JPWO2011108161A1 - 医療システム及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

医療システムは、所定角度範囲内での角度の変更を可能とする可動部と、可動部の角度をワイヤの牽引により変更させるように駆動するアクチュエータと、アクチュエータの駆動制御を行う制御部と、ワイヤに弛み有りか否かの駆動状態を検出する弛み検出部と、弛み検出部の検出結果に基づいてワイヤの弛みを調整する弛み調整部と、ワイヤの弛みの調整指示入力を行う弛み調整指示入力部と、を備え、弛み調整部はワイヤの弛みの調整指示入力に対して所定の調整状態に調整する。

Description

本発明は、湾曲部等の可動部の角度をワイヤの牽引を利用して駆動する医療機器を備えた医療システム及び制御方法に関する。
近年、湾曲可能の湾曲部を備えた各種の医療装置が開発されている。例えば、体内に挿入される挿入部の先端側に湾曲部を備えた内視鏡や処置具は、医療分野において広く用いられる。
また、内視鏡に設けられた処置具チャンネルに挿通した処置具を用いて体内の病変部等に対する処置が行われる。また、内視鏡の観察下のもとで、処置具チャンネルを用いることなく、処置具による処置が行われる場合もある。
また、操作性を向上するために、湾曲部を電気的に駆動する駆動手段(アクチュエータ)を備えた能動処置具等が実用化されている。湾曲部をその先端側に設けた能動処置具等の医療装置においては、湾曲部と駆動手段とをアングルワイヤ(以下、ワイヤと略記)を介して接続し、手元側に設けた駆動手段によってワイヤを牽引駆動することにより、先端側の湾曲部を駆動する構成が採用される。
このような構成にした場合、湾曲部と手元側の駆動手段との間の可撓性を有する細長の部材内に挿通されたワイヤは、体腔内に屈曲された状態で挿入することができるようにするため、その構造上においてワイヤに弛みが発生することを完全に回避することが困難である。また、その弛みのために、手元側の駆動手段の駆動量と、先端側の湾曲部の動作量とが一致しないことが発生する。
このため、例えば、第1の従来例としての日本国特開2000−300511号公報の内視鏡においては、ワイヤに発生する弛みを除去するために、ワイヤに働く張力を検出するテンションセンサを設け、このテンションセンサにより検出した張力情報を用いて弛みを制御する。
また、第2の従来例としての日本国特開2007−283115号公報の制御装置においては、操作指令に対する湾曲部を湾曲駆動する応答性を向上させるために、ワイヤが弛んでいる場合には、その弛みを除去する内容を開示している。
しかしながら、一般に、ワイヤを牽引して湾曲部を湾曲させる場合、過去の湾曲駆動状態に影響されるヒステリシス特性を考慮しなければならない場合がある。
このため、上記第1の従来例のようにテンションセンサなどによる弛みの検出を行って湾曲制御を行うと、牽引、弛緩を繰り返した場合、ヒステリシス特性のために湾曲指示と実際に湾曲部の湾曲量との間にずれが蓄積され易くなる。
また、第2の従来例の場合も、牽引、弛緩を繰り返した場合、ヒステリシス特性のために湾曲指示と実際に湾曲部の湾曲量との間にずれが蓄積され易くなる。従って、牽引、弛緩を繰り返した場合、湾曲制御の精度が低下する。
このため、牽引、弛緩を繰り返す場合にもヒステリシス特性に対応した弛みの調整が行え、精度良く湾曲部等の可動部の角度を変更する駆動制御ができるシステムや方法が望まれる。
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、牽引、弛緩を繰り返す場合にも角度を変更する駆動制御を精度良く行うことを可能にする医療システム及び制御方法を提供することを目的とする。
本発明の医療システムは、医療機器に設けられ、回動自在に連結された複数の可動部材からなり、少なくとも1つの平面上における所定角度範囲内での角度の変更を可能とする可動部と、前記医療機器に設けられ、前記可動部に連結されたワイヤの牽引によって、前記可動部の角度を変更させるように駆動するためのアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動制御を行う制御部と、前記ワイヤに弛み有りか否かの駆動状態を検出する弛み検出部と、前記弛み検出部による前記ワイヤに弛み有りか否かの検出結果に基づいて前記ワイヤの弛みを調整する弛み調整部と、前記弛み調整部に対し、前記ワイヤの弛みの調整指示入力を行うための弛み調整指示入力部と、を具備し、前記弛み調整部は、前記弛みの調整指示入力が行われたとき、前記可動部の角度を互いに逆となる2つの方向に往復させるように前記ワイヤを牽引した場合において前記弛み検出部により検出される、少なくとも前記2つの方向に対する前記ワイヤの弛みに対する検出結果に基づいて、1つの方向に対して前記ワイヤを弛み無し又は前記2つの方向に対して前記ワイヤを同じ弛み量とする所定の調整状態に調整する。
本発明の制御方法は、ワイヤの牽引動作によって湾曲部の湾曲角度を変更するように駆動するためのアクチュエータの動作を制御する制御方法であって、前記ワイヤに弛み有りか否かの駆動状態を検出する弛み検出ステップと、前記弛み検出ステップによる前記ワイヤの弛みの検出結果に基づいて前記ワイヤの弛みを調整する第1の弛み調整ステップと、前記ワイヤの弛み調整の指示入力を行う指示入力ステップと、前記指示入力ステップによる前記ワイヤの弛み調整の指示入力に基づいて、前記湾曲部の湾曲角度を互いに逆となる2つの湾曲方向に往復させるように前記ワイヤを牽引した場合において前記弛み検出ステップにより検出される、前記2つの湾曲方向に対する前記ワイヤの弛みの検出結果に基づいて、前記ワイヤの弛みを既知の弛み量となる所定の調整状態に調整する第2の弛み調整ステップと、を具備する。
図1は本発明の第1の実施形態の内視鏡システムの全体構成を示すブロック図。 図2は図1における内視鏡等の外観形状を示す図。 図3は内視鏡及び制御部の構成を示す図。 図4は第1の実施形態における制御部により全体的な制御手順を示すフローチャート。 図5は湾曲部及び駆動部を簡略化したモデルを示す図。 図6は図5のモデルを用いてモータを回転させて湾曲部を湾曲駆動した場合の代表的な湾曲状態を示す図。 図7は図5のモデルを用いてモータを回転させて湾曲部を一方の湾曲角度まで湾曲駆動した後、反対方向の湾曲角度まで湾曲駆動させる動作を繰り返した場合のトルクの時間的変化の様子を示す図。 図8は図7の場合に対応する回転角度と湾曲角度を示す説明図。 図9は図4の弛みを調整する処理の具体例を示すフローチャート。 図10は図9の処理をモデルを用いた説明図。 図11は図9の処理の内容を回転角度と湾曲角度を用いて示す説明図。 図12は本発明の第2の実施形態の内視鏡システムの全体構成を示すブロック図。 図13は第2の実施形態における弛みを調整する処理の具体例を示すフローチャート。 図14は第2の実施形態の第1変形例における処置具を備えた医療システムの構成図。 図15は第2の実施形態の第2変形例における一部の構成を示す構成図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように本発明の第1の実施形態の内視鏡システム1は、撮像素子を内蔵した医療機器としての内視鏡2と、この内視鏡2に照明光を供給する光源装置3と、撮像素子に対する信号処理を行う信号処理部としてのプロセッサ4と、このプロセッサ4により精製された映像信号が入力されることにより、撮像素子29(図2参照)で撮像した画像を内視鏡画像として表示する表示装置5とを備える。
また、この内視鏡2は、挿入部6(図2参照)の先端側に湾曲自在の可動部としての湾曲部7が設けてあり、この湾曲部7は対のワイヤ8a、8bを介して、湾曲部7を遠隔的に駆動するアクチュエータを構成する駆動部9と接続されている。
また、この内視鏡システム1は、駆動部9の駆動動作の制御を行う制御部11と、湾曲部7の湾曲角度を検出する湾曲角度検出部12と、制御部11を介してワイヤ8a,8bの弛みを調整(又は較正)する弛み調整部15とを備える。
湾曲角度検出部12は、駆動部9の駆動状態からワイヤ8a,8bに弛みが有りか否かの駆動状態を検出(又は判定)する弛み検出部13と、駆動部9及び湾曲駆動される湾曲部7の(湾曲駆動の)動作特性又は動作パラメータの情報を予め記憶する記憶部14を備える。
なお、駆動部9は後述するように回転駆動されるモータ37a、37bにより構成される。また、図3に示すように湾曲部7の湾曲角度を検出する湾曲角度検出部12は、駆動部9の駆動量を検出する駆動量検出手段として、駆動部9を構成するモータ37a、37bの回転角度を検出する回転角度検出部12aと、駆動部9の駆動力量を検出する駆動力量検出手段として、モータ37a、37bのトルクを検出するトルク検出部12bと、を有する。
回転角度検出部12aは、モータ37a、37bの回転変位量を検知するエンコーダ38(38a、38bを代表)の出力信号としての検知信号によりモータ37a、37bの回転角度を検出し、トルク検出部12bは、モータ37a、37bを駆動する駆動信号の電流値から回転の駆動力量(力のモーメント)としてのトルクを検出する。
