JPWO2011099285A1 - 膜−触媒層接合体の製造方法及び装置 - Google Patents

膜−触媒層接合体の製造方法及び装置 Download PDF

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Abstract

本発明の膜−触媒層接合体の製造方法は、高分子電解質膜にシワやピンホールが発生することをより抑えるため、高分子電解質膜の一方の面に塗布した触媒インクを、高分子電解質膜の他方の面側から加熱して予備乾燥することにより、高分子電解質膜の膨潤を元に戻し、当該予備乾燥後、高分子電解質膜の一方の面側から加熱して本乾燥することを含む。

Description

本発明は、例えば、携帯型電子機器、自動車などの移動体、分散発電システム及び家庭用のコージェネレーションシステムなどの駆動電源として使用される燃料電池が備える膜−触媒層接合体の製造方法及び装置に関する。
燃料電池(例えば、高分子電解質形燃料電池)は、水素を含有する燃料ガスと空気など酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、電力と熱と水とを同時に発生させる装置である。
燃料電池は、一般的には複数のセルを積層し、それらをボルトやバンドなどの締結部材で加圧締結することにより構成されている。1つのセルは、膜電極接合体(以下、MEA:Membrane-Electrode-Assemblyという)を一対の板状の導電性のセパレータで挟んで構成されている。
MEAは、高分子電解質膜と、当該高分子電解質膜の両面に配置された一対の電極層によって構成されている。一対の電極層の一方はアノード電極であり、他方はカソード電極である。一対の電極層はそれぞれ、金属触媒を坦持したカーボン粉末を主成分とする触媒層と、当該触媒層の上に配置される多孔質で導電性を有するガス拡散層とで構成されている。ここでは、高分子電解質膜と触媒層との接合体を膜−触媒層接合体(CCM:Catalyst-coated membrane)という。前記アノード電極に燃料ガスが接触すると共に前記カソード電極に酸化剤ガスが接触することにより、電気化学反応が発生し、電力と熱と水とが発生する。
前記のように構成される燃料電池において、膜−触媒層接合体は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、高分子電解質膜の一方の面に第1形状保持フィルムを貼り付ける。次いで、高分子電解質膜の他方の面に、第1触媒層を形成する。さらにこの第1触媒層上に第2形状保持フィルムを貼り付ける。次いで、高分子電解質膜の一方の面に貼り付けられた第1形状保持フィルムを除去し、この一方の面に、第2触媒層を形成する。第1触媒層及び第2触媒層を形成する際には、触媒と溶剤を含む触媒インクを高分子電解質膜上に印刷又は塗布し、室温で放置して乾燥する(例えば、特許文献1参照)。
前記のように、高分子電解質膜上に触媒インクを直接印刷又は塗布して膜−触媒層接合体を製造する技術は、高分子電解質膜と触媒層との界面抵抗を極めて低くすることができることから、理想的な膜−触媒層接合体の製造方法として注目されている。
しかしながら、前記従来の製造方法においては、通常、高分子電解質膜が非常に薄く(例えば20μm〜50μm)且つ少しの湿気でも変形し易い部材であるため、触媒インクに含まれる溶媒により膨潤し、当該膨潤により高分子電解質膜にシワやピンホールが発生するという課題がある。このようなシワやピンホールは、燃料電池の発電性能を低下させる要因となる。
特許文献1は、高分子電解質膜の触媒インクを塗布する面とは反対側の面に形状保持フィルムを予め貼り付けることで、シワやピンホールの発生を抑えることを目的としている。
特許文献2は、カバーを用いて吸引漏れを防ぎ、高分子電解質膜に対するローラの吸着力を向上させることにより、電解質・電極接合体の膨潤を抑えることを目的としている。
特許文献3には、送風装置から空気の流れにより、塗膜の液体から溶媒を蒸発させ乾燥を促進する技術が開示されている。また、例えば、循環移動体の加熱と共に送風装置を使用して液体の乾燥を促進させることが開示されている。
特開2002−289207号公報 特開2008−27738号公報 特開2007−196092号公報
しかしながら、上記従来の技術では、高分子電解質膜のシワやピンホールを抑えるという観点から、未だ改善の余地があった。
