JPWO2011115147A1 - 有機電子デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

電極の導電性、透明性に優れ、駆動電圧が低く、寿命、保存性に優れた有機電子デバイスを提供する。透明基板上に、対向する第1透明電極と第2電極と、前記電極間に有機機能層とを有する有機電子デバイスにおいて、前記第1透明電極と有機機能層の間に少なくとも導電性ポリマーと水系バインダーを含有する透明導電層を有することを特徴とする有機電子デバイス。

Description

本発明は、有機電子デバイスに関するものであって、透明性に優れ、駆動電圧が低く、寿命、保存性に優れた有機電子デバイスに関する。
近年、有機ELデバイスや有機太陽電池といった有機電子デバイスが注目されている。従来、有機電子デバイスの電極には、ガラスや透明なプラスチックフィルム等の透明基板上に、インジウム−スズの複合酸化物(ITO)膜を真空蒸着法やスパッタリング法で製膜したITO電極が、その導電性や透明性といった性能の点から、主に使用されてきた。しかし、真空蒸着法やスパッタリング法を用いた透明電極は生産性が悪く、製造コストが高い。また、ITO電極上の突起や異物付着などによるデバイスの電極間のリーク等の有機機能層へのダメージにより、デバイスの寿命、保存性が低下するという問題があった。特に有機電子デバイスを大面積化すると、その発生頻度は上がり、問題が大きい。
これに対し、π共役系高分子に代表される導電性ポリマーを適当な溶媒に溶解または分散した塗液を用い、塗布や印刷によって透明電極を形成する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、ITO電極に比べると、導電性ポリマーは着色があるため、電極の透明性が著しく低下し、有機電子デバイスの寿命や保存性が低下するという課題があった。
これに対し、ITO電極上にπ共役系高分子に代表される導電性ポリマーを正孔注入材料や正孔輸送材料として形成することが知られている(特許文献2)。導電性ポリマーの形成は、ITO上の突起や異物を埋めることになり、表面平滑性が改善される。さらに、ITO透明電極の上に導電性ポリマー層を形成することにより正孔の注入障壁を低くなることで有機電子デバイスの駆動電圧低下にもつながる(特許文献2)。しかし、突起や異物の大きさによっては、埋め込みに必要な導電性ポリマー層が厚くなり、電極の透明性とデバイスの寿命、保存性とを同時に満たすことは難しい。
また、ITO電極上に導電性ポリマーと非水系バインダーを併用した層を形成する方法も知られている(特許文献3)。特許文献3では、非水系で固有導電性ポリマー、ドーパント、合成ポリマー平坦化剤を含む正孔注入層について開示されている。この方法であれば、透明性の低下を抑えつつ、膜厚を厚くすることができると記載されている。しかし、非水系で合成ポリマーと導電性ポリマーを用いた塗布加工では、膜厚を厚くすると、ナノレベルで見たときの平滑性が悪くなり、その結果駆動電圧が上がることにより、デバイスの寿命、保存性が悪くなるという課題があった。また、有機機能層の形成では、通常、非水系の溶媒が用いられるが、非水系バインダーを用いると上層を塗布する際にダメージを受け、デバイスの寿命や保存性が悪くなるという課題もあった。また、非水系の合成ポリマーは通常導電性をアシストする効果がないため、少量混合するだけでも膜の導電性が大きく低下してしまい、膜厚を厚くできないという課題があった。
特開平6−273964号公報 特開2003−45665号公報 特表2008−533701号公報
本発明の目的は、前記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は電極の導電性、透明性に優れ、駆動電圧が低く、寿命、保存性に優れた有機電子デバイスを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.透明基板上に、対向する第1透明電極と第2電極と、前記電極間に有機機能層とを有する有機電子デバイスにおいて、前記第1透明電極と有機機能層の間に少なくとも導電性ポリマーと水系バインダーを含有する透明導電層を有することを特徴とする有機電子デバイス。
2.前記導電性ポリマー若しくは水系バインダーの、少なくとも一部が架橋されてなることを特徴とする前記1に記載の有機電子デバイス。
3.前記導電性ポリマーが、π共役系導電性高分子成分とポリ陰イオン成分とを含んで成る導電性ポリマーであることを特徴とする前記1または2に記載の有機電子デバイス。
4.前記ポリ陰イオン成分がポリスルホン酸基であることを特徴とする前記3に記載の有機電子デバイス。
5.前記水系バインダーが、下記ポリマー(A)を含有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機電子デバイス。
(式中、X〜Xはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、R〜Rはそれぞれ独立に、炭素数5以下のアルキレン基を表す。l、m、nは構成率(mol/%)を表し、50≦l+m+n≦100である。)
6.前記透明導電層が湿式洗浄されたものであることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の有機電子デバイス。
7.前記透明導電層に隣接する有機機能層が正孔注入層であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の有機電子デバイス。
8.前記正孔注入層がフッ素(F)を有するポリ陰イオンを含有することを特徴とする前記7に記載の有機電子デバイス。
9.前記1〜8の何れか1項に記載の有機電子デバイスを製造する方法であって、少なくとも導電性ポリマーと水系バインダーを含有る透明導電層を塗布乾燥した後、100℃以上250℃以下の温度で5分以上の加熱処理を施すことを特徴とする有機電子デバイスの製造方法。
本発明の透明導電膜を用いることにより、電極の導電性、透明性に優れ、駆動電圧が低く、寿命、保存性に優れた有機電子デバイスを提供することができた。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は、透明基板上に、対向する第1透明電極と第2電極と、前記電極間に有機機能層とを有する有機電子デバイスにおいて、前記第1透明電極と有機機能層の間に少なくとも導電性ポリマーと水系バインダーとを含有する透明導電層を有することを要件とする。更には、導電性ポリマー若しくは水系バインダーの一部が架橋してなる透明導電層を有することを特徴とする。
尚、本発明で言う「架橋」とは、ガラス転移温度やナノインデンテーション弾性率の変化、さらにFTIR測定による官能基等の物理的、化学的変化をもたらすものであり、共有結合により架橋構造を形成することに含め、その他、例えば、水素結合や配位結合等、更には配向や配向に伴う結晶化等の物理的、化学的変化をもたらすものを含むものである。
先ず、本発明の透明導電層を形成する導電性ポリマーと水系バインダーについて説明する。
[導電性ポリマー]
本発明に用いられる導電性ポリマーは特に限定されないが、好ましくはπ共役系導電性高分子とポリ陰イオンとを含んで成る導電性ポリマーである。こうした導電性ポリマーは、後述するπ共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と後述のポリ陰イオンの存在下で化学酸化重合することによって容易に製造できる。
[π共役系導電性高分子]
本発明に用いられるπ共役系導電性高分子としては、特に限定されず、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリアズレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリイソチアナフテン類、ポリチアジル類の鎖状導電性ポリマーを利用することができる。中でも、導電性、透明性、安定性等の観点からポリチオフェン類やポリアニリン類が好ましい。ポリエチレンジオキシチオフェンであることが最も好ましい。
[π共役系導電性高分子前駆体モノマー]
π共役系導電性高分子前駆体モノマーは、分子内にπ共役系を有し、適切な酸化剤の作用によって高分子化した際にもその主鎖にπ共役系が形成されるものである。例えば、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等が挙げられる。
π共役系導電性高分子前駆体モノマーの具体例としては、ピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等が挙げられる。
[ポリ陰イオン]
本発明のポリ陰イオンとは、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体等であって、置換基としてアニオン基を有するものであり、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるものであっても良い。