また、弛み検出部13は、アクチュエータを構成する駆動部にかかる負荷又はワイヤ8a,8bにかかる負荷を検出することにより、ワイヤ8a,8bが弛み有りの駆動状態か否かを検出する。
本実施形態においては、弛み検出部13は、トルク検出部12bによるモータ37a、37bに対するトルクの検出値を、弛みを検出(判定)するために設定された正のトルクの閾値Tthと比較することによって、ワイヤ8a、8bに弛み有りか否か(の駆動状態)を検出する。つまり、弛み検出部13は、トルクの検出値の絶対値が閾値Tth以上となる弛み無しか、閾値Tth未満となる弛み有りかを検出する。
なお、トルクの検出値の代わりに電流値を検出し、検出した電流値と弛みを検出(判定)するために設定された閾値とを比較して、検出した電流値が閾値以上となる弛み無しか、閾値未満となる弛み有りかを検出するようにしても良い。
また、制御装置10には、術者等のユーザが湾曲部7の湾曲指示入力を行う指示入力部16と、弛み調整部15に対してワイヤ8a,8bの弛みの調整指示入力を行うための弛み調整指示入力部として、例えばON/OFFするスイッチにより構成されるキャリブレーションボタン(較正ボタン)15aとが接続されている。
ユーザによりキャリブレーションボタン15aが操作されると、弛み調整部15は、制御部11を介してワイヤ8a,8bの弛みを調整する動作を行い、その時点での駆動状態における弛みの有無、及び弛みが有る場合の弛み量を弛み検出部13を用いて検出する。そして、弛みが有る場合には、弛み調整部15は、弛み検出部13の検出結果に基づいて弛み無し、又は既知の弛み量となる所定の調整状態に調整する。
なお、図1及び図2においては、弛み調整部15は、制御部11を介して弛み検出部13の検出結果を利用する構成で示しているが、制御部11を介することなく弛み検出部13の検出結果を利用する構成にしても良い。
光源装置3には、光源装置3内のランプの点灯指示を行う点灯指示スイッチ3aが設けられ、プロセッサ4には、このプロセッサ4による各種の信号処理に対する指示入力を行う指示入力部4aが設けられている。この指示入力部4aから、ユーザは例えばホワイトバランスの調整指示などを行うことができる。
図2は内視鏡2等の外観を示す。
内視鏡2は、患者等の被検体内に挿入される挿入部6と、この挿入部6の後端に設けられた操作部17と、この操作部17から延出されたユニバーサルケーブル部18とを有し、このユニバーサルケーブル部18の端部に設けたコネクタ19は、光源装置3に着脱自在に接続される。
また、このコネクタ19から延出された第1のケーブル21は、プロセッサ4に着脱自在に接続される。また、このコネクタ19から延出された第2のケーブル22は、制御装置10に着脱自在に接続される。
また、この制御装置10には、湾曲部7の湾曲指示入力を行う指示入力部16を構成するジョイスティック装置16aが接続されている。このジョイスティック装置16aには、キャリブレーションボタン15aも設けられている。
内視鏡2の挿入部6は、その先端に設けられた先端部25と、この先端部25の後端に設けられた湾曲自在の湾曲部7と、この湾曲部7の後端から操作部17の前端に至る可撓性を有する可撓部26とからなる。
先端部25には照明窓27と観察窓28とが設けられ、照明窓27の内側には図示しない照明レンズ及びライトガイドの先端部が配置されている。このライトガイドは、挿入部6,操作部17及びユニバーサルケーブル部18内を挿通されており、ライトガイドの後端はコネクタ19に至る。
コネクタ19を光源装置3に接続することにより、ライトガイドの後端には光源装置3から照明光が入射され、このライトガイドは入射される照明光を伝達して、照明窓27から、伝達した照明光を出射する。
照明光で照明された被写体は、観察窓28に設けた対物レンズによりその結像位置に配置されたCCDなどの撮像素子29の撮像面に結像される。
撮像素子29は図示しない信号線を介してプロセッサ4と接続される。プロセッサ4は、撮像素子29を駆動すると共に、撮像素子29により光電変換された撮像信号に対する信号処理を行い、映像信号を生成して表示装置5に出力する。表示装置5は、映像信号に対応する画像、つまり撮像素子29で撮像した画像を内視鏡画像として表示する。
また、挿入部6内には、処置具31を挿通可能とするチャンネル32が設けてあり、このチャンネル32の手元側の端部は挿入部6の後端付近で挿入口32aとして開口している。
術者は、この挿入口32aから処置具31を挿入して、チャンネル32の先端開口から処置具31の先端側を突出させて患部等に対して、治療のための処置を行うことができる。
図3は湾曲部7の構造及びこの湾曲部7を2対のワイヤ8u、8dと、8l、8rに対する牽引により湾曲駆動する駆動部9等の構成を示す。
図3に示すように円筒形状の挿入部6における先端部25の後端には、略円環形状の(複数の可動部材としての)複数の湾曲駒34が、挿入部6の長手方向に沿って(回動自在に支持する)枢支部材としてのリベット35により回動自在に連結されて湾曲部7が形成されている。
各湾曲駒34は、リベット35を設ける位置によって湾曲する方向が定まる。本実施形態においては、リベット35は、左右の位置と上下の位置に交互に配置され、従って湾曲駒34は、左右の位置に配置されたリベット35により左右の位置に直交する上下方向の平面内で上下方向と、上下の位置に配置されたリベット35により上下の位置に直交する左右方向の平面内で左右方向に湾曲可能になっている。
湾曲部7は、初期状態における湾曲駆動されていない殆ど0の湾曲角度(初期角度)から、この初期角度を挟む2つの方向となる上下方向と、この上下方向に直交する2つの方向としての左右方向とに湾曲可能になっている。以下の説明では上下方向及び左右方向における湾曲可能となる所定角度範囲内のそれぞれ中央(角度)が初期状態の初期角度として説明するが、この場合に限定されるものでない。
なお、図3においては、簡略化して上下方向に湾曲させるリベット35のみを示している。挿入部6内には、上下方向と左右方向に湾曲させるための2対のワイヤ8u、8dと8l、8rとが挿通され、これら各対のワイヤ8u、8dと、8l、8rの先端は、最先端の湾曲駒34又は最先端の湾曲駒34が固定された先端部25に固着されている。
対のワイヤ8u、8dと8l、8rの後端は、挿入部6の後端における拡径にされた操作部17内に配置された上下湾曲用プーリ36aと、左右湾曲用プーリ36bに掛け渡している。
プーリ36a,36bの回転中心は、駆動部9を構成する電動モータ(以下、単にモータ)37a,37bの回転軸にそれぞれ連結され、モータ37a、37bは制御部11からの駆動信号により、正逆自在に回転される。
モータ37a,37bの回転と共に、それぞれプーリ36a,36bも回転し、プーリ36a,36bにそれぞれ懸架されたワイヤ8u、8dと8l、8rは、それぞれ牽引、弛緩され、牽引されたワイヤの方向に湾曲部7は湾曲駆動される。
また、本実施形態においては、モータ37a,37bの回転軸にはエンコーダ38a,38bが設けられ、エンコーダ38a,38bは、モータ37a,37b又はプーリ36a、36bによる回転角度を検知し、検知信号を出力する。
そして、モータ37a,37b又はプーリ36a、36bの回転角度等から湾曲部7の湾曲角度を検出することができる構成にしている。なお、湾曲部7を電気的に湾曲駆動するアクチュエータは、駆動部9を構成するモータ37a、37b、プーリ36a、36bとエンコーダ38a,38bとにより構成される。
モータ37a,37bを駆動する駆動信号は、モータ37a,37bの回転の駆動力量(力のモーメント)としてのトルクTを検出するトルク検出部12bに入力される。トルク検出部12bは、モータ37a、37bの電気的特性と、駆動信号の電流値からワイヤ8u、8d、8l、8rを介して湾曲部7を湾曲駆動するトルクTを検出する。
なお、図2においては内視鏡2と制御装置10とをケーブル22を介して接続した構成で示しているが、この構成に限定されるものでなく、例えば操作部17内に制御装置10を設ける構成にしても良い。
上記プーリ36a,36bを回転させた場合、プーリ36a,36bの回転角度(回転量)に対応してワイヤ8u、8d、8l、8rの牽引量が決まると共に、牽引量に応じて湾曲部7は湾曲する。従って、モータ37a,37b又はプーリ36a,36bの回転角度を検出することにより、基本的には湾曲部7の湾曲角度を検出することができる。
本実施形態においては、例えばモータ37a,37bの回転軸に取り付けられているエンコーダ38a,38bによる検知信号を用いて回転角度検出部12aは、モータ37a,37b又はプーリ36a、36bの回転角度を検出する。また、モータ37a,37b又はプーリ36a、36bの回転角度から湾曲部7の湾曲角度を推定する構成にしている。
しかしながら、ワイヤ8u、8d、8l、8r(以下では、8u又は8lを8a,8d又は8rを8bで代表)には、弛みを伴う駆動状態が発生するため、本実施形態においてはその弛みの有無を検出してその弛みを適切に調整又は補正する。
また、指示入力部16を構成する例えばジョイスティック装置16aは、上下、左右の任意の方向に傾動自在のジョイスティック39と、このジョイスティック39における上下方向及び左右方向の傾動角度それぞれを検出するエンコーダ40a、40bとを有する。
