JP2005522015A - 燃料電池および燃料電池触媒 - Google Patents

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Abstract

直接型有機燃料電池(10)は、陽極エンクロージャ(18)内の陽極(12)と固体ポリマー電解質(14)と陰極エンクロージャ(20)内のガス拡散陰極(16)とを含む。電気的負荷は、電気的リンケージ(22)を介して陽極(12)と陰極(16)との間に接続される。陽極エンクロージャには、重量で約10%と95%との間の蟻酸からなる液体燃料が供給される。陰極エンクロージャには、オキシダントが供給される。燃料電池から二酸化炭素と水とを除去するために、ガス除去ポート(24、26)が設けられる。

Description

本発明は概ね、燃料電池と燃料電池用触媒とに関する。
燃料電池は、燃料酸化反応の結果生じる自由エネルギー変化が電気エネルギーに変換される電気化学電池である。燃料電池の用途は、バッテリー代替、ミニおよびマイクロエレクトロニクス、カー・エンジン、発電所、その他多数を含む。燃料電池の一つの利点は、これらが実質的に環境汚染しないことである。
水素燃料電池では水素ガスは、酸化反応の副産物として生成される有用な電流を伴って、酸化されて水を形成する。固体ポリマー膜電解質層は、酸素から水素燃料を分離するために使用できる。陽極と陰極は、この膜の背中合わせのそれぞれの面に配置される。膜電極アセンブリの陽極層と陰極層との間の電子流は、電力を供給するために活用できる。しかしながら水素ガスの保管と取扱いに関する困難さのために、水素燃料電池は多くの用途で非実用的である。
有機燃料電池は、水素燃料電池の代替手段として多くの用途で有用であることが判明する可能性がある。有機燃料電池においては、陽極側でメタノールといった有機燃料が酸化されて二酸化炭素になり、同時に陰極側で空気または酸素が還元されて水になる。水素燃料電池に対する一つの利点は、有機物/空気燃料電池は、液体有機燃料で動作できることである。これは、水素ガスの取扱いと保管とに関連する問題を除去する。ある幾つかの有機燃料電池は、リフォーマーによる有機燃料の水素ガスへの初期変換を必要とする。これらは、「間接型」燃料電池と呼ばれる。リフォーマーの必要性は、電池サイズとコストと複雑さと起動時間とを増加させる。「直接型」と呼ばれる他のタイプの有機燃料電池は、水素ガスへの変換なしに有機燃料を直接酸化することによってこれらの欠点を除去する。現在までのところ有機燃料電池は、燃料としてメタノールおよびその他のアルコールの使用に焦点を当ててきた。
従来の直接型メタノール燃料電池は、これらに関連する未解決問題を持っている。例えばメタノールおよびその他のアルコールは、商業的ポリマー膜電極アセンブリに亘って高い浸透性拡散クロスオーバー・レートを持っている。クロスオーバーする燃料は、陽極での反応を避け、したがって電気エネルギーのために活用できない。これは、電池効率を制限する。クロスオーバーに関する更なる問題は、陽極の汚染である。メタノールまたはその他のアルコール燃料がポリマー膜の上を陰極側へクロスオーバーするにつれて、燃料は陰極触媒に吸着し、それによって反応サイトを遮断する。それによって電池の効率は低下する。この問題に対して提案された解決策は、追加の触媒を供給することであった。しかしながらこれは特に、白金といった高価な貴金属および半貴金属の触媒がしばしば使用されることを考えると、出費を加算する。
この高いクロスオーバーのためにメタノールおよび他のアルコール燃料電池は典型的には、約3〜8%以下の燃料濃度で動作する。しかしながらこれらの希釈溶液の使用は、更なる問題を作り出す。この低い燃料濃度は、典型的にはポンプとフィルタとを含むリサイクル・システムを通して供給される比較的多量の超高純度の水を必要とする。また燃料の濃度は、厳密に監視され制御される必要があり、センサーとコントローラが必要になり得るという結果を招く。この周辺設備のすべては、直接型有機燃料電池にコストと複雑さと重量とサイズとを加算する。
更にこの必要とされる周辺の水管理設備は、サイズと重量が決定的になる用途では直接型メタノール燃料電池の有用さを実質的に限定する。例えば携帯型、小型およびマイクロエレクトロニクスの用途に関しては、必要とされる周辺設備のサイズと重量と複雑さは、直接型メタノール燃料電池の使用を非実用的にする。
更にこれらの希釈溶液は、多くの燃料電池用途において、一例として屋外使用の携帯型装置で出会う可能性のある温度で凍結して膨張する。この膨張は、装置障害になり得る。Conduitらの特許文献1は、燃料電池が動作していないときに燃料タンクを通じて加熱された流体を循環させることによって凍結が避け得ることを教えている。しかしながらこれは、電力を浪費し複雑さを加算する。
既存の直接型メタノール燃料電池による更に他の問題は、陽極によって促進される電気酸化反応に関連する。例えば多くの直接型メタノール燃料電池内のメタノールから酸化/還元反応中に精製される中間体は、有毒な一酸化炭素ガスである。したがって危険が提示される。またCOは、Ptといった触媒を汚染し、それによって電池効率を低下させることが知られている。
これらおよび他の問題は、本技術では未解決に留まっている。
米国特許第6,528,194号明細書
本発明の一実施形態は、陰極に接続された陽極と陽極エンクロージャと陰極エンクロージャとを含む直接型有機燃料電池に向けられている。この燃料電池は更に、有機燃料の重量で少なくとも10%を含有する液体燃料溶液を含む。本発明の好適な実施形態では有機燃料は蟻酸であり、PtとPdとを含む陽極触媒が存在する。
他の発明実施形態は、一方の表面に陽極、他方の表面に陰極を有する固体ポリマー電解質を含む膜電極アセンブリに向けられている。この陽極は、CO中間体の形成なしに有機燃料の直接分解を促進するように構成される。
更なる発明実施形態は、陽極触媒を製造する方法に向けられており、ナノ粒子の懸濁液を用意するステップと、この懸濁液を支持体に塗布するステップと、支持体上に薄膜を形成するためにこの懸濁液を乾燥させるステップと、Ptナノ粒子上に金属アイランドを自然堆積するために金属溶液にこの支持体を浸漬するステップと、を含む。
更なる発明実施形態は、直接型蟻酸燃料電池での使用ための陽極触媒に向けられている。例示的陽極触媒は、少なくとも第2の金属を被覆された金属ナノ粒子を備えており、この触媒はCO中間体の形成を含まない反応経路に沿った蟻酸のCOとHへの脱水素を促進するように動作する。
なお更なる発明実施形態は、低い凝固点を有する燃料電池に向けられている。
図1の概略図は、一般に10で本発明の例示的直接型有機燃料電池を示す。燃料電池10は、陽極12と固体ポリマーの陽子伝導電解質14とガス拡散陰極16とを含む。陽極12は陽極エンクロージャ18内に囲み込まれており、陰極16は陰極エンクロージャ20内に囲み込まれている。電気リンケージ22を介して陽極12と陰極16との間に電気的負荷(図示せず)が接続されると、陽極12では有機燃料の電気酸化が発生し、陰極16では酸化剤の還元が発生する。
陽極12と陰極16とにおける異なる反応の発生は、これら二つの電極間に電圧差を生じさせる。陽極12において電気酸化によって生成された電子は、リンケージ22を通って導かれ、最終的に陰極16で捕捉される。陽極12で生成された水素イオンあるいは陽子は、膜電解質14を横切って陰極16に搬送される。こうして電流の流れは、電池を通るイオンとリンケージ22を通る電子の流れによって維持される。この電流は、例えば電気機器に電力供給するために活用できる。
陽極12と固体ポリマー電解質14と陰極16は好適には、膜電極アセンブリ(「MEA」)と呼ばれ得る単一の多層複合構造体である。好適には固体ポリマー電解質14は、デラウエア州のデュポン化学会社から登録商標NAFIONとして商業的に入手可能な過フッ素化スルホン酸ポリマー膜といったアニオン硫酸塩を含有する陽子伝導カチオン交換膜である。NAFIONは、テトラフルオロエチレン・過フルオロビニルエーテル・スルホン酸のコポリマー(共重合体)である。例として変性過フッ素化スルホン酸ポリマーの膜と、多価炭化水素スルホン酸の膜、と他の酸性配位子を含有する膜と、二つ以上の種類の陽子交換膜の複合物と、を含む他の膜材料も使用できる。
陽極12と陰極16の各々は、支持される、または支持されない、いずれかの微細Pt粒子である例を有する触媒層を含むことができる。好適なユニタリー(一元の)MEAを使用すると陽極12と陰極16は、NAFION膜の背中合わせのそれぞれの面に直接塗布された触媒層から構成できる。NAFIONは、0.002インチと0.007インチとを含む標準の厚さで入手可能である。ユニタリーMEAは、膜14の背中合わせのそれぞれの面に陽極と陰極の触媒インクを直接「塗布する」ことによって製造できる。触媒インクが乾燥すると、固体触媒粒子が膜14に付着して陽極12と陰極16とを形成する。
もし触媒が支持されるべきであれば、適当な支持体は微細なカーボン粒子を含むか、あるいは電気触媒の粒子と電気的接触を行う高表面積カーボン・シートを含む。特定の例として陽極12は、金属といった電気触媒材料にNAFIONといった結合剤を混ぜて、約0.5〜5mg/cmの例示的な負荷でカーボン裏打ち用紙上に広げることによって形成できる。この裏打ち用紙は、NAFION膜14の表面に接着できる。陰極電気触媒合金とカーボンファイバ裏張りは、三相境界を生成し、酸素の電気還元によって生成される水の効率的除去を達成するために疎水性を与える約10〜50%(重量で)TEFLONを含有する可能性がある。陰極触媒裏張りは、陽極12の反対側のNAFION電解質膜14の表面に接着される。
例示的な燃料電池10は、他の燃料も考えられるが蟻酸燃料溶液を使用して動作する。この蟻酸燃料溶液は、陽極エンクロージャ18に供給されるが、空気またはより高濃度のOといった酸化剤は陰極エンクロージャ20に供給される。陽極12では蟻酸燃料は下記のように酸化される:
HCOOH→2H+CO+2e (Rctn.1.)
