JPWO2011118437A1 - 熱膨張性マイクロカプセル - Google Patents
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Abstract
Description
このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、熱可塑性シェルポリマーの中に、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包されているものが広く知られており、例えば、特許文献1には、低沸点の脂肪族炭化水素等の揮発性膨張剤をモノマーと混合した油性混合液を、油溶性重合触媒とともに分散剤を含有する水系分散媒体中に攪拌しながら添加し懸濁重合を行うことにより、揮発性膨張剤を内包する熱膨張性マイクロカプセルを製造する方法が開示されている。
しかしながら、重合時点で強固な3次元架橋が形成されることにより、発泡時の膨張が阻害され、発泡倍率については依然として不充分であった。
以下、本発明を詳述する。
上記ニトリル系モノマーは特に限定されず、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマルニトリル、又は、これらの混合物等が挙げられる。これらのなかでは、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルが特に好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
より好ましい下限は60重量部、より好ましい上限は95重量部である。
上記カルボキシル基を有するモノマーを含有することにより、得られる熱膨張性マイクロカプセルは、加熱発泡させる際の熱によって、カルボキシル基と熱硬化性樹脂とが結合するため、耐熱性や耐久性を更に向上させることが可能となる。
より好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は40重量部である。
上記他のモノマーは特に限定されず、得られる熱膨張性マイクロカプセルに必要とされる特性に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、分子量が200〜600のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアリルホルマールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、上記他のモノマーとして、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ジシクロペンテニルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、イソボルニルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン等のビニルモノマー等も挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記金属カチオンを添加することにより、例えば、上記カルボキシル基含有モノマーのカルボキシル基と、上記金属カチオンとがイオン架橋を形成し、得られる熱膨張性マイクロカプセルは、シェルの架橋効率が上がって耐熱性が向上し、高温においても、破裂及び収縮を生じにくく、高発泡倍率で発泡することができる。また、上記イオン架橋を形成することにより、得られる熱膨張性マイクロカプセルは、高温においてもシェルの弾性率が低下しにくい。そのため、このような熱膨張性マイクロカプセルは、マトリックス樹脂に配合された後、強い剪断力が加えられる混練成形、カレンダー成形、押出成形、射出成形等の成形方法により成形される場合でも、破裂及び収縮を生じにくく、高発泡倍率で発泡することができる。
また、上記金属カチオン塩は、上記金属カチオンの水酸化物であることが好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アルカリ金属又はアルカリ土類金属は特に限定されず、例えば、Na、K、Li、Ca、Ba、Sr等が挙げられる。これらのなかでは、塩基性の強いNa、K等が好ましい。
上記重合開始剤は特に限定されず、例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、アゾ化合物等が挙げられる。
上記過酸化ジアルキルは特に限定されず、例えば、メチルエチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂は、上記モノマー組成物の重合時ではなく、熱膨張性マイクロカプセルの加熱発泡時に硬化するため、発泡時の膨張が阻害されることなく、発泡倍率を高めることができる。
