JPWO2012004917A1 - 神経突起伸長剤 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は神経軸策と神経突起を伸長させる非ペプチド系の神経軸策・神経突起伸長剤を提供することにある。β−L−リボースを構成糖とするニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)類縁体である3−(アミノカルボニル)−1−[5−O−[[1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−デオキシ−β−D−リボフラノース−5−O−イル]ホスホニルオキシ(オキシラト)ホスフィニル]−β−L−リボフラノシル]ピリジニウムを、神経軸策及び/又は神経突起の伸長剤や伸長組成物、がん細胞の増殖抑制・アポトーシス誘導剤やがん細胞の増殖抑制組成物・アポトーシス誘導組成物に用いる。

Description

本発明は、神経軸索・神経突起伸長剤及び抗がん剤、より詳しくは、ニコチンアミドモノヌクレオチド部分の構成糖がβ−L−リボースである、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)類縁体を有効成分とする神経軸索・神経突起伸長剤及びがん細胞の増殖抑制・アポトーシス誘導剤、並びにニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)類縁体を添加した脳神経の機能回復又はがんの予防・治療用の食品や食品素材に関する。
脳損傷、脊髄損傷などにより神経回路網が傷害を受け、切断あるいは神経細胞死に陥ると、支配神経下の生理・運動機能は失われると同時に神経回路の復活は極めて困難である。しかし、失われたさまざまな機能回復・復活のためには生残する神経細胞間のネットワーク再構築が不可欠で、このために生残する神経細胞からの神経軸索と、それから伸張する神経突起の新生が必要である。神経突起伸長作用を有する物質としては、神経細胞から分泌される神経成長因子(NGF)が注目を集めている。NGFは、神経組織の成長及び機能維持にとって重要かつ必要な因子であり、末梢神経における知覚及び交感神経の成熟、分化に不可欠であり、脳損傷時の神経細胞の変性を防ぐという作用を示すが、血液脳関門(BBB)透過性を持たないため、末梢からまたは経口投与では脳内に移行できないといわれている。
従来、非ペプチド系の神経突起の伸長剤、伸長誘導剤、伸長促進剤等としては、5−アシル−2−アミノ−1,3−セレナゾール類縁体を含有する神経細胞の神経突起伸長を促進する作用を有する神経栄養因子(特許文献1参照)、神経細胞のマイトジェン活性化蛋白キナーゼ(ERK1/2)のリン酸化を促進する作用を有するエブセレンを含有する神経細胞の神経突起伸長を促進する作用を有する神経栄養因子(特許文献2参照)、カフェ酸またはその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する神経突起伸長剤(特許文献3参照)、カルノシン酸を含有するローズマリーおよびセージからなる群より選択される少なくとも1種の植物由来の抽出物を有効成分として含有する神経突起伸長剤(特許文献4参照)、神経細胞の神経突起伸長作用を有するリゾホスファチジルエタノールアミンを含有することを特徴とする細胞死抑制物質(特許文献5参照)、モネンシン、コンカナマイシンAなど細胞内小器官アルカリ化剤を主成分とする運動神経細胞の神経突起を伸長するための神経突起伸長組成物(特許文献6参照)、ノビレチン、タンゲレチン等のポリアルコキシフラボノイドを含有する神経突起伸長剤(特許文献7参照)、グリコサミノグリカン誘導体を含有する神経突起伸長活性剤(特許文献8参照)、ラクタシスチン誘導体を含有する神経突起伸長剤(特許文献9参照)、小分子複素環式ケトンまたはチオエステル化合物を含有する神経突起伸長剤(特許文献10参照)、GM、GD1a、GD1bおよびGT1bガングリオシドのヒドロキシル、シアリン酸並びにセラミド基でのパー硫酸化誘導体を除き、サッカライド、シアリン酸またはセラミド残基の少なくとも1つのヒドロキシル基が硫酸でエステル化されている、ガングリオシドおよびN−アシル−N−リゾ−ガングリオシド、N’−アシル−N’−リゾ−ガングリオシド並びにN,N’−ジ−またはポリ−アシル−N,N’−ジリゾ−ガングリオシドの誘導体を含有する神経突起伸長剤(特許文献11参照)、GlcUA(2S)−GalNAc(4S)(Bユニット)の二糖を含むコンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸ハイブリッド鎖を含有する神経突起伸長剤(特許文献12参照)、バイセクティングGlcNAcを有する糖鎖、該糖鎖を構造中に有する複合糖質、該糖鎖の誘導体等を含有する神経突起伸長誘導剤(特許文献13参照)、低分子合成化合物を有効成分とする神経突起伸長誘導剤(特許文献14参照)などが知られている。
特開2008−100954号公報 特開2008−7446号公報 特開2007−230946号公報 特開2007−230945号公報 特開2007−22966号公報 特開2006−52192号公報 特開2002−60340号公報 特開平11−310602号公報 特開平8−231501号公報 特表2003−514893号公報 特表平8−507307号公報 WO2005/103089号公報 WO2005/097155号公報 特開2009−132622号公報