このポリ陰イオンは、π共役系導電性高分子を溶媒に可溶化させる機能性高分子である。また、ポリ陰イオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性と耐熱性を向上させる。
ポリ陰イオンのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよいが、中でも、製造の容易さ及び安定性の観点からは、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。さらに、官能基のπ共役系導電性高分子へのドープ効果の観点より、スルホ基、一置換硫酸エステル基、カルボキシ基がより好ましい。
ポリ陰イオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
また、化合物内にFを有するポリ陰イオンであっても良い。具体的には、パーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Dupont社製)、カルボン酸基を含有するパーフルオロ型ビニルエーテルからなるフレミオン(旭硝子社製)などをあげることができる。
これらのうち、スルホン酸を有する化合物の場合、導電性ポリマー含有層を塗布、乾燥することによって形成した後に、100℃以上250℃以下の温度で5分以上の加熱処理を施すことにより、この塗布膜の洗浄耐性や溶媒耐性が著しく向上することから、より好ましい。
さらに、これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリ陰イオンは、水系バインダーとの相溶性が高く、また、得られる導電性ポリマーの導電性をより高くできる。
ポリ陰イオンの重合度は、モノマー単位が10〜100000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10000個の範囲がより好ましい。
ポリ陰イオンの製造方法としては、例えば、酸を用いてアニオン基を有さないポリマーにアニオン基を直接導入する方法、アニオン基を有さないポリマーをスルホ化剤によりスルホン酸化する方法、アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法等が挙げられる。
アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法は、溶媒中、アニオン基含有重合性モノマーを、酸化剤及び/又は重合触媒の存在下で、酸化重合又はラジカル重合によって製造する方法が挙げられる。具体的には、所定量のアニオン基含有重合性モノマーを溶媒に溶解させ、これを一定温度に保ち、それに予め溶媒に所定量の酸化剤及び/又は重合触媒を溶解した溶液を添加し、所定時間で反応させる。その反応により得られたポリマーは溶媒によって一定の濃度に調整される。この製造方法において、アニオン基含有重合性モノマーにアニオン基を有さない重合性モノマーを共重合させてもよい。
アニオン基含有重合性モノマーの重合に際して使用する酸化剤及び酸化触媒、溶媒は、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを重合する際に使用するものと同様である。
得られたポリマーがポリ陰イオン塩である場合には、ポリ陰イオン酸に変換させることが好ましい。ポリ陰イオン酸に変換させる方法としては、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法、透析法、限外ろ過法等が挙げられ、これらの中でも、作業が容易な点から限外ろ過法が好ましい。
導電性ポリマーは市販の材料も好ましく利用できる。
例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる導電性ポリマー(PEDOT−PSSと略す)が、H.C.Starck社からCleviosシリーズとして、Aldrich社からPEDOT−PSSの483095、560596として、Nagase Chemtex社からDenatronシリーズとして市販されている。また、ポリアニリンが、日産化学社からORMECONシリーズとして市販されている。本発明において、こうした剤も好ましく用いることが出来る。
これらの導電性ポリマーに対し前述のポリ陰イオンを第1のドーパントとすると、更に本発明においては、第2のドーパントとして水溶性有機化合物を含有してもよい。本発明で用いることができる水溶性有機化合物としては特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げられる。前記酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、例えば、水酸基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物などが挙げられる。前記水酸基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリンなどが挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。前記カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。前記スルホキシド基含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
[水系バインダー]
本発明に用いられる水系バインダーは、導電性ポリマーとともに透明導電層を形成する。本発明に係る透明導電層の少なくとも一部は架橋されている。本発明において、透明導電層の少なくとも一部が架橋されているとは、水系バインダーの一部が架橋構造をとる場合と、水系バインダーと導電性ポリマーとの間で架橋構造をとる場合がある。
本発明においては、どちらでも、両者併用でも本発明の効果を奏する。これにより、透明導電層のミクロな不純物の移動が制限され、膜中の不純物の拡散が抑制される。また、膜の溶解や膨潤をすることがなく湿式の洗浄が可能となり、透明導電層上の異物や不純物を取り除け、有機電子デバイスの寿命や保存性が改善される。
また、この機構の詳細は不明であるが、膜厚を厚くしても、本発明の導電性ポリマーと水系バインダーからなる透明導電層は非水系バインダーのように透明導電層の平滑性が損なわれることがなく、その結果、有機電子デバイスの寿命や保存性が改善される。
水系バインダーは、親水基を含めば各種樹脂を用いることができ、例えばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂等を単独あるいは複数併用して用い、親水基は以下に限定されないが、水酸基、カルボキシル基、アミド基などの親水基を有していればよい。
さらに、水系バインダーは少なくとも一部で、導電性ポリマーや水系バインダー自身と架橋をもつため、水系バインダー中に架橋剤を含んでいてもよく、樹脂との相溶性があり、架橋構造を作れば特に限定されない。例えば架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、ブロックイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、ホルムアルデヒド系架橋剤等を単独あるいは複数併用して用いることができる。
とくに導電性ポリマーの陰イオン成分がポリスルホン酸基であり、前記水系バインダーの親水基が水酸基を有するとき、導電性ポリマーの陰イオン成分と水系バインダーの親水基が架橋して、安定化し、解離を抑えるため、有機電子デバイスが長寿命化し好ましい。さらに、導電性ポリマーの陰イオン成分がポリスルホン酸基であり、水系バインダーとして前記ポリマー(A)を用いると、ポリマー(A)が導電性をアシストする効果があり、透明導電層の導電性と透過率を損なうことがない。また、本発明において架橋は水系バインダーに含まれる水酸基の一部が脱水縮合することで形成されると考えられる。そのため、架橋は透明導電層のガラス転移温度やナノインデンテーション弾性率の変化、さらにFTIR測定による官能基の変化により測定できる。さらに、スルホン酸基が存在する場合、スルホン酸基と水系バインダーの親水基が結合して、安定化しスルホン酸基の解離を抑えることができる。その結果、有機電子デバイスが長寿命化するためより好ましい。
[ポリマー(A)]
本発明においては、水系バインダーが前記ポリマー(A)で表されることが好ましい。
ポリマー(A)は主たる共重合成分が下記モノマー1〜3で表されるモノマーであり、共重合成分の50mol%以上の成分が下記モノマー1〜3のいずれか、あるいは、下記モノマー1〜3の成分の合計が50mol%以上である共重合ポリマーであることが好ましい。下記モノマー1〜3の成分の合計が80mol%以上であることがより好ましく、さらに、下記モノマー1〜3いずれか単独のモノマーから形成されたホモポリマーであっても良く、また、好ましい実施形態である。
モノマー1
CH=CX−O−R−OH
モノマー2
CH=CX−COO−R−OH
