JP6048015B2 - 膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池における膜電極接合体の製造方法に関する。
燃料電池は水素などの燃料と空気などの酸化剤とを電気化学的に反応させることにより燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出す発電方式である。この発電方式は、発電効率が高く、静粛性に優れ、大気汚染の原因となるNOxやSOx、また地球温暖化の原因となるCOの排出量が少ない等の利点から、新エネルギーとして期待されている。
この燃料電池が適用されている例は、携帯電気機器の長時間の電力供給用、あるいは、コジェネレーション用定置型発電温水供給機、燃料電池自動車等があり、用途も規模も多様である。
燃料電池の種類は使用する電解質によって、固体高分子形、リン酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形、アルカリ形等に分類され、それぞれ運転温度が大きく異なり、それに伴い発電規模や利用分野も異なる。
陽イオン交換膜を電解質として用いた燃料電池は、固体高分子形燃料電池と呼ばれており、この固体高分子形燃料電池は、燃料電池の中でも比較的低温での動作が可能である。また、固体高分子形燃料電池は、電解質膜の薄膜化により内部抵抗を低減することができるため、高出力化、コンパクト化が可能であり、車搭載の電源や家庭据置用電源等への使用が有望視されている。
固体高分子形燃料電池は、膜電極接合体(Membrane and Electrode Assembly;MEA)と呼ばれる電解質膜の両面に一対の電極触媒層を配置させた接合体を、一対のセパレータ板で挟持してなる電池である。前記一対のセパレータ板には、前記電極の一方に水素を含有する燃料ガスを供給し、前記電極の他方に酸素を含む酸化剤ガスを供給するためのガス流路が形成されている。この一対のセパレータ板で挟持されてなる電池を単電池セルと呼ぶ。
このような構成を有する固体高分子形燃料電池は、出力密度の増大と燃料電池全体のコンパクト化とを目的として、単電池セルを複数積層(スタック)して用いられる。スタックする枚数は、必要な電力により異なり、一般的な携帯電気機器のポータブル電源では数枚から10枚程度、コジェネレーション用定置型電気および温水供給機では60〜90枚程度、自動車用途では250〜400枚程度である。
高出力化を実現するためにはスタック枚数を増やすことが必要となる。その結果、単電池セルのコストが燃料電池全体のコストに大きく影響することになる。プロセスコストの観点からは、部品数が少なく且つ組み立てが容易な膜電極接合体構造が望まれている。
近年、膜電極接合体を製造する際、触媒インクを電解質膜に直接塗布することにより触媒層を形成する手法が試みられている。この手法は、副資材を必要としないことからプロセスコストが抑えられる点、また、電解質膜と触媒層の密着性が高いことから性能が向上する点などから、理想的な手法として注目されている。
しかしながら、電解質膜は触媒インクの溶媒に触れるとすぐに膨潤してしまうという問題がある。つまり、電解質膜上に塗布された触媒インク中の溶媒が電解質膜内へ拡散し、電解質膜は膨潤状態になる。触媒インクを塗布する塗布工程の後の乾燥工程において、触媒インク中の溶媒が蒸発し、触媒層が形成されるが、この時、電解質膜が膨潤状態となっていると、電解質膜内に拡散した溶媒が蒸発することにより、触媒層が乾燥し収縮する。その結果、電解質膜に皺が発生し、それに伴い電解質膜上に形成された触媒層にも皺やクラックが発生するという問題がある。
このような皺やクラックの発生を回避する方法として、加熱吸着プレート上に電解質膜を設置し、背面加熱を行うことにより、触媒インクを塗布すると同時に溶媒を乾燥・除去する方法が提案されている。(特許文献1、2)
具体的には、特許文献1には、60℃に加熱されて吸着板上に設置した電解質膜に触媒インクを塗布しており、揮発性向上を目的に触媒インク中の溶媒としてエタノールを用いた例が記載されている。
また、特許文献2には、前記塗布工程での雰囲気温度を、触媒インク中で最も高い揮発性を有する溶媒成分の飽和蒸気圧が80KPa以上となる温度に規定し、触媒インク中の溶媒としてはエタノールと水の混合系を用いた実施例が記載されている。