従来、種々の要因により傷害を受けた中枢神経系の再生や修復は困難と考えられてきたが、近年の研究により中枢神経系にも潜在的に修復能力を有していることが明らかにされてきた。この再生能力の臨床応用は運動、感覚、記憶などの障害や、難病とされている多くの精神・神経疾患に対してその克服をもたらす可能性が高い。これまでの研究で神経再生に阻害的に作用する物質や再生に必要な分子の存在が明らかにされ、動物実験レベルでの標的分子治療の有効性が示唆されている。一方、傷害を受けた中枢神経系の再生、修復に関する研究ではES細胞や神経幹細胞などを用いた移植医療ではなく、内在性神経幹細胞や、内在性神経再生能の活性化に向けた研究が主流になっており、標的を定めた創薬においても国際的に大きな取組みが始まっている。本発明の課題は、神経軸索と神経突起を伸長させる非ペプチド系の神経軸索・神経突起伸長剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し、3−(アミノカルボニル)−1−[5−O−[[1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−デオキシ−β−D−リボフラノース−5−O−イル]ホスホニルオキシ(オキシラト)ホスフィニル]−β−L−リボフラノシル]ピリジニウム(以下、「本件NAD類縁体」と呼ぶことがある)が神経軸索と神経突起を伸長させる作用を有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)3−(アミノカルボニル)−1−[5−O−[[1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−デオキシ−β−D−リボフラノース−5−O−イル]ホスホニルオキシ(オキシラト)ホスフィニル]−β−L−リボフラノシル]ピリジニウムである化合物や、(2)上記(1)記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含む神経軸策・神経突起伸長剤(組成物)や、(3)上記(1)記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含むがん細胞の増殖抑制・アポトーシス誘導剤(組成物)や、(4)上記(1)記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を、神経軸策と突起の伸長剤として使用する方法や、(5)上記(1)記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を、がん細胞の増殖抑制・アポトーシス誘導剤として使用する方法や、(6)上記(1)記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を、神経軸策と突起の伸長剤製造のために使用する方法や、(7)上記(1)記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を、がん細胞の増殖抑制・アポトーシス誘導剤製造のために使用する方法に関する。
また、本発明は、(8)以下の式(I)
で表わされるニコチンアミドモノヌクレオチドと、以下の式(II)
で表わされるアデノシン一リン酸モルフォリデートとを、反応させることを特徴とする以下の式(III)
で表される化合物の製造方法や、(9)以下の式(I)
で表わされるニコチンアミドモノヌクレオチドが、以下の式(IV)
で表わされるニコチンアミドと以下の式(V)
で表わされるL−リボーステトラアセテートとを反応して得られる以下の式(VI)
で表わされるニコチンアミドモノヌクレオシドをリン酸化して製造されることを特徴とする上記(8)記載の式(I)で表わされる化合物の製造方法や、(10)上記(1)記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を添加したことを特徴とする食品又は食品素材に関する。
本発明によると、神経軸索と神経突起を伸長させることができる神経軸索・神経突起伸長剤や、がん細胞の増殖抑制・アポトーシス誘導剤を提供することができる。
本件化合物のレトロ合成スキームを示す図である。 β−L−リボースを構成糖とする本件ニコチンアミドモノヌクレオチド部の合成工程を示す図である。 AMPと本件ニコチンアミドモノヌクレオチド部のリン酸エステル結合の合成工程を示す図である。 本件NAD類縁体をHPLCで精製した化合物の精製チャートを示す図である。 本件NAD類縁体のNeuro−2aマウス神経芽腫細胞に及ぼす効果を示す図である。 本件NAD類縁体によるラット胎児中脳神経細胞に及ぼす効果を示す図である。 本件NAD類縁体によるラット胎児脳ドーパミン細胞の神経突起伸長効果を示す図である。 本件NAD類縁体の濃度ごとのラット胎児脳ドーパミン細胞の神経突起伸長効果の相違を示す図である。 本件NAD類縁体のMS(質量分析)による分析結果に示す。 本件NAD類縁体のプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)の結果を示す。 本件NAD類縁体のカーボン核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)の結果を示す。 本件NAD類縁体の二次元H−HCOSYの結果を示す。 本件NAD類縁体の二次元HMBCの結果を示す。 本件NAD類縁体の二次元HMQCの結果を示す。 本件NAD類縁体のヒト神経芽腫細胞由来のNB−1細胞に及ぼす効果を示す図である。(a)はコントロール、(b)と(c)は、10μg/mL添加した場合を示す。矢印は、神経突起を示す。 本件NAD類縁体のヒト神経芽腫由来細胞のNB−1細胞に及ぼす効果を示す図である。 本件NAD類縁体によるヒト骨髄性白血病細胞のHL−60細胞の増殖抑制効果を示すグラフである。 本件NAD類縁体によりHL−60細胞のアポトーシス誘導がされたことを示す図(図18B)、及び、培養したHL−60細胞から抽出したDNAを電気泳動の結果を示す図(図18C)である。図18Aは陰性対照を示す。 本件NAD類縁体によるレチノイン酸耐性白血病細胞のUF−1細胞の増殖抑制効果を示す図である。 本件NAD類縁体によるヒト繊維肉腫細胞のHT1080細胞の増殖抑制効果を示す図である。 本件NAD類縁体によるヒト結腸腺がん細胞のHT29細胞の増殖抑制効果を示す図である。