CO生成物は、ガス除去ポート24を経由してチャンバから流れ出る。約1/32インチ未満、好適には約1/32インチ以下の内径と少なくとも約1/32インチの長さとを有する概ね管状のガス除去ポートはCOガスの通過を可能にするが、蟻酸の通過は実質的に防止することが分かっている。好適には除去ポート24は、少なくとも約0.5の長さ対直径比を持っている。またポート24は、KEL−Fとして登録された商標の下でミネソタ州の3M Corporationから商業的に入手可能なフッ化炭素系のポリマーを含む例示的な材料の疎水性材料から作られる。
Rctn.1のH生成物は、ポリマー電解質層14を通り抜けて陰極16に達し、自由電子e生成物は、電気リンケージ22を流れて陰極16に達する。陰極16では還元反応:
+2e+2H→2HO (Rctn.2.)
が発生する。HO生成物は、除去ポート26を経由して陰極エンクロージャ20から流れ出る。蟻酸燃料溶液の流れと空気/Oの流れを生じさせるために、ポンプまたは他の手段が設けられ得る。
陽極12における酸化のための蟻酸燃料溶液の使用は多くの利点を与えることが分かっている。蟻酸は、比較的強い電解質であり、したがって陽極エンクロージャ18内への良好な陽子搬送を容易にする。これは、比較的低い蒸気圧を持っており、室温で液体状態を保つ。また本発明の蟻酸/酸素燃料電池は、約1.45Vという高い理論的開放回路電位あるいは起電力を持っている。
また蟻酸は固体ポリマー電解質膜14を横切る極めて低い拡散とドラッグ・クロスオーバー・レートを享受していることも分かっている。これは、本発明の蟻酸燃料電池にとって更なる貴重な利益をもたらす。蟻酸は、水に溶けるときに部分的に解離してアニオン(陰イオン)を形成する。このアニオンは、好適なポリマー電解質膜14では陽極12によって引きつけられ、アニオン硫酸基によって反発され、それによって電解質膜14を通る浸透性ドラッグと拡散とを妨げると信じられる。これは、電解質膜14を通る燃料クロスオーバーの実質的な低減または除去という結果をもたらす。
低い燃料クロスオーバーは、多くの理由から有益である。例えば低いクロスオーバーは、燃料電池10が高い燃料濃度で運転されることを可能にする。約10%(重量で)から約95%の濃度の蟻酸濃度が妥当な性能を与えるであろうと信じられる。高い燃料濃度は、単位面積当りの高い電流密度と高い電力出力とを与え、また従来技術の水管理問題を軽減または除去する。低い燃料クロスオーバー・レートはまた、陰極16の汚染を大幅に軽減または除去する。これは同様に、燃料電池10の性能を著しく改善する。蟻酸燃料溶液のなお更なる利益は、25〜140℃の白金触媒がガス状の蟻酸に曝露されるときに、生成されるCOガスの量は、ほんの無視し得る量であると信じられることである。他方ではメタノールは、同様の条件下で、かなりの一酸化炭素生成物を生じると信じられる。
本発明は、蟻酸燃料電池に限定されない。他の発明実施形態は、少なくとも約10%(重量で)、好適には約25%を超える有機燃料を含む有機燃料溶液と、低い燃料溶液クロスオーバー・レートを達成するように動作する電解質膜とを有する直接型有機燃料電池を含む。電流の単位で表すと、本発明の例示的燃料電池の膜は、約25℃で約30ma/cm電解質膜を生成するために必要とされる量より少ない量にまで燃料溶液クロスオーバーを制限するように動作する。蟻酸は好適な有機燃料であるが、他の有機物はメタノールその他のアルコール類、ホルムアルデヒドその他のアルデヒド類、ケトン類、ジメトキシおよびトリメトキシメタンおよび他の酸素化物を含み得る。
高い燃料濃度は、殆どまたは全く燃料クロスオーバーを発生させない電解質の注意深い設計によって蟻酸以外の有機物を使用しても達成できることが分かっている。例えば適当な電解質ポリマー膜厚を選択することによって、燃料クロスオーバーはそれより下で燃料電池が動作し続けるある臨界値j より下に維持され得ることが分かった。燃料のクロスオーバー・レートjは次式:

=n/tζ (式1)

によって妥当な近似値にまで与えられるが、ここでCは陽極上の燃料濃度であり、Dは膜電極アセンブリにおける燃料の有効拡散率であり、Kはこの膜内への燃料に関する分配係数の平衡定数であり、tは厚さであり、ζはファラデー定数であり、nは1モルの燃料が酸化されるときに解放される電子の数(蟻酸に関してはn=2、メタノールに関してはn=6)である。式1を再整理すると、十分に低いクロスオーバーを得るための最小膜厚:

t=n/ζj (式2)

を計算できる。一例としてメタノール燃料電池と蟻酸燃料電池を採ると、燃料電池の性能はj >約200ma/cmのときにかなり低下することと、j が約30ma/cm以下であるときに最適な動作が行われることとが信じられる。j の値は、如何なる所望の有機燃料溶液に関しても経験的に決定できる。1100等価重量のNAFION膜を通り抜ける10M蟻酸およびメタノールの浸透に関する文献からのデータを使用すると、蟻酸に関しては約30ミクロン、メタノールに関しては600ミクロンの最小MEA膜厚が計算される。
本発明の他の態様は、直接型有機燃料電池での使用のための陽極触媒に向けられている。本発明の触媒は、その表面に少なくとも一つの更なる金属の被覆を有する金属のナノ粒子を含む。これらの被覆は、約2nm以下の厚さを有する連続膜であり得るか、個別形成物またはアイランドであり得る。ここで使用されるように、この関係において使用される用語「個別形成物(discrete formations)」と「アイランド(islands)」は、第1の金属表面上の第2の金属の実質的に不連続なグループを広く指すことが意図されている。好適には個別形成物またはアイランドは、3nm厚さ以下であって、単層または二層である。
本発明の触媒における金属粒子と被覆層またはアイランドために有用と信じられる金属は、Pt、Pd、Ru、Re、Ir、Au、Ag、Co、Fe、Ni、YおよびMnを含む。好適な例は、その上に被覆されたPdまたはRuのうちの一つ以上を有するPt粒子であり、最も好適にはPdを有するPtである。また金属粒子と被覆の材料は相互交換可能である。例としてPtアイランドはPd粒子につけられ得るであろう。好適な例示的Pt/Pd触媒では触媒表面の約10%から約90%がPdで覆われる。最も好適には約60%がPdで覆われる。Ptのアイランドは同様に、PdまたはRuの粒子につけられ得るであろう。本発明の触媒は表面組成がバルク組成と異なるときに最も有益な結果をもたらすことも分かった。これは例えば、本発明の触媒を自然堆積によって作ることによって達成できる。本発明の触媒は、例えばホルムアルデヒドとメタノールを含むアルコール類とを含む幾つかの直接型有機燃料電池のいずれかで使用されるときに有用であると信じられる。
本発明の蟻酸燃料電池で使用されるときの本発明の例示的触媒負荷は、約0.1mg/cmと約12mg/cmとの間である。空気供給による好適な負荷は、約4mg/cmである。増加は、実質的に電流生成を変化させるように見えない。約12gm/mを超える負荷は、実質的に電流出力を遅らせる。空気呼吸電池は一般に陽極上には、より少ない触媒を必要とする。最低約0.1mg/cmのレベルが有用であると信じられる。
本発明の触媒は、他の有機物での使用も有利であろうが、本発明の蟻酸燃料電池で使用されるときに特に有利であることが分かっている。例えば蟻酸燃料電池10からの電流と電力密度は本発明の触媒の使用により著しく改善されることが分かった。好適なPt/Pd触媒は、Pt触媒と比較して最大約80倍に蟻酸燃料電池電流密度を増加させることが分かった。
好適なPt/Pd触媒のもう一つの利益は、それが促進すると信じられる蟻酸酸化反応機構に関連している。蟻酸電気酸化は主として、Ptといった金属触媒の存在において二つの平行な反応経路を介して起こると信じられる。一つは、中間体としてのCOを形成する脱水機構を経由する:
HCOOH+Pt→Pt−CO+HO (Rctn.3.)
