JP2001515916A - 悪性および伝染性疾患の治療用にニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドならびにその類似物を用いる治療法 - Google Patents

悪性および伝染性疾患の治療用にニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドならびにその類似物を用いる治療法

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JP2001515916A JP2000510756A JP2000510756A JP2001515916A JP 2001515916 A JP2001515916 A JP 2001515916A JP 2000510756 A JP2000510756 A JP 2000510756A JP 2000510756 A JP2000510756 A JP 2000510756A JP 2001515916 A JP2001515916 A JP 2001515916A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、腫瘍細胞または微生物を殺す治療法であって、一定量のニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドならびにその類似物を用いて、該細胞または微生物に対する栄養遺伝子毒性を増加させることによって、腫瘍細胞または微生物を収縮させる作用をさせることを特徴とする治療法を提案するものである。さらに、被術者の腫瘍細胞または微生物を殺す治療法であって、一定量のニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドならびにその類似物を投与することによって、該細胞または微生物に対する栄養遺伝子毒性を増加させることを特徴とする治療法を提案するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【この発明の背景】
ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD)およびニコチンアミド
・アデニン・ジヌクレオチドリン酸1(NADP)は、細胞において自然発生的
エネルギー源となる。これらは酵素反応の多くにとって重要なファクターとなる
。これらはまた、NAD(P)となり、これらの生成物を触媒的に分解して、ニ
コチンアミド、ADP−リボ核酸またはADP−リボ核酸リン酸塩にする。
【0002】 さらに、NADはまた、ポリ(ADPリボ核酸)重合酵素の基質でもあり、モ
ノADPリボ核酸)転移酵素でもある。これらは、DNA治療、アポプトシス(
apoptosis)、細胞分裂および信号形質導入において重要なものである
(Althause & Richter, ADP−ribosylatio
n of Proteins: Enzymology and Biolog
ical Significance, Springer−Verlag,
Berlin,1987; Satoh et al., Biochemis
try 33: 7099−7106,1994;Kaufman et al
.,Cancer Research 53:3976−3985,1993;
Lindahl et al.,TIBS 20:405−411,1995;
Gilman AG,Cell 36: 577−579, 1984; Le
e and Iglewski, Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 81:2703−2707,1984)。
【0003】 細胞内におけるNAD(P)酵素の有用な機能について全く知られていなかっ
た。NAD酵素はまた、ADP−リボ核酸環状酵素および環状ADP−リボ核酸
加水分解酵素としての作用も有する(Galion and White, T
rends in Cell Biol. 4:431−436,1994;
Lee et al, Biochemie 77: 345−355,199
5)。
【0004】 これらの酵素は、海ハリネズミの卵に関して、初めて開示され、これらが精製
された(Rusinsko and Lee, J.Biol. Chem.2
64:11725−11731,1989; Lee and Aarhus,
Cell Regul.2: 203−209,1991; Hellmich
and Stumwasser,Cell Regul 2:193−203
,1991)また分離もされた(Glick et al.,Cell Reg
ul 2: 211−218,1991)。NADの加水分解特性はアデノシン
二リン酸(ADP)−リボ核酸を合成することと結びついている(cADPR)
(Lee et al., J.Biol. Chem.264:1608−1
615, 1989)。このことにより、Ca2+の放出で誘導される、二次的
メッセンジャー機能が内在することが、示唆された(Galione and
White, Trends in Cell Biol. 4:431−43
6,1994; Lee et al.,Biochemie 77:345−
355,1995)。
【0005】 これら酵素の内のいくつかは、ふたつの機能を併せ持つ。ADP−リボ核酸環
状酵素の作用と、cADPR加水分解酵素作用を兼ね備え、従って、cADPR
合成、ADP−リボ核酸に対するcADPR加水分解ができる(Kim et
al.,Science 261;1330−1333,1993,Lee e
t al.,Biochemie 77:345−355,1995;Gali
one and White, Trends in Cell Biol.