特許文献1の技術では、触媒と溶剤を含む触媒インクを高分子電解質膜上に印刷又は塗布し、室温で放置して乾燥している。特に、高分子電解質膜の一方の面に第2触媒層を形成するときに、高分子電解質膜にシワやピンホールが発生し易くなり、シワやピンホールを抑える効果は十分ではない。
特許文献2の技術では、触媒インクの乾燥をローラによる高分子電解質膜を介した間接的な加熱のみで行うようにしているので、触媒インクの乾燥を十分に行うことが困難である。仮に触媒インクを完全に乾燥することができたとしても、その乾燥には数時間以上かかることが予想される。従って、触媒インクを完全に乾燥させることは、生産能力を考慮すると現実的には不可能であり、高分子電解質膜のシワやピンホールの発生を十分に抑えることはできない。
また、シワやピンホールの要因となる高分子電解質膜の膨潤は、特に、高分子電解質膜に触媒インクを塗布した直後に発生する。このため、触媒インクの塗布面側から送風して塗布直後の触媒インクを乾燥させる特許文献3の技術では、高分子電解質膜に膨潤が生じた状態で触媒インクの硬化が促進されることになる。従って、特許文献3の技術では、シワやピンホールの発生を十分に抑えることができない。
従って、本発明の目的は、前記問題を解決することにあって、高分子電解質膜にシワやピンホールが発生することをより抑えることができる、膜電極接合体の製造方法及び装置を提供することにある。
本発明の発明者らは、前記従来技術の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下のことを見出した。
すなわち、本発明の発明者らは、高分子電解質膜の一方の面に塗布した触媒インクを、高分子電解質膜の他方の面側から加熱(高分子電解質膜を介して間接的に加熱)して乾燥すると、高分子電解質膜に発生した膨潤を十分に元に戻すことができることを見出した。即ち、高分子電解質膜の一方の面に触媒インクを塗布すると、高分子電解質膜の一方の面から内部に向かって膨潤による寸法変化が起こる。この際、高分子電解質膜の他方の面側から加熱し、触媒インクを乾燥させると、高分子電解質膜の他方の面から内部に向かって熱が伝わり、高分子電解質膜の膨潤による寸法変化が緩和されることを見出した。また、本発明の発明者らは、前記膨潤を十分に元に戻した状態で、高分子電解質膜の一方の面側からさらに触媒層インクを加熱すると、高分子電解質膜のシワ及びピンホールがほとんどない膜−触媒層接合体が得られることを見出した。これらの知見に基づき、本発明の発明者らは、本発明に想到した。
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、燃料電池用の膜−触媒層接合体の製造方法であって、
高分子電解質膜の一方の面に触媒インクを塗布する触媒塗布工程と、
前記電解質膜の他方の面側から前記電解質膜を加熱して前記触媒インクを乾燥する第1乾燥工程と、
前記第1乾燥工程後に、前記電解質膜を当該高分子電解質膜の一方の面側から加熱して前記触媒インクを乾燥し、前記電解質膜の一方の面に触媒層を形成する第2乾燥工程と、
を含む、膜−触媒層接合体の製造方法を提供する。
本発明の第2態様によれば、前記第2乾燥工程は、前記電解質膜を、当該高分子電解質膜の一方の面側から加熱することに加えて他方の面側からも加熱して前記触媒インクを乾燥し、前記電解質膜の一方の面に触媒層を形成する工程である、第1態様に記載の膜−触媒層接合体の製造方法を提供する。
本発明の第3態様によれば、前記触媒塗布工程の前に、前記電解質膜の他方の面に形状保持フィルムを貼り付けるフィルム貼付工程をさらに含む、第1又は2態様に記載の膜−触媒層接合体の製造方法を提供する。
本発明の第4態様によれば、前記第2乾燥工程後に、前記電解質膜の他方の面に第2触媒インクを塗布する第2触媒塗布工程と、
前記電解質膜の一方の面側から前記電解質膜を加熱して前記第2触媒インクを乾燥する第3乾燥工程と、
前記第3乾燥工程後に、前記電解質膜を当該高分子電解質膜の他方の面側から加熱して前記第2触媒インクを乾燥し、前記電解質膜の他方の面に第2触媒層を形成する第4乾燥工程と、
をさらに有する、第1態様に記載の膜−触媒層接合体の製造方法を提供する。
本発明の第5態様によれば、前記第4乾燥工程は、前記電解質膜を当該高分子電解質膜の他方の面側から加熱することに加えて一方の面側からも加熱して前記2触媒インクを乾燥し、前記電解質膜の他方の面に第2触媒層を形成する工程である、第4態様に記載の膜−触媒層接合体の製造方法を提供する。
本発明の第6態様によれば、前記第1触媒塗布工程の前に、前記電解質膜の他方の面に第1形状保持フィルムを貼り付ける第1フィルム貼付工程と、
前記第2触媒塗布工程の前に、前記電解質膜の一方の面に第2形状保持フィルムを貼り付ける第2フィルム貼付工程と、