モノマー3
CH=CX−CONH−R−OH
式中、X、X、X、R、R、Rは、それぞれ、前記ポリマー(A)のX、X、X、R、R、Rと同義の基を表す。
ポリマー(A)においては、他のモノマー成分が共重合されていてもかまわないが、親水性の高いモノマー成分であることがより好ましい。
また、ポリマー(A)は数平均分子量において、1000以下の含有量が0〜5%以下であることが好ましい。低分子成分が少ないことで、デバイスの保存性や、導電層に対して垂直方向に電荷をやりとりする際の、層に対して垂直方向に障壁があるような挙動をより低下させることができる。
このポリマー(A)の数平均分子量において、1000以下の含有量が0〜5%以下とする方法としては、再沈殿法や分取GPCにより低分子量成分を除去する方法や、リビング重合による単分散のポリマーを合成等により、低分子量成分の生成を抑制する方法等を用いることができる。再沈殿法は、ポリマーが溶解可能な溶媒へ溶解し、ポリマーを溶解した溶媒より溶解性の低い溶媒中へ滴下することにより、ポリマーを析出させ、モノマー、触媒、オリゴマー等の低分子量成分を除去する方法である。また、分取GPCは例えばリサイクル分取GPCLC−9100(日本分析工業社製)、ポリスチレンゲルカラムで、ポリマーを溶解した溶液をカラムに通すことにより分子量で分けることができ、所望の低分子量をカットすることができる方法である。リビング重合は、開始種の生成が経時で変化せず、また停止反応等の副反応が少なく、分子量の揃ったポリマーが得られる。分子量はモノマーの添加量により調整できるため、例えば分子量を2万のポリマーを合成すれば、低分子量体の生成を抑制することができる。生産適性から、再沈殿法、リビング重合が好ましい。
本発明の水系バインダーの数平均分子量、重量平均分子量の測定は、一般的に知られているゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により行うことができる。分子量分布は(重量平均分子量/数平均分子量)の比で表すことができる。使用する溶媒は、水系バインダーが溶解すれば特に制限はなく、THF、DMF、CHClが好ましく、より好ましくはTHF、DMFであり、更に好ましくはDMFである。また、測定温度も特に制限はないが40℃が好ましい。
本発明に好ましく用いられるポリマー(A)の数平均分子量は3,000〜2,000,000の範囲が好ましく、より好ましくは4,000〜500,000、更に好ましくは5000〜100000の範囲内である。
ポリマー(A)の分子量分布は1.01〜1.30が好ましく、より好ましくは1.01〜1.25である。
数平均分子量1000以下の含有量はGPCにより得られた分布において、数平均分子量1000以下の面積を積算し、分布全体の面積で割ることで割合を換算した。
リビングラジカル重合溶剤は、反応条件下で不活性であり、モノマー、生成するポリマーを溶解できれば特に制限はないが、アルコール系溶媒と水の混合溶媒が好ましい。リビングラジカル重合温度は、使用する開始剤によって異なるが、一般に−10〜250℃、好ましくは0〜200℃、より好ましくは10〜100℃で実施される。
導電性ポリマーと水系バインダーの比率、特に水系バインダーとしてポリマー(A)を用いたときの比率は、導電性ポリマーを100質量部とした時、ポリマー(A)が30質量部から900質量部であることが好ましく、リーク防止、ポリマー(A)の導電性アシスト効果、透明性の視点からは、ポリマー(A)が100質量部以上であることがより好ましい。
[透明導電層]
本発明では、第1透明電極と有機機能層の間に透明導電層を有することで、突起や異物を透明導電層に埋め込むことができ、デバイスの電極間のリーク等の有機機能層へのダメージが軽減され、デバイスの寿命、保存性が向上する。また、透明導電層を形成する際、水系バインダーより表面エネルギーの低い導電性ポリマーが表面に配向すると考えられ、導電層と有機機能層の界面での正孔の注入障壁が低下し、デバイスの駆動電圧が低下する。
本発明において、透明導電層の形成方法としては、少なくとも導電性ポリマーと水系バインダーからなる混合液を、第1透明電極上に塗布、乾燥することで形成することが好ましい。また、塗布液中の固形分の濃度は0.5質量%から30質量%であることが好ましく、1質量%から20質量%であることが、液の停滞安定性、塗布膜の平滑性や、リーク防止効果の発現の視点で、より好ましい。
塗布法としては、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法等を用いることができる。
透明導電層の乾燥膜厚は30nmから2000nmであることが好ましい。本発明の導電層は100nm以上とすることにより導電性が大きくなることから100nm以上であることがより好ましく、リーク防止効果をより高める視点からは200nm以上であることがさらに好ましい。また、高い透過率を維持する視点から1000nm以下であることがより好ましい。
塗布した後、適宜乾燥処理を施す。乾燥処理の条件として特に制限はないが、基材や導電性ポリマー含有層が損傷しない範囲の温度で乾燥処理することが好ましい。例えば、80から150℃で10秒から30分の乾燥処理をすることができる。
特に、ポリ陰イオンがスルホン酸を有するポリ陰イオンである場合、塗布乾燥により、膜を形成した後に、100℃以上250℃以下の温度で5分以上の追加の加熱処理を施すことが好ましい。これにより、透明導電層の洗浄耐性、溶媒耐性が著しく向上する。また、保存性も向上する。100℃未満では効果が小さく、支持体が樹脂フィルムの場合、200℃を超える場合も別な反応も増えるためか、効果が小さくなる。しかしガラス等の耐熱性支持体を用いる場合は、250℃近辺で好ましい性能が得られることが分かった。支持体が樹脂フィルムの場合、処理温度としては110℃以上160℃以下であることがより好ましく、処理時間としては15分以上であることがより好ましい。処理時間の上限は特にないが、生産性を考えると120分以下であることが好ましい。
また、濡れ性の観点から、透明導電層は表面処理を施してもよく、表面処理については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。
次に、本発明の透明導電層を有する有機電子デバイスについて説明する。
[有機電子デバイス]
本発明の有機電子デバイスは、基板上に対向する第1透明電極と第2電極を有し、第1透明電極と第2電極との電極間に少なくとも1層の有機機能層を有する。有機機能層としては、有機発光層、有機光電変換層、液晶ポリマー層などを特に限定無く挙げることができるが、本発明は、有機機能層が薄膜でかつ電流駆動系のデバイスである有機発光層、有機光電変換層である場合において、特に有効である。
[有機機能層]
本発明において有機機能層は、有機発光層や有機光電変換層に加えて、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層、電子阻止層などの有機発光層と併用して発光を制御する層を有しても良い。本発明では、導電性ポリマーを有する透明導電層は正孔注入層を兼ねることも可能だが、正孔の移動のしやすさの観点から、独立に正孔注入層をもうけ、透明導電層と隣接することが好ましい。
[有機エレクトロルミネッセンスデバイス]
先ず、有機機能層が有機発光層である有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELと略す)デバイスについて説明する。有機機能層が発光層である構成例を以下に示す。本発明はこれらに限定されないが、上述の通り特に(v)の構成のデバイスが好ましい。
(i)(第1透明電極)/(透明導電層)/発光層/電子輸送層/(第2電極部)
(ii)(第1透明電極)/(透明導電層)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/(第2電極部)
(iii)(第1透明電極)/(透明導電層)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/(第2電極部)
(iv)(第1透明電極)/(透明導電層)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/(第2電極部)
(v)(第1透明電極)/(透明導電層)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/(第2電極部)
[発光層]
発光層は、発光極大波長が各々430〜480nm、510〜550nm、600〜640nmの範囲にある単色発光層であってもよく、また、これらの少なくとも三層の発光層を積層して白色発光層としたものであってもよく、さらに、発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。本発明に係る有機ELデバイスとしては、白色発光層であることが好ましい。