上記エポキシ樹脂としては特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記フェノール樹脂としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ベンジリックエーテル型フェノール樹脂等が挙げられる。これらのなかでは、ノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
上記ラジカル重合性の二重結合を有しないことで、上記ニトリル系モノマー及びカルボキシル基を有するモノマーを含有するモノマー組成物を重合させてなる重合体の主鎖とは直接結合せず、シェルの柔軟性を高く保つことができる。
従来の方法(例えば、特許文献2等)では、ラジカル重合性の二重結合を有するモノマーを用いることで、シェルのガスバリア性が低下して、発泡倍率が低下する。
上記ラジカル重合性の二重結合を有さず、かつ、カルボキシル基と反応する官能基を1分子中に2個以上有する熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ソルビトールポリグリシジルエーテル(デナコールEX−622)、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(デナコールEX−521)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(デナコールEX−421)、グリセロールポリグリシジルエーテル(デナコールEX−313)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(デナコールEX−411)、レソルシノールジグリシジルエーテル(デナコールEX−201)、1,6−ヘキサネジオールジグリシジルエーテル(デナコールEX−212)、エチレン,ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(以上、ナガセケムテックス社製、デナコールEX−810)等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂の硬化温度を120℃以上とすることで、上記ニトリル系モノマーを含有するモノマー組成物を重合させてなる重合体の重合時には硬化しないことから、加熱発泡時の膨張が阻害されることなく、発泡倍率を高めることができる。
なお、上記硬化温度は、熱硬化性樹脂とクエン酸との混合物を加熱する際のゲル化温度を測定することによって求めることができる。
なお、上記コア剤の蒸気圧は、アントワンの式により算出することができる。
上記熱硬化性樹脂のゲル分率は、熱硬化性樹脂をゲル化剤で膨潤させた後、膨潤体の乾燥重量と、熱硬化性樹脂及びゲル化剤の総重量との重量比[膨潤体乾燥重量/(熱硬化性樹脂の重量+ゲル化剤の重量)]を算出することにより測定することができる。
なお、上記ゲル化剤は、熱硬化性樹脂の種類に応じて、所定のものを使用することができる。
従って、上記熱硬化性樹脂のT1.0におけるゲル分率が5%以上であると、発泡開始時に熱硬化性樹脂が硬化しすぎているため発泡を阻害してしまうことがある。また、これに伴って、発泡後の粒子のDmax(最大発泡変位)が小さくなることがある。更に、発泡成形体の発泡倍率が小さくなる。
T1.5は、コア剤としての内圧が高なり、熱膨張性マイクロカプセルの破泡やガス抜けが懸念される温度である。
従って、上記熱硬化性樹脂のT1.5におけるゲル分率が5%未満であると、この温度になった時点で、熱硬化性樹脂の硬化が進んでいなければ、シェルの破れやへたりが起きてしまうことがある。また、これに伴って、発泡後の熱膨張性マイクロカプセルのΔT(耐久性)が小さくなることがある。更に、発泡成形体中で破泡が生じやすくなることがある。
上記熱硬化性樹脂の含有量が0.01重量%未満であると、加熱発泡時に熱硬化特性が現れないことがある。上記熱硬化性樹脂の含有量が30重量%を超えると、シェルのガスバリア性が低減し、発泡を阻害することがある。より好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は15重量%である。なお、上記シェルを構成する重合体全体とは、熱硬化性樹脂を除いたシェルを構成する重合体全体のことをいう。
本明細書中、揮発性膨張剤とは、上記シェルの軟化点以下の温度で、ガス状になる物質をいう。
また、揮発性膨張剤として、加熱により熱分解してガス状になる熱分解型化合物を用いることとしてもよい。
上記シェルの厚みはコア剤の含有量によって変化するが、コア剤の含有量を減らして、シェルが厚くなり過ぎると発泡性能が低下し、コア剤の含有量を多くすると、シェルの強度が低下する。上記コア剤の含有量を10〜25重量%とした場合、熱膨張性マイクロカプセルのへたり防止と発泡性能向上とを両立させることが可能となる。