本発明の化合物(本件NAD類縁体)は、3−(アミノカルボニル)−1−[5−O−[[1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−デオキシ−β−D−リボフラノース−5−O−イル]ホスホニルオキシ(オキシラト)ホスフィニル]−β−L−リボフラノシル]ピリジニウムと表記することができ、上記本件NAD類縁体の製造方法としては特に制限されないが、例えば、図1の本件化合物のレトロ合成スキームに示すとおり、β−L−リボースを構成糖とする本件ニコチンアミドモノヌクレオチド部を含む本件NAD類縁体について、アデノシン一リン酸(AMP;adenosine monophosphate)部分とニコチンアミド部分を別々に調製し、最後にジリン酸体にすることで合成することができる。また、ニコチンアミド部分はニコチンアミドとD−リボースのアセチル体との縮合で合成することが報告されていることから、L−リボースでもこの方法を適用することとした。すなわち、天然物のNADではβ−D−リボースを構成糖とするニコチンアミドモノヌクレオチドに対し、本件ではβ−L−リボースを構成糖とするニコチンアミドモノヌクレオチド(以下、「本件ニコチンアミドモノヌクレオチド部」と呼ぶことがある)を合成し、かかる本件ニコチンアミドモノヌクレオチド部と、AMPとのリン酸エステル結合反応を公知の合成法により行うことで、本件NAD類縁体を得ることができる。AMPとしては、リボース部分が天然型のD−リボースであるAMP活性錯体を用いることが好ましい。また、本発明の化合物は、以下の式(VII)として例示することもできる。
本発明の化合物の薬理学的に許容される塩としては、薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等を挙げることができる。薬理学的に許容される酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の各無機酸塩や、有機酸としてはギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、安息香酸等の各カルボン酸塩類や、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、グルタミン酸、アスパラギン酸等の各アミノ酸塩類などを挙げることができ、薬理学的に許容される金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等の各アルカリ金属塩や、マグネシウム、カルシウム等の各アルカリ土類金属塩や、アルミニウム、亜鉛等の各金属塩などを挙げることができる。また、薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の各塩を、薬理学的に許容される有機アミン塩としては、トリエチルアミン、ピペリジン、モルホリン、トルイジン等の各塩を、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、グルタミン酸、リジン、グリシン、アラニン等の付加塩などを挙げることができる。
本発明の本件NAD類縁体は、神経軸索・神経突起(神経軸索及び/又は神経突起)等神経細胞の伸長剤や伸長組成物として有利に用いることができ、例えば、損傷した中枢神経組織や神経変性疾患の治療における新しい機能物質としての可能性があり、様々な原因で損なわれた神経、特に脳神経の機能回復への応用や、加齢に伴う神経、特に脳神経の機能低下防止への応用が期待でき、神経細胞の活性化作用・保護作用を必要とする疾病の予防・治療薬としてその有用性が期待できる。神経細胞としては、具体的には、中脳ドーパミン神経細胞、大脳皮質神経細胞、小脳皮質神経細胞、海馬神経細胞などを挙げることができる。かかる神経細胞の活性化作用・保護作用を必要とする疾病としては、具体的には、脊髄損傷(spinal cord injury)、脳挫傷(cerebral contusion)、脳梗塞(brain infarction)、脳出血(cerebral hemorrhage)、クモ膜下出血(subarachnoid hemorrhage)、アルツハイマー病(Alzheimer's disease)、パーキンソン症候群(Parkinson's syndrome)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、脱髄疾患(demyelinating disease)、ギラン・バレー症候群(Guillain-Barre syndrome)、高次脳機能障害を挙げることができ、なかでも、パーキンソン症候群を好適に例示することができる。
本発明の本件NAD類縁体は、また、がん細胞の増殖抑制・アポトーシス誘導剤として用いることができ、本発明のがん細胞の増殖抑制・アポトーシス誘導剤が有効ながんとしては、悪性黒色腫(メラノーマ)、皮膚がん、肺がん、気管及び気管支がん、口腔上皮がん、食道がん、胃がん、結腸がん、直腸がん、大腸がん、肝臓及び肝内胆管がん、腎臓がん、膵臓がん、前立腺がん、乳がん、子宮がん、卵巣がん、脳腫瘍等の上皮細胞などが悪性化したがんや腫瘍、筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫等の支持組織を構成する細胞である筋肉や骨が悪性化したがんや腫瘍、白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫、バーキットリンパ腫等の造血細胞由来のがんや腫瘍などを挙げることができるが、中でも上皮細胞などが悪性化したがんや腫瘍や、ヒト骨髄性白血病細胞の増殖を抑制すると共にアポトーシスを誘導し、また、レチノイン酸に耐性を有する白血病細胞に対しても増殖抑制効果を有する点で、白血病を最も確実な例として挙げることができる。