また、本発明において有機発光層に使用できる発光材料又はドーピング材料としては、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチルベンゼン誘導体、ジスチルアリーレン誘導体、及び各種蛍光色素及び希土類金属錯体、燐光発光材料等があるが、これらに限定されるものではない。またこれらの化合物のうちから選択される発光材料を90〜99.5質量部、ドーピング材料を0.5〜10質量部含むようにすることも好ましい。有機発光層は上記の材料等を用いて公知の方法によって作製されるものであり、蒸着、塗布、転写などの方法が挙げられる。この有機発光層の厚さは0.5〜500nmが好ましく、特に、0.5〜200nmが好ましい。
[注入層:電子注入層、正孔注入層]
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機機能層間に設ける層のことで、例えば、「有機ELデバイスとその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)にその詳細に記載されており、正孔注入層と電子注入層とがある。正孔注入層としては、第1透明電極との仕事関数の差が少ないことが要求される。特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性ポリマー層等が挙げられる。特に塗布法での使用が可能である点から、導電性ポリマー層を使用することが好ましい。また、正孔注入層に使用する導電性ポリマーは仕事関数の観点から、化合物内にフッ素(F)を有するポリアニオンであることが好ましい。また、Fは後から添加してもよく、パーフルオロ化されたポリアニオンでもよい。具体的には、パーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Dupont社製)、カルボン酸基を含有するパーフルオロ型ビニルエーテルからなるフレミオン(旭硝子社製)などをあげることができる。
電子注入層としては、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。注入層はごく薄い膜であることが望ましく、使用する素材にもよるが、その膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。また、導電性ポリマーを用いたときは、透明性の観点から5nm〜50nmであることが特に好ましい。
[阻止層:正孔阻止層、電子阻止層]
阻止層は、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機ELデバイスとその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止層がある。正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、正孔阻止層として用いることができる。本発明の白色有機ELデバイスに設ける正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明に係る正孔阻止層、電子輸送層の膜厚としては、好ましくは100nm以下であり、更に好ましくは5〜30nmである。
[正孔輸送層]
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、更にはポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、更には米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。また、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)、特表2003−519432号公報に記載されているような、所謂p型半導体的性質を有するとされる正孔輸送材料を用いることもできる。本発明においては、より高効率の発光デバイスが得られることから、これらの材料を用いることが好ましい。正孔輸送層は上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
[電子輸送層]
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は、発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。また、不純物をドープしたn型半導体的性質を有するとされる電子輸送材料を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開平10−270172号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)などに記載されたものが挙げられる。本発明においては、このようなn型半導体的性質を有するとされる電子輸送材料を用いることが、より低消費電力のデバイスを作製することができるため好ましい。
〔第2電極〕
本発明に係る第2電極は、有機ELデバイスにおいては陰極となる。本発明に係る第2電極部は導電材単独層であっても良いが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。第2電極部の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第2金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
第2電極部の導電材として金属材料を用いれば第2電極側に来た光は反射されて第1透明電極部側にもどる。第1透明電極部の金属ナノワイヤは光の一部を後方に散乱、あるいは反射するが第2電極部の導電材として金属材料を用いることで、この光が再利用可能となりより取り出しの効率が向上する。
[有機光電変換デバイス]
次に有機光電変換デバイスについて説明する。本発明の有機光電変換デバイスは、第1透明電極、バルクヘテロジャンクション構造(p型半導体層及びn型半導体層)を有する光電変換層(以下「バルクヘテロジャンクション層」とも呼ぶ。)、第2電極が積層された構造を有し、第1透明電極と光電変換層との間に本発明の透明導電層を有することを特徴とする。
更に、光電変換層と第2電極との間に電子輸送層などの中間層を有しても良い。
[光電変換層]
光電変換層は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を構成している。
p型半導体材料は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプター)として機能する。
ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
p型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物が挙げられる。
縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、フラーレン及びこれらの誘導体あるいは混合物を挙げることができる。
また、特にポリチオフェン及びそのオリゴマーのうち、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
その他、高分子p型半導体の例としては、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリパラフェニレンスルフィド、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリカルバゾール、ポリイソチアナフテン、ポリヘプタジイン、ポリキノリン、ポリアニリンなどが挙げられ、更には特開2006−36755号公報などの置換−無置換交互共重合ポリチオフェン、特開2007−51289号公報、特開2005−76030号公報、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p4112、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p7246などの縮環チオフェン構造を有するポリマー、WO2008/000664、Adv.Mater.,2007,p4160、Macromolecules,2007,Vol.40,p1981などのチオフェン共重合体などを挙げることができる。
さらに、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、等の有機分子錯体、C60、C70、C76、C78、C84等のフラーレン類、SWNT等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類等の色素等、さらにポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマーや特開2000−260999号に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