特開2003−100314号公報 特開2006−344517号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、溶媒の蒸発は促進されても、蒸発が終わる前に電解質膜に溶媒が拡散してしまうために、電解質膜の膨潤を十分に抑制することができない。
また、特許文献2に記載された方法は、塗布工程での雰囲気が制限されてしまい、様々な塗布環境に対応できないという問題がある。
本発明は、上記問題を考慮して成し遂げられたものであり、電解質膜の膨潤を抑制し、触媒層に皺やクラックのない膜電極接合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、電解質膜に直接触媒インクを塗布させる際に、触媒インクの溶媒として、この溶媒に対する電解質膜膨潤率が30%以下である溶媒を使用し、かつ触媒インク中の固形分比を調整することにより、電解質膜の膨潤を抑制することができることを見出し、本発明を成すに至った。
本発明の一態様は、加熱吸着プレート上にフッ素系電解質膜又は炭化水素電解質膜からなる固体高分子の電解質膜を固定し、前記加熱吸着プレートを第一の温度に昇温させた状態で、少なくとも、高分子材料と複数種の溶媒とを含む触媒インクを、前記電解質膜に塗工する工程と、前記触媒インクを前記電解質膜に塗工した後、前記加熱吸着プレートを前記第一の温度よりも高い第二の温度に昇温させた状態で、前記触媒インクを加熱乾燥する工程と、を含む膜電極接合体の製造方法であって、前記触媒インク中に含有する前記複数種の溶媒それぞれに対する前記電解質膜塗布面方向の膨潤率が30%以下であり、前記触媒インク中の固形分比率は、10%以上15%以下であることを特徴とする膜電極接合体の製造方法である。なお、ここでいう、塗布面方向とは、触媒インクを塗布する一定の方向である塗布方向における膨潤率と、この塗布方向に対して垂直な方向の膨潤率との平均値を表す。
上記態様において、前記触媒インク中の溶媒のうち、少なくとも1種類は水であってよい。
また、前記触媒インク中の溶媒のうち、少なくとも1種類はアルコールであってよい。
また、前記触媒インク中のアルコール溶媒は2価のアルコールであってよい。
また、前記触媒インク中の水/アルコールの比率(すなわちアルコールに対する水の比率)は1.0以上2.0以下であってよい。
本発明によれば、電解質膜に触媒インクを塗布する塗布工程において、触媒インク中に含有する全溶媒に対する電解質膜塗布面方向の膨潤率が30%以下と低膨潤率であるため、溶媒の電解質膜中への拡散を抑制できる。このように、電解質膜中への溶媒の拡散を抑制することによって、触媒層の乾燥工程において、電解質膜や電解質膜上に形成された触媒層に皺やクラックが発生することを防止することができる。
さらには、電解質膜に直接触媒インクを塗布することによって、電解質膜及びその表面に形成される触媒層間が密着性に優れたものとなる。従って、密着性が悪いことによる電池性能の低下が防止される。
本発明の膜電極接合体の製造方法における触媒インクを電解質膜に塗布する工程(塗布工程)の一例を示す模式図である。 本発明の膜電極接合体の製造方法により作製された膜電極接合体の一例を示す断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明の膜電極接合体の製造方法を説明するための模式図であって、触媒インクを電解質膜に塗布する工程(以下、塗布工程という。)の模式図である。
図1に示すように、電解質膜1の上には、マスク付きガスケット層5が形成されている。このマスク付きガスケット層5は、マスク4がガスケット層3と一体化されてなり、枠状に形成されている。
本実施形態における塗布工程は、図1に示すように、マスク付ガスケット層5が形成された電解質膜1に、開口部6から触媒インク2を直接塗布することにより実施される。電解質膜1に触媒インク2を塗布する方法として、スプレー法、グラビア印刷法、刷毛塗り、ダイコート法等を適用することができ、特に限定されるものではない。
本実施形態では、塗布工程の後に、触媒層を形成するための乾燥工程が実施される。この乾燥工程では、電解質膜1の触媒インク2の塗布面とこの塗布面とは逆側の裏面との2方向から、触媒インク2の塗布と同時に加熱乾燥が行われ、触媒層形成のための初期乾燥が実施される。
この初期乾燥の後の本乾燥は、初期乾燥実施時と同様に、加熱乾燥によって実施されるが、加熱する方向は、電解質膜1の塗布面と裏面との両方向からに限定されるものではない。
