JP2007053064A - 膜電極接合体とその製造方法および製造装置 - Google Patents

膜電極接合体とその製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 膜と触媒層の界面が乱れたり、一部膜が薄くなったり、触媒層に亀裂が生じることなく、膜電極接合体を製造することのできる方法を提供する。
【解決手段】 電解質膜11の表面に触媒層43を積層した膜電極接合体の製造方法であって、溶剤を含んだ第1溶媒を含浸した電解質膜11を、ヒータ23付きプレート25に、電解質膜11の周囲を抑えて取り付け、ヒータ23により第1溶媒を揮発させた電解質膜11に、水を必須成分とし第1溶媒より低い濃度の溶剤を含んだ第2溶媒に触媒物質と電解質樹脂を含んだ触媒スラリー41を塗布した後、第2溶媒を揮発させて触媒層43を形成することを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は、燃料電池用膜電極接合体の製造方法およびその製造装置、並びにこれらにより製造されてなる燃料電池用膜電極接合体に関する。
燃料電池用膜電極接合体の製造方法としては、加熱したステージ上に電解質膜を設置し、下部を吸引して膜をステージに固定し、これに触媒物質と電解質樹脂と水を主成分とする溶媒とを含むインクを塗布し、膜上に触媒層を積層する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−319139号公報
従来の特許文献1に記載の膜電極接合体の製造方法により、電解質膜上に触媒層を構築するには、テフロンシート等に触媒層インクを塗布乾燥後、これを触媒層が電解質膜に接するように積層してホットプレスし、テフロンシートをはがす方法等が用いられていたが、この方法では電解質膜に圧力が加わる為、触媒層が電解質膜に一部めり込むなど、膜と触媒層の界面が乱れたり、一部膜が薄くなるなどの問題点があった。
従来技術に記した方法では、膜を吸引する為、膜の表面に吸引孔の痕などが付き、膜表面に微妙な凹凸ができるなどの問題があった。また、片面にインクを塗布し、乾燥した後、もう片面に触媒インクを塗布するため、吸引ステージに対して既に塗布された触媒層面を当てて固定する必要があり、吸引により触媒層に亀裂が生じるなどの問題があった。
そこで、本発明が目的とするところは、上記問題点を解決してなるものであり、膜と触媒層の界面が乱れたり、一部膜が薄くなったり、触媒層に亀裂が生じることなく、膜電極接合体を製造することのできる方法を提供するものである。
すなわち、本発明は、電解質膜の表面に触媒層を積層した膜電極接合体の製造方法であって、
溶剤を含んだ溶媒を含浸した電解質膜を、ヒータ付きプレートに、電解質膜の周囲を抑えて取り付け、
ヒータにより溶媒を揮発させた電解質膜に、水を含有成分とし、先に電解質膜に含浸させた溶媒より低い濃度の溶剤を含んだ溶媒に、触媒物質と電解質樹脂を含んだスラリーを塗布した後、溶媒を揮発させて触媒層を形成することを特徴とする膜電極接合体の製造方法により上記目的が達成される。
本発明によれば、電解質膜を、溶剤を含んだ溶媒を含浸して膨潤させ、この膨潤した電解質膜を、ヒータ付きプレートに、電解質膜の周囲を抑えて取り付け、ヒータにより溶媒を揮発させるので、面方向の乾燥時収縮がおこらず、面方向の収縮応力のみが残る。この状態で、電解質膜に、水を含有成分とし、先に電解質膜に含浸させた溶媒より低い濃度の溶剤を含んだ溶媒に、触媒物質と電解質樹脂を含んだスラリーを塗布するので、膨潤による膜の面方向の伸びはほとんど起こらず、収縮応力が緩和されるのみである。この結果、膨潤による膜表面のうねり等が起こらずに、触媒層インクを塗布できる。また、ヒータにより膜が加温されている為、塗布されたインクの溶媒は比較的速やかに乾燥するため、この点でも膜の膨潤による膜表面のうねり等が起こすことなく、触媒インクを塗布することができる。
本発明は、電解質膜の表面に触媒層を積層した膜電極接合体の製造方法であって、
溶剤を含んだ溶媒(以下、単に第1溶媒ともいう)を含浸した電解質膜を、ヒータ付きプレートに、電解質膜の周囲を抑えて取り付け、
ヒータにより溶媒を揮発させた電解質膜に、水を含有成分とし、先に電解質膜に含浸させた溶媒より低い濃度の溶剤を含んだ溶媒(以下、単に第2溶媒ともいう)に、触媒物質と電解質樹脂を含んだスラリー(以下、単に触媒層形成用スラリーともいう)を塗布した後、溶媒を揮発させて触媒層を形成することを特徴とするものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて、製造工程に即して順次説明する。
図1は、本発明を実施するための最良の一実施形態として、溶剤を含んだ溶媒(第1溶媒)を含浸した電解質膜の状態を模式的に表した平面概略図である。図2は、図1に示した溶媒を含浸した電解質膜を、膜電極接合体製造装置のヒータ付きプレートに、電解質膜の周囲を抑えて取り付けた状態を模式的に表した断面概略図である。図3は、図2に示した膜電極接合体製造装置のヒータにより溶媒を揮発させた電解質膜に、水を主成分とし、先に電解質膜に含浸させた溶媒より低い濃度の溶剤を含んだ溶媒に、触媒物質と電解質樹脂を含んだスラリーを塗布する様子、および該スラリーを塗布した後、ヒータにより溶媒を揮発させて触媒層を形成した状態を模式的に表した断面概略図である。図4は、図3に示した膜電極接合体製造装置によるスラリーを塗布操作により、電解質膜の片面に触媒層を形成後、該電解質膜を裏返して、図2〜3に示す工程(処理操作)を繰り返して、電解質膜の両面に触媒層を形成してなる状態を模式的に表した断面概略図である。
[(1)電解質膜への溶媒含浸工程]
本発明に係る膜電極接合体の製造方法では、電解質膜への溶媒含浸工程として、図1に示すように、電解質膜11を膜電極接合体製造装置(図示せず)に取り付ける前に、予め溶剤を含んだ溶媒(第1溶媒)に含浸するものである。図1に示すように、溶媒を含浸することにより電解質膜11は、乾燥(ドライ)状態11aのサイズから湿潤(ウェット)状態11bのサイズにまで膨潤する。なお、図示していないが厚さ方向にも膨潤する。なお、誤解がないように説明すれば、図1では、乾燥(dry)状態の電解質膜11aが一定方向(矢印の方向)にのみ膨潤するかのうように図示しているが、実際には、上下方向および左右方向、および厚さ方向の全ての方向に膨潤する。
ここで、前記第1溶媒に用いることのできる溶剤としては、電解質膜を溶解させることなく膨潤させることができ、蒸気圧が高く電解質膜に熱的な影響を及ぼさない温度で揮発し得るものであれば特に制限されるものではない。
好ましくは、始めに電解質膜に含浸させる溶媒(第1溶媒)中の溶剤の沸点が、電解質膜、または触媒スラリー中の電解質樹脂の、どちらか低い方の分解温度以下、好ましくはガラス転移温度以下であるものが望ましい。これにより、第1溶媒中の溶剤の沸点が、電解質膜、または触媒スラリー中の電解質樹脂の、どちらか低い方の分解温度以下である為、ヒータ付きプレートの設定温度を、当該分解温度以下にできる。そのため、電解質膜および電解質樹脂ともに熱分解することなく、膜電極接合体を得ることができる点で優れている。さらに揮発の際のヒータ付きプレートの設定温度としては、第1溶媒が水を含む場合には、水の沸点、好ましくは90℃以下で行うのが望ましい。第2溶媒についても同様であり、水の沸点、好ましくは90℃以下で行うのが望ましい。90℃以下とすることで、触媒層に気泡が生じるような問題も無く、また急激な収縮を引き起こすことも無い為である。また、電解質膜の角部に応力集中がおこることから、枠体の角部は直角形状とするのではなく、応力を緩和させるように、円弧状に形成して丸みを付けても良い。
上記電解質膜、および触媒スラリー中の電解質樹脂の分解温度およびガラス転移温度は、例えば、熱重量測定装置(TG)で測定することができる。また、論文や学術文献・書籍などで分解温度、ガラス転移温度が既に公知のものは、こうした値を用いてもよい。
上記観点から、溶媒(第1溶媒)中の溶剤としては、エタノール(沸点78℃)、イソプロパノール(沸点82℃)などのアルコール系の溶剤が望ましい。ただし、これらに制限されるものではない。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。また、エチレングリコールなどの蒸気圧が低いものだと、高温でないと揮発しないため望ましくないが、上記アルコール系の溶剤などと併用することで、共沸等により比較的低温で揮発させることができる場合には、利用可能である。