なお、本明細書中、上記最大発泡温度は、熱膨張性マイクロカプセルを常温から加熱しながらその径を測定したときに、熱膨張性マイクロカプセルが最大変位量となったときの温度を意味する。
上記水溶性窒素含有化合物は特に限定されず、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート及びポリジメチルアミノエチルアクリレートに代表されるポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミド及びポリジメチルアミノプロピルメタクリルアミドに代表されるポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ポリアクリルアミド、ポリカチオン性アクリルアミド、ポリアミンサルフォン、ポリアリルアミン等が挙げられる。これらのなかでは、ポリビニルピロリドンが好ましい。
また、上記補助安定剤として上記縮合生成物又は上記水溶性窒素含有化合物を用いる場合、上記縮合生成物又は水溶性窒素含有化合物の添加量は特に限定されず、目的とする熱膨張性マイクロカプセルの粒子径により適宜決定することができるが、全モノマー成分100重量部に対する好ましい下限が0.05重量部、好ましい上限が2重量部である。
上記無機塩の添加量は特に限定されないが、全モノマー成分100重量部に対する好ましい上限は100重量部である。
この工程では、上記モノマー組成物と熱硬化性樹脂と上記揮発性膨張剤とを別々に上記水性分散媒体に添加して、該水性分散媒体中で上記油性混合液を調製してもよいが、通常は、予め両者を混合して油性混合液としてから、上記水性分散媒体に添加する。この際、上記油性混合液と上記水性分散媒体とを予め別々の容器で調製しておき、別の容器で攪拌しながら混合することにより上記油性混合液を上記水性分散媒体に分散させた後、重合反応容器に添加してもよい。
なお、上記モノマー組成物中のモノマーを重合するために重合開始剤が用いられるが、上記重合開始剤は、予め上記油性混合液に添加してもよく、上記水性分散媒体と上記油性混合液とを重合反応容器内で攪拌混合した後に添加してもよい。
上記乳化分散させる方法は特に限定されず、例えば、ホモミキサー(例えば、特殊機化工業社製)等により攪拌する方法、ラインミキサー、エレメント式静止型分散器等の静止型分散装置を通過させる方法等が挙げられる。なお、上記静止型分散装置には上記水性分散媒体と上記油性混合液とを別々に供給してもよく、予め混合、攪拌した分散液を供給してもよい。
このようにして、ニトリル系モノマー及びカルボキシル基を有するモノマーを含有するモノマー組成物を重合させてなる重合体と、熱硬化性樹脂とを含有するシェルに、コア剤として揮発性膨張剤を内包する熱膨張性マイクロカプセルが得られる。得られた熱膨張性マイクロカプセルは、続いて、脱水する工程、乾燥する工程等を経てもよい。
また、熱可塑性樹脂等のマトリックス樹脂や熱膨張性マイクロカプセル等の原材料をバッチ式の混練機で混練した後、造粒機で造粒することによりペレット形状のマスターバッチペレットを製造してもよい。
上記混練機としては、熱膨張性マイクロカプセルを破壊することなく混練できるものであれば特に限定されず、例えば、加圧ニーダー、バンバリーミキサー等が挙げられる。
重合反応容器に、水250重量部と、分散安定剤としてコロイダルシリカ(旭電化社製20重量%)25重量部及びポリビニルピロリドン(BASF社製)0.8重量部と、1N塩酸1.8重量部とを投入し、水性分散媒体を調製した。
次いで、表1に示した配合比のモノマー、熱硬化性樹脂、架橋剤、重合開始剤、揮発性膨張剤からなる油性混合物を水性分散媒体に添加し、懸濁させて、分散液を調製した。得られた分散液をホモジナイザーで攪拌混合し、窒素置換した加圧重合器内へ仕込み、加圧(0.5MPa)しながら60℃で6時間、80℃で5時間反応させることにより、反応生成物を得た。得られた反応生成物について、ろ過と水洗を繰り返した後、乾燥することにより、熱膨張性マイクロカプセルを得た。
なお、熱硬化性樹脂としては、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828US:ジャパンエポキシレジン社製、ラジカル重合性二重結合の数:0、カルボキシル基と反応する官能基の数:2)、
アミノフェノール型エポキシ樹脂(jER630:ジャパンエポキシレジン社製、ラジカル重合性二重結合の数:0、カルボキシル基と反応する官能基の数:3)、
水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YX8000:ジャパンエポキシレジン社製、ラジカル重合性二重結合の数:0、カルボキシル基と反応する官能基の数:2)、