4:431−436,1994)。これらふたつの機能を併せ持つ酵素の1例は
、CD38細胞外酵素で、哺乳動物のB−およびT−リンパ球、ならびに骨髄細
胞内に存在する(Lund et al.,Immunol.Today 16
:469−473,1995)。
【0006】 CD38受容体は、B細胞の増殖制御中に、Ca2+の放出を通じて、その存
在が明らかにされた(Howard et al., Science 262
:1056−1059,1993; Kumagai et al.,J. E
xp. Med. 181:1101−1110,1995)。初期には、網膜
酸で処理して誘導された、NAD酵素が同細胞中で、NAD酵素とCD38環状
酵素が強い結合性を持つことが示唆された。
【0007】 NAD酵素/シクラーゼは、細胞質外層に位置する細胞酵素である。従って、
細胞にNADまたは、NADPが供給されると、次ぎのような作用をする。(1
)環状ADP−リボ核酸を生成するときの基質として、Ca2+のバランスを崩
し、細胞毒性を誘導する。(2)ニコチンアミド生成の分解代謝源として、腫瘍
内の血液流量を増加させる。
【0008】 アポプトチック細胞毒性および血液流量増加は、両方とも文献に良く登場する
メカニズムであって、放射線照射、化学療法の感度向上作用をする(Pero
et al,Cancer Det.Prevent.22(3):225−2
36,1998; Horsman,Acta oncologica 34:
571−587、1995)。NADおよびNADPは、新規性のある抗腫瘍薬
である。何故なら、これらは、代謝機能のプロドラッグとして、2つの重要なメ
カニズムを併せ持つからである。
【0009】 さらにここで開示することは、CD38のような環状ADP−リボ核酸が、N
ADの所望の薬理学的効果を説明する、重要な代謝サイトだということである。
従って、NADおよびNADPの前駆物あるいは生成物は、シクラーゼと相互作
用し、本発明にとって適切である。
【0010】 例をあげると、制限的ではないが、NADP、NADH、NADPH、ADP
−リボ核酸、3’−デオキシ ADP−リボ核酸、2’および3’− デオキシ
NAD、3’− デオキシNADP、2’および3’− デオキシADP−リボ
核酸その他のNAD変性物であって、ADP−環状酵素、NAD酵素その他の化
合物で、基質として機能できるものなどが該当する(Gailone and
White,Trends in Cell Biology 4:431−4
36,1994;Ashamu et al,Biochemistry 36
:9509−9517)。さらに、ADP−リボ核酸シクラーゼに対する親和性
結合助剤(NAD酵素)である3−アセチル・ピリジン・アデニン・ジヌクレオ
チド、ベンツアミド、3−アミノベンツアミドなども該当する(Olsson
et al,Biochem. Pharmacol.45:1191−120
0,1993)。
【0011】
【この発明の要点】
この発明では、以下の薬品を用いる治療法を開示する。NADおよびNADP
あるいは、それらの前駆物、生成物、競争的な置換基等の薬品であって、ADP
環状酵素およびADP−リボ核酸環状酵素の抑制剤と反応/中和したり、細胞内
カルシウムのバランスを崩したりする一方で、腫瘍、微生物、正常細胞中の栄養
遺伝子毒性を誘導したり、アポプトシス(apoptosis)を抑制したりす
る薬品。
【0012】 この点に関しては、例えば、高い増殖能力をもつ腫瘍細胞は、細胞分裂あるい
は、偶発的なアポプトチック(apoptotic)の通路に押し込まれる。正
常な身体組織の大部分は、細胞分裂を行なっていないので、正常細胞よりも腫瘍
細胞を殺す治療効果の方が上回ることが理解される。効果的な治療法は、腫瘍を
持つ患者に適切な経路で、次のようなステップで薬を投与することである。NA
DまたはNADPを、環状ADP−リボ核酸を上昇させるのに充分な量を投与し
、カルシウムのバランスを崩し、アポプトチック細胞毒性を誘導し、その結果増
殖中の腫瘍細胞が成長を抑制される。
【0013】 別の特徴として、この発明は次ぎのことを示唆する。腫瘍を持つ被術者に治療
効果のある量の、NADまたはNADPあるいはその適切な類似物を投与すると
、アポプトシスによって、腫瘍細胞を殺すだけでなく、このプロセスによる酵素
の生成物である環状ADP−リボ核酸が、またもうひとつの良く知られている、
放射線化学療法の感度向上剤としての、ニコチンアミドを作り出す効果も併せ持
つ。従って、NADまたはNADPと公知の放射線または、化学療法の感度向上
剤を併用すれば、アポプトシスとニコチンアミドの細胞毒性との相乗効果が得ら
れる(つまり、腫瘍の血液流量を増やす。Horsman, Acta Onc
ologica 34:571−587, 1995)。
【0014】 従って、この発明によって示唆された治療法は、腫瘍患者に在来の放射線また