なお、溶剤の沸点については、論文や学術文献・書籍などで沸点が既に公知のものは、こうした値を用いてもよい。
なお、第1溶媒および第2溶媒に用いる溶剤には、水は含めないものとする。
また、第1溶媒では、上記溶剤のほか、水を併用するのが望ましい。これは、上記アルコール系溶剤の種類によっては、ヒータ加熱しなくても常温下で揮発するものもあるためである。また高濃度アルコールでは引火性などの点で取り扱いにくく、作業環境も厳しくなる。また周辺環境の点から回収コストを要するおそれもあるためである。さらに、こうした溶剤だけの溶媒を含浸し膨潤させた電解質膜では、膜電極接合体製造装置のヒータ付きプレートに電解質膜の周囲を抑えて取り付けている間に、溶媒が揮発して収縮するおそれがある。そこで、ヒータ付きプレートへの取り付け作業中に電解質膜が収縮せず、ヒータ加熱により揮発するように、水の添加量により溶媒の蒸気圧を適宜調整するのが望ましいといえる。
上記観点から、第1溶媒中の水と溶剤との混合比率(質量比)は、水:溶剤=20〜80:80〜20の範囲が望ましく、より好ましくは30〜70:70〜30の範囲である。これらは、電解質膜の吸水性能などに応じて適宜決定すればよい。例えば、実施例1のようにフッ素系の電解質膜は吸水性に優れているので、アルコール溶剤濃度30%程度で比較的容易に膨潤させることができる。一方、実施例2のような炭化水素系の電解質膜は、フッ素系の電解質膜に比して吸水にくいので、アルコール溶剤濃度を40%程度に高めることで、比較的容易に膨潤させるようにしている。ただし、これらはあくまで1例を示した過ぎず、本発明での第1溶媒中の水と溶剤との混合比率(質量比)がこれらの具体的な数値に何ら制限されるものでないことはいうまでもない。
また、電解質膜に第1溶媒を含浸させる方法としては、特に制限されるものではない。例えば、溶剤中に電解質膜を浸漬する方法、電解質膜に第1溶媒をスプレーにより噴霧(吹付け)して含浸させる方法、第1溶媒を含浸したローラに電解質膜を通して含浸させる方法、スクリーンプリンター、バーコーター、ダイコーター、リバースコーター、コンマコーター、グラビアコーター、スプレーコーター、ドクターナイフなどを用いて塗布する方法などが挙げられる。また、次工程で用いる膜電極接合体製造装置のヒータ付きプレート上に電解質膜を載置した状態で、第1溶媒をスプレー等により噴霧して感心させても良い。こうすることで、次工程での取付け作業に要する時間を短縮することができる。また、取付け作業中に第1溶媒の一部が揮発して収縮しだすのをより確実に防ぐことができる。ただし、本発明では、これらに何ら制限されるものではない。
また、本発明に用いることのできる電解質膜11は、高いプロトン伝導性を有していればよい。高いプロトン伝導性を有する膜としては、−SOH基などのイオン交換基を有するモノマーの重合体または共重合体;またはイオン交換基を有するモノマーと他のモノマーとの重合体などの公知の材料からなる膜を用いることができる。例えば、化学式1に示すパーフルオロカーボンスルホン酸膜、エチレン−四フッ化エチレン共重合体膜、またはトリフルオロスチレンをベースポリマーとするフッ素含有樹脂膜などを好ましく用いることができる。
Figure 2007053064
化学式1において、kおよびmは整数、pは0〜3の整数、qは0または1、nは1〜12の整数、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基であることが好ましい。
上述のパーフルオロカーボンスルホン酸のポリマーからなる膜の具体例として、デュポン株式会社製NAFIONTM、旭硝子株式会社製FLEMIONTM、旭化成ケミカルズ株式会社製ACIPLEXTM、およびザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製DOWEXTMなどが挙げられる。
電解質膜11の膜厚は、得られる燃料電池の特性を考慮して適宜決定することができるが、20〜100μmが好ましく、より好ましくは25〜50μmである。電解質膜の膜厚が20μm以上であると製膜時の強度や燃料電池作動時の耐久性の点から好ましく、100μm以下であると燃料電池作動時の出力特性の点から好ましい。
[(2)ヒータ付きプレートへの取り付け工程]
次に、本発明では、ヒータ付きプレートへの取り付け工程として、溶剤を含んだ溶媒(第1溶媒)を含浸した電解質膜を、ヒータ付きプレートに、電解質膜の周囲を抑えて取り付けるものである。
ここで、上記電解質膜を、ヒータ付きプレートに、電解質膜の周囲を抑えて取り付けるための上記膜電極接合体製造装置としては、例えば、図2に示すような膜電極接合体製造装置21を用いることができる。該膜電極接合体製造装置21は、ヒータ23を内在したステンレスプレート(ステージ)25と、その表面に十分にヒータの熱を伝えるほどに薄いテフロンシート27と、電解質膜の周囲を抑えるステンレス枠(ステンレス製の枠状治具29)からなる。このテンレス製の枠状治具29が枠状治具固定ボルト33等の締め付け具でステンレスヒータ23を内在したステンレスプレート25に取り付けられていることを特徴とするものである。また、ステンレス製の枠状治具29の電解質膜11と接する下面側にも薄いテフロンシート31が貼り付けられている。
さらに、該膜電極接合体製造装置21の枠状治具固定ボルト33等の締め付け具では、ヒータ加熱により溶媒が揮発し、電解質膜11の厚さ方向に収縮するのに追従して、常に一定の力で締め付けることができるように、コイルバネ35などが枠状治具固定ボルト33等で締め付け具に設けられている。これらの締め付け具は、ステンレス製の枠状治具29に適当な間隔を設けて複数設置されていればよい。これにより、電解質膜11の周囲全体を確実かつ均等な力が加わるように抑えることができ、電解質膜が乾燥する際の面方向の収縮を抑えることができるように配置されていればよい。特に電解質膜の角部(例えば、電解質膜が矩形形状の場合には、その四隅)では収縮方向が2方向の合成したものとなり、収縮力も大きくなる為、当該角部にしわなどが生じやすい。こうしたことを踏まえて当該角部を適切に抑えることができるように、該角部の形状に合わせた締め付け具を取り付けてもよい。
また、ヒータ23付きプレート25の(表面)温度を、例えば、電解質膜、または触媒スラリー中の電解質樹脂の、どちらか低い方の分解温度以下で溶媒を揮発させることができるように制御可能なように、熱電対37、ヒーターコントローラなどの温調器(図示せず)などの温度調整手段が設けられている。
また、該装置21では、図3に示すように、後工程で触媒スラリーを塗布するための可動式のスプレー装置39(図3参照)が、ヒータ23付きプレート25の上方に設けられている。ただし、本発明では、当該触媒スラリーを塗布するための装置としては、上記可動式のスプレー装置39に何ら制限されるものではなく、例えば、スクリーンプリンター、バーコーター、ダイコーター、リバースコーター、コンマコーター、グラビアコーター、スプレーコーター、ドクターナイフなどの塗布装置を用いることもできる。
上記装置のプレートの材質は、ヒータ温度に耐え得る剛性を持つ材料であればよく、上記したステンレス製のものが好適であるが、これに制限されるものではない。また、イオン鋼管まくとの反応性の無いものが望ましい。
同様の枠材の材料としても、枠変形とか、膜が食い込むことがなければ、特に制限されるものではないが、ステンレス製のものが好適である。
また、ヒータは、図2に示すようにプレート内部に内在させるのがよい。かかる観点から、棒状ヒータなどを複数プレート内に均一な間隔で配置するのがよい。特に、プレート表面から一定の距離を設けることで、ヒータからの熱がプレート表面全体にほぼ均一に伝わるように設定するのが望ましい。
また、ステンレスプレート表面にテフロンシートを設けたのは、電解質膜であるイオン交換膜内にプレートから鉄イオン等が溶け込むなどの問題を生じる為である。したがって、触媒スラリーなどに対して、不動態性、安定性、耐薬品性(耐食性)などがあるものであれば、他の材料を用いてもよい。