O+Pt→Pt−OH+H+e (Rctn.4)
Pt−CO+Pt−OH→2Pt+CO+H+e (Rctn.5.)
蟻酸は、Pt表面に吸着して中間体吸着CO種を形成する(Rctn.3)。それから、吸着したOH基(Rctn.4で形成された)は、吸着CO中間体をガス状COに更に酸化するために必要とされる(Rctn.5)。
第2の反応経路は、より直接的であって、脱水素機構に従う:
HCOOH+M→CO+M+2H+2e (Rctn.6.)
この反応路は生成物COを直接形成し、実質的にCO中間体が形成されない結果によって、吸着CO中間体の汚染ステップを回避する。この直接経路は、COによって汚染される触媒がより少ないので燃料電池10内に必要となる白金がより少なく、且つ高い電流密度を得ることができるという利点を持っている。この直接反応路はまた、特に表面OHがPt上で利用できない低い陽極電位における全体の反応速度を向上させる。最後に触媒を汚染することに加えてCO形成は、その有毒な性質のために一般に望ましくない。その表面にPdアイランドを有する好適なPtナノ粒子触媒は、Rctn.3を促進することなくRctn.6を促進すると信じられる。したがってこの好適な触媒の使用は、CO形成に関連した従来技術の多くの問題を解決する。
本発明の更に他の態様は、本発明の陽極触媒を製造する方法に向けられている。図2の流れ図は、本発明の触媒を製造する例示的方法50の諸ステップを示している。Ptナノ粒子が液体内に懸濁される(ブロック52)。それから懸濁液は、カーボン裏張りの金の円板などといった支持体に塗布される(ブロック54)。それから懸濁液は支持体上にPtナノ粒子の薄膜を形成するために乾かされる(ブロック56)。最後に支持体は、Ptナノ粒子の表面に金属のアイランドの自然堆積生じさせるために金属イオン溶液に浸漬される(ブロック58)。
本発明のなお更に他の態様は、約0℃より低い、好ましくは−5℃より低い、より好適には−10℃より低い凝固点を有する燃料溶液を持つ燃料電池に向けられている。十分に高い有機燃料濃度を有する本発明の燃料電池は、これらの利点を与えるであろう。例えば少なくとも約20%(重量で)の濃度を有する本発明の蟻酸燃料電池は、約−10℃より低い凝固点を持つであろう。更なる例として表1は、水・燃料混合物の凝固点を約−10℃より低く下げるために本発明の燃料電池での使用のために考えられる、異なる例示的有機燃料に必要とされる最小の燃料濃度を示している。
Figure 2005522015
本発明の更なる態様では、溶液の凍結温度を下げるために燃料電池燃料溶液に不凍剤を加えることがあり得る。例示的な不凍剤は、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、過塩素酸といった無機酸を含む。これらの不凍剤は、燃料溶液凍結温度を約0℃より低く、好ましくは−5℃より低く、より好適には−10℃より低く下げるために単独で、または組合せて添加することができる。表2は、例示的な不凍剤と1%メタノール燃料溶液凍結温度を約−10℃より低く下げるために必要な濃度とを示す。
Figure 2005522015
表1、2内の燃料と酸とが単に例であって一連の燃料と鉱酸も同様に機能するであろうことは留意される。また低凝固点燃料溶液に関連する利益が、有機燃料電池に限定されない燃料電池の広い範囲で貴重であろうことは認められるであろう。特定の例として本発明は、例えば水素燃料電池への不凍剤の添加を考えている。
本発明の種々の態様を最もよく説明するために、本発明の数個の例示的な燃料電池は、本発明の種々の燃料濃度と異なる触媒とを使用して動作させられた。これらの例示的電池と触媒の動作は、下記に論じられる。
(例示的燃料電池1)
第1の例示的燃料電池は、図1に示す燃料電池10と概ね一致している。その燃料電池からの要素番号は便宜上適当なところで使用されるであろう。陽極12とNAFION電解質膜14と陰極16とを含む例示的燃料電池の膜電極アセンブリ(MEA)は、触媒層12、16をNAFION膜14に塗布する直接塗布手法を使用して製造された。これらの例示的燃料電池の各々に使用されたNAFION膜は、約0.007インチの厚さを持っていた。活性電池面積は、5cmであった。触媒インクは、触媒ナノ粒子を適量のMillipore浄化水と5%リキャストNAFIONとの溶液(1100EW、Solution Technology,Inc.)内に分散させることによって準備された。陽極および陰極触媒インクの両者は、NAFION117膜のそれぞれのサイドに直接塗布された。その結果得られた多層MEAは、陽極12と電解質膜14と陰極16とを形成する。
使用された陰極触媒は、約7mg/cmの標準的負荷を受ける支持されない白金黒(27m/g、Johnson Matthey)であった。約4mg/cmの負荷を有する陽極には、好適なPt/Pd触媒が使用された。この触媒は、金のボートにJohnson Matthey Hispec1000パラジウム黒を充填することによって準備された。このボートは次に、約5分間、硝酸パラジウム(II)溶液(5mM Pd(NO+0.1M HSO)に浸漬された。この触媒は、Millipore水でリンスされ、それから硝酸塩を除去するために循環ボルタンメトリーが使用された。このボートは再び、約5分間、硝酸パラジウム(II)溶液(5mM Pd(NO+0.1M HSO)に浸漬された。この触媒はMillipore水でリンスされ、それから硝酸塩を除去するために循環ボルタンメトリーが使用された。それから触媒粒子は、乾燥させられた。
この第1の例示的燃料電池10は、導電性グラファイト・ブロック内に機械加工された陽極エンクロージャ18と陰極エンクロージャ20とを含んでいた。カーボンクロス(カーボン布)拡散層(ニュージャージー州のSomersetのE−Tekから商業的に入手可能)が、陰極および陽極触媒層両者の上面に置かれた。蟻酸燃料溶液が、プラスチックのスウェージロック取付け具を介して陽極エンクロージャ20内に入った。これらの層12、14、16を形成するMEAとカーボンクロスは、二つのエンクロージャ18、20の間にサンドイッチされて、35デュロメータSiガスケットで密閉された。グラファイト・ブロック・エンクロージャ18、20は2個の加熱されたステンレス鋼ブロックの間に収容された。これらのステンレス鋼ブロックと機械加工されたグラファイト・ブロックの裏側との間に置かれた片側PCボードは、電流コレクター(集電器)として機能した。
MEA層12、14、16は初めに、燃料電池テスト・ステーション(Fuel Cell Technologies,Inc.)を使用して電池電位を0.6Vに保持しながら1〜2時間、H/O(陽極/陰極)燃料電池モードによって60℃の燃料電池内で調整された。H流量は200scc/minにセットされ、ガス流は電池に入る前に75℃に加湿され、30psigの背圧が印加された。O流量は100scc/minにセットされ、ガス流は70℃に加湿され、30psigの背圧が印加された。H/Oの調整の後に、60℃で電池の分極カーブが得られた。電池分極測定のために使用された陽極燃料は蟻酸(Aldich、96%A.C.Sグレード)であった。陰極ではOが背圧なしで70℃に加湿され、100scc/minの流量で供給された。
陽極12の分極カーブは、陰極16のOガス流をHに交換することによって取得された。陽極12の電位は、1mV/sの走査速度でガルバノスタット(電流安定器)/ポテンショスタット(電位安定器)(モデル273、EG&G)によって制御された。燃料電池取付け具の陰極側の白金/H組合せは、動的水素基準電極(DHE)ならびに高表面積対向電極として動作した。H流量は、電池に入る前に75℃に加湿され、10psigという一定の背圧の下で100scc/minの流量に維持された。蟻酸は、1mL/minの流量で燃料電池MEAの陽極側に供給され、電気化学電池用の動作電極として動作した。
図3(a)は、ある範囲の蟻酸燃料溶液濃度を使用した例示的燃料電池に関する電池分極カーブを示す。電池分極カーブは、種々の陽極燃料供給濃度における全体的電池活性度を測っている。図3(a)の電池分極カーブは、約2Mから20Mの蟻酸燃料溶液濃度範囲に亘って取得された。
