JP2007214517A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び組成物 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】長寿命及び高発光輝度が達成可能な有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、その製造方法、有機EL表示装置及び組成物を提供する。
【解決手段】陽極、バッファ層及び発光層がこの順に積層された構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、上記バッファ層は、3,4−置換チオフェン基を有する導電性高分子化合物と、その他の2種以上の高分子化合物とを含有し、上記その他の高分子化合物の少なくとも1種は、カルボキシル基を有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、その製造方法、有機EL表示装置及び組成物に関する。より詳しくは、高分子有機EL素子、その製造方法、有機EL表示装置及び組成物に関するものである。
有機エレクトロルミネセンス(EL)ディスプレイは、コントラストや視野角等の視認性や応答性に優れ、低消費電力化、薄型軽量化、及び、ディスプレイ本体のフレキシブル化が可能であることから、次世代のフラットパネルディスプレイ(FPD)として注目を集めている。現在は、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイパネル(PDP)に比べ、技術の完成度や産業インフラの水準がまだ劣っているため、有機ELディスプレイの実用化は、カーオーディオや一部のモバイル情報機器等への搭載に留まっているものの、理論的には最も優れたFPDであることから、今後の市場拡大が期待されている。
このような有機ELディスプレイは、ガラスやプラスチック等からなる透明絶縁性基板上に画素毎に配置された発光型の素子(以下「有機EL素子」ともいう。)を発光させることにより、画像表示を行うものである。有機EL素子の構造としては、例えば図2に示すように、酸化インジウム錫(ITO)からなるパターン化された陽極50上に、バッファ層51と、キャリアの再結合により発光する材料からなる発光層52と、真空蒸着法により形成される陰極53とがこの順に積層されたものが挙げられる。なお、有機EL素子は、大気中に曝されると、大気中の水分で電極部分が酸化されてしまうことから、陰極53の成膜工程の後、窒素(N)ガス等の不活性ガス雰囲気下で、ガラスキャップ等で封止される。
この有機EL素子は、バッファ層51や発光層52が低分子系の材料からなる低分子有機EL素子と高分子系の材料からなる高分子有機EL素子とに分類される。低分子有機EL素子と高分子有機EL素子とでは成膜方法が異なる。具体的には、低分子有機EL素子では、バッファ層51や発光層52は、真空下で蒸着法を用いて成膜されるのに対し、高分子有機EL素子では、常圧下で塗布法や印刷法を用いて成膜される。近年では、高分子有機EL素子もまた、注目されてきており、例えばインクジェット法を用いて赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の発光材料を塗り分けることにより、薄膜トランジスタ(以下「TFT」ともいう。)パネルにRGBの画素をパターニングする方法等が広く用いられてきている。
このような高分子有機EL素子においては、図2に示すように、ITO陽極50と発光層52との間にバッファ層51が設けられることが一般的である。バッファ層51は、ITO陽極50から発光層52にホール(正孔)をスムーズに注入する役割を担うとともに、ITO陽極50の表面荒れを吸収する役割も担っている。
バッファ層51の材料としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene);PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(Poly(styrene sulfonate);PSS)との混合物がスタルクヴィテック社により製造販売されている(商品名;Baytron P CH8000)。この混合物は、PEDOTにPSSをドープさせたものであり、該混合物を水中に分散してなる塗液をITO陽極50上に塗布した後、熱処理することによって、バッファ層(正孔注入層)51を形成することができる。そして、このようなバッファ層51を有する有機EL素子によれば、バッファ層51を有しない有機EL素子に比較して、高い発光輝度を得ることができる。
