JPH08500816A - スフィンゴシン−1−ホスフェートその誘導体および擬態物による細胞能動性の阻害方法、並びにスフィンゴシン−1−ホスフェートおよびその誘導体の合成方法 - Google Patents

スフィンゴシン−1−ホスフェートその誘導体および擬態物による細胞能動性の阻害方法、並びにスフィンゴシン−1−ホスフェートおよびその誘導体の合成方法

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サダヒラ,ヨシト
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Abstract

(57)【要約】 腫瘍細胞と阻害性量のスフィンゴシン−1−ホスフェート、スフィンゴシン−1−ホスフェートの誘導体およびスフィンゴシン−1−ホスフェートのまたはその誘導体の擬態物よりなる群から選ばれる薬剤とを接触させることからなる腫瘍細胞の走化性および/または化学侵入能動性を阻害する方法。細胞と食運動性阻害性量のスフィンゴシン−1−ホスフェート、スフィンゴシン−1−ホスフェトの誘導性、およびスフィンゴシン−1−ホスフェートのまたはその誘導体よりなる群から選ばれる薬剤とを接触させることからなる腫瘍細胞および好中球の食運動性活性を阻害する方法。治療の必要な宿主に転移阻害性量のスフィンゴシン−1−ホスフェート、スフィンゴシン−1−ホスフェートの誘導体、およびスフィンゴシン−1−ホスフェートのまたはその誘導体よりなる群から選ばれる薬剤、およびその薬剤の薬学的に許容しうる塩を投与することからなる腫瘍細胞転移を阻害する方法。治療の必要な宿主に炎症阻害性量のスフィンゴシン−1−ホスフェート、スフィンゴシン−1−ホスフェートの誘導体、およびスフィンゴシン−1−ホスフェートのまたはその誘導体よりなる群から選ばれる薬剤、およびその薬剤の薬学的に許容しうる塩を投与することからなる好中球の血管壁への能動性および侵入による炎症を阻害する方法。スフィンゴシン−1−ホスフェートおよびその誘導体を合成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】 スフィンゴシン−1−ホスフェートその誘導体および擬態物による細胞能動性の 阻害方法、並びにスフィンゴシン−1−ホスフェートおよびその誘導体の合成方 法 技術分野 本発明は、哺乳類の細胞能動性(cell motility)に深い効果を 有する化合物、その化合物を使用する方法およびその化合物を化学的に合成する 方法に関する。 背景技術 集合的にスフィンゴシン−1−ホスフェート(SPN−1−P)と称せられる 、スフィンゲニン−およびスフィンゴシン−1−ホスフェートは、スフィンゴシ ン(SPN)キナーゼの生成物として多年にわたって知られてきた。{Stoffel W .,Hoppe-Seyler's Z.Physiol.Chem.,354:562,1973;354:1311(1973);Stoffel W., et al,ibid,355:61(1974);354:169(1973);Louie D.D.,et al,J.Biol.Chem.,251: 4557(1976)}。スフィンゴシン(SPN)キナーゼにより接触される反応は、ス フィンゴイド系崩壊の初期段階と考えられてピリドキサールホスフェート依存リ アーゼ反応によりエタノールアミン−1−ホスフェートおよび長鎖アルデヒド( 例えば、パルミタール)を生じる(図1参照)。SPN−1−PはSPNの初期 の異化代謝生成物として認められてきたが、この化合物の実際の生理的機能はま だ知られていない。 マウス3T3の細胞成長のSPN依存剌激は、タンパク質キナーゼC(PKC )経路に関係がないことが示されてきて{Zhang et al,J.Biol.Chem.,265:76(199 0)}SPN −1−Pの生成に帰せられてきた{Zhang et al,J.Cell Biol.,114:1 55(1991)}。SPN−1−PはCa2+移動に関するイノシトール−1,4,5− トリホスフェートの効果と類似して細胞質Ca2+を高めることがで きる{Ghosh et al,Science,248:1653(1990)}。SPN−1−Pは、特に上皮成長 因子およびインシュリンの存在において、3T3細胞の細胞増殖性効果を引き起 こすことがこれらの初期の研究において想定されたけれども{Zhang et al(1991) }、細胞の中のSPN−1−Pの生理学的な機能的役割に知られていなかった。 他方、SPN−1−Pは化学反応によって合成することが困難である。B.Weis s(J.Am.Chem.Soc.,79:5553(1957)}は、ジヒドロスフィンゴシン−1−P(スフ ィンガニン−1−P)を合成できたが、スフィンゲニン−1−Pを合成できなか った。SPN−1−Pを化学的に合成するこの努力は不成功であったが、多分S PN中の多官能性基の存在のためである。SPN−1−P(主としてD−エリス ロ異性体であるが、少量のL−スレオ異性体を含有する)の調製について唯一の 報告された方法は、ストレプトマイセス クロモフスクス(Streptomyces Chromo fuscus)から単離された、ホスホリパーゼDによるスフィンゴシルホスホコリン の処理による方法である{van Veldhoven P.P., Fogelsong R. J., Bell R.M., J . Lipid Res.,30:611(1989)}。 発明の開示 本発明者等は、SPN−1−Pおよびその誘導体が細胞能動性に影響すること を発見した。細胞能動性は、炎症、i瘍侵入、および転移のようなさまざまな病 理学上の過程を限定する重要なパラメーターである。 したがって、本発明の目的は、悪性腫瘍細胞の転移性を阻害し、細胞能動性を 抑制しそして異常細胞増殖が特徴であるさまざまな障害を治療するための化合物 およびその誘導体を提供することである。 本発明の別の目的は、好中球の能動性による炎症を阻害するための化合物およ びその誘導体を提供することである。 本発明の更に別の目的は、好中球の能動性による炎症および悪性腫瘍細胞の転 移性を阻害する化合物およびその誘導体を製造する方 法を提供することである。 これらのおよび他の目的は、阻害性量のスフィンゴシン−1−ホスフェート、 スフィンゴシン−1−ホスフェートの誘導体およびスフィンゴシン−1−ホスフ ェートまたはその誘導体の擬態物よりなる群から選ばれる薬剤と腫瘍細胞を接触 させることからなる腫瘍細胞の走化能動性を阻害する方法を提供することにより 達成された。 本発明はまた、阻害性量のスフィンゴシン−1−ホスフェート、スフィンゴシ ン−1−ホスフェートの誘導体およびスフィンゴシン−1−ホスフェートまたは その誘導体の擬態物よりなる群から選ばれる薬剤と腫瘍細胞を接触させることか らなる腫瘍細胞の化学的侵入を阻害する方法を提供する。 本発明はまた、食運動性(Phagokinetic)阻害性量のスフィンゴシン−1−ホ スフェート、スフィンゴシン−1−ホスフェートの誘導体、およびスフィンゴシ ン−1−ホスフェートまたはその誘導体の擬態物よりなる群から選ばれる薬剤と 細胞を接触させることからなる好中球および腫瘍細胞の食運動性活性を阻害する 方法を提供する。 本発明はその上、転移を治療することが必要な宿主に阻害性量のスフィンゴシ ン−1−ホスフェート、スフィンゴシン−1−ホスフェートの誘導体およびスフ ィンゴシン−1−ホスフェートまたはその誘導体の擬態物よりなる群から選ばれ る薬剤、並びにその薬剤の薬学的に許容しうる塩を投与することからなる腫瘍細 胞転移を阻害する方法を提供する。 本発明は更に、炎症を治療することを必要とする宿主に阻害性量のスフィンゴ シン−1−ホスフェート、スフィンゴシン−1−ホスフェートの誘導体およびス フィンゴシン−1−ホスフェートまたはその誘導体の擬態物よりなる群から選ば れる薬剤、並びにその薬剤の薬学的に許容しうる塩を投与することからなる好中 球の血管壁への能動性および侵入による炎症を阻害する方法を提供する。 最後に、本発明はNMP分光法により検出されるL−スレオ異性 体を本質に含まないスフィンゴシン−1−ホスフェートおよびその誘導体並びに このスフィンゴシン−1−ホスフェートおよびその誘導体の製造方法を提供する 。 図面の簡単な説明 図1は、スフィンゴリピドの合成および分解の代謝関係を描く。全てのグリコ スフィンゴリピド(Galcerおよびその誘導体を除く)は、UDP−Glcを通し てセラミド(Cer)から合成される、GlcCerを通して合成される。Ce rは脂肪酸およびSPNに分解される(経路1)。SPNはリン酸化によってS PNキナーゼによってSPN−1に分解され(経路2)、それはかわるがわるホ スホエタノールアミンおよびパルミタールに分解される。