本件NAD類縁体を、神経軸索及び/又は神経突起の伸長剤や伸長組成物、或いはがん細胞の増殖抑制・アポトーシス誘導剤として用いる場合、特に医薬品として用いる場合には、これら成分に加えて、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤などの各種調剤用配合成分を添加することができる。
本件NAD類縁体又はその薬理学的に許容される塩を添加した、神経の機能回復、特に脳神経の機能回復、又はがんの予防・治療用の食品や食品素材の種類としては特に制限されず、ここで神経の機能回復とは、神経細胞の活性化作用・保護作用を発揮しうることをいい、また、がんの予防・治療とは、がんの予防又は症状改善効果を発揮しうることをいい、食品や食品素材として具体的には、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等の各種飲料や、プリン、クッキー、パン、ケーキ、ゼリー、煎餅などの焼き菓子、羊羹などの和菓子、冷菓、チューインガム等のパン・菓子類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、みそ、しょう油、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、チーズ、バター等の乳製品や、豆腐、こんにゃく、その他佃煮、餃子、コロッケ、サラダ等の各種総菜を挙げることができる。これら食品や食品素材には、公知の神経軸策・神経突起伸長剤やがん細胞の増殖抑制・アポトーシス誘導作用を有する物質を併用してもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
(本件NAD類縁体の合成)
NADのニコチンアミド部分のβ−D−リボース部分の鏡像異性体であるβ−L−リボースをニコチンアミドモノヌクレオチドの構成糖とする本件NAD類縁体を化学合成して神経突起伸長効果を検証した。本件NAD類縁体は、以下の工程に従って合成した。
[本件NAD類縁体の本件ニコチンアミドモノヌクレオチド部の合成]
Tanimori et al.(Bioorg. Med. Chem. Lett., 12, 1135-1137 (2002) 参照)のニコチンアミドとリボースからのニコチンアミドリボシド合成法と、J. Lee et al(Chem. Comm., 1999, 729-730)のリボース部分の5位水酸基のリン酸化反応の方法に従い、β−L−リボースを構成糖とするニコチンアミドモノヌクレオチドとして本件ニコチンアミドモノヌクレオチド部の合成を行った(図2参照)。具体的には、ニコチンアミド(Wako社製)172mgとL−リボーステトラアセテート(Sigma社製)400mgとを、無水アセトニトリル10mLに溶解し、窒素気流下、トリメチルシリルトリフルオロスルホン酸(TMSOTf)を過剰量添加後、室温にて1時間30分反応液を攪拌した。メタノール5.0mLを添加して反応を停止させた上記反応液を、活性炭(Wako社製)を充填したカラム(直径1.5cm×長さ3cm)に付し、蒸留水で洗浄後、メタノールで溶出して生成物を回収した。
上記生成物は、NMR分析によりグリコシド結合の割合が、α:β=約7:1であることが推定され、L−リボース部分の1位のアノマー異性体の混合物であった(図2(A)参照)。上記生成物は室温で放置しておくと分解することから、これ以上の精製は行わずにL−リボース部分の5位水酸基のリン酸化反応を行うこととした。
上記生成物258mgをトリメトキシリン酸1.5mLに溶解し、氷冷下、オキシ塩化リン0.25mLを滴下し、窒素気流下、0℃にて20時間反応液を攪拌した。2規定水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和させ、反応を停止させた上記反応液に、冷アセトニトリル−エーテル(1:3)溶液2.0mLを添加して分配操作を行った。下層(水相)を陰イオン交換樹脂(Amberlite IRA410、formic acid form、ローム・アンド・ハース社製)(直径1.7cm×長さ8.5cm)に通して反応物を回収した。さらに、陽イオン交換樹脂(Amberlite IR120B, H+form ローム・アンド・ハース社製)(直径1.0cm×長さ12cm)に付して精製を重ね、本件ニコチンアミドモノヌクレオチド部と思われる画分を凍結乾燥して238mg回収した。
上記画分に含まれる化合物は、MS、H−NMR、13C−NMR、31P-NMRによりその化学構造が確証された。本件ニコチンアミドモノヌクレオチド部の収率は、上記2工程を経て、上記Tanimori et alの文献とほぼ同様の70%前後であった(図2(B)参照)。
[AMPと本件ニコチンアミドモノヌクレオチド部のリン酸エステル結合]
図3にAMPと本件ニコチンアミドモノヌクレオチド部のリン酸エステル結合の合成ステップを示す。AMPとしては、リボース部分がβ−D−リボースである市販のAMP活性錯体(AMP−モルフォリデート(morpholidate))を用いた。
上記で得られた本件ニコチンアミドモノヌクレオチド部を0.2M塩化マンガンのホルムアミド溶液(1.5等量)で溶解し、AMP−モルフォリデート (1等量)(Sigma社製)と硫酸マグネシウム(2等量)を添加し、窒素気流下、室温にて反応液を21時間攪拌した。反応後、上記反応液に冷アセトニトリルを添加し、白濁させ、遠心して上清を捨て、沈殿を回収した。SephadexLH−20カラムクロマトグラフィー(ファルマシア社製)に付し、蒸留水で溶出後、主生成物を含む画分を調製した。かかる画分には弱いながら神経突起伸長活性が認められることから、反応収率的には高くないものの、本件発明のNAD類縁体が含まれることが示唆された。
[本件NAD類縁体の精製]
本件NAD類縁体の精製は、L−2130形ポンプ、L−2450形ダイオードアレイ検出器(PDA)、L−2200形オートサンプラー、L−2300形カラムオーブン(いずれも日立ハイテク社製)、フラクションコレクターSF−2100(アドバンテック社製)からなるHPLC−PDAシステムを用いて行った。HPLCの分離条件は以下のとおりである。