このジョイスティック39により傾動される方向が湾曲部7の湾曲指示方向となり、また傾動角度が湾曲部7の湾曲角度の指示値となる。
エンコーダ40a、40bによる検知信号は、例えば制御部11に入力される。つまり、制御部11には、湾曲指示入力手段としてのジョイスティック装置16aから湾曲指示方向及び湾曲角度の指示値が入力される。
そして、この制御部11は、指示値に対して、記憶部14に記憶された情報を参照して、モータ37a、37bの回転角度を決め、エンコーダ38a,38bにより検出されるモータ37a、37bの回転角度が上記指示値に追従するようにモータ37a、37bを回転駆動させる。
実際には、ワイヤ8a、8bに弛みが伴う場合があるため、本実施形態においては、トルク検出部12bは、モータ37a、37bのトルクTを検出する。弛み検出部13は、モータ37a、37bのトルクTと、弛みの有無を判定するために設定された正のトルクの閾値Tthとを比較し、その比較結果から弛み有り(の駆動状態又は動作状態)か否かを判定(検出)する。
弛み検出部13により、弛み有りの検出結果の場合には、制御部11は、モータ37a、37bに対して(その駆動状態での)ワイヤ8a,8bの弛みを除去するように調整する。
また、弛み検出部13により弛みが有りの検出結果の場合には、弛み無しの正常な駆動状態での動作とは異なる(例えばモータ37aが回転しても湾曲部7が回転しない)ため、弛み検出部13は制御部11を介して、モータ37a、37bの回転角度を補正する。
つまり、弛み検出部13は、駆動状態における(湾曲部7の湾曲角度に対応するモータ37a、37bの)回転角度を補正する補正部13aの機能を持つ。
また、補正部13aは、モータ37a、37bの駆動状態(トルクと回転角度)及び湾曲部7の湾曲角度の情報を記憶部14に時間(の情報)と共に時系列に記憶するように制御する。このように駆動状態(動作状態ともいう)の情報を時系列に記憶することにより、モータ37a、37bの駆動状態及び湾曲部7の湾曲角度の状態を、各時間において相互に関連付けて精度良く管理でき、湾曲部7を精度良く湾曲駆動することができるようにしている。
なお、図1、図3等に示すブロック構成は、機能ブロックの単に1つの構成例を示すものであり、図示の構成例に限定されるものでない。例えば、制御部11が、湾曲角度検出部12と、記憶部14と、弛み調整部15の機能を含む構成でも良い。
上述したように記憶部14には、湾曲部7における湾曲可能な範囲内において、後述する図8に示すようなモータ(プーリ)の回転角度θ1と、湾曲部7の湾曲角度θbとを相互に関連付ける動作特性の情報(データ)が予め記憶されている。この記憶部14に記憶されている動作特性の情報は、履歴特性(ヒステリシス特性)を有する。
この情報は、図8(横軸は回転角度θ1,縦軸は湾曲角度θb)中に示す1つの例で示すと、符号P1で示す座標位置からP2(A5)、P2からP3(A6−A8)、P4からP5(A10)、P5からP6(A11)で示す菱形に近い情報(データ)である。このデータは、符号A1−A2,A9,A12で示す部分のように、使用環境に応じて変化する弛みによる動作特性部分と異なる。
記憶部14は、図8に示すような動作特性(但し、弛み部分を除く)の情報を、湾曲部7の湾曲可能な湾曲角度の範囲をカバーするように記憶しても良いが、このような動作特性を決める動作パラメータを記憶していても良い。
つまり、図8における座標位置P1からP2(A3−A5)で示す回転角度θ1に対する湾曲角度θbの傾き、同様に座標位置P4からP5(A11)で示す傾き、復元力等による動作特性部分としての座標位置P2からP3(A6−A8)、P5からP6(A11)等を動作パラメータの情報として記憶していても良い。
本実施形態においては記憶部14は、湾曲部7が所定角度まで湾曲された後、反対方向に湾曲される場合、該湾曲部7が反対方向に戻ろうと作用する動作特性の情報を参照情報(図8の例で具体的に示すと、座標P2からP3(A6−A8)、P5からP6(A11))として予め記憶しており、湾曲角度検出部12は、参照情報を参照してモータ37a、37bの回転角度から対応する湾曲角度を推定により検出する。
このように本実施形態においては、参照情報を予め記憶しているので、湾曲角度を検知するセンサを有しない構成においても、この様な参照情報を記憶していない従来例に比較すると、モータ37a、37bの回転角度から湾曲角度を精度良く検出(推定)できる。
この他に、記憶部14は、トルクTと湾曲角度θbの相関情報、弛みの判定に用いる閾値Tthの情報も記憶している。
実際には、挿入部6が屈曲された屈曲形状等に影響されてワイヤ8a,8bに弛みが発生しその弛みにより、回転角度θ1と湾曲角度θbは、使用状況に依存して記憶部14に記憶されている動作特性からずれるため、本実施形態においては、この弛みの有無を検出し、弛みが有る場合には湾曲駆動に使用する動作特性の情報を変更(補正)する。
例えば、モータ37aにより湾曲部7を所定方向及びその反対方向に往復させるように湾曲駆動の指示入力がされるとする。その指示入力に対して、制御部11はモータ37aを回転させるように駆動した場合、ワイヤ8u、8dの弛みのためにモータ37aの回転角度θ1と湾曲角度θbが、例えば図8における符号A1から符号A2、さらに符号A3―A5、…A12,A13のように変化する。
その結果、図8中の符号A12で示す部分で発生するaの回転角度や、bで示す回転角度だけ回転角度θ1が例えば水平方向にずれが発生し、そのずれに応じて動作特性の情報を例えば水平方向にずらすように変更する。このように過去の駆動状態に依存して動作特性が変化するヒステリシス特性を有する場合にも、そのヒステリシス特性を反映した動作特性となるように動作特性の情報を変更する。
なお、図8における符号A1、…A13,A14における代表的な湾曲角度状態を図6にて示す。図6では、符号A1、…A10までを示している。
このような構成の医療システムとしての内視鏡システム1は、医療機器としての内視鏡2に設けられ、回動自在に連結された複数の可動部材としての湾曲駒34からなり、少なくとも1つの平面上における所定角度範囲内での角度の変更を可能とする可動部としての湾曲部7と、前記内視鏡2に設けられ、前記湾曲部7に連結されたワイヤ8a,8bの牽引によって、前記湾曲部7の角度を変更させるように駆動するためのアクチュエータを構成する駆動部9と、前記駆動部9の駆動制御を行う制御部としての制御部11と、を有する。
また、内視鏡システム1は、前記ワイヤ8a,8bに弛み有りか否かの駆動状態を検出する弛み検出部13と、前記弛み検出部13による前記ワイヤ8a,8bに弛み有りか否かの検出結果に基づいて前記ワイヤ8a,8bの弛みを調整する弛み調整部15と、前記弛み調整部15に対し、前記ワイヤ8a,8bの弛みの調整指示入力を行うための弛み調整指示入力部としてのキャリブレーションボタン15aと、を具備する。
そして、前記弛み調整部15は、前記弛みの調整指示入力が行われたとき、前記湾曲部7の湾曲角度を互いに逆となる2つの方向に往復させるように前記駆動部9により前記ワイヤ8a,8bを牽引した場合において前記弛み検出部13により検出される、少なくとも前記2つの方向に対する前記ワイヤ8a,8bの弛みに対する検出結果に基づいて、1つの方向に対して前記ワイヤ8a,8bを弛み無し又は前記2つの方向に対して前記ワイヤ8a,8bを等しい弛み量とする所定の調整状態に調整することを特徴とする。
次に図4を参照して本実施形態における全体的な動作を説明する。内視鏡システム1各部の電源が投入されて制御装置10の動作が開始すると、制御装置10はステップS1の初期設定の処理を行う。
このステップS1において、内視鏡2は、挿入部6が真っ直ぐ(ストレート)な状態、つまり湾曲部7が湾曲されていない中立又は初期状態に設定される。この初期状態は、通常、湾曲可能な所定角度範囲内の略中央付近の角度が0の状態に相当する。制御装置10は、モータ37a、37bのエンコーダ38a、38bにより検出される上下方向と左右方向の回転角度θ1、湾曲部7の湾曲角度θbを0にセットする。その後、指示入力待ちとなる。
ステップS2において、制御装置10の制御部11は、キャリブレーションボタン15aによる弛みの調整指示入力がされたか否かの判定を行う。
弛みの調整指示入力が行われた場合には、ステップS3において制御装置10の弛み調整部15は、弛みを調整する処理を行った後、ステップS4に進む。なお、弛みを調整する処理により、記憶部14に記憶される動作特性が補正(較正)され、以後、その動作特性に従って湾曲部7が湾曲駆動される。
一方、弛みの調整指示入力が行われない場合には、ステップS3の処理を行うことなく、ステップS4の処理に移る。
ステップS3の処理に関しては、図9にて後述する。ステップS4において、術者は、ジョイスティック装置16aから湾曲の指示入力を行う。具体的には、術者は、ジョイスティック39を操作し、湾曲させたいと望む湾曲方向に湾曲させたい湾曲角度だけ傾ける操作を行う。
すると、ステップS5に示すように制御装置10の制御部11は、指示入力の湾曲方向及び湾曲角度に対応して、その時刻(の駆動状態)での記憶部14の動作特性の情報を参照して、モータ37a、37b(以下、37で代表)を回転させるべき回転方向(駆動方向)、トルク(駆動力量)、回転角度を算出する。