SPNはメチル基転換 によりジメチルスフィンゴシン(DMS)に転換させることもできる(経路3) 。Cerはホスファチジルコリンからホスホリコリンの転移によりスフィンゴミ エリンヘ転換される。 図2は、SPN−1−PおよびSPN−1−Pのさまざまな合成誘導体の構造 を示す。 図3A〜3Cは、SPN−1−Pおよびそのさまざまな誘導体の化学合成を描 く。 図4Aおよび4Bは、ホスホリパーゼDによってスフィンゴシルホスホコリン から作られたSPN−1−P(図4A)および化学的に合成したSPN−1−P (図4B)の負イオンファブ質量分析スペクトル(マトリックスとしてDMIX )である。 図5A〜Dは、ホスホリパーゼDによってスフィンゴシルホスホコリンから製 造したSPN−1−P(図5Aおよび5B)および化学的に合成したSPN−1 −P(図5Cおよび5D)の1H−NMRスペクトル(500MHz)の一部で ある。スペクトルはメチル−12C−d3−アルコール−d−酢−d3−酸−d8: 2(V/V)にて得た。 図6は、走化性細胞能動性および化学侵入検定のための図式を描 く。 図7は、走化性細胞能動性または化学侵入を検出する検定のための細胞数とト ルイジンブルー光学密度との間の直線関係を示すグラフである。 図8は、トランスウエル(transwell)ポリカーボネート膜上に塗被されるM ATRI−GEL量の選択のための理論的根拠を証明するデータを描くグラフで ある。縦座標は移動する細胞の数(トルイジンブルーの吸光度により定量された )を表わし、横座標は塗被したMATRI−GELの量を表わす。黒丸は20時 間後に定量された移動を表わし、白丸は72時間後に定量された移動を表わす。 20時間の持続期間について、最大移動は1μgのMATRI−GELをくぼみ のフィルター当りに塗被したときに観察され、その結果この量を走化性能動性検 定に使用した。72時間の持続期間については、20μgMATRI−GEL/ くぼみを塗被したとき移動は観測されなかったが、10μg/くぼみでは若干の 移動が生じた。それゆえ、10μgを化学的侵入検定に使用した。 図9は、20時間インキュベーション後1μg/くぼみのMATRI−GEL を塗被したポリカーボネートトランスウエル膜を通り抜けたマウスB16/F1 細胞の走化性能動性を示すグラフである。縦座標は対照に対する移動した細胞数 のパーセントを表わす。横座標は下部小室に添加した状態調節した媒体(CM) 中のSPNまたはSPN誘導体の濃度を表わす。SPN−1−Pはスフィンゴシ ン−1−ホスフェートを表わし、TMSはN,N,N−トリメチルスフィンゴシ ンを表わす。 図10は、70時間インキュベーション後MATRI−GELを10μg/く ぼみ塗被したポリカーボネートトランスウエル膜を通り抜けたB16/F1細胞 の化学侵入を示すグラフである。縦座標、横座標および略語は図9について記述 したものと同じである。 図11A〜Fは、食運動性(Phagokinetic)検定のためのB16/F1細胞の 金ゾルクリアランスパターンを描く。図11D〜Fは、 さまざまな濃度のSPN−1−Pの不在または存在においてきれいにされた領域 を示す。 図11A:SPN−1−PなしのCM中の対照細胞; 図11B:CMプラス1.0μMSPN−1−P; 図11C:CMプラス0.1μMSPN−1−P; 図11D:0μMSPN−1−P; 図11E:0.1μMSPN−1−P; 図11F:1.0μMSPN−1−P。 図12Aおよび12Bは、B16/F1細胞による3H−SPN(図12A) および14C−TMS(図12B)の時間推移捕集を描く。縦座標はB16/F1 細胞により吸収された放射能%を表わし、横座標は時間表示の時間を表わす。 図13A−13Cは、B16/F1細胞に3H−SPNを添加後のさまざまな SPN誘導体の標識の時間推移変化を描く。 図13A:Folchの低相から分離した脂質の薄層クロマトグラフィー(T LC); 図13B:Folchの上相から分離し続いて14C−TMSと共にインキュベ ートし抽出した脂質のTLC 図13C:Folchの上相から分離した脂質のTLC レーン1,0分。レーン2,10分。レーン3,30分。レーン4,1時間。 レーン5,2時間。レーン6,4時間。レーン7,20時間。CERはセラミド を表わし;CMHはセラミドモノヘキソシドを表わし;PEはホスファチジルー エタノールアミンを表わし;SMはスフィンゴミエリンを表わし;TMSはN, N,N−トリメチルスフィンゴシンを表わし;SPNはスフィンゴシンを表わし ;SPN−1−Pはスフィンゴシン−1−ホスフェートを表わし;そしてORG は起源を表わす。 発明の詳細な説明 ここに、SPN−1−Pが食運動性飛跡検定(金ゾル粒子塗被固 相上の)および侵入検定(細胞外間質を塗被したトランスウエルチャンバーを通 り抜ける)により測定される、好中球および腫瘍細胞の細胞能動性を阻害する明 らかな証拠を提供する。SPN−1−Pに関するこの阻害性効果は、SPN、N ,N−ジメチルスフィンゴシン(DMS)、またはN,N,N−トリメチルスフ ィンゴシン(TMS)よりもずっと強いことが示される。更に、DMSおよびT MSとは著しく違って、SPN−1−PはPKCを阻害しない。それゆえ、細胞 能動性に関するSPN−1−Pの効果は、PKC信号送達経路と無関係である。 本発明者等はまた化学合成によりSPN−1−Pおよびその誘導体を製造する 方法を確定した。 したがって、本発明は、一般的に細胞能動性の阻害剤としてのSPN−1−P 、その誘導体、または擬態物の化学合成および使用、並びに両方とも細胞能動性 に非常に依存する腫瘍細胞転移および炎症過程の抑圧におけるそれらの使用を取 扱う。SPN−1−PはSPN、DMSまたはTMSよりも細胞毒性がはるかに 小さく、それゆえSPN、DMS、TMSまたは他のSPN誘導体よりも臨床的 用途にずっと有用であると予想される。 腫瘍細胞の走化性能動性および腫瘍細胞の化学侵入を阻害する方法 本発明は、腫瘍細胞を阻害性量のSPN−1−P、SPN−1−Pの誘導体お よびSPN−1−Pのまたはその誘導体の擬態物よりなる群から選ばれる薬剤と 接触させることからなる腫瘍細胞走化性能動性を阻害する方法を提供する。 その上、本発明は、腫瘍細胞を阻害性量のSPN−1−P、SPN−1−Pの 誘導体およびSPN−1−Pのまたはその誘導体の擬態物よりなる群から選ばれ る薬剤接触させることからなる腫瘍細胞の転移を阻害する方法を提供する。 各方法に使用する薬剤の阻害性量は、以下に記載するトランスウエル板を使用 する検定により容易に決定できる。 一般的な指針として、腫瘍細胞の走化性能動性および化学侵入を阻害するため に十分なSPN−1−Pの阻害性の量は、約10-8M〜約10-7Mである。 走化性細胞能動性および化学侵入を測定するための検定は、ポリカーボネート 膜フィルター(孔の寸法8μm)を有するトランスウエル板(Costar Scientifi c,Cambridge,MA)を使用して行うことができる。SPN−1−Pまたは他の阻害 剤(例えば走化性能動性検定のために20μg/ml、または化学侵入検定のた めに200μg/ml)を含有するMATRI−GEL(Collaborative Resear ch, Bedford,MA)の水溶液のアリコート、例えば50μlを各ウエルに添加して 一夜乾燥させた。フィルターを次いで低部小室板上に装備した。低部小室は状態 調節された媒質(CM)(すなわち、脾間質細胞の培養に使用される媒質、そし てこれらの細胞により分泌された能動性因子を含有する)、例えば0.6mlを 、SPN−1−Pまたは他の阻害剤と共にまたはなしに含有することができる。 上部小室に、例えば約100μlの細胞懸濁液(侵入検定のために5×104細 胞/ml、能動性検定のために5×105細胞/ml)が添加され、そのものは 次いで5%CO2中で37℃にて70〜72時間(侵入検定)または20時間( 能動性検定)インキュベートする。インキュベーション後、上部小室内に残留し ている細胞を消毒綿で拭い取り、フィルターの下部小室側へ移動した細胞をメタ ノール中で30秒間固定し、0.05%トルイジンブルーで着色した。フィルタ ーを除去し、着色物を10%酢酸(例えば、侵入検定のために0.1ml、能動 性検定のために0.5ml)にて可溶化し、色強度(光学密度)を630nmに おけるELISA読みにより定量化する。この手順の図式概要を図6に示す。S PN−1−Pを使用すると、直線関係が細胞数とトルイジンブルー光学密度との 間に観測された(図7)。 腫瘍細胞および好中球の食運動性活性を阻害する方法 本発明はまた、細胞と食運動性の阻害性量のSPN−1−P、SPN−1−P の誘導体およびSPN−1−Pのまたはその誘導体の擬態物よりなる群から選ば れる薬剤とを接触させることからなる腫瘍細胞および好中球の食運動性活性を阻 害する方法を提供する。