ここで蟻酸濃度は、モル濃度および/または重量パーセント濃度の単位で参照され得ることが留意される。本技術に精通する人々は、これら二つの単位間の変換がかなり簡単であることを認めるであろう。便宜上、関心の範囲の近似的変換が表3で与えられる:
Figure 2005522015
図3(a)によって示されるように、電池活性度は供給濃度とともに増加する。2M蟻酸に関しては、活性はほとんど存在しない。10M以下の燃料供給濃度においては陽極12への蟻酸の供給の大量輸送限界は、活性度を制限する。約10Mと約20Mとの間の蟻酸濃度を使用すると、はるかに良好な結果が得られる。例示的電池に関して最大電流は、12Mにおいて、60℃で約134mA/cmの値が観測された。20M以上の蟻酸濃度では、電池分極カーブ・プロファイルは低下する。
図3(a)に示された約0.72Vの例示的蟻酸燃料電池の比較的高い開放回路電位(OCP)は、驚くほどの有益な結果である。例えば同様な条件下の直接型メタノール燃料電池(DMFC)に関する典型的なOCPは、僅かに約0.6Vである。本発明の燃料電池のより高いOCPは、より低い印加負荷において高い電力密度と高められた電池効率とになる。10Mと20Mとの間の蟻酸の最適供給濃度内では、DMFCに関して見出された電池活性度とは異なり、高い電池電位(0.72Vから0.5V)で大きな電池活性度が存在する。
図3(b)では、図3(a)のデータは更に処理されて、種々の蟻酸濃度に関して電力密度対電流密度の単位でプロットされている。10M未満の濃度に関して電力密度カーブは、電流密度に伴う初期増加を示して最大値に達し、次いで急激な減少を示す。この減少は、燃料供給涸渇を引き起こす大量輸送限界によるものと信じられる。蟻酸供給濃度が2Mから12Mに増加するにつれて、初期電力密度勾配は、燃料供給涸渇の前の同じ一般的傾向に従う。2M蟻酸供給濃度に関して約5mW/cmの電力密度が達成される。図3(b)における最大電力密度は、約48.8mW/cmで約12Mの蟻酸燃料溶液濃度によって起こる。20M蟻酸電力密度プロファイルは、全体的電力密度対電流密度の減少による電池性能の全体的損失を示す。
約0.4Vで約48.8mW/cmの12M蟻酸に関して見出された最大電力密度は、約0.27Vで約51.2mW/cmの同様の条件下のDMFC(1Mメタノール、60℃、Ptベースの触媒)に関して測定された最大電力密度に匹敵する。0.4Vにおける例示的燃料と比較して12M蟻酸は、典型的1Mメタノール燃料電池をそれぞれ48.8mW/cm対32.0mW/cmで、性能が上回っている。
図3(a)、(b)は、妥当な電流密度を得るために比較的高い蟻酸燃料溶液濃度が好適であることを示している。これは大量輸送限界によるものと信じられる。陽極への蟻酸の大量輸送を妨げる二つの可能な障壁はおそらく、触媒層および/またはカーボンクロス内のNAFIONであるかもしれない。調査した濃度スペクトルの高い方の端(20M以上)において例示的燃料電池は、電池活性度の負方向へのシフトを引き起こす電位の大幅な低下を示した。この効果は、NAFION電解質膜14からの乾燥と、燃料溶液の水濃度が低下するときに起こるイオン導電率の対応する損失との結果生じると信じられる。したがって望ましいほど高い蟻酸濃度は、妥当な水濃度を維持する必要とバランスをとるべきである。
本発明の燃料電池は、約5%と約95%(重量で)の間の水濃度と、約5%と約95%(重量で)の間の蟻酸濃度とを有する燃料溶液を使用するのが実際的であろうと信じられる。約25%と約65%(重量で)の間の蟻酸濃度と、少なくとも約30%(重量で)の水濃度とが一般に、更に好適である。この水濃度は、電解質膜14を通る良好なイオン導電率を維持すると信じられる。燃料電池が乾燥空気または加湿空気で動作させられるかどうかは、最も有利な蟻酸燃料濃度をもたらすであろう。例えば加湿空気で動作するときは、約50%と70%(重量で)の間の蟻酸濃度が最も有利であると信じられる。乾燥空気で動作し陰極による水保持を促進するための加湿剤が与えられないときは、約20%と40%(重量で)の間の濃度が最も有利であると信じられる。
エチレングリコールを例として、約1%から約15%(重量で)のアルコールと好適には約5%と15%(重量で)の間のアルコールが存在することもある。これらのアルコールは、燃料電池10が比較的低い温度で動作することを可能にするため、ならびに他の理由から、反応熱を放散させるための媒体として有用であり得る。
図4は、例示的燃料電池の開放回路電位(OCP)に対する蟻酸濃度の影響を示す。調査された供給濃度範囲は、約1mL/minの流量で約2Mから約22Mの蟻酸であった。この例示的燃料電池に関して、より低い燃料電池供給濃度で約0.72Vの最大OCPが観測されている。燃料供給濃度が2Mから約10Mの蟻酸に増加するとき、OCPは比較的一定に留まる。10Mを超えると、この例示的燃料電池のOCPは減少し始める。
図5には例示的燃料電池に関して0.4V電池電位での電流密度への蟻酸濃度の影響が示されている。研究された蟻酸燃料溶液濃度範囲は、約1mL/minの流量で約1Mと約22Mとの間であった。電流密度は、0.4Vにおける電池分極カーブから得られた。より低い燃料供給濃度では、ほとんど活性が存在しない。蟻酸濃度の増加に伴って活性度が増加し、約10Mと約20Mとの間の燃料溶液に関して最大活性度が観測された。約15Mの燃料溶液に関して、電解質膜の最大電流約120mA/cmが観測されている。電池活性度は、約15Mより大きい供給濃度に関して減少し始め、約20M以上の濃度で急激に低下するように見える。ここに論じられたこの第1、第3の例示的燃料電池では陽極と陰極の面積は、実質的に同じであって電解質膜の面積に実質的に等しいことが留意される。またそうでなく留意されなければ、ここに論じられた電流密度と電力密度は電解質膜の面積の単位で表されるであろうし(例示的燃料電池1、3に関して)、電流密度値と電力密度値は、例示的燃料電池2に関するPt表面の面積の単位で表されるであろう。
図6は、例示的燃料電池の高周波電池抵抗に対する蟻酸濃度の影響を示す。電池分極カーブ取得時に高周波電池抵抗が測定された。抵抗は、蟻酸供給濃度とともに、それぞれ2M、22Mにおいて約0.43Ω/cmから約0.675Ω/cmに増加した。これは、NAFION膜が高い蟻酸濃度で乾燥しきって、その導電性が減少するときに発生する、より低い導電性に主として関係していると信じられる。
図3〜5で明らかな傾向は、次のように要約できる:(1)約10Mを超える蟻酸供給燃料溶液濃度におけるOCPの減少、(2)約20M以上の蟻酸燃料溶液濃度における電池分極電流密度の減少、(3)蟻酸燃料溶液濃度に伴う燃料電池抵抗のほぼ直線的な増加。これらの傾向のすべての背後には共通の現象が存在すると信じられる。特に蟻酸燃料溶液中の水濃度が低下するときのポリマー電解質膜14の脱水がこれらの傾向を引き起こすと信じられる。約40〜65%(重量で)の蟻酸と少なくとも約30%(重量で)の水とを含む好適な燃料溶液濃度範囲は、好ましい性能に通じると信じられる。
図7は、12M蟻酸に関する陽極分極カーブをプロットしている。図7のデータは、電位が、動的水素参照電極(DHE)に対して直接参照されるという点で図2の電池分極データとは異なる。これは、陰極の影響を除去し、それによって触媒/燃料の動作結果の定量的解釈を容易にする。図7は、初期蟻酸酸化が例示的燃料電池のDHEに対して約0.15Vで始まることを示している。これは、DMFCにおいてメタノールの酸化が始まる電位と比較して有利である。
(例示的燃料電池同等物2)
本発明の触媒の性能を更に示すように、例示的蟻酸同等電池が動作させられた。この同等電池では、本発明の触媒はPdまたはRuといった第2の金属の個別堆積物またはアイランドで被覆されたPtナノ粒子を含む。本発明の他の触媒は、RuとPdの両者の堆積物を有するPtナノ粒子(「Pt/Pd/Ru」)を含む。これら二つの触媒は、第3の例示的電池を使用して説明された。