本発明で用いる電解質膜1は、固体高分子形燃料電池に一般的に用いられるものでよい。例えば、フッ素系電解質膜や炭化水素電解質膜を使用することができる。
本発明で用いる触媒インク2は、少なくとも高分子材料と複数種の溶媒とを含み、全溶媒に対する電解質膜1塗布面方向の膨潤率、すなわち塗布面方向および塗布面と垂直な方向の膨潤率が30%以下であることを特徴とする。
ここで、本発明において、塗布面方向の膨潤率とは、図1に示す触媒インクを塗布する塗布方向Xの膨潤率と塗布方向と垂直な方向Yの膨潤率の平均値を指す。膨潤率は、電解質膜1を溶媒中に5分間浸漬させ、浸漬前後の電解質膜1の寸法を測長し、寸法伸び率を算出することにより測定される。
塗布面方向の膨潤率が低い程、電解質膜1内への溶媒の拡散が抑制される。そのため、溶媒として、溶媒に対する電解質膜1の塗布面方向の膨潤率が小さい溶媒が望ましい。膨潤率が30%より大きい場合、溶媒が電解質膜中へ拡散しやすくなり、電解質膜に皺やクラックが発生しやすくなる。そのため、電解質膜の膨潤率は平均が30%以下であることが好ましい。
また、本発明で用いる触媒インク2に含まれる溶媒のうち、少なくとも1種類は水であり、1種類は2価のアルコールであることを特徴とする。
その理由は、触媒インクに含まれる高分子材料との相溶性が高いからである。特に2価のアルコールの場合、高分子材料との高い相溶性を維持しつつ、2価のアルコールに対する電解質膜塗布面方向の膨潤率を抑えることができる。
2価のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、2−メチル1,3−ペンタジオール等を使用することができる。溶媒の乾燥が速い程、電解質膜1への溶媒の拡散が抑制されるので、沸点が300℃以下と低いことが望ましく、蒸発し易い溶媒が望ましい。
また、触媒インク2に含まれる水/アルコールの比率は、1.0以上2.0以下であることが好ましい。その理由は、触媒インクを調整しやすくなり、塗工適正が向上するからである。
さらに、本発明で用いる触媒インク2の固形分比率は、10%以上15%以下であることを特徴とする。前記固形分比率が10%より小さい場合、触媒インク中の溶媒成分が多いため電解質膜が膨潤しやすくなり、電解質膜に皺やクラックが発生しやすくなる。一方、15%よりも大きい場合、触媒インク中の固形分の分散性が低下する。そのため、固形分比率は、10%以上15%以下であることが好ましい。
また、固形分比率が高い程、前記触媒インク2中の溶媒成分が少なくなり、電解質膜1への溶媒の拡散は抑制されるので、高固形分比率の触媒インクが望ましいが、固形分比率が高い場合、触媒インクの塗布が困難になるので、固形分比率は12%以上14%以下程度が望ましい。
触媒インク2に含まれる触媒としては、例えば、白金または白金と他の金属(例えばRu、Rh、Mo、Cr、Co、Fe等)との合金の微粒子(平均粒径は10nm以下が望ましい)が表面に担持されたカーボンブラックなどの導電性炭素微粒子(平均粒径:20nm以上100nm以下程度)を使用することができる。また、触媒インク2に含まれる高分子材料としては、パーフルオロスルホン酸樹脂溶液などの高分子溶液を使用することができる。
本発明で用いるガスケット層3としては、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリイミド(PI)、又は、十分に薄く、十分に強く、燃料電池環境に十分に適合する他の硬質な高分子材料などのポリマーを含んでも良い。
図1に示す塗布工程およびその後の乾燥工程を実施することによって、電解質膜1の片側にのみ、マスク付きガスケット層5の開口部6内に触媒層(例えばカソード触媒層)21が形成されることになる。電解質膜1の反対側にも同様の手段を用いて触媒層(例えばアノード触媒層)22を形成することにより、膜電極接合体7が形成される。
このように、触媒インク2中に含有する複数の溶媒それぞれに対する、電解質膜1塗布面方向の膨潤率を30%以下とし、電解質膜1の膨潤率が低膨潤率となる特性を有する溶媒を用いるようにした。そのため、電解質膜1の膨潤を抑制することができる。その結果、電解質膜1中への溶媒の拡散を防止することができ、その結果、触媒層21、22の乾燥工程において、電解質膜1や、電解質膜1上に形成された触媒層21、22に皺やクラックが発生することを防止することができる。