また、バッファ層(正孔注入層)51に用いられる導電性有機重合体としてPEDOT等のポリチオフェンが用いられ、かつ該ポリチオフェンがポリアニオンとしての重合体のカルボン酸の存在下でカチオン形で存在するエレクトロルミネッセンス装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。なお、特許文献1の明細書には、ポリアニオンは、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸のようなとしての重合体状のカルボン酸、並びにポリスチレンスルホン酸及びポリビニルスルホン酸のような重合体状のスルホン酸のアニオンであると記載されている。また、これらのポリカルボン酸及びポリスルホン酸は、ビニルカルボン酸又はビニルスルホン酸とアクリル酸及びスチレンのような他の重合可能なモノマーとの共重合体であることもできると記載されている。
しかしながら、これらのバッファ層を有する有機EL素子によれば、長寿命及び高発光輝度を達成する上で、更に改善の余地があった。
なお、ポリチオフェン化合物よりなる成分と、ポリスチレンスルホン酸よりなる成分と、少なくとも1種のポルフィリン系化合物よりなる成分とが含有されてなる電荷注入輸送材料が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特表2000−514590号公報 特開2004−59733号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、長寿命及び高発光輝度が達成可能な有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、その製造方法、有機EL表示装置及び組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、陽極、バッファ層及び発光層がこの順に積層された構造を有する有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子について種々検討したところ、バッファ層の組成に着目した。そして、バッファ層が3,4−置換チオフェン基を有する導電性高分子化合物と、その他の2種以上の高分子化合物とを含有し、上記高分子化合物の少なくとも1種がカルボキシル基を有することにより、長寿命及び高発光輝度が達成可能であることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、陽極、バッファ層及び発光層がこの順に積層された構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、上記バッファ層は、3,4−置換チオフェン基を有する導電性高分子化合物と、その他の2種以上の高分子化合物とを含有し、上記その他の高分子化合物の少なくとも1種は、カルボキシル基を有する有機エレクトロルミネッセンス素子である。
上記有機EL素子は、陽極、バッファ層及び発光層がこの順に積層された構造を有する。本発明の有機EL素子は、上記陽極、バッファ層及び発光層を構成要素として有するものである限り、その他の構成要素を有していても有していなくてもよく、特に限定されるものではない。上記有機EL素子の構造としては、例えば、(1)陽極、バッファ層、発光層及び陰極がこの順に積層された構造、(2)陽極、バッファ層、発光層、電子注入輸送層及び陰極がこの順に積層された構造が挙げられる。これらの構造を有する有機EL素子は、陽極と陰極との間に、直流電圧を印加することによって発光することができる。
上記バッファ層は、3,4−置換チオフェン基を有する導電性高分子化合物と、その他の2種以上の高分子化合物とを含有し、上記その他の高分子化合物の少なくとも1種は、カルボキシル基を有するものである。
上記バッファ層が3,4−置換チオフェン基を有する導電性高分子化合物(以下「ポリチオフェン誘導体」ともいう。)を含有することにより、陽極から発光層への正孔(ホール)の注入効率を向上させることができる。また、上記バッファ層が、ポリチオフェン誘導体及びカルボキシル基を有する高分子化合物の他に1種の高分子化合物を含有することにより、注入効率を更に向上させることができる。更に、上記バッファ層が少なくとも1種のカルボキシル基を有する高分子化合物を含有することにより、消費電力を低減することができるとともに、長寿命化を達成することができる。これは、上記カルボキシル基を有する高分子化合物がポリチオフェン誘導体の分散安定性を向上させることができ、バッファ層の成膜性が向上されたためであると考えられる。
上記バッファ層は、陽極から正孔(ホール)を受け取って発光層に効率的に注入する機能を有する、すなわち正孔注入層として機能することが好ましい。上記バッファ層の構造は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。上記バッファ層の構造が積層構造である場合、最も陽極側の層がポリチオフェン誘導体と、その他に2種以上の高分子化合物とを含有し、上記高分子化合物の少なくとも1種は、カルボキシル基を有するものであることが好ましい。なお、上記バッファ層の膜厚は、10nm以上、500nm以下であることが好ましい。10nm未満であると、実質的にバッファ層として機能しないおそれがあり、500nmを超えると、導電率が低下し、特性が劣化するおそれがある。