薬剤の阻害性の量は、以下に記載する金ゾル塗被板検定 のような、この技術分野において知られている検定により容易に決定できる。こ の検定を使用すると、腫瘍細胞に対するSPN−1−Pの食運動性阻害性の量は 約0.1μM〜約1.0μMの範囲に及び、好中球に対するSPN−1−Pの食 運動性阻害性の量は約0.45μM〜約4.5μMの範囲に及ぶ。 食運動性活性は、運動しながら異質の粒子を摂取する細胞の能力により評価さ れる。細胞能動性は先に記載したように金ゾル粒子を塗被した板上の食運動性飛 跡の面積として評価することができる{Albrecht-Buehler, Cell,11:395(1977)} 。金粒子の均一の塗被はウシ血清アルブミンをプレコートしたカバーグラス上に 調製され、カバーグラスは繰返しすすぎ洗いして非接着またはゆるく接着した金 子を除去する。培養物から引き離したできたての好中球または腫瘍細胞を金ゾル 塗被板を入れたペトリ皿中に入れ、2時間(ヒト好中球に対し)または約18時 間(腫瘍細胞に対し)インキュベートした。カバーグラスをリン酸緩衝液入り生 理食塩水(PBS)中の4%ホルムアルデヒドにて1時間固定し、顕微鏡のスラ イドグラス上に据え付けた。食運動性飛跡は光学顕微鏡(ニコン、東京、日本) に接続したテレビジョンによって観測した。テレビジョン上の飛跡を半透明シー ト上に転写し、それを次いで写真複写した。食運動性活性は複写の掃引領域を切 り取り秤量することにより定量化する。 腫瘍細胞の転移を阻害する方法および炎症を阻害する方法 上記の検定は、SPN−1−Pが腫瘍細胞および好中球の能動性に逆に影響す ることを立証する。SPN−1−Pは両方の型の細胞 の能動性に強い阻害性の効果を有することを明らかに証明される。腫瘍細胞侵入 および炎症の過程は、それぞれ腫瘍細胞および好中球の能動性に依存するから、 SPN−1−P、その誘導体およびSPN−1−Pまたはその誘導体の擬態体( mimetope)は腫瘍のおよび炎症過程の抑圧に有用であると期待される。 比較の目的のために、上記の検定に使用した同じ試験細胞を、以下の実施例2 の表4に示すように走化性能動性および化学侵入の両方の意外に優れた阻害を証 明された多数のスフィンゴリピドおよびSPN−1−Pにさらした。 更に、マウスメラノーマB16/F1およびB16/F10細胞、マウスバル ブ/C3T3繊維芽細胞およびヒト腺維肉腫HT1080細胞のMATRI−G EL塗被ポリカーボネートフィルターを通り抜ける走化性能動性に対するSPN −1−Pの阻害性効果を比較した。以下の実施例2の表5に示すように、結果は スフィンゴシン−1−ホスフェートに対するB16/F1およびB16/F10 細胞の感受率が高く、しかるに一方ヒト腺維肉腫HT1080細胞のそれが低い ことを立証する。 また、比較の目的のために、B16/F10メラノーマ細胞を食運動性活性を 測定する検定においてSPNおよびTMSにさらした。以下の実施例3の表6に 示すように、培地に対するSPNまたはTMSの添加は腫瘍細胞によりきれいに される面積を減少させる。しかしながら、特に平均清浄化面積は、SPN−1− Pが1.0のまたはそれどころか0.1μMの濃度で添加されたとき大いに減少 した。 比較の目的のために、ヒト好中球の食運動性活性もまたSPN、TMS、ホス ホエタノールアミン、およびセラミドを使用して定量した。以下の実施例3の表 7に示すように、ヒト好中球の食運動性活性の減少はSPN−1−PおよびTM Sについて最も著しかった。 タンパク質キナーゼC活性およびB16/F1細胞の細胞成長に関するSPN 誘導体の効果もまた研究した。SPN−1−Pは75 μMでさえB16/F1細胞のPKS活性に阻害性の効果を持っていなかったが 、SPNとTMSの両方ともこの濃度で強い阻害性の効果を示した(表1)。T MSおよびSPNはそれぞれ10μMでB16/F1細胞について強いおよび適 度の成長阻害効果を示したが、一方SPN−1−Pはこの濃度で成長阻害効果を 全く示さなかった(表2)。B16/F1細胞およびヒト好中球に対するこれら の化合物の毒性もまた、その化合物と共に1時間インキュベート後トリパンブル ー排除検定を使用して試験したSPN−1−Pは45〜50μMで両方の型の細 胞に対して弱い毒性を示したが、一方SPNはこの濃度で非常に毒性であった( 表3)。 さらに、SPN対TMSの代謝転換および捕集を研究した。3H−標識SPN および14C−標識TMSの両方ともB16/F1細胞中へ迅速に合体した(図1 2Aおよび12B)。しかしながら、SPNだけはSPN−1−Pおよびセラミ ド(Cer)へ迅速に転換した(図13)。これは、細胞をD−PDMPの存在 下に3H−SPNと共にインキュベートするとき、それはCerのGlcCer および他のグリコスフィンゴリピドへの転換を阻害することを明からに証明した 。SPNのスフィンゴシン−1−ホスフェートへの迅速な転換は、Cerへの転 換に先立つSPN−1−Pに対応するバンドの発現により明瞭に示される。SP N−1−Pピークは10分のインキュベーション後に現れたが、一方Cerピー クは1時間インキュベーション後に現れた。対照的に、14C−TMSは細胞によ って迅速に捕集されたが、TMSに対応するバンドはインキュベーション時間に 関係なく不変であった(図13)。これらの発見は、細胞の能動性および侵入に 関する阻害性効果は、SPNのSPN−1−Pへの迅速な転換によることを示唆 する。 したがって、本発明は、治療の必要な宿主に転移阻害性量のSPN−1−P、 SPN−1−Pの誘導体およびSPN−1−Pのまたはその誘導体の擬態物より なる群から選ばれる薬剤、およびそれら の薬学的に許容しうる塩を投与することからなる腫瘍細胞の転移を阻害する方法 を提供する。 本発明はまた、治療の必要な宿主に炎症阻害性量のSPN−1−P、SPN− 1−Pの誘導体およびSPN−1−Pのまたはその誘導体の擬態物よりなる群か ら選ばれる薬剤、およびそれらの薬学的に許容しうる塩を投与することからなる 好中球の能動性による炎症を阻害する方法も提供する。 腫瘍細胞の転移を阻害する方法の特殊用途としては悪性腫瘍の治療が挙げられ る。炎症を阻害する方法は、好中球の血管壁への能動性および侵入によるいかな る炎症にも適用できる。 SPN−1−Pまたは他の阻害剤の阻害性の有効量は、適当な動物モデルの投 薬量応答曲線を確立して人間に外挿法によって推定することによる;例えば、本 明細書中に記載するように適当な試験管内データから外挿法によって推定するこ とによる;または臨床的試験における有効性を決定することによるような、この 技術分野で認められている方法を使用して決定することができる。 本発明に係るSPN−1−Pまたは他の阻害剤の適当な投薬量は、疾病の厳し さ、個体の重量、個体の年齢、循環の半減期などのような、特定の医療の応用に 依存し、熟練者により容易に決定することができる。投薬の回数、1日の投薬量 および治療の進行は個人間で変えてもよい。 SPN−1−Pおよび他の阻害剤は、経口、非経口および局所的のようなさま ざまな方法で投与できる。投与のためにSPN−1−Pおよび他の阻害剤と組合 わせできる適当な薬学的に許容しうる担体、希釈剤また賦形剤は特定の医療的使 用に依存し、熟練者により容易に決定することができる。 担体付きまたは無しのSPN−1−Pまたは他の阻害剤は、錠剤、カプセル、 ばらまたは単位投薬粉末または顆粒のようなさまざまな形を有することができ; リポソームを含有してもよく;または溶液、乳濁液、懸濁液、軟膏、ペースト、 クリーム、ゲル、発泡物または ゼリーに処方してもよい。非経口的投薬の形は、溶液、懸濁液などを包含する。 その上、さまざまなこの技術分野で認められている賦形剤、希釈剤、増量剤な どが投薬の形に包含されることが適当である。そのような補助的成分としては錠 剤分解物質、結合剤、潤滑剤、界面活性剤、乳化剤、緩衝液、湿潤化剤、可溶化 剤および防腐剤が挙げられる。熟練者は、阻害剤および "Goodman & Gilman's, The Pharmaceutical Basis of Therapeutics"(6 Ed.,Goodman et al., MacMill an Publ. Co., NY 1980)のような多数の権威者および文献から捜し求める指針 を含んでなる適当な処方箋を形成することができる。 断続的な細胞成長が特徴であるまたは機能不全のために細胞の成長阻害を必要 とするそして比較的に近づきにくい身体部位において、SPN−1−Pおよび他 の阻害剤は有効な局部的濃厚を確実にする適当な様式で投与することができる。 