JP6074979B2 - 燃料電池用膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

燃料電池用膜電極接合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池に用いられる膜電極接合体の製造技術に関する。
燃料電池は、水素などの燃料と空気などの酸化剤を電気化学的に反応させることにより、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出す発電方式である。この発電方式は、発電効率が高く、静粛性に優れ、大気汚染の原因となるNOx、SOx、また地球温暖化の原因となるCO2の排出量が少ない等の利点から、新エネルギーとして期待されている。
この燃料電池が適用されている例は、携帯電気機器の長時間電力供給、コジェネレーション用定置型発電温水供給機、燃料電池自動車等があり、用途も規模も多様である。
燃料電池の種類は使用する電解質によって、固体高分子形、リン酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形、アルカリ形等に分類され、それぞれ運転温度が大きく異なり、それに伴い発電規模や利用分野も異なる。
陽イオン交換膜を電解質として用いたものは、固体高分子形燃料電池と呼ばれ、燃料電池の中でも比較的低温での動作が可能であり、また、電解質膜の薄膜化により内部抵抗を低減できるため高出力化、コンパクト化が可能であり、車搭載源や家庭据置用電源等への使用が有望視されている。
固体高分子形燃料電池は、膜電極接合体(Membrane and Electrode Assembly;MEA)と呼ばれる電解質膜の両面に一対の電極触媒層を配置させた接合体を、前記電極の一方に水素を含有する燃料ガスを供給し、前記電極の他方に酸素を含む酸化剤ガスを供給するためのガス流路を形成した一対のセパレータ板で挟持した電池である.この一対のセパレータ板で挟持した電池を単電池セルと呼ぶ。
固体高分子形燃料電池は、出力密度の増大と燃料電池全体のコンパクト化を目的として、単電池セルを複数積層(スタック)して用いられる。スタックする枚数は、必要な電力により異なり、一般的な携帯電気機器のポータブル電源では数枚から10枚程度、コジェネレーション用定置型電気および温水供給機では60〜90枚程度、自動車用途では250〜400枚程度である。高出力化をするためにはスタック枚数を増やすことが必要となり、単電池セルのコストが燃料電池全体のコストに大きく影響する。プロセスコストの観点から、部品数が少なく組み立てが容易な膜電極接合体構造が望まれている。
近年、膜電極接合体を製造する際、触媒インクを電解質膜に直接塗布することにより触媒層を形成する手法が試みられている。副資材を必要としないことからプロセスコストが抑えられる点、電解質膜と触媒層の密着性が高いことから性能が向上する点から、理想的な手法として注目されている。
しかしながら、電解質膜は触媒インクの溶媒に触れるとすぐに膨潤してしまうという課題がある。電解質膜上に塗布された触媒インク中の溶媒が電解質膜内へ拡散し、電解質膜は膨潤状態になる。塗布工程の後の乾燥工程において、触媒インク中の溶媒が蒸発し、触媒層が形成されるが、この時、電解質膜内に拡散した溶媒が蒸発することにより、触媒層が乾燥し収縮する。その結果電解質膜に皺が発生し、それに伴い、電解質膜上に形成された触媒層にも皺やクラックが発生し問題となっている。
この課題を解決する方法として、加熱吸着プレート上に電解質膜を設置し、背面加熱を行うことにより、触媒インクを塗布すると同時に溶媒を乾燥し除去する方法が提案されている(特許文献1、2参照)。
例えば、特許文献1には、揮発性向上の目的で触媒インク中の溶媒としてエタノールを用い、触媒インクが塗布される電解質膜を60℃に加熱された吸着板の上に設置して燃料電池用膜電極接合体を製造する技術が記載されている。
また、特許文献2には、触媒インク中の溶媒としてはエタノールと水の混合系を用い、触媒インク中で最も高い揮発性を有する溶媒成分の飽和蒸気圧が80KPa以上となる温度に塗布工程の雰囲気温度を規定して燃料電池用膜電極接合体を製造する技術が記載されている。
特開2003−100314号公報 特開2006−344517号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、溶媒の蒸発は促進されても、蒸発が終わる前に電解質膜に溶媒が拡散してしまうために、電解質膜の膨潤を十分に抑制することはできない。
また、特許文献2に記載された技術では、塗布工程での雰囲気が制限されてしまい、様々な塗布環境に対応できないという問題がある。