なお、その時刻(の駆動状態)は、現段階では初期状態であるが、図4の制御ループによって初期状態とは異なる駆動状態から湾曲指示入力が行われるようにもなる。その場合には、その駆動状態以前において補正された動作特性の情報を参照して回転方向、トルク、回転角度を算出することになる。算出されたトルク、回転角度は、湾曲駆動する場合の指示値又は目標値となる。
次のステップS6において制御部11は、算出されたトルク、回転角度となるようにモータ37を回転駆動させる。また、ステップS7に示すように弛み検出部13の補正部13aは、駆動部9を構成するモータ37の駆動状態(回転角度及びトルク)と湾曲部7の動作状態(湾曲角度)を例えば一定周期で監視し、それらの情報を記憶部14に時系列で記憶する。なお、一定周期に限らず、それらの情報を時間の情報と共に記憶部14に時系列で記憶しても良い。
また、ステップS8に示すように弛み検出部13は、弛みの検出を行う。具体的には、ステップS9に示すように弛み検出部13は、トルク検出部12bにより検出されるトルクTの絶対値が閾値Tth(Tth>0)未満であるか否かの比較を行う。
トルクTの絶対値が閾値Tth未満である検出結果の場合には、ステップS10において弛み検出部13は弛み有りのため、弛みを除去する補正(調整)を行う。具体的には、弛み検出部13の補正部13aは、制御部11を介してモータ37をそのまま回転駆動させる。
また、ステップS11において補正部13aは、ステップS5で算出した回転角度の値に対してステップS10による弛みを除去するために回転させた回転角度分だけ、記憶部14から参照する動作特性の情報を補正する。この補正は、ステップS7における時系列で記憶された情報を参照することにより、高精度で行うことができる。
その後、ステップS6の処理に戻る。このようにして、弛みがあると、弛み検出部13(の補正部13a)は、その弛みを除去するように駆動制御を行うと共に、その弛み分だけ動作特性の情報を補正(変更)する。この場合、ステップS7においてモータ37の駆動状態及び湾曲部7の動作状態の情報(具体的にはモータ37の回転角度及び湾曲部7の湾曲角度の情報)を時系列に記憶しているので、各時間において確実に補正できる。
このように弛みが除去されると、モータ37の回転と共にそのトルクT(の絶対値)が変化し、閾値Tthを超えるようになると、ステップS9からステップS12の処理に進む。このステップS12において湾曲角度検出部12は、検出されたトルクTが指示値、つまりステップS5で算出されたトルクTに到達したか否かの判定を行う。
検出されたトルクTが指示値に到達していない場合には、ステップS6の処理に戻る。
一方、検出されたトルクTが指示値のトルクに到達した場合には、ステップS13の処理に進むみ、このステップS13において制御部11は、内視鏡2による内視鏡検査の終了の指示入力が行われたか否かを判定する。
内視鏡検査終了の指示入力が行われていない場合には、ステップS2の処理に戻り、ステップS2以降に対応した処理を行う。一方、内視鏡検査終了の指示入力が行われた場合には、図4の処理を終了する。
本実施形態はこのような制御処理を行うので、ワイヤ8a,8bに弛みが発生すると、その弛みがトルクTの閾値Tthを用いた比較により適切に検出でき、その弛みを除去すると共に、その弛み分により実際の動作特性が予め設定された動作特性からずれても、その動作特性を時系列に補正する。
従って、本実施形態によれば、弛みにより駆動手段側のモータ37の回転角度と湾曲部7の実際の湾曲角度とにずれが発生し易い場合においても、弛みを補正して、精度良く、湾曲部7を湾曲駆動することができる。
また、本実施形態においては、図4のステップS3において弛みを調整することによって、ワイヤ8a,8bの牽引、弛緩が繰り返された場合にも、弛みを適切に調整して、精度良く、湾曲部7を湾曲駆動することができるようにする。
また、本実施形態によれば、湾曲部7の湾曲角度を検知するセンサを有しない場合にも、広く適用することができる。
なお、本実施形態の制御方法に係る図4のフローチャートは、ステップS13において検査終了しないと、ステップS2の処理に戻る。このため、図4のフローチャートは以下の制御方法を形成する。
ワイヤ8a,8bの牽引動作によって湾曲部7の湾曲角度を変更するように駆動するためのアクチュエータの動作を制御する制御方法は、前記ワイヤ8a,8bに弛み有りか否かの駆動状態を検出する弛み検出ステップとしてのステップS8(及びS9)と、前記弛み検出ステップS8による前記ワイヤ8a,8bの弛みの検出結果に基づいて前記ワイヤの弛みを調整する第1の弛み調整ステップとしてのステップS10と、を有する。
また、この制御方法は、前記ワイヤ8a,8bの弛み調整の指示入力を行う指示入力ステップとしてのステップS2と、このステップS2による前記ワイヤ8a,8bの弛み調整の指示入力に基づいて、前記湾曲部7の湾曲角度を互いに逆となる2つの方向に往復させるようにワイヤ8a,8bを牽引した場合において前記ステップS8により検出される、少なくとも2つの方向に対する前記ワイヤ8a,8bの弛みの検出結果に基づいて、前記ワイヤ8a,8bの弛みを既知の弛み量となる所定の調整状態に調整する第2の弛み調整ステップとしてのステップS3と、を具備する。そして、ワイヤ8a,8bの牽引、弛緩を繰り返す場合にも、湾曲部7の湾曲角度を変更する駆動制御を精度良く行うことを可能にする。
次に本実施形態における動作をより具体的に説明する。この場合、湾曲部7の動作を簡単化して示すために図5の左側の駆動部9側と湾曲部7側を、その右側のモデルのように示す。図5の左側においては、図3におけるプーリ36a,36bとモータ37a、37bの一方をそれぞれプーリ36,モータ37により代表して示している。
また、ワイヤ8a、8bは、ワイヤ8u、8d又はワイヤ8l、8rを表している。 従って、駆動部9と湾曲部7とを上下方向又は左右方向の平面内で湾曲させる特定の場合を想定しているが、他の方向の平面の場合にも適用できる。そして、図5の右側のモデルに示すように駆動部9側のプーリ36をプーリ36′で表し、実際の湾曲部7に関しては、モデルにより湾曲プーリ7′で仮想化して表すと共に、湾曲部7の湾曲方向を太線による湾曲方向線Lによって表している。
図6は、図5のモータ37を回転駆動してプーリ36を一定出力により所定の角度回転させ、その後反対方向に所定角度回転させる動作を繰り返した場合における代表的な湾曲状態を符号A1〜A10で示す。
また、図7は、上記の動作中における、モータ37がワイヤ8a、8bを牽引したときに発生するトルクTを示す。また、図8は、この動作に対応する回転角度θ1と湾曲角度θbとを座標とした場合の実際の動作特性例を示す。
図5における符号A1は動作開始時の湾曲状態(湾曲部7が湾曲していないストレートな初期状態)を示し、この符号A1の状態から符号A2に示すようにモータ37によりプーリ36を右回り方向に回転させるとする。符号A1では、ワイヤ8aに弛みがある。このため、モータ37によりプーリ36を右回り方向に回転(正転)させた場合、ワイヤ8aの弛みが除去される。
つまり、図7,図8に示すように符号A1から符号A2に移行する符号A1−A2のプロセスにおいては、回転角度θ1に対して湾曲角度θbは変化しない。なお、図7において、Toはプーリ36を一定の出力により回転駆動した場合のトルク値を示す。また、T1は、指示値の湾曲角度に対応するトルク値を示す。
弛み検出部13は、検出されるトルクTを閾値Tthと比較する動作を行い、かつ、その比較結果がT<Tthの場合には弛み有りの判定を行い、弛みを除去するようにモータ37を回転させる。
弛みが除去された符号A2になった後、さらにモータ37が回転すると湾曲角度θbも変化し始める。そして、この符号A2の実際の動作特性の(回転角度)位置は、エンコーダ38により検知される。また、トルクTは、符号A2を通過すると、最初の符号A1のトルクToから増大して、閾値Tthを超えることにより、弛み検出部13は弛みが除去された判定(つまり、弛み無しの判定)を行う。
その後は、モータ37の回転角度θ1に応じて湾曲角度θbも変化し、符号A3,A4、を経て、つまり図7の符号A3−A5のプロセスを経て符号A5(座標位置P2)の所定の湾曲角度θb1に達する。この場合の回転角度は例えばθ11である。また、トルクTは、湾曲角度θb1に対応して設定されたトルクT1(図7)となる。
この後、反対方向の湾曲角度−θb1の指示入力がされていると、モータ37は反対方向に回転し始める。この場合、図6に示すように符号A5においてワイヤ8bはかなり弛みを蓄積した状態になると共に、可撓性の可撓部26を構成する外装チューブ等の弾性部材により(湾曲した状態から)まっすぐに戻そうとする復元力が発生し、この復元力により湾曲した状態の湾曲部7は、その湾曲角度θbが小さくなるように作用する。また、可撓部26内にはワイヤ8a、8bが挿通されているので、ワイヤ8a、8bに働く摩擦力も作用する。