前記第2フィルム貼付工程の後で且つ前記第2触媒塗布工程の前に、前記電解質膜の他方の面から前記第1形状保持フィルムを剥離する第1フィルム剥離工程と、
をさらに含む、第4又は5態様に記載の膜−触媒層接合体の製造方法を提供する。
本発明の第7態様によれば、前記第2乾燥工程において前記電解質膜に加える熱量は、前記第1乾燥工程において前記電解質膜に加える熱量よりも大きい、第1〜6態様のいずれか1つに記載の膜−触媒層接合体の製造方法を提供する。
本発明の第8態様によれば、前記第2乾燥工程における前記電解質膜への加熱温度は、前記第1乾燥工程における前記電解質膜への加熱温度よりも高い、第1〜6態様のいずれか1つに記載の膜−触媒層接合体の製造方法を提供する。
本発明の第9態様によれば、燃料電池用の膜−触媒層接合体の製造装置であって、
高分子電解質膜を搬送方向に搬送する搬送装置と、
高分子電解質膜の一方の面に触媒インクを塗布する触媒塗布装置と、
前記触媒塗布装置よりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記触媒インクを塗布された前記電解質膜を、当該高分子電解質膜の他方の面側から加熱して前記触媒インクを乾燥する第1乾燥装置と、
前記第1乾燥装置よりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記第1乾燥装置を通過した前記電解質膜を、当該高分子電解質膜の一方の面側から加熱して前記触媒インクを乾燥し、前記電解質膜の一方の面に触媒層を形成する第2乾燥装置と、
を有する、膜−触媒層接合体の製造装置を提供する。
本発明の第10態様によれば、前記第2乾燥装置は、前記第1乾燥装置を通過した前記電解質膜を、当該高分子電解質膜の一方の面側から加熱すると共に他方の面側からも加熱して前記触媒インクを乾燥する、第9態様に記載の膜−触媒層接合体の製造装置を提供する。
本発明の第11態様によれば、前記第2乾燥装置が前記電解質膜に加える熱量は、前記第1乾燥装置が前記電解質膜に加える熱量よりも大きい、第9又は10態様に記載の膜−触媒層接合体の製造装置を提供する。
本発明の第12態様によれば、前記第2乾燥装置の加熱温度は、前記第1乾燥装置の加熱温度よりも高い、第9又は10に記載の膜−触媒層接合体の製造装置を提供する。
本発明にかかる膜−触媒層接合体の製造方法によれば、高分子電解質膜の一方の面に塗布した触媒インクを、高分子電解質膜の他方の面側から加熱して乾燥するようにしているので、高分子電解質膜に発生した膨潤を十分に元に戻すことができる。
また、本発明にかかる膜−触媒層接合体の製造方法によれば、第1乾燥工程後に、高分子電解質膜の一方の面側から加熱して触媒インクを乾燥するようにしているので、高分子電解質膜のシワやピンホールの発生が抑えられた膜−触媒層接合体を得ることができる。
本発明にかかる膜−触媒層接合体の製造装置によれば、第1乾燥装置が触媒塗布装置よりも搬送方向の下流側に配置されているので、高分子電解質膜の一方の面に塗布された触媒インクを高分子電解質膜の他方の面側から加熱して乾燥し、高分子電解質膜に発生した膨潤を十分に元に戻すことができる。
また、本発明にかかる膜−触媒層接合体の製造装置によれば、第2乾燥装置が第1乾燥装置よりも前記搬送方向の下流側に配置されているので、高分子電解質膜に発生した膨潤を元に戻した状態で触媒インクを高分子電解質膜の一方の面側から加熱して乾燥することができる。これにより、高分子電解質膜のシワやピンホールの発生が抑えられた膜−触媒層接合体を得ることができる。
本発明のこれらと他の目的と特徴は、添付された図面についての好ましい実施の形態に関連した次の記述から明らかになる。この図面においては、
図1は、本発明の実施形態にかかる膜−触媒層接合体の製造装置の概略説明図であり、 図2は、高分子電解質膜の第2面に第1形状保持フィルムを貼り付けた構造を有する高分子フィルムを示す断面図であり、 図3は、図2の状態からさらに、高分子電解質膜の第1面に第1触媒層を形成した構造を有する高分子フィルムを示す断面図であり、 図4は、図3の状態からさらに、第1触媒層を形成した高分子電解質膜の第1面に第2形状保持フィルムを貼り付けた構造を有する高分子フィルムを示す断面図であり、 図5は、図4の状態から、第2形状保持フィルムを剥離した構造を有する高分子フィルムを示す断面図であり、 図6は、図5の状態からさらに、高分子電解質膜の第2面に第2触媒層を形成した構造を有する高分子フィルムを示す断面図である。