また、十分にヒータの熱を伝えるほどに薄いテフロンシートの厚さとしては、具体的には、0.2〜0.5mm程度であれば良いが、特にこの範囲に制限されるものではない。
ヒータ付きプレートへの取り付け工程では、図2に示す膜電極接合体製造装置21のスステンレスプレート25のテフロンシート27上に、溶剤を含んだ溶媒(第1溶媒)を含浸した電解質膜11を載置する。次に、該電解質膜11の周囲を、ステンレス製の枠状治具29で抑え、枠状治具固定ボルト33により締め付けて取り付けるものである。
電解質膜11の周囲を抑える枠材(ステンレス製の枠状治具29の他、テフロンシート31、枠状治具固定ボルト33、コイルバネ35等を含む)の、電解質膜11を抑える圧力は、乾燥による電解質膜11の収縮を抑えるに十分な圧力以上であることが望ましい。電解質膜の周囲を抑える枠材の電解質膜を抑える圧力が、乾燥による電解質膜の収縮を抑えるに十分な圧力以上であるので、電解質膜を乾燥させても、収縮による電解質膜の面方向の縮みが起こらない点で優れている。
[(3)ヒータによる第1溶媒の揮発工程]
上記膜電極接合体製造装置21のヒータ23付きプレート25に、電解質膜11の周囲を抑えて取り付けた後、該ヒータ23により第1溶媒を揮発させるものである。これにより、電解質膜を乾燥させても、収縮による電解質膜の面方向の縮みが起こらない。そのため、電解質膜にしわなどが生じることもない。即ち、本工程終了時点で、電解質膜11は、面方向については乾燥しても縮まないように抑えられているので、図1に示す膨潤状態11bのサイズのままで乾燥された状態になっている。すなわち、電解質膜では、面方向の乾燥時収縮がおこらず、面方向の収縮応力のみが残る。
本工程でのヒータ付きプレートの温度(乾燥温度)は、電解質膜の分解温度以下とするのが望ましい。具体的には、上記電解質膜の分解温度以下の要件を満足する範囲内で、室温〜使用溶媒の沸点+10℃程度で、10〜30分間、加熱乾燥を行うことが好ましいが、決してこれらの具体的な温度範囲に制限されるものではない。ヒータ加熱による乾燥時には、装置21を、減圧下において行ってもよい。上記したようにヒータ付きプレートの設定温度を分解温度以下にすることで、電解質膜を熱分解することなく、膜電極接合体を得ることができる。かかる温度制御は、プレート27の表面近傍に設けた熱電対37や温調器(図示せず)などの温度調整手段により行うことができる。ヒータ付きプレートの温度は、電解質膜11の温度を正確に把握する観点から、プレート27の表面近傍に熱電対37を設けて測定するのが望ましい。なお、ヒータ23の近傍に熱電対を設けてもよい、その場合には、電解質膜11の温度よりも高い傾向にあり、また熱伝達速度による経時的なズレも生じるため、予め熱電対による計測温度変化と、電解質膜近傍の温度変化を考慮して温度制御する必要がある。
[(4)電解質膜への触媒スラリー塗布工程]
本工程では、図3に示すように、ヒータ23により第1溶媒を揮発させた電解質膜11に、第2溶媒に触媒物質と電解質樹脂を含んだ触媒スラリー(単に触媒インクともいう)41を、例えば、スプレー39等を用いて塗布するものである。前工程により電解質膜に面方向の乾燥時収縮がおこらず、面方向の収縮応力のみが残った状態で、電解質膜に、第1溶媒より低い濃度の溶剤を含んだ第2溶媒に触媒物質と電解質樹脂を含んだ触媒スラリーを塗布するので、膨潤による膜の面方向の伸びはほとんど起こらず、収縮応力が緩和されるのみである。この結果、膨潤による膜表面のうねり等が起こらずに、触媒層インクを塗布できる。
また、本工程でも、ヒータ23による電解質膜11の温度を上げた状態で塗布するのが望ましい。ヒータ23により膜11が加温されている為、塗布された触媒インクの溶媒は比較的速やかに乾燥するため、この点でも膜の膨潤による膜表面のうねり等が起こすことなく、触媒インクを塗布することができる点で優れている為である。逆に、電解質膜11を加温せずに塗布すると、膜表面に水(溶媒)が溜まって、膜が水(溶媒)を吸ってしわになりやすい。そのため、電解質膜11の温度を上げた状態で塗布することで、こうした問題をも未然に回避することもできる。
ここで、上記第2溶媒としては、水を含有成分とし、先に電解質膜に含浸させた溶媒(第1溶媒)より低い濃度の溶剤を含んだ溶媒であればよい。
第2溶媒中の溶剤としては、電解質膜を溶解させることなく膨潤させることができ、蒸気圧が高く電解質膜に熱的な影響を及ぼさない温度で揮発し得るものであれば特に制限されるものではなく、第1溶媒に用いたものと同様の溶剤を用いることができる。即ち、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤を用いることができる。好ましくは第1溶媒の溶剤と同じ種類の溶剤を用い、その濃度のみを水分量で調整して用いるのが、薬品(部品)点数を削減できる点で好ましいといえる。また、第2溶剤には、溶剤の一部として、更に電解質樹脂を含む電解質液中に含まれる溶剤のエタノール等のアルコール成分等も含まれるものとする。したがって、第2溶媒中の溶剤濃度は、電解質樹脂を含む電解質液を併用するような場合には、当該電解質液中に含まれる溶剤も加えたものとする。同様に触媒物質を分散させた触媒物質分散液を用いる場合には、触媒物質分散液中に含まれる溶剤のエタノール等のアルコール成分等も含まれるものとする。
さらに、触媒スラリー中の溶剤の沸点が、電解質膜、または触媒スラリー中の電解質樹脂の、どちらか低い方の分解温度以下、好ましくはガラス転移温度以下であるのがより望ましいものである。触媒スラリー中の溶剤の沸点が、電解質膜または触媒スラリー中の電解質樹脂のどちらか低い方の分解温度以下、好ましくはガラス転移温度以下である場合には、ヒータ付きプレートの設定温度を分解温度以下にできるので、電解質膜および電解質樹脂ともに熱分解することなく、膜電極接合体を得ることができるためである。好ましくは、ヒータ付きプレートの設定温度を電解質膜または触媒スラリー中の電解質樹脂のどちらか低い方のガラス転移温度以下にすることで、予め電解質膜を膨潤させた後、乾燥させて適当な張力を付与して、電解質膜にうねりやしわ等のない状態を保持させようとするものであるが、ガラス転移温度以上に加熱した場合、膜がやわらかくなってしまい、電解質膜の張力が失われてしなう。その結果、電解質膜にうねりやしわが生じる虞れがあるなど望ましくない。かかる観点から、ヒータ付きプレートの設定温度を電解質膜のガラス転移温度以下にするのがよい。この際、電解質膜または触媒スラリー中の電解質樹脂に関しては、分解温度以下の要件を満足していれば良く、ガラス転移温度以下になっていなくても良い。これは形成される触媒層では熱分解による劣化を抑えることができればよく、触媒層中の電解質樹脂がガラス転移温度以上となってやわらかくなっても、もともと触媒層には張力がかけられていない為、何らの問題も生じない為である。
また、第2溶媒は、第1溶媒より低い濃度の溶剤を含んだ溶媒であればよい。これにより、膨潤による膜の面方向の伸びはほとんど起こらず、収縮応力が緩和されるのみである。この結果、膨潤による膜表面のうねり等が起こらずに、触媒層インクを塗布できるものである。一方、第1溶媒より高い濃度の溶剤を含んだ第2溶媒を用いた場合には、触媒スラリーを塗布した際に、第2溶媒による電解質膜の膨潤サイズが図1に示す第1溶媒による電解質膜のサイズ以上に大きくなるため、図1の膨潤サイズを保つように電解質膜の周囲を抑えていても、それ以上に広がろうとするため、電解質膜に膨潤による膜のうねりやしわができ、塗布形成された触媒層にもひび割れなどを起こす虞れがある。また第1溶媒と同じ濃度の第2溶媒を用いた場合には、触媒スラリーを塗布する過程で、一度に電解質膜全面に均一に塗布することは困難で一定の方向に塗布していくのが一般的である。そのため、第2溶媒による電解質膜の膨潤サイズが図1に示す第1溶媒による電解質膜のサイズと同じであり、理論上は全くストレスを受けない状態で触媒スラリーを塗布できる。しかしながら、実際には、電解質膜への第2溶媒の吸い方が部分的に違うものである。例えば、触媒スラリーを最初に塗布したところと、最後に塗布したところでは、時間的に電解質膜への第2溶媒の吸収度合いが異なるし、触媒スラリー塗布の途中では、既に第2溶媒を吸収している部分とそうでない部分が存在する。そのため電解質膜、ひいては触媒層に細かいしわやひび割れができるため好ましくない。