このため、復元力や摩擦力が混在した状態に相当する特性で、図7,図8の符号A6から符号A8に示すような特性で回転角度θ1と湾曲角度θbが変化する。この変化の際の回転角度θ1の変化に対する湾曲角度θbの値は、記憶部14の情報を参照して推定される。
また、このA6−A8のように移行する場合、最初は復元力の影響が大きいため、図7に示すようにトルクTは、初期値Toよりもその絶対値が小さい状態から、その絶対値が初期値Toに向かって変化する。
そして、復元力が摩擦力と釣り合うと、実質的に復元力の影響が消滅する符号A8となる。この符号A8においても、弛みが存在していると、この弛みが無くなるまで、つまり符号A9においてはモータ37の回転角度θ1が変化しても湾曲角度θbは変化しない。
符号A9の状態が終了すると、回転角度θ1の変化と共に湾曲角度θbも変化し、またトルクTもその絶対値が閾値Tthを超える。トルクTの絶対値が閾値Tth未満となる符号A9による回転角度分は、弛みとして補正される。
トルクTの絶対値が閾値Tthを超えると弛みが除去された(弛み無し)と判定され、回転角度θ1の変化と共に湾曲角度θbは符号A10で示すように変化する。このようにして、この符号A10に示すような傾きで回転角度θ1と湾曲角度θbが変化する。
符号A10は、上述した符号A3−A5に対応する。そして、湾曲角度−θb1に達すると、モータ37の回転が停止する。この場合、回転角度は−θ11′なる。
引き続いて湾曲角度θb1の指示入力がされていると、符号A6−A8に対応する符号A11を経て、さらに符号A9に相当する符号A12において弛みが除去される。また、この弛み分の補正が行われる。
その後、符号A3−A5に相当する点線で示す符号A13のプロセスを経て湾曲角度θb1になる。この場合、湾曲角度θb1に対応する回転角度θ12は、符号A3−A5の場合からbだけずれた値となる。そして、ずれた値分だけ、湾曲駆動に利用される動作特性が変更される。さらにモータ37が反対方向に回転される場合には、図8の点線で示す符号A14のプロセスを経て同様のプロセスが繰り返される。
本実施形態においては、上述したように記憶部14は、図8に示すような回転角度θ1と湾曲角度θbとを関係つける動作特性、及び(図示しない)トルクTと湾曲角度θbとを関連付ける動作特性の情報を記憶しており、ワイヤ8a、8bに弛みが発生すると、その弛みを除去するように駆動制御すると共に、湾曲駆動に用いる動作特性の情報をその弛み分の影響を考慮した補正を行うようにしている。
次に図9を参照して図4のステップS3の弛み調整の処理を説明する。上述したようにキャリブレーションボタン15aによる弛み調整指示入力がされると、弛み調整の処理が開始する。最初のステップS21において弛み調整部15は、制御部11を介して弛み調整を行う湾曲方向の設定を行う。なお、この湾曲方向は、指示入力部16等から予め設定しておくことができる。
また、ユーザがこの弛み調整前に、湾曲しようと指示入力しようとする特定の湾曲方向を設定しても良い。ここでは、簡単化のため、上下方向又は左右方向の湾曲方向が設定されたとして説明する。
次のステップS22において弛み調整部15は、制御部11を介して弛み調整を行う特定の湾曲方向に対応する所定の回転方向にモータ37を回転させると共に、その回転方向と反対となる逆の回転方向に、適宜の角度範囲内で往復回転させる。
なお、適宜の角度範囲として、ワイヤ8a、8bの弛み分により発生する最大誤差の角度を超える値(で、湾曲部7が湾曲可能となる所定角度範囲内)に設定すれば良い。また、弛み調整部15は、制御部11を介して弛み検出部13を動作させる。
なお、以下の説明では、1往復の場合で説明するが、複数回往復させ、複数回で得られる弛みが有る状態から弛みが無しの(又は除去された)境界となる回転角度の平均値を算出するようにしても良い。複数回、往復させて弛みが有る状態から弛みが無しと判定される境界となる回転角度の平均値を用いることにより、より精度の高い弛みの検出及び調整を行うことができる。
図10の符号A21は、ステップS21の開始直前の状態を示す。そして、符号A21の状態から、例えば矢印で示す方向に回転(正転)させ、その後、反対方向に回転させる。つまり、符号A22に示すようにモータ37は、所定の角度範囲内において往復回転される。なお、この所定の角度範囲を図11においてはθ1d及びθ1eで示している。
ステップS23において弛み検出部13は、ステップS22の各回転方向に駆動した場合のトルクTを検出し、トルクTの絶対値が閾値Tth未満か否かにより弛みの有無を検出する。
さらに、次のステップS24において弛み検出部13は、ステップS23の各回転方向駆動に回転駆動した際に弛み有りの状態から弛み除去が完了したモータ37の2方向に対する回転角度を検出する。
例えばこの調整動作開始前の内視鏡2の駆動状態におけるモータ37の回転角度と湾曲部7の湾曲角度が図11における座標位置Po(θ1o,θbo)とする。そして、この座標位置Poからモータ37を正転させた場合、弛みのためにその弛みが除去された座標位置Pa(θ1a,θbo)、逆転させた場合の弛みのためにその弛みが除去された座標位置Pb(θ1b,θbo)に対する回転角度θ1a、θ1bがそれぞれ検出される。回転角度θ1a、θ1bは、その場合のトルクTの絶対値が閾値Tthと一致する弛み除去状態の回転角度に相当する。弛み調整部15は、弛み検出部13により検出された回転角度θ1a、θ1bの情報を取得する。
図10の符号A23は図11の座標位置Paでの状態を示し、符号A24は図11の座標位置Pbでの状態を示す。
次のステップS25において弛み調整部15は、2方向の回転角度θ1a、θ1bの情報により、弛み調整前の座標位置Poでの回転角度と湾曲角度とを対応付ける駆動状態を補正(調整)する。
具体的には、座標位置Poにおいての駆動状態において、正転方向に回転させる場合と逆転方向に回転させる場合とにおいて、|θ1a−θ1b|に相当する弛み量が存在することを考慮して以後の湾曲動作を精度良く行うことができる所定の駆動状態又は調整状態に補正する。
例えば、図10の符号A21に示す調整前の駆動状態を符号A23に相当する座標位置Pa(θ1a、θbo)のように正転方向に(駆動する場合に対応した)弛みを除去した調整状態や、符号A24に相当する座標位置Pa(θ1b、θbo)のように逆転方向に(駆動する場合に対応した)弛みを除去した調整状態のような所定の調整状態に調整(設定)する。
そして、この場合の調整状態を反映するように記憶部14に記憶されている駆動部9(を構成するモータ37a,37b)と湾曲部7との動作特性(湾曲角度)の情報を補正する。
座標位置Paの駆動状態においては、正転させる場合に相当する特定の湾曲方向に湾曲しようする場合、弛みが無い状態から湾曲動作を行えるようになる。
一方、座標位置Pbの駆動状態においては、座標位置Paとは逆の湾曲方向に湾曲しようする場合、弛みが無い状態から湾曲動作を行えるようになる。
つまり、互いに逆方向に回転駆動して、両方向での弛みが除去された回転角度をそれぞれ検出して、所定の駆動状態又は調整状態に設定するようにしているので、ヒステリシス特性を有する場合においても、1つの方向のみで弛みを検出する場合よりも高精度に弛みによる影響を低減できる。
また、弛み調整の指示がされた駆動状態において、その駆動状態から互いに逆方向にワイヤを牽引するようにモータ37a,37bを回転駆動して、両方向で発生する弛み量に相当する回転角度の範囲を検出して弛み調整を行うようにしているので、ヒステリシス特性を有する場合においてもその駆動状態での弛み量の状態を定量的に把握ができ、その後の弛みによる影響を低減して精度の良い湾曲制御ができる。
また、上記ステップS25の次のステップS26において弛み調整部15は、制御部11を介してユーザによって駆動状態を初期状態に戻す(リセットする)設定がされているか否かの判定を行う。
初期状態に戻す設定でない場合には、図9の処理を終了して図4の次のステップS4の処理に移る。
一方、初期状態に戻す設定の場合には、ステップS27において弛み調整部15は、制御部11を介して湾曲部7を初期状態に戻すように設定する。例えば図11に示す例においては、座標位置PbとしてA24の状態に設定してから符号A25に沿ってモータ37を回転させ、湾曲角度θbが0となる(初期状態の付近の)回転角度θ1cにする。なお、初期状態では、湾曲部7はモータ37a,37bによる駆動が解除された湾曲角度が0に近い状態である。
次のステップS28において弛み調整部15は、図10の符号A26に示すように両回転方向に対しての弛みが等しくなるように調整する。
符号A26は、初期状態において、(湾曲部7の初期状態における特定の湾曲方向に対応する)モータ37a,37bの回転角度に|θ1a−θ1b|に相当する弛み量が存在する場合には、両回転方向にそれぞれ|θ1a−θ1b|/2に相当する弛み量が存在する状態に設定した様子を示す。
|θ1a−θ1b|の値及びこれに対応する弛み量はモータ37a,37bやプーリ36a,36bの特性から既知となる。弛み調整部15は、このように弛みを調整した状態の動作特性の情報を記憶部14に記憶する。なお、記憶部14が|θ1a−θ1b|の値と共に、又はこの値に対応する弛み量を記憶するようにしても良い。