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
《実施形態》
図1は、本発明の実施形態にかかる膜−触媒層接合体の製造装置の概略構成を示す図である。本実施形態にかかる膜−触媒層接合体は、例えば、自動車などの移動体、分散発電システム、家庭用のコージェネレーションシステムなどの駆動源として使用される燃料電池に用いられるものである。
図1において、本実施形態にかかる膜−触媒層接合体の製造装置は、供給ロール11と、バックアップロール12と、ダイ13と、第1乾燥装置の一例である予備乾燥装置14と、第2乾燥装置の一例である本乾燥装置15と、巻取りロール16とを備えている。
供給ロール11には、高分子フィルム10が巻回されている。本実施形態において、高分子フィルム10とは、図2〜図6のいずれかに示す構造を有する高分子フィルム10a〜10eをいう。図3に示すように高分子電解質膜1の第1面(一方の面)に触媒層4aを形成する場合、供給ロール11には、図2に示す構造を有する高分子フィルム10aが巻回される。すなわち、供給ロール11には、シート状の高分子電解質膜1の第2面(他方の面)に第1形状保持フィルム2を貼り付けた構造を有する高分子フィルム10aが巻回される。また、図6に示すように高分子電解質膜1の第2面(一方の面)に触媒層4bを形成する場合、供給ロール11には、図5に示す構造を有する高分子フィルム10dが巻回される。すなわち、供給ロール11には、シート状の高分子電解質膜1の第1面(他方の面)に触媒層4aを覆うように第2形状保持フィルム3を貼り付けた構造を有する高分子フィルム10dが巻回される。
高分子電解質膜1としては、特に限定されるものではないが、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜(例えば、米国DuPont社製のNafion(登録商標)、旭硝子(株)製のFlemion(登録商標)、旭化成(株)製のAciplex(登録商標)など)を使用することができる。高分子電解質膜1は、通常、非常に薄く且つ少しの湿気でも変形し易い部材である。このため、本実施形態においては、取扱い性の向上と高分子電解質膜のシワやピンホールの更なる抑制のため、高分子電解質膜1の第1面又は第2面に形状保持フィルム2又は3を貼り付けるようにしている。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、形状保持フィルム2又は3は必ずしも設ける必要はない。
第1及び第2形状保持フィルム2,3としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、フッ素樹脂などを用いることができる。第1及び第2形状保持フィルム2,3は、ラミネート加工時に熱変形しない耐熱性を有するフィルムであればよい。
供給ロール11から引き出された高分子フィルム10は、バックアップロール12に懸架され、巻取りロール16に巻き取られる。巻取りロール16は、図示しないモータを備え、当該モータの駆動力により連続的に回転することで、高分子フィルム10を連続的に巻き取る。本実施形態においては、後述するように高分子フィルム10が供給ロール11から引き出されて巻取りロール16に巻き取られるまでの間に高分子電解質膜1の第1面(又は第2面)に触媒層4a(又は4b)が形成されるようにしているので、膜−触媒層接合体の大量生産が可能である。なお、本実施形態においては、供給ロール11と巻取りロール16により、高分子電解質膜1を搬送方向Xに搬送する搬送装置の一例が構成されている。
バックアップロール12は、例えば、直径が300mmに設定された円柱形の部材である。なお、高分子電解質膜1に形状保持フィルム2又は3を貼り付けるようにしているので、バックアップロール12に吸引機能を設ける必要はない。
ダイ13は、高分子フィルム10を介してバックアップロール12と対向する位置に配置されている。ダイ13には、供給ポンプPが接続されている。ダイ13は、供給ポンプPから供給された触媒層形成用の触媒インクを、高分子フィルム10のバックアップロール12と接触する部分に向けて吐出(塗布)可能に構成されている。本実施形態においては、ダイ13と供給ポンプPにより、高分子電解質膜1の第1面又は第2面に触媒インクを塗布する触媒塗布装置の一例が構成されている。