上記ポリチオフェン誘導体とその他の2種以上の高分子化合物との重量比率は、(ポリチオフェン誘導体):(2種以上の高分子化合物)=1:1〜1:100であることが好ましい。1:1未満であると、導電率が大きすぎて、リークしてしまうおそれがあり、1:100を超えると、導電率が低すぎて、素子の性能が低下するおそれがある。
なお、上記バッファ層は、3,4−置換チオフェン基を有する導電性高分子化合物と、その他の2種以上のカルボキシル基を有する高分子化合物とを含有するものであってもよい。
上記ポリチオフェン誘導体としては、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するものが好ましく、中でも、ポリエチレンジオキシチオフェン(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene);PEDOT)がより好ましい。
Figure 2007214517
式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、メトキシ基若しくは炭素原子数6〜14のアリール基を表すか、又は、RとRとは、結合して、−(CH−CH−若しくは炭素原子数6〜14のアリール基を構成する。mは、0〜12の数を表す。
なお、上記一般式(1)の繰り返し単位の重合度をnとすれば、通常では、nは、5〜100の数を表す。本明細書において、重合度は、数平均重合度や重量平均重合度等の測定において通常用いられる方法で知ることができる。
上記カルボキシル基を有する高分子化合物は、有効成分すなわちポリチオフェン誘導体の分散安定性を向上させることができる成分として働くことができることが好ましく、上記バッファ層がカルボキシル基を有する高分子化合物を2種以上有する場合、その全種が有効成分として働くことが好ましい。
上記陽極は、バッファ層に正孔(ホール)を注入する機能を有することが好ましい。上記陽極の材料としては、透明性及び導電性を有する材料が好ましく、透明性、導電性、仕事関数の観点から、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫(SnO)、酸化銅(CuO)、酸化亜鉛(ZnO)が好ましく、中でも、ITOがより好ましい。
上記発光層の材料としては、バッファ層から受け取った正孔と陰極等から受け取った電子との結合エネルギを用いて発光する機能を有することが好ましい。上記発光層の材料としては、π共役系高分子化合物が好ましく、例えば、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する化合物が挙げられる。
Figure 2007214517
式中、R、Rは、アルキル基を表し、Ar及びArは、アリーレン基(芳香族アリール化合物のユニット)を表す。
なお、上記一般式(2)で表される繰り返し単位のうち、9,9−二置換フルオレン環の重合度をlとすれば、通常では、lは、1以上の数を表す。また、Arの重合度をmとすると、通常では、mは、1以上の数を表す。更に、Arの重合度をnとすると、通常では、nは、0又は1以上の数を表す。
上記アリーレン基Ar及びArとしては、同一若しくは異なって、ジメチルベンゼン、ピリジン、ベンゼン、アントラセン、スピロビフルオレン、カルバゾールユニット、ベンゾアミン、ビピリジン、ベンゾチアジアゾール等が用いられる。上記ポリフルオレン系化合物の分子量は、数十万であることが好ましく、発光色は、共重合させるユニット及びl、m、nの比率によって異なる。
上記発光層の膜厚は、20nm以上、200nm以下であることが好ましい。20nm未満であると、絶縁破壊を起こし、素子が機能しなくなるおそれがあり、200nmを超えると、電界が低くなり、発光効率が低下するおそれがある。
なお、上記陰極の材料としては、例えばカルシウム(Ca)と銀(Ag)とが挙げられる。
上記陰極の膜厚は、1nm以上、1000nm以下であることが好ましい。
本発明の有機EL素子における好ましい形態について以下に詳しく説明する。
上記その他の高分子化合物の少なくとも1種は、ポリスチレンスルホン酸(PSS)であることが好ましい。上記バッファ層がPSSを含有することにより、消費電力をより小さくすることができるとともに、寿命をより長くすることができる。
上記カルボキシル基を有する高分子化合物は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又はポリマレイン酸であることが好ましい。上記バッファ層がポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又はポリマレイン酸を含有することにより、消費電力を更に小さくすることができるとともに、寿命を更に長くすることができる。上記ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又はポリマレイン酸の分子量は、10万以上であることが好ましく、30万〜40万程度であることがより好ましい。なお、本明細書において、分子量は、数平均分子量や重量平均分子量等の測定において通常用いられる方法で知ることができる。