水素添加グリシジルアミン型エポキシ樹脂(TETRAD−C:三菱ガス化学社製、ラジカル重合性二重結合の数:0、カルボキシル基と反応する官能基の数:2)、
グリシジルアミン型エポキシ樹脂(TETRAD−X:三菱ガス化学社製、ラジカル重合性二重結合の数:0、カルボキシル基と反応する官能基の数:4)、
ノボラック型フェノール樹脂(PR−50731:住友ベークライト社製、ラジカル重合性二重結合の数:0、カルボキシル基と反応する官能基の数:n(n≧2))、
ソルビトールポリグリシジルエーテル(デナコールEX−622:ナガセケムテックス社製)、ラジカル重合性二重結合の数:0、カルボキシル基と反応する官能基の数:4)、
を用い、
架橋剤としては、
トリメチロールプロパントリアクリレート(ラジカル重合性二重結合の数:3、カルボキシル基と反応する官能基の数:0)、
グリシジルメタクリレート(ラジカル重合性二重結合の数:1、カルボキシル基と反応する官能基の数:1)、
N−メチロールアクリルアミド(ラジカル重合性二重結合の数:1、カルボキシル基と反応する官能基の数:1)、
を用いた。
実施例、比較例で使用した熱硬化性樹脂、架橋剤、並びに、実施例、比較例で得られた熱膨張性マイクロカプセルについて、以下の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
実施例及び比較例で使用したコア剤の蒸気圧が1.0MPaとなるときの温度(T1.0)、及び、蒸気圧が1.5MPaとなるときの温度(T1.5)を、下記に示すアントワン式を用いて算出した。イソペンタンとイソオクタンの混合物については、混合比からT1.0及びT1.5を算出した。
log10P=A−(B/(T+C))
式中、Pは蒸気圧、Tは温度、A、B及びCはアントワン定数である。なお、イソペンタン及びイソオクタンのアントワン定数は下記に示す通りである。
イソペンタン:A=6.78967、B=1020.12、C=233.97
イソオクタン:A=7.372、B=1578.81、C=230.7
「T1.0におけるゲル分率が5%未満」及び「T1.5におけるゲル分率が5%以上」の両方を満たす場合を「◎」、
「T1.0におけるゲル分率が5%未満」及び「T1.5におけるゲル分率が5%以上」の両方又は何れか一方を満たさない場合を「○」とした。
※0.615(g)=0.5(g)[熱硬化性樹脂の重量]+0.15(g)[クエン酸の重量])
加熱発泡顕微装置(ジャパンハイテック社製)を用い、最大発泡時の発泡倍率を測定した。
最大発泡時の発泡倍率が3倍未満であった場合を「×」と、3倍以上5倍未満であった場合を「○」と、5倍以上であった場合を「◎」として評価した。
加熱発泡顕微装置(ジャパンハイテック社製)を用い、250℃における発泡倍率を測定した。250℃における発泡倍率が2倍未満であった場合を「×」と、2倍以上3倍未満であった場合を「○」と、3倍以上であった場合を「◎」として評価した。
加熱発泡顕微装置(ジャパンハイテック社製)を用いて、発泡倍率を測定した場合において、発泡倍率が2倍以上である温度幅(ΔT)を測定した。
ΔTが50℃未満であった場合を「×」と、50℃以上65℃未満であった場合を「○」と、65℃以上であった場合を「◎」として評価した。
(発泡性熱可塑性樹脂マスターバッチの製造)
粉体状及びペレット状の低密度ポリエチレン100重量部と、滑剤としてステアリン酸10重量部とをバンバリーミキサーで混練し、約100℃になったところで、実施例1で得られた熱膨張性マイクロカプセル100重量部を添加した。その後、更に30秒間混練して押し出すと同時にペレット化し、マスターバッチペレットを得た。
得られたマスターバッチペレット4重量部と、TPE(三菱化学社製、ラバロンMJ4300C)100重量部と、顔料(カーボンブラック/PE)3重量部を混合し、得られた混合ペレットをアキュムレーターを備えたスクリュー式の射出成形機のホッパーに供給して溶融混練し、射出成形を行い、板状の発泡成形体を得た。なお、成形条件は、シリンダー温度:230℃、金型温度:50℃とした。
(発泡成形体の製造)において、下記の方法を用いた以外は実施例26と同様にして発泡成形体を得た。
得られたマスターバッチペレット2.5重量部と、熱可塑性エラストマー(ハイトレル3078、デュポン社製)100重量部と、顔料(カラーMB、東京インキ社製)3重量部とを混合し、得られた混合ペレットを押出成形機のホッパーに供給して溶融混練し、押出成形を行い、板状の発泡成形体を得た。なお、押出条件は、金型温度:190℃とした。
熱膨張性マイクロカプセルとして、比較例1で得られた熱膨張性マイクロカプセルを用いた以外は実施例26と同様にしてマスターバッチペレット及び発泡成形体を得た。