触媒インクは、白金系金属触媒を担持したカーボン微粒子を溶媒で混合したインクである。金属触媒としては、例えば、プラチナ、ルテニウム、ロジウム及びイリジウムなどを用いることができる。カーボン粉末としては、カーボンブラック、ケッチェンブラック及びアセチレンブラックなどを用いることができる。溶媒としては、水、エタノール、n-プロパノール及びn-ブタノールなどのアルコール系、並びに、エーテル系、エステル系及びフッ素系などの有機溶剤を用いることができる。白金系金属触媒インクの溶媒を乾燥することで、金属触媒を坦持したカーボン粉末を主成分とする第1及び第2触媒層4a,4bを形成することができる。
予備乾燥装置14は、バックアップロール12よりも搬送方向Xの下流側において、高分子フィルム10の第2面(又は第1面)と対向するように配置されている。予備乾燥装置14は、ダイ13から高分子電解質膜1の第1面(又は第2面)に向けて吐出された触媒インクを、高分子電解質膜1の第2面(又は第1面)側から加熱して乾燥させる装置である。この予備乾燥装置14による乾燥により、高分子電解質膜1に発生した膨潤を十分に元に戻すことが可能となる。予備乾燥装置14としては、例えば、誘導加熱方式又は電磁波加熱方式の加熱装置、ホットプレート、遠赤外線ヒータなどを用いることができる。
予備乾燥装置14による加熱温度は、低過ぎると十分な乾燥が行えず、高過ぎると高分子電解質膜1にダメージを与えるおそれがあるため、例えば50℃〜140℃の範囲内で設定することが好ましい。
予備乾燥装置14による加熱時間は、高分子電解質膜1に発生した膨潤を十分に元に戻すという観点では、長いほど好ましく、例えば30秒以上とすることが好ましい。但し、高分子フィルム10を間欠送りではなく連続送りする場合、予備乾燥装置14による加熱時間を長くするには、予備乾燥装置14の長さを長くする必要がある。この場合、製造装置が大型化することになる。また、高分子フィルム10の送り速度を遅くすることでも、予備乾燥装置14による加熱時間を長くすることが可能である。しかしながら、この場合、膜−触媒層接合体の生産能力が低下することになる。従って、これらの点に留意して、予備乾燥装置14による加熱時間を適切に設定することが好ましい。
本乾燥装置15は、予備乾燥装置14よりも搬送方向Xの下流側において、高分子フィルム10を包囲するように配置されている。本乾燥装置15は、予備乾燥装置14により乾燥された触媒インクを、高分子電解質膜1の第1面及び第2面の両方から加熱して乾燥させる装置である。この本乾燥装置15による乾燥により、触媒インクの溶媒が完全に乾燥して触媒層4a(又は4b)が形成される。本乾燥装置15としては、例えば、対流式熱風乾燥装置を用いることができる。
本乾燥装置15による加熱温度は、予備乾燥装置14による加熱温度と同じか又は高いことが好ましい。これにより、予備乾燥装置14による加熱により触媒インクの溶媒を十分に乾燥させることができなかったとしても、本乾燥装置15による加熱により、触媒インクの溶媒の乾燥を促進させることができる。これにより、高分子電解質膜のシワやピンホールの発生をより抑えることができる。また、製造工程にかかる時間を短縮することができ、膜−触媒層接合体の生産効率を向上させることができる。
予備乾燥装置14による加熱温度に対する本乾燥装置15による加熱温度の比は、1.0〜2.0であることが好ましい。例えば、予備乾燥装置14による加熱温度は、50℃〜70℃であることが好ましく、本乾燥装置15による加熱温度は、50℃〜140℃であることが好ましい。
また、本乾燥装置15は、触媒インクを直接的に乾燥するため、高分子電解質膜1などを介して触媒インクを間接的に加熱する予備装置14よりも乾燥能力が優れている。このため、本乾燥装置15による加熱温度と予備乾燥装置14による加熱温度とが同じか又は高い場合、本乾燥装置15による加熱時間は、予備乾燥装置14による加熱時間と同じか又は長いことが好ましい。すなわち、本乾燥装置15の熱量が、予備乾燥装置14の熱量と同じか又は大きいことが好ましい。
予備乾燥装置14の熱量に対する本乾燥装置15の熱量の比は、1.0〜25.5であることが好ましい。また、予備乾燥装置14の熱量に対する本乾燥装置15の熱量の比は、1.0〜12.0であることがより好ましく、1.0〜5.3であるとさらに好ましい。
次に、本実施形態にかかる膜−触媒層接合体の製造方法について説明する。
まず、高分子電解質膜1の第2面に第1形状保持フィルム2を貼り付けて、図2に示す高分子フィルム10aを作成する(第1フィルム貼付工程)。
次いで、図2に示す高分子フィルム10aを供給ロール11に巻回し、図1に示すように、バックアップロール12に懸架されて巻取りロール16に巻き取られるように高分子フィルム10aをセットする。