本発明はまた、上記有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、上記製造方法は、バッファ層を形成するための塗液を塗布する工程を含み、上記塗布は、ナトリウムイオン(Na)濃度が100ppm以下である有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法でもある。これにより、消費電力をより小さくすることができるとともに、寿命をより長くすることができる。上記塗布方法としては、例えば、スピンコート法、インクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スプレー法が挙げられるが、中でも、インクジェット法が好ましい。上記バッファ層を形成するための塗液は、通常、陽極上に塗布されることが好ましい。上記ナトリウムイオン濃度は、10ppm以下であることが好ましい。なお、上記ナトリウムイオン濃度の測定方法としては、例えば、原子吸光法で測定する方法が挙げられる。
本発明は更に、上記有機エレクトロルミネッセンス素子、又は、上記有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を用いて製造された有機エレクトロルミネッセンス素子を含んで構成された有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機ELディスプレイ)でもある。本発明の有機EL素子及び本発明の有機EL素子の製造方法を用いて製造された有機EL素子は、長寿命及び高発光輝度が達成可能であることから、寿命が長く、かつ表示品位に優れた有機EL表示装置を提供することができる。上記有機EL表示装置の駆動方式としては、例えば、アクティブマトリクス駆動方式、パッシブマトリクス駆動方式が挙げられる。
本発明はそして、3,4−置換チオフェン基を有する導電性高分子化合物と、ポリスチレンスルホン酸とを含有する組成物であって、上記組成物は、更に、少なくとも1種のカルボキシル基を有する高分子化合物を含有する組成物でもある。この組成物を用いて正孔注入層を形成することにより、低消費電力かつ長寿命の有機EL素子を製造することができる。
上記組成物は、有機EL素子のバッファ層を形成するのに好適である。
上記導電性高分子化合物は、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するものであることが好ましく、中でも、ポリエチレンジオキシチオフェン(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene);PEDOT)がより好ましい。
Figure 2007214517
式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、メトキシ基若しくは炭素原子数6〜14のアリール基を表すか、又は、RとRとは、結合して、−(CH−CH−若しくは炭素原子数6〜14のアリール基を構成する。mは、0〜12の数を表す。
なお、上記一般式(3)の繰り返し単位の重合度をnとすれば、通常では、nは、5〜100の数を表す。
上記カルボキシル基を有する高分子化合物は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又はポリマレイン酸であることが好ましい。上記組成物がポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又はポリマレイン酸を含有することにより、有機EL素子の消費電力を更に小さくすることができるとともに、寿命を更に長くすることができる。
上記ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又はポリマレイン酸の分子量は、10万以上であることが好ましく、30万〜40万程度であることがより好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、バッファ層が、3,4−置換チオフェン基を有する導電性高分子化合物と、その他の2種以上の高分子化合物を含有し、上記その他の高分子化合物の少なくとも1種は、カルボキシル基を有することから、長寿命及び高発光輝度が達成可能である。
以下に実施例を掲げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<有機エレクトロルミネセンス素子の作製>
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係る有機エレクトロルミネセンス(EL)素子の構成を示す断面模式図である。
まず、大気中で、スピンコート法を用いて、下記組成を有するバッファ層形成用塗布液を80nmの厚さで酸化インジウム錫(ITO)からなる陽極10上に塗布した後、窒素雰囲気下で200℃、20分焼成を行うことにより、バッファ層11を形成した。
(バッファ層形成用塗布液の組成)
ポリチオフェン化合物(下記一般式(4)で表される繰り返し単位を有する。) 1重量部
ポリスチレンスルホン酸(PSS) 19重量部