対向電極として巻かれて白金黒付きPtワイヤと、参照電極としての3MのNaCl内のAg/AgClとを有する三電極電気化学電池が使用された。可逆水素電極RHEに対するすべての電位が報告される。動作電極は、金の円板(直径12mm、高さ7mm)の表面上で物理的に固定されたPtナノ粒子(白金黒、Johnson−Matthey)で作られた。濃硫酸(GFS ChemicalsのVycorから二重蒸留された)とMillpore水とから、0.1MのHSO支持電解質が準備された。88%蟻酸水溶液(二重蒸留、DFSケミカルズ)が使用され、またこの実験で使用されるすべての電気化学電池を脱気するために超高純度アルゴンが使用された。超高純度CO(SJ Smith/Matheson)を使用するCO吸着/ストリッピング測定が使用された。電池に電力供給するために、コンピュータとCorrWareソフトウエア(Scribner Associates)とにインタフェースするEG&G instruments PAR 283ポテンショスタット/ガルバノスタットが使用された。
本発明の例示的Pt/Pd触媒は、自然堆積を含む本発明の触媒を製造する方法によって準備された。既知量のPt黒ナノ粒子がMillipore水の中に懸濁された(4mg/mlの触媒)。ここで使用されるような用語ナノ粒子は、ナノメートルの十分の二、三からナノメートルの数十倍までの直径を有する粒子を広く指すことを意図している。100μlアリコートの懸濁液が清浄なAu円板表面に塗布され、乾燥空気が触媒の均一な薄膜を形成することを可能にした。Au円板は、蟻酸に対して不活性であり、触媒のための便利な導電性支持体として役立つ。有機ポリマーは、清浄な触媒表面が電解質媒体への曝露のために利用できるように、触媒をAu円盤に接合するためには使用されなかった。
このPt被覆Au円板電極はそれから、酸化白金範囲のほぼ初めに終了する電位による循環ボルタメントリーによって洗浄された。次に電極は、窒化パラジウム(II)溶液(5mM Pd(NO+0.1M HSO)に約5分間、浸漬された。この堆積の後に電極は、硝酸アニオンの残存物を除去するため、ならびに堆積時に表面に形成された可能性のある如何なる酸化パラジウムも減らすために、Millipore水でリンスされ、循環ボルタンメトリーによって処理された。
本発明の例示的三成分Pt/Pd/Ruおよび例示的Pt/Ru触媒はまた、Pdに対する追加としてまたは代替として、ルテニウムを使用する同様の方法によって準備された。すなわちAu円板上にPt/Pdナノ粒子(前述のように準備された)またはPtナノ粒子で作られた電極は再び、ボルタンメトリーで洗浄されて塩化ルテニウム(iii)溶液(5mm RuCl+0.1m HClO)に約5分間、浸漬された。堆積の後に電極は、塩化物の残存物を除去するため、ならびに酸化ルテニウムを減らすためにボルタンメトリーによってリンスされて処理された。このPt/Pd/Ru電極のための最終的循環ボルタンモグラム(CV)は、点線で図8に示されている。
本発明の触媒を用意するときに自然堆積ステップを2〜3回繰り返すことが有利であり得ることが分かっている。この反復は、約03nmと約3nmの間の厚さを有する層を生成すると信じられる。この厚さは、触媒の運用寿命を増加させることが分かった。このステップを4回以上繰り返すことは、約3nmより厚い形成物の堆積を引き起こすと信じられる。この厚さの層は、酸化による劣化を受けることが分かっている。
真の電極表面積は、Pdおよび/またはRu堆積の前のPt表面の水素吸着/脱離電荷から決定された。清浄なPd被覆のPtナノ粒子と清浄なPd、Ru被覆のPtナノ粒子との間のCV特徴の明確な差異にもかかわらず、Pt/Pd上とPt/Pd/Ru上の水素吸着/脱離の全電荷は、清浄なPt上の電荷に等しかった。これは、研究されたすべてのケースで、吸着された水素原子の数と金属サイトの数との間にほぼ1:1の相関が存在することを示しており、これは真の表面積決定を容易にする。
図8の実線のカーブは、本発明の例示的Pt/Pd触媒のボルタンメトリー特性を表す。水素吸着/脱離領域内の電流−電位ピークは、清浄なPt上より広く、またより少なく画定されている。Ptと比較したこれらの新しいボルタンメトリー特性は、例示的Pt/Pd/Ru触媒(図8、点線)について更に明確に表されている。意外なことに例示的Pt/Pd触媒上での表面酸化物の形成は、清浄なPtに関してよりも約50mV低い電位で始まり、明らかに従来の酸化物範囲において、より少ない表面酸化物が形成されている。また二重層充電電流は、例示的Pt/PdおよびPt/Pd/Ru触媒に関するよりも小さい。
図9は、蟻酸同等電池における例示的触媒に関する反応性を示す。特に図9は、例示的触媒を使用する蟻酸電気酸化に関するクロノアンペロメトリー(時間電流測定)カーブを示す。定常状態行動を保証するために、約0.27Vで18時間、クロノアンペロメトリー(時間電流測定)実験が行われた。定常状態は、図9に示す単に最初の8時間のテストランで約6時間後に達成された。図示のように本発明のPt/Pd触媒は、蟻酸で使用されるとき、この電位におけるPt触媒よりも著しく活性がある。本発明のPt/Pd/Ru触媒はまた、Pt触媒よりも利点を表すことが分かった。電流密度はそれぞれ、Pt触媒とPt/Pd触媒とに関して約0.011μAcm−2と0.84μAcm−2であった。この例示的電池に関して電流密度と電力密度は、Pt表面の単位cm当りで表されることに留意のこと。このようにして本発明のPt/Pd触媒は、Pt触媒に対して反応性で約2桁の大きさ(約80倍)の改善を達成した。これは驚くほどの有益な結果を表す。
本発明の蟻酸燃料電池で使用されるとき好適なPt/Pd触媒は、既知の直接型メタノール燃料電池におけるメタノール酸化に関して予想されるよりも遥かに低い電位で蟻酸酸化を容易にすることが分かったことも留意される。例えばPt/Pd上での蟻酸酸化に関して、0.27Vで約0.84μacm−2Ptの電流密度が測定されたが、Pt/Ru触媒を有するメタノールは、RHEに対して0.4vで約0.94μacm−Ptの報告された電流密度を持った。
COの汚染効果をテストするために、例示的燃料電池に40分間、超高純度COが入れられ、次いで高純度アルゴンを使用して電池からCOをパージした(0.13Vで20分間)。図10は、Pt触媒電極に関する(鎖線)、本発明のPt/Pd触媒を有する電極に関する(実線)、本発明のPt/Pd/Ru触媒を有する電極に関する(点線)、また本発明のPt/Ru触媒を有する電極に関する(一点鎖線)ストリッピング・ボルタンメトリーを示す。
清浄なPtナノ粒子電極では、約0.3Vほどの低い電位から始まる「前置波」が観測され、次いで0.66Vで主要ピークが現れる。本発明のPt/Pd触媒では、同じパターンが見られるが、前置波はより小さくてフラットであり一方、主要ピークはPtにおけるより大きくて急峻である。Pt/Pdにおける前置波はPtにおけるものより約0.05Vプラスの電位から始まり、主要COストリッピング・ピークの電位は、PtおよびPt/Pdのナノ粒子それぞれに関して0.66Vから0.69Vに増加する。COストリッピングの全電荷は、PtとPt/Pdとで同じであって約330μCcm−2に等しい。Pt/Pdナノ粒子へのRuの添加は、ピーク位置に約0.15Vのシフトを生じさせ、表面CO酸化電流のピークを約0.55Vに変化させる。このピークは幅広で、あたかも多数のオーバーラップするピークからなるように明らかな微細構造を示している(図10、点線)。COストリッピング・ピークは、Pt/Ruナノ粒子に関しては更に低い電位に現れる。この場合、二つの異なる表面相:Pt/Ruアイランドと表面の無変性(「清浄な」)Pt部分とからのCOの酸化によって明らかなピーク分割が起きていると信じられる。要約すると図10のデータは、本発明のPt/Pd触媒がCOストリッピングに関して、より高い電位を示しており、これはPtが示すよりも低いCO許容値と解釈できる。
本発明のPt/Pd触媒は、本発明の蟻酸燃料溶液で使用されるときに特に有利であるように思われる。例えば図9は、Pt/Pd表面がより高い定常状態電流を示すことを示しているが、図10は、Pt/Pd触媒がCOストリッピングに関する、より高い電位によって明らかにされたように、より低いCO許容値を持つことを示している。これは、もう一つの驚くべき有益な結果、あるいは好適なPt/Pd触媒である。この利益および他の利益は、Pt/Pd触媒がRctns.3〜5の脱水経路ではなくRctn.6の蟻酸直接型脱水素反応経路を促進することから得られると信じられる。