次いで、巻取りロール16のモータ(図示せず)を駆動して、高分子フィルム10aを供給ロール11から巻取りロール16に向けて連続的に送る。
次いで、前記送り動作によりバックアップロール12上に位置した高分子フィルム10aに、触媒インクを供給ポンプPからダイ13を通じて吐出する。これにより、高分子電解質膜1の第1面に触媒インクが塗布される(触媒塗布工程)。
次いで、前記送り動作により予備乾燥装置14の上方に送られた触媒インク塗布済みの高分子フィルム10aを、予備乾燥装置14により加熱する。これにより、高分子電解質膜1の第2面側から高分子電解質膜1が加熱されて触媒インクが乾燥され、高分子電解質膜1の膨潤が元に戻る(第1乾燥工程)。
次いで、前記送り動作により本乾燥装置15内に送られた触媒インク塗布済みの高分子フィルム10aを、本乾燥装置15により加熱する。これにより、高分子電解質膜1の第1面及び第2面の両方から高分子電解質膜1が加熱されて触媒インクが乾燥され、図3に示すように触媒層4aが形成される(第2乾燥工程)。この後、継続して前記送り動作が行われることにより、図3に示す高分子フィルム10bが巻取りロール16に巻き取られる。
次いで、巻取りロール16に巻き取られた図3に示す高分子フィルム10bの第2面に、図4に示すように第2形状保持フィルム3を貼り付ける(第2フィルム貼付工程)。
次いで、図4に示す高分子フィルム10cから第1形状保持フィルム2を剥離して、図5に示す高分子フィルム10dを作成する(第1フィルム剥離工程)。
次いで、図5に示す高分子フィルム10dを供給ロール11に巻回し、図1に示すように、バックアップロール12に懸架されて巻取りロール16に巻き取られるように高分子フィルム10dをセットする。このとき、高分子電解質膜1がダイ13に対して露出するように、高分子フィルム10dをセットする。すなわち、高分子フィルム10dの第2面がダイ13と対向すると共に、高分子フィルム10dの第1面が予備乾燥装置14と対向するように、高分子フィルム10をセットする。
次いで、巻取りロール16のモータ(図示せず)を駆動して、高分子フィルム10dを供給ロール11から巻取りロール16に向けて連続的に送る。
次いで、前記送り動作によりバックアップロール12上に位置した高分子フィルム10dに、触媒インクを供給ポンプPからダイ13を通じて吐出する。これにより、高分子電解質膜1の第2面に触媒インクが塗布される(第2触媒塗布工程)。
次いで、前記送り動作により予備乾燥装置14の上方に送られた触媒インク塗布済みの高分子フィルム10dを、予備乾燥装置14により加熱する。これにより、高分子電解質膜1の第2面側から高分子電解質膜1が加熱されて触媒インクが乾燥され、高分子電解質膜1の膨潤が元に戻る(第3乾燥工程)。
次いで、前記送り動作により本乾燥装置15内に送られた触媒インク塗布済みの高分子フィルム10dを、本乾燥装置15により加熱する。これにより、高分子電解質膜1の第1面及び第2面の両方から高分子電解質膜1が加熱されて触媒インクが乾燥され、図6に示すように触媒層4bが形成される(第4乾燥工程)。この後、前記送り動作が継続して行われることにより、図6に示す高分子フィルム10eが巻取りロール16に巻き取られる。
次いで、図6に示す高分子フィルム10eから第2形状保持フィルム3を剥離することで、本実施形態にかかる膜−触媒層接合体を製造することできる。
本実施形態にかかる膜−触媒層接合体の製造方法によれば、高分子電解質膜1の第1面に塗布した触媒インクを、高分子電解質膜1の第2面側から加熱して乾燥するようにしているので、高分子電解質膜1に発生した膨潤を十分に元に戻すことができる。
また、本発明にかかる膜−触媒層接合体の製造方法によれば、第1乾燥工程後に、高分子電解質膜1の第1面及び第2面の両方から加熱して触媒インクを乾燥するようにしているので、高分子電解質膜のシワやピンホールの発生が抑えられた膜−触媒層接合体を得ることができる。
また、本発明にかかる膜−触媒層接合体の製造方法によれば、図2〜図6に示すように、第1形状保持フィルム2又は第2形状保持フィルム3の少なくともいずれかに一方に高分子電解質膜1が保持されるようにしているので、高分子電解質膜1のシワやピンホールの発生をより効果的に抑えることができる。
また、本発明にかかる膜−触媒層接合体の製造装置によれば、予備乾燥装置14が触媒インクを吐出するダイ13よりも搬送方向Xの下流側に配置されているので、高分子電解質膜1の第1面に塗布された触媒インクを高分子電解質膜1の第2面側から加熱して乾燥し、高分子電解質膜1に発生した膨潤を十分に元に戻すことができる。