これらのπ共役系材料のうちでも、ペンタセン等の縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニン、金属ポルフィリンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。また、ペンタセン類がより好ましい。
ペンタセン類の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986等に記載の置換アセン類及びその誘導体等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、かつ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。そのような化合物としては、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物、及び米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、特開2007−224019号公報等に記載のポルフィリンプレカーサー等のような、プレカーサータイプの化合物(前駆体)が挙げられる。
これらの中でも、後者のプリカーサータイプの方が好ましく用いることができる。
これは、プリカーサータイプの方が、変換後に不溶化するため、バルクヘテロジャンクション層の上に正孔輸送層・電子輸送層・正孔阻止層・電子阻止層等を溶液プロセスで形成する際に、バルクヘテロジャンクション層が溶解してしまうことがなくなるため、前記の層を構成する材料とバルクヘテロジャンクション層を形成する材料とが混合することがなくなり、一層の効率向上・寿命向上を達成することができるためである。
p型半導体材料としては、p型半導体材料前駆体に熱・光・放射線・化学反応を引き起こす化合物の蒸気に晒す、等の方法によって化学構造変化を起こし、p型半導体材料に変換された化合物であることが好ましい。中でも熱によって科学構造変化を起こす化合物が好ましい。
n型半導体材料の例としては、フラーレン、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む、高分子化合物が挙げられる。
中でも、フラーレン含有高分子化合物が好ましい。フラーレン含有高分子化合物としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等を骨格に持つ高分子化合物が挙げられる。フラーレン含有高分子化合物では、フラーレンC60を骨格に持つ高分子化合物(誘導体)が好ましい。
フラーレン含有ポリマーとしては、大別してフラーレンが高分子主鎖からペンダントされたポリマーと、フラーレンが高分子主鎖に含有されるポリマーとに大別されるが、フラーレンがポリマーの主鎖に含有されている化合物が好ましい。
これは、フラーレンが主鎖に含有されているポリマーは、ポリマーが分岐構造を有さないため、固体化した際に高密度なパッキングができ、結果として高い移動度を得ることができるためではないかと推定される。
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。
本発明に係る光電変換デバイスを、太陽電池などの光電変換材料として用いる形態としては、光電変換デバイスを単層で利用してもよいし、積層して(タンデム型)利用してもよい。
また、光電変換材料は、環境中の酸素、水分等で劣化しないために、公知の手法によって封止することが好ましい。
[第1透明電極]
本発明において、第1透明電極としては、透明基板上に、ITO、ZnO、金属薄膜層など、公知の透明導電性電極層が全面に形成されているもの、あるいは、後述のストライプ状、メッシュ状、あるいは、ランダムな網目状電極等が形成されているものなどを挙げることができるが、これらに限定はされない。大面積化に対応するためには、本発明の第1透明電極は、光不透過の導電部と透光性窓部とからなる電極を有するものであってもよい。前記光不透過の導電部を形成する材料としては導電性が良い点で金属であることが好ましく、金属材料としては、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム等が挙げられる。また導電部の金属は合金でも良く、金属層は単層でも多層でも良い。
本発明において、電極の形状は特に制限はないが、例えば、導電部がストライプ状、メッシュ状、あるいは、ランダムな網目状のものが挙げられる。
[ストライプ状、あるいはメッシュ状構造]
導電部がストライプ状、あるいはメッシュ状の電極を形成する方法としては、特に、制限はなく、従来公知な方法が利用できる。例えば、基材全面に金属層を形成し、公知のフォトリソ法によって形成できる。具体的には、基材上に全面に、蒸着、スパッタ、めっき等の1或いは2以上の物理的或いは化学的形成手法を用いて導電体層を形成する、あるいは、金属箔を接着剤で基材に積層した後、公知のフォトリソ法を用いて、エッチングすることにより、所望のストライプ状、あるいはメッシュ状に加工できる。
別な方法としては、金属微粒子を含有するインクをスクリーン印刷により所望の形状に印刷する方法や、メッキ可能な触媒インクをグラビア印刷、あるいは、インクジェット方式で所望の形状に塗布した後、メッキ処理する方法、さらに別な方法としては、銀塩写真技術を応用した方法も利用できる。銀塩写真技術を応用した方法については、例えば、特開2009−140750号公報の0076−0112、および実施例を参考にして実施できる。触媒インクをグラビア印刷してメッキ処理する方法については、例えば、特開2007−281290号公報を参考にして実施できる。
[ランダムな網目構造]
ランダムな網目構造としては、例えば、特表2005−530005号公報に記載のような、金属微粒子を含有する液を塗布乾燥することにより、自発的に導電性微粒子の無秩序な網目構造を形成する方法を利用できる。
別な方法としては、例えば、特表2009−505358号公報に記載のような、金属ナノワイヤを含有する塗布液を塗布乾燥することで、金属ナノワイヤのランダムな網目構造を形成させる方法を利用できる。
金属ナノワイヤとは、金属元素を主要な構成要素とする繊維状構造体のことをいう。特に、本発明における金属ナノワイヤとは、原子スケールからnmサイズの短径を有する多数の繊維状構造体を意味する。
金属ナノワイヤとしては、1つの金属ナノワイヤで長い導電パスを形成するために、平均長さが3μm以上であることが好ましく、さらには3〜500μmが好ましく、特に3〜300μmであることが好ましい。併せて、長さの相対標準偏差は40%以下であることが好ましい。また、平均短径には特に制限はないが、透明性の観点からは小さいことが好ましく、一方で、導電性の観点からは大きい方が好ましい。金属ナノワイヤの平均短径として10〜300nmが好ましく、30〜200nmであることがより好ましい。併せて、短径の相対標準偏差は20%以下であることが好ましい。金属ナノワイヤの目付け量は0.005g/m〜0.5g/mであるのが好ましく、0.01g/m〜0.2g/mであるのがより好ましい。
金属ナノワイヤに用いられる金属としては銅、鉄、コバルト、金、銀等を用いることができるが、導電性の観点から銀が好ましい。また、金属は単一で用いてもよいが、導電性と安定性(金属ナノワイヤの硫化や酸化耐性、及びマイグレーション耐性)を両立するために、主成分となる金属と1種類以上の他の金属を任意の割合で含んでもよい。
金属ナノワイヤの製造手段には特に制限はなく、例えば、液相法や気相法等の公知の手段を用いることができる。また、具体的な製造方法にも特に制限はなく、公知の製造方法を用いることができる。例えば、銀ナノワイヤの製造方法としては、Adv.Mater.,2002,14,833〜837;Chem.Mater.,2002,14,4736〜4745、金ナノワイヤの製造方法としては特開2006−233252号公報等、銅ナノワイヤの製造方法としては特開2002−266007号公報等、コバルトナノワイヤの製造方法としては特開2004−149871号公報等を参考にすることができる。特に、上述した銀ナノワイヤの製造方法は、水溶液中で簡便に銀ナノワイヤを製造することができ、また銀の導電率は金属中で最大であることから、好ましく適用することができる。
[湿式洗浄]
電極はその表面や内部に異物や不純物があると、有機電子デバイスの寿命などの性能に大きく影響する。そのため、本発明では透明導電層を湿式洗浄してもよい。湿式洗浄とは、水系溶媒の洗浄液を使って透明導電層を洗浄することをいい、透明導電層中の不純物や層上の異物を取り除くことができ、不純物の少ない高平滑な導電層が得られる。これにより、寿命、保存性に優れた有機電子デバイスが得られる。水系溶媒とは50質量%以上が水である溶媒を表す。もちろん、他の溶媒を含有しない純水であっても良い。さらに、洗浄液中の異物の少なさから、超純水であることが望ましい。超純水とは、水温が25℃のとき、比抵抗が18MΩ・cm程度で、JISK0551に準じた方法で測定された全有機炭素TOCが0.05mg/L未満である水のことをいう。水系溶媒の水以外の成分は、水に相溶する溶剤であれば特に制限はないが、アルコール系の溶媒を好ましく用いることができ、中でも、沸点が比較的水に近いイソプロピルアルコールを用いることが好ましい。さらに透明導電層の濡れ性を改善するため、洗浄液は界面活性剤を含んでいてもよい。また、洗浄液はフィルター成分が溶出しない限り、各種フィルターを介したものであることが、洗浄液中の異物が少なくなることから、好ましい。