また、第2溶媒では、上記溶剤のほか、水を併用するものである。これにより、第1溶媒よりも第2溶媒中の溶剤の濃度を低くするものである。
第1溶媒と第2溶媒との濃度差としては、特に制限されるものではないが、第1溶媒よりも第2溶媒中の溶剤の濃度が10%以上、好ましくは20〜30%低くなるように調整するのが望ましい。かかる濃度差を設けることで、電解質膜への第2溶媒の吸い方が部分的に違いが生じても、膨潤による膜の面方向の伸びが起こらず、収縮応力が緩和されるのみとなり、膨潤による膜表面のうねりや細かなしわ等が起こらずに、触媒層インクを塗布できる。特にこうしたうねりや細かなしわが生じやすい角部においてもこうした問題が生じず、良好に状態を保持できる点で特に優れている。
ただし、水のみでは、揮発させるのに時間を要することから、上記濃度差を生じるようにした上で、第2溶媒中の水と溶剤との混合比率(質量比)を、水:溶剤=40〜60:60〜40の範囲にするのが望ましく、より好ましくは45〜55:55〜40の範囲である。
また、触媒スラリー(触媒インク)の触媒物質および電解質樹脂としては、特に制限されるものではない。
触媒スラリー(触媒インク)に含まれる触媒物質は、触媒粒子を担持した導電性担体からなる。
導電性担体に担持される触媒粒子としては、アルミニウム、ケイ素、リン、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ゲルマニウム、セレン、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、すず、アンチモン、テルル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、鉛およびビスマスよりなる群から選択される1種、もしくは、この群から選択される少なくとも2種の合金を用いることができる。発電特性、耐久性、一酸化炭素などに対する耐被毒性および耐熱性などの点から、白金、白金−鉄合金、白金−コバルト合金、白金−ニッケル合金、白金−モリブデン合金、または白金−ルテニウム合金が好ましい。
触媒粒子の平均粒子径は、1〜30nmが好ましい。平均粒子径が1nm以上であると比表面積に見合った触媒活性が得られる点から好ましく、30nm以下であると触媒活性の点から好ましい。本発明における触媒の平均粒子径は、X線回折における触媒粒子の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径、または透過型電子顕微鏡像より得られる触媒粒子の粒子径の平均値を求めることにより得ることができる。
導電性担体は、触媒を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有し、集電体として機能する導電性を有しているものであればよい。導電性担体の材質としては、例えば、ケッチェンブラックTMまたはアセチレンブラックなどのカーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛または人造黒鉛などのグラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ガラス状炭素粉体、およびカーボンナノチューブなどの主成分がカーボンであるものが好ましい。なお、「主成分がカーボンである」とは、主成分として炭素原子を含むことをいい、炭素原子のみからなる、実質的に炭素原子からなる、の双方を含む概念である。場合によっては、燃料電池の特性を向上させるために、炭素原子以外の元素が含まれていてもよい。なお、実質的に炭素原子からなるとは、2〜3質量%程度以下の不純物の混入が許容されることを意味する。
導電性担体の平均一次粒子径は、2nm〜1μmが好ましく、より好ましくは5〜200nm、特に好ましくは10〜100nmである。平均一次粒子径が2nm以上であると有効な導電性ネットワークを形成するという点から好ましく、1μm以下であると触媒層の厚みを適切な範囲で制御できる点から好ましい。
導電性担体への触媒粒子の担持は公知の方法で行うことができる。
例えば、触媒金属を第一の溶媒に溶解して触媒金属水溶液を調製する。次に、カーボン粒子などの導電性担体、触媒金属水溶液、および還元剤を第二の溶媒に加えた混合液を調製し、触媒金属を還元・析出させカーボン粒子などの導電性担体に担持させることができる。次に、濾過により固形分を分離した後、固形分を乾燥することにより触媒物質を得ることができる。
触媒金属水溶液として、触媒として白金を用いる場合、塩化白金酸溶液またはジニトロジアミン白金錯体溶液などを用いることができる。還元剤として例えば、炭素数1〜6の有機酸類、アルコール類、炭素数1〜3のアルデヒド類、水酸化ホウ素ナトリウムおよびヒドラジンなどを用いることができる。炭素数1〜6の有機酸類としては特に限定されないが、ギ酸、酢酸、シュウ酸またはクエン酸などが挙げられる。アルコール類としては特に限定されないが、メタノール、エタノール、エチレングリコール、2−プロパノールまたは1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。炭素数1〜3のアルデヒド類としては特に限定されないが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたはアクロレインなどを用いることができる。第二の溶媒として、水を用いることができる。
導電性担体に対する触媒粒子の含有率は特に限定されないが、5〜80質量%が好ましく、より好ましくは10〜75質量%、特に好ましくは15〜70質量%である。触媒粒子の含有量が5質量%以上であると高い触媒活性を維持できる点で好ましく、80質量%以下であると高い耐久性を維持できる点で好ましい。触媒粒子の担持量は誘導結合プラズマ発光分光法(ICP)により求めることができる。
また、上記触媒スラリー(触媒インク)に含まれるプロトン導電性を有する電解質樹脂(バインダないし高分子電解質ともいう)は、触媒物質(電極触媒ともいう)の少なくとも一部を被覆しているのが好ましい。これにより、プロトン伝導性などを向上させるだけでなく、電極構造を安定して維持することができ、電極性能を高めることができる。
上記電解質樹脂(バインダ)としては、特に限定されないが、上述の電解質膜の項で記載した高分子電解質を好ましく用いることができる。即ち、Nafion溶液などのパーフルオロスルホン酸ポリマー系のプロトン導電体、リン酸などの無機酸を炭化水素系高分子化合物にドープさせたもの、一部がプロトン導電体の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたプロトン導電体などからなるイオン交換樹脂が挙げられる。パーフルオロスルホン酸ポリマー系のプロトン導電体として、具体的には、炭素原子とフッ素原子のみからなる重合体だけではなく、水素原子が全てフッ素原子と置換されていれば酸素原子等を含有するものなどが挙げられ、CF=CFに基づく重合単位とCF=CF−(OCFCFX)−O−(CF−SOHに基づく重合単位(式中、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0又は1である。)とを含む共重合体などがある。
電解質樹脂(バインダ)と導電性担体との質量比は、順に、0.3:1〜1.3:1が好ましく、より好ましくは0.5:1〜1.1:1である。導電性担体質量に対して電解質樹脂(バインダ)成分である高分子電解質の質量比が0.3倍以上であると触媒層内の良好なイオン伝導性の点で好ましく、1.3倍以下であると触媒層内のガス拡散及び水の排出の点で好ましい。
上記触媒スラリー(触媒インク)には、さらに、撥水性高分子や、その他の各種添加剤が含まれていてもよい。撥水性高分子が含まれていることにより、得られる触媒層の撥水性を高めることができ、発電時に生成した水などを速やかに排出することができる。撥水性高分子の混合量は、本発明の作用効果に影響を与えない範囲で適宜決定することができる。上述の撥水性高分子として例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、または、PTFE、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレンもしくはこれらのモノマーの共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体など)などのフッ素系の高分子材料などを用いることができる。