ポリアクリル酸(アルドリッチ社製試薬) 1重量部
水 1000重量部
なお、ナトリウムイオン濃度は、原子吸光分光光度計(商品名;AA−670、島津製作所社製)を用いて測定し、10ppm以下になるよう精製した。以下、他の実施例や比較例においても、同様の装置を用いて、ナトリウムイオン濃度の測定を行った。
Figure 2007214517
次に、窒素雰囲気下で、バッファ層11上に下記組成を有する発光層形成用塗布液を80nmの厚さで塗布した後、窒素雰囲気下で200℃、60分間焼成することにより、発光層12を形成した。
(発光層形成用塗布液の組成)
緑色発光高分子発光材料(下記一般式(5)で表される繰り返し単位を有する。) 10重量部
キシレン(商品名;ELグレード、関東化学社製) 1000重量部
Figure 2007214517
式中、R、Rは、アルキル基を表し、Ar及びArは、アリーレン基(芳香族アリール化合物のユニット)を表す。
次に、発光層12上にカルシウム(Ca)と銀(Ag)とを蒸着し、陰極13を形成した。最後に、窒素雰囲気下でガラスキャップで封止を行うことにより、有機EL素子を完成させた。
(実施例2)
バッファ層形成用塗液を以下に示す組成のものに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法により、有機EL素子を作製した。
(バッファ層形成用塗布液の組成)
ポリチオフェン化合物(上記一般式(4)で表される繰り返し単位を有する。) 1重量部
ポリスチレンスルホン酸(PSS) 19重量部
ポリメタクリル酸(アルドリッチ社製試薬) 1重量部
水 1000重量部
なお、ナトリウムイオン濃度は、10ppm以下になるよう精製した。
(実施例3)
バッファ層形成用塗液を以下に示す組成のものに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法により、有機EL素子を作製した。
(バッファ層形成用塗布液の組成)
ポリチオフェン化合物(上記一般式(4)で表される繰り返し単位を有する。) 1重量部
ポリスチレンスルホン酸(PSS) 19重量部
ポリマレイン酸(アルドリッチ社製試薬) 1重量部
水 1000重量部
なお、ナトリウムイオン濃度は、10ppm以下になるよう精製した。
(実施例4)
バッファ層形成用塗液を以下に示す組成のものに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法により、有機EL素子を作製した。
(バッファ層形成用塗布液の組成)
ポリチオフェン化合物(上記一般式(4)で表される繰り返し単位を有する。) 1重量部
ポリスチレンスルホン酸(PSS) 10重量部
ポリアクリル酸(アルドリッチ社製試薬) 10重量部
水 1000重量部
なお、ナトリウムイオン濃度は、10ppm以下になるよう精製した。
(実施例5)
バッファ層形成用塗液を以下に示す組成のものに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法により、有機EL素子を作製した。
(バッファ層形成用塗布液の組成)
ポリチオフェン化合物(上記一般式(4)で表される繰り返し単位を有する。) 1重量部
ポリスチレンスルホン酸(PSS) 1重量部
ポリアクリル酸(アルドリッチ社製試薬) 19重量部
水 1000重量部
なお、ナトリウムイオン濃度は、10ppm以下になるよう精製した。
(比較例1)
バッファ層形成用塗液を以下に示す組成のものに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法により、有機EL素子を作製した。
(バッファ層形成用塗布液の組成)
ポリチオフェン化合物(上記一般式(4)で表される繰り返し単位を有する。) 1重量部
ポリスチレンスルホン酸(PSS) 20重量部
水 1000重量部
なお、ナトリウムイオン濃度は、10ppm以下になるよう精製した。
(比較例2)
バッファ層形成用塗液を以下に示す組成のものに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法により、有機EL素子を作製した。
(バッファ層形成用塗布液の組成)
ポリチオフェン化合物(上記一般式(4)で表される繰り返し単位を有する。) 1重量部
ポリスチレンスルホン酸(PSS) 19重量部
水溶性ポリビニルアセタール樹脂(商品名;エスレックKW−1、積水化学社製) 1重量部
水 1000重量部
なお、ナトリウムイオン濃度は、10ppm以下になるよう精製した。
(実施例6)
バッファ層形成用塗液の精製を、ナトリウムイオン濃度が50ppmになるように行ったこと以外は、実施例1と同様の方法により、有機EL素子を作製した。
(実施例7)
バッファ層形成用塗液の精製を、ナトリウムイオン濃度が100ppmになるように行ったこと以外は、実施例1と同様の方法により、有機EL素子を作製した。
(実施例8)
バッファ層形成用塗液の精製を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法により有機EL素子を作製した。なお、バッファ層塗液のナトリウムイオン濃度は、200ppmであった。