〔透明基板〕
本発明に用いられる透明基板としては、高い光透過性を有していればそれ以外に特に制限はない。例えば、基板としての硬度に優れ、またその表面への導電層の形成のし易さ等の点で、ガラス基板、樹脂基板、樹脂フィルムなどが好適に挙げられるが、多段洗浄処理との適合性の観点や軽量性と柔軟性といった性能の観点から透明樹脂フィルムを用いることが好ましい。
本発明で透明基板として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限はなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜780nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。
また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。
また、透明基板の表面または裏面には、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/m・24h・atm以下、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
高バリア性フィルムとするために透明基板の表面または裏面に形成されるバリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等デバイスの劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
[ポリマーAの合成例]
<ATRP(Atom Transfer Radical Polymerization)法を用いたリビングラジカル重合>
「開始剤1の合成」
合成例1(メトキシキャップされたオリゴエチレングリコール−2−ブロモイソブチレート(開始剤1)の合成)
50ml三口フラスコに2−ブロモイソブチリルブロミド(7.3g、35mmol)とトリエチルアミン(2.48g、35mmol)及びTHF(20ml)を加え、アイスバスにより内温を0℃に保持した。この溶液内にメトキシキャップド オリゴエチレングリコール(10g、23mmol、エチレングリコールユニット7〜8、Laporte Specialties社製)の33%THF溶液30mlを滴下した。30分攪拌後、溶液を室温にし、更に4時間攪拌した。THFをロータリーエバポレーターにより減圧除去後、残渣をジエチルエーテルに溶解し、分液ロートに移した。水を加えエーテル層を3回洗浄後、エーテル層をMgSOにより乾燥させた。エーテルをロータリーエバポレーターにより減圧留去し、開始剤1を8.2g(収率73%)得た。
合成例2(P−1:ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)の合成)
開始剤1(500mg、1.02mmol)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(4.64g、40mmol、東京化成社製)、50:50 v/v% メタノール/水混合溶媒5mlをシュレンク管に投入し、減圧下液体窒素に10分間シュレンク管を浸した。シュレンク管を液体窒素から出し、5分後に窒素置換を行った。この操作を3回行った後、窒素下で、ビピリジン(400mg、2.56mmol)、CuBr(147mg、1.02mmol)を加え、20℃で攪拌した。30分後、ろ紙とシリカを敷いた4cm桐山ロート上に反応溶液を滴下し、減圧で反応溶液を回収した。ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧留去後、50℃で3時間減圧乾燥した。その結果、数平均分子量13100、分子量分布1.17、数平均分子量<1000の含量0%、の水溶性バインダーP−1を2.60g(収率84%)得た。
構造、分子量は各々H−NMR(400MHz、日本電子社製)、GPC(Waters2695、Waters社製)で測定した。
<GPC測定条件>
装置:Wagers2695(Separations Module)
検出器:Waters 2414 (Refractive Index Detector)
カラム:Shodex Asahipak GF−7M HQ
溶離液:ジメチルホルムアミド(20mM LiBr)
流速:1.0ml/min
温度:40℃
モノマーとしてヒドロキシエチルビニルエーテル及びヒドロキシエチルアクリルアミドを用いた以外は同様にして、各々P−2:ポリヒドロキシエチルビニルエーテル(数平均分子量約2万、数平均分子量<1000の含量0%)、P−3:ポリヒドロキシエチルアクリルアミド(数平均分子量約2万、数平均分子量<1000の含量0%)を得た。
更に、2−ヒドロキシエチルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルビニルエーテルを等モル用いた以外は同様にして、P−4:ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート/ポリヒドロキシエチルビニルエーテル)共重合体(数平均分子量約2万、数平均分子量<1000の含量0%)を得た。
[透明基板]
二軸延伸PENフィルムの一方の面に、大気圧プラズマ放電処理法を用いて、低密度層、中密度層、高密度層、中密度層のユニットを3層積層した透明ガスバリア性を持つ透明基板1を作製した。JIS K7129−1992に準拠した方法により水蒸気透過度を測定した結果、10−3g/(m・24h)以下であった。JIS K7126−1987に準拠した方法により酸素透過度を測定した結果、10−3ml/(m・24hr・MPa)以下であった。
[第1透明電極]
[ITO基板]
透明基板1のバリア層のない面に、ITO(インジウムチンオキシド)をスパッタ法により150nm成膜した基板にフォトリソ法によりパターニングを行った後、イソプロピルアルコールに基板を浸漬し、超音波洗浄器ブランソニック3510J−MT(日本エマソン社製)により10分間の超音波洗浄処理を施し、ITO基板を作製した。
[銀ナノワイヤ基板]
また、透明基板1のバリア層のない面に、銀ナノワイヤ分散液を、銀ナノワイヤの目付け量が0.06g/mとなるように、銀ナノワイヤ分散液をバーコート法を用いて塗布し120℃、20分乾燥加熱後、下記の金属微粒子除去液をスクリーン印刷を用いて、パターン印刷し、水洗により金属微粒子除去液を除去し、銀ナノワイヤ基板を作製した。
銀ナノワイヤ分散液は、Adv.Mater.,2002,14,833〜837に記載の方法を参考に、PVP K30(分子量5万;ISP社製)を利用して、平均短径75nm、平均長さ35μmの銀ナノワイヤを作製し、限外濾過膜を用いて銀ナノワイヤを濾別、洗浄処理した後、ヒドロキシプロピルメチルセルロース60SH−50(信越化学工業社製)を銀に対し25質量%加えた水溶液に再分散し、銀ナノワイヤ分散液を調製した。また、金属微粒子除去液は以下の組成のものを使用した。
〈金属微粒子除去液の作製〉
エチレンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム 60g
エチレンジアミン4酢酸 2.0g
メタ重亜硫酸ナトリウム 15g
チオ硫酸アンモニウム 70g
マレイン酸 5.0g
純水で1Lに仕上げ、硫酸またはアンモニア水でpHを5.5に調整し、金属微粒子除去液を作製した。また、金属微粒子除去液の粘度をカルボキシメチルセルロースナトリウム(SIGMA−ALDRICH社製;C5013 以下、CMCと略記する)で10Pa・s(10000cP)に調整した。
[銅メッシュ基板]
透明基板1のバリア層のない面に、第1透明電極として、下記の方法により、銅メッシュを作製し、前記金属微粒子除去液によるパターニングを行い、銅メッシュ基板を作製した。
パラジウムナノ粒子を含有する森村ケミカル社製の触媒インクJIPD−7を用い、それにCabot社製の自己分散タイプカーボンブラック溶液CAB−O−JET300を、触媒インクに対するカーボンブラック比率が10.0質量%になるように添加し、更にサーフィノール465(日信化学工業株式会社)を添加して、25℃における表面張力が48mN/mである導電性インクを調製した。
導電性インクを、インクジェット記録ヘッドとして、圧力印加手段と電界印加手段とを有し、ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)のピエゾ型ヘッドを搭載したインクジェットプリント装置に装填し、基板上に線幅10μm、乾燥後膜厚0.5μm、線間隔300μmの格子状の導電性細線を形成した後、乾燥した。