(例示的燃料電池3)
第3の例示的蟻酸直接型燃料電池は、本発明の燃料電池ならびにホ発明の触媒を更に例証するために製造された。第3の例示的燃料電池は、図1に模式的に示される燃料電池10と概ね一致している。便宜上、首尾一貫した要素番号が使用されるであろう。陽極12とポリマー電解質14と陰極16とを含むユニタリー膜電極アセンブリ(MEA)は、NAFION膜の背中合わせのそれぞれの側に触媒インクを直接塗布することによって製造された。活性電池面積は、約5cmであった。
触媒インクは、触媒ナノ粒子を適量のMillipore水と5%リキャストNAFIONとの溶液(1100EW、Solution Technology,Inc.)内に分散させることによって用意された。用意された例示的MEAのすべてに関して陰極16は、約7mg/cmの標準的負荷を受ける支持されていない白金黒ナノ粒子(27m/g、Johnson Matthey)から構成された。二つの異なる例示的陽極触媒は、標準のPt黒触媒(Johnson Matthey)と比較された。これら二つの例示的触媒は、自然堆積されたRu(「Pt/Ru」)の副次単層によって改質されたPt黒と自然堆積されたPd(「Pt/Pd」)の副次単層によって改質されたPt黒とである。これらの例示的触媒は、例示的燃料電池同等電気化学電池を参照しながら前述されたものと同様な仕方で、しかし支持体上に薄膜を形成するために懸濁液を支持体に塗布して懸濁液を乾燥させることをせずに、用意された。その代わりに自立型の触媒として触媒粉末が使用され、金属アイランドを自然堆積するために金属塩の溶液に曝露された。三つの触媒すべては、4mg/cmの負荷を持っていた。陰極および陽極の触媒層両者の上にカーボンクロス拡散層(E−Tek)が配置され、両サイドは水管理のためにTEFLON被覆された。
これらのMEAは最初に、80℃の最終電池温度にまでゆっくり増加させながら数個の陽極分極カーブを描くことによってメタノール/加湿H2(電池温度より10℃高い)(燃料電池陽極/陰極)を有するテスト電池内において室温で調整された。この燃料電池陰極は、この調整プロセス時に動的水素参照電極ならびに高表面積対向電極として動作した。H流量は、10psig背圧下で100scc/minであり、ガス流は、電池温度より10℃高く加湿された。メタノール(1M)は、0.5mL/minの流量で燃料電池MEAの陽極側に供給され、電気化学電池の動作電極として動作した。陽極電位は、電源(ヒューレットパッカード、モデル6033A)によって制御され、電位は5秒間隔、10mV増分でステップアップされた。
MEAは、電池電位を1〜2時間、0.6Vに保持しながら、燃料電池モードでH/O(陽極/陰極)を供給しながら80℃で更に調整された。電池電位は、燃料電池テスト・ステーション(Fuel Cell Technologies,Inc)によって制御された。H流量は200scc/minにセットされ、ガス流は電池に入る前に95℃に加湿され、30psigの背圧が印加された。O流量は100scc/minにセットされ、ガス流は90℃に加湿され、30psigの背圧が印加された。H/Oによる調整の後に、電池温度は30℃に下げられた。4Mメタノール(0.5mL/min)/O(100scc/min、40℃)による電池分極カーブが最終調整ステップとして得られた。
電池分極カーブは、0.5mL/minの流量で5M蟻酸(Aldich、96%A.C.Sグレード)によって30℃で三陽極触媒MEAの各々について得られた。Oは、40℃に加湿され、30psiの背圧下、100sccm/minの流量で陰極に供給された。寿命試験は、0.2mL/minの流量で5M蟻酸において、0.6V、0.5V、0.4V、0.3Vで取得された。Oは、40℃に加湿され、30psiの背圧下、100sccm/minの流量で陰極に供給された。電位負荷は、最初は開放回路電位から0.1Vに、それから所望の印加電位にステップアップすることによって印加された。
一酸化炭素(CO)ストリッピング循環ボルタンモグラムは、30℃で取得された。陽極は、測定時に動作電極として機能し、電位は、1mV/secの走査速度でポテンショスタット/ガルバノスタット(Solartron、モデルSI1287)によって制御された。Hは、燃料電池陰極区画室に供給され、白金/H組合せは、動的参照電極(DHE)および対向電極として動作した。H流量は、40℃に加湿され、10psigという一定の背圧下で100scc/minであった。CO吸着時に、陽極電位は、DHEに対して0.15Vに保持された。最初、アルゴン(Ar)が30psigの背圧、400scc/minで燃料電池陽極に供給され、40℃に加湿された。COは、Ar中0.1%COから表面に(400scc/min、背圧30psig、40℃加湿で)30分間、吸着された。それから陽極エンクロージャは、Arを10分間フラッシュされた。各陽極の表面積は、充填密度が1.0に等しいと仮定して、COストリッピング・ピークから決定された。
図11は、5M蟻酸燃料溶液を使用した例示的燃料電池のためのテストされた三つの触媒:Pt、Pt/Ru、Pt/Pdに関する電池分極カーブ・プロファイルに対する陽極触媒組成の影響を示す。データは、本発明の例示的触媒Pt/RuとPt/Pdが例示的燃料電池のOCPに影響を及ぼすことを示している。OCPは、白金陽極に対しては約0.71V、Pt/Ruに対しては約0.59V、Pt/Pd触媒に対しては約0.91Vであった。図11のデータはまた、Pt/Pd触媒に関しては、印加電圧が0.6Vより低くなるまで電流密度出力が観測されないPtおよびPt/Ru陽極触媒両者とは異なり、0.8V未満でかなりの電流密度出力が存在することを示している。したがって本発明の触媒を使用するこの例示的蟻酸燃料電池が同じ条件下でDMFCのOCPより約0.2V大きいOCPを与えたことは注目すべきである。PtおよびPt/Pd両者の電池分極カーブの逆方向走査に関して、より大きな電流密度が観測された。Pt/Ru触媒に関しては、順方向および逆方向走査は、基本的に同じである。下記の電流は、逆方向走査から引用されている。0.5Vにおいて、これら三つの陽極触媒における電流密度出力は、Pt(33mA/cm)、Pt/Ru(38mA/cm)、Pt/Pd(62mA/cm)であった。Pt/Ruは、最も高い負荷(より低い印加電位)で最高の電流密度を有する。0.2Vにおいて、これら電流密度出力は、Pt(187mA/cm)、Pt/Ru(346mA/cm)、Pt/Pd(186mA/cm)であった。電流密度と電力密度は、この第3の燃料電池に関して陽極のcmの単位で表されていることに留意のこと。
図11(b)では、図11(a)のデータが室温(25℃)で電力密度対印加電池電位の観点から更に処理されている。これら三つの触媒の各々について得られた最大電力密度は、Pt − 43mW/cm(0.26V)、Pt/Ru − 70mW/cm(0.26V)、Pt/Pd − 41mW/cm(0.27V)であった。例示的Pt/Pd触媒は、上述の電池電位(〜0.5V)で燃料電池を動作させるために所望の印加電位でその最大電力密度に近づいた。Pt/Ruは、最高の電力密度出力を有するが、低い電池電位(0.27V)においてだけである。本発明のこの例示的燃料電池と触媒とを僅かに約12mW/cmの最大電力密度を測定した実質的に同じ条件下のDMFCと比較することは、再び注目すべきである。
図12は、Pt触媒と、5M蟻酸燃料電池溶液を有する本発明の例示的Pt/PdおよびPt/Ru触媒とに関する陽極分極カーブを示す。この陽極分極の図は、燃料電池陽極区画室の電位が動的参照電極に対して直接参照されるという点で電池分極の図とは異なる。これは、陰極の影響を除去し、それによって陽極触媒性能の定量的解釈を容易にする。
陽極分極の結果は一般に、図11(a)の電池分極カーブから見出される結果を反映している。OCPにおける0.2Vの差を部分的に説明している、Pt触媒と比較して例示的Pt/Pd触媒上の蟻酸の酸化の開始時には0.1Vより大きい差が存在する。Pt/Ru陽極触媒上では、DHEに対して0.4V未満の電位では実質的に電流密度は存在せず、続いて0.45Vより上で活性度の急峻な増加が現れる。表4は、例示的触媒に関して数個の陽極電位における電流密度を表にしている:
Figure 2005522015
低い電位で本発明のPt/Pd触媒は、PtまたはPt/Ru触媒よりも高い電流を達成している。
好適なPt/Pd触媒が約0.2Vの電位でPt触媒の約4倍の活性度の増加を達成したことが、図12と表2とに関して注目される。これは評価し得る有益な増加であるが、図9を参照して前に論じた、第2の例示的燃料電池を使用するときに測定された約80倍の増加とはかなり異なる。この差は、これら二つの実験における陰極構成の相違によると信じられる。特に第2の例示的電池は、陽極限定(陽極反応によって制限された反応速度)であったと信じられる。したがって陽極の改良は、電池出力に直接反映された。これに対してこの第3の例示的電池は、陰極支配(陰極反応によって制限される反応速度)であったので、陽極反応の改善は第2の例示的電池ほどには電池出力に直接反映されなかったと信じられる。また酸素で動作する例示的蟻酸燃料電池を使用し、0.6Vから0.3Vの範囲の印加電池電位で例示的触媒を使用して寿命試験も行われた。結果は、図12〜15に要約されている。図13で、印加電池電位は0.6Vであった。単にPtおよびPt/Pd触媒だけがこの印加電位で評価し得る電流密度を示した。図14は、0.5Vの電池電位における寿命試験のデータを示す。本発明のPt/Pd触媒とPt/Ru触媒の両者は、Pt触媒に対して優れた性能に到達し、Pt/Pd触媒はこの電位で最も有利であった。電池電位を0.5Vに2時間保持した後の最終的なほぼ定常状態の電流密度は、Pt − 22.02mA/cm(10.30mW/cm)、Pt/Ru − 35.14mA/cm(16.44mW/cm)、Pt/Pd − 46.39mA/cm(21.71mW/cm)であった。
図15は、0.4Vの電位での寿命試験実行からのデータを示す。Pt/Pd触媒とPt/Ru触媒は再び、Pt触媒より優れていた。電池電位を0.4Vに2時間保持した後の最終的なほぼ定常状態の電流密度は、Pt − 37.44mA/cm(15.69mW/cm)、Pt/Ru − 60.61mA/cm(25.40mW/cm)、Pt/Pd − 67.32mA/cm(28.24mW/cm)であった。
最終寿命試験は0.3Vの電池電位で行われ、図16に示す結果が得られた。本発明の触媒は再び、Ptに対して有利であることが判明した。この印加電位でPt/Ru触媒は、Pt/Pdより優れていた。電池電位を0.3Vに2時間保持した後の最終的な電流密度は、Pt − 62.53mA/cm(19.36mW/cm)、Pt/Ru − 166.72mA/cm(51.35mW/cm)、Pt/Pd − 125.98mA/cm(39.14mW/cm)であった。
例示的燃料電池の動作結果は、本発明の蟻酸燃料溶液と触媒が電力アプリケーションでの使用のために大いに有望であることを示している。DMFCおよび従来技術の他の有機燃料電池より優れた多くの利点が提供される。これらの利点は、ミニまたはマイクロエレクトロニクス装置のアプリケーションで特に有用である。例えば高燃料濃度で動作する蟻酸燃料電池は、DMFCの水管理問題をこうむらないので、ポンプ、センサーなどを含むかさばる複雑な水管理システムは必要とされない。したがって本発明の蟻酸燃料電池は、DMFCよりコンパクトなサイズで有利に提供できる。また蟻酸燃料電池の開放回路電圧は、DMFCの開放回路電圧より0.2V高いので、電力管理がより容易である。本発明の蟻酸燃料電池の使用のための二、三の例示的アプリケーションは、携帯型バッテリーおよびセンサー、通信装置、制御装置などといった携帯型電子装置を含む。単一の蟻酸燃料電池の比較的低い電位のためにこれらおよび他のアプリケーションが、燃料電池10といった電池の複数個を直列接続したものを含み得ることは認められるであろう。
ここに開示された特定の実施形態と構成とは本発明を実施するための好適で最良の形態を例示するものであって、付属の請求項に記載の本発明の範囲の限定と解釈されるべきでないことが意図されている。
本発明の例示的燃料電池の概略図である。 本発明の触媒を製造する例示的方法を示す流れ図である。 本発明の第1の例示的蟻酸燃料電池に関する電池活性度と電力それぞれ対蟻酸濃度を示すデータ図表である。 本発明の第1の例示的蟻酸燃料電池の開放回路電位に対する蟻酸濃度の影響を示すデータ図表である。 第1の例示的蟻酸燃料電池に関する0.4Vにおける電流密度に対する蟻酸濃度の影響を示すデータ図表である。 第1の例示的蟻酸燃料電池の抵抗に対する蟻酸濃度の影響を示すデータ図表である。 第1の例示的蟻酸燃料電池の12M蟻酸に関する陽極分極カーブを示すデータ図表である。 例示的燃料電池同等電気化学電池における本発明の例示的触媒に関する循環ボルタンモグラムを示すデータ図表である。 例示的燃料電池同等電気化学電池における例示的触媒の反応性を示すデータ図表である。 本発明の例示的触媒に関するCOストリッピング・ボルタンメトリーを示すデータ図表である。 本発明の第3の例示的燃料電池における5M蟻酸との本発明の例示的触媒の動作を示すデータ図表である。 本発明の第3の例示的燃料電池における5M蟻酸との本発明の例示的触媒の動作を示すデータ図表である。 0.6Vにおける本発明の例示的触媒の時間依存動作を示すデータ図表である。 0.5Vにおける本発明の例示的触媒の時間依存動作を示すデータ図表である。 0.4Vにおける本発明の例示的触媒の時間依存動作を示すデータ図表である。 0.3Vにおける本発明の例示的触媒の時間依存動作を示すデータ図表である。

Claims (46)

  1. 少なくとも重量で10%の蟻酸を含有する液体燃料溶液と、
    前記液体燃料溶液が入っている陽極エンクロージャに入れられた陽極と、
    前記陽極に電気的に接続され、且つ酸化剤が入っている陰極エンクロージャに入れられた陰極と、
    前記陽極を前記陰極から分離する電解質とを含む、直接型有機燃料電池。
  2. 前記電解質は固体ポリマーの陽子交換膜を含み、前記陽極と前記陰極は前記固体ポリマー陽子交換膜の両サイド(背中合わせのそれぞれの側)に配置される、請求項1に記載の直接型有機燃料電池。
  3. 前記固体ポリマー陽子交換膜は過フルオロスルホン酸イオノマーを含む、請求項2に記載の直接型有機燃料電池。
  4. 前記電解質は前記液体燃料溶液に対して実質的に不浸透性である、請求項2に記載の直接型有機燃料電池。
  5. 前記燃料溶液は約10%と約90%(重量で)との間の蟻酸を含有する、請求項1に記載の直接型有機燃料電池。
  6. 前記燃料溶液は約25%と約65%(重量で)との間の蟻酸を含有する、請求項1に記載の直接型有機燃料電池。
  7. 前記燃料溶液は少なくとも約30%(重量で)の水を含有する、請求項6に記載の直接型有機燃料電池。
  8. 前記酸化剤は加湿空気を含み、前記蟻酸濃度は約50%と約70%(重量で)との間である、請求項1に記載の直接型有機燃料電池。
  9. 前記酸化剤は乾燥空気を含み、前記蟻酸濃度は約20%と約40%(重量で)との間である、請求項1に記載の直接型有機燃料電池。
  10. 前記陽極はCO中間体の形成を避ける直接型経路を経由した前記蟻酸の反応を促進するように構成される、請求項1に記載の直接型有機燃料電池。
  11. 前記電池は約25℃で動作するときに少なくとも約20mW/cmの電力密度を生成するように動作する、請求項1に記載の直接型有機燃料電池。
  12. 前記電池は約25℃で動作するときに少なくとも約60mW/cmの電力密度を生成するように動作する、請求項1に記載の直接型有機燃料電池。
  13. 前記電池は約25℃で動作するときに約0.7Vの電圧で少なくとも約5mA/cmの電流密度を生成するように動作する、請求項1に記載の直接型有機燃料電池。
  14. 前記電池は約25℃で動作するときに約0.7Vの電圧で少なくとも約10mA/cmの電流を生成するように動作する、請求項1に記載の直接型有機燃料電池。