また、このとき、電解質膜1に触媒インク2を直接塗布して、膜電極接合体7を形成しているため、電解質膜1及びその表面に形成される触媒層21、22間が密着性に優れたものとなる。その結果、密着性が悪いことによる電池性能の低下を防止することができる。したがって、電解質膜1や触媒層21、22に皺やクラックが発生することを防止し、且つ、電池性能の低下を防止することの可能な膜電極接合体7を得ることができる。
また、このとき、触媒インク2の固形分比率が10%以上15%以下程度となるようにしているため、触媒インク2中の溶媒成分が少なくなり、その結果、電解質膜1への溶媒の拡散を抑制することができる。したがって、触媒インク2の固形分比率を調整することによっても、皺やクラックの発生を抑制することができる。
以下に、具体的な実施例により本発明を適用した固体高分子形燃料電池の製造方法を説明する。なお、後述する実施例は本発明の一実施例であり、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
白金担持量が50%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)とを、混合比1:1の水(膨潤率:5.0%、沸点:100.0℃)と、エチレングリコール(膨潤率:14.5%、沸点:197.9℃)との混合溶媒で混合した。なお、この時の固形分比率は14%に設定した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、触媒インク2を調整した。
次に、弱粘着層付きのポリエチレンテレフタラートフィルムをマスク4とし、このマスク4をガスケット層3に貼着してなるガスケット層3およびマスク4の積層構造において、中央部を打ち抜いて、ガスケット層3とマスク4との積層構造からなる枠状のマスク付ガスケット層5を作製した。マスク付きガスケット層5の開口部6のサイズは、50mm四方である。続いて、作製した枠状のマスク付きガスケット層5を電解質膜1に貼合した。電解質膜1としては、Nafion212(デュポン社製)を用いた。
次に、加熱吸着プレート(図示せず)上に枠状のマスク付きガスケット層5を貼合した電解質膜1を固定した。なお、この時の加熱吸着プレートの温度は、触媒インク中の溶媒が電解質膜1内に拡散するのを抑制し、溶媒が除去し易くすることを目的として、60℃に設定した。
調整した触媒インク2をダイヘッド(図示せず)より塗出し、ダイコータによる塗布を行った。なお、この時の白金担持量がカソード触媒層相当(0.4mg/cm)となるよう、塗布工程を実施した。
続いて、加熱吸着プレート上の温度を120℃に昇温させ、乾燥工程を経た後に、加熱吸着プレートによる吸着固定を解除した。
最後に、弱粘着層付きのポリエチレンテレフタラートフィルムからなるマスク4をマスク付きガスケット層5から剥離することにより、図2に示すように、電解質膜1の片面に触媒層(例えばカソード触媒層)21が形成され、この触媒層(カソード触媒層)21の周縁部にガスケット層31が配置された膜電極接合体7を得た。
また、作製された、触媒層(例えばカソード層触媒層)21が片面に形成された膜電極接合体7を上下反転させ、カソード触媒層21の形成面と反対側の面にアノード触媒層22を同様にして形成し、図2に示すように、電解質膜1の両面に触媒層21、22が形成され、触媒層21、22の周縁にガスケット層31、32が配置された膜電極接合体7を形成した。なお、白金担持量がアノード触媒層相当(0.1mg/cm)となるよう、塗布工程、乾燥工程を実施した。
作製した膜電極接合体7の電解質膜1と触媒層21、22との観察を行った所、皺やクラックの発生は見られなかった。
白金担持量が50%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)を、混合比2:1の水とエチレングリコールとの混合溶媒で混合した。なお、この時の固形分比率は14%に設定した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、触媒インク2を調整した。
調整した触媒インク2を用いて実施例1と同様の手法で図2に示す膜電極接合体7を作製した。
作製した膜電極接合体7の電解質膜1と触媒層21、22との観察を行った所、皺やクラックの発生は見られなかった。