例えば、阻害剤はある時間にわたって一定量の阻害剤をゆっくり放出する外科的 に位置を定められた挿入管または容器中へ運ばれる蓄積質または補助薬中へ注入 してもよく、または異常な細胞成長を示す位置に結合する能力を持つ認識分子と 錯体形成してもよい。そのような熟考された筋書の例は、骨髄特異抗体がSPN −1−Pまたは他の阻害剤と錯体形成され、その錯体が白血病患者に投与される 骨髄特異性抗原に対し結合特異性を持つ抗体である認識分子である。スフィンゴシン−1−ホスフェートおよびその誘導体の合成 さまざまなスフィンゴシン(SPN)誘導体が図2および図3A、3B、およ び3Cに示すように化学的に合成することができる。これらはスフィンゴシン− 1−ホスフェート(SPN−1−P):化合物1′,N,N−ジメチルスフィン ゴシン−1−ホスフェート{DMS−1−P(2)}、N,N,N−トリメチル スフィンゴシン−1−ホスフェート{TMS−1−P(3)}、N−アセチルお よびN−アシルスフィンゴシン−1−ホスフェート{N−アセチル およびN−アシル−SPN−1−P(4)}、スフィンゴシン−1,3−ジホス フェート{SPN−1,3−ジホスフェート(5)}、スフィンゴシン−3−ホ スフェート{SPN−3−P(6)}、スフィンゴシン−1−チオホスフェート {SPN−1−P(7)}、N,N−ジメチルスフィンゴシン−1−チオホスフ ェート{DMS−1−S−P(8)}、およびN,N,N−トリメチルスフィン ゴシン−1−チオホスフェート{TMS−1−S−P(9)}を包含する。以下 に記載する合成方法はこの技術分野において慣例的であって熟練者によって容易 に実施できる。スフィンゴシン−1−ホスフェート(化合物1)の合成 図3Aは、前もって知られている方法によって合成した保護SPN(1′)か ら出発するSPN−1−P(1)の合成のための新しい手順の概要図である;{G armer P., Park J.M., J. Org. Chem.,52:2361(1987);Herold P., Helvetica Ch imica Acta, 71:354(1988);1988:1103(1988)}。化合物1′において、XはN− tert−ブチルオキシカルボニル(t−BOC)のような保護基である。2− N−X−3−O−ピバロイル−D−エリスロ−SPN(3′)は、例えば乾燥ピ リジン中で塩化ピバロイルによる化合物I′のC−3水酸基のエステル化により 合成され、続いて例えばメタノール(MeOH)中でp−トルエンスルホン酸( p−TsOH)による第一級水酸基の選択的脱保護により化合物2′を得る。例 えば、トリエチルアミンおよびCH2Cl2(CaH2)から蒸留した)の存在下 のオキシ塩化リンによる化合物3′の第1級水酸基のリン酸化、続いて例えばC HCl3中での1NHClによる加水分解は、2−N−X−3−O−ピバロイル −D−エリスロ−SPN−1−P(化合物4′)を生じる。C−3水酸基(例え ば、nButN+OH−〔水性〕/ジオキサンによる)およびアミノ基(例えば 、TFA/CH2Cl2による)の脱保護は、それぞれ所望のSPN−1−P(化 合物1)を得る。この合成生成物は、図4および5に 示す、1H−NMRスペクトル(500MHz)およびマススペクトル(負FA B、マトリックスとしてDMIX)においてスフィンゴシンルホスホコリンから 誘導したものと同一であることを証明できる。NMRスペクトルの小さな相違は 、酵素合成したSPN−1−Pは少量のL−スレオ異性体を含有するが、一方化 学合成したSPN−1−Pはいかなる検出可能な量のL−スレオ異性体も含有し ないという事実を表わす。したがって、本発明に係る化学合成したSPN−1− Pは、NMR分光法により検出されるようなL−スレオ異性体を本質的に含まな い。N,N−ジメチルスフィンゴシン−1−ホスフェート(化合物2)の合成 化合物3′を例えばトリフルオロ酢酸(TFA)およびCHCl2によって処 理して保護部分Xを除去し、次いで例えば酢酸ナトリウム緩衝液中で37%CH2 OおよびNaCNBH3の存在下に還元的メチル化を行い、化合物3aを得る。 化合物3aを次いで例えばトリエチルアミン(Et3N)およびCH2Cl2中でP OCl3でリン酸化し、そして塩素原子を例えばCHCl3中でINHClにより 処理して水酸基で置換して化合物3bを得る。C−3OHのピバロイル基を例え ばジオキサン水中で水酸化テトラブチルアンモニウムにて処理して除去して化合 物2を得る。N,N,N−トリメチルスフィンゴシン−1−ホスフェート(化合物3)の合成 化合物3aをCHCl3中で例えばCH3IおよびNaHCO3で過メチル化し、 続いてDOWEX1×2(Cl-)処理して化合物3bを得る。次に、C−1OH を例えばEt3NおよびCH2Cl2中でPOCl3でリン酸化し、続いて例えば1 NHClおよびCHCl3で処理してOH基によりClを置換する。次に、ピバ ロイル基を例えばジオキサン水中でnBu4-OH-の存在下に処 理して除去して化合物3を得る。スフィンゴシン−1−チオホスフェート(化合物7)の合成 化合物3′をEt3NおよびCH2Cl2中で塩化トシル(TsCl)で処理し 、続いてN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中でチオ酢酸カリウムで処理 して化合物3cを得る。アセチル基をエタノール(EtOH)およびCH2Cl2 でNaBH4で処理して除去する。次に、SH基を例えばEt3NおよびCH2C l2中でPOCl3でリン酸化し、続いてCHCl3中で1NHClで処理して化 合物3dを得る。化合物3dをジオキサン中でnBu4+OH-で処理してC−3 OHのピバロイル基を除去する。次に、Xを例えばCH2Cl2中でTFAにより 除去し化合物7を得る。N,N−ジメチルスフィンゴシン−1−チオホスフェート(化合物8)の合成 化合物3cを例えばCH2Cl2中でTFAで処理して保護基X(例えば、t− BOC)を除去し、還元的メチル化を酢酸塩緩衝液中で37%CH2OおよびN aCNBH3によって行ない、アミノ基をN−ジメチル基で置換して化合物3eを 得る。化合物3eをEtOHおよびCH2Cl2中でNaBH4によって処理し、続 いて例えばEt3NおよびCH2Cl2中でPOCl3によってリン酸化し、CHC l3中で1NHClによって処理して化合物3fを得る。化合物3fを例えばジオ キサン水中でnBu4+OH-によって処理してC−3OHのピバロイル基を除 去して化合物8を得る。N,N,N−トリメチルスフィンゴシン−1−チオホスフェート (化合物9)の 合成 化合物3eを例えばCH3I、NaHCO3およびCHCl3を使用してプルジー 過メチル化により処理し、続いてSOWEX 1×2(Cl-)による処理によ り化合物3gを得る。化合物3gを 例えばNaBH4、EtOHおよびCH2Cl2によって処理してスフィンゴシン の1位置にSH基を作り出した。次に、SH基を例えばEt3NおよびCH2Cl2 中でPOCl3によってリン酸化し、続いて例えば1NHClおよびCHCl3 による処理によってOH基でClを書換し、続いて例えばジオキサン水中でnB u4+OH-で処理してC−3OHのピバロイル基を除去して化合物9を得る。N−アセチルスフィンゴシン−1−ホスフェート(化合物4)の合成 化合物3′を例えばCH2Cl2中でTFAによって処理して保護基X(例えば 、t−BOC)を除去し、次いで例えば50%K2CO3{テトラヒドロフラン( THF)水中の}中でCH3(CH2nCOCl(n=0〜22)によって処理 してアンモニウム基をアセチル化またはアシル化して化合物3iを得る。化合物 3iをEt3NおよびCH2Cl2中でPOCl3によって次いでCHCl3中で1N HClによって処理してC−1OH基をリン酸化して化合物3jを得る。化合物 3jを次いで、例えばジオキサン水中でnBu4+OH-によって処理してC−3 OHのピバロイル基を除去して化合物4を得る。スフィンゴシン−1,3−ジホスフェート(化合物5)の合成 化合物1′を例えばCH3OH中でAMBERLYST15番によって処理し て、化合物3kを得るためにC−1水酸基を選択的に脱保護する。化合物3kを次 いでC−3ヒドロキシルおよびC−1ヒドロキシルにP(SC25)。基を生成 するためにジメチルアニリンおよび酢酸エチル(EtOAc)中で(C25S)2 PClによって処理して化合物3lを得る。化合物3lを次いでC−1OHおよ びC−3OHをリン酸化しそしてアミノ基を脱保護するためにCH3OH中でI2 によって次いでCH2Cl2中でTFAによって処理して化合物5を得る。スフィンゴシン−3−ホスフェート(化合物6)の合成 化合物1′をジメチルアニリンおよびEtOAc中で(C25S)2PClに よって処理してC−3ヒドロキシルにP(SC252基を生成して化合物3mを 得る。