  15. 前記電池は約25℃で動作するときに約0.8Vの電圧で少なくとも約5mA/cmの電流を生成するように動作する、請求項1に記載の直接型有機燃料電池。
  16. 前記陽極エンクロージャは少なくとも一つのCO通気路を有する、請求項1に記載の直接型有機燃料電池。
  17. 通気路は概ね管形状であって疎水性材料で作られ、少なくとも約0.5の長さ対直径比と約1/16インチ未満の直径とを有する、請求項16に記載の直接型有機燃料電池。
  18. 表面に第2の金属の被覆を有する金属ナノ粒子を含有する陽極触媒を更に含む、請求項1に記載の直接型有機燃料電池。
  19. 前記被覆は前記金属ナノ粒子上に個別アイランド(島)を含む、請求項18に記載の直接型有機燃料電池。
  20. 前記金属ナノ粒子はPt、Pd、Ru、Re、Ir、Au、Ag、Co、Fe、Ni、またはMnのうちの一つ以上であり、また前記被覆はPt、PdまたはRuのうちの一つ以上で作られる、請求項18に記載の直接型有機燃料電池。
  21. 前記金属ナノ粒子はPtであり、また前記被覆はPdまたはRuのうちの一つ以上である、請求項18に記載の直接型有機燃料電池。
  22. 前記陽極触媒は約0.5と約12gm/cmとの間の負荷を有する、請求項21に記載の直接型有機燃料電池。
  23. 前記被覆は厚さが約3nm以下である、請求項18に記載の直接型有機燃料電池。
  24. 前記陽極触媒は異なる表面組成とバルク組成を有する、請求項18に記載の直接型有機燃料電池。
  25. 前記陽極はCO中間体の形成なしにCOとHとへの前記蟻酸の脱水素を促進するように構成される、請求項1に記載の直接型有機燃料電池。
  26. 背中合わせの第1、第2の表面を有するポリマー電解質膜と、
    前記膜の第1の表面上に配置され、陽極エンクロージャに入れられた陽極であって、前記陽極エンクロージャには蟻酸燃料溶液が入れられており、前記蟻酸燃料溶液は約25%と約65%(重量で)との間の蟻酸濃度と少なくとも約30%(重量で)の水濃度とを有し、前記陽極はCO中間体の形成なしに前記蟻酸燃料溶液の直接型脱水素を促進するように動作する触媒を含む陽極と、
    を入れた陰極エンクロージャに入れられ、前記膜の前記第2の表面上に配置された陰極と、
    前記陽極を前記陰極に接続する電気的リンケージとを備える、直接型蟻酸燃料電池。
  27. 有機燃料を含有する直接型有機燃料電池での使用のための膜電極アセンブリであって、前記燃料電池は、第1、第2の表面と、前記第1の表面上の陽極と、前記第2の表面上にあって前記陽極に電気的に接続された陰極と、を有する固体ポリマー電解質を含んでおり、前記固体ポリマー電解質は、厚さt:
    t≧n/ζj
    を持っており、ここでCは前記陽極上の燃料濃度であり、Dは前記固体ポリマー電解質における燃料の有効拡散率であり、Kは前記固体ポリマー電解質膜内への燃料に関する分配係数の平衡定数であり、ζはファラデー定数であり、nは1モルの燃料が酸化されるときに解放される電子の数であり、j は燃料電池がそれ未満では動作しない燃料の経験的に決定されたクロスオーバー・レートである、膜電極アセンブリ。
  28. 前記固体ポリマー電解質は25℃で約30ma/cmを生成するために必要とされる量より少ない量に燃料クロスオーバーを制限するように動作する、請求項27に記載の膜電極アセンブリ。
  29. 約0℃より低い凝固点を有する液体燃料溶液と、
    前記有機液体燃料溶液が入っている陽極エンクロージャに入れられた陽極と、
    前記陽極に電気的に接続され、且つ酸化剤が入っている陰極エンクロージャに入れられた陰極と、
    前記陽極を前記陰極から分離する固体ポリマー電解質と、から構成される、燃料電池。
  30. 前記液体燃料溶液は約−5℃より低い凝固点を有する、請求項29に記載の燃料電池。
  31. 前記液体燃料溶液は約−10℃より低い凝固点を有する、請求項29に記載の燃料電池。
  32. 前記燃料溶液はメタノール、エタノール、蟻酸、蟻酸メチル、ジメトキシメタン、トリメトキシメタン、エチレングリコール、ホルムアルデヒド、グリセリン、ホルムアルデヒド、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、または他のアルコール類、エーテル類、アルデヒド類、ケトン類、またはエステル類および水のうちの一つ以上を含有する、請求項29に記載の燃料電池。
  33. 前記燃料溶液は不凍剤を含む、請求項29に記載の燃料電池。
  34. 前記不凍剤は無機酸である、請求項33に記載の燃料電池。
  35. 前記固体ポリマー電解質は25℃で約30ma/cmを生成するために必要とされる量より少ない量に前記燃料クロスオーバーを制限するように動作する、請求項29に記載の燃料電池。
  36. 前記燃料電池は直接型有機燃料電池であり、前記燃料溶液は少なくとも一つの有機物を含む、請求項29に記載の燃料電池。
  37. 前記燃料電池は水素燃料電池であり、前記燃料溶液は水素を含む、請求項29に記載の燃料電池。
  38. 少なくとも10%(重量で)の有機物を含有する液体燃料溶液と、
    前記有機液体燃料溶液が入っている陽極エンクロージャに入れられた陽極と、前記陽極に電気的に接続され且つ酸化剤が入っている陰極エンクロージャに入れられた陰極と、前記陽極と前記陰極との間にサンドイッチされた(挟まれた)固体ポリマー電解質と、を有する膜電極アセンブリであって、前記膜電極アセンブリは、厚さt:
    t≧n/ζj
    を持っており、ここでCは前記陽極上の前記燃料濃度であり、Dは前記固体ポリマー電解質における前記燃料の有効拡散率であり、Kは前記固体ポリマー電解質膜内への前記燃料に関する分配係数の平衡定数であり、ζはファラデー定数であり、nは1モルの前記燃料が酸化されるときに解放される電子の数であり、j は前記燃料電池がそれ未満では動作しない燃料の経験的に決定されたクロスオーバー・レートである膜電極アセンブリとからなる、直接型有機燃料電池。
  39. 前記燃料電池は約25℃で動作するときに、少なくとも約1mA/cmの出力電流と少なくとも約0.3Vの電圧と約12mW/cmより大きな電力密度とを生成するように動作する、請求項38に記載の直接型有機燃料電池。
  40. 前記電池は約25℃で動作するときに、少なくとも約20mW/cmの電力密度を生成するように動作する、請求項38に記載の直接型有機燃料電池。
  41. 前記液体有機燃料溶液は少なくとも約25%(重量で)の前記有機物を含み、また前記電池は約25℃で動作するときに、少なくとも約60mW/cmの電力密度を生成するように動作する、請求項38に記載の直接型有機燃料電池。
  42. Ptナノ粒子の懸濁液を用意するステップと、
    自立型金属触媒粉末を含有する金属イオン溶液に前記懸濁液を曝露することによって前記Ptナノ粒子上に厚さが約0.3nmと約3nmとの間の金属の個別形成物を自然堆積させるステップとを含む、有機燃料電池陽極触媒を製造する方法。
  43. Ptナノ粒子の懸濁液を用意するステップと、
    前記懸濁液を支持体に塗布するステップと、
    前記Ptナノ粒子の薄膜を形成するために前記懸濁液を乾燥させるステップと、
    金属イオン溶液に前記薄膜を有する前記支持体を浸漬することによって前記Ptナノ粒子上に厚さが約0.3nmと約3nmとの間の金属被覆の個別形成物を自然堆積させるステップとを含む、有機燃料電池陽極触媒を製造する方法。
  44. 前記自然堆積のステップは、1回より多く、また4回より少なく実行される、請求項43に記載の陽極触媒を製造する方法。
  45. 少なくとも第2の金属を被覆され、且つCO中間体を形成することなく、COとHへの蟻酸の脱水素を促進するように動作する金属ナノ粒子を備えており、前記第2の金属は約0.3nmと約3nmとの間の厚さに被覆される、直接型蟻酸燃料電池での使用のための陽極触媒。
  46. 前記触媒は約25℃でRHEに関して約0.27Vで約1μAcm−2より大きな電流を生成するために蟻酸を酸化するように動作可能である、請求項45に記載の陽極触媒。
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