(発泡成形体の製造)において、実施例27と同様の方法を用いた以外は比較例7と同様にして発泡成形体を得た。
熱膨張性マイクロカプセルとして、比較例2で得られた熱膨張性マイクロカプセルを用いた以外は実施例26と同様にしてマスターバッチペレット及び発泡成形体を得た。
(発泡成形体の製造)において、実施例27と同様の方法を用いた以外は比較例9と同様にして発泡成形体を得た。
(5)発泡倍率
得られた発泡成形体の比重(D1)と、基材の比重(D0)とを測定した後、これらの比(D0/D1)で算出して発泡倍率とした。なお、比重は電子比重計(ミラージュ貿易株式会社製、ED−120T)を用いて測定した。
発泡倍率が2倍未満であった場合を「×」と、2倍以上であった場合を「○」として評価した。
得られた発泡成形体のデュロ硬度を、JIS K 6253に準拠した方法を用い、デュロA型硬度計(高分子計器株式会社製、アスカーゴム硬度計Model.A)を用いて測定した。
デュロ硬度が50を超えた場合を「×」と、50以下であった場合を「○」として評価した。
得られた発泡成形体の表面に、圧子(ステンレス製、φ15mm×10mmの円柱状)を置き、その高さを0とした。次いで、圧子に91.5Nの加重を60秒与えた時点の変位を測定(S1)し、その後、320Nの加重を60秒与えた時点の変位を測定(S2)して、下記計算式にしたがって静剛度を算出した。
静剛度=(320−91.5)/(S2−S1) [N/mm]
なお、測定には、静的材料試験機(島津製作所社製、EZGraph)を用いた。
静剛度が200を超える場合を「×」と、200以下であった場合を「○」として評価した。
得られた発泡成形体の表面に、圧子(ステンレス製、φ15mm×10mmの円柱状)を置き、その高さを0とする。圧子に、上限設定320N、下限設定91.5Nのサイクル加重を1000回かけたとき、900サイクルから1000サイクルまでの下記項目の平均値を測定する。
上限加重での加重(FU)と変位(SU)
下限加重での加重(FD)と変位(SD)
次いで、下記計算式にしたがって動剛度を算出した。
動剛度=(FU−FD)/(SU−SD) [N/mm]
なお、測定には、テンシロン万能材料試験機(エーアンドディー社製、UTA−500)を用いた。
そして、得られた「動剛度」と「静剛度」とから、下記計算式にしたがって動静比を算出した。
動静比=動剛度/静剛度 [倍]
動静比が1.5倍を超える場合を「×」と、1.5倍以下であった場合を「○」として評価した。
Claims (7)
- 重合体からなるシェルに、コア剤として揮発性膨張剤が内包されている熱膨張性マイクロカプセルであって、
前記シェルは、ニトリル系モノマー及びカルボキシル基を有するモノマーを含有するモノマー組成物を重合させてなる重合体と、熱硬化性樹脂とを含有し、
前記熱硬化性樹脂は、カルボキシル基と反応する官能基を1分子中に2個以上有し、かつ、ラジカル重合性の二重結合を有しない
ことを特徴とする熱膨張性マイクロカプセル。 - カルボキシル基と反応する官能基は、エポキシ基であることを特徴とする請求項1記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- 熱硬化性樹脂は、コア剤の蒸気圧が1.0MPaとなるときの温度をT1.0、前記コア剤の蒸気圧が1.5MPaとなるときの温度をT1.5としたとき、T1.0におけるゲル分率が5%未満であり、かつ、T1.5におけるゲル分率が5%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- 熱硬化性樹脂の含有量は、シェルを構成する重合体全体に対して0.01〜30重量%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- 請求項1、2、3又は4記載の熱膨張性マイクロカプセル及び熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂マスターバッチ。
- 請求項1、2、3或いは4記載の熱膨張性マイクロカプセル、又は、請求項5記載の発泡性熱可塑性樹脂マスターバッチを用いてなることを特徴とする発泡成形体。
- 請求項1、2、3又は4記載の熱膨張性マイクロカプセルを製造する方法であって、
水性分散媒体を調製する工程と、
該水性分散媒体中に、ニトリル系モノマー及びカルボキシル基を有するモノマーを含有するモノマー組成物と、カルボキシル基と反応する官能基を1分子中に2個以上有し、かつ、ラジカル重合性の二重結合を有しない熱硬化性樹脂と、揮発性膨張剤とを含有する油性混合液を分散させる工程と、
上記モノマー組成物を重合させる工程とを有する
ことを特徴とする熱膨張性マイクロカプセルの製造方法。
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