化合物3mを次いでC−3ヒドロキシルをリン酸化しそしてC−1OHお よびアミノ基を脱保護するために、例えばジオキサン中でHClによって次いで CH3OH中でI2によって処理して化合物6を得る。 さて、本発明を限定されることを意味しない特定の実施例を参照して説明する 。格別の指定がない限り、全てのパーセント、比率などは体積表示による。 実施例 実施例 1スフィンゴシン−1−ホスフェートの調製 スフィンゴシン−1−ホスフェート(SPN−1−P)を酵素的および化学的 の両方で合成した。 酵素合成は以前に記載されているようにホスホリパーゼDによるスフィンゴシ ルホスホコリンの分解によって達成した{Veldhoven等、J.Lipid Res.,30:611(19 89)}。 図3Aは、以前に知られている手順により調製した保護SPN−1(1′)で 開始するSPN−1−Pの化学合成の手順の概要を示す{Garmer P., Park J.M., J. Org. Chem., 52:2361(1987);Herold P., Helvetica Chimica Acta, 71:354( 1988);Radunz H.E., Devant R.M., Eiermann V., Liebigs Ann. Chem., 1988:11 03(1988)}。この実施例の目的のために、保護されるSPN−1はN−tert −ブチルオキシカルボニル(t−BOC)によって保護した。無色の油として、 化合物2′、0.22g(94%)の合成を25°で4時間の乾燥ピリジン5m l中の塩化ピバロイル(1.0ml、8.1ミリモル)による保護スフィンゴシ ン1′(0.20g、0.46ミリモル)のC−3水酸基のエステル化により達 成 し、それをシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、(1:8V :V))により精製した。25℃で5時間のメタノール10ml中のp−トルエ ンスルホン酸(−100mg)を使用する処理による2′(0.21g、0.4 0ミリモル)のC−1水酸基の選択脱保護で無色の油として2−N−t−BOC −3−O−ピバロイル−D−エリスロ−SPN(3′)、0.135gを得た( シリカゲルクロマトグラフィー、EtOAc/ヘキサン(1:4V:V))。2 5℃で2時間のトリエチルアミン(43μl、0.3ミリモル)およびCH2C l2(CaH2から蒸留した)0.5mlの存在下のオキシ塩化リン(26μl、 0.27ミリモル)による化合物3(14mg、0.029ミリモル)のC−1 水酸基のリン酸化、続いて1NHCl1mlおよびCHCl31mlによる加水 分解(25℃、1.5時間)で12.9mg(80%)の2−N−t−BOC− 3−O−ピバロイル−D−エリスロ−SPN−1−P(化合物4′)を得た(C H2Cl2/CH3OH/AcOH、6:1:0.2、V:V:Vによるシリカゲ ルクロマトグラフィー)。最後に、化合物4′(12.9mg、0.023ミリ モル)のC−3水酸基の脱保護((1)40重量%のnBu4+OH-(水性) 35滴/ジオキサン3ml、4時間、25℃;(2)AMBERLITE IR −120、水)続いてアミノ保護基の除去(50%TFA/CH2Cl2 8ml 、0.5時間、25℃)で白色固体として所望のSPN−1−P(対イオンとし てHOAc)、10mg(77%)を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィ ー(nBuOH/H2O/AcOH、6:1:1、V:V:V)により精製した 。 この合成生成物は、図4および5に示す1H−NMRスペクトル(500MH z)およびマススペクトル(負FAB、マトリックスとしてDMIX)において スフィンゴシルホスホコリンから誘導したものと同一であることが証明された。 図4Aおよび4Bは、ホスホリパーゼDによってスフィンゴシルホスホコリン から製造したSPN−1−P(図4A)および化学合 成したSPN−1−P(図4B)の負イオンのファブ質量分析スペクトル(マト リックスとしてDMIX)を示す。 図5A〜DはホスホリパーゼDによってスフィンゴシルホスホコリンから製造 したSPN−1−P(図5Aおよび5B)および化学合成したSPN−1−P( 図5Cおよび5D)の1H−NMRスペクトル(500MHz)の一部である。 スペクトルはメチル−12C−d3−アルコール−d−酢−d3−酢−d8:2(V :V)中で得た。 NMRスペクトルの小さな相違は、酵素合成したSPN−1−Pは少量のL− スレオ異性体を含有するが、一方化学合成したSPN−1−Pはいかなる検出で きる量のL−スレオ異性体も含有しないことを示す。 実施例 2トランスウエル板を使用する走化性細胞能動性および化学侵入に対する検定 ポリカーボネート膜フィルター(孔の寸法8μm)を有するトランスウエル板 (Costar Scientific, Cambridge,MA)を使用して検定を行なった。20μg/ ml(走化性能動性検定のために)または200μg/ml(化学侵入検定のた めに)含有するMATRI−GEL(Collaborative Research, Bedford,MA)の 水溶液の50μlアリコートを各ウエルに添加し一夜乾燥した。フィルターを低 部小室の板上に装着した。下部小室は嫌疑をかけた阻害剤付きまたは無しの状態 調節した媒質(CM)(すなわち、脾臓間質細胞の培養のために使用した媒質で 、これらの細胞により分泌される能動性因子を含有する)を0.6ml含有して いた。上部小室に100μlの細胞懸濁液(侵入検定のために5×104細胞/ ml、能動性検定のために5×105細胞/ml)を添加し、それらを次いで5 %CO2中で37℃にて70〜72時間(侵入検定)または20時間(能動性検 定)インキュベートした。インキュベート後、上 部小室中に残留する細胞を消毒綿で拭い取り、フィルターの下部小室側へ移動し た細胞をメタノール中で30秒間固定して0.5%トルイジンブルーで着色した 。フィルターを除去し、着色物を10%酢酸(侵入検定のために0.1ml、能 動性検定のために0.5ml)にて可溶性化し、色強度(光学密度)を630n mのELISA読みにより定量化した。この手順の図式的概要を図6に示す。直 線関係が細胞数とトルイジンブルー光学密度との間に観測された(図7)。SPN−1−Pによる走化性細胞能動性の阻害 いろいろな量のMATRI−GELを使用する実験において、トランスウエル フィルターを通り抜ける細胞移動は、1μg/ウエルを適用し、CMを使用する とき最大であった(図8)。それゆえ、さまざまなSPN誘導体により影響され る走化性細胞能動性は、これらの条件下に検定した。 マウスメラノーマB16/F1細胞の走化性能動性に関する結果を図9に示す 。図9において、縦座標は対照に対する移動した細胞数のパーセントを表わし、 横座標は低部小室に添加したCM中のSPNまたはSPN誘導体の濃度を表わす 。結果は、マウスメラノーマB16/F1細胞に関する能動性はSPN−1−P により最も強く、続いてSPNそしてTMSにより阻害されることを立証した。 能動性(すなわちMATRI−GEL塗被フイルターを通り抜ける貫通性)は1 0-7MSPN−1−Pにより100%阻止され、10-8MSPN−1−Pにより 90%阻止された。酵素−および化学−合成したSPN−1−Pの両方とも細胞 の能動性に対して同一投薬依存阻害性効果を示した。より高い濃度(10-5M) のSPNが100%阻止のために必要であった。10-5MTMSは能動性のほん の弱い阻害を生じた。TMSに比べたSPNのより高い有効性は、SPNはSP N−1−Pに転換できるが、一方TMSはリン酸化できないという事実による。化学侵入の阻害 化学侵入を長期のインキュベーション(70時間)の間にMATRI−GEL の厚い層を通り抜けて移動するCM(上記の)中の腫瘍細胞の能力により測定し た。この性質は、ずっと短いインキュベーション期間(20時間)および薄い層 のMATRI−GELを含む走化性細胞能動性と異なる。化学侵入検定のために 、10μgのMATRI−GELをポリカーボネートトランスウエルフィルター に塗布して移動を70時間インキュベーション(図8に示す結果に基づいて)の あとで観測した。 結果を図10に示す。図10において、縦座標は対照に対する移動した細胞数 のパーセントを表わし、横座標は低部小室へ添加したSPNまたはSPN誘導体 (CM中の)の濃度を表わす。これらの結果は、これらの条件下で、B16/F 1細胞の侵入は10-6または10-7MSPN−1−Pにより強く阻害されたが、 一方SPNおよびTMSは効果が弱かったことを示す。SPN−1−P対SPN またはTMSに関する効果の相違は、能動性に関しては言えるほどではなかった 。 B16/F1細胞の走化性細胞能動性および化学侵入に関するさまざまなスフ ィンゴリピドの効果の比較を表4に概説する。