本発明は、上記問題を考慮してなされたものであり、固体高分子形燃料電池の膜電極接合体を製造する際に、膜電極接合体の電解質膜が膨潤して皺やクラックが膜電極接合体の触媒層に発生することを抑制することのできる固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、高分子材料と複数種の溶媒とを少なくとも含む触媒インクを電解質膜の上に塗布する工程と、前記電解質膜の上に塗布された触媒インクを加熱乾燥する工程とを交互に複数回繰り返して燃料電池用膜電極接合体を製造する方法であって、前記触媒インクを前記電解質膜の上に1回目に塗布するに際して、前記電解質膜に対する前記溶媒の塗工面方向の膨潤率が30%以下であり且つ前記溶媒の1種類が水である触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする。
請求項2の発明は、高分子材料と複数種の溶媒とを少なくとも含む触媒インクを電解質膜の上に塗布する工程と、前記電解質膜の上に塗布された触媒インクを加熱乾燥する工程とを交互に複数回繰り返して燃料電池用膜電極接合体を製造する方法であって、前記触媒インクを前記電解質膜の上に1回目に塗布するに際して、前記電解質膜に対する前記溶媒の塗工面方向の膨潤率が30%以下の触媒インクを前記電解質膜の上に塗布し、前記触媒インクを前記電解質膜の上に2回目以降に塗布するに際して、前記溶媒の1種類が水である触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする。
請求項の発明は、前記触媒インクを前記電解質膜の上に1回目に塗布するに際して、前記溶媒の1種類が水である触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする。
請求項の発明は、前記触媒インクを前記電解質膜の上に1回目に塗布するに際して、前記溶媒の1種類がアルコール溶媒である触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする。
請求項の発明は、前記アルコール溶媒が2価のアルコールであることを特徴とする。
請求項の発明は、前記触媒インクを前記電解質膜の上に1回目に塗布するに際して、前記アルコール溶媒に対する前記水の比率が1.0〜2.0の触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする。
請求項7の発明は、1回目の塗布時に使用する触媒インクの溶媒は、混合比が1対1の、水とエチレングリコールとの混合溶媒であることを特徴とする。
請求項の発明は、前記触媒インクを前記電解質膜の上に1回目に塗布するに際して、前記溶媒に対する固形分比率が10〜15%の触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする。
請求項の発明は、前記触媒インクを前記電解質膜の上に2回目以降に塗布するに際して、前記複数種の溶媒が前記触媒インクの加熱乾燥温度以下の温度で蒸発する触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする。
請求項10の発明は、前記触媒インクを前記電解質膜の上に2回目以降に塗布するに際して、前記溶媒に対する固形分比率が8〜10%の触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする。
本発明によれば、触媒インクを電解質膜の上に塗布する工程と、電解質膜の上に塗布された触媒インクを加熱乾燥する工程とを交互に複数回繰り返すことで、電解質膜の上に塗布される触媒インクの1回当たりの塗布量を少なくすることができ、これにより、電解質膜に触れる溶媒量も少なくなるので、電解質膜の膨潤が抑制される。
また、触媒インクを電解質膜の上に1回目に塗布するに際して、電解質膜に対する溶媒の塗工面方向の膨潤率が30%以下の触媒インクを電解質膜の上に塗布することで、触媒インクに含まれる溶媒の電解質膜への拡散が抑制され、これにより、膜電極接合体の電解質膜が膨潤して皺やクラックが膜電極接合体の触媒層に発生することを抑制することができる。
また、電解質膜の上に触媒インクを直接塗布することによって、電解質膜及びその表面に形成される触媒層間が密着性に優れたものとなる。従って、密着性が悪いことによる電池性能の低下が防止される。
加えて、2回目以降に塗布される触媒インクは、1回目に塗布、乾燥された触媒層上
に形成されるために、電解質膜に直接触れることはない。2回目以降に塗布する触媒インク中の溶媒による電解質膜の膨潤が抑制される。
また、触媒インクを電解質膜の上に2回目以降に塗布するに際して、複数種の溶媒が触媒インクの加熱乾燥温度以下の温度で蒸発する触媒インクを電解質膜の上に塗布することで、乾燥工程での溶媒除去が円滑に進み、触媒層が多孔質なものとなり、ガス拡散性が向上する。従って、ガス拡散性が悪いことによる電池性能の低下が防止される。
固体高分子形燃料電池に用いられる膜電極接合体の一例を示す断面図である。 図1に示す電解質膜の上に触媒層を形成する場合の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、固体高分子形燃料電池に用いられる膜電極接合体の一例を示す断面図である。図1に示される膜電極接合体8は電解質膜1を有し、この電解質膜1の両面(図中の上面と下面)には、触媒層21,22が形成されている。