は、化学療法の感度向上剤と、NADまたはNADPの有益な処方を併用すれば
、感度向上剤としての補助効果も得られる。
【0015】 さらに別の特徴として、この発明は次ぎのことを示唆する。NAD酵素または
、環状ADP−リボ核酸はまた、DNA合成におけるリン酸化アデノシン含有の
前駆体細胞への搬送メカニズムとみなすこともできる。NADのADP−リボ核
酸部分は、外細胞NADと共に供給されると、細胞に優先的に吸収されることは
良く知られている(Pero et al.,In. ADP−ribose
transfer reaction. Biological signif
icance,Eds.M.K.and E.L.Jacobson,pp37
8−385, Springer, New York,1989)。刺激的A
TP合成は、疑う余地も無く、ヌクレオチド貯留のバランスを崩し、代謝障害治
療の機会を提供する(Harrup and Renshaw,Antibio
tics Chemother.28:68−77,1980)。
【0016】 アデノシン化合物の一部のもの、例えば、コフォミシン、デオキシ・コフォミ
シンは、ヌクレオチド貯留のバランスを崩し、従来から腫瘍性、細菌性、寄生虫
的疾患の治療に成功的に使われてきた(Harrup and Renshaw
,Antibiotics Chemother.28:68−77, USP
5,180,714; 4,997,818; 5,679,648)。ここ
で私は次ぎのことを開示する。細胞質外層に位置するNAD酵素(環状ADP−
リボ核酸)に結合できるアデノシン含有の類似物は、腫瘍性、細菌性、寄生虫的
疾患の治療に有効である。
【0017】
【発明内容の説明】
本発明は、次ぎの治療法を提案するものである。腫瘍細胞または微生物を殺す
治療法であって、一定量のニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD
)ならびにその類似物を用いて、該細胞または微生物に対する栄養遺伝子毒性を
増加させることによって、腫瘍細胞または微生物を収縮させる作用をさせること
を特徴とする治療法。実施態様の一例として、該微生物が細菌または、寄生虫の
場合がある。
【0018】 ここで用いるNAD類似物として、制限的ではないが、次ぎのものが含まれる
。ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドの代謝前駆体または生成物、ある
いは、ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドの代謝基質抑制剤が含まれる
【0019】 例をあげると、NADP、NADH、NADPH、ADP−リボ核酸、3’−
デオキシ ADP−リボ核酸、2’および3’− デオキシNAD、3’− デ
オキシNADP、2’および3’− デオキシADP−リボ核酸その他のNAD
変性物であって、ADP−環状酵素、NAD酵素その他の化合物で、基質として
機能できるものなどが該当する。
【0020】 本発明はまた、被術者の腫瘍細胞または微生物を殺す治療法であって、一定量
のニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドならびにその類似物を投与するこ
とによって、該細胞または微生物に対する栄養遺伝子毒性を増加させることを特
徴とする治療法を提案するものである。実施態様例として、被術者が動物である
場合、被術者が人である場合がある。
【0021】 「投与する」手段としては、この技術分野の熟練者には公知の、あらゆる投与
手段が適用できる。例えば、制限的ではないが、静脈注射、筋肉注射、点滴など
で投与することができる。
【0022】 栄養遺伝子毒性は、Ca2+細胞質基質レベルまたは、ヌクレオチド貯留、あ
るいは両者のバランスをくずすことにより、増加させることができる。
【0023】 本発明はまた、細胞または微生物に対する栄養遺伝子毒性を増加させるのに有
効な、一定量のNADならびにその類似物よりなる調合薬の使用を提案するもの
である。
【0024】 本発明はさらにまた、細胞または微生物を殺すのに有効な、NADならびにそ
の類似物の使用を提案するものである。
【0025】 本発明はまた、腫瘍細胞または微生物を殺す化合物であって、該細胞または微
生物に対する栄養遺伝子毒性を増加させるのに有効な、一定量のニコチンアミド
・アデニン・ジヌクレオチドならびにその類似物、および適切な担体を含むこと
を特徴とする化合物を提案するものである。
【0026】 本発明はさらにまた、腫瘍細胞または微生物を殺す調合薬であって、該細胞ま
たは微生物に対する栄養遺伝子毒性を増加させるのに有効な、一定量のニコチン
アミド・アデニン・ジヌクレオチドならびにその類似物、および調合薬として適
切な担体を含むことを特徴とする調合薬を提案するものである。