従って、本実施形態においては、互いに逆となる2つの回転方向に対してそれぞれ|θ1a−θ1b|/2に相当する等しいワイヤの弛み量となるように既知の弛み量の調整状態に設定するようにしているので、ワイヤの弛みのためにヒステリシス特性を示す場合にも、図8のモータ(プーリ)の回転角度と、対応する湾曲角度との関係を精度良く決定できる。
このように本実施形態においては、初期状態に対しては、ワイヤの弛み量が2つの回転方向(特定の湾曲方向に対応)に対して、既知の値(より具体的には等しい弛み量)となるようにキャリブレーション(較正)するので、以後の湾曲の駆動制御を精度良く行うことができる。
なお、ステップS28において、上述した弛み調整の動作を初期状態に近いその周辺部において行った場合には、例えば上記のように弛み調整の動作で取得した弛みの情報(具体的には、弛み量に相当する情報|θ1a−θ1b|)をそのまま使用しても良い。
一方、初期状態から離れた湾曲角度の状態、例えば初期状態からかなり湾曲させた湾曲角度の状態においては、初期状態に設定した後、ステップS22〜S25、S28の処理を行うようにすれば良い。
なお、上述した説明では、弛み調整部15は、初期状態に対して、2つの回転方向に対して等しい弛み量に調整すると説明したが、一方(又は他方)の回転方向に対して弛み無し、他方(又は一方)の回転方向に既知の弛み量(上記の例では|θ1a−θ1b|に相当する弛み量)に設定するようにしても良い。
また、初期状態に対して、説明したように2つの回転方向に対して等しい弛み量となるように所定の調整状態に調整する事を初期状態以外の場合にも適用しても良い。本実施形態においては、いずれの場合にも、既知の弛み量の調整状態に調整する。
なお、図9の説明において、湾曲部7を上下方向又は左右方向の特定の湾曲方向に対しての弛みを調整する処理を説明したが、湾曲部7が上下方向と左右方向とに湾曲可能である場合には上下方向と左右方向それぞれに対して行うようにしても良い。上下方向又は左右方向のみに湾曲できる構成の場合には、上下方向又は左右方向のみに対して行う。
また、図9のフローチャートの処理の変形例として、弛み調整指示入力を行う場合、実際に弛み調整を行う付近の回転角度及び/又は湾曲角度を指定して、その指定された回転角度及び/又は湾曲角度付近で弛み調整を行うことができるようにしても良い。
通常は、弛み調整指示入力があった場合、その弛み調整指示入力がされた付近で図9におけるステップS21からステップS25の処理を行うが、弛み調整指示入力がされた付近とは異なる回転角度及び/又は湾曲角度付近で弛み調整を行うことができるようにしても良い。この場合、初期状態付近において、弛み調整を行う選択もできるようにすると良い。
このように本実施形態においては、図9に示すような弛みを調整する処理を行うようにしているので、ワイヤ8a,8bの牽引、弛緩を繰り返して湾曲部7を湾曲駆動する場合においても、ヒステリシス特性に対応(又は反映)した弛みの調整、換言するとヒステリシス特性の影響を十分に低減した弛みの調整ができる。従って、本実施形態によれば、湾曲部7を精度良く湾曲駆動することができる。
本実施形態においては、互いに逆となる湾曲方向に湾曲部7を湾曲させるようにして、両方向で発生する弛みがそれぞれ除去される回転角度の範囲、つまり弛み量(相当)を定量的に検出して、検出した弛み量に基づいて弛みによる影響を補正するように調整するキャリブレーション(較正)を行う。
従って、本実施形態によれば、ヒステリシス特性をもつ湾曲駆動機構の場合に対しても、1つの方向のみで弛みを調整又は補正する場合に比較して精度良く較正できる。
また、湾曲部7を実際に湾曲駆動する前の初期状態のような場合はもとより、湾曲部7を実際に湾曲駆動させている場合においても、弛みの調整指示入力を行うことにより、その駆動状態における弛み量を検出(把握)して、以後の湾曲駆動を精度良く行うことができる。
また、本実施形態においては、ワイヤ8a、8bに働く張力を検出するセンサを必要としないので、そのようなセンサを有しない既存の内視鏡の場合にも、広く適用することが可能となる。
なお、湾曲部7が例えばストレートに近い中立状態から例えば上方向のように、1つの湾曲方向にのみ湾曲可能とする場合には、図9のステップS28による弛みの設定を以下のようにしても良い。
この中立状態における湾曲可能な方向は上方向のみとなるので、上方向に湾曲させる場合の湾曲指示に対する応答性を良くするために、上方向に対する弛みを除去した状態に設定しても良い。これに対して、中立状態から複数の湾曲方向に湾曲指示が可能な場合には、図9のステップS28のようにすると、いずれの湾曲方向に対しても同等の応答性を確保できる。但し、湾曲する方向の使用頻度が異なるような場合には、使用頻度が高い湾曲方向を他の湾曲方向よりも優先して、良好な応答性を確保するように設定しても良い。また、術者の選択により、特定の湾曲方向に対する応答性を確保できるようにしても良い。
なお、上述の説明においては、弛み調整部15を弛み検出部13と別体とした構成で説明しているが、弛み検出部13が弛み調整部15(の機能)を備えた構成、又は弛み調整部15が弛み検出部13(の機能)を備えた構成にしても良い。
(第2の実施形態)
図12は本発明の第2の実施形態の内視鏡システム1Bを示す。本実施形態は、内視鏡2の対のワイヤ8a,8bにそれぞれ作用する張力(負荷)を検知する張力センサ41a、41bを設けている。なお、ワイヤ8a,8bは1対又は2対からなる。張力センサ41a、41bも同様に、1対又は2対からなる。
また、制御装置10の湾曲角度検出部12は、張力センサ41a、41の検知信号によりワイヤ8a、8bに作用する張力を検出して湾曲部7の湾曲角度を検出する張力検出部43を有する。なお、湾曲角度検出部12は、駆動部9を構成するモータの回転角度の情報も参照して、湾曲部7の湾曲角度を検出するようにしても良い。
また、第1の実施形態にいては、トルクTの検出値から弛み有りか否かを検出する弛み検出部13を形成していたのに対し、本実施形態においては張力検出部43が、張力の検出値により、弛み有りか否かを検出する弛み検出部43aの機能を持つ。
本実施形態においては張力検出部43の弛み検出部43aは、ワイヤ8a、8bに作用する張力の検出値が張力の閾値の絶対値未満で有るか否かにより弛みの有無を検出する。換言すると、弛み検出部43は、ワイヤ8a,8bに作用する張力検出によって、ワイヤ8a,8bにかかる負荷を検出して、ワイヤ8a,8bが弛み有りの駆動状態か否かを検出する。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
従って、第1の実施形態における動作説明において、湾曲部7の湾曲角度の検出を、張力検出部43(又は、この張力検出部43及びエンコーダ38)により行うことと、ワイヤ8a、8bの弛みの検出を、弛み検出部13によるトルクTの値でなく、張力検出部43(の弛み検出部43a)による張力の値から行うように置き換えると、第1の実施形態とほぼ同様の動作となる。
例えば、本実施形態における弛み調整の指示入力があった場合の弛み調整の処理は、図13のようになる。図13の処理は、図9の弛み調整の処理において、ステップS23における処理を、ステップS23′に示すように「各回転方向において張力センサ41a、41bにより検出される張力Teの値が(張力Teの)閾値Vth未満か否かにより弛みの有無を検出する処理」に変更した処理にしている。
また、本実施形態においては、図9のステップS22の処理を若干変更して、モータ37を所定の角度範囲内で、回転させる代わりに所定の張力範囲内で、往復回転させるようにしている。この場合の所定の張力範囲は、閾値Vth(つまり−Vth〜Vth)内を僅かに超える所定の張力範囲(−Vth−Δ〜Vth+Δ)である。ここで、Δは小さな正の値である。
このようにモータ37を所定の張力範囲内で、往復回転させるようにすることにより、ヒステリシス特性による影響を低減している。つまり、往復回転させる範囲を広くすると、ヒステリシス特性の影響を受けやすくなるため、弛みの調整を行おうとする回転角度付近の領域において、弛みの有無を検出できる張力範囲内で行うようにする。
これにより、ヒステリシス特性の影響を低減して弛みの調整を行うことができる。なお、第1の実施形態においても、ステップS22におけるモータ37を所定の角度範囲、回転させる代わりに所定のトルク範囲(−Tth−Δ〜Tth+Δ)内で、往復回転させるようにしても良い。
このトルク範囲内でモータ37を往復回転させた場合には、図11において示すと、モータ37の回転角度範囲は、θ1d′〜θ1e′の範囲となり、ヒステリシス特性の影響を低減して、上述した回転角度θ1a、θ1bを検出することができる。
本実施形態は弛みの検出手段が第1の実施形態と異なるが、本実施形態は、第1の実施形態とほぼ同様の作用効果を有する。
なお、本実施形態の変形例として、モータ37のトルクTの検出値から弛みの有無を検出する場合と、ワイヤ8a、8bに作用する張力を検知する張力センサ41a、41bの張力の検出値から弛みの有無を検出する場合を選択できるような構成にしても良い。