また、膜電極接合体8は触媒層31を有し、この触媒層31は触媒層21の上に形成されている。さらに、膜電極接合体8はガスケット層41,42を有し、これらのガスケット層41,42は触媒層21,22,31の周囲を取り囲むように電解質膜1の両面に形成されている。
図2は図1に示す電解質膜の上に触媒層を形成する場合の一例を示す図であり、電解質膜1の上に触媒層21,31を形成する場合は、まず、マスク5がガスケット層4と一体化された枠状のマスク付ガスケット層6を電解質膜1の上に形成する。
次に、マスク付ガスケット層6の中央部に形成された開口部7から1回目の触媒インク2を電解質膜1の上に塗布した後、電解質膜1の上に塗布された触媒インク2を加熱して乾燥させることで、触媒層21が電解質膜1の上に形成される。その後、マスク付ガスケット層6の開口部7から2回目の触媒インク3を電解質膜1の上に塗布した後、電解質膜1の上に塗布された触媒インク3を加熱して乾燥させることで、触媒層31が触媒層21の上に形成される。
なお、電解質膜1の上に触媒層22を形成する場合も上記と同様の方法を用いることにより、電解質膜1の上に触媒層22が形成される。
電解質膜1の上に触媒インク2,3を塗布する場合は、例えばスプレー法、グラビア印刷法、刷毛塗り、ダイコート法等を用いて触媒インク2,3を電解質膜1の上に塗布することが可能であるが、これらの方法に限定されるものではない。
また、電解質膜1の上に塗布された触媒インク2,3を加熱乾燥させる場合、本実施形態では、電解質膜1の片面側から電解質膜1を触媒インク2,3の塗布と同時に加熱する初期乾燥が実施される。また、初期乾燥の後の本乾燥は、初期乾燥と同様、加熱乾燥によって実施されるが、加熱の方向は電解質膜1の片面側に限定されるものではない。
触媒インク2,3が塗布される電解質膜1としては、固体高分子形燃料電池に用いられるものを使用でき、例えばフッ素系電解質膜や炭化水素電解質膜を挙げることができる。
電解質膜1の上に触媒インク2,3を塗布する場合、電解質膜1の上に1回目に塗布される触媒インク2としては、高分子材料と複数種の溶媒とを少なくとも含み、電解質膜1に対する各溶媒の塗布面方向の膨潤率、すなわち塗布面方向と塗布面と垂直方向の膨潤率の平均が30%以下の触媒インクを用いることが好ましい。
ここで、塗布面方向の膨潤率とは、塗布方向Xの膨潤率と塗布方向と垂直方向Yの膨潤率の平均値を指す。膨潤率は、電解質膜1を溶媒中に5分間浸漬させ、浸漬前後の電解質膜1の寸法を測長し、寸法伸び率を算出することにより測定される。
塗布面方向の膨潤率が低い程、電解質膜内への溶媒の拡散が抑制されるため、塗布面方向の膨潤率が小さい溶媒が望ましい。
また、電解質膜1の上に1回目に塗布される触媒インク2としては、触媒インクに含まれる複数種の溶媒のうち1種類は水であり、もう1種類は2価のアルコールである触媒インクを用いることが好ましい。
2価のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、2−メチル1,3−ペンタジオール等が挙げられる。
さらに、1回目の塗布時に使用される触媒インク2の固形分比率は、10〜15質量%であることが好ましい。固形分比率が高いほど触媒インクに含まれる溶媒成分が少なくなり、電解質膜への溶媒の拡散は抑制されるため、高固形分比率の触媒インクを用いることが望ましい。しかし、触媒インクの固形分比率が高い場合、電解質膜1への触媒インク2の塗布が困難になるので、溶媒に対する固形分比率は10〜15質量%であることが好ましい。
2回目以降の塗布時に使用される触媒インク3としては、高分子材料と複数種の溶媒とを少なくとも含み、各溶媒が触媒インクの加熱乾燥温度以下の温度で蒸発する触媒インクを用いることが好ましい。触媒インクの加熱乾燥温度は、触媒インクに含まれる高分子材料の軟化点や電解質膜の上に形成される触媒層の乾燥ムラを考慮し、150℃以下であることが望ましく、各溶媒の沸点は100℃以下であることが望ましい。
2回目以降の塗布時には、触媒インク3は1層目の触媒層21の上に形成され、電解質膜1に直接触れることはない。従って、2回目以降の塗布時に使用する触媒インク3に含まれる各溶媒の電解質膜1に対する膨潤率は、特に規定されるものではない。触媒インク3に含まれる各溶媒の電解質膜1に対する膨潤率が70%以下の場合、好適に使用できる。
また、2回目以降の塗布時に使用する触媒インク3に含まれる溶媒のうち少なくとも1種類は水であることが望ましい。さらに、2回目以降の塗布時に使用する触媒インク3の固形分比率は8〜10質量%であることが望ましい。固形分比率が極端に高い場合は、触媒インク中の触媒と高分子材料の分散が阻害され、固形分比率が極端に低い場合は、触媒インク中の溶媒が1回目の塗布で形成された触媒層の細孔を通過して電解質膜に達し、電解質膜の膨潤に繋がる。触媒インク3の固形分比率は、触媒インク中の触媒及び高分子材料の分散が良好である8〜10質量%が好ましい。
触媒インク2,3に含まれる触媒としては、例えば、白金または白金と他の金属(例えばRu、Rh、Mo、Cr、Co、Fe等)との合金の微粒子(平均粒径は10nm以下が望ましい)が表面に担持されたカーボンブラックなどの導電性炭素微粒子(平均粒径:20〜100nm程度)が使用できる。また、触媒インク2,3に含まれる高分子材料としては、パーフルオロスルホン酸樹脂溶液などの高分子溶液が使用できる。