白金担持量が50%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)とを、混合比1:1の水とトリエチレングリコール(膨潤率:20.0%、沸点:276.0℃)との混合溶媒で混合した。なお、この時の固形分比率は14%に設定した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、触媒インク2を調整した。
調整した触媒インク2を用いて実施例1と同様の手法で膜電極接合体7を作製した。
作製した膜電極接合体7の電解質膜1と触媒層21、22との観察を行った所、皺やクラックの発生は見られなかった。
白金担持量が50%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)を、混合比2:1:1の水とエチレングリコールとトリエチレングリコールとの混合溶媒で混合した。なお、この時の固形分比率は14%に設定した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、触媒インク2を調整した。
調整した触媒インク2を用いて実施例1と同様の手法で膜電極接合体7を作製した。
作製した膜電極接合体の電解質膜1と触媒層21、22との観察を行った所、皺やクラックの発生は見られなかった。
<比較例1>
白金担持量が50%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)を、混合比1:1:1の水と1−プロパノール(膨潤率:62.5%、沸点:97.2℃)と2−プロパノール(膨潤率:42.5%、沸点:82.4℃)との混合溶媒で混合した。なお、この時の固形分比率は14%に設定した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、触媒インク2を調整した。すなわち、電解質膜1膨潤率が5.0%程度の水と、膨潤率が62.5%のプロパノールと、膨潤が42.5%であるエチレングリコールと、を用いて、触媒インク2を調整した。
そして、調整した触媒インク2を用いて実施例1と同様の手法で膜電極接合体7を作製した。
作製した膜電極接合体7の電解質膜1と触媒層21、22との観察を行った所、電解質膜1中に皺やクラックが多数発生している様子が観察された。
本発明は固体高分子形燃料電池、特に燃料電池自動車や家庭用燃料電池などにおける、固体高分子形燃料電池単セルやスタックに好適に活用することができる。
1 電解質膜
2 触媒インク
3 ガスケット層
4 マスク
5 マスク付きガスケット層
6 開口部
7 膜電極接合体
21 カソード触媒層
22 アノード触媒層
31 カソードガスケット層
32 アノードガスケット層

Claims (5)

  1. 加熱吸着プレート上にフッ素系電解質膜又は炭化水素電解質膜からなる固体高分子の電解質膜を固定し、前記加熱吸着プレートを第一の温度に昇温させた状態で、少なくとも、高分子材料と複数種の溶媒とを含む触媒インクを、前記電解質膜に塗工する工程と、
    前記触媒インクを前記電解質膜に塗工した後、前記加熱吸着プレートを前記第一の温度よりも高い第二の温度に昇温させた状態で、前記触媒インクを加熱乾燥する工程と、を含む膜電極接合体の製造方法であって、
    前記触媒インク中に含有する前記複数種の溶媒それぞれに対する前記電解質膜塗布面方向の膨潤率が30%以下であり、前記触媒インク中の固形分比率は、10%以上15%以下であることを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
  2. 前記触媒インク中の溶媒のうち、少なくとも1種類は水であることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
  3. 前記触媒インク中の溶媒のうち、少なくとも1種類はアルコールであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の膜電極接合体の製造方法。
  4. 前記触媒インク中のアルコール溶媒は2価のアルコールであることを特徴とする請求項3に記載の膜電極接合体の製造方法。
  5. 前記触媒インク中の水/アルコールの比率は1.0以上2.0以下であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の膜電極接合体の製造方法。
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