【0027】 この発明の目的にあう「調合薬として適切な担体」とは、一般的な調合薬とし
ての担体の何でも使える。適切な担体の例として、制限的ではないが、リン酸塩
でバッファーされた食塩水溶液、ポリソーブ80、水、油/水エマルジョンおよ
び様々なウェッティング助剤を含むリン酸塩でバッファーされた食塩水があげら
れる。その他の担体の例として、無菌溶液、タブレット、コートされたタブレッ
ト、カプセルなどがあげられる。
【0028】 このような担体は典型的に、次ぎのような添加剤を含む。例えば、澱粉、ミル
ク、砂糖、ある種のクレー、ゼラチン、ステアリル酸、それらの塩、ステアリル
マグエシウムまたは、カルシウムなど。担体はさらに、次ぎのような添加剤を含
む。香料や着色剤など。
【0029】 本発明はさらにまた、腫瘍性、細菌性、寄生虫的疾患の処置法として、被術者
に該細胞または微生物に対する栄養遺伝子毒性を増加させる、一定量のニコチン
アミド・アデニン・ジヌクレオチドならびにその類似物を投与することを提案す
るものである。
【0030】 「効果的な量」を決める方法は、この技術分野の熟練者には公知で、制限的で
はないが、被術者のサイズや使われる担体などのファクターに依存してきまる。
【0031】 上記化合物の実施例として、栄養遺伝子毒性が、Ca2+細胞質基質レベルま
たは、ヌクレオチド貯留、あるいは両者のバランスをくずすことにより増加され
る。
【0032】 さらにまた、上記化合物の実施例として、ニコチンアミド・アデニン・ジヌク
レオチド類似物が、代謝の前駆物またはニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオ
チドからの生成物、あるいはニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドの代謝
基質抑制剤である。
【0033】 本発明はまた、細胞または微生物に対する栄養遺伝子毒性を増加させる、一定
量のニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドならびにその類似物の分包セッ
トを提案するものである。
【0034】 本発明は、次ぎに述べる実験詳細説明により、一層明解に理解されるであろう
。しかし、ここで述べる特定の方法および結果は、単に本発明の説明用のものに
すぎないことは、この技術分野の熟練者には、理解されることである。
【0035】
【実験の説明】
細胞培養 HL60(人の白血病プロメロイド線)細胞が、10%濃度の牛の胎児の血清
(FCS)が入った、0.5×10〜1.0×10cell/ml濃度
RPMIで満たされた溶媒中で、6日間5%濃度のCO、室温37℃で培養し
た培養された。その細胞は、遠心分離して収穫され、生物検定のため、濃度1×
10〜2×10cell/mlの新しい溶媒中で再縣濁された。
【0036】 ガラス容器中でのアポプトシスによる細胞毒性の測定。HL60細胞は、培養
中に2Gyの放射線に曝された。100μMのnMCA、(中性メトクロプアミ
ド、神経センサミド)、0〜5000μMのNAD±10mM、±NAD酵素抑
制剤、3−アセチル・ピリジン・アデニン・ジヌクレオチド。試薬使用まで30
分。6時間後に%アポプトシスが決定された。
【0037】 細胞毒性は、アポプトチック細胞の形態学的同定(400倍の位相差顕微鏡を
使用)により評価された。アポプトチック細胞は、染色質濃縮、収縮、メンブレ
ン気泡、破砕、「アポプトチック体」(Kaufman et al,Canc
er Res.53:3976−3985,1993)の外観などによって同定
された。
【0038】 栄養遺伝子検定によるHL60およびK562白血球細胞の栄養遺伝子細胞毒 性の評価 用いた検定は、Schweitzerらの方式による(Exper. Hem
atol.21:573−578、1993)。HL60または、K562細胞
は、96−ウェルのマイクロプレート中で培養され、0.6%メチルセルローズ
(Methocel A4M,Dow Chemicals,USA)、10%
濃度の牛の胎児の血清入りのRPMI1640およびジェンタミシン中で培養さ
れた。ミクロ培養器には、10μlずつの、NAD、 NADP、 NADH、
ADP−リボ核酸(NAM)、3−アセチル・ピリジン・アデニン・ジヌクレ
オチド溶液が入れられ、190μlの細胞を含む溶媒を添加後、最終的濃度が0
〜5000μMになるように調整された。最終的メチル・セルロース濃度は、0
.6%であった。
【0039】 その細胞は,7日間5%濃度のCO、室温37℃で培養され、それから、顕
微鏡的に検定され、細胞のコロニー数(>40細胞)とクラスター数(8〜40
細胞)がカウントされた。放射線照射実験では、NAD添加の15分前に、細胞
に1〜2Gyガンマの放射線照射を行なった。各容器の中央部分(全体の25%
)でカウントした。そしてコロニー数とクラスター数とは、各実験間の基準のば