また、本発明にかかる膜−触媒層接合体の製造装置によれば、本乾燥装置15が予備乾燥装置14よりも搬送方向Xの下流側に配置されているので、高分子電解質膜1に発生した膨潤を元に戻した状態で触媒インクを高分子電解質膜1の第1面及び第2面の両方から加熱して乾燥することができる。これにより、高分子電解質膜のシワやピンホールの発生が抑えられた膜−触媒層接合体を得ることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、前記では、本乾燥装置15として、高分子電解質膜1の第1面及び第2面の両方から加熱して乾燥させる装置を用いたが、本発明はこれに限定されない。例えば、本乾燥装置15として、予備乾燥装置14が乾燥する高分子電解質膜1の面とは反対側の面のみを乾燥させる装置を用いてもよい。例えば、本乾燥装置15は、誘導加熱方式又は電磁波加熱方式の加熱装置、ホットプレート、遠赤外線ヒータなどであってもよい。このような装置であっても、触媒インクを直接的に乾燥するため、高分子電解質膜1などを介して触媒インクを間接的に加熱する予備装置14よりも優れた乾燥能力を有する。
また、前記では、予備乾燥装置14を別途設けたが、バックアップロール12に予備乾燥装置14の機能を持たせるようにしてもよい。この場合、予備乾燥装置14を設ける必要性を無くすことができる。また、バックアップロール12に加熱機能を持たせると共に予備乾燥装置14を設けた場合には、高分子電解質膜1の膨潤をより早く元に戻すことができ、製造装置の小型化を図ることができる。
次に、本実施形態にかかる膜−触媒層接合体の製造方法による高分子電解質膜のシワ又はピンホールの抑制効果を検証した結果について説明する。下記表1には、予備乾燥工程と本乾燥工程とにかかる時間を変えて形成した各触媒層の厚みバラツキが示されている。
Figure 2011099285
ここでは、予備乾燥装置14としてホットプレートを用い、本乾燥装置15として対流式熱風乾燥を用いた。予備乾燥装置14の加熱温度は60℃とし、本乾燥装置15の加熱温度は90℃とした。予備乾燥装置14及び本乾燥装置15の加熱時間の合計は180秒とした。
また、高分子電解質膜1の第1面の触媒層4aを形成する触媒インクとして、次のものを用いた。すなわち、平均粒径3nmの白金を50重量%担持した平均粒径50〜60nmのカーボンブラック5gに、イオン交換水10gを添加した後、パーフルオロカーボンスルホン酸を91重量%含むエタノール溶液10gを添加し、超音波振動を加えながら混合した触媒インクを用いた。
また、高分子電解質膜1の第2面の触媒層4bを形成する触媒インクとして、次のものを用いた。すなわち、平均粒径2〜3nmの白金とルテニウムの合金を50重量%担持した平均粒径50〜60nmのカーボンブラック5gに、イオン交換水15gを添加した後、パーフルオロカーボンスルホン酸を91重量%含むエタノール溶液10gを添加し、超音波振動を加えながら混合した触媒インクを用いた。
また、触媒層4a又は4bの厚みバラツキは、幅方向に3点、長さ方向に10点の合計30点(=3×10)について計測した。
表1より、高分子電解質膜1の第1面の触媒層4aに関しては、予備乾燥工程を行うか否かに関わらず、触媒層4aの厚みバラツキはほぼ同じであることが分かる。これは、高分子電解質膜1の第2面に第1形状保持フィルム2を貼り付けることにより、高分子電解質膜のシワやピンホールが抑えられたためと考えられる。
また、表1より、高分子電解質膜1の第2面の触媒層4bに関しては、予備乾燥工程の時間を長くする程、触媒層4bの厚みのバラツキが抑えられることが分かる。特に、予備乾燥工程を30秒以上行った場合には、触媒層4bの厚みのバラツキの抑制効果が高いことが分かる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
2010年2月10日に出願された日本国特許出願No.2010−027554号の明細書、図面、および特許請求の範囲の開示内容は、全体として参照されて本明細書の中に取り入れられるものである。
本発明にかかる膜−触媒層接合体の製造方法及び装置は、高分子電解質膜にシワやピンホールが発生することをより抑えることができるので、例えば、自動車などの移動体、分散発電システム、家庭用のコージェネレーションシステムなどの駆動源として使用される燃料電池が備える膜−触媒層接合体の製造方法及び装置として有用である。
1 高分子電解質膜
2 第1形状保持フィルム
3 第2形状保持フィルム
4a,4b 触媒層
10 高分子フィルム
11 供給ロール
12 バックアップロール
13 ダイ