<発光効率及び輝度半減時間の測定>
以上のようにして作製した有機EL素子の1000cd/mでの発光効率及び寿命を測定した。結果を表1に示す。なお、寿命は初期輝度8000cd/mからの輝度半減時間とした。
Figure 2007214517
実施例1〜5と比較例1との結果から、バッファ層11がカルボキシル基を有する高分子化合物を含有する有機EL素子は、高発光効率及び長寿命であることが分かった。これは、有機EL表示装置に用いた場合に、ディスプレイの消費電力が小さく、ディスプレイとしての寿命が長いことを意味する。また、実施例1〜3の結果より、カルボキシル基を有する高分子化合物としては、ポリマレイン酸が好ましく、ポリメタクリル酸がより好ましく、ポリアクリル酸が更に好ましいことが分かった。更に、実施例1及び6〜8の結果から、バッファ層形成用塗液中のナトリウムイオン濃度は、100ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましいことが分かった。
本発明の実施例1に係る有機エレクトロルミネセンス(EL)素子の構成を示す断面模式図である。 従来の有機EL素子の構成を示す断面模式図である。
符号の説明
7、57:直流電源
10、50:陽極(アノード)
11、51:バッファ層
12、52:発光層
13、53:陰極(カソード)

Claims (9)

  1. 陽極、バッファ層及び発光層がこの順に積層された構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    該バッファ層は、3,4−置換チオフェン基を有する導電性高分子化合物と、その他の2種以上の高分子化合物とを含有し、
    該その他の高分子化合物の少なくとも1種は、カルボキシル基を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記導電性高分子化合物は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するものであることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2007214517
    式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、メトキシ基若しくは炭素原子数6〜14のアリール基を表すか、又は、RとRとは、結合して、−(CH−CH−若しくは炭素原子数6〜14のアリール基を構成する。mは、0〜12の数を表す。
  3. 前記その他の高分子化合物の少なくとも1種は、ポリスチレンスルホン酸であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記カルボキシル基を有する高分子化合物は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又はポリマレイン酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    該製造方法は、バッファ層を形成するための塗液を塗布する工程を含み、
    該塗液は、ナトリウムイオン濃度が100ppm以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子、又は、請求項5記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を用いて製造された有機エレクトロルミネッセンス素子を含んで構成されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  7. 3,4−置換チオフェン基を有する導電性高分子化合物と、ポリスチレンスルホン酸とを含有する組成物であって、
    該組成物は、更に、少なくとも1種のカルボキシル基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする組成物。
  8. 前記導電性高分子化合物は、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するものであることを特徴とする請求項7記載の組成物。
    Figure 2007214517
    式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、メトキシ基若しくは炭素原子数6〜14のアリール基を表すか、又は、RとRとは、結合して、−(CH−CH−若しくは炭素原子数6〜14のアリール基を構成する。mは、0〜12の数を表す。
  9. 前記カルボキシル基を有する高分子化合物は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又はポリマレイン酸であることを特徴とする請求項7又は8記載の組成物。
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