らつきを排除するために、対照基準に対する%比で表示した。
【0040】 NADの抗腫瘍活動の評定 人の腺癌(H−2981)を右脇腹に皮下注射して、マウス(n=10/グル
ープ)に移植した。腫瘍が80〜100mmの大きさになったとき、その動物
達は、3グループに分けられた。グループ1は、生理的食塩水を注射された。グ
ループ2は、生理的食塩水中に、25mg/kgのNADを溶かしたものを注射
された。グループ3は、50mg/kgのNADを注射された。処置スケジュー
ルは、月曜から金曜まで毎日投与し、土日は投与しない。これを21日間続ける
。腫瘍の大きさは、21日間1日おきに記録し、先に詳しく述べたように、AU
C腫瘍成育値に変換された(Hua et al,Anti−Cancer D
rugs 6:451−455,1995)。
【0041】
【例1】 図1はNAD酵素抑制剤存在・非存在下での、HL60細胞のNAD試薬量に
さらされた結果を示す。このデータは次ぎのことを示唆する。NADが試薬量に
対応したを誘導する。このことはその反面、活性なNAD酵素/シクラーゼを必
要とすることが、NAD酵素抑制剤である3−アセチル・ピリジン・アデニン・
ジヌクレオチドの存在により、アポプトシス抑制剤を攻撃することによって証明
される。
【0042】 NAD、NADPおよびNAD酵素抑制剤は、NAD酵素/シクラーゼの基質
であり、またNAD酵素抑制剤が、かなりモル過剰に使われているのだから、次
ぎのことが明らかになる。NADはNAD酵素/シクラーゼに対して、抑止され
た基質である。NADおよびNADPは、3−アセチル・ピリジン・アデニン・
ジヌクレオチド以外の、サイクル的な中間生成物を作り出すことができるので、
環状ADP−リボ核酸の生成は、アポプトシス誘導のために不可欠で、単なるN
AD酵素/シクラーゼの活性のモジュレーションではない。
【0043】
【例2】 この例は2つの重要なポイントを示唆する。第1に、NAD酵素抑制剤である
3−アセチル・ピリジン・アデニン・ジヌクレオチドは、細胞質外層に対する基
質であって、これはアポプトシスによって、細胞毒性を誘導することは出来ない
(図2)。第2に、NADはまた、NAD酵素/シクラーゼに対する基質であっ
て、3−アセチル・ピリジン・アデニン・ジヌクレオチドとは次の点で異なる。
これは環状ADP−リボ核酸を生成し、アポプトシスに由来する細胞質基質のカ
ルシウムのバランスを崩し、この誘導が、シクラーゼ活性と拮抗する場合には、
NAD酵素抑制剤によって抑制される(図2)。
【0044】 他方nMCA(中性メトクロプアミド、神経センサミド)および放射線照射は
、ともにアポプトシスを誘導することが良く知られており、NAD酵素抑制剤の
存在によっても影響されない(Pero et al.Cancer Det.
Prevent. 22(3):225−236,1998)。これらのデータ
は、放射線照射やnMCAなどの、従来方式のアポプトシス誘導メカニズムと、
NADによるアポプトシス効果とは、メカニズムが異なることを、明解に示唆す
る。
【0045】
【例3】 図3に示されたデータは、アポプトシスを誘導するNADがまた、腫瘍細胞の
栄養遺伝子毒性を持つ、可能性があるという重要な点を立証する。NAD薬量が
500μM未満のとき、栄養遺伝子の抑制が50%より大となる。ニコチンアミ
ド(NAM)そのものが抑制剤であり、NAD酵素/シクラーゼからのもうひと
つの生成物である。ただし、栄養遺伝子には、ほとんど影響を持たない。
【0046】 これらのデータは、NAD使用による治療効果は、プロドラッグとして、薬剤
の抗腫瘍特性を改善することを開示するものである。NADは、環状ADP−リ
ボ核酸を生成して、Ca2+のインバランスを中和し、同時にニコチンアミドを
生成して、腫瘍細胞の栄養遺伝子を殺すことができる。
【0047】
【例4】 図4および図5に示されたデータは、この発明に関する3つの重要なポイント
を示唆する。第1は、NADHのような代謝前駆体または、ADP−リボ核酸の
ような代謝生成物の両方とも、腫瘍細胞の栄養遺伝子の細胞毒性を誘導する効果
がある。第2に、HL60以外の腫瘍細胞も、この場合は、K562細胞である
が、同様にして殺された。
【0048】 従って、NADおよびADP−リボ核酸が、HL60およびK562細胞に対
して、良く似た薬量レスポンスを持つということは、従来から知られているアポ
プトシス誘導過程と異なる方法で、アポプトシスを誘導していることを示唆する
。第3に、3−アセチル・ピリジン・アデニン・ジヌクレオチドが、環状ADP
−リボ核酸を生成することは知られていなかったが、HL60およびK562細
胞に対して栄養遺伝子の細胞毒性を示す。これらのデータは、栄養遺伝子の細胞
毒性を誘導することのできる、NAD酵素(環状ADP−リボ核酸)抑制基質は
、癌などの増殖的疾患の治療に等しく有益である。