次いで、メルテックス社製の高速無電解銅メッキ液CU−5100を用い、温度55℃で10分間浸漬した後、洗浄して、無電解メッキ処理を施して、メッキ厚3μmの電極を作製した。
[透明導電層の形成]
下記の導電性ポリマーと水系バインダーの混合液A〜Lを調製し、作製したITO基板に押し出し法を用いて幅40mm、乾燥膜厚100nm或いは300nmになるように、押し出しヘッドのスリット間隙を調整して塗布し、ふき取りにより不要部分をふき取った後、150℃、20分で加熱乾燥し、それぞれをITO電極1〜16、21〜24を作製した。
A:導電性ポリマー層塗布液
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 単独
B:導電性ポリマーとバインダー層塗布液(70%)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 1.587g
ポリヒドロキシエチルアクリレート(P−1、固形分20%水溶液)
0.350g
C:導電性ポリマーとバインダー層塗布液(50%)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 2.645g
ポリヒドロキシエチルアクリレート(P−1、固形分20%水溶液)
0.250g
D:導電性ポリマーとバインダー層塗布液(20%)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 4.233g
ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)(P−1、固形分20%水溶液) 0.100g
E:導電性ポリマーと水系バインダー層塗布液
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 1.59g
ポリ(2−ヒドロキシエチルビニルエーテル)(P−2、固形分20%水溶液) 0.35g
F:導電性ポリマーと水系バインダー層塗布液
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 1.59g
ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリルアミド)(P−3、固形分20%水溶液) 0.35g
G:導電性ポリマーと水系バインダー層塗布液
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 1.59g
ポリヒドロキシエチルアクリレート(P−1、固形分20%水溶液)
0.35g
ジメチルスルホキシド 0.10g
H:導電性ポリマーと水系バインダー層塗布液
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 1.59g
水系ポリエステル (バイロナールMD1400、固形分15%、東洋紡製) 0.47g
ジメチルスルホキシド 0.10g
ブロックイソシアネート (エラストロンBN−11、第一工業製薬(株)) 0.09g
硬化触媒(エラストロンCAT−21、第一工業製薬(株)製)
0.004g
I:導電性ポリマーと水系バインダー層塗布液
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 1.59g
ポリビニルアルコール (PVA−235、クレハ製、固形分2% 水溶液) 3.50g
ジメチルスルホキシド 0.10g
エポキシ系架橋剤 (デナコールEX−521、ナガセケムテックス(株) 0.5g
J:導電性ポリマー層塗布液
PEDOT−PSS CLEVIOS P AI 4083(固形分1.5%)(H.C.Starck社製) 単独
K:導電性ポリマーとバインダー層塗布液(70%)
PEDOT−PSS CLEVIOS P AI 4083(固形分1.5%)(H.C.Starck社製) 2.000g
ポリヒドロキシエチルアクリレート(P−1、固形分20%水溶液)
0.350g
L:導電性ポリマーと水系バインダー層塗布液
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 1.59g
水系ポリエステル (バイロナールMD1400、固形分15%、東洋紡製) 0.47g
ジメチルスルホキシド 0.10g
M:導電性ポリマーとバインダー層塗布液(70%)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 1.587g
ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート/ポリヒドロキシエチルビニルエーテル)(P−4、固形分20%水溶液) 0.350g
上記、導電性ポリマーと水系バインダー層塗布液B〜G、K、Mは、分子中のポリヒドロキシ基とPEDOT−PSSとの間に架橋構造を形成し、150℃、20分で加熱乾燥した後の膜強度は、それぞれの単独膜に較べ硬度が向上していた。
また、塗布液A、H、I、J、Lも、塗布後同様に150℃、20分で加熱乾燥した。
また、同様の方法で、前記塗布液A、Bを銀ナノワイヤ基板、銅メッシュ基板に塗布し、パターニング、乾燥を行い、銀ナノワイヤの電極(銀ナノワイヤ電極ともいう)17及び18と銅メッシュの電極(銅メッシュ電極ともいう)19及び20を作製した。ここで銅メッシュ基板には導電性ポリマーと水系バインダー層の膜厚が500nmとなるように塗布した。塗布後同様に150℃、20分で加熱乾燥した。
得られた各電極の透明性、導電性、平滑性を評価した。
(透明性)
透明性の評価として、東京電色社製 HAZE METER NDH5000を用いて、全光線透過率を測定した。デバイスでの光ロスから、75%以上であることが好ましい。
◎:80%以上
○:75%〜80%未満
△:70%〜75%未満
×:0〜70%未満
(透明導電層の導電性、平滑性)
透明導電層の導電性の評価として、まず、ガラス基板に塗布液A〜Lを表1に記載の膜厚に押し出し法により押し出しヘッドのスリット間隙を調整して塗布し、150℃、20分間加熱乾燥した。そして、それらの基板を抵抗率計(ロレスタGP(MCP−T610型):(株)三菱化学アナリテック社製)を用いて表面抵抗を測定した。レンジオーバーで測定不可の試料については、3cm×3cmの試料を作製して、導電性ポリマー含有層上の対向する2辺に端から約2mmの幅で銀ペーストを塗布し、KEITHLEY製ソースメジャーユニット2400型を用いて、1Vの直流電圧を印加し、その時の電流値から1V/電流値を面抵抗値とした。導電性の観点から、1×10Ω/□以下であることが好ましい。測定の結果、すべての塗布液について、1×10Ω/□以下であった。
平滑性の評価として、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)SPI3800Nプローブステーション及びSPA400多機能型ユニット(セイコーインスツル社製)を用い、導電性評価で用いたサンプルの表面粗さRaを測定した。カンチレバーは、SI−DF20(セイコーインスツル社製)を用い、共振周波数120〜150kHz、バネ定数12〜20N/m、DFMモード(Dynamic Force Mode)にて、測定領域10μm角を、走査周波数1Hzで測定した。JIS B601(1994)に準じて求めた算術平均粗さRaで平滑性を評価した。透明電極としては、50nm以下であることが好ましい。測定の結果、作製したすべての塗布液について、50nm以下であった。
尚、ITO基板を比較用電極25とした。
各電極の透明導電層の組成及び評価結果を表1に示す。
P−1:ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)
P−2:ポリ(2−ヒドロキシエチルビニルエーテル)
P−3:ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリルアミド)
P−4:ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルビニルエーテル)
PH510:PEDOT−PSS CLEVIOS PH510
4083:PEDOT−PSS CLEVIOS P AI 4083
表1から、導電性ポリマー単体は異物や不純物の影響を減らすため膜厚を増やすと、透過率が大きく減少することがわかる。
[洗浄]
ITO電極2〜9、11〜12、14〜16、24、銀ナノワイヤ電極18、銅メッシュ電極20を有する基板を、超純水で洗浄した。洗浄液はMilli−Q水製造装置 Milli−Q Advantage(日本ミリポア(株))を用いて作製した超純水を用いた。各基板はロールtoロール方式で洗浄槽に曝し、1m/hの速度で送り出しを行った。洗浄の水量を1l/hとし、単槽洗浄を行った。さらに洗浄後、150℃、20分で電極の乾燥を行った。ITO電極10は洗浄せず、ITO電極2との洗浄の有無による性能差を見た。
また、PEDOT単独層を透明導電層として形成している電極(ITO電極1、13、23、銀ナノワイヤ電極17、銅メッシュ19)については、架橋構造を持たないため、洗浄を行うと膜表面が乱れることから、洗浄は行わなかった。