さまざまな細胞の能動性に関する SPN−1−Pの効果を表5に示す。SPN−1−Pに対するB16/F1およ びB16/F10の感受率は高かったが、一方ヒト腺維肉腫HT1080細胞の 感受率は低かった。 実施例 3金ゾル塗被板を使用する食運動性検定 細胞能動性を、前記{Albrecht-Buehler,Cell,11:395(1977)}のように、金ゾル 粒子塗被板上の食運動性飛跡の面積として評価した。金粒子の均一なコーティン グをウシ血清アルブミンをプレコートしたカバーグラス上に調製し、カバーグラ スを繰返してすすぎ洗いして非接着性またはゆるく接着している金粒子を除去し た。培地 から分離した作り立ての好中球または腫瘍細胞を金ゾル塗被板が入っているペト リ皿中に入れ、2時間(ヒト好中球に対し)または18時間(腫瘍細胞に対し) インキュベートした。カバーグラスをリン酸塩緩衝生理的食塩水(PBS)中の ホルムアルデヒド4%溶液にて1時間固着し、顕微鏡のスライドガラス上に据え 付けた。食運動性飛跡を光学顕微鏡に接続したテレビジョンによって観測した( ニコン、東京、日本)。テレビジョン上の飛跡を半透明シートに転写し、次いで それを写真複写した。食運動性活性は複写の掃引面積を切り取って秤量すること により定量化した。 SPN−1−Pによる腫瘍細胞の食運動性活性の阻害に関する結果を図11A 〜Fに示す。図11A〜FはB16/F1細胞の金ゾルクリアランスパターンを 示す。図11A:SPN−1−P無しのCM中の対照細胞;図11B:CMプラ ス1.0μMSPN−1−P;図11C:CMプラス0.1μMSPN−1−P ;図11D〜Fは、さまざまな濃度のSPN−1−Pの不在または存在下に清浄 化した面積を示す:図11D、0μMSPN−1−P;図11E、0.1μMS PN−1−P;図11F、1.0μMSPN−1−P。 結果は、培地に対するSPNまたはその誘導体の添加が腫瘍細胞により清浄に される面積を減少することを示した。特に、SPN−1−Pを1.0またはそれ どころか0.1μMの濃度で添加したとき、平均清浄化面積を大きく減少させた 。B16/F10の食運動性活性に対するさまざまなSPN誘導体の効果の比較 を表6に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ルアン,フーギャン アメリカ合衆国 ワシントン、シアトル、 ウエスト、エリオット・アヴェニュー 201 ザ・バイオメンブレイン・インステ ィテュート (72)発明者 サダヒラ,ヨシト アメリカ合衆国 ワシントン、シアトル、 ウエスト、エリオット・アヴェニュー 201 ザ・バイオメンブレイン・インステ ィテュート (72)発明者 カワ,シゲユキ アメリカ合衆国 ワシントン、シアトル、 ウエスト、エリオット・アヴェニュー 201 ザ・バイオメンブレイン・インステ ィテュート (72)発明者 ハコモリ,セン−イチロー アメリカ合衆国 ワシントン、シアトル、 ウエスト、エリオット・アヴェニュー 201 ザ・バイオメンブレイン・インステ ィテュート

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 腫瘍細胞と阻害性量のスフィンゴシン−1−ホスフェート、スフィンゴ シン−1−ホスフェートの誘導体および前記スフィンゴシン−1−ホスフェート のまたは前記誘導体の擬態物よりなる群から選ばれる薬剤とを接触させることを 特徴とする腫瘍細胞の走化性能動性を阻害する方法。 2. 薬剤がスフィンゴシン−1−ホスフェートである、請求の範囲第1項に 記載の方法。 3. スフィンゴシン−1−ホスフェートの誘導体がN,N−ジメチルスフィ ンゴシン−1−ホスフェート、N,N,N−トリメチルスフィンゴシン−1−ホ スフェート、N−アセチルスフィンゴシン−1−ホスフェート、N−アシルスフ ィンゴシン−1−ホスフェート、スフィンゴシン−1,3−ホスフェート、スフ ィンゴシン−3−ホスフェート、スフィンゴシン−1−チオホスフェート、N, N−ジメチルスフィンゴシン−1−チオホスフェートおよびN,N,N−トリメ チルスフィンゴシン−1−チオホスフェートよりなる群から選ばれる、請求の範 囲第1項に記載の方法。 4. 薬剤がスフィンゴシン−1−ホスフェートの擬態物である、請求の範囲 第1項に記載の方法。 5. 腫瘍細胞と阻害性量のスフィンゴシン−1−ホスフェート、スフィンゴ シン−1−ホスフェートの誘導体、および前記スフィンゴシン−1−ホスフェー トのまたは前記誘導体の擬態物よりなる群から選ばれる薬剤とを接触させること を特徴とする腫瘍細胞の化学侵入を阻害する方法。 6. 薬剤がスフィンゴシン−1−ホスフェートである、請求の範囲第5項に 記載の方法。 7. スフィンゴシン−1−ホスフェートの誘導体が、N,N−ジメチルスフ ィンゴシン−1−ホスフェート、N,N,N−トリメチルスフィンゴシン−1− ホスフェート、N−アセチルスフィンゴ シン−1−ホスフェート、N−アシルスフィンゴシン−1−ホスフェート、スフ ィンゴシン−1,3−ホスフェート、スフィンゴシン−3−ホスフェート、スフ ィンゴシン−1−チオホスフェート、N,N−ジメチルスフィンゴシン−1−チ オホスフェートおよびN,N,N−トリメチルスフィンゴシン−1−チオホスフ ェートよりなる群から選ばれる、請求の範囲第5項に記載の方法。 8. 薬剤がスフィンゴシン−1−ホスフェートの擬態物である、請求の範囲 第5項に記載の方法。 9. 細胞と食運動性阻害性量のスフィンゴシン−1−ホスフェート、スフィ ンゴシン−1−ホスフェートの誘導体、および前記スフィンゴシン−1−ホスフ ェートのまたは前記誘導体の擬態物よりなる群から選ばれる薬剤とを接触させる ことを特徴とする腫瘍細胞および好中球の食運動性活性を阻害する方法。 10. 薬剤がスフィンゴシン−1−ホスフェートである、請求の範囲第9記載 の方法。 11. スフィンゴシン−1−ホスフェートの誘導体が、N,N−ジメチルスフ ィンゴシン−1−ホスフェート、N,N,N−トリメチルスフィンゴシン−1− ホスフェート、N−アセチルスフィンゴシン−1−ホスフェート、N−アシルス フィンゴシン−1−ホスフェート、スフィンゴシン−1,3−ホスフェート、ス フィンゴシン−3−ホスフェート、スフィンゴシン−1−チオホスフェート、N ,N−ジメチルスフィンゴシン−1−チオホスフェートおよびN,N,N−トリ メチルスフィンゴシン−1−チオホスフェートよりなる群から選ばれる、請求の 範囲第9項に記載の方法。 12. 薬剤がスフィンゴシン−1−ホスフェートの擬態物である、請求の範囲 第9項に記載の方法。 13. 転移の治療の必要な宿主に転移阻害性量のスフィンゴシン−1−ホスフ ェート、スフィンゴシン−1−ホスフェートの誘導体、前記スフィンゴシン−1 −ホスフェートのまたは前記誘導体の擬態物よりなる群から選ばれた薬剤、およ び前記薬剤の薬学的に許容し うる塩を投与することを特徴とする腫瘍細胞の転移を阻害する方法。 14. 薬剤がスフィンゴシン−1−ホスフェートの擬態物である、請求の範囲 第13項に記載の方法。 15. スフィンゴシン−1−ホスフェートの誘導体が、N,N−ジメチルスフ ィンゴシン−1−ホスフェート、N,N,N−トリメチルスフィンゴシン−1− ホスフェート、N−アセチルスフィンゴシン−1−ホスフェート、N−アシルス フィンゴシン−1−ホスフェート、スフィンゴシン−1,3−ホスフェート、ス フィンゴシン−3−ホスフェート、スフィンゴシン−1−チオホスフェート、N ,N−ジメチルスフィンゴシン−1−チオホスフェートおよびN,N,N−トリ メチルスフィンゴシン−1−チオホスフェートよりなる群から選ばれる、請求の 範囲第13項に記載の方法。 16. 薬剤がスフィンゴシン−1−ホスフェートの擬態物である、請求の範囲 第13項に記載の方法。 17. 治療の必要な宿主に炎症阻害性量のスフィンゴシン−1−ホスフェート 、スフィンゴシン−1−ホスフェートの誘導体、および前記スフィンゴシン−1 −ホスフェートのまたは前記誘導体の擬態物よりなる群から選ばれる薬剤、およ び前記薬剤の薬学的に許容しうる塩を投与することを特徴とする好中球の血管壁 中への能動性および侵入による炎症を阻害する方法。 18. 薬剤がスフィンゴシン−1−ホスフェートである、請求の範囲第17項 に記載の方法。 19. スフィンゴシン−1−ホスフェートの誘導体が、N,N−ジメチルスフ ィンゴシン−1−ホスフェート、N,N,N−トリメチルスフィンゴシン−1− ホスフェート、N−アセチルスフィンゴシン−1−ホスフェート、N−アシルス フィンゴシン−1−ホスフェート、スフィンゴシン−1,3−ホスフェート、ス フィンゴシン−3−ホスフェート、スフィンゴシン−1−チオホスフェート、N ,N−ジメチルスフィンゴシン−1−チオホスフェートおよびN,N,N−トリ メチルスフィンゴシン−1−チオホスフェートよりなる群 から選ばれる、請求の範囲第17項に記載の方法。 