[(5)第2溶媒の揮発工程(触媒層形成工程)]
本工程では、図3に示すように、装置21のヒータ23により、第2溶媒を揮発させて触媒層43を形成するものである。これにより、電解質膜11および触媒層43を乾燥させても、収縮による電解質膜11の面方向の縮みが起こらない。そのため、電解質膜11および触媒層43にしわやひび割れなどが生じることもない。即ち、本工程終了時点で、電解質膜11は、乾燥固化した触媒層43によって面方向については乾燥しても縮まないように固定化される。そのため、該触媒層43を形成した面を裏返して、反対側の面にも、上記と同様に、触媒スラリー(触媒インク)41をスプレー装置39を用いて塗布して触媒層(図4参照のこと)を形成する際にも、膨潤による電解質膜11の面方向の伸びはほとんど起こらず、収縮応力が緩和されるのみである。この結果、膨潤による膜表面のうねり等が起こらずに、反対側の面にも好適に触媒層インクを塗布できる。また、反対側の面に触媒インクを塗布する際にもヒータにより電解質膜が加温されている為、塗布されたインクの溶媒は比較的速やかに乾燥するため、この点でも膜の膨潤による膜表面のうねり等が起こすことなく、触媒インクを塗布することができる。
本工程でのヒータ付きプレートの温度(乾燥温度)は、電解質膜、または触媒スラリー中の電解質樹脂の、どちらか低い方の分解温度以下とするのが望ましい。具体的には、上記電解質膜または触媒スラリー中の電解質樹脂のどちらか低い方の分解温度以下の要件を満足する範囲内で、室温〜使用溶媒の沸点+10℃程度で、10〜300分間、加熱乾燥を行うことが好ましいが、決してこれらの具体的な温度範囲に制限されるものではない。ヒータ加熱による乾燥時には、装置21を、減圧下において行ってもよい。上記したようにヒータ付きプレートの設定温度を電解質膜、または触媒スラリー中の電解質樹脂の、どちらか低い方の分解温度以下で溶媒を揮発させるように調整することで、電解質膜および電解質樹脂ともに熱分解することなく、膜電極接合体を得ることができる。かかる温度制御は、プレート27の表面近傍に設けた熱電対37や温調器(図示せず)などの温度調整手段により行うことができる。ヒータ付きプレートの温度は、電解質膜11の温度を正確に把握する観点から、プレート27の表面近傍に熱電対37を設けて測定するのが望ましい。なお、ヒータ23の近傍に熱電対を設けてもよい、その場合には、電解質膜11の温度よりも高い傾向にあり、また熱伝達速度による経時的なズレも生じるため、予め熱電対による計測温度変化と、電解質膜近傍の温度変化を考慮して温度制御する必要がある。
[(6)触媒層を形成した面を裏返して、反対側の面にも触媒スラリーを塗布して触媒層を形成する工程]
本工程では、先の工程で触媒層43を形成した面を裏返して、反対側の面にも触媒スラリーを塗布した後、溶媒を揮発させて触媒層を形成するものである。かかる工程では、先に説明した(4)および(5)の工程と同様にして行うことができるため、ここでの説明は省略する。
以上説明した製造方法を行うことにより、図4に示すような、電解質膜11の両面に触媒層43を形成してなる膜電極接合体45を得ることができるものである。
本発明の膜電極接合方法では、触媒インクを塗布して各触媒層を形成した場合、例えば、ホットプレスにより触媒層と電解質膜とをより強固に接合してもよい。
ホットプレスは、110〜170℃、触媒層側の面に対して0.1〜10MPaのプレス圧力で行うことが好ましい。上述の範囲でホットプレスを行うことにより、電解質膜と触媒層との接合性を高めることができる。
上記触媒層43の厚さ(片面)は、特に限定されないが、0.1〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜20μmである。触媒層の厚さが0.1μm以上であると所望する発電量が得られる点で好ましく、100μm以下であると高出力を維持できる点で好ましい。
なお、本発明の膜電極接合法では、上記したように電解質膜の1方の面に触媒層が形成されてしまえば、電解質膜が収縮することはないので、その後、電解質膜を装置から取り外して裏返す際や、電池の発電に際し、電解質膜が収縮する問題はない。
また、本発明の膜電極接合体製造装置としては、上記製造方法に適した製造装置として、図2に示すような装置21を提案するものである。即ち、図2に示すような、ヒータ23を内在したステンレスプレート25と、その表面に十分にヒータ23の熱を伝えるほどに薄いテフロンシート27と、電解質膜11の周囲を抑えるステンレス枠29からなり、このステンレス枠29がボルト33等でステンレスヒータ23を内在したステンレスプレート25に取り付けられることを特徴とした膜電極接合体製造装置21を用いることで、電解質膜11の膨潤による膜のうねり等のない状態で、触媒インク41を塗布でき、ヒータ23により触媒インク41の第2溶媒は揮発し、容易に膜電極接合体45を得る事ができる。
また、本発明の膜電極接合体は、本発明の膜電極接合方法ないし膜電極接合体製造装置によって製造されてなることを特徴とするものである。本発明の膜電極接合体によれば、本発明の膜電極接合方法ないし膜電極接合体製造装置によって製造される燃料電池用膜電極接合体であるため、膜のうねり等がなく、圧力による膜へのストレスが無い為、長寿命である。
また、本発明の膜電極接合体は、図5に示す構成を有するものであり、これら電解質膜11および触媒層の構成につき、以下に説明するが、これらの多くは、既に本発明の膜電極接合方法にて説明したと同様である。
[電解質膜]
電解質膜11は、高いプロトン伝導性を有していればよい。高いプロトン伝導性を有する膜としては、−SOH基などのイオン交換基を有するモノマーの重合体または共重合体;またはイオン交換基を有するモノマーと他のモノマーとの重合体などの公知の材料からなる膜を用いることができる。例えば、化学式1に示すパーフルオロカーボンスルホン酸膜、エチレン−四フッ化エチレン共重合体膜、またはトリフルオロスチレンをベースポリマーとするフッ素含有樹脂膜などを好ましく用いることができる。
Figure 2007053064
化学式1において、kおよびmは整数、pは0〜3の整数、qは0または1、nは1〜12の整数、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基であることが好ましい。
上述のパーフルオロカーボンスルホン酸のポリマーからなる膜の具体例として、デュポン株式会社製NAFIONTM、旭硝子株式会社製FLEMIONTM、旭化成ケミカルズ株式会社製ACIPLEXTM、およびザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製DOWEXTMなどが挙げられる。
電解質膜11の膜厚は、得られる燃料電池の特性を考慮して適宜決定することができるが、20〜100μmが好ましく、より好ましくは25〜50μmである。電解質膜の膜厚が20μm以上であると製膜時の強度や燃料電池作動時の耐久性の点から好ましく、100μm以下であると燃料電池作動時の出力特性の点から好ましい。
[電解質膜の両面にそれぞれ接合される触媒層]
電解質膜の両面(空気極側および燃料極側)にそれぞれ接合される触媒層43は、いずれも導電性担体に触媒粒子が担持されてなる触媒物質(以下、電極触媒ともいう)とプロトン導電性を有する電解質樹脂(以下、バインダともいう)で構成されている。さらに、本発明では、必要があれば触媒層中にも酸化抑制剤を有していてもよい。これについては既述した通りであるので説明を省略する。
各触媒層に含まれる電極触媒は、触媒粒子を担持した導電性担体からなる。