【0049】
【例5】 この例は、NAD類似物がイオン化放射線による細胞毒性感度を上げる可能性
のあることを示す。図6は、0〜500μM範囲のNAD投与ならびに放射線照
射の有無による栄養遺伝子の細胞毒性を示す。放射線照射した場合のNAD試薬
量レスポンスのカーブが、各試薬単独の場合よりも、はるかに大きな栄養遺伝子
細胞毒性を伴って、ネガティブスロープを示しているのだから、従って、観察さ
れた感度向上効果は、評価した試薬量の全領域で相乗効果を発揮していることに
なる。これらのデータは、NADおよびその類似物が、DNA誘導における放射
線照射のような、従来の治療法の効果をあげさせる可能性があるという証拠とし
て採取した。
【0050】
【例6】 本明細書において既に述べたように、アデノシン含有化合物は、ヌクレオチド
貯留のバランスを崩すことができるので、腫瘍性、細菌性、寄生虫的疾患の治療
に有効である。(この発明の要点に記述の引用文献を参照)この例はNADがま
た、S−フェイズの細胞を集積する、細胞サイクルのブロッキング薬としても使
える可能性を示唆する。
【0051】 図7で、無処理の70Z/3細胞が、典型的に200細胞G0/G1領域、お
よび400細胞G2/M領域で、それぞれピークを示している。この2つのピー
クに挟まれたS−フェイズ細胞は、非常に小さな値を示す。しかし、300μM
のNADにさらされた細胞は、S−フェイズにおいても、ある程度有意差のある
集積が見られる。これらのデータは次ぎのことを示唆する。NADはプロドラッ
グとして、NAD酵素(ADP−リボ核酸シクラーゼ)に結合することによって
、アデノシン含有薬を摂取し、ヌクレオチド貯留のバランスを崩したり、細胞毒
性を作ったり、増殖抑制するなどの機能が発揮できることを示唆する。NADの
この特性に付いては、細胞の代謝に関する最も重要で、良く知られた事実にもか
わらず、これまで開示されたことがない。それゆえに、この発見は、従来技術に
比べて、極めて新規性が高く、これこそ発明的である。
【0052】
【例7】 図8に示すデータは、NADの抗腫瘍薬としての直接的作用を示す。ここでは
、人の腺癌(H2981)を移植したマウスに、NADの薬量として、毎日50
mg/kgずつ投与すると、投与しない対照、あるいは、NAD薬量の少ない場
合(25mg/kg)に比べて、明らかに腫瘍の成育が抑制されることを開示し
ている。このとき、明白な体重の減少や、NAD投与に伴う副作用としての、激
烈な徴候は何ら認められなかった。これらの結果は、NADが化学療法薬として
、使用可能であり、有益であることを示唆するものである。そのうえ、腫瘍成育
コントロール効果におけるNAD薬量レスポンスデータは、薬害が無く、効果的
な領域を見出し、ネズミ類モデルから、人へ推定を進める技術確立に有益である
【図面の簡単な説明】
【図1】 HL60(白血病プロメロイド)細胞中での薬量レスポンスであって、10m
M NAD酵素抑制剤、ならびに3−アセチル・ピリジン・アデニン・ジヌクレ
オチドの存在下および非存在下での、アポプトシス誘導量によって評価した。ア
ポプトシスの未処理対照レベルは、バックグラウンド基準として、全ての実験値
から差し引いた。
【図2】 HL60(白血病プロメロイド)細胞中で試薬により誘導されたアポプトシス
であって、試薬として1000μMのNAD、100μMのnMCA、(中性メ
トクロプアミド、神経センサミド)を使用し、さらに10mM NAD酵素抑制
剤、3−アセチル・ピリジン・アデニン・ジヌクレオチドの存在下および非存在
下で、2Gyの放射線照射を行なった。アポプトシスの未処理対照レベルは、バ
ックグラウンド基準として、全ての実験値から差し引いた。
【図3】 (A) 人のHL60(白血病プロメロイド)細胞コロニー(A)の、0.6%メチル
セルローズ、10%濃度の牛の胎児の血清入りのRPMI1640、ならびに図
示の濃度のニコチンアミドまたは、NADで満たされた溶媒中で、6日間5%濃
度のCO、室温37℃で培養したときの成長を示すデータである。 (B) 人のHL60(白血病プロメロイド)細胞クラスター(B)の、0.6%メチ
ルセルローズ、10%濃度の牛の胎児の血清入りのRPMI1640、ならびに
図示の濃度のニコチンアミドまたは、NADで満たされた溶媒中で、6日間5%
濃度のCO、室温37℃で培養したときの成長を示すデータである。
【図4】 (A) HL60およびK562白血球細胞の栄養遺伝子細胞毒性の、ガラス容器中で
0〜2000(M濃度薬量のNAD、ADP−リボ核酸およびニコチンアミド(
NAM)の試薬により、7日間5%濃度のCO、室温37℃で培養したときの
コロニー数を示すデータである。形成されたコロニー数(40細胞以上)は顕微
鏡下で平底の培養皿に入れてカウントした。 (B) HL60およびK562白血球細胞の栄養遺伝子細胞毒性の、ガラス容器中で