また、図12に示すプロセッサ4の指示入力部4aに設けた、例えばホワイトバランスの指示入力を行うホワイトバランス指示入力部4bを操作した場合の指示入力信号をプロセッサ4に入力すると共に、弛み調整部15にも弛み調整指示信号として入力させるようにしても良い。
このようにすると、内視鏡システム1Bを用いて内視鏡検査を行う場合、初期設定の際に広く行われる信号処理の設定の(例えばホワイトバランスの)指示入力と連動して、弛み調整の処理を同時に行うことができるようになる。両者は、異なる処理となるので、それらの処理を同時に行うようにすると、短い時間で両方の処理を終了できると共に、個々に指示入力しなくても済むため、操作性も向上する。
また、初期設定の状態において、弛み調整を行うことにより、以後の湾曲部7を精度良く湾曲駆動させることができる。
なお、この他に、光源装置3側の指示入力等の操作により、弛み調整の処理を同時に行うことができるようにしても良い。
また、上述した実施形態においては、湾曲部7及び湾曲部7をワイヤ8a,8bを介して駆動するアクチュエータを備えた能動型の医療機器として内視鏡2の場合に対して説明したが、そのような能動型の医療機器として処置具に適用しても良い。
図14はそのような能動型の処置具51を用いた医療システム61を示す。この処置具51は、細長の軸部52と、この軸部52の先端部に設けられた処置を行う処置部53と、この処置部53の基端に設けられた湾曲自在の湾曲部54と、軸部52の基端に設けられた把持部55とを有する。
また、湾曲部54は、軸部52内に挿通されたワイヤ56a、56bを介して把持部55内のアクチュエータ57を構成する駆動部58と接続される。この駆動部58を構成する図示しないモータの回転角度はエンコーダ59により検出される。
また、駆動部58及びエンコーダ59は、制御装置60と接続される。また、制御装置60は、湾曲の指示入力を行う指示入力部62及びキャリブレーション指示入力を行うキャリブレーションボタン63と接続されている。
また、上記ワイヤ56a、56bには張力を検知する張力センサ64a、64bが設けてあり、張力センサ64a、64bの検知信号は制御装置60内の図示しない張力検出部(図12の張力検出部43に相当)に入力される。
図14における湾曲部54は、図2に示した湾曲部7と同様の構成であり、また、駆動部58も図2に示す駆動部9と同じ構成である。また、制御装置60も図12の制御装置10と同じ構成である。
図14に示す変形例の作用効果は、第2の実施形態とほぼ同様である。
なお、アクチュエータ57を構成する駆動部58がワイヤ56a、56bを介して湾曲自在の湾曲部54を駆動する構成の場合の他に、例えば処置部53の可動部を駆動する場合に適用することができる。
また、上述した実施形態及び変形例においてさらに弛み調整の処理を行った場合、制御装置10の弛み調整部15等が、図15に示すように弛み調整結果をプロセッサ4の映像処理回路72に出力し、映像処理回路72は撮像素子29に対する内視鏡画像の映像信号に重畳して、弛み調整結果を表示する映像信号を生成するようにしても良い。
図15に示すように映像処理回路72から表示装置5に出力される映像信号により、表示装置5の表示面における内視鏡表示エリア5aには内視鏡画像が表示され、さらに弛み調整表示エリア5bには弛み調整結果が表示される。
なお、図15の場合には、弛み調整が終了した状態の「弛み調整終了」が表示されているが、弛み調整が行われている最中においては、例えば「弛み調整中」と表示される。
このような構成にすることにより、術者は内視鏡画像を観察する状態において、(視線を移すこと無く)同時に弛み調整の状態を確認することができる。
なお、例えば第1の実施形態において、駆動部9と湾曲部7との動作特性又は動作パラメータの情報を記憶する記憶部14を有しない構成において、弛み調整を行った結果に基づいて湾曲部7を湾曲駆動する動作特性を調整又は補正する制御手段の場合に対しても適用することができる。
本発明におけるワイヤの弛み調整する構成及び方法は、湾曲部7等の可動部の角度をワイヤの牽引を介して変更する駆動手段又はアクチュエータを備えた能動型の医療機器において、ワイヤに発生する弛みを調整する場合に広く適用できる。
なお、ワイヤに発生する弛みを詳細に調整する場合においては、モータ37の回転範囲や湾曲部7の湾曲角度を広く設定し、ヒステリシス特性の状態を含めて詳細に調整するようにしても良い。
また、上述の実施形態においては、ワイヤを牽引するアクチュエータとして、回転駆動するモータの場合で説明したが、圧電素子等の他の駆動手段で構成しても良い。このような場合には、モータによる回転角度、トルクの代わりに圧電素子等の駆動手段による駆動量、駆動力量を用いるようにすれば良い。また、この場合には記憶部14は、回転角度の代わりに駆動量の情報を記憶することになる。
また、上述の説明においては、弛み調整指示入力部からの弛み調整指示入力がされた場合と、この弛み調整指示入力がされていないで、湾曲部を湾曲駆動した場合の弛み調整状態を別の調整状態に調整した例で説明したが、一方の調整状態を他方に適用できるようにしても良い。
上述した実施形態等を部分的に組み合わせて構成される実施形態等も本発明に属する。
本出願は、2010年3月2日に日本国に出願された特願2010−045602号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。

本発明の一態様に係る医療システムは、医療機器に設けられ、回動自在に連結された複数の可動部材からなり、少なくとも1つの平面上における所定角度範囲内での角度の変更を可能とする可動部と、前記医療機器に設けられ、前記可動部に連結されたワイヤの牽引によって、前記可動部の角度を変更させるように駆動するためのアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動制御を行う制御部と、前記ワイヤに弛み有りか否かの駆動状態を検出する弛み検出部と、前記弛み検出部による前記ワイヤに弛み有りか否かの検出結果に基づいて前記ワイヤの弛みを調整する弛み調整部と、前記弛み調整部に対し、前記ワイヤの弛みの調整指示入力を行うための弛み調整指示入力部と、を具備し、 前記弛み調整部は、前記弛みの調整指示入力が行われたとき、前記可動部の角度を互いに逆となる2つの方向に往復させるように前記ワイヤを牽引した場合において前記弛み検出部により検出される、少なくとも前記2つの方向に対する前記ワイヤの弛みに対する検出結果に基づいて、前記2つの方向について、一方の方向に対する前記ワイヤの弛み量に対して、他方の方向に対する前記ワイヤの弛み量が所定の関係を有するように調整する。
本発明の一態様に係る制御方法は、ワイヤの牽引動作によって湾曲部の湾曲角度を変更するように駆動するためのアクチュエータの動作を制御する制御方法であって、前記ワイヤに弛み有りか否かの駆動状態を検出する弛み検出ステップと、前記弛み検出ステップによる前記ワイヤの弛みの検出結果に基づいて前記ワイヤの弛みを調整する第1の弛み調整ステップと、前記ワイヤの弛み調整の指示入力を行う指示入力ステップと、前記指示入力ステップによる前記ワイヤの弛み調整の指示入力に基づいて、前記湾曲部の湾曲角度を互いに逆となる2つの方向に往復させるように前記ワイヤを牽引した場合において前記弛み検出ステップにより検出される、前記2つの方向に対する前記ワイヤの弛みの検出結果に基づいて、前記ワイヤの弛みを既知の弛み量となる所定の調整状態に調整する第2の弛み調整ステップと、を具備する。
本発明の一態様に係る医療システムは、医療機器に設けられ、回動自在に連結された複数の可動部材からなり、少なくとも1つの平面上における所定角度範囲内での角度の変更を可能とする可動部と、前記医療機器に設けられ、前記可動部に連結されたワイヤの牽引によって、前記可動部の角度を変更させるように駆動するための駆動軸を有するアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動制御を行う制御部と、前記ワイヤに弛み有りか否かの駆動状態を検出する弛み検出部と、前記ワイヤの弛みの調整指示入力を行うための弛み調整指示入力部と、前記弛みの調整指示入力が行われたとき、前記可動部の角度を互いに逆となる2つの方向に往復させるように前記駆動軸を回転させて前記ワイヤを牽引し、前記2つの方向のうち、一方の方向に対して前記弛み検出部により弛みがないと検出されたときの第1の回転角度と、他方の方向に対して前記弛み検出部により弛みがないと検出されたときの第2の回転角度に基づき、前記駆動軸が前記第1の回転角度から前記第2の回転角度までの所定の回転角度となるように当該駆動軸を駆動させ前記ワイヤの弛みが発生する位置を調整する弛み調整部と、を具備する。
本発明の一態様に係る制御方法は、ワイヤの牽引動作によって湾曲部の湾曲角度を変更するように駆動するための駆動軸を有するアクチュエータの動作を制御する制御方法であって、前記ワイヤに弛み有りか否かの駆動状態を検出する弛み検出ステップと、前記ワイヤの弛み調整の指示入力を行う指示入力ステップと、前記指示入力ステップによる前記ワイヤの弛み調整の指示入力に基づいて、前記湾曲部の湾曲角度を互いに逆となる2つの方向に往復させるように前記駆動軸を回転させて前記ワイヤを牽引し、前記2つの方向のうち、一方の方向に対して前記弛み検出ステップにより弛みがないと検出されたときの第1の回転角度と、他方の方向に対して前記弛み検出ステップにより弛みがないと検出されたときの第2の回転角度に基づき、前記駆動軸が前記第1の回転角度から前記第2の回転角度までの所定の回転角度となるように当該駆動軸を駆動させ前記ワイヤの弛みが発生する位置を調整する弛み調整ステップと、を具備する。

Claims (21)

  1. 医療機器に設けられ、回動自在に連結された複数の可動部材からなり、少なくとも1つの平面上における所定角度範囲内での角度の変更を可能とする可動部と、
    前記医療機器に設けられ、前記可動部に連結されたワイヤの牽引によって、前記可動部の角度を変更させるように駆動するためのアクチュエータと、
    前記アクチュエータの駆動制御を行う制御部と、
    前記ワイヤに弛み有りか否かの駆動状態を検出する弛み検出部と、
    前記弛み検出部による前記ワイヤに弛み有りか否かの検出結果に基づいて前記ワイヤの弛みを調整する弛み調整部と、
    前記弛み調整部に対し、前記ワイヤの弛みの調整指示入力を行うための弛み調整指示入力部と、
    を具備し、
    前記弛み調整部は、前記弛みの調整指示入力が行われたとき、前記可動部の角度を互いに逆となる2つの方向に往復させるように前記ワイヤを牽引した場合において前記弛み検出部により検出される、少なくとも前記2つの方向に対する前記ワイヤの弛みに対する検出結果に基づいて、1つの方向に対して前記ワイヤを弛み無し又は前記2つの方向に対して前記ワイヤを同じ弛み量とする所定の調整状態に調整することを特徴とする医療システム。
  2. 前記弛み検出部は、前記可動部の角度を変更するために前記可動部を湾曲駆動させた際の前記アクチュエータにかかる負荷又は前記ワイヤにかかる負荷の検出により、前記ワイヤの弛みを検出することを特徴とする請求項1に記載の医療システム。
  3. 前記弛み検出部は、前記可動部の角度を変更するために前記可動部を湾曲駆動させた際の前記アクチュエータの駆動力量の検出又は電流値の検出による該アクチュエータにかかる負荷の検出、又は前記ワイヤに作用する張力検出による該ワイヤにかかる負荷の検出により、前記ワイヤの弛みを検出することを特徴とする請求項1に記載の医療システム。
  4. 前記アクチュエータは、回転することにより、前記ワイヤを牽引するモータを用いて構成されることを特徴とする請求項1に記載の医療システム。
  5. 前記医療機器は、被検体内に挿入され、前記可動部として湾曲角度が変更される湾曲部が設けられた挿入部を有する内視鏡を用いて構成されることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の医療システム。
  6. 前記医療機器は、被検体に対して治療のための処置を行う処置具を用いて構成され、前記処置具は、前記可動部として湾曲角度が変更される湾曲部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の医療システム。
  7. 前記弛み調整指示入力部は、スイッチを用いて構成されることを特徴とする請求項1に記載の医療システム。
  8. 前記内視鏡は、撮像素子を備えると共に、前記医療システムは、さらに前記撮像素子に対する信号処理を行う信号処理装置を有し、前記信号処理装置の信号処理に対する指示入力に連動して前記弛み調整指示入力部による前記弛み調整指示入力が行われることを特徴とする請求項5に記載の医療システム。
  9. 前記アクチュエータによる駆動が解除された初期状態における前記可動部の初期角度が前記所定角度範囲内の略中央となる設定の場合、前記弛み調整部は、前記初期角度を挟む前記2つの方向に対して前記ワイヤの弛み量が等しくなるように前記ワイヤの弛みを調整することを特徴とする請求項1に記載の医療システム。
  10. 前記弛み調整部は、前記アクチュエータによる駆動が解除された初期状態における前記可動部の初期角度を挟む前記2つの方向における一方の方向に対して前記ワイヤの弛み量が無しとなるように調整することを特徴とする請求項1に記載の医療システム。
  11. 前記弛み調整部は、前記弛みの調整指示入力が行われたとき、前記湾曲部を互いに逆となる前記2つの方向に往復させるように前記湾曲部の湾曲角度を変更した場合において前記弛み検出部により検出される、前記2つの方向に対する前記ワイヤの弛みに対する検出結果に基づいて、前記1つの方向に対して前記ワイヤを弛み無し又は前記2つの方向に対して前記ワイヤを等しい弛み量とする前記所定の調整状態に調整することを特徴とする請求項5に記載の医療システム。
  12. 前記内視鏡は、撮像素子を備えると共に、前記医療システムは、さらに前記撮像素子に対する信号処理を行い、表示装置に表示する内視鏡画像の映像信号を生成する信号処理装置を有し、前記信号処理装置は、前記弛み調整部による弛み調整結果を前記映像信号に重畳して前記内視鏡画像と共に前記表示装置により表示することを特徴とする請求項5に記載の医療システム。
  13. 前記弛み調整部は、前記モータによって前記可動部を互いに逆となる前記2つの方向としての所定方向及び該所定方向の反対方向に回転させた場合において前記弛み検出部により検出される、前記所定方向及び前記反対方向に対する前記ワイヤの弛みがそれぞれ除去された2つの回転角度に対する検出結果に基づいて、前記所定の調整状態に調整することを特徴とする請求項4に記載の医療システム。
  14. 前記弛み調整部は、前記所定方向及び前記反対方向に、複数回往復するように回転させた場合において検出される前記2つの回転角度の複数回の平均値の検出結果に基づいて、前記所定の調整状態に調整することを特徴とする請求項13に記載の医療システム。
  15. さらに、前記モータにより前記可動部を駆動した駆動状態における前記モータによるトルク及び回転角度と、前記可動部の回転角度との情報を、時間の情報と共に時系列に記憶する記憶部を有することを特徴とする請求項4に記載の医療システム。
  16. さらに、前記モータの回転角度と前記可動部の回転角度の特性を記憶する特性記憶部と、前記弛み調整部による前記ワイヤの弛み調整結果に基づいて、記憶部に記憶している前記モータの回転角度と前記可動部の回転角度の特性を補正する補正部とを有することを特徴とする請求項4に記載の医療システム。
  17. 前記弛み調整部は、前記調整指示入力部からの前記弛みの調整指示入力が行われていない場合においても、前記弛み検出部による検出結果に基づいて、前記ワイヤの弛みを調整し、さらに弛みの調整結果に基づいて前記記憶部の前記情報を更新することを特徴とする請求項15に記載の医療システム。
  18. ワイヤの牽引動作によって湾曲部の湾曲角度を変更するように駆動するためのアクチュエータの動作を制御する制御方法であって、
    前記ワイヤに弛み有りか否かの駆動状態を検出する弛み検出ステップと、
    前記弛み検出ステップによる前記ワイヤの弛みの検出結果に基づいて前記ワイヤの弛みを調整する第1の弛み調整ステップと、
    前記ワイヤの弛み調整の指示入力を行う指示入力ステップと、
    前記指示入力ステップによる前記ワイヤの弛み調整の指示入力に基づいて、前記湾曲部の湾曲角度を互いに逆となる2つの方向に往復させるように前記ワイヤを牽引した場合において前記弛み検出ステップにより検出される、前記2つの方向に対する前記ワイヤの弛みの検出結果に基づいて、前記ワイヤの弛みを既知の弛み量となる所定の調整状態に調整する第2の弛み調整ステップと、
    を具備することを特徴とする制御方法。
  19. さらに、前記第1の弛み調整ステップによる前記ワイヤの弛みの調整結果に基づいて、前記アクチュエータによる前記ヤイヤを牽引した場合の駆動量と前記湾曲部の前記湾曲角度との動作特性を補正する補正ステップを有することを特徴とする請求項18に記載の制御方法。
  20. 前記第2の弛み調整ステップは、前記ワイヤの弛み調整の指示入力に基づいて、前記湾曲部の前記湾曲角度を互いに逆となる2つの方向に往復させるように前記アクチュエータにより前記ワイヤを牽引した場合において前記弛み検出ステップにより検出される、前記2つの方向に対する前記ワイヤの弛みがそれぞれ除去された2つの駆動量の検出結果に基づいて、1つの方向に対して前記ワイヤを弛み無し又は前記2つの方向に対して前記ワイヤを等しい弛み量に調整することを特徴とする請求項18に記載の制御方法。
  21. 前記アクチュエータは回転駆動するモータを用いて構成され、前記第2の弛み調整ステップは、前記ワイヤの弛み調整の指示入力に基づいて、前記湾曲部の前記湾曲角度を互いに逆となる2つの方向に往復させるように前記モータにより前記ワイヤを牽引するように2つの回転方向に回転した場合において前記弛み検出ステップにより検出される、前記2つの方向に対する前記ワイヤの弛みがそれぞれ除去された前記2つの回転方向における2つの回転角度の検出結果に基づいて、1つの方向に対して前記ワイヤを弛み無し又は前記2つの方向に対して前記ワイヤを等しい弛み量に調整することを特徴とする請求項18に記載の制御方法。

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