カラム:コスモシールpackedカラムHILIC, 250mm×4.6mm i.d.(ナカライテスク社製)
サンプル濃度:40mg/mL(HO)
注入量:30μL
カラム温度:40℃
流速:1mL/min
溶媒A:H
溶媒B:100mmol CHCOONH水溶液
グラジエント:A:B=90:10(0分)、70:30(13分)、0:100(15分)、0:100(18分)、90:10(19分)、90:10(25分)
分取条件:0〜25分、25フラクション(分取インターバル1分)
上記のHPLC条件で精製した化合物の精製チャートを図4に示す。標準物質として市販のα−NAD(ニコチンアミドモノヌクレオチド部の構成糖がα−D−リボース)(Sigma社製)及びβ−NAD(ニコチンアミドモノヌクレオチド部の構成糖がβ−D−リボース)(Sigma社製)を用いた。9.8分付近にα−NAD及びβ−NADのピークが観察されている一方、それら2つのピークとは異なる9.3分付近に今回精製された化合物のピークが観察されており、上記のHPLC条件で精製された化合物は、α−NAD又はβ−NADとは相違する本件NAD類縁体であると確認した。
以下、本件NAD類縁体の同定を以下の方法で行った。
質量(FAB MS)スペクトル測定は、日本電子株式会社製 JMS−700T(イオン源:Xe atom beam、加速電圧:10kv、分解能:5000)にて行った。プロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR:500MHz)、カーボン核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR:125MHz)は、日本電子株式会社製 JNM−A500(サンプル濃度:1.5%(w/v%)、測定濃度:35℃、溶媒:DO、デジタル分解能:H−NMR(500MHz)0.31Hz;13C−NMR(125MHz)1.03Hz)で測定した。化学シフトは、 tetramethylsilane(TMS)を内部標準とし、δ値(ppm)で表し、結合定数(J)は、Hzで表した。シグナルの表示には、次の略号を用いた。「s:singlet、d:doublet、t:triplet、q:quartet、dd:double doublet、td:triplet doublet、 m:multiplet.」(表1等参照。)
質量(MS)スペクトルの結果を図9に、プロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)の結果を図10に、カーボン核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)の結果を図11に、二次元H−HCOSYの結果を図12に、二次元HMBCの結果を図13に、二次元HMQCの結果を図14に示す。また、H−NMR及び13C−NMRの帰属について、以下の表1及び式(VIII)に示す。
(結果)
高分解能MS測定を行った結果、m/z=664のプロトン化分子((M+H))について精密質量664.1168が得られた。構成元素をC,H,N,S,Pとして組成演算し、組成式としてC212814を選択し、核磁気共鳴スペクトルとの結果より、得られた本件NAD類縁体は、上記式(VII)で表される構造を有する新規化合物であることを決定した。上記式(VII)は、体系名として3−(アミノカルボニル)−1−[5−O−[[1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−デオキシ−β−D−リボフラノース−5−O−イル]ホスホニルオキシ(オキシラト)ホスフィニル]−β−L−リボフラノシル]ピリジニウムと表すこともできる。
(本件NAD類縁体の神経細胞の形態に及ぼす効果−1)
[本件NAD類縁体のマウス神経芽腫細胞に及ぼす効果]
神経突起伸張効果を検討する際のモデル細胞であるマウス由来神経芽腫細胞を用いて、神経突起の誘導作用について検証した。マウス由来神経芽腫細胞(Neuro−2a細胞)(Health Science Research Resources Bankより入手)を、10cells/mLに調整して10%ウシ胎児血清添加イーグル最小必須培地(Eagle’s minimal essential medium;EME)培養液で5%CO存在下、37℃にて培養した。
上記Neuro−2a細胞を3時間培養した後、上記の同培地と交換し、本件NAD類縁体10μg/mLを添加してさらに48時間培養した後、位相差顕微鏡を用いて細胞の形態変化を観察した。結果を図5に示す。Neuro−2a細胞から神経突起(神経軸索様突起)が出現し、これが伸長している様子が明らかである((a)、矢印)。本件NAD類縁体を添加しないコントロール(b)を培養した場合も、わずかに神経軸索様の突起状構造が観察されるが、本件NAD類縁体を添加した場合と比較して明らかに短かった。また、市販のβ−NADを用いて同様の実験を行ったが、神経突起について変化は見られなかった。
[本件NAD類縁体のラット胎児中脳ドーパミン神経細胞に及ぼす効果]
妊娠15日の Sprague-Dawley(SD)ラットから胎児を取り出し、実体顕微鏡下で中脳腹側部を切り分けた後、メスで細切して、0.25%トリプシン含有PBS中で37℃、20分間処理して細胞を分散させた。その後、50μg/mLのデオキシリボヌクレアーゼI(DNaseI)と50μg/mLのトリプシンインヒビター(trypsin inhibitor)を含むPBSで37℃にて5分間処理を行うことによりラット胎児中脳ドーパミン神経細胞を得た。得られたラット胎児中脳ドーパミン神経細胞は、ウシ血清10%添加ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s modified Eagle’s medium:DMEM)培養液で5%CO存在下、37℃にて培養した。