0〜2000(M濃度薬量のNAD、ADP−リボ核酸およびニコチンアミド(
NAM)の試薬により、7日間5%濃度のCO、室温37℃で培養したときの
コロニー数を示すデータである。形成されたコロニー数(40細胞以上)は顕微
鏡下で平底の培養皿に入れてカウントした。 (C) HL60およびK562白血球細胞の栄養遺伝子細胞毒性の、ガラス容器中で
0〜2000(M濃度薬量のNAD、ADP−リボ核酸およびニコチンアミド(
NAM)の試薬により、7日間5%濃度のCO、室温37℃で培養したときの
コロニー数を示すデータである。形成されたコロニー数(40細胞以上)は顕微
鏡下で平底の培養皿に入れてカウントした。 (D) HL60およびK562白血球細胞の栄養遺伝子細胞毒性の、ガラス容器中で
0〜2000(M濃度薬量のNAD、ADP−リボ核酸およびニコチンアミド(
NAM)の試薬により、7日間5%濃度のCO、室温37℃で培養したときの
コロニー数を示すデータである。形成されたコロニー数(40細胞以上)は顕微
鏡下で平底の培養皿に入れてカウントした。 (E) HL60およびK562白血球細胞の栄養遺伝子細胞毒性の、ガラス容器中で
0〜2000(M濃度薬量のNAD、ADP−リボ核酸およびニコチンアミド(
NAM)の試薬により、7日間5%濃度のCO、室温37℃で培養したときの
コロニー数を示すデータである。形成されたコロニー数(40細胞以上)は顕微
鏡下で平底の培養皿に入れてカウントした。
【図5】 (A) HL60およびK562白血球細胞の栄養遺伝子細胞毒性の、ガラス容器中で
0〜1000(M濃度薬量のNADH、NADPおよび3−アセチル・ピリジン
・アデニン・ジヌクレチド(3−アセチルピリジン AD)の試薬により、7日
間5%濃度のCO、室温37℃で培養したときのコロニー数を示すデータであ
る。形成されたコロニー数(40細胞以上)は顕微鏡下で平底の培養皿に入れて
カウントした。 (B) HL60およびK562白血球細胞の栄養遺伝子細胞毒性の、ガラス容器中で
0〜1000(M濃度薬量のNADH、NADPおよび3−アセチル・ピリジン
・アデニン・ジヌクレチド(3−アセチルピリジン AD)の試薬により、7日
間5%濃度のCO、室温37℃で培養したときのコロニー数を示すデータであ
る。形成されたコロニー数(40細胞以上)は顕微鏡下で平底の培養皿に入れて
カウントした。 (C) HL60およびK562白血球細胞の栄養遺伝子細胞毒性の、ガラス容器中で
0〜1000(M濃度薬量のNADH、NADPおよび3−アセチル・ピリジン
・アデニン・ジヌクレチド(3−アセチルピリジン AD)の試薬により、7日
間5%濃度のCO、室温37℃で培養したときのコロニー数を示すデータであ
る。形成されたコロニー数(40細胞以上)は顕微鏡下で平底の培養皿に入れて
カウントした。
【図6】 (A) HL60およびK562白血球細胞の放射線感度特性の、ガラス容器中で0〜
300(M濃度薬量のNAD。細胞は、最初1〜2Gyの放射線を15分間照射
し、その後図示の濃度のNADで、7日間5%濃度のCO、室温37℃で培養
した)ときのコロニー数を示すデータである。形成されたコロニー数(40細胞
以上)は顕微鏡下で平底の培養皿に入れてカウントした。 (B) HL60およびK562白血球細胞の放射線感度特性の、ガラス容器中で0〜
300(M濃度薬量のNAD。細胞は、最初1〜2Gyの放射線を15分間照射
し、その後図示の濃度のNADで、7日間5%濃度のCO、室温37℃で培養
した)ときのコロニー数を示すデータである。形成されたコロニー数(40細胞
以上)は顕微鏡下で平底の培養皿に入れてカウントした。
【図7】 (A) 300M濃度薬量のNADで、18時間処理したときの、70Z/3細胞の数
を示す度数分布図である。 (B) 300M濃度薬量のNADで、18時間処理したときの、70Z/3細胞の数
を示す度数分布図である。 (C) 300M濃度薬量のNADで、18時間処理したときの、70Z/3細胞の数
を示す度数分布図である。 (D) 300M濃度薬量のNADで、18時間処理したときの、70Z/3細胞の数
を示す度数分布図である。
【図8】 人の肺の腺癌(H2981)を移植したマウス(n=10/グループ)に、N
ADの薬量として、毎日5×25mg/kgずつ、あるいは、毎週50mg/k
gずつ21日間投与したときの、腫瘍のボリュウムを示す。最初の腫瘍のボリュ
ウムは、80〜100mmで、腫瘍の生育値AUC(area under
the curve)は、前記した方法で、計算し解析した。(Hua et.
al.,Anti−Cancer Drugs 6:451−455、1995