[有機ELデバイスの作製]
各電極を用い、下記のようにして各有機EL素子を作製した。
作製した電極1〜10、13、14、17〜24の一部を5cm角に切りとり、PEDOT/PSS 4083(H.C.Starck社製)をスピンコーターで厚さ30nmの導電性層を形成することで正孔注入層とした。また、ITO電極11、15については、同様の方法で、PEDOT/PSS PH510(H.C.Starck社製)を厚さ30nmで正孔注入層として形成した。さらに、ITO電極12、16については下記に示す方法で作製したナフィオンを厚さ30nmで正孔注入層として形成した。
次いで、市販の真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を各々のデバイス作製に最適の量を充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
はじめに、真空度1×10−4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で、アノード電極上に蒸着し、30nmの正孔輸送層を設けた。
次いで、以下の手順で各発光層を設けた。
Ir−1が13質量%、Ir−2が3.7質量%の濃度になるように、Ir−1、Ir−2及び化合物1−1を蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、発光極大波長が622nm、厚さ10nmの緑赤色燐光発光層を形成した。
次いで、E−1が10質量%になるように、E−1及び化合物1−1を蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、発光極大波長が471nm、厚さ15nmの青色燐光発光層を形成した。
その後、M−1を膜厚5nmに蒸着して正孔阻止層を形成し、更にCsFを膜厚比で10%になるようにM−1と共蒸着し、厚さ45nmの電子輸送層を形成した。
更に、アルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成した。
次いで、ポリエチレンテレフタレートを基材とし、Alを厚さ300nmで蒸着した可撓性封止部材を使用し、アノード電極及びカソード電極の外部取り出し端子が形成出来る様に端部を除きカソード電極の周囲に接着剤を塗り、可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させて、各電極に対応する有機ELデバイス1〜24を作製した。
なお、比較用サンプルとして、ITO電極に透明導電層を形成せず、正孔注入層にPEDOT−PSS 4083を用いて有機ELデバイス25を作製した。
各有機ELデバイスの第1透明電極、透明導電層及び正孔注入層に用いた材料を表1にまとめて示した。また、有機EL層の形成に用いた材料を下記に示す。
[ナフィオン(Dupont社製)]
142.68g(16.03ミリモルのナフィオン(登録商標)モノマー単位)SE−10072および173.45gの脱イオン水を500mlフラスコへ注ぎ込んだ。
0.07gの硫酸第二鉄水和物を脱イオン水で総仕上げ量12.28gに溶解することによって硫酸第二鉄溶液を作製した。次に1.40gの硫酸第二鉄溶液および1.72g(7.224ミリモル)の過硫酸ナトリウムをフラスコに加えて、良く撹拌した。フラスコ内容物を、500mlの3首フラスコ中へ注ぎ込んだ。次に混合物を反応容器中で30分間撹拌した。0.63ml(5.911ミリモル)の3,4−エチレンジオキシチオフェンを反応混合物に撹拌しながら加えた。重合を約23℃で撹拌しながら進行させた。1時間7分後に、重合液体は非常に濃い青色に変わった。
この水性PEDOT/ナフィオン(登録商標)重合液体100gに陰イオン交換体(Bayre AG;Lewatit MP62)5.0g、陽イオン交換体(Bayer AG;Lewatit S100)5.0gを添加し、8時間攪拌した。イオン交換体をろ過によって取除いた。
乾燥固体の質量分析に基づいて固形分1.89質量%の10gのPEDOT/ナフィオン(登録商標)分散液を作製した。
[有機ELデバイスの評価]
有機ELデバイス1〜25を下記の評価を行い、表2にまとめた。
(駆動電圧)
得られた有機ELデバイス1〜24において、初期の輝度を5000cd/mで発光した時の電圧を駆動電圧とし、有機ELデバイス25に対する比率を求め、以下の指標で評価した。3以上が好ましく、4以上であることがより好ましい。
5:90%未満
4:90〜95%未満
3:95〜100%未満
2:100〜110%未満
1:110%以上
(寿命)
得られた有機ELデバイス1〜25の、初期の輝度を5000cd/mで連続発光させて、輝度が半減するまでの時間を求めた。有機ELデバイス25に対する比率を求め、以下の指標で評価し寿命として、表2に示す。2以上が好ましく、3以上であることがより好ましい。
5:200%以上
4:150〜200%未満
3:120〜150%未満
2:110〜120%未満
1:100〜110%未満
0:100%未満
(保存性)
任意にデバイスを選び、80℃のサーモ器で保存。12時間毎にサーモ器から取り出し、初期の1000cd/m発光時の電圧を印加し、その時の輝度を測定、輝度が半減した時間を評価し、保存時間とした。有機ELデバイス25に対する比率を求め、以下の指標で評価した。2以上が好ましく、3以上であることがより好ましい。
5:200%以上
4:150〜200%未満
3:120〜150%未満
2:110〜120%未満
1:100〜110%未満
0:100%未満
評価した結果を表2に示す。
表2から、本発明の有機ELデバイスは低駆動電圧で、寿命、保存性ともに非常に優れることがわかる。とくに、正孔注入層として仕事関数の小さいナフィオンを用いることがよりよいことがわかる(有機ELデバイス12、16)。また、洗浄も効果的であることがわかる(有機ELデバイス2と10、8と23)。また、導電性ポリマーのみを用いたものは、膜厚を薄くすることによって透明性を上げることはできるが、駆動電圧、寿命、保存性共に低下することが分かる(有機ELデバイス1、13と21、22)。
更に、本発明の透明導電膜を有する有機太陽電池デバイスを作製し評価したところ、同様に寿命、保存性の向上が確認された。
また、支持基板として、支持基板1に代えてポリイミドフィルムを用い、200℃で20分、ガラス基板を用い、250℃、20分、の加熱処理を施して作製した本発明の透明導電層を有する有機電子デバイスは、比較のポリイミドフィルム若しくはガラス基板の上に電極を形成したものに比べ、優れた性能を有するものであることがわかった。

Claims (9)

  1. 透明基板上に、対向する第1透明電極と第2電極と、前記電極間に有機機能層とを有する有機電子デバイスにおいて、前記第1透明電極と有機機能層の間に少なくとも導電性ポリマーと水系バインダーを含有する透明導電層を有することを特徴とする有機電子デバイス。
  2. 前記導電性ポリマー若しくは水系バインダーの少なくとも一部が架橋されてなる透明導電層を有することを特徴とする請求項1に記載の有機電子デバイス。
  3. 前記導電性ポリマーが、π共役系導電性高分子成分とポリ陰イオン成分とを含んで成る導電性ポリマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機電子デバイス。
  4. 前記ポリ陰イオン成分がポリスルホン酸基であることを特徴とする請求項3に記載の有機電子デバイス。
  5. 前記水系バインダーが、下記ポリマー(A)からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機電子デバイス。

    (式中、X〜Xはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、R〜Rはそれぞれ独立に、炭素数5以下のアルキレン基を表す。l、m、nは構成率(mol/%)を表し、50≦l+m+n≦100である。)
  6. 前記透明導電層が湿式洗浄されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電子デバイス。
  7. 前記透明導電層に隣接する有機機能層が正孔注入層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機電子デバイス。
  8. 前記正孔注入層がフッ素(F)を有するポリ陰イオンを含有することを特徴とする請求項7に記載の有機電子デバイス。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の有機電子デバイスを製造する方法であって、少なくとも導電性ポリマーと水系バインダーを含有る透明導電層を塗布乾燥した後、100℃以上250℃以下の温度で5分以上の加熱処理を施すことを特徴とする有機電子デバイスの製造方法。
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