上記ラット胎児中脳ドーパミン神経細胞を2日間培養後、培養液を交換し、本件NAD類縁体を0(コントロール)、0.01、0.1、1.0、及び10μg/mLの各濃度で添加し、さらに3日間培養した。培養5日目に免疫染色法によりドーパミン神経細胞を抗チロシン水酸化抗体(Pel-Freez社製)とFluorescein(FITC)標識した二次抗体(Jackson ImmunoResearch社製)で染色し、染色された細胞の細胞体から出ている神経突起の長さと数をNeurolucida (Micro Bright Field社)で計測した。結果を図6に示す。ラット胎児中脳神経細胞において、0〜10μg/mLまでのデータでは、本件NAD類縁体の濃度が高くなるほど、神経突起が、コントロールに比較して明らかに長くなっており、本件NAD類縁体は神経軸索の伸長をもたらすとともに、突起上にこぶ状のいわゆる「バリコシティ」を多数形成し、これにより神経再生につながるシナプス形成を可能にすることが明らかとなった。また、市販のβ−NADを用いて同様の実験を行ったが、神経突起の伸長は観察されなかった。
図7は、ラット胎児脳ドーパミン細胞の神経突起伸長効果を調べた結果を示す。細胞から伸長する神経突起の長さを計測比較すると、本件NAD類縁体を10μg/mL添加した場合、神経突起はコントロールを100%とした場合にコントロールよりも約150%の長さになり、明らかな伸長効果を示した。なお、45個のコントロール細胞と38個の被検細胞について計測し、その平均を示した。
図8はラット胎児脳ドーパミン細胞の神経突起伸長効果について量的変化を調べたグラフである。0.1μg/mLの本件NAD類縁体の添加で神経突起は伸長することがわかった。また、市販のβ−NADを用いて同様の実験を行ったが、神経突起の伸長は観察されなかった。
(本件NAD類縁体の神経細胞の形態に及ぼす効果−2)
[本件NAD類縁体のヒト神経芽腫細胞由来のNB−1細胞に及ぼす効果]
神経伸長のモデル細胞として、ヒト神経芽腫細胞由来細胞を用いて、神経突起の誘導作用について検証した。ヒト神経芽腫細胞(NB−1細胞)(Health Science Research Resources Bank より入手)を、103cells/mLに調整して10%ウシ胎児血清添加イーグル最小必須培地(Eagle’s minimal essential medium;EME)培養液で5%CO存在下、37℃にて培養した。
上記NB−1細胞を3時間培養した後、上記の同培地と交換し、本件NAD類縁体10μg/mLを添加してさらに培養を継続し、位相差顕微鏡を用いて細胞の形態変化を観察した。培養途中、4〜5日毎に新鮮な培養液と交換した。細胞培養開始10日目の観察結果を図15に示す。NB−1細胞から神経突起(神経軸索様突起)が出現し、神経突起が伸長している様子が明らかである(図15(b)及び(c)参照)。本件NAD類縁体を添加しないコントロール(図15(a)参照)を培養した場合も、わずかに神経軸索様の突起状構造が観察されたが、本件NAD類縁体を添加した場合と比較して明らかに短かった。また、市販のβ−NADを用いて同様の実験を行ったが、神経突起について変化は見られなかった。
(マイクロアレイによる遺伝子発現の解析)
本件NAD類縁体をラット神経細胞の培養時に添加し、神経細胞における遺伝子発現をマイクロアレイ解析により調べた。
[試験方法]
神経細胞はLONZA社(米国)から購入したラット胎児線状神経細胞(ドーパミン細胞)を用いた。細胞は1.0×10cells/mLに濃度を調整し、5%CO存在下37℃にて培養した。培養液は、初代神経細胞培養用無血清培地(LONZA社製)を用い、プロトコールに従って調製した。培養シャーレは、表面をポリリジン処理したものを用いた。本件NAD類縁体は培養液中における終濃度が10μg/mLになるように調整し、細胞培養開始と同時に添加した。24時間後に常法に従い、TRIZOL(登録商標)(Invitrogen社)を用いて細胞からRNAを抽出し、1日目の試料とし、細胞培養開始から48時間培養後に細胞からRNAを抽出し2日目の試料とした。なお、本件NAD類縁体を添加しない培養物を陰性対照とした。
上記培養後のラット胎児線状神経細胞から抽出したRNAの1日目の試料(Day1)と2日目の試料(Day2)について、神経細胞における遺伝子発現解析は株式会社セルイノベーター(福岡市、日本)に委託して行われた。
上記ラット胎児線状神経細胞から抽出したRNAのDay1とDay2は、アフィメトリックス社(USA)のRat Genome 230 2.0 Arrayを使用して、マイクロアレイ試験に供された。全般的にみて、本件NAD類縁体を添加することによる遺伝子の発現変動は小さいことがわかった。このことは、本件NAD類縁体の薬剤としての毒性の低さを示している可能性が高い。
発現変動がDay1に比べて大きかったDay2に注目し、発現変動の見られた遺伝子を抽出して、IPA(Ingenuity Pathways Analysis)による解析を行った。Day2のIPAにおける解析結果を以下の表2に示す。細胞骨格や神経細胞に関する遺伝子が発現変動を起こしていることが確認された。
National Institute of Allergy and Infectious Diseases (NIAID) により無料で提供されているデータベースDAVIDを用いて、アノテーション情報を解析した(詳細な解析方法は、Nature Protocols 2009; 4(1):44 & Genome Biology 2003; 4(5) 等を参照のこと)。かかる解析により、上記マイクロアレイデータの解析結果で得られた1群の遺伝子に多く含まれる類似の生物学的な機能を有する遺伝子群がクラスターとして分類され、スコアが高いクラスターから表示される。p<0.05が統計的に有意であると判断される。以下の表3では、特に微小管細胞骨格(microtubule cytoskeleton)、微小管細胞骨格組織(microtubule cytoskeleton organization)等、細胞骨格(cytoskeleton)に関係する遺伝子が多く含まれていることがわかった。
