱性有機繊維が、全芳香族ポリエステルであることを特徴とする請求項1記載のフィブリル化繊維偏在不織布の製造方法。
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