導電性担体に担持される触媒粒子としては、アルミニウム、ケイ素、リン、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ゲルマニウム、セレン、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、すず、アンチモン、テルル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、鉛およびビスマスよりなる群から選択される1種、もしくは、この群から選択される少なくとも2種の合金を用いることができる。発電特性、耐久性、一酸化炭素などに対する耐被毒性および耐熱性などの点から、白金、白金−鉄合金、白金−コバルト合金、白金−ニッケル合金、白金−モリブデン合金、または白金−ルテニウム合金が好ましい。
触媒粒子の平均粒子径は、1〜30nmが好ましい。平均粒子径が1nm以上であると比表面積に見合った触媒活性が得られる点から好ましく、30nm以下であると触媒活性の点から好ましい。本発明における触媒の平均粒子径は、X線回折における触媒粒子の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径、または透過型電子顕微鏡像より得られる触媒粒子の粒子径の平均値を求めることにより得ることができる。
導電性担体は、触媒を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有し、集電体として機能する導電性を有しているものであればよい。導電性担体の材質としては、例えば、ケッチェンブラックTMまたはアセチレンブラックなどのカーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛または人造黒鉛などのグラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ガラス状炭素粉体、およびカーボンナノチューブなどの主成分がカーボンであるものが好ましい。なお、「主成分がカーボンである」とは、主成分として炭素原子を含むことをいい、炭素原子のみからなる、実質的に炭素原子からなる、の双方を含む概念である。場合によっては、燃料電池の特性を向上させるために、炭素原子以外の元素が含まれていてもよい。なお、実質的に炭素原子からなるとは、2〜3質量%程度以下の不純物の混入が許容されることを意味する。
導電性担体の平均一次粒子径は、2nm〜1μmが好ましく、より好ましくは5〜200nm、特に好ましくは10〜100nmである。平均一次粒子径が2nm以上であると有効な導電性ネットワークを形成するという点から好ましく、1μm以下であると触媒層の厚みを適切な範囲で制御できる点から好ましい。
導電性担体への触媒粒子の担持は公知の方法で行うことができる。
例えば、触媒金属を第一の溶媒に溶解して触媒金属水溶液を調製する。次に、カーボン粒子などの導電性担体、触媒金属水溶液、および還元剤を第二の溶媒に加えた混合液を調製し、触媒金属を還元・析出させカーボン粒子などの導電性担体に担持させることができる。次に、濾過により固形分を分離した後、固形分を乾燥することにより電極触媒を得ることができる。
触媒金属水溶液として、触媒として白金を用いる場合、塩化白金酸溶液またはジニトロジアミン白金錯体溶液などを用いることができる。還元剤として例えば、炭素数1〜6の有機酸類、アルコール類、炭素数1〜3のアルデヒド類、水酸化ホウ素ナトリウムおよびヒドラジンなどを用いることができる。炭素数1〜6の有機酸類としては特に限定されないが、ギ酸、酢酸、シュウ酸またはクエン酸などが挙げられる。アルコール類としては特に限定されないが、メタノール、エタノール、エチレングリコール、2−プロパノールまたは1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。炭素数1〜3のアルデヒド類としては特に限定されないが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたはアクロレインなどを用いることができる。第二の溶媒として、水を用いることができる。
導電性担体に対する触媒粒子の含有率は特に限定されないが、5〜80質量%が好ましく、より好ましくは10〜75質量%、特に好ましくは15〜70質量%である。触媒粒子の含有量が5質量%以上であると高い触媒活性を維持できる点で好ましく、80質量%以下であると高い耐久性を維持できる点で好ましい。触媒粒子の担持量は誘導結合プラズマ発光分光法(ICP)により求めることができる。
触媒層に含まれるプロトン導電性を有するバインダー(ないし高分子電解質)は、電極触媒の少なくとも一部を被覆しているのが好ましい。これにより、プロトン伝導性などを向上させるだけでなく、電極構造を安定して維持することができ、電極性能を高めることができる。
上記バインダとしては、特に限定されないが、上述の電解質膜の項で記載した高分子電解質を好ましく用いることができる。即ち、Nafion溶液などのパーフルオロスルホン酸ポリマー系のプロトン導電体、リン酸などの無機酸を炭化水素系高分子化合物にドープさせたもの、一部がプロトン導電体の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたプロトン導電体などからなるイオン交換樹脂が挙げられる。パーフルオロスルホン酸ポリマー系のプロトン導電体として、具体的には、炭素原子とフッ素原子のみからなる重合体だけではなく、水素原子が全てフッ素原子と置換されていれば酸素原子等を含有するものなどが挙げられ、CF=CFに基づく重合単位とCF=CF−(OCFCFX)−O−(CF−SOHに基づく重合単位(式中、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0又は1である。)とを含む共重合体などがある。
バインダと導電性担体との質量比は、順に、0.3:1〜1.3:1が好ましく、より好ましくは0.5:1〜1.1:1である。導電性担体質量に対してバインダ成分である高分子電解質の質量比が0.3倍以上であると触媒層内の良好なイオン伝導性の点で好ましく、1.3倍以下であると触媒層内のガス拡散及び水の排出の点で好ましい。
各触媒層には、さらに、撥水性高分子や、その他の各種添加剤が含まれていてもよい。撥水性高分子が含まれていることにより、得られる触媒層の撥水性を高めることができ、発電時に生成した水などを速やかに排出することができる。撥水性高分子の混合量は、本発明の作用効果に影響を与えない範囲で適宜決定することができる。上述の撥水性高分子として例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、または、PTFE、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレンもしくはこれらのモノマーの共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体など)などのフッ素系の高分子材料などを用いることができる。
本発明における触媒層の厚さ(片面)は、特に限定されないが、0.1〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜20μmである。触媒層の厚さが0.1μm以上であると所望する発電量が得られる点で好ましく、100μm以下であると高出力を維持できる点で好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されることはない。また、当該実施例において、「%」は特記しない限り質量百分率を表わすものとする。
(実施例1)
図1に示すように、電解質膜11としてガラス転移温度が約140℃、分解温度が約300℃のデュポン製イオン交換膜であるナフィオン112を、120mm角に切断し(図1の乾燥状態サイズ11a参照)、イオン交換水に溶剤であるエタノールを30wt%含んだ第1溶媒に10分間浸漬させた。この膜を第1溶媒を入れた溶媒槽より取り出し、濡れた状態で大きさを測ると、およそ140mm×130mmに膨潤していた(図1の膨潤状態サイズ11b参照)。この膜11を、図2に示すような、厚さが20mmで、大きさが200mm角の、内部に棒状ヒータ23を複数本内蔵したステンレス製プレート(ステージ)25に、厚さ0.5mmのテフロンシート27を介してのせ、周囲をステンレス製の枠状治具29で、やはり厚さ0.5mmの枠状シート31を介して固定した。固定はスプリング(コイルバネ)35を介した小ボルト33により行った。