20. 薬剤がスフィンゴシン−1−ホスフェートの擬態物である、請求の範囲 第17項に記載の方法。 21. L−スレオ異性体を本質的に含まないスフィンゴシン−1−ホスフェー ト。 22. スフィンゴシン−1−ホスフェートを化学合成することを特徴とするL −スレオ異性体を本質的に含まないスフィンゴシン−1−ホスフェートを調製す る方法。 23. 次の工程: (A) 化合物1′のC−3水酸基をエステル化して化合物2′を得る工程 式中、Xは工程(B)において生成されるアミノ基を保護する基を表わす。 (B) 前記化合物2′のC−1水酸基を選択的に脱保護して化合物3′を得る工程 (C) 前記化合物3′のC−1水酸基をリン酸化し、続いて加水分解して化合物4 ′を得る工程 (D) 前記化合物4′のC−3水酸基およびアミノ基をそれぞれ脱保護して、前記 スフィンゴシン−1−ホスフェートである化合物1を得る工程 を含んでなることを特徴とするスフィンゴシン−1−ホスフェートを化学合成す る方法。 24. 前記の工程において、 (1) XがN−tert−ブチルオキシカルボニルを表わし; (2) 前記エステル化工程(A)乾燥ピリジン中で塩化ピバロイルによって前記化合 物1′を処理することからなり; (3) 前記脱保護工程(B)メタノール中でp−トルエンスルホン酸によって前記化 合物2′を処理することからなり; (4) 前記リン酸化および加水分解工程(C)が: (a) トリエチルアミンおよびCH2Cl2の存在下にオキシ塩化リン、次いで (b) CHCl3中で1NHCl によって前記化合物3′を処理することからなり;そして (5) 前記脱保護工程(D)が: (a) ジオキサン、AMBERLITEIR−120、水の中で水酸化テトラ ブチルアンモニウム、次いで (b) トリフルオロ酢酸およびCH2Cl2 によって前記化合物4′を処理することからなる、請求の範囲第23項に記載の 方法。 25. 次の工程: (A) 化合物1′のC−3水酸基をエステル化して化合物2′を得る工程 式中、Xは工程(B)において生成されたアミノ基を保護する基を表わす。 (B) 前記化合物2′のC−1水酸基を選択的に脱保護して化合物3′を得る工 程 (C) 前記化合物3′から保護基Xを除去し、次いで生成物を還元的メチル化に 付して化合物3aを得る工程 (D) 前記化合物3aのC−1水酸基をリン酸化し、続いて加水分解して化合物3b を得る工程 (E) C−3水酸基を脱保護して、N,N−ジメチルスフィンゴシン1−ホスフ ェートである化合物2を得る工程 を含んでなることを特徴とするN,N−ジメチルスフィンゴシン−1−ホスフェ ートを化学合成する方法。 26. 前記工程において、 (1) XがN−tert−ブチルオキシカルボニルを表わし; (2) 前記エステル化工程(A)が乾燥ピリジン中で塩化ピバロイルによって前記化 合物1′を処理することからなり; (3) 前記脱保護工程(B)がメタノール中でp−トルエンスルホン酸によって前記 化合物2′を処理することからなり; (4) 前記除去および還元的メチル化工程(C)が: (a) CH2Cl2中でトリフルオロ酢酸、次いで (b) 酢酸ナトリウム緩衝液中で37%CH2OおよびNaCNBH3によって 前記化合物3′を処理することからなり; (5) 前記リン酸化および加水分解工程(D)が: (a) トリエタノールアミンおよびCH2Cl2の存在下にオキシ塩化リン、次 いで (b) CHCl2中で1NHCl で前記化合物3aを処理することからなり;そして (6) 前記脱保護工程(E)がジオキサン水中で水酸化テトラブチルアンモニウムに よって前記化合物3bを処理することからなる、請求の範囲第25項に記載の方 法。 27. 次の工程: (A) 化合物1′のC−3水酸基をエステル化して化合物2′を得る工程 式中、Xは工程(B)において生成されたアミノ基を保護する基を表わし、 (B) 前記化合物のC−1水酸基を選択的に脱保護して化合物3′を得る工程 (C) 前記化合物3′から脱保護基Xを除去し、次いで生成物を還元的メチル化 に付して化合物3aを得る工程 (D) 前記化合物3aを過メチル化し、続いて塩基性アニオン交換樹脂によって処 理して化合物3bを得る工程 (E) 前記化合物3bの第一級水酸基をリン酸化し、次いでC−3ヒドロキシルを 脱保護して、N,N,N−トリメチルスフィンゴシン−1−ホスフェートである 化合物3を得る工程 を含んでなることを特徴とするN,N,N−トリメチルスフィンゴシン−1−ホ スフェートを化学合成する方法。 28. 前記工程において、 (1) XがN−tert−ブチルオキシカルボニルを表わし; (2) 前記エステル化工程(A)が乾燥ピリジン中で塩化ピバロイルによって前記化 合物1′を処理することからなり; (3) 前記脱保護工程(B)がメタノール中でp−トルエンスルホン酸によって前記 化合物2′を処理することからなり; (4) 前記除去および還元的メチル化工程(C)が: (a) CH2Cl2中でトリフルオロ酢酸、次いで (b) 酢酸ナトリウム緩衝液中で37%CH2OおよびNaCNBH3 によって化合物3′を処理することからなり; (5) 前記過メチル化工程(D)が: (a) NaHCO3およびCHCl3中でCH3 I、次いで (b) DOWEX 1×2(Cl-) によって前記化合物3aを処理することからなり、そして (6) 前記リン酸化、加水分解、および脱保護工程(E)Gが: (a) トリエチルアミンおよびCH2Cl2中でPOCl3、次いで (b) 1NHClおよびCHCl3、次いで (c) ジオキサン水中で水酸化テトラブチルアンモニウム によって前記化合物3bを処理することからなる、請求の範囲第27項に記載の 方法。 29. 次の工程: (A) 化合物1′のC−3水酸基をエステル化して化合物2′を得る工程 式中、Xは工程(B)において生成されるアミノ基を保護する基を表わし、 (B) 前記化合物2′の第一級水酸基を選択的に脱保護して化合物3′を得る工 程 (C) 前記化合物3′のC−1水酸基を−SCO(CH3)で置換して化合物3c を得る工程 (D) 前記化合物3cのチオール基をリン酸化して化合物3dを得る工程 (E) 前記化合物3dのC−3水酸基およびアミノ基をそれぞれ脱保護し、スフィ ンゴシン−1−チオホスフェートである化合物7を得る工程 を含んでなることを特徴とするスフィンゴシン−1−チオホスフェートを化学 合成する方法。 30. 前記工程において、 (1) XがN−tert−ブチルオキシカルボニルを表わし; (2) 前記エステル化工程(A)が乾燥ピリジン中で塩化ピバロイルによって前記化 合物1′を処理することからなり; (3) 前記脱保護工程(B)がメタノール中でp−トルエンスルホン酸によって前記 化合物2′を処理することからなり; (4) 前記置換工程(C)が: (a) トリエチルアミンおよびCH2Cl2中で塩化トシル、次いで (b) ジメチルホルムアミド中でチオ酢酸カリウムの添加 によって前記化合物3′を処理することからなり; (5) 前記リン酸化工程(D)が: (a) エタノールおよびCH2Cl2中でNaBH4、次いで (b) トリエチルアミンおよびCH2Cl2中でPOCl3、次いで (c) 1NHClおよびCHCl によって前記化合物3cを処理することからなり、および (6) 前記脱保護工程(E)が (a) ジオキサン中で水酸化テトラブチルアンモニウム、次いで (b) CH2Cl2中でトリフルオロ酢酸 によって前記化合物3dを処理することからなる、請求の範囲第29項に記載の 方法。 31. 次の工程: (A) 化合物1′のC−3水酸基をエステル化して化合物2′を得る工程 式中、Xは工程(B)において生成されたアミノ基を保護する基を表わす。 (B) 前記化合物2′のC−1水酸基を選択的に脱保護して化合物3′を得る工 程 (C) 前記化合物3′のC−1水酸基を−SCO(CH3)によって置換して化合 物3cを得る工程 (D) 前記化合物3cからなる保護基Xを除去し、次いで生成物を還元的メチル化 に付して化合物3eを得る工程 (E) 前記化合物3eのチオール基をリン酸化して化合物3fを得る工程 (F) C−3水酸基を脱保護して、N,N−ジメチルスフィンゴシン−1−チオ ホスフェートである化合物8を得る工程 を含んでなることを特徴とするN,N−ジメチルスフィンゴシン−1−チオホ スフェートを化学合成する方法。 32. 