電解質膜1の上に触媒インク2,3を塗布するときに用いるガスケット層4の材料としては、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリイミド(PI)等が挙げられる。また、十分に薄く、十分に強く、燃料電池環境に十分に適合する他の硬質な高分子材料などのポリマーを含んでいても良い。
以下に、本発明の実施例と比較例について説明する。尚、後述する実施例は本発明の1実施例であり、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
白金担持量が50質量%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)を、混合比1:1の水(膨潤率:5.0%、沸点:100.0℃)、エチレングリコール(膨潤率:14.5%、沸点:197.9℃)混合溶媒で混合した。尚、この時の固形分比率は14質量%に設定した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、1回目の塗布時に使用する触媒インクを調整した。
白金担持量が50質量%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)を、混合比1:1:1の水、1−プロパノール(膨潤率:62.5%、沸点:97.2℃)、2−プロパノール(膨潤率:42.5%、沸点:82.4℃)混合溶媒で混合した。尚、この時の固形分比率は8質量%に設定した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、2回目以降の塗布時に使用する触媒インクを調整した。
ガスケット層に弱粘着層付きのポリエチレンテレフタラートフィルムを貼合した2層構造のフィルムの中央部を打ち抜き、枠状の2層構造のマスクを作製した。マスクの開口部サイズは50mm四方である。続いて、作製した枠状のマスクを電解質膜に貼合した。電解質膜としては、Nafion212(デュポン社製)を用いた。
吸着プレート上に枠状のマスクを貼合した電解質膜を固定した。尚、この時の吸着プレートの温度は、触媒インク中の溶媒が電解質膜内に拡散するのを抑制し、溶媒が除去し易くすることを目的として、60℃に設定した。
調整した1回目に塗布する触媒インクをブレード法により、電解質膜上に塗布を行った。尚、この時の白金担持量が0.1mg/cm2となるよう、ブレードのギャップを調整し、1回目の塗布工程を実施した。続いて、吸着プレート上の温度を120℃に昇温させ、1回目の乾燥工程を実施した。
調整した2回目以降に塗布する触媒インクをブレード法により、1回目に形成した触媒層上に塗布を行った。尚、この時の白金担持量が0.1mg/cm2となるよう、ブレードのギャップを調整し、2回目の塗布工程を実施した。続いて、吸着プレート上の温度を120℃に昇温させ、2回目の乾燥工程を実施した。
2回目以降に塗布する触媒インクを用いて、塗布と乾燥を繰り返し、触媒層の白金担持量が合計で0.4mg/cm2となる3回目、4回目の塗布工程、乾燥工程を実施した。
最後に、弱粘着層付きのポリエチレンテレフタラートフィルムをガスケット層から剥離し、電解質膜の片面にカソード触媒層が形成され、触媒層周縁部にガスケット層が配置された膜電極接合体とした。
作製された触媒層が片面に形成された膜電極接合体を上下反転させ、カソード触媒層形成面と反対側の面にアノード触媒層を同様にして形成し、電解質膜の両面に触媒層が形成され、触媒層の周縁にガスケットが配置された膜電極接合体とした。尚、白金担持量がアノード触媒層相当0.1mg/cm2となるよう、塗布工程、乾燥工程は1回のみとした。
作製した膜電極接合体の電解質膜と触媒層の観察を行った所、皺やクラックの発生は見られなかった。
〔比較例1〕
白金担持量が50質量%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)を、混合比1:1:1の水、1−プロパノール(膨潤率:62.5%、沸点:97.2℃)、2−プロパノール(膨潤率:42.5%、沸点:82.4℃)混合溶媒で混合した。尚、この時の固形分比率は8質量%に設定した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、触媒インクを調整した。
調整した触媒インクを用いて実施例1と同様の手法でカソード触媒層を4回、アノード触媒層を1回塗布、乾燥を実施し、膜電極接合体を作製した。
1回目の塗布工程・乾燥工程後のカソード触媒層の観察を行った所、電解質膜中に皺やクラックが多数発生している様子が観察された。また、塗布工程と乾燥工程の回数が増すごとに皺やクラックの大きさや数が増加している様子が観察された。
〔比較例2〕