ここで、ヒータ23の電源を入れてステージ25を昇温し、ステージ25のイオン交換膜11に近い部分に設けた熱電対37とヒーターコントローラ(図示せず)により、ステージ25上の温度が約80℃になるように調整した(図2参照)。これにより、ヒータ電源投入後約3分で、ナフィオン膜11は乾燥した。この状態でナフィオン膜11を観察したが、うねりやしわなどは生じていなかった。また、ナフィオン膜11が破れたりもしておらず、枠状治具29で確実に取り付けられていることが確認できた。
イオン交換水に溶剤であるエタノールを5%含んだ第2溶媒(ここには、溶剤の一部として、更に下記5%電解質液中に含まれる溶剤のエタノール成分も含まれるものとする。これにより溶剤であるエタノールを20%含んだものが第2溶媒となる。)に、白金担持量が約50wt%である白金担持カーボンと、5%電解質液(電解液中の電解質樹脂の分解温度:240℃)をそれぞれ3wt%、9wt%となるように混入したスラリー溶液を、ホモジナイザで分散し、触媒スラリとした。これを、図3に示すような、スプレー装置39を用いて、上記ステージ25上に固定されたナフィオン膜11に塗布した。ナフィオン膜11はヒータ23により約80℃に保たれている為、塗布した触媒スラリ41の溶媒は比較的速やかに乾燥し、ナフィオン膜11上に触媒層43が形成された(図3参照)。このとき、触媒スラリー塗布によるナフィオン膜11の再膨潤起因のしわなどの発生は無かった。スプレー装置39による塗布を複数回繰り返し、ナフィオン膜上の単位面積あたりの触媒量を所定量とした。
片面に触媒層43が形成されたナフィオン膜11をステージ25から取り去り、触媒層43側をステージ25と接するように再び枠治具29で固定し、膜表面温度を約80℃となるよう調整した。これに上記と同様の触媒スラリー41をスプレー装置39により複数回塗布を繰り返して、上記と同様に触媒層43を形成し、膜電極接合体45を得た(図4参照)。得られた膜電極接合体45の触媒層につき観察したが、従来技術で説明したような亀裂などは生じていないことが確認できた。また、本実施例では、ヒータ付きプレートの温度を80℃とすることで、フッ素系電解質膜および触媒スラリー中の電解質樹脂(電解質膜と同種のものを用いた)の分解温度約300℃以下、さらにはガラス転移温度約140℃以下で溶媒を揮発させることができた。また、第1溶媒中のエタノール溶剤および触媒スラリー中のエタノール溶剤の沸点78℃は、フッ素系電解質膜および触媒スラリー中の電解質樹脂の分解温度である約300℃以下、さらにはガラス転移温度約140℃以下であった。電解質膜の周囲を抑える枠材の、電解質膜を抑える圧力は、乾燥による電解質膜の収縮を抑えるに十分な圧力以上であり、膜電極接合体の製造過程で、枠材から電解質膜が乾燥時の収縮により外れたり、破れることはなく、適度な圧力で抑え付けが行われていることが確認できた。
(実施例2)
図1に示すように、電解質膜11としてガラス転移温度が約250℃、分解温度が約250℃の炭化水素系電解質膜を120mm角に切断し(図1の乾燥状態サイズ11a参照)、イオン交換水に溶剤であるエタノールを40wt%含んだ第1溶媒に10分間浸漬させた。この膜11を第1溶媒を入れた溶媒槽より取り出し、濡れた状態で大きさを測ると、およそ150mm×155mmに膨潤していた(図1の膨潤状態サイズ11b参照)。この膜11を、図2に示すような、厚さが20mmで、大きさが200mm角の、内部に棒状ヒータ23を複数本内蔵したステンレス製プレート(ステージ)25に、厚さ0.5mmのテフロンシート27を介してのせ、周囲をステンレス製の枠状治具29で、やはり厚さ0.5mmの枠状シート31を介して固定した。固定はスプリング(コイルバネ)35を介した小ボルト33により行った。
ここで、ヒータ23の電源を入れてステージ25を昇温し、ステージ25のイオン交換膜11に近い部分に設けた熱電対37とヒーターコントローラ(図示せず)により、ステージ25上の温度が約80℃になるように調整した(図2参照)。これにより、ヒータ電源投入後約3分で、炭化水素系電解質膜11は乾燥した。
イオン交換水に溶剤であるエタノールを5%含んだ第2溶媒(ここには、溶剤の一部として、更に下記5%電解質液中に含まれる溶剤のエタノール成分も含まれるものとする。これにより溶剤であるエタノールを20%含んだものが第2溶媒となる。)に、実施例1と同じ白金担持量が約50wt%である白金担持カーボンと、実施例1と同じ5%電解質液(電解液中の電解質樹脂の分解温度:240℃)をそれぞれ3wt%、9wt%となるように混入した触媒スラリー溶液を、ホモジナイザで分散し、触媒スラリとした。この触媒スラリーを、実施例1と同様の方法で、炭化水素系電解質膜に繰り返し塗布し、これを両面行って膜電極接合体を得た。炭化水素系電解質膜上の単位面積あたりの触媒量は実施例1と同じになるように調整した。得られた膜電極接合体45の触媒層につき観察したが、従来技術で説明したような亀裂などは生じていないことが確認できた。また、本実施例でも、ヒータ付きプレートの温度を80℃とすることで、炭化水素系電解質膜および触媒スラリー中の電解質樹脂(電解質膜と同種のものを用いた)の分解温度約250℃以下(=ガラス転移温度約250℃以下)で溶媒を揮発させることができた。また、第1溶媒中のエタノール溶剤および触媒スラリー中のエタノール溶剤の沸点78℃は、炭化水素系電解質膜および触媒スラリー中の電解質樹脂(電解質膜と同種のものを用いた)の分解温度約250℃以下(=ガラス転移温度約250℃以下)であった。電解質膜の周囲を抑える枠材の、電解質膜を抑える圧力は、乾燥による電解質膜の収縮を抑えるに十分な圧力以上であり、膜電極接合体の製造過程で、枠材から電解質膜が乾燥時の収縮により外れたり、破れることはなく、適度な圧力で抑え付けが行われていることが確認できた。
(実施例3)
実施例1で得た膜電極接合体の両面に、カーボンペーパの片面にカーボン粉末とテフロン微粒子からなる層を設けたガス拡散層を、カーボン粉末とテフロン微粒子からなる層が触媒層に接するように重ね、燃料電池用電極とし、その性能を評価した結果、良好な発電特性が得られた(図5参照)。燃料電池電極を構成する際、膜電極接合体の周囲の枠状治具に押さえられていた部分を切り取ってもかまわない。また、膜電極接合体の触媒層とイオン交換膜の密着をより高めるため、イオン交換膜あるいは触媒層中の電解質のどちらか低いほうの分解温度以下で、ホットプレスしてもかまわない。
(比較例1) 従来例(転写法)による膜電極接合体の製造
電解質膜11として、実施例1と同じ、ガラス転移温度が約140℃、分解温度が約300℃のデュポン製イオン交換膜であるナフィオン112を、120mm角に切断して用いた(図1の乾燥状態サイズ11a参照)。
また、触媒インクには、触媒(実施例1と同じ白金担持量が約50wt%である白金担持カーボン)1重量部、水3.6重量部、実施例1と同じ5%電解質液(電解質液中の電解質樹脂の分解温度:240℃)3.2質量部の組成のものを用いた。インクに占める溶媒(水)の割合は77重量%となる。
この触媒インクを、ドクターブレードを用いてテフロンシート上に延ばし、乾燥させたもの(転写シート)を、電解質膜11に重ね、120℃で20分間加熱プレスすることにより、触媒層を電解質膜上に転写して膜電極接合体を得た。ナフィオン膜上の単位面積あたりの触媒量は、実施例1と同じになるように調整した。得られた膜電極接合体では、転写シートを加熱プレスする際に電解質膜に圧力が加わる為、触媒層が電解質膜に一部めり込むなど、膜と触媒層の界面が乱れたり、一部膜が薄くなるなどの問題個所が認められた。
(評価方法)
(1)膜電極接合体中の電解質膜(イオン交換膜)の厚みによる評価
比較例1の従来例(転写法)の方法と比較し、本発明の実施例1〜2で得られた膜電極接合体では、膜と触媒層の界面が平坦で、かつ膜圧が均一であった。比較例1の従来例の方法で作成した膜電極接合体と本発明の実施例1〜2で作成した膜電極接合体について、図4Aで示す9ヶ所(1〜9の数字で示される●の箇所)を切断して、その断面を光学顕微鏡で観察し、電解質膜(イオン交換膜)の厚みを測定し、比較した。このうち、実施例1と比較例1の測定結果を図5に示す。図5の結果から、本発明の実施例1で作成したものは、比較例1の従来例(転写法)の方法に比較して電解質膜11の厚みが均一であることが確認できた。また、実施例1と、実施例2との電解質膜11の厚みのバラツキ具合は小さく、同程度であったので、実施例1の測定結果を本発明の代表例として載せたものである。なお、作成に用いた電解質膜(イオン交換膜)の標準厚みは、いずれも25μmである。