以下の表4及び表5では、上記表3にて有意差があると判断され、細胞骨格に関係する遺伝子が含まれているクラスターである、GOTERM_CC_FAT(microtubule cytoskeleton)の13個の遺伝子とGO_TERM_BP_FAT(microtubule cytoskeleton organization)の6個の遺伝子がリストされている。前記アフィメトリックス社のマイクロアレイ試験において用いられたプローブセットIDがUniGeneのIDに変換され、発現変動していた遺伝子の遺伝子記号(Gene Symbol)が明らかにされた。
上記発現変動していることが確認された遺伝子のうち、MARCKSは、プロテインキナーゼC(PKC)の主要基質として知られているタンパク質で、分子中央に、膜脂質やカルモジュリン、アクチン等の分子と相互作用するマルチ結合ドメインを有し、中枢神経系の発達,細胞の運動や接着,神経分泌などに重要であると考えられている(Arbuzova et al., Biochem J. 2002 362 1-12)。微小管結合タンパク質として知られるMAP2(microtubule-associated protein 2)は、細胞骨格成分において豊富に見いだされ、多くのタンパク質キナーゼやホスフォターゼの基質となり、また、細胞骨格との関係を制御しているようである(Prog Neurobiol. 2000)。KIF5Cは下位運動ニューロンにおいて生後2週間又はそれ以降のマウスにおいて高発現することが確認されており、運動ニューロンの形成よりも維持に必要であることが示唆されている(Kanai et al., The Journal of Neuroscience, 2000, 20(17):6374-6384)。
上記発現変動していることが確認された遺伝子において、例えば、MAP2は、細胞骨格成分において豊富に見いだされ、多くのタンパク質キナーゼやホスフォターゼの基質となり、また、細胞骨格との関係を制御しているようである(Prog Neurobiol. 2000)。
[結果と考察]
以上のとおり、本件NAD類縁体を添加して発現変動の見られた遺伝子を抽出しIPAによる解析を行った結果、培養24時間の神経細胞では対照培養(本件NAD類縁体)と比較して、上記表4や表5に示すように細胞の形態変化を支持する複数の遺伝子が有意に発現していることが確認された。したがって、本件NAD類縁体は、中枢神経細胞に対して神経突起の伸長をもたらすなど、形態を変化させる作用すなわち分化誘導能を有していることが分子生物学的解析で確認された。本件NAD類縁体がドーパミン細胞の分化をもたらすことが明らかになった。このことはドーパミン細胞の異常に起因するパーキンソン病や関連が指摘されている鬱病の改善に利用・応用可能であることを示唆する。
(本件NAD類縁体の各種細胞に及ぼす効果)
以下に示す培養細胞について、本件NAD類縁体の効果について検討した。なお、ヒト神経芽腫由来細胞(NB−1細胞)及びヒト骨髄性白血病細胞(HL−60細胞)は独立行政法人理化学研究所から購入した。ヒト繊維肉腫細胞(HT1080細胞)及びヒト結腸腺がん細胞(HT29細胞)は大日本住友製薬株式会社から購入した。また、レチノイン酸耐性白血病細胞(UF−1細胞)は慶応義塾大学木崎昌弘博士から分与を受けた。これらの細胞は、5%CO存在下37℃にて培養した。
[ヒト神経芽腫由来細胞(NB−1細胞)の神経突起伸長効果]
神経突起伸長効果を検討するためのモデル細胞として用いられているヒト神経芽腫由来細胞(NB−1細胞)の細胞数を10cells/mLに調整した。かかるNB−1細胞をイーグルMEM培地に仔牛血清を最終濃度で10%となるよう添加し、さらに本件NAD類縁体を10μg/mL添加した培地にて培養し、7日経過後に位相差顕微鏡を用いて細胞の形態変化を倍率200倍にて観察した。結果を図16に示す。
[結果]
図16Bから明らかな通り、本件NAD類縁体を添加していない培地で培養された細胞(図16A)と比較して、本件NAD類縁体を添加した培地で培養されたNB−1細胞においては神経突起様の構造物が著明に伸長していることが観察された。したがって、本件NAD類縁体が、神経細胞の突起伸長作用を促す作用を有することが明らかとなった。
[ヒト骨髄性白血病細胞(HL−60細胞)の増殖抑制効果]
ヒト骨髄性白血病細胞(HL−60細胞)の細胞数を1.0×10cells/mLに調整した。かかるHL−60細胞をイーグルMEM培地に仔牛血清を最終濃度で10%となるよう添加し、さらに本件NAD類縁体を0,2.0,4.0,8.0μg/mLの各濃度に調整して添加した培地にて培養し、5日経過後に細胞数を計測した。結果を図17に示す。
[結果]
t検定により解析し、p<0.05を有意差ありと判定したところ、本件NAD類縁体を2.0μg/mL以上の量を添加した場合8.0μg/mLに至るまで、HL−60細胞の増殖が明らかに抑制されることがわかった(図17参照)。
[ヒト骨髄性白血病細胞(HL−60細胞)のアポトーシス誘導]
ヒト骨髄性白血病細胞(HL−60細胞)の細胞数を1.0×10cells/mLに調整した。かかるHL−60細胞をRPMI培地に仔牛血清を最終濃度で10%となるよう添加し、さらに本件NAD類縁体を10μg/mL又は20μg/mLの各濃度に調整して添加した培地にて培養し、4日後に細胞の核染色を行い、蛍光顕微鏡で観察した。結果を図18Bに示す。また、細胞からDNAを常法により抽出して電気泳動を行った。結果を図18Cに示す。
(結果)