白金担持量が50質量%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)を、混合比1:1の水(膨潤率:5.0%、沸点:100.0℃)、エチレングリコール(膨潤率:14.5%、沸点:197.9℃)混合溶媒で混合した。尚、この時の固形分比率は14質量%に設定した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、1回目に塗布する触媒インクを調整した。
調整した触媒インクを用いて塗布工程を実施例1と同様のブレード法で実施した。塗布工程は、1回の塗布で白金担持量が0.4mg/cm2となるようカソード触媒層を形成し、1回の塗布で白金担持量が0.1mg/cm2となるようアノード触媒層を形成し、膜電極接合体を作製した。
作製した膜電極接合体の電解質膜と触媒層の観察を行った所、カソード触媒層において、皺やクラックが多数発生している様子が観察された。
本発明は固体高分子形燃料電池、特に燃料電池自動車や家庭用燃料電池などにおける固体高分子形燃料電池単セルやスタックに好適に活用することができる。
1…電解質膜
2…1回目の塗布時に使用する触媒インク
3…2回目以降の塗布時に使用する触媒インク
4…ガスケット層
5…マスク
6…マスク付きガスケット層
7…開口部
8…膜電極接合体
21…1回目の塗布後のカソード触媒層
22…1回目の塗布後のアノード触媒層
31…2回目以降の塗布後のカソード触媒層
41…カソードガスケット層
42…アノードガスケット層

Claims (10)

  1. 高分子材料と複数種の溶媒とを少なくとも含む触媒インクを電解質膜の上に塗布する工程と、前記電解質膜の上に塗布された触媒インクを加熱乾燥する工程とを交互に複数回繰り返して燃料電池用膜電極接合体を製造する方法であって、前記触媒インクを前記電解質膜の上に1回目に塗布するに際して、前記電解質膜に対する前記溶媒の塗工面方向の膨潤率が30%以下であり且つ前記溶媒の1種類が水である触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  2. 高分子材料と複数種の溶媒とを少なくとも含む触媒インクを電解質膜の上に塗布する工程と、前記電解質膜の上に塗布された触媒インクを加熱乾燥する工程とを交互に複数回繰り返して燃料電池用膜電極接合体を製造する方法であって、前記触媒インクを前記電解質膜の上に1回目に塗布するに際して、前記電解質膜に対する前記溶媒の塗工面方向の膨潤率が30%以下の触媒インクを前記電解質膜の上に塗布し、
    前記触媒インクを前記電解質膜の上に2回目以降に塗布するに際して、前記溶媒の1種類が水である触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  3. 前記触媒インクを前記電解質膜の上に1回目に塗布するに際して、前記溶媒の1種類が水である触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする請求項に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  4. 前記触媒インクを前記電解質膜の上に1回目に塗布するに際して、前記溶媒の1種類がアルコール溶媒である触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  5. 前記アルコール溶媒が2価のアルコールであることを特徴とする請求項に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  6. 前記触媒インクを前記電解質膜の上に1回目に塗布するに際して、前記アルコール溶媒に対する前記水の比率が1.0〜2.0の触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする請求項又はに記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  7. 1回目の塗布時に使用する触媒インクの溶媒は、混合比が1対1の、水とエチレングリコールとの混合溶媒であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  8. 前記触媒インクを前記電解質膜の上に1回目に塗布するに際して、前記溶媒に対する固形分比率が10〜15%の触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  9. 前記触媒インクを前記電解質膜の上に2回目以降に塗布するに際して、前記複数種の溶媒が前記触媒インクの加熱乾燥温度以下の温度で蒸発する触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  10. 前記触媒インクを前記電解質膜の上に2回目以降に塗布するに際して、前記溶媒に対する固形分比率が8〜10%の触媒インクを前記電解質膜の上に塗布することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
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