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年3月13日(2000.3.13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/02 A61P 35/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,HU,IL ,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC, LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ, TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,Z W Fターム(参考) 4C057 BB02 LL29 LL47 MM03 4C086 AA01 AA03 EA16 MA04 NA14 ZB26 ZB32

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腫瘍細胞または微生物を殺す治療法であって、一定量のニコ
    チンアミド・アデニン・ジヌクレオチドならびにその類似物を用いて、該細胞ま
    たは微生物に対する栄養遺伝子毒性を増加させることによって、腫瘍細胞または
    微生物を収縮させる作用をさせることを特徴とする治療法。
  2. 【請求項2】 微生物が菌状腫または寄生動物であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項に記載の治療法。
  3. 【請求項3】 被術者の腫瘍細胞または微生物を殺す治療法であって、一定
    量のニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドならびにその類似物を投与する
    ことによって、該細胞または微生物に対する栄養遺伝子毒性を増加させることを
    特徴とする治療法。
  4. 【請求項4】 被術者が動物であることを特徴とする特許請求の範囲第3項
    に記載の治療法。
  5. 【請求項5】 被術者が人であることを特徴とする特許請求の範囲第3項に
    記載の治療法。
  6. 【請求項6】 Ca2+細胞質基質レベルまたは、ヌクレオチド貯留、ある
    いは両者のバランスをくずすことにより、栄養遺伝子毒性が増加されることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項または第3項に記載の治療法。
  7. 【請求項7】 ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド類似物が、代謝
    の前駆物またはニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドからの生成物、ある
    いはニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドの代謝基質抑制剤であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項または第3項に記載の治療法。
  8. 【請求項8】 腫瘍細胞または微生物を殺す化合物であって、該細胞または
    微生物に対する栄養遺伝子毒性を増加させるのに有効な、一定量のニコチンアミ
    ド・アデニン・ジヌクレオチドならびにその類似物、および適切な担体を含むこ
    とを特徴とする化合物。
  9. 【請求項9】 腫瘍細胞または微生物を殺す調合薬であって、該細胞または
    微生物に対する栄養遺伝子毒性を増加させるのに有効な、一定量のニコチンアミ
    ド・アデニン・ジヌクレオチドならびにその類似物、および調合薬として適切な
    担体を含むことを特徴とする調合薬。
  10. 【請求項10】 Ca2+細胞質基質レベルまたは、ヌクレオチド貯留、あ
    るいは両者のバランスをくずすことにより、栄養遺伝子毒性が増加されることを
    特徴とする特許請求の範囲第8項または第9項に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド類似物が、代
    謝の前駆物またはニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドからの生成物、あ
    るいはニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドの代謝基質抑制剤であること
    を特徴とする特許請求の範囲第8項または第9項に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 細胞または微生物に対する栄養遺伝子毒性を増加させる、
    一定量のニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドならびにその類似物の分包
    セット。
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