図18Aは本件NAD類縁体を添加していない対照でHL−60細胞の核の形態には変化を認められないが、本件NAD類縁体を添加した培地で4日間培養した図18BではHL−60細胞の核の分断が明瞭に観察された。この現象は細胞がアポトーシスを起こしていることを示すものである。図18Cは、HL−60細胞から抽出したDNAの電気泳動の結果を示し、レーン1は分子サイズマーカー、レーン2は対照、レーン3、4は本件NAD類縁体をそれぞれ10μg/mL、20μg/mLをそれぞれ添加して培養した細胞のDNAを電気泳動したものであり、アポトーシスによるDNAの断片化が「ラダー」として観察された。レーン5は陽性対照として抗がん剤アクチノマイシンDを添加した培地で培養したHL−60細胞から抽出したDNAを電気泳動したものである。これらの結果は、本件のNAD類縁体がHL−60細胞に対してアポトーシスを誘導していることを示している。
[レチノイン酸耐性白血病細胞(UF−1細胞)に対する増殖抑制効果]
レチノイン酸耐性白血病細胞(UF−1細胞)の細胞数を1.0×10cells/mLに調整した。かかるUF−1細胞をRPMI培地に仔牛血清を最終濃度で10%となるよう添加し、さらに本件NAD類縁体を0,2.0,4.0,8.0μg/mLの各濃度に調整して添加した培地にて培養し、28日経過後に細胞数を計測した。結果を図19に示す。
(結果)
t検定により解析し、p<0.05を有意差ありと判定したところ、本件NAD類縁体を8.0μg/mL以上の量を添加した場合に有意に抑制されたと判断され、明らかに細胞の増殖が抑制効果があることが確認された(図19参照)。従来、骨髄性白血病細胞の治療にはレチノイン酸による分化誘導療法が行われているが、白血病細胞はやがてレチノイン酸に対して耐性を獲得し、レチノイン酸の効果が無力化されることが知られている。しかし、本件NAD類縁体を用いた試験結果から、レチノイン酸に耐性を獲得した白血病細胞に対しても本件NAD類縁体は増殖抑制作用を有することを確認した。通常それほどの長期間にわたって培養を行うことはないが、かかる結果が、28日間の培養後に見いだされたという点で画期的であり、白血病の治療に応用が可能であることを示唆するものである。
(ヒト腫瘍細胞の増殖抑制効果)
[ヒト繊維肉腫細胞(HT1080細胞)の増殖抑制効果]
ヒト繊維肉腫細胞(HT1080細胞)の細胞数を1.0×10cells/mLに調整した。かかるHT1080細胞をイーグルMEM培地に仔牛血清を最終濃度で10%となるよう添加し、さらに本件NAD類縁体を0,2.0,4.0,8.0μg/mLの各濃度に調整して添加した培地にて培養し、7日経過後に細胞数を計測した。結果を図20に示す。
t検定により解析し、p<0.05を有意差ありと判定したところ、本件NAD類縁体を4.0μg/mL以上の量を添加した場合に、有意に細胞の増殖が抑制されることが確認された(図20参照)。
[ヒト結腸腺がん細胞(HT29細胞)の増殖抑制効果]
ヒト結腸腺がん細胞(HT29細胞)の細胞数を1.0×10cells/mLに調整した。かかるHT29細胞をイーグルMEM培地に仔牛血清を最終濃度で10%となるよう添加し、さらに本件NAD類縁体を0,2.0,4.0,8.0μg/mLの各濃度に調整して添加した培地にて培養し、7日経過後に細胞数を計測した。結果を図21に示す。
(結果)
t検定により解析し、p<0.05を有意差ありと判定したところ、2μg/mL以上の量を添加した場合、有意に細胞の増殖が抑制されることが確認された(図21参照)。HT1080細胞及びHT29細胞についての結果から、本件NAD類縁体は、腫瘍細胞増殖抑制効果を有することが確認された。

Claims (10)

  1. 3−(アミノカルボニル)−1−[5−O−[[1−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−デオキシ−β−D−リボフラノース−5−O−イル]ホスホニルオキシ(オキシラト)ホスフィニル]−β−L−リボフラノシル]ピリジニウムである化合物。
  2. 請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含む神経軸策・神経突起伸長剤。
  3. 請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含むがん細胞の増殖抑制・アポトーシス誘導剤。
  4. 請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を、神経軸策と突起の伸長剤として使用する方法。
  5. 請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を、がん細胞の増殖抑制・アポトーシス誘導剤として使用する方法。
  6. 請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を、神経軸策と突起の伸長剤製造のために使用する方法。
  7. 請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を、がん細胞の増殖抑制・アポトーシス誘導剤製造のために使用する方法。
  8. 以下の式(I)

    で表わされるニコチンアミドモノヌクレオチドと、以下の式(II)

    で表わされるアデノシン一リン酸モルフォリデートとを、反応させることを特徴とする以下の式(III)

    で表される化合物の製造方法。
  9. 以下の式(I)

    で表わされるニコチンアミドモノヌクレオチドが、以下の式(IV)

    で表わされるニコチンアミドと、以下の式(V)

    で表わされるL−リボーステトラアセテートとを、反応して得られる以下の式(VI)

    で表わされるニコチンアミドモノヌクレオシドをリン酸化して製造されることを特徴とする請求項8記載の式(I)で表わされる化合物の製造方法。
  10. 請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を添加したことを特徴とする食品又は食品素材。
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