(2)膜電極接合体の性能評価(I−V特性評価)
本発明の実施例1の膜電極接合体の性能評価は、以下の条件で行った。
供給ガス温度: 水素:75℃、空気:75℃
供給冷却水温度: 70℃(流量は出口温度が78℃になるように調整)
供給ガス利用率: 水素:67%、空気:40%
供給ガス相対湿度: 水素:80%RH、空気:50%RH
即ち、実施例1で得られた膜電極接合体を実施例3により燃料電池電極とし、電流密度に対する電圧特性(I−V特性)を評価した。上記条件により、電流密度に対する電圧特性(I−V特性)を測定した。なお、I−V特性の測定での上記条件以外の他の条件としては、電極面積:25cm、セル温度:75℃、燃料極側:純水素ストイキ=1.5、バブラ80℃、空気極側:空気ストイキ=2.5、バブラ80℃、両極背圧;1.5atmの条件下として行った。得られた結果のうち、実施例1の測定結果を図6に示す。また、実施例3の燃料電池電極と実施例2の膜電極接合体を用いて実施例3と同様にして作製した燃料電池電極との性能特性は同程度であったので、実施例3の測定結果を本発明の代表例として載せたものである。図6に示すように、本発明の製造方法により作製した膜電極接合体による燃料電池電極では、転写法で作製される既存の膜電極接合体による燃料電池電極と比較しても遜色のない優れた特性を奏することが確認できた。また、オープン電圧が高く、このことからも、ショートが無く電解質膜が収縮しておらず、触媒層に亀裂等が生じていないことが確認できた。即ち、従来技術で説明したように、膜と触媒層の界面が乱れたり、一部膜が薄くなると、電極間が短く(狭く)なったところで微小短絡(ショート)が起こりオープン電圧が低下する。また、一部膜が薄くなると使っているうちに切れたり、穴が開いて長寿命とならない(これは下記図7の結果を対比参照のこと)。
(3)膜電極接合体の性能評価(連続発電耐久評価)
本発明の実施例3で得られた燃料電池電極と、比較例1の従来例(転写法)の製法で得られた膜電極接合体につき実施例3と同様にして作製した燃料電池電極につき、連続発電耐久評価試験を行った。すなわち、比較例1の従来例(転写法)の方法で作成した膜電極接合体の燃料電池電極と本発明の実施例3で作成した燃料電池電極について、電流密度1A/cmでの連続発電耐久評価を行った。得られた測定結果を図7に示す。図7に示す測定結果から、本発明の実施例3(実施例2につき実施例3と同様にして作製した燃料電池電極についても同様)で得られた膜電極接合体の燃料電池電極は、比較例1の従来例(転写法)の製法で得られた膜電極接合体の燃料電池電極と比較し、およそ1.5倍の長寿命であった。測定条件は以下のとおりである。
供給ガス温度: 水素:75℃、空気:75℃
供給冷却水温度: 70℃(流量は出口温度が78℃になるように調整)
供給ガス利用率: 水素:67%、空気:40%
供給ガス相対湿度: 水素:80%RH、空気:50%RH
なお、連続発電耐久評価の測定での上記条件以外の他の条件としては、電極面積:25cm、セル温度:75℃、燃料極側:純水素ストイキ=1.5、バブラ80℃、空気極側:空気ストイキ=2.5、バブラ80℃、両極背圧;1.5atmの条件下として行った。また、実施例3の燃料電池電極と、実施例2につき実施例3と同様にして作製した燃料電池電極の連続発電耐久評価性能は同程度であったので、実施例3の測定結果を本発明の代表例として載せたものである。図7に示すように、本発明の製造方法により作製した膜電極接合体では、転写法で作製される既存の膜電極接合体と比較して、膜と触媒層の界面が平坦で、かつ膜圧が均一であり、短絡等が起こりにくいため、ファイ膜電極接合体を用いて作製した燃料電池電極では長寿命化が図れることが確認できた。
本発明を実施するための最良の一実施形態として、溶剤を含んだ溶媒(第1溶媒)を含浸した電解質膜の状態を模式的に表した平面概略図である。 図1に示した溶媒を含浸した電解質膜を、膜電極接合体製造装置のヒータ付きプレートに、電解質膜の周囲を抑えて取り付けた状態を模式的に表した断面概略図である。 図2に示した膜電極接合体製造装置のヒータにより溶媒を揮発させた電解質膜に、水を主成分とし、先に電解質膜に含浸させた溶媒より低い濃度の溶剤を含んだ溶媒に、触媒物質と電解質樹脂を含んだスラリーを塗布する様子、および該スラリーを塗布した後、ヒータにより溶媒を揮発させて触媒層を形成した状態を模式的に表した断面概略図である。 図4Aは、図3に示した膜電極接合体製造装置によるスラリーを塗布操作により、電解質膜の片面に触媒層を形成後、該電解質膜を裏返して、図2〜3に示す工程(処理操作)を繰り返して、電解質膜の両面に触媒層を形成してなる状態を模式的に表した断面平面図である。図4Bは、図4AのBB線断面図である。 比較例1の従来例(転写法)の方法で作成した膜電極接合体と本発明の実施例1で作成した膜電極接合体について、図4Aで示す9ヶ所を切断して、その断面を光学顕微鏡で観察し、電解質膜(イオン交換膜)の厚みを測定した結果を示すグラフである。 実施例3で得られた燃料電池電極について、電流密度に対する電圧特性(I−V特性)を測定した結果を示すI−V曲線グラフである。 比較例1の従来例(転写法)の方法で作成した膜電極接合体の燃料電池電極と本発明の実施例3で作成した燃料電池電極について、電流密度1A/cmでの連続発電耐久評価を行った結果を示すグラフである。
符号の説明
11 電解質膜、
11a 乾燥した状態の電解質膜サイズ、
11b 第1溶媒により湿潤した状態の電解質膜サイズ、
21 膜電極接合体製造装置、
23 ヒータ、
25 ステンレスプレート、
27 薄いテフロンシート、
29 ステンレス枠、
31 薄い枠状のテフロンシート、
33 枠状治具固定ボルト、
35 コイルバネ(スプリング)、
37 熱電対、
39 スプレー装置、
41 触媒インク、
43 触媒層、
45 膜電極接合体。

Claims (6)

  1. 電解質膜の表面に触媒層を積層した膜電極接合体の製造方法であって、
    溶剤を含んだ溶媒を含浸した電解質膜を、ヒータ付きプレートに、電解質膜の周囲を抑えて取り付け、
    ヒータにより溶媒を揮発させた電解質膜に、水を含有成分とし、先に電解質膜に含浸させた溶媒より低い濃度の溶剤を含んだ溶媒に、触媒物質と電解質樹脂を含んだ触媒スラリーを塗布した後、溶媒を揮発させて触媒層を形成することを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
  2. ヒータ付きプレートの温度を電解質膜、または触媒スラリー中の電解質樹脂の、どちらか低い方の分解温度以下で溶媒を揮発させることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合方法。
  3. 始めに電解質膜に含浸させる溶媒中の溶剤および触媒スラリー中の溶剤の沸点が、電解質膜、または触媒スラリー中の電解質樹脂の、どちらか低い方の分解温度以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の膜電極接合方法。
  4. 電解質膜の周囲を抑える枠材の、電解質膜を抑える圧力が、乾燥による電解質膜の面方向の収縮を抑えるに十分な圧力以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の膜電極接合方法。
  5. ヒータを内在したステンレスプレートと、その表面に十分にヒータの熱を伝えるほどに薄いテフロンシートと、電解質膜の周囲を抑えるステンレス枠からなり、このステンレス枠がボルト等でステンレスヒータを内在したステンレスプレートに取り付けられていることを特徴とする膜電極接合体製造装置。
  6. 請求項1〜5の膜電極接合方法ないし膜電極接合体製造装置によって製造される燃料電池用膜電極接合体。
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