前記工程において: (1) XがN−tert−ブチルオキシカルボニルを表わし; (2) 前記エステル化工程(A)が乾燥ピリジン中で塩化ピバロイルによって前記化 合物1′を処理することからなり; (3) 前記脱保護工程(B)がメタノール中でp−トルエンスルホン酸によって前記 化合物2′を処理することからなり; (4) 前記置換工程(C)が: (a) トリエチルアミンおよびCH2Cl2中で塩化トシル、次いで (b) ジメチルホルムアミド中でチオ酢酸カリウムの添加 によって前記化合物3′を処理することからなり; (5) 前記除去および還元的メチル化工程(D)が: (a) CH2Cl2中でトリフルオロ酢酸、次いで (b) 酢酸ナトリウム緩衝液中で37%CH2OおよびNaCNBH3によって 前記化合物3cを処理することからなり; (6) 前記リン酸化工程(E)が: (a) エタノールおよびCH2Cl2中でNaBH4、次いで (b) エタノールおよびCH2Cl2中でPOCl3、次いで (c) CHCl3中でHCl によって前記化合物3cを処理することからなり、および (7) 前記脱保護工程(F)がジオキサン水中で水酸化テトラブチルアンモニウムに よって前記化合物3fを処理することからなる、請求の範囲第31項に記載の方 法。 33.次の工程: (A) 化合物1′のC−3水酸基をエステル化して化合物2′を得る工程 式中、Xは工程(B)において生成されたアミノ基を保護する基を表わし、 (B) 前記化合物2′のC−1水酸基を選択的に脱保護して化合物3′を得る工 程 (C) 前記化合物3′のC−1水酸基を−SCO(CH3)によって置換して化合 物3cを得る工程 (D) 化合物3cから保護基を除去し、次いで生成物を還元的メチル 化に付して化合物3cを得る工程 (E) 前記化合物3eを過メチル化し、続いて塩基性アニオン交換樹脂によって処 理して化合物3gを得る工程 (F) 前記化合物3gのチオール基をリン酸化し、次いでC−3水酸基を脱保護し て、N,N,N−トリメチルスフィンゴシン−1−チオホスフェートである化合 物9を得る工程 を含んでなることを特徴とするN,N,N−トリメチルスフィンゴシン−1− チオホスフェートを化学合成する方法。 34. 前記工程において: (1) XがN−tert−ブチルオキシカルボニルを表わし; (2) 前記エステル化工程(A)が乾燥ピリジン中で塩化ピバロイルによって前記化 合物1′を処理することからなり; (3) 前記脱保護工程(B)がメタノール中でp−トルエンスルホン酸によって前記 化合物2′を処理することからなり; (4) 前記置換工程(C)が: (a) トリメチルアミンおよびCH2Cl2中で塩化トシル、次いで (b) ジメチルホルムアミド中でチオ酢酸カリウムの添加 によって前記化合物3′を処理することからなり; (5) 前記除去および還元的メチル化工程(D)が: (a) CH2Cl2中でトリフルオロ酢酸、次いで (b) 酢酸ナトリウム緩衝液中で37%CH2OおよびNaCNBH3 によって前記化合物3cを処理することからなり、 (6) 前記過メチル化および処理工程(E)が: (a) CH3 I、NaHCO3、およびCHCl3、次いで (b) DOWEX 1×2(Cl-) で前記化合物3eを処理することからなり;そして (7) 前記リン酸化および脱保護工程(F)が: (a) NaBH4、エタノールおよびCH2Cl2、次いで (b) トリメチルアミンおよびCH2Cl3中でPOCl3、次いで (c) 1NHClおよびCHCl3、次いで (d) ジオキサン水中で水酸化テトラブチルアンモニウムによって前記化合物 3gを処理することからなる、請求の範囲第33項に記載の方法。 35. 次の工程: (A) 化合物1′のC−3水酸基をエステル化して化合物2′を得る工程 式中、Xは工程(B)において生成されたアミノ基を保護する基を表わす、 (B) 前記化合物2′のC−1水酸基を選択的に脱保護して化合物3′を得る工 程 (C) 保護基Xを除去し、次いで非保護アミノ基をアシル化またはアセチル化し て化合物3iを得る工程 式中、Acはアシルまたはアセチルを表わし、 (D) 前記化合物3iのC−1水酸基をリン酸化し、続いて加水分解して化合物3i を得る工程 (E) C−3水酸基を脱保護して、N−アシルまたはN−アセチルスフィンゴシ ン−1−ホスフェートである化合物4を得る工程 を含んでなることを特徴とするN−アシルおよびN−アセチルスフィンゴシン −1−ホスフェートを化学合成する方法。 36. 前記工程において: (1) XがN−tert−ブチルオキシカルボニルを表わし; (2) 前記エステル化工程(A)が乾燥ピリジン中で塩化ピバロイルによって前記化 合物1′を処理することからなり; (3) 前記脱保護工程(B)がメタノール中でp−トルエンスルホン酸によって前記 化合物2′を処理することからなり; (4) 前記除去およびアシル化またはアセチル化工程(C)が: (a) CH2Cl2中でトリフルオロ酢酸、次いで (b) 55%K2CO3テトラヒドロフラン水中で、nが0〜22を表わすCH3 (CH2nCOCl によって前記化合物3′を処理することからなり; (5) 前記リン酸化および加水分解工程(D)が: (a) トリエチルアミンおよびCH2Cl2の存在下にオキシ塩化リン、次いで (b) CHCl3中で1NHCl で前記化合物3iを処理することからなり、そして (6) 前記脱保護工程(E)がジオキサン中で水酸化テトラブチルアンモニウムによ って前記化合物3jを処理することからなる、請求の範囲第35記載の方法。 37. 下記の工程: (A) 化合物1′のC−1水酸基を選択的に脱保護して化合物3kを得る工程 式中、Xはアミノ基を保護する基を表わし、 (B) 前記化合物2′のC−3水酸基およびC−1水酸基にジチオリン酸チオリ ン酸ジエチルを生成して化合物3lを得る工程 (C) 前記化合物3lを酸化し、続いてアミノ基を脱保護して、スフィンゴシン− 1、3−ジホスフェートである化合物5を得る工程 を含んでなることを特徴とするスフィンゴシン−1,3−ジホスフェートを化 学合成する方法。 38. 前記工程において: (1) XがN−tert−ブチルオキシカルボニルを表わし; (2) 前記脱保護工程(A)がCH3OH中でAMBERLYST 15によって前 記化合物1′を処理することからなり; (3) 前記工程(B)がジメチルアニリンおよび酢酸エチル中で(C25 S)2PClによって前記化合物3kを処理することからなり; そして (4) 前記酸化および脱保護工程(C)が: (a) CH3OH中でI、次いで (b) CH3Cl2中でトリフルオロアセテート によって前記化合物3′を処理することからなる、請求の範囲第37記載の方法 。 39. 次の工程: (A) 化合物1′のC−3水酸基にジチオリン酸ジエチルを生成して化合物3mを 得る工程 式中、Xは工程(B)において生成されたアミノ基を保護する基を表わし、およ び (B) 前記化合物3mのC−3水酸基を酸化し、続いてアミノ基を脱保護して、ス フィンゴシン−3−ホスフェートである化合物6を得る工程 を含んでなることを特徴とするスフィンゴシン−3−ホスフェトを化学合成する 方法。 40. 前記工程において: (1) XがN−tert−ブチルオキシカルボニルを表わし; (2) 前記工程(A)がジメチルアニリンおよび酢酸エチル中で(C25S)2PC lによって前記化合物1′を処理することからなり; そして、 (3) 前記酸化および脱保護工程(B)が: (a) HClおよびジオキサン、次いで (b) CH3OH中でI2 によって前記化合物3mを処理することからなる、請求の範囲第39記載の方法 。 41. 請求の範囲第23項または第24項に記載の方法により製造されたスフ ィンゴシン−1−ホスフェート。 42. 請求の範囲第25項または第26項に記載の方法により製造されたN, N−ジメチルスフィンゴシン−1−ホスフェート。 43. 請求の範囲第27項または第28項に記載の方法により製造されたN, N,N−トリメチルスフィンゴシン−1−ホスフェト。 44. 請求の範囲第29項または第30項に記載の方法により製造されたスフ ィンゴシン−1−チオホスフェート。 45. 請求の範囲第31項または第32項に記載の方法により製造されたN, N−ジメチルスフィンゴシン−1−チオホスフェート。 46. 請求の範囲第33項または第34項記載の方法により製造されたN,N ,N−トリメチルスフィンゴシン−1−チオホスフェート。 47. 請求の範囲第35項または第36項に記載の方法により製造されたN− アシルおよびN−アセチルスフィンゴシン−1−チオホスフェート。 48. 請求の範囲第37項または第38項に記載の方法により製 造されたスフィンゴシン−1,3−ジホスフェート。 49. 請求の範囲第39項または第40項に記載の方法により製造されたスフ ィンゴシン−3−ホスフェート。
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