14 予備乾燥装置(第1乾燥装置)
15 本乾燥装置(第2乾燥装置)
16 巻取りロール
P 供給ポンプ

Claims (12)

  1. 燃料電池用の膜−触媒層接合体の製造方法であって、
    高分子電解質膜の一方の面に触媒インクを塗布する触媒塗布工程と、
    前記電解質膜の他方の面側から前記電解質膜を加熱して前記触媒インクを乾燥する第1乾燥工程と、
    前記第1乾燥工程後に、前記電解質膜を当該高分子電解質膜の一方の面側から加熱して前記触媒インクを乾燥し、前記電解質膜の一方の面に触媒層を形成する第2乾燥工程と、
    を含む、膜−触媒層接合体の製造方法。
  2. 前記第2乾燥工程は、前記電解質膜を、当該高分子電解質膜の一方の面側から加熱することに加えて他方の面側からも加熱して前記触媒インクを乾燥し、前記電解質膜の一方の面に触媒層を形成する工程である、請求項1に記載の膜−触媒層接合体の製造方法。
  3. 前記触媒塗布工程の前に、前記電解質膜の他方の面に形状保持フィルムを貼り付けるフィルム貼付工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の膜−触媒層接合体の製造方法。
  4. 前記第2乾燥工程後に、前記電解質膜の他方の面に第2触媒インクを塗布する第2触媒塗布工程と、
    前記電解質膜の一方の面側から前記電解質膜を加熱して前記第2触媒インクを乾燥する第3乾燥工程と、
    前記第3乾燥工程後に、前記電解質膜を当該高分子電解質膜の他方の面側から加熱して前記第2触媒インクを乾燥し、前記電解質膜の他方の面に第2触媒層を形成する第4乾燥工程と、
    をさらに有する、請求項1に記載の膜−触媒層接合体の製造方法。
  5. 前記第4乾燥工程は、前記電解質膜を当該高分子電解質膜の他方の面側から加熱することに加えて一方の面側からも加熱して前記2触媒インクを乾燥し、前記電解質膜の他方の面に第2触媒層を形成する工程である、請求項4に記載の膜−触媒層接合体の製造方法。
  6. 前記第1触媒塗布工程の前に、前記電解質膜の他方の面に第1形状保持フィルムを貼り付ける第1フィルム貼付工程と、
    前記第2触媒塗布工程の前に、前記電解質膜の一方の面に第2形状保持フィルムを貼り付ける第2フィルム貼付工程と、
    前記第2フィルム貼付工程の後で且つ前記第2触媒塗布工程の前に、前記電解質膜の他方の面から前記第1形状保持フィルムを剥離する第1フィルム剥離工程と、
    をさらに含む、請求項4又は5に記載の膜−触媒層接合体の製造方法。
  7. 前記第2乾燥工程において前記電解質膜に加える熱量は、前記第1乾燥工程において前記電解質膜に加える熱量よりも大きい、請求項1〜6のいずれか1つに記載の膜−触媒層接合体の製造方法。
  8. 前記第2乾燥工程における前記電解質膜への加熱温度は、前記第1乾燥工程における前記電解質膜への加熱温度よりも高い、請求項1〜6のいずれか1つに記載の膜−触媒層接合体の製造方法。
  9. 燃料電池用の膜−触媒層接合体の製造装置であって、
    高分子電解質膜を搬送方向に搬送する搬送装置と、
    高分子電解質膜の一方の面に触媒インクを塗布する触媒塗布装置と、
    前記触媒塗布装置よりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記触媒インクを塗布された前記電解質膜を、当該高分子電解質膜の他方の面側から加熱して前記触媒インクを乾燥する第1乾燥装置と、
    前記第1乾燥装置よりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記第1乾燥装置を通過した前記電解質膜を、当該高分子電解質膜の一方の面側から加熱して前記触媒インクを乾燥し、前記電解質膜の一方の面に触媒層を形成する第2乾燥装置と、
    を有する、膜−触媒層接合体の製造装置。
  10. 前記第2乾燥装置は、前記第1乾燥装置を通過した前記電解質膜を、当該高分子電解質膜の一方の面側から加熱すると共に他方の面側からも加熱して前記触媒インクを乾燥する、請求項9に記載の膜−触媒層接合体の製造装置。
  11. 前記第2乾燥装置が前記電解質膜に加える熱量は、前記第1乾燥装置が前記電解質膜に加える熱量よりも大きい、請求項9又は10に記載の膜−触媒層接合体の製造装置。
  12. 前記第2乾燥装置の加熱温度は、前記第1乾燥装置の加熱温度よりも高い、請求項9又は10に記載の